JP2012177912A - カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、保存安定性に優れ、かつ塗膜への異物発生もないカラーフィルタ用着色組成物、並びにガラス等の透明基板との間での強固な密着性を有し、現像残渣の発生が少ないカラーフィルタ用着色組成物を提供することである。
【解決手段】着色剤(A)、樹脂(B)、および有機溶剤(C)を含むカラーフィルタ用着色組成物であって、着色剤(A)が染料(A1)を含有し、樹脂(B)が、ポリオール(ba)の水酸基と、ポリカルボン酸無水物(bb)の酸無水物基とを反応させてなる、ポリオール部位(bas)とポリカルボン酸部位(bbs)とを交互に有するポリエステルにおいて、ポリオール部位(bas)の一部又は全部が、S原子を介して、エチレン性不飽和単量体(bc)をラジカル重合してなるビニル重合体部位(bd)を有するポリエステル樹脂(B1)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物によって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製
造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、及びこれを用いて形成されてなるフィルタ
セグメントを備えるカラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、近年その薄型であることゆえの省スペース性や軽量性、また省電力性
などが評価され、最近ではテレビ用途への普及が急速に進んでいる。テレビ用途向けでは
、輝度やコントラストなどの性能をより高めることが要求されており、カラー液晶表示装
置を構成する部材であるカラーフィルタにおいても、さらなる透過度の向上、コントラス
トの高度化などが望まれている。
カラーフィルタの作製方法としては、フォトレジストによるパターン形成の後、パター
ンを染色する染色法や、予め所定パターンの透明電極を形成しておき、電圧印加により溶
媒に溶解・分散された顔料含有樹脂をイオン化させパターン形成する電着法、熱硬化樹脂
または紫外線硬化樹脂を含むインクを用いてオフセット印刷等する印刷法、フォトレジス
ト材料に顔料等の着色剤を分散させたカラーレジスト剤を使用する顔料分散法、などが知
られており、最近では、顔料分散法が主流になっている。しかし、顔料を着色剤として用
いたカラーフィルタは、顔料粒子による光の散乱等により、液晶によって制御された偏光
度合いを乱してしまい、その結果、カラー液晶表示装置の輝度やコントラストの低下を招
きやすいという問題がある。
この問題を解消する技術として、硬化性組成物の媒体中に溶解した状態で存在し得る染
料を着色剤とした染料系の硬化性組成物の実用化が検討、提案されている(例えば、特許
文献1参照)。しかし、着色剤に染料を用いたカラーフィルタには、以下の様な課題があ
る。すなわち、カラーレジスト材に用いる染料には、耐熱、耐光性と樹脂及び樹脂に使用
される有機溶剤への溶解性が要求される。
そこで、溶解性を増すと共に耐熱、耐光性を向上させるために、アニオン性染料とカチ
オン系界面活性剤との塩を着色剤として用いたカラーフィルタが提案されている(例えば
、特許文献2、3参照)。一般に、アニオン性染料のスルホン酸ナトリウム基(−SO3
Na)を有機アミンの塩に変えることによって、アニオン性染料の有機溶剤への溶解性が
増すことが知られている。上記の着色剤では、アニオン性染料のスルホン酸ナトリウム基
をカチオン性界面活性剤の母体の塩に変えることによって、有機溶剤へのアニオン性染料
の溶解性が増すと共に、分子量を大きくすることで耐熱、耐光性を向上させている。しか
しながら、これらの方法では、カラーフィルタ作製時に使用する溶剤に対し、十分な溶解
性を得ることができず、カラーフィルタ用着色組成物の長期保存安定性が不十分であった。また、樹脂との相溶性も悪いため、塗膜とガラス等の透明基板との間で強固な密着性を与えることは困難であった。
また、アニオン性染料の造塩化合物としては、カチオン性樹脂をカウンターとして用い
たものが結晶性水性着色材料として検討されているが(例えば、特許文献4参照)、これ
らのものは染料を粒子状態で使用することが目的であり、溶解状態での使用が求められる
カラーフィルタ用途では、詳細な検討がなされていない。
一方、アミド構造を有する単量体を共重合させた共重合体溶液にアニオン性染料を添加
した着色樹脂組成物も提案されている(例えば、特許文献5参照)。これは、アミド構造
がアニオン性染料との染着点として働くことにより、塗膜中の染料を安定化させ、耐性を
向上させている。しかし、ここで開示される方法では、有機溶剤中で共重合体とアニオン
染料を混合するため、極性の高い染料が十分溶解されず、異物が発生するという問題があ
った。
また、カラーフィルタ用着色組成物に要求されるその他の物性としては、アルカリ現像液を用いた現像工程において、現像残渣が少ないことが挙げられる。すなわち、カラーフィルタ用着色組成物中での染料の溶解性を損なわず、現像残渣などのレジスト適正を保つことが求められている。
特開平6−75375号公報 特開平5−333207号公報 特開2004−307391号公報 特開2005−350648号公報 特開2000−352819号公報 特開2007−114604号公報 特開2000−81508号公報
本発明の目的は、有機溶剤に対する染料の溶解性を向上させることにより保存安定性に優れ、かつ塗膜への異物発生もないカラーフィルタ用着色組成物、並びにガラス等の透明基板との間での強固な密着性を有し、現像残渣の発生が少ないカラーフィルタ用着色組成物を提供することである。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、染料と特定の構造を有する樹脂を含有するカラーフィルタ用着色組成物が上記課題を解決できることを見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。
すなわち本発明は、着色剤(A)、樹脂(B)、および有機溶剤(C)を含むカラーフィルタ用着色組成物であって、
着色剤(A)が染料(A1)を含有し、
樹脂(B)が、
ポリオール(ba)の水酸基と、ポリカルボン酸無水物(bb)の酸無水物基とを反応させてなる、ポリオール部位(bas)とポリカルボン酸部位(bbs)とを交互に有するポリエステルにおいて、ポリオール部位(bas)の一部又は全部が、S原子を介して、エチレン性不飽和単量体(bc)をラジカル重合してなるビニル重合体部位(bd)を有するポリエステル樹脂(B1)
を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
更に、ポリエステル樹脂(B1)の酸価が90〜250mgKOH/gであることを特徴とする前記のカラーフィルタ用着色組成物であることが好ましい。
また、本発明は、染料(A1)が、アニオン性染料(a1)とカチオン性基を有する化合物(a2)とから形成された造塩化合物(a3)であることを特徴とする前記のカラーフィルタ用着色組成物に関する。
更に、カチオン性基を有する化合物(a2)が、四級アンモニウム塩化合物、アミン、及び側鎖にカチオン性基を有する樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含む前記のカラーフィルタ用着色組成物であることが好ましい。
更に、カチオン性基を有する化合物(a2)が、下記一般式(1)で表される四級アンモニウム塩化合物を含む前記ののカラーフィルタ用着色組成物であることが好ましい。
一般式(1)
Figure 2012177912
[一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基またはベンジル基を示し、R1、R2、R3、又はR4の少なくとも2つ以上が、Cの数が5〜20個である。Yは無機または有機のアニオンを表す。]
更に、カチオン性基を有する化合物(a2)が、前記側鎖にカチオン性基を有する樹脂を含み、前記側鎖にカチオン性基を有する樹脂が、下記一般式(2)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂である前記のカラーフィルタ用着色組成物であることが好ましい。
一般式(2):
Figure 2012177912
[一般式(2)中、R5は水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアリール基を表し、R6〜R8のうち2つは互いに結合して環を形成してもよい。Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R9−、又は−COO−R9−を表し、R9はアルキレン基を表す。Y-は無機又は有機のアニオンを表す。]
更に、カチオン性基を有する化合物(a2)がアミンを含み、前記アミンが、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンからなる群より選択される少なくとも1つである前記のカラーフィルタ用着色組成物であることが好ましい。
また、本発明は、ポリエステル樹脂(B1)の重量平均分子量が、2,000〜40,000であることを特徴とする前記ののカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに酸化防止剤(D)を含むことを特徴とする前記ののカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、着色剤(A)が、さらに顔料を含むことを特徴とする前記ののカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、顔料が、青色顔料であることを特徴とする前記ののカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに光重合性単量体(E)と、光重合開始剤(F)とを含むことを特徴とする前記ののカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、有機溶剤(C)が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを主成分とすることを特徴とする前記ののカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、透明基板上に、前記のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明においては、染料と、特定の構造を有するポリエステル樹脂を含むカラーフィ
ルタ用着色組成物を用いることで、高い保存安定性を有し、かつ塗膜形成時の異物発生もなく、密着性に優れ、現像残渣の発生が少ないカラーフィルタを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、染料(A1)を含む着色剤(A)と、特定の構造を有するポリエステル樹脂(B1)を含む樹脂(B)と有機溶剤(C)とを含む。
ポリエステル樹脂(B1)は、染料(A1)の有機溶剤に対する溶解性を向上させる効果がある。理由は定かでないが、染料(A1)の芳香環とポリエステル樹脂(B1)の芳香環やカルボキシル基が相互作用していると予想される。ポリエステル樹脂(B1)の酸価が90〜250mgKOH/gである場合には、染料(A1)の溶解性をより良好させることができるため好ましい。また、ポリエステル樹脂(B1)は、着色剤(A)に顔料を含む場合には、顔料を分散させる効果も有している。
以下、本発明カラーフィルタ用着色組成物を構成する成分について詳細に説明するが、まず、ポリエステル樹脂(B1)を含む樹脂(B)について説明する。
<樹脂(B)>
ポリエステル樹脂(B1)は、ポリオール(ba)の水酸基と、ポリカルボン酸無水物(bb)の酸無水物基とを反応させてなる、ポリオール部位(bas)とポリカルボン酸部位(bbs)とを交互に有するポリエステルにおいて、ポリオール部位(bas)の一部又は全部が、S原子を介して、エチレン性不飽和単量体(bc)をラジカル重合してなるビニル重合体部位(bd)を有する構造となっている。
ポリエステル樹脂(B1)を得る1つの方法としては、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(ba1)の存在下、エチレン性不飽和単量体(bc)をラジカル重合してなる、片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体(ba2)を少なくとも含むポリオール中の水酸基と、テトラカルボン酸二無水物(bb1)を少なくとも含むポリカルボン酸無水物(bb)中の酸無水物基とを反応させる方法である。
〔分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(ba1)〕
本発明に使用する分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(ba1)
としては、例えば、1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(チオグリセリン)、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、等が挙げられる。
〔片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体(ba2)〕
本発明に使用する片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体(ba2)は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(ba1)を、目的とするビニル重合体部位(bd)の分子量にあわせて、1種類以上のエチレン性不飽和単量体(bc)と、任意に重合開始剤とを混合して加熱することで得ることができる。前記片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体(ba2)は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(ba1)中のS原始を介して、ビニル重合体部位(bd)が形成されたものである。2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(ba1)は、エチレン性不飽和単量体(bc)100重量部に対して、1〜40重量部を用い、塊状重合または溶液重合を行うのが好ましく、より好ましくは3〜20重量部、さらに好ましくは4〜12重量部、特に好ましくは5〜9重量部である。顔料分散の観点からは、1重量部未満であると、ビニル重合体部位(bd)の分子量が高すぎて、顔料担体および溶剤に対する親和性部位として、その絶対量が増えてしまい、分散性の効果自体が低下する場合があり、40重量部を超えると、ビニル重合体部(bd)の分子量が低すぎて、顔料担体および溶剤に対する親和性部位として、その立体反発の効果がなくなると共に、顔料の凝集を抑えることが困難になる。
反応温度は、40〜150℃、好ましくは50〜110℃である。40℃未満では十分に重合が進行せず、150℃以上では高分子量化が進む等、分子量のコントロールが困難になる。
