JP2007019291A - 有機半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 多数の分子材料に一般的に適用が可能な、有機半導体薄膜層との間でキャリヤを効率よく出し入れするための電気的接点となる電極及び電流を流すための電流経路となる導電性の高い層を提供することを課題とする。
【解決手段】 薄膜トランジスタの能動領域を構成し、弱い電子供与性分子からなる第1の有機半導体層と、第1の有機半導体層に重ねて形成された強い電子授容性分子からなる、一対の第2の有機半導体層を備え、第1及び第2の有機半導体層の界面を上記薄膜トランジスタのソース、ドレイン領域及びその引き出し電極としたことを特徴とする有機半導体装置によって解決される。
【選択図】 図3
【解決手段】 薄膜トランジスタの能動領域を構成し、弱い電子供与性分子からなる第1の有機半導体層と、第1の有機半導体層に重ねて形成された強い電子授容性分子からなる、一対の第2の有機半導体層を備え、第1及び第2の有機半導体層の界面を上記薄膜トランジスタのソース、ドレイン領域及びその引き出し電極としたことを特徴とする有機半導体装置によって解決される。
【選択図】 図3
Description
本発明は、有機半導体装置に関し、さらに詳しくは、有機半導体薄膜電界効果トラジスタ装置の構成に必要な電気的接点となる電極及び電流を流すための電流経路に関する。
有機半導体薄膜からなる電子装置は、シリコン半導体装置の安価な代替品として注目されている。特に、著しく製造コストのかかる工程が必要なシリコン半導体装置と比べ、有機半導体薄膜装置は安価に製造することが可能であり、経済性が優先される場合には有用である。
また有機半導体薄膜装置のその他の利点として、大面積の電子装置を作ることが容易であること、製造工程に高温プロセスを必要としないことからプラスチック基板上への形成が可能であること、また機械的な折り曲げに対し素子特性を劣化させないなどの特性を持つため、シリコン半導体装置では不可能な、大面積で機械的にフレキシブルな電子装置を製造することが可能である点が挙げられる。
また有機半導体薄膜装置のその他の利点として、大面積の電子装置を作ることが容易であること、製造工程に高温プロセスを必要としないことからプラスチック基板上への形成が可能であること、また機械的な折り曲げに対し素子特性を劣化させないなどの特性を持つため、シリコン半導体装置では不可能な、大面積で機械的にフレキシブルな電子装置を製造することが可能である点が挙げられる。
有機半導体薄膜装置の中でも、有機半導体薄膜電界効果トラジスタは近年研究開発が大きく進展し、その構成要素となる有機半導体材料として、分子量1000以下の種々の低分子系有機材料が提案されている。
有機半導体としてペンタセンを用いた有機半導体薄膜電界効果トラジスタでは、1cm2/Vs以上の高い正孔移動度を示すP型電界効果トランジスタが得られており、実用化に向けた研究開発が進展している。その一方で、これまで研究されてきた多種多彩な有機半導体材料のいくつか、例えば強い分子間相互作用を有するカルコゲン系や拡張パイ電子系などの分子材料は、ペンタセンをはるかに超える大きな潜在力を持つことが指摘され研究が行われているものの、現状ではペンタセンを用いたトランジスタを超える高性能の有機半導体薄膜電界効果トランジスタの開発に成功するには至っていない。
有機半導体としてペンタセンを用いた有機半導体薄膜電界効果トラジスタでは、1cm2/Vs以上の高い正孔移動度を示すP型電界効果トランジスタが得られており、実用化に向けた研究開発が進展している。その一方で、これまで研究されてきた多種多彩な有機半導体材料のいくつか、例えば強い分子間相互作用を有するカルコゲン系や拡張パイ電子系などの分子材料は、ペンタセンをはるかに超える大きな潜在力を持つことが指摘され研究が行われているものの、現状ではペンタセンを用いたトランジスタを超える高性能の有機半導体薄膜電界効果トランジスタの開発に成功するには至っていない。
上述の状況をなしている理由として、各種の分子材料に一般的に適用が可能な、有機半導体薄膜装置を構成する電気的接点となる電極及び電流を流すための電流経路に用いる高い導電性を持った要素を作製するための方法論が確立していないことが挙げられる。ペンタセンを用いた有機半導体薄膜電界効果トランジスタでは、上記の方法として、ペンタセン薄膜層の上に重ねて金薄膜を真空蒸着法によって積層する方法が取られているが、その他の分子材料では、材料の仕事関数や表面電子状態の相違などのために、金薄膜との組み合わせが最適であるとは一般的に言うことができない。
特に、有機半導体の電子が収容されるエネルギーバンドは通常バンド幅が小さいことなどから、金や銀など種類の限られた通常の金属電極材料の薄膜を積層する方法では、有機半導体薄膜層との間でキャリヤを高効率に出し入れするための高性能な電極を形成することは一般的に困難である。このため、強い分子間相互作用を有するカルコゲン系や拡張パイ電子系など多種類にわたる分子材料が持つ潜在力を十分に発揮させるためには、これら分子材料による有機半導体薄膜層との間で高効率にキャリヤを出し入れすることが可能な良質な電極を形成する一般化技術を確立することが必要不可欠である。
有機半導体への電極として、電荷移動錯体を採用することも提案されている。特許文献2では、金属導電性を有する有機化合物テトラチアフルバレン・テトラシアノキノジメタン錯体を含む薄膜からなる修飾電極を備えたトランジスタを作成している。しかし特許文献2のトランジスタでは、ある特定の電子供与性分子(テトラチアフルバレン)と電子受容性分子(テトラシアノキノジメタン)の有機化合物からなる金属導電性の薄膜を形成する方法であるため、有機半導体材料へのキャリヤ注入効率を高めるために不可欠となる半導体−金属界面でのエネルギー的な整合性をとることができない。
また特許文献3では、有機半導体材料とアクセプター性あるいはドナー性の導入分子とが結合して構成される電荷移動錯体を含有するソース領域およびドレイン領域を含有する有機トランジスタを作成している。しかし特許文献3のトランジスタでは、アクセプター性あるいはドナー性分子を有機半導体層内部に拡散して導入する必要があるため、固相反応やアニール処理など複雑な工程が必要となる欠点があった。
特開昭61−202420号公報
特開2002−204012号公報
特開2003−353165号公報
日本物理学会講演概要集 第60巻 第1号 第4分冊,804頁,2005年
上記の従来の問題点に鑑み、本発明は、多数の分子材料に一般的に適用が可能な、有機半導体薄膜層との間でキャリヤを効率よく出し入れするための電気的接点となる電極及び電流を流すための電流経路となる導電性の高い層を有機半導体薄膜層に積層した電界効果トランジスタを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、弱い電子供与性分子からなる有機半導体層10と、強い電子授容性分子導電性の有機化合物分子層20とを積層し、両層の界面に導電性の高い界面電荷移動層30を生じさせ、これをトランジスタのソース、ドレイン領域及びその引き出し電極とするものである。(図1参照)
すなわち、本発明は薄膜トランジスタの能動領域を構成し、弱い電子供与性分子からなる有機半導体層と、該有機半導体層に重ねて形成された強い電子授容性分子からなる、一対の有機化合物分子層を備え、該有機半導体層と有機化合物分子層との界面に形成される界面電荷移動層を上記薄膜トランジスタのソース、ドレイン領域及びその引き出し電極としたことを特徴とする有機半導体装置を提供するものである。
また本発明は、上記有機半導体層は、ペンタセン膜であり、上記有機化合物分子層は、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン膜である有機半導体装置を提供するものである。
本発明によれば、導電性の高い数ナノメートル程度の界面電荷移動層を薄膜トランジスタのソース、ドレイン領域及びその引き出し電極としたため、薄くて、高性能・高信頼性のある有機半導体薄膜電界効果トランジスタが得られる。
有機半導体薄膜電界効果トランジスタは、図2の上面外観図及び図3又は図4の断面図に示すような構造を有する。
上記有機半導体薄膜トランジスタは、ガラス、シリコン、プラスチックなどよりなる基板60を備えている。なお安価な又はフレキシブルなデバイスが求められる場合には、通常ポリエチレンナフタレート(PEN)などのプラスチック基板が用いられる。
また上記有機半導体薄膜トランジスタは、3個の空間的に離間された接点1、2、3を有する。そして、ゲート電極に相当する接点1は、基板又は基板上に形成された導体膜50を介して、誘電体層40と接触している。誘電体材料には、例えば二酸化珪素、窒化珪素、ポリイミド、ポリエチレン、ポリパラキシリレン(パリレン)、酸化アルミニウムなどの周知の材料が使用される。
上記有機半導体薄膜トランジスタは、ガラス、シリコン、プラスチックなどよりなる基板60を備えている。なお安価な又はフレキシブルなデバイスが求められる場合には、通常ポリエチレンナフタレート(PEN)などのプラスチック基板が用いられる。
また上記有機半導体薄膜トランジスタは、3個の空間的に離間された接点1、2、3を有する。そして、ゲート電極に相当する接点1は、基板又は基板上に形成された導体膜50を介して、誘電体層40と接触している。誘電体材料には、例えば二酸化珪素、窒化珪素、ポリイミド、ポリエチレン、ポリパラキシリレン(パリレン)、酸化アルミニウムなどの周知の材料が使用される。
図3の有機半導体薄膜トランジスタでは、二つの空間的に離間された接点(2、3)が、電流の流れる電流経路、ならびにソース・ドレイン電極に相当する電気的接点を形成するために設けられる有機化合物層20上に直接形成されている。また一方図4の有機半導体薄膜トランジスタでは、有機半導体層10上に直接形成されている。図3、図4の有機半導体薄膜トランジスタにおける有機半導体層10の厚みは通常、約150nm〜約5nmである。
有機半導体薄膜層10を構成する弱い電子供与性分子からなる有機半導体分子材料としては、例えばペンタセン、ルブレン、ヘキサチオフェン、ヘキサメチレンテトラチアフルバレン、ジベンゾテトラチアフルバレン、フタロシアニンのような単成分有機半導体、あるいはジベンゾテトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタン(DBTTF−TCNQ)、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン−ジフルオロテトラシアノキノジメタン(BEDTTTF−F2TCNQ)のような有機電荷移動型錯体系の有機半導体が用いられる。
本発明に係る電流の流れる電流経路、ならびにソース・ドレイン電極に相当する電気的接点を形成する有機化合物層20は、有機半導体薄膜層10との界面で分子間電荷移動による高い導電性を生じさせるために設けられる層である。有機半導体薄膜層を構成する分子材料のイオン化ポテンシャルに応じて、テトラシアノキノジメタンまたは置換テトラシアノキノジメタンの中から、強い電子受容性を持ち、界面において前記分子材料との間で分子間電荷移動を起こすものを選択することが適当である。これにより、半導体薄膜層10を形成する分子から有機化合物層20を形成する分子へ、これらの界面付近において電荷が移動した層が形成される。
前記電荷移動により生じた界面電荷移動層は、界面に平行な方向に大きな導電性を有している。その特徴として、前記導電性の高い界面から有機半導体薄膜層10への正孔の移動はきわめて容易であることが期待される。すなわち、有機半導体薄膜層10において、界面付近で正にイオン化した分子から薄膜層10の内部の分子の間では、界面のエネルギー整合が自動的に取れており、障壁のないキャリヤ移動が生じるものと考えられる。このような導電性の界面電荷移動層は、有機薄膜電界効果トランジスタのソース・ドレイン電極として用いるのに最も適当である。
例えば、有機半導体層が弱い電子供与性分子であるペンタセンで構成されている場合には、電極又はその一部として、強い電子受容性分子であるテトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4TCNQ)、あるいはこれに近い電子親和力を有する置類テトラシアノキノジメタンを用いた有機化合物層をペンタセン薄膜層に接して積層させることにより、ペンタセン薄膜層と有機化合物層との界面で、ペンタセン分子からF4TCNQ分子に部分的または完全に電荷が移動し、導電性がきわめて高い界面電荷移動層が形成される。
なお本発明では、電子受容性分子材料及び電子供与性分子材料としては、真空蒸着などによる薄膜形成に有利で、かつ分子合成が容易でかつ有機半導体薄膜電界効果トランジスタへの用途に有望なカルコゲン系や拡張パイ電子系などの分子材料との間で分子間電荷移動を起こす分子を適当に選択することが可能な広い範囲にわたる電子親和力を有するテトラシアノキノジメタン、または置換テトラシアノキノジメタンのいずれか一種類、あるいはそれ以上を含む有機化合物層の形成が好適である。
また界面電荷移動層は、数ナノメートルの厚みしかないと考えられるが、上記の分子選択の最適化によってその比抵抗は著しく小さくできることから、素子間の電流経路としても用いることが可能である。これにより、通常の金属を成膜するプロセスを省くことができ、製造プロセスを大幅に簡易化することができる。最終的な外部装置との電気的接続については、さらに金属を積層するか、あるいは金線などのリード線で直接接続することになる。
以下本発明の実施例について説明する。
ここでは、ペンタセン有機半導体薄膜トランジスタについて説明する。
ここでは、ペンタセン有機半導体薄膜トランジスタについて説明する。
本実施例で用いた有機半導体であるペンタセンは、市販のものを真空昇華法によって精製したものを用いた。界面電荷移動層を形成するために有機半導体層状に積層する分子材料は、市販のものを真空昇華によって精製したテトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4TCNQ)または、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)を用いた。
図3に示す有機半導体薄膜トランジスタを、上記のプロセスによって調製した有機半導体分子材料を用いて製造した。n型にドープされ表面に500 nmの絶縁性の酸化膜を持つシリコン基板上に、ペンタセン薄膜を真空蒸着法により形成した。この際、基板温度を一定温度(80℃)に保ち、かつ2 nm/minの速度で蒸着を行うことにより十分に粒界間の導電性が良くなるようにした。
図3の薄膜トランジスタの製造の際に、ペンタセン有機半導体薄膜10上に、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4TCNQ)薄膜層20を蒸着する範囲をシャドウマスクによって画定しながら、厚さ約20 nmになるように真空蒸着法によって積層した。なお、上記薄膜は、キャスト法又はスタンプ法によっても形成が可能である。この有機半導体薄膜トランジスタのチャンネルの幅は、約250μmで、チャンネルの長さは25〜200μmであった。
次に導電性の高い界面電荷移動層から外部への電気的な接触は、導電性ペーストで金線を繋ぐ事によって得た。直流の電界効果特性を常温・常圧下、あるいはクライオスタット中にサンプルを封入し、アジレントテクノロジー社半導体評価解析装置E5270を用いて評価した。得られた電極−半導体間の電気的な接触は、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4TCNQ)薄膜の積層による界面電荷移動層の代わりに金薄膜を電極として用いた有機半導体結晶薄膜トランジスタと比べ、二桁以上小さかった。
ペンタセン有機半導体薄膜トランジスタで、(a)F4TCNQ界面、(b)金のソース・ドレイン電極を持つ二種類の上記有機半導体薄膜トランジスタについて、ドレイン電圧を5Vに固定してドレイン電流のゲート電圧依存性を測定した結果を図5に示す。
標準的な電界効果トランジスタの方程式:μ=(dID/dVG)[L/(WCiVD)]を用いて線形領域で移動度を評価したところ、両者とも移動度は、0.7cm2/Vsとなった。但し、Ci はゲート絶縁層の絶縁容量、LとWはそれぞれチャネル長とチャネル幅、VG はゲート電圧、VD はドレイン電圧、IDはソース−ドレイン電流、μは移動度である。
標準的な電界効果トランジスタの方程式:μ=(dID/dVG)[L/(WCiVD)]を用いて線形領域で移動度を評価したところ、両者とも移動度は、0.7cm2/Vsとなった。但し、Ci はゲート絶縁層の絶縁容量、LとWはそれぞれチャネル長とチャネル幅、VG はゲート電圧、VD はドレイン電圧、IDはソース−ドレイン電流、μは移動度である。
さらに、F4TCNQ/ペンタセン界面電極の場合は、オフ電流が二桁程度大きくなるという特徴的な挙動の相違が観測された。これによってF4TCNQ/ペンタセン界面電極のキャリヤ注入効率は、金電極のキャリヤ注入効率よりも高いことが確認できる。さらにペンタセン−金電極の界面にはオフ電流を抑制する一種の障壁が存在することなども、この実験結果から明らかである。実用上はオフ電流が大きいことがより望ましいが、このような場合でも、人工的に何らかの障壁を導入することによって、注入効率が高く、かつオン/オフ比の高い有機薄膜トランジスタの製造が可能になる。
以上の結果から、F4TCNQ/ペンタセン界面電極は、その他の通常の金属電極と比較して、有機半導体層と極めて良い界面における整合性が取れているために、高い正孔の注入効率を実現できていることが分かる。
F4TCNQ/ペンタセン界面電極では、ペンタセンはF4TCQに電子を供与して一価または部分的な正イオンの状態にある。すなわち、F4TCNQ/ペンタセン界面電極のフェルミエネルギーは、チャネル材料であるペンタセン有機半導体のHOMO準位に位置することから、F4TCNQ/ペンタセン界面電極を用いることによって、ペンタセン有機半導体への価電子バンドに対する効率的な正孔注入が可能になったものである。
F4TCNQ/ペンタセン界面電極では、ペンタセンはF4TCQに電子を供与して一価または部分的な正イオンの状態にある。すなわち、F4TCNQ/ペンタセン界面電極のフェルミエネルギーは、チャネル材料であるペンタセン有機半導体のHOMO準位に位置することから、F4TCNQ/ペンタセン界面電極を用いることによって、ペンタセン有機半導体への価電子バンドに対する効率的な正孔注入が可能になったものである。
このような機構は、ペンタセンに限らず多くの有機半導体分子材料に適用することが可能であり、その電子供与性に応じて、適当な電子親和力を持つ置換テトラシアノキノジメタンを選択することによって、上記と同様な効率的なキャリヤ注入を実現することが可能な電気的な接点となる電極を構築することが可能になる。
このように、本発明で示した高い導電性を持つ界面電荷移動層を利用した電極は、ペンタセンに限らずあらゆる材料に適用が可能であることから、さらなる高性能電界効果トランジスタ動作を示す分子材料を開発する上で、きわめて有望である。
さらにすべてを有機材料で形成することが可能であることは、作製プロセスを簡便かつ容易にし、製造コストを下げることにも寄与するものと考えられる。
なお、上記の実施例は、あくまで本発明の理解を容易にするためのものであり、この実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術思想に基づく変形、他の態様は、当然本発明に包含されるものである。例えば上記の実施例は、ボトムゲート型有機半導体薄膜トランジスタについて説明したが、トップゲート型有機半導体薄膜トランジスタについても同様に適用することができる。
さらにすべてを有機材料で形成することが可能であることは、作製プロセスを簡便かつ容易にし、製造コストを下げることにも寄与するものと考えられる。
なお、上記の実施例は、あくまで本発明の理解を容易にするためのものであり、この実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術思想に基づく変形、他の態様は、当然本発明に包含されるものである。例えば上記の実施例は、ボトムゲート型有機半導体薄膜トランジスタについて説明したが、トップゲート型有機半導体薄膜トランジスタについても同様に適用することができる。
本発明による有機半導体装置は、従来よりも簡便な方法により製造が可能であり、安価な有機半導体薄膜トランジスタとして利用できる。特に、エレクトロニクス分野における小型・大型画面表示(ディスプレー)装置のためのスイッチングデバイス、あるいはその駆動回路に用いられる相補型論理演算回路用の有機半導体薄膜電界効果トランジスタを製造する上で極めて有用である。例えばこのような利点を活かして、表示装置、デジタルスチルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータ、記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置、ゴーグル型ディスプレイ、ビデオカメラ、携帯電話、シート型圧力センサなどへの用途が有望である。
1 ゲート電極となる電気的接点
2、3 ソース、ドレイン電極となる電気的接点
10 有機半導体薄膜層
20 有機化合物分子層
30 界面電荷移動層
40 誘電体層
50 導体膜
60 基板
2、3 ソース、ドレイン電極となる電気的接点
10 有機半導体薄膜層
20 有機化合物分子層
30 界面電荷移動層
40 誘電体層
50 導体膜
60 基板
Claims (2)
- 薄膜トランジスタの能動領域を構成し、弱い電子供与性分子からなる有機半導体層と、該有機半導体層に重ねて形成された強い電子授容性分子からなる、一対の有機化合物分子層を備え、該有機半導体層と有機化合物分子層との界面に形成される電荷移動層を上記薄膜トランジスタのソース、ドレイン領域及びその引き出し電極としたことを特徴とする有機半導体装置。
- 上記有機半導体層は、ペンタセン膜であり、上記有機化合物分子層は、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン膜である請求項1記載の有機半導体装置。
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