JP2020076046A - 着色組成物、感光性着色組成物、およびカラーフィルタ、カラー液晶表示装置 - Google Patents

着色組成物、感光性着色組成物、およびカラーフィルタ、カラー液晶表示装置 Download PDF

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悠太 阿部
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Yoshiyuki Hirasa
美幸 平佐
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Abstract

【課題】本発明は、粘度安定性に優れた着色組成物および感光性着色組成物の提供、また、それらを用いることにより、異物が少なく、さらには耐溶剤性に優れた高品質なカラーフィルタおよびカラー液晶表示装置を提供することを目的とする。【解決手段】前記課題は、着色剤(A)、分散剤(B)、およびバインダ樹脂(C)を含み、該着色剤(A)が、一般式(1)〜(3)で表される顔料からなる群より選択される1種以上の有機顔料(A1)、を含み、かつ、該分散剤(B)が、カルボキシル基を有するポリエステル部分(X1)ならびに、熱架橋性官能基とカルボキシル基を有するビニル重合体部分(X2)、を有する分散剤(B1)を含むことを特徴とする着色組成物によって解決される。【選択図】図1

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、およびカラー固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、およびそれを用いて形成されるカラーフィルタに関する。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。その他の代表的な液晶表示装置の方式としては、一対の電極を片側の基板上に設けて基板に平行な方向に電解を印加するイン・プレーン・スイッチング(IPS)方式、負の誘電異方性をもつネマチック液晶を垂直配向させるヴァーティカリー・アライメント(VA)方式、また一軸性の位相差フィルムの光軸を互いに直交させ、光学補償を行なっているオプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)方式等があり、それぞれが実用化されている。
液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高コントラスト化、高輝度化の要求が高まっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極及び配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
カラーフィルタに要求される品質項目としては、輝度とコントラスト比が挙げられる。コントラスト比が低いカラーフィルタを用いると、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまい、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ぼやけた画面となってしまう。そのため高品質な液晶表示装置を実現するためには、高コントラスト化が不可欠である。
また、輝度が低いカラーフィルタを用いると、光の透過率が低いため、暗い画面となってしまい、明るい画面とするためには、光源であるバックライトの数を増量する必要がある。そのため消費電力の増大を抑制する観点から、カラーフィルタの高輝度化がトレンドとなっている。さらに、前述のようにカラー液晶装置がテレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高輝度化、高コントラスト化とともに、高い信頼性の要求も高くなっている。
カラーフィルタ基板の3原色(赤・緑・青;RGB)の一つである赤色フィルタセグメントには、着色剤としてジケトピロロピロール顔料、アントラキノン顔料またはペリレン顔料等の耐光性および耐熱性に優れる顔料を単独または組み合わせて用いることが一般的である。
上記顔料種の中でも、輝度の観点から、ジケトピロロピロール顔料であるC.I.ピグメントレッド254が、コントラスト比の観点から、アントラキノン顔料であるC.I.ピグメントレッド177が、主顔料として使用されている。この中で、C.I.ピグメントレッド177は、分光透過率がC.I.ピグメントレッド254より低く、分光形状も不良であるため、C.I.ピグメントレッド177を添加するにつれて、輝度低下を引き起こしてしまう欠点があった。そこで、輝度に優れたC.I.ピグメントレッド177代替材料の開発が望まれている。
特許文献1にはアゾ顔料、特許文献2にはジスアゾ顔料を主顔料として使用することが提案されているが、それらのアゾ顔料に特有の溶剤への親和性や、顔料表面の酸性度等の特徴を踏まえた、顔料分散性、流動性、保存安定性面でのさらなる改善が求められている。
特表2007−533802号公報 特開2014−160160号公報
粘度安定性に優れた着色組成物および感光性着色組成物の提供、また、それらを用いることにより、異物が少なく、さらには耐溶剤性に優れた高品質なカラーフィルタおよびカラー液晶表示装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔8〕に関する。
〔1〕 着色剤(A)、分散剤(B)、およびバインダ樹脂(C)を含み、該着色剤(A)が、下記一般式(1)〜(3)で表される顔料からなる群より選択される1種以上の有機顔料(A1)、を含み、かつ、該分散剤(B)がテトラカルボン酸無水物及びトリカルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸無水物中の酸無水物基と水酸基含有化合物中の水酸基とを反応させてなる、カルボキシル基を有するポリエステル部分(X1)ならびに、水酸基、オキセタン基、t−ブチル基、ブロックイソシアネート基、および(メタ)アクリロイル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱架橋性官能基を有するエチレン性不飽和単量体(b1)と、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(b2)とをラジカル重合してなるビニル重合体部分(X2)、を有する分散剤(B1)を含むことを特徴とする着色組成物。
一般式(1)
一般式(1)中、Rは、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す。
〜Xは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、ハロゲン原子を表す。
一般式(2)
一般式(2)中、Rは、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す。
〜X12は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子を表す。Aは、直接結合、または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、置換基を有してもよいアルキレン基、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−COO−、−CONH−、−SONH−を表す。
一般式(3)
一般式(3)中、Aは、それぞれ独立して、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェニル基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。
1は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基
、−OR7、または−COOR8を表す。R2〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR9、−COOR10、−CONHR11、または−SO2NHR12を表し、R2〜R6のうち少なくとも1つはトリフルオロメチル基を表す。R7〜R12は、それぞれ独立して、水素
原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
〔2〕さらに着色剤(A)として、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185、下記一般式(4)で表される顔料、および下記一般式(5)で表される有機顔料(A2)からなる群より選択される1種以上を含む、〔1〕記載の着色組成物。
一般式(4)
一般式(4)中、Aは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよい複素環基を表す。R51は、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR57または−COOR58を表す。R57、R58は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
一般式(5)
一般式(5)中、Z〜Z13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基、−SOH、−COOH、およびこれら酸性基の1価〜3価の金属塩、アルキルアンモニウム塩、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または置換基を有してもよいスルファモイル基を示し、
〜Z、および/または、Z10〜Z13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する場合がある。
〔3〕さらに着色剤(A)が、キサンテン系、ジピロメテン系、トリアリールメタン系、シアニン系、フタロシアニン系およびアントラキノン系からなる染料(a)より選択される1種以上を含む〔1〕または〔2〕に記載の着色組成物。
〔4〕前記キサンテン系染料が、アニオン性基を有するキサンテン系酸性染料と、側鎖にカチオン性基を有する樹脂との造塩化合物である、〔3〕に記載の着色組成物。
〔5〕前記分散剤(B)がさらに、ピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2)を含むことを特徴とする〔1〕〜〔4 〕いずれか1に記載の着色組成物。
〔6〕〔1〕〜〔5〕いずれか1に記載の着色組成物に加えて、さらに重合性化合物(D
)、光重合開始剤(E)を含むことを特徴とする感光性着色組成物。
〔7〕〔6〕に記載の感光性着色組成物を用いて形成されるカラーフィルタ。
〔8〕〔7〕のカラーフィルタを備える、液晶表示装置。
本発明の粘度安定性に優れた感光性着色組成物を用いることにより、異物が少なく、さらには耐溶剤性に優れた高品質なカラーフィルタ、カラー液晶表示装置を提供できる。
図1は、液晶表示装置の模式的断面図である。
以下に、本発明の感光性着色組成物の各構成成分について説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「
アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
<着色剤(A)>
本発明の着色組成物を構成する着色剤(A)は、着色剤(A)が、下記一般式(1)〜(3)で表される顔料からなる群より選択される1種以上の有機顔料(A1)を含むことを特徴とする。
<有機顔料(A1)>
一般式(1)
一般式(1)中、Rは、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す。
〜Xは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、ハロゲン原子を表す。
において「ハロゲン原子」としては、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素が挙げることができ、これらの中でも塩素が好ましい。
において「置換基を有してもよいアルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、tert−アミル基、2−エチルヘキシル基、ステアリル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2−メトキシエチル基、2−クロロエチル基、2−ニトロエチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基等を挙げることができ、これらの中でもメチル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
において「置換基を有してもよいアルコキシル基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基、2−(ジエチルアミノ)エトキシ基等を挙げることができ、これらの中でもメトキシ基、トリフルオロメトキシ基が好ましく、中でもメトキシ基が特に好ましい。
において「置換基を有してもよいアリールオキシ基」としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、3,5−クロロフェニルオキシ基、4−クロロ−2−メチルフェニルオキシ基、4−tert−ブチルフェニルオキシ基、4−メ
トキシフェニルオキシ基、4−ジエチルアミノフェニルオキシ基、4−ニトロフェニルオキシ基等を挙げることができ、これらの中でもフェノキシ基が好ましい。
およびRにおいて、「置換基を有してもよいアルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、tert−アミル基、2−エチルヘキシル基、ステアリル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2−メトキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−クロロエチル基、2−ニトロエチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基等を挙げることができ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
およびRにおいて、「置換基を有してもよいフェニル基」の置換基としては、Rにおけるハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、及び置換基を有してもよいアリールオキシ基が挙げられ、これら以外にも、ヒドロキシル基、アミノ基、−NR、スルホ基、−SONR10、−COOR11、−CONR1213、ニトロ基、シアノ基が挙げられる。
〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基を表し、「置換基を有してもよいアルキル基」としては、アミノ基、モノアルキルアミノ基、またはジアルキルアミノ基で置換されているアルキル基が好ましい。
〜Xにおいて、「置換基を有してもよいアルキル基」としては、Rにおけるものと同義であり、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
〜Xにおいて、「置換基を有してもよいアルコキシル基」としては、Rにおけるものと同義である。
一般式(2)
一般式(2)中、Rは、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す。
〜X12は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子を表す。Aは、直接結合、または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、置換基を有してもよいアルキレン基、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−COO−、−CONH−、−SONH−を表す。
において、「ハロゲン原子」、「置換基を有してもよいアルキル基」、「置換基を
有してもよいアルコキシル基」、及び「置換基を有してもよいアリールオキシ基」としては、Rにおけるものと同義である。
およびRにおいて、「置換基を有してもよいアルキル基」、「置換基を有してもよいフェニル基」としては、RおよびRにおけるものと同義である。
〜X12において、「置換基を有してもよいアルキル基」、「置換基を有してもよいアルコキシル基」としては、Rにおけるものと同義である。
Aにおいて、置換基を有してもよいアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ドデシレン基が挙げられ、置換基としては、Rで表される「置換基を有してもよいアルキル基」が挙げられる。
一般式(2)におけるAとしては、置換基を有してもよいアルキレン基、−O−、−S−、−CO−、−SO−であることが好ましく、その中でも−SO−が特に好ましい。
一般式(3)
一般式(3)中、Aは、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよい複素環基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−ORまたは−COORを表す。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR、−COOR10、−CONHR11、−NHCOR12または−SONHR13を表す。R〜R13は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
一般式(3)で表されるナフトールアゾ顔料の中でも、好ましくは、R〜Rのうち少なくとも1つがトリフルオロメチル基であるアゾ顔料、あるいはR〜Rのうち少なくとも1つが−NHCOR12であるアゾ顔料が、顔料粒子を微細化しやすくコントラスト比が秀でているため好ましい。
一般式(3)で表されるナフトールアゾ顔料としては、カラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、C.I.ピグメントレッド31、32、146、147、150、184、187、188、210、238.245.247、266、268、269、C.I.バイオレット25、または50等が挙げられる。これらの中でも、色相・明度の観点から、C.I.ピグメントレッド150、170、187、266、268、269が好ましい。
一般式(3)中、Aにおいて、置換基を有してもよいフェニル基の「置換基」としては、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。したがって、置換基を有してもよいフェニル基の具体例としては、フェニル基、p-メチルフェニル基、4−tert−ブ
チルフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、2,4−ジクロロフェ
ニル基、3−カルバモイルフェニル基、2−クロロ−4−カルバモイルフェニル基、2−メチル−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−メチル−3−スルファモイルフェニル基、4−スルホフェニル基、4−カルボキシフェニル基、2−メチル−4−スルホフェニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、Aにおいて、置換基を有してもよい複素環基の「置換基」としては、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。また、「複素環」とは、環系を構成する原子の中に、炭素原子以外のヘテロ原子が1個以上含まれるものを意味し、飽和環であっても不飽和環であっても良く、更に単環であっても縮合環であっても良い。したがって、複素環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、キノリン環、ベンゾフラン環、インドール環、モルホリン環、ピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロフラン環などが挙げられる。ゆえに、複素環基とは、これら複素環から水素原子を除いて誘導される一価の遊離基を意味し、したがって、置換基を有してもよい複素環基の具体例としては、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピローリル基、3−ピローリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、ピペリジノ基、4−ピペリジル基、モルホリノ基、2−モルホリニル基、N−インドリル基、2−インドリル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−キノリノ基、N−カルバゾリル基などが挙げられる。
また、R〜Rにおけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、R〜R13における炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
顔料としては、明度の観点から、Aが、置換基を有してもよいフェニル基であることが好ましい。さらに、明度および分散性の観点から、R1が炭素数1〜4のアルキル基また
は−ORであることが好ましく、Rがメチル基またはメトキシ基であることがより好ましい。
本発明に用いる着色剤は、化学構造が一般式(3)、またはその互変異性体であっても
良く、あらゆる結晶形態を持った顔料であっても良く、いわゆる多形と呼称されるあらゆる結晶形態を持った顔料同士の混晶であっても良い。これら顔料の結晶形態は、粉末X線回折測定やX線結晶構造解析により確認できる。
<有機顔料(A2)>
本発明の着色組成物には、色度を調製するため等に、本発明の効果を損なわない範囲で上記有機顔料(A1)以外の有機顔料(A2)あるいは染料(a)といったその他の着色剤を併用する。これらの着色剤は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
有機顔料(A2)の好ましい例としては、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185、下記一般式(4)で表される顔料、および下記一般式(5)で表される顔料が挙げられる。
一般式(4)
[一般式(4)中、Aは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよい複素環基を表す。R51は、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR57または−COOR58を表す。R57、R58は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
1において、置換基を有してもよいフェニル基の「置換基」、および置換基を有して
もよい複素環基の「置換基」は、一般式(4)のAにおける「置換基」と同様である。
また、R51、R57、R58における炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
顔料としては、明度の観点から、A1が、置換基を有してもよいフェニル基であること
が好ましい。さらに、明度および分散性の観点から、R51が炭素数1〜4のアルキル基または−OR57であることが好ましく、R51がメチル基またはメトキシ基であることがより好ましい。
本発明に用いる着色剤は、化学構造が一般式(4)、またはその互変異性体であっても良く、あらゆる結晶形態を持った顔料であっても良く、いわゆる多形と呼称されるあらゆる結晶形態を持った顔料同士の混晶であっても良い。これら顔料の結晶形態は、粉末X線回折測定やX線結晶構造解析により確認できる。
このような一般式(4)で表されるナフトールアゾ顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド176等が挙げられる。
一般式(5)
一般式(5)中、Z〜Z13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基、−SOH、−COOH、およびこれら酸性基の1価〜3価の金属塩、アルキルアンモニウム塩、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または置換基を有してもよいスルファモイル基を示す。
〜Z、および/または、Z10〜Z13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する場合がある。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、ステアリル基、2−エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基の他、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジブロモエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−ニトロプロピル基、ベンジル基、4−メチルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−ニトロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3−ジメチル−3−ペントキシ、n−へキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基の他、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシ基、2,2−ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−ブトキシエトキシ基、2−ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等の置換基を有するアルコキシル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等のアリール基の他、p−メチルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ニトロ
フェニル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−アミノフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、4−ヒドロキシ−1−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、4,5,8−トリクロロ−2−ナフチル基、アントラキノニル基、2−アミノアントラキノニル基等の置換基を有するアリール基が挙げられる。
また、酸性基としては、−SOH、−COOHが挙げられ、これら酸性基の1価〜3価の金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等が挙げられる。また、酸性基のアルキルアンモニウム塩としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等の長鎖モノアルキルアミンのアンモニウム塩、パルミチルトリメチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム塩等の4級アルキルアンモニウム塩が挙げられる。
置換基を有してもよいフタルイミドメチル基(C(CO)N−CH−)、および、置換基を有してもよいスルファモイル基(HNSO−)における「置換基」としては、上記のハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基等が挙げられる。
一般式(5)のZ〜Z、および/または、Z10〜Z13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成してもよい。ここでいう芳香環とは、炭化水素芳香環および複素芳香環が挙げられ、炭化水素芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が、また、複素芳香環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピロール環、キノリン環、キノキサリン環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、カルバゾール環などが挙げられる。
本発明に用いられる一般式(5)で表される有機顔料の具体例として、下記に示すキノフタロン化合物(a)〜(r)等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明で使用されるキノフタロン化合物は、例えば、特許公報2930774号記載の方法によって製造することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。


