JP3169618B2 - 電気素子 - Google Patents
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、任意に付与される電界
により強誘電性物質に誘起される電気分極によってπ−
共役系高分子材料を励起状態にすることにより該π−共
役系高分子材料の電気伝導度を制御する素子に関する。
により強誘電性物質に誘起される電気分極によってπ−
共役系高分子材料を励起状態にすることにより該π−共
役系高分子材料の電気伝導度を制御する素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、外部からの電気信号によって有機
物質の電気伝導度を制御しようとする素子として、導電
性高分子を用いてSiトランジスタを模倣したField-Ef
fect Transistor (FET)が報告されている
物質の電気伝導度を制御しようとする素子として、導電
性高分子を用いてSiトランジスタを模倣したField-Ef
fect Transistor (FET)が報告されている
【例えば、
F. Ebisawa et al., J. App
l. Phy 【例えば、F. Ebisawa et al., J. Appl. Phys., 54 (1
983) 3255; A. Tsumura et al., Chem.Lett., (1986) 8
63; A. Tsumura et al., Appl. Phys. Lett., 49 (198
6) 1210; H. Koezuka et al., Synth. Met., 18 (1987)
699; A. Tsumura et al., Synth. Met., 25(1988) 11
等] 。 【0003】これらの研究におけるポリマートランジス
タにおいては、Metal-Oxide-Semicondoctor(MOS)形(あ
るいはMetal-Insulator-Scmiconductor(MIS)形)と呼ば
れるトランジスタ構造が用いられている。これらのポリ
マートランジスタの動作原理は、Siを用いたMOSF
ETと同様の以下のようなものと考えられている。
F. Ebisawa et al., J. App
l. Phy 【例えば、F. Ebisawa et al., J. Appl. Phys., 54 (1
983) 3255; A. Tsumura et al., Chem.Lett., (1986) 8
63; A. Tsumura et al., Appl. Phys. Lett., 49 (198
6) 1210; H. Koezuka et al., Synth. Met., 18 (1987)
699; A. Tsumura et al., Synth. Met., 25(1988) 11
等] 。 【0003】これらの研究におけるポリマートランジス
タにおいては、Metal-Oxide-Semicondoctor(MOS)形(あ
るいはMetal-Insulator-Scmiconductor(MIS)形)と呼ば
れるトランジスタ構造が用いられている。これらのポリ
マートランジスタの動作原理は、Siを用いたMOSF
ETと同様の以下のようなものと考えられている。
【0004】図2は、従来のポリマートランジスタの構
造の一例を示す。
造の一例を示す。
【0005】ここでは、導電性ポリマー半導体11とし
てP形半導体を考える。金属電極(ゲート)13に、金
属電極(ソース)12に対して負の電圧を印加すると、
絶縁体15を介して半導体表面に正の分極電荷が生じて
半導体表面層に正孔の蓄積が起こる。逆に、金属電極1
3に正の電圧を印加すると、絶縁体15を介して半導体
表面に負の分極電荷が生じ、P形半導体の正孔との相殺
により空乏層が生じる。さらに、正の電圧を上げていく
と半導体表面に電子が蓄積され、“n−反転層”が形成
される。この半導体表面に沿って電位勾配があると、蓄
積層中の正孔あるいは電子(キャリア)はその表面に沿
って移動できる。このキャリアの通路(チャンネル)の
幅は、表面に与えられる電圧で変化する。したがって、
金属電極(ソース)12と金属電極(ゲート)13との
間に印加する電圧により、チャンネルの幅すなわち金属
電極(ドレイン)14と金属電極(ソース)12との間
のキャリアの伝導度を制御することができる。
てP形半導体を考える。金属電極(ゲート)13に、金
属電極(ソース)12に対して負の電圧を印加すると、
絶縁体15を介して半導体表面に正の分極電荷が生じて
半導体表面層に正孔の蓄積が起こる。逆に、金属電極1
3に正の電圧を印加すると、絶縁体15を介して半導体
表面に負の分極電荷が生じ、P形半導体の正孔との相殺
により空乏層が生じる。さらに、正の電圧を上げていく
と半導体表面に電子が蓄積され、“n−反転層”が形成
される。この半導体表面に沿って電位勾配があると、蓄
積層中の正孔あるいは電子(キャリア)はその表面に沿
って移動できる。このキャリアの通路(チャンネル)の
幅は、表面に与えられる電圧で変化する。したがって、
金属電極(ソース)12と金属電極(ゲート)13との
間に印加する電圧により、チャンネルの幅すなわち金属
電極(ドレイン)14と金属電極(ソース)12との間
のキャリアの伝導度を制御することができる。
【0006】さらに別の従来例として、有機高分子から
なる固体電解質のイオン伝導性を利用したFETも報告
されている[例えば、L. Campanella et al., Analusi
s. 16(1988) 120-124 ]。
なる固体電解質のイオン伝導性を利用したFETも報告
されている[例えば、L. Campanella et al., Analusi
s. 16(1988) 120-124 ]。
【0007】いずれにしろ従来のFET型半導体では、
ゲート、ソースおよびドレインの3電極に印加される電
圧を分離、独立して作用させることはできず、そのため
例えばリレー素子などに用いることはできなかった。
ゲート、ソースおよびドレインの3電極に印加される電
圧を分離、独立して作用させることはできず、そのため
例えばリレー素子などに用いることはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、強誘電性物
質の電気分極によって個々のπー共役系高分子を励起状
態にし、πー共役系高分子の電気伝導度を制御する機能
を有する全く新しい動作原理による電気素子を提供する
ことを目的としている。
質の電気分極によって個々のπー共役系高分子を励起状
態にし、πー共役系高分子の電気伝導度を制御する機能
を有する全く新しい動作原理による電気素子を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明では、πー共役系高分子、好ましくは配向した
πー共役系高分子の近傍に、電気分極を引き起こす強誘
電性物質を配置させた素子を用いる。
め本発明では、πー共役系高分子、好ましくは配向した
πー共役系高分子の近傍に、電気分極を引き起こす強誘
電性物質を配置させた素子を用いる。
【0010】すなわち、本発明の電気素子は、少なくと
も2個の電極をオーム接触させてなる、誘電体の電気分
極により励起状態になることにより電気伝導度が低下し
得る性質を有するπー共役系高分子材料と、これの近傍
に存在する強誘電性物質からなり該強誘電性物質に対し
て任意の強度の電界を印加させるための電極を有するこ
とを特徴とする。
も2個の電極をオーム接触させてなる、誘電体の電気分
極により励起状態になることにより電気伝導度が低下し
得る性質を有するπー共役系高分子材料と、これの近傍
に存在する強誘電性物質からなり該強誘電性物質に対し
て任意の強度の電界を印加させるための電極を有するこ
とを特徴とする。
【0011】以下に本発明をさらに説明する。
【0012】ここで、πー共役系高分子材料とは、高分
子主鎖中の構成原子間のπー電子軌道の重なりによる結
合が高分子主鎖に沿って一様に存在する高分子を指す。
また、この高分子は、実質的に電気的中性の高分子を用
いる。従って、例えばNaやKのような電子供与性のド
ーパントあるいは例えばヨウ素やPF6のような電子受
容性ドーパントを実質的に含まないものである。しかし
ながら、πー共役系高分子材料の性質を実質的に変えな
い限り上記ドーパントを極微量含むことが出来る。電気
的に中性の高分子を用いるところから、電解重合法によ
りπー共役系高分子を製造する場合のようにドーパント
が高分子に含まれるときは、常法に従いこれを脱ドープ
すればよい。
子主鎖中の構成原子間のπー電子軌道の重なりによる結
合が高分子主鎖に沿って一様に存在する高分子を指す。
また、この高分子は、実質的に電気的中性の高分子を用
いる。従って、例えばNaやKのような電子供与性のド
ーパントあるいは例えばヨウ素やPF6のような電子受
容性ドーパントを実質的に含まないものである。しかし
ながら、πー共役系高分子材料の性質を実質的に変えな
い限り上記ドーパントを極微量含むことが出来る。電気
的に中性の高分子を用いるところから、電解重合法によ
りπー共役系高分子を製造する場合のようにドーパント
が高分子に含まれるときは、常法に従いこれを脱ドープ
すればよい。
【0013】本発明に使用するπ−共役系高分子とし
て、具体的には例えばポリ−p−フェニレンビニレン、
ポリ−2,5−チェニレンビニレン、ポリ−2,5−ジ
メトキシ−p−フェニレンビニレン、ポリアセチレン、
ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパ
ラフェニレンなどが用いられるが、もちろん2種以上混
合しても構わない。
て、具体的には例えばポリ−p−フェニレンビニレン、
ポリ−2,5−チェニレンビニレン、ポリ−2,5−ジ
メトキシ−p−フェニレンビニレン、ポリアセチレン、
ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパ
ラフェニレンなどが用いられるが、もちろん2種以上混
合しても構わない。
【0014】上記π−共役系高分子材料は配向してなる
材料を用いることが本発明の目的のためには好ましい。
配向させる方法は、従来公知の任意の方法を採用するこ
とができる。例えば、高分子材料を延伸させることによ
り配向させる場合には、延伸倍率は延伸の効果を有意と
するためには少なくとも0.5倍以上が必要であり、1
倍以上であることが好ましい。
材料を用いることが本発明の目的のためには好ましい。
配向させる方法は、従来公知の任意の方法を採用するこ
とができる。例えば、高分子材料を延伸させることによ
り配向させる場合には、延伸倍率は延伸の効果を有意と
するためには少なくとも0.5倍以上が必要であり、1
倍以上であることが好ましい。
【0015】ここで強誘電性物質は誘電体物質のひとつ
である。誘電体物質の中には、分極が試料の履歴に依存
したり、また電界をかけない状態でも自発的に分極した
りする特異な性質を示す一群の物質がある。これら一群
の物質はいろいろな点で強磁性体とよく似た特性を持ち
(もちろん強磁性体とは区別される)、強誘電性物質
(ferroelectric material)と称される。
である。誘電体物質の中には、分極が試料の履歴に依存
したり、また電界をかけない状態でも自発的に分極した
りする特異な性質を示す一群の物質がある。これら一群
の物質はいろいろな点で強磁性体とよく似た特性を持ち
(もちろん強磁性体とは区別される)、強誘電性物質
(ferroelectric material)と称される。
【0016】具体的な強誘電性物質は、通常、化学組成
と構造から(a)酒石酸塩グループ、(b)第一りん酸
塩グループ、(C)酸素八面体グループおよび(d)そ
の他の4グループに分けられる。
と構造から(a)酒石酸塩グループ、(b)第一りん酸
塩グループ、(C)酸素八面体グループおよび(d)そ
の他の4グループに分けられる。
【0017】初めの(a)酒石酸塩グループの代表的な
強誘電性物質はロシェル塩(すなわち酒石酸カリウムナ
トリウム)NaK(C4H4O6)・4H2Oである。この
ほかに、上記ロシェル塩のNaをLiで置換したもの、
あるいはKをNH4、RbまたはTlで置換したものが
例示される。
強誘電性物質はロシェル塩(すなわち酒石酸カリウムナ
トリウム)NaK(C4H4O6)・4H2Oである。この
ほかに、上記ロシェル塩のNaをLiで置換したもの、
あるいはKをNH4、RbまたはTlで置換したものが
例示される。
【0018】(b)の第一りん酸塩グループの代表とし
ては、第一りん酸カリウムKH2PO4がある。このほか
NH4H2PO4、KH2AsO4、RbH2PO4等があ
る。
ては、第一りん酸カリウムKH2PO4がある。このほか
NH4H2PO4、KH2AsO4、RbH2PO4等があ
る。
【0019】酸素八面体グループ(c)の代表はチタン
酸バリウムBaTiO3である。このほかピロニオブ酸
カドミウムCd2Nb2O7、メタニオブ酸鉛PbNb2O
6、三酸化タングステンWO3などがある。これらの構造
は、いずれも6個の酸素イオンO2- が1個の小さな分極
しやすいイオン(チタン酸バリウムではTi4+)を取り
囲むことにより八面体を構成している。
酸バリウムBaTiO3である。このほかピロニオブ酸
カドミウムCd2Nb2O7、メタニオブ酸鉛PbNb2O
6、三酸化タングステンWO3などがある。これらの構造
は、いずれも6個の酸素イオンO2- が1個の小さな分極
しやすいイオン(チタン酸バリウムではTi4+)を取り
囲むことにより八面体を構成している。
【0020】その他の強誘電性物質(d)としては、例
えばグアニジン硫酸アルミニウム六水化物NHC(NH
2)2AlH(SO4)2・6H2O、硫酸グリシン(CH2
NH2COOH)3H2SO4、チオ尿素(NH2)CS等
がある。
えばグアニジン硫酸アルミニウム六水化物NHC(NH
2)2AlH(SO4)2・6H2O、硫酸グリシン(CH2
NH2COOH)3H2SO4、チオ尿素(NH2)CS等
がある。
【0021】再度具体的な強誘電性物質を例示するなら
ば、例えばりん酸二水素カリウム、チタン酸バリウム、
チタン酸鉛、ニオブ酸鉛、タンタル酸リチウム、酒石酸
カリウムナトリウム等の無機物質、あるいは、ポリアク
リロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオ
キサイド、セルロース、ポリフッ化ビニレン等の有機物
質を挙げることができる。勿論、これらの2種以上を混
合して用いても構わない。
ば、例えばりん酸二水素カリウム、チタン酸バリウム、
チタン酸鉛、ニオブ酸鉛、タンタル酸リチウム、酒石酸
カリウムナトリウム等の無機物質、あるいは、ポリアク
リロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオ
キサイド、セルロース、ポリフッ化ビニレン等の有機物
質を挙げることができる。勿論、これらの2種以上を混
合して用いても構わない。
【0022】本発明においては、上記強誘電性物質に誘
起される電気分極によりπー共役系高分子材料の電子状
態が変化し得る程度に両者が近接して配置されることが
肝要である。具体的には強誘電性物質とπー共役系高分
子材料との混合膜を用いればよい。この混合膜は、たと
えば、適宜の溶剤に溶解させた強誘電性物質の溶液をπ
ー共役系高分子材料膜に含浸させ、しかる後に要すれば
溶剤を揮散させることにより得られる。そのほか、強誘
電性物質とπー共役系高分子材料とを共に溶解させる溶
剤に溶解させ、しかる後に造膜させることによることも
できる。また、常法に従い、強誘電性物質の微粉末をπ
ー共役系高分子材料に混合、造膜することによっても得
ることが出来る。さらにまた、強誘電性物質をπー共役
系高分子材料に埋め込むイオンプランテーション法ある
いはスパッタリング法によっても混合膜を製造すること
が出来る。どの方法により製造するにしろ強誘電性物質
とπー共役系高分子材料とは互いに近接して存在するこ
とが肝要である。
起される電気分極によりπー共役系高分子材料の電子状
態が変化し得る程度に両者が近接して配置されることが
肝要である。具体的には強誘電性物質とπー共役系高分
子材料との混合膜を用いればよい。この混合膜は、たと
えば、適宜の溶剤に溶解させた強誘電性物質の溶液をπ
ー共役系高分子材料膜に含浸させ、しかる後に要すれば
溶剤を揮散させることにより得られる。そのほか、強誘
電性物質とπー共役系高分子材料とを共に溶解させる溶
剤に溶解させ、しかる後に造膜させることによることも
できる。また、常法に従い、強誘電性物質の微粉末をπ
ー共役系高分子材料に混合、造膜することによっても得
ることが出来る。さらにまた、強誘電性物質をπー共役
系高分子材料に埋め込むイオンプランテーション法ある
いはスパッタリング法によっても混合膜を製造すること
が出来る。どの方法により製造するにしろ強誘電性物質
とπー共役系高分子材料とは互いに近接して存在するこ
とが肝要である。
【0023】上記薄膜の作製方法は湿式法と乾式法との
2つに大きく分かれる。湿式法は薄膜作製の系に溶媒が
関与している手法であり、乾式法は試料作製を真空槽内
で行なう手法である。乾式法において真空槽の真空度は
手法によって異なる。この乾式法は湿式法に比べて、真
空度にもよるが、薄膜作製系内の空気などの影響を考え
なくてもよく、クリーンな薄膜法であるという利点があ
る一方、設備が高価になり、かつ、適応できる物質は湿
式法に比べて少なくなるという欠点がある。
2つに大きく分かれる。湿式法は薄膜作製の系に溶媒が
関与している手法であり、乾式法は試料作製を真空槽内
で行なう手法である。乾式法において真空槽の真空度は
手法によって異なる。この乾式法は湿式法に比べて、真
空度にもよるが、薄膜作製系内の空気などの影響を考え
なくてもよく、クリーンな薄膜法であるという利点があ
る一方、設備が高価になり、かつ、適応できる物質は湿
式法に比べて少なくなるという欠点がある。
【0024】湿式の手法としては、ラングミュアブロジ
ェット法(LB法)、溶媒キャスト法および電気化学法
を例示することができる。
ェット法(LB法)、溶媒キャスト法および電気化学法
を例示することができる。
【0025】ラングミュアブロジェット法は、ステアリ
ン酸系のような脂肪族系にカルボン酸基があるような系
を水面上に浮かして基板にすくい取る手法である。
ン酸系のような脂肪族系にカルボン酸基があるような系
を水面上に浮かして基板にすくい取る手法である。
【0026】溶媒キャスト法は、試料を溶媒に溶かし、
基板等に滴下して溶媒を蒸発させる方法である。基板の
ほかに、Hg上でゆっくり溶媒を蒸発させたり、スピン
キャストによって強制的に溶媒を蒸発させてもよい。
基板等に滴下して溶媒を蒸発させる方法である。基板の
ほかに、Hg上でゆっくり溶媒を蒸発させたり、スピン
キャストによって強制的に溶媒を蒸発させてもよい。
【0027】電気化学法は、電解液に原料を溶かし、酸
化あるいは還元反応によって試料作製と薄膜化を行なう
方法である。
化あるいは還元反応によって試料作製と薄膜化を行なう
方法である。
【0028】乾式の手法としては、気相成長法(CVD
法)、真空蒸着法、エピタキシー法およびスパッタリン
グ法を例示することができる。
法)、真空蒸着法、エピタキシー法およびスパッタリン
グ法を例示することができる。
【0029】気相成長法は、原料ガスを真空槽に導入し
て、光、熱、プラズマなどによってエネルギー的に活性
化状態にして試料作製と薄膜化を行なう方法である。
て、光、熱、プラズマなどによってエネルギー的に活性
化状態にして試料作製と薄膜化を行なう方法である。
【0030】真空蒸着法は、真空槽内(10-5〜10-7
Torr)において、試料を通電加熱によって蒸発さ
せ、基板に積層する方法である。
Torr)において、試料を通電加熱によって蒸発さ
せ、基板に積層する方法である。
【0031】これとよく似ているのがエピタキシー法で
あり、超高真空槽(10-9〜10-11Torr)におい
て、気化された試料の基板上への、一層ごと(数オング
ストローム単位)の積層制御を行なう方法である。
あり、超高真空槽(10-9〜10-11Torr)におい
て、気化された試料の基板上への、一層ごと(数オング
ストローム単位)の積層制御を行なう方法である。
【0032】これらの真空蒸着法およびエピタキシー法
においては、試料が通電加熱によって気化するのが条件
である。気化できない(例えば熱によって壊れたりす
る)試料に対しては、いわゆるスパッタリング法で積層
を行なう。すなわち、電子ビームまたは放電などで励起
された、あるいはイオン化された希ガス(例えばアルゴ
ン)などを固体試料の表面に照射し、該表面の試料を弾
き飛ばして基板に積層する。以上述べたような方法によ
り薄膜を製造することができる。
においては、試料が通電加熱によって気化するのが条件
である。気化できない(例えば熱によって壊れたりす
る)試料に対しては、いわゆるスパッタリング法で積層
を行なう。すなわち、電子ビームまたは放電などで励起
された、あるいはイオン化された希ガス(例えばアルゴ
ン)などを固体試料の表面に照射し、該表面の試料を弾
き飛ばして基板に積層する。以上述べたような方法によ
り薄膜を製造することができる。
【0033】ここで添付図面を参照しながら本発明によ
る電気素子の一構成例を説明する。図1は、本発明によ
る電気素子の概略構成の一例を示す。図示の素子は例え
ばポリエチレンのような絶縁体でなる基板7を有する。
該基板7の一方の面7a上には、金属、例えば金を薄膜
状に形成した電極(入出力電極)1,2が所定の間隔を
隔てて設けられ、該金属電極1,2を包囲するようにこ
れとオーム接触するπ−共役系高分子膜4が設けられて
いる。該π−共役系高分子膜4は、強誘電性物質を混合
されているが、少なくとも電極1,2の間はπ−共役系
高分子が連続相をなし、該π−共役系高分子を伝導して
電子が移動できるものとする。
る電気素子の一構成例を説明する。図1は、本発明によ
る電気素子の概略構成の一例を示す。図示の素子は例え
ばポリエチレンのような絶縁体でなる基板7を有する。
該基板7の一方の面7a上には、金属、例えば金を薄膜
状に形成した電極(入出力電極)1,2が所定の間隔を
隔てて設けられ、該金属電極1,2を包囲するようにこ
れとオーム接触するπ−共役系高分子膜4が設けられて
いる。該π−共役系高分子膜4は、強誘電性物質を混合
されているが、少なくとも電極1,2の間はπ−共役系
高分子が連続相をなし、該π−共役系高分子を伝導して
電子が移動できるものとする。
【0034】また、基板7の他方の面7bには、金属、
例えば金を薄膜状に形成した電極(制御電極)3が設け
られている。
例えば金を薄膜状に形成した電極(制御電極)3が設け
られている。
【0035】さらに、前記強誘電性物質混合高分子膜4
上には、例えばポリエチレンのような絶縁膜5が設けら
れている。該絶縁膜5の上には、金属、例えば金を薄膜
状に形成した電極(第2の制御電極)6が、金属電極
(第1の制御電極)3とともに前記金属電極1,2によ
り形成される面を垂直に挟むように設けられている。
上には、例えばポリエチレンのような絶縁膜5が設けら
れている。該絶縁膜5の上には、金属、例えば金を薄膜
状に形成した電極(第2の制御電極)6が、金属電極
(第1の制御電極)3とともに前記金属電極1,2によ
り形成される面を垂直に挟むように設けられている。
【0036】
【作用】以上に構成を説明した本発明に従う電気素子の
一構成例は次のように動作する。すなわち、金属電極3
と金属電極6の間に絶縁破壊には至らない程度の一定の
電界を印加すると、強誘電性物質とπ−共役系高分子の
混合膜4中の強誘電性物質は、この電界の作用で電気分
極を引き起こす。その結果、強誘電性物質の近傍にある
π−共役系高分子は、その電気分極によって励起状態に
なる。一般にπ−共役系高分子が電荷中性状態にあると
き、その電気伝導度は10-7〜10-8S・cm-1 以下であ
り、かつこのπ−共役系高分子が励起状態にあるときの
電気伝導度は、中性のものより少なくとも5桁以上増加
することが知られている。もちろん、本発明においては
π−共役系高分子の電気伝導度の変化の程度は特に限定
されず、素子として使用することができる程度ならばよ
い。しかしながら、通常は少なくとも1〜2桁程度増加
すれば充分である。
一構成例は次のように動作する。すなわち、金属電極3
と金属電極6の間に絶縁破壊には至らない程度の一定の
電界を印加すると、強誘電性物質とπ−共役系高分子の
混合膜4中の強誘電性物質は、この電界の作用で電気分
極を引き起こす。その結果、強誘電性物質の近傍にある
π−共役系高分子は、その電気分極によって励起状態に
なる。一般にπ−共役系高分子が電荷中性状態にあると
き、その電気伝導度は10-7〜10-8S・cm-1 以下であ
り、かつこのπ−共役系高分子が励起状態にあるときの
電気伝導度は、中性のものより少なくとも5桁以上増加
することが知られている。もちろん、本発明においては
π−共役系高分子の電気伝導度の変化の程度は特に限定
されず、素子として使用することができる程度ならばよ
い。しかしながら、通常は少なくとも1〜2桁程度増加
すれば充分である。
【0037】π−共役系高分子材料の励起状態は、例え
ばその電気伝導度を測定することにより観察される。そ
して、該金属電極3と6との間に電界を印加したときと
しないときで、該金属電極1と2の間の該混合膜の大き
な電気伝導度の変化を読み取ることができる。本発明は
この全く新しい動作原理によってπ−共役系高分子材料
の電気伝導度を制御するものである。
ばその電気伝導度を測定することにより観察される。そ
して、該金属電極3と6との間に電界を印加したときと
しないときで、該金属電極1と2の間の該混合膜の大き
な電気伝導度の変化を読み取ることができる。本発明は
この全く新しい動作原理によってπ−共役系高分子材料
の電気伝導度を制御するものである。
【0038】また、本発明の電気素子は、制御電極3と
6との間に印加するものであり、入出力電極1,2のい
ずれかに相当する基準電極(ソース)12と制御電極
3,6に相当する制御電極(ゲート)13との間に電圧
を印加していた従来のFETとは、その制御方法も異な
るものである。
6との間に印加するものであり、入出力電極1,2のい
ずれかに相当する基準電極(ソース)12と制御電極
3,6に相当する制御電極(ゲート)13との間に電圧
を印加していた従来のFETとは、その制御方法も異な
るものである。
【0039】本発明の電気素子は、抵抗変化の最大値と
最小値を、それぞれ1と0に対応させればメモリーとし
て動作することになる。また、この電界制御型の素子
は、印加電界強度を変えることにより該混合膜の抵抗変
化を引き起こすことができるので、インバータおよび論
理回路を構成することができる。このようにスイッチ素
子としても動作が可能になる。
最小値を、それぞれ1と0に対応させればメモリーとし
て動作することになる。また、この電界制御型の素子
は、印加電界強度を変えることにより該混合膜の抵抗変
化を引き起こすことができるので、インバータおよび論
理回路を構成することができる。このようにスイッチ素
子としても動作が可能になる。
【0040】さらに、該金属電極3,6と該金属電極
1,2は電気的に分離、独立して機能するため、直流の
みならず、交流の電気信号に対するリレー素子としても
動作が可能である。
1,2は電気的に分離、独立して機能するため、直流の
みならず、交流の電気信号に対するリレー素子としても
動作が可能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明による素子
は、励起手段として、直流もしくは交流電界を用いるこ
とにより強誘電体物質とπー共役系高分子から構成され
る混合膜中の強誘電体物質の電気分極を引き起こして、
スイッチおよびメモリ動作、および直流ないしは交流の
電気信号に対するリレー動作ができる微細化可能な能動
素子である。
は、励起手段として、直流もしくは交流電界を用いるこ
とにより強誘電体物質とπー共役系高分子から構成され
る混合膜中の強誘電体物質の電気分極を引き起こして、
スイッチおよびメモリ動作、および直流ないしは交流の
電気信号に対するリレー動作ができる微細化可能な能動
素子である。
【0042】このように、本発明による素子は、従来の
電界効果型の電子素子の動作と全く異なる新しい動作原
理を用いていることにより、その素子構造も従来の素子
に較べて比較的簡単であり、かつ従来の電界効果型トラ
ンジスタのスイッチおよびメモリ動作に加えて交流の電
気信号に対するリレー動作をも付与している。
電界効果型の電子素子の動作と全く異なる新しい動作原
理を用いていることにより、その素子構造も従来の素子
に較べて比較的簡単であり、かつ従来の電界効果型トラ
ンジスタのスイッチおよびメモリ動作に加えて交流の電
気信号に対するリレー動作をも付与している。
【0043】さらに、本発明による素子においては、強
誘電性物質の分子鎖一本の電気伝導性を制御しているた
め、一本の分子鎖を素子として構成することも出来、そ
のため素子の集積度を従来の電子素子を用いた場合と較
べて飛躍的に向上させることができる。
誘電性物質の分子鎖一本の電気伝導性を制御しているた
め、一本の分子鎖を素子として構成することも出来、そ
のため素子の集積度を従来の電子素子を用いた場合と較
べて飛躍的に向上させることができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、こ
の実施例は本発明の単なる例示であり、本発明の範囲を
何等制限するものではない。
の実施例は本発明の単なる例示であり、本発明の範囲を
何等制限するものではない。
【0045】(実施例1)公知の方法[R.A.Wes
sling and R.G.Zimmer−man,
US Patent 1968, 3401152]に
よって作製したポリ−p−フェニレンビニレン(PP
V)の前駆体高分子の水溶液にリン酸二水素カリウム
(KDP)をPPVに対して91.58Wt%の割合で
溶解した。ITOガラス上において、上記の混合溶液か
らスピンキャスト法によって2μmの薄膜を作製した。
その薄膜を真空下において8時間、200℃で処理する
ことによって前駆体高分子をPPVにした。このように
して得られた薄膜上に金を真空蒸着して電極とした。こ
の薄膜のJ−F(電流密度−電界)特性を図3に示す。
図3から明らかなように、103V/cmを超える電界
で電気伝導度が10-10S・cm-1から10-8 S・cm
-1に上昇した。
sling and R.G.Zimmer−man,
US Patent 1968, 3401152]に
よって作製したポリ−p−フェニレンビニレン(PP
V)の前駆体高分子の水溶液にリン酸二水素カリウム
(KDP)をPPVに対して91.58Wt%の割合で
溶解した。ITOガラス上において、上記の混合溶液か
らスピンキャスト法によって2μmの薄膜を作製した。
その薄膜を真空下において8時間、200℃で処理する
ことによって前駆体高分子をPPVにした。このように
して得られた薄膜上に金を真空蒸着して電極とした。こ
の薄膜のJ−F(電流密度−電界)特性を図3に示す。
図3から明らかなように、103V/cmを超える電界
で電気伝導度が10-10S・cm-1から10-8 S・cm
-1に上昇した。
【0046】すなわち、印加した電界によりπ−共役系
高分子材料の電気伝導度を制御することが出来た。
高分子材料の電気伝導度を制御することが出来た。
【0047】(実施例2)公知の方法[I.Muras
e et al. Polymer Commun.,
28, 229(1987)] によって製作したポリ
チェニレンビニレン(PTV)の前駆体高分子の水−エ
タノール1:1溶液にリン酸二水素カリウム(KDP)
をPTVに対して91.58Wt%の割合で溶解した。
ITOガラス上において、上記の混合液からスピンキャ
スト法によって2μmの薄膜を作製した。その薄膜を真
空下において8時間、200℃で処理することによって
前駆前駆体高分子をPTVにした。このようにして得ら
れた薄膜上に金を真空蒸着して電極とした。この薄膜の
IーV特性の測定の結果、103V/cmを超える電界
で電気伝導度が10-10S・cm-1から10-8S・cm
-1に上昇した。
e et al. Polymer Commun.,
28, 229(1987)] によって製作したポリ
チェニレンビニレン(PTV)の前駆体高分子の水−エ
タノール1:1溶液にリン酸二水素カリウム(KDP)
をPTVに対して91.58Wt%の割合で溶解した。
ITOガラス上において、上記の混合液からスピンキャ
スト法によって2μmの薄膜を作製した。その薄膜を真
空下において8時間、200℃で処理することによって
前駆前駆体高分子をPTVにした。このようにして得ら
れた薄膜上に金を真空蒸着して電極とした。この薄膜の
IーV特性の測定の結果、103V/cmを超える電界
で電気伝導度が10-10S・cm-1から10-8S・cm
-1に上昇した。
【0048】すなわち、印加した電界によりπ−共役系
高分子材料の電気伝導度を制御することが出来た。
高分子材料の電気伝導度を制御することが出来た。
【0049】(実施例3)公知の方法[R.A.Wes
sling and R.G.Zimmerman,U
S Patent 1968,3401152]によっ
て作製したポリ−p−フェニレンビニレン(PPV)の
前駆体高分子の水溶液にリン酸二水素カリウム(KD
P)をPPVに対して91.58Wt%の割合で溶解し
た。図1の電極1,2を形成してあるSiO2(絶緑層
7)上において、上記の混合液からスピンキャスト法に
よって1μmの薄膜を作製した。その薄膜を真空下にお
いて8時間、200℃で処理することによって前駆体高
分子をPPVにした。
sling and R.G.Zimmerman,U
S Patent 1968,3401152]によっ
て作製したポリ−p−フェニレンビニレン(PPV)の
前駆体高分子の水溶液にリン酸二水素カリウム(KD
P)をPPVに対して91.58Wt%の割合で溶解し
た。図1の電極1,2を形成してあるSiO2(絶緑層
7)上において、上記の混合液からスピンキャスト法に
よって1μmの薄膜を作製した。その薄膜を真空下にお
いて8時間、200℃で処理することによって前駆体高
分子をPPVにした。
【0050】このようにして得られた薄膜上に絶緑層5
として膜厚10μmのポリエチレンを真空蒸着した。さ
らに、図1の電極3,6を形成するために金を真空蒸着
した。
として膜厚10μmのポリエチレンを真空蒸着した。さ
らに、図1の電極3,6を形成するために金を真空蒸着
した。
【0051】このようにして得られた素子の真空中での
電気伝導度は電極3,6間の電界が103V/cm以下
の時は10-10S・cm-1であった。一方、103V/c
mを超える電界を印加した時の電気伝導度は10-8S・
cm-1となり、この結果2桁の電気伝導度の値の上昇が
観測された。すなわち、印加した電界によりπ−共役系
高分子材料の電気伝導度を制御することができた。
電気伝導度は電極3,6間の電界が103V/cm以下
の時は10-10S・cm-1であった。一方、103V/c
mを超える電界を印加した時の電気伝導度は10-8S・
cm-1となり、この結果2桁の電気伝導度の値の上昇が
観測された。すなわち、印加した電界によりπ−共役系
高分子材料の電気伝導度を制御することができた。
【0052】(実施例4)公知の方法[I.Muras
e et al. Polymer Commun.,
28, 229(1987)]によって作製したポリチ
ェニレンビニレン(PTV)の前駆体高分子の水−エタ
ノール1:1溶液にリン酸二水素カリウム(KDP)を
PTVに対して91.58Wt%の割合で溶解した。図
1の電極1,2を形成してあるSiO2(絶縁層7)上
において、上記の混合溶液からスピンキャスト法によっ
て1μmの薄膜を作製した。その薄膜を真空下において
8時間、200℃で処理することによって前駆体高分子
をPTVにした。
e et al. Polymer Commun.,
28, 229(1987)]によって作製したポリチ
ェニレンビニレン(PTV)の前駆体高分子の水−エタ
ノール1:1溶液にリン酸二水素カリウム(KDP)を
PTVに対して91.58Wt%の割合で溶解した。図
1の電極1,2を形成してあるSiO2(絶縁層7)上
において、上記の混合溶液からスピンキャスト法によっ
て1μmの薄膜を作製した。その薄膜を真空下において
8時間、200℃で処理することによって前駆体高分子
をPTVにした。
【0053】このようにして得られた薄膜上に絶縁層5
として膜厚10μmのポリエチレンを真空蒸着した。さ
らに、図1の電極3,6を形成するために、金を真空蒸
着した。
として膜厚10μmのポリエチレンを真空蒸着した。さ
らに、図1の電極3,6を形成するために、金を真空蒸
着した。
【0054】このようにして得られた素子の真空中での
電気伝導度は電極3,6の間の電界が103V/cm以
下の時は10-10S・cm-1であった。一方、103V/
cmを超える電界を印加したときの電気伝導度は10-8
S・cm-1となり、この結果2桁の電気伝導度の値の上
昇が観測された。すなわち、印加した電界によりπ−共
役系高分子材料の電気伝導度を制御することが出来た。
電気伝導度は電極3,6の間の電界が103V/cm以
下の時は10-10S・cm-1であった。一方、103V/
cmを超える電界を印加したときの電気伝導度は10-8
S・cm-1となり、この結果2桁の電気伝導度の値の上
昇が観測された。すなわち、印加した電界によりπ−共
役系高分子材料の電気伝導度を制御することが出来た。
【0055】(実施例5)ポリエチレン基板7(厚み3
0ミクロン)上に図1の電極1,2を形成するために金
を真空蒸着した。その電極を用いてポリピロールとテト
ラメチルアンモニウムパラトルエンスルホネートを含む
アセトニトリル溶媒中で電解重合によってポリピロール
薄膜を作成した。それを常法にしたがい、電気化学的に
脱ドープして電気化学的に脱ドープして電気的に中性状
態にした。次いで、そのポリピロール薄膜に、酒石酸カ
リウムナトリウムを溶かした希塩酸溶液を含浸させた。
酒石酸カリウムナトリウムの含浸量は10重量%であっ
た。その希塩酸溶液含浸薄膜に50KV/cmの電界を
印加しながら約3倍に一軸延伸し、そのまま真空に排気
して希塩酸は除去した。
0ミクロン)上に図1の電極1,2を形成するために金
を真空蒸着した。その電極を用いてポリピロールとテト
ラメチルアンモニウムパラトルエンスルホネートを含む
アセトニトリル溶媒中で電解重合によってポリピロール
薄膜を作成した。それを常法にしたがい、電気化学的に
脱ドープして電気化学的に脱ドープして電気的に中性状
態にした。次いで、そのポリピロール薄膜に、酒石酸カ
リウムナトリウムを溶かした希塩酸溶液を含浸させた。
酒石酸カリウムナトリウムの含浸量は10重量%であっ
た。その希塩酸溶液含浸薄膜に50KV/cmの電界を
印加しながら約3倍に一軸延伸し、そのまま真空に排気
して希塩酸は除去した。
【0056】このようにして得られた薄膜4上に絶縁層
5として膜厚1ミクロンのポリエチレンを真空蒸着し
た。さらに、図1の電極3,6を形成するために金を真
空蒸着した。
5として膜厚1ミクロンのポリエチレンを真空蒸着し
た。さらに、図1の電極3,6を形成するために金を真
空蒸着した。
【0057】このようにして得られた素子の真空中での
電気伝導度は電極3と6の間に電圧を印加しないときは
10-9S・cm-1であった。一方、50Vの電圧を印加
したときの電気伝導度は10-4S・cm-1となり、この
結果5桁の電気伝導度の値の上昇が観測された。すなわ
ち、印加した電界によりπ−共役系高分子材料の電気伝
導度を制御することができた。
電気伝導度は電極3と6の間に電圧を印加しないときは
10-9S・cm-1であった。一方、50Vの電圧を印加
したときの電気伝導度は10-4S・cm-1となり、この
結果5桁の電気伝導度の値の上昇が観測された。すなわ
ち、印加した電界によりπ−共役系高分子材料の電気伝
導度を制御することができた。
【図1】本発明の一実施例に係る電気素子の概略構成図
である。
である。
【図2】導電性高分子を用いた従来のFETの概略構成
図である。
図である。
【図3】実施例1におけるJ−F(電流密度−電界)特
性を示すグラフである。
性を示すグラフである。
1,2 入出力電極 3,6 制御電極 4 混合膜 5 絶縁層 7 絶縁基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 51/00 JICSTファイル(JOIS)
Claims (4)
- 【請求項1】 誘電体の電気分極により励起状態になる
ことにより電気伝導度が向上し得る性質を有するπ−共
役系高分子材料と、 該π−共役系高分子材料に近接して配置された強誘電性
物質と、 該π−共役系高分子材料の両端にオーム接触された一対
の入出力電極と、 該π−共役系高分子材料の前記一対の入出力電極間を結
ぶ方向に交叉して該π−共役系高分子材料を挟持する方
向に配置された一対の制御電極とを具備し、該一対の制
御電極間に印加される電圧に応じて前記一対の入出力電
極間の電気伝導度が変化することを特徴とする電気素
子。 - 【請求項2】 前記π−共役系高分子材料が配向してい
る請求項1記載の電気素子。 - 【請求項3】 前記強誘電性物質は、前記π−共役系高
分子材料に混合されることにより、前記近接配置されて
いる請求項1記載の電気素子。 - 【請求項4】 前記制御電極が、絶縁材により前記π−
共役系高分子材料と絶縁されている請求項1ないし3の
いずれかに記載の電気素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41460990A JP3169618B2 (ja) | 1989-12-27 | 1990-12-27 | 電気素子 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33641889 | 1989-12-27 | ||
JP1-336418 | 1989-12-27 | ||
JP41460990A JP3169618B2 (ja) | 1989-12-27 | 1990-12-27 | 電気素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04225567A JPH04225567A (ja) | 1992-08-14 |
JP3169618B2 true JP3169618B2 (ja) | 2001-05-28 |
Family
ID=26575465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP41460990A Expired - Fee Related JP3169618B2 (ja) | 1989-12-27 | 1990-12-27 | 電気素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3169618B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003017282A1 (fr) * | 2001-08-13 | 2003-02-27 | Advanced Micro Devices, Inc. | Cellule de memoire |
JP5717490B2 (ja) | 2011-03-24 | 2015-05-13 | 株式会社東芝 | 有機分子メモリ |
-
1990
- 1990-12-27 JP JP41460990A patent/JP3169618B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04225567A (ja) | 1992-08-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |