JP2016218433A - カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents

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弘平 松崎
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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、分散性、流動性、及び保存安定性に優れ、耐薬品性、耐熱性等の耐性にすぐれるだけでなく、さらには密着性にも優れたカラーフィルタ用着色組成物を提供することにある。【解決手段】上記課題は、着色剤、分散剤、バインダー樹脂、および溶剤を含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、該分散剤が、酸性アクリル系分散剤(A1)、および一般式(1)で表わされるリン酸エステル(A2)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、およびカラー撮像素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、並びにこれを用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタに関するものである。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置である。この2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタなどに用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高輝度化、高コントラスト化の要求が高まっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
しかし一般に、微細な顔料粒子をワニスのような顔料担体に分散させ、安定な分散体を得ることは難しく、分散体は往々にして経時で顔料粒子の凝集などにより高粘度化し、チキソトロピック性を示すようになる。このような組成物の粘度上昇、流動性不良は、製造作業上の問題や製品価値に種々の問題を引き起こす。例えば、カラーフィルタのフィルタセグメントの形成は、一般にモノマーおよび樹脂を含む担体に顔料が分散されている着色組成物をガラス等の透明基板上に塗布することで行われているが、高粘度、流動性不良の着色組成物を用いると塗布性不良、レベリング不良などにより、膜厚の均一な塗膜を得ることができず好ましくない。
そのため、顔料を用いた分散体の安定化の方法としては、これまでも数多くの提案がなされており、例えば、界面活性剤を用いる方法(特許文献1参照)や樹脂型分散剤を用いる方法(特許文献2参照)、または有機色素とポリマーを結合させたポリマー分散剤を用いる方法(特許文献3参照)などの分散剤による改良が提案されている。
しかし、界面活性剤や樹脂型分散剤などの分散剤を用いると、現像性や密着性が悪化する等の問題が発生することがあり、このような問題を解決するような分散剤が種々検討されてきた。(例えば、特許文献4、5、6参照) しかしながら、最近の高品質な微細化
顔料に対しては、いずれの方法を用いても、流動性及びその安定性と、並びに耐熱性、耐薬品性等の堅牢性と密着性とを高水準で両立するまでには至っていないのが現状である。
また、高精細化や高解像度を達成するために、着色剤として染料を用いたり、あるいは、微細化された顔料を用いた場合、カラーフィルタの製造工程において、フィルタセグメントが熱を受けたときに、これらの着色剤の一部が溶出して、電圧保持率が著しく低下したり、他色のセグメントに移ってしまい、他色を汚染することで、明度低下を引き起こす移染性が課題となる場合がある。
特開2000−98608号公報 特開2000−95992号公報 特開平4−139262号公報 特開2000−95992号公報 特開2001−31885号公報 特開2005−240000号公報
そこで本発明は、分散性、流動性、及び保存安定性に優れ、耐薬品性、耐熱性等の耐性にすぐれるだけでなく、さらには密着性にも優れたカラーフィルタ用着色組成物を提供することを目的とする。
また、さらには、染料や微細化された顔料を用いた場合には、流動性、保存安定性等だけでなく、着色剤の移染性抑制にも優れたカラーフィルタ用着色組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の分散剤2種を含有する着色組成物は、分散安定性だけでなく、硬化した後の耐薬品性、耐溶剤性および、密着性にも優れていることを見出した。
すなわち、本発明は、着色剤、分散剤、バインダー樹脂、および溶剤を含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、
該分散剤が、酸性アクリル系分散剤(A1)、および一般式(1)で表わされるリン酸エステル(A2)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。