〔エチレン性不飽和単量体(bc)〕
エチレン性不飽和単量体(bc)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート等、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド、およびN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類、及びこれらの混合物があげられる。
また、上記アクリル単量体と併用できる単量体として、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類、およびこれらの混合物があげられる。
また、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(bc1)を併用することもできる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などから1種または2種以上を選択することができる。好ましくはアクリル酸、メタクリル酸である。
ビニル重合体部位(bd)の重量平均分子量は、1,000〜20,000が好ましく、より好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2,000〜6,000、特に好ましくは3,000〜5,000である。顔料分散の観点からは、この部位が顔料担体および溶剤への親和性部位となる。ビニル重合体部位(bd)の重量平均分子量が1,000未満では、顔料担体および溶剤に対する親和性部位として、その立体反発の効果がなくなると共に、顔料の凝集を抑えることが困難になる。また、20,000を超えると、顔料担体および溶剤に対する親和性部位として、その絶対量が増えてしまい、分散性の効果自体が低下する場合がある。さらに、分散体の粘度が高くなる場合がある。ビニル重合体部位(bd)は、分子量を上記範囲に調整することが容易であり、かつ、溶剤への親和性も良好である。
重合の際、エチレン性不飽和単量体(bc)100重量部に対して、任意に0.001〜5重量部の重合開始剤を使用することができる。重合開始剤としては、アゾ系化合物および有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等があげられる。これらの重合開始剤は、単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
溶液重合の場合には、重合溶媒として、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、等が用いられるが特にこれらに限定されるものではない。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いても良い。重合反応に使用した溶媒は、反応終了後、蒸留等の操作により取り除くか、あるいはそのまま次の工程の溶剤として使用したり、製品の一部として使用することもできる。
〔ポリカルボン酸無水物(bb)〕
本発明に使用するポリカルボン酸無水物(bb)は、少なくともテトラカルボン酸二無水物(bb1)を含んでいる。テトラカルボン酸二無水物(bb1)の二つの無水物基は、ポリオール(ba)の水酸基と反応することによって、ポリエステル樹脂の主鎖に染料または顔料への吸着基となるカルボキシル基を規則的に並べることができ、染料の溶解および顔料分散に有利である。
本発明に使用するテトラカルボン酸二無水物(bb1)としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸二無水物、などの芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
本発明で使用されるテトラカルボン酸二無水物(bb1)は上記に例示した化合物に限らず、カルボン酸無水物基を2つ持てばどのような構造をしていてもかまわない。これらは単独で用いても、併用してもかまわない。
さらに、本発明に好ましく使用されるものは、染料および顔料に対する吸着性の観点から、芳香族テトラカルボン酸二無水物である。芳香族カルボン酸は、脂肪族カルボン酸に比べて染料および顔料に対する吸着能が高く、さらに、芳香族環を二つ以上有するカルボン酸は、染料および顔料に対する吸着に適した骨格であり、耐熱性も高い。
具体的には、下記一般式(41)または一般式(42)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
一般式(41):
Figure 2012177912
[一般式(41)中、kは1または2である。]
一般式(42):
Figure 2012177912
[一般式(42)中、Q1は、直接結合、−O−、−CO−、−COOCH2CH2OCO−、−SO2−、−C(CF32−、一般式(43):
Figure 2012177912
で表される基、または一般式(44):
Figure 2012177912
で表される基である。]
本発明で使用される芳香族テトラカルボン酸二無水物は、前記に例示した化合物に限らず、どのような構造をしていてもかまわない。これらは単独で用いても、併用してもかまわない。本発明に使用されるものは、染料および顔料に対する吸着性の観点から、ピロメリット酸二無水物が最も好ましい。
片末端領域に水酸基を有するビニル系重合体(ba2)の水酸基のモル数を<H>、テトラカルボン酸二無水物(bb1)のカルボン酸無水物基のモル数を<N>としたとき、反応比率は0.3≦<H>/<N>≦3が好ましく、更に好ましくは0.5≦<H>/<N>≦2の場合である。
片末端領域に水酸基を有するビニル系重合体(ba2)とテトラカルボン酸二無水物(bb1)との反応には触媒を用いてもかまわない。
触媒としては、例えば、3級アミン系化合物が使用でき、
トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、又は1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等が挙げられる。
片末端領域に水酸基を有するビニル系重合体(ba2)の水酸基とテトラカルボン酸二無水物(bb1)の酸無水物基との反応は、無溶剤で行ってもよいし、適当な脱水有機溶媒を使用してもよい。反応に使用した溶媒は、反応終了後、蒸留等の操作により取り除くか、あるいはそのまま分散剤の製品の一部として使用することもできる。
片末端領域に水酸基を有するビニル系重合体(ba2)の水酸基とテトラカルボン酸二無水物(bb1)の酸無水物基との反応温度は、好ましくは50℃〜180℃、より好ましくは60℃〜160℃の範囲で行う。反応温度が50℃未満では反応速度が遅く、180℃を超えると反応して開環した酸無水物が、再度環状無水物を生成し、反応が終了しにくくなる場合がある。
また、ポリエステル樹脂(B1)を得るもう1つの方法としては、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(ba1)を少なくとも含むポリオール中の水酸基と、テトラカルボン酸二無水物(bb1)を少なくとも含むポリカルボン酸無水物(bb)の酸無水物基とを反応させてなるポリエステル(be)の存在下、エチレン性不飽和単量体(bc)をラジカル重合する方法である。その際、前記ポリエステル(be)の存在下でエチレン性不飽和単量体(bc)をラジカル重合することで、ポリエステル(be)中のS原子を介して、ビニル重合体部位(bd)が形成される。
この方法の場合は水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(bc1)を使用することができる。
ポリエステル分散剤(B)を得る方法は上記の2つのどちらでもよい。前者は、分子量の制御がしやすいため好ましく、後者は、エチレン性不飽和単量体(bc)として水酸基を有するエチレン性不飽和単量体(bc1)を使用できるため好ましい。
ポリエステル樹脂(B)の酸価は、染料の溶解性をより向上させるためには90〜250mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは100〜230mgKOH/gであり、最も好ましくは120〜220mgKOH/gである。酸価が上記範囲であると、溶解性が特に乏しい染料、例えば、後述の、染料をアニオン性染料とカチオン性化合物の造塩化合物の形態で使用する場合などにおいても十分な効果を得ることができる。酸価が100mgKOH/gよりも小さいと、染料(A1)の溶解性が不十分となる場合がある。また、酸価が400mgKOH/gより大きいと、他の樹脂との相溶性が悪くなるため好ましくない場合がある。
酸価を上記好ましい範囲に設計するためには、エチレン性不飽和単量体(bc)としてカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(bc1)を含むことが好ましい。その場合は、エチレン性不飽和単量体(bc)の合計100重量%中、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(bc1)を9〜39重量%含むことが好ましい。
また、ポリエステル樹脂(B1)の重量平均分子量は、2,000〜40,000であることが好ましく、より好ましくは4,000〜30,000であり、最も好ましくは6,000〜25,000である。2,000より小さいと、染料(A1)の溶解性向上の効果が少ない場合があり、40,000より大きいと、系全体が高粘度になってしまう場合がある。
ポリエステル樹脂(B1)は、バインダー樹脂として用いる場合だけでなく、着色剤(A)がさらに顔料を含む場合には、該顔料を分散するときに分散剤の態様で用いるものであってもよい。染料の溶解性の観点からは、バインダーとして使用することが好ましい。
ポリエステル樹脂(B1)は、バインダー樹脂として用いる場合、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤(A)100重量部に対し、30重量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量部以下の量で用いることが好ましい。
また、顔料を分散する際の分散剤として用いる場合の配合量は、着色剤(A)100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、より好ましくは0.1〜45重量部である。ポリエステル樹脂(B1)の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量部より多いと、レジスト作成時にその他の樹脂や光重合性単量体を十分に添加できない恐れがある。
ポリエステル樹脂(B1)を分散剤として使用する場合は、樹脂(B)に、バインダー成分としてその他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等をさらに含むことができる。
バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型感光性着色組成物(レジスト材)の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、またはイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性能とエネルギー線硬化性能とを併せもつものも、カラーフィルタ用青色着色組成物として好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
樹脂(B)は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤(A)の全重量を基準(100重量%)として、30重量%以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、50重量%以下の量で用いることが好ましい。
本発明に使用されるバインダー樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、5,000〜25,000であることがより好ましい。樹脂(B)の重量平均分子量が、1,000〜500,000であると、現像時に膜減りが生じにくく、また現像時に非画素部分の抜け性が良好である傾向にあり好ましい。また、重量平均分子量が、5,000より小さいと密着性が悪くなる事があり、25,000を超えると、現像残渣に問題の起こることがある。
本発明に使用されるバインダー樹脂の酸価は、40〜200(KOH−mg/g)であることが好ましく、より好ましくは40〜150(KOH−mg/g)、さらに好ましくは60〜150(KOH−mg/g)である。酸価が40(KOH−mg/g)未満であると、現像が遅く、現像残渣が発生しやすくなる。また、酸価が200(KOH−mg/g)より大きくなると、現像が速すぎ、基材との密着性が悪くなる。
<着色剤(A)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に用いる着色剤(A)は、染料(A1)を含有する。また着色剤(A)は、さらに顔料を併用することもできる。
染料(A1)は、油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料等の各種染料のいずれかの形態を有するものであることが好ましい。特に、油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料を用いることが色相に優れるために好ましい。
油溶性染料としては、カラーインデックスに分類される、C.I.ソルベントに分類されるもの、塩基性染料としては、同C.I.ベーシックに分類されるもの、酸性染料としては、同C.I.アシッドに分類されるもの、直接染料としては、同C.I.ダイレクトに分類されるものである。ここで直接染料は、構造中にスルホン酸基(−SO3H、−SO3Na)を有しており、本発明においては、直接染料は酸性染料として見なすものである。
以下具体的に染料(A1)について例示するが、これらの染料に限定されるものではない。
(キサンテン系染料)
キサンテン系色素の場合は、透過スペクトルにおいて650nmの領域で透過率が90%以上であり、600nmの領域で透過率が75%以上、500〜550nmの領域で透過率が5%以下、400nmの領域で透過率が70%以上であるものが好ましい。より好ましくは、650nmの領域で透過率が95%以上であり、600nmの領域で透過率が80%以上、500〜550nmの領域で透過率が10%以下、400nmの領域で透過率が75%以上である。中でも、キサンテン系塩基性染料、およびキサンテン系酸性染料は、400〜450nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有している
また、キサンテン系色素の中でも、ローダミン系色素は発色性、耐性に優れているために好ましい。
(キサンテン系染料の油溶性染料としての形態)
具体的には、キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、C.I.ソルベントバイオレット10などがあげられる。
中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。
