JP3169617B2 - 電気伝導度制御方法 - Google Patents

電気伝導度制御方法

Info

Publication number
JP3169617B2
JP3169617B2 JP41460890A JP41460890A JP3169617B2 JP 3169617 B2 JP3169617 B2 JP 3169617B2 JP 41460890 A JP41460890 A JP 41460890A JP 41460890 A JP41460890 A JP 41460890A JP 3169617 B2 JP3169617 B2 JP 3169617B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric
conjugated polymer
electric conductivity
polymer material
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP41460890A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04129272A (ja
Inventor
弘典 山本
偉男 粂原
孝 西部
Original Assignee
日本石油化学株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本石油化学株式会社 filed Critical 日本石油化学株式会社
Priority to JP41460890A priority Critical patent/JP3169617B2/ja
Publication of JPH04129272A publication Critical patent/JPH04129272A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3169617B2 publication Critical patent/JP3169617B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thin Film Transistor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、任意に付与される電界
により強誘電性物質に誘起される電気分極によってπ−
共役系高分子材料を励起状態にすることにより該π−共
役系高分子材料の電気伝導度を制御する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、外部からの電気信号によって有機
物質の電気伝導度を制御しようとする素子として、導電
性高分子を用いてSiトランジスタを模倣したField-Ef
fect Transistor (FET) が報告されている[例えば、F.
Ebisawa et al., J. Appl. Phys., 54 (1983) 3255; A.
Tsumura et al., Chem.Lett., (1986) 863; A. Tsumur
a et al., Appl. Phys. Lett., 49 (1986) 1210; H.Koe
zuka et al., Synth. Met., 18 (1987) 699; A. Tsumur
a et al., Synth. Met., 25(1988) 11等] 。
【0003】これらの研究におけるポリマートランジス
タにおいては、Metal-Oxide-Semicondoctor(MOS)形(あ
るいはMetal-Insulator-Scmiconductor(MIS)形)と呼ば
れるトランジスタ構造が用いられている。これらのポリ
マートランジスタの動作原理は、Siを用いたMOSF
ETと同様の以下のようなものと考えられている。
【0004】図2は、従来のポリマートランジスタの構
造の一例を示す。ここでは、導電性ポリマー半導体11
としてP形半導体を考える。
【0005】金属電極(ゲート)13に、金属電極(ソ
ース)12に対して負の電圧を印加すると、絶縁体15
を介して半導体表面に正の分極電荷が生じて半導体表面
層に正孔の蓄積が起こる。逆に、金属電極13に正の電
圧を印加すると、絶縁体15を介して半導体表面に負の
分極電荷が生じ、P形半導体の正孔との相殺により空乏
層が生じる。さらに、正の電圧を上げていくと半導体表
面に電子が蓄積され、n−反転層が形成される。この半
導体表面に沿って電位勾配があると、蓄積層中の正孔あ
るいは電子(キャリア)はその表面に沿って移動でき
る。このキャリアの通路(チャンネル)の幅は、表面に
与えられる電圧で変化する。したがって、金属電極(ソ
ース)12と金属電極(ゲート)13との間に印加する
電圧により、チャンネルの幅すなわち金属電極(ドレイ
ン)14と金属電極(ソース)12との間のキャリアの
伝導度を制御することができる。
【0006】さらに別の従来例として、有機高分子から
なる固体電解質のイオン伝導性を利用したFETも報告
されている[例えば、L. Campanella et al., Analusi
s. 16 (1988) 120-124 ]。
【0007】いずれにしろ従来のFET型半導体では、
ゲート、ソースおよびドレインの3電極に印加される電
圧を分離、独立して作用させることはできず、そのため
例えばリレー素子などに用いることはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は強誘電性物質
の電気分極によって、個々のπ−共役系高分子の分子を
励起状態にし、π−共役系高分子材料の電気伝導度を制
御する全く新しい方法を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明では、π−共役系高分子、好ましくは配向し
たπ−共役系高分子の近傍に電気分極を引き起こす強誘
電性物質を配置させる。
【0010】そして、この強誘電性物質に対し任意の強
度の電界を印加し、印加した電界によって該強誘電性物
質に誘起される電気分極により該π−共役系高分子材料
を励起状態とする。さらに、該π−共役系高分子材料の
電気伝導度を印加した前記電界強度に対応させて変化さ
せる。
【0011】本発明において、π−共役系高分子材料と
は、高分子主鎖中の構成原子間のπ−電子軌道の重なり
による結合が高分子主鎖に沿って一様に存在する高分子
を指す。この高分子としては、実質的に電気的中性の高
分子が用いられる。したがって、例えばNaやKのよう
な電子共与性のドーパントあるいは例えばヨウ素やPF
6 のような電子受容性ドーパントを実質的に含まないも
のである。しかしながら、π−共役系高分子材料の性質
を実質的に変えない限り上記ドーパントを極微量含むこ
とができる。電気的中性の高分子を用いるところから、
電解重合法によりπ−共役系高分子を製造する場合のよ
うにドーパントが高分子に含まれるときは、常法に従い
これを脱ドープすればよい。
【0012】本発明に使用するπ−共役系高分子とし
て、具体的には例えばポリ−p−フェニレンビニレン、
ポリ−2,5−チェニレンビニレン、ポリ−2,5−ジ
メトキシ−p−フェニレンビニレン、ポリアセチレン、
ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパ
ラフェニレンなどが用いられるが、もちろん2種以上混
合しても構わない。
【0013】上記π−共役系高分子材料は配向してなる
材料を用いることが本発明の目的のためには好ましい。
配向させる方法は、従来公知の任意の方法を採用するこ
とができる。例えば、高分子材料を延伸させることによ
り配向させる場合には、延伸倍率は延伸の効果を有意と
するためには少なくとも0.5倍以上が必要であり、1
倍以上であることが好ましい。
【0014】ここで強誘電性物質は誘電体物質のひとつ
である。誘電体物質の中には、分極が試料の履歴に依存
したり、また電界をかけない状態でも自発的に分極した
りする特異な性質を示す一群の物質がある。これら一群
の物質はいろいろな点で強磁性体とよく似た特性を持ち
(もちろん強磁性体とは区別される)、強誘電性物質
(ferroelectric material)と称される。
【0015】具体的な強誘電性物質は、通常、化学組成
と構造から(a)酒石酸塩グループ、(b)第一りん酸
塩グループ、(C)酸素八面体グループおよび(d)そ
の他の4グループに分けられる。
【0016】初めの(a)酒石酸塩グループの代表的な
強誘電性物質はロシェル塩(すなわち酒石酸カリウムナ
トリウム)NaK(C446)・4H2Oである。この
ほかに、上記ロシェル塩のNaをLiで置換したもの、
あるいはKをNH4、RbまたはT1で置換したものが
例示される。
【0017】(b)の第一りん酸塩グループの代表とし
ては、第一りん酸カリウムKH2PO4がある。このほか
NH42PO4、KH2AsO4、RbH2PO4等があ
る。
【0018】酸素八面体グループ(c)の代表はチタン
酸バリウムBaTiO3である。このほかピロニオブ酸
カドミウムCd2Nb27、メタニオブ酸鉛PbNb2
6、三酸化タングステンWO3などがある。これらの構造
は、いずれも6個の酸素イオンO2-が1個の小さな分極
しやすいイオン(チタン酸バリウムではTi4+)を取り
囲むことにより八面体を構成している。
【0019】その他の強誘電性物質(d)としては、例
えばグアニジン硫酸アルミニウム六水化物NHC(NH
22AlH(SO42・6H2O、硫酸グリシン(CH2
NH2COOH)32SO4、チオ尿素(NH2)CS等
がある。
【0020】再度具体的な強誘電性物質を例示するなら
ば、例えばりん酸二水素カリウム、チタン酸バリウム、
チタン酸鉛、ニオブ酸鉛、タンタル酸リチウム、酒石酸
カリウムナトリウム等の無機物質、あるいは、ポリアク
リロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオ
キサイド、セルロース、ポリフッ化ビニレン等の有機物
質を挙げることができる。勿論、これらの2種以上を混
合して用いても構わない。
【0021】本発明においては、上記強誘電性物質に誘
起される電気分極によりπ−共役系高分子材料の電子状
態が変化し、その電気伝導度が向上し得る程度にπ−共
役系高分子材料と強誘電性物質の両者が近接して配置さ
れることが肝要である。このように近接して配置する方
法は公知の任意の方法を採用することができる。具体的
には例えば、強誘電性物質とπ−共役系高分子材料との
混合物にする、あるいは両者の薄膜を密着積層するなど
の方法により両者を近接して配置する。
【0022】上記薄膜の作製方法は湿式法と乾式法との
2つに大きく分かれる。湿式法は薄膜作製の系に溶媒が
関与している手法であり、乾式法は試料作製を真空槽内
で行なう手法である。乾式法において真空槽の真空度は
手法によって異なる。この乾式法は湿式法に比べて、真
空度にもよるが、薄膜作製系内の空気などの影響を考え
なくてもよく、クリーンな薄膜法であるという利点があ
る一方、設備が高価になり、かつ、適応できる物質は湿
式法に比べて少なくなるという欠点がある。
【0023】湿式の手法としては、ラングミュアブロジ
ェット法(LB法)、溶媒キャスト法および電気化学法
を例示することができる。ラングミュアブロジェット法
は、ステアリン酸系のような脂肪族系にカルボン酸基が
あるような系を水面上に浮かして基板にすくい取る手法
である。溶媒キャスト法は、試料を溶媒に溶かし、基板
等に滴下して溶媒を蒸発させる方法である。基板のほか
に、Hg上でゆっくり溶媒を蒸発させたり、スピンキャ
ストによって強制的に溶媒を蒸発させてもよい。電気化
学法は、電解液に原料を溶かし、酸化あるいは還元反応
によって試料作製と薄膜化を行なう方法である。
【0024】乾式の手法としては、気相成長法(CVD
法)、真空蒸着法、エピタキシー法およびスパッタリン
グ法を例示することができる。気相成長法は、原料ガス
を真空槽に導入して、光、熱、プラズマなどによってエ
ネルギー的に活性化状態にして試料作製と薄膜化を行な
う方法である。真空蒸着法は、真空槽内(10-5〜10
-7Torr)において、試料を通電加熱によって蒸発さ
せ、基板に積層する方法である。これとよく似ているの
がエピタキシー法であり、超高真空槽(10-9〜10-1
1 Torr)において、気化された試料の基板上への、
一層ごと(数オングストローム単位)の積層制御を行な
う。
【0025】これらの真空蒸着法およびエピタキシー法
においては、試料が通電加熱によって気化するのが条件
である。気化できない(例えば熱によって壊れたりす
る)試料に対しては、いわゆるスパッタリング法で積層
を行なう。すなわち、電子ビームまたは放電などで励起
された、あるいはイオン化された希ガス(例えばアルゴ
ン)などを固体試料の表面に照射し、該表面の試料を弾
き飛ばして基板に積層する。以上述べたような方法によ
り薄膜を製造することができる。
【0026】ここで添付図面を参照しながら本発明の方
法により機能する電気素子の一構成例を説明する。
【0027】図1は、本発明による電気素子の概略構成
の一例を示す。図示の素子は例えばポリエチレンのよう
な絶縁体でなる基板7を有する。該基板7の一方の面7
a上には、金属、例えば金を薄膜状に形成した電極(入
出力電極)1,2が所定の間隔を隔てて設けられ、該金
属電極1,2を包囲するようにこれとオーム接触するπ
−共役系高分子膜4が設けられている。該π−共役系高
分子膜4は、強誘電性物質を混合されているが、少なく
とも電極1,2の間はπ−共役系高分子が連続相をな
し、該π−共役系高分子を伝導して電子が移動できるも
のとする。また、基板7の他方の面7bには、金属、例
えば金を薄膜状に形成した電極(制御電極)3が設けら
れている。
【0028】さらに、前記強誘電性物質混合高分子膜4
上には、例えばポリエチレンのような絶縁膜5が設けら
れている。該絶縁膜5の上には、金属、例えば金を薄膜
状に形成した電極(第2の制御電極)6が、金属電極
(第1の制御電極)3とともに前記金属電極1,2によ
り形成される面を垂直に挟むように設けられている。
【0029】
【作用】以上に構成を説明した本発明に従う電気素子の
一構成例は次のように動作する。すなわち、金属電極3
と金属電極6の間に絶縁破壊には至らない程度の一定の
電界を印加すると、強誘電性物質とπ−共役系高分子の
