JP2015028587A - カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ Download PDF

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Junpei Hayakawa
純平 早川
由昌 宮沢
Yoshimasa Miyazawa
由昌 宮沢
佐藤 俊之
Toshiyuki Sato
俊之 佐藤
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Yasumasa Suda
康政 須田
英範 皆嶋
Hidenori Minashima
英範 皆嶋
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Abstract

【課題】本発明の目的は、塗工性が良好で、高明度、耐熱性、保存安定性に優れたカラーフィルタ用着色組成物、並びに塗膜への異物発生もないカラーフィルタを提供することである。【解決手段】前記課題は、染料造塩化合物からなる着色剤、バインダー樹脂、および、有機溶剤を含有するカラーフィルタ用着色組成物であり、バインダー樹脂が分岐、または環状のアルキル鎖を有するエチレン性不飽和単量体、および、水酸基を置換したアルキル鎖からなるエチレン性不飽和単量体からなる樹脂である。これらカラーフィルタ用着色組成物は、高い保存安定性、高明度、耐熱性、塗工性を持ち、また塗膜への異物発生もないこと見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、及びこれを用いて形成されてなるフィルタセグメントを備えるカラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、近年その薄型であることゆえの省スペース性や軽量性、また省電力性などが評価され、最近ではテレビ用途への普及が急速に進んでいる。テレビ用途向けでは、輝度やコントラストなどの性能をより高めることが要求されており、カラー液晶表示装置を構成する部材であるカラーフィルタにおいても、さらなる透過度の向上、コントラストの高度化などが望まれている。
カラーフィルタの作製方法としては、フォトレジストによるパターン形成の後、パターンを染色する染色法や、予め所定パターンの透明電極を形成しておき、電圧印加により溶媒に溶解・分散された顔料含有樹脂をイオン化させパターン形成する電着法、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂を含むインクを用いてオフセット印刷等する印刷法、フォトレジスト材料に顔料等の着色剤を分散させたカラーフィルタ用着色組成物を使用する顔料分散法、などが知られており、最近では、顔料分散法が主流になっている。しかし、顔料を着色剤として用いたカラーフィルタは、顔料粒子による光の散乱等により、液晶によって制御された偏光度合いを乱してしまい、その結果、カラー液晶表示装置の輝度やコントラストの低下を招きやすいという問題がある。
この問題を解消する技術として、硬化性組成物の媒体中に溶解した状態で存在し得る染料を着色剤とした染料系の硬化性組成物の実用化が検討、提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、着色剤に染料を用いたカラーフィルタには、以下の様な課題がある。すなわち、カラーフィルタ用着色組成物に用いる染料には、耐熱、耐光性と樹脂及び樹脂に使用される有機溶剤への溶解性が要求される。
有機溶剤への溶解性が悪いと、カラーフィルタ用着色組成物中の固形分を極端に落とす必要があり、その結果として、塗工性が非常に悪くなり、カラーフィルタ用着色組成物の着色剤として使用することが困難になってしまう。
また、従来のカラーフィルタにおいては、感光性組成物の着色剤としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料が用いられてきた。しかし、顔料は耐光性、耐熱性に優れる反面、粒径が大きい為、光散乱を起こし透過率に限界があることや、高い明度を実現する上では適さないことが示されてきた。そこで、近年、より高い透過率と明度を両立するカラーフィルタを得るために染料を着色剤に用いたカラーフィルタが開発されているが、染料は透過率が高い反面、耐光性や耐熱性に劣るといった問題を有する。また、染料は水溶性であることから有機溶剤に対する溶解性が一般的に悪い。
そこで、染料の溶剤への溶解性の付与や耐光性や耐熱性を向上する所作として、有機化合物との造塩化がなされている。具体的には、カチオン性染料の場合にはスルホン酸基などのアニオン性官能基を有する有機化合物と造塩化し、造塩染料を得ることができる。(特許文献2参照)一方、アニオン性染料の場合は、アンモニウム塩基などのカチオン性官能基を有する有機化合物と造塩化することで造塩染料を得ることが出来る。(特許文献3参照)
しかしながら、これら染料造塩物を着色剤として用いた感光性組成物において、カラーフィルタで使用に耐えうる着色剤の耐熱性や保存安定性を付与するバインダー樹脂の詳細な構造や組成については知られていない。
特開平6−75375号公報 特公昭56−9557号公報 特開2011−242752号公報
本発明の目的は、塗工性が良好で、高い保存安定性、高明度、耐熱性に優れたカラーフィルタ用着色組成物、並びに塗膜への異物発生もないカラーフィルタを提供することである。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、染料と塩形成し得る化合物とを反応させて得られた造塩化合物からなる着色剤、特定のバインダー樹脂、および、有機溶剤を含有するカラーフィルタ用着色組成物が高い保存安定性、高明度、耐熱性、塗工性を持ち、また塗膜への異物発生もないこと見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。
すなわち、本発明は、少なくとも染料とイオン結合によって塩形成し得る化合物とを反応させて得られた造塩化合物からなる着色剤、バインダー樹脂、および有機溶剤を含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、
前記バインダー樹脂が、置換基(水酸基を除く)を有してもよい分岐アルキル基、または、置換基(水酸基を除く)を有してもよい環状のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−1)、および、水酸基が置換したアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2)、を含むエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる樹脂であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記染料がトリアリールメタン系カチオンおよびアニオン染料、アントラキノン系アニオン染料、キサンテン系カチオンおよびアニオン染料、モノアゾ系カチオンおよびアニオン染料、ジスアゾ系カチオンおよびアニオン染料、並びに、キノリン系アニオン染料およびシアニン系カチオン染料からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記染料が、トリアリールメタン系カチオン染料であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、トリアリールメタン系カチオン染料が一般式(3)で示される染料であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(3)
Figure 2015028587
[一般式(3)中、R1A〜R1Fは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を表す。R1GおよびR1Hは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、または、エチル基を表す。]
また、本発明は、前記造塩化合物が、水溶液中で、イオン結合によって塩形成し得る化合物の対イオンと染料の対イオンとからなる塩を除去してなる化合物であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、着色剤が、さらに顔料を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
さらに、本発明は、前記カラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるカラーフィルタに関する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、高い保存安定性、高明度、耐熱性、塗工性を有し、塗膜形成時の異物発生がないカラーフィルタを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、又は「(メタ)アクリレート」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、又は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本願発明の、カラーフィルタ用着色組成物は、少なくとも、染料とイオン結合によって塩形成し得る化合物とを反応させて得られた造塩化合物からなる着色剤と、置換基を有しても良い、分岐、または環状アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−1)、および、水酸基が置換したアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2)を含むエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなるバインダー樹脂と有機溶剤とを含有する。
バインダー樹脂は、着色剤、特に造塩化合物および顔料を分散するもの、もしくは造塩化合物を染色、浸透させるものであり、本発明においては、着色剤は、前記造塩化合物、または前記造塩化合物と顔料とから構成される。
<バインダー樹脂>
まず、本発明の、置換基(水酸基を除く)を有してもよい分岐アルキル基、または、置換基(水酸基を除く)を有してもよい環状のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−1)、および、水酸基が置換したアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2)を含むエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなるバインダー樹脂について説明をする。
(置換基(水酸基を除く)を有してもよい分岐アルキル基、または、置換基(水酸基を除く)を有してもよい環状のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−1))
分岐または環状のアルキル基の具体例として具体的には、イソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、イソペンチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、2−エチルペンチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、t−オクチル基、イソデシル基、イソアミル基、イソオクチル基、イソステアリル基、イソミリスチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ジシクロペンテニル基、ジシクロペンタニル基、イソボニル基、ノルボルニル基、ボロニル基、および、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
分岐または環状のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−1)の具体的な例としては、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、およびt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらが入手性の観点より好ましい。
分岐または環状アルキル基の炭素数としては、炭素数3〜30が好ましく、より好ましくは炭素数8〜20であり、より好ましくは炭素数8〜18であり、炭素数8〜18の、分岐または環状アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−1)としては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、および、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートが好適に用いられる。中でも好ましくは、分岐アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体であることが好ましく、特に好ましくは2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
エチレン性不飽和単量体(a−1)は、全エチレン性不飽和単量体の重量を基準として10重量%〜50重量%が好ましく、より好ましくは10重量%〜40重量%であり、さらに好ましくは20重量%〜40重量%である。
(a−1)が有しても良い置換基としては、水酸基以外であり、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、及び、カルボキシ基等の置換基が挙げられる。
(a−1)が有しても良い置換基であるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、および、ヨウ素が挙げられる。
(a−1)が有しても良い置換基であるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等が挙げられる。
(a−1)が有しても良い置換基であるアリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基、p−ビフェニルオキシ基、m−ビフェニルオキシ基、2−アントリルオキシ基、9−アントリルオキシ基、2−フェナントリルオキシ基、3−フェナントリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、2−フルオレニルオキシ基、3−フルオレニルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、2−ピレニルオキシ基、3−ペリレニルオキシ基等が挙げられる。
(a−1)が有しても良い置換基であるアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができる
(a−1)が有しても良い置換基であるアシル基としては、エタノイル基、メタノイル基、プロパノイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
(a−1)が有しても良い置換基であるアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等が挙げられる。
(a−1)が有しても良い置換基であるカルボキシ基としては、メタン酸、エタン酸、プロパン酸等が挙げられる。
(水酸基が置換したアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2))
水酸基が置換したアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2)としては、分子内に水酸基が置換されたアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体であれば特に限定されない。この場合のアルキル基としては、直鎖のアルキル基、分岐鎖のアルキル基、環状のアルキル基を示す。
直鎖のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、及び、n−オクタデシル基等が挙げられる。
分岐および環状のアルキル基の具体例としては、エチレン性不飽和単量体(a−1)で記載した基と同様である。
水酸基が置換したアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2)の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシビニルベンゼン、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、1,4―シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、または、これらモノマーのカプロラクトン付加物(付加モル数は1〜5)等であるが特にこれらに限定はされない。
中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び、グリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
また、エチレン性不飽和単量体(a−2)は、全エチレン性不飽和単量体の重量を基準として10重量%〜60重量%が好ましく、より好ましくは25重量%〜60重量%であり、さらに好ましくは40重量%〜60重量%である。エチレン性不飽和単量体(a−2)が60重量%以上含まれると、得られるバインダー樹脂の親水性が増加し、着色組成物を作成する際の溶剤や造塩化合物に対する、相溶性が低下することが懸念される。一方、エチレン性不飽和単量体(a−2)が10重量%未満では、着色組成物をベークした際に形成される水酸基を有する側鎖同士の熱架橋ネットワークが十分ではなく、着色組成物の耐熱性が低下することが懸念される。
(その他のエチレン性不飽和単量体)
その他のエチレン性不飽和単量体としては、分岐または環状のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−1)および、水酸基が置換したアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2)とラジカル重合可能なものであれば特に限定されず、用途に応じて適宜選択することができる。
その他のエチレン性不飽和単量体としては例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、または、ベヘニル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキル(メタ)アクリレート類;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、又はテトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリロキシ変性ポリジメチルシロキサン(シリコーンマクロマー)類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、又は3−メチル−3−オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、又はノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタレート、エチレンオキサイド変性コハク酸 ( メタ ) アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、又はω−カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート類;
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n − ブトキシエチル(メタ)アクリレート、n − ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2 − メトキシエチル(メタ)アクリレート、2 − エトキシエチル(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する(メタ)アクリレート類;
3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン等のオキセタニル基を有する(メタ)アクリレート類;
スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸ビニル、又は(メタ
)アクリル酸アリル等のビニル類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、および、n−ブチルビニルエーテル、等のエーテル基を有するビニルエーテル類;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、および、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミド類;
ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ジアリルメチルアミン、ジアリルアミン等のジアリルアミン化合物、N−ビニルピロリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等のアミノ基含有芳香族ビニル系単量体;
グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレート類;