(キサンテン系染料の酸性染料としての形態)
キサンテン系染料の酸性染料(キサンテン系酸性染料)としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることが好ましい。
中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。
この中でも特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289を用いることが最も好ましい。
(キサンテン系染料の塩基性染料としての形態)
キサンテン系塩基性染料としては、C.I. ベーシック レッド 1(ローダミン6GCP)、8(ローダミンG)、C.I. ベーシック バイオレット 10(ローダミンB)等があげられる。中でも発色性に優れる点において、C.I. ベーシック レッド 1、C.I. ベーシック バイオレット 10を用いることが好ましい。
(トリフェニルメタン系染料、ジフェニルメタン系染料)
ジフェニル及びトリフェニルメタン系色素の場合は、
ブルー系(青色)のトリアリールメタン系塩基性染料は、400〜440nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有している。
(ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料の酸性染料としての形態)
ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料の酸性染料としては、食用青色101号(C.I.アシッド ブルー 1)、アシッドピュアブルー(C.I.アシッド ブルー 3)、レーキブルーI(C.I.アシッド ブルー 5)、レーキブルーII(C.I.アシッド ブルー7)食用青色1号(C.I.アシッド ブルー 9)、C.I.アシッド ブルー 22、C.I.アシッド ブルー 83、C.I.アシッド ブルー 90、C.I.アシッド ブルー 93、C.I.アシッド ブルー 100、C.I.アシッド ブルー 103、C.I.アシッド ブルー 104、C.I.アシッド ブルー 109を用いることが好ましい。
(ジフェニル及びトリフェニルメタン系染料の塩基性染料としての形態)
トリフェニルメタン系塩基性染料、ジフェニルメタン系塩基性染料は、中心の炭素に対してパラの位置にあるNH2あるいはOH基が酸化によりキノン構造をとることによって発色するものである。
NH2、OH基の数によって以下3つの型に分けられるが、中でもトリアミノトリフェニルメタン系の塩基性染料の形態であることが良好な青色、赤色、緑色を発色する点で好ましいものである。
a)ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
b)トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
c)OH基を有するロゾール酸系塩基性染料
トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料、ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料は色調が鮮明であり、他のものよりも日光堅ロウ性に優れ好ましいものである。またジフェニルナフチルメタン塩基性染料および/またはトリフェニルメタン塩基性染料が好ましい。
具体的には、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同25(ベーシック ブルーGO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)等があげられる。
C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)等があげられる。
C.I.ベーシック バイオレット1(メチルバイオレット)、同3(クリスタルバイオレット)、同14(Magenta)等があげられる。
(キノリン系染料)
キノリン系染料としては、Solvent Yellow 33、Solvent Yellow 98、Solvent Yellow 157、Disperse Yellow 54、Disperse Yellow 160、AcidYellow 3等のカラーインデックスで市販されている染料が挙げられる。
(チアジン系染料)
チアジン系染料としては、P−フェニレンジアミンを硫化水素の存在下で、FeCl2下で酸化して得られるLauth‘s Violet、メチレンブルー、メチレングリーンB、C.I. ベーシック ブルー9、17、24、25、ソルベントブルー8、C.I.ベーシック グリーン5、C.I.ダイレクトレッド70等があげられる。
(チアゾール系染料)
チアゾール系染料としては、チアゾール環を有する染料をチアゾール系染料とするが、
具体的には、C.I. ベーシックイエロー1、C.I. ベーシックバイオレット44、46、C.I. ベーシック ブルー116、C.I.アシッドイエロー186、同ダイレクトイエロー7、8、9、14、17、18、22、28、29、30、54、59、165、C.I.ダイレクトオレンジ18、C.I.ダイレクトレッド11、等が挙げられる。
上記の染料(A1)は、良好な分光特性を有し、発色性に優れるものの、耐光性、耐熱性に問題があり、高い信頼性が要求されるカラーフィルタを使用する画像表示装置に用いるには、その特性は十分なものではない場合がある。
そのため、これらの欠点を改善するために、塩基性染料の形態の場合は、有機酸や過塩素酸を用いて造塩化して用いることが好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸を用いることが好ましい。中でもトビアス酸等のナフタレンスルホン酸、過塩素酸を用いることが耐性の面で好ましい。
また、酸性染料、直接染料を含むアニオン性染料の場合は、カチオン性基を有する化合物をカウンターイオンとして用いた造塩化合物として用いることが耐熱性、耐光性、耐溶剤性の面で好ましい。
また、アニオン性染料はスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることでも、耐性の面で好ましく使用できる。
以下、本発明に用いる染料(A1)の好ましい形態について具体的に詳述する。
(アニオン性染料(a1)とカチオン性基を有する化合物(a2)の造塩化合物)
カチオン性基を有する化合物(a2)としては、四級アンモニウム塩化合物、アミン、及び側鎖にカチオン性基を有する樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含んでいることがより好ましい。
・四級アンモニウム塩化合物
四級アンモニウム塩化合物のカウンタとなるカチオン部分の分子量は190〜900の範囲であることが好ましい。ここでカチオン部分とは、下記一般式(4)中の(NR1234+の部分に相当する。分子量が190よりも小さいと耐光性、耐熱性が低下してしまい、さらに溶剤への溶解性が低下してしまう場合がある。また分子量が900よりも大きくなると分子中の発色成分の割合が低下するために、発色性が低下し、明度も低下してしまう場合がある。より好ましくはカチオン部分の分子量が240〜850の範囲であり、特に好ましいのは350〜800の範囲である。
ここで分子量は構造式を基に計算を行ったものであり、Cの原子量を12、Hの原子量を1、Nの原子量を14とした。
また、四級アンモニウム塩化合物として下記一般式(1)で表される化合物を用いることができる。
一般式(1)
Figure 2012177912
[一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基またはベンジル基を示し、R1、R2、R3、又はR4の少なくとも2つ以上が、Cの数が5〜20個である。Yは無機または有機のアニオンを表す。]
1〜R4の少なくとも2つ以上のCの数を5〜20個とすることで、溶剤に対する溶解性が良好なものとなる。Cの数が5より小さいアルキル基が3つ以上になると、溶剤に対する溶解性が悪くなり、塗膜異物が発生し易くなる。また、Cの数が20を超えたアルキル基が存在すると、造塩生成物の発色性が損なわれてしまうことがある。
四級アンモニウム塩化合物のアニオンを構成するY-の成分は、無機または有機のアニオンであればよいが、ハロゲンであることが好ましく、通常は塩素である。
このような四級アンモニウム塩化合物として具体的には、テトラメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が74)、テトラエチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が122)、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が312)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が550)、トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が788)、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が284)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が368)、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が270)、モノラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が228)、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が382)、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が536)、トリアミルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が318)、トリヘキシルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が360)、トリオクチルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が444)、トリラウリルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が612)、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が388)、及びベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が248)、又はジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド(硬化牛脂)(カチオン部分の分子量が438乃至550)を用いることが好ましい。
市販の四級アンモニウム塩化合物としては、例えば、花王社製のコータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、サニゾールC及びサニゾールB−50、並びにライオン社製のアーカード210−80E、2C−75、2HT−75、2HTフレーク、2O−75I、2HP−75及び2HPフレークがあげられ、中でもコータミンD86P(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド)及びアーカード2HT−75(ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド)が好ましい。
・側鎖にカチオン性基を有する樹脂
側鎖にカチオン性基を有する樹脂は、下記一般式(2)で表される構造単位を含むアクリル樹脂であることが好ましく、一般式(2)中のカチオン性基が、アニオン性染料のアニオン性基と塩形成することで、造塩化合物を得ることができる。(参考文献1参照)
(参考文献1)特願2011−261667
一般式(2):
Figure 2012177912
(一般式(2)中、R5は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R6〜R8 は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R6〜R8のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R7−、−COO−R7−を表し、R7はアルキレン基を表す。Y-は無機または有機のアニオンを表す。)
一般式(2)中、R5は、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R5におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
5で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシル基等が挙げられる。
上記の中でも、R5としては、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
一般式(2)中、R6〜R8としては、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
ここで、R6〜R8におけるアルキル基としては、例えば、直鎖アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル及びn−オクタデシル等)、分岐アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル、2−エチルヘキシル及び1,1,3,3−テトラメチルブチル等)、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)及び架橋環式アルキル基(ノルボルニル、アダマンチル及びピナニル等)が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。
6〜R8におけるアルケニル基としては、例えば、直鎖又は分岐のアルケニル基(ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル及び2−メチル−2−プロぺニル等)、シクロアルケニル基(2−シクロヘキセニル及び3−シクロヘキセニル等)が挙げられる。該アルケニル基としては、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基である。
6〜R8におけるアリール基としては、例えば、単環式アリール基(フェニル等)、縮合多環式アリール基(ナフチル、アントラセニル、フェナンスレニル、アントラキノリル、フルオレニル及びナフトキノリル等)及び芳香族複素環炭化水素基(チエニル(チオフェンから誘導される基)、フリル(フランから誘導される基)、ピラニル(ピランから誘導される基)、ピリジル(ピリジンから誘導される基)、9−オキソキサンテニル(キサントンから誘導される基)及び9−オキソチオキサンテニル(チオキサントンから誘導される基)等)が挙げられる。