混合膜4中の強誘電性物質は、この電界の作用で電気分
極を引き起こす。その結果、強誘電性物質の近傍にある
π−共役系高分子は、その電気分極によって励起状態に
なる。一般にπ−共役系高分子が電荷中性状態にあると
き、その電気伝導度は10-7〜10-8S・cm-1以下であ
り、かつこのπ−共役系高分子が励起移動状態にあると
きの電気伝導度は、中性のものより少なくとも5桁以上
増加することが知られている。もちろん、本発明におい
てはπ−共役系高分子の電気伝導度の変化の程度は特に
限定されず、素子として使用することができる程度なら
ばよい。しかしながら、通常は少なくとも1〜2桁程度
増加すれば充分である。
【0030】π−共役系高分子材料の励起状態は、例え
ばその電気伝導度を測定することにより観察される。そ
して、該金属電極3と6との間に電界を印加したときと
しないときで、該金属電極1と2の間の該混合膜の大き
な電気伝導度の変化を読み取ることができる。本発明は
この全く新しい動作原理によってπ−共役系高分子材料
の電気伝導度を制御するものである。
【0031】したがって、本発明の制御方法を実現する
ための電気素子は、制御電極3と6との間に電圧を印加
することにより入出力電極1と2との間の電気伝導度を
制御することができ、入出力電極1,2のいずれかに相
当する基準電極(ソース)12と制御電極3,6に相当
する制御電極(ゲート)13との間に電圧を印加して入
出力電極12と14との間の電気伝導度を制御していた
従来のFETとは作用を異にする。
【0032】本発明の電気素子は、抵抗変化の最大値と
最小値を、それぞれ1と0に対応させればメモリーとし
て動作することになる。また、この電界制御型の素子
は、印加電界強度を変えることにより該混合膜の抵抗変
化を引き起こすことができるので、インバータおよび論
理回路を構成することができる。このようにスイッチ素
子としても動作が可能になる。
【0033】さらに、上述のように、金属電極3,6と
金属電極1,2とは電気的に分離、独立して機能させる
ことができるため、本発明の電気素子は、直流のみなら
ず、交流の電気信号に対するリレー素子としても動作が
可能である。
【0034】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の方法により
機能する電気素子は、励起手段として直流もしくは交流
電界を用いることによりπ−共役系高分子の近傍に存在
する強誘電性物質の電気分極を引き起こして、スイッチ
およびメモリ動作、および直流ないしは交流の電気信号
に対するリレー動作ができる微細化可能な能動素子とな
る。
【0035】このように、本発明は、従来の電界効果型
の電子素子であるFETの動作と全く異なる新しい動作
原理を用いたものであり、本発明の方法にしたがい機能
する電気素子は、構造も従来の素子に較べて比較的簡単
であり、かつ従来の電界効果型トランジスタのスイッチ
およびメモリ動作に加えて交流の電気信号に対するリレ
ー動作をも実現することができる。
【0036】さらに、本発明の方法によればπ−共役系
高分子材料の分子鎖一本の電気伝導性を制御することも
可能なため、本発明の方法にしたがう電気素子は分子鎖
一本をその構成素子とすることもでき、そのため素子の
集積度を従来の電子素子を用いた場合と較べて飛躍的に
向上させることができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、こ
の実施例は本発明の単なる例示であり、本発明の範囲を
何等制限するものではない。
【0038】(実施例1) 公知の方法[R.A.Wessling and R.
G.Zimmer−man,US Patent 19
68,3401152]によって作製したポリ−p−フ
ェニレンビニレン(PPV)の前駆体高分子の水溶液に
リン酸二水素カリウム(KDP)をPPVに対して9
1.58Wt%の割合で溶解した。ITOガラス上にお
いて、上記の混合溶液からスピンキャスト法によって2
μmの薄膜を作製した。その薄膜を真空下において8時
間、200℃で処理することによって前駆体高分子をP
PVにした。このようにして得られた薄膜上に金を真空
蒸着して電極とした。この薄膜のJ−F(電流密度−電
界)特性を図3に示す。図3から明らかなように、10
3V/cmを超える電界で電気伝導度が10-10S・cm
-1から10-8S・cm-1に上昇した。
【0039】すなわち、印加した電界によりπ−共役系
高分子材料の電気伝導度を制御することが出来た。
【0040】(実施例2) 公知の方法[I.Murase et al. Pol
ymer Commun.,28, 229(198
7)] によって製作したポリチェニレンビニレン(P
TV)の前駆体高分子の水−エタノール1:1溶液にリ
ン酸二水素カリウム(KDP)をPTVに対して91.
