JP2000012922A - 有機薄膜素子 - Google Patents

有機薄膜素子

Info

Publication number
JP2000012922A
JP2000012922A JP17899898A JP17899898A JP2000012922A JP 2000012922 A JP2000012922 A JP 2000012922A JP 17899898 A JP17899898 A JP 17899898A JP 17899898 A JP17899898 A JP 17899898A JP 2000012922 A JP2000012922 A JP 2000012922A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
organic thin
thin film
organic
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP17899898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3725335B2 (ja
Inventor
Toshio Nakayama
山 俊 夫 中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP17899898A priority Critical patent/JP3725335B2/ja
Publication of JP2000012922A publication Critical patent/JP2000012922A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3725335B2 publication Critical patent/JP3725335B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い駆動電圧で高い電場印加を実現可能な有
機薄膜素子の提供。 【解決手段】 電場を印加することで駆動する機能性有
機薄膜層を有する有機薄膜素子であって、基板、前記基
板上に形成された第1の電極層、前記電極層上に形成さ
れた、上面が平滑である第1の有機導電体層、前記有機
導電体層上に形成された第1の絶縁体層、および前記絶
縁体層上に形成された機能性有機薄膜層を具備してなる
ことを特徴とする有機薄膜素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気又は光による
信号の制御、記憶、演算、およびその他の機能を有する
有機薄膜素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、有機分子あるいは有機結晶に固有
の物性を利用して、従来のデバイスにはない新規な機能
を有するデバイスを実現しようとする分子エレクトロニ
クスへの関心が高まっている。これまでに、有機分子を
用いた2次非線形光学素子、電気的スイッチング素子、
注入型発光素子、太陽電池、光情報記録媒体、およびそ
の他へ応用しようとする研究が活発に行われている。
【0003】これらはいずれも無機材料系においても見
出されている物性を、有機材料を用いることによって、
さらに特性や製造コストなどを改善しようとするもので
ある。一方、本発明者らは有機分子系だけに見出される
物性現象の一例として、ある種の有機錯体結晶に起こる
電荷移動現象にも注目している。
【0004】有機材料のうち、イオン化ポテンシャルが
小さく、他の分子に電子を供給し、自らは正のイオンに
なりやすいドナー分子と、電子親和力が大きく、他の分
子から電子を受け取って自らは負のイオンになりやすい
アクセプター分子とがある。これら2種の分子間には、
電荷移動錯体と称される化合物が形成されることはよく
知られている。例えば、ペリレンとテトラシアノキノジ
メタン(TCNQ)とも化合物は、中性分子からなる化
合物である。一方、テトラメチルフェニレンジアミン
(TMPD)とTCNQとの化合物は、それぞれの分子
が正および負となったイオン性の化合物である。また、
テトラチアフルバレン(TTF)とクロラニル(CA)
との化合物は、温度や圧力の変化によって中性−イオン
性転移が観測されることも知られている(J. B. Torran
ce et al.: Phys. Rev. Lett., 46,253 (1981))。
【0005】このような有機分子における電荷移動現象
を、電気素子や光学素子の動作原理として応用する場合
に重要な点は、電場や光により、いかに効率よく、しか
も制御性よく電荷移動を起こさせるかということであ
る。最近、電荷移動錯体の電気的特性に関して、興味あ
る結果が報告されている(十倉好紀ら:1988年秋、
物理学会予稿集、3a−S4−1、3a−S4−2、3
a−S4−3他、Y. Tokura et al.: Phisica 143B, 52
7 (1986))。ここでは、ドナー分子とアクセプター分子
とが、互いに分子面を向かい合わせて積層されている交
互積層型錯体結晶では、比誘電率の異方性が高く、積層
方向の比誘電率が100〜1000と極めて高いこと、
103〜104V/cmオーダーの電界下で非線形な電気
伝導やスイッチング特性が観察されることが報告されて
いる。その原因として、中性結晶内に熱的または電気的
に生成されたイオン性ドレインまたはイオン結晶性結晶
内の中性ドメインが電場により動力学的に動くことが考
えられている。
【0006】この現象は、中性−イオン性転移と関連性
があるものの、極めて局所的な変化であって、結晶全体
が巨視的に変化しているわけではない。現状では、電場
や光による巨視的な中性−イオン性転移は実現できてい
ない。電荷移動錯体において、電場により巨視的な中性
−イオン性転移を起こすためには、素子内の電場の方向
とドナー分子およびアクセプター分子の積層軸の方向と
が一致していることが極めて重要である。このように有
機分子の特性を活かしたデバイスを実現するためには、
膜厚などのサイズや膜内の構造的均一性はもちろんのこ
と、膜内の1分子オーダーでの分子配列、隣接する分子
間の相互配置および分子配向を制御することが重要とな
る。
【0007】一方、本発明およびS. Tanakaらは、Phys.
