JP5998781B2 - カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ Download PDF

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Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、及びこれを用いて形成されてなるフィルタセグメントを備えるカラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、近年その薄型であることゆえの省スペース性や軽量性、また省電力性などが評価され、最近ではテレビ用途への普及が急速に進んでいる。テレビ用途向けでは、輝度やコントラストなどの性能をより高めることが要求されており、カラー液晶表示装置を構成する部材であるカラーフィルタにおいても、さらなる透過度の向上、コントラストの高度化などが望まれている。
カラーフィルタの作製方法としては、フォトレジストによるパターン形成の後、パターンを染色する染色法や、予め所定パターンの透明電極を形成しておき、電圧印加により溶媒に溶解・分散された顔料含有樹脂をイオン化させパターン形成する電着法、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂を含むインクを用いてオフセット印刷等する印刷法、フォトレジスト材料に顔料等の着色剤を分散させたカラーフィルタ用着色組成物を使用する顔料分散法、などが知られており、最近では、顔料分散法が主流になっている。しかし、顔料を着色剤として用いたカラーフィルタは、顔料粒子による光の散乱等により、液晶によって制御された偏光度合いを乱してしまい、その結果、カラー液晶表示装置の輝度やコントラストの低下を招きやすいという問題がある。
この問題を解消する技術として、硬化性組成物の媒体中に溶解した状態で存在し得る染料を着色剤とした染料系の硬化性組成物の実用化が検討、提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、着色剤に染料を用いたカラーフィルタには、以下の様な課題がある。すなわち、カラーフィルタ用着色組成物に用いる染料には、耐熱、耐光性と樹脂及び樹脂に使用される有機溶剤への溶解性が要求される。
有機溶剤への溶解性が悪いと、カラーフィルタ用着色組成物中の固形分を極端に落とす必要があり、その結果として、塗工性が非常に悪くなり、カラーフィルタ用着色組成物の着色剤として使用することが困難になってしまう。
カチオン性染料の溶解性は一般的に悪く、そこで、スルホン酸基を有する有機化合物とカチオン性染料とを造塩化し、造塩染料とすることで、溶解性を向上させる検討がされている。(特許文献2参照)ここで、スルホン酸基を有する有機化合物の構造次第では、分子量が大きくなり、耐熱、耐光性の向上が期待できる。しかしながら、カラーフィルタ作製時に使用する溶剤に対し、十分な溶解性を得ることができないため、また、樹脂との相溶性も悪いため、カラーフィルタ用着色組成物の色材としては使用する事が出来ないのが現状である。また、有機溶剤中への溶解性が悪いため、経時でカラーフィルタ用着色組成物中のカチオン性染料が析出してきてしまうといった不具合もある。(保存安定性不良)さらに、溶解性不良のカチオン性染料を用いて作製したカラーフィルタ用着色組成物を、ガラス基板に塗工すると、異物(カチオン性染料の未溶解物)が大量に発生してしまうといった不具合もある。
また、色材の耐熱性の改良に関して、分子内にトリフェニルメタン染料を共有結合で結合したポリマーを着色剤として含有するカラーフィルタが提案されている(特許文献3参照)。また、各種染料化合物を樹脂への組み込む色素多量体において、分子量や分子量分布を制御することで染料の染み込みやアルカリ現像時の染料の溶出、加熱処理による色移りが抑制されることが確認されている、(特許文献4参照)。
しかし、いずれの染料化合物においても、カラーフィルタに使用される溶剤への溶解性と、カラーフィルタとして使用に耐えうる耐熱性を解決することはできなかった。
特開平6−75375号公報 特公昭56−9557号公報 特許3736221号明細書 特開2011−213925号公報
本発明の目的は、溶剤への溶解性に優れる染料化合物を用いて、溶解性、塗工性、耐熱性、保存安定性に優れたカラーフィルタ用着色組成物、並びに塗膜への異物発生もないカラーフィルタを提供することである。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、側鎖にアニオン性基を有する樹脂であり、カチオン性染料とを反応させて得られた造塩化合物を含有するカラーフィルタ用着色組成物が高い保存安定性、耐熱性、塗工性を持ち、また塗膜への異物発生もないこと見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。
すなわち、本発明は、少なくとも着色剤、樹脂、および有機溶剤からなるカラーフィルタ用着色組成物であって、該着色剤が、側鎖にアニオン性基を有する樹脂とカチオン性染料とを反応させて得られた造塩化合物を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記側鎖にアニオン性基を有する樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
[一般式(1)中、R1は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R2−、−COO−R2−を表し、R2はアルキレン基を表す。P-は、―SO3 -又は−COO-を表す。Y+は無機または有機のカチオンを表す。]
また、本発明は、一般式(1)中、P-が―SO3 -であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記カチオン性染料がトリアリールメタン系塩基性染料であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記トリアリールメタン系塩基性染料が一般式(2)であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(2)
また、本発明は、前記造塩化合物が、水溶液中で側鎖にアニオン性基を有する樹脂とカチオン性染料とを混合し、側鎖にアニオン性基を有する樹脂の対カチオンとカチオン性染料の対アニオンとからなる塩を除去してなる化合物であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記有機溶剤が、グリコールアセテート類、芳香族アルコール類、およびケトン類から選択される1種以上を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記有機溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを主成分とすることを特徴とする前記記載のカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、前記着色剤が、さらに顔料を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
さらに、本発明は、前記カラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるカラーフィルタに関する。
本発明においては、側鎖にアニオン性基を有する樹脂と、カチオン性染料とを反応させて得られた造塩化合物を含有するカラーフィルタ用着色組成物を用いることで、高い保存安定性、耐熱性、塗工性を有し、塗膜形成時の異物発生がないカラーフィルタを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、又は「(メタ)アクリレート」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、又は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、バインダー樹脂と有機溶剤を含む着色剤担体中に、側鎖にアニオン性基を有する樹脂と、カチオン性染料とを反応させて得られた造塩化合物を含むカラーフィルタ用着色組成物である。
<着色剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、側鎖にアニオン性基を有する樹脂と、カチオン性染料とを反応させて得られた造塩化合物を含むことで、高い保存安定性、耐熱性、塗工性を有し、塗膜形成時の異物発生がない優れた効果を有するものとなる。また、顔料を併用して用いることも好ましい。
《造塩化合物》
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂)
本発明の造塩化合物を得るための側鎖にアニオン性基を有する樹脂について説明する。本発明の造塩化合物を得るための側鎖にアニオン性基を有する樹脂としては、少なくとも1つのスルホン酸基及び/またはカルボキシル基を含有するモノマーを単量体成分として得られる共重合体が好ましく、少なくとも1つのスルホン酸基を含有するモノマーを単量体成分として得られる共重合体がより好ましい。
また、側鎖にアニオン性基を有する樹脂としてはカラーフィルタ用着色組成物中のアクリル樹脂と相溶性の観点から、側鎖にアニオン性基を有する構造単位を持つビニル系樹脂、中でも側鎖にアニオン性基を有する構造単位を持つアクリル系樹脂、側鎖にアニオン性基を有する構造単位を持つスチレン系樹脂、側鎖にアニオン性基を有する構造単位を持つスチレンアクリル系樹脂が好ましい。
本発明の造塩化合物を含有するカラーフィルタ用着色組成物を調製し、カラーフィルタとしての特性を発現させる場合は、カラーフィルタ用着色組成物を構成するバインダー樹脂と同種の樹脂を使用することが望ましい。カラーフィルタ用着色組成物はアクリル系樹脂が好ましく用いられることから、造塩化合物を得るための側鎖にアニオン性基を有する樹脂として、アクリル系樹脂が最も好ましい。
また、本発明の側鎖にアニオン性基を有する樹脂としては、下記一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂が好ましく、中でもアクリル系樹脂が好ましく用いられる。
[一般式(1)中、R1は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R2−、−COO−R2−を表し、R2はアルキレン基を表す。P-は、―SO3 -又は−COO-を表す。Y+は無機または有機のカチオンを表す。]
一般式(1)中、R1は、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R1におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
1で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシル基等が挙げられる。上記の中でも、R1としては、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
一般式(1)中、アクリル部位とP-を連結するQの成分はアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R2−、−COO−R2−を表す。R2はアルキレン基を表し、直鎖アルキレン基、分岐アルキレン基、または環状アルキレン基のいずれかでもよい。中でも、重合性、入手性の理由から、−CONH−R2−、−COO−R2−であることが好ましい。
当該樹脂を構成する一般式(1)中におけるY+の成分は、無機または有機のカチオンを表し、公知のものが制限なく採用できる。Yとして具体的には、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム化合物等が挙げられる。その際、アルカリ金属は、ナトリウム、カリウムであり、アルカリ土類金属は、カルシウム、マグネシウムであることが好ましい。また、アンモニウム化合物とは、NH4+または、そのHを炭化水素基などで置換した化合物のことである。
本発明の好ましい様態である下記一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るには、スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有するモノマーを単量体成分として共重合する方法が挙げられる。
以下に、本発明の好ましい様態である一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るために使用可能なスルホン酸基、もしくはカルボキシル基を有するモノマーの具体例を示す。
カルボキシル基を有するモノマーの例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられ、カルボン酸無水物基を有するモノマーとしては、無水マレイン酸、及び無水イタコン酸等が挙げられる。
スルホン酸基を有するモノマーは、式(IV)のモノマーおよびその水溶性塩、殊にアルカリ金属塩、例えばカリウムおよび、殊に有利には、ナトリウム塩、およびアンモニウム塩である。
6(R7)C=C(R8)−X−SO3H (IV)
[式中、R6、R7およびR8は、互いに無関係に、−H、C原子1〜12個を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、直鎖または分岐鎖のC原子2〜12個を有するモノ不飽和またはポリ不飽和のアルケニル基(その際、後者の2個の基は非置換であるか、または1個以上の基−NH2、−OHまたは−COOHによって置換されている)、−COOHまたは−COOR9であり、またR6はXSO3Hであり;R9は、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖のC原子1〜12個を有する炭化水素であり;Xは、単結合、n=1〜4である−(CH2)n−、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、−CH2−O−フェニレン(好ましくは1,4)、−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−、k=1〜6である−COO−(CH2)k−、−CO−NH−、m=0〜3である−CO−NH−CR'R''−(CH2)mまたは−CO−NH−CH2−CH(OH)−CH2−であり;R'は、−H、−CH3または−C25でありかつR''は、−Hまたは−CH3である。]
スルホン酸基を有するモノマーのなかでとりわけ有利なのは、式(IVa)、(IVb)および/または(IVc)のモノマーである。
2C=CH−X−SO3H (IVa)
2C=C(CH3)−X−SO3H (IVb)
HO3S−X−(R10)C=C(R11)−X−SO3H (IVc)
[式中、R10およびR11は、互いに無関係に、−H、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3または−CH(CH32でありかつXは、単結合、n=1〜4の−(CH2)n−、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレン、−CH2−O−フェニレン(好ましくは1,4)、−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−、k=1〜6の−COO−(CH2)k−、−CO−NH−、m=0〜3の−CO−NH−CR'R''−(CH2)m−または−CO−NH−CH2−CH(OH)−CH2−であり;R'は、−H、−CH3または−C25でありかつR''は、−Hまたは−CH3である。]
極めて有利なスルホン酸基含有モノマーは、1−アクリルアミド−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシ−プロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸(2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸)、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、3−スルホプロピルアクリレート、2−スルホエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミドならびに挙げられた酸の水溶性の塩およびエステルであって、その際、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩の形態であること、殊にNa塩およびK塩の形態であることが有利である。
殊に有利なスルホン酸基を有するモノマーは、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、および2−ソジウムスルホエチルメタクリレートである。
その他、スルホン酸基及び/またはカルボキシル基を有するモノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。
このようなモノマーの具体例としては、例えば、
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
その他、更に、酸基を有するモノマーを用いてもよい。
酸基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸またはその無水物類;こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート等の両末端カルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等を挙げられる。
共重合可能なモノマーとしては、熱架橋性官能基を有するものが耐熱性の観点から好ましい。好適な構造としては特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基、カルボン酸無水物、1級または2級アミノ基、イミノ基、オキセタニル基、t−ブチル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アリル基、(メタ)アクリル基等が挙げられる。中でもカラーフィルタ用着色組成物という用途における保存安定性や他の材料との反応性の観点から、ヒドロキシル基、カルボキシル基、オキセタニル基、t−ブチル基、イソシアネート基、(メタ)アクリル基が好ましく、特にヒドロキシル基が好ましい。ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、特に限定されないが、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、2−ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレートまたはこれらモノマーのカプロラクトン付加物(不可モル数は1〜5)などが挙げられる。
なかでも、水酸基含有モノマーが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが耐熱性の観点から最も好ましい。
オキセタニル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、3−(アクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ブチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタン及び3−(メタクリロイルオキシメチル)3−ヘキシルオキセタンなどが挙げられる。
t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレートなどが挙げられる。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽単量体としては、例えば、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、4−イソシアネートブチルメタクリレート、4−イソシアネートブチルアクリレートなどが挙げられる。
本発明におけるイソシアネート基としては、ブロックイソシアネート基も含まれ、好ましく使用することができる。ブロックイソシアネート基とは、通常の条件では、イソシアネート基を他の官能基で保護することにより該イソシアネート基の反応性を抑える一方で、加熱により脱保護し、活性なイソシアネート基を再生させることができるイソシアネート
ブロック体のことを示す。
このようなブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体の市販品として
は、例えば、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート(カレンズMOI−BP,昭和電工製);メタクリル酸2−(0−[1’メチルプロビリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI−BM,昭和電工製)などが挙げられる。
また、熱架橋性官能基を有さない共重合可能なモノマーとしては、耐熱性の観点から(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、スチレン、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、または、(メタ)アクリル酸ベンジル、2−エチルヘキシルアクリレートが好ましく、2−エチルヘキシルアクリレート、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、またはスチレンがより好ましい。
本発明に好適な下記一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得る方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち、フリーラジカル重合またはリビングラジカル重合が好ましい。
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、更には、重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成できる。
中でも、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1〜8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明に好適な下記一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂中に存在するスルホン酸基およびカルボキシル基を有する構造単位の合計が、共重合組成の合計100重量%のうち2〜50重量%を含む共重合体であることが好ましく、より好ましくは、5〜35重量%を含む共重合体であることが好ましい。スルホン酸基、およびカルボキシル基を有する構造単位の合計が、2重量%より少ないと、造塩反応が起こるカチオン性染料の割合が低くなる。そのため、未造塩のカチオン性染料が多くなり、その結果、溶剤溶解性も低くなり異物の析出といった現象が起こるため好ましくない。また、異物の析出を防止するためには、レジスト材中の溶剤量を多くする必要があるが、そうすると塗工性が著しく悪化するため好ましくない。一方50重量%より多くなると、一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂中に造塩されているカチオン染料の量が多くなりすぎてしまうため、耐熱性が悪化するため好ましくない。
本発明に使用される下記一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることがより好ましい。
また、本発明に好適な下記一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤に溶解する特性を有することが好ましい。これにより異物発生のない塗膜を得ることができる。特に、グリコールアセテート類、中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することが好ましい。
(カチオン性染料)
次に、本発明の造塩化合物を得るためのカチオン性染料について説明する。本発明の造塩化合物を得るためのカチオン性染料としては、上述した側鎖にアニオン性基を有する樹脂とイオン結合する着色化合物であればよい。
このような着色化合物としては、分子中に少なくとも1つのオニウム塩基、もしくは広義のアミノ基(−NH2、−NHR,−NR2)を有するものであれば、特に制限はないが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びホスホニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びスルホニウム塩であることがより好ましい。さらに好ましくはアンモニウム塩である。
カチオン性染料としては、例えば、アントラキノン系カチオン性染料、モノアゾ系カチオン性染料、ジスアゾ系カチオン性染料、オキサジン系カチオン性染料、アミノケトン系カチオン性染料、キサンテン系カチオン性染料中でもローダミン系カチオン性染料、キノリン系カチオン性染料、トリアリールメタン系カチオン性染料、ジアリールメタン系カチオン性染料、チアジン系カチオン性染料、アクリジン系カチオン性染料、アジン系カチオン性染料、メチン系カチオン性染料などが挙げられる。以下に、造塩化合物の合成に使用可能なカチオン性染料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
これらのカチオン性染料の中でも、塩基性染料の態様であることが好ましいものである。
((塩基性染料))
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に用いられる塩基性染料としては、トリアリールメタン系塩基性染料、キサンテン系塩基性染料好ましくはローダミン系塩基性染料、フラビン系塩基性染料、オーラミン系塩基性染料、サフラニン系塩基性染料、フロキシン系塩基性染料、チアジン系塩基性染料、アクリジン系塩基性染料、アジン系塩基性染料、メチン系塩基性染料およびメチレンブルー系塩基性染料等があげられる。
具体的には、トリアリールメタン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック バイオレット1(メチルバイオレット)、同3(クリスタルバイオレット)、同14(Magenta)、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)等があげられる。中でもC.I.ベーシック ブルー7、同グリーン4、同バイオレット1、同バイオレット3を用いることが好ましい。
またローダミン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック レッド1(ローダミン6G、6GCP)、同3、同8(ローダミンG)、C.I.ベーシック バイオレット10(ローダミンB)等があげられる。中でもC.I.ベーシック レッド1、同バイオレット10を用いることが好ましい。
またフラビン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック イエロー1、オーラミン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック イエロー2、3、サフラニン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック レッド2、フロキシン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック レッド12、アクリジン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック イエロー5、オキサジン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック ブルー3、チアジン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック ブルー24、メチン系塩基性染料としては、C.I.ベーシック レッド12、C.I.ベーシック イエロー11、同21、同28、メチレンブルー系塩基性染料としては、C.I.ベーシック ブルー9(メチレンブルーFZ、メチレンブルーB)、同25(ベーシック ブルーGO)、同24(ニューメチレンブルーNX)等があげられる。
中でもC.I.ベーシック イエロー1、同ブルー9、同24、同25を用いることが好ましい。
中でも発色性が良好な点において、トリアリールメタン系塩基性染料、ローダミン系塩基性染料、メチレンブルー系塩基性染料を用いることが好ましく、トリアリールメタン系塩基性染料、ローダミン系塩基性染料がより好ましい。
また、赤色画素を形成する上では、補色としてのフラビン系塩基性染料は有効な材料である。また、鮮明な黄味を呈し、造塩染料にした場合に耐熱性に優れる点において、好ましい材料である。メチレンブルー塩基性染料は鮮明な青色を呈し、造塩染料にした場合に耐熱性に優れる点において、好ましい材料である。
特に好ましいトリアリールメタン系塩基性染料、ローダミン系塩基性染料について、以下に詳述する。