上記以外の有機顔料(A2)としては、例えばC.I.ピグメントレッド2、5、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、21、22、23、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、95、112、114、119、122、136、144、146、164、166、168、169、170、171、175、177、178、179、184、187、185、200、202、208、210、213、214、220、221、242、246、253、254、255、256、258、264、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、291、C.I.ピグメンオレンジ1、4、15、16、22、24、38、43、71、73、74、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、9、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、49、53、55、60、61、62、63、65、73、74、75、77、81、83、87、93、94、95、97、98、100、101、104、105、106、108、109、110、111、113、114、115、116、117、
118、119、120、123、124、126、127、128、129、130、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、205、214、213、218、219、220、221なども好適に用いることができる。
<染料(a)>
本発明の着色組成物には、カラーフィルタとして要求される光学特性を満たすため、着色剤(A)として、染料(a)を使う場合がある。好ましい染料構造としては、キサンテン系、ジピロメテン系、トリアリールメタン系、シアニン系、フタロシアニン系およびアントラキノン系から選択される1種以上を必要に応じて混合して使用する。
染料の分類としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等のいずれも用いることができる。また、これらの誘導体や、染料をレーキ化したレーキ顔料の形態であってもかまわない。
さらに、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有する酸性染料、直接染料の形態の場合は、酸性染料の無機塩や、酸性染料と四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、もしくは一級アミン化合物等の含窒素化合物との造塩化合物、またはこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化して造塩化合物として用いること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることで耐性に優れたものとなるために、堅牢性に優れた着色組成物とすることができ、好ましい。
また、酸性染料とオニウム塩基を有する化合物との造塩化合物も、堅牢性に優れるため好ましく、より好ましくは、オニウム塩基を有する化合物が、側鎖にカチオン性基を有する樹脂である場合である。
塩基性染料の形態の場合は、有機酸や過塩素酸もしくはその金属塩を用いて造塩化して用いることができる。中でも、塩基性染料の造塩化合物が耐性、顔料との併用性に優れているために好ましく、さらに塩基性染料と、カウンタイオンとしてはたらくカウンタ成分である有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、または酸性染料とを造塩した、造塩化合物を用いることがより好ましいものである。
また、色素骨格に重合性不飽和基を有する場合、耐性に優れた染料とすることができ、好ましい。
染料の化学構造としては、例えば、アゾ系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、及びそれらの金属錯体系染料等から選ばれる染料に由来する色素構造を挙げることができる。
これらの色素構造の中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ系
染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリアリールメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリアリールメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造がより好ましい。色素構造を形成しうる具体的な色素化合物については「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸善、1970)、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colourists)、「色素ハンドブック」(大河原他編;講談社、1986)などに記載されている。
[キサンテン系染料]
本発明において好ましく用いることのできるキサンテン系染料は、赤色、紫色を呈するものであり、油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料のいずれかの形態を有するものであることが好ましい。またこれらの染料をレーキ化したレーキ顔料の形態であってもかまわない。
これらの中でも、キサンテン系油溶性染料、キサンテン系酸性染料、を用いることが色相に優れるために好ましい。
赤色、紫色を呈するとは、C.I.ソルベントレッド、C.I.ソルベントバイオレット等の油溶性染料、C.I.ベーシックレッド、C.I.ベーシックバイオレット等の塩基性染料、C.I.アシッドレッド、C.I.アシッドバイオレット等の酸性染料、C.I.ダ
イレクトレッド、C.I.ダイレクトバイオレット等の直接染料等、に属するものが挙げ
られる。
ここで直接染料は、構造中にスルホン酸基(−SOH、−SONa)を有しており
、本発明においては、直接染料は酸性染料として見なすものである。
また、キサンテン系塩基性染料は、有機酸や過塩素酸を用いて造塩化して用いることが好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸を用いることが好ましい。中でもトビアス酸等のナフタレンスルホン酸、過塩素酸を用いることが耐性の面で好ましい。さらに具体的にいうと、キサンテン系染料が、アニオン性基を有するキサンテン系酸性染料と、側鎖にカチオン性基を有する樹脂との造塩化合物であることが好ましい。
また、キサンテン系酸性染料は、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、及びこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化して造塩化合物として用いること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることが耐性の面で好ましい。
これらの中でも特に、キサンテン系酸性染料の造塩化合物および/またはキサンテン系酸性染料のスルホン酸アミド化合物が色相および耐性に優れているために好ましく、さらにキサンテン系酸性染料を、カウンタイオンとしてはたらくカウンタ成分である四級アンモニウム塩化合物を用いて造塩化した化合物、およびキサンテン系酸性染料をスルホンアミド化したスルホン酸アミド化合物を用いることがより好ましいものである。
また、キサンテン系色素の中でも、ローダミン系色素は発色性、耐性にも優れているために好ましい。
以下、本発明に用いる染料の形態について具体的に詳述する。
[キサンテン系油溶性染料]
キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベント
レッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.
I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド
237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、C.I.ソルベントバイオレット10などがあげられる。
中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.
I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド10
9、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。
[キサンテン系塩基性染料]
キサンテン系塩基性染料としては、C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6GCP)
、8(ローダミンG)、C.I.ベーシックバイオレット10(ローダミンB)等があげ
られる。中でも発色性に優れる点において、C.I.ベーシックレッド1、C.I.ベーシックバイオレット10を用いることが好ましい。
[キサンテン系酸性染料]
キサンテン系酸性染料としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることが好ましい。
中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。
この中でも特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289を用いることが最も好ましい。
また、これらの酸性染料は、酸性染料と含窒素化合物との造塩化合物であることが好ましく、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、及びこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化し、キサンテン系酸性染料の造塩化合物とすることで、高い耐熱性、耐光性、耐溶剤性を付与することができるために好ましい。
また、酸性染料と、オニウム塩基を有する化合物との造塩化合物であってもよく、なかでも、オニウム塩基を有する化合物が、側鎖にカチオン性基を有する樹脂であることにより、明度および耐性に優れた着色組成物とすることが出来る。
一級アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン(ラウリルアミン)、トリドデシルアミン、テトラデシルアミン(ミリスチルアミン)、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ココアルキルアミン、牛脂アルキルアミン、硬化牛脂アルキルアミン、アリルアミン等の脂肪族不飽和1級アミン、アニリン、ベンジルアミン等が挙げられる。
二級アミン化合物としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジアリルアミン等の脂肪族不飽和2級アミン、メチルアニリン、エチルアニリン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジココアルキルアミン、ジ硬化牛脂アルキルアミン、ジステアリルアミン等が挙げられる
三級アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリベンジルアミン等が挙げられる。
四級アンモニウム塩化合物としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、モノラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド、トリアミルベンジルアンモニウムクロライド、トリヘキシルベンジルアンモニウムクロライド、トリオクチルベンジルアンモニウムクロライド、トリラウリルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド、及びベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロライド、ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド(硬化牛脂)等が挙げられる。
具体的な四級アンモニウム塩化合物の製品としては、例えば花王社製のコータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、サニゾールC、サニゾールB−50等、ライオン社製のアーカード210−80E、2C−75、2HT−75、2HTフレーク、2O−75I、2HP−75、2HPフレーク等があげられ、中でもコータミンD86P(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド)、アーカード2HT−75(ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド)が挙げられる。
[側鎖にカチオン性基を有する樹脂]
側鎖にカチオン性基を有する樹脂について説明する。造塩化合物を得るための側鎖にカチオン性基を有する樹脂としては、側鎖に少なくとも1つのオニウム塩基を有するものであれば、特に制限はないが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びホスホニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びスルホニウム塩であることがより好ましい。さらに好ましくはアンモニウム塩である。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂は、下記一般式(6)で示す構造単位を含むアルカリ樹脂であって一般式(6)中のカチオン性基が、キサンテン系酸性染料のアニオン性基と塩形成することで、造塩化合物を得ることができる。
一般式(6)
[一般式(6)中、R51は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R52〜R54は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R52〜R54のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R55−、−COO−R55−を表し、R55はアルキレン基を表す。Yは無機または有機のアニオンを表す。]
[塩形成]
酸性染料と、含窒素化合物または側鎖にカチオン性基を有する樹脂との造塩化合物は、従来知られている方法により製造することができる。特開平11−72969号公報などに具体的な手法が開示されている。
キサンテン系酸性染料を用いて一例をあげると、キサンテン系酸性染料を水に溶解した後、四級アンモニウム塩化合物を添加、攪拌しながら造塩化処理を行なえばよい。ここでキサンテン系酸性染料中のスルホン酸基(−SOH)、スルホン酸ナトリウム基(−SONa)の部分と四級アンモニウム塩化合物のアンモニウム基(NH )の部分が結合した造塩化合物が得られる。また水の代わりに、メタノール、エタノールも造塩化時に使用可能な溶媒である。
また、本発明に用いる造塩化合物は、一般式(6)で示す側鎖にカチオン性基を有する樹脂と、酸性染料とを溶解させた水溶液を攪拌または振動させるか、あるいは一般式(6)で示す側鎖にカチオン性基を有する樹脂の水溶液と酸性染料の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、容易に得ることができる。水溶液中で、樹脂のアンモニウム基と酸性染料のアニオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり析出する。逆に、樹脂の対アニオンと酸性染料の対カチオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用する側鎖にカチオン性基を有する樹脂、および酸性染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
また、その他の酸性染料においても、キサンテン系染料と同様の手法で、含窒素化合物または側鎖にカチオン性基を有する樹脂との造塩化合物を得ることができる。
[スルホン酸アミド化合物]
本発明に用いる酸性染料は、スルホン酸アミド化合物と、アニオン性染料とを反応させて得られたスルホン酸アミド化合物であっても構わない。
本発明の酸性染料に好ましく用いることのできる酸性染料のスルホン酸アミド化合物は、−SOH、−SONaを有する酸性染料を常法によりクロル化して、−SOHを−SOClとし、この化合物を、−NH基を有するアミンと反応して製造することが
できる。
また、スルホンアミド化において好ましく使用できるアミン化合物としては、具体的には、2−エチルへキシルアミン、ドデシルアミン、3−デシロキシプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、シクロへキシルアミン等を用いることが好ましい。
キサンテン系酸性染料を用いて一例をあげると、C.I.アシッドレッド289を3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用いて変性したスルホン酸アミド化合物を得る場合は、C.I.アシッドレッド289をスルホニルクロリド化した後、ジオキサン中で理論当量の3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンと反応させてC.I.アシッドレッド289のスルホン酸アミド化合物を得ればよい。
また、C.I.アシッドレッド52を3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用いて変性したスルホン酸アミド化合物を得る場合も、C.I.アシッドレッド52をスルホニルクロリド化した後、ジオキサン中で理論当量の3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンと反応させてC.I.アシッドレッド52のスルホン酸アミド化合物を得ればよい。
また、その他の酸性染料においても、キサンテン系染料と同様の手法でスルホン酸アミド化合物を得ることができる。
このようなキサンテン系染料としては、特開2010−032999号公報、特開2011−138094号公報、特開2011−227313号公報、特開2011−242752号公報、特開2012−107192号公報、特開2013−033194号公報、特願2011−71888号公報、特願2013−72263号公報、特願2013−81209号公報、特開2014−173064号公報、特願2013−53028号公報、特願2013−52186号公報、特開2014−196392号公報、特開2014−196393号公報、特開2014−201714号公報、特開2014−201715号公報、特開2013−050693号公報、特開2013−178478号公報、特開2013−203956号公報、国際公開第2013/011687号パンフレット等に記載されている公知技術を用いることができる。
[ジピロメテン系染料]
ジピロメテン系染料としては、ジピロメテン色素に由来する部分構造を、色素部位の部分構造として有する染料であり、ジピロメテン化合物、およびジピロメテン化合物と金属、または金属化合物とから得られるジピロメテン金属錯体化合物が好ましく、なかでも、一般式(7)で示す構造が金属原子又は金属化合物に配位した金属錯体化合物(以下、適宜「ジピロメテン金属錯体化合物」と称する。)が好ましい。
[ジピロメテン金属錯体化合物]
一般式(7)で表される構造が金属原子又は金属化合物に配位した金属錯体化合物(ジピロメテン金属錯体化合物)について説明する。
一般式(7)
一般式(7)中、R61〜R66は、各々独立に、水素原子、又は一価の置換基を表し、R67は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
金属又は金属化合物としては、錯体を形成可能な金属原子又は金属化合物であればいずれであってもよく、2価の金属原子、2価の金属酸化物、2価の金属水酸化物、又は2価の金属塩化物が含まれる。金属又は金属化合物には、例えば、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe、B等の他に、AlCl、InCl、FeCl、TiCl、SnCl、SiCl、GeClなどの金属塩化物、TiO、VO等の金属酸化物、Si(OH)等の金属水酸化物も含まれる。
これらの中でも、金属又は金属化合物としては、錯体の安定性、分光特性、耐熱、耐光性、及び製造適性等の観点から、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Mo、Mn、Cu、Ni、Co、TiO、B、又はVOが好ましく、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Cu、Ni、Co、B、又はVOが更に好ましく、Fe、Zn、Cu、Co、B、又はVOが最も好ましい。
このようなジピロメテン系染料としては、特許第5085256号公報、特開2008−292970号公報、特開2010−85758号公報、特開2010−84009号公報、特願2010−43530号公報、特開2013−080010号公報、特開2013−210596号公報、国際公開第2013/141156号パンフレット等に記載されている公知技術を用いることができる。
ここで、本発明に用いる着色剤におけるジピロメテン系染料としては、カラーフィルタの明度およびコントラスト比を向上させる観点から、500〜600nm付近に吸収極大を有するジピロメテン系染料が好ましく、525〜575nm付近に吸収極大を有するジピロメテン系染料がより好ましく、540〜560nm付近に吸収極大を有するジピロメテン系染料が特に好ましい。
そのようなジピロメテン系染料としては、特許第5085256号公報記載の例示化合物I−1(吸収極大558.2nm)や、III−45(吸収極大546.7nm)等が挙げられる。
[トリアリールメタン系染料]
トリアリールメタン系染料骨格としては、ジアミノトリフェニルメタン系染料骨格、トリアミノトリフェニルメタン系染料骨格、OH基を有するロゾール酸系染料骨格等があげられる。
トリアミノトリフェニルメタン系染料骨格は、色調に優れ、他のものよりも日光堅牢性に優れている点で好ましい。その中でも、塩基性染料であるジフェニルナフチルメタン染料骨格が特に好ましい。
[トリアリールメタン系塩基性染料]
トリアリールメタン系塩基性染料は、中心の炭素に対してパラの位置にあるNHあるいはOH基が酸化によりキノン構造をとることによって発色するものである。
NH、OH基の数によって以下3つの型に分けられるが、中でもトリアミノアリールメタン系の塩基性染料の形態であることが良好な青色、赤色、緑色を発色する点で好ましいものである。
a)ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
b)トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料
c)OH基を有するロゾール酸系塩基性染料
トリアミノトリフェニルメタン系塩基性染料、ジアミノトリフェニルメタン系塩基性染料は色調が鮮明であり、他のものよりも日光堅ロウ性に優れ好ましいものである。
ブルー系のトリアリールメタン系塩基性染料は、400〜440nmにおいて高い透過率を持つ分光特性を有しているために、とくに青色フィルタセグメントの形成用に用いた場合に、高い明度とすることができるために好ましいものである。
トリアリールメタン系塩基性染料として具体的には、C.I.ベーシック バイオレッ
ト1(メチルバイオレット)、同3(クリスタルバイオレット)、同14(Magenta)、C.I.ベーシック ブルー1(ベーシックシアニン6G)、同5(ベーシックシ
アニンEX)、同7(ビクトリアピュアブルー BO)、同26(ビクトリアブルー B
conc.)、C.I.ベーシック グリーン1(ブリリアントグリーンGX)、同4(マラカイトグリーン)等があげられる。
中でも明度の点から、C.I.ベーシック ブルー7を用いることが好ましい。
また、トリアリールメタン系塩基性染料の場合、有機酸や過塩素酸もしくはその金属塩を用いて造塩化して用いることができる。中でも、塩基性染料の造塩化合物が耐性、顔料との併用性に優れているために好ましく、さらに塩基性染料と、カウンタイオンとしてはたらくカウンタ成分である有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、または酸性染料とを造塩した、造塩化合物を用いることがより好ましいものである。
具体的にはヘテロポリ酸や、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸等の有機スルホン酸、脂肪族硫酸、芳香族硫酸等の有機硫酸、芳香族カルボン酸、脂肪酸などの有機カルボン酸といった有機酸、または酸性染料の形態を有するものである。またはそれらの金属塩であってもよい。また、酸基を有する樹脂との造塩化合物も好ましい。
[塩形成]
これらの塩基性染料とアニオン性カウンタとの造塩化合物は従来知られている方法により合成することができる。特開2003−215850号公報などに具体的な手法が開示されている。
一例をあげると、トリアリ−ルメタン系塩基性染料を水に溶解した後、有機スルホン酸や(有機スルホン酸ナトリウム)溶液を添加、攪拌しながら造塩化処理を行なえばよい。ここでトリアリ−ルメタン系塩基性染料中のアミノ基(−NHC)の部分と有機スルホン酸のスルホン酸基(−SOH)の部分が結合した造塩化合物が得られる。
ここで有機スルホン酸は造塩処理を行う前に、水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液に溶解させ、スルホン酸ナトリウムの形態(−SONa)として用いることもできる。また本発明においては、スルホン酸基(−SOH)とスルホン酸ナトリウムである官能基(−SONa)も同義である。
このようなトリアリールメタン系染料としては、特開2002−014222号公報、特開2003−246935号公報、特開2003−246935号公報、特開2008−304766号公報、特開2010−256598号公報、特願2011−200560号公報、特開2011−186043号公報、特開2012−173399号公報、特開2012−233033号公報、特開2012−098522号公報、特願2012−288970号公報、特願2012−200469号公報、特開2014−196262号公報、国際公開第2010/123071号パンフレット、国際公開第2011/162217号パンフレット、国際公開第2013/108591号パンフレット等に記載されている公知技術を用いることができる。
[シアニン系染料]
シアニン系染料としては、分子内にシアニン骨格を含む色素部位を有する化合物であれば、制限無く用いることができる。
シアニン系染料としては、例えばC.I.ベーシックエロー11、12、13、14、21、22、23、24、28、29、33、35、40、43、44、45、48、49、51、52、53、C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、27、35、36、37、45、48、49、52、53、66、68、C.I.ベーシックバイオレット7、15、16、20、21、39、40、C.I.ベーシックオレンジ27、42、44、46、C.I.ベーシックブルー62、63等が挙げられる。
その他、特開2014−224970、特開2013−261614等に記載されているシアニン系染料も用いることができる。
[アントラキノン系染料]
アントラキノン染料は、分子内にアントラキノン骨格を有する染料である。
アントラキノン染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー117、163、167、189、C.I.ソルベントオレンジ77、86、C.I.ソルベントレッド111、143、145、146、150、151、155、168、169、172、175、181、207、222、227、230、245、247、C.I.ソルベントバイオレット11、13、14、26、31、36、37、38、45、47、48、51、59、60、C.I.ソルベントブルー14、18、35、36、45、58、59、59:1、63、68、69、78、79、83、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、128、132、136、139、C.I.ソルベントグリーン3、28、29、32、33、C.I.アシッドレッド80、C.I.アシッドグリーン25、27、28、41、C.I.アシッドバイオレット34、C.I.アシッドブルー25、27、40、45、78、80、112、C.I.ディスパースイエロー51、C.I.ディスパースバイオレット26、27、C.I.ディスパースブルー1、14、56、60、C.I.ダイレクトブルー40、C.I.モーダントレッド3、11、C.I.モーダントブルー8等が挙げられる。また、特開平9−291237号公報、国際公開第2003/080734号パンフレット、国際公開第2006/024617号パンフレット、特開2011−174987号公報、特開2013−53273号公報等に記載のアントラキノン染料を公知技術として用いることができる。アントラキノン染料は、有機溶媒に溶解するものが好ましく、青色、バイオレット色又は赤色のアントラキノン染料がより好ましい。アントラキノン染料としては、C.I.ソルベントブルー35、C.I.ソルベントブルー45、C.I.アシッドブルー80、C.I.ソルベントブルー104、及びC.I.ソルベントブルー122が明度やコントラスト比の観点で好ましい。
<顔料の微細化>
本発明の感光性着色組成物に使用する顔料の微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化することができる。顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は10〜80nmの範囲であることが好ましい。10nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になり、80nmよりも大きくなると十分なコントラスト比を得ることができない場合がある。このような理由から、より好ましい平均一次粒子径は15〜70nmの範囲である。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、プラネ
タリー型ミキサー等のバッチ式又は連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50〜2000質量部用いることが好ましく、300〜1000質量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100質量部に対し、5〜1000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対し、5〜200質量部の範囲であることが好ましい。
<分散剤(B)>
分散剤(B)は、テトラカルボン酸無水物及びトリカルボン酸無水物から選ばれる一種以上の酸無水物中の酸無水物基と水酸基含有化合物中の水酸基とを反応させてなる、カルボキシル基を有するポリエステル部分(X1)と、
水酸基、オキセタン基、t−ブチル基およびブロックイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱架橋性官能基を有するエチレン性不飽和単量体(b1)と、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(b2)とをラジカル重合してなるビニル重合体部分(X2)と、を有する分散剤(B1)を含む。
こうした架橋性官能基を有する分散剤は、溶剤耐性に優れ好ましい。
さらに、分散剤(B)は、ピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2)を含むことが好ましい。
(分散剤(B1))
分散剤(B1)は、ポリエステル部分(X1)が、顔料吸着基として、ビニル重合体部分(X2)が顔料担体親和基として、作用することにより、顔料の凝集を抑え、安定性に優れた分散体を得ることができる。そして更に、この分散剤(B1)におけるビニル重合体部分(X2)が、熱架橋性基を有することにより、該分散剤(B1)とエポキシ化合物とともに含有する着色組成物は、硬化した後の耐薬品性、耐溶剤性が優れる。
分散剤(B1)の含有量は、顔料100重量部に対し、好ましくは0.01〜100重量部、より好ましくは0.01〜60重量部、更に好ましくは5〜40重量部である。分散剤(B1)の含有量がこの範囲にある場合、分散性および耐性に優れたものとすることができる。
また、分散剤(B1)の重量平均分子量は、好ましくは、2,000〜100,000である。重量平均分子量が2,000未満であれば顔料組成物の安定性が低下する場合があり、100,000を超えると樹脂間の相互作用が強くなり、着色組成物の増粘が起きる場合がある。又、得られた分散剤の酸価は、5〜200mgKOH/gが好ましい。更に好ましくは、5〜150mgKOH/gであり、特に好ましくは、5〜100mgKOH/gである。酸価が5mgKOH/g未満では、顔料への吸着能が低下し分散性に問題がでる場合があり、200mgKOH/gを超えると、樹脂間の相互作用が強くなり着色組成物の粘度が高くなる場合がある。
続いて、分散剤(B1)の各構成要素について説明する。
[分散剤(B1)中のポリエステル部分(X1)を構成する水酸基含有化合物]
ポリエステル部分(X1)を構成する水酸基含有化合物としては、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物、片末端水酸基含有ビニル重合体、その他のポリオールが挙げられる。その中で、本発明は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物および片末端水酸基含有ビニル重合体の群から選ばれる少なくとも一種の水酸基含有化合物を含む。
〔分子内に2の水酸基と1つのチオール基を有する化合物〕
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物としては、例えば、1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール(チオグリセリン)、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、又は2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
〔片末端水酸基含有ビニル重合体〕
分散剤(B1)の合成方法の詳細は後述するが、先にポリエステル部分(X1)を合成してから次にビニル重合体部分(X2)を合成する方法と、先にビニル重合体部分(X2)を合成して次にポリエステル部分(X1)を合成する方法とある。先にポリエステル部分(X1)を合成する場合は、上述した分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物を少なくとも含む水酸基含有化合物と酸無水物を反応させる。一方先にビニル重合体部分(X2)を合成する場合は、上述した分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物の存在下、エチレン性不飽和単量体を重合させて、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物由来の水酸基が末端に導入されたビニル重合体部分(X2)を得る。そのため、次のポリエステル部分(X1)を合成する際に酸無水物と反応させるのは、ビニル重合体部分(X2)の末端水酸基となる。すなわち、先にビニル重合体部分(X2)を合成する場合は、ポリエステル部分(X1)を構成する水酸基含有化合物に、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物由来の水酸基が末端に導入されたビニル重合体部分(X2)(片末端水酸基含有ビニル重合体)も含む。
〔その他のポリオール〕
任意に用いることのできるその他のポリオールとして、特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、次のグループ(1)〜(7)に属するものがある。これらのポリオール
化合物を併用することでカルボン酸基の密度や、溶剤溶解部の割合の調整が容易になる。
(1)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリン、又はヘキサントリオール等の多価アルコール類;
(2)ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコール、又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコール等の各種のポリエーテルグリコール類;
(3)上記した各種の多価アルコール類と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、若しくはアリルグリシジルエーテル等の(環状)エーテル結合含有化合物と、の開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール類;
(4)上記した各種の多価アルコール類の1種以上と、多価カルボン酸類との共縮合によって得られるポリエステルポリオール類であって、多価カルボン酸類が、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,4−シクロヘキサンヒカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサトリカルボン酸、若しくは2,5,7−ナフタレントリカルボン酸等で特に代表されるものを用いて得られるポリオール類;
(5)上記した各種の多価アルコール類の1種以上と、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、若しくは3−メチル−δ−バレロラクトン等の各種ラクトン類と、の重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール類、又は、上記した各種の多価アルコール類と、多価カルボン酸類と、各種のラクトン類と、の重縮合反応によって得られるラクトン変性ポリエステルポリオール類;
(6)ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、一価及び/若しくは多価アルコール類のグリシジルエーテル、又は、一塩基酸及び/若しくは多塩基酸類のグリシジルエステル等のエポキシ化合物を、ポリエステルポリオールの合成時に、1種以上併用して得られるエポキシ変性ポリエステルポリオール類;
(7)ポリエステルポリアミドポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリペンタジエンポリオール、ひまし油、ひまし油誘導体、水添ひまし油、水添ひまし油誘導体、水酸基含有アクリル系共重合体、水酸基含有含フッ素化合物、又は水酸基含有シリコン樹脂等のその他のポリマーポリオール等が挙げられる。
これら(1)〜(7)に示された任意に添加するその他のポリオールは、単独使用でも2種以上の併用でもよいことは勿論であるが、その重量平均分子量としては、相溶性や分散安定性の観点から、40〜10,000が好ましく、より好ましくは、100〜2,000であり、更に好ましくは、100〜1,000である。重量平均分子量が、40未満では、相溶性や分散安定性を改善する効果は小さく、重量平均分子量が、10,000以
上では、かえって相溶性が悪くなる場合がある。
その他のポリオールの一分子中の水酸基の数は、分散剤(B1)の分子量調整や、分散液の粘度調整のため等、設計の観点からジオールが好ましい。特に、テトラカルボン酸二無水物と反応することで、主鎖に顔料吸着基となるカルボキシル基を規則的に並べることができ、顔料分散に有利である。水酸基が二つより多いポリオールを多く用いると、ポリエステルの主鎖が分岐して複雑かつ嵩高くなり、分散効果が得られにくくなる場合がある。
[分散剤(B1)中のポリエステル部分(X1)を構成する酸無水物]
分散剤(B1)のポリエステル部分(X1)を構成する酸無水物は、テトラカルボン酸無水物及びトリカルボン酸無水物から選ばれる一種以上を含有する。
テトラカルボン酸二無水物の二つの無水物基は、上述した水酸基含有化合物の水酸基と反応することによって、分散剤(B1)の主鎖に顔料吸着基となるカルボキシル基を規則的に並べることができ、顔料分散に有利である。
また、トリカルボン酸無水物を使用した場合は、水酸基と反応してエステル結合を形成し、カルボキシル基を残すことができる。
また、テトラカルボン酸無水物及びトリカルボン酸無水物以外のポリカルボン酸無水物である、ジカルボン酸無水物、5個以上カルボン酸を有する化合物の無水物を併用することもできる。
〔テトラカルボン酸無水物〕
本発明に使用するテトラカルボン酸二無水物としては、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、又は3,
4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
本発明で使用されるテトラカルボン酸二無水物は上記に例示した化合物に限らず、カルボン酸無水物基を2つ持てばどのような構造をしていてもかまわない。これらは単独で用いても、併用してもかまわない。テトラカルボン酸二無水物は、ポリオールとの反応により、ポリエステルの一単位に二個のカルボキシル基を有する分散剤を形成するため、顔料吸着性の観点から、本発明の分散剤(B1)の構成要素として好ましい。
更に、本発明に好ましく使用されるものは、着色剤に対する吸着性の観点から、芳香族テトラカルボン酸二無水物であり、更に、好ましくは、芳香族環を2つ以上有するテトラカルボン酸二無水物である。芳香族カルボン酸は、脂肪族カルボン酸に比べて顔料吸着能が高く、更に、芳香族環を2つ以上有するカルボン酸は、顔料吸着に適した骨格であり、耐熱性も高い。
〔トリカルボン酸無水物〕
トリカルボン酸無水物としては、脂肪族トリカルボン酸無水物、又は芳香族トリカルボン酸無水物等が挙げられる。
脂肪族トリカルボン酸無水物としては、例えば、3−カルボキシメチルグルタル酸無水物、1,2,4−ブタントリカルボン酸−1,2−無水物、cis−プロペン−1,2,3−トリカルボン酸−1,2−無水物、1,3,4−シクロペンタントリカルボン酸無水物等が挙げられる。
芳香族トリカルボン酸としては、例えば、ベンゼントリカルボン酸無水物(1,2,3−ベンゼントリカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物[1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物]等)、ナフタレントリカルボン酸無水物(1,2,4−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,4,5−ナフタレントリカルボン酸無水物、2,3,6−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,2,8−ナフタレントリカルボン酸無水物等)、3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルエーテルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、2,3,2’−ビフェニルトリカルボン酸無水物、3,4,4’−ビフェニルメタントリカルボン酸無水物、又は3,4,4’−ビフェニルスルホントリカルボン酸無水物等が挙げられる。本発明に好ましく使用されるものは、顔料に対する吸着性の観点から、上記のうち芳香族トリカルボン酸無水物である。
テトラカルボン酸無水物及びトリカルボン酸無水物から選ばれる一種以上の酸無水物中の酸無水物基と、水酸基含有化合物中の水酸基の比率は、
酸無水物基/水酸基が、0.5〜1.5であることが好ましい。
0.5より小さい場合、1.5以上より大きい場合、いずれも反応しない部分が多くなり、目的とする分散剤が得られないことが多い。
[分散剤(B1)中のビニル重合体部分(X2)を構成するエチレン性不飽和単量体]
ビニル重合体部位(X2)は、水酸基、オキセタン基、t−ブチル基およびブロックイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱架橋性官能基を有するエチレン性不飽和単量体(b1)と、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(b2)とをラジカル重合して得られる。
(水酸基を有するエチレン性不飽和単量体)
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、水酸基を有し、エチレン性不飽和二
重結合を有する単量体であればどのようなものでも構わないが、具体的には、水酸基を有する(メタ)アクリレート系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(又は3)−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(又は3又は4)−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、及びエチル−α−ヒドロキシメチルアクリレートなどのアルキル−α−ヒドロキシアルキルアクリレート、
あるいは水酸基を有する(メタ)アクリルアミド系単量体、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、
あるいは、水酸基を有するビニルエーテル系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−(又は3−又は4−)ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル、
あるいは水酸基を有するアリルエーテル系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2−(又は3−又は4−)ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテルが挙げられる。
また、上記のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキル−α−ヒドロキシアルキルアクリレート、N−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキルビニルエーテルあるいはヒドロキシアルキルアリルエーテルにアルキレンオキサイド及び/又はラクトンを付加して得られるエチレン性不飽和単量体も、本発明方法において、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体として用いることができる。付加されるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、1,4−、2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド及びこれらの2種以上の併用系が用いられる。2種以上のアルキレンオキサイドを併用するときの結合形式はランダム及び/又はブロックのいずれでもよい。付加されるラクトンとしては、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、炭素原子数1〜6のアルキル基で置換されたε−カプロラクトン及びこれらの2種以上の併用系が用いられる。アルキレンオキサイドとラクトンを両方とも付加したものでも構わない。
(オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体)
オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体としては、(ビニルオキシアルキル)アルキルオキセタン、(メタ)アクリロイルオキシアルキルオキセタン、〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕アルキルオキセタン等を挙げることができる。中でも好ましくは、メタクリル酸(3-エチルオキセタン―3−イル)メチル等を挙げることが出来る。市販品としては、例えば、ETERNACOLLOXMA(メタクリル酸(3-エチルオキセタン―3−イル)メチル)(宇部興産製)が挙げられる。
(t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体)
t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、t−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレートなどが挙げられる。
(ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体)
ブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、メタクリル酸2−(0−[1‘−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2−[(3,
5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート等を挙げることが出来る。
市販品としては、例えば、カレンズMOI−BM(メタクリル酸2−(0−[1‘−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル)(昭和電工製)、カレンズMOI
−BP(2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート)(昭和電工製)などが挙げられる。
オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体、t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体、およびブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体の含有量は、エチレン性不飽和単量体全体中に5〜90重量%使用するのが好ましく、20〜60重量%使用するのが特に好ましい。5重量%以上であれば、架橋の効果により耐性に優れた着色組成物を得ることが可能となり、90重量%以下であれば、組成物の安定性も良好であるために好ましい。
(カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(b2))
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(b2)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等を挙げることができる。中でも、共重合反応性および入手が容易である点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
〔その他のエチレン性不飽和単量体〕
本発明の分散剤(B1)中のビニル重合体部分(X2)には、熱架橋性官能基を有するエチレン性不飽和単量体(b1)、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(b2)以外のその他のエチレン性不飽和単量体をラジカル重合しても良い。
その他のエチレン性不飽和単量体としては、上記したエチレン性不飽和単量体以外に、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;
及び、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類があげられる。なお、ここで、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート又はアクリレートを示し、(メタ)アクリルアミドとはメタクリルアミド又はアクリルアミドを示す。
又、上記アクリル系単量体と併用できる単量体として、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類があげられる。
[分散剤(B1)の合成方法]
分散剤(B1)の合成方法としては、下記の合成方法(1)(2)による方法が挙げられるが、これらに制限されない。
〔合成方法(1)〕
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物の存在下に、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体、t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体、およびブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体からなる群より選ばれる少なくともいずれかを含むエチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる片末端領域に2つの水酸基を有するビニル重合体中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物及びトリカルボン酸無水物から選ばれる一種以上の酸無水物中の酸無水物基と、を反応させることにより、架橋性基としてオキセタン基、t−ブチル基、またはブロックイソシアネート基を有する分散剤が得られる。
〔合成方法(2)〕
ポリエステル部分(X1)を構成する水酸基含有化合物(ただし、片末端水酸基含有ビニル重合体は含まない)中の水酸基と、テトラカルボン酸無水物及びトリカルボン酸無水物から選ばれる一種以上の酸無水物中の酸無水物基と、を反応させて生成される化合物の存在下に、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体、t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体、およびブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体からなる群より選ばれる少なくともいずれかを含むエチレン性不飽和単量体をラジカル重合することにより、架橋性基として水酸基、オキセタン基、t−ブチル基、またはブロックイソシアネート基を有する分散剤が得られる。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を用いてラジカル重合する場合、合成方法(2)
を利用して分散剤(B1)を合成することが好ましい。合成方法(1)を利用すると、酸無水物中の酸無水物基が、ビニル重合体部分(X2)を構成するエチレン性不飽和単量体由来の水酸基とも反応してしまうため、ビニル重合体部分(X2)の片末端の水酸基と反応させるという目的を達せなくなり、目的の構造が得られない場合がある。
このとき、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体、オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体、t−ブチル基を有するエチレン性不飽和単量体、およびブロックイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体の含有量は、エチレン性不飽和単量体全体中に5〜90重量%使用するのが好ましく、20〜60重量%使用するのが特に好ましい。5重量%以上であれば、架橋の効果により耐性に優れた着色組成物を得ることが可能となり、90重量%以下であれば、組成物の安定性も良好であるために好ましい。
また、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を用いてラジカル重合したあとに、イソシアネート基含有単量体を反応させて、ビニル重合体部位(X2)に光硬化性を付与することが出来る。
イソシアネート基含有単量体は、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等が挙げられる
〔ポリエステル部位(X1)の合成〕
ポリエステル部分(X1)の合成は、テトラカルボン酸無水物及びトリカルボン酸無水物から選ばれる一種以上の酸無水物中の酸無水物基と水酸基含有化合物中の水酸基とを反応させる工程である。
(反応触媒)
本発明のポリエステル部分(X1)の製造に用いられる触媒としては、公知の触媒を使用することができる。触媒として例えば、
トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、又は1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の3級アミン系化合物、あるいは、モノ−n−ブチル錫(IV)オキシド等が挙げられる。
(反応溶剤)
本発明のポリエステル部分(X1)の製造には、これまで挙げた原料のみで製造することも可能であるが、高粘度になり反応が不均一になる等の問題を回避すべく、溶剤を用いるのが好ましい。使用される溶剤としては、特に限定はなく、公知のものを使用できる。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、又はアセトニトリル等が挙げられる。反応に使用した溶媒は、反応終了後、蒸留等の操作により取り除くか、あるいはそのまま次の工程の溶剤として使用したり、製品の一部として使用したりすることもできる。
(反応温度)
ポリエステル部分(X1)の合成の反応温度は50℃〜180℃、好ましくは80℃〜140℃の範囲で行う。反応温度が50℃以下では反応速度が遅く、180℃以上ではカルボキシル基と水酸基がエステル化反応してしまい、酸価の減少や、ゲル化を起こしてしまう場合がある。反応の停止は、赤外吸収で酸無水物の吸収がなくなるまで反応させるのが理想であるが、酸価測定により97%以上の酸無水物がハーフエステル化したとき反応を止めてもよい。
〔ビニル重合体部分(X2)の合成〕
分散剤(B1)における、ビニル重合体部分(X2)は、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなり、かつ水酸基、オキセタン基、t−ブチル基およびブロックイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱架橋性官能基を有する。このビニル重合体部分(X2)が溶剤および顔料担体の親和性部位として機能するために、微細な顔料を用いた場合や、あるいは染料を使用した場合にも、安定性に優れたものとすることができる。また、熱架橋性基を有していることで、エポキシ化合物と塗膜の耐性向上といった効果を発揮することができる。
ビニル重合体部分(X2)の重量平均分子量は、1000〜20000が好ましく、より好ましくは2000〜15000、更に好ましくは2000〜12000、特に好ましくは3000〜8000である。この部分(X2)が分散媒である溶剤への親和性部分となる。ビニル重合体部分(X2)の重量平均分子量が1000未満では、溶媒親和部による立体反発の効果が少なくなるとともに、顔料の凝集を防ぐことが困難となり、分散安定性が不十分となる場合がある。又、20000を超えると、溶媒親和部の絶対量が増えてしまい、分散性の効果自体が低下する場合がある。更に、分散体の粘度が高くなる場合がある。
また、エチレン性不飽和単量体の含有量は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物1重量部に対して、3〜100重量部用い、塊状重合または溶液重合を行うのが好ましい。より好ましくは8〜25重量部、さらに好ましくは10〜20重量部である。100重量部を超えると、ビニル重合体部位(X2)の分子量が高すぎて、顔料担体および溶剤に対する親和性部位として、その絶対量が増えてしまい、分散性の効果自体が低下する場合があり、10重量未満であると、ビニル重合体部位(X2)の分子量が低すぎて、顔料担体および溶剤に対する親和性部位として、その立体反発の効果がなくなると共に、顔料の凝集を抑えることが困難になる場合がある。
重合の際、エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、任意に0.001〜5重量部の重合開始剤を使用することができる。重合開始剤としては、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジ
メチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等があげられる。これらの重合開始剤は、単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
溶液重合の場合には、重合溶媒として、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が用いられるが特にこれらに限定されるものではない。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いても良い。
分散剤(B1)としては、特開2009−155406号公報に記載されている公知技術を用いることができる。
<ピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2)>
本発明のピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2)は、一般式(8)で表されるピペリジン骨格を有する単量体と、必要に応じその他のエチレン性不飽和単量体を重合せしめて得ることができ、開2014−219665に記載されたブロック型でも良い。
一般式(8)
(一般式(8)中、R1は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基、炭素数7〜12のアラルキル基、アシル基、オキシラジカル基、または、OR4を表し、R4は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、または、アシル基を表し、R2、及び、R3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、または、フェニル基を示す。「*」は結合手であることを示す。)
上記、一般式(8)において、R1及びR4の炭素数1〜18のアルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、n―ブチル基、t―ブチル基、n―ヘキシル基、シクロヘキシル基、n―オクチル基、ヘキサデシル基等を挙げることが出来る。
また、上記一般式(8)においてR1及びR4の炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等を挙げることが出来る。
また、上記一般式(8)において、R1及びR4の炭素数7〜12のアラルキル基としては、例えば、炭素数6〜10のアリール基に炭素数1〜8のアルキル基が結合した基が挙げられ、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、α―メチルベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基等を挙げることが出来る。
また、一般式(8)において、R1及びR4のアシル基としては、炭素数2〜8のアルカノイル基及び、アロイル基が挙げられ、具体的にはアセチル基、ベンゾイル基等を挙げることが出来る。
本発明において、R1としては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、オキシラジカ
ル基が好ましく、さらに水素原子、メチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
一般式(8)で表されるピペリジン骨格を有していれば特に限定はされないが、エチレン性不飽和単量体由来の部分構造であることが好ましい。
ピペリジル骨格を有するエチレン性不飽和単量体は、顔料分散体の粘度及び粘度安定性の観点から、エチレン性不飽和単量体固形分に対して、1重量%〜100重量%含有することが好ましく、さらに25重量%〜100重量%含有することが好ましく、特に40重量%〜100重量%含有することが好ましい。
ピペリジル骨格は酸化防止機能があるため、少量でも含むことでカラーフィルタ材料の酸化を防止し、その結果明度の低下を防止することができる。
更に、本発明のピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2)は、アミン価が50〜350mgKOH/gであることが好ましい。アミン価が50mgKOH/g未満だと顔料分散体の粘度、及び粘度安定性が悪くなる場合がある。350mgKOH/gを越えると、明度が低下する場合がある。
本発明のピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2)の数平均分子量は、500〜30,000が好ましい。500以上、又は30,000以下であると、顔料分散体の粘度、及び粘度安定性が向上する。
上記、ピペリジル骨格を有するエチレン性不飽和単量体の具体例としては、例えば、下記一般式(8−1)で表される化合物、下記一般式(8−2)で表される化合物等を挙げることができる。
一般式(8−1、8−2)
(一般式(8−1)及び一般式(8−2)において、R5及びR7は相互に水素原子、または、メチル基を示し、R6はメチレン基、又は、炭素数2〜5のアルキレン基を示し、
Xは上記一般式(8)で表される基を示し、Yは−CONH−*、−SO2−、−SO2NH−*を示し(ただし、「*」を付した結合手がXと結合する。)、nは0〜9の整数を示す。)R6としては、エチレン基、プロピレン基が好ましく、特にエチレン基が好まし
い。nは0〜8の整数、特に0〜6の整数が好ましい。
上記一般式(8−1)で表される単量体の具体例としては、例えば、下記一般式(9−1)〜(9−7)で表される化合物等を挙げることが出来る。
一般式(9−1)〜一般式(9−7)



(一般式(9−1)〜一般式(9−7)において、R5は上記一般式(8−1)における
5と同義である。)
また、一般式(8−2)で表される単量体の具体例としては、例えば、下記一般式(10−1)〜(10−4)で表される化合物を挙げる事ができる。
一般式(10−1)〜一般式(10−4)
(一般式(10−1)〜一般式(10−4)において、R7は上記一般式(8−2)におけるR7と同義である。)
これらのうち、2,2,6,6−テトラメチルピペリジルメタクリレート(上記一般式10−1)において、R5がメチル基である化合物)、1,2,2,6,6−ペンタメチル
ピペリジルメタクリレート(上記一般式10−2)においてR5がメチル基である化合物
)が好ましく、特に1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジルメタクリレート(上記一般式(10−2)が好ましい。
その他のエチレン性不飽和単量体としては、ピペリジル骨格を有するエチレン性不飽和単量体と共重合可能な単量体であれば特に限定されず、用途に応じて適宜選択することができる。
例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)、ターシャリブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、及びイソステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレ
ート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、及び3−メチル−3−オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートの芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノステアリルエーテル(メタ)アクリレート、及びオクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート類;
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート 、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘ
キサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、及びノニルフェノキシポリ(エチレングリコール-プロピレングリコール)(メタ)アクリレート
等の芳香族環を有する(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及び3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアルキルオキシシリル基を有する(メタ)アクリレート類;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、及びテトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリロキシ変性ポリジメチルシロキサン(シリコーンマクロマー)類;
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、及びアクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;並びに、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類等が挙げられる。
また、スチレン、及びα−メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、及びイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;並びに、酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等を用いることもできる。
更に、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を併用することもできる。カルボキ
シル基含有エチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、及びωカルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレート系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2(若しくは3)−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(若しくは3若しくは4)−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、又はエチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート等のアルキル−α−ヒドロキシアルキルアクリレート、あるいは、
水酸基を有する(メタ)アクリルアミド系単量体、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、又はN−(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド等のN−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、あるいは、
水酸基を有するビニルエーテル系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、又は2−(若しくは3−若しくは4−)ヒドロキシブチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル、あるいは、
水酸基を有するアリルエーテル系単量体、例えば、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、又は2−(若しくは3−若しくは4−)ヒドロキシブチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル等が挙げられる。
又、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を2つ有する単量体も挙げられる。更に、エポキシ基等の環状エーテル基を有するエチレン系不飽和単量体に、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を反応させたものや、あるいは(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体に、単官能エポキシ化合物等の単官能環状エーテル化合物を反応させたもの等も挙げられる。
又、上記のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキル−α−ヒドロキシアルキルアクリレート、N−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキルビニルエーテルヒドロキシアルキルアリルエーテル、又はグリセロールモノ(メタ)アクリレートに、アルキレンオキサイド及び/又はラクトンを付加して得られるエチレン性不飽和単量体も、本発明方法において、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体として用いることができる。付加されるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、又は1,2−、1,4−、2,3−、若しくは1,3−ブチレンオキサイドが挙げられ、これらの2種以上の併用系も用いることができる。2種以上のアルキレンオキサイドを併用するときの結合形式は、ランダム及び/又はブロックのいずれでもよい。付加されるラクトンとしては、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、又は炭素原子数1〜6のアルキル基で置換されたε−カプロラクトンが挙げられ、これらの2種以上の併用系も用いることができる。アルキレンオキサイドとラクトンを両方とも付加したものでも構わない。
又、アミノ基を含有するエチレン性不飽和単量体を併用してもよく、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリレート類

N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリルアミド類;
並びにジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等が挙げられる。
また、アルキルオキシシリル基を有する(メタ)アクリレートを併用してもよい。また、アルキルオキシシリル基を有する(メタ)アクリレートは、基材に対する密着性や顔料分散体の粘度及び粘度安定性の観点から、エチレン性不飽和単量体固形分に対して、0.01重量%〜10重量%含有することが好ましく、特に0.05重量%〜5重量%含有することが好ましい。
重合開始剤としては、例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。該重合開始剤を使用する場合は、エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましい。
上記ピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2)を製造する工程では、無溶剤又は場合によって溶剤を使用することができる。溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ヘキサン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、又はジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられるが、特にこれらに限定されるものではなく、用途、コストなどから任意に選択することができる。重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
使用する溶剤量はエチレン性不飽和単量体100重量部に対して、0〜300重量部が好ましく、更には0〜100重量部が好ましい。使用した溶媒は、反応終了後、蒸留等の操作により取り除くか、あるいはそのまま、分散剤の製品の一部として使用することもできる。
また、カルボキシル基を有する樹脂型分散剤(B1)と、ピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2)とは顔料分散時に用いることが望ましい。
顔料分散時に用いることで、ピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2)が顔料表面により吸着しやすくなり、顔料との相互作用が強くなることで分散性が向上する。
<その他の分散剤>
本発明の感光性着色組成物には公知の樹脂型分散剤や色素誘導体を用いることができる。樹脂型分散剤としては、添加着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものであれば良く、具体的には、ポリウレタン等のウレタン系分散剤、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン等
の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。
塩基性官能基を有する高分子分散剤としては、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体及びウレタン系高分子分散剤などが挙げられる。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミ−・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2009、2010、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、2163、2164またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、LPN6919、LPN21116、LPN21324またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ル−ブリゾ−ル社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、56000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503等、味の素ファインテクノ社製のアジスパ−PA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
<色素誘導体>
本発明に用いる色素誘導体としては、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する公知の色素誘導体を用いることができる。例えば、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物及びこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。併用する樹脂型分散剤が酸性基を有するため、塩基性基を有する色素誘導体が好ましい。
有機色素としては、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、等が挙げられる。
具体的には、ジケトピロロピロール系色素誘導体としては、特開2001−220520号公報、WO2009/081930号パンフレット、WO2011/052617号パンフレット、WO2012/102399号パンフレット、特開2017−156397号公報、フタロシアニン系色素誘導体としては、特開2007−226161号公報、WO2016/163351号パンフレット、特開2017−165820号公報、特許第5753266号公報、アントラキノン系色素誘導体としては、特開昭63−264674号公報、特開平09−272812号公報、特開平10−245501号公報、特開平
10−265697号公報、特開2007−079094号公報、WO2009/025325号パンフレット、キナクリドン系色素誘導体としては、特開昭48−54128号公報、特開平03−9961号公報、特開2000−273383号公報、ジオキサジン系色素誘導体としては、特開2011−162662号公報、チアジンインジゴ系色素誘導体としては、特開2007−314785号公報、トリアジン系色素誘導体としては、特開昭61−246261号公報、特開平11−199796号公報、特開2003−165922号公報、特開2003−168208号公報、特開2004−217842号公報、特開2007−314681号公報、ベンゾイソインドール系色素誘導体としては、特開2009−57478号公報、キノフタロン系色素誘導体としては、特開2003−167112号公報、特開2006−291194号公報、特開2008−31281号公報、特開2012−226110号公報、ナフトール系色素誘導体としては、特開2012−208329号公報、特開2014−5439号公報、アゾ系色素誘導体としては、特開2001−172520号公報、特開2012−172092号公報、酸性置換基としては、特開2004−307854号公報、塩基性置換基としては、特開2002−201377号公報、特開2003−171594号公報、特開2005−181383号公報、特開2005−213404号公報、などに記載の公知の色素誘導体が挙げられる。なおこれらの文献には、色素誘導体を誘導体、顔料誘導体、分散剤、顔料分散剤若しくは単に化合物などと記載している場合があるが、前記した有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などの置換基を有する化合物は、色素誘導体と同義である。
これら色素誘導体は、単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
より具体的には、以下の色素誘導体が好ましい。
[ジケトピロロピロール系色素誘導体]
[フタロシアニン系色素誘導体]

一般式(103)
[アントラキノン系色素誘導体]
[キナクリドン系色素誘導体]


一般式(108)
[ジオキサジン系色素誘導体]
[チアジンインジゴ系色素誘導体]


一般式(111)
[トリアジン系色素誘導体]

一般式(112)
[ベンゾイソインドール系色素誘導体]


一般式(113)
[キノフタロン系色素誘導体]
[ナフトール系色素誘導体]

一般式(129)
[アゾ系色素誘導体]


一般式(133)
一般式(101)〜(112)、(114)〜(128)、(130)〜(133)中、R101〜R117、R129、R130、R141〜R145はそれぞれ独立に、水素
原子、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいフタルイミドアルキル基、置換基を有してもよいアシル基、アミノ基、スルホ基、カルボキシル基、リン酸基、ハロゲン基、一般式(150)〜(155)、(158)、又は(159)で表される基である。m及びnはそれぞれ独立に、正の整数を表す。但し、1分子中に複数の置換基を有する場合、1つ以上は水素原子以外の置換基である。また、1分子中に置換基が1つのみの場合は、水素原子以外の置換基である。
一般式(113)中、R118は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、−SO177、又は−NR178179である。ただし、R177は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、又はハロゲン原子であり、R178及びR179は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、又はR178とR179とで一体となって更なる窒素、酸素若しくは硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。
119は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアシル基を表す。
120、R121、R123〜R128は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有してもよいアルコキシ基、又はNR180181である。ただし、R180及びR181は、互いに独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、又はR180とR181とで一体となって更なる窒素、酸素若しくは硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。
122は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアシル基、又は一般式(150)〜(155)で表される基を表す。
一般式(129)中、R131〜R140は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アルコキシル基又は一般式(150)、(153)若しくは(159)で表される基を表す。R131〜R140の隣接する基は、−NHCONH−基によって結合してベンズイミダゾロン環を形成しても良い。R131〜R140のうち少なくとも1つは、一般式(150)、(153)又は(159)で表される基である。
一般式(150)〜(155)中、
は、直接結合、−SO2 −、−CO−、−CH2−、−CH2NHCOCH2−、−CONHCCO−、又は−CONHC−を表す。
は、直接結合、−NR170SO−、−SONR170−、−CONR170−、−NR170CO−、又は−CHNR170COCHNR170−を表す。
は、直接結合、置換基を有してもよいアリーレン基、又は置換基を有してもよい複素芳香環を表し、これらの基は、−NR170−、−O−、−SO−又はCO−から
選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。
は、直接結合、−NR170− 又は−O−を表す。
oは、0〜20の整数を表す。
は、水素原子、銅原子、亜鉛原子、マンガン原子、ニッケル原子、コバルト原子、鉄原子を表す。
は、水素原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子、マンガン原子又はアルミニウム原子を表す。
iは、Mの価数を表す。
150及びR151はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基又はR150とR151とで一体となって更なる窒素、酸素若しくは硫黄原子を含む、置換基を有してもよい複素環を表す。
152〜R156、R159〜R162は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基又はポリオキシアルキレン基を表す。
157及びR158は、それぞれ独立に、下記一般式(156)若しくは(157)で表される基、−O−(CH−R171、−OR172、−NR173174
−Cl、−F又はY−Y−Y−Qを表し、R157及びR158のいずれか一方は、下記一般式(156)若しくは(157)で表される基、−O−(CH−R171、−OR172、又はNR173174である。
170は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基又は置換基を有してもよいフェニル基を表す。
171は、置換基を有してもよい複素環残基を表し、R172〜R174はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基又は置換基を有してもよいフェニル基を表し、Qは有機色素残基を表す。


一般式(156)
一般式(156)中、Zは−NR170−、−CONH−又は−O−を表し、Zは、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、置換基を有してもよいアリーレン基を表し、これらの基は、−NR170−、−O−、−SO−又はCO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。ただし、R170は、一般式(150)〜(155)におけるR170と同義である。
150及びR151はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基、又はR150とR151とで一体となって更なる窒素、酸素若しくは硫黄原子を含む、置換基を有してもよい複素環を表す。

一般式(157)
一般式(157)中、Zは、トリアジン環と窒素原子を結ぶ単結合、−NR175−、−NR175−Z−CO−、−NR175−Z−CONR176−、−NR175
−Z−SO−、−NR175−Z− SONR176−、−O−Z−CO−、
−O−Z−CONR175−、−O−Z−SO−、又はO−Z−SONR175−を表し、R175及びR176は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基又は置換基を有してもよいフェニル基を表し、Zは、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基又は置換基を有してもよいアリーレン基を表す。
152〜R156は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基又はポリオキシアルキレン基を表す。

一般式(158)

一般式(159)
一般式(159)中、Xは、−SO−、−CO−、−NH−、−SONH−、−NHSO−、−CONH−又は−NHCO−を表し、R163〜R167は、それぞれ独立に、水素原子、アルコキシル基、アミノ基、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基又は一般式(150)〜(155)で表される基である。
置換基を有してもよいアルキル基は、アルキル基としては炭素数1から20の直鎖アルキル基が好ましく、有してもよい置換基としては水素若しくはハロゲン基が好ましい。
置換基を有してもよいフタルイミドアルキル基は、アルキル基としては炭素数が1から3のアルキル基が好ましく、有してもよい置換基としては水素若しくはハロゲン基が好ましい。
置換基を有してもよいアシル基は、アルキル基としては炭素数が1から10のアシル基が好ましく、有してもよい置換基としては水素若しくはハロゲン基が好ましい。
置換基を有してもよいアルコキシ基は、アルキル基としては炭素数が1から5の直鎖アルコキシ基が好ましく、有してもよい置換基としては水素若しくはハロゲン基が好ましい。置換基を有してもよいアルケニル基又はアルケニレン基は、有してもよい置換基としては
水素、炭素数1から10の直鎖アルキル基が好ましい。
置換基を有してもよいフェニル基は、有してもよい置換基としては水素、ハロゲン基、炭素数1から10の直鎖アルキル基、アルコキシ基が好ましい。
置換基を有してもよいアリーレン基は、有してもよい置換基としては水素、ハロゲン基、炭素数1から10の直鎖アルキル基、アルコキシ基が好ましい。
置換基を有してもよい複素環は、複素環としてはアザシクロブタン、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピランが好ましく、有してもよい置換基としては水素、ハロゲン基、炭素数1から10の直鎖アルキル基、アルコキシ基が好ましい。
置換基を有してもよい複素芳香環は、複素芳香環としてはピロール、ピリジン、フラン、チオフェンが好ましく、有してもよい置換基としては水素、ハロゲン基、炭素数1から10の直鎖アルキル基、アルコキシ基が好ましい。
特に、一般式(101)、(102)で表されるジケトピロロピロール系色素誘導体であって、一般式(150)、(151)、(155)で表される置換基を有する色素誘導体が好ましい。
色素誘導体は、顔料100質量部に対し、1〜100質量部添加することが好ましく、3〜70質量部添加することがより好ましく、5〜50質量部添加することがさらに好ましい。
顔料に色素誘導体を添加し、アシッドペースティング、アシッドスラリー、ドライミリング、ソルトミリング、ソルベントソルトミリング等の顔料化処理を行う事で、顔料表面に色素誘導体が吸着し、色素誘導体を添加しない場合と比較して顔料の一次粒子をより微細化することができる。
顔料に色素誘導体を添加し二本ロール、三本ロール、ビーズを用いた湿式分散などの分散処理を行うことで、色素誘導体が顔料表面に吸着し顔料表面が極性を持ち樹脂型分散剤の吸着が促進され、顔料、色素誘導体、樹脂型分散剤、溶媒、その他添加剤との相溶性が向上し、着色組成物や着色硬化性組成物とした時の分散安定性や経時粘度安定性が向上する。また、相溶性が向上することで着色硬化性組成物をガラス基板等に塗工した際の塗膜経時安定性に優れ、着色硬化性組成物の塗布から露光までの待ち時間(PCD:Post
Coating Delay)や露光から熱処理までの待ち時間(PED:Post Exposure Delay)に対するパターン形状などの安定性・特性依存性や、線幅感度安定性が良好となる。また顔料表面が色素誘導体および樹脂型分散剤で吸着・被覆されることで、塗膜を加熱焼成した際の顔料の凝集や昇華による結晶析出を抑制できる。さらに現像時間ばらつきや現像残渣も抑制される。
<バインダ樹脂(C)>
本発明の感光性着色組成物は、バインダ樹脂(C)を含む。バインダ樹脂(C)は、400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂を用いる。バインダ樹脂には、その主たる硬化方式で分類すると熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エチレン性不飽和二重結合等を有する活性エネルギー線硬化性樹脂などがあり、活性エネルギー線硬化性樹脂は熱可塑性樹脂であっても熱硬化の機能を併せ持つものであってもよく、さらに現像性の観点からアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。また、活性エネルギー線硬化性でない熱可塑性樹脂を含んでもよく、これについてもアルカリ可溶性であることが好ましい。これらを単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
本発明の感光性着色組成物中のバインダ樹脂の含有量は、着色剤の全重量を基準(10
0質量部)として、好ましくは20〜400質量部、さらに好ましくは50〜250質量部である。成膜性及び諸耐性が良好なことから、20質量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、400質量部以下の量で用いることが好ましい。
<熱可塑性樹脂>
バインダ樹脂として用いることができる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE
、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂はアルカリ可溶性であることが好ましく、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、及びスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基及び/又は
水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂は、現像性、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
<アルカリ可溶性樹脂>
本発明の感光性着色組成物は、現像性、耐熱性、透明性の点から、バインダ樹脂(B)として、アルカリ可溶性樹脂を含むことが好ましい。カラーフィルタ作製時のアルカリ現像工程において現像溶解性を付与するためのものであり、酸基及び/又は水酸基を有する
。アルカリ可溶性樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有さないアルカリ可溶性樹脂(C1)や、組成物の光感度を向上させる、エチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂(C2)をそれぞれ単独または併用して用いる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、アルカリ現像溶解性を付与するために、2,000以上40,000以下であり、3,000以上30,000以下が好ましく、4,000以上20,000以下がより好ましい。また、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が2,000未満であると基板に対する密着性が低下し、露光パターンが残りにくくなる。40,000を超えるとアルカリ現像溶解性が低下し、残渣が発生しパターンの直線性が悪化する。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の酸価は、アルカリ現像溶解性を付与するために50以上〜200以下(KOHmg/g)であり、70以上180以下の範囲が好ましく、よ
り好ましくは90以上170以下の範囲である。酸価が50未満であるとアルカリ現像溶解性が低下し、残渣が発生しパターンの直線性が悪化する。200を超えると基板への密着性が低下し、露光パターンが残りにくくなる。
<エチレン性不飽和二重結合を有さないアルカリ可溶性樹脂(C1)>
本発明の感光性着色組成物は、塗膜の硬化度合を調整するために、エチレン性不飽和二重結合を有さないアルカリ可溶性樹脂(C1)を含有することができる。少なくとも1種のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体と、その他の前記エチレン性不飽和単量体を1種以上用いて合成し、側鎖にエチレン性不飽和結合を付与しないことで、エチレン性
不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂が得ることができる。
<エチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂(C2)>
本発明の感光性着色組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有することが好ましい。特に以下に示す(i) や(ii)の方法によりエチレン性不飽
和二重結合を導入した樹脂を用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂が3次元架橋されることで架橋密度が上がり、薬品耐性が良好になる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アク
リレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ−バレロラクトン、ポリε−カプロラクトン、及び/又はポリ12−ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、また感度の点からは2個以上6個以下の水酸基を有するものを使用することが感度の点から好ましく、グリセロールモノ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
アルカリ可溶性樹脂を構成するモノマーとして以下のものが挙げられる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、又はエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類スチレン、又はα−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
あるいは、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン1,6−ビスマレイミドヘキサン、3−マレイミドプロピオン酸、6,7−メチレンジオキシ−4−メチル−3−マレイミドクマリン、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−アミノフェニル)マレイミド、N−(4−ニトロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ブロモメチル−2,3−ジクロロマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオナート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチラート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドヘキサノアート、N−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9−マレイミドアクリジン等のN-置換マレイ
ミド類、
下記一般式(11)で表される化合物、具体的にはEO変性クレゾールアクリレート、n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、フェノールのエチレンオキサイド(EO)変性(
メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
一般式(11)
(一般式(11)中、Rは、水素原子、又はメチル基であり、Rは、炭素数2若しくは3のアルキレン基であり、Rは、ベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、nは、1〜15の整数である。)
又、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ε−カプロラクトン付加アクリル酸、ε−カプロラクトン付加メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられる。
又、水酸基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。水酸基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。又、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
又、リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、上記水酸基含有エチレン性不飽和モノマーの水酸基にたとえば5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応せしめることで得ることができるモノマーが挙げられる。
<熱硬化性化合物>
本発明においては、バインダ樹脂として熱可塑性樹脂と併用して、さらに熱硬化性化合物を含むことが出来る。本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いてカラーフィルタを作製する際、熱硬化性化合物を含むことで、フィルタセグメントの焼成時に反応し塗膜の架橋密度を高め、そのためフィルタセグメントの耐熱性が向上し、フィルタセグメント焼成時の顔料凝集が抑えられ、コントラスト比が向上するという効果が得られる。
熱硬化性化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。
熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、およびフェノール化合物が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明のカラーフィルタ用着色組成物ではエポキシ化合物およびオキセタン化
合物が好ましく用いられる。
(エポキシ化合物)
エポキシ化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。
このようなエポキシ化合物の例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’−ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ化合物であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
市販品としては、例えば、エピコート807、エピコート815、エピコート825、エピコート827、エピコート828、エピコート190P、エピコート191P(以上は商品名;油化シェルエポキシ(株)製)、エピコート1004、エピコート1256(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、TECHMORE VG3101L(商品名;三井化学(株)製)、EPPN−501H、502H(商品名;日本化薬(株)製)、JER 1032H60(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、JER
157S65、157S70(商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPPN−201(商品名;日本化薬(株)製)、JER152、JER154(以上は商品名;ジャパンエポキシレジン(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020(以上は商品名;日本化薬(株)製)、セロキサイド2021、EHPE−3150(以上商品名;ダイセル化学工業(株)製)、デナコールEX−211、212、252、313、314、321、411、421、512、521、611、612、614、614B、622、711、721、(以上は商品名;ナガセケムテックス(株)製)、TEPIC−L,TEPIC−H、TEPIC−S(日産化学工業株式会社製)等が挙げられる。
などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
エポキシ化合物の配合量は、着色剤100重量に対し、0.5〜300重量部であることが好ましく、1.0〜50重量部であることがより好ましい。0.5重量部未満ではコントラスト比および耐熱性改善効果が小さく、300重量部より多いとフォトリソグラフィーによるフィルタセグメント形成時に不具合を生ずる場合がある。
(オキセタン化合物)
本発明の感光性着色組成物には、オキセタン化合物を添加することが好ましい。オキセ
タン化合物としては、オキセタン基を有する公知の化合物を特に限定されず使用することができる。オキセタン化合物は、オキセタン基が1官能であるもの、オキセタン基が2官能であるもの、オキセタン基が2官能以上であるものが挙げられる。
オキセタン基が1官能のものとしては、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルアクリレート、 (3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート、3−エチル−3
−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−メタクリロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
具体例としては、大阪有機化学工業株式会社製OXE−10、OXE−30、東亞合成株式会社製OXT−101、OXT−212等が挙げられる。
オキセタン基が2官能のものとしては、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル−3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−フェノキシメチル)オキセタン、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコースビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
具体例としては、宇部興産株式会社製、OXBP、OXTP、東亞合成株式会社製OXT−121、OXT−221等が挙げられる。
オキセタン基が2官能以上であるものとしては、
ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン基を含有する樹脂(例えば、特許第3783462号記載のオキセタン変性フェノールノボラック樹脂等)や前述のOXE−30のような(メタ)アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる重合体が挙げられる。このような重合体は、公知の重合法を用いて得ることができる。
本発明の感光性着色組成物に用いられるオキセタン化合物の含有量は、着色組成物の固形分100質量%中、通常0.5〜50質量%、好ましくは1〜40質量%である。オキセタン化合物の含有量が、前記の範囲にあると耐溶剤性が高い優れた塗膜が得られるため好ましい。
(メラミン化合物)
本発明におけるメラミン化合物とは、メラミン環構造を有する化合物を指す。メラミン化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。本発明において好ましいのは、メチロール型やエーテル型であり、メラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0以上のメラミン化合物である。メラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0未満であると、反応点が少なく、硬化時の架橋構造が十分に密にならないため熱処理工程によるコントラスト比低下抑制やNMP耐性改善の効果が小さくなる場合がある。
市販品としては、例えば、二カラックMW−30HM、MW−390、MW−100LM、MX−750LM、MW−30M、MW−30、MW−22、MS−21、MS−11、MW−24X、MS−001、MX−002、MX−730、MX−750、MX−708、MX−706、MX−042、MX−45、MX−500、MX−520、MX−43、MX−417、MX−410(三和ケミカル社製)、サイメル232、235、236、238、285、300、301、303、350、370(日本サイテックインダストリーズ社製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中でもメラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0以上である、二カラックMW−30HM、MW−390、MW−100LM、MX−750LM、MW−30M、MW−30、MW−22、MS−21、MS−11、MW−24X、MX−45(三和ケミカル社製)サイメル232、235、236、238、300、301、303、350(日本サイテックインダストリーズ社製)などが、密な架橋構造が得られる点で好ましい。
(硬化剤)
また本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、熱硬化性化合物の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤(硬化促進剤)などを含んでいてもよい。硬化剤としては、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性化合物と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。硬化剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、
熱硬化性化合物100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<重合性化合物(D)>
本発明の感光性着色組成物には、重合性化合物(D)を含む。重合性化合物(D)には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの市販品としては、日本化薬社製のKAYARAD R−128H、R526、PEG400DA、MAND、NPGDA、R−167、HX−220、R−551、R712、R−604、R−684、GPO−303、TMPTA、DPHA、DPEA−12、DPHA−2C、D−310、D−330、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、及び東亜合成社製のアロニックスM−303、M−305、M−306、M−309、M−310、M−321、M−325、M−350、M−360、M−313、M−315、M−400、M−402、M−403、M−404、M−405、M−406、M−450、M−452、M−408、M−211B、M−101A、大阪有機社製のビスコート#310HP、#335HP、#700、#295、#330、#360、#GPT、#400、#405、新中村化学社製のNKエステルA−9300等を好適に使用することができる。
(酸基を有する重合性化合物)
本発明における光重合性単量体は、酸基を有する光重合性単量体を含有してもよい。酸基としては、スルホン酸基やカルボキシル基、リン酸基等を挙げることができる。
酸基を有する光重合性単量体としては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等
を挙げることができる。具体例としては、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレート又はモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレート又はモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等が挙げられるが、本発明の効果はこれらに限定されるものではない。
これらの市販品としては、大阪有機社製のビスコート#2500P、及び東亜合成社製アロニックスM−5300、M−5400、M−5700、M−510、M−520等を好適に使用することができる。
(ウレタン結合を有する重合性化合物)
本発明における光重合性単量体は、エチレン性不飽和結合とウレタン結合を少なくとも1つずつ含有する光重合性単量体を含有してもよい。例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレートや、アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ
)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレー、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピ
ルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
また、多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
これらの市販品としては、共栄社化学社製のAH−600、AT−600、UA−306H、UA−306T、UA−306I、UA−510H、UF−8001G、DAUA−167、新中村化学工業社製のUA−160TM、大阪有機化学工業社製のUV−4108F、UV−4117F等を好適に使用することができる。
上記の光重合性単量体は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体の配合量は、感光性着色組成物の全固形分を基準(100質量部)として、1〜50質量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から2〜40質量
部であることがより好ましい。
<光重合開始剤(E)>
光重合性開始剤(E)は、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;チタノセン系化合物等が挙げられる。
市販品は、例えば、アセトフェノン系化合物としては、全てBASF社製で「IRGACURE 907」(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォ
リノプロパン−1−オン)、「IRGACURE 369」(2−(ジメチルアミノ)−
2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン)、「IRGACURE 379」2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−
1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ホスフィン系化合物は、例えば、、全てBASF社製で「IRGACURE 819」(ビス(2,4,6−トリメチル
ベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド)、「IRGACURE TPO」(2,4
,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)等が挙げられる。
光重合開始剤(E)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
<増感剤(F)>
さらに、本発明の感光性着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
上記増感剤の中で、特に好適に増感しうる増感剤としては、チオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体が挙げられる。さらに具体的には、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N−エチルカルバゾール、3−ベンゾイル−N−エチルカルバゾール、3,6−ジベンゾイル−N−エチルカルバゾール等が用いられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
市販品としては、「KAYACURE DETX-S」(2,4−ジエチルチオキサントン 日本化薬社製)、「CHEMARK DEABP」(4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン Chemark Chemical社製)などが挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤を使用する際の含有量は、着色組成物中に含まれる光ラジカル重合開始剤100質量部に対し、3〜60質量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50質量部であることがより好ましい。
<チオール系連鎖移動剤(G)>
本発明の感光性着色組成物は連鎖移動剤として、チオール系連鎖移動剤を含むことが好ましい。チオールを光重合開始剤とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られる着色組成物は高感度となる。
また、SH基が2個以上あるメチレン、エチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪
族チオールが好ましい。より好ましくは、SH基が4個以上ある多官能脂肪族チオールで
ある。官能基数が増えることで、重合開始機能が向上し、パターンにおける表面から基材付近まで硬化させることができる。
多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートが挙げられる。
これらのチオール系連鎖移動剤は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
また、チオール系連鎖移動剤の含有量は、着色組成物の全固形分中1〜10%であること
が好ましく、より好ましくは2.0〜8.0%である。この範囲において、連鎖移動剤の効果が大きくなり、感度、テーパー形状やシワ、膜縮率等が良好になる。
<重合禁止剤(H)>
本発明の感光性着色組成物には、露光時にマスクの回折光による感光を防ぐために、重合禁止剤を含有させることができる。重合禁止剤を添加することで感光による連鎖重合で所望のパターン外まで硬化が進行しないようにする効果が得られる。
重合禁止剤としては、カテコール、レゾルシノール、1,4−ヒドロキノン、2−メチルカテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−エチルカテコール、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−プロピルカテコール、3−プロピルカテコール、4−プロピルカテコール、2−n−ブチルカテコール、3−n−ブチルカテコール、4−n−ブチルカテコール、2−tert−ブチルカテコール、3−tert−ブチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、3,5−ジ−tert−ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、2−プロピルレゾルシノール、4−プロピルレゾルシノール、2−n−ブチルレゾルシノール、4−n−ブチルレゾルシノール、2−tert−ブチルレゾルシノール、4−tert−ブチルレゾルシノール等のアルキルレゾルシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、ピロガロール、フロログルシンなどが挙げられる。重合禁止剤の含有量は、着色組成物の溶剤を除いた重量100質量部に対して、0.01〜0.4質量部が好ましい。この範囲において、重合禁止剤の効果が大きくなり、テーパーの直線性や塗膜のシワ、パターン解像性等が良好になる。
<紫外線吸収剤(I)>
発明の感光性着色組成物は、紫外線吸収剤を含んでも良い。本発明における紫外線吸収剤とは、紫外線吸収機能を有する有機化合物であり、ベンゾトリアゾール系有機化合物、トリアジン系有機化合物、ベンゾフェノン系有機化合物、サリチル酸エステル系有機化合物、シアノアクリレート系有機化合物、及びサリシレート系有機化合物などが挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、光重合開始剤と紫外線吸収剤との合計100質量%中、5〜70質量%が好ましい。紫外線吸収剤の含有量が上記より少ない場合、紫外線吸収剤の効果が小さく、解像性が確保できず、上記より多い場合には、感度が低くなり画素はがれやホール径が設計値より大きくなってしまうといった不具合が発生することがある。
このとき感光性着色組成物が増感剤を含む場合には、光重合開始剤の含有量に増感剤の含有量を含むこととする。
また、光重合開始剤と紫外線吸収剤の合計含有量は、感光性着色組成物の固形分100質量%中、1〜20質量%が好ましい。光重合開始剤と紫外線吸収剤の合計含有量が上記より少ない場合、密着性が弱まり画素はがれが発生し、上記より多い場合には、感度が高すぎ解像性が悪くなることがある。
このとき感光性着色組成物が増感剤を含む場合には、光重合開始剤の含有量に増感剤の含有量を含むこととする。
ベンゾトリアゾール系有機化合物としては2−(5メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2−メトキシ−1−メチルエチルアセテートと95%の
ベンゼンプロパン酸,3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステルの混合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、メチル
3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、オクチル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、2−エチルヘキシル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートが挙げられる。その他ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
さらに具体的には、株式会社BASF社製TINUVIN P、PS、234、326
、329、384−2、900、928、99−2、1130、株式会社ADEKA製アデカスタブLA−29、LA−31RG、LA−32、LA−36、ケミプロ化成株式会社製KEMISORB71、73、74、79、279、大塚化学株式会社製RUVA−93等が挙げられる。
トリアジン系有機化合物としては、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2‐[4,6‐ビス(2,4‐ジメチルフェニル)‐1,3,5‐トリアジン‐2‐イル]‐5‐[3‐(ドデシルオキシ)‐2‐ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物、2,4−ビス「2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル」−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
さらに具体的には、ケミプロ化成社製KEMISORB 102、BASF社製TIN
UVIN 400、405、460、477、479、1577ED、ADEKA社アデ
カスタブLA−46、LA−F70、サンケミカル社製CYASORB UV−1164
等が挙げられる。
ベンゾフェノン系有機化合物としては、2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸−3水温、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
さらに具体的には、ケミプロ化成株式会社製KEMISORB 10、11、11S、
12、111、シプロ化成株式会社製SEESORB 101、107、株式会社ADE
KA社製アデカスタブ1413、サンケミカル株式会社製UV−12等が挙げられる。
サリチル酸エステル系有機化合物としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
<酸化防止剤(J)>
本発明の感光性着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、感光性着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。特に着色組成物の着色剤濃度が高い場合、塗膜架橋成分量が少なくなるため高感度の架
橋成分の使用や、光重合開始剤の増量といった対応を取るため熱工程の黄変が強くなる現象が見られる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、ラジカル補足機能、又は過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、及びヒドロキシルアミン系の化合物があげられ、公知の酸化防止剤が使用できる。また、本発明で用いられる酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有していないものが好ましい。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤又はイオウ系酸化防止剤が挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,1,3−トリス−(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−ブタン、4,4’−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5 −メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルメチル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス(3−ヒドロキシ−4−t−ブチル−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’チオジエチルビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)、i−オクチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステルのカルシウム塩、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、ビス[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロピオン酸]エチレンビスオキシビスエチレン
、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2’−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2’−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
さらに具体的には、株式会社ADEKA社製アデカスタブAO−20、AO−30、AO−40,AO−50、AO−60、AO−80、AO−330、ケミプロ株式会社製KEMINOX101、179、76、9425、株式会社BASF社製IRGANOX1010、1035、1076、1098、1135、1330、1726、1425WL、1520L、245、259、3114、5057、565、サンケミカル株式会社製サイアノックスCY−1790、CY−2777等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カルボネート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−s−トリアジン−2,4−ジイル]−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールと3,5,5−トリメチルヘキサン酸のエステル、N,N’−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピリペリジル)[[3,5−ビス(1,1ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピリペリジルセバケート、ポリ[[6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル]−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−C12−21およびC18不飽和脂肪酸エステル、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
さらに具体的には、株式会社ADEKA製アデカスタブLA−52、LA−57、LA−63P、LA−68、LA−72、LA−77Y、LA−77G、LA−81、LA−82、LA−87、LA−402F、LA−502XP、ケミプロ化成株式会社製KAMISTAB29、62、77、94、株式会社BASF製Tinuvin249、TINUVIN111FDL、123、144、292、5100、サンケミカル株式会社製サイアソーブUV−3346、UV−3529、UV−3853等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、ジ(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)2−エチルヘキシルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、テトラ(C12〜C15アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジフォスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)フォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリフェニルフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニルジフォスホニト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、4,4’イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニ
ルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
さらに具体的には、株式会社ADEKA製アデカスタブPEP−36、PEP−8、HP−10、2112、1178、1500、C、135A、3010、TPP、株式会社BASF製IRGAFOS168、クラリアントケミカルズ株式会社製HostanoxP−EPQ等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−ビス{〔3−(ドデシルチオ)−1−オキソプロポキシ〕メチル}プロパン−1,3−ジイルビス〔3−(ドデシルチオ)プロピオネート〕、3,3’−チオビスプロピオン酸ジトリデシル、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
さらに具体的には、株式会社ADEKA製アデカスタブAO−412S、AO−503、ケミプロ化成株式会社製KEMINOXPLS等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また酸化防止剤の含有量は、着色組成物の固形分100質量%中、0.5〜5.0質量%の場合、透過率、分光特性、及び感度が良好であるためより好ましい。
<レベリング剤(K)>
本発明の感光性着色組成物には、透明基板上での組成物の塗布性、着色被膜の乾燥性を良好することを目的として、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーや、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
さらに具体的には、ビックケミー社製BYK−300、306、310、313、315N、320、322、323、330、331、333、342、345/346、347、348、349、370、377、378、3455、UV3510、3570、東レ・ダウコーニング株式会社製FZ−7002、2110、2122、2123、2191、5609、信越化学工業株式会社製X−22−4952、X−22−4272、X−
22−6266、KF−351A、KF−354L、KF−355A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、X−22−4515、KF−6004、KP−341等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤又はレべリング剤が挙げられる。
さらに具体的には、AGCセイミケミカル株式会社製サーフロンS−242、S−243、S−420、S−611、S−651、S−386、DIC株式会社製メガファックF−253、F−477、F−551、F−552、F−555、F−558、F−560、F−570、F−575,F−576、R−40−LM、R−41、RS−72−K、DS−21、住友スリーエム株式会社製FC−4430、FC−4432、三菱マテリアル電子化成株式会社製EF−PP31N09、EF−PP33G1、EF−PP32C1、株式会社ネオス製フタージェント602A等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシフェニレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキイエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキルイミダゾリン等が挙げられる。
さらに具体的には、花王株式会社製エマルゲン103、104P、106、108、109P、120、123P、130K、147、150、210P、220、306P、320P、350、404、408、409PV、420、430、705、707、709、1108、1118S−70、1135S−70、1150S−60、2020G−HA、2025G、LS−106、LS−110、LS−114、MS−110、A−60、A−90、B−66、PP−290、ラテムルPD−420、PD−430、PD−430S、PD450、レオドールSP−L10、SP−P10、SP−S10V、SP−S20、SP−S30V、SP−O10V、SP−O30V、スーパーSP−L10、AS−10V、AO−10V、AO−15V、TW−L120、TW−L106、TW−P120、TW−S120V、TW−S320V、TW−O120V、TW−O106V、TW−IS399C、スーパーTW−L120、430V、440V、460V、MS−50、MS−60、MO−60、MS−165V、エマノーン1112、3199V、3299V、3299RV、4110、CH−25、CH−40、CH−60(K)、アミート102、105、105A、302、320、アミノーンPK−02S、L−02、ホモゲノールL−95、株式会社ADEKA社製アデカプルロニックL−23、31
、44、61、62、64、71、72、101、121、TR−701、702、704、913R、共栄社化学株式会社製(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としてはアルキルアミン塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
さらに具体的には、花王株式会社製アセタミン24、コータミン24P、60W、86Pコンク等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
さらに具体的には、株式会社ネオス製フタージェント100、150、株式会社ADEKA社製アデカホープYES−25、アデカコールTS−230E、PS−440E、EC−8600等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
さらに具体的には、花王株式会社製アンヒトール20AB、20BS、24B、55AB、86B、20Y−B、20N等が挙げられる。
本発明の感光性着色組成物に界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の添加量は、本発明の組成物の全固形分に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1.0質量%である。この範囲内であることで、着色組成物の塗布性とパターン密着性、透過率のバランスが良好となる。
本発明の感光性着色組成物は、界面活性剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<貯蔵安定剤(L)>
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤の全量を基準(100重量%)として、0.1〜10重量%の量で用いることができる。
<密着向上剤(M)>
本発明の感光性着色組成物には、基材との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることができる。密着向上剤による密着性が向上することにより、細線の再現性が良好となり解像度が向上する。
密着向上剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノシラン類、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト類、p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル類、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド類、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド類、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート類などのシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100質量部に対し、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部の量で用いることができる。この範囲内で効果が大きくなり、密着性、解像性、感度のバランスが良好であるためより好ましい。
<溶剤(N)>
本発明の着色組成物には、ガラス等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布して着色膜を形成することを容易にするために溶剤を含有させる。溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物の各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
溶剤としては、当該分野で通常使用される溶剤を用いることが出来、沸点、SP値、蒸発速度、粘度などの性能を勘案し、塗布条件(速度、乾燥条件など)に合わせて適宜、単独または混合して使用される。
使用される溶剤としては、例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル-n-プロピルエーテル、アニソー
ル、フェネトール、メチルアニソールなどが挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジアセテートなどが挙げられる。
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロンなどが挙げられる。
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
これらの溶剤は、単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤を含むことが好ましい。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等がより好ましい。
<着色組成物の製造方法>
本発明に含まれる着色組成物は、顔料を、分散剤、バインダ樹脂及び/又は溶剤中に、好ましくは分散助剤(色素誘導体や界面活性剤)と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。このとき、2種以上の顔料を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に顔料担体に分散したものを混合しても良い。
<感光性着色組成物の製造方法>
また、感光性着色組成物として用いる場合は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色組成物は、前記着色組成物と、光重合性単量体及び/又は光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他の分散助剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色分散体もしくは感光性組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、及び青色フィルタセグメントを具備する。また、カラーフィルタは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、及び黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
カラーフィルタは、印刷法又はフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度及び平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して露光(放射線の照射)を行う。その後、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー
法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、上記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
本発明のカラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、カラー液晶表示装置が製造される。このカラー液晶表示装置は、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
また、本発明のカラーフィルタは、カラー液晶表示装置以外にカラー固体撮像素子、有機EL表示装置、量子ドット表示装置、及び電子ペーパー等の製造に使用することもできる。
<液晶表示装置>
本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタと、光源とを具備する。光源としては、冷陰極管(CCFL),白色LEDが挙げられるが、本発明においては赤の再現領域が広がるという点で、白色LEDを使用することが好ましい。図1は、本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置10の概略断面図である。図1に示す装置10は、離間対向して配置された一対の透明基板11および21を備え、それらの間には、液晶LCが封入されている。
液晶LCは、TN(Twisted Nematic)、STN(SuperTwisted Nematic)、IPS(In-Plane switching)、VA(Vertical Alignment)、OCB(OpticallyCompensated Birefringence)等の駆動モードに応じて配向される。第1の透明基板11の内面には、
TFT(薄膜トランジスター)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOか
らなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
他方、第2の透明基板21の内面には、本発明のカラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。
カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。
また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、バックライトユニット30が設けられている。
白色LED光源としては、青色LEDの表面に蛍光フィルタを形成したものや、青色LEDの樹脂パッケージに蛍光体を含有させたものがあり、430nm〜485nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ3)を有し、530nm〜580nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ4)を有し、600nm〜650nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ5)を有し、かつ波長λ3における発光強度I3と波長λ4における発光強度I4の比(I4/I3)が0.2以上0.4以下であり、波長λ3における発光強度I3と波長λ5における発光強度I5の比(I5/I3)が0.1以上1.3以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED1)や、430nm〜485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長(λ1)を有し、530nm〜580nmの範囲内に第2の発光強度のピーク波長(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が0.2以上0.7以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED2)が好ましい。
LED1としては、具体的にはNSSW306D−HG−V1(日亜化学社製)、NSSW304D−HG−V1(日亜化学社製)等が挙げられる。
LED2としては、具体的にはNSSW440(日亜化学社製)、NSSW304D(日亜化学社製)等が挙げられる。
以下に、実施例により本発明を説明する。なお、実施例中の「部」及び「%」とは、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
バインダ樹脂、樹脂型分散剤、染料を造塩する樹脂等の樹脂に関する重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、酸価(mgKOH/g)、アミン価(mgKOH/g)
、アンモニウム塩価(mgKOH/g)は以下の通りである。
<重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、>
樹脂の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK−GEL SUPER HZM−N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてTHF溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サン
プルは1wt%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットル注入した。分子量はいずれもポリスチレン換算値である。
<酸価(mgKOH/g)>
樹脂溶液0.5〜1gに、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
<アミン価(mgKOH/g)>
アミン価は、ASTM D 2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mgKOH/g)を固形分換算した値である。
<アンモニウム塩価(mgKOH/g)>
アンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値であり、不揮発分のアンモニウム塩価を示す。
<微細化顔料の作製>
<有機顔料(A1)の製造方法>
(ベース化合物)
今回使用したベース化合物([B−1]〜[B−5])を表1に記載した。

(カップラー化合物[C−1]の製造)
3−ヒドロキシ−2-ナフトエ酸167部、テトラヒドロフラン1500部、N,N−ジ
メチルホルムアミド1部を混合した後、塩化チオニル221部を添加して、1時間、室温撹拌することでカルボン酸クロリド溶液を得た。別途、N−メチルピロリドン1000部
、1,3−フェニレンジアミン48部を混合した溶液を調製しておき、この溶液に対して、カルボン酸クロリド溶液を30分間かけて滴下していった。この時、反応溶液の温度を10℃以下に保持しながら、滴下を行った。滴下終了後、2時間、室温撹拌した後、析出した反応物をろ取し、目的物を得た。更に、メタノール1000部で洗浄し、減圧下で乾燥することで、カップラー化合物[C−1]196部(収率98.5%)を得た。
(カップラー化合物[C−2]〜[C−17]の製造)
カップラー化合物[C−1]の製造で使用した1,3−フェニレンジアミン48部の代わりに、表2に記載するジアミン類、質量部を変更した以外は、カップラー化合物[C−1]の製造と同様の操作を行い、カップラー化合物[C−2]〜[C−17]を製造した。



(アゾ顔料1の製造)
N−メチルピロリドン1500部にベース化合物[B−1]169部を加えた後、35
%塩酸294部を加え、−2〜0℃になるよう冷却した。この溶液に25%亜硝酸ナトリウム水溶液208部を加えた後、0〜5℃に保持しながら、30分間攪拌し、ジアゾニウム溶液を調製した。別途、カップラー化合物[C−1]167部と、25%水酸化ナトリウム溶液316部、メタノール1500部からなるカップラー溶液を調製した。調製したジアゾニウム溶液とカップラー溶液を、同時にpH5.4の酢酸バッファー溶液1000部に10分間で滴下した。滴下終了後、室温で30分間攪拌した後、さらに、80℃に保持しながら攪拌し、析出した反応物をろ取し、熱湯で洗浄後、乾燥してアゾ顔料1を337部(収率:98.1%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料1であることを同定した。
アゾ顔料1

(アゾ顔料2の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]169部の代わりに、ベース化合物[B−2]181部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料2を340部(収率:95.6%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料2であることを同定した。
アゾ顔料2


(アゾ顔料3の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]169部の代わりに、ベース化合物[B−3]128部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料3を296部(収率:97.9%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料3であることを同定した。
アゾ顔料3
(アゾ顔料4の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したベース化合物[B−1]169部の代わりに、ベース化合物[B−4]187部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料4を357部(収率:98.9%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料4であることを同定した。
アゾ顔料4
(アゾ顔料5の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップラー化合物[C−3]172部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料5を352部(収率:97.6%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料5であることを同定した。
アゾ顔料5
(アゾ顔料6の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップラー化合物[C−4]183部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料6を353部(収率:95.0%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料6であることを同定した。
アゾ顔料6
(アゾ顔料7の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップラー化合物[C−5]197部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料7を379部(収率:98.4%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料7であることを同定した。
アゾ顔料7
(アゾ顔料8の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップラー化合物[C−6]190部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料8を368部(収率:97.3%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料8であることを同定した。
アゾ顔料8

(アゾ顔料9の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップラー化合物[C−7]189部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料9を373部(収率:98.8%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料9であることを同定した。
アゾ顔料9
(アゾ顔料10の製造)
アゾ顔料1の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップ
ラー化合物[C−2]219部を使用した以外は、アゾ顔料1の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料10を390部(収率:98.7%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料10であることを同定した。
アゾ顔料10

(アゾ顔料11の製造)
アゾ顔料10の製造で使用したベース化合物[B−1]169部の代わりに、ベース化合物[B−2]181部を使用した以外は、アゾ顔料10の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料11を397部(収率:97.4%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料11であることを同定した。
アゾ顔料11

(アゾ顔料12の製造)
アゾ顔料10の製造で使用したベース化合物[B−1]169部の代わりに、ベース化合物[B−3]128部を使用した以外は、アゾ顔料10の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料12を337部(収率:95.2%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料12であることを同定した。
アゾ顔料12

(アゾ顔料13の製造)
アゾ顔料10の製造で使用したベース化合物[B−1]169部の代わりに、ベース化合物[B−5]190部を使用した以外は、アゾ顔料10の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料13を405部(収率:97.4%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料13であることを同定した。
アゾ顔料13

(アゾ顔料14の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップラー化合物[C−8]195部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料14を375部(収率:97.7%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料14であることを同定した。
アゾ顔料14

(アゾ顔料15の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップ
ラー化合物[C−9]263部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料15を437部(収率:96.9%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料15であることを同定した。
アゾ顔料15

(アゾ顔料16の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップラー化合物[C−10]201部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料16を382部(収率:98.1%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料16であることを同定した。
アゾ顔料16

(アゾ顔料17の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップラー化合物[C−11]207部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料17を383部(収率:96.9%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料17であることを同定した。
アゾ顔料17


(アゾ顔料18の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップラー化合物[C−12]206部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料18を383部(収率:97.3%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料18であることを同定した。
アゾ顔料18

(アゾ顔料19の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップラー化合物[C−15]212部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料19を395部(収率:98.7%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料19であることを同定した。
アゾ顔料19

(アゾ顔料20の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップラー化合物[C−16]211部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料20を390部(収率:97.7%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料20であることを同定した。
アゾ顔料20

(アゾ顔料21の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップラー化合物[C−17]237部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料21を409部(収率:96.0%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料21であることを同定した。
アゾ顔料21

(アゾ顔料22の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップラー化合物[C−13]229部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料22を400部(収率:95.8%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料22であることを同定した。
アゾ顔料22

(アゾ顔料23の製造)
アゾ顔料2の製造で使用したカップラー化合物[C−1]167部の代わりに、カップラー化合物[C−14]241部を使用した以外は、アゾ顔料2の製造と同様の操作を行い、アゾ顔料23を423部(収率:98.4%)得た。TOF−MSによる質量分析および元素分析の結果、アゾ顔料23であることを同定した。
アゾ顔料23


(A1−1の製造) アゾ顔料の微細化
アゾ顔料1を80部、塩化ナトリウム800部、およびジエチレングリコール90部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、78部の微細化顔料(A1−1)を得た。
(A1−2〜23の製造) アゾ顔料の微細化
アゾ顔料1の代わりに、表3に示したアゾ顔料に変更した以外はA1−1の製造と同様にして、微細化顔料A1−2〜23を得た。

(A1−24〜39の製造)
特開2013−161026号公報の記載に基づき、表4に示すアゾ化合物1〜16を得た。さらに、同公報のソルトミリング処理を行い、アゾ化合物1〜16の微細化顔料(A1−24〜39)を得た。



(微細化顔料(A2−1)の製造)
下記式(101)の臭素化ジケトピロロピロール顔料100部、塩化ナトリウム1000部、およびジエチレングリコール120部を、ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)中に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、混練した混合物を温水に投入し、約80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして食塩およびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することによりジケトピロロピロール系顔料を有する微細化顔料(A2−1)96.9部を得た。平均一次粒子径は33.1nmであった。
化学式(101)
(微細化顔料(A2−2)の製造)
式(1)の臭素化ジケトピロロピロール顔料を、市販のC.I.ピグメントレッド254(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)に変更した以外は、微細化顔料(A2−2)の製造と同様に行い、ジケトピロロピロール系微細化顔料(A−41)97.3部を得た。平均一次粒子径は34.2nmであった。
(微細化顔料(A2−3)の製造)
C.I.Pigment Red 242(クラリアント社製「ノボパーム スカーレット4RF」)100部、塩化ナトリウム1600部、及びジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し微細化顔料(A2−3)を得た。平均一次粒子径は35.2nmであった。
(微細化顔料(A2−4)の製造)
アントラキノン系赤色顔料C.I.Pigment Red 177(チバスペシャルティケミカルズ社製「クロモフタルレッド A2B」):500部、塩化ナトリウム:500
部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化顔料(A2−4)を得た。平均一次粒子径は34.5nmであった。
(微細化顔料(A2−5)の製造)
キノフタロン系黄色顔料C.I.Pigment Yellow138(BASF社製「
パリオトールイエローK0961HD」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部の微細化顔料(A2−5)を得た。
平均一次粒子径は34.3nmであった。
(微細化顔料(A2−6)の製造)
イソインドリン系黄色顔料C.I.pigment yellow 139(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)100部、塩化ナトリウム1600部、及びジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し、微細化顔料(A2−6)を得た。平均一次粒子径は34.6nmであった。
(微細化顔料(A2−7)の製造)
金属錯体系黄色顔料(C.I.pigment yellow 150、ランクセス社製
「Yellow Pigment E4GN」)100部、塩化ナトリウム1600部、及びジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し、微細化顔料(A2−7)を得た。平均一次粒子径は36.6nmであった。
(微細化顔料(A2−8)の製造)
黄色顔料C.I.Pigment Yellow 185(チバ・ジャパン社製「」)(BASF社製「パリオトールエローD1155」):500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の微細化顔料(A2−8)を得た。平均一次粒子径は35.9nmであった。
<微細化顔料(A2−9〜11)の製造>
特開2012−226110号公報に記載の合成方法に従い、下記キノフタロン化合物(a)〜(c)を得た。
次に、上記キノフタロン化合物(a)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の微細化顔料(A2−9)を得た。平均一次粒子径は31.3nmであった。
キノフタロン化合物(b)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化顔料(A2−10)98部を得た。平均一次粒子径は31.1nmであった。
キノフタロン化合物(c)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコ
ールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化顔料(A2−11)97部を得た。平均一次粒子径は34.1nmであった。
表5に微細化顔料番号とその種類の関係について示す。

<染料(a)の製造方法>
下記の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1とそれぞれの染料を用いて、染料の樹脂造塩物を製造した。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂1)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリ
レート34.0部、n−ブチルメタクリレート28.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、不揮発分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6830である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間か
けて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47質量%のアンモニウム基を有する側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は34mgKOH/gであった。
(その他の着色剤(染料1))
水2000部に不揮発分換算で30部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱した。一方、90部の水に10部のC.I.アシッドレッド52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下した
。滴下後、60℃で120分間攪拌し、十分に反応を行った。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、C.I.アシッドレッド52と
側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物である着色剤(染料1)を得た。このとき着色剤(染料1)中のC.I.アシッドレッド 52に由来する有効色素成分の含有
量は25質量%であった。
(その他の着色剤(染料2))
C.I.アシッド レッド52をC.I.アシッド レッド 289に変更した以外は着
色剤(染料1)の製造と同様に行い、C.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物である着色剤(染料2)を得た。このとき着色剤(染料2)の中のC.I.アシッドレッド 289に由来する有効色素成分の含有量は27質量%であった。
(その他の着色剤(染料3))
環流管を付けた1Lのステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、C.I.ベーシックバイオレット10(BV10:田岡化学社製:Rodamine B)を5.0部、ヒドロ
キシエチルメタクリレート(HEMA)1.6部をジクロロメタン40mlに溶解させ、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩2.2部、ジメチル
アミノピリジン0.25部を添加して室温で24時間攪拌を行った。得られたジクロロメタン溶液を、水で洗浄し、減圧乾燥させた後、シリカゲルカラムにて精製を行い、着色剤(染料3)を得た。
<色素誘導体>
下記の通りの色素誘導体を使用した。
色素誘導体(1)
色素誘導体(2)
色素誘導体(3)
色素誘導体(4)
<樹脂型分散剤(B)の製造>
[カルボキシル基を有する樹脂型分散剤(B1)液の製造]
(カルボキシル基を有する樹脂型分散剤(B1−1)液の製造)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、無水トリメリット酸3部、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール1部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50部、ジメチルベンジルアミン0.1部を仕込んだ。窒素ガスで置換した後、反応容器内を120℃に加熱し4時間反応させ、次いで80℃で2時間反応させた。さらにターシャリーブチルアクリレート30部、ETERNACOLL OXMA(メタクリル酸(3‐エチルオキセタン‐3‐イル)メチル、宇部興産製)20部、
メタクリル酸5部、エチルアクリレート40部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10部を仕込み、反応容器内を80℃に保ちながら2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部を15回に分けて30分ごとに添加した。最終添加から1時間後に固形分測定を行い、モノマーの95%が反応したことを確認した。固形分測定で固形分40%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて希釈し、固形分当たりの酸価51mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)24,000のカルボキシル基を有する樹脂型分散剤(B1−1)液を得た。
(カルボキシル基を有する樹脂型分散剤(B1−2〜6)液の製造)
表6−1に記載の配合量に変更した以外は樹脂型分散剤(B1−1)液と同様に合成・調整し、樹脂型分散剤(B1−2〜6)液を得た。
<表中の略語>
PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
tBA:t−ブチルアクリレート
OXMA:ETERNACOLL OXMA(メタクリル酸(3‐エチルオキセタン‐3‐
イル)メチル 、宇部興産製)
MAA:メタクリル酸
EA:エチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
(カルボキシル基を有する樹脂型分散剤(B1−7)液の製造)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート80部、メチルメタクリレート60部、メタクリル酸20部、カレンズMOI−BM(昭和電工製)20部、ETERNACOLLOXMA(宇部興産製)20部、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール14部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、BPAF:9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二酸無水物(JFEケミカル株式会社製)39部、C−1015N(2官能ポリカーボネートポリオール、商品名クラレポリオールC−1015N(水酸基価112mgKOH/g、クラレ株式会社製))106部、トリメリット酸無水物33部、シクロヘキサノン392部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで固形分40%に調整し、酸価94mgKOH/g、重量平均分子量25000の樹脂型分散剤(B1−7)液を得た。
(カルボキシル基を有する樹脂型分散剤(B1−8)液の製造)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート40部、2−メトキシエチルアクリレート40部、メチルメタクリレート60部、メタクリル酸20部、カレンズMOI−BM(昭和電工製)20部、ETERNACOLL
OXMA(宇部興産製)20部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
100部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール14部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、BPAF:9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二酸無水物(JFEケミカル株式会社製)39部、C−1015N(2官能ポリカーボネートポリオール、商品名クラレポリオールC−1015N(水酸基価112mgKOH/g、クラレ株式会社製))106部、トリメリット酸無水物33部、シクロヘキサノン392部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで固形分40%に調整し、酸価94mgKOH/g、重量平均分子量22000の樹脂型分散剤(B1−8)液を得た。
(分散剤(B1−9)液の製造)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、無水トリメリット酸6部、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール2部、メトキシプロピルアセテート50部、ジメチルベンジルアミン0.1部を仕込んだ。窒素ガスで置換した後、反応容器内を120℃に加熱し4時間反応させ、次いで80℃で2時間反応させた。さらにメタクリル酸2-ヒドロキシエチル20部、ターシャリーブチルアクリレート30部、ETERNACOLL OXMA(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、宇部興産製)20部、メタクリル酸5部、エチルアクリレート25部を仕込み、反応容器内を80℃に保ちながら2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部を15回に分けて30分ごとに添加した。最終添加から1時間後に固形分測定を行い、モノマーの95%が反応したことを確認した。次にメトキシプロピルアセテート60部で希釈した。その後、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、昭和電工24部、ヒドロキノン0.1部、メトキシプロピルアセテート29部を仕込み、反応器内を70℃に加熱して4時間反応させた。IRにてイソシアネート基に基づく2270cm−1のピークの消失を確認後、メトキシプロピルアセテート37部で希釈し、反応を終了した。固形分40%、固形分当たりの酸価51mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)15,000の分散剤(B1−9)液を得た。
(分散剤(B1−10〜13)液の製造)
表6−2に記載の配合量に変更した以外は分散剤(B1−9)液と同様に合成・固形分調整し、分散剤(B1−10〜13)液を得た。
<表中の略語>
PGMAc:メトキシプロピルアセテート
HEMA:メタクリル酸2-ヒドロキシエチル
GLM:2-メチルプロペン酸2,3-ジヒドロキシプロピル(日油製:ブレンマーGLM)
tBA:t−ブチルアクリレート
OXMA:ETERNACOLL OXMA(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、宇部興産製)
MAA:メタクリル酸
EA:エチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
MOI:2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工製:カレンズMOI)
AOI:2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工製:カレンズAOI)
BEI:1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(昭和電工製:カレンズBEI)
[ピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2)の製造]
(ピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2−1)の製造)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート133部を仕込み、窒素置換しながら110℃に昇温した。滴下槽にテトラメチルピペリジルメタクリレート120部(日立化成工業(株)製、ファンクリルFA−712HM)、メチルアクリレート70部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート61部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6部仕込み、均一になるまで攪拌した後、反応槽へ2時間かけて滴下し、その後同温度で3時間反応を継続した。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで固形分40%に調整し、固形分当たりのアミン価が145mgKOH/g、数平均分子量3,500(Mn)のピペリジ
ル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2−1)を得た。
(ピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2−2)の製造)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート133部を仕込み、窒素置換しながら110℃に昇温した。滴下槽にペンタメチルピペリジルメタクリレート80部(日立化成工業(株)製、ファンクリルFA−711MM)、メチルアクリレート100部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート61部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6部仕込み、均一になるまで攪拌した後、反応槽へ2時間かけて滴下し、その後同温度で3時間反応を継続した。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで固形分40%に調整し、固形分当たりのアミン価が91mgKOH/g、数平均分子量3,800(Mn)のピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2−2)を得た。
(ピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2−3)の製造)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート30部、nーブチルメタクリレート30部、ヒドロキシエチルメタクリレート20部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル9.3部、塩化第一銅5.6部、メトキシプロピルアセテート133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロック(Bブロック)の重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、メトキシプロピルアセテート61部、第二ブロック(Aブロック)モノマーとして1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジルメタクリレート20部(日立化成工業(株)製、ファンクリルFA−711MM)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジルメタクリレート投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロック(Aブロック)の重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
このようにして、固形分当たりのアミン価が57mgKOH/g、数平均分子量4,500(Mn)のピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2−3)を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2−3)液を調製した。
(ビニル系樹脂型分散剤(B3−1)の製造)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート133部を仕込み、窒素置換しながら100℃に昇温した。滴下槽にN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート200部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート61部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6部仕込み、均一になるまで攪拌した後、反応槽へ2時間かけて滴下し、その後同温度で3時間反応を継続した。このようにして、固形分当たりのアミン価が345mgKOH/g、数平均分子量2,500(Mn)の3級アミノ基を有するビニル系樹脂(B3−1)を得た。
<バインダ樹脂(C1:非感光性樹脂)の製造例>
(バインダ樹脂(C1−1)液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を
取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダ樹脂(C1−1)液を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
(バインダ樹脂(C1−2)液の調製)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコ内を窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート210部を入れ、撹拌しながら100℃まで昇温した。次いで、ベンジルメタクリレート106部、アクリル酸22部及びジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成(株)製FA−513M)22部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート215部に溶解させ、さらに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3.6部を溶解させて調製した溶液を、フラスコ内に滴下し、100℃で5時間撹拌し続けることにより、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダ樹脂を調製し、重量平均分子量(Mw)10000の樹脂(C1−2)溶液を得た。
(バインダ樹脂(C1−M)液の調製)
バインダ樹脂(C1−1)液とバインダ樹脂(C1−2)液を同量混合・撹拌してバインダ樹脂(C1−M)液を調整した。
<バインダ樹脂(C2:感光性樹脂)の製造例>
(バインダ樹脂(C2−1)液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけ
て滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダ樹脂(C2−1)を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
(バインダ樹脂(C2−2)液の調製)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート333gを導入し、フラスコ内雰囲気を空
気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート70.5g(0.40モル)、グリシジルメタクリレート71.1g(0.50モル)、トリシクロデカン骨格
のモノメタクリレート(日立化成(株)製FA−513M)22.0g(0.10モル)および、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート164gからなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を滴下ロートから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、メタクリル酸43.0g[0.5モル、(本反応に用いたグリシジルメタクリレートのグリシジル基に対して100モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9gおよびハイドロキノン0.145gをフラスコ内に投入し、110℃で6時間反応を続け固形分酸価が1mgKOH/gとなったところで反応を終了した。次に、テトラヒドロフタル無水フタル酸60.9g(0.40モル)、トリエチルアミン0.8gを加え、120℃で3.5時間反応させ酸価80mgKOH/gの感光性透明樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、感光性透明樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダ樹脂(C2−2)液を調製した。重量平均分子量(Mw)は12,000であった。
(バインダ樹脂(C2−3)液の調整)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート70.5g(0.40モル)、メタクリル酸43.0g(0.5モル)、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート(日立化成(株)製FA−513M)22.0g(0.10モル)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gからなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を滴下ロートから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート35.5g[0.25モル、(本反応に用いたメタクリル酸のカルボキシル基に対して50モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9gおよびハイドロキノン0.145gをフラスコ内に投入し、110℃で6時間反応を続け、酸価が79mgKOH/gの感光性透明樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、感光性透明樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダ樹脂(C2−3)液を調製した。重量平均分子量(Mw)は13,000であった。
(バインダ樹脂(C2−4)液の調製)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート40部、メタクリル酸40部、メタクリル酸メチル120部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂製「パーブチルO」)4部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−ドデカンチオール8部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート32部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート395部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃ にした。3時間110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(体積比)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル70部、2
,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)0.4部、トリエチルアミン0.8部を仕込み、そのまま110℃ で12時間反応させた。その後、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート150部を加えて室温まで冷却し、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダ樹脂(C2−4)液を得た。樹脂の重量平均分子量(Mw)は18000、固形分当たりの酸価は2mgKOH/gであった。
(バインダ樹脂(C2−M)液の調製)
バインダ樹脂(C2−1)〜(C2−4)液の4種類を同量混合・撹拌してバインダ樹脂(C2−M)液を調整した。
<着色組成物の製造方法>
[実施例1]
(着色組成物(単色:R−1)の製造)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の着色組成物(R−1)を作製した。
有機顔料(A1−1) 14.0部
カルボキシル基を有する樹脂型分散剤(B1−1:不揮発分40.0%液) 3.0部
バインダ樹脂(C1−M:不揮発分20.0%液) 24.0部
溶剤(N:後述) 59.0部
[実施例2〜56、比較例1]
(着色組成物(R−2〜57)の製造)
表7に示す組成に変更した以外は着色組成物(R−1)と同様にして、着色組成物(R−2〜57)を調製した。
[製造例1〜24、28〜32]
(その他着色組成物(S−1〜29)の製造)
表8に示す組成に変更した以外は着色組成物(R−1)と同様にして、着色組成物(S−1〜29)を調製した。
[製造例25]
(その他着色組成物(染料1溶液)の製造)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、孔径5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物(染料1溶液)を作製した。
着色剤(染料1) 20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80.0部
[製造例26,27]
(その他着色組成物(染料2溶液、染料3溶液)の製造)
着色組成物(染料1溶液)と同様にして、着色剤(染料2、染料3)を用いてそれぞれ着色組成物(染料2溶液、染料3溶液)を調製した。
<着色組成物(色材混合)の製造方法>
[実施例101]
(着色組成物(X−1)の作製)
以下の原料を混合、攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して着色組成物(X−1)
を得た。
着色組成物(R−1:不揮発分20.0%液) 36.0部
顔料分散体(S−1:不揮発分20.0%液) 32.0部
バインダ樹脂(C1−M:不揮発分20.0%液) 32.0部
[実施例102〜190、比較例2]
(着色組成物(X−2〜91)の作製)
表9に記載した通りの材料種、質量に変更した以外は、実施例101と同様に着色組成物(X−2〜91)を作製した。
<着色組成物の評価>
得られた着色組成物(R−1〜57、X−1〜91)について、粘度、保存安定性に関する試験を下記の方法で行った。試験の結果を表10に示す。
〈粘度特性の測定〉
E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて回転数20rpmにおける粘度を測定した。評価のランクは次の通りである。
○:粘度 4.0以上20.0未満 :良好レベル
×:粘度 20以上 :実用不可レベル
(保存安定性〉
実施例及び比較例で得られた着色組成物について、下記の方法で保存安定性を評価した。着色組成物を調製した翌日の初期粘度と、40℃で1週間、経時促進させた経時粘度を、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃において回転数50rpmという条件で測定した。この初期粘度及び経時粘度の値から、下記式で経時粘度変化率を算出し、保存安定性を2段階で評価した。
[経時粘度変化率]=|([初期粘度]−[経時粘度])/[初期粘度]|×100
○ : 変化率50%未満のもの :良好レベル
× : 変化率50%以上のもの :実用不可レベル
<感光性着色組成物の製造方法>
[実施例201]
(感光性着色組成物(Y−1))
以下の原料を混合、攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して感光性着色組成物(Y
−1)を得た。
着色組成物(R−1:不揮発分20.0%) :50.0部
バインダ樹脂(C2−M:不揮発分20.0%) :15.0部
熱硬化性化合物(CE−1) :1.0部
熱硬化性化合物(CE−2) :1.0部
重合性化合物(D) :3.0部
光重合開始剤(E) :1.8部
増感剤(F) :0.2部
チオール系連鎖移動剤(G) :0.4部
重合禁止剤(H) :0.1部
紫外線吸収剤(I) :0.1部
酸化防止剤(J) :0.1部
レベリング剤(K:不揮発分3%) :1.0部
貯蔵安定剤(L) :0.1部
シランカップリング剤(M) :0.2部
溶剤(N) :26.0部
[実施例202〜256、比較例201、301〜390、比較例301]
(感光性着色組成物(Y−2〜133148)の作製)
実施例201の着色組成物を表11に記載した通りに変更した以外は、実施例201と同様に行い感光性着色組成物(Y−2〜143148)をそれぞれ作製した。尚、それぞれの原料については、後述の通りである。
<熱硬化性化合物(CE)>
・エポキシ化合物(CE−1)
(CE−1−1)2,2'-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物
[EHPE−3150(ダイセル社製)]、
(CE−1−2)ソルビトールのグリシジルエーテル化エポキシ化合物
[デナコールEX611(ナガセケムテックス株式会社製)]、
(CE−1−3)イソシアヌル酸トリグリシジル
(CE−1−1)〜(CE−1−3)をそれぞれ同量混合し、エポキシ化合物(CE−1)とした。
・オキセタン化合物(CE−2):
3−エチル−3−[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]オキセタン
[アロンオキセタンOXT−221(東亞合成株式会社製)]
<重合性化合物(D)>
(D−1)トリメチロールプロパントリアクリレート
[アロニックスM309(東亞合成株式会社製)]
(D−2)ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート(E−2)
[アロニックスM402(東亞合成株式会社製)]
(D−3)多塩基酸性アクリルオリゴマー
[アロニックスM520(東亞合成株式会社製)]
(D−4)カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
[KAYARAD DPCA−30(日本化薬社製)]
(D−5)下記による多官能ウレタンアクリレート
内容量が1リットル5つ口反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(432g、ヘキサメチレンジイソシアネート84gを仕込み、60℃で8時間反応させ、(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレート(D−5)を含む生成物を得た。生成物中、多官能ウレタンアクリレート(D−5)の占める割合は、70質量%であり、残部を他の光重合性モノマーで占めている。なお、IR分析により反応生成物中にイソシアネート基が存在しないことを確認した。
(D−6)2官能のビスフェノールA型(メタ)アクリレート
[ABE−300(新中村化学社製)]
(D−7)エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート
[A−9300(新中村化学社製)]
以上、(D−1)〜(D−7)をそれぞれ同量にて混合し、重合性化合物(D)とした。
<光重合開始剤(E)>
(E−1)2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン
[イルガキュア907(BASFジャパン社製)]
(E−2)2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
[イルガキュア379(BASFジャパン社製)]
(E−3)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド
[ルシリンTPO(チバ・ジャパン社製)]
(E−4)2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
[ビイミダゾール(黒金化成社製)]
(E−5)p−ジメチルアミノアセトフェノン
[DMA(ダイキファイン社製)]
(E−6)エタン−1−オン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)
[イルガキュアOXE02(BASFジャパン社製)]
(E−7)1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン
[イルガキュア2959(BASFジャパン社製)]
(E−8)ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド
[イルガキュア819(BASFジャパン社製)]
以上、(E−1)〜(E−8)をそれぞれ同量にて混合し、光重合開始剤(E)とした。
<増感剤(F) >
(F−1)2,4−ジエチルチオキサントン
[カヤキュアDETX−S(日本化薬社製)]
(F−2)4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
[CHEMARK DEABP(Chemark Chemical社製)]
以上、(F−1)(F−2)をそれぞれ同量にて混合し、増感剤(F)とした。
<チオール系連鎖移動剤(G)>
(G−1)トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)
[TEMB(昭和電工社製)]
(G−2)トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)
[TPMB(昭和電工社製)]
(G−3)ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
[PEMP(堺化学工業社製)]
(G−4)トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)
[TMMP(堺化学工業社製)]
(G−5)トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]―イソシアヌレート[TEMPIC(堺化学工業社製)]
以上、(G−1)〜(G−5)をそれぞれ同量にて混合し、チオール系連鎖移動剤(G)とした。
<重合禁止剤(H)>
(H−1)3−メチルカテコール
(H−2)メチルヒドロキノン
(H−3)tert−ブチルヒドロキノン
以上、(H−1)〜(H−3)をそれぞれ同量にて混合し、重合禁止剤(H)とした。
<紫外線吸収剤(I)>
(I−1)2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(ドデシルおよびトリデシル)オキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン
[TINUVIN400(BASFジャパン社製)]
(I−2)2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール
[TINUVIN900(BASFジャパン社製)]
以上、(I−1)(I−2)をそれぞれ同量にて混合し、紫外線吸収剤(I)とした。
<酸化防止剤(J)>
(J−1)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(J−2)3,3'−チオジプロパン酸ジオクタデシル
(J−3)トリス[2,4−ジ−(tert)−ブチルフェニル]ホスフィン
(J−4)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
(J−5)サリチル酸p−オクチルフェニル
以上、(J−1)〜(J−5)をそれぞれ同量にて混合し、酸化防止剤(J)とした。
<レベリング剤(K)>
ビックケミー社製「BYK−330 」 1部、
DIC株式会社製「メガファックF−551」 1部、
花王株式会社製「エマルゲン103」 1部
をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97部に溶解させた混合溶液。
<貯蔵安定剤(L)>
(L−1)2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール
(本州化学工業社製「BHT」)
(L−2)トリフェニルホスフィン
(北興化学工業社製「TPP」)
以上、(L−1)(L−2)をそれぞれ同量にて混合し、貯蔵安定剤(L)とした。
<密着向上剤(M)>
(M−1)3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM−403(信越化学工業株式会社製)]
(M−2)3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBE−503(信越化学工業株式会社製)]
(M−3)N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM−603(信越化学工業株式会社製)]
(M−4)3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM−803(信越化学工業株式会社製)]
以上、(M−1)〜(M−4)をそれぞれ同量にて混合し、密着向上剤(M)とした。
<溶剤(N) >
(N−1)シクロヘキサノン 20部
(N−2)3−エトキシプロピオン酸エチル 20部
(N−3)プロピレングリコールモノメチルエーテル 20部
(N−4)シクロヘキサノールアセテート 20部
(N−5)ジプロプレングリコールメチルエーテルアセテート 20部
(N−1)〜(N−5)をそれぞれ上記質量部にて混合し、溶剤(N)とした。
<感光性着色組成物の評価>
各試験を下記の方法で行った。試験の結果を表12に示す。
〈粘度特性の測定〉
E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて回転数20rpmにおける粘度を測定した。
評価のランクは次の通りである。
〇:粘度 2.0以上10.0未満 :良好レベル
×:粘度 10.0以上 :実用不可レベル
(保存安定性〉
実施例及び比較例で得られた感光性着色組成物について、下記の方法で保存安定性を評価した。
感光性着色組成物を調製した翌日の初期粘度と、40℃で1週間、経時促進させた経時粘度を、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃において回転数50rpmという条件で測定した。この初期粘度及び経時粘度の値から、下記式で経時粘度変化率を算出し、保存安定性を2段階で評価した。
[経時粘度変化率]=|([初期粘度]−[経時粘度])/[初期粘度]|×100
○ : 変化率50%未満のもの :良好レベル
× : 変化率50%以上のもの :実用不可レベル
(塗膜異物試験)
着色組成物を、ガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が1.2μmとなるように回転塗工し、120℃で120秒間プリベークを行い、試験サンプル基板を作成した。評価はオリンパスシステム社製金属顕微鏡「BX60」)を用いて表面観察を行った。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な粒子の数をカウントする。
下記の評価結果において、○は良好であり、△は異物が多いものの使用上問題ないレベルであり、×は異物による塗工ムラ(斑)が発生する。
○:20個未満 :良好レベル
△:20個以上、100個未満 :実用可能レベル
×:100個以上 :実用不可レベル
(耐溶剤性評価)
上記方法で作成した試験サンプル基板をN−メチルピロリドン溶液に30分浸漬後、イオン交換水で洗浄、風乾し、100μmフォトマスク部分でのパターンについて光学顕微鏡を用いて観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。
〇:外観、色に変化なく良好 :良好レベル
△:一部にシワ等が発生するが、色には変化なく良好 :実用可能レベル
×:ハガレや色落ちが発生 :実用不可レベル
10 液晶表示装置
11 透明基板
12 TFTアレイ
13 透明電極層
14 配向層
15 偏光板
21 透明基板
22 カラーフィルタ
23 透明電極層
24 配向層
25 偏光板
30 バックライトユニット
31 白色LED光源
LC 液晶

Claims (8)

  1. 着色剤(A)、分散剤(B)、およびバインダ樹脂(C)を含み、該着色剤(A)が、下記一般式(1)〜(3)で表される顔料からなる群より選択される1種以上の有機顔料(A1)、を含み、かつ、該分散剤(B)がテトラカルボン酸無水物及びトリカルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸無水物中の酸無水物基と水酸基含有化合物中の水酸基とを反応させてなる、カルボキシル基を有するポリエステル部分(X1)ならびに、水酸基、オキセタン基、t−ブチル基、ブロックイソシアネート基、および(メタ)アクリロイル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱架橋性官能基を有するエチレン性不飽和単量体(b1)と、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(b2)とをラジカル重合してなるビニル重合体部分(X2)、を有する分散剤(B1)を含むことを特徴とする着色組成物。
    一般式(1)


    [一般式(1)中、Rは、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す。
    〜Xは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、ハロゲン原子を表す。]
    一般式(2)


    [一般式(2)中、Rは、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す。
    〜X12は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子を表す。Aは、直接結合、または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、置換基を有してもよいアルキレン基、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−COO−、−CONH−、−SONH−を表す。]
    一般式(3)



    [一般式(3)中、Aは、それぞれ独立して、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェニル基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。
    1は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基
    、−OR7、または−COOR8を表す。R2〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR9、−COOR10、−CONHR11、または−SO2NHR12を表し、R2〜R6のうち少なくとも1つはトリフルオロメチル基を表す。R7〜R12は、それぞれ独立して、水素
    原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
  2. さらに着色剤(A)として、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185、下記一般式(4)で表される顔料、および下記一般式(5)で表される有機顔料(A2)からなる群より選択される1種以上を含む、請求項1に記載の着色組成物。
    一般式(4)


    [一般式(4)中、Aは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよい複素環基を表す。R51は、水素原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR57または−COOR58を表す。R57、R58は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
    一般式(5)


    [一般式(5)中、Z〜Z13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基、−SOH、−COOH、およびこれら酸性基の1価〜3価の金属塩、アルキルアンモニウム塩、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または置換基を有してもよいスルファモイル基を示し、
    〜Z、および/または、Z10〜Z13の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する場合がある。]
  3. さらに着色剤(A)が、キサンテン系、ジピロメテン系、トリアリールメタン系、シアニン系、フタロシアニン系およびアントラキノン系からなる染料(a)より選択される1種以上を含む請求項1または2に記載の着色組成物。
  4. 前記キサンテン系染料が、アニオン性基を有するキサンテン系酸性染料と、側鎖にカチオン性基を有する樹脂との造塩化合物である、請求項3に記載の着色組成物。
  5. 前記分散剤(B)がさらに、ピペリジル骨格を有するビニル系樹脂型分散剤(B2)を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の着色組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載の着色組成物に加えて、さらに重合性化合物(D)、光
    重合開始剤(E)を含むことを特徴とする感光性着色組成物。
  7. 請求項6に記載の感光性着色組成物を用いて形成されるカラーフィルタ。
  8. 請求項7のカラーフィルタを備える、液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115167075A (zh) * 2022-08-08 2022-10-11 杭州光粒科技有限公司 一种分散型染料大分子引发的光致聚合物、光栅及其制备方法

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