[一般式(1)中、Rは、数平均分子量400〜30000であり、かつグリセリンジ
メタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、およびジペンタエリスリトールペンタアクリレートの少なくともいずれかに、ε−カプロラクトンを開環重合させてなるエチレン性不飽和基を有するポリエステル残基である。yは、1または2を表す。]
また、本発明は、リン酸エステル(A2)におけるy=1とy=2の存在比が、100:0〜100:30であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は酸性アクリル系分散剤(A1)とリン酸エステル(A2)との重量配合比が95:5〜70:30であることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は酸性アクリル系分散剤(A1)が、末端水酸基を有するアクリル重合体と、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、もしくは、ポリカルボン酸無水物とを反応させてなるものであることを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は、さらに熱硬化性化合物を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明はさらに光重合開始剤を含有することを特徴とする前記カラーフィルタ用着色組成物に関する。
また、本発明は基材上に、前記カラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、顔料の凝集を抑え分散体の安定性に優れており、さらには耐熱性、耐溶剤性、および密着性にも優れたカラーフィルタ用着色組成物を提供できる。
また、さらには、染料や微細化された顔料を用いた場合の移染性にも優れたカラーフィルタ用着色組成物を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、以下に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤、分散剤、バインダー樹脂、および溶剤を含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、該分散剤が、酸性アクリル系分散剤(A1)、および一般式(1)で表わされるリン酸エステル(A2)を含有することを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を構成する各成分について詳述する。
<着色剤>
本発明の着色組成物に用いることができる着色剤としては、従来公知の種々の顔料、および染料から任意に選択することができる。これらの顔料・染料は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
着色剤の含有量は、着色組成物の全不揮発成分を基準(100重量%)として、充分な色再現性を得る観点から10重量%以上が好ましく、より好ましくは15重量%以上であり、最も好ましくは20重量%以上である。また、着色組成物の安定性の観点から、好ましい着色剤含有量は90重量%以下であり、より好ましくは80重量%以下であり、最も好ましくは70重量%以下である。
《有機顔料》
着色剤としてカラーフィルタの画素を形成する場合に使用できる顔料の具体例を示す。赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、1 01、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242、または254であり、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、242、または254である。
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、または15:6であり、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6である。また、特開2004−333817号公報、特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等を用いることもでき、特にこれらに限定されない。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55または58を挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36または58である。また、特開2008−19383号公報、特開2007−320986号公報、特開2004−70342号公報等に記載の亜鉛フタロシアニン顔料等を用いることもでき、特にこれらに限定されない。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、または185であり、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、または180である。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、または23であり、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
[顔料の微細化]
本発明で顔料を用いる場合、微細化して用いることが好ましいが、微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理を行うことができる。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いカラーフィルタを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径としている。
本発明の着色組成物は、分散剤として、酸性アクリル系分散剤(A1)、および一般式(1)で表わされるリン酸エステル(A2)を含有することで、このような微細化処理された顔料を用いた場合にも、耐性に優れ、密着性にも優れたカラーフィルタ用着色組成物とすることができるものである。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
《染料》
また本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、染料を用いることもできる。使用できる染料としては、キサンテン系染料、アゾ系(ピリドン系、バルビツール酸系、金属錯体系など)染料、ジスアゾ系染料、アントラキノン系染料、メチン系染料などが挙げられる。またこれらの染料をレ−キ化したレ−キ顔料、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料の無機塩、酸性染料と含窒素化合物との造塩化合物、酸性染料のスルホン酸アミド化合物等の形態であっても良い。
これらのなかでも、色相、耐性の点から、トリアリールメタン系、キサンテン系、および、アントラキノン系等が挙げられるが、なかでもキサンテン系を用いることが好ましい。
染料を用いる場合、酸性アクリル系分散剤(A1)、および一般式(1)で表わされるリン酸エステル(A2)に、さらに、熱硬化性化合物を含有することで、耐性に優れ、移染性もより良好なカラーフィルタ用着色組成物とすることができる。
[キサンテン系]
キサンテン系染料としては、C.I.アシッド レッド 51、C.I.アシッド レッド 52、C.I.アシッド レッド 87、C.I.アシッド レッド 92、C.I.アシッド レッド 289、C.I.アシッド レッド 388、ローズベンガルB、アシッドローダミンG、C.I.アシッド バイオレット 9、C.I.アシッド バイオレット 9、C.I.アシッド バイオレット30を用いることが好ましい。中でもC.I.アシッド レッド 52、C.I.アシッド レッド 87、C.I.アシッド レッド 92、C.I.アシッド レッド 289、C.I.アシッド レッド 388を用いることが好ましい。
[トリフェニルメタン系]
トリフェニルメタン系染料としては、C.I.アシッド バイオレット 15、C.I.アシッド バイオレット 17、C.I.アシッド バイオレット 19、C.I.アシッド バイオレット 21、C.I.アシッド バイオレット 24、C.I.アシッド バイオレット 25、C.I.アシッド バイオレット 38、C.I.アシッド バイオレット 49、C.I.アシッド ブルー 1、C.I.アシッド ブルー 3、C.I.アシッド ブルー 5、C.I.アシッド ブルー 7、C.I.アシッド ブルー 9、C.I.アシッド ブルー 11、C.I.アシッド ブルー 13、C.I.アシッド ブルー 15、C.I.アシッド ブルー 17、C.I.アシッド ブルー 22、C.I.アシッド ブルー 24、C.I.アシッド ブルー 26、C.I.アシッド ブルー 75、C.I.アシッド ブルー 83、C.I.アシッド ブルー 90、C.I.アシッド ブルー 93、C.I.アシッド ブルー 100、C.I.ベーシック ブルー 81、C.I.ベーシック ブルー 83を用いることが好ましい。
[トリアリールメタン系(トリフェニルメタン系を除く)]
トリアリールメタン系染料としては、C.I.ベーシック バイオレット 1、C.I.ベーシック バイオレット 2、C.I.ベーシック バイオレット 3、C.I.ベーシック バイオレット4、C.I.ベーシック バイオレット 14、C.I.ベーシック ブルー 1、C.I.ベーシック ブルー 5、C.I.ベーシック ブルー 7、C.I.ベーシック ブルー 11、C.I.ベーシック ブルー 26を用いることが好ましい。
[アントラキノン系]
アントラキノン系染料としては、C.I.アシッド バイオレット 29、C.I.アシッド バイオレット 31、C.I.アシッド バイオレット 33、C.I.アシッド バイオレット 34、C.I.アシッド バイオレット 36、C.I.アシッド バイオレット 39、C.I.アシッド バイオレット 43、C.I.アシッド バイオレット 48、C.I.アシッド バイオレット 63、C.I.アシッド バイオレット 109、C.I.アシッド ブルー 25、C.I.アシッド ブルー 27、C.I.アシッド ブルー 41、C.I.アシッド ブルー 45、C.I.アシッド ブルー 62、C.I.アシッド ブルー 80、C.I.アシッド ブルー 127、C.I.アシッド ブルー 129、C.I.アシッド ブルー 145、C.I.アシッド ブルー 225、C.I.アシッド ブルー 230、C.I.アシッド ブルー 260、C.I.アシッド ブルー 264、C.I.アシッド ブルー 277、C.I.アシッド ブルー 281、C.I.アシッド ブルー 324、C.I.アシッド ブルー 350を用いることが好ましい。
前記にあげた有機染料のうち酸性染料は、四級アンモニウム塩として造塩化、スルホンアミド化することで、高い耐熱性、耐光性、耐溶剤性を併せて持つことが出来る。
(酸性染料と四級アンモニウム塩化合物とからなる造塩化合物)
本発明に用いる有機染料が酸性染料の場合、酸性染料と四級アンモニウム塩化合物とからなる造塩化合物(a)として用いることが好ましい。
「四級アンモニウム塩化合物」
酸性染料のカウンタ成分としての四級アンモニウム塩化合物について説明する。四級アンモニウム塩化合物は、アミノ基を有することで酸性染料のカウンタになるものである。
造塩化合物(a)のカウンタ成分である四級アンモニウム塩化合物の好ましい形態は、無色、または白色を呈するものである。 ここで無色、または白色とはいわゆる透明な状態を意味し、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において、透過率が95%以上、好ましくは98%以上となっている状態と定義されるものである。すなわち染料成分の発色を阻害しない、色変化を起こさないものである必要がある。
四級アンモニウム塩化合物のカチオン成分であるカウンタ部分の分子量は190〜900の範囲であることが好ましい。ここでカチオン部分とは、下記一般式(3)中の(NR1R2R3R4)+の部分に相当する。分子量が190よりも小さいと耐光性、耐熱性が低下してしまい、さらに溶剤への溶解性が低下してしまう。また分子量が900よりも大きくなると分子中の発色成分の割合が低下してしまい、発色性が低下し、明度も低下してしまう。より好ましくはカウンタ部分の分子量が240〜850の範囲である。特に好ましいのは、カウンタ部分の分子量が350〜800の範囲である。ここで分子量は構造式を基に計算を行ったものであり、Cの原子量を12、Hの原子量を1、Nの原子量を14とした。
また、四級アンモニウム塩化合物として以下一般式(3)で表されるものが用いられる。
一般式(3)
[一般式(3)中、R11〜R14は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基またはベンジル基を示し、R11、R12、R13、R14の少なくとも2つ以上がCの数が5〜20個である。Yは無機または有機のアニオンを表す。]
11〜R14の少なくとも2つ以上のCの数を5〜20個とすることで、溶剤に対する溶解性が良好なものとなる。Cの数が5より小さいアルキル基が3つ以上になると溶剤に対する溶解性が悪くなり、塗膜異物が発生しやすくなってしまう。またCの数が20を超えてしまうアルキル基が存在すると造塩化合物の発色性が損なわれてしまう。
具体的には、テトラメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が74)、テトラエチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が122)、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が312)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が550)、トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が788)、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が284)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が368)、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が270)、モノラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が228)、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が382)、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が536)、トリアミルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が318)、トリヘキシルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が360)、トリオクチルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が444)、トリラウリルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が612)、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が388)、及びベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が248)、ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド(硬化牛脂)(カチオン部分の分子量が438〜550)等を用いることが好ましい。
アニオンを構成するY-の成分は、無機または有機のアニオンであればよいが、ハロゲンであることが好ましく、通常は塩素である。
具体的な四級アンモニウム塩化合物の製品としては、花王社製のコータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、サニゾールC、サニゾールB−50等、ライオン社製のアーカード210−80E、2C−75、2HT−75、2HTフレーク、2O−75I、2HP−75、2HPフレーク等があげられ、中でもコータミンD86P(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド)、アーカード2HT−75(ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド)が好ましいものである。
(酸性染料と側鎖にカチオン性基を有する樹脂とからなる造塩化合物)
本発明に用いる有機染料が酸性染料の場合、酸性染料と側鎖にカチオン性基を有する樹脂とからなる造塩化合物(a‘)として用いることも好ましい。
本発明に用いる造塩化合物(a‘)を得るための側鎖にカチオン性基を有する樹脂について説明する。
造塩化合物(a‘)を得るための側鎖にカチオン性基を有する樹脂としては、側鎖に少なくとも1つのオニウム塩基を有するものであれば、特に制限はないが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びホスホニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びスルホニウム塩であることがより好ましい。さらに好ましくはアンモニウム塩である。
造塩化合物(a‘)を含有するカラーフィルタ用青色着色組成物を調製し、カラーフィルタとしての特性を発現させる場合は、カラーフィルタ用青色着色組成物を構成するバインダー樹脂と同種の樹脂を使用することが望ましい。本発明では、カラーフィルタ用着色組成物にバインダー樹脂として、アクリル系樹脂が好ましく用いられることから、造塩化合物(A)を得るための側鎖にカチオン性基を有する樹脂としてはアクリル系樹脂であることが望ましい。
また、本発明の側鎖にカチオン性基を有する樹脂としては、下記一般式(4)で表される構造単位を含むビニル系樹脂が用いられる。
一般式(4)
[一般式(4)中、R21は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R22〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R22〜R24のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R25−、−COO−R25−を表し、R25はアルキレン基を表す。Yは無機または有機のアニオンを表す。]
一般式(4)中、R21は、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R11におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
21で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシル基等が挙げられる。
上記の中でも、R21としては、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
一般式(4)中、R22〜R24としては、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
ここで、R22〜R24におけるアルキル基としては、例えば、直鎖アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル及びn−オクタデシル等)、分岐アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル、2−エチルヘキシル及び1,1,3,3−テトラメチルブチル等)、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)及び架橋環式アルキル基(ノルボルニル、アダマンチル及びピナニル等)が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。
22〜R24におけるアルケニル基としては、例えば、直鎖又は分岐のアルケニル基(ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル及び2−メチル−2−プロぺニル等)、シクロアルケニル基(2−シクロヘキセニル及び3−シクロヘキセニル等)が挙げられる。該アルケニル基としては、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基である。
22〜R24におけるアリール基としては、例えば、単環式アリール基(フェニル等)、縮合多環式アリール基(ナフチル、アントラセニル、フェナンスレニル、アントラキノリル、フルオレニル及びナフトキノリル等)及び芳香族複素環炭化水素基(チエニル(チオフェンから誘導される基)、フリル(フランから誘導される基)、ピラニル(ピランから誘導される基)、ピリジル(ピリジンから誘導される基)、9−オキソキサンテニル(キサントンから誘導される基)及び9−オキソチオキサンテニル(チオキサントンから誘導される基)等)が挙げられる。
22〜R24で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、及びフェニル基等から選択される置換基が挙げられる。該置換基としては、中でも、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、フェニル基が特に好ましい。
22〜R24としては、安定性の観点から置換されていてもよいアルキル基が好ましく、無置換のアルキル基が更に好ましい。
また、R22〜R24のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。
一般式(4)中、ビニル部位とアンモニウム塩基を連結するQの成分はアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R25−、−COO−R25−を表し、R25はアルキレン基を表すが、中でも、重合性、入手性の理由から、−CONH−R25−、−COO−R25−であることが好ましい。また、R25がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
当該樹脂の対アニオンを構成する一般式(4)中におけるY-の成分は、無機または有機のアニオンであればよい。対アニオンとしては、公知のものが制限なく採用でき、具体的には、水酸化物イオン;塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン;ギ酸イオン、酢酸イオン等のカルボン酸イオン;炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、クロム酸イオン、ニクロム酸イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、過マンガン酸イオン、さらには、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオンのような錯体イオン等が挙げられる。合成適性や安定性の点からは、ハロゲンイオン及びカルボン酸イオンが好ましく、ハロゲンイオンが最も好ましい。対アニオンがカルボン酸イオン等の有機酸イオンである場合は、樹脂中に有機酸イオンが共有結合し、分子内塩を形成していてもよい。
本発明の好ましい様態である一般式(4)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るには、アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合する方法だけでなく、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合したアミノ基を有するビニル系樹脂を得た後、オニウム塩化剤を反応させ、アンモニウム塩化する方法により得ても良い。
以下に、本発明の好ましい様態である一般式(4)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得るために使用可能なエチレン性不飽和単量体の具体例を示す。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」、のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」、と記載することがある。同様に、「アクリロイル、メタクリロイル」のいずれか或いは双方を示す場合、「(メタ)アクリロイル」と記載することがある。
4級アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリロイルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミドが挙げられ、ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ジアリルメチルアミン、ジアリルアミン等のジアリルアミン化合物、N−ビニルピロリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等のアミノ基含有芳香族ビニル系単量体が挙げられる。
オニウム塩化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、またはジプロピル硫酸等のアルキル硫酸、p−トルエンスルホン酸メチル、またはベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル、メチルクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、またはオクチルクロライド等のアルキルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、プロピルブロマイド、またはオクチルクロブロマイド等のアルキルブロマイド、あるいは、ベンジルクロライド、またはベンジルブロマイド等が挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体とオニウム塩化剤との反応は、通常はアミノ基に対して等モル以下のオニウム塩化剤を、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体溶液に滴下することによって行うことができる。アンモニウム塩化反応時の温度は90℃程度以下であり、特にビニルモノマーをアンモニウム塩化する場合には30℃程度以下が好ましく、反応時間は1〜4時間程度である。
別に、オニウム塩化剤として、アルコキシカルボニルアルキルハライドを使用することもできる。アルコキシカルボニルアルキルハライドは下記一般式(5)で表される。
一般式(5)
Z−R31−COOR32