6〜R8で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、及びフェニル基等から選択される置換基が挙げられる。該置換基としては、中でも、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、フェニル基が特に好ましい。
6〜R8としては、安定性の観点から置換されていてもよいアルキル基が好ましく、無置換のアルキル基が更に好ましい。
また、R6〜R8のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。
一般式(2)中、アクリル部位とアンモニウム塩基を連結するQの成分はアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R7−、−COO−R7−を表し、R7はアルキレン基を表すが、中でも、重合性、入手性の理由から、−CONH−R7−、−COO−R7−であることが好ましい。また、R7がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
当該樹脂の対アニオンを構成する一般式(2)中におけるY-の成分は、無機または有機のアニオンであればよい。対アニオンとしては、公知のものが制限なく採用でき、具体的には、水酸化物イオン;塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン;ギ酸イオン、酢酸イオン等のカルボン酸イオン;炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、クロム酸イオン、ニクロム酸イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、過マンガン酸イオン、さらには、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオンのような錯体イオン等が挙げられる。合成適性や安定性の点からは、ハロゲンイオン及びカルボン酸イオンが好ましく、ハロゲンイオンが最も好ましい。対アニオンがカルボン酸イオン等の有機酸イオンである場合は、樹脂中に有機酸イオンが共有結合し、分子内塩を形成していてもよい。
一般式(2)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂を得るには、アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合する方法だけでなく、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合したアミノ基を有するアクリル系樹脂を得た後、オニウム塩化剤を反応させ、アンモニウム塩化する方法により得ても良い。
以下に、アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体と、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体、およびオニウム塩化剤の具体例を示す。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」、のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」、と記載することがある。同様に、「アクリロイル、メタクリロイル」のいずれか或いは双方を示す場合、「(メタ)アクリロイル」と記載することがある。
アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリロイルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミドが挙げられ、ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ジアリルメチルアミン、ジアリルアミン等のジアリルアミン化合物、N−ビニルピロリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等のアミノ基含有芳香族ビニル系単量体が挙げられる。
オニウム塩化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、またはジプロピル硫酸等のアルキル硫酸、p−トルエンスルホン酸メチル、またはベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル、メチルクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、またはオクチルクロライド等のアルキルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、プロピルブロマイド、またはオクチルクロブロマイド等のアルキルブロマイド、あるいは、ベンジルクロライド、またはベンジルブロマイド等が挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体とオニウム塩化剤との反応は、通常はアミノ基に対して等モル以下のオニウム塩化剤を、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体溶液に滴下することによって行うことができる。アンモニウム塩化反応時の温度は90℃程度以下であり、特にビニルモノマーをアンモニウム塩化する場合には30℃程度以下が好ましく、反応時間は1〜4時間程度である。
別に、オニウム塩化剤として、アルコキシカルボニルアルキルハライドを使用することもできる。アルコキシカルボニルアルキルハライドは下記一般式(21)で表される。

Z−R8−COOR9 一般式(21)
(一般式(21)中、Zは、塩素、または臭素等のハロゲン、好ましくは臭素であり、R8は、炭素数1〜6、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3のアルキレン基であり、R9は、炭素数1〜6、好ましくは1〜3の低級アルキル基である。)
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体とアルコキシカルボニルアルキルハライドとの反応は、アミノ基に対して等モル以下のアルコキシカルボニルアルキルハライドを上記オニウム塩化剤同様に反応させた後、−COOR7を加水分解してカルボキシレートイオン(−COO-)に変換することにより得られる。これにより、一般式(21)式で示すカルボキシベタイン構造を有しアンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を得ることができる。
一般式(21)で表される構造単位以外で用いることができる他のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。このようなビニルモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
酸基を有する単量体としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸またはその無水物類;こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート等の両末端カルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等を挙げられる。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂を得る方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち、フリーラジカル重合またはリビングラジカル重合が好ましい。
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、更には、重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成できる。
中でも、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1〜8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂中に存在するアンモニウム塩基の量は、特に限定されるものではないが、樹脂のアンモニウム塩価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることがより好ましい。アンモニウム塩価10mgKOH/gより少ないと、反応させるアニオン性染料(a1)の割合が少なくなるため着色力が低下し、レジスト材中により多くの造塩化合物(a3)を必要とする。そのため、本来レジスト材中に添加されるバインダー樹脂や硬化性樹脂等が少なくなり、レジスト膜のガラス密着性の悪化やレジスト膜の塗膜耐性の悪化が起こることがある。一方200mgKOH/gより多くなると、造塩化合物(a3)の溶剤溶解性が悪化し、レジスト材中に異物として析出してしまう恐れがある。
樹脂のアンモニウム塩価が、上記範囲を満たすためには、4級アンモニウム塩基を有する構造単位の好ましい含有量は、樹脂を構成する構造単位の合計100重量%中、4〜74重量%であり、より好ましい範囲は8〜48重量%である。
本発明に使用される側鎖にカチオン性基を有する樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることがより好ましい。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂において、上記一般式(2)で表される構造単位の総含有量は、特に制限はないが、側鎖にカチオン性基を有する樹脂に含有される全構造単位を100質量部とした場合に、造塩生成物の溶剤溶解性と着色力の点から、上記一般式(2)で表される構造単位の総含有量は、5質量部以上であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましい。
また、カチオン性基を有する化合物(a2)がアミンを含み、前記アミンは、一級アミ ン、二級アミン及び三級アミンからなる群より選択される少なくとも1つである場合も 、さらに好ましい。
一級アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン(ラウリルアミン)、トリドデシルアミン、テトラデシルアミン(ミリスチルアミン)、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ココアルキルアミン、牛脂アルキルアミン、硬化牛脂アルキルアミン、アリルアミン等の脂肪族不飽和1級アミン、アニリン、ベンジルアミン等が挙げられる。
二級アミン化合物としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジアリルアミン等の脂肪族不飽和2級アミン、メチルアニリン、エチルアニリン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジココアルキルアミン、ジ硬化牛脂アルキルアミン、ジステアリルアミン等が挙げられる
三級アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリベンジルアミン等が挙げられる。
(造塩化合物の製造方法)
本発明に用いる造塩化合物は、従来知られている方法により製造することができる。一例を挙げると、アニオン性染料を水に溶解した後、4級アンモニウム塩化合物を添加、撹拌しながら造塩化処理を行えばよい。また、水の代わりに、メタノールやエタノールも使用することができる。
また、本発明に用いる造塩化合物は側鎖にカチオン性基を有する樹脂とアニオン性染料とを溶解させた水溶液を攪拌若しくは振動させるか、又は、側鎖にカチオン性基を有する樹脂の水溶液とアニオン性染料の水溶液とを攪拌若しくは振動下で混合させることにより、容易に得ることができる。水溶液中で、樹脂のカチオン性基とアニオン性染料のアニオン性基とがイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり、析出を生じる。逆に、樹脂の対アニオンとアニオン性染料の対カチオンとからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。側鎖にカチオン性基を有する樹脂及びアニオン性染料の各々として、一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
塩形成時に使用する水溶液として、共重合体、およびアニオン性染料を溶解させるた め、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては、メ タノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プ ロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2 −(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオ キシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレ ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ ングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ エチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、 プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプ ロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル 、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレ ングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ア セトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル 、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テト ラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N −メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオ ール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられ る。これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量を基準(100重量%)として、5〜 50重量%用いることが好ましく、5〜20重量%用いることが最も好ましい。
造塩化合物中のアニオン性染料に由来する色素成分の含有量は、造塩化合物を基準( 100重量%)として、10〜60重量%の範囲に調整でき、特に15〜55重量%の 範囲とすることが好ましい。この範囲に制御することで、溶剤溶解性に優れる造塩化合 物を得ることができる。
また造塩化合物に含まれるアニオン性染料中の有効色素成分(アルカリ金属イオンな どの対イオンを除いたもの)の重量%は、同濃度に調整した造塩化合物溶液とアニオン 性染料溶液の分光スペクトルを測定し、極大吸収波長の分光強度比を求めることによっ て算出することができる。
例えば、造塩化合物とアニオン性染料の両方を良く溶解させることができる溶媒(N −メチル−2−ピロリドンなど)を用いて、造塩化合物溶液およびアニオン性染料溶液 をある一定濃度で調製し、吸光度測定にて得られた造塩化合物溶液およびアニオン性染 料溶液の極大吸収波長における吸光度をそれぞれXaおよびXbとする。アニオン性染 料にはアルカリ金属イオンなどの対イオンを含むものが多く、その場合、1分子中に存 在する対イオンの個数をNa個、その対イオンの原子量をMaとし、アニオン性染料の 分子量をMbとすると、アニオン性染料中の有効色素成分の重量%は、下記式にて与え られる。
(1−Ma×Na/Mb)×100 [重量%]
そしてこの式を用いて、造塩化合物に含まれるアニオン性染料中の有効色素成分の重 量%は、下記式より算出することができる。
(Xa/Xb)×(1−Ma×Na/Mb)×100 [重量%]
[顔料]
本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物に用いる着色剤(A)は、さらに顔料を添加、併用して用いることができる。
顔料としては、有機または無機の顔料を、単独または2種類以上混合して用いることができる。顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。以下に、着色剤(A)に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメント レッド 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、123、146、150、168、169、176、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、268、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、または287等の赤色顔料を用いることができる。またこれらの赤色顔料に加えて、C.I.ピグメント オレンジ 38、43、71、または73等の橙色顔料及び/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等の黄色顔料を併用することができる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメント グリーン 7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができる。またこれらの緑色顔料に加えて、C.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等の黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成するための青色顔料としては、例えばC.I.ピグメント ブルー 1、1:2、1:3、2、2:1、2:2、3、8、9、10、10:1、11、12、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、18、19、22、24、24:1、53、56、56:1、57、58、59、60、61、62、64等の青色顔料を用いることができる。またこれらの青色顔料に加えて、C.I.ピグメント バイオレット 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
シアン色フィルタセグメントを形成するためのシアン用顔料としては、例えばC.I.ピグメント ブルー 15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、81等のシアン用の青色顔料を単独でまたは混合して用いることができる。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ用顔料としては、例えばC.I.ピグメント バイオレット 1、19、C.I.ピグメント レッド 144、146、177、169、81等の紫色顔料および赤色顔料を単独でまたは混合して用いることができる。これらのマゼンタ用顔料としては、前記マゼンタ用赤色、紫色顔料に加えて黄色顔料を併用することができる。
また、無機顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、合成鉄黒等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組合せて用いられる。
顔料と染料(A1)との使用割合は、顔料100重量部に対し染料(A1)が1〜800重量部が好ましい。より好ましくは5〜400重量部である。染料(A1)の添加量が1重量部よりも少ないと再現可能な色度領域が狭くなり、また800重量部を越えると色相が変化してしまうため好ましくない。
また色構成を考慮して換算すると、顔料と染料(A1)が造塩化合物の場合は、造塩化合物中のアニオン性染料中の有効色素成分の含有量との配合割合は、顔料100重量部に対して、染料中の有効色素成分が1〜400重量部であることが好ましい。より好ましくは、顔料100重量部に対して、染料中の有効色素成分が5〜300重量部の範囲である。
(顔料の微細化)
本発明に用いる着色剤(A)に添加する顔料としては、高い透過度および高度なコントラストに対応させるため、ソルトミリング処理などにより微細化されていることが好ましい。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、10nm以上であることが好ましい。また、コントラストが高いフィルタセグメントを形成できることから、80nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、20〜60nmの範囲である。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
<有機溶剤(C)>
本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物には、着色剤(A)を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤(C)を含有させることができる。
有機溶剤(C)としては、例えば乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
中でも、着色剤(A)の分散、溶解が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
これらの有機溶剤(C)は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。2種以上の混合溶剤とする場合、上記の好ましい有機溶剤が、有機溶剤(C)全量を基準(100重量%)として、65〜95重量%含有されていることが好ましい。
なかでも特に、安全衛生面と低粘度化の観点からプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを主成分することが好ましい。また、本発明においては、全溶剤中に占める重量%が最も多い溶剤を主成分とする。
また有機溶剤(C)は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤(A)100重量部に対し、800〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
<光重合性単量体(E)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、光重合性単量体(E)を添加して使用する。
本発明に用いる光重合性単量体(E)には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。光重合性単量体(E)の配合量は、着色剤(A)100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
<光重合開始剤(F)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、光重合開始剤(F)を添加して使用する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する際に、光重合開始剤(F)を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調製するものである。光重合開始剤(F)を使用する際の配合量は、着色剤(A)100重量部に対し、5〜200重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜150重量部であることがより好ましい。
光重合開始剤(F)としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤(F)は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
<増感剤>
さらに、本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’または4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上用いても構わない。増感剤を使用する際の配合量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<酸化防止剤(D)>
本態様のカラーフィルタ用感光性着色組成物には、塗膜の透過率を上げるために、酸化防止剤(D)を更に含有させることが好ましい。
酸化防止剤(D)は、感光性着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性樹脂が、その熱硬化工程及びITO(インジウム錫酸化物)のアニール工程などにおいて行う熱処理によって酸化し、その結果、黄変するのを防ぎ得る。従って、着色組成物に酸化防止剤(D)を含有させると、塗膜の透過率を高くすることができる。
酸化防止剤(D)としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤又はスルフィド系酸化防止剤を使用することが好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤又はリン系酸化防止剤を使用することがより好ましい。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、及び2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジンが挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、及びN,N’−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミンが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2−[(4,6,9,11−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−2−イル)オキシ]エチル]アミン、及び亜燐酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。
スルフィド系酸化防止剤としては、例えば、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、及び2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾールが挙げられる。
酸化防止剤(D)は、カラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分の合計100重量%中、0.1〜5重量%の量で用いることが好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することができる。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色剤(A)100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<カラーフィルタ用着色組成物の製造方法>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、染料(A1)を、有機溶剤(C)に攪拌・溶解後(着色剤溶液)、樹脂(B)、光重合性単量体(E)、光重合開始剤(F)、必要に応じて、さらに有機溶剤(C)、及びその他の添加剤等と混合し、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物(レジスト材)として調整することができる。
また、染料(A1)を、有機溶剤(C)に攪拌・溶解後(着色剤溶液)、樹脂(B)を加え混合し、その後、光重合性単量体(E)、光重合開始剤(F)、また必要に応じて、さらに有機溶剤(C)、及びその他の添加剤等と混合することによっても、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物(レジスト材)を得ることができる。
また、着色剤(A)としてさらに顔料を用いる場合は、少なくとも樹脂(B)、着色剤(A)の成分を含む混合物を2本ロールミル等により練肉してシート状物とする工程を複数回行った後、粉砕することで得るチップを有機溶剤(C)等に撹拌溶解させ、ビーズミル等のメディア分散機で分散するか、あるいは、上記混合物を直接ビーズミル等のメディア分散機で分散した着色組成物の中間体(顔料分散体)に、光重合性単量体(E)、光重合開始剤(F)、有機溶剤(C)等を配合することにより調製できる。
カラーフィルタ用着色組成物は、染料(A1)と顔料を混合し、一緒に分散することも可能であり、また着色剤溶液と顔料分散体を別々に製造し、混合して用いることもできる。
着色剤(A)は、カラーフィルタ用着色組成物中に0.5〜10重量%の割合で含有されることが好ましい。また、着色剤(A)は、最終的にフィルタセグメント中に好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%の割合で含有され、その残部は樹脂(B)や光重合性単量体(E)、光重合開始剤(F)等から実質的になる。
(分散助剤)
着色剤(A)にさらに含まれる顔料を着色剤担体中に分散する際には、樹脂(B)を樹脂型分散剤の態様で用いる以外に、適宜、色素誘導体、その他の樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤をさらに用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を顔料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられる。
中でも顔料誘導体が好ましく、その構造は、下記一般式(5)で示される化合物である。P−Ln 一般式(5)
(ただし、
P:有機顔料残基、アントラキノン残基、アクリドン残基またはトリアジン残基
L:塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基n:1〜4の整数である)
Pの有機顔料残基を構成する有機顔料としては、例えば、ジケトピロロピロール系顔料;アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料;銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料;キナクリドン系顔料;ジオキサジン系顔料;ペリノン系顔料;ペリレン系顔料;チオインジゴ系顔料;イソインドリン系顔料;イソインドリノン系顔料;キノフタロン系顔料;スレン系顔料;金属錯体系顔料等が挙げられる。
色素誘導体としては、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、分散性向上の点から、顔料100重量部に対し、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上、最も好ましくは3重量%以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、顔料100重量部に対し、好ましくは40重量%以下、最も好ましくは35重量%以下である。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、顔料100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
<粗大粒子の除去>
本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
このようにカラーフィルタ用感光性着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するものである。カラーフィルタとしては、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するもの、またはマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、およびイエロー色フィルタセグメントを具備するものが挙げられる。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製したカラーフィルタ用感光性着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストであり、かつ量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性制御も重要であり、分散剤や体質顔料によってインキ粘度の調整も行うことができる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製したカラーフィルタ用感光性着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるもの
ではない。なお、特にことわりがない限り、「部」とは「重量部」を意味する。
ポリエステル樹脂およびバインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
また、酸価は、JIS K 0070の電位差滴定法に準拠し、測定した酸価(KOH
−mg/g)である。
カチオン性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。また、アンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値であり、固形分のアンモニウム塩価を示す。
顔料粒子の比表面積は、窒素吸着によるBET法で求めた。なお、測定には自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル社製「BELSORP18」)を用いた。
顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(日本電子社製「JEM−1200EX」)を用い、5万倍での観察試料中の全顔料粒子の一次粒子径を計測してその平均値を用いた。なお、粒子形状が球状でない場合は、長径と短径を計測し、(長径+短径)/2により求められる値を粒子径とした。
<ポリエステル樹脂溶液の製造>
(ポリエステル樹脂溶液B1−1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート80部、ブチルアクリレート20部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール6部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート45.3部に溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。このとき、重量平均分子量が4000であった。次に、ピロメリット酸二無水物9.7部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70.1部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.2部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。反応終了後、不揮発分を20重量%に調製し、酸価43mgKOH/g、重量平均分子量8,100のポリエステル樹脂B1−1のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。
(ポリエステル樹脂溶液B1−2〜B1−8)
表1に記載した原料と仕込み量を用いた以外はポリエステル樹脂溶液B1−8と同様にして合成を行い、ポリエステル樹脂溶液B1−2〜B1−8のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。
(ポリエステル樹脂溶液B1−9)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器、メタクリル酸エチル60部、アクリル酸n−ブチル40部、メタクリル酸メチル90.0部、メタクリル酸10.0部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3‐メルカプト‐1,2‐プロパンジオール12部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物30部、シクロヘキサノン242部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し、重量平均分子量(Mw)10000、酸価74KOH−mg/gのアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してポリエステル樹脂溶液B1−9を調製した。
(ポリエステル樹脂溶液B1−10)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器、アクリル酸n−ブチル48部、メタクリル酸メチル30.0部、メタクリル酸10.0部、メタクリル酸ジシクロペンタニル112.0部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3‐メルカプト‐1,2‐プロパンジオール12部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物30部、シクロヘキサノン242部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し、重量平均分子量(Mw)10000、酸価75KOH−mg/gのアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してポリエステル樹脂溶液B1−10を調製した。
(ポリエステル樹脂溶液B1−11)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール6部、ピロメリット酸二無水物9.7部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23.6部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、7時間反応させた。98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した後、系内の温度を70℃に冷却し、メチルメタクリレート60部、ブチルアクリレート20部、メタクリル酸20部を仕込み、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25.9部に溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により重合が95%進行したことを確認し反応を終了した。反応終了後、不揮発分を20重量%に調整し、酸価156mgKOH/g、重量平均分子量8,100のポリエステル樹脂B1−9のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。
ポリエステル樹脂の組成を表1に示す。
Figure 2012177912
表1中の略語を下記に示す。
〔エチレン性不飽和単量体(c)〕
MMA :メチルメタクリレート
BA :ブチルアクリレート
MAA :メタクリル酸
EMA :メタクリル酸エチル
DCPMA:メタクリル酸ジシクロペンタニル
〔ラジカル重合開始剤〕
AIBN :2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル
〔有機溶剤〕
PGMAc :プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
〔テトラカルボン酸二無水物(b1)〕
PMA :ピロメリット酸二無水物(ダイセル化学工業株式会社製)
BPDA :3,3‘,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(三菱化学株式会社製)
〔エステル化反応触媒〕
DBU :1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン(サンアプロ株式会社製)
<バインダー樹脂溶液の製造>
(樹脂溶液1)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりメタクリル酸ジシクロペンタニル25部、メタクリル酸メチル10.0部、メタクリル酸12.0部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)38.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)30000、酸価78KOH−mg/gのアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液1を調製した。
(樹脂溶液2)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりアクリル酸n−ブチル25部、メタクリル酸メチル10.0部、メタクリル酸13.0部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)37.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)11300、酸価88mgKOH/gのアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液2を調製した。
(樹脂溶液3)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりアクリル酸n−ブチル25部、メタクリル酸エチル10.0部、メタクリル酸13.0部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)37.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)10900、酸価87KOH−mg/gのアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液3を調製した。
(樹脂溶液4)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりアクリル酸n−ブチル25部、メタクリル酸ベンジル10.0部、メタクリル酸13.0部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)37.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)10400、酸価84KOH−mg/gのアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液4を調製した。
樹脂溶液の組成を表2に示す。
Figure 2012177912
表2中の略語を下記に示す。
EMA :メタクリル酸エチル
BA :アクリル酸n−ブチル
MMA :メタクリル酸メチル
DCPMA:メタクリル酸ジシクロペンタニル
BzMA :メタクリル酸ベンジル
MAA :メタクリル酸
HEMA :メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
M110 :アロニックスM110(東亞合成株式会社製)
<カチオン性樹脂の製造>
(カチオン性樹脂1)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3部を仕込み窒素気流下で75℃に昇温した。別途、メタクリル酸メチル34.0部、アクリル酸n−ブチル28.0部、メタクリル酸2−エチルヘキシル28.0部、メタクリル酸ジメチルアミノエチル10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6830である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%のカチオン性樹脂1を得た。得られたカチオン性樹脂のアンモニウム塩価は34mgKOH/gであった。
(カチオン性樹脂2)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール62.4 部を仕込み、窒素気流下で75℃に昇温した。別途、メタクリル酸エチル32.1部、メタクリル酸n−プロピル25.1部、メタクリル酸ラウリル25.1部、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド17.7部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を5.7部、およびメチルエチルケトン15.6部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7420である事を確認し、50℃へ冷却した。その後、イソプロピルアルコールを72部加え、樹脂成分が40重量%のカチオン性樹脂2を得た。得られたカチオン性樹脂のアンモニウム塩価は45mgKOH/gであった。
<造塩化合物の製造>
(造塩化合物(A1−1))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289とカチオン性樹脂1とからなる造塩化合物(A1−1)を作製した。
水2000部に51部のカチオン性樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 289とカチオン性樹脂1との造塩化合物(A1−1)を得た。このとき造塩化合物(A1−1)中のC.I.アシッド レッド 289に由来する有効色素成分の含有量は29重量%であった。
(造塩化合物(A1−2))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289とカチオン性樹脂2とからなる造塩化合物(A1−2)を作製した。
10%のメタノール水溶液2000部に88部の側鎖にカチオン性樹脂2を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、43部のC.I.アシッド レッド 289とカチオン性樹脂2との造塩化合物(A1−2)を得た。このとき造塩化合物(A1−2)中のC.I.アシッド レッド 289に由来する有効色素成分の含有量は22重量%であった。
(造塩化合物(A1−3))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 52とカチオン性樹脂1とからなる造塩化合物(A1−3)を作製した。
水2000部に51部のカチオン性樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 52とカチオン性樹脂1との造塩化合物(A1−3)を得た。このとき造塩化合物(A1−3)中のC.I.アシッド レッド 52に由来する有効色素成分の含有量は30重量%であった。
(造塩化合物(A1−4))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 92とカチオン性樹脂1とからなる造塩化合物(A1−7)を作製した。
水2000部に51部のカチオン性樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 92を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 92とカチオン性樹脂1との造塩化合物(A1−4)を得た。このとき造塩化合物(A1−4)中のC.I.アシッド レッド 92に由来する有効色素成分の含有量は29重量%であった。
(造塩化合物(A1−5))
下記の手順でC.I.アシッド イエロー 5とカチオン性樹脂1とからなる造塩化合物(A1−8)を作製した。
水2000部に51部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のアシッド イエロー 5を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のアシッド イエロー 5とカチオン性樹脂1との造塩化合物(A1−5)を得た。このとき造塩化合物(A1−5)中のC.I.アシッド イエロー 5に由来する有効色素成分の含有量は33重量%であった。
(造塩化合物(A1−6))
下記の手順でC.I.アシッド ブルー 112とカチオン性樹脂1とからなる造塩化合物(A1−6)を作製した。
10%のメタノール水溶液2000部に88部のカチオン性樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド ブルー
112を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、43部のC.I.アシッド ブルー 112とカチオン性樹脂1との造塩化合物(A1−6)を得た。このとき造塩化合物(A1−6)中のC.I.アシッド ブルー 112に由来する有効色素成分の含有量は35重量%であった。
(造塩化合物(AC−1))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289とジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(コータミンD86P)とからなる造塩化合物(AC−1)を作製した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に11.5部のコータミンD86Pを添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、17部のC.I.アシッド レッド 289とコータミンD86Pとの造塩化合物(AC−1)を得た。
(造塩化合物(AC−2))
下記の手順でC.I.アシッド ブルー 112とモノラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(コータミン24P)とからなる造塩化合物(AC−2)を作製した。
7%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に8.1部のコータミン24Pを添加し、十分に攪拌混合を行った後、50℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド ブルー 112を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、16部のC.I.アシッド ブルー 112とコータミン24Pとの造塩化合物(AC−2)を得た。
(造塩化合物(AC−3))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 52とジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(コータミンD86P)とからなる造塩化合物(AC−3)を作製した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に11.5部のコータミンD86Pを添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に8.6部のC.I.アシッド レッド 52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、16部のC.I.アシッドレッド 52とコータミンD86Pとの造塩化合物(AC−3)を得た。
(造塩化合物(AC−4))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289とステアリルアミン(花王製ファーミン80)(分子量が269)とからなる造塩生成物(AC−4)を製造した。
10乃至20%の酢酸水溶液中にステアリルアミンを添加し、この溶液を十分に攪拌した。この溶液を60℃に加熱した後、これにC.I.アシッド レッド 289を少しずつ滴下した。C.I.アシッド レッド 289は、水溶液として用いてもよい。滴下終了後、十分に反応させるべく、この溶液を60℃で120分間に亘って攪拌した。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、滲みがなくなった時点とした。即ち、滲みがなくなったときに造塩生成物が得られたと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、更に水洗した。水洗後、濾紙上に残った造塩生成物から乾燥機を用いて水分を除去し、C.I.アシッド レッド 289とステアリルアミンとの造塩生成物である造塩生成物(AC−4)を得た。
<微細化顔料の製造>
(青色微細化顔料(P−1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(東洋インキ製造社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部の青色微細化顔料(P−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は28.3nmであった。
(緑色微細化顔料(P−2))
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 36(東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン 6YK」)120部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、117部の緑色微細化顔料(P−2)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は32.6nmであった。
(赤色微細化顔料(P−3))
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(チバ・ジャパン社製「IRGAZIN RED 2030」)120部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部の赤色微細化顔料(P−3)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は24.8nmであった。
(紫色微細化顔料(P−4))
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(Clariant社製「Fast Violet RL」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、90℃で18時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、118部の紫色微細化顔料(P−4)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は26.4nmであった。
(黄色微細化顔料(P−5))
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、95部の黄色微細化顔料(P−5)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は39.2nmであった。
<顔料分散体の製造>
(顔料分散体(DP−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し顔料分散体(DP−1)を作製した。
青色微細化顔料(P−1) :12.0部
(C.I.ピグメント ブルー15:6)
樹脂溶液1 :40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :48.0部
(顔料分散体(DP−2〜5)の作製)
以下、表3に示す顔料に変更した以外は、上記の顔料分散体(DP−1)と同様にして、顔料分散体(DP−2〜5)を作製した。
(顔料分散体(DP−6)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し顔料分散体(DP−6)を作製した。
青色微細化顔料(P−1) :12.0部
(C.I.ピグメント ブルー15:6)
樹脂溶液1 :16.0部
ポリエステル樹脂溶液B1−2:24.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :48.0部
(顔料分散体(DP−7、8)の作製)
以下、表3に示すポリエステル樹脂溶液に変更した以外は、顔料分散体(DP−6)と同様にして、顔料分散体(DP−7、8)を作製した。
Figure 2012177912
<着色剤溶液の製造>
(着色剤溶液(DA−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色剤溶液(DA−1)を作製した。
造塩化合物(A1−1) : 5.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :95.0部
(着色剤溶液(DA−2〜6、DC−1〜6)の作製)
以下、表4に示す染料(造塩化合物を含む)に変更した以外は、上記の着色剤溶液(DA−1)と同様にして、着色剤溶液(DA−2〜6、DC−1〜6))を作製した。
またこのときの色素成分の含有量を表4に示す。
ここで色素含有量Aは、染料(造塩化合物を含む)中の有効色素成分含有量(重量%)をあらわし、また色素含有量Bは、着色剤溶液中の有効色素成分含有量(重量%)をあらわす。
Figure 2012177912
※1 色素成分含有量A: 染料(造塩化合物を含む)の有効色素成分含有量(重量%)
※2 色素成分含有量B: 着色剤溶液中の有効色素成分含有量(重量%)
<実施例1〜33、比較例1〜4;感光性着色組成物(レジスト材(R−1〜37))>
(実施例1;感光性着色組成物(レジスト材(R−1))の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過、混合し感光性着色組成物(レジスト材(R−1))を作製した。
着色剤溶液(DA−1) :60.0部
ポリエステル樹脂溶液B1−2:4.7部
樹脂溶液2 :21.9部
ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート : 4.9部
(東亞合成社製「アロニックスM−402」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュア−379」) : 1.8部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) : 6.7部
(実施例1−2;感光性着色組成物(レジスト材(R−1−2))の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過、混合し着色組成物を作製した。
着色剤溶液(DA−1) :60.0部
ポリエステル樹脂溶液B1−2:4.7部
ついで、さらに下記の混合物を加え攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過、混合し感光性着色組成物(レジスト材(R−1−2))を作製した。
樹脂溶液2 :21.9部
ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート : 4.9部
(東亞合成社製「アロニックスM−402」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュア−379」) : 1.8部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) : 6.7部
請求項1をカバーできるように、染料とPAT、溶剤のみの組成物を開示し、その後レジストとしています。(製造方が違うだけで、出来上がりは同じもの)
(実施例2〜8;感光性着色組成物(レジスト材(R−2〜8))の作製)
以下、表5に示すように、着色剤溶液の種類を変えた以外はレジスト材(R−1)と同様にして感光性着色組成物(レジスト材(R−2〜8))を得た。
(実施例9;感光性着色組成物(レジスト材(R−9))の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過、混合し感光性着色組成物(レジスト材(R−9))を作製した。
着色剤溶液(DA−1) :13.0部
顔料分散体(DP−1) :19.6部
ポリエステル樹脂溶液B1−1:4.7部
樹脂溶液2 :14.1部
ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート : 4.9部
(東亞合成社製「アロニックスM−402」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュア−379」) : 1.8部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :41.9部
(実施例10〜32;レジスト材(R−10〜32))
以下、表5に示すように、着色剤溶液、顔料分散体およびポリエステル樹脂溶液の種類を変えた以外はレジスト材(R−9)と同様にして感光性着色組成物(レジスト材(R−10〜32))を得た。
(実施例33;感光性着色組成物(レジスト材(R−33)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過、混合し感光性着色組成物(レジスト材(R−33))を作製した。
着色剤溶液(DA−1) :13.0部
顔料分散体(DP−6) :19.6部
樹脂溶液2 :18.8部
ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート : 4.9部
(東亞合成社製「アロニックスM−402」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュア−379」) : 1.8部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) : 6.7部
(実施例36、37;感光性着色組成物(レジスト材(R−40、41)の作製)
以下、表5に示すように、顔料分散体および樹脂溶液の種類を変えた以外はレジスト材(R−33)と同様にして感光性着色組成物(レジスト材(R−40、41))を得た。
(実施例38;感光性着色組成物(レジスト材(R−42)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過、混合し感光性着色組成物(レジスト材(R−42))を作製した。
着色剤溶液(DA−1) :13.0部
顔料分散体(DP−7) :19.6部
ポリエステル樹脂溶液B1−2:18.8部
ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート : 4.9部
(東亞合成社製「アロニックスM−402」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュア−379」) : 1.8部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) : 6.7部
(比較例1;感光性着色組成物(レジスト材(R−34)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過、混合し感光性着色組成物(レジスト材(R−34))を作製した。
着色剤溶液(DA−1) :13.0部
顔料分散体(DP−1) :19.6部
樹脂溶液2 :18.8部
ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート : 4.9部
(東亞合成社製「アロニックスM−402」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュア−379」) : 1.8部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :41.9部
(比較例2〜4;レジスト材(R−35〜37))
以下、表5に示すように、着色剤溶液、顔料分散体および樹脂溶液の種類を変えた以外はレジスト材(R−34)と同様にして感光性着色組成物(レジスト材(R−35〜37))を得た。
Figure 2012177912
Figure 2012177912
得られたレジスト材(R−1〜37、40〜42)について、保存安定性、塗膜異物、ガラス密着性、および現像残渣に関する試験を下記の方法で行った。結果を表5に示す。
(保存安定性試験方法)
レジスト材の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業社製TUE−20L型)を用い回転数20rpmで測定した。レジスト材の作製当日の初期粘度と、40℃の恒温室にて7日間保存後の促進経時粘度から、経時粘度変化率を算出し、保存安定性を下記の基準にて評価した。
(経時粘度変化率)=|[(初期粘度)−(経時粘度)]/(初期粘度)|×100(%)
◎:5%未満
○:5%以上、10%未満
△:10%以上、15%未満
×:15%以上
(塗膜異物試験方法)
レジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に乾燥後の膜厚が2.5μmとなる回転数にてスピンコートし、70℃で20分乾燥後、幅100μmのストライプ状の開口部を有するフォトマスクを介して超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、5%の炭酸ナトリウム水溶液で未露光部を洗い流した後、230℃で20分、熱風オーブンでベークして、基板上に幅100μmのストライプ状のパターンを形成した。その後、この作製基板をオリンパスシステム社製の金属顕微鏡「BX60」を用いて表面観察を行い(倍率は500倍)、透過により任意の5視野にて観測可能な粒子の数をカウントし、下記の基準にて評価した。評価結果において、◎と○は異物数が少なく良好であり、△は異物数が多いものの使用上問題ないレベル、×は異物による塗工ムラ(斑)が発生するため使用することはできない状態に相当する。
◎:3個未満
○:3個以上、10個未満
△:10個以上、50個未満
×:50個以上
(ガラス密着性試験方法)
ガラスへの密着性に関する試験としては、上記の塗膜異物試験と同じ手順で塗膜を形成し、得られた塗膜の耐薬品性を確認することで評価した。試験方法としては、5%水酸化ナトリウム水溶液に25℃で30分浸漬し、浸漬前後でのガラスへの密着性を目視観察により3段階で評価した。
〇:全く剥離が認められない
△:わずかに剥離が認められる
×:剥離が認められる
(現像残渣試験方法)
レジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に乾燥後の膜厚が2.5μmとなる回転数にてスピンコートし、70℃で20分乾燥後、幅100μmのストライプ状の開口部を有するフォトマスクを介して超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、5%の炭酸ナトリウム水溶液で未露光部を洗い流した後、現像されたガラス表面を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定し、残渣の有無を判定した。
○:残渣無し
△:わずかに残渣あり
×:残渣有り
染料(A1)を含みかつポリエステル樹脂(B1)を含む、本発明のレジスト材は、いずれも保存安定性に優れ、塗膜異物も少なくカラーフィルタとして好ましく使用できる範囲にあった。
一方、比較例のレジスト材(R−34〜37)は現像残渣が多く、カラーフィルタとして使用可能な品位には達しなかった。
ポリエステル樹脂(B1)は、レジスト調整時に加えた場合でも併用する顔料分散体に含んでいた場合にも、いずれもカラーフィルタとして優れた特性を示し、どちらの場合にもレジスト材として優れた効果が確認できた。

<実施例34、35;レジスト材(R−38、39)>
(実施例34;感光性着色組成物(レジスト材(R−38))の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過、混合し感光性着色組成物(レジスト材(R−34))を作製した。
着色剤溶液(DA−1) :13.0部
顔料分散体(DP−1) :19.6部
ポリエステル樹脂溶液1:4.7部
樹脂溶液2 :13.1部
ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレート : 4.9部
(東亞合成社製「アロニックスM−402」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュア−379」) : 1.8部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :42.7部
酸化防止剤a : 0.2部
(1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル))
(実施例35;レジスト材(R−39))
酸化防止剤を、酸化防止剤b(2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕)に変えた以外は、レジスト材(R−38)と同様にして感光性着色組成物(レジスト材(R−39))を得た。
(色特性の評価)
ガラス基板上にC光源においてx=0.138、y=0.085になるような膜厚にレジスト材を塗布し、この基板を230℃で20分加熱した。その後、得られた基板の明度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。
以下、表6にその結果を示す。
Figure 2012177912
酸化防止剤(F)を含有するレジスト材(R−38、39)は高い明度を有し、より優れたカラーフィルタを提供できる。

Claims (14)

  1. 着色剤(A)、樹脂(B)、および有機溶剤(C)を含むカラーフィルタ用着色組成物であって、
    着色剤(A)が染料(A1)を含有し、
    樹脂(B)が、
    ポリオール(ba)の水酸基と、ポリカルボン酸無水物(bb)の酸無水物基とを反応させてなる、ポリオール部位(bas)とポリカルボン酸部位(bbs)とを交互に有するポリエステルにおいて、ポリオール部位(bas)の一部又は全部が、S原子を介して、エチレン性不飽和単量体(bc)をラジカル重合してなるビニル重合体部位(bd)を有するポリエステル樹脂(B1)
    を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
  2. ポリエステル樹脂(B1)の酸価が90〜250mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. 染料(A1)が、アニオン性染料(a1)とカチオン性基を有する化合物(a2)とから形成された造塩化合物(a3)であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  4. カチオン性基を有する化合物(a2)が、四級アンモニウム塩化合物、アミン、及び側鎖にカチオン性基を有する樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含む請求項1〜3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. カチオン性基を有する化合物(a2)が、下記一般式(1)で表される四級アンモニウム塩化合物を含む請求項3または4に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
    一般式(1)
    Figure 2012177912
    [一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基またはベンジル基を示し、R1、R2
    3、又はR4の少なくとも2つ以上が、Cの数が5〜20個である。Yは無機または有機のアニオンを表す。]
  6. カチオン性基を有する化合物(a2)が、前記側鎖にカチオン性基を有する樹脂を含み、前記側鎖にカチオン性基を有する樹脂が、下記一般式(2)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂である請求項3または4に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
    一般式(2):
    Figure 2012177912
    [一般式(2)中、R5は水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアリール基を表し、R6〜R8のうち2つは互いに結合して環を形成してもよい。Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R9−、又は−COO−R9−を表し、R9はアルキレン基を表す。Y-は無機又は有機のアニオンを表す。]
  7. カチオン性基を有する化合物(a2)がアミンを含み、前記アミンが、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンからなる群より選択される少なくとも1つである請求項3または4に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  8. ポリエステル樹脂(B1)の重量平均分子量が、2,000〜40,000であることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  9. さらに酸化防止剤(D)を含むことを特徴とする請求項請求項1〜8いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  10. 着色剤(A)が、さらに顔料を含むことを特徴とする請求項1〜9いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  11. 顔料が、青色顔料であることを特徴とする請求項10に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  12. さらに光重合性単量体(E)と、光重合開始剤(F)とを含むことを特徴とする請求項1〜11いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  13. 有機溶剤(C)が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを主成分とすることを特徴とする請求項1〜12いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  14. 透明基板上に、請求項1〜13いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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