Rev. B52, 1549 (1995)で相転移点に極めて近い状態の
結晶について、中性−イオン性転移が生じる直前の状態
にするためには、106V/cm以上の強電場を印加す
る必要があることを、シュミレーションにより明らかに
している。
【0008】そのため、電場の方向と、結晶中における
ドナー分子およびアクセプター分子の積層方法が一致す
るように、これら分子の積層方向を制御して、これらの
分子に対して効率的に電圧を印加することが好ましい。
これは、例えば、基板側に設けられた絶縁体層と、機能
性有機薄膜層との間に、機能性有機薄膜層中の分子配向
を制御するための分子配向制御層を設けることにより可
能になる。
【0009】本発明者らは、このような分子配向制御機
能を示す材料としてアモルファス有機膜が有効であるこ
とを見出し、特願平9−246921号明細書に開示し
た。また、ステロイド系のアモルファス有機膜を用いる
と、絶縁体層機能と分子配向制御層機能を兼ねることが
できることも合わせて示した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、透明基板に電
極層を設けるとき、その表面が平滑性を失う場合があ
る。特に、透明基板に対して頻繁に用いられるITO電
極層は表面に大きな凹凸構造を有しており、その表面の
高低差は1000オングストロームにまでおよぶことが
ある。
【0011】上記絶縁性アモルファス有機膜を表面上に
設けることで凹凸構造を平坦化しようとすると、絶縁性
アモルファス有機膜層に数1000オングストローム〜
数μmもの厚さが必要であった。また、上部電極を蒸着
法などで形成させる場合には、絶縁性アモルファス有機
膜が耐熱性に劣ることもあるため、熱ダメージによる短
絡などを防ぐために、やはり絶縁性アモルファス有機膜
層に数1000オングストローム〜数μmの厚さが必要
であった。
【0012】このように、機能性有機薄膜層、または分
子配向制御層と、電極層との間に絶縁性アモルファス有
機膜のみが挿入された電場印加素子を構成させるとする
と、素子の機能性有機薄膜層に印加できる電場強度が著
しく低下するために、駆動電圧を高く設定しなければな
らないという問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】[発明の概要] <要旨>本発明の有機薄膜素子は、電場を印加すること
で駆動する機能性有機薄膜層を有するものであって、基
板、前記基板上に形成された第1の電極層、前記電極層
上に形成された、上面が平滑である第1の有機導電体
層、前記有機導電体層上に形成された第1の絶縁体層、
および前記絶縁体層上に形成された機能性有機薄膜層を
具備してなることを特徴とするものである。
【0014】<効果>本発明によれば、低い駆動電圧で
高い電場印加を実現可能な有機薄膜素子が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】<有機薄膜素子の構造>本発明の
有機薄膜素子は、基板、前記基板上に形成された第1の
電極層、前記電極層上に形成された、上面が平滑である
第1の有機導電体層、前記有機導電体層上に形成された
第1の絶縁体層、および前記絶縁体層上に形成された機
能性有機薄膜層を具備してなるものである。このような
本発明の有機薄膜素子の断面模式図は図1に示すとおり
である。すなわち、本発明の有機薄膜素子は、基板11
上に、第1の電極層12、第1の有機導電体層13、第
1の絶縁体層14、および機能性有機薄膜層15が順次
積層されているものである。
【0016】この有機薄膜素子は、この機能性有機薄膜
層15に電場を印加することで駆動するものである。機
能性有機薄膜層15に電場を印加するためには、前記第
1の電極層12の対極となる電極が必要となるが、必要
に応じて任意の対極を設けることができる。例えば、機
能性有機薄膜層に対して非接触で近接させることが可能
な光ファイバーの先端に電極を設け、機能性有機薄膜の
所望の点のみに電場を印加することが可能である。ま
た、機能性薄膜層に、必要に応じて中間層を介して、平
面状の電極を張り合わせることも可能である。特に、前
記した有機薄膜素子が、機能性有機薄膜層15上に形成
された第2の絶縁体層16、前記絶縁体層上に形成され
た第2の有機導電体層17、および前記有機導電体層上
に形成された第2の電極層18をさらに具備してなる構
造を有することが好ましい。この好ましい構造を有する
有機薄膜素子の断面模式図は図2に示すとおりである。
また、必要に応じて、第1の絶縁層14と有機薄膜層1
5の界面、有機薄膜層15と第2の絶縁層16の界面の
一方または両方に、有機薄膜層に含まれる有機物の配向
を制御するための分子配向制御層21、22、を設ける
ことができる。このような層を有する本発明の有機薄膜
素子の断面模式図を図4に示す。
【0017】なお、これらの、本発明の有機薄膜素子を
構成する各層の主面は平行となるように設置されるのが
一般的である。
【0018】この図2の本発明の有機薄膜素子を、従来
の有機薄膜素子(図3)と比較すると、本発明の有機薄
膜素子の利点が明確となる。すなわち、従来の有機薄膜
素子では、機能性有機薄膜層15に厚い絶縁層14また
は16を介して電場を印加していた。この絶縁層14お
よび16は、電極12および18の凹凸構造のため、な
らびに絶縁層そのものに耐熱性を付与するために厚い構
造を有するので、薄層化ができないため、電極12およ
び18の間隔が広くなり、機能性有機薄膜層に印加でき
る電場の強度が低かった。
【0019】これに対して本発明の有機薄膜素子(図
2)では、電極層12および18の凹凸構造を平滑化す
る有機導電体層13および17を具備している。このた
め、電場の印加される間隔が電極間ではなく、有機導電
体層間の距離となり、従来の有機薄膜素子に比較して電
場が印加される間隔を狭くすることができる。従って本
発明の有機薄膜素子は機能性有機薄膜層に印加できる電
場強度が相対的に高くすることができるため、従来の有
機薄膜素子に比較して低い駆動電圧で駆動することが可
能となるのである。
【0020】<基板>本発明の有機薄膜素子で用いられ
る基板としては、任意のものを用いることができるが、
例えば、ガラス、石英、および酸化物などの透明性を有
する誘電体などからなる透明基板を挙げることができ
る。また、Siなどの半導体やAlなどの金属などの光
透過性を有していない基板を用いることもできる。これ
ら基板は、有機薄膜素子の駆動方法に応じて選択され
る。
【0021】<電極層>本発明の有機薄膜素子で用いら
れる第1および第2の電極層は、ITO、ZnO、およ
びSnO2などの透明電極や、Al、Au、Agおよび
Ptなどの金属からなる電極である。また、ポリピロー
ル、ポリアニリン、ポリチオフェン、およびその他の導
電性高分子化合物の膜を用いることもできる。これらの
電極は、有機薄膜素子の駆動方法に応じて選択され、第
1および第2の電極層の両方を透明電極または不透明電
極で構成することができ、一方を透明電極、他方を不透
明電極で構成することも可能である。また、金属からな
る電極板を上述の基板として用いることもできる。この
場合は、金属基板が、基板と電極層の2つの機能を合わ
せ持つことになる。
【0022】第1および第2の電極層を形成させる方法
は任意であるが、用途や用いる材料に応じて、真空蒸着
法、スパッター法、プラズマ重合法、CVD法、スピン
コート法、およびその他の方法で形成させる。
【0023】第1および第2の電極層は、通常は、20
オングストローム〜10,000オングストロームの厚
さの薄膜として形成される。
【0024】<有機導電体層>本発明の有機薄膜素子に
用いられる第1の有機導電体層は、基板上に形成された
第1の電極層表面の凹凸構造を埋め込んで平坦な表面と
する効果を有する。また第2の有機導電体層は、もし存
在するならば、第2の電極層をその上部に形成させる際
に、第2の絶縁体層や機能性有機薄膜層に対して熱によ
るダメージを低減するという効果を有する。
【0025】これらの効果により、第1の電極層と第2
の有機導電体層、ならびにもし存在するならば第2の有
機導電体層と第2の電極層、がそれぞれ一体となって電
極機能を果たすために電極間の間隔が狭くなると共に、
絶縁体層には耐熱性を考慮する必要が無くなり、絶縁機
能だけを付与することが可能となるため絶縁体層の膜厚
を低減させることが可能となり、機能性有機薄膜層への
印加電場を著しく高めることが可能となる。
【0026】第1および第2の有機導電体層には、任意
の導電性低分子有機化合物や導電性高分子化合物などを
用いることができる。第1の有機導電体層と第2の有機
導電体層には同一の材料で形成させるのがふつうである
が、必要に応じてそれぞれに異なった材料を用いること
もできる。有機導電体層表面の平坦性を維持するために
は、アモルファス性の有機化合物の膜を用いることが好
ましい。また、有機導電性化合物には、正孔輸送性のも
のと電子輸送性のものとがあるが、本発明の有機薄膜素
子に用いる場合、正極となる電極側には正孔輸送性有機
化合物、負極となる電極層側には電子輸送性有機化合物
を用いることが好ましい。
【0027】本発明の有機薄膜素子の有機導電体層に用
いることのできる化合物は、これまでに有機電子写真感
光体、有機EL素子、あるいは有機導電材料に用いられ
ている材料の中に見出される。このような化合物の具体
例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではな
い。また、一般的には導電性を示さない高分子材料に、
これら導電性低分子化合物をドーピングしたものを使用
することもできる。
【0028】(1)正孔輸送性有機化合物
【化1】
【0029】
【化2】
【0030】
【化3】
【0031】
【化4】
【0032】
【化5】
【0033】(2)電子輸送性有機化合物
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】
【化8】
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】第1および第2の有機導電体層を形成させ
る方法は任意であるが、用途や用いる材料に応じて、真
空蒸着法、スパッター法、プラズマ重合法、CVD法、
スピンコート法、およびその他の方法で形成させる。
【0040】<絶縁体層>本発明の有機薄膜素子で用い
られる第1および第2の絶縁体層は、隣接する有機導電
体層と機能性有機薄膜層を電気的に絶縁する作用を有す
るものである。第1および第2の絶縁体層には、そのよ
うな作用を有する任意の化合物を用いることができる
が、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリ
イイミド、ポリスチレン、およびポリシランなどの絶縁
性の有機化合物や、SrTiO3、およびSiO2などの
金属酸化物、ステロイド系骨格を有する有機化合物、お
よびその他を用いることが好ましい。
【0041】また、絶縁体層は、機能性有機薄膜層に有
効に電圧が印加されるように、誘電率の高い材料で構成
されることが好ましい。このような絶縁体としては、強
誘電体を挙げることができるが、SrTiO3やPbT
iO3のような比誘電率が10以上の材料を用いること
が好ましい。
【0042】さらに、本発明の有機薄膜素子の電子素子
への応用において、機能性有機薄膜層に電場を印加する
必要がある場合には、絶縁体層が有機アモルファス膜と
して表面平坦性と共に絶縁性を有することが好ましい。
できるだけ低い電圧で機能性有機薄膜層に強電場をかけ
ることができるようにするためには、このような絶縁体
層はできるだけ薄いことが好ましい。このため、蒸着法
などにより、超薄膜の形成が可能な低分子量有機アモル
ファス分子を形成させることが好ましい。このような特
徴を有する絶縁体層を構成する分子としては、例えばス
テロイド系骨格を有する分子が挙げられる。
【0043】このようなステロイド系骨格を有する分子
としては、例えば、コレステロール、β−エストラジオ
ールベンゾエート、メチルヒオデオキシコレート、メチ
ルコレート、プレグネノロン、メチルアンドロステンジ
オール、β−エストラジオール、エストリオール、コー
ル酸、エストロン、およびその他が挙げられる。
【0044】また絶縁体層は、上述の低分子および高分
子アモルファス有機膜と組合わせて、異種のアモルファ
ス有機膜からなる積層構造を有するように形成させるこ
ともできる。低分子アモルファス膜のみでは十分な耐熱
性が得られない場合に、このような積層構造を持つ配向
制御膜を用いて、耐熱性の高い高分子アモルファス膜を
併用することにより、その耐熱性を向上させることがで
きる。耐熱性は、第2の電極を形成させるプロセスにお
いて重要である。
【0045】第1および第2の絶縁層を形成させる方法
は任意であるが、用途や用いる材料に応じて、真空蒸着
法、スパッター法、プラズマ重合法、CVD法、スピン
コート法、およびその他の方法で形成させる。
【0046】<機能性有機薄膜層>本発明の有機薄膜素
子の機能性有機薄膜層は、電場を印加することで駆動す
ることができる材料を含むものである。このような材料
として電子受容性有機化合物と電子供与性有機化合物と
を含有する材料を挙げることができる。特に、ドナー分
子である電子供与性の有機化合物と、アクセプター分子
である電子受容性の有機化合物とが、交互に蓄積された
交互積層型電荷移動錯体結晶を用いることが好ましい。
このような電子供与性有機化合物および電子受容性有機
化合物、または電荷移動錯体は、本発明の効果を損なわ
ない範囲で任意に選択することができる。
【0047】以下に、本発明の係る有機薄膜素子の機能
性有機薄膜層に用いることのできる電子供与性化合物お
よび電子受容性化合物の例を示すが、これらに限定され
るものではない。
【0048】(1)電子供与性化合物 (D1)アニリン、ベンジジン、およびその誘導体。例
えば、アニリン、N−メチルアニリン、p−フェニレン
ジアミン、ジアミノジュレン、ベンジジン、およびその
他。 (D2)縮合多環式炭化水素、縮合複素環化合物、およ
びその誘導体。例えばナフタレン、アントラセン、ピレ
ン、フェナジン、フェノチアジン、アズレン、カルバゾ
ール、アクリジン、1,5−ジアミノナフタレン、およ
びその他。 (D3)メタロセン化合物、およびその誘導体。例えば
フェロセン、ニッケロセン、コバルトセン、ジメチルフ
ェロセン、デカメチルフェロセン、およびその他。 (D4)テトラチアフルバレン、テトラセレナフルバレ
ン、テトラテルラフルバレン、およびその誘導体。 (D5)テトラチアテトラセン、テトラセレナテトラセ
ン、テトラフェニルビチオピラリデン、およびその誘導
体。
【0049】(2)電子受容性化合物 (A1)ベンゾキノン、およびその誘導体。例えばp−
ベンゾキノン、メチルキノン、2,5−ジメチルキノ
ン、クロラニル、ナフトキノン、アントラキノン、およ
びその他。 (A2)テトラシアノキノジメタン、およびその誘導
体。例えばテトラシアノキノジメタン、テトラシアノ−
1,4−ナフトキノジメタン、テトラシアノ−9,10
−アントラキノジメタン、2−5−ジエチルテトラシア
ノキノジメタン、2,3,5,6−テトラフルオロテト
ラシアノキノジメタン、およびその他。 (A3)ジシアノキノンジイミン、およびその誘導体。
例えば、ジシアノキノンジイミン、2−クロロジシアノ
キノンジイミン、ジシアノ−1,4−ナフトキノンジイ
ミン、およびその他。 (A4)シアノエチレン、およびその誘導体。例えばテ
トラシアノエチレン、ヘキサシアノブタジエン、および
その他。 (A5)シアノベンゼン、ニトロベンゼン、およびその
誘導体。ヘキサシアノベンゼン、トリニトロベンゼン、
およびその他。
【0050】本発明の機能性有機薄膜層には、これらの
電子供与性化合物と電子受容性化合物とを任意に組み合
わせて用いることができる。
【0051】このほか、本発明の機能性有機薄膜層に用
いることのできる電子供与性有機化合物および電子受容
性有機化合物、または電荷移動錯体は、例えば、特開昭
63−161433号、特開昭63−162058号、
特開昭63−319582号、特開平2−1168号、
特開平4−228460号各明細書にも記載されてい
る。上記に例示した電子供与性化合物と電子受容性化合
物の組合せからなる結晶は、外部からの電場を印加して
いないとき、電界移動量の少ない中性状態の電荷移動錯
体、ならびに電荷移動量の多いイオン性の電荷移動錯体
を含んでいる。一般に、交互積層型電荷移動錯体の電荷
移動状態は、構成分子のイオン化エネルギーと、イオン
性結晶におけるマーデルングエネルギーとにより決定さ
れる。
【0052】本発明者らは、電荷移動状態の異なる結晶
を混合して混晶を形成させることによりイオン化エネル
ギーを制御できることを見出し、さらに特開平4−13
7666号公報において、結晶を超薄膜化して、マーデ
ルングエネルギーに寄与する分子数を変化させることに
より、マーデルングエネルギーを制御することができる
ことを開示している。
【0053】従って、上記表に例示した電子供与性化合
物と電子受容性化合物の組み合せからなる結晶は、例え
外部から電場を印加されていないときにイオン性の電荷
移動錯体を形成するものであっても、本発明の有機薄膜
素子に用いることができるのである。
【0054】上述のようにして構成される機能性有機薄
層の厚さは、層を構成する材料によって異なるが、一般
に10オングストローム〜1μmである。また、ドナー
分子とアクセプター分子との組み合わせは、通常、有機
薄膜素子の厚さ方向に、数個〜数千個程度積層される。
【0055】機能性有機薄膜層は、任意の方法で形成さ
せることができるが、用途や用いる材料に応じて、例え
ば真空蒸着法、溶液析出法、LB(Langmuir-Blodgett)
法、およびその他の方法で形成させる。
【0056】<分子配向制御層>本発明の有機薄膜素子
には、第1の絶縁体層と有機薄膜層との間、および第2
の絶縁体層と有機薄膜層との間のうち少なくとも一方
に、必要に応じて分子配向制御層を設けることができ
る。分子配向制御膜を設けることにより、結晶性の高い
有機薄膜の特徴を活かしたり、結晶軸方向による物性の
異方性を利用したり、また機能発現に有効な方向に電場
を制御して印加することが可能となる。
【0057】分子配向制御層は、アモルファス有機膜か
らなることが好ましく、さらに好ましくはステロイド系
骨格を有する分子をもつアモルファス有機膜である。さ
らに、分子配向制御層は、異種のアモルファス有機膜を
積層した構造を有し、ステロイド系骨格を有する分子を
もつアモルファス有機膜を少なくとも一つ含むことが好
ましい。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、低い駆動電圧で高い電
場印加を実現可能な有機薄膜素子が提供されることは
[発明の概要]の項に前記したとおりである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機薄膜素子の断面模式図。