[一般式(5)中、Zは、塩素、または臭素等のハロゲン、好ましくは臭素であり、
31は、炭素数1〜6、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3のアルキレン基であり、
32は、炭素数1〜6、好ましくは1〜3の低級アルキル基である。]
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体とアルコキシカルボニルアルキルハライドとの反応は、アミノ基に対して等モル以下のアルコキシカルボニルアルキルハライドを上記オニウム塩化剤同様に反応させた後、−COORを加水分解してカルボキシレートイオン(−COO-)に変換することにより得られる。これにより、一般式(5)式で示すカルボキシベタイン構造を有しアンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を得ることができる。
その他、一般式(4)で表される構造単位以外で用いることができるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
このようなビニルモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
その他、一般式(4)で表される構造単位以外で用いることができるエチレン性不飽和単量体は、更に、酸基を有する単量体に由来する共重合単位を含んでもよい。
酸基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸またはその無水物類;こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート等の両末端カルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等を挙げられる。
本発明に好適な一般式(4)で表される構造単位を含むビニル系樹脂を得る方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち、フリーラジカル重合またはリビングラジカル重合が好ましい。
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、更には、重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成できる。
中でも、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1〜8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866
(参考文献5)国際公開第96/030421号パンフレット
(参考文献6)国際公開第97/018247号パンフレット
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明に用いる側鎖にカチオン性基を有する樹脂中に存在するカチオン性基の量は、特に限定されるものではないが、樹脂のカチオン塩価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることがより好ましい。カチオン塩価とは、オニウム塩価、四級アンモニウム塩価、アミン塩価として表されるものである。
また、中でも本発明に好適な一般式(1)で表される構造単位を含むビニル系樹脂中に存在するアンモニウム塩基、アミン塩基の量は、樹脂のアンモニウム塩価、アミン塩価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることがより好ましい。
10mgKOH/gよりも小さいと、キサンテン系酸性染料に由来する色素の濃度が低く、樹脂成分が多くなってしまい着色剤成分として機能しない。また200mgKOH/gよりも大きくなってしまうと、染料成分が多くなり溶剤溶解性が低下してしまう。
本発明に使用される一般式(4)で表される構造単位を含むビニル系樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜500,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることがより好ましい。
また、本発明に好適な一般式(4)で表される構造単位を含むビニル系樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤に溶解する特性を有することが好ましい。これにより異物発生のない塗膜を得ることができる。特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解することがより好ましい。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂において、上記一般式(4)で表される構造単位の総含有量は、特に制限はないが、側鎖にカチオン性基を有する樹脂に含有される全構造単位を100重量%とした場合に、造塩化合物の溶剤溶解性と着色力の点から、上記一般式(4)で表される構造単位の総含有量は、5重量%以上であることが好ましく、10〜50重量%であることがより好ましい。
(塩基性染料とアニオン性の化合物とからなる造塩化合物)
前記にあげた有機染料のうち塩基性染料は、アニオン性の化合物であって、具体的には、例えば、ヘテロポリ酸、芳香族スルホン酸等の有機スルホン酸;芳香族カルボン酸、脂肪酸などの有機カルボン酸である有機酸;過塩素酸またはヘキサフルオロリン酸と造塩化して、造塩化合物とすることで、高い耐熱性、耐光性、耐溶剤性を併せて持つことが出来る。
「ヘテロポリ酸」
ヘテロポリ酸としては、例えば、リンタングステン酸H(PW1240)・nHO(n≒30;≒はニアリーイコールを表す)(分子量3421)、ケイタングステン酸H(SiW1240)・nHO(n≒30)(分子量3418)、リンモリブデン酸H(PMo1240)・nHO(n≒30)(分子量2205)、ケイモリブデン酸H(SiMo1240)・nHO(n≒30)(分子量2202)、リンタングストモリブデン酸H(PW12―XMo40)・nHO(n≒30)(6<X<12)、及びリンバナドモリブデン酸H15−X(PV12−XMo40)・nHO(n≒30)が挙げられる。
リンタングストモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸及びケイタングストモリブデン酸は、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸及びケイモリブデン酸などの構成成分の含有量を変えることで、分子量を2202〜3421の範囲で調整することができる。
ヘテロポリ酸をカウンタ化合物として使用する場合は、その平均分子量は2820〜3421の範囲内にあることが好ましい。これは、カウンタ化合物がモリブデンとタングステンとを含む場合、タングステンの割合が50%を超えることが好ましいことによるものである。リンタングストモリブデン酸の場合、Moの含有量を減らし、Wを多く含ませることで透過性に優れる色材を得ることができる。
「有機酸」
有機スルホン酸としては、例えば、芳香族スルホン酸を使用することができる。芳香族スルホン酸として好ましい化合物は、例えば、1−ナフチルアミン−4,8−ジスルホン酸(分子量303)、1−ナフチルアミン−3,8−ジスルホン酸(分子量303)、1−ナフチルアミン−5,7−ジスルホン酸(分子量303)、1−ナフチルアミン−3,6−ジスルホン酸(分子量303)、1−ナフチルアミン−3,6,8−トリスルホン酸(コッホ酸)(分子量383)、2−ナフチルアミン−6,8−ジスルホン酸(分子量303)、2−ナフチルアミン−1,6−ジスルホン酸(分子量303)、2−ナフチルアミン−4,8−ジスルホン酸(分子量303)、2−ナフチルアミン−3,6−ジスルホン酸(アミノ−R酸)(分子量303)、2−ナフチルアミン−5,7−ジスルホン酸(アミノJ酸)(分子量303)、1−ナフトール−4,8−ジスルホン酸(分子量304)、1−ナフトール−3,8−ジスルホン酸(ε酸)(分子量304)、1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(分子量304)、1−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸(分子量384)、2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸(分子量304)、2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(R酸)(分子量304)、2−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸(分子量384)、N−フェニル−1−ナフチルアミン−8−スルホン酸(分子量299)、N−p−トリル−1−ナフチルアミン−8−スルホン酸(分子量313)、N−フェニル−1−ナフチルアミン−5−スルホン酸(分子量299)、N−フェニル−2−ナフチルアミン−6−スルホン酸(分子量299)、N−アセチル−7−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(分子量281)、N−フェニル−7−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(分子量315)、N−アセチル−6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(分子量281)、N−フェニル−6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(分子量315)、1,8−ジハイドロ−3,6−ジスルホン酸(クロモトロープ酸)(分子量320)、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(分子量319)、8−アミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸(分子量319)、1,6−ジアミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸(分子量254)、1−アミノ−2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸(分子量319)、1−アミノ−2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(分子量319)、2,8−ジアミノ−1−ナフトール−5,7−ジスルホン酸(分子量334)、2,7−ジアミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(分子量254)、2,6−ジアミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(分子量254)、2,8−ジアミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(分子量334)、及び2−アミノ−7−フェニルアミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸(分子量330)が挙げられる。
また、アントラセンスルホン酸(分子量258)、アントラキノン−2−スルホン酸、又はアントラキノン−1−スルホン酸(分子量288)を用いることも好ましい。
1つのアミノ基と1つのスルホン酸基とを有するナフチルアミンスルホン酸を用いると、優れた耐熱性及び耐光性を達成できる。ナフチルアミンスルホン酸としては、例えば、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(トビアス酸、分子量223)、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(ナフチオン酸、分子量223)、8−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(ペリ酸、分子量223)、2−アミノ−6−ナフタレンスルホン酸(ブレンナー酸、分子量223)、1−アミノ−5−ナフタレンスルホン酸(ローレンツ酸、分子量223)、5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(分子量223)、1−アミノ−6−ナフタレンスルホン酸(分子量223)、6−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(分子量223)、及び3−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(分子量223)が挙げられる。これらの中でも、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(トビアス酸、分子量223)が色特性、及び耐性面において特に好ましい。
1つの水酸基と1つのスルホン酸基とを有するヒドロキシナフタレンスルホン酸を用いることも好ましい。ヒドロキシナフタレンスルホン酸としては、例えば、2−ヒドロキシ−6−ナフタレンスルホン酸(シェファ酸、分子量224)、1−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸(ネビル−ウィンター酸:NW酸、分子量224)、1−ヒドロキシ−5−ナフタレンスルホン酸(L酸、分子量224)、及び2−ヒドロキシ−8−ナフタレンスルホン酸(クロセイン酸、分子量224)が挙げられる。
中でも、発色性が良好で、高明度を達成できる点で、2〜3個のスルホン酸基を有する有機スルホン酸が好ましい。4個以上のスルホン酸があると環境安定性が悪くなり経時変化を起こしやすく、1個のスルホン酸では塩基性染料とカウンタ化合物とが1:1で反応するために主色とする場合に発色性が悪くなる場合がある。
但し、分子量が200〜250の範囲内にある有機スルホン酸の場合、カウンタ化合物の分子量が小さいため、1分子当りのスルホン酸基が1つであったとしても、発色性が損なわれることはない。
有機カルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸又は脂肪酸を使用することができる。具体的な有機カルボン酸としては、例えば、テトラクロルフタル酸(分子量304)、パルミチン酸(分子量257)、ステアリン酸(分子量285)、アラキジン酸(分子量313)、ベヘン酸(分子量341)、リグノセリン酸(分子量369)、オレイン酸(分子量282)、エライジン酸(分子量282)、エルカ酸(分子量339)、ネルボン酸(分子量367)、リノール酸(分子量280)、ガモレン酸(分子量278)、アラキドン酸(分子量305)、α−リノレン酸(分子量278)、ステアリドン酸(分子量276)、エイコサペンタエン酸(分子量302)、及びドコサヘキサエン酸(分子量328)が挙げられる。
<分散剤>
一般に、顔料分散剤は顔料に吸着する部位と、顔料担体及び分散媒である溶剤に親和性の高い部位との構造を持ち合わせ、この2つの部位のバランスで分散剤の性能が決まる。つまり、分散性を発現させるためには、分散剤の顔料に吸着する性能と顔料担体及び分散媒である溶剤への親和性がともに非常に重要である。ここで言う顔料担体とは、固形分から顔料成分と分散剤を除いた、樹脂及びその前駆体又はそれらの混合物からなる。
本発明の分散剤は、酸性アクリル系分散剤(A1)と、リン酸エステル(A2)とを含有することにより、耐性に優れ、密着性も良好なカラーフィルタ用着色組成物とすることができるものである。
さらには、染料や微細化された顔料を用いた場合の移染性にも優れたカラーフィルタ用着色組成物を提供できる。
また、染料等、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、微細に分散をする必要はないが、このとき、酸性アクリル系分散剤(A1)と、リン酸エステル(A2)を用いることで、流動性や保存安定性が優れた着色剤組成物を得ることができる。
ここで、酸性アクリル系分散剤(A1)とリン酸エステル(A2)との重量配合比は、95:5〜70:30であることが、耐性の面から好ましく、より好ましくは95:5〜80:80:20である。
《酸性アクリル系分散剤(A1)》
本発明に使用される酸性アクリル系分散剤(A1)としては、アクリル重合してなる主鎖を有し、酸基を有するものであればよい。
主鎖は、ブロック重合体でも、ランダム重合体でもよく、グラフト重合体のような側鎖を有するものであってもよい。酸基としては、カルボキシル基が好ましく、カルボキシル基は、アクリル重合時に、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、ビニルこはく酸などカルボキシル基を有する単量体を用いることで導入できる。
あるいは、一旦、主鎖を得たのち、カルボキシル基を有する化合物を反応させて導入することもできる。具体的には、末端水酸基を有するアクリル重合体と、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、もしくは、ポリカルボン酸無水物とを反応させてなるものが挙げられる。より好ましくは、ポリカルボン酸無水物が、芳香族テトラカルボン酸二無水物であるという構造特性をもつ分散剤であることが、更に本発明の効果を高める。
好ましくは、酸性アクリル系分散剤(A1)の分子内にブロックイソシアネート基、オキセタン基、及びt−ブチル基の少なくとも1つから選ばれる官能基を有することが本発明の効果を高める。
酸性アクリル系分散剤(A1)としては、国際公開第2008/007776号パンフレット、特開2009−155406号公報、特開2011−157416号公報等に記載されている公知技術を用いることができる。
酸性アクリル系分散剤(A1)が、末端水酸基を有するアクリル重合体と、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、もしくは、ポリカルボン酸無水物とを反応させてなるものである場合、密着性・耐熱性に優れたものとなるために好ましい。
または、酸性アクリル系分散剤(A1)が、ブロックイソシアネート基、オキセタン基、及びt−ブチル基の少なくとも1つから選ばれる官能基を有する場合には、密着性により優れたものとなるために好ましい。
エチレン性不飽和基を有するポリエーテル残基および/またはポリエステル残基としては、スチレン基、アクリロイル基、シアノアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルエーテル基等を有するポリエーテル残基および/またはポリエステル残基が挙げられる。
末端水酸基を有するアクリル重合体を構成する単量体としては、水酸基を有しエチレン性不飽和二重結合を有する単量体であればどのようなものでも構わないが、具体的には、水酸基を有する(メタ)アクリレート系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(又は3)−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(又は3、又は4)−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類; 水酸基を有する(メタ)アクリルアミド系単量体、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド類; 水酸基を有するビニルエーテル系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−(又は3−、又は4−)ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル類; 水酸基を有するアリルエーテル系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2−(又は3−、又は4−)ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテル類が挙げられる。しかし、これらに限定されない。
又、上記のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、N−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド類、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類、及びヒドロキシアルキルアリルエーテル類にアルキレンオキサイド又はラクトンを付加して得られるエチレン性不飽和単量体も、末端水酸基を有するアクリル重合体を構成する単量体として挙げられる。しかし、これらに限定されない。
更に、付加されるアルキレンオキサイドとして、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,4−、2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド及びこれらの2種以上の併用系が用いられていてもよい。2種以上のアルキレンオキサイドが併用されたときの結合形式はランダム及び/又はブロックのいずれでもよい。付加されるラクトンとしては、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、炭素原子数1〜6のアルキル基で置換されたε−カプロラクトンが挙げられ、これらの2種以上の併用系が用いられてもよい。アルキレンオキサイドとラクトンが両方とも付加されたものでもよい。
ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、カレンズMOI−BM、カレンズMOI−BP(昭和電工製)などが挙げられる。オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ETERNACOLL OXMA(宇部興産製)などが挙げられる。t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、t−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレートなどが挙げられる。
これらの単量体を構成成分として有する酸性アクリル分散剤(A)は、それを含んでなる着色組成物及び顔料分散体を熱硬化した後に優れた耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性、耐アルカリ性を得ることができる。これは、単量体中の架橋性官能基が焼きつけにより架橋することに起因すると推察される。
末端水酸基を有するアクリル重合体を構成する単量体としては、上記した単量体以外に、えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類; フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類; テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類; メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類; (メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類; N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類; 及び、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類があげられる。しかし、これらに限定されない。なお、ここで、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート又はアクリレートを示し、(メタ)アクリルアミドとはメタクリルアミド又はアクリルアミドを示す。
又、上記アクリル単量体と併用される単量体として、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類が挙げられる。しかし、これらに限定されない。
更に、上記末端水酸基を有するアクリル重合体を構成する単量体と併用される単量体として分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物として、例えば、1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(チオグリセリン)、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。しかし、これらに限定されない。
本発明の酸性アクリル系分散剤(A)を構成するポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、もしくは、ポリカルボン酸無水物の単量体としては、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物などの脂肪族テトラカルボン酸無水物; ピロメリット酸無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸無水物、などの芳香族テトラカルボン酸無水物が挙げられる。しかし、これらに限定されない。
更に、本発明に使用される酸性アクリル系分散剤(A)を構成するポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、もしくは、ポリカルボン酸無水物の単量体として好ましく使用されるものは、顔料分散体の低粘度化の観点からは芳香族テトラカルボン酸二無水物であり、さらに好ましくは芳香族環を二つ以上有するテトラカルボン酸二無水物である。また、塗膜のコントラスト比を向上させるためには、芳香族環を一つ有するテトラカルボン酸二無水物が好ましく、さらに好ましくはピロメリット酸二無水物である。
本発明の酸性アクリル系分散剤(A)を構成するポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、もしくは、ポリカルボン酸無水物の単量体としては、上記に例示した化合物に限らず、カルボン酸無水物基を2つ持てばどのような構造をしていてもかまわない。これらは単独で用いられていても、併用されていてもかまわない。更に、本発明に好ましい単量体としては、顔料分散体の低粘度化の観点から芳香族テトラカルボン酸無水物が挙げられ、更に好ましくは芳香族環を二つ以上有するテトラカルボン酸無水物が挙げられる。又、分子中にカルボン酸無水物基を1つ持つ化合物や3つ以上持つ化合物を併用されていることも好ましい。
本発明に使用される酸性アクリル系分散剤(A1)を構成する化合物として、上記載単量体以外に水酸基を有する化合物として公知のものを含有していてもよい。例えば、1分子中に水酸基2〜4個を有するポリオール化合物であり、それらのうちでも、特に代表的なものを例示するにとどめれば、次のグループ(1)〜(7)に属するものがある。これらは、複数のアクリル重合体を結合する効果がある。
(1)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリンもしくは、ヘキサントリオール等の多価アルコール類;
(2)ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコールもしくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコール等の各種のポリエーテルグリコール類;
(3)上記した各種の多価アルコール類と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル又はアリルグリシジルエーテル等の各種(環状)エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール類;
(4)上記した各種の多価アルコール類の1種以上と、多価カルボン酸類との共縮合によって得られるポリエステルポリオール類であって、多価カルボン酸類が、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,4−シクロヘキサンヒカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサトリカルボン酸又は2,5,7−ナフタレントリカルボン酸などで特に代表されるものを用いて得られるポリエステルポリオール類;
(5)上記した各種の多価アルコール類の1種以上と、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンもしくは3−メチル−δ−バレロラクトン等の各種ラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール類、あるいは、上記した各種の多価アルコール類と、多価カルボン酸類と、各種のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン変性ポリエステルポリオール類;
(6)ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、一価及び/又は多価アルコール類のグリシジルエーテル、あるいは、一塩基酸及び/又は多塩基酸類のグリシジルエステル等の各種エポキシ化合物を、ポリエステルポリオールの合成時に、1種以上併用して得られるエポキシ変性ポリエステルポリオール類;
(7)ポリエステルポリアミドポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリペンタジエンポリオール、ひまし油、ひまし油誘導体、水添ひまし油、水添ひまし油誘導体、水酸基含有アクリル系共重合体、水酸基含有含フッ素化合物又は水酸基含有シリコン樹脂などが挙げられる。しかし、これらに限定されない。
本発明で使用される酸性アクリル系分散剤(A1)の重量平均分子量は、好ましくは2000〜100000、より好ましくは4000〜20000、更に好ましくは6000〜15000、特に好ましくは7000〜12000である。重量平均分子量が2000未満であれば着色組成物の安定性が低下する場合があり、100000を超えると樹脂間の相互作用が強くなり、着色組成物の増粘が起きる場合がある。又、本発明で使用される酸性アクリル系分散剤(A1)の酸価は、5〜200mgKOH/gが好ましい。より好ましくは10〜150mgKOH/gであり、さらに好ましくは、15〜100mgKOH/gであり、特に好ましくは、20〜80mgKOH/gである。酸価が5mgKOH/g未満では、顔料吸着能が低下し顔料分散性に問題がでる場合があり、200mgKOH/gを超えると、樹脂間の相互作用が強くなり顔料分散組成物の粘度が高くなる場合がある。
《リン酸エステル(A2)》
リン酸エステル(A2)は、一般式(1)で表わされるリン酸エステルである。このようなリン酸エステルを含有することにより、耐性、および密着性に優れた着色組成物とすることができる。

[一般式(1)中、Rは、数平均分子量400〜30000であり、かつグリセリンジ
メタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、およびジペンタエリスリトールペンタアクリレートの少なくともいずれかに、ε−カプロラクトンを開環重合させてなるエチレン性不飽和基を有するポリエステル残基である。yは、1または2を表す。]
また、好ましくは、リン酸エステル(A2)におけるy=1とy=2の存在比が、100:0〜100:30であることが、基材密着性のために好ましいものである。より好ましくは、100:0〜100:15である。
の数平均分子量は、好ましくは400〜10000であり、更に好ましくは400〜3000である。この範囲にあることで、分散安定性に優れたものとすることができる。
また、一般式(1)で示されるリン酸エステルのR3が、数平均分子量400〜100
00のポリカプロラクトン残基であると、顔料分散性が良好になり好ましい。より好ましくは400〜3000である。
リン酸エステルの製造は、エチレン性不飽和基を有するモノアルコールを開始剤として、環状エステルを開環付加(第一の工程)した後、リン酸エステル化(第二の工程)を行うことにより得ることができる。
先ず第一の工程として、二重結合を有するモノアルコールを開始剤として環状エステルを開環重合させて、末端に水酸基を有するポリエステル化合物を合成する。
モノアルコールは、二重結合の数が2個と、3個以上のものに分けられる。
ニ重結合の数が2個のモノアルコールとしては、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、グリセリンジメタクリレート等が挙げられる。
二重結合の数が3個のモノアルコールとしては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ニ重結合の数が5個のモノアルコールとしては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが挙げられる。
このうち、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびジペンタエリスリトールペンタアクリレートは、それぞれ、ペンタエリスリトールテトラアクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物として得られるので、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)法や水酸基価の測定によりモノアルコール体の比率を決定する必要がある。
環状エステルとしては、ε−カプロラクトンが挙げられる。ニ重結合を有するモノアルコールへの付加モル数は1〜50モル、好ましくは3〜20モルである。付加モル数が1モルより小さいと分散性、流動性、保存安定性、乾燥再溶解性に対する効果が得にくく、付加モル数が50モルより大きいと、分子量が大きくなり過ぎ、乾燥再溶解性が大幅に低下する傾向がある。
第一の工程は、空気導入管、コンデンサーを接続した反応容器に、ニ重結合を有するモノアルコール、環状エステル、重合触媒、重合禁止剤を仕込み、空気気流下で重合する事により合成する。第二の工程でリン酸エステル化を行うことから、無溶剤で反応することが好ましいが、トルエン、キシレンの様な適当な溶媒を使用することもできる。
第一の工程における反応温度は100℃〜180℃、好ましくは130℃〜150℃の範囲で行うことができる。反応温度が100℃未満では反応速度が極めて遅く、180℃を越えると環状エステルの付加反応以外の副反応やニ重結合を有するモノアルコールの重合が起こりやすい。また、得られる反応物の着色が起こり易い傾向がある。
第一の工程において使用できる重合触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルモニウムブロミドテトラメチルアンモニウムヨード、テトラブチルアンモニウムヨード、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムヨードなどの四級アンモニウム塩、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムヨード、テトラブチルホスホニウムヨード、ベンジルトリメチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリメチルホスホニウムブロミド、ベンジルトリメチルホスホニウムヨード、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムヨードなどの四級ホスホニウム塩の他、トリフェニルフォスフィンなどのリン化合物、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウムなどの有機カルボン酸塩、ナトリウムアルコラート、カリウムアルコラートなどのアルカリ金属アルコラートの他、三級アミン類、有機錫化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタネート化合物、および塩化亜鉛などの亜鉛化合物等が挙げられる。触媒の使用量は 0.1p
pm〜3000ppm、好ましくは1ppm〜100ppmである。触媒量が3000ppmを越える樹脂の着色が激しくなり、 製品の安定性に悪影響を与える。逆に、触媒の
使用量が0.1ppm未満では環状エステルの開環重合速度が極めて遅くなる傾向があり、あまり好ましくない。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、p−ベンゾキノン、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、フェノチアジン等が用いられる。
次に、第二の工程において、末端に水酸基を有するポリエステル化合物への環状エステル付加物のリン酸エステル化を行う。
リン酸エステル化剤としては、五酸化リン、ポリリン酸、オルトリン酸、オキシ塩化リン等のリン酸化剤とを1種あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。これらのうち、塩酸ガス等の副生がなく、特殊な設備が不要であることから、オルトリン酸、ポリリン酸および五酸化リンからなる群より選ばれる1種以上のリン酸エステル化剤が好ましい。なかでもオルトリン酸換算含有量116%のポリリン酸が好ましい。
リン酸エステル化剤の仕込み比は、末端に水酸基を有するポリエステル化合物への環状エステル付加物の水酸基に対する、リン酸エステル化剤中のリン原子の比が0.5〜1.5であることが好ましく、1.0〜1.3であることが更に好ましく、1.05〜1.2であることが最も好ましい。これは、エポキシ基に対するリン原子の比が0.5未満では、水酸基に対するリン酸エステル化が不十分となったり、リン酸ジエステルの副生量が増加する傾向があり、1.5を超えると添加量に見合う増量効果は得られない傾向がある。
第二の工程における反応温度は、特に限定されないが40℃〜130℃が好ましく、50℃〜110℃が更に好ましく、60℃〜100℃が最も好ましい。反応温度がこれらの範囲よりも低い場合にはエステル化反応が不充分でリン酸エステル化剤が残留する場合があり、これらの範囲よりも高い場合には副生成物が生成し易くなるとともにエステル化反応物の分解が起こり易くなる傾向がある。
本発明に使用される酸性アクリル系分散剤(A1)とリン酸エステル(A2)は、上記の構造特性を有すればどのような製造法を用いて合成してもよい。
酸性アクリル系分散剤(A1)とリン酸エステル(A2)との、この2種類の分散剤を配合することで、驚くべきことに、それぞれ単独でカラーフィルタ用着色組成物として使用した時以上の、分散性、流動性、保存安定性、得られる展色物の耐薬品性、耐溶剤性、更には高い貯蔵安定性、経時安定性を維持するだけでなく、アウトガス発生量が低減され、優れた耐熱性を有するだけでなく、密着性も良好な着色組成物が得られることを見出したものである。
本発明のこの効果は、上記載の酸性アクリル系分散剤(A1)とリン酸エステル(A2)の構造特性に依存している。
また、さらに熱硬化性化合物を含有する場合には、染料や微細化された顔料を用いた場合の移染性にも優れたカラーフィルタ用着色組成物を提供できることを見出したものである。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物における酸性アクリル系分散剤(A1)とリン酸エステル(A2)の含有量は、着色剤100重量部に対し好ましくは0.1〜200重量部、より好ましくは1〜100重量部、更に好ましくは5〜100重量部である。酸性アクリル系分散剤(A1)とリン酸エステル(A2)の合計含有量がこの範囲にあることにより、分散性に優れ、安定性も良好な組成物とすることができる。
《その他の分散剤》
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、その他の分散剤を併用してもよい。
その他の分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂は、着色剤を分散、染色、または浸透させるものであって、熱可塑性樹脂等が挙げられる。また、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
特に側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂をアルカリ現像型着色レジスト材に用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂が3次元架橋されることで着色剤が固定され、耐熱性が良好になり、着色剤の熱による退色(分光特性の悪化)を抑制できる。また、現像工程においても着色剤成分の凝集・析出を抑制する効果もある。
バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
バインダー樹脂をカラーフィルタ用感光性着色組成物として使用する場合には、着色剤吸着基および現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体および溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、着色剤の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる。
バインダー樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤の全重量100重量部に対し、20重量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、1000重量部以下の量で用いることが好ましい。
バインダー樹脂に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。中でもアクリル樹脂を用いることが好ましい。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(i)や(ii)の方法により不飽和エチレン性二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、不飽和エチレン性二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更に不飽和エチレン性二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
<熱硬化性化合物>
本発明は、熱硬化性化合物を含有することもできる。熱硬化性化合物とは、エポキシ化合物、メラミン化合物、ベンゾグアナミン化合物、フェノール化合物、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、尿素樹脂等をいい、熱硬化性を有する化合物である。
また、低分子量の化合物であっても、樹脂のような高分子量の樹脂であってもよい。
酸性アクリル系分散剤(A1)、リン酸エステル(A2)、にさらに熱硬化性化合物を含有することで、カラーフィルタ作製工程である焼成時に、塗膜表面・内部において熱架橋が形成され、着色組成物を硬化した後の耐薬品性、耐溶剤性が優れ、移染性も向上することができる。
熱硬化性化合物の中でも反応温度が低く、加熱による顔料凝集が起こる前に架橋を形成できるという点、形成された架橋によって塗膜のNMP耐性が向上する点から、エポキシ化合物、またはメラミン化合物が好ましい。特に好ましくはエポキシ化合物である。
熱硬化性化合物の含有量は、分散剤(A1)および分散剤(A2)の合計100重量部に対し、1〜100重量部であることが好ましい。より好ましくは1〜50重量部である。
このような範囲にすることで、保存安定性や諸耐性だけでなく、着色剤の移染性抑制に優れた着色組成物とすることができる。
(エポキシ化合物)
本発明におけるエポキシ化合物としては、エポキシ基を有していれば特に制限はなく、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよいが、とくに多官能のエポキシ樹脂であることが好ましい。
エポキシ化合物のエポキシ基が、カラーフィルタ作製工程である焼成時に、バインダー樹脂や分散剤のカルボキシル基、水酸基と熱架橋することにより、架橋密度が高い着色膜を得ることができる。
エポキシ樹脂である場合、好ましい重量平均分子量としては、200以上100,000以下が好ましい。より好ましい分子量は300以上10,000以下であり、さらに好ましくは500以上5000以下である。
カラーフィルタ用着色組成物の固形分中のエポキシ化合物の含有量は、固形分100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜5重量部である。0.1重量部以上であれば、耐溶剤性の改善効果が高くなり、20重量部以下である場合、耐熱性が良好であり、さらにベーク後の黄変等もなく、高明度の着色組成物とすることができる。
本発明に使用できるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などがいずれも使用できる。
特に好ましい構造として、具体的には下記一般式(6)〜一般式(10)で表される構造のエポキシ樹脂が使用される。
一般式(6)

[一般式(6)中、Rは、H又はCHである。]
一般式(7)


[一般式(7)中、m及びlはそれぞれ独立に0〜12であり、m+lは0〜12である。Xは2,2−ジフェニルプロパン、ビスアリールフルオレン構造からなる群から選ばれる二価結合基を表す。]
一般式(8)

[一般式(8)中、nは0〜12である。]
一般式(9)

[一般式(9)中、Rは、H又はCHであり、pは0〜12である。]
一般式(10)

[一般式(10)中、qは0〜12である。]
なかでも一般式(6)、一般式(7)および一般式(8)で表される熱硬化性化合物は単位重量部当たりのエポキシ官能基濃度が高いため、熱硬化性化合物を同じ重量だけ使用したときに他の構造のものと比較してより良い熱硬化性を示し、光学特性も好ましい。さらにこのなかでも特に一般式(6)で表される熱硬化性化合物は特に優れた熱硬化性を示し、光学特性もなお好ましい。また、ビフェニル骨格を有することによって構造由来の高い耐熱性と優れた屈折率を併せ持っており、理想的な光学特性を再現することができるため好ましい。
市販のエポキシ化合物としては、DIC製のEPICLON830、840、850、860、1050、2050、3050、4050、7050、HM−091、101、ナガセケムテックス製デナコールEX−211、212、252、、313、314、321、411、421、512、521、611、612、614、614B、622、711、721、三菱化学製JER1001、1002、1003、1055、1004、1007、1009,1010、1031S、1302H60、604、630、630LSD、YX4000、YX4000H、ダイセル製EHPE3150などが挙げられる。
(メラミン化合物)
本発明におけるメラミン化合物とは、メラミン環構造を有する化合物を指す。メラミン化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。本発明において好ましいのは、メチロール型やエーテル型であり、メラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0以上のメラミン化合物である。メラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0未満であると、反応点が少なく、硬化時の架橋構造が十分に密にならないため熱処理工程によるコントラスト比低下抑制やNMP耐性改善の効果が小さくなる場合がある。
市販品としては、例えば、二カラックMW−30HM、MW−390、MW−100LM、MX−750LM、MW−30M、MW−30、MW−22、MS−21、MS−11、MW−24X、MS−001、MX−002、MX−730、MX−750、MX−708、MX−706、MX−042、MX−45、MX−500、MX−520、MX−43、MX−417、MX−410(三和ケミカル社製)、サイメル232、235、236、238、285、300、301、303、350、370(日本サイテックインダストリーズ社製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中でもメラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0以上である、二カラックMW−30HM、MW−390、MW−100LM、MX−750LM、MW−30M、MW−30、MW−22、MS−21、MS−11、MW−24X、MX−45(三和ケミカル社製)サイメル232、235、236、238、300、301、303、350(日本サイテックインダストリーズ社製)などが、密な架橋構造が得られる点で好ましい。
<溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させる。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
溶剤は、着色組成物中の着色剤100重量部に対して、100〜10000重量部、好ましくは500〜5000重量部の量で用いることができる。
<光重合性単量体>
本発明の着色組成物に添加しても良い光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体の含有量は、着色剤100重量部に対し、5〜500重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜400重量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤含有量は、着色剤100重量部に対し、1〜500重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から5〜400重量部であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、ミヒラーケトン誘導体等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体例には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
上記増感剤の中で、特に好適な増感剤としては、チオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体が挙げられる。さらに具体的には、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N−エチルカルバゾール、3−ベンゾイル−N−エチルカルバゾール、3,6−ジベンゾイル−N−エチルカルバゾール等が用いられる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<多官能チオール>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、多官能チオールを含有することができる。多官能チオールは、チオール(SH)基を2個以上有する化合物である。
多官能チオールは上述の光重合開始剤とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られるカラーフィルタ用着色組成物は高感度となる。特にSH基がメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。
多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、着色剤100重量部に対して、0.05〜100重量部が好ましく、より好ましくは1.0〜50.0重量部である。
多官能チオールを0.05重量部以上用いることで、より良い現像耐性を得ることができる。チオール(SH)基が1個の単官能チオールを用いた場合には、このような現像耐性の向上は得られない。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量100重量部に対し、0.003〜1.0重量部用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<紫外線吸収剤、重合禁止剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、紫外線吸収剤または重合禁止剤を含有することができる。紫外線吸収剤または重合禁止剤を含有することで、パターンの形状と解像性を制御することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(ドデシルおよびトリデシル)オキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のヒドロキシフェニルトリアジン系、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(3−tブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート等のサリチレート系、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(トリアセトン−アミン−N−オキシル)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]等のヒンダードアミン系等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
重合禁止剤としては、例えばメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、4−ベンゾキノン、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、t−ブチルカテコールなどのハイドロキノン誘導体およびフェノール化合物、フェノチアジン、ビス−(1−ジメチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン等のアミン化合物、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸マンガン、ジフェニルジチオカルバミン酸マンガン等の銅およびマンガン塩化合物、4−ニトロソフェノール、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソシクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン等のニトロソ化合物およびそのアンモニウム塩またはアルミニウム塩等が挙げられる。
これらの重合禁止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
紫外線吸収剤および重合禁止剤は、着色組成物中の着色剤100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部の量で用いることができる。
紫外線吸収剤または重合禁止剤を0.01重量部以上用いることで、より良い解像度を得ることができる。
<酸化防止剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、塗膜の透過率を上げるために、酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
酸化防止剤として好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはスルフィド系酸化防止剤などが挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、及び2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤では、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N′−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2−[(4,6,9,11−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−2−イル)オキシ]エチル]アミン、亜りん酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)が挙げられる。
スルフィド系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。
酸化防止剤の含有量は、カラーフィルタ用着色組成物の固形分の合計100重量%中、0.1〜5重量%の量で用いることが好ましい。
酸化防止剤が0.1重量%より少ない場合、透過率アップの効果が少なく、5重量%より多い場合、硬度が大きくダウンし、またカラーフィルタ用着色組成物の感度が大きく低下する。
<その他の成分>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤、または溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物等を含有させることができる。
シランカップリング剤としては、例えばビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。
シランカップリング剤は、着色組成物中の着色剤100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
アミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<カラーフィルタ用着色組成物の製造方法>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤を、分散剤を用いて、樹脂などの着色剤担体および/または溶剤中に、必要に応じて分散助剤と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(着色剤分散体)。このとき、2種以上の着色剤等を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色材担体に分散したものを混合しても良い。またこのとき、酸性アクリル系分散剤(A1)とリン酸エステルリン酸エステル(A2)は、分散時に同時に添加することが顔料分散性が良好になり好ましい。
染料等、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、カラーフィルタ用感光性着色組成物(レジスト材)として用いる場合には、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記着色剤分散体と、光重合性単量体及び/または光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の顔料分散剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、分散剤だけでなく、適宜、色素誘導体、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、明度および粘度安定性が良好になる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報、特開2001−335717号公報、特開2003−128669号公報、特開2004−091497号公報、特開2007−156395号公報、特開2008−094873号公報、特開2008−094986号公報、特開2008−095007号公報、特開2008−195916号公報、特許第4585781号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。色素誘導体を使用する場合、明度の観点から、キノフタロン骨格を有するものが好ましい。
色素誘導体の含有量は、分散性向上の観点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは35重量部以下である。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
界面活性剤を添加する場合には、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。界面活性剤の含有量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、含有量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、基材上に、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するものであり、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、および黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよいく、前記少なくとも1つのフィルタセグメントが、本発明の着色組成物から形成されてなるものである。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板等の基材上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、上記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
透明基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリックスを形成しておくと、液晶表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリックスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウム等の無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されず、本発明のカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるブラックマトリックスが好ましいものである。又、前記の透明基板又は反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントおよび/またはブラックマトリックスを形成することにより、液晶表示パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
フィルタセグメントおよびブラックマトリックスの乾燥膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜5μmである。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。
フォトリソグラフィー法による各色フィルタセグメントおよびブラックマトリックスの形成は、下記の方法で行う。すなわち、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色カラーフィルタ用着色組成物として調製したカラーフィルタ用着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。
その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成してフィルタセグメントおよびブラックマトリックスを形成することができる。さらに、現像により形成されたフィルタセグメントおよびブラックマトリックスの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、印刷法より精度の高いフィルタセグメントおよびブラックマトリックスが形成できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記カラーフィルタ用着色組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
カラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜等が形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。また、「PGMAc」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味する。
また、樹脂の重量平均分子量(Mw)、樹脂の酸価、顔料の平均一次粒子径、および塗膜のコントラスト比の測定方法は以下の通りである。
(樹脂の重量平均分子量(Mw))
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(樹脂の酸価(mgKOH/g))
樹脂の酸価は、JIS K 0070の電位差滴定法に準拠し、測定した酸価(mgKOH/g)を固形分換算した値である。
(顔料の平均一次粒子径)
顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
(塗膜のコントラスト比(CR))
液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の塗膜を通過し、もう一方の偏光板に到達する。この際、偏光板と偏光板の偏光面が並行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直交している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の塗膜を通過する際に、着色剤粒子によって散乱等が起こり、偏光面の一部にずれが生じると、偏光板が並行のときは透過する光量が減り、偏光板が直交のときは一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が並行の際の輝度と、直交の際の輝度との比を、コントラスト比として算出した。

(コントラスト比)=(並行のときの輝度)/(直交のときの輝度)

従って、塗膜中の着色剤により散乱が起こると、並行のときの輝度が低下し、かつ直交のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(株式会社ルケオ製「POLAX−38S」)を用いた。測定に際しては、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色マスクを介して測定した。
続いて、実施例および比較例に用いたアクリル樹脂溶液、分散剤、微細化顔料、塩化合物、顔料分散体、造塩化合物含有樹脂溶液の製造方法から説明する。
<アクリル樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にPGMAc70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにPGMAcを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
<分散剤の製造方法>
〈酸性アクリル系分散剤(A1)の製造方法〉
(酸性アクリル系分散剤溶液(A1−1))
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート160部、カレンズMOI−BM(昭和電工製)40部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール12部を添加して、12時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、ピロメリット酸無水物19部、シクロヘキサノン231部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し酸価42mgKOH/g、重量平均分子量9000の酸性アクリル系分散剤溶液(A1−1)を得た。
(酸性アクリル系分散剤溶液(A1−2))
表1に記載した原料と仕込み量を用いた以外は実施例1と同様にして合成を行い、酸性アクリル系分散剤溶液(A1−2)を得た。
(酸性アクリル系分散剤溶液(A1−3))
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート100部、メチルメタクリレート60部、カレンズMOI−BM(昭和電工製)40部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール12部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、BPDA[3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物(三菱化学株式会社製)]26部、ネオペンチルグリコール11部、シクロヘキサノン238部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し酸価72mgKOH/g、重量平均分子量9100の酸性アクリル系分散剤溶液(A1−3)を得た。
(酸性アクリル系分散剤溶液(A1−4))
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート80部、メチルメタクリレート60部、メタクリル酸20部、カレンズMOI−BM(昭和電工製)20部、ETERNACOLL OXMA(宇部興産製)20部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール14部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、BPAF:9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二酸無水物(JFEケミカル株式会社製)39部、C−1015N(2官能ポリカーボネートポリオール、商品名クラレポリオールC−1015N(水酸基価112mgKOH/g、クラレ株式会社製))106部、トリメリット酸無水物33部、シクロヘキサノン392部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し酸価73mgKOH/g、重量平均分子量25000の酸性アクリル系分散剤溶液(A1−4)を得た。
(酸性アクリル系分散剤溶液(A1−5))
表1に記載した原料と仕込み量を用いた以外は実施例4と同様にして合成を行い、酸性アクリル系分散剤溶液(A1−5)を得た。
以下に、上記表1に記載の略称について説明する。
カレンズ MOI−BM:メタクリル酸 2−([1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、(昭和電工製)
ETERNACOLL OXMA:(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(宇部興産製)
t−BMA:t−ブチルメタクリレート
PMA:ピロメリット酸無水物、(ダイセル化学工業株式会社製)
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、(三菱化学株式会社製)
BPAF:9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二酸無水物、(JFEケミカル株式会社製)
C−1015N:2官能ポリカーボネートポリオール、商品名クラレポリオールC−1015N、(水酸基価112mgKOH/g、クラレ株式会社製)
DBU:1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、(サンアプロ株式会社製)
〈リン酸エステル(A2)の製造方法〉
(リン酸エステル溶液(A2−1))
空気導入管、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、グリセリンジメタクリレートである「ライトエステルG−101P」(共栄社化学社製)300g、ε-カプロラクトンモノマー1155g、メチルハイドロキノン0.33g、モノブチルスズオキサイド0.35gを仕込み、乾燥空気を流しながら130℃に昇温し、2時間保持した。カプロラクトンモノマーの消失を確認した後、40℃以下に冷却し、オルトリン酸換算含有量118%のポリリン酸114gと混合し、徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、酸価99mgKOH/g、Rの数平均分子量が1200、y=1と2の存在比が100:12のリン酸エステル溶液(A2−1)を得た。
(リン酸エステル溶液(A2−2))
空気導入管、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートである「ライトエステルG−201P」(共栄社化学社製)300g、ε-カプロラクトンモノマー1199g、メチルハイドロキノン0.33g、モノブチルスズオキサイド0.33gを仕込み、乾燥空気を流しながら130℃に昇温し、2時間保持した。カプロラクトンモノマーの消失を確認した後、40℃以下に冷却し、オルトリン酸換算含有量118%のポリリン酸118gと混合し、徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、酸価104mgKOH/g、R3の数平均分子量が1380、y=1と2の存在比が100:13のリン酸エステル溶液(A2−2)を得た。
(リン酸エステル溶液(A2−3))
空気導入管、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレートを含む「M−305」(東亞合成社製)300g、ε-カプロラクトンモノマ
ー538g、メチルハイドロキノン0.33g、モノブチルスズオキサイド0.03gを仕込み、乾燥空気を流しながら140℃に昇温し、7時間保持した。カプロラクトンモノマーの消失を確認した後、40℃以下に冷却し、オルトリン酸換算含有量118%のポリリン酸29.7gと混合し、徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、酸価52mgKOH/g、Rの数平均分子量が1580、y=1と2の存在比が100:13のリン酸エステル溶液(A2−3)を得た。
「M−305」中に含まれるペンタエリスリトールトリアクリレートに対するε-カプロラクトンモノマーの理論付加モル数は13.4モルであった。
(リン酸エステル溶液(A2−4))
空気導入管、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートを含む「KAYAMER DPHA」(日本化薬社製)586g、ε-カプロラクトンモノマー980g、メチルハイドロキノン0.6g、モノブチルスズオキサイド0.1gを仕込み、乾燥空気を流しながら140℃に加温し、9間保持した。カプロラクトンモノマーの消失を確認した後、40℃以下に冷却し、オルトリン酸換算含有量118%のポリリン酸95gと混合し、徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、酸価149mgKOH/g、Rの数平均分子量が1850、y=1と2の存在比が100:12のリン酸エステル溶液(A2−4)を得た。
「KAYAMER DPHA」中に含まれるジペンタエリスリトールペンタアクリレートに対するε-カプロラクトンモノマーの理論付加モル数は15モルであった。
〈ポリエステル系分散剤(A3)の製造方法〉
(ポリエステル系分散剤溶液(A3−1))
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、1−ドデカノール62.6部、ε−カプロラクトン287.4部、触媒としてモノブチルスズ(IV)オキシド0.1部を仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で4時間加熱、撹拌した。固形分測定により98% が反応したことを確認したのち、無水ピロメリット酸73.3部を加え
、12 0℃で2時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル
化していることを確認し反応を終了しポリエステル系分散剤溶液(A3−1)を得た。得られた分散剤は常温で白色固形であり、酸価は49mgKOH/gであった。
<微細化顔料の製造方法>
(赤色微細顔料[C1−1])
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(BASF社製「IRGAZIN RED 2030」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の赤色微細顔料[C1−1]を得た。赤色微細顔料[C1−1]の比表面積は65m2/gであり、TEM観察による平均一次粒子径は54nmであった。
(赤色微細顔料[C1−2])
アントラキノン系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 177(BASF社製「CROMOPHTAL RED A2B」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の赤色微細顔料[C1−2]を得た。赤色微細顔料[C1−2]の比表面積は70m2/gであり、TEM観察による平均一次粒子径は54nmであった。
(青色微細顔料[C2])
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE ES」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の青色微細顔料[C2]を得た。青色微細顔料[C2]の比表面積は80m2/gであり、TEM観察による平均一次粒子径は50nmであった。
(緑色微細顔料[C3])
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 36(トーヨーカラー株式会社製「リオノールグリーン 6YK」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の緑色微細顔料[C3]を得た。緑色微細顔料[C3]の比表面積は75m2/gであり、TEM観察による平均一次粒子径は51nmであった。
(黄色微細顔料[C4])
イソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 139(BASF社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)500部、塩化ナトリウム500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の黄色微細顔料[C4]を得た。黄色微細顔料[C4]の比表面積は80m2/gであり、TEM観察による平均一次粒子径は49nmであった。
(紫色微細顔料[C5])
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(Clariant社製「Fast Violet RL」)500部、塩化ナトリウム2500部、及びポリエチレングリコール(東京化成社製)250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、120℃で12時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で一昼夜乾燥し、紫色微細顔料[C5]を得た。紫色微細顔料[C5]の比表面積は80m2/gであり、TEM観察による平均一次粒子径は50nmであった。
<造塩化合物の製造方法>
(造塩化合物(d−1))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 52と4級アンモニウム塩化合物であるトリステアリルモノメチルアンモニウムクロライドとからなる造塩化合物(d−1)を作製した。
10%水溶液になるよう、C.I.アシッド レッド 52を水に溶解させ、30〜50℃に加熱した後、メタノール/水=20/80溶液に5%溶液になるようトリステアリルモノメチルアンモニウムクロライドを溶解し、少しずつ滴下していく。またトリステアリルモノメチルアンモニウムクロライドは固体として用いても良い。トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライドを滴下した後、30〜50℃で3時間攪拌し十分に反応を行う。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、C.I.アシッド レッド 52とトリステアリルモノメチルアンモニウムクロライドとの造塩化合物、造塩化合物(d−1)を得た。
<顔料分散体の製造方法>
(紫色顔料分散体(V−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し紫色顔料分散体(V−1)を作製した。
紫色微細顔料[C5] :11.0部
(C.I.ピグメント バイオレット 23)
アクリル樹脂溶液1 :40.0部
樹脂型分散剤 : 1.0部
(BASF社製「EFKA4300」)
溶剤 :48.0部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC))
<造塩化合物含有樹脂溶液の製造方法>
(造塩化合物含有樹脂溶液(VD−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過し造塩化合物含有樹脂溶液(VD−1)を作製した。

造塩化合物(d−1) : 5.00部
アクリル樹脂溶液1 :75.00部
シクロヘキサノン :10.00部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :10.00部
[実施例1]
(顔料分散体(P−1)の作製)
分散剤添加量を固形分重量で、下記の組成比となるように、混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し顔料分散体(P−1)を作製した。主要溶剤として、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートを使用し、固形分NVを20%に調整した。

赤色微細顔料[C1−1] :11.0部
(C.I.ピグメント レッド 254)
酸性アクリル系分散剤溶液(A1−1)(固形分) : 6.3部
リン酸エステル溶液(A2−1)(固形分) : 2.7部
溶剤 :80.0部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC))
[実施例2〜15、比較例1〜7]
(顔料分散体(P−2〜22)の作製)
以下、表2に示す分散剤とその組成比(重量比)に変更した以外は、上記の顔料分散体(P−1)と同様にして、顔料分散体(P−2〜22)を作製した。
分散剤配合比は、固形分重量比である
[実施例16〜27、比較例8〜11]
(顔料分散体(P−23〜38)の作製)
以下、表3に示す顔料、および分散剤種、と組成比(重量比)に変更した以外は、上記の顔料分散体(P−1)と同様にして、顔料分散体(P−23〜38)を作製した。
分散剤配合比は、固形分重量比である
[顔料分散体の評価]
実施例1〜27、および比較例1〜11の顔料分散体について、耐熱性、基材密着性の評価をした。結果を表4に示す。
(耐熱性の評価方法)
真空乾燥オーブンにて、得られた顔料分散体を60℃、24時間乾燥後、微粉砕したものを測定検体とした。この測定検体をEXSTAR TG/DTA6300熱分析装置(Seiko Instruments Inc.)に供して、60〜550℃の範囲で測定を実施し、230℃での熱重量減によって比較検討を実施した。
(基材密着性の評価方法)
得られた顔料分散体をガラス基板に塗布し、230℃オーブンで20分間乾燥した。その基板を溶剤としてのN−メチルピロリドンに浸し、80℃オーブンで40分間加温した。加温後の塗膜の剥がれが激しいものを×、若干剥がれるものを△、ほとんど剥がれないものを○と判定した。
比較例との比(%)
=酸性アクリル系分散剤溶液のみを含有する顔料分散体の重量減量実測値を基準(100%)とした場合の、重量減少率を示す。
例えば、顔料分散体(P−1)の場合、顔料分散体(P−4)に対する重量減量値を比較した値となる。この比率が小さいほど、耐熱性が良好なことを示す。
リン酸エステルを混合していない比較例1〜5の顔料分散体は、耐熱性、基板密着性ともに不良であった。分散剤配合比が70:30である実施例1,4,13の顔料分散体は、耐熱性はやや不良であったが、基材密着性は非常に良好であった。実施例7,10の顔料分散体は耐熱性、基材密着性ともに良好であった。分散剤配合比が80:20である実施例2,5,8,11,14の顔料分散体は耐熱性が非常に良好であり、基材密着性も良好であった。分散剤配合比が90:10である実施例3,6,9,12,15の顔料分散体は耐熱性が非常に良好であり、密着性もやや良好であった。
また、リン酸エステル(A2)のみを使用した比較例6の顔料分散体、ポリラクトン骨格を有するポリエステル分散剤を用いた比較例7(特開2013−203825号公報参照)の顔料分散体は、耐熱性は実施例同等、あるいは良好であったが、基材密着性が不良であった。
実施例1の顔料分散体から顔料を変更した実施例16、19、22、25の顔料分散体は、耐熱性はやや不良であったが、基材密着性は非常に良好であった。実施例2の顔料分散体から顔料を変更した実施例17、20、23、26の顔料分散体は、耐熱性、基材密着性ともに良好であった。実施例3の顔料分散体から顔料を変更した実施例18、21、24の顔料分散体は、耐熱性が非常に良好であり、密着性もやや良好であった。また実施例27の顔料分散体は、耐熱性、基材密着性ともに良好であった。一方、比較例1の顔料分散体から顔料を変更した比較例8〜11の顔料分散体は、耐熱性、密着性ともに不良であった。
これらの組み合わせにおいて、リン酸エステル溶液(A2−1)以外のリン酸エステル溶液(A2−2、3、4)との組み合わせを用いて、それぞれ、実施例10〜27と同様に配合してアウトガス抑制効果について評価した。組み合わせの相性はあるが、いずれの組み合わせにおいても、実施例10〜27と同様の傾向であった。
(青色、緑色、赤色レジスト材の製造方法)
[実施例28]
(青色レジスト材(RB−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、
青色レジスト材(RB−1)を得た。

顔料分散体(P−1) :48.0部
顔料分散体(V−1) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤 : 1.2部
(BASF社製「イルガキュアー907」)
増感剤 : 0.4部
(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
溶剤 :23.2部
(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[実施例29]
(青色レジスト材(RB−2))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、
青色レジスト材(RB−2)を得た。

顔料分散体(P−1) :48.0部
顔料分散体(V−1) :12.0部
アクリル樹脂溶液1 :10.8部
熱硬化性化合物A : 0.2部
(jERYX4000H(三菱化学社製ビフェニル型エポキシ樹脂))
トリメチロールプロパントリアクリレー : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤 : 1.2部
(BASF社製「イルガキュアー907」)
増感剤 : 0.4部
(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
溶剤 :23.2部
(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[実施例30〜40、比較例12、13]
(青色レジスト材(RB−3〜15))
顔料分散体1、顔料分散体2、熱硬化性化合物の種類、および含有量(重量部)をそれぞれ表6に示すように変更した以外は青色レジスト材(RB−2)と同様にして、青色レジスト材(RB−3〜15)を作製した。
[実施例41]
(赤色レジスト材(RR−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、レジスト材(RR−1)を得た。

顔料分散体(P−23) :50.0部
顔料分散体(P−35) :10.0部
アクリル樹脂溶液1 :11.6部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 3.6部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤 : 1.2部
(BASF社製「イルガキュアー907」)
増感剤 : 0.4部
(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
溶剤 :23.2部
(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[実施例42]
(赤色レジスト材(RR−2))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、
赤色レジスト材(RR−2)を得た。

顔料分散体(P−23) :50.0部
顔料分散体(P−35) :10.0部
アクリル樹脂溶液1 :11.4部
熱硬化性化合物A : 0.2部
(jERYX4000H(三菱化学社製ビフェニル型エポキシ樹脂))
トリメチロールプロパントリアクリレート : 3.6部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤 : 1.2部
(BASF社製「イルガキュアー907」)
増感剤 : 0.4部
(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
溶剤 :23.2部
(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[実施例43〜49、比較例14、15]
(赤色レジスト材(RR−3〜11)の作製)
顔料分散体1、顔料分散体2、熱硬化性化合物の種類、および含有量(重量部)をそれぞれ表6に示すように変更した以外は赤色レジスト材(RR−2)と同様にして、赤色レジスト材(RR−3〜11)を作製した。
[実施例50]
(緑色レジスト材(RG−1)の調製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、緑色レジスト材(RG−1)を得た。
顔料分散体(P−31) :45.0部
顔料分散体(P−35) :15.0部
アクリル樹脂溶液1 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤 : 1.2部
(BASF社製「イルガキュアー907」)
増感剤 : 0.4部
(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
溶剤 :23.2部
(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[実施例51]
(緑色レジスト材(RG−2)の調製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、緑色レジスト材(RG−2)を得た。

顔料分散体(P−31) :45.0部
顔料分散体(P−35) :15.0部
アクリル樹脂溶液1 :10.8部
熱硬化性化合物A : 0.2部
(jERYX4000H(三菱化学社製ビフェニル型エポキシ樹脂))
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤 : 1.2部
(BASF社製「イルガキュアー907」)
増感剤 : 0.4部
(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」)
溶剤 :23.2部
(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
[実施例52〜57、比較例16、17]
(緑色レジスト材(RG−3〜10)の調製)
顔料分散体1、顔料分散体2、熱硬化性化合物の種類、および含有量(重量部)をそれぞれ表6に示すように変更した以外は緑色レジスト材(RG−2)と同様にして、緑色レジスト材(RG−3〜10)を作製した。
[レジスト材の評価]
得られたレジスト材の色特性(明度)とコントラスト比測定を下記の方法で行った。結果を表6〜8に示す。
(色特性の評価)
ガラス基板上にC光源において青色レジスト材はy=0.060、赤色レジスト材はx=0.640、緑レジスト材はy=0.600になるような膜厚にそれぞれのレジスト材を塗布し、この基板を230℃で20分加熱した。その後、得られた基板の明度を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。
(コントラスト比評価)
色特性を測定したものと同じ基板を用いてコントラスト比(CR)を測定した。
(移染性の評価)
実施例および比較例で製造したレジスト材を、ナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が表面に形成されたソーダガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.0μmの塗膜を形成した。 次いで、この基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、各塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を400J/mの露光量で露光した。その後、これらの基板に対して、23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm(ノズル径1mm)で吐出することにより、90秒間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した後、更に230℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークを行うことにより、基板上に硬化膜(T−1)を形成した。得られた硬化膜(T−1)について、カラーアナライザー(大塚電子(株)製MCPD2000)を用い、C光源、2度視野にて、CIE表色系における色度座標値(x,y)及び刺激値(Y)を測定した。
次に、別のレジスト材を硬化膜(T−1)上にスピンコーターを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.0μmの塗膜を形成した。次いで、この基板を室温に冷却したのち、これらの基板に対して、23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm(ノズル径1mm)で吐出することにより、90秒間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した。レジスト材の塗布から風乾するまでの一連の工程を「(工程−1)」とする。(工程−1)後の硬化膜(T−1)について、色度座標値(x、y)及び刺激値(Y)を測定し、(工程−1)前後の刺激値変化、即ちΔYを下記の4段階で評価した。なお、ΔY値が小さい程、移染性が抑制されているといえる。
◎:ΔYが0.30未満
○:ΔYが0.30以上0.50未満
△:ΔYが0.50以上、2.00未満
×:ΔYが2.00以上
熱硬化性化合物A:jERYX4000H(一般式(6)の構造を有する三菱化学社製ビフェニル型エポキシ樹脂。)
熱硬化性化合物B:オグソールPG−100(一般式(7)の構造を有する大阪ガスケミカル社製ビスアリールフルオレン系エポキシ樹脂。)
熱硬化性化合物C:エピクロン3050(一般式(8)の構造を有するDIC社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂。)
熱硬化性化合物D:エピクロンN695(一般式(9)の構造を有するDIC社製ノボラック型エポキシ樹脂。)
熱硬化性化合物E:エピクロンHP−7200H(一般式(10)の構造を有するDIC社製ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂。)
実施例28〜36の赤色、緑色、青色レジスト材はそれぞれ使用した顔料分散体の耐熱性に応じて、良好な明度(Y)を示した。一方、酸性アクリル系分散剤のみを用いた顔料分散体を用いた比較例12〜14のレジスト材は、顔料分散体の耐熱性と同様に、明度は不良となった。
さらに分散剤(A1)と分散剤(A2)とを含み、なおかつ熱硬化性化合物を含むレジスト材は、上記組成を満たさないものと比較してコントラスト比や明度がより高く、移染性が特に優れる結果となった。なかでも一般式(6)、一般式(7)および一般式(8)で表される熱硬化性化合物のようなエポキシ化合物を含むレジスト材はコントラスト比や明度と移染性のバランスが優れる結果となった。
[実施例58]
(カラーフィルタ(CF−1))
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで赤色レジスト材(RR−3)をC光源において(以下、緑色、青色にも用いる)x=0.640になるような膜厚に塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cmの紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、緑色レジスト材(RG−3)をy=0.600になるような膜厚に、青色レジスト材(RB−3)をy=0.06になるような膜厚にそれぞれ塗布し、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタ(CF−1)を得た。
(液晶表示装置の作製)
得られたカラーフィルタ上に、透明ITO電極層を形成し、その上にポリイミド配向層を形成した。このガラス基板の他方の表面に偏光板を形成した。他方、別の(第2の)ガラス基板の一方の表面にTFTアレイ及び画素電極を形成し、他方の表面に偏光板を形成した。このようにして準備された2つのガラス基板を電極層同士が対面するよう対向させて配置し、スペーサビーズを用いて両基板の間隔を一定に保ちながら位置合わせし、液晶組成物注入用開口部を残すように周囲を封止剤で封止した。開口部から液晶組成物を注入した後、開口部を封止した。このようにして作製した液晶表示装置をバックライトユニットと組み合わせて液晶パネルを得た。
[実施例59、比較例18]
(カラーフィルタ(CF−2、3))
以下、レジスト材を表9に示すレジスト材種に変更した以外は、カラーフィルタ(CF−1)と同様にしてカラーフィルタ(CF−2、3)を作製し、液晶表示装置を得た。
[カラーフィルタの評価]
得られたカラーフィルタの白色表示の明度とコントラスト比測定を下記の方法で行った。結果を表9に示す。
(白色表示の明度とコントラスト比(CR))
得られた液晶表示装置を用いて、光源を発光させカラー画像を表示し、カラーフィルタにおいては赤色、緑色、青色フィルタセグメント部分の明度をとコントラスト比を測定し、得られた明度とコントラスト比から、カラーフィルタにおける白色表示の明度とコントラスト比を求めた。
なお、明度は顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。
実施例58、59のカラーフィルタは、酸性アクリル系分散剤(A1)のみを含むレジスト材を用いた比較例15のカラーフィルタに対し、良好な白色の明度を示した。
以上のことから、酸性アクリル系分散剤(A1)、および一般式(1)で表わされるリン酸エステル(A2)を含有する本発明の着色組成物は、分散性、流動性、及び保存安定性に優れ、耐薬品性、耐熱性等の耐性に優れるだけでなく、さらには密着性にも優れた、カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタを得られることができることが確認された。

Claims (7)

  1. 着色剤、分散剤、バインダー樹脂、および溶剤を含有するカラーフィルタ用着色組成物であって、
    該分散剤が、酸性アクリル系分散剤(A1)、および一般式(1)で表わされるリン酸エステル(A2)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。

    [一般式(1)中、Rは、数平均分子量400〜30000であり、かつグリセリンジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、およびジペンタエリスリトールペンタアクリレートの少なくともいずれかに、ε−カプロラクトンを開環重合させてなるエチレン性不飽和基を有するポリエステル残基である。yは、1または2を表す。]
  2. リン酸エステル(A2)におけるy=1とy=2の存在比が、100:0〜100:30であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. 酸性アクリル系分散剤(A1)とリン酸エステル(A2)との重量配合比が95:5〜70:30であることを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  4. 酸性アクリル系分散剤(A1)が、末端水酸基を有するアクリル重合体と、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、もしくは、ポリカルボン酸無水物とを反応させてなるものであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  5. さらに熱硬化性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  6. さらに光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  7. 基材上に、請求項1〜6いずれか1項記載のカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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