[トリアリールメタン系塩基性染料]
トリアリールメタン系塩基性染料は、中心の炭素に対してパラの位置にあるNH2あるいはOH基が酸化によりキノン構造をとることによって発色するものである。
NH2、OH基の数によって以下3つの型に分けられるが、中でもトリアミノトリフェニルメタン系の塩基性染料の形態であることが良好な青色、赤色、緑色を発色する点で好ましいものである。
a)ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
b)トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
c)OH基を有するロゾール酸系塩基性染料
トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料、ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料は色調が鮮明であり、他のものよりも日光堅ロウ性に優れ好ましいものである。またジフェニルナフチルメタン塩基性染料および/またはトリフェニルメタン塩基性染料が好ましい。
ブルー系のトリアリールメタン系塩基性染料は、400〜440nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有している。中でも耐熱性の観点から、下記一般式(2)の構造である染料(C.I.ベーシック ブルー7)が最も好ましい。
一般式(2)
[ローダミン系塩基性染料]
次いでローダミン系塩基性染料について説明する。
本発明において好ましく用いることのできるローダミン系塩基性染は、赤色、バイオレット色、を呈するものである。赤色、バイオレット色を呈するとは、C.I.ベーシック レッド、C.I.ベーシック バイオレット等の塩基性染料に属するものである。
ローダミン系塩基性染料は、400〜430nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有している。
本発明に用いるローダミン系塩基性染料は、透過スペクトルにおいて650nmの領域で透過率が90%以上であり、600nmの領域で透過率が75%以上、500〜550nmの領域で透過率が5%以下、400nmの領域で透過率が70%以上であるものが好ましい。より好ましくは、650nmの領域で透過率が95%以上であり、600nmの領域で透過率が80%以上、500〜550nmの領域で透過率が10%以下、400nmの領域で透過率が75%以上である。
上記の塩基性染料を色ごとにまとめると、
青色の画素に好ましく用いることのできるものは、トリアリールメタン系塩基性染料、ローダミン系塩基性染料、メチレンブルー系塩基性染料等であり、具体的には、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシアニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同9(メチレンブルーFZ、メチレンブルーB)、同24(ニューメチレンブルーNX)、同25(ベーシックブルーGO)、同26(ビクトリアブルー B conc.)、C.I.ベーシック バイオレット10等があげられる。なかでも、耐熱性の観点からC.I.ベーシック バイオレット10、および一般式(2)で表されるC.I.ベーシック ブルー7が好ましく、前述のようにC.I.ベーシック ブルー7が最も好ましい。
また青色画素の補色として、ローダミン系塩基性染料、後に述べる赤色を呈する、サフラニン系塩基性染料、フロキシン系塩基性染料等も有効である。
例えば、銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメント ブルー15:6)と赤色を呈する塩基性染料由来の造塩化合物とを併用することで、明度の高い青色画素を得ることができる。特に、銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメント ブルー15:6)とローダミン系塩基性染料を用いたものとの組み合わせが、高い明度が得られ好ましいものである。
赤色の画素に好ましく用いることのできるものは、ローダミン系塩基性染料、サフラニン系塩基性染料、フロキシン系塩基性染料等であり、具体的には、C.I.ベーシック レッド1(ローダミン6G、6GCP)、同2(サフラニン系塩基性染料)、同8(ローダミンG)、同12(フロキシン系塩基性染料)、C.I.ベーシック バイオレット10(ローダミンB)等があげられる。また赤色画素の補色として、黄色を呈するフラビン系塩基性染料は好ましいものである。
緑色の画素に好ましく用いることのできるものは、トリアリールメタン系塩基性染料であり、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)等があげられる。
カチオン性染料の態様としては、前記塩基性染料の態様以外に、油溶性染料の態様で用いることもできる。例えば、C.I.ソルベント レッド49等が好ましいものである。
(塩形成)
本発明の造塩化合物は、側鎖にアニオン性基を有する樹脂と、カチオン性染料とを溶解させた水溶液を攪拌または振動させるか、あるいは側鎖にアニオン性基を有する樹脂の水溶液とカチオン性染料の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、容易に得ることができる。水溶液中で、樹脂のアニオン性基と染料のカチオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり析出する。逆に、樹脂の対カチオンと塩基性染料の対アニオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用する側鎖にアニオン性基を有する樹脂、およびカチオン性染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
また、本発明の造塩化合物は、水溶液中で側鎖にアニオン性基を有する樹脂とカチオン性染料とを混合し、側鎖にアニオン性基を有する樹脂の対カチオンとカチオン性染料の対アニオンとからなる塩を除去してなる化合物であることが好ましい。
塩形成時に使用する水溶液として、側鎖にアニオン性基を有する樹脂、およびカチオン性染料を溶解させるため、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量(100重量%)中、5〜50重量%用いることが好ましく、5〜20重量%用いることが最も好ましい。
側鎖にアニオン性基を有する樹脂と、カチオン性染料との比率は、樹脂の全アニオンユニットとカチオン性染料の全カチオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の造塩化合物を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
《顔料》
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、さらに顔料を添加し、カラーフィルタ用着色組成物として使用することができる。
顔料としては、有機または無機の顔料を、単独または2種類以上混合して用いることができる。顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。以下に、カラーフィルタ用着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント レッド 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、123、146、150、166、168、169、176、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、221、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、268、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、または287等の赤色顔料を用いることができる。また赤色着色組成物には、C.I.ピグメント オレンジ 36、38、43、71、または73等の橙色顔料及び/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等の黄色顔料を併用することができる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント グリーン7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができる。また緑色着色組成物には、C.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等の黄色顔料を併用することができる。
青色フィルタセグメントを形成するための青色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント ブルー 1、1:2、1:3、2、2:1、2:2、3、8、9、10、10:1、11、12、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、18、19、22、24、24:1、53、56、56:1、57、58、59、60、61、62、64等の青色顔料を用いることができる。また青色着色組成物には、C.I.ピグメント バイオレット 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
シアン色フィルタセグメントを形成するためのシアン色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント ブルー 15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、81等の青色顔料を単独でまたは混合して用いることができる。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント バイオレット 1、19、C.I.ピグメント レッド 144、146、177、169、81等の紫色顔料および赤色顔料を単独でまたは混合して用いることができる。マゼンタ色組成物には、黄色顔料を併用することができる。
また、無機顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、合成鉄黒等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組合せて用いられる。
(顔料の微細化)
本発明の着色組成物に使用する着色剤が顔料の場合、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化することができる。顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は5〜90nmの範囲であることが好ましい。5nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になり、90nmよりも大きくなると十分なコントラスト比を得ることができないことがある。このような理由から、より好ましい平均一次粒子径は10〜70nmの範囲である。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式または連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂は、着色剤、特に造塩化合物および顔料を分散するもの、もしくは造塩化合物を染色、浸透させるものであって、熱可塑性樹脂等が挙げられる。本発明においては、着色剤は、前記造塩化合物、または前記造塩化合物と顔料とから構成される。
バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有モノマーを共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、またはイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性能とエネルギー線硬化性能とを併せもつものも、カラーフィルタ用着色組成物として好ましい。
本発明に使用されるバインダー樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が5,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは7,000〜50,000である。バインダー樹脂の換算重量平均分子量が、5,000〜100,000であると、現像時に膜減りが生じにくく、また現像時に非画素部分の抜け性が良好である傾向にあり、好ましい。また数平均分子量(Mn)は2,500〜40,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
ここで重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、装置としてHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとしてTSK−GEL SUPER HZM−Nを2連でつなげて使用し、溶媒としてTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
バインダー樹脂をカラーフィルタ用着色組成物として使用する場合には、着色剤吸着基および現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体および溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基および芳香族基のバランスが、着色剤の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、現像で微細パターンが残らなくなる。
バインダー樹脂は、着色剤100重量部に対し、20〜500重量部の量で用いることが好ましい。20重量部未満では、成膜性および諸耐性が不十分となり、500重量部より多いと着色剤の濃度が低くなり、色特性を発現できないことがある。
<熱硬化性化合物>
本発明においては、バインダー樹脂である熱可塑性樹脂と併用して、さらに熱硬化性化合物を含むことが好ましい。本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いてカラーフィルタを作製する際、熱硬化性化合物を含むことで、フィルタセグメントの焼成時に反応し塗膜の架橋密度を高め、そのためフィルタセグメントの耐熱性が向上し、フィルタセグメント焼成時の顔料凝集が抑えられ、コントラスト比が向上するという効果が得られる。
熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物及び/又は樹脂、ベンゾグアナミン化合物及び/又は樹脂、ロジン変性マレイン酸化合物及び/又は樹脂、ロジン変性フマル酸化合物及び/又は樹脂、メラミン化合物及び/又は樹脂、尿素化合物及び/又は樹脂、およびフェノール化合物及び/又は樹脂が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明のカラーフィルタ用着色組成物ではエポキシ化合物及び/又は樹脂が好ましく用いられる。
エポキシ化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。
このようなエポキシ化合物の例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’−ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ化合物であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
市販品としては、例えば、エピコート807、エピコート815、エピコート825、エピコート827、エピコート828、エピコート190P、エピコート191P(以上は商品名;油化シェルエポキシ(株)製)、エピコート1004、エピコート1256(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、TECHMORE VG3101L(商品名;三井化学(株)製)、EPPN−501H、502H(商品名;日本化薬(株)製)、JER 1032H60(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、JER 157S65、157S70(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPPN−201(商品名;日本化薬(株)製)、JER152、JER154(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020(以上は商品名;日本化薬(株)製)、セロキサイド2021、EHPE−3150(以上商品名;ダイセル化学工業(株)製)、デナコールEX−810、EX−830、EX−851、EX−512、EX−421、EX−313、EX−201、EX−111(以上は商品名;ナガセケムテックス(株)製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
エポキシ化合物の配合量は、着色剤100重量に対し、0.5〜300重量部であることが好ましく、1.0〜50重量部であることがより好ましい。0.5重量部未満では耐熱性改善効果が小さく、300重量部より多いとフォトリソグラフィーによるフィルタセグメント形成時に不具合を生ずる場合がある。
また本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、熱硬化性化合物の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性化合物と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性化合物100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させることができる。
有機溶剤としては、例えば乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
中でも、本発明に用いる造塩化合物やオプションとして用いる顔料の分散、溶解が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。特に、安全衛生面と低粘度化の観点からプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
これらの有機溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。2種以上の混合溶剤とする場合、上記の好ましい有機溶剤が65〜95重量%含有されていることが好ましい。
また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤100重量部に対して、500〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
<分散>
本発明の着色組成物は、側鎖にアニオン性基を有する樹脂とカチオン性染料とを反応させて得られた造塩化合物と前記バインダー樹脂と溶剤とからなる着色剤担体中、さらに顔料を含む場合、好ましくは色素誘導体などの分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明の着色組成物は、顔料、造塩化合物、その他の着色剤等を別々に着色剤担体に分散したものを混合して製造することもできる。
《分散助剤》
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
本発明において、造塩化合物は、顔料の分散助剤としての役割を果たすことも期待され
る。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、添加顔料の分散性向上の観点から、添加顔料の全量を基準(100重量%)として、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上、最も好ましくは3重量%以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、添加顔料の全量を基準(100重量%)として、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは35重量%以下である。
樹脂型分散剤は、添加顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加顔料に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合の配合量は、添加顔料の全量を基準(100重量%)として、好ましくは0.1〜55重量%、さらに好ましくは0.1〜45重量%である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量%未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量%より多いと、過剰な分散剤により分散に悪影響を及ぼすことがある。
<光重合性単量体>
本発明の着色組成物は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することができる。
本発明の光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性単量体は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体の配合量は、着色剤100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤の含有量は、着色剤100重量部に対し、2〜200重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から3〜150重量部であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’または4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<多官能チオール>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有することができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、
2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、カラーフィルタ用着色組成物の全固形分の重量を基準(100重量%)として好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜20重量%である。多官能チオールの含有量が0.1重量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30重量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
<酸化防止剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、カラーフィルタ用着色組成物の固形分重量を基準(100重量%)として、0.5〜5.0重量%の場合、明度、感度が良好であるためより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<その他の添加剤成分>
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するものである。カラーフィルタとしては、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するもの、またはマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、およびイエロー色フィルタセグメントを具備するものが挙げられる。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストであり、かつ量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性制御も重要であり、分散剤や体質顔料によってインキ粘度の調整も行うことができる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特にことわりがない限り、「部」とは「重量部」を意味する。
また、顔料の平均一次粒子径、および樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法は以下の通りである。
(顔料の平均一次粒子径)
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
(樹脂の重合平均分子量(Mw))
樹脂の重合平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
まず、実施例および比較例に用いたバインダー樹脂、微細化顔料、側鎖にアニオン性基を有する樹脂、造塩化合物、およびバインダー樹脂とカチオン性染料との混合物の製造方法から説明する。
<バインダー樹脂の製造方法>
(バインダー樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液1を得た。
(バインダー樹脂溶液2の調製)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート30.0部、n−ブチルメタクリレート40.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート20.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7140である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%のバインダー樹脂溶液2を得た。
<微細化顔料の製造方法>
(青色微細化顔料(P−1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(東洋インキ製造社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部の青色微細化顔料(P−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は28.3nmであった。
(紫色微細化顔料(P−2))
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(Clariant社製「Fast Violet RL」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、90℃で18時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、118部の紫色微細化顔料(P−2)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は26.4nmであった。
(赤色微細化顔料(P−3))
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(チバ・ジャパン社製「IRGAZIN RED 2030」)120部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部の赤色微細化顔料(P−3)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は24.8nmであった。
(黄色微細化顔料(P−4))
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)100部、塩化ナトリウム700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、95部の黄色微細化顔料(P−4)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は39.2nmであった。
(緑色微細化顔料(P−5))
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 36(東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン 6YK」)120部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、117部の緑色微細化顔料(P−5)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は32.6nmであった。
<側鎖にアニオン性基を有する樹脂の製造方法>
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂1)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸5.0部、メチルメタクリレート30.0部、n−ブチルメタクリレート35.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート20.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6830である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂1を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂2)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸25.0部、メチルメタクリレート30.0部、n−ブチルメタクリレート15.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート20.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7050である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂2を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂3)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸35.0部、メチルメタクリレート30.0部、n−ブチルメタクリレート5.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート20.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6930である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂3を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂4)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸2.0部、メチルメタクリレート30.0部、n−ブチルメタクリレート38.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート20.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6340である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂4を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂5)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸50.0部、メチルメタクリレート30.0部、n−ブチルメタクリレート5.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート5.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、5340である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂5を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂6)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート30.0部、n−ブチルメタクリレート15.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート20.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、メタクリル酸25.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、14340である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂6を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂7)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸15.0部、メチルメタクリレート30.0部、n−ブチルメタクリレート15.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート20.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、メタクリル酸10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、10340である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂7を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂8)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール67.3 部を仕込み窒素気流下で110 ℃ に昇温した。別途、ビニルスルホン酸12.2部、メチルメタクリレート22.4部、n−ブチルメタクリレート16.7部、2−エチルヘキシルメタクリレート27.3部、シクロヘキシルメタクリレート1.3部、イソブチルメタクリレート1.3部、t−ブチルメタクリレート1.3部、ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、メタクリル酸2.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を10.0部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、8400である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が36重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂8を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂9)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール67.3 部を仕込み窒素気流下で110 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸12.2部、メチルメタクリレート22.4部、n−ブチルメタクリレート16.7部、2−エチルヘキシルメタクリレート27.3部、シクロヘキシルメタクリレート1.3部、イソブチルメタクリレート1.3部、t−ブチルメタクリレート1.3部、ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、メタクリル酸2.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を10.0部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、8500である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が36重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂9を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂10)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール67.3 部を仕込み窒素気流下で110 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸16.1部、メチルメタクリレート22.4部、n−ブチルメタクリレート16.7部、2−エチルヘキシルメタクリレート27.3部、ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、メタクリル酸2.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を10.0部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、8500である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が36重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂10を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂11)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール67.3 部を仕込み窒素気流下で110 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸15.0部、メチルメタクリレート50.0部、n−ブチルメタクリレート10.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート10.0部、ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を10.0部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、8500である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が36重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂11を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂12)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール67.3 部を仕込み窒素気流下で110 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸30.0部、メチルメタクリレート50.0部、n−ブチルメタクリレート10.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を10.0部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、8500である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が36重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂12を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂13)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール67.3 部を仕込み窒素気流下で110 ℃ に昇温した。別途、2−ソジウムスルホエチルメタクリレート30.0部、メチルメタクリレート50.0部、n−ブチルメタクリレート10.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を10.0部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、8580である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が36重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂13を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂14)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸25.0部、メチルメタクリレート30.0部、n−ブチルメタクリレート15.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート20.0部、n−ブチルアクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7050である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂14を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂15)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール67.3 部を仕込み窒素気流下で110 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸10.0部、メチルメタクリレート50.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート40.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を10.0部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、8600である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が36重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂15を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂16)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール67.3 部を仕込み窒素気流下で110 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸10.0部、メチルメタクリレート50.0部、シクロヘキシルメタクリレート40.