【図2】本発明の有機薄膜素子の断面模式図。
【図3】従来の有機薄膜素子の断面模式図。
【図4】本発明の有機薄膜素子の断面模式図。
【符号の説明】
11 基板 12 第1の電極層 13 第1の有機導電体層 14 第1の絶縁層 15 機能性有機薄膜層 16 第2の絶縁層 17 第2の有機導電体層 18 第2の電極層 21 第1の分子配向制御層 22 第2の分子配向制御層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電場を印加することで駆動する機能性有機
    薄膜層を有する有機薄膜素子であって、 基板、 前記基板上に形成された第1の電極層、 前記電極層上に形成された、上面が平滑である第1の有
    機導電体層、 前記有機導電体層上に形成された第1の絶縁体層、およ
    び前記絶縁体層上に形成された機能性有機薄膜層を具備
    してなることを特徴とする有機薄膜素子。
  2. 【請求項2】機能性有機薄膜層上に形成された第2の絶
    縁体層、 前記絶縁体層上に形成された第2の有機導電体層、およ
    び前記有機導電体層上に形成された第2の電極層をさら
    に具備してなる、請求項1に記載の有機薄膜素子。
  3. 【請求項3】第1の絶縁体層と機能性有機薄膜層との界
    面に分子配向制御層をさらに具備する、請求項1に記載
    の有機薄膜素子。
  4. 【請求項4】第1の絶縁体層と機能性有機薄膜層との界
    面、および機能性有機薄膜層と第2の絶縁体層との界面
    の少なくとも一方に分子配向制御層をさらに具備する、
    請求項2に記載の有機薄膜素子。
  5. 【請求項5】機能性有機薄膜層が、電子供与性化合物お
    よび電子受容性化合物を含んでなる、請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の有機薄膜素子。
  6. 【請求項6】機能性有機薄膜層が交互積層型電荷移動錯
    体からなるものであり、電場を印加によって中性または
    イオン性相転移を制御できるものである、請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の有機薄膜素子。
JP17899898A 1998-06-25 1998-06-25 有機薄膜素子 Expired - Fee Related JP3725335B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17899898A JP3725335B2 (ja) 1998-06-25 1998-06-25 有機薄膜素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17899898A JP3725335B2 (ja) 1998-06-25 1998-06-25 有機薄膜素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000012922A true JP2000012922A (ja) 2000-01-14
JP3725335B2 JP3725335B2 (ja) 2005-12-07

Family

ID=16058336

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17899898A Expired - Fee Related JP3725335B2 (ja) 1998-06-25 1998-06-25 有機薄膜素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3725335B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001319789A (ja) * 2000-02-29 2001-11-16 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置およびその作製方法
JP2002352956A (ja) * 2001-03-23 2002-12-06 Mitsubishi Chemicals Corp 薄膜型発光体及びその製造方法
JP2003045665A (ja) * 2001-07-27 2003-02-14 Tdk Corp 有機el表示装置
WO2004073079A1 (ja) * 2003-02-14 2004-08-26 Fuji Electric Holdings Co., Ltd. スイッチング素子
WO2005018009A1 (ja) * 2003-08-19 2005-02-24 Fuji Electric Holdings Co., Ltd. スイッチング素子
JP2007019291A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 有機半導体装置
JP2008041728A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Sony Corp 電荷移動錯体薄膜、及び、電界効果型トランジスタ
US7786470B2 (en) 2003-02-17 2010-08-31 Fuji Electric Holdings Co., Ltd. Switching element
JP2013125816A (ja) * 2011-12-14 2013-06-24 Toshiba Corp 半導体発光素子
JP2016075738A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 東洋インキScホールディングス株式会社 カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ
JP2016075739A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 東洋インキScホールディングス株式会社 カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001319789A (ja) * 2000-02-29 2001-11-16 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置およびその作製方法
JP4601843B2 (ja) * 2000-02-29 2010-12-22 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置
JP2002352956A (ja) * 2001-03-23 2002-12-06 Mitsubishi Chemicals Corp 薄膜型発光体及びその製造方法
JP2003045665A (ja) * 2001-07-27 2003-02-14 Tdk Corp 有機el表示装置
WO2004073079A1 (ja) * 2003-02-14 2004-08-26 Fuji Electric Holdings Co., Ltd. スイッチング素子
US7227178B2 (en) 2003-02-14 2007-06-05 Fuji Electric Holdings Co., Ltd. Switching element
US7786470B2 (en) 2003-02-17 2010-08-31 Fuji Electric Holdings Co., Ltd. Switching element
JP4729721B2 (ja) * 2003-08-19 2011-07-20 富士電機株式会社 スイッチング素子
JPWO2005018009A1 (ja) * 2003-08-19 2007-10-04 富士電機ホールディングス株式会社 スイッチング素子
US7807991B2 (en) 2003-08-19 2010-10-05 Fuji Electric Holdings Co., Ltd. Switching element
WO2005018009A1 (ja) * 2003-08-19 2005-02-24 Fuji Electric Holdings Co., Ltd. スイッチング素子
JP2007019291A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 有機半導体装置
JP2008041728A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Sony Corp 電荷移動錯体薄膜、及び、電界効果型トランジスタ
JP2013125816A (ja) * 2011-12-14 2013-06-24 Toshiba Corp 半導体発光素子
US9076924B2 (en) 2011-12-14 2015-07-07 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor light emitting device
JP2016075738A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 東洋インキScホールディングス株式会社 カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ
JP2016075739A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 東洋インキScホールディングス株式会社 カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP3725335B2 (ja) 2005-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Funahashi et al. Anomalous high carrier mobility in smectic E phase of a 2-phenylnaphthalene derivative
US7605396B2 (en) Field effect type organic transistor and process for production t hereof
JP4878841B2 (ja) 導電性薄膜の製造方法および薄膜トランジスタの製造方法
US20090189148A1 (en) Transistor element, display device and these manufacturing methods
JP3725335B2 (ja) 有機薄膜素子
TW201029020A (en) Polymeric conductive donor and transfer method
WO2009115913A2 (pt) Processo de utilização e criação de papel à base de fibras celulósicas naturais, fibras sintéticas ou mistas como suporte físico e meio armazenador de cargas eléctricas em transístores de efeito de campo com memória auto-sustentáveis usando óxidos semi-condutores activos
JPWO2004073079A1 (ja) スイッチング素子
JP2004241528A (ja) 有機半導体装置及びそれを有する表示素子
US7876596B2 (en) Memory element and method for manufacturing same
US20070128763A1 (en) Method for forming an organic semiconductor layer, organic semiconductor structure and organic semiconductor apparatus
You et al. An organic multilevel non-volatile memory device based on multiple independent switching modes
Mukherjee et al. Tuning of electrical bistability in organic devices through electrochemical potential of metal contacts
JP2003298056A (ja) 有機薄膜電界効果トランジスターおよびその製造方法
JP2004006827A (ja) 有機薄膜トランジスタ素子
Iizuka et al. Fabrication and characterization of field effect transistors using donor and acceptor stacked layers
KR20050077525A (ko) 유기 반도체 패턴의 형성 방법과 이를 이용한 유기 박막트랜지스터의 제조 방법
JPS61184517A (ja) 薄膜素子
JP2005072200A (ja) 電界効果型有機トランジスタ
JPH0718990B2 (ja) 液晶セル
KR100965178B1 (ko) 유기반도체 패턴의 형성 방법과 이를 이용한 유기 박막트랜지스터의 제조 방법
JP3469440B2 (ja) 光制御素子及びその製造方法
JP3150318B2 (ja) 有機薄膜素子
JP4423585B2 (ja) 有機el素子およびその製造方法
WO2005060005A1 (ja) スイッチング素子

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050921

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080930

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090930

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees