JP3725335B2 - 有機薄膜素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気又は光による信号の制御、記憶、演算、およびその他の機能を有する有機薄膜素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機分子あるいは有機結晶に固有の物性を利用して、従来のデバイスにはない新規な機能を有するデバイスを実現しようとする分子エレクトロニクスへの関心が高まっている。これまでに、有機分子を用いた2次非線形光学素子、電気的スイッチング素子、注入型発光素子、太陽電池、光情報記録媒体、およびその他へ応用しようとする研究が活発に行われている。
【0003】
これらはいずれも無機材料系においても見出されている物性を、有機材料を用いることによって、さらに特性や製造コストなどを改善しようとするものである。一方、本発明者らは有機分子系だけに見出される物性現象の一例として、ある種の有機錯体結晶に起こる電荷移動現象にも注目している。
【0004】
有機材料のうち、イオン化ポテンシャルが小さく、他の分子に電子を供給し、自らは正のイオンになりやすいドナー分子と、電子親和力が大きく、他の分子から電子を受け取って自らは負のイオンになりやすいアクセプター分子とがある。これら2種の分子間には、電荷移動錯体と称される化合物が形成されることはよく知られている。例えば、ペリレンとテトラシアノキノジメタン(TCNQ)とも化合物は、中性分子からなる化合物である。一方、テトラメチルフェニレンジアミン(TMPD)とTCNQとの化合物は、それぞれの分子が正および負となったイオン性の化合物である。また、テトラチアフルバレン(TTF)とクロラニル(CA)との化合物は、温度や圧力の変化によって中性−イオン性転移が観測されることも知られている(J. B. Torrance et al.: Phys. Rev. Lett., 46, 253 (1981))。
【0005】
このような有機分子における電荷移動現象を、電気素子や光学素子の動作原理として応用する場合に重要な点は、電場や光により、いかに効率よく、しかも制御性よく電荷移動を起こさせるかということである。最近、電荷移動錯体の電気的特性に関して、興味ある結果が報告されている(十倉好紀ら:1988年秋、物理学会予稿集、3a−S4−1、3a−S4−2、3a−S4−3他、Y. Tokura et al.: Phisica 143B, 527 (1986))。ここでは、ドナー分子とアクセプター分子とが、互いに分子面を向かい合わせて積層されている交互積層型錯体結晶では、比誘電率の異方性が高く、積層方向の比誘電率が100〜1000と極めて高いこと、103〜104V/cmオーダーの電界下で非線形な電気伝導やスイッチング特性が観察されることが報告されている。その原因として、中性結晶内に熱的または電気的に生成されたイオン性ドレインまたはイオン結晶性結晶内の中性ドメインが電場により動力学的に動くことが考えられている。
【0006】
この現象は、中性−イオン性転移と関連性があるものの、極めて局所的な変化であって、結晶全体が巨視的に変化しているわけではない。現状では、電場や光による巨視的な中性−イオン性転移は実現できていない。
電荷移動錯体において、電場により巨視的な中性−イオン性転移を起こすためには、素子内の電場の方向とドナー分子およびアクセプター分子の積層軸の方向とが一致していることが極めて重要である。このように有機分子の特性を活かしたデバイスを実現するためには、膜厚などのサイズや膜内の構造的均一性はもちろんのこと、膜内の1分子オーダーでの分子配列、隣接する分子間の相互配置および分子配向を制御することが重要となる。
【0007】
一方、本発明およびS. Tanakaらは、Phys. Rev. B52, 1549 (1995)で相転移点に極めて近い状態の結晶について、中性−イオン性転移が生じる直前の状態にするためには、106V/cm以上の強電場を印加する必要があることを、シュミレーションにより明らかにしている。
【0008】
そのため、電場の方向と、結晶中におけるドナー分子およびアクセプター分子の積層方法が一致するように、これら分子の積層方向を制御して、これらの分子に対して効率的に電圧を印加することが好ましい。これは、例えば、基板側に設けられた絶縁体層と、機能性有機薄膜層との間に、機能性有機薄膜層中の分子配向を制御するための分子配向制御層を設けることにより可能になる。
【0009】
本発明者らは、このような分子配向制御機能を示す材料としてアモルファス有機膜が有効であることを見出し、特願平9−246921号明細書に開示した。また、ステロイド系のアモルファス有機膜を用いると、絶縁体層機能と分子配向制御層機能を兼ねることができることも合わせて示した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、透明基板に電極層を設けるとき、その表面が平滑性を失う場合がある。特に、透明基板に対して頻繁に用いられるITO電極層は表面に大きな凹凸構造を有しており、その表面の高低差は1000オングストロームにまでおよぶことがある。
【0011】
上記絶縁性アモルファス有機膜を表面上に設けることで凹凸構造を平坦化しようとすると、絶縁性アモルファス有機膜層に数1000オングストローム〜数μmもの厚さが必要であった。また、上部電極を蒸着法などで形成させる場合には、絶縁性アモルファス有機膜が耐熱性に劣ることもあるため、熱ダメージによる短絡などを防ぐために、やはり絶縁性アモルファス有機膜層に数1000オングストローム〜数μmの厚さが必要であった。
【0012】
このように、機能性有機薄膜層、または分子配向制御層と、電極層との間に絶縁性アモルファス有機膜のみが挿入された電場印加素子を構成させるとすると、素子の機能性有機薄膜層に印加できる電場強度が著しく低下するために、駆動電圧を高く設定しなければならないという問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]
<要旨>
本発明の有機薄膜素子は、電場を印加することで駆動する機能性有機薄膜層を有するものであって、
基板、
前記基板上に形成された第1の電極層、
前記電極層上に形成された、上面が平滑である第1の有機導電体層、
前記有機導電体層上に形成された第1の絶縁体層、および
前記絶縁体層上に形成された機能性有機薄膜層
を具備してなることを特徴とするものである。
【0014】
<効果>
本発明によれば、低い駆動電圧で高い電場印加を実現可能な有機薄膜素子が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
<有機薄膜素子の構造>
本発明の有機薄膜素子は、
基板、
前記基板上に形成された第1の電極層、
前記電極層上に形成された、上面が平滑である第1の有機導電体層、
前記有機導電体層上に形成された第1の絶縁体層、および
前記絶縁体層上に形成された機能性有機薄膜層
を具備してなるものである。このような本発明の有機薄膜素子の断面模式図は図1に示すとおりである。すなわち、本発明の有機薄膜素子は、基板11上に、第1の電極層12、第1の有機導電体層13、第1の絶縁体層14、および機能性有機薄膜層15が順次積層されているものである。
【0016】
この有機薄膜素子は、この機能性有機薄膜層15に電場を印加することで駆動するものである。機能性有機薄膜層15に電場を印加するためには、前記第1の電極層12の対極となる電極が必要となるが、必要に応じて任意の対極を設けることができる。例えば、機能性有機薄膜層に対して非接触で近接させることが可能な光ファイバーの先端に電極を設け、機能性有機薄膜の所望の点のみに電場を印加することが可能である。また、機能性薄膜層に、必要に応じて中間層を介して、平面状の電極を張り合わせることも可能である。特に、前記した有機薄膜素子が、機能性有機薄膜層15上に形成された第2の絶縁体層16、前記絶縁体層上に形成された第2の有機導電体層17、および前記有機導電体層上に形成された第2の電極層18をさらに具備してなる構造を有することが好ましい。この好ましい構造を有する有機薄膜素子の断面模式図は図2に示すとおりである。また、必要に応じて、第1の絶縁層14と有機薄膜層15の界面、有機薄膜層15と第2の絶縁層16の界面の一方または両方に、有機薄膜層に含まれる有機物の配向を制御するための分子配向制御層21、22、を設けることができる。このような層を有する本発明の有機薄膜素子の断面模式図を図4に示す。
【0017】
なお、これらの、本発明の有機薄膜素子を構成する各層の主面は平行となるように設置されるのが一般的である。
【0018】
この図2の本発明の有機薄膜素子を、従来の有機薄膜素子(図3)と比較すると、本発明の有機薄膜素子の利点が明確となる。すなわち、従来の有機薄膜素子では、機能性有機薄膜層15に厚い絶縁層14または16を介して電場を印加していた。この絶縁層14および16は、電極12および18の凹凸構造のため、ならびに絶縁層そのものに耐熱性を付与するために厚い構造を有するので、薄層化ができないため、電極12および18の間隔が広くなり、機能性有機薄膜層に印加できる電場の強度が低かった。
【0019】
これに対して本発明の有機薄膜素子(図2)では、電極層12および18の凹凸構造を平滑化する有機導電体層13および17を具備している。このため、電場の印加される間隔が電極間ではなく、有機導電体層間の距離となり、従来の有機薄膜素子に比較して電場が印加される間隔を狭くすることができる。従って本発明の有機薄膜素子は機能性有機薄膜層に印加できる電場強度が相対的に高くすることができるため、従来の有機薄膜素子に比較して低い駆動電圧で駆動することが可能となるのである。
【0020】
<基板>
本発明の有機薄膜素子で用いられる基板としては、任意のものを用いることができるが、例えば、ガラス、石英、および酸化物などの透明性を有する誘電体などからなる透明基板を挙げることができる。また、Siなどの半導体やAlなどの金属などの光透過性を有していない基板を用いることもできる。これら基板は、有機薄膜素子の駆動方法に応じて選択される。
【0021】
<電極層>
本発明の有機薄膜素子で用いられる第1および第2の電極層は、ITO、ZnO、およびSnO2などの透明電極や、Al、Au、AgおよびPtなどの金属からなる電極である。また、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、およびその他の導電性高分子化合物の膜を用いることもできる。これらの電極は、有機薄膜素子の駆動方法に応じて選択され、第1および第2の電極層の両方を透明電極または不透明電極で構成することができ、一方を透明電極、他方を不透明電極で構成することも可能である。また、金属からなる電極板を上述の基板として用いることもできる。この場合は、金属基板が、基板と電極層の2つの機能を合わせ持つことになる。
【0022】
第1および第2の電極層を形成させる方法は任意であるが、用途や用いる材料に応じて、真空蒸着法、スパッター法、プラズマ重合法、CVD法、スピンコート法、およびその他の方法で形成させる。
【0023】
第1および第2の電極層は、通常は、20オングストローム〜10,000オングストロームの厚さの薄膜として形成される。
【0024】
<有機導電体層>
本発明の有機薄膜素子に用いられる第1の有機導電体層は、基板上に形成された第1の電極層表面の凹凸構造を埋め込んで平坦な表面とする効果を有する。また第2の有機導電体層は、もし存在するならば、第2の電極層をその上部に形成させる際に、第2の絶縁体層や機能性有機薄膜層に対して熱によるダメージを低減するという効果を有する。
【0025】
これらの効果により、第1の電極層と第2の有機導電体層、ならびにもし存在するならば第2の有機導電体層と第2の電極層、がそれぞれ一体となって電極機能を果たすために電極間の間隔が狭くなると共に、絶縁体層には耐熱性を考慮する必要が無くなり、絶縁機能だけを付与することが可能となるため絶縁体層の膜厚を低減させることが可能となり、機能性有機薄膜層への印加電場を著しく高めることが可能となる。
【0026】
第1および第2の有機導電体層には、任意の導電性低分子有機化合物や導電性高分子化合物などを用いることができる。第1の有機導電体層と第2の有機導電体層には同一の材料で形成させるのがふつうであるが、必要に応じてそれぞれに異なった材料を用いることもできる。
有機導電体層表面の平坦性を維持するためには、アモルファス性の有機化合物の膜を用いることが好ましい。また、有機導電性化合物には、正孔輸送性のものと電子輸送性のものとがあるが、本発明の有機薄膜素子に用いる場合、正極となる電極側には正孔輸送性有機化合物、負極となる電極層側には電子輸送性有機化合物を用いることが好ましい。
【0027】
本発明の有機薄膜素子の有機導電体層に用いることのできる化合物は、これまでに有機電子写真感光体、有機EL素子、あるいは有機導電材料に用いられている材料の中に見出される。このような化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。また、一般的には導電性を示さない高分子材料に、これら導電性低分子化合物をドーピングしたものを使用することもできる。
【0028】
(1)正孔輸送性有機化合物
【化1】
Figure 0003725335
【0029】
【化2】
Figure 0003725335
【0030】
【化3】
Figure 0003725335
【0031】
【化4】
Figure 0003725335
【0032】
【化5】
Figure 0003725335
【0033】
(2)電子輸送性有機化合物
【化6】
Figure 0003725335
【0034】
【化7】
Figure 0003725335
【0035】
【化8】
Figure 0003725335
【0036】
【化9】
Figure 0003725335
【0037】
【化10】
Figure 0003725335
【0038】
【化11】
Figure 0003725335
【0039】
第1および第2の有機導電体層を形成させる方法は任意であるが、用途や用いる材料に応じて、真空蒸着法、スパッター法、プラズマ重合法、CVD法、スピンコート法、およびその他の方法で形成させる。
【0040】
<絶縁体層>
本発明の有機薄膜素子で用いられる第1および第2の絶縁体層は、隣接する有機導電体層と機能性有機薄膜層を電気的に絶縁する作用を有するものである。第1および第2の絶縁体層には、そのような作用を有する任意の化合物を用いることができるが、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリイイミド、ポリスチレン、およびポリシランなどの絶縁性の有機化合物や、SrTiO3、およびSiO2などの金属酸化物、ステロイド系骨格を有する有機化合物、およびその他を用いることが好ましい。
【0041】
また、絶縁体層は、機能性有機薄膜層に有効に電圧が印加されるように、誘電率の高い材料で構成されることが好ましい。このような絶縁体としては、強誘電体を挙げることができるが、SrTiO3やPbTiO3のような比誘電率が10以上の材料を用いることが好ましい。
【0042】
さらに、本発明の有機薄膜素子の電子素子への応用において、機能性有機薄膜層に電場を印加する必要がある場合には、絶縁体層が有機アモルファス膜として表面平坦性と共に絶縁性を有することが好ましい。できるだけ低い電圧で機能性有機薄膜層に強電場をかけることができるようにするためには、このような絶縁体層はできるだけ薄いことが好ましい。このため、蒸着法などにより、超薄膜の形成が可能な低分子量有機アモルファス分子を形成させることが好ましい。このような特徴を有する絶縁体層を構成する分子としては、例えばステロイド系骨格を有する分子が挙げられる。
【0043】
このようなステロイド系骨格を有する分子としては、例えば、コレステロール、β−エストラジオールベンゾエート、メチルヒオデオキシコレート、メチルコレート、プレグネノロン、メチルアンドロステンジオール、β−エストラジオール、エストリオール、コール酸、エストロン、およびその他が挙げられる。
【0044】
また絶縁体層は、上述の低分子および高分子アモルファス有機膜と組合わせて、異種のアモルファス有機膜からなる積層構造を有するように形成させることもできる。低分子アモルファス膜のみでは十分な耐熱性が得られない場合に、このような積層構造を持つ配向制御膜を用いて、耐熱性の高い高分子アモルファス膜を併用することにより、その耐熱性を向上させることができる。耐熱性は、第2の電極を形成させるプロセスにおいて重要である。
【0045】
第1および第2の絶縁層を形成させる方法は任意であるが、用途や用いる材料に応じて、真空蒸着法、スパッター法、プラズマ重合法、CVD法、スピンコート法、およびその他の方法で形成させる。
【0046】
<機能性有機薄膜層>
本発明の有機薄膜素子の機能性有機薄膜層は、電場を印加することで駆動することができる材料を含むものである。このような材料として電子受容性有機化合物と電子供与性有機化合物とを含有する材料を挙げることができる。特に、ドナー分子である電子供与性の有機化合物と、アクセプター分子である電子受容性の有機化合物とが、交互に蓄積された交互積層型電荷移動錯体結晶を用いることが好ましい。このような電子供与性有機化合物および電子受容性有機化合物、または電荷移動錯体は、本発明の効果を損なわない範囲で任意に選択することができる。
【0047】
以下に、本発明の係る有機薄膜素子の機能性有機薄膜層に用いることのできる電子供与性化合物および電子受容性化合物の例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0048】
(1)電子供与性化合物
(D1)アニリン、ベンジジン、およびその誘導体。
例えば、アニリン、N−メチルアニリン、p−フェニレンジアミン、ジアミノジュレン、ベンジジン、およびその他。
(D2)縮合多環式炭化水素、縮合複素環化合物、およびその誘導体。
例えばナフタレン、アントラセン、ピレン、フェナジン、フェノチアジン、アズレン、カルバゾール、アクリジン、1,5−ジアミノナフタレン、およびその他。
(D3)メタロセン化合物、およびその誘導体。
例えばフェロセン、ニッケロセン、コバルトセン、ジメチルフェロセン、デカメチルフェロセン、およびその他。
(D4)テトラチアフルバレン、テトラセレナフルバレン、テトラテルラフルバレン、およびその誘導体。
(D5)テトラチアテトラセン、テトラセレナテトラセン、テトラフェニルビチオピラリデン、およびその誘導体。
【0049】
(2)電子受容性化合物
(A1)ベンゾキノン、およびその誘導体。
例えばp−ベンゾキノン、メチルキノン、2,5−ジメチルキノン、クロラニル、ナフトキノン、アントラキノン、およびその他。
(A2)テトラシアノキノジメタン、およびその誘導体。
例えばテトラシアノキノジメタン、テトラシアノ−1,4−ナフトキノジメタン、テトラシアノ−9,10−アントラキノジメタン、2−5−ジエチルテトラシアノキノジメタン、2,3,5,6−テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、およびその他。
(A3)ジシアノキノンジイミン、およびその誘導体。
例えば、ジシアノキノンジイミン、2−クロロジシアノキノンジイミン、ジシアノ−1,4−ナフトキノンジイミン、およびその他。
(A4)シアノエチレン、およびその誘導体。
例えばテトラシアノエチレン、ヘキサシアノブタジエン、およびその他。
(A5)シアノベンゼン、ニトロベンゼン、およびその誘導体。
ヘキサシアノベンゼン、トリニトロベンゼン、およびその他。
【0050】
本発明の機能性有機薄膜層には、これらの電子供与性化合物と電子受容性化合物とを任意に組み合わせて用いることができる。
【0051】
このほか、本発明の機能性有機薄膜層に用いることのできる電子供与性有機化合物および電子受容性有機化合物、または電荷移動錯体は、例えば、特開昭63−161433号、特開昭63−162058号、特開昭63−319582号、特開平2−1168号、特開平4−228460号各明細書にも記載されている。
上記に例示した電子供与性化合物と電子受容性化合物の組合せからなる結晶は、外部からの電場を印加していないとき、電界移動量の少ない中性状態の電荷移動錯体、ならびに電荷移動量の多いイオン性の電荷移動錯体を含んでいる。一般に、交互積層型電荷移動錯体の電荷移動状態は、構成分子のイオン化エネルギーと、イオン性結晶におけるマーデルングエネルギーとにより決定される。
【0052】
本発明者らは、電荷移動状態の異なる結晶を混合して混晶を形成させることによりイオン化エネルギーを制御できることを見出し、さらに特開平4−137666号公報において、結晶を超薄膜化して、マーデルングエネルギーに寄与する分子数を変化させることにより、マーデルングエネルギーを制御することができることを開示している。
【0053】
従って、上記表に例示した電子供与性化合物と電子受容性化合物の組み合せからなる結晶は、例え外部から電場を印加されていないときにイオン性の電荷移動錯体を形成するものであっても、本発明の有機薄膜素子に用いることができるのである。
【0054】
上述のようにして構成される機能性有機薄層の厚さは、層を構成する材料によって異なるが、一般に10オングストローム〜1μmである。また、ドナー分子とアクセプター分子との組み合わせは、通常、有機薄膜素子の厚さ方向に、数個〜数千個程度積層される。
【0055】
機能性有機薄膜層は、任意の方法で形成させることができるが、用途や用いる材料に応じて、例えば真空蒸着法、溶液析出法、LB(Langmuir-Blodgett)法、およびその他の方法で形成させる。
【0056】
<分子配向制御層>
本発明の有機薄膜素子には、第1の絶縁体層と有機薄膜層との間、および第2の絶縁体層と有機薄膜層との間のうち少なくとも一方に、必要に応じて分子配向制御層を設けることができる。分子配向制御膜を設けることにより、結晶性の高い有機薄膜の特徴を活かしたり、結晶軸方向による物性の異方性を利用したり、また機能発現に有効な方向に電場を制御して印加することが可能となる。
【0057】
分子配向制御層は、アモルファス有機膜からなることが好ましく、さらに好ましくはステロイド系骨格を有する分子をもつアモルファス有機膜である。さらに、分子配向制御層は、異種のアモルファス有機膜を積層した構造を有し、ステロイド系骨格を有する分子をもつアモルファス有機膜を少なくとも一つ含むことが好ましい。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、低い駆動電圧で高い電場印加を実現可能な有機薄膜素子が提供されることは[発明の概要]の項に前記したとおりである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機薄膜素子の断面模式図。
【図2】本発明の有機薄膜素子の断面模式図。
【図3】従来の有機薄膜素子の断面模式図。
【図4】本発明の有機薄膜素子の断面模式図。
【符号の説明】
11 基板
12 第1の電極層
13 第1の有機導電体層
14 第1の絶縁層
15 機能性有機薄膜層
16 第2の絶縁層
17 第2の有機導電体層
18 第2の電極層
21 第1の分子配向制御層
22 第2の分子配向制御層

Claims (6)

  1. 電場を印加することで駆動する機能性有機薄膜層を有する有機薄膜素子であって、
    基板、
    前記基板上に形成された第1の電極層、
    前記電極層上に形成された、上面が平滑である第1の有機導電体層、
    前記有機導電体層上に形成された第1の絶縁体層、および
    前記絶縁体層上に形成された機能性有機薄膜層
    を具備してなることを特徴とする有機薄膜素子。
  2. 機能性有機薄膜層上に形成された第2の絶縁体層、
    前記絶縁体層上に形成された第2の有機導電体層、および
    前記有機導電体層上に形成された第2の電極層
    をさらに具備してなる、請求項1に記載の有機薄膜素子。
  3. 第1の絶縁体層と機能性有機薄膜層との界面に分子配向制御層をさらに具備する、請求項1に記載の有機薄膜素子。
  4. 第1の絶縁体層と機能性有機薄膜層との界面、および機能性有機薄膜層と第2の絶縁体層との界面の少なくとも一方に分子配向制御層をさらに具備する、請求項2に記載の有機薄膜素子。
  5. 機能性有機薄膜層が、電子供与性化合物および電子受容性化合物を含んでなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機薄膜素子。
  6. 機能性有機薄膜層が交互積層型電荷移動錯体からなるものであり、電場を印加によって中性またはイオン性相転移を制御できるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機薄膜素子。
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