以下、詳細にわたって本発明の実施形態を説明する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、一般式(1)で表わされる色素単量体(A1)、特定の有機顔料(B)、バインダー樹脂、および溶剤を含むものである。
<着色剤>
(色素単量体(A1))
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、着色剤として、一般式(1)で記載される色素単量体(A1)を含む。また、さらに有機顔料(B)を併用して用いることも好ましいものである。一般式(1)で示されるような色素単量体(A1)は、末端に官能基を付加した効果により、通常の染料より有機溶剤への溶解性が向上するほか、耐熱性など堅牢性の向上にも寄与するため、カラーフィルタ用着色組成物として好適となる。
一般式(1):
一般式(1)中、Qは有機色素骨格を表す。
Xは、直接結合、−R2−、−NH−R3−、−O−R3−、−CO−R3−、−COO−R3−、または−O−CO−R3−を表す。
R1は、水素原子、またはメチル基を表す。
R2は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のエステル結合(−COO−)もしくはエーテル結合(−O−)から選ばれる一種類以上の結合を少なくとも1つ含むアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−R4−O−R5−、−R4−CO−R5−、−R4−COO−R5、−R4−O−CO−R5−、−R4−O−CONH−R5−、または−R4−O−CO−R6−CO−R5−を表す。
R3は、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、−R4−O−R5−、−R4−CO−R5−、−R4−O−CO−R5−、−R4−O−CONH−R5−、または−R4−O−CO−R6−CO−R5−を表す。R4およびR6は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレン基、または置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。R5は、置換もしくは無置換のアルキレン基、または−O−CH2−CHOH−CH2−を表す。
本発明における、「置換基」としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。したがって、置換基を有してもよいフェニル基の具体例としては、フェニル基、p-メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3−カルバモイルフェニル基、2−クロロ−4−カルバモイルフェニル基、2−メチル−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−メチル−3−スルファモイルフェニル基、4−スルホフェニル基、4−カルボキシフェニル基、2−メチル−4−スルホフェニル基のほか、後述の有機色素骨格Qなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
R2〜R6における置換もしくは無置換のアルキレン基としては、下記置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1から30の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基、または炭素数2から30であり、エステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)から選ばれる一種類以上の結合を少なくとも1つ含む直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基から1個の水素原子を除いて出来る2価の基が挙げられる。
炭素数1から30の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘキシルドデシル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から30であり、エステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)から選ばれる一種類以上の結合を少なくとも1つ含む直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH(−CH3)−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−OCO−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3、−(CH2)5−COO−(CH2)11−CH3、−CH2−CH2−CH2−CH−(COO−CH2−CH3) 2、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8の整数である)、−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5の整数である)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3−、−CH2−CH−(OCH3)2、−CH2−CH2−COO−CH2−CH2−O−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3、−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CO−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3、−CH2−CH2−COO−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から30であり場合により、エステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)から選ばれる一種類以上の結合を少なくとも1つ含む単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R2〜R6における置換もしくは無置換のアルケニレン基としては、下記置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられる。それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよい。具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基から1個の水素原子を除いて出来る2価の基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R2〜R6における置換もしくは無置換のアリーレン基としては、炭素数6〜30を有する置換もしくは無置換のヘテロ原子を含んでもよい単環または縮合多環芳香族基であり、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、p−ビフェニル基、m−ビフェニル基、2−アントリル基、9−アントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、9−フルオレニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、3−ペリレニル基、ターフェニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ナフトチエニル基、フリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾイル基、ピリジル基、インドール基、チアゾール基から1個の水素原子を除いて出来る2価の基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、R2〜R6における置換もしくは無置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基の水素原子はさらに他の置換基で置換されていても良い。
そのような置換基としては、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルコキシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基が挙げられる。
ここで、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
Xは、直接結合、−R2−、−O−R3−、または−COO−R3−であることが好ましく、直接結合、無置換のアルキレン基、−COO−R3−(R3は炭素数1〜5のアルキレン基)、または−R4−O−R5−(R4およびR5は各々独立して炭素数1〜5のアルキレン基)、であることがより好ましい。
<有機色素骨格・Q>
一般式(1)中の有機色素骨格・Qとしては、特に制限はなく、公知の色素構造を含む種々のものを適用することができる。公知の色素構造としては、例えば、アゾ色素、アゾメチン色素(インドアニリン色素、インドフェノール色素など)、ジピロメテン色素、キノン色素(ベンゾキノン色素、ナフトキノン色素、アントラキノン色素、アントラピリドン色素など)、カルボニウム色素(ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素、アクリジン色素など)、キノンイミン色素(オキサジン色素、チアジン色素など)、アジン色素、ポリメチン色素(オキソノール色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、スチリル色素、シアニン色素、スクアリリウム色素、クロコニウム色素など)、キノフタロン色素、フタロシアニン色素、サブフタロシアニン色素、ペリノン色素、インジゴ色素、チオインジゴ色素、キノリン色素、ニトロ色素、ニトロソ色素、及びそれらの金属錯体色素から選ばれる色素に由来する色素構造などを挙げることができる。
これらの色素構造の中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ色素、ジピロメテン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素、シアニン色素、スクアリリウム色素、キノフタロン色素、フタロシアニン色素、サブフタロシアニン色素から選ばれる色素に由来する色素構造が好ましく、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素、シアニン色素、スクアリリウム色素、キノフタロン色素、フタロシアニン色素、サブフタロシアニン色素から選ばれる色素に由来する色素構造が最も好ましい。色素構造を形成しうる具体的な色素化合物については「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸善、1970)、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colourists)、「色素ハンドブック」(大河原他編;講談社、1986)などに記載されている。
Qは、キサンテン系、およびアントラキノン系からなる群から選択される有機色素であることが好ましい。
これら有機色素としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等いずれを用いても良いが、酸性染料、直接染料、油溶性染料、塩基性染料、を用いることが、反応性に優れ、色素単量体(A1)を容易に生成することができるために好ましい。
キサンテン系、およびアントラキノン系有機色素の中でも、Qが、一般式(2)で表されるキサンテン系染料、および一般式(3)で表されるアントラキノン系染料からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが、透明性、およびコントラスト比に優れたものとすることができるために好ましい。
(キサンテン系染料)
キサンテン系染料とは、キサンテン環を含む染料であり、水酸基を含む酸性形(フルオレセインの類)、アミノ基を含む塩基性形(ローダミンの類)、その混合系(ロドールの類)に大別される。その大部分は塩基性染料または酸性染料に属し、著しく鮮明な色調を有している。中でも色調の点でローダミン染料が好ましいものである。
キサンテン系染料のなかでも、一般式(2)で表されるキサンテン系染料は、明度および耐性に優れるために好ましいものである。
一般式(2):
一般式(2)中、R31〜R34は、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表し、R31とR32、およびR33とR34は、環構造を形成しても良い。R35は、各々独立に、1価の置換基を表し、mは、0から5の整数を表す。Y-は、無機または有機のアニオンを表す。ここで、R31〜R35のいずれか1つは、Xとの結合手である。
一般式(2)におけるR31〜R34及びR35が取りうる置換基を、下記置換基群Aで示す。
<置換基群A>
置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基などが挙げられる。以下詳細に記述する。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖もしくは分岐のアルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチルが挙げられ、多シクロアルキル基、例えば、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)やトリシクロアルキル基等の多環構造の基が挙げられる。好ましくは単環のシクロアルキル基、ビシクロアルキル基であり、単環のシクロアルキル基が特に好ましい。)、
直鎖もしくは分岐のアルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルが挙げられ、多シクロアルケニル基、例えば、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)やトリシクロアルケニル基であり、単環のシクロアルケニル基が特に好ましい。)アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基であり、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基で、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数0〜30のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基で、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であり、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基で、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N'−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、
アルキル又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基であり、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基であり、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基(ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましい)、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のイミド基で、例えばN−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基で、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、
ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基で、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基で、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、官能基中の水素原子の部分が、上記いずれかの基で置換されていてもよい。置換基として導入可能な官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
一般式(2)中のR31とR32、R33とR34、及びmが2以上の場合のR35同士は、各々独立に、互いに結合して5員、6員若しくは7員の飽和環、又は5員、6員若しくは7員の不飽和環を形成していてもよい。形成される5員、6員又は7員の環が、さらに置換可能な基である場合には、前記R31〜R35で説明した置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(2)中のR31とR32、R33とR34、及びmが2以上の場合のR35同士は、各々独立に、互いに結合して、置換基を有しない5員、6員並びに7員の飽和環又は5員、6員並びに7員の不飽和環を形成する場合、置換基を有しない5員、6員並びに7員の飽和環又は5員、6員並びに7員の不飽和環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環が挙げられる。
特に、R32及びR33は水素原子であり、R31及びR34は置換又は無置換のフェニル基であることが好ましい。また、R35はハロゲン原子、炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキル基、スルホ基、スルホンアミド基、カルボキシル基であることが好ましい。R31及びR34のフェニル基が有する置換基は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキル基、スルホ基、スルホンアミド基、カルボキシル基であることが最も好ましい。
Xとの結合手は、R35であることが好ましい。
<カウンター・アニオンY->
Y-は無機または有機のアニオンを表し、アニオンイオンを有するものであれば、いずれも使用可能である。
代表的なものとしては、カルボン酸イオン、ハロゲン化物イオン(クロライドイオン、ブロマイドイオンなど)、トリフラートイオン、硫酸イオン、有機スルホネートイオン(例えば炭素数1〜20のアルキルスルホネート、ベンゼンスルホネートなど)、脂肪酸イオン(炭素数1〜20の脂肪族カルボキシレートなど)、安息香酸イオン、しゅう酸イオン、過ハロゲン酸イオン、チオシアン酸イオン、フッ素基含有リンアニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、シアノ基含有窒素アニオン、スルホン酸基含有窒素アニオン、またはハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオンなどが挙げられ、好ましく用いることができる。
中でも、フッ素基含有リンアニオン、フッ素基含有ホウ素アニオン、シアノ基含有窒素アニオン、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するものが、耐性付与の面から特に好ましい。
フッ素基含有リンアニオンとしては、PF6- 、(CF3 )3 PF3 - 、(C2 F5 )2 PF4 - 、(C2 F5 )3 PF3 - 、[(CF3 )2 CF]2 PF4 - 、[(CF3 )2 CF]3 PF3ー、(n−C3 F7 )2 PF4 - 、(n−C3 F7 )3 PF3 - 、(n−C4 F9 )3 PF3 - 、(C2 F5 )(CF3 )2 PF3 - 、[(CF3 )2 CFCF2 ]2 PF4 - 、[(CF3 )2 CFCF2 ]3 PF3 - 、(n−C4 F9)2 PF4 - 、(n−C4 F9 )3 PF3 - 、(C2 F4 H)(CF3 )2 PF3 - 、(C2 F3 H2 )3 PF3 - 、(C2 F5 )(CF3 )2 PF3 - 等が挙げられる。中でも、PF6 - 、(C2 F5 )2 PF4 - 、(C2 F5 )3 PF3 - 、(n−C3 F7 )3 PF3 - 、(n−C4 F9 )3 PF3 - 、[(CF3 )2 CF]3 PF3 - 、[(CF3 )2 CF]2 PF4 - 、[(CF3 )2 CFCF2 ]3 PF3 - 、[(CF3 )2 CFCF2 ]2 PF4 - が好ましい。
フッ素基含有ホウ素アニオンとしては、BF4 - 、(CF3 )4 B- 、(CF3 )3 BF- 、(CF3 )2 BF2 - 、(CF3 )BF3 - 、(C2 F5 )4 B- 、(C2 F5 )3 BF- 、(C2 F5 )BF3 - 、(C2 F5 )2 B F2 - 、(CF3 )(C2 F5 )2 BF- 、(C6 F5 )4 B- 、[(CF3 )2 C6 H3 ]4 B- 、(CF3 C6 H4 )4 B- 、(C6 F5 )2 BF2 - 、(C6 F5 )BF3 - 、(C6 H3 F2 )4B- 、B(CN)4 - 、B(CN)F3 - 、B(CN)2 F2 -、B(CN)3 F- 、(CF3 )3 B(CN)- 、(CF3 )2 B(CN)2 - 、(C2 F5 )3 B(CN)- 、(C2 F5 )2B(CN)2 - 、(n−C3 F7 )3 B(CN)- 、(n−C4 F9 )3 B(CN)- 、(n−C4 F9 )2 B(CN)2 - 、(n−C6 F3 )3 B(CN)- 、(CHF2 )3 B(CN) - 、(CHF2 )2 B(CN)2 - 、(CH2 CF3 )3 B(CN)- 、(CH2 CF3 )2 B(CN)2 - 、(CH2 C2 F5 )3 B(CN)- 、(CH2 C2 F5 )2 B(CN)2 - 、(CH2 CH2 C3 F7 )2 B(CN)2 - 、(n−C3 F7 CH2)2 B(CN)2 - 、(C6 H5 )3 B(CN)- 等が挙げられる。中でも、BF4 - 、B(CN)3 F- 、(CF3)4 B- 、(C6 F5 )4 B-、[(CF3 )2 C6 H3 ]4 B- 、が好ましい。
シアノ基含有窒素アニオンとしては、[(CN)2 N]- 、[(FSO2)2 N]- 、[(FSO2 )N(CF3 SO2 )]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N{(CF3 )2 CFSO2 }]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N(CF3 CF2 CF2 CF2 SO2 )]- 、[(FSO2 )N{(CF3 )2 CFCF2 SO2 }]- 、[(FSO2 )N{CF3 CF2 (CF3 )CFSO2 }]- 、[(FSO2 )N{(CF3 )3 CSO2 }]- 等が挙げられる。中でも、[(CN)2 N]- が特に好ましい。
ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基としては、特に限定されるものではないが、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸としては、例えば、ハロゲン化炭化水素基を有するスルホン酸(−SO3 H)、スルホンイミド酸(−SO2 NHSO2 −)等を挙げることができる。
以下に、キサンテン系染料の具体例として、下記の酸性染料、油溶性染料、塩基性染料等を挙げるが、これらに制限されるものではない。
[キサンテン系酸性染料]
キサンテン系酸性染料としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることが好ましい。
中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。
この中でも特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289を用いることが最も好ましい。
[キサンテン系油溶性染料]
キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、またはC.I.ソルベントバイオレット10等が挙げられる。
中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。
[キサンテン系塩基性染料]
キサンテン系塩基性染料としては、C.I. ベーシック レッド 1(ローダミン6GCP)、8(ローダミンG)、C.I. ベーシック バイオレット 10(ローダミンB)、11等があげられる。中でも発色性に優れる点において、C.I. ベーシック レッド 1、C.I. ベーシック バイオレット 10、11を用いることが好ましい。
(アントラキノン系染料)
アントラキノン系染料は、アントラキノン骨格を有するものであれば、制限されないが、ジアミノアントラキノン骨格を有するアントラキノン系染料が、耐熱性、耐光性を有しながら、発色性、色再現性、高明度を呈することの点において好ましいものである。これらが耐熱性、耐光性に優れる理由は、アントラキノン骨格のカルボニル基の部分と、アミノ基の部分とが水素結合で結合することで構造が安定することと推測される。
アントラキノン系染料のなかでも、一般式(3−1)、(3−2)、および(3−3)で表されるアントラキノン系染料は、明度および耐性に優れるために好ましいものである。
一般式(3−1)〜(3−3):
一般式(3−1)、(3−2)、および(3−3)中、
R41は水素原子、−ROH(Rは炭素数1〜5のアルキレン基)、−RCOOH(Rは炭素数1〜5のアルキレン基)、または置換基を有してもよいフェニル基を表す。R42〜R48は、各々独立に水素原子、水酸基、−NHR49(R49とR41は同義である)、SO3M基、ハロゲン原子、−COR’(R’は炭素数1−3のアルキル基を表す)である。
ここで、R41〜R48のいずれか1つは、Xとの結合手である。
一般式(3−1)、(3−2)、および(3−3)中の、R41は、−ROH(Rは炭素数1〜5のアルキレン基)、−RCOOH(Rは炭素数1〜5のアルキレン基)、置換基を有してもよいフェニル基であることが好ましい。R42〜R48は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、またはアルコキシ基であることが好ましい。
Xとの結合手は、R41、R48のいずれかであることが好ましく、より好ましくはR41である。
「置換基」としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。したがって、置換基を有してもよいフェニル基の具体例としては、フェニル基、p-メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3−カルバモイルフェニル基、2−クロロ−4−カルバモイルフェニル基、2−メチル−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−メチル−3−スルファモイルフェニル基、4−スルホフェニル基、4−カルボキシフェニル基、2−メチル−4−スルホフェニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アントラキノン系染料の具体例としては、下記の酸性染料、油溶性染料を挙げることができるが、これらに制限させるものではない。
[アントラキノン系酸性染料]
アントラキノン系酸性染料としては、C.I. アシッドブルー23、25、27、35、40、41、43、45、47、49、51、53、55、56、62、68、69、78、80、81:1、11、124、127、127:1、140、150、175、215、230、277、344、C.I. アシッドバイオレット41、42、43、C.I. アシッドグリーン25、27、またはダイレクトバイオレット17等が挙げられる。
[アントラキノン系油溶性染料]
アントラキノン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド172、222、C.I.ソルベントバイオレット60等が挙げられる。
<色素単量体(A1)の製造方法>
本発明の色素単量体(A1)の合成方法としては、官能基を有する有機色素の基本骨格に一般的な有機合成手法によって重合性部位を導入するか、有機色素の合成原料に重合性部位を導入した後に、染料を合成することによって得ることができる。
例えば、ヒドロキシル基を有する有機色素と、重合性基を有するカルボン酸クロライドを反応させて両者をエステル結合させることにより、色素単量体(A1)を製造することができる。
あるいは、カルボキシル基を有する有機色素とエポキシ基を有する重合性化合物もしくはヒドロキシル基を有する重合性化合物等を反応させることにより、色素単量体(A1)を製造することができ、従来公知のどのような方法を用いても、本発明の色素単量体(A1)が得られれば、制限はない。
原料として用いることのできる有機色素について、酸性染料、油溶性染料、塩基性染料等を挙げることができるが、得られた色素単量体が、一般式(1)に表される構造を有するものであれば、どのような有機色素、および化合物等を用いて合成したものであっても、制限はない。
(色素単量体(A1)の造塩化合物、誘導体)
色素単量体(A1)は、良好な分光特性を有し、発色性に優れるものの、耐光性、耐熱性に問題があり、高い信頼性が要求されるカラーフィルタを使用する画像表示装置に用いるには、その特性は十分なものではない場合がある。
そのため、これらの欠点を改善するために、塩基性染料の形態の場合は、有機酸や過塩素酸を用いて造塩化して用いることが好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸を用いることが好ましい。中でもトビアス酸等のナフタレンスルホン酸、過塩素酸を用いることが耐性の面で好ましい。
また、酸性染料、直接染料の形態の場合は、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、及びこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化して造塩化合物として用いること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることが耐性の面で好ましい。
これらの中でも特に、酸染料の造塩化合物および/または酸性染料のスルホン酸アミド化合物が耐性、顔料との併用性に優れているために好ましく、さらに酸性染料を、カウンタイオンとしてはたらくカウンター成分である四級アンモニウム塩化合物を用いて造塩化した化合物を用いることがより好ましいものである。
<有機顔料(B)>
(ジケトピロロピロール顔料(B1))
本発明におけるジケトピロロピロール顔料(B1)は、一般式(4)で示されるジケトピロロピロール顔料(b1)(臭素化ジケトピロロピロール顔料と称することがある)、および一般式(5)で示されるジケトピロロピロール顔料(b2)(特定へテロジケトピロロピロール顔料と称することがある)の少なくとも1種を含む。
なかでも、ジケトピロロピロール顔料(b1)およびジケトピロロピロール顔料(b2)を共に含む場合が、耐熱性が優れているため好ましい。
本発明のジケトピロロピロール顔料(B1)の含有量は、色再現域の観点から、着色剤(A1)の合計100重量%中、10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%である。
[式(4)で示されるジケトピロロピロール顔料(b1)]
式(4):
ジケトピロロピロール顔料(b1)である臭素化ジケトピロロピロール顔料は、国際公開2009/144115号パンフレット等に記載の公知の方法を用いて得ることが出来る。
製造方法の一例としては、コハク酸ジエステル合成法等で製造することができる。すなわち、コハク酸ジエステル1モルに対して4−ブロモベンゾニトリル2モルを、tert−アミルアルコール等の不活性有機溶剤中で、アルカリ金属又はアルカリ金属アルコキシドの存在下において、80〜110℃の高温で縮合反応を行い、ジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩を生成させ、続いて、このジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩に対して、水、アルコール、酸等を用いてプロトン化することにより、臭素化ジケトピロロピロール顔料を得ることができる。このとき、プロトン化における温度、水、アルコールまたは酸の種類、比率や量により、得られる一次粒子径の大きさを制御することができる。臭素化ジケトピロロピロール顔料の製造方法はこの方法に限定されるものではない。
ジケトピロロピロール顔料(b1)は、耐熱性に関して、C.I.ピグメントレッド254より優れている傾向にある。これは、ブロモ基がクロロ基より分子量が大きく、立体障害効果が働くためと考えられる。
ジケトピロロピロール顔料(b1)の含有量は、ジケトピロロピロール系顔料(B1)の合計重量100重量%中、20〜100重量%の範囲であることが好ましい。ジケトピロロピロール顔料(b1)の含有量がこの範囲にあることで、耐熱性・明度が良好な結果となる。
[一般式(5)で示されるジケトピロロピロール顔料(b2)]
一般式(5):
一般式(5)中、Xは塩素原子、または臭素原子を表し、BおよびDは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、−CF3、−OR13、−SR14、−N(R15)R16、−COOR17、−CONH2、−CONHR18、−CON(R19)R20、−SO2NH2、−SO2NHR21、または、−SO2N(R22)R23であり、R13〜R23は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、または、置換基を有してもよいアラルキル基である。ただし、BおよびDが同時に水素原子になることはない。
炭素数1〜12のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体的にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,6−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記置換基を有してもよいフェニル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜4のアルコキシル基などの置換基を有するフェニル基が挙げられる。より具体的には、フェニル基、p-メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3−カルバモイルフェニル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
上記置換基を有してもよいアラルキル基としては、具体的にベンジル基、4−メチルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−ニトロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の顔料組成物に用いられる一般式(5)で表される特定へテロジケトピロロピロール顔料の中でも、一般式(5−1)、一般式(5−2)、一般式(5−3)、一般式(5−4)が明度、コントラスト比、および結晶析出抑制効果の点から好ましい。また一般式(5−3)、一般式(5−4)のR6〜R8は、炭素数4以上のアルキル基、または置換基を有しても良いフェニル基が、コントラスト比および結晶析出抑制効果の点から好ましい。これらが高コントラスト化、および結晶析出抑制に効果を発揮する理由は、炭素数4以上のアルキル基を有するカルボアミド基、フェニル基、t−ブチル基等のかさ高い置換基による立体障害効果によって、顔料の凝集が抑制されるためと考えられる。また、カルボアミド基、フェニル基、t−ブチル基を有する特定へテロジケトピロロピロール顔料は、色特性も優れているため、明度を損なうことが少ない。
一般式(5−1)〜(5−4):
一般式(5−1)〜(5−4)中、Xは塩素原子、または臭素原子を表し、R24〜R26は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基である。
本発明に用いることができる一般式(5)の特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
式(5−1a)、(5−2a)、(5−3a)、(5−3b)、(5−3c)(5−3d):
式(5−3e)、(5−3f)、(5−3g)、(5−4a)、(5−4b)、(5−5)
式(5−6)、(5−7)、(5−8)、(5−9a)、(5−9b)、(5−9c):
式(5−10)、(5−11)、(5−12)、(5−13)、(5−14)、(5−15):
式(5−16)、(5−17)、(5−18)、(5−19)、(5−20)、(5−21):
式(5−22):
本発明の着色剤に用いられる式(5)で示される特定へテロジケトピロロピロール顔料の中でも、式(5−1a)、式(5−2a)、式(5−4b)、式(5−19)が明度および結晶析出抑制効果の点から好ましい。
一般式(5)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料(b2)の含有量は、ジケトピロロピロール系顔料(B1)の合計重量100重量%中、1〜15重量%の範囲であることが好ましい。ジケトピロロピロール顔料(b2)の含有量が1重量%以上だと、結晶析出抑制効果が十分である。また、ジケトピロロピロール顔料(b2)の含有量が、15重量%以下であれば、結晶析出抑制効果が高く、明度も十分である。
結晶析出抑制効果が十分でない場合には、加熱工程で塗膜表面に析出した結晶状異物によって光散乱が起こり、明度およびコントラスト比の低下を引き起こす。したがって、特定へテロジケトピロロピロール顔料を上記含有量で含む赤色着色組成物を使用することにより、高明度かつ高コントラスト比を達成し、加熱工程におけるジケトピロロピロール系顔料使用時の課題であった結晶析出を解決することができる。
[その他のジケトピロロピロール顔料]
本発明の着色剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、式(4)のジケトピロロピロール顔料(b1)、および一般式(5)の特定へテロジケトピロロピロール顔料(b2)以外のジケトピロロピロール系顔料を併用しても良い。具体的には、C.I.ピグメントレッド254、255、264、272、C.I.ピグメントオレンジ71、73、または81等のジケトピロロピロール系顔料を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。併用できるジケトピロロピロール系顔料としては、色相が優れたC.I.ピグメントレッド254が好ましい。
本発明の着色剤中に、一般式(4)で表わされるジケトピロロピロール顔料(b1)とC.I.ピグメントレッド254とを併用する場合、ジケトピロロピロール顔料(B1)100重量%中、ジケトピロロピロール顔料(b1)の含有量が20〜99重量%であることが好ましい。ジケトピロロピロール顔料(b1)の合計含有量が20重量%未満の場合は、耐熱性の付与が難しい場合がある。
本発明の着色剤中に、一般式(5)で表わされる特定ヘテロジケトピロロピロール顔料(b2)とC.I.ピグメントレッド254とを併用する場合、ジケトピロロピロール顔料(B1)100重量%中、ジケトピロロピロール顔料(b2)の含有量が1〜15重量%であることが好ましい。1重量%未満の場合は、耐熱性の付与が難しく、15重量%を超えると、明度低下を起こしてしまう場合がある。
明度、耐熱性、色再現域の諸特性を総合的に考えると、着色剤として、一般式(1)で示される色素単量体(A1)と、式(4)で示されるジケトピロロピロール顔料(b1)と、一般式(5)で示されるジケトピロロピロール顔料(b2)の3種を含むことが望ましく、それぞれの配合比率が、20〜60重量%/30〜75重量%/0.3〜12重量%で含むことが最も好ましい。色素単量体(A1)と、ジケトピロロピロール顔料(b1)がこの範囲から外れると、色再現域に制限が出てしまうことがあり、ジケトピロロピロール顔料(b2)が0.3重量%未満では耐熱性に、12重量%を超えると明度の影響が出てしまう場合がある。
[アゾ系顔料(B2)]
本発明のアゾ系顔料(B2)とは、赤色、オレンジ色、および黄色を呈するアゾ顔料であり、C.I.ピグメントレッド、およびC.I.ピグメントオレンジに属するアゾ顔料であり、アゾ、ジスアゾ、又はポリアゾ等のアゾ系顔料等が挙げられる。
このような顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド2、5、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、21、22、23、95、112、114、119、136、144、164、166、170、171、175、176、185、208、213、214、220、221、242、253、256、258、C.I.ピグメンオレンジ1、4、15、16、22、24、38、74などが挙げられる。このなかでも、色相・明度・コントラスト比の観点から、C.I.ピグメントレッド166、221、242、C.I.ピグメントオレンジ38が望ましい。
顔料と樹脂等からなる顔料担体の屈折率の差を小さくすることで、顔料と顔料担体の界面に生じる光散乱を抑え、高コントラスト化が可能となる。カラーフィルタ用着色組成物に用いられる、樹脂、および有機溶剤等からなる顔料担体の屈折率は、一般的に、おおよそ1.6〜1.7であるため、着色剤として、600〜700nmの光波長領域における最大屈折率が1.8以下である赤色系アゾ顔料を含むことで、安定性に優れ、かつコントラスト比も高いカラーフィルタ用着色組成物が得られる。
(その他の着色剤)
また、本発明において、色相調整が容易になるため、本発明における色素単量体(A1)、ジケトピロロピロール顔料、アゾ系顔料以外の、他の赤色顔料や橙色顔料、黄色顔料、また染料を併用して用いても良い。これらの顔料・染料は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
以下にこれらに用いることのできるその他の着色剤について述べる。
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、または15:6であり、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6である。
特に、着色組成物を青色フィルタセグメント用に用いる場合、青色顔料を併用することで、多くのバックライトがもつ特徴的なピークをもつ425〜500nm付近において、分光スペクトルが高い透過率を有することが可能になり、従来の青色顔料およびその他の顔料を組み合わせた着色剤よりも青色フィルタセグメントとして、高い明度を得ることができるために好ましい。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55または58を挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36または58である。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、または185であり、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、または185である。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50などを挙げることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、または23であり、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23である。
赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、1 01、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276などを挙げることができる。
赤色顔料と同様にはたらくオレンジ色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ36、38、43、51、55、59、61等のオレンジ色顔料を用いることができる。これらの中でも、高コントラスト比、高明度を得る観点から、赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177を用いることが特に好ましいものである。
[顔料の微細化]
本発明に用いる顔料は、微細化して用いることが好ましいが、微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理を行うことができる。
微細化した顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。
なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を、求めた粒径の立方体と近似して平均体積を求め、この平均体積を有している立方体の一辺の長さを平均一次粒子径とする。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、トリミックス、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
<光重合性単量体(D)>
本発明の光重合性単量体(D)には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、本発明の効果はこれらに限定されるものではない。
また、光重合性単量体(D)は酸基を含有してもよい。例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等を挙げることができる。具体例としては、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレートまたはモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレートまたはモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等が挙げられるが、本発明の効果はこれらに限定されるものではない。
光重合性単量体(D)の含有量は、光硬化性および現像性の観点から着色剤100重量部に対して、10〜300重量部であることが好ましく、さらに10〜200重量部の量で用いることが好ましい。
<光重合開始剤(E)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、紫外線照射や熱照射により光重合開始剤(E)から発生するラジカルを用いて硬化させることができる。光重合開始剤を使用する際の配合量は、色素単量体(A1)100重量部に対し、5〜200重量部であることが好ましく、光硬化性の観点から10〜150重量部であることがより好ましい。
光重合開始剤(E)としては、従来公知の重合開始剤を用いることが可能である。具体的には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン類;その他フェニルグリオキシリックメチルエステル等が挙げられる。より具体的には、イルガキュアー651、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー500、イルガキュアー1000、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー1700、イルガキュアー149、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー819、イルガキュアー784、イルガキュアー261、イルガキュアーOXE−01(CGI124)、イルガキュアーOXE−02、アデカオプトマーN1414、アデカオプトマーN1717、アデカオプトマーN1919、アデカアークルズNCI−831E、sacure1001M(Lamberti社)、特公昭59−1281号公報、特公昭61−9621号公報ならびに特開昭60−60104号公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号公報ならびに特開昭61−243807号公報記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号公報、特公昭44−6413号公報、特公昭47−1604号公報ならびにUSP第3567453号明細書記載のジアゾニウム化合物公報、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書ならびにUSP第2940853号明細書記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号公報、特公昭37−13109号公報、特公昭38−18015号公報ならびに特公昭45−9610号公報記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号公報、特開昭59−140203号公報ならびに「マクロモレキュルス(MACROMOLECULES)」、第10巻、第1307頁(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の金属アレン錯体、特開昭61−151197号公報記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(COORDINATION CHEMISTRY REVIEW)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号公報記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報記載のアルミナート錯体、特開平2−157760号公報記載のホウ酸塩化合物、特開昭55−127550号公報ならびに特開昭60−202437号公報記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物、特開平5−255347号公報記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体、特開昭54−99185号公報、特開昭63−264560号公報ならびに特開平10−29977記載のアミノケトン化合物、特開2001−264530号公報、特開2001−261761号公報、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166、特開2008−094770、特開2009−40762、特開2010−15025、特開2010−189279、特開2010−189280公報、特表2010−526846、特表2010−527338、特表2010−527339、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)ならびに特開昭61−24558号公報記載のオキシムエステル化合物等が挙げられる。
(オキシムエステル系光重合開始剤(E1))
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、光重合開始剤(E)としてオキシムエステル系光重合開始剤(E1)を含有することが好ましい。
オキシムエステル系光重合開始剤(E1)は、紫外線を吸収することによってオキシムのN−O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。これにより、耐熱性に優れ、高明度で高CRなカラーフィルタ用着色組成物となる。
[一般式(6)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤]
オキシムエステル系光重合開始剤(E1)としては、下記一般式(6)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤であることが好ましい。
一般式(6):
一般式(6)において、R1は、水素原子、または置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、ホスフィノイル基、カルバモイル基、もしくはスルファモイル基であり、R2は、水素原子、または置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基アシルオキシ基、もしくはアミノ基である。
Xは、直接結合又は−CO−基、R3は、置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基、Ph−S−Ph−基(Phは、置換基を有しても良い、フェニル基又はフェニレン基を示す)等であることが好ましい。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられ、それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよく、具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いアルキル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基、または炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられる。炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8である)、−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5である)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3−、−CH2−CH−(OCH3)2等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いアルキルオキシ基としては、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基、または炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基が挙げられる。炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロピルオキシ基、イソブチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状アルキルオキシ基の具体例としては、−O−CH2−O−CH3、−O−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−O−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−O−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8である)、−O−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5である)、−O−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3−、−O−CH2−CH−(OCH3)2等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている単環状または縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いアリール基としては、炭素数6から24の単環または縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、メシチル基、p−クメニル基、p−ドデシルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、4−ビフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、m−カルボキシフェニル基、o−メルカプトフェニル基、p−シアノフェニル基、m−ニトロフェニル基、m−アジドフェニル基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いアリールオキシ基としては、炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良い複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素原子数4〜24の芳香族あるいは脂肪族の複素環基が挙げられ、2−チエニル基、2−ベンゾチエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、3−チアントレニル基、2−チアンスレニル基、2−フリル基、2−ベンゾフリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、2−アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、3−フェニキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基、4−キノリニル基、4−イソキノリル基、3−フェノチアジニル基、2−フェノキサチイニル基、3−クマリニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良い複素環オキシ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環状または縮合多環状複素環オキシ基が挙げられ、具体例としては、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いアルキルスルファニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルチオ基が挙げられ、具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いアリールスルファニル基としては、炭素数6〜18の単環状または縮合多環状アリールチオ基が挙げられ、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、具体例としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メチルオキシメチルスルフィニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、具体例としては、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メチルオキシフェニルスルフィニル基、2−ブチルオキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メチルオキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、具体例としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メチルオキシメチルスルホニル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、具体例としては、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メチルオキシフェニルスルホニル基、2−ブチルオキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メチルオキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いアシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニル基、炭素数2から20のアルキルオキシ基が置換したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状のアリールオキシ基が置換したカルボニル基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環状の複素環基が結合したカルボニル基が挙げられ、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、シンナモイル基ベンゾイル基、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、9−アンスリルカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、4−メチルフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、1−ナフトイルオキシカルボニル基、2−ナフトイルオキシカルボニル基、9−アンスルリルオキシカルボニル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いアシルオキシ基としては、炭素数2〜20のアシルオキシ基が挙げられ、具体例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いアミノ基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
ここで、アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基、2−アダマンタミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アリールアミノ基としては、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルキルアリールアミノ基としては、N−メチルアニリノ基、N−メチル−2−ピリジノ基、N−エチルアニリノ基、N−プロピルアニリノ基、N−ブチルアニリノ基、N−イソプロピル、N−ペンチルアニリノ基、N−エチルアニリノ基、N−メチル−1−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いホスフィノイル基としては、炭素数2から50のホスフィノイル基が挙げられ、具体例としては、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いカルバモイル基としては、炭素数1から30のカルバモイル基が挙げられ、具体例としては、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N−オクタデシルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−2−メチルフェニルカルバモイル基、N−2−クロロフェニルカルバモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルカルバモイル基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルカルバモイル基、N−3−クロロフェニルカルバモイル基、N−3−ニトロフェニルカルバモイル基、N−3−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メトキシフェニルカルバモイル基、N−4−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイル基、N、N−ジメチルカルバモイル基、N、N−ジブチルカルバモイル基、N、N−ジフェニルカルバモイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R1における置換基を有しても良いスルファモイル基としては、炭素数0から30のスルファモイル基が挙げられ、具体例としては、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N、N−ジアルキルスルファモイル基、N、N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモオイル基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−オクタデシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(6)において、R2における置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルオキシ基、およびアミノ基としては、前述のR1における置換基を有しても良いアルケニル基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルキルオキシ基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良い複素環基、置換基を有しても良い複素環オキシ基、置換基を有しても良いアルキルスルファニル基、置換基を有しても良いアリールスルファニル基、置換基を有しても良いアルキルスルフィニル基、置換基を有しても良いアリールスルフィニル基、置換基を有しても良いアルキルスルホニル基、置換基を有しても良いアリールスルホニル基、置換基を有しても良いアシルオキシ基、および、置換基を有しても良いアミノ基と同義である。
一般式(6)において、R1およびR2におけるこれら置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
また、これらの置換基は1個以上あるいは1種以上存在することができ、さらにこれらの置換基の水素原子がさらに他の置換基で置換されていても良い。
これら一般式(6)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤(E1)の中でも、下記一般式(7)、または(8)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤は、感度に優れ、好ましいものである。
[一般式(7)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤]
一般式(7):
一般式(7)は、一般式(7)におけるXが−CO−基、R3がPh−S−Ph−基の場合に相当し、R4〜R6は、水素原子、または置換基を有しても良い、アルキル基またはアリール基が好ましい。
さらに、一般式(7)において、R1としては置換基を有しても良いアリール基が、R2としては置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が、R4〜R6としては水素原子が好ましい。
一般式(7)において、R4〜R6における、置換基を有しても良いアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基としては、R1およびR2におけるアルキル基、またはアリール基と同義である。
置換基を有しても良いアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基の置換基としては、R1およびR2における置換基と同義である。
一般式(7)において、R2は、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、置換基として好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のシクロアルキル基である。
一般式(7)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的には、下記化学式(7−1)または(7−2)で表される光重合開始剤等である。
化学式(7−1)、(7−2):
[一般式(8)で表されるカルバゾール基含有オキシムエステル系光重合開始剤]
一般式(8):
一般式(8)は、一般式(6)におけるR3が置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当し、R7〜R14は、R1およびR2における置換基と同義である。
さらに、一般式(8)において、R1として置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が、R2として置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基が、R9〜R14として水素原子、または置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、または置換基を有しても良いアリール基が好ましい。
一般式(8)におけるXが直接結合の場合には、下記一般式(8a)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
[一般式(8a)で表されるカルバゾール基含有オキシムエステル系光重合開始剤]
一般式(8a):
一般式(8a)は、一般式(8)におけるXが直接結合、R3が置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当する。R7〜R10、およびR12〜R13は水素原子が好ましく、R11はR15−CO−基、またはニトロ基であることが好ましい。R15はR1およびR2における置換基と同義であり、置換基を有しても良いアリール基であることが好ましい。R15−CO−基としては、さらに置換基を有しても良いアセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基であることが好ましい。より好ましくは置換基を有しても良いベンゾイル基、またはニトロ基である。
また、置換基を有しても良いベンゾイル基における置換基として好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキルオキシ基が好ましい。さらにアルキル基としては、メチル基、エチル基が好ましく、アルキルオキシ基のなかでも、炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基が好ましく、R1における炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基と同義である。
一般式(8a)において、R2は、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、置換基として好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のシクロアルキル基である。また、置換基を有しても良いアリール基が好ましく、置換基として好ましくは、さらに置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、またはメトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基が好ましい。
一般式(8a)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的には、下記化学式(8a−1)〜(8a−4)で表される光重合開始剤等である。
化学式(8a−1)〜(8a−4):
[一般式(8b)で表されるケト型カルバゾール基含有オキシムエステル系光重合開始剤]
一般式(8)におけるXが−CO−基の場合には、下記一般式(8b)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
一般式(8b):
一般式(8b)は、一般式(8)におけるXが−CO−基、R3が置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当し、ケト型カルバゾール基を有するオキシムエステル系光重合開始剤である。
R7〜R10、およびR12〜R13は水素原子が好ましく、R14は置換基を有しても良いアリール基であることが好ましい。
置換基を有しても良いアリール基の置換基としては、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基が好ましく、より好ましくはベンゾイル基である。
一般式(8b)で表されるケト型カルバゾール基を有するオキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的には、下記化学式(8b−1)〜(8b−4)で表される光重合開始剤等である。
化学式(8b−1)〜(8b−4):
これらオキシムエステル系光重合開始剤(E1)の市販品としては、BASF社から、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE−01)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(IRGACURE OXE 02)が市販されている。また、この他に、特開2007−210991号公報、特開2009−179619号公報、特開2010−037223号公報、特開2010−215575号公報、特開2011−020998号公報等に記載のオキシムエステル系化合物を用いることも可能である。
これらの光重合開始剤は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
<酸化防止剤(F)>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−ノニルフェノール、2,2'−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチル−フェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2'−チオ−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミル−ヒドロキノン、2,2'チオジエチルビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3−トリス−(2'−メチル−4'−ヒドロキシ−5'−t−ブチルフェニル)−ブタン、2,2'−メチレン−ビス−(6−(1−メチル−シクロヘキシル)−p−クレゾール)、2,4−ジメチル−6−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェノール、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤として具体的には、ヨシノックスBHT(=2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)、トミノックスTT(=テトラキス−[メチレン−3−(3,5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)、ヨシノックスSR、ヨシノックスBB、ヨシノックス2246G、ヨシノックス425、ヨシノックス250、ヨシノックス930、トミノックスSS、トミノックス917、GSY−314(以上、エーピーアイコーポレーション製)、IRGANOX245、IRGANOX259、IRGANOX565、IRGANOX1010、IRGANOX1035、IRGANOX1076、IRGANOX1098、IRGANOX1135、IRGANOX1076、IRGANOX1425WL、IRGANOX1222、IRGANOX1330(以上、BASF・ジャパン社製)、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−330、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−80(以上、旭電化工業社製)、SumilizerBBM、SumilizerGM、SumilizerGP、SumilizerGS、SumilizerGA−80、SumilizerBP−101、SumilizerBP−76、SumilizerBP−101(以上、住友化学社製)が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N′−4,7−テトラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。
その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ヒンダードアミン系酸化防止剤として具体的には、サノールLS−770、サノールLS−765、サノールLS−622LD、キマソープ944(以上、三共株式会社)、CYASORB UV−3346(以上、サンケミカル株式会社製)、ノックラック224、ノックラックCD、Uvasil299−299LM(以上、大内新興化学工業社製)、MARK LAー63、MARKLA−68(以上、旭電化工業社製)、TINUVIN 144、TINUVIN 312(以上、BASF・ジャパン社製)が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4'イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイト、1,3−ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)−ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