58Wt%の割合で溶解した。ITOガラス上におい
て、上記の混合液からスピンキャスト法によって2μm
の薄膜を作製した。その薄膜を真空下において8時間、
200℃で処理することによって前駆前駆体高分子をP
TVにした。このようにして得られた薄膜上に金を真空
蒸着して電極とした。この薄膜のI−V特性の測定の結
果、103V/cmを超える電界で電気伝導度が10-10
S・cm-1から10-8S・cm-1に上昇した。
【0041】すなわち、印加した電界によりπ−共役系
高分子材料の電気伝導度を制御することが出来た。
【0042】(実施例3) 公知の方法[R.A.Wessling and R.
G.Zimmerman,US Patent 196
8,3401152]によって作製したポリ−p−フェ
ニレンビニレン(PPV)の前駆体高分子の水溶液にリ
ン酸二水素カリウム(KDP)をPPVに対して91.
58Wt%の割合で溶解した。図1の電極1,2を形成
してあるSiO2(絶緑層7)上において、上記の混合
液からスピンキャスト法によって1μmの薄膜を作製し
た。その薄膜を真空下において8時間、200℃で処理
することによって前駆体高分子をPPVにした。
【0043】このようにして得られた薄膜上に絶緑層5
として膜厚10μmのポリエチレンを真空蒸着した。さ
らに、図1の電極3,6を形成するために金を真空蒸着
した。
【0044】このようにして得られた素子の真空中での
電気伝導度は電極3,6間の電界が103V/cm以下
の時は10-10S・cm-1であった。一方、103V/c
mを超える電界を印加した時の電気伝導度は10-8S・
cm-1となり、この結果2桁の電気伝導度の値の上昇が
観測された。すなわち、印加した電界によりπ−共役系
高分子材料の電気伝導度を制御することができた。
【0045】(実施例4) 公知の方法[I.Murase et al. Pol
ymer Commun.,28, 229(198
7)]によって作製したポリチェニレンビニレン(PT
V)の前駆体高分子の水−エタノール1:1溶液にリン
酸二水素カリウム(KDP)をPTVに対して91.5
8Wt%の割合で溶解した。図1の電極1,2を形成し
てあるSiO2(絶縁層7)上において、上記の混合溶
液からスピンキャスト法によって1μmの薄膜を作製し
た。その薄膜を真空下において8時間、200℃で処理
することによって前駆体高分子をPTVにした。
【0046】このようにして得られた薄膜上に絶縁層5
として膜厚10μmのポリエチレンを真空蒸着した。さ
らに、図1の電極3,6を形成するために、金を真空蒸
着した。
【0047】このようにして得られた素子の真空中での
電気伝導度は電極3,6の間の電界が103V/cm以
下の時は10-10S・cm-1であった。一方、103V/
cmを超える電界を印加したときの電気伝導度は10-8
S・cm-1となり、この結果2桁の電気伝導度の値の上
昇が観測された。すなわち、印加した電界によりπ−共
役系高分子材料の電気伝導度を制御することが出来た。
【0048】(実施例5) ポリエチレン基板7(厚み30ミクロン)上に図1の電
極1,2を形成するために金を真空蒸着した。その電極
を用いてポリピロールとテトラメチルアンモニウムパラ
トルエンスルホネートを含むアセトニトリル溶媒中で電
解重合によってポリピロール薄膜を作成した。それを常
法にしたがい、電気化学的に脱ドープして電気化学的に
脱ドープして電気的に中性状態にした。次いで、そのポ
リピロール薄膜に、酒石酸カリウムナトリウムを溶かし
た希塩酸溶液を含浸させた。酒石酸カリウムナトリウム
の含浸量は10重量%であった。その希塩酸溶液含浸薄
膜に50KV/cmの電界を印加しながら約3倍に一軸
延伸し、そのまま真空に排気して希塩酸は除去した。
【0049】このようにして得られた薄膜4上に絶縁層
5として膜厚1ミクロンのポリエチレンを真空蒸着し
た。さらに、図1の電極3,6を形成するために金を真
空蒸着した。
【0050】このようにして得られた素子の真空中での
電気伝導度は電極3と6の間に電圧を印加しないときは
10-9S・cm-1であった。一方、50Vの電圧を印加
したときの電気伝導度は10-4S・cm-1となり、この
結果5桁の電気伝導度の値の上昇が観測された。すなわ
ち、印加した電界によりπ−共役系高分子材料の電気伝
導度を制御することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電気素子の概略構成図
である。
【図2】導電性高分子を用いた従来のFETの概略構成
図である。
【図3】実施例1におけるJ−F(電流密度−電界)特
性を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2 入出力電極 3,6 制御電極 4 混合膜 5 絶縁層 7 絶縁基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 51/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体の電気分極により励起状態になる
    ことにより電気伝導度が向上し得る性質を有するπ−共
    役系高分子材料に近接して存在させた強誘電性物質に対
    し任意の強度の電界を印加し、印加した該電界によって
    該強誘電性物質に誘起される電気分極により該π−共役
    系高分子材料を励起状態とし、該π−共役系高分子材料
    の電気伝導度を印加した前記電界強度に対応させて変化
    させることを特徴とするπ−共役系高分子材料の電気伝
    導度制御方法。
  2. 【請求項2】 前記π−共役系高分子材料が配向してい
    る請求項1記載の方法。
JP41460890A 1989-12-27 1990-12-27 電気伝導度制御方法 Expired - Fee Related JP3169617B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP41460890A JP3169617B2 (ja) 1989-12-27 1990-12-27 電気伝導度制御方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-336417 1989-12-27
JP33641789 1989-12-27
JP41460890A JP3169617B2 (ja) 1989-12-27 1990-12-27 電気伝導度制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04129272A JPH04129272A (ja) 1992-04-30
JP3169617B2 true JP3169617B2 (ja) 2001-05-28

Family

ID=26575464

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP41460890A Expired - Fee Related JP3169617B2 (ja) 1989-12-27 1990-12-27 電気伝導度制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3169617B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE520339C2 (sv) * 2001-03-07 2003-06-24 Acreo Ab Elektrokemisk transistoranordning och dess tillverkningsförfarande
CN101897066B (zh) * 2007-12-12 2015-05-06 佛罗里达大学研究基金公司 催化作用的电场增强性能及包含气体的固态装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04129272A (ja) 1992-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5206525A (en) Electric element capable of controlling the electric conductivity of π-conjugated macromolecular materials
Horowitz et al. Field‐effect transistor made with a sexithiophene single crystal
Khodabakhsh et al. Using self‐assembling dipole molecules to improve hole injection in conjugated polymers
Kim et al. Impedance spectroscopy of single-and double-layer polymer light-emitting diode
US3385731A (en) Method of fabricating thin film device having close spaced electrodes
Tredgold et al. LANGMUIR–BLODGETT MONOLAYERS OF PREFORMED POLYMERS ON n-TYPE GaP
EP2779261B1 (en) Ferroelectric field-effect transistor
KR102059129B1 (ko) 그래핀의 제조 방법 및 이를 포함하는 그래핀 적용 소자
Sato et al. Polarized memory effect in the device including the organic charge‐transfer complex, copper‐tetracyanoquinodimethane
Mativenga et al. Ambient air stability of hybrid perovskite thin‐film transistors by ambient air processing
Heidler et al. Ferroelectric field-effect transistors based on solution-processed electrochemically exfoliated graphene
JP3169617B2 (ja) 電気伝導度制御方法
JPH01259563A (ja) 電界効果型トランジスタ
JP3169618B2 (ja) 電気素子
CN117412609A (zh) 基于pm系列宽带隙聚合物和y6受体共混材料体系的有机场效应晶体管存储器及制备方法
JP3203135B2 (ja) 強誘電体記憶素子
Velusamy et al. Thin reduced graphene oxide interlayer with a conjugated block copolymer for high performance non-volatile ferroelectric polymer memory
CN109037449B (zh) 一种有机场效应晶体管存储器及该存储器的制备方法
JPS62222669A (ja) 有機薄膜素子
TW201108484A (en) Organic field-effect transistor
JPH04346401A (ja) 非線形電気抵抗体
CN113871535B (zh) 一种有机薄膜晶体管及其制备方法
CN1845354A (zh) 有机薄膜晶体管及其制备方法
RU2106041C1 (ru) Способ изготовления туннельного прибора
US3569801A (en) Thin film triodes and method of forming

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees