JP2013021190A - 有機半導体素子の製造方法および有機半導体素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機半導体素子10は、基板11と、基板11上に設けられ、各々が有機半導体材料を含む有機半導体領域4を有する複数の有機トランジスタ20と、を備えている。このうち有機半導体領域4は、少なくとも基板11を含む支持部材17によって支持されている。そして、有機半導体素子10の製造方法は、支持部材17を準備する工程と、支持部材17上に有機半導体材料を含む連続的な有機半導体層30を設ける工程と、有機半導体層30をパターニングして複数の有機半導体領域4を形成するパターニング工程と、を備えている。ここで、パターニング工程は、凹部42および凸部41を有する凹凸版40を準備する工程と、凹凸版40の凸部41を支持部材17上の有機半導体層30に当接させることにより有機半導体層30をパターニングする当接工程と、を有している。
【選択図】図6
Description
また、電子タグ等の電子回路の作製においては、複数の有機半導体領域のサイズ、ピッチが異なっている場合が多い。しかし、インクジェット法ではサイズやピッチの異なる有機半導体領域の形成は困難である。
以下、図1乃至図8(a)〜(d)を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。まず図1および図2により、本実施の形態における有機半導体素子10全体について説明する。
図1は、有機半導体素子10を示す縦断面図であり、図2は、有機半導体素子10を示す平面図である。図1および図2に示すように、有機半導体素子10は、基板11と、基板11に設けられた複数の有機トランジスタ20と、を備えている。このうち各有機トランジスタ20は、有機半導体材料を含む有機半導体領域4を少なくとも有している。
有機半導体素子10の基板11のタイプは、製造される有機半導体素子10の用途等に応じて適宜決定され得るものであり、特に限定されるものではない。例えば、基板11は、可撓性を有するフレキシブル基板であってもよく、可撓性を有しないリジット基板であってもよい。基板11を構成する材料の具体例としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタラート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂等からなるものや、ガラス基板、SUS基板等を挙げることができる。また、基板11の表面に、表面の平滑性を向上させるための、熱硬化性樹脂や、光硬化性樹脂からなる平坦化層が形成されていても良い。
次に図3を参照して、有機トランジスタ20について説明する。図3は、図1に示す有機半導体素子10の有機トランジスタ20を拡大して示す縦断面図である。図3に示すように、有機トランジスタ20は、基板11上に設けられたゲート電極12と、ゲート電極12を覆うよう基板11上に設けられたゲート絶縁層13と、一定の間隔を空けて対向するようゲート絶縁層13上に設けられたソース電極2およびドレイン電極3と、ソース電極2およびドレイン電極3を覆うよう設けられた有機半導体領域4と、を有している。有機半導体領域4は、ゲート絶縁層13側の下面4bと、下面4bの反対側にある上面4aとを含んでいる。有機トランジスタ20においては、有機半導体領域4のうちソース電極2とドレイン電極3との間に位置する部分が、電流の流れる通路となるチャネル領域となっている。
ゲート電極は、一般に、基板11上に所定のパターンで形成される。上記ゲート電極としては、所望の導電性を備える導電性材料からなるものであれば特に限定されるものではなく、ゲート電極を構成し得る様々な導電性材料を用いることができる。このような導電性材料としては、例えば、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Au、Ag、Pt、Mo−Ta合金、ITO、IZO等の無機材料、および、PEDOT/PSS等の導電性を有する有機材料を挙げることができる。
ゲート絶縁層13は、ソース電極2およびドレイン電極3とゲート電極12とを絶縁するために設けられるものである。ゲート絶縁層13を構成する材料としては、所望の絶縁性を有する絶縁性材料であれば特に限定されるものではない。このような絶縁性材料としては、例えば、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂、ポリパラキシレン等の有機材料や、SiO2、SiNx、Al2O3等の無機材料を挙げることができる。なお、上記ゲート絶縁層に用いられる絶縁性材料は、1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよい。
ソース電極2および上記ドレイン電極3を構成する材料としては、所望の導電性を有する導電性材料であれば特に限定されるものではない。このような導電性材料としては、例えば、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Au、Ag、Pt、Cu、Mo−Ta合金、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)等の無機材料、および、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)等の導電性を有する有機材料を挙げることができる。なお、ソース電極2およびドレイン電極3は、1種類の導電性材料から構成されていてもよく、2種類以上の導電性材料から構成されていてもよい。また、ソース電極2およびドレイン電極3において、同一の導電性材料が用いられていてもよく、互いに異なる導電性材料が用いられていてもよい。
有機半導体領域4は、上述のように有機半導体材料を含んでいる。有機半導体材料としては、有機トランジスタを構成し得る様々な材料が用いられ得るが、例えば、低分子有機半導体材料や高分子有機半導体材料が用いられ得る。
有機半導体領域4を構成する低分子有機半導体材料としては、例えば、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料、有機ケイ素化合物等を挙げることができる。より具体的には、ペンタセン、シリルエチン置換ペンタセンに代表されるペンタセン誘導体、アントラジチオフェン誘導体、ベンゾチエノベンゾチオフェン誘導体、ジナフトチエノチオフェン誘導体等を挙げることができる。これらの低分子有機半導体材料のうち1種類のみが用いられてもよく、若しくは2種類以上が混合されて用いられてもよい。また、液晶性を有する低分子有機半導体材料が用いられてもよい。なお本実施の形態において、「低分子有機半導体材料」という用語は、例えば、分子量が10000未満の有機半導体材料を意味している。
有機半導体領域4を構成する高分子有機半導体材料としては、ポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)等のポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェン等のポリチオフェン類、ポリイソチアナフテン等のポリイソチアナフテン類、ポリチエニレンビニレン等のポリチエニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)等のポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)等のポリアニリン類、ポリアセチレン等のポリアセチレン類、ポリジアセチレン、ポリアズレン等のポリアズレン類等、ポリスチレン、ポリスチレン誘導体、ポリメタクリル酸メチル樹脂類、ポリビニルカルバゾール類、ポリトリアリルアミン類を挙げることができる。これらの高分子有機半導体材料のうち1種類のみが用いられてもよく、若しくは2種類以上が混合されて用いられてもよい。また、液晶性を有する高分子有機半導体材料が用いられてもよい。なお本実施の形態において、「高分子有機半導体材料」という用語は、例えば、分子量が10000以上の有機半導体材料を意味している。
なお図3において一点鎖線で示すように、有機トランジスタ20は、有機トランジスタ20の最表面に位置し、有機トランジスタ20のその他の構成要素を保護するよう設けられた保護層15をさらに有していてもよい。有機トランジスタ20が保護層15を有することにより、有機トランジスタ20の経時劣化を防止することができ、これによって、有機トランジスタ20および有機半導体素子10の耐久性を向上させることができる。
次に、有機半導体素子10の製造方法について、図4(a)〜(e)乃至図6(a)〜(c)を参照して説明する。図4(a)〜(e)は、有機半導体素子10の製造方法の概略を示す図である。また図5(a)(b)は、支持部材17上に有機半導体層30を設ける工程を示す図であり、図6(a)〜(c)は、支持部材17上の有機半導体層30をパターニングする工程を示す図である。
はじめに図4(a)に示すように、基板11を準備する。次に、図4(b)に示すように、基板11上にゲート電極12を形成し、その後、ゲート電極12を覆うようゲート絶縁層13を形成する。これによって、上述の支持部材17が形成される。
次に図4(c)に示すように、支持部材17上にソース電極2およびドレイン電極3を形成する。ソース電極2およびドレイン電極3を形成する方法は、導電性材料を用いて予め定められた形状のソース電極2およびドレイン電極3を形成することができる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、プラズマCVD法、熱CVD法、レーザーCVD法等のCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法、電解メッキ法、浸漬メッキ法、無電解メッキ法、ゾルゲル法、有機金属分解(MOD)法等を挙げることができる。
次に図4(d)に示すように、ソース電極2およびドレイン電極3を覆うよう支持部材17上に、有機半導体材料を含む有機半導体層30を設け、その後、支持部材17上の有機半導体層30を部分的に除去する。すなわち、有機半導体層30をパターニングする。これによって、図4(e)に示すように有機半導体領域4が形成される。なお図4(d)(e)から明らかなように、支持部材17のうち有機半導体領域4側の面は、当該面上から有機半導体層30が部分的に除去される面となっている。以下、支持部材17のうち有機半導体領域4側の面を被除去面18と称する。なお本実施の形態においては、図4(e)に示すように、支持部材17の被除去面18はゲート絶縁層13の上面となっている。
はじめに有機半導体層30の形成工程について説明する。ここでは、図5(a)に示すように、基板11を含む支持部材17上に連続的な有機半導体層30を設ける。ここで「連続的」とは、有機半導体層30が、後に有機半導体領域4となる部分を複数含んでいることを意味している。この場合、支持部材17上の有機半導体層30は、支持部材17上の全面にわたって連続していてもよく、若しくは、支持部材17上の全面にわたって連続していなくてもよい。
次に、支持部材17上の有機半導体層30をパターニングする工程について説明する。はじめに図6(a)に示すように、凹部42および凸部41を有する凹凸版40を準備する。この凹凸版40は、少なくとも凸部41の端面における表面エネルギーが、支持部材17の被除去面18の表面エネルギー、すなわちゲート絶縁層13の上面の表面エネルギーよりも大きくなるよう構成されている。例えば、凹凸版40は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などの樹脂材料から構成されている。
次に、有機半導体層30の上面に対して凹凸版40を押し付ける。これによって、図6(b)に示すように、凹凸版40のうち凸部41のみが有機半導体層30に当接する。また、凹凸版40のうち少なくとも凸部41を加熱する。なお凸部41の加熱は、凸部41が有機半導体層30に当接する前に開始されてもよく、若しくは、凸部41が有機半導体層30に当接した後に開始されてもよい。
以下の説明において、凸部41のみを有機半導体層30に当接させ、かつ少なくとも凸部41を加熱する工程を、加熱圧着工程と称する。
なお図6(a)〜(c)から明らかなように、有機半導体層30のうち凸部41が当接しない部分、すなわち有機半導体層30のうち凹部42に対応する部分が、支持部材17上に残って有機半導体領域4となる部分となっている。従って、凹凸版40は、凹部42が有機半導体領域4に対応するよう構成されている。以下、このような凹部42を作製する方法の一例について、図8(a)〜(d)を参照して説明する。
ここで上述のように、支持基板45上の残存部分46aは、フォトリソグラフィー法により形成される。このため本実施の形態によれば、有機半導体素子10の各有機半導体領域4を、フォトリソグラフィー法に匹敵する精度で形成することが可能となる。また、凹凸版40の凹部42の深さb1を、上述の当接工程において凹部42の底面が有機半導体層30に当接しないような深さに確実にすることができる。
次に図8Aを参照して、本実施の形態による有機半導体素子10の製造方法により得られる有機半導体素子10の各有機半導体領域4の結晶性について説明する。図8Aは、支持部材17上に形成される各有機半導体領域4を模式的に示す平面図である。
なお結晶軸が部分的に同一となっている組み合わせをより多く形成するための方法が特に限られることはなく、例えば、近接する2つの有機半導体領域4間の間隔cを小さくする方法が用いられてもよく、若しくは、有機半導体層30を構成する複数の結晶粒の平均粒径を大きくする方法が用いられてもよい。
以上のように本実施の形態によれば、基板11を含む支持部材17上に設けられた連続的な有機半導体層30をパターニングすることにより、各有機トランジスタ20の有機半導体領域4が得られる。このため、パターニング工程が実施される前に有機半導体層30が有していた結晶性を、各有機トランジスタ20の有機半導体領域4に引き継がせることができる。このことにより、有機半導体素子10に含まれる各有機半導体領域4における移動度を均一にすることができる。
また本実施の形態によれば、上述のように、パターニング工程の精度が、凹凸版40の凸部41および凹部42の形状および配置の精度によって定められる。このため、凹凸版40を精密に作製することにより、有機半導体素子10に含まれる各有機半導体領域4の精度を高めることができる。従って、有機半導体層上に所定のパターンで保護部分を設けることにより有機半導体層をパターニングする従来技術に比べて、有機半導体素子10に含まれる各有機半導体領域4を精度良く形成することができる。これによって、各有機半導体領域4を従来よりも精密に製造することや、近接する2つの有機半導体領域4間の間隔cを従来よりも小さくすることが可能となる。このことにより、有機半導体素子10の解像度をより高くすることができる。
次に、本実施の形態の効果を比較の形態と比較して説明する。図9(a)〜(d)は、比較の形態において、複数の有機半導体領域4を支持部材17上に設ける方法を示す図である。
また本実施の形態において、有機半導体領域4を構成する有機半導体材料として低分子有機半導体材料や高分子有機半導体材料が用いられる例を示した。この場合、好ましくは、有機半導体材料は、低分子有機半導体材料と高分子材料とを含んでいる。以下の説明において、低分子有機半導体材料と高分子材料とをともに含む材料のことを、低分子/高分子ハイブリッド材料と称する。なお「高分子材料」という用語は、分子量が10000以上の材料を意味している。また「高分子材料」には、上述の高分子有機半導体材料だけでなく、高分子絶縁材料など半導体としての性質を有さない高分子の材料も含まれる。
一方、有機半導体材料として低分子有機半導体材料が用いられる場合、凹凸版40の凸部41の端面における表面エネルギーと支持部材17の被除去面18における表面エネルギーとの差が小さい場合であっても、有機半導体層30を部分的に支持部材17から剥離させることが可能である。従って、必要とされる表面エネルギーの差に着目する場合、有機半導体材料として低分子有機半導体材料が用いられることが有利である。
一方、一般に低分子有機半導体材料はガラス転移点を有していない。このため、有機半導体材料として低分子有機半導体材料が用いられる場合、有機半導体層30を加熱したとしても、有機半導体材料のガラス状態を利用して有機半導体材料に所望の流動性を持たせることができないことが考えられる。
また本実施の形態において凹凸版40の凸部41の端面における表面エネルギーが支持部材17の表面における表面エネルギーよりも大きくなっている例を示した。この場合、このような表面エネルギーの差を実現するため、または、表面エネルギーの差を拡大させるため、凸部41の端面または支持部材17の表面に改質処理が施されていてもよい。
次に図10を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図10に示す第2の実施の形態は、凹凸版の凸部上に設けられた溶媒中に有機半導体層を部分的に溶解させることによって、有機半導体層のパターニングが実施される点が異なるのみであり、他の構成は、図1乃至図8Bに示す第1の実施の形態と略同一である。図10に示す第2の実施の形態において、図1乃至図8Bに示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図10を参照して、支持部材17上の有機半導体層30をパターニングする工程について説明する。はじめに、凹部42および凸部41を有する凹凸版40を準備する。凹凸版40は、上述の第1の実施の形態における凹凸版40と略同一であるので、詳細な説明は省略する。
次に、有機半導体層30の上面に対して凹凸版40を押し付ける。これによって、図10(b)に示すように、凹凸版40のうち凸部41のみが、有機半導体層30との間に溶媒43が介在された状態で有機半導体層30に当接する。
上述の溶解工程の際、凹凸版40の凸部41を加熱してもよい。これによって、有機半導体層30を構成する有機半導体材料の流動性を高めることができ、また、溶媒43への有機半導体材料の溶解性を高めることができる。これによって、有機半導体層30のうち凹凸版40の凸部41が当接している部分を溶媒43中により確実に溶解させることができる。
ところで、一般に塗布可能な低分子有機半導体材料は、高分子有機半導体材料に比べて、溶媒中への高い溶解性を有している。このため、有機半導体層30を構成する有機半導体材料に低分子有機半導体材料を包含させることにより、凸部41上の溶媒43中への溶解性を高めることができる。これによって、有機半導体層30のうち凹凸版40の凸部41が当接している部分を溶媒43中にさらに確実に溶解させることができる。
なお上述の各実施の形態において、パターニング工程の当接工程の際、凹凸版40のうち凸部41のみが有機半導体層30に当接される例を示した。ここで「凸部41のみ」という条件は、必ずしも凹凸版40の全体に対して厳格に適用される必要はなく、少なくとも凹凸版40の一部において適用されていればよい。例えば、基板11上に形成される複数の有機トランジスタ20のうち、隣り合う少なくとも2つの有機トランジスタ20に関して、それらに含まれる有機半導体領域4を形成するためのパターニング工程の当接工程の際、凹凸版40のうち凸部41のみが有機半導体層30に当接していればよい。これによって、基板11上に形成される複数の有機トランジスタ20のうち、隣り合う少なくとも2つの上述の有機トランジスタ20に関しては、上述の各実施の形態によってもたらされる効果を享受することができる。すなわち、所望の形状および性能を有する有機トランジスタ20を得ることができる。
また上述の各実施の形態において、有機トランジスタ20が、基板11上に設けられたゲート電極12と、ゲート電極12を覆うよう基板11上に設けられたゲート絶縁層13と、一定の間隔を空けて対向するようゲート絶縁層13上に設けられたソース電極2およびドレイン電極3と、ソース電極2およびドレイン電極3を覆うよう設けられた有機半導体領域4と、を有する例を示した。すなわち、有機トランジスタ20がいわゆるボトムコンタクト・ボトムゲート型となっている例を示した。しかしながら、有機トランジスタ20のタイプがボトムコンタクト・ボトムゲート型に限られることはない。例えば、ボトムコンタクト・トップゲート型、トップコンタクト・ボトムゲート型またはトップコンタクト・トップゲート型の有機トランジスタ20においても、上述の各実施の形態による効果が発揮され得る。
はじめに図11を参照して、有機トランジスタ20の第1の変形例であって、有機トランジスタ20がボトムコンタクト・トップゲート型となっている例について説明する。図11に示すように、本変形例において、有機トランジスタ20は、一定の間隔を空けて対向するよう基板11上に設けられたソース電極2およびドレイン電極3と、ソース電極2およびドレイン電極3を覆うよう設けられた有機半導体領域4と、有機半導体領域4を覆うよう基板11上に設けられたゲート絶縁層13と、ゲート絶縁層13上に設けられたゲート電極12と、を有している。
次に図12を参照して、有機トランジスタ20の第2の変形例であって、有機トランジスタ20がトップコンタクト・ボトムゲート型となっている例について説明する。図12に示すように、本変形例において、有機トランジスタ20は、基板11上に設けられたゲート電極12と、ゲート電極12を覆うよう基板11上に設けられたゲート絶縁層13と、ゲート絶縁層13上に設けられた有機半導体領域4と、一定の間隔を空けて対向するよう有機半導体領域4上に設けられたソース電極2およびドレイン電極3と、を有している。
次に図13を参照して、有機トランジスタ20の第3の変形例であって、有機トランジスタ20がトップコンタクト・トップゲート型となっている例について説明する。図13に示すように、本変形例において、有機トランジスタ20は、基板11上に設けられた有機半導体領域4と、一定の間隔を空けて対向するよう有機半導体領域4上に設けられたソース電極2およびドレイン電極3と、ソース電極2およびドレイン電極3を覆うよう基板11上に設けられたゲート絶縁層13と、ゲート絶縁層13上に設けられたゲート電極12と、を有している。
基板11として、厚さ約3000Å(300nm)の酸化ケイ素層が付した厚さ0.6mmのn−ヘビードープシリコンウエハを用いた。これは、n−ヘビードープシリコン部がゲート電極12として機能する一方、酸化ケイ素層はゲート絶縁層13として働くものであり、その静電容量は約11nF/cm2であった。
次に、ゲート絶縁層13上に、CrおよびAuの積層膜を、W(幅)=700μm、L(長さ)=50μmの開口部を有するシャドウマスクを通して真空蒸着し、ソース電極2およびドレイン電極3を形成した。その後、ペンタフルオロベンゼンチオール(PFBT)を用いて、ソース電極2およびドレイン電極3の表面処理を行った。
ソース電極2およびドレイン電極3を覆うよう、ゲート絶縁層13上に、有機半導体材料を1wt%で溶媒に溶解させた塗布液を、厚みが40nmとなるよう塗布した。有機半導体材料としては、6,13‐ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセン(TIPSペンタセン)を用いた。溶媒としては、キシレンを用いた。塗布方法としては、スピンコート法を用いた。スピンコート法における回転速度は1000rpmとし、塗布時間は30秒とした。その後、100℃の環境下で1分間の加熱乾燥処理を施し、これによって、ゲート絶縁層13上に有機半導体層30を形成した。
凹凸版40の凸部41によって有機半導体層30を部分的に加熱圧着することにより、有機半導体層30をパターニングした。これによって、有機半導体領域4を含む複数の有機トランジスタ20を備えた有機半導体素子10を作製した。なお、用いられた凹凸版40において、凹部42の幅a1は800μmとなっており、凸部41の幅c1は3mmとなっており、凹部42の深さb1は1μmとなっていた。
有機半導体材料として、6,13‐ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセン(TIPSペンタセン)とポリスチレンとを重量比1:1で混合することにより得られる材料を用いたこと以外は、実施例1の場合と同様にして、有機半導体素子10を作製した。