あるいは、これらの混合物が挙げられる。
また、例えば、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、4−イソシアネートブチルメタクリレート、4−イソシアネートブチルアクリレート等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート類が挙げられる。
本発明におけるイソシアネート基としては、ブロックイソシアネート基も含まれ、好ましく使用することができる。ブロックイソシアネート基とは、通常の条件では、イソシアネート基を他の官能基で保護することにより該イソシアネート基の反応性を抑える一方で、加熱により脱保護し、活性なイソシアネート基を再生させることができるイソシアネートブロック体のことを示す。
このようなブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体の市販品としては、例えば、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート(カレンズMOI−BP,昭和電工製);メタクリル酸2−(0−[1’メチルプロビリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM,昭和電工製)などが挙げられる。
また、ベンゾトリアゾール基、および、ヒドロキシフェニルトリアジン基等の、紫外線吸収性官能基を有するエチレン性不飽和単量体が挙げられる。中でも、カラーフィルタ用着色組成物という用途における他の材料との反応性や入手性の観点から、ベンゾトリアゾール基が好ましく、具体的には、メタクリル酸2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチルが挙げられる。
紫外線吸収性官能基を樹脂中にグラフトする方法としては、エチレン性不飽和単量体を用いる以外には、ベンゾトリアゾール基、および、ヒドロキシフェニルトリアジン基を含有する水酸基と上記イソシアネート基を含有する樹脂とを反応させることやベンゾトリアゾール基、および、ヒドロキシフェニルトリアジン基を含有するカルボキシル基とグリシジル基を含有する樹脂とを反応させることやベンゾトリアゾール基、および、ヒドロキシフェニルトリアジン基を含有する臭素基と上記水酸基を含有する樹脂とを反応させる等の方法が挙げられるがこれらに限定されることはない。
また、フェノール基、ヒンダードフェノール基、および、チオエーテル基等の、酸化防止性官能基を有するエチレン性不飽和単量体が挙げられる。中でもカラーフィルタ用着色組成物という用途における他の材料との反応性や入手性の観点から、フェノール基、ヒンダードアミン基が好ましく、具体的なエチレン性不飽和単量体としては、ビニルフェノールが好ましい。
酸化防止性官能基を樹脂中にグラフトする方法としては、エチレン性不飽和単量体を用いる以外には、フェノール基、ヒンダードフェノール基、および、チオエーテル基を含有する水酸基と上記イソシアネート基を含有する樹脂とを反応させることや、フェノール基、ヒンダードフェノール基、および、チオエーテル基を含有する臭素と水酸基を含有する樹脂とを反応させる等の方法が挙げられるがこれらに限定されることはない。
その他エチレン性不飽和単量体としては、着色組成物の耐熱性の観点からフルオロアルキル基、熱架橋性官能基、紫外線吸収能含有官能基、酸化防止能含有官能基、または直鎖アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体を用いることが好ましい。さらに好ましくは、フルオロアルキル基、熱架橋性官能基、紫外線吸収能含有官能基、または直鎖アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体である。
フルオロアルキル基含有エチレン性不飽和単量体としては、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
直鎖アルキル基含有エチレン性不飽和単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、および、ドデシル(メタ)アクリレートが好ましく、メチル(メタ)アクリレート、および、ブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
熱架橋性官能基を有するエチレン性不飽和単量体としては特に限定されないが、例えば、カルボキシル基、カルボン酸無水物、1級または2級アミノ基、イミノ基、オキセタニル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アリル基、グリシジル基等を有するエチレン性不飽和単量体が挙げられる。中でもカラーフィルタ用着色組成物という用途における保存安定性や他の材料との反応性の観点から、カルボキシル基、オキセタニル基、イソシアネート基、エポキシ基、グリシジル基が好ましく、特にカルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基が好ましい。
(バインダー樹脂の製造方法)
本発明に好適なエチレン性不飽和単量体(a−1)および、(a−2)を含むエチレン性不飽和単量体を共重合してなる樹脂を得る方法としては、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合好ましく公知の方法が使用できる。
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ブチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、更には、重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成できる。
中でも、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1〜8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明に使用されるエチレン性不飽和単量体(a−1)および(a−2)を含むエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、5,000〜50,000であることがより好ましく、より好ましくは7,000〜20,000である。バインダー樹脂の換算重量平均分子量が、5,000〜100,000であると、現像時に膜減りが生じにくく、また現像時に非画素部分の抜け性が良好である傾向にあり、好ましい。また数平均分子量(Mn)は2,500〜40,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
ここで重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、装置としては、RI検出器を装備したHLC−8120GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとしてTSK−GEL SUPER HZM−Nを2連でつなげて使用し、溶媒としてTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
また、本発明に好適なエチレン性不飽和単量体(a−1)および(a−2)を含むエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる樹脂は、有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等である。また、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等に溶解する特性を有していてもよい。
また、本発明に使用されるエチレン性不飽和単量体(a−1)および(a−2)を含むエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなるバインダー樹脂は2種以上を併用して用いることができ、発現させたい物性に応じて、複数種を適宜選択することができる。複数選択することで、より耐熱性が向上した着色組成物を得ることが出来、好ましい。
(特定のバインダー樹脂と併用可能なその他樹脂)
本発明のバインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましく、本発明以外の熱可塑性樹脂を併用することが出来る。
また、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有モノマーを共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を併用することが出来る。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂を併用することもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、またはイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性能とエネルギー線硬化性能とを併せもつものも、カラーフィルタ用着色組成物として好ましい。
本発明の樹脂と複数併用することが出来るバインダー樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が5,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは7,000〜50,000である。バインダー樹脂の換算重量平均分子量が、5,000〜100,000であると、現像時に膜減りが生じにくく、また現像時に非画素部分の抜け性が良好である傾向にあり、好ましい。また数平均分子量(Mn)は2,500〜40,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
ここで重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、装置としては、RI検出器を装備した、HLC−8120GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとしてTSK−GEL SUPER HZM−Nを2連でつなげて使用し、溶媒としてTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
本発明のバインダー樹脂と複数併用することが出来る樹脂をカラーフィルタ用着色組成物として使用する場合には、着色剤吸着基および現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体および溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基および芳香族基のバランスが、着色剤の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、現像で微細パターンが残らなくなる。
本発明のバインダー樹脂と複数併用することが出来る樹脂は、着色剤100重量部に対し、20〜500重量部の量で用いることが好ましい。20重量部未満では、成膜性および諸耐性が不十分となり、500重量部より多いと着色剤の濃度が低くなり、色特性を発現できないことがある。
<着色剤>
本発明の着色剤は、少なくとも染料とイオン結合によって塩形成し得る化合物とを反応させて得られた造塩化合物からなる。
<造塩化合物>
[染料]
染料としては、カチオン性化合物とイオン結合するアニオン性染料と、アニオン性化合物とイオン結合するカチオン性染料が挙げられる。中でも、トリアリールメタン系カチオンおよびアニオン染料、アントラキノン系アニオン染料、キサンテン系カチオンおよびアニオン染料、モノアゾ系カチオンおよびアニオン染料、ジスアゾ系カチオンおよびアニオン染料、キノリン系アニオン染料およびシアニン系カチオン染料が、明度の観点で好ましい。d
(アニオン性染料)
本発明の造塩化合物を得るためのアニオン性染料としては、上述の通り、カチオン性化合物とイオン結合する着色化合物であればよい。このような着色化合物としては、分子中にカルボン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、リン酸基、またはこれらの金属塩などを有するものであれば、特に限定はなく、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、本組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを勘案して適宜選択することができる。
アニオン性染料としては、例えば、アントラキノン系アニオン性染料、モノアゾ系アニオン性染料、ジスアゾ系アニオン性染料、オキサジン系アニオン性染料、アミノケトン系アニオン性染料、キサンテン系アニオン性染料、キノリン系アニオン性染料、トリアリールメタン系アニオン性染料などが挙げられる。
中でも、トリアリールメタン系アニオン染料、アントラキノン系アニオン染料、キサンテン系アニオン染料、モノアゾ系アニオン染料、ジスアゾ系アニオン染料、およびキノリン系アニオン染料染料が明度の観点でより好ましい。
アミノケトン系アニオン染料としては、C.I. アシッドエロー7等が挙げられる。
アントラキノン系アニオン染料としては、C.I. アシッドブルー23、25、27、35、40、41、43、45、47、49、51、53、55、56、62、68、69、78、80、81:1、11、124、127、127:1、140、150、175、215、230、277、344、C.I. アシッドバイオレット41、42、43、C.I. アシッドグリーン25、27、ダイレクトバイオレット17、または、一般式(3−1)(3−2)(3−3)で表される染料が等が挙げられる。
なかでも、C.I. アシッドブルー112、140、が明度の観点でより好ましい。
モノアゾ系アニオン染料/ジスアゾ系アニオン染料としては、例えば、C.I. アシッドレッド1、3、4、6、8、11、12、14、18、26、27、33、37、53、57、88、106、108、111、114、131、137、138、151、154、158、159、173、184、186、215、257、266、296、337;
C.I. アシッドオレンジ7、10、12、19、20、22、28、30、52、56、74、127;
C.I. アシッドバイオレット11、56、58;
C.I. アシッドイエロー1、17、18、23、25、36、38、42、44、54、59、72、78、151;
C.I. アシッドブラウン2、4、13、248;
C.I. アシッドブルー92、102、113、117などが挙げられる。モノアゾ系アニオン染料としては、C.I. アシッドレッド254が明度の観点好ましく、ジスアゾ系アニオンC.I. アシッドレッド260が好ましい。
キノリン系アニオン染料としては、特許公開2013−61622号公報に挙げられるような構造のものが知られている。
またカラーインデックスで表されるキノリン系アニオン染料としては、C.I.アシッド イエロー 2、C.I.アシッド イエロー 3、C.I.アシッド イエロー 5、C.I.ダイレクト イエロー 5、C.I.ダイレクト イエロー 119等があげられるが、中でもベンゾキノリン骨格を含有するC.I.アシッド イエロー 5の構造を有するものが好ましい。本発明においては、直接染料は、スルホン酸基を有することからアニオン染料と同義とみなす。
C.I.アシッド イエロー 5の構造は下記一般式(2)に包含されるものである。本発明において、特に好ましいキノリン系アニオン染料は、このC.I.アシッド イエロー 5及びC.I.アシッド イエロー 5のジスルホン酸をモノスルホン酸に置き換えた化合物である。これらのキノリン系アニオン染料は以下に述べる手段にて得られるものであるが、両者がモノスルホン酸タイプとジスルホン酸タイプと混在した混合物であってもかまわない。
一般式(2)
Figure 2015028587
一般式(2)中、nは1または2の整数であり、それぞれの化合物の混合物であってもよい。また、Mはアルカリ金属であればいずれでも良いが、通常Na(ナトリウム)である。
一般式(2)で表されるC.I.アシッド イエロー 5の構造に近似するベンゾキノリン骨格を有するキノリン系アニオン染料は、特開昭60−155274公報に記載されているように作製することができる。
具体的には、ナフトキノリン(5、6−ベンゾキノリン)に発煙硫酸を添加し、常温で10〜15時間攪拌することで得られるものである。またここでモノスルホン酸を得るか、ジスルホン酸を得るかは発煙硫酸添加の処理時間等でコントロールすることが可能である。
また得られた化合物は、液体クロマトグラフで分離し、質量分析にてモノスルホン酸体かジスルホン酸体かの確認を行うことができる。また混合物の場合は両者の分析から、モノスルホン酸タイプとジスルホン酸タイプとの存在比率を得ることができる。
これらのベンゾキノリン骨格を有するキノリン系アニオン染料は、耐熱性、耐光性に優れるだけでなく、発色性においても好ましい材料である。
本発明に用いるキノリン系アニオン染料は、透過スペクトルにおいて450nmの波長領域で透過率が5%以下であり、550nm、650nmの領域で90%以上であるものが好ましい。より好ましくは、透過スペクトルにおいて450nmの波長領域で透過率5%以下であり、550nm、650nmの領域で95%以上である。ここで透過スペクトルは、波長が400nm〜700nmの範囲である。
トリアリールメタン系アニオン性染料としては、C.I.バイオレット 15、17、25、C.I.ブルー 1、3、5、7、83、90、93、100、103、104、109、C.I.グリーン 3、5、9、16、50等が挙げられる。なかでも、C.I. アシッドブルー9が明度の観点でより好ましい。
キサンテン系アニオン性染料としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9、C.I.アシッドバイオレット9、C.I.アシッドバイオレット30等が挙げられる。なかでも、C.I. アシッドレッド52、289が明度の観点でより好ましい。
上記染料以外にも、以下に示すアシッド染料を使用する事が出来る。
赤色系染料としては、C.I.アシッド レッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、23、24、25、25:1、26、26:1、26:2、27、29、30、31、32、33、34、35、36、37、39、40、41、42、43、44、45、47、50、52、53、54、55、56、57、59、60、62、64、65、66、67、68、70、71、73、74、76、76:1、80、81、82、83、85、86、87、88、89、91、92、93、97、99、102、104、106、107、108、110、111、113、114、115、116、120、123、125、127、128、131、132、133、134、135、137、138、141、142、143、144、148、150、151、152、154、155、157、158、160、161、163、164、167、170、171、172、173、175、176、177、181、229、231、237、239、240、241、242、249、252、253、255、257、260、263、264、266、267、274、276、280、286、289、299、306、309、311、323、333、324、325、326、334、335、336、337、340、343、344、347、348、350、351、353、354、356、388等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト レッド 1、2、2:1、4、5、6、7、8、10、10:1、13、14、15、16、17、18、21、22、23、24、26、26:1、28、29、31、33、33:1、34、35、36、37、39、42、43、43:1、44、46、49、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、67、67:1、68、72、72:1、73、74、75、77、78、79、81、81:1、85、86、88、89、90、97、100、101、101:1、107、108、110、114、116、117、120、121、122、122:1、124、125、127、127:1、127:2、128、129、130、132、134、135、136、137、138、140、141、148、149、150、152、153、154、155、156、169、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、186、189、204、211、213、214、217、222、224、225、226、227、228、232、236、237、238等も使用できる。
黄色系染料としては、C.I.アシッド イエロー 2,3、4、5、6、7、8、9、9:1、10、11、11:1、12、13、14、15、16、17、17:1、18、20、21、22、23、25、26、27、29、30、31、33、34、36、38、39、40、40:1、41、42、42:1、43、44、46、48、51、53、55、56、60、63、65、66、67、68、69、72、76、82、83、84、86、87、90、94、105、115、117、122、127、131、132、136、141、142、143、144、145、146、149、153、159、166、168、169,172、174、175、178、180、183、187、188、189、190、191、192、199等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト イエロー 1、2、4、5、12、13、15、20、24、25、26、32、33、34、35、41、42、44、44:1、45、46、48、49、50、51、61、66、67、69、70、71、72、73、74、81、84、86、90、91、92、95、107、110、117、118、119、120、121、126、127、129、132、133、134等も使用できる。
橙色系染料としては、C.I.アシッド オレンジ 1、1:1、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、17、18、19、20、20:1、22、23、24、24:1、25、27、28、28:1、30、31、33、35、36、37、38、41、45、49、50、51、54、55、56、59、79、83、94、95、102、106、116、117、119、128、131、132、134、136、138等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト オレンジ 1、2、3、4、5、6、7、8、10、13、17、19、20、21、24、25、26、29、29:1、30、31、32、33、43、49、51、56、59、69、72、73、74、75、76、79、80、83、84、85、87、88、90、91、92、95、96、97、98、101、102、102:1、104、108、112、114等も使用できる。
青色染料としては、C.I.アシッド ブルー 1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、13、14、15、17、19、21、22、23、24、25、26、27、29、34、35、37、40、41、41:1、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、62、62:1、63、64、65、68、69、70、73、75、78、79、80、81、83、84、85、86、88、89、90、90:1、91、92、93、95、96、99、100、103、104、108、109、110、111、112、113、114、116、117、118、119、120、123、124、127、127:1、128、129、135、137、138、143、145、147、150、155、159、169、174、175、176、183、198、203、204、205、206、208、213、227、230、231、232、233、235、239、245、247、253、257、258、260、261、262、264、266、269、271、272、273、274、277、278、280等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト ブルー 1、2、3、4、6、7、8、8:1、9、10、12、14、15、16、19、20、21、21:1、22、23、25、27、29、31、35、36、37、40、42、45、48、49、50、53、54、55、58、60、61、64、65、67、79、96、97、98:1、101、106、107、108、109、111、116、122、123、124、128、129、130、130:1、132、136、138、140、145、146、149、152、153、154、156、158、158:1、164、165、166、167、168、169、170、174、177、181、184、185、188、190、192、193、206、207、209、213、215、225、226、229、230、231、242、243、244、253、254、260、263等も使用できる。
紫色染料としては、C.I.アシッド バイオレット 1、2、3、4、5、5:1、6、7、7:1、9、11、12、13、14、15、16、17、19、20、21、23、24、25、27、29、30、31、33、34、36、38、39、41、42、43、47、49、51、63、67、72、76、96、97、102、103、109等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト バイオレット 1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、16、17、18、21、22、25、26、27、28、29、30、31、32、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、51、52、54、57、58、61、62、63、64、71、72、77、78、79、80、81、82、83、85、86、87、88、93、97等も使用できる。
緑色染料としては、C.I.アシッド グリーン 2、3、5、6、7、8、9、10、11、13、14、15、16、17、18、19、20、22、25、25:1、27、34、36、37、38、40、41、42、44、54、55、59、66、69、70、71、81、84、94、95等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクト グリーン 11、13、14、24、30、34、38、42、49、55、56、57、60、78、79、80等も使用できる。
(カチオン性染料)
本発明の造塩化合物を得るためのカチオン性染料としては、アニオン性化合物とイオン結合する着色化合物であればよい。このような着色化合物としては、分子中に少なくとも1つのオニウム塩基、もしくは広義のアミノ基(−NH2、−NHR,−NR2)を有するものであれば、特に制限はないが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、及びであることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びであることがより好ましい。さらに好ましくはアンモニウム塩である。
カチオン性染料としては、例えば、アントラキノン系カチオン性染料、モノアゾ系カチオン性染料、ジスアゾ系カチオン性染料、オキサジン系カチオン性染料、キサンテン系カチオン性染料の中でもローダミン系カチオン性染料、キノリン系カチオン性染料、トリアリールメタン系カチオン性染料、ジアリールメタン系カチオン性染料、チアジン系カチオン性染料、アクリジン系カチオン性染料、アジン系カチオン性染料、シアニン系カチオン性染料などが挙げられる。中でも、トリアリールメタン系カチオン性染料、ローダミン系カチオン性染料、モノアゾ系カチオン染料、ジスアゾ系カチオン性染料、シアニン系カチオン性染料が明度の観点で好ましく、ローダミン系カチオン性染料またはトリアリールメタン系カチオン性染料がより好ましく、トリアリールメタン系カチオン性染料が特に好ましい。
トリアリールメタン系カチオン性染料としては、C.I.ベーシック バイオレット1(メチルバイオレット)、同3(クリスタルバイオレット)、同14(Magenta)、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)、後述の一般式(3)で表される染料、等があげられる。中でもC.I.ベーシック ブルー7、同グリーン 4、同バイオレット1、同バイオレット3、一般式(3)で表される染料を用いることが好ましい。
ローダミン系カチオン性染料としては、C.I.ベーシック レッド1(ローダミン6G、6GCP)、同3、同8(ローダミンG)、C.I.ベーシック バイオレット10(ローダミンB)等があげられる。中でもC.I.ベーシック レッド1、同バイオレット10を用いることが好ましい。
シアニン系カチオン性染料としては、公知のもの又は市販品を使用することが出来る。例えば、C.I.ベーシックエロー11、12、13、14、21、22、23、24、28、29、33、35、40、43、44、45、48、49、51、52、53、C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、27、35、36、37、45、48、49、52、53、66、68、C.I.ベーシックバイオレット7、15、16、20、21、39、40、C.I.ベーシックオレンジ27、42、44、46、C.I.ベーシックブルー62、63等が挙げられる。これらの中でも、溶解性が良く、発色性及び消色性が良好であるという点でC.I.ベーシックエロー11、13、C.I. ベーシックレッド12、13、14、15、37、C.I. ベーシックバイオレット15、16等を好適に使用出来る。
モノアゾ系カチオン染料/ジスアゾ系カチオン染料としては、ベーシックレッド22、46、76、ベーシックイエロー57、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17、ベーシックバイオレット16等が挙げられる。中でも、ベーシックレッド46、ベーシックバイオレット16が明度の観点で好ましい。
フラビン系カチオン性染料としては、C.I.ベーシック イエロー1、
オーラミン系カチオン性染料としては、C.I.ベーシック イエロー2、3、
サフラニン系カチオン性染料としては、C.I.ベーシック レッド2、
フロキシン系カチオン性染料としては、C.I.ベーシック レッド12、
アクリジン系カチオン性染料としては、C.I.ベーシック イエロー5、
オキサジン系カチオン性染料としては、C.I.ベーシック ブルー3、
チアジン系カチオン性染料としては、C.I.ベーシック ブルー24、
メチレンブルー系カチオン性染料としては、C.I.ベーシック ブルー9(メチレンブルーFZ、メチレンブルーB)、同25(ベーシック ブルーGO)、同24(ニューメチレンブルーNX)等があげられる。中でもC.I.ベーシック イエロー1、同ブルー9、同24、同25を用いることが好ましい。
赤色画素を形成する上では、補色としてのフラビン系カチオン性染料は有効な材料である。メチレンブルーカチオン性染料は鮮明な青色を呈し、造塩染料にした場合に耐熱性に優れる点において、好ましい材料である。また、フラビン系カチオン性染料は、鮮明な黄味を呈し、造塩染料にした場合に耐熱性に優れる点において、好ましい材料である。中でも発色性が良好な点において、トリアリールメタン系カチオン性染料、ローダミン系カチオン性染料がより好ましい。
また特に好ましいトリアリールメタン系カチオン性染料、ローダミン系カチオン性染料については、以下に詳述する。
[トリアリールメタン系カチオン性染料]
トリアリールメタン系カチオン性染料は、中心の炭素に対してパラの位置にあるNH2あるいはOH基が酸化によりキノン構造をとることによって発色するものである。
NH2、OH基の数によって以下3つの型に分けられるが、中でもトリアミノトリフェニルメタン系のカチオン性染料の形態であることが良好な青色、赤色、緑色を発色する点で好ましいものである。
a)ジアミノトリフェニルメタン系カチオン性染料
b)トリアミノトリフェニルメタン系カチオン性染料
c)OH基を有するロゾール酸系カチオン性染料
トリアミノトリフェニルメタン系カチオン性染料、ジアミノトリフェニルメタン系カチオン性染料は色調が鮮明であり、他のものよりも日光堅ロウ性に優れ好ましいものである。またジフェニルナフチルメタンカチオン性染料および/またはトリフェニルメタンカチオン性染料が好ましい。
ブルー系のトリアリールメタン系カチオン性染料は、400〜440nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有している。中でも耐熱性の観点から、下記一般式(11)の構造である染料が好ましく、一般式(11)の中でも下記一般式(3)の構造である染料がよりが好ましく、一般式(3)の中でも、R1Hがメチル基もしくはエチル基である構造、または、一般式(1)の構造である染料(C.I.ベーシック ブルー7)がより好ましく、一般式(3)のR1Hがメチル基である構造が入手性や耐熱性の観点から特に好ましい。
一般式(11)
Figure 2015028587
[一般式(11)中、R1A〜R1Dは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を表す。R1GおよびR1Hは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、または、エチル基を表す。Ar1は、置換基を有してもよい炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、または、置換を有してもよい炭素数4〜9の芳香族複素環基を示す。]
一般式(3)
Figure 2015028587
[一般式(3)中、R1A〜R1Fは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を表す。R1GおよびR1Hは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、または、エチル基を表す。]
一般式(1)
Figure 2015028587
一般式(11)中、R1A〜R1Dにおけるアルキル基としては、炭素数1から30の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基、または炭素数2から30であり1個以上のエステル結合(−COO−)および/またはエーテル結合(−O−)を含む直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられる。
炭素数1から30の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、2−エチルヘキシル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から30であり1個以上のエステル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH(−CH3)−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−OCO−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3、−(CH2)5−COO−(CH211−CH3、−CH2−CH2−CH2−CH−(COO−CH2−CH3) 2等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から30であり1個以上のエーテル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8である)、−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5である)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3−、−CH2−CH−(OCH32等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から30であり場合により1個以上のエーテル結合を含む単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2015028587
炭素数3から30であり1個以上のエステル結合(−COO−)およびエーテル結合(−O−)を含む直鎖状、分岐鎖状、アルキル基の具体例としては、−CH2−CH2−COO−CH2−CH2−O−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3、−CH2−CH2−COO−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(11)中、R1A〜R1Dにおけるアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられる。それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよい。具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(11)中、R1A〜R1Dにおけるアリール基としては、炭素数6〜18を有する単環または縮合多環芳香族基であり、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、p−ビフェニル基、m−ビフェニル基、2−アントリル基、9−アントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、9−フルオレニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、3−ペリレニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(11)中、R1A〜R1Dにおけるアルキル基、アルケニル基、およびアリール基は、置換基を有しても良い。そのような置換基としては、アルキル基、アルケニル基、および、アリール基が挙げられ、これらは前記一般式(11)における、R1A〜R1Dのアルキル基、アルケニル基、およびアリール基と同義である。
Ar1は、置換基を有してもよい炭素数6〜14の芳香族炭化水素基、または、置換を有してもよい炭素数4〜9の芳香族複素環基を示す。置換基を有してもよい炭素数6〜14の芳香族炭化水素基の置換基としては、塩素原子、−R14基、または、−N(R15)R16基が挙げられる。ここでR14〜R16としては、アルキル基、アルケニル基、および、アリール基が挙げられ、一般式(11)におけるR1A〜R1Dのアルキル基、アルケニル基、および、アリール基と同義である。
置換基を有してもよい炭素数4〜9の芳香族複素環基の置換基としては、−R17基、−N(R18)R19基が挙げられる。このR17〜R19としては、アルキル基、アルケニル基、および、アリール基が挙げられ、一般式(11)におけるR1A〜R1Dのアルキル基、アルケニル基、および、アリール基と同義である。
一般式(3)中、R1A〜R1Fにおけるアルキル基としては、一般式(11)のR1A〜R1Dで示したアルキル基と同義である。
一般式(3)中、R1A〜R1Fにおけるアルケニル基としては、一般式(11)のR1A〜R1Dで示したアルケニル基と同義である。
一般式(3)中、R1A〜R1Fにおけるアリール基としては、一般式(11)のR1A〜R1Dで示したアリール基と同義である。
一般式(3)中、R1A〜R1Fにおけるアルキル基、アルケニル基、およびアリール基は、置換基を有しても良い。そのような置換基としては、アルキル基、アルケニル基、およびアリール基が挙げられ、これらは前記一般式(11)における、R1A〜R1Dのアルキル基、アルケニル基、およびアリール基と同義である。
R1GおよびR1Hは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはエチル基を表す。好ましくはメチル基、または、エチル基であり、R1GまたはR1Hのいずれかがメチル基またはエチル基であることがより好ましい。
[ローダミン系カチオン性染料]
本発明において好ましく用いることのできるローダミン系塩基性染料は、赤色、バイオレット色、を呈するものである。赤色、バイオレット色を呈するとは、C.I.ベーシック レッド、C.I.ベーシック バイオレット等のカチオン性染料に属するものである。
ローダミン系カチオン性染料は、400〜430nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有している。本発明に用いるローダミン系カチオン性染料は、透過スペクトルにおいて650nmの領域で透過率が90%以上であり、600nmの領域で透過率が75%以上、500〜550nmの領域で透過率が5%以下、400nmの領域で透過率が70%以上であるものが好ましい。より好ましくは、650nmの領域で透過率が95%以上であり、600nmの領域で透過率が80%以上、500〜550nmの領域で透過率が10%以下、400nmの領域で透過率が75%以上である。
上記のカチオン性染料を色ごとにまとめると、
青色の画素に好ましく用いることのできるものは、トリアリールメタン系カチオン性染料、メチレンブルー系カチオン性染料等であり、具体的には、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同9(メチレンブルーFZ、メチレンブルーB)、同24(ニューメチレンブルーNX)、同25(ベーシックブルーGO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)、一般式(3)で表される染料、等があげられる。なかでも、耐熱性の観点からC.I.ベーシック バイオレット10、C.I.ベーシック ブルー7、一般式(3)で表される染料、が好ましく、前述のように一般式(3)の中でも、R1Hがメチル基であるトリアリールメタン系染料が最も好ましい。
また青色画素の補色として、ローダミン系カチオン性染料、後に述べる赤色を呈する、サフラニン系カチオン性染料、フロキシン系カチオン性染料等も有効である。例えば、銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメント ブルー15:6)と赤色を呈するカチオン性染料由来の造塩化合物とを併用することで、明度の高い青色画素を得ることができる。特に、銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメント ブルー15:6)とローダミン系カチオン性染料を用いたものとの組み合わせが、高い明度が得られ好ましいものである。
赤色の画素に好ましく用いることのできるものは、ローダミン系カチオン性染料、サフラニン系カチオン性染料、フロキシン系カチオン性染料等であり、具体的には、C.I.ベーシック レッド1(ローダミン6G、6GCP)、同2(サフラニン系カチオン性染料)、同8(ローダミンG)、同12(フロキシン系カチオン性染料)、C.I.ベーシック バイオレット10(ローダミンB)等があげられる。また赤色画素の補色として、黄色を呈するフラビン系カチオン性染料は好ましいものである。
緑色の画素に好ましく用いることのできるものは、トリアリールメタン系カチオン性染料であり、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)等があげられる。
カチオン性染料の態様としては、前記カチオン性染料の態様以外に、油溶性染料の態様で用いることもできる。例えば、C.I.ソルベント レッド49等が好ましいものである。
<染料とイオン結合によって塩形成し得る化合物>
本発明の造塩化合物を得るにあたり、染料とイオン結合によって塩形成し得る化合物についての説明をする。塩形成し得る化合物としては、カチオン性化合物とアニオン性化合物があり、カチオン性化合物は、上記アニオン性染料とイオン結合によって造塩することが出来る。また、アニオン性化合物は、上記カチオン性染料とイオン結合によって造塩することが出来る。
[カチオン性化合物]
カチオン性化合物としては、低分子化合物でも側鎖にカチオン性基を有する樹脂型化合物でも良い。
《カチオン性低分子化合物》
カチオン性低分子化合物では、分子中に少なくとも1つのオニウム塩基、もしくは広義のアミノ基(−NH2、−NHR,−NR2)を有するものであれば、特に制限はないが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びであることがより好ましい。さらに好ましくはアンモニウム塩である。
これらの具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、モノラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド、トリアミルベンジルアンモニウムクロライド、トリヘキシルベンジルアンモニウムクロライド、トリオクチルベンジルアンモニウムクロライド、トリラウリルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド、及びベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロライド、ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
また、カチオン性化合物としては、側鎖にカチオン性基を有する樹脂型化合物が望ましい。
《側鎖にカチオン性基を有する樹脂型化合物》
側鎖にカチオン性基を有する樹脂型化合物としては、側鎖に少なくとも1つのオニウム塩基を有するものであれば、特に制限はないが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びホスホニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びスルホニウム塩であることがより好ましい。さらに好ましくはアンモニウム塩である。
また、側鎖にカチオン性基を有する樹脂型化合物としてはカラーフィルタ用着色組成物中のアクリル樹脂と相溶性の観点から、側鎖にカチオン性基を有する構造単位を持つビニル系樹脂、中でも側鎖にカチオン性基を有する構造単位を持つアクリル系樹脂、側鎖にカチオン性基を有する構造単位を持つスチレン系樹脂、側鎖にカチオン性基を有する構造単位を持つスチレンアクリル系樹脂が好ましい。
また、側鎖にカチオン性基を有する樹脂型化合物として具体的には、下記一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂が用いられる。
一般式(4)
Figure 2015028587
[一般式(4)中、R1は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R2〜R4 は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R2〜R4のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R5−、−COO−R5−を表し、R5は直接結合、アルキレン基を表す。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
一般式(4)中、R1におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
一般式(4)中、R1で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基等が挙げられる。上記の中でも、R1としては、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
一般式(4)中、R2〜R4におけるアルキル基としては、例えば、直鎖アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル及びn−オクタデシル等)、分岐アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル、2−エチルヘキシル及び1,1,3,3−テトラメチルブチル等)、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)及び架橋環式アルキル基(ノルボルニル、アダマンチル及びピナニル等)が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。
一般式(4)中、R2〜R4におけるアルケニル基としては、例えば、直鎖又は分岐のアルケニル基(ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル及び2−メチル−2−プロぺニル等)、シクロアルケニル基(2−シクロヘキセニル及び3−シクロヘキセニル等)が挙げられる。該アルケニル基としては、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基である。
一般式(4)中、R2〜R4におけるアリール基としては、例えば、単環式アリール基(フェニル等)、縮合多環式アリール基(ナフチル、アントラセニル、フェナンスレニル、アントラキノリル、フルオレニル及びナフトキノリル等)及び芳香族複素環炭化水素基(チエニル(チオフェンから誘導される基)、フリル(フランから誘導される基)、ピラニル(ピランから誘導される基)、ピリジル(ピリジンから誘導される基)、9−オキソキサンテニル(キサントンから誘導される基)及び9−オキソチオキサンテニル(チオキサントンから誘導される基)等)が挙げられる。
一般式(4)中、R2〜R4で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、及び、カルボキシ基等から選択される置換基が挙げられる。該置換基としては、中でも、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基が特に好ましい。
一般式(4)中、R2〜R4としては、安定性の観点から置換されていてもよいアルキル基が好ましく、無置換のアルキル基が更に好ましい。また、R2〜R4のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。
一般式(4)中、アクリル部位とアンモニウム塩基を連結するQの成分はアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R5−、−COO−R5−を表し、R5は直接結合、アルキレン基を表すが、中でも、重合性、入手性の理由から、−CONH−R5−、−COO−R5−であることが好ましい。また、R5がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
一般式(4)中におけるY-の成分は、無機または有機のアニオンであればよい。対アニオンとしては、公知のものが制限なく採用でき、具体的には、水酸化物イオン;塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン;ギ酸イオン、酢酸イオン等のカルボン酸イオン;炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、クロム酸イオン、ニクロム酸イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、過マンガン酸イオン、さらには、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオンのような錯体イオン等が挙げられる。合成適性や安定性の点からは、ハロゲンイオン及びカルボン酸イオンが好ましく、ハロゲンイオンが最も好ましい。対アニオンがカルボン酸イオン等の有機酸イオンである場合は、樹脂中に有機酸イオンが共有結合し、分子内塩を形成していてもよい。
以下に、本発明の好ましい様態である一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂を得るために使用可能なエチレン性不飽和単量体の具体例を示す。
4級アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシジメチルアミノエチルメチルクロライド塩等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリロイルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、および、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられ、中でも、アルキル(メタ)アクリレートの第4級アンモニウム塩がより好ましく、特に、(メタ)アクリロイルオキシジメチルアミノエチルメチルクロライド塩が好ましい。
本発明の好ましい様態である一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂を得るには、アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合する方法だけでなく、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合したアミノ基を有するアクリル系樹脂を得た後、オニウム塩化剤を反応させ、アンモニウム塩化する方法により得ても良い。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、前述のバインダー樹脂のその他のエチレン性不飽和単量体で記載した、ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミドやアミノ基含有芳香族ビニル系単量体からなるアミノ基を有するエチレン性不飽和単量体を用いることができる。
オニウム塩化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、またはジプロピル硫酸等のアルキル硫酸、p−トルエンスルホン酸メチル、またはベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル、メチルクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、またはオクチルクロライド等のアルキルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、プロピルブロマイド、またはオクチルクロブロマイド等のアルキルブロマイド、あるいは、ベンジルクロライド、またはベンジルブロマイド等が挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体とオニウム塩化剤との反応は、通常はアミノ基に対して等モル以下のオニウム塩化剤を、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体溶液に滴下することによって行うことができる。アンモニウム塩化反応時の温度は90℃程度以下であり、特にビニルモノマーをアンモニウム塩化する場合には30℃程度以下が好ましく、反応時間は1〜4時間程度である。
別に、オニウム塩化剤として、アルコキシカルボニルアルキルハライドを使用することもできる。アルコキシカルボニルアルキルハライドは下記一般式(5)で表される。
一般式(5)
Z−R6−COOR7
[一般式(5)中、Zは、塩素、または臭素等のハロゲン、好ましくは臭素であり、R6は、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基であり、R7は、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。]
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体とアルコキシカルボニルアルキルハライドとの反応は、アミノ基に対して等モル以下のアルコキシカルボニルアルキルハライドを上記オニウム塩化剤同様に反応させた後、−COOR7を加水分解してカルボキシレートイオン(−COO-)に変換することにより得られる。これにより、カルボキシベタイン構造を有しアンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を得ることができる。
(その他エチレン性不飽和単量体)
その他、用いることができるエチレン性不飽和単量体としては、バインダー樹脂に記載のエチレン性不飽和単量体を適宜用いることができる。
具体的には、直鎖、分岐、または、環状アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体、水酸基を含むエチレン性不飽和単量体、フルオロアルキル(メタ)アクリレート類、複素環を有する(メタ)アクリレート類、芳香族環を有する(メタ)アクリレート類、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレート類、エーテル基を有する(メタ)アクリレート類、オキセタニル基を有する(メタ)アクリレート類、ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミド、ビニル類、および、アミノ基含有芳香族ビニル系単量体である。
またそれ以外に用いることが出来るエチレン性不飽和単量体としては、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類などが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等;
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニル等;
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチル等;
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチル等;
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチル等;
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド等;
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテル等;が挙げられる。
その他用いることができるエチレン性不飽和単量体としては、重合性や着色組成物の耐熱性の観点から、熱架橋性官能基や紫外線吸収能含有官能基、酸化防止能含有官能基、アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体が好ましく、それらは、本発明のバインダー樹脂に記載の熱架橋性官能基や紫外線吸収能含有官能基、酸化防止能含有官能基、アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体を適宜用いることが出来る。
本発明に好適な一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂を得る方法としては、バインダー樹脂に記載の重合方法と同様であり、上記重合に用いることが出来る有機溶剤はバインダー樹脂に記載の有機溶剤と同様である
一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂中に存在するアンモニウム塩基の量は、特に限定されるものではないが、樹脂のアンモニウム塩価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることがより好ましい。
一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることがより好ましい。
また、一般式(4)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤に溶解する特性を有することが好ましく、バインダー樹脂に記載の有機溶剤に溶解することが好ましい。その中でも特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することがより好ましい。
カチオン性基を有する樹脂において、上記一般式(4)で表される構造単位の総含有量は、特に制限はないが、カチオン性基を有する樹脂に含有される全構造単位を100質量%とした場合に、造塩化合物の溶剤溶解性と着色力の点から、上記一般式(4)で表される構造単位の総含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。
[アニオン性化合物]
アニオン性化合物としては、アニオン性低分子化合物でも側鎖にアニオン性基を有する樹脂型化合物でも良く、特にアニオン性低分子化合物を好適に用いることができる。分子中に少なくとも1つのアニオン性基含有塩を有するものであれば、特に制限はない。好適な置換基としては、入手性の観点からは、硫酸塩、および、スルホン酸塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)等の観点からは硫酸塩であることがより好ましい。
《アニオン性低分子化合物》
具体的なアニオン性低分子化合物の構造は、下記一般式(6)または下記一般式(21)で示す構造である。
一般式(6)
Figure 2015028587
[一般式(6)中、R8は、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。]
一般式(21)
Figure 2015028587
[一般式(21)中、R1は水素原子、またはメチル基を表す。R2は、単結合または2価の連結基を表し、Aは一般式(22)を表し、Y+は無機または有機のカチオンを表す。]
一般式(22)
Figure 2015028587
[一般式(22)中、R4は置換基を有しても良いアルキレン基を表し、n=1〜20の整数である。]
一般式(6)中、R8における置換もしくは無置換のアルキル基としては、炭素数1〜30の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基、または炭素数2〜30であり1個以上のエステル結合(−COO−)および/またはエーテル結合(−O−)を含む直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられる。
一般式(6)中、炭素数1〜30の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、2−エチルヘキシル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)中、炭素数2〜30であり1個以上のエステル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH(−CH3)−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−OCO−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3、−(CH2)5−COO−(CH211−CH3、−CH2−CH2−CH2−CH−(COO−CH2−CH3) 2等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)中、炭素数2〜30であり1個以上のエーテル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8である)、−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5である)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3−、−CH2−CH−(OCH32等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)中、炭素数2〜30であり場合により1個以上のエーテル結合を含む単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2015028587
一般式(6)中、炭素数3〜30であり1個以上のエステル結合(−COO−)およびエーテル結合(−O−)を含む直鎖状、分岐鎖状、アルキル基の具体例としては、−CH2−CH2−COO−CH2−CH2−O−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3、−CH2−CH2−COO−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)中、R8における置換もしくは無置換のアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられる。それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよい。具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(21)中のR2としては、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいオキシアルキレン基、置換基を有してもよいアリーレン基、−CH2−O−CH2CH(R3)O−、−CONH−R5−、−R6−O−又は、−COO−R5−、を表し、R3は炭素数1〜30の1価のアルキル基を表し、R5は、単結合、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいオキシアルキレン基、又は、置換基を有してもよいアリーレン基を表し、R6は置換基を有してもよいアリーレン基を表す。
一般式(21)中、R2の置換基を有してもよいアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、または、オクタメチレン基等;
2の置換基を有してもよいオキシアルキレン基の具体例としては、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシヘキサメチレン基、または、オキシオクタメチレン基等;
2の置換基を有してもよいアリーレン基の具体例としては、フェニル基、ノニルフェニル基、または、パラクミルフェニル基等;
3の炭素数1〜30の1価のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、または、ドデシル基等;
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(21)中、R3の炭素数1〜30の1価のアルキル基としては、炭素数1〜18の1価のアルキル基が好ましく、炭素数8〜18の1価のアルキル基が好ましい。理由としては、炭素数の少ないアルキル基の場合は耐熱性に悪影響を与える。また炭素数が大きいアルキル基の場合は、樹脂や染料造塩物を作成する際の溶解性に悪影響を及ぼすことが懸念される。
一般式(21)中、R5の置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいオキシアルキレン基、置換基を有してもよいアリーレン基としては、一般式(21)中のR2で説明したアルキレン基、オキシアルキレン基、アリーレン基が挙げられるが、これらに限定されない。
一般式(21)中のR2としては、その中でも、炭素数8〜18の長鎖アルキル基の分岐を有する、−CH2−O−CH2CH(R3)O−が、重合性、入手性、耐熱性の理由から好ましい。
一般式(21)中、Aは一般式(22)を表す。
本願発明のエチレン性不飽和単量体(a−1)は、スルホ基(SO3)の隣のAが、一般式(22)で示されるアルキレンオキサイドであり、硫酸基を有することを特徴とする。通常、カルボン酸基やスルホン酸基を有する樹脂が使用されるが、本発明者らはカルボキシ基やスルホン酸基よりも酸性度の強い硫酸基を有する樹脂が、カルボキシル基やスルホン酸基よりも、特に塩基性染料との強い相互作用によって塩形成し、着色組成物の耐熱性を向上するものと考え、本発明に至った。
一般式(22)中、R4の置換基を有してもよいアルキレン基の具体例としては、一般式(21)中で説明したアルキレン基が挙げられる。当該アルキレン基の炭素数としては、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜5がより好ましく、炭素数2または3が特に好ましい。
また、一般式(22)中のnは、1〜20の整数であり、nが2〜15の整数であることが好ましく、nが5〜10の整数であることがより好ましい。
これら一般式(21)、(22)における、アルキル基、アルキレン基、オキシアルキレン基、アリーレン基置換基を有しても良い。そのような置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基が挙げられ、これらは前述の一般式(3)の項記載の置換基と同義である。
当該エチレン性不飽和単量体を構成する一般式(21)中におけるY+の成分は、無機または有機のカチオンを表し、公知のものが制限なく採用できる。Yとして具体的には、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム化合物等が挙げられる。その際、アルカリ金属は、ナトリウム、カリウムであり、アルカリ土類金属は、カルシウム、マグネシウムであることが好ましい。また、アンモニウム化合物とは、NH4 +または、そのHを炭化水素基などで置換した化合物のことである。
一般式(21)で示されるエチレン性不飽和単量体(a−1)としては、市販されているものであってもよいし、適宜合成したものであってもよく、具体例としては、
第一工業製薬社製市販品の、アクアロンKH−10、KH−1025、若しくは、KH−05等のポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム;
HS−10、HS−1025、BC−10、BC−20等のポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム;
三洋化成工業社製市販品の、エレミノールRS−3000等のポリオキシアルキレン硫酸ナトリウムメタクリレート;
日本乳化剤社製市販品の、アントックスMS−60等のビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート硫酸エステル塩等が挙げられる。
これら一般式(21)に示されるエチレン性不飽和単量体(a−1)は、1種のみであってもよいし、2種以上を併用してもよく、これらの中でも、アクアロンKH−10、KH−05を好ましく用いることができる。
本発明のアニオン性低分子化合物の具体例としては、表1の以下の構造が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2015028587
《側鎖にアニオン性基を有する樹脂型化合物》
側鎖にアニオン性基を有する樹脂型化合物としては、側鎖に少なくとも1つのスルホ基を含有するモノマーを単量体成分として得られる共重合体が好ましく、側鎖に少なくとも1つのスルホ基を含有するモノマーを単量体成分として得られる共重合体がより好ましい。
また、側鎖にアニオン性基を有する樹脂としてはカラーフィルタ用着色組成物中のアクリル樹脂と相溶性の観点から、側鎖にアニオン性基を有する構造単位を持つビニル系樹脂、中でも側鎖にアニオン性基を有する構造単位を持つアクリル系樹脂、側鎖にアニオン性基を有する構造単位を持つスチレン系樹脂、側鎖にアニオン性基を有する構造単位を持つスチレンアクリル系樹脂が好ましい。
本発明の造塩化合物を含有するカラーフィルタ用着色組成物を調製し、カラーフィルタとしての特性を発現させる場合は、カラーフィルタ用着色組成物を構成するバインダー樹脂と同種の樹脂を使用することが望ましい。カラーフィルタ用着色組成物はアクリル系樹脂が好ましく用いられることから、造塩化合物を得るための側鎖にアニオン性基を有する樹脂として、アクリル系樹脂が最も好ましい。
また、本発明の側鎖にアニオン性基を有する樹脂としては、下記一般式(7)で表される構造単位を含むビニル系樹脂が好ましく、中でもアクリル系樹脂が好ましく用いられる。
一般式(7)
Figure 2015028587
[一般式(7)中、R9は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
Dは単結合、または、2価の連結基を表す。P-は、−SO3 -、−OSO3 -、−R10SO3-、または−COO-を表し、R10は一般式(8)で表される。A+は無機または有機のカチオンを表す。]
一般式(8)
Figure 2015028587
[一般式(8)中、R11は置換基を有しても良いアルキレン基を表し、m=1〜20の整数である。]
一般式(7)中、R9は、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R9におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
9で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシル基等が挙げられる。
上記の中でも、R9としては、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
一般式(7)中、アクリル部位とP-を連結するDの成分は単結合、または、2価の連結基を表し、2価の連結基としては、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有しても良いアリーレン基、置換もしくは無置換のオキシアルキレン基、−CH2−O−CH2CH(R12)O−、−CONH−R13−、または、−COO−R13−、−R54−O、を表し、R12は炭素数1〜30の1価のアルキル基を表し、R13は単結合、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいオキシアルキレン基、又は、置換基を有してもよいアリーレン基を表し、R54は置換基を有してもよいアリーレン基を表す。
一般式(7)中におけるDの2価の連結基中の置換基を有してもよいアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、または、オクタメチレン基等;
一般式(7)中におけるDの2価の連結基中の置換基を有してもよいオキシアルキレン基の具体例としては、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシヘキサメチレン基、または、オキシオクタメチレン基等;
一般式(7)中におけるDの2価の連結基中の置換基を有してもよいアリーレン基の具体例としては、フェニル基、ノニルフェニル基、または、パラクミルフェニル基等;
一般式(7)中におけるR12の炭素数1〜30の1価のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、または、ドデシル基等;
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
12の炭素数1〜30の1価のアルキル基としては、炭素数1〜18の1価のアルキル基が好ましく、炭素数8〜18の1価のアルキル基が好ましい。理由としては、炭素数の少ないアルキル基の場合は耐熱性に悪影響を与える。また炭素数が大きいアルキル基の場合は、樹脂や染料造塩物を作成する際の溶解性に悪影響を及ぼすことが懸念される。
一般式(7)中、R13の置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいオキシアルキレン基、置換基を有してもよいアリーレン基としては、一般式(7)中におけるDの2価の連結基中で説明したアルキレン基、オキシアルキレン基、アリーレン基が挙げられるが、これらに限定されない。
一般式(7)中におけるDとしては、その中でも、炭素数8〜18の長鎖アルキル基の分岐を有する、−CH2−O−CH2CH(R12)O−が、重合性、入手性、耐熱性の理由から好ましい。
一般式(7)中、P-は、−SO3 -、−OSO3 -、−R10SO3-、または−COO-を表し、R10は一般式(7)で表される。
当該エチレン性不飽和単量体を構成する一般式(7)中におけるA+の成分は、無機または有機のカチオンを表し、公知のものが制限なく採用できる。Aとして具体的には、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム化合物等が挙げられる。その際、アルカリ金属は、ナトリウム、カリウムであり、アルカリ土類金属は、カルシウム、マグネシウムであることが好ましい。また、アンモニウム化合物とは、NH4 +または、そのHを炭化水素基などで置換した化合物のことである。
一般式(8)中、R11置換基を有してもよいアルキレン基の具体例としては、一般式(7)中のDで説明したアルキレン基が挙げられる。当該アルキレン基の炭素数としては、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜5がより好ましく、炭素数2または3が特に好ましい。
また、一般式(8)中のnは1〜20の整数であり、nが2〜15の整数であることが好ましく、nが5〜10の整数であることがより好ましい。
本発明の好ましい様態である下記一般式(7)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るには、スルホ基及び/またはカルボキシル基を有するモノマーを単量体成分として共重合する方法が挙げられる。
以下に、一般式(7)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るために使用可能なスルホ基、もしくはカルボキシル基を有するモノマーの具体例を示す。一般式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体としては、市販されているものであってもよいし、適宜合成したものであってもよい。
カルボキシル基を有するモノマーの例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられ、カルボン酸無水物基を有するモノマーとしては、無水マレイン酸、及び無水イタコン酸等が挙げられる。
スルホン酸基を有するモノマーは、式(IV)のモノマーおよびその水溶性塩、殊にアルカリ金属塩、例えばカリウムおよび、殊に有利には、ナトリウム塩、およびアンモニウム塩である。
式(IV)
14(R15)C=C(R16)−X−SO3
[式(IV)中、R14、R15およびR16は、互いに無関係に、−H、C原子1〜12個を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、直鎖または分岐鎖のC原子2〜12個を有するモノ不飽和またはポリ不飽和のアルケニル基(その際、後者の2個の基は非置換であるか、または1個以上の基−NH2、−OHまたは−COOHによって置換されている)、−COOHまたは−COOR17であり、またR14はXSO3Hであり;R17は、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖のC原子1〜12個を有する炭化水素であり;Xは、単結合、n=1〜4である−(CH2)n−、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、−CH2−O−フェニレン(好ましくは1,4)、−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−、k=1〜6である−COO−(CH2)k−、−CO−NH−、p=0〜3である−CO−NH−CR'R''−(CH2)pまたは−CO−NH−CH2−CH(OH)−CH2−であり;R'は、−H、−CH3または−C25でありかつR''は、−Hまたは−CH3である。]
スルホン酸基を有するモノマーのなかでとりわけ有利なのは、式(IVa)、(IVb)および/または(IVc)のモノマーである。
2C=CH−X−SO3H (IVa)
2C=C(CH3)−X−SO3H (IVb)
HO3S−X−(R18)C=C(R19)−X−SO3H (IVc)
[式(IVa)〜(IVc)中、R18およびR19は、互いに無関係に、−H、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3または−CH(CH32でありかつXは、単結合、n=1〜4の−(CH2)n−、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、−CH2−O−フェニレン(好ましくは1,4)、−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−、k=1〜6の−COO−(CH2)k−、−CO−NH−、m=0〜3の−CO−NH−CR'R''−(CH2)m−または−CO−NH−CH2−CH(OH)−CH2−であり;R'は、−H、−CH3または−C25でありかつR''は、−Hまたは−CH3である。]
極めて有利なスルホン酸基含有モノマーは、1−アクリルアミド−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシ−プロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸(2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸)、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、3−スルホプロピルアクリレート、2−スルホエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミドならびに挙げられた酸の水溶性の塩およびエステルであって、その際、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の形態であること、殊にNa塩およびK塩の形態であることが有利である。
殊に有利なスルホン酸基を有するモノマーは、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸およびスチレンスルホン酸、2−ソジウムスルホエチルメタクリレートである。
硫酸基を有するモノマーとしては、市販されているものであってもよいし、適宜合成したものであってもよく、市販されているものの具体例としては、
第一工業製薬社製市販品の、アクアロンKH−10、KH−1025、若しくは、KH−05等のポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム;
HS−10、HS−1025、BC−10、BC−20等のポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム;
三洋化成工業社製市販品の、エレミノールRS−3000等のポリオキシアルキレン硫酸ナトリウムメタクリレート;
日本乳化剤社製市販品の、アントックスMS−60等のビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート硫酸エステル塩等が挙げられる。
これら一般式(7)に示されるエチレン性不飽和単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上を併用してもよく、これらの中でも、アクアロンKH−10、KH−05を好ましく用いることができる。
その他、一般式(7)で表される構造単位以外で用いることができるエチレン性不飽和単量体としては、上記一般式(7)に示されるエチレン性不飽和単量体とラジカル重合可能なものであれば特に限定されず、バインダー樹脂に記載のエチレン性不飽和単量体を適宜用いることができる。
具体的には、直鎖、分岐、または、環状アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体、水酸基を含むエチレン性不飽和単量体、フルオロアルキル(メタ)アクリレート類、複素環を有する(メタ)アクリレート類、芳香族環を有する(メタ)アクリレート類、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレート類、エーテル基を有する(メタ)アクリレート類、オキセタニル基を有する(メタ)アクリレート類、ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミド、ビニル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、および、アミノ基含有芳香族ビニル系単量体であり、具体例も側鎖にカチオン性基を有する樹脂型化合物に記載のエチレン性不飽和単量体と同義である。
一般式(7)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得る方法としては、側鎖にカチオン性基を有する樹脂型化合物に記載のビニル樹脂を得る方法と同義である。
下記一般式(7)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得る方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できるがこれら重合には有機溶剤を用いることが好ましく、有機溶剤としては、側鎖にカチオン性基を有する樹脂型化合物に記載の有機溶剤と同義である。
本発明に好適な下記一般式(7)で表される構造単位を含むビニル系樹脂中に存在するスルホ基およびカルボキシル基を有する構造単位の合計が、共重合組成の合計100重量%のうち5〜35重量%を含む共重合体であることが好ましい。スルホ基、およびカルボキシル基を有する構造単位の合計が、5重量%より少ないと、造塩反応が起こるカチオン性染料の割合が低くなる。そのため、未造塩のカチオン性染料が多くなり、その結果、溶剤溶解性も低くなり異物の析出といった現象が起こるため好ましくない。また、異物の析出を防止するためには、レジスト材中の溶剤量を多くする必要があるが、そうすると塗工性が著しく悪化するため好ましくない。一方35重量%より多くなると、一般式(7)で表される構造単位を含むビニル系樹脂中に造塩されているカチオン染料の量が多くなりすぎてしまうため、耐熱性が悪化するため好ましくない。
本発明に使用される下記一般式(7)で表される構造単位を含むビニル系樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることがより好ましい。
また、本発明に好適な一般式(7)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤に溶解する特性を有することが好ましく、バインダー樹脂に記載の有機溶剤と同義である。その中でも特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することがより好ましい。
一般式(7)で示すエチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を共重合してなる樹脂を得る重合方法や重合開始剤としては、バインダー樹脂に記載の重合方法並びに、重合開始剤と同義である。
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、バインダー樹脂に記載の重合時の有機溶剤と同義である。
本発明に好適な、上記一般式(7)で表されるエチレン性不飽和単量体は全エチレン性不飽和単量体重量を基準として10重量%〜95重量%が好ましく、より好ましくは20重量%〜60重量%である。
一般式(7)で表されるエチレン性不飽和単量体の重量が、10重量%より少ないと、造塩反応が起こるカチオン性染料の割合が低くなる。そのため、未造塩のカチオン性染料が多くなり、その結果、溶剤溶解性も低くなり異物の析出といった現象が起こるため好ましくない。また、異物の析出を防止するためには、レジスト材中の溶剤量を多くする必要があるが、そうすると塗工性が著しく悪化するため好ましくない。一方95重量%より多くなると、一般式(7)で示されるエチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる樹脂に造塩されるカチオン染料の量が多くなりすぎてしまうため、耐熱性が悪化するため好ましくない。
(造塩)
本発明の造塩化合物は、上記のカチオン性染料に対してはアニオン性化合物を、アニオン性染料に対してはカチオン性化合物を、それぞれを溶解させた水溶液または有機溶剤を攪拌または振動させるか、あるいはカチオン性染料に対してはアニオン性化合物を、アニオン性染料に対してはカチオン性化合物とを攪拌または振動下で混合させることにより、容易に得ることができる。
溶液中で、化合物中のアニオン性、または、カチオン性由来の基と染料のカチオン性基、または、アニオン性基がそれぞれイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水に対して不溶化し析出する。逆に、化合物の対イオン成分と染料の対イオン成分からなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。
使用する化合物、および染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
また、本発明の造塩化合物は、水溶液中で、反応し、化合物の対イオン成分と染料の料の対イオン成分とからなる塩を水洗にて除去してなる化合物であることが好ましい。
塩形成時に使用する水溶液として、水と有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量(100重量%)中、5〜50重量%用いることが好ましく、5〜20重量%用いることが最も好ましい。
本発明における化合物と、染料との比率は、化合物の全イオン化ユニットと染料とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
《その他の着色剤》
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、少なくとも染料とイオン結合によって塩形成し得る化合物とを反応させて得られた造塩化合物からなる着色剤に加えて、さらにその他の着色剤を含むことができる。その他の着色剤としては、青色顔料、紫色顔料、であることが好ましい。
少なくとも染料とイオン結合によって塩形成し得る化合物とを反応させて得られた造塩化合物からなる着色剤にその他の着色剤を含有する場合、その他の着色剤の含有量は、少なくとも染料とイオン結合によって塩形成し得る化合物とを反応させて得られた造塩化合物からなる着色剤の合計100重量部に対し1〜300重量部が好ましい。より好ましくは25〜200重量部、さらに好ましくは50〜100重量部である。その他の着色剤の添加量が1重量部以上、300重量部以下の場合、再現可能な色度領域が広くなるために好ましい。
<顔料>
本発明の着色剤は、さらに顔料を含んでいてもよい。
顔料としては、有機または無機の顔料を、単独または2種類以上混合して用いることができる。顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。以下に、カラーフィルタ用着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント レッド 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、123、146、150、166、168、169、176、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、221、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、268、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、または287等の赤色顔料を用いることができる。
また赤色着色組成物には、C.I.ピグメント オレンジ 36、38、43、71、または73等の橙色顔料及び/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等の黄色顔料を併用することができる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント グリーン7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができる。また緑色着色組成物には、C.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等の黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成するための青色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント ブルー 1、1:2、1:3、2、2:1、2:2、3、8、9、10、10:1、11、12、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、18、19、22、24、24:1、53、56、56:1、57、58、59、60、61、62、64等の青色顔料を用いることができる。また青色着色組成物には、C.I.ピグメント バイオレット 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
シアン色フィルタセグメントを形成するためのシアン色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント ブルー 15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、81等の青色顔料を単独でまたは混合して用いることができる。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント バイオレット 1、19、C.I.ピグメント レッド 144、146、177、169、81等の紫色顔料および赤色顔料を単独でまたは混合して用いることができる。マゼンタ色組成物には、黄色顔料を併用することができる。
また、無機顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、合成鉄黒等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組合せて用いられる。
[顔料の微細化]
本発明の着色組成物に使用する着色剤が顔料を含む場合、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化することができる。顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は5〜90nmの範囲であることが好ましい。5nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になり、90nmよりも大きくなると十分なコントラスト比を得ることができないことがある。このような理由から、より好ましい平均一次粒子径は10〜70nmの範囲である。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式または連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
<熱硬化性化合物>
本発明においては、バインダー樹脂と併用して、さらに熱硬化性化合物を含むことが好ましい。本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いてカラーフィルタを作製する際、熱硬化性化合物を含むことで、フィルタセグメントの焼成時に反応し塗膜の架橋密度を高め、そのためフィルタセグメントの耐熱性が向上し、フィルタセグメント焼成時の顔料凝集が抑えられ、コントラスト比が向上するという効果が得られる。
熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物及び/又は樹脂、ベンゾグアナミン化合物及び/又は樹脂、ロジン変性マレイン酸化合物及び/又は樹脂、ロジン変性フマル酸化合物及び/又は樹脂、メラミン化合物及び/又は樹脂、尿素化合物及び/又は樹脂、およびフェノール化合物及び/又は樹脂が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明のカラーフィルタ用着色組成物ではエポキシ化合物及び/又は樹脂が好ましく用いられる。
エポキシ化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。
このようなエポキシ化合物の例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’−ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ化合物であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
市販品としては、例えば、エピコート807、エピコート815、エピコート825、エピコート827、エピコート828、エピコート190P、エピコート191P(以上は商品名;油化シェルエポキシ(株)製)、エピコート1004、エピコート1256(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、TECHMORE VG3101L(商品名;三井化学(株)製)、EPPN−501H、502H(商品名;日本化薬(株)製)、JER 1032H60(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、JER 157S65、157S70(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPPN−201(商品名;日本化薬(株)製)、JER152、JER154(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020(以上は商品名;日本化薬(株)製)、セロキサイド2021、EHPE−3150(以上商品名;ダイセル化学工業(株)製)、デナコールEX−810、EX−830、EX−851、EX−512、EX−421、EX−313、EX−201、EX−111(以上は商品名;ナガセケムテックス(株)製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
エポキシ化合物の配合量は、着色剤100重量に対し、0.5〜300重量部であることが好ましく、1.0〜50重量部であることがより好ましい。0.5重量部未満では耐熱性改善効果が小さく、300重量部より多いとフォトリソグラフィーによるフィルタセグメント形成時に不具合を生ずる場合がある。
また本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、熱硬化性化合物の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性化合物とを反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性化合物100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有する。
有機溶剤としては、例えば乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
中でも、本発明に用いる造塩化合物やオプションとして用いる顔料の分散、溶解が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。特に、安全衛生面と低粘度化の観点からプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
これらの有機溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。2種以上の混合溶剤とする場合、上記の好ましい有機溶剤が65〜95重量%含有されていることが好ましい。
また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤100重量部に対して、500〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
<分散>
本発明の着色組成物は染料とイオン結合し得る化合物とを反応させて得られた造塩化合物と前記バインダー樹脂と溶剤とからなる着色剤担体中、さらに顔料を含む場合、好ましくは色素誘導体などの分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明の着色組成物は、顔料、造塩化合物、その他の着色剤等を別々に着色剤担体に分散したものを混合して製造することもできる。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
本発明において、造塩化合物は、顔料の分散助剤としての役割を果たすことも期待される。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、添加顔料の分散性向上の観点から、添加顔料の全量を基準(100重量%)として、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上、最も好ましくは3重量%以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、添加顔料の全量を基準(100重量%)として、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは35重量%以下である。
樹脂型分散剤は、添加顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加顔料に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、6919、21116またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合の配合量は、添加顔料の全量を基準(100重量%)として、好ましくは0.1〜55重量%、さらに好ましくは0.1〜45重量%である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量%未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量%より多いと、過剰な分散剤により分散に悪影響を及ぼすことがある。
<光重合性単量体>
本発明の着色組成物は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することができる。
本発明の光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性単量体は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体の配合量は、着色剤100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤の含有量は、着色剤100重量部に対し、2〜200重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から3〜150重量部であることがより好ましい。
<その他の添加剤成分>
(増感剤)
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’または4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
(多官能チオール)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有することができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、カラーフィルタ用着色組成物の全固形分の重量を基準(100重量%)として好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜20重量%である。多官能チオールの含有量が0.1重量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30重量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
(酸化防止剤)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(5,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(5,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2'−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2'−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2'チオジエチルビス−(5,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2'−メチル−4'−ヒドロキシ−5'−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2'−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(5,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N′−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4'イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4'−ブチリデンビス(5−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(5,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
ベンゾフェノン系酸化防止剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、カラーフィルタ用着色組成物の固形分重量を基準(100重量%)として、0.5〜5.0重量%の場合、明度、感度が良好であるためより好ましい。
(アミン系化合物)
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
(レベリング剤)
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
(貯蔵安定剤)
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
(密着向上剤)
また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するものである。カラーフィルタとしては、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するもの、またはマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、およびイエロー色フィルタセグメントを具備するものが挙げられる。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストであり、かつ量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性制御も重要であり、分散剤や体質顔料によってインキ粘度の調整も行うことができる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特にことわりがない限り、「部」とは「重量部」、「%」とは「重量%」を意味する。また、顔料の平均一次粒子径、および樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法は以下の通りである。
(顔料の平均一次粒子径)
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
(樹脂の重合平均分子量(Mw))
樹脂の重合平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(樹脂のアンモニウム塩価)
カチオン性樹脂のアンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値であり、固形分のアンモニウム塩価を示す。
まず、実施例および比較例に用いたバインダー樹脂、微細化顔料、および、染料とイオン結合によって塩形成し得る化合物とを反応させて得られた造塩化合物について説明する。
<バインダー樹脂の製造方法>
(バインダー樹脂溶液BD−1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にメトキシプロピルアセテート153.4部を仕込み、100℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりメチルメタクリレート55.3部、n−ブチルメタクリレート17.8部、2−エチルヘキシルメタクリレート12.5部、ヒドロキシエチルメタクリレート12.5部、メタクリル酸2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチル2.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量25800のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液BD−1を得た。
(バインダー樹脂溶液BD−2〜BD−24の合成)
表2に記載した原料と仕込み量を用いた以外は、BD-1と同様の合成条件で反応を行った。反応終了後、メトキシプロピルアセテートで希釈をし、樹脂成分が20重量%のバインダー樹脂溶液BD−2〜BD−24を合成した。得られたBD−2〜BD−24の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を表2に示す。
Figure 2015028587
(紫外線吸収性官能基を有するエチレン性不飽和単量体)
RUVA-93:メタクリル酸2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチル
Figure 2015028587
<微細化顔料の製造方法>
(青色微細化顔料(P−1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(トーヨーカラー(株)製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部の青色微細化顔料(P−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は28.3nmであった。
(紫色微細化顔料(P−2))
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(Clariant社製「Fast Violet RL」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、90℃で18時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、118部の紫色微細化顔料(P−2)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は26.4nmであった。
(赤色微細化顔料(P−3))
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(BASF社製「IRGAZIN RED 2030」)120部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部の赤色微細化顔料(P−3)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は24.8nmであった。
(黄色微細化顔料(P−4))
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、95部の黄色微細化顔料(P−4)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は39.2nmであった。
(緑色微細化顔料(P−5))
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 58(DIC(株)製「ファーストゲングリーンA110」)120部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、117部の緑色微細化顔料(P−5)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は32.6nmであった。
(赤色微細化顔料(P−6))
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(BASF社製「イルガホア レッド B−CF」)120部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部の赤色微細化顔料(P−6)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は51.0nmであった。
(緑色微細化顔料(P−7))
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 58(DIC社製「FASTGEN GREEN A110」)を市販品のまま用いた。緑色微細化顔料(P−7)の平均一次粒子径は22nmであった。
<側鎖にカチオン性基を有する樹脂の製造方法>
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂1(LB−1)の調製)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート34.0部、n−ブチルメタクリレート28.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6830である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%のカチオン性樹脂1(LB−1)を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は34mgKOH/gであった。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂2(LB−2)の調製)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール62.4 部を仕込み、窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、エチルメタクリレート32.1部、n−プロピルメタクリレート25.1部、ラウリルメタクリレート25.1部、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド17.7部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を5.7部、およびメチルエチルケトン15.6部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7420である事を確認し、50℃へ冷却した。その後、イソプロピルアルコールを72部加え、樹脂成分が40重量%のカチオン性樹脂2(LB−2)を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は45mgKOH/gであった。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂3(LB−3)の調製)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、イソプロピルメタクリレート27.5部、ベンジルメタクリレート25.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート27.5部、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン20.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.7部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6770である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化ベンジル15.7部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が50重量%のカチオン性樹脂3(LB−3)を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は60mgKOH/gであった。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂4(LB−4)の調製)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール62.4 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート25.0部、ステアリルメタクリレート25.0部、シクロヘキシルメタクリレート20.0部、ブレンマーPE90(日油社製、ジエチレングリコールモノメタクリレート)を15.0部、Nービニルピロリドン20.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を4.7部、およびイソプロピルアルコール15.6部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7550である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル9.0部、イソプロピルアルコール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。その後、イソプロピルアルコールを50部加え、樹脂成分が44重量%のカチオン性樹脂4(LB−4)を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は92mgKOH/gであった。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂5(LB−5)の調製)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン82.0 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、エチルメタクリレート23.5部、t−ブチルメタクリレート26.0部、ラウリルメタクリレート25.0部、カマヤーPM−21(日本化薬社製、ε−カプロラクロン1mol付加2−ヒドロキシエチルメタクリレートのリン酸エステル)を10.0部、ジエチルアミノプロピルメタクリレート17.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.0部、およびメチルエチルケトン25.6部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7010である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が48重量%のカチオン性樹脂5(LB−5)を得た。得られた樹脂のアミン塩価は49mgKOH/gであった。
ここで、カチオン性樹脂のアミン価は、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。
<側鎖にアニオン性基を有する樹脂の製造方法>
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂1(LA−1)の調整)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メタノール75.0部を仕込み窒素気流下で68 ℃ に昇温した。別途、RS−3000(三洋化成工業社製)40.0部、メチルメタクリレート25.0部、n−ブチルメタクリレート10.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート10.0部、ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を7.0部、およびメチルエチルケトン23.0部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了3時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、4730である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、エタノール61.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が39.0重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂(LA−1)を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂2〜10(LA−2〜LA−10)の調整)
表3に記載した原料と仕込み量を用いた以外は、樹脂LA−1と同様の合成条件で反応を行った。反応終了後、メタノールで希釈をし、樹脂成分が39.0重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂LA−2〜LA−10を合成した。得られた樹脂(LA−2〜LA−10)の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を表3に示す。
Figure 2015028587
表3中の略語を以下に示す。
KH−10:ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム(第一工業製薬社製市販品、商品名:アクアロン KH−10)
KH−05:ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム(第一工業製薬社製市販品、商品名:アクアロン KH−05)
ATBS:アクリルアミドー2−メチルプロパンスルホン酸(東亞合成製市販品、商品名:ATBS)
BC−10:ポリオキシエチレンノニルプロプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム(第一工業製薬社製市販品、商品名:アクアロン BC−10)
RS−3000:ポリオキシアルキレン硫酸ナトリウムメタクリレート(三洋化成工業社製市販品 商品名:エレミノールRS−3000等)
MS−60:ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート硫酸エステル塩(日本乳化剤社製市販品 商品名:アントックス MS−60
Figure 2015028587
<カチオン性染料の製造>
(一般式(3)で表されるトリアリールメタン系カチオン性染料(染料1))
[染料中間体1の合成]
4−ジエチルアミノ安息香酸(東京化成品)25部とトルエン90部の混合物に塩化チオニル23部を加え80℃で1時間攪拌後、減圧濃縮し、酸クロリドを得た。別容器に無水塩化アルミニウム20.4部と1,2−ジクロロエタン130部を加え、氷浴で冷却後、酸クロリドを1,2−ジクロロエタン60部に溶解させた溶液を滴下した。滴下後、15分攪拌し、N,N−ジエチル−m−トルイジン(東京化成品)21部を滴下し、室温に戻して、2時間攪拌した。その後、氷水に注ぎ、4N水酸化ナトリウムでpH11以上とし、クロロホルムで抽出した。このものを水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製し、精製したものをさらにTHFに溶解し、ヘキサンで再沈殿を行った。60℃で減圧乾燥後、染料中間体1を15.4部得た。収率は、35.0%であった。
[染料1の合成]
染料中間体1 10部とN−エチル−1−ナフチルアミン(東京化成品)5.0部をトルエン40部に溶解させ、オキシ塩化リン6.8部を添加して、3時間還流させた。その後、室温に戻し、1N塩酸を添加し、クロロホルムで抽出した。このものを飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=4/1)で精製した。60℃で減圧乾燥後、染料1を13.8部得た。収率は、88.8%であった。
Figure 2015028587
<造塩化合物の製造方法>
(製造例1:カチオン性染料とアニオン性造塩用樹脂との造塩化合物(A−1))
25℃にて、2000部の水中に48部のアニオン性造塩用樹脂2(LA−2)の溶液を添加し十分に撹拌混合を行った。一方、190部の水に、10部のC.I.ベーシック バイオレット10を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分撹拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。撹拌しながら、室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、31部のC.I.ベーシック バイオレット10とLA−2との造塩化合物(A−1)を得た。
(製造例2〜6、20〜22、24〜29、33、34:カチオン性染料とアニオン性樹脂との造塩化合物(A−2〜6、20〜22、24〜29、33、34)
表4に記載した染料とアニオン性造塩用化合物を用いた以外は、造塩化合物(A−1)と同様の条件造塩反応を行い、染料の造塩化合物(A−2〜6、20〜22、24〜29、33、34)を得た。
(製造例7:カチオン性染料とアニオン性化合物との造塩化合物(A−7))
25℃にて、C.I.ベーシック ブルー 7(東京化成品)12部とアニオン性化合物1(SA−1)7.4部、ジクロロメタン130部、水200部を混合し、室温で2時間攪拌した。その後、有機層を抽出、水で洗浄を行ない、有機層を減圧濃縮した。そして、60℃の減圧乾燥機で乾燥し、14.7部のC.I.ベーシック ブルー 7とアニオン性化合物1(SA−1)との造塩化合物(A−7)色素を得た。収率は、84.8%であった。得られたトリアリールメタン色素について、NMR(日本電子社製 400MHz)による構造確認を行い、目的物の生成を確認した。
(製造例8〜19、30〜32:カチオン性染料とアニオン性造塩用化合物との造塩化合物(A−8〜19、30〜32)
表4に記載した染料とアニオン性造塩用化合物を用いた以外は、造塩化合物(A−7)と同様の条件造塩反応を行い、染料の造塩化合物(A−8〜19、30〜32)を得た。
(製造例23:カチオン性染料とアニオン性化合物との造塩化合物(A−23))
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に46.7部のアニオン性造塩用樹脂4(LA−4)を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7とLA−4との造塩化合物(A−23)を得た。
Figure 2015028587
表中のSA−1〜SA−13は、下記に示す化合物である。
Figure 2015028587
(製造例35:アニオン性染料とカチオン性造塩用化合物との造塩化合物(A−35))
水2000部に51部のカチオン性造塩用樹脂1(LB−1)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたことと判断できる。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する造塩用樹脂1(LB−1)との造塩化合物(A−35)を得た。
(製造例36〜40:アニオン性染料とカチオン性造塩用樹脂との造塩化合物(A−36〜40))
表6に記載した染料とカチオン性造塩用樹脂を用いた以外は、造塩化合物(A−35)と同様の条件造塩反応を行い、染料の造塩化合物(A−36〜40)を得た。
(製造例41:アニオン性染料とカチオン性化合物との造塩化合物(A−41))
25℃にて、C.I.アシット レッド 260を6部とモノステアリルトリメチルアンモニウムクロリド3.7部、水200部を混合し、室温で2時間攪拌した。その後、有機層を抽出、水で洗浄を行ない、有機層を減圧濃縮した。そして、60℃の減圧乾燥機で乾燥し、7.4部のC.I.アシット レッド 260とモノステアリルトリメチルアンモニウムクロリドとの造塩化合物(A−41)色素を得た。収率は、82.4%であった。得られたアシッドレット色素造塩物について、NMR(日本電子社製 400MHz)による構造確認を行い、目的物の生成を確認した。
(製造例42〜44:アニオン性染料とカチオン性化合物との造塩化合物(A−42〜44))
表6に記載した染料とカチオン性造塩用化合物を用いた以外は、造塩化合物(A−41)と同様の条件造塩反応を行い、染料の造塩化合物(A−42〜44)を得た。
Figure 2015028587
<着色組成物の製造>
[実施例1]
(着色組成物(DB−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物(DB−1)を作製した。
造塩化合物(A−1) : 4.0部
微細化顔料(P−1) : 7.0部
バインダー樹脂溶液1(BD−1) :40.0部
シクロヘキサノン :10.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :38.0部
樹脂型分散剤 : 1.0部
(BASF社製「EFKA4300」)
[実施例2〜67、比較例1〜6]
(着色組成物(DB−2〜73))
以下、造塩化合物、微細化顔料、バインダー樹脂溶液を表7に示す組成に変更した以外は実施例1(着色組成物(DB−1))と同様にして、着色組成物(DB−2〜73)を作製した。
<着色組成物の評価>
得られた着色組成物(DB−1〜73)について、耐熱性、塗膜異物、塗工性、および保存安定性に関する試験を下記の方法で行った。試験の結果を表7に示す。
(塗膜の耐熱性評価)
着色組成物(DB−1〜73)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで230℃で1時間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、230℃での熱処理後で、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した膜厚が約2.0μmとなるようにした。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として240℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記基準で評価した。×は使用困難なレベルである。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎◎◎:ΔEab*が1.0未満
◎◎:ΔEab*が1.0以上、1.5未満
◎:ΔEab*が1.5以上、3.0未満
○:ΔEab*が3.0以上、5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
(塗膜異物試験方法)
調製直後の着色組成物(DB−1〜73)にて試験基板を作製し、粒子の数をカウントすることで評価した。先ず、透明基板上に乾燥塗膜が約2.0μmとなるように着色組成物を塗布し、オーブンで230℃で20分加熱して試験基板を得た。その後、オリンパスシステム社製の金属顕微鏡「BX60」を用いて表面観察を行い(倍率は500倍)、透過により任意の5視野にて観測可能な粒子の数をカウントし、下記基準にて評価した。
◎◎:3個未満(非常に良好)
◎:3個以上5個未満(良好)
○:5個以上20個未満(使用上問題ないレベル)
△:20個以上100個未満(異物数が多いものの使用上問題ないレベル)
×:100個以上(異物による塗工ムラ(斑)発生により使用不可レベル)
(塗工性試験方法)
着色組成物(DB−1〜73)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて500rpmの条件で塗布し、次に70℃で20分乾燥し塗膜基板を作製した。ガラス基板の中心の膜厚(t1とする。)を、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した。次に、ガラス基板の中心から25mmの同心円状の場所を10か所測定し、その平均値を算出した。(t2とする。)次に、測定したt1、t2を以下の式に当てはめ膜均一性を求め、その値により塗工性を評価した。×は使用困難なレベルである。
膜均一性=t1/t2×100(%)
◎◎:99.0%以上100.5%未満
◎:98.5%以上99.0%未満、または100.5%以上101.5%未満
○:97.5%以上98.5%未満、または101.5%以上102.5%未満
△:95.0%以上97.5%未満、または102.5%以上105.0%未満
×:95.0%未満、または105.0%以上
(保存安定性試験方法)
作製した着色組成物(DB−1〜73)を、40℃の恒温室にて7日間保存後に、既に述べた塗膜異物試験方法と同じ方法で異物試験を行う。×は使用困難なレベルである。
◎◎:3個未満(非常に良好)
◎:3個以上5個未満(良好)
○:5個以上20個未満(使用上問題ないレベル)
△:20個以上100個未満(異物数が多いものの使用上問題ないレベル)
×:100個以上(異物による塗工ムラ(斑)発生により使用不可レベル)
Figure 2015028587
分岐または環状のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−1)、および、水酸基が置換したアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2)を有するエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなるバインダー樹脂(BD−1〜BD−20)を含む着色組成物(DB−1〜67)は、総じて耐熱性、塗工性、保存安定性に優れ、塗膜の異物もほとんど発生しない結果となった。
一方、分岐または環状のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−1)か、水酸基が置換したアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2)の何れか1つを選択するエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる樹脂(BD−21〜BD−24)を含む着色組成物(DB−68〜DB−73)は、総じて長時間加熱した際の耐熱性、塗工性、保存安定性が悪く、経時保存された着色組成物にて塗膜作製すると異物が大量に析出してしまった。特に耐熱性の悪化に関しては、着色組成物を作成する際のバインダー樹脂が、水酸基が置換したアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2)を含んでいない樹脂である(BD−21、24)においては、長時間加熱した際に、水酸基同士の熱架橋が形成されないことや、染料造塩物との相溶性の低下から耐熱性が悪化したことが考えられる。また、異物に関しても、バインダー樹脂の組成と造塩化合物との相溶性の低下によって引き起こされたものと推察する。一方、分岐、または、環状のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−1)を含有していない樹脂(BD-22、23)においては、(а−1)で示されるモノマーに由来するアルキル鎖の分岐構造による熱の伝導性が遅延する効果を樹脂成分中に含んでいないことにより、染料造塩物への熱の着色組成物を長時間加熱時した際の耐熱性が悪化したものと推察される。
<感光性着色組成物(レジスト材)の製造>
[実施例68]
(レジスト材(R−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材(R−1)を作製した。
着色組成物(DB−1) :60.0部
バインダー樹脂溶液(BD−1) :10.0部
ジョンクリルSCX−839
(ジョンソンポリマー社製の酸価105のアクリル樹脂) : 1.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
シクロヘキサノン : 5.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :18.0部
[実施例69〜84,86〜91、93〜105、比較例7〜9]
(レジスト材(R−2〜17、19〜24、26〜38、55〜57))
以下、着色組成物(DB−1)および、バインダー樹脂溶液を表8、9に示す組成に変更した以外は実施例39と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−2〜17、19〜24、26〜38、69〜71)を作製した。
[実施例85]
(レジスト材(R−18))
バインダー樹脂溶液(BD−1)10.0部を、ダイセル化学工業社製「EHPE3150」(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2−エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物)20%のPGMAC溶液と表8、9に記載のバインダー樹脂溶液5.0部に置き換えた以外は、レジスト材(R−17)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−18)を作製した。
[実施例92]
(レジスト材(R−25))
バインダー樹脂溶液(BD−1)10.0部を、ダイセル化学工業社製「EHPE3150」20%のPGMAC溶液部5.0部と表8、9に記載のバインダー樹脂溶液5.0部に置き換えた以外は、レジスト材(R−24)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−25)を作製した。
[実施例106]
(レジスト材(R−39))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材(R−39)を作製した。
着色組成物(DB−39) :60.0部
バインダー樹脂溶液(BD−9) :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
シクロヘキサノン : 5.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :18.0部
[実施例107,109〜115,117〜142,143〜147、比較例10,12]
(レジスト材(R−40,42〜48、50〜61、63〜67、72,74))
以下、着色組成物(DB−39)および、バインダー樹脂を表8、9に示す組成物に変更した以外は実施例93と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−40,42〜48、50〜61、63〜67、72,74)を作製した。
[実施例108]
(レジスト材(R−41))
バインダー樹脂溶液(BD−9)11.0部を、ダイセル化学工業社製「EHPE3150」(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2−エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物)20%のPGMAC溶液5.5部と表8、9に記載のバインダー樹脂溶液5.5部に置き換えた以外は、レジスト材(R−40)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−41)を作製した。
[実施例116]
(レジスト材(R−49))
バインダー樹脂溶液(BD−9)11.0部をダイセル化学工業社製「EHPE3150」 20%のPGMAC溶液に5.5部と表8、9記載のバインダー樹脂溶液5.5部に置き換えた以外は、レジスト材(R−48)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−49)を作製した。
[実施例129]
(レジスト材(R−62))
バインダー樹脂溶液(BD−9)11.0部をダイセル化学工業社製「EHPE3150」20%のPGMAC溶液に5.5部と表8、9記載のバインダー樹脂溶液5.5部に置き換えた以外は、レジスト材(R−61)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−62)を作製した。
[実施例135]
(レジスト材(R−68))
バインダー樹脂溶液(BD−9)11.0部をダイセル化学工業社製「EHPE3150」20%のPGMAC溶液に5.5部と表8、9記載のバインダー樹脂溶液5.5部に置き換えた以外は、レジスト材(R−67)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−68)を作製した。
[比較例11]
(レジスト材(R−73))
バインダー樹脂溶液(BD−9)11.0部をダイセル化学工業社製「EHPE3150」20%のPGMAC溶液に5.5部と表8、9記載のバインダー樹脂溶液5.5部に置き換えた以外は、レジスト材(R−70)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−73)を作製した。
<レジスト材の評価>
得られたレジスト材(R−1〜74)について、耐熱性、塗膜異物、塗工性、保存安定性に関する試験を下記の方法で行った。試験の結果を表8、9に示す。
(塗膜の耐熱性評価)
得られたレジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で30分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、230℃での熱処理後で、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した膜厚が約2.0μmとなるようにした。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記基準で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎◎◎:ΔEab*が1.0未満
◎◎:ΔEab*が1.0以上、1.5未満
◎:ΔEab*が1.5以上、3.0未満
○:ΔEab*が3.0以上、5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
(塗膜異物試験方法)
得られたレジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に乾燥後の膜厚が2.5μmとなる回転数にてスピンコートし、70℃で20分乾燥後、幅100μmのストライプ状の開口部を有するフォトマスクを介して超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、5%の炭酸ナトリウム水溶液で未露光部を洗い流した後、230℃で20分、熱風オーブンでベークして、基板上に幅100μmのストライプ状のパターンを形成した。その後、この作製基板をオリンパスシステム社製の金属顕微鏡「BX60」を用いて表面観察を行い(倍率は500倍)、透過により任意の5視野にて観測可能な粒子の数をカウントし、下記基準にて評価した。
◎◎:3個未満(非常に良好)
◎:3個以上5個未満(良好)
○:5個以上20個未満(使用上問題ないレベル)
△:20個以上100個未満(異物数が多いものの使用上問題ないレベル)
×:100個以上(異物による塗工ムラ(斑)発生により使用不可レベル)
(塗工性試験方法)
得られたレジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて500rpmの条件で塗布し、次に70℃で20分乾燥し塗膜基板を作製した。ガラス基板の中心の膜厚(t1とする。)を、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した。次に、ガラス基板の中心から2.5mmの同心円状の場所を10か所測定し、その平均値を算出した。(t2とする。)次に、測定したt1、t2を以下の式に当てはめ膜均一性を求め、その値により塗工性を評価した。
膜均一性=t1/t2×100(%)
◎◎:99.0%以上100.5%未満
◎:98.5%以上99.0%未満、または100.5%以上101.5%未満
○:97.5%以上98.5%未満、または101.5%以上102.5%未満
△:95.0%以上97.5%未満、または102.5%以上105.0%未満
×:95.0%未満、または105.0%以上
(保存安定性試験方法)
得られたレジスト材を、40℃の恒温室にて7日間保存後に、既に述べた塗膜異物試験方法と同じ方法で異物試験を行う。
◎◎:3個未満(非常に良好)
◎:3個以上5個未満(良好)
○:5個以上20個未満(使用上問題ないレベル)
△:20個以上100個未満(異物数が多いものの使用上問題ないレベル)
×:100個以上(異物による塗工ムラ(斑)発生により使用不可レベル)
Figure 2015028587
Figure 2015028587
実施例68〜135のレジスト材(R−1〜68)は、耐熱性や塗膜異物の観点からもカラーフィルタとして使用可能な範囲にあり、良好な結果であった。また、エポキシ樹脂を併用したレジスト材(R−18、R―25、R−41、R−49、R−62、および、R―68)は、さらに耐熱性の観点でより優れていた。これらは、(R−18、R―25、R−41、R−49、R−62、および、R―68)は、バインダー樹脂(R−17、R−24、R―40、および、R−48、R−61、R−67)中に含まれるOH基と、エポキシ樹脂との熱架橋により耐熱性が最も優れていた。また、同様のエポキシ樹脂を用いた場合でも、本願の組成でない樹脂からなる比較例11のレジスト材(R−73)では耐熱性が不足していることが示された。さらに、比較例7〜12のレジスト材(R−69〜74)は耐熱性、塗膜異物、塗工性、保存安定性が総じて悪く、カラーフィルタとして使用可能な品位には達しなかった。
このように、耐熱性、異物の発生、塗工性、および、保存安定性の観点から総じて、染料造塩物を着色剤として用いた場合の着色組成物、実施例に用いたレジスト(R−1〜R−68)は熱処理をしても、耐熱性が良いことが明らかとなった。これらの結果より、染料造塩物を着色剤として用いた場合の着色組成物ではバインダー樹脂の組成が、各種物性に対して影響を与えることが示された。
また、これにより、本発明のバインダー樹脂を含有し、染料造塩物からなる着色組成物は耐熱性、塗工性、保存安定性に優れ、また、塗膜異物の無い優れたカラーフィルタを提供できることは明らかである。

Claims (8)

  1. 少なくとも染料とイオン結合によって塩形成し得る化合物とを反応させて得られた造塩化合物からなる着色剤、バインダー樹脂、および有機溶剤を含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、
    前記バインダー樹脂が、置換基(水酸基を除く)を有してもよい分岐アルキル基または置換基(水酸基を除く)を有してもよい環状のアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−1)、および、水酸基が置換したアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2)、を含むエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる樹脂であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
  2. 前記染料がトリアリールメタン系カチオン染料およびトリアリールメタン系アニオン染料、アントラキノン系アニオン染料、キサンテン系カチオン染料およびキサンテン系アニオン染料、モノアゾ系カチオン染料およびモノアゾ系アニオン染料、ジスアゾ系カチオン染料およびジズアゾ系アニオン染料、並びに、キノリン系アニオン染料およびシアニン系カチオン染料からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. 前記染料が、トリアリールメタン系カチオン染料であることを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  4. トリアリールメタン系カチオン染料が、一般式(3)で示される染料であることを特徴とする請求項2または3記載のカラーフィルタ用着色組成物。
    一般式(3)
    Figure 2015028587
    [一般式(3)中、R1A〜R1Fは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を表す。R1GおよびR1Hは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、または、エチル基を表す。]
  5. 前記造塩化合物が、水溶液中で、イオン結合によって塩形成し得る化合物の対イオンと染料の対イオンとからなる塩を除去してなる化合物であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. 着色剤が、さらに顔料を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  8. 請求項1〜7いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるカラーフィルタ。
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