JP6331940B2 - カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ Download PDF

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Description

本発明は、カラー液晶表示装置、及びカラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、並びにこれを用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。その他の代表的な液晶表示装置の方式としては、一対の電極を片側の基板上に設けて基板に平行な方向に電解を印加するイン・プレーン・スイッチング(IPS)方式、負の誘電異方性をもつネマチック液晶を垂直配向させるヴァーティカリー・アライメント(VA)方式、また一軸性の位相差フィルムの光軸を互いに直交させ、光学補償を行なっているオプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)方式等があり、それぞれが実用化されている。
液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高コントラスト化、高明度化の要求が高まっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
カラーフィルタに要求される品質項目としては、明度とコントラスト比が挙げられる。コントラスト比が低いカラーフィルタを用いると、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまい、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ぼやけた画面となってしまう。そのため高品質な液晶表示装置を実現するためには、高コントラスト化が不可欠である。
また、明度が低いカラーフィルタを用いると、光の透過率が低いため、暗い画面となってしまい、明るい画面とするためには、光源であるバックライトの数を増量する必要がある。そのため消費電力の増大を抑制する観点から、カラーフィルタの高明度化がトレンドとなっている。さらに、前述のようにカラー液晶装置がテレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高明度化、高コントラスト化とともに、高い信頼性の要求も高くなっている。
近年顔料で達成し得ない高コントラスト比・高明度化を実現するため、染料系の色材に注目が集まっている。中でもローダミン色素、エオシン色素等のキサンテン系色素、ジフェニルメタン等のジアリールメタン系色素、トリフェニルメタン等のトリアリールメタンメタン系色素等は色特性に優位性があることから、高明度化を達成する材料として期待されている。また染料は、溶剤下において、顔料のような粒子状態ではなく溶解状態で存在するため、光散乱等が生じず、結果的に、従来の顔料同士の組み合わせた着色組成物より、コントラスト比の高いカラーフィルタが得られることが期待されている。
しかし、染料種によっては、蛍光発光特性を示すため、コントラスト比が低くなるという問題があった。また、染料一般の特性として、顔料に比較して耐熱性・耐光性など堅牢性に劣る傾向にあり、またカラーフィルタ用着色物として好適な有機溶剤への溶解性が劣る傾向にある(特許文献1〜3)。そのため、染料を使用するに当たって、有機溶剤溶解性を付与すること、堅牢性を付与すること、蛍光を有する染料においては蛍光発光を抑制する技術が求められている。
特開2010−32999号公報 特開平6−222059号公報 特開2011−102841号公報
本発明が解決しようとする課題は、発光性色素(たとえば染料)に対し、有機溶剤への溶解性を付与すること、堅牢性を付与すること、蛍光を発する色素に対し蛍光発光を抑制すること、の3点であり、以上の課題を解決し、高明度・高コントラスト比なカラーフィルタ用着色組成物の提供を可能とすることである。
すなわち、本発明は、発光性色素(S)、消光剤(A)、及びバインダー樹脂(C)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物であって、
前記発光性色素(S)の最低空軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital;LUMO)のエネルギー準位LUMOSと、前記消光剤(A)の最低空軌道のエネルギー準位LUMOAとの差が、
0.0<|LUMOA|−|LUMOS|<2.0(eV)
の関係式を満たすことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、発光性色素(S)の最高被占軌道(Highest Occupied Molecular Orbital;HOMO)のエネルギー準位HOMOSと、消光剤(A)の最高被占軌道のエネルギー準位HOMOAとの差が、
0.0<|HOMOA|−|HOMOS|(eV)
の関係式を満たすことを特徴とする、上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、発光性色素(S)、消光剤(A)、及びバインダー樹脂(C)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物であって、
前記消光剤(A)が、下記一般式(1)〜(7)で表わされる化合物のいずれかであることを特徴とする、カラーフィルタ用着色組成物に関する。

一般式(1)

[一般式(1)中、
1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R1〜R4は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。]

一般式(2)
[一般式(2)中、
5、R6は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環基を表す。
7〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R5〜R10は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。]

一般式(3)
[一般式(3)中、
11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R11〜R14は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。]

一般式(4)
[一般式(4)中、
1は、直接結合、置換もしくは未置換の炭素原子、置換もしくは未置換の窒素原子、酸素原子、または、硫黄原子を表す。
nは、1〜5の整数を表す。
15〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R15〜R16は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。]

一般式(5)
[一般式(5)中、
2は、炭素原子、または、ケイ素原子を表す。
nは、1〜5の整数を表す。
17〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R17〜R18は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。]

一般式(6)
[一般式(6)中、
19〜R20は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R19〜R20は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。]

一般式(7)

[一般式(7)中、
21〜R32は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R21〜R32は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。]
また、発光性色素(S)が、キサンテン系化合物、またはシアニン系化合物であることを特徴とする、上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、さらに、光重合性単量体および/または光重合開始剤を含むことを特徴とする上記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、基板上に、上記カラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明により、発光性色素の、溶剤溶解性と堅牢性(耐熱性、耐光性)を付与し、蛍光発光抑制したカラーフィルタ用着色組成物を提供することができる。本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いてカラーフィルタを作成することで、高明度・高コントラスト比を有するカラーフィルタを形成することが可能となる。
以下、詳細にわたって本発明を説明する。
なお、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
<消光剤(A)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、消光剤(A)を含むことを特徴とする。
発光性色素(S)が光を吸収すると、電子が結合性軌道から反結合性軌道へと遷ることで、分子が基底状態から励起状態へと変化する。そして励起状態から若干の緩和を経た後、蛍光を発して基底状態へと戻る。この蛍光こそが、発光性色素(S)を用いて作製したカラーフィルタのコントラストを低下させる主要因である。
ここで一般的に蛍光波長は、最高被占軌道(Highest Occupied Molecular Orbital;HOMO)と最低空軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital;LUMO)とのエネルギーバンドギャップΔEに相当する。
本発明で用いる消光剤(A)を加えると、励起状態となった発光性色素(S)のLUMOから、消光剤(A)のLUMOへの、デクスター機構による分子間エネルギー移動が起こることで、発光性色素(S)からの蛍光発光が抑制される。その後、発光性色素(S)は無輻射失活により基底状態へと戻る。これにより、発光性色素(S)を用いて作製したカラーフィルタのコントラスト低下を抑制することができる。
上記メカニズムを成立させるためには、発光性色素(S)のLUMOのエネルギー準位LUMOSと、消光剤(A)のHOMOのエネルギー準位LUMOAとの差が、0.0<|LUMOA|−|LUMOS|<2.0(eV)の関係式を満たすことが条件となる。この関係式を満たさなければ、分子間エネルギー移動が起こり難いため、発光性色素(S)からの蛍光発光を抑制することができない。
また、消光剤(A)のHOMOから、励起状態となった発光性色素(S)のHOMOへの、逆エネルギー移動を抑制するため、発光性色素(S)のHOMOのエネルギー準位HOMOSと、消光剤(A)のHOMOのエネルギー準位HOMOAとの差が、0.0<|HOMOA|−|HOMOS|(eV)の関係式を満たすことが望ましい。
さらに、エネルギー準位の差は、大きすぎても小さすぎても分子間エネルギー移動が起こり難くなる。そのため好ましくは、0.05<|LUMOA|−|LUMOS|<1.0(eV)の関係式を満たすこと、より好ましくは、0.1<|LUMOA|−|LUMOS|<0.5(eV)の関係式を満たすことが望ましい。
消光剤(A)としては、下記一般式(1)〜(6)で表わされる化合物が挙げられる。
(一般式(1)で表わされる化合物)
一般式(1)
一般式(1)中、
1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R1〜R4は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。
ここで、一般式(1)におけるR1〜R4の、脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、といったアルキル基が挙げられる。
また、アルケニル基としては、エチレニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、といったアルケニル基が挙げられる。
また、アルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基、トリデシニル基、テトラデシニル基、ペンタデシニル基、ヘキサデシニル基、ヘプタデシニル基、オクタデシニル基、ノナデシニル基、イコシニル基、といったアルケニル基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、脂環式炭化水素基としては、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、などが挙げられる。
ここで、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、シクロノナニル基、シクロデカニル基、といったシクロアルキル基が挙げられる。
また、シクロアルケニル基としては、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロノネニル基、シクロデセニル基、といったシクロアルケニル基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、芳香族炭化水素基としては、単環芳香族炭化水素基、縮合環芳香族炭化水素基、環集合芳香族炭化水素基が挙げられる。
ここで、単環芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、p−クメニル基、メシチル基、といった単環芳香族炭化水素基が挙げられる。
また、縮合環芳香族炭化水素基としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、5−アンスリル基、1−フェナンスリル基、9−フェナンスリル基、1−アセナフチル基、2−アズレニル基、1−ピレニル基、2−トリフェニレル基、2−インデノ基、といった縮合環芳香族炭化水素基が挙げられる。
また、環集合芳香族炭化水素基としては、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、といった環集合芳香族炭化水素基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、脂肪族複素環基としては、2−ピラゾリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、2−モルホリニル基といった脂肪族複素環基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、芳香族複素環基としては、トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、2−フラニル基、3−フラニル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1−ピロ−リル基、2−ピロ−リル基、3−ピロ−リル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジル基、2−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、2−イミダゾリル基、3−ピラゾリル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、N−インドリル基、N−カルバゾリル基、N−アクリジニル基、2−チオフェニル基、3−チオフェニル基、ビピリジル基、フェナントロリル基、といった芳香族複素環基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、といったアルコキシ基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、といったアリ−ルオキシ基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、アルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、ヘキシルカルボニル基、といったアルキルカルボニル基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、アリールカルボニル基としては、フェニルカルボニル基、4−tert−ブチルフェニルカルボニル基、1−ナフチルカルボニル基、2−ナフチルカルボニル基、9−アンスリルカルボニル基、といったアリ−ルカルボニル基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、sec−ブチルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、といったアルコキシカルボニル基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、アリールオキシカルボニル基としては、フェニルオキシカルボニル基、4−tert−ブチルフェニルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、9−アンスリルオキシカルボニル基、といったアリ−ルオキシカルボニル基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、といったアルキルチオ基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、アリールチオ基としては、フェニルチオ基、4−tert−ブチルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、といったアリ−ルチオ基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、アミノ基としては、未置換のアミノ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−フェニル−N−メチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ビス(m−トリル)アミノ基、N,N−ビス(p−トリル)アミノ基、N,N−ビス(p−ビフェニリル)アミノ基、ビス[4−(4−メチル)ビフェニリル]アミノ基、N−α−ナフチル−N−フェニルアミノ基、N−β−ナフチル−N−フェニルアミノ基、といったアミノ基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、シリル基としては、未置換のシリル基、モノアルキルシリル基、モノアリールシリル基、ジアルキルシリル基、ジアリールシリル基、トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基、といったシリル基が挙げられる。
ここで、モノアルキルシリル基としては、モノメチルシリル基、モノエチルシリル基、モノブチルシリル基、モノイソプロピルシリル基、モノデカンシリル、モノイコサンシリル基、モノトリアコンタンシリル基、といったモノアルキルシリル基が挙げられる。
また、モノアリールシリル基としては、モノフェニルシリル基、モノトリルシリル基、モノナフチルシリル基、モノアンスリルシリル基、といったモノアリールシリルが挙げられる。
また、ジアルキルシリル基としては、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジイソプロピルシリル基、ジブチルシリル基、ジオクチルシリル基、ジデカンシリル基、といったジアルキルシリル基が挙げられる。
また、ジアリールシリル基としては、ジフェニルシリル基、ジトリルシリル基、といったジアリールシリルが挙げられる。
また、トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリオクチルシリル基、といったトリアルキルシリル基が挙げられる。
また、トリアリールシリル基としては、トリフェニルシリル基、トリトリルシリル基、といったトリアリールシリル基が挙げられる。
また、一般式(1)におけるR1〜R4の、ホスフィノ基としては、未置換のホスフィノ基、モノアルキルホスフィノ基、モノアリールホスフィノ基、ジアルキルホスフィノ基、ジアリールホスフィノ基、といったホスフィノ基が挙げられる。
ここで、モノアルキルホスフィノ基としては、モノメチルホスフィノ基、モノエチルホスフィノ基、モノブチルホスフィノ基、モノイソプロピルホスフィノ基、モノデカンホスフィノ基、といったモノアルキルホスフィノ基が挙げられる。
また、モノアリールホスフィノ基としては、モノフェニルホスフィノ基、モノトリルホスフィノ基、モノナフチルホスフィノ基、モノピレニルホスフィノ基、といったモノアリールホスフィノが挙げられる。
また、ジアルキルホスフィノ基としては、ジメチルホスフィノ基、ジエチルホスフィノ基、ジメチルエチルホスフィノ基、ジイソプロピルホスフィノ基、ジブチルホスフィノ基、ジオクチルホスフィノ基、ジデカンホスフィノ基、といったジアルキルホスフィノ基が挙げられる。
また、ジアリールホスフィノ基としては、ジフェニルホスフィノ基、ジトリルホスフィノ基、ジナフチルホスフィノ基、ピレニルフェニルホスフィノ基、といったジアリールホスフィノ基が挙げられる。
ここで、一般式(1)中のR1〜R4において、好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、スルホ基であり、より好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基であり、さらに好ましくはハロゲン原子、シアノ基である。置換基の電子求引性が高くなるほど分子のアクセプター性が向上し、分子間エネルギー移動が起こりやすくなるためである。
(一般式(2)で表わされる化合物)
一般式(2)
一般式(2)中、
5、R6は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環基を表す。
7〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R5〜R10は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。
ここで、R5〜R10における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ホスフィノ基としては、それぞれ、R1〜R4における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ホスフィノ基と同義である。
ここで、一般式(2)中のR5〜R6において、好ましくは、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基であり、より好ましくは、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは、水素原子である。
また、一般式(2)中のR7〜R10において、好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、スルホ基であり、より好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基であり、さらに好ましくはハロゲン原子、シアノ基である。置換基の電子求引性が高くなるほど分子のアクセプター性が向上し、分子間エネルギー移動が起こりやすくなるためである。
(一般式(3)で表わされる化合物)
一般式(3)
一般式(3)中、
11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R11〜R14は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。
ここで、R11〜R14における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ホスフィノ基としては、それぞれ、R1〜R4における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ホスフィノ基と同義である。
ここで、一般式(3)中のR11〜R14において、好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、スルホ基であり、より好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基であり、さらに好ましくはハロゲン原子、シアノ基である。置換基の電子求引性が高くなるほど分子のアクセプター性が向上し、分子間エネルギー移動が起こりやすくなるためである。
(一般式(4)で表わされる化合物)
一般式(4)
一般式(4)中、
1は、直接結合、置換もしくは未置換の炭素原子、置換もしくは未置換の窒素原子、酸素原子、または、硫黄原子を表す。
nは、1〜5の整数を表す。
15〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R15〜R16は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。
ここで、R15〜R16における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ホスフィノ基としては、それぞれ、R1〜R4における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ホスフィノ基と同義である。
ここで、一般式(4)中のR15〜R16において、好ましくは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基であり、より好ましくは、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基である。これら置換基の導入により主に高極性有機溶媒への溶解性が向上し、分子間エネルギー移動が起こりやすくなるためである。
(一般式(5)で表わされる化合物)
一般式(5)
一般式(5)中、
2は、炭素原子、または、ケイ素原子を表す。
nは、1〜5の整数を表す。
17〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R17〜R18は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。
ここで、R17〜R18における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ホスフィノ基としては、それぞれ、R1〜R4における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ホスフィノ基と同義である。
ここで、一般式(5)中のR17〜R18において、好ましくは、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基であり、より好ましくは、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基である。これら置換基の導入により主に低極性有機溶媒への溶解性が向上し、分子間エネルギー移動が起こりやすくなるためである。
(一般式(6)で表わされる化合物)
一般式(6)
一般式(6)中、
19〜R20は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R19〜R20は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。
ここで、R19〜R20における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ホスフィノ基としては、それぞれ、R1〜R4における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ホスフィノ基と同義である。
ここで、一般式(6)中のR19〜R20において、好ましくは、シアノ基、アミノ基、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、シアノ基、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは、シアノ基、脂肪族炭化水素基である。置換基の電子求引性が高くなるほど分子のアクセプター性が向上し、分子間エネルギー移動が起こりやすくなるためである。
(一般式(7)で表わされる化合物)
一般式(7)

一般式(7)中、
21〜R32はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R21〜R32は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。
ここで、R21〜R32における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ホスフィノ基としては、それぞれ、R1〜R4における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ホスフィノ基と同義である。
ここで、一般式(7)中のR21〜R32において、好ましくは、芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基であり、より好ましくは、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基であり、さらに好ましくは、アルコキシ基、アミノ基である。置換基が嵩高くなるほど分子のスタッキング性が低下することで溶解性が向上し、分子間エネルギー移動が起こりやすくなるためである。
さらに、一般式(1)〜(7)における、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、および、芳香族複素環基、は置換されていても良い。その場合の置換基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、ホスフィノ基、などが挙げられる。
ここで、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、ホスフィノ基としては、前述のものが挙げられる。
本発明で用いられる一般式(1)〜(6)で表わされる化合物の代表例を、以下の表1に示すが、本発明は、この代表例に限定されるものではない。


本発明の消光剤(A)の添加量としては、消光剤(A)と発光性色素(S)との重量比(A)/(S)が、0.005〜1.0の範囲であることが好ましく、さらに、0.01〜0.2の範囲であるのが最も好ましい。0.005以下では、蛍光消光効果が乏しく、コントラスト比向上効果に乏しい。1.0以上では、明度低下や感度低下を引き起こす場合がある。
<発光性色素(S)>
発光性色素(S)としては、蛍光発光する色素であれば制限されない。すなわち
蛍光を有する染料、蛍光を有する顔料であれば用いることができるが、中でも、
キサンテン系化合物(キサンテン系染料、キサンテン系レーキ顔料)、
シアニン系色素(シアニン系染料)、
アゾ系色素(アゾ系染料、アゾ系顔料)、
トリフェニルメタン系色素(トリフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系レーキ顔料)、
ジフェニルメタン系色素(ジフェニルメタン系染料、ジフェニルメタン系レーキ顔料)、
キノフタロン系色素(キノフタロン系染料、キノフタロン系顔料)、
チアジン系染料、チアゾール系染料、ジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系染料、等を用いることができる。
これらの中でも、キサンテン系色素、シアニン系色素を用いることが好ましい。
特に可視光領域において蛍光発光する色素を用いた場合、高コントラスト比のカラーフ
ィルタとする効果に優れている。
本発明において好ましく用いることのできる発光性色素(S)は、染料の形態である場合は、油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料等の各種染料のいずれかの形態を有するものであることが好ましい。
また顔料の形態であるものとしては、蛍光を有する顔料や、前記染料をレーキ化したレーキ顔料が挙げられる。色素(S)が染料の場合は油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料を用いることが色相に優れるために好ましい。
油溶性染料としては、カラーインデックスに分類される、C.I.ソルベントに分類されるもの、塩基性染料としては、同C.I.ベーシックに分類されるもの、酸性染料としては、同C.I.アシッドに分類されるもの、直接染料としては、同C.I.ダイレクトに分類されるものである。ここで直接染料は、構造中にスルホン酸基(−SO3H、−SO3Na)を有しており、本発明においては、直接染料は酸性染料として見なすものである。
以下、具体的に発光性色素(S)について説明する。
(キサンテン系色素:キサンテン系染料、キサンテン系レーキ顔料)
キサンテン系色素の場合は、透過スペクトルにおいて650nmの領域で透過率が90%以上であり、600nmの領域で透過率が75%以上、500〜550nmの領域で透過率が5%以下、400nmの領域で透過率が70%以上であるものが好ましい。より好ましくは、650nmの領域で透過率が95%以上であり、600nmの領域で透過率が80%以上、500〜550nmの領域で透過率が10%以下、400nmの領域で透過率が75%以上である。中でも、キサンテン系塩基性染料、およびキサンテン系酸性染料は、400〜450nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有している
また、キサンテン系色素の中でも、ローダミン系色素は発色性、耐性に優れているために好ましい。
[キサンテン系染料の油溶性染料としての形態]
具体的には、キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、C.I.ソルベントバイオレット10などがあげられる。
中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。
[キサンテン系染料の酸性染料としての形態]
キサンテン系染料の酸性染料(キサンテン系酸性染料)としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることが好ましい。
中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。
この中でも特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289を用いることが最も好ましい。
[キサンテン系染料の塩基性染料としての形態]
キサンテン系塩基性染料としては、C.I. ベーシック レッド 1(ローダミン6GCP)、8(ローダミンG)、C.I. ベーシック バイオレット 10(ローダミンB)、C.I. ベーシック バイオレット 11等があげられる。中でも発色性に優れる点において、C.I. ベーシック レッド 1、C.I. ベーシック バイオレット 10、C.I. ベーシック バイオレット 11を用いることが好ましい。
[キサンテン系染料のキサンテン系レーキ顔料としての形態]
キサンテン系レーキ顔料としては、C.I.ピグメント レッド 81、C.I.ピグメント レッド 81:1、C.I.ピグメント レッド 81:2、C.I.ピグメント レッド 81:3、C.I.ピグメント レッド 81:4、C.I.ピグメント レッド 81:5、C.I.ピグメント レッド 169、C.I.ピグメント バイオレット 1、C.I.ピグメント バイオレット 1:1、C.I.ピグメント バイオレット 1:2、C.I.ピグメント バイオレット 2等が挙げられる。
(シアニン系色素:シアニン系染料)
シアニン系染料は、公知のもの又は市販品を使用することが出来る。例えば、C.I.ベーシックエロー11、12、13、14、21、22、23、24、28、29、33、35、40、43、44、45、48、49、51、52、53、C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、27、35、36、37、45、48、49、52、53、66、68、C.I.ベーシックバイオレット7、15、16、20、21、39、40、C.I.ベーシックオレンジ27、42、44、46、C.I.ベーシックブルー62、63等が挙げられる。これらの中でも、溶解性が良く、発色が良好であるという点でC.I.ベーシックエロー11、13、C.I. ベーシックレッド12、13、14、15、37、C.I. ベーシックバイオレット15、16等を好適に使用出来る。
(アゾ系色素:アゾ系顔料、アゾ系系染料)
[アゾ系顔料]
アゾ顔料とはアゾ結合を有する化合物からなる顔料であり、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料に大別され、不溶性アゾ顔料はさらに、モノアゾ顔料、ジズアゾ顔料、ポリアゾ顔料、アゾメチンアゾ顔料、ナフトールアゾ顔料に大別される。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、9、10、12、13、14、15、16、17、49、55、60、61、62、63、65、73、74、75、77、81、83、87、93、94、95、97、98、100、101、104、105、106、111、113、114、116、120、124、126、127、128、130、133、150、151、152、154、155、165、167、168、169、170、172、174、175、176、180、181、182,183,191、194、205、206、209、212、214、219、C.I.ピグメントオレンジ1、2、3、4、5、13、15、16、17、19、24、31、34、36、38、46、60、62、64、67、72、74、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、38、41、48、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、52、52:1、52:2、53:1、54、57:1、58、60:1、63、64:1、68、95、112、114、119、136、144、146、147、150、164、166、170、171、175、176、178、183、184、185、187、188、193、200、208、210、211、213、214、220、221、237.238、239、242、245、247、248、251、253、256、258、262、266、268、269、C.I.バイオレット25、または50等が挙げられる。これらの中でも、ピグメントイエロー150、ピグメントレッド242、269が発色性の観点で好ましい。
[アゾ系染料]
アゾ系染料は、アゾ系酸性染料とアゾ系塩基性染料に大別される。
アゾ系酸性染料としては、例えば、C.I. アシッドレッド1、3、4、6、8、11、12、14、18、26、27、33、37、53、57、88、106、108、111、114、131、137、138、151、154、158、159、173、184、186、215、254、257、266、296、337;
C.I. アシッドオレンジ7、10、12、19、20、22、28、30、52、56、74、127;
C.I. アシッドバイオレット11、56、58;
C.I. アシッドイエロー1、17、18、23、25、36、38、42、44、54、59、72、78、151;
C.I. アシッドブラウン2、4、13、248;
C.I. アシッドブルー92、102、113、117などが挙げられる。
また、アゾ系塩基性染料としては、ベーシックレッド22、ベーシックレッド76、ベーシックイエロー57、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17等が挙げられる。これらの中でも発色性の観点からアシッドレッド254、266が好ましい。
(トリフェニルメタンおよびジフェニルメタン系色素:トリフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系レーキ顔料、ジフェニルメタン系染料、ジフェニルメタン系レーキ顔料)
ジフェニル及びトリフェニルメタン系色素の場合は、ブルー系(青色)のトリアリールメタン系塩基性染料は、400〜440nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有している。
[ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料の酸性染料としての形態]
ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料の酸性染料としては、食用青色101号(C.I.アシッド ブルー 1)、アシッドピュアブルー(C.I.アシッド ブルー 3)、レーキブルーI(C.I.アシッド ブルー 5)、レーキブルーII(C.I.アシッド ブルー7)食用青色1号(C.I.アシッド ブルー 9)、C.I.アシッド ブルー 22、C.I.アシッド ブルー 83、C.I.アシッド ブルー 90、C.I.アシッド ブルー 93、C.I.アシッド ブルー 100、C.I.アシッド ブルー 103、C.I.アシッド ブルー 104、C.I.アシッド ブルー 109を用いることが好ましい。
[ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料の塩基性染料としての形態]
トリフェニルメタン系塩基性染料、ジフェニルメタン系塩基性染料は、中心の炭素に対してパラの位置にあるNH2あるいはOH基が酸化によりキノン構造をとることによって発色するものである。
NH2、OH基の数によって以下3つの型に分けられるが、中でもトリアミノトリフェニルメタン系の塩基性染料の形態であることが良好な青色、赤色、緑色を発色する点で好ましいものである。
a)ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
b)トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
c)OH基を有するロゾール酸系塩基性染料
トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料、ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料は色調が鮮明であり、他のものよりも日光堅ロウ性に優れ好ましいものである。またジフェニルナフチルメタン塩基性染料および/またはトリフェニルメタン塩基性染料が好ましい。
具体的には、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同25(ベーシック ブルーGO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)、C.I.ベーシック バイオレット1(メチルバイオレット)、同3(クリスタルバイオレット)、同14(Magenta)等があげられる。
[ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料のレーキ顔料としての形態]
ジフェニルメタン系レーキ顔料、トリフェニルメタン系レーキ顔料として、具体的に、C.I. ピグメント ブルー 1、C.I. ピグメント ブルー 2、C.I. ピグメント ブルー 9、C.I. ピグメント ブルー 10、C.I. ピグメント ブルー 14、C.I. ピグメント ブルー 62、C.I.ピグメント バイオレット 3、C.I.ピグメント バイオレット 27、C.I.ピグメント バイオレット 39等が挙げられる。
更に好ましいものを具体的に示すと、C.I. ピグメント ブルー 1、C.I.ベーシック ブルー 26、C.I.ベーシック ブルー 7 をリンタングステン・モリブデン酸でレーキ化、C.I. ピグメント バイオレット 3、C.I.ベーシック バイオレット 1をリンタングステン・モリブデン酸でレーキ化、C.I. ピグメント バイオレット 39、C.I.ベーシック バイオレット 3(クリスタルバイオレット)をリンタングステン・モリブデン酸でレーキ化、中でもC.I. ピグメント ブルー 1を用いることが好ましい。
(キノフタロン系色素:キノフタロン系染料、キノフタロン系顔料)
キノフタロン系染料としては、Solvent Yellow 33、Solvent Yellow 98、Solvent Yellow 157、Disperse Yellow54、Disperse Yellow 160、Acid Yellow 3等のカラーインデックスで市販されている染料が挙げられる。
キノフタロン系顔料としては、C.I.Pigment Yellow138(ビー・エーエス・エフ社製パリオトールイエローK0961−HD)などが挙げられる。
なかでも発色性の観点からAcid Yellow 3、C.I.Pigment Yellow138(ビー・エーエス・エフ社製パリオトールイエローK0961−HD)が好ましい。
(チアジン系染料)
チアジン系染料としては、P−フェニレンジアミンを硫化水素の存在下で、FeCl2下で酸化して得られるLauth‘s Violet、メチレンブルー、メチレングリーンB、C.I. ベーシック ブルー9、17、24、25、ソルベント ブルー8、C.I.ベーシック グリーン5、C.I.ダイレクト レッド70等があげられる。
(チアゾール系染料)
チアゾール系染料としては、チアゾール環を有する染料をチアゾール系染料とするが、具体的には、C.I. ベーシックイエロー1、C.I. ベーシックバイオレット44、46、C.I. ベーシック ブルー116、C.I.アシッドイエロー186、同ダイレクトイエロー7、8、9、14、17、18、22、28、29、30、54、59、165、C.I.ダイレクトオレンジ18、C.I.ダイレクトレッド11、等が挙げられる。
(ジケトピロロピロール系顔料)
ジケトピロロピロール系顔料は、下記一般式(7)で表される構造の赤〜橙色の顔料である。下記一般式(7)で表されるジケトピロロピロール系顔料の具体例を示すと、C.I.Pigment Red254、255、264、272およびC.I.Pigment Orange 71、73、81が挙げられる。発色性の観点からC.I.Pigment Red254が好ましい。
一般式(7)
式中X, Y:それぞれ独立に、CN、C(CH33、CH3、Cl、C65、Hを表す。
(アントラキノン系染料)
アントラキノン系染料の具体例としては、下記の酸性染料、油溶性染料を挙げることができるが、これらに制限させるものではない。
[アントラキノン系染料の酸性染料としての形態]
アントラキノン系酸性染料としては、C.I. アシッドブルー23、25、27、35、40、41、43、45、47、49、51、53、55、56、62、68、69、78、80、81:1、11、124、127、127:1、140、150、175、215、230、277、344、C.I. アシッドバイオレット41、42、43、C.I. アシッドグリーン25、27、またはダイレクトバイオレット17等が挙げられる。
[アントラキノン系染料の油溶性染料としての形態]
アントラキノン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド172、222、C.I.ソルベントバイオレット60等が挙げられる。
<発光性色素(S)の造塩化合物、スルホン酸アミド化合物>
本発明において好ましく用いることのできる発光性色素(S)は、カラーフィルタ用着色組成物として用いた場合、一定以上の耐熱性、耐溶剤性を備えていなければならない。しかし、一般的に発光性色素(S)は、良好な分光特性を有し、発色性に優れるものの、耐熱性、耐溶剤性が悪く、また有機溶剤への溶解性が不足するためカラーフィルタ用着色組成物として使用できないという色素が多い。
ゆえに、発光性色素(S)がカチオン性基を有する場合は、アニオン性基を有する化合物と造塩させることで、また、発光性色素(S)がアニオン性基を有する場合は、カチオン性基を有する化合物と造塩させることで、耐熱性、耐溶剤性、有機溶剤への溶解性を著しく向上させることができる。また、これらの欠点を改善するために、発光性色素(S)が酸性染料、直接染料の形態の場合に、スルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることで、耐熱性、耐光性、耐溶剤性を向上させることができる。
(発光性色素(S)がアニオン性基を有する色素の場合)
発光性色素が、アニオン性基を有する色素の場合、アニオン性基を有する色素に含まれるアニオン性基としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、およびそれらの塩基などが挙げられ、耐熱性、耐溶剤性の観点からスルホン酸基、リン酸基、およびそれらの塩基であることが好ましい。(蛍光を有する)アニオン性基を有する色素としては、アニオン性基を少なくとも一つは有する色素であれば特に制限はなく使用できるが、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド254、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9、食用青色101号(C.I.アシッド ブルー 1)、アシッドピュアブルー(C.I.アシッド ブルー 3)、レーキブルーI(C.I.アシッド ブルー 5)、レーキブルーII(C.I.アシッド ブルー7)食用青色1号(C.I.アシッド ブルー 9)、C.I.アシッド ブルー 22、C.I.アシッド ブルー 83、C.I.アシッド ブルー 90、C.I.アシッド ブルー 93、C.I.アシッド ブルー 100、C.I.アシッド ブルー 103、C.I.アシッド ブルー 104、C.I.アシッド ブルー 109、C.I.ダイレクトレッド70、C.I.アシッドイエロー186、同ダイレクトイエロー7、8、9、14、17、18、22、28、29、30、54、59、165、C.I.ダイレクトオレンジ18、C.I.ダイレクトレッド11などが挙げられる。C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド254は色相および発色性の観点でより好ましい。
発光性色素(S)が、アニオン性基を有する色素である場合は、カチオン性基を有する化合物と造塩をすることで造塩化合物の形態として用いることが出来る。
(発光性色素(S)がカチオン性基を有する色素の場合)
蛍光を有するカチオン性基を有する色素としては、少なくとも1つのカチオン性基を有する色素であれば、公知の色素化合物から選択する事ができる。一例としては、C.I. ベーシック レッド 1(ローダミン6GCP)、8(ローダミンG)、C.I. ベーシック バイオレット 10(ローダミンB)、C.I. ベーシック バイオレット 11、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同25(ベーシック ブルーGO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)、 C.I.ベーシック バイオレット1(メチルバイオレット)、同3(クリスタルバイオレット)、同14(Magenta)、Lauth‘s Violet、メチレンブルー、メチレングリーンB、C.I. ベーシック ブルー9、同17、同24、同25、C.I. ベーシックイエロー1、C.I. ベーシックバイオレット44、同46、C.I. ベーシック ブルー116、C.I.ベーシックエロー11、12、13、14、21、22、23、24、28、29、33、35、40、43、44、45、48、49、51、52、53、C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、27、35、36、37、45、48、49、52、53、66、68、C.I.ベーシックバイオレット7、15、16、20、21、39、40、C.I.ベーシックオレンジ27、42、44、46、C.I.ベーシックブルー62、63などが挙げられる。C.I. ベーシック バイオレット 10(ローダミンB)、C.I. ベーシック バイオレット 11、C.I.ベーシックレッド12、C.I.ベーシック ブルー 7が色相、発色性の観点でより好ましい。
発光性色素(S)が、カチオン性基を有する色素である場合は、アニオン性基を有する化合物と造塩をすることで造塩化合物の形態として用いることが出来る。
その場合、アニオン性基を有する化合物としては、下記一般式(6)で示されるアニオン性基を有するビニル系樹脂あるいは、フッ素基含有リンアニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、シアノ基含有窒素アニオン、スルホン酸基含有窒素アニオン、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基、有機酸、無機酸を有するものが好ましい。
なかでも、フッ素基含有ホウ素アニオンを用いることが好ましい。また、有機酸、無機酸を用いて造塩化することも好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸を用いることが好ましく、中でもナフタレンスルホン酸を用いることが好ましい。とりわけトビアス酸が好ましい。また無機酸としては、過塩素酸を用いることが特に好ましい。
[フッ素基含有ホウ素アニオン]
フッ素基含有ホウ素アニオンとしては、BF4 - 、(CF3 4 - 、(CF3 3 BF- 、(CF3 2 BF2 - 、(CF3 )BF3 - 、(C2 5 4 - 、(C2 5 3 BF- 、(C25 )BF3 - 、(C2 52 B F2 - 、(CF3 )(C2 52 BF- 、(C6 54 - 、[(CF3 2634 - 、(CF364 4- 、(C652 BF2 - 、(C6 5 )BF3 - 、(C6 3 24- 、B(CN)4 - 、B(CN)F3 - 、B(CN)22 -、B(CN)3 - 、(CF3 3 B(CN)- 、(CF32 B(CN)2 - 、(C2 5 3 B(CN)- 、(C2 5 2B(CN)2 - 、(n−C373 B(CN)- 、(n−C49 3 B(CN)- 、(n−C492 B(CN)2 - 、(n−C63 3 B(CN)- 、(CHF23 B(CN) - 、(CHF2 2 B(CN)2 - 、(CH2 CF3 3 B(CN)- 、(CH2 CF32 B(CN)2 - 、(CH22 5 3 B(CN)- 、(CH2252 B(CN)2 - 、(CH2 CH2 372 B(CN)2 - 、(n−C3 7 CH22 B(CN)2 - 、(C65 3 B(CN)- 等が挙げられる。中でも、BF4 - 、B(CN)3 - 、(CF3 4- 、(C654-、[(CF3 26 3 4 - が好ましい。
[フッ素基含有リンアニオン]
フッ素基含有リンアニオンとしては、PF6- 、(CF33 PF3 - 、(C2 52PF4 - 、(C25 3 PF3 - 、[(CF32 CF]2 PF4 - 、[(CF32 CF]3 PF3ー、(n−C372 PF4 - 、(n−C37 3 PF3 - 、(n−C49 3 PF3 - 、(C2 5 )(CF32 PF3 - 、[(CF32 CFCF22 PF4 - 、[(CF3 2 CFCF23 PF3 - 、(n−C4 92 PF4 - 、(n−C493 PF3 - 、(C2 4 H)(CF3 2 PF3 - 、(C232 3 PF3 - 、(C25 )(CF32 PF3 - 等が挙げられる。中でも、PF6 - 、(C25 2 PF4 - 、(C25 3 PF3 - 、(n−C373 PF3 - 、(n−C49 3 PF3 - 、[(CF3 2 CF]3 PF3 - 、[(CF3 2 CF]2 PF4 - 、[(CF32 CFCF2 3 PF3 - 、[(CF3 2 CFCF2 2 PF4 - が好ましい。
[シアノ基含有窒素アニオン]
シアノ基含有窒素アニオンとしては、[(CN)2 N]- 、[(FSO22 N]- 、[(FSO2 )N(CF3 SO2 )]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N{(CF3 2 CFSO2 }]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 CF2 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N{(CF32 CFCF2 SO2 }]- 、[(FSO2 )N{CF3 CF2 (CF3 )CFSO2 }]- 、[(FSO2 )N{(CF3 3 CSO2 }]- 等が挙げられる。中でも、[(CN)2 N]- が特に好ましい。
[ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基]
ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基としては、特に限定されるものではないが、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸としては、例えば、ハロゲン化炭化水素基を有するスルホン酸(−SO3 H)、スルホンイミド酸(−SO2 NHSO2 −)等を挙げることができ、具体的には下記に示す化合物を挙げることができる。
[一般式(6)で示されるアニオン性基を有するビニル系樹脂]
アニオン性基を有する化合物として、下記一般式(6)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を好適に用いることができる。中でもアクリル系樹脂が好ましく用いられる。
一般式(6)
一般式(6)中、R56は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。Tは置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−CONH−R57−、または−COO−R57−を表し、R57は置換もしくは無置換のアルキレン基を表す。S-は、―SO3 -、または−COO-を表す。U+は無機または有機のカチオンを表す。
56におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
56で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシル基等が挙げられる。上記の中でも、R56としては、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
一般式(6)中におけるS-は、−SO3 -又は−COO-を表し、耐熱性の観点で−SO3 -がより好ましい。
一般式(6)中、アクリル部位とS-を連結するTの成分はアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R57−、−COO−R57−を表し、R57はアルキレン基を表すが、中でも、重合性、入手性の理由から、−CONH−R57−、−COO−R57−であることが好ましい。また、R57がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
一般式(6)中におけるU+の成分は、無機または有機のカチオンを表し、公知のものが制限なく採用できる。Uとして具体的には、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム化合物等が挙げられる。その際、アルカリ金属は、ナトリウム、カリウムであり、アルカリ土類金属は、カルシウム、マグネシウムであることが好ましい。また、アンモニウム化合物とは、NH4+または、そのHを炭化水素基などで置換した化合物のことである。
本発明の好ましい様態である下記一般式(6)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るには、スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有するモノマーを単量体成分として共重合する方法が挙げられる。
以下に、一般式(6)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るために使用可能なスルホン酸基、もしくはカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の具体例を示す。
[カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体]
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられ、また、カルボキシル基を有するモノマーとしては、カルボン酸無水物基を有するモノマーも含まれ、カルボン酸無水物基を有するモノマーとしては、無水マレイン酸、及び無水イタコン酸等が挙げられる。
[スルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体]
スルホン酸基を有するモノマーは、式(IV)のモノマーおよびその水溶性塩、殊にアルカリ金属塩、例えばカリウムおよび、殊に有利には、ナトリウム塩、およびアンモニウム塩である。
式(IV)
58(R59)C=C(R60)−X−SO3
[式(IV)中、R58、R59およびR60は、互いに無関係に、−H、C原子1〜12個を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、直鎖または分岐鎖のC原子2〜12個を有するモノ不飽和またはポリ不飽和のアルケニル基(その際、後者の2個の基は非置換であるか、または1個以上の基−NH2、−OHまたは−COOHによって置換されている)、−COOHまたは−COOR61であり、またR58はXSO3Hであり;R61は、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖のC原子1〜12個を有する炭化水素であり;Xは、単結合、n=1〜4である−(CH2)n−、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、−CH2−O−フェニレン(好ましくは1,4)、−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−、k=1〜6である−COO−(CH2)k−、−CO−NH−、m=0〜3である−CO−NH−CR'R''−(CH2)mまたは−CO−NH−CH2−CH(OH)−CH2−であり;R'は、−H、−CH3または−C25でありかつR''は、−Hまたは−CH3である。]
スルホン酸基を有するモノマーのなかでとりわけ有利なのは、式(IVa)、(IVb)および/または(IVc)のモノマーである。
2C=CH−X−SO3H (IVa)
2C=C(CH3)−X−SO3H (IVb)
HO3S−X−(R62)C=C(R63)−X−SO3H (IVc)
[式中、R62およびR63は、互いに無関係に、−H、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3または−CH(CH32でありかつXは、単結合、n=1〜4の−(CH2)n−、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、−CH2−O−フェニレン(好ましくは1,4)、−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−、k=1〜6の−COO−(CH2)k−、−CO−NH−、m=0〜3の−CO−NH−CR'R''−(CH2)m−または−CO−NH−CH2−CH(OH)−CH2−であり;R'は、−H、−CH3または−C25でありかつR''は、−Hまたは−CH3である。]
極めて有利なスルホン酸基含有モノマーは、1−アクリルアミド−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシ−プロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸(2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸)、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、3−スルホプロピルアクリレート、2−スルホエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミドならびに挙げられた酸の水溶性の塩およびエステルであって、その際、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の形態であること、殊にNa塩およびK塩の形態であることが有利である。
殊に有利なスルホン酸基を有するモノマーは、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、または2−ソジウムスルホエチルメタクリレートである。
[その他共重合可能なエチレン性不飽和単量体]
その他、用いることのできるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
このようなモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、スチレン、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、または、(メタ)アクリル酸ベンジルが好ましく、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリルまたはスチレンが、造塩化合物を使用した着色組成物の保存安定性の観点でより好ましい。
[その他共重合可能な熱架橋性官能基を含むエチレン性不飽和単量体]
熱架橋性官能基を含むエチレン性不飽和単量体を共重合させることで、カラーフィルタの製造における加熱工程において、熱架橋製官能基を有するアクリル樹脂同士、またはバインダー樹脂との架橋を形成する。それにより強固な被膜が形成され、塗膜の色変化を防ぐ、すなわち耐熱性を向上させることができ、また、耐溶剤性も向上する。
上記熱架橋性官能基の好適な構造としては特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基、1級または2級アミノ基、イミノ基、オキセタニル基、t−ブチル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アリル基、(メタ)アクリル基等が挙げられる。
中でもカラーフィルタ用着色組成物という用途における保存安定性や他の材料との反応性の観点から、ヒドロキシル基、オキセタニル基、t−ブチル基、イソシアネート基、(メタ)アクリル基が好ましく、特にヒドロキシル基を有していることが好ましい。
本発明に用いる、アニオン性基を有するビニル系樹脂中の熱架橋性官能基をアニオン性基を有するビニル系樹脂に導入する1つの方法は、熱架橋性官能基を有するエチレン性不飽和単量体を、一般式(6)で表されるアニオン性基に対応するエチレン性不飽和単量体と共重合する方法である。
ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、特に限定されないが、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、2−ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレートまたはこれらモノマーのカプロラクトン付加物(付加モル数は1〜5が好ましい)などが挙げられる。
オキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタンなどが挙げられる。
t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレートなどが挙げられる。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽単量体としては、例えば、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、4−イソシアネートブチルメタクリレート、4−イソシアネートブチルアクリレートなどが挙げられる。
本発明におけるイソシアネート基としては、ブロックイソシアネート基も含まれ、好ましく使用することができる。ブロックイソシアネート基とは、通常の条件では、イソシアネート基を他の官能基で保護することにより該イソシアネート基の反応性を抑える一方で、加熱により脱保護し、活性なイソシアネート基を再生させることができるイソシアネートブロック体のことを示す。
このようなブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体の市販品としては、例えば、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート(カレンズMOI−BP,昭和電工製);メタクリル酸 2-(0-[1'-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM,昭和電工製)などが挙げられる。
また、ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、市販品を使用できるほか、公知の方法で調製して使用することもできる。例えば、エチレン性不飽和結合を有しているイソシアネート化合物とブロック剤とを溶媒中0〜200℃程度の温度で撹拌し、濃縮、濾過、抽出、晶析、蒸留等の公知の分離精製手段を用いて分離することにより得ることができる。
本発明に用いるアニオン性基を有するビニル樹脂中の熱架橋性官能基をアクリル樹脂に導入する他の方法は、アクリル樹脂を得た後に、該アクリル樹脂が有する官能基に、前記官能基に対し反応し得る官能基と熱架橋性官能基を有する化合物を反応させる方法である。例えば、カルボキシル基を有するアクリル樹脂中のカルボキシル基に、グリシジル基を有するエチレン性不飽和単量体のグリシジル基を反応させることで、熱架橋性官能基として(メタ)アクリロイル基を有するアクリル樹脂を得ることができる。
上記熱架橋性官能基は樹脂中に少なくとも一種類含まれている必要があり、二種類以上含まれていてもよい。
本発明に好適な下記一般式(6)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得る方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち、フリーラジカル重合またはリビングラジカル重合が好ましい。
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、更には、重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成できる。
中でも、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1〜8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明に好適な下記一般式(6)で表される構造単位を含むビニル系樹脂中に存在するスルホン酸基およびカルボキシル基を有する構造単位の合計が、共重合組成の合計100重量%のうち2〜50重量%を含む共重合体であることが好ましく、より好ましくは、5〜35重量%を含む共重合体であることが好ましい。
本発明に使用される下記一般式(6)で表される構造単位を含むビニル系樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることがより好ましい。
また、本発明に好適な下記一般式(6)で表される構造単位を含むビニル系樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤に溶解する特性を有することが好ましい。これにより異物発生のない塗膜を得ることができる。特に、グリコールアセテート類、中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することが好ましい。
(発光性色素(S)の塩形成)
本発明の造塩化合物は、蛍光を有するアニオン性基を有する色素を溶解させた水溶液と、カチオン性基を有する化合物を攪拌または振動させるか、あるいは、蛍光を有するアニオン性基を有する色素の水溶液と、カチオン性基を有する化合物の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、造塩化合物を容易に得ることができる。
水溶液中で、アニオン性基を有する色素のアニオン性基とカチオン性基を有する化合物のカチオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり造塩化合物が析出する。析出してこない場合は、適宜貧溶剤中に、反応液(アニオン性基を有する色素水溶液と、カチオン性基を有する化合物の水溶液の混合液)を攪拌しながら落とすことで析出物を得ることができる。
また、カチオン性基を有する化合物の対アニオンとアニオン性基を有する色素の対カチオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用するカチオン性基を有する化合物、および蛍光を有するアニオン性基を有する色素は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
また、本発明の造塩化合物は、蛍光を有するカチオン性基を有する色素を溶解させた水溶液と、アニオン性基を有する化合物を攪拌または振動させるか、あるいは、蛍光を有するカチオン性基を有する色素の水溶液と、アニオン性基を有する化合物の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、造塩化合物を容易に得ることができる。
水溶液中で、カチオン性基を有する色素のカチオン性基とアニオン性基を有する化合物のアニオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり造塩化合物が析出する。析出してこない場合は、適宜貧溶剤中に、反応液(カチオン性基を有する色素水溶液と、アニオン性基を有する化合物の水溶液の混合液)を攪拌しながら落とすことで析出物を得ることができる。また、アニオン性基を有する化合物の対カチオンとカチオン性基を有する色素の対アニオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用するアニオン性基を有する化合物、および蛍光を有するカチオン性基を有する色素は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
本発明の造塩化合物は、水溶液中でカチオン性基を有する化合物と蛍光を有するアニオン性基を有する色素を混合し、カチオン性基を有する化合物の対アニオンと(蛍光を有する)アニオン性基を有する色素の対カチオンとからなる塩を除去してなる化合物であること、もしくは、水溶液中でアニオン性基を有する化合物と、蛍光を有するカチオン性基を有する色素とを混合し、アニオン性基を有する化合物の対カチオンと、蛍光を有するカチオン性基を有する色素の対アニオンとからなる塩を除去してなる化合物であることが、耐熱性、保存安定性の観点で好ましい。造塩化合物中に塩形成で生じた副生物(例えばNaCl)などが存在する場合は、着色組成物中で造塩化合物の耐熱性が悪くなる場合がある。
塩形成時に使用する水溶液として、カチオン性基を有する化合物、および蛍光を有するアニオン性基を有する色素を溶解させるため、もしくは、アニオン性基を有する化合物、および蛍光を有するカチオン性基を有する色素を溶解させるための溶媒として、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量(100重量%)中、5〜90重量%用いることが好ましく、5〜20重量%用いることが最も好ましい。
カチオン性基を有する化合物と、蛍光を有するアニオン性基を有する色素との比率は、カチオン性基を有する化合物の全カチオンユニットと、蛍光を有するアニオン性基を有する色素の全アニオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
また、アニオン性基を有する化合物と、蛍光を有するカチオン性基を有する色素との比率は、アニオン性基を有する化合物の全アニオンユニットと蛍光を有するカチオン性基を有する色素の全カチオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
(酸性染料のスルホン酸アミド化合物)
発光性色素(S)に好ましく用いることのできる酸性染料のスルホン酸アミド化合物は、−SO3H、−SO3Naを有する酸性染料を常法によりクロル化して、−SO3Hを−SO2Clとし、この化合物を、−NH2基を有するアミンと反応して製造することができる。
また、スルホンアミド化において好ましく使用できるアミン化合物としては、具体的には、2−エチルへキシルアミン、ドデシルアミン、3−デシロキシプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、シクロへキシルアミン等を用いることが好ましい。
一例をあげると、C.I.アシッドレッド289を3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用いて変性したスルホン酸アミド化合物を得る場合は、C.I.アシッドレッド289をスルホニルクロリド化した後、ジオキサン中で理論当量の3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンと反応させてC.I.アシッドレッド289のスルホン酸アミド化合物を得ればよい。また、C.I.アシッドレッド52を3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用いて変性したスルホン酸アミド化合物を得る場合も、C.I.アシッドレッド52をスルホニルクロリド化した後、ジオキサン中で理論当量の3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンと反応させてC.I.アシッドレッド52のスルホン酸アミド化合物を得ればよい。
発光性色素(S)が、アニオン性基を有する色素である場合は、カチオン性基を有する化合物と造塩をすることで造塩化合物の形態として用いることが出来る。その場合、カチオン性基を有する化合物としては、下記一般式(7)で表わされる化合物を用いることが出来る。
一般式(7)
一般式(7)中、R1〜R4 は、各々独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R1〜R3のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Y-は無機または有機のアニオンを表す。
ここでいう、置換基、アルキル基、アルケニル基、アリール基は、前述の<置換基群A>の項で述べたものと同様である。
一般式(7)で表される化合物(四級アンモニウム塩化合物)の好ましい形態は、無色、または白色を呈するものである。ここで無色、または白色とは、いわゆる透明な状態を意味し、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において、透過率が95%以上、好ましくは98%以上となっている状態と定義されるものである。すなわち染料成分の発色を阻害しない、色変化を起こさないものである必要がある。
四級アンモニウム塩化合物のカウンタとなるカチオン部分の分子量は190〜900の範囲であることが好ましい。ここでカチオン部分とは、下記一般式(1)中の(NR1234+の部分に相当する。分子量が190よりも小さいと耐光性、耐熱性が低下して
しまい、さらに溶剤への溶解性が低下してしまう場合がある。また分子量が900よりも大きくなると分子中の発色成分の割合が低下するために、発色性が低下し、明度も低下してしまう場合がある。より好ましくはカチオン部分の分子量が240〜850の範囲であり、特に好ましいのは350〜800の範囲である。
ここで分子量は構造式を基に計算を行ったものであり、Cの原子量を12、Hの原子量を1、Nの原子量を14とした。
一般式(7)中のR1〜R4の少なくとも2つ以上の側鎖のCの数を5〜20個とすることで、溶剤に対する溶解性が良好なものとなる。R1〜R4のうちCの数が5より小さいアルキル基が3つ以上になると溶剤に対する溶解性が悪くなり、塗膜異物が発生しやすくなってしまう。また側鎖にCの数が20を超えてしまうアルキル基が存在すると造塩化合物の発色性が損なわれてしまうことがある。
四級アンモニウム塩化合物のアニオンを構成するY-の成分は、無機または有機のアニオンであればよいが、ハロゲンであることが好ましく、塩素であることがより好ましい。
このような四級アンモニウム塩化合物として具体的には、テトラメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が74)、テトラエチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が122)、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が312)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が550)、トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が788)、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が284)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が368)、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が270)、モノラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が228)、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が382)、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が536)、トリアミルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が318)、トリヘキシルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が360)、トリオクチルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が444)、トリラウリルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が612)、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が388)、及びベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が248)、またはジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド(硬化牛脂)(カチオン部分の分子量が438〜550)等を用いることが好ましい。
製品としては、花王社製のコータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、サニゾールC、サニゾールB−50等、ライオン社製のアーカード210−80E、2C−75、2HT−75、2HTフレーク、2O−75I、2HP−75、または2HPフレーク等があげられ、中でもコータミンD86P(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド)、またはアーカード2HT−75(ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド)等が好ましいものである。
また、カチオン性基を有する化合物として、4級アンモニウム塩などカチオン性基構造単位含むアクリル樹脂を使用しても良い。カチオン性基構造単位含むアクリル樹脂は、アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体もしくはアミノ基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合して作製したアクリル樹脂である。
以下に、本発明のカチオン性基構造単位含むアクリル樹脂を作成するのに好適なエチレン性不飽和単量体を示す。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」、のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」、と記載することがある。同様に、「アクリロイル、メタクリロイル」のいずれか或いは双方を示す場合、「(メタ)アクリロイル」と記載することがある。
[アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体]
アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリロ
イルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリロイルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
[アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体]
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(
メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミドが挙げられ、ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ジアリルメチルアミン、ジアリルアミン等のジアリルアミン化合物、N−ビニルピロリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等のアミノ基含有芳香族ビニル系単量体が挙げられる。
[その他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体]
その他、用いることのできるモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
カチオン性基構造単位含むアクリル樹脂中に存在するアンモニウム塩基の量は、特に限定されるものではないが、樹脂のアンモニウム塩価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることがより好ましい。
樹脂のアンモニウム塩価が、上記範囲を満たすためには、4級アンモニウム塩基を有する構造単位の好ましい含有量は、樹脂を構成する構造単位の合計100重量%のうち2〜50重量%を含む共重合体であることが好ましく、より好ましくは、10〜40重量%を含む共重合体であることが好ましい。
本発明に使用されるカチオン性基構造単位含むアクリル樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることがより好ましい。
また、本発明に好適なカチオン性基構造単位含むアクリル樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤に溶解する特性を有することが好ましい。これにより異物発生のない塗膜を得ることができる。特に、グリコールアセテート類、中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することが好ましい。
<その他の着色剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤として、発光色素(S)の他に、さらに、その他の着色剤を併用して用いてもよい。その他の着色剤としては、染料、または有機顔料である。
(有機顔料(G))
その他の着色剤と併用する場合には、中でも有機顔料(G)を用いることが色相の調整、および耐性向上のために好ましい。発光性色素(S)と有機顔料(G)とを併用する場合、発光性色素(S)と有機顔料(G)との使用割合は、有機顔料(G)100重量部に対し発光性色素(S)が1〜80重量部であることが好ましい。より好ましくは5〜60重量部である。発光性色素(S)の添加量がこの範囲にある場合、色相、および再現可能な色度領域も優れた組成物とすることができる。
併用する顔料としては、各色のフィルタセグメントごとに下記のものが用いられる。
[赤色フィルタセグメントを形成する顔料]
赤色フィルタセグメントを形成する赤色顔料としては、以下に述べる赤色顔料、または赤色染料を併用して用いることができる。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、149、166、168、169、176、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、221、242、246、254、255、264、268、269、270、272、273、274、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、または287等が用いられる。中でもC.I.ピグメントレッド177、242、254、269を用いることが好ましい。
赤色フィルタセグメント形成のためには、さらに、黄色または橙色顔料を併用しても良い。黄色または橙色顔料としては、以下に述べる黄色顔料、橙色顔料等が挙げられる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または、221等が用いられる。橙色顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ38、43、71、または73等が用いられる。
これらの顔料は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明における赤色フィルタセグメントに用いられる着色剤として有機顔料(G)と併用して用いる場合、色再現域・耐性などの観点から、赤色顔料または橙色顔料と発光性色素(S)とを併用することが好ましい。本発明に使用する赤色顔料または橙色顔料としては、明度、コントラスト比の観点から、C.I.ピグメントレッド254、177、242、269またはC.I.ピグメント オレンジ38が特に好ましい。これらの有機顔料と発光性色素(S)とを併用して用いることで、明度・コントラスト比・耐性いずれにも優れた赤色着色組成物の提供が可能となる。
[青色フィルタセグメントを形成する顔料]
青色フィルタセグメントを形成する顔料としては、青色顔料として、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、1:3、2、2:1、2:2、3、8、9、10、10:1、11、12、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、18、19、22、24、24:1、53、56、56:1、57、58、59、60、61、62、64等の青色顔料、および/またはC.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
本発明における青色フィルタセグメントに用いられる着色剤として有機顔料(G)と併用して用いる場合、色再現域・耐性などの観点から、青色顔料と発光性色素(S)とを併用することが好ましい。本発明に使用する青色顔料としては、明度、コントラスト比の観点から、C.I.ピグメント ブルー15:1、15:6が特に望ましく、また発光性色素(S)としては、ローダミン系色素、トリフェニルメタン系色素を用いることが好ましい。これらの有機顔料と発光性色素(S)とを併用して用いることで、明度・コントラスト比・耐性に優れた青色着色組成物の提供が可能となる。
[緑色フィルタセグメントを形成する顔料]
緑色フィルタセグメントを形成する顔料としては、C.I.ピグメント グリーン7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができる。中でもC.I.ピグメントグリーン36、58を用いることが好ましい。
また緑色着色組成物には、C.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等の黄色顔料を併用することができる。
これらの中でも、C.I.ピグメント イエロー138、150等を用いることが好ましい。
本発明における緑色フィルタセグメントに用いられる着色剤として有機顔料(G)と併用して用いる場合、色再現域・耐性などの観点から、緑色顔料と発光性色素(S)とを併用することが好ましい。本発明に使用する緑色顔料としては、明度、コントラスト比の観点から、C.I.ピグメント グリーン36、58が特に望ましく、また発光性色素(S)としては、黄色を呈する染料が好ましく、特にキノリン系色素を用いることが好ましい。これらの有機顔料と発光性色素(S)とを併用して用いることで、明度・コントラスト比・耐性に優れた緑色着色組成物の提供が可能となる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物において、全不揮発成分に対する着色剤濃度は、充分な色再現性を得る観点から10〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは15〜85重量%であり、最も好ましくは20〜80重量%である。着色剤成分の濃度が、10重量%未満になると、十分な色再現性を得ることができない場合があり、90重量%を超えるとバインダー樹脂などの着色剤担体の濃度が低くなり、着色組成物の安定性が悪くなる場合がある。
(顔料の微細化)
本発明で併用してもよい有機顔料(G)は、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化することができる。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式または連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料の全重量100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料の全重量100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料の全重量100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
顔料をソルトミリング処理(微細化)する際に、同時に本発明の発光性色素(S)を添加することも好ましいものである。顔料を微細化する際に、共に添加することで良好な着色剤とすることができる。
(染料)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物の着色剤として、さらに染料を使用しても良い。着色剤に使用可能な染料としては、特に限定されるものではなく、公知の染料を使用することができる。例えば、油溶性染料、酸性染料、酸性染料のアミン塩や酸性染料のスルホンアミド誘導体などが挙げられる。目的とする分光に合わせて、染料種を選択することができる。
前記の染料としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)で染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている
公知の染料が挙げられる。
具体的には、C.I.ソルベントイエロー4(以下、C.I.ソルベントイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、162、C.I.ソルベントレッド45、49、125、130、C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56、62、C.I.ソルベントブルー35、37、59、67、C.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35などが挙げられる。
またC.I.アシッド染料として、C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251、C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、66、73、80、87、88、91、92、94、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、182、183、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、195、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、394、401、412、417、418、422、426、C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173、C.I.アシッドブルー1、7、9、15、18、23、25、27、29、40、42、45、51、62、70、74、80、83、86、87、90、92、96、103、112、113、120、129、138、147、150、158、171、182、192、210、242、243、256、259、267、278、280、285、290、296、315、324:1、335、340、C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、17、19、C.I.アシッドグリーン1、3、5、9、16、25、27、50、58、63、65、80、104、105、106、109などの染料が挙げられる。
またC.I.ダイレクト染料として、C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141、C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250、C.I.ダイレクトオレンジ34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107、C.I.ダイレクトブルー57、77、80、81、84、85、86、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、166、167、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、196、198、199、200、207、209、210、212、213、214、222、228、229、237、238、242、243、244、245、247、248、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275、293、C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104、C.I.ダイレクトグリーン25、27、31、32、34、37、63、65、66、67、68、69、72、77、79、82などの染料が挙げられる。
さらに、C.I.モーダント染料として、C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65、C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、30、32、33、36、37、38、39、41、43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、94、95、C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48、C.I.モーダントブルー1、2、3、7、8、9、12、13、15、16、19、20、21、22、23、24、26、30、31、32、39、40、41、43、44、48、49、53、61、74、77、83、84、C.I.モーダントバイオレット1、2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53、58、C.I.モーダントグリーン1、3、4、5、10、15、19、26、29、33、34、35、41、43、53などの染料が挙げられる。
また、着色剤に使用するのに好適な染料としては、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、シアニン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、スクワリリウム染料及びフタロシアニン染料などが挙げられる。
<バインダー樹脂(C)>
本発明におけるバインダー樹脂は、着色剤を分散するものであって、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の透明樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型感光性着色組成物の形態で用いる場合には、酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性置換基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性置換基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性置換基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性置換基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(i)や(ii)の方法によりエチレン性不飽和二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ−バレロラクトン、ポリε−カプロラクトン、及び/又はポリ12−ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールメタアクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
着色剤を好ましく分散させるためには、樹脂の重量平均分子量(Mw)は10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
また、着色剤の分散性、安定性、現像性、及び耐熱性の観点から、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶性基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料の分散性、塗膜における現像液浸透性、未硬化部分の現像液溶解性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。また300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる場合がある。
樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤の全重量100重量部に対して、30重量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量部以下の量で用いることが好ましい。より好ましくは100〜400重量部。さらに好ましくは160〜320重量部である。このような顔料の構成比率により色度領域を広げることができる。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させる。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
有機溶剤としては、例えば、乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
中でも、着色剤の分散性、浸透性、および着色組成物の塗布性が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤100重量部に対して、500〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
<光重合性単量体>
本発明の着色組成物に添加しても良い光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体の配合量は、着色剤100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤の含有量は、着色剤100重量部に対し、2〜200重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から3〜150重量部であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明の着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<酸化防止剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2'−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2'−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2'チオジエチルビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2'−メチル−4'−ヒドロキシ−5'−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2'−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N′−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4'イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
ベンゾフェノン系酸化防止剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また酸化防止剤の含有量は、カラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分重量を基準として、0.5〜5.0重量%の場合、明度、感度が良好であるためより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明の着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<着色組成物の製造方法>
本発明の着色組成物は、着色剤を、バインダー樹脂[C]などの色素担体および/または溶剤中に、好ましくは分散助剤と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(顔料分散体)。このとき、発光性色素(S)、消光剤(A)、およびその他の着色剤等を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色材担体に分散したものを混合しても良い。また、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記顔料分散体と、光重合性単量体及び/または光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の顔料分散剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、明度および粘度安定性が良好になる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報、特開2001−335717号公報、特開2003−128669号公報、特開2004−091497号公報、特開2007−156395号公報、特開2008−094873号公報、特開2008−094986号公報、特開2008−095007号公報、特開2008−195916号公報、特許第4585781号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の含有量は、分散性向上の観点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは35重量部以下である。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、含有量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなる少なくとも1つのフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタである。カラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントと、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントと、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントとを具備し、前記少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されることが好ましい。また、カラーフィルタは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、および黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよい。
緑色フィルタセグメントは、通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色着色組成物は、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、または58等の緑色顔料を用いて得られる組成物である。緑色着色組成物には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、または214等の黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントは、青色顔料と着色剤担体を含む通常の青色着色組成物を用いて形成することができる。青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、または64等が用いられる。
また、青色着色組成物には、C.I.ピグメントバイオレット23等の紫色顔料や、C.I.ピグメントレッド81、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5などのローダミン系染料の金属レーキ顔料を併用できる。また青色や紫色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、上記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。
(樹脂の重合平均分子量(Mw))
樹脂の重合平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5〜1.0部に、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
<バインダー樹脂の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1の調整)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
<アニオン性基を有する樹脂の製造方法>
(アニオン性基を有する樹脂:JA)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸20.0部、メチルメタクリレート12.5部、n−ブチルメタクリレート20.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0部、メタクリル酸3.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、3240である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%のアニオン性基を有する樹脂JAを得た。
<カチオン性基を有する樹脂の製造方法>
(カチオン性基を有する樹脂:JK)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩5.0部、メチルメタクリレート27.5部、n−ブチルメタクリレート20.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0部、メタクリル酸3.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、3330である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%のカチオン性基を有する樹脂JKを得た。
<微細化顔料の製造方法>
(微細化PR254顔料(PR254−1)の製造)
ジケトピロロピロール顔料C.I.ピグメント レッド 254(BASF社製「B−CF」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の微細化ジケトピロロピロール顔料(PR254−1)を得た。
(微細化PR177顔料(PR177−1)の製造)
アントラキノン系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 177(BASF社製「クロモフタルレッド A2B」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、アントラキノン系の微細化赤色顔料(PR177−1)を得た。
(微細化緑色顔料(PG58−1)の製造)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 58(DIC株式会社製「FASTOGEN GREEN A110」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化緑色顔料(PG58−1)を得た。
(微細化黄色顔料(PY150−1)の製造)
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(PY150−1)を得た。
(微細化青色顔料(PB15:6−1)の製造)
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE ES」、比表面積60m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化青色顔料(PB15:6−1)を得た。
(微細化紫色顔料(PV23−1)の製造)
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(トーヨーカラー株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、紫色微細化紫色顔料(PV23−1)を得た。
<樹脂型分散剤溶液の調製>
市販の樹脂型分散剤である、BASF社製EFKA4300と、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて不揮発分40重量%溶液に調製し、樹脂型分散剤溶液1とした。
<顔料分散体の製造方法>
(PR254・顔料分散体(GP−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20重量%の顔料分散体(GP−1)を作製した。
微細化PR254顔料(PR254−1) :11.0部
アクリル樹脂溶液1 :17.5部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :66.5部
樹脂型分散剤溶液1 : 5.0部
(PR177・顔料分散体(GP−2))
顔料分散体(GP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPR177−1に変更した以外は顔料分散体(GP−1)と同様の方法でPR177・顔料分散体(GP−2)を作製した。
(PG58・顔料分散体(GP−3))
顔料分散体(GP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPG58−1に変更した以外は顔料分散体(GP−1)と同様の方法でPG58・顔料分散体(GP−3)を作製した。
(PY150・顔料分散体(GP−4))
顔料分散体(GP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPY150−1に変更した以外は顔料分散体(GP−1)と同様の方法でPY150・顔料分散体(GP−4)を作製した。
(PB15:6・顔料分散体(GP−5))
顔料分散体(GP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPB15:6−1に変更した以外は顔料分散体(GP−1)と同様の方法でPB15:6・顔料分散体(GP−5)を作製した。
(PV23・顔料分散体(GP−6))
顔料分散体(GP−1)の製造方法における微細化PR254顔料(PR254−1)顔料をPV23−1に変更した以外は顔料分散体(GP−1)と同様の方法でPV23・顔料分散体(GP−6)を作製した。
<カラーフィルタ用着色組成物の製造方法>
[実施例001]
(着色組成物(RP−001)の製造)
下記に従って、各種材料を混合した後、1時間超音波照射を行うことで、着色組成物(RP−001)を得た。
発光性色素(S) Basic Violet 10 : 3.8部
造塩化合物 [B(C654]Na : 5.0部
消光剤(A) A−01 : 0.2部
アクリル樹脂溶液1 :25.0部
シクロヘキサノン :16.0部
計 :50.0部
[実施例002〜060、比較例1〜10]
(着色組成物RP−002〜060、RPH−1〜10の製造)
着色組成物(RP−001)の製造における発光性色素(S)、消光剤(A)、および、造塩化合物をそれぞれ、を表6〜7に記載した材料へ変更した以外は、着色組成物(RP−001)の場合と同様の方法で、着色組成物(RP−002〜060、RPH−1〜10)を得た。
表6〜7で用いた発光色素(S)および消光剤(D)について表8〜13に示す。発光色素(S)および消光剤(D)のHOMOは、住友重機械工業株式会社製のイオン化ポテンシャル測定装置PYS−202を用いて測定した。また日本分光株式会社製の紫外可視近赤外分光光度計V−570を用いて吸収スペクトルを測定しLUMOを算出した。

<カラーフィルタ用着色組成物の評価>
[実施例001〜060、比較例1〜10]
得られた着色組成物(RP−001〜60、RPH−1〜10)を用いて、塗膜のコントラスト比(CR)、および耐熱性の評価を下記方法で行った。表14〜15に評価結果を示す。
(塗膜のコントラスト比(CR)評価)
液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の塗膜を通過し、もう一方の偏光板に到達する。この際、偏光板と偏光板の偏光面が並行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直交している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の塗膜を通過する際に、着色剤粒子によって散乱等が起こり、偏光面の一部にずれが生じると、偏光板が並行のときは透過する光量が減り、偏光板が直交のときは一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が並行の際の輝度と、直交の際の輝度との比を、コントラスト比として算出した。

(コントラスト比)=(並行のときの輝度)/(直交のときの輝度)

従って、塗膜中の着色剤により散乱が起こると、並行のときの輝度が低下し、かつ直交のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。測定に際しては、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色マスクを介して測定した。
着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで230℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。得られた塗布基板のコントラスト比(CR)を測定した。作製した塗膜基板は、230℃での熱処理後で、膜厚が1.5μmとなるよう調整した。
コントラスト比は、下記基準に従って判定した。
◎:9000以上
○:6000以上〜9000未満
△:3000以上〜6000未満
×:3000未満
(耐熱性評価)
着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで230℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、230℃での熱処理後で、得られた塗膜の膜厚が1.5μmとなるよう調整した。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として220℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記基準に従って判定した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1))2)
◎:ΔEab*が3.0未満
○:ΔEab*が3.0以上、5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
表14〜15に示すように、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、いずれも耐熱性に優れかつ高コントラスト比であった。本発明の発光性色素(S)と消光剤(A)と組み合わせることで高コントラスト化を達成している。
<カラーフィルタ用感光性着色組成物の製造>
[実施例061]
(赤色感光性着色組成物(RR−001))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色感光性着色組成物(RR−001)を得た。
色素・分散溶液 (RP−001) :37.5部
PR254・顔料分散体(GP−1) :25.0部
アクリル樹脂溶液1 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアOXE−02」) : 1.5部
メトキシプロピルアセテート :26.5部
[実施例061〜120、比較例11〜20]
(赤色感光性着色組成物(RR−002〜060、RRH−11〜20))
色素分散溶液と顔料分散体を、表10〜11に示す種類に変更した以外は、赤色感光性着色組成物(RR−001)と同様にして赤色感光性着色組成物(RR−002〜060、RRH−1〜2)を得た。各感光性着色組成物においては、色素分散溶液と顔料分散体の合計の62.5部の内訳を、それぞれの着色組成物の明度評価用の塗膜基板がC光源においてx=0.658、y=0.325になるように、比率を調整し、赤色感光性着色組成物100部を調製した。
[比較例21]
(赤色感光性着色組成物(RRH−11))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色感光性着色組成物(RRH−11)を得た。
PR254・顔料分散体(GP−1) :27.0部
PR177・顔料分散体(GP−2) :23.0部
アクリル樹脂溶液1 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアOXE−02」) : 1.5部
メトキシプロピルアセテート :39.0部
<カラーフィルタ用感光性着色組成物の評価>
得られた赤色感光性着色組成物(RR−001〜060、RRH−11〜21)を用いて、作製したコントラスト比および赤色塗膜の明度の評価を下記方法で行った。表16〜17に評価結果を示す。
(コントラスト比評価)
感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで230℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。得られた塗布基板のコントラスト比(CR)を測定した。作製した塗膜基板は、230℃での熱処理後で、C光源においてx=0.658、y=0.325になるよう調整した。
コントラスト比は、下記基準に従って判定した。
◎:16000以上
○:14000以上〜16000未満
△:12000以上〜14000未満
×:12000未満
(明度評価)
感光性着色組成物を、C光源においてx=0.658、y=0.325になるように、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布した。これを50mJ/cm2の露光量で紫外線により露光した後、23℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて30秒間スプレー現像し、オーブンにて230℃で60分焼成して感光性着色組成物の硬化塗膜基板を作製した。得られた基板の明度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。評価基準は下記のとおりである。
◎ ・・・ 19.2以上
○ ・・・ 19.0以上19.2未満
△ ・・・ 18.8以上19.0未満
× ・・・ 18.8未満


表16〜17に示すように、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、顔料系に比べ明度に優れた結果であった。また、発光性色素(S)と消光剤(A)を組み合わせることで高コントラスト比を達成することができた。
<カラーフィルタの作製>
(緑色感光性着色組成物(GR−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、緑色感光性着色組成物(GR−1)を作製した。
PG58・顔料分散体(GP−3) :32.0部
PY150・顔料分散体(GP−4) :18.0部
アクリル樹脂溶液1 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアOXE−02」) : 1.5部
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−
カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
シクロヘキサノン :39.0部
(青色感光性着色組成物(BR−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、青色感光性着色組成物(BR−1)を作製した。
PB15:6・顔料分散体(GP−5) :45.0部
PV23・顔料分散体(GP−6) : 5.0部
アクリル樹脂溶液1 : 7.5部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアOXE−02」) : 1.5部
シクロヘキサノン :39.0部
本発明の赤色感光性着色組成物(RR−001)をスピンコート法により、予めブラックマトリックスが形成されているガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却した後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。
その後、この基板を23℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて30 秒間スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。さらに、クリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状の着色画素層を形成した。
次に、緑色感光性着色組成物(GR−1)を使用し、赤色着色画素層と同様にして緑色着色画素層を形成し、さらに、青色感光性着色組成物(BR−1)を使用して赤色着色画素層と同様にして青色着色画素層を形成し、カラーフィルタ(CF−1)を得た。各着色画素層の形成膜厚はいずれも2.0μmであった。
本発明の赤色着色組成物を使用したカラーフィルタは明度が高く、コントラスト比も優れた結果であり、本発明の効果が立証された。

Claims (6)

  1. 発光性色素(S)、消光剤(A)、及びバインダー樹脂(C)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物であって、
    前記発光性色素(S)の最低空軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital;LUMO)のエネルギー準位LUMOSと、前記消光剤(A)の最低空軌道のエネルギー準位LUMOAとの差が、
    0.0<|LUMOA|−|LUMOS|<2.0(eV)
    の関係式を満たすことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
  2. 発光性色素(S)の最高被占軌道(Highest Occupied Molecular Orbital;HOMO)のエネルギー準位HOMOSと、消光剤(A)の最高被占軌道のエネルギー準位HOMOAとの差が、
    0.0<|HOMOA|−|HOMOS|(eV)
    の関係式を満たすことを特徴とする、請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. 発光性色素(S)、消光剤(A)、及びバインダー樹脂(C)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物であって、
    前記消光剤(A)が、下記一般式(1)〜(7)で表わされる化合物のいずれかであることを特徴とする、カラーフィルタ用着色組成物。

    一般式(1)


    [一般式(1)中、
    1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R1〜R4は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。]

    一般式(2)

    [一般式(2)中、
    5、R6は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環基を表す。
    7〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R5〜R10は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。]

    一般式(3)

    [一般式(3)中、
    11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R11〜R14は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。]

    一般式(4)

    [一般式(4)中、
    1は、直接結合、置換もしくは未置換の炭素原子、置換もしくは未置換の窒素原子、酸素原子、または、硫黄原子を表す。
    nは、1〜5の整数を表す。
    15〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R15〜R16は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。]

    一般式(5)

    [一般式(5)中、
    2は、炭素原子、または、ケイ素原子を表す。
    nは、1〜5の整数を表す。
    17〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R17〜R18は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。]

    一般式(6)

    [一般式(6)中、
    19〜R20は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R19〜R20は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。]

    一般式(7)


    [一般式(7)中、
    21〜R32は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の脂肪族複素環基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルデヒド基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基、シアノ基、シリル基、ボロニル基、または、ホスフィノ基を表し、R21〜R32は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。]
  4. 発光性色素(S)が、キサンテン系化合物、またはシアニン系化合物であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. さらに、光重合性単量体および/または光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. 基板上に、請求項1〜5いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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