上記実施例1および2において作製した有機半導体素子10を観察し、所望のパターンを有する複数の有機半導体領域4が得られたかどうかを確認した。実施例1および2について、複数の有機半導体領域4が形成された支持部材17を上方から撮影した結果をそれぞれ図14(a)および図15(a)に示す。
上記実施例1および2において作製した有機半導体素子10について、有機半導体層30のパターニング工程が実施される前後のそれぞれにおいてトランジスタ特性評価を行った。トランジスタ特性評価は、KEITHLEY製 237HIGH VOLTAGE SOURCE MEASUREMENT UNITで行った。
3 ドレイン電極
4 有機半導体領域
10 有機半導体素子
11 基板
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁層
15 保護層
17 支持部材
18 被除去面
20 有機トランジスタ
30 有機半導体層
31 結晶粒
40 凹凸版
41 凸部
42 凹部
43 溶媒
44 混合溶媒
45 支持基板
46 フォトレジスト
46a 残存部分
47 樹脂材料
48 支持基材
Claims (11)
- 基板と、基板上に設けられ、各々が有機半導体材料を含む有機半導体領域を有する複数の有機トランジスタと、を備えた有機半導体素子の製造方法において、
前記有機半導体領域は、少なくとも基板を含む支持部材によって支持されており、
有機半導体素子の製造方法は、
支持部材を準備する工程と、
前記支持部材上に有機半導体材料を含む連続的な有機半導体層を設ける工程と、
前記有機半導体層をパターニングして複数の有機半導体領域を形成するパターニング工程と、を備え、
前記パターニング工程は、凹部および凸部を有し、凹部が前記有機半導体領域に対応するよう構成された凹凸版を準備する工程と、前記凹凸版の凸部を前記支持部材上の前記有機半導体層に当接させることにより前記有機半導体層をパターニングする当接工程と、を有することを特徴とする有機半導体素子の製造方法。 - 前記凹凸版の前記凸部は、前記凸部の端面における表面エネルギーが前記支持部材の表面における表面エネルギーよりも大きくなるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体素子の製造方法。
- 前記有機半導体層と前記支持部材との間に、前記有機半導体層に接する改質材料が介在されており、
前記改質材料は、前記凹凸版の前記凸部の端面における表面エネルギーが前記改質材料の表面における表面エネルギーよりも大きくなるよう構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の有機半導体素子の製造方法。 - 前記当接工程は、前記凹凸版のうち少なくとも凸部を加熱し、かつ凸部を前記有機半導体層に当接させる加熱圧着工程を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機半導体素子の製造方法。
- 前記有機半導体材料は、低分子有機半導体材料を含むことを特徴とする請求項4に記載の有機半導体素子の製造方法。
- 前記有機半導体材料は、高分子材料をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の有機半導体素子の製造方法。
- 前記当接工程は、前記凹凸版のうち少なくとも凸部上に溶媒が設けられた状態で凸部を前記有機半導体層に当接させ、これによって前記有機半導体層を部分的に前記溶媒中に溶解させる溶解工程を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機半導体素子の製造方法。
- 前記溶解工程は、前記凹凸版のうち少なくとも凸部を加熱した状態で実施されることを特徴とする請求項7に記載の有機半導体素子の製造方法。
- 前記有機半導体材料は、低分子有機半導体材料を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の有機半導体素子の製造方法。
- 基板と、
基板上に設けられた複数の有機トランジスタと、を備え、
複数の有機トランジスタは各々、有機半導体材料を含む有機半導体領域を有し、
複数の有機トランジスタのうち少なくとも1つの有機トランジスタの有機半導体領域の結晶軸は、前記少なくとも1つの有機トランジスタに近接する他の有機トランジスタのうちの少なくとも1つの有機トランジスタの有機半導体領域の結晶軸と少なくとも部分的に同一になっていることを特徴とする有機半導体素子。 - 各有機トランジスタの有機半導体領域の結晶軸は、近接する他の有機トランジスタのうちの少なくとも1つの有機トランジスタの有機半導体領域の結晶軸と少なくとも部分的に同一になっていることを特徴とする請求項10に記載の有機半導体素子。
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