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を10.0部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、8300である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が36重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂16を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂17)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール67.3 部を仕込み窒素気流下で110 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸10.0部、メチルメタクリレート50.0部、ベンジルメタクリレート40.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を10.0部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、8100である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が36重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂17を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂18)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール67.3 部を仕込み窒素気流下で110 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸10.0部、メチルメタクリレート50.0部、2―エチルヘキシルメタクリレート35.0部、スチレン5.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を10.0部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、8200である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が36重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂18を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂19)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール67.3 部を仕込み窒素気流下で110 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸10.0部、メチルメタクリレート40.0部、n―ブチルアクリレート25.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート10.0部、ヒドロキシエチルアクリレート15.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を10.0部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、8400である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が36重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂19を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂20)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール67.3 部を仕込み窒素気流下で110 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸5.0部、メチルメタクリレート40.0部、n―ブチルアクリレート20.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート20.0部、ヒドロキシエチルアクリレート15.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を10.0部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、8500である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が36重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂20を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂21)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール67.3 部を仕込み窒素気流下で110 ℃ に昇温した。別途、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸10.0部、メチルメタクリレート40.0部、ラウリルアクリレート25.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート10.0部、ヒドロキシエチルアクリレート15.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を10.0部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、8700である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が36重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂21を得た。
(側鎖にアニオン性基を有する樹脂22)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール67.3 部を仕込み窒素気流下で110 ℃ に昇温した。別途、メタクリル酸15.0部、メチルメタクリレート50.0部、n−ブチルメタクリレート10.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート10.0部、ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を10.0部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、8500である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が36重量%の側鎖にアニオン性基を有する樹脂22を得た。
側鎖にアニオン性基を有する樹脂の一覧を表1に示す。
<造塩化合物の製造方法>
(造塩化合物(A−1))
下記の手順でC.I.ベーシック バイオレット10と側鎖にアニオン性基を有する樹脂2とからなる造塩化合物(A−1)を製造した。
水2000部に51部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂2を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック バイオレット10を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、31部のC.I.ベーシック バイオレット 10と側鎖にアニオン性基を有する樹脂2との造塩化合物(A−1)を得た。
(造塩化合物(A−2))
下記の手順でC.I.ベーシック エロー1と側鎖にアニオン性基を有する樹脂2とからなる造塩化合物(A−2)を製造した。
水2000部に51部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂2を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック エロー 1を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、31部のC.I.ベーシック エロー1と側鎖にアニオン性基を有する樹脂2との造塩化合物(A−2)を得た。
(造塩化合物(A−3))
下記の手順でC.I.ベーシック エロー4と側鎖にアニオン性基を有する樹脂2とからなる造塩化合物(A−3)を製造した。
10%のN,N−ジメチルホルムアミド水溶液2000部に46.7部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂2を添加し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック エロー4を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、70℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック エロー4と側鎖にアニオン性基を有する樹脂2との造塩化合物(A−3)を得た。
(造塩化合物(A−4))
下記の手順でC.I.ベーシック グリーン4と側鎖にアニオン性基を有する樹脂2とからなる造塩化合物(A−4)を製造した。
10%のN,N−ジメチルホルムアミド水溶液2000部に46.7部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂2を添加し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック グリーン4を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、70℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック グリーン4と側鎖にアニオン性基を有する樹脂2との造塩化合物(A−4)を得た。
(造塩化合物(A−5))
下記の手順でC.I.ベーシック レッド1と側鎖にアニオン性基を有する樹脂2とからなる造塩化合物(A−5)を製造した。
10%のN,N−ジメチルホルムアミド水溶液2000部に46.7部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂2を添加し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック レッド1を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、70℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック レッド1と側鎖にアニオン性基を有する樹脂2との造塩化合物(A−5)を得た。
(造塩化合物(A−6))
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー9と側鎖にアニオン性基を有する樹脂2とからなる造塩化合物(A−6)を製造した。
10%のN,N−ジメチルホルムアミド水溶液2000部に46.7部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂2を添加し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー9を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、70℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー9と側鎖にアニオン性基を有する樹脂2との造塩化合物(A−6)を得た。
(造塩化合物(A−7))
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂1とからなる造塩化合物(A−7)を製造した。
10%のN,N−ジメチルホルムアミド水溶液2000部に46.7部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、70℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂1との造塩化合物(A−7)を得た。
(造塩化合物(A−8))
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂2とからなる造塩化合物(A−8)を製造した。
10%のN,N−ジメチルホルムアミド水溶液2000部に46.7部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂2を添加し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、70℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂2との造塩化合物(A−8)を得た。
(造塩化合物(A−9))
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂3とからなる造塩化合物(A−9)を製造した。
10%のN,N−ジメチルホルムアミド水溶液2000部に46.7部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂3を添加し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、70℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂3との造塩化合物(A−9)を得た。
(造塩化合物(A−10))
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂4とからなる造塩化合物(A−10)を製造した。
10%のN,N−ジメチルホルムアミド水溶液2000部に46.7部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂4を添加し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、70℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂4との造塩化合物(A−10)を得た。
(造塩化合物(A−11))
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂5とからなる造塩化合物(A−11)を製造した。
10%のN,N−ジメチルホルムアミド水溶液2000部に46.7部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂5を添加し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、70℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂5との造塩化合物(A−11)を得た。
(造塩化合物(A−12))
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂6とからなる造塩化合物(A−12)を製造した。
10%のN,N−ジメチルホルムアミド水溶液2000部に46.7部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂6を添加し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、70℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂6との造塩化合物(A−12)を得た。
(造塩化合物(A−13))
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂7とからなる造塩化合物(A−13)を製造した。
10%のN,N−ジメチルホルムアミド水溶液2000部に46.7部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂7を添加し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、70℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂7との造塩化合物(A−13)を得た。
造塩化合物(A−14)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂8とからなる造塩化合物(A−14)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に68.4部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂8を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂8との造塩化合物(A−14)を得た。
造塩化合物(A−15)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂9とからなる造塩化合物(A−15)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に87.6部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂9を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂9との造塩化合物(A−15)を得た。
造塩化合物(A−16)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂10とからなる造塩化合物(A−16)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に63.1部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂10を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂10との造塩化合物(A−16)を得た。
造塩化合物(A−17)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂11とからなる造塩化合物(A−17)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に68.6部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂11を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂11との造塩化合物(A−17)を得た。
造塩化合物(A−18)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂12とからなる造塩化合物(A−18)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に31.9部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂12を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂12との造塩化合物(A−18)を得た。
造塩化合物(A−19)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂13とからなる造塩化合物(A−19)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に31.9部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂13を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂13との造塩化合物(A−19)を得た。
造塩化合物(A−20)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂14とからなる造塩化合物(A−20)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に41.7部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂14を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂14との造塩化合物(A−20)を得た。
造塩化合物(A−21)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂15とからなる造塩化合物(A−21)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に104.3部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂15を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂15との造塩化合物(A−21)を得た。
造塩化合物(A−22)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂16とからなる造塩化合物(A−22)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に104.0部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂16を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂16との造塩化合物(A−22)を得た。
造塩化合物(A−23)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂17とからなる造塩化合物(A−23)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に103.5部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂17を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂17との造塩化合物(A−23)を得た。
造塩化合物(A−24)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂18とからなる造塩化合物(A−24)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に100.9部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂18を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂18との造塩化合物(A−24)を得た。
造塩化合物(A−25)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂19とからなる造塩化合物(A−25)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に100.5部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂19を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂19との造塩化合物(A−25)を得た。
造塩化合物(A−26)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂20とからなる造塩化合物(A−26)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に199.0部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂20を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂20との造塩化合物(A−26)を得た。
造塩化合物(A−27)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂21とからなる造塩化合物(A−27)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に100.9部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂21を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂21との造塩化合物(A−27)を得た。
造塩化合物(A−28)
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂22とからなる造塩化合物(A−28)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に68.6部の側鎖にアニオン性基を有する樹脂22を添加し、十分に攪拌混合を行った。一方、190部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー 7と側鎖にアニオン性基を有する樹脂22との造塩化合物(A−28)を得た。
(造塩化合物(A−29))
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7とステアリン酸とからなる造塩化合物(A−29)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に11.5部のステアリン酸を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、17部のC.I.ベーシック ブルー 7とステアリン酸との造塩化合物(A−29)を得た。
(造塩化合物(A−30))
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とからなる造塩化合物(A−30)を製造した。
10%の水酸化ナトリウム水溶液2000部に11.5部の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.ベーシック ブルー 7を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、17部のC.I.ベーシック ブルー 7と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との造塩化合物(A−30)を得た。
(バインダー樹脂とカチオン性染料との混合物(B−1))
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー 7とバインダー樹脂溶液2とからなる混合物(B−1)を作製した。
ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に46.7部のバインダー樹脂溶液2、10部のC.I.ベーシック ブルー 7、を仕込み、60℃で10時間混練した。得られた混合物を約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約2時間攪拌、乾燥した後取り出し後、室温まで冷却し、サンプルミル(KIIW−1型、5mmメッシュ)で粉砕を
行い、22部のC.I.ベーシック ブルー 7とバインダー樹脂とからなる混合物(B−1)を得た。
[実施例1〜28、比較例1〜3]
得られた造塩化合物(A−1〜30)、混合物(B−1)について、溶剤溶解性に関する試験を下記の方法で行った。試験の結果を表2に示す。
(溶剤溶解性試験方法)
評価は5wt%の濃度に調製した造塩化合物溶液の溶解状態を観察して行った。溶剤にはシクロヘキサノンとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)を用いた。各造塩体溶液は5wt%の濃度に調製後、ミキサーにて攪拌し、さらに1時間静置させものを評価溶液とした。溶解状態は以下に示す4段階の基準で評価した。
◎:完全溶解
○:殆ど溶解
△:一部溶解
×:不溶
以下、表2にその結果を示す。
アニオン性基を有する樹脂と、カチオン性染料との造塩化合物(A−1〜28)を用いた実施例1〜28に関しては、シクロヘキサノン、PGMACいずれの溶剤への溶解性も良好であった。しかし、アニオン性基を有する低分子量の化合物と、カチオン性染料とを造塩させた造塩化合物(A−29、30)である比較例1、2に関しては、シクロヘキサノン、PGMACいずれの溶剤への溶解性も実施例と比べると大きく劣る。また、バインダー樹脂溶液2と、カチオン性染料との混合物に関しては、溶剤溶解性は著しく悪かった。なお、バインダー樹脂溶液2と、カチオン性染料とは造塩反応部位が無いため、造塩化合物を作ることはできなかった。
[実施例29]
(着色組成物(DB−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物(DB−1)を作製した。
造塩化合物(A−1) : 4.0部
微細化顔料(P−1) : 7.0部
バインダー樹脂溶液1 :40.0部
シクロヘキサノン :10.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :38.0部
樹脂型分散剤 : 1.0部
(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」)
[実施例30〜56、比較例4〜6]
(着色組成物(DB−2〜31))
以下、造塩化合物、微細化顔料を表3に示す組成に変更した以外は実施例29(着色組成物(DB−1))と同様にして、着色組成物(DB−2〜31)を作製した。
<着色組成物の評価>
得られた着色組成物(DB−1〜31)について、耐熱性、塗工性、保存安定性および塗膜異物に関する試験を下記の方法で行った。試験の結果を表3に示す。
(塗膜異物試験方法)
調製直後の着色組成物(DB−1〜31)にて試験基板を作製し、粒子の数をカウントすることで評価した。先ず、透明基板上に乾燥塗膜が約2.0μmとなるように着色組成物を塗布し、オーブンで230℃で20分加熱して試験基板を得た。その後、オリンパスシステム社製の金属顕微鏡「BX60」を用いて表面観察を行い(倍率は500倍)、透過により任意の5視野にて観測可能な粒子の数をカウントし、下記の基準にて評価した。評価結果において、◎と○は異物数が少なく良好であり、△は異物数が多いものの使用上問題ないレベル、×は異物による塗工ムラ(斑)が発生するため使用することはできない状態に相当する。
◎:5個未満
○:5個以上20個未満
△:20個以上100個未満
×:100個以上
(保存安定性試験方法)
作製した着色組成物(DB−1〜31)を、40℃の恒温室にて7日間保存後に、既に述べた塗膜異物試験方法と同じ方法で異物試験を行う。
◎:5個未満
○:5個以上20個未満
△:20個以上100個未満
×:100個以上
(塗工性試験方法)
着色組成物(DB−1〜31)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて500rpmの条件で塗布し、次に70℃で20分乾燥し塗膜基板を作製した。ガラス基板の中心の膜厚(t1とする。)を、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した。次に、ガラス基板の中心から25mmの同心円状の場所を10か所測定し、その平均値を算出した。(t2とする。)次に、測定したt1、t2を以下の式に当てはめ膜均一性を求め、その値により塗工性を評価した。
膜均一性=t1/t2×100(%)
◎:98.5%以上101.5%以下
○:97.5%以上98.5%未満、または101.5%以上102.5%未満
△:95.0%以上97.5%未満、または102.5%以上105.0%未満
×:95.0%未満、または105.0%以上
(塗膜の耐熱性評価)
着色組成物(DB−1〜31)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で30分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した膜厚が約2.0μmとなるようにした。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記の4段階で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎◎:ΔEab*が1.5未満
◎:ΔEab*が3.0未満
○:ΔEab*が5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
側鎖にアニオン性基を有する樹脂を用いた造塩化合物(A−1〜28)を含む着色組成物(DB−1〜28)は、総じて耐熱性、塗工性、保存安定性に優れ、塗膜の異物もほとんど発生しない結果となった。一方、カルボキシル基もしくは、スルホン酸基を有する低分子量の化合物との造塩化合物(A−29、30)、バインダー樹脂溶液2とカチオン性染料との混合物(B−1)を含む着色組成物(DB−29〜31)は、総じて耐熱性、塗工性、保存安定性が悪く、経時保存された着色組成物にて塗膜作製すると異物が大量に析出してしまった。
[実施例57]
(レジスト材(R−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材(R−1)を作製した。
着色組成物(DB−1) :60.0部
バインダー樹脂溶液1 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
シクロヘキサノン : 5.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :18.0部
[実施例58〜69、実施例71〜74、実施例76〜86、比較例7〜9]
(レジスト材(R−2〜13、R−15〜18、R−20〜33))
以下、着色組成物(DB−1)を表3に示す着色組成物に変更した以外は実施例55と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−2〜13、R−15〜18、R−20〜33)を作製した。
[実施例70]
(レジスト材(R−14))
バインダー樹脂溶液1を、ダイセル化学工業社製「EHPE3150」 20%のPGMAC溶液に置き換えた以外は、レジスト材(R−13)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−14)を作製した。
[実施例75]
(レジスト材(R−19))
バインダー樹脂溶液1を、ダイセル化学工業社製「EHPE3150」 20%のPGMAC溶液に置き換えた以外は、レジスト材(R−18)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−19)を作製した。
<レジスト材の評価>
得られたレジスト材(R−1〜33)について、耐熱性、塗工性、保存安定性、塗膜異物に関する試験を下記の方法で行った。試験の結果を表4に示す。
(保存安定性試験方法)
得られたレジスト材を、40℃の恒温室にて7日間保存後に、既に述べた塗膜異物試験方法と同じ方法で異物試験を行う。表4に評価結果を示す。
◎:5個未満
○:5個以上20個未満
△:20個以上100個未満
×:100個以上
(塗工性試験方法)
得られたレジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて500rpmの条件で塗布し、次に70℃で20分乾燥し塗膜基板を作製した。ガラス基板の中心の膜厚(t1とする。)を、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した。次に、ガラス基板の中心から2.5mmの同心円状の場所を10か所測定し、その平均値を算出した。(t2とする。)次に、測定したt1、t2を以下の式に当てはめ膜均一性を求め、その値により塗工性を評価した。
膜均一性=t1/t2×100(%)
◎:98.5%以上101.5%以下
○:97.5%以上98.5%未満、または101.5%以上、102.5%未満
△:95.0%以上97.5%未満、または102.5%以上、105.0%未満
×:95.0%未満、または105.0%以上
(塗膜の耐熱性評価)
得られたレジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で30分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した膜厚が約2.0μmとなるようにした。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記の4段階で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎◎◎:ΔEab*が1.0未満
◎◎:ΔEab*が1.5未満
◎:ΔEab*が3.0未満
○:ΔEab*が5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
(塗膜のさらに厳しい耐熱性評価)
得られたレジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で30分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した膜厚が約2.0μmとなるようにした。得られた塗膜のC光源での色度([L*(3)、a*(3)、b*(3)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として240℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(4)、a*(4)、b*(4)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記の4段階で評価した。
ΔEab* = √((L*(4)- L*(3))2+ (a*(4)- a*(3)) 2+( b*(4)- b*(3)) 2)
◎◎◎:ΔEab*が1.5未満
◎◎:ΔEab*が3.0未満
◎:ΔEab*が4.0未満
○:ΔEab*が5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
(塗膜異物試験方法)
得られたレジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に乾燥後の膜厚が2.5μmとなる回転数にてスピンコートし、70℃で20分乾燥後、幅100μmのストライプ状の開口部を有するフォトマスクを介して超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、5%の炭酸ナトリウム水溶液で未露光部を洗い流した後、230℃で20分、熱風オーブンでベークして、基板上に幅100μmのストライプ状のパターンを形成した。その後、この作製基板をオリンパスシステム社製の金属顕微鏡「BX60」を用いて表面観察を行い(倍率は500倍)、透過により任意の5視野にて観測可能な粒子の数をカウントし、下記の基準にて評価した。評価結果において、◎と○は異物数が少なく良好であり、△は異物数が多いものの使用上問題ないレベル、×は異物による塗工ムラ(斑)が発生するため使用することはできない状態に相当する。
◎:5個未満
○:5個以上20個未満
△:20個以上100個未満
×:100個以上
以下、表4にその結果を示す。
実施例57〜86のレジスト材(R−1〜30)は、塗膜異物もカラーフィルタとして使用可能な範囲にあり、ガラス密着性も良好な結果であった。また、エポキシ樹脂を使用したレジスト材(R−14)は、耐熱性の観点でより優れていた。レジスト材(R−19)は、造塩化合物(A−17)に造塩されている樹脂部分中に含まれるOH基と、エポキシ樹脂との熱架橋により耐熱性が最も優れていた。また、レジスト材(R−1、およびR−8)と、レジスト材(R−2〜R−6)を比較すると、C.I.ベーシック バイオレット10、C.I.ベーシック ブルー7を用いたレジスト材(R−1、およびR−8)のほうが耐熱性の観点で良好な結果であった。また、C.I.ベーシック ブルー7を用いたレジスト材(R−8)が最も耐熱性の観点で良好だった。一方、比較例7〜9のレジスト材(R−31〜33)は耐熱性、塗膜異物、塗工性、保存安定性が総じて悪く、カラーフィルタとして使用可能な品位には達しなかった。これにより、側鎖にカチオン性基を有する樹脂を用いた造塩化合物を含有する着色組成物は耐熱性、塗工性、保存安定性に優れ、また、塗膜異物の無い優れたカラーフィルタを提供できることは明らかである。

Claims (10)

  1. 少なくとも着色剤、バインダー樹脂、および有機溶剤からなるカラーフィルタ用着色組成物の製造方法であって、該着色剤が、側鎖にアニオン性基を有する樹脂とカチオン性染料とを反応させて得られた造塩化合物を含有し、
    該造塩化合物が、水溶液中で側鎖にアニオン性基を有する樹脂とカチオン性染料とを混合し、側鎖にアニオン性基を有する樹脂の対カチオンとカチオン性染料の対アニオンとからなる塩を水洗により除去してなる化合物であることを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物の製造方法
  2. 前記側鎖にアニオン性基を有する樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物の製造方法
    [一般式(1)中、R1は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
    Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R2−、−COO−R2−を表し、R2はアルキレン基を表す。P-は、―SO3 -又は−COO-を表す。Y+は無機または有機のカチオンを表す。]
  3. 一般式(1)中、P-が―SO3 -であることを特徴とする請求項2記載のカラーフィルタ用着色組成物の製造方法
  4. 前記カチオン性染料がトリアリールメタン系塩基性染料であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物の製造方法
  5. 前記トリアリールメタン系塩基性染料が一般式(2)であることを特徴とする請求項4記載のカラーフィルタ用着色組成物の製造方法
    一般式(2)
  6. 前記有機溶剤が、グリコールアセテート類、芳香族アルコール類、およびケトン類から選択される1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物の製造方法
  7. 前記有機溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを主成分とすることを特徴とする請求項1〜いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物の製造方法
  8. 着色剤が、さらに顔料を含有することを特徴とする請求項1〜いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物の製造方法
  9. さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物の製造方法
  10. 請求項1〜いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物の製造方法により製造されたカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるカラーフィルタの製造方法
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