リン系酸化防止剤として具体的には、IRGAFOS168、IRGAFOS12、IRGAFOS38、IRGAFOSEPQ、(以上、BASF・ジャパン社製)、SumilizerP−16(住友化学社製)、アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8F、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−45、アデカスタブPEP−11C、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカスタブHP−10、アデカスタブP、アデカスタブC、アデカスタブQL、アデカスタブ135A、アデカスタブ1178、アデカスタブ1500、アデカスタブ2112、アデカスタブ3010、アデカスタブ522A、アデカスタブTPP(以上、旭電化工業社製)、GSY−202(以上、エーピーアイコーポレーション製)、SANKOHCA(三光株式会社製)、JPH1200、JP302、JPM313、JP304、JP308、JPP100、JP333E、JP318E、JP312(以上、エーピーアイコーポレーション製)が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、2,4−ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕−o−クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
イオウ系酸化防止剤として具体的には、IRGANOXPS800FD、IRGANOXPS802FD(以上、BASF・ジャパン社製)、アデカスタブAO−503、アデカスタブAO−412S(以上、旭電化工業社製)、SumilizerTPL−R、SumilizerTPM、SumilizerTPS、SumilizerTP−D、SumilizerTL、SumilizerMB(以上、住友化学社製)、DLTP「ヨシトミ」、DSTP「ヨシトミ」,DMTP「ヨシトミ」、DTTP「ヨシトミ」(以上、エーピーアイコーポレーション製)が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤として具体的には、トミソープ600(吉富ファインケミカル製)、TINUVIN326、TINUVIN327、TINUVIN P、TINUVIN328(以上、BASF・ジャパン社製)、VIOSORB583、VIOSORB590(共同薬品社製)が挙げられる。
ベンゾフェノン系酸化防止剤としては、ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等を使用することが出来る。
ベンゾフェノン系酸化防止剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン、LA−51(以上、旭電化工業社製)等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
ベンゾフェノン系酸化防止剤として具体的には、トミソープ800(エーピーアイコーポレーション製)、LA−51(旭電化工業社製)が挙げられる。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4−ビス(アリル)−6−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
トリアジン系酸化防止剤として具体的には、CYASORB UV−1164(サンケミカル株式会社製)が挙げられる。
ヒドロキシルアミン系酸化防止剤として、具体的には、IRGASTABFS042(以上、BASF・ジャパン社製)等の化合物を使用することが出来る。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また酸化防止剤の含有量は、カラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分重量を基準として、0.5〜5.0重量%の場合、明度、感度が良好であるためより好ましい。
<増感剤(G)>
さらに、本発明の着色感光性組成物には、増感剤(G)を含有させることができる。
増感剤(G)としては、ベンゾフェノン誘導体、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン誘導体、ベンジルやカンファーキノンなどに代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
さらに具体例には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の色素および増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す色素や増感剤が挙げられ、これらは必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。上記、増感剤の中でチオキサントン誘導体としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができ、ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4'−ジメチルベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を挙げることができ、クマリン類としては、クマリン1、クマリン338、クマリン102等を挙げることができ、ケトクマリン類としては、3,3'−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
増感剤(G)は、必要に応じて任意の比率で2種以上用いても構わない。増感剤(G)を使用する際の配合量は、着色感光性組成物中に含まれる光重合開始剤(E)の全重量100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂は、顔料や色素などの着色剤、特に本発明の色素単量体(A1)を分散するもの、もしくは本発明の色素単量体(A1)を染色、浸透させるものであって、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上と耐溶剤の改善を目的に、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
特に側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂をカラーフィルタ用アルカリ現像型レジストに用いることで、着色剤を塗布した後の塗膜異物が発生せず、レジスト材中の着色剤の安定性が改善され好ましい。側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有さない直鎖状の樹脂を用いた場合は、樹脂と着色剤の混在する液中で着色剤が樹脂にトラップされにくく自由度を持っていることで着色剤成分が凝集・析出しやすいが、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることで、樹脂と着色剤の混在する液中で着色剤が樹脂にトラップされ易いため、耐溶剤性試験において、色素が溶出しにくく、着色剤成分が凝集・析出しにくく、また、さらに活性エネルギー線で露光し膜を形成する際に樹脂が3次元架橋されることで着色剤分子が固定され、その後の現像工程で溶剤が除去されても着色剤成分が凝集・析出しにくくなると推定される。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
バインダー樹脂をカラーフィルタ用感光性着色組成物として使用する場合には、顔料及び本発明の色素単量体(A1)の分散性、浸透性、現像性、及び耐熱性の観点から、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料及び本発明の色素単量体(A1)の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる。
バインダー樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤の全重量100重量部に対し、30重量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量部以下の量で用いることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
バインダー樹脂に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。中でもアクリル樹脂を用いることが好ましい。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(A1)や(b)の方法により不飽和エチレン性二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(A1)]
方法(A1)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、不飽和エチレン性二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更に不飽和エチレン性二重結合を増やすことができる。
方法(A1)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(b)]
方法(b)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
(熱硬化性樹脂)
バインダー樹脂に用いる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、カルド樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、カルド化合物、およびフェノール化合物といった、低分子化合物でもよく、本発明はこれに限定されるものではない。このような熱硬化性樹脂を含むことで、フィルタセグメントの焼成時に樹脂が反応し、塗膜の架橋密度を高め、耐熱性が向上し、フィルタセグメント焼成時の顔料凝集が抑えられるという効果が得られる。
これらの中でも、エポキシ樹脂、カルド樹脂、またはメラミン樹脂が好ましい。
<有機溶剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、着色剤を充分にモノマー、樹脂などに溶解させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。
有機溶剤としては、例えば乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
中でも、本発明の色素単量体(A1)は溶剤溶解性が高いため、親水性から疎水性まで、幅広い種類の溶剤が使用可能である。その中でも、乳酸エチル等のアルキルラクテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
これらの有機溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。2種以上の混合溶剤とする場合、上記の好ましい有機溶剤が、全体の有機溶剤100重量部中65〜95重量%含有されていることが好ましい。特にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが、主成分であることが好ましく、全有機溶剤中65〜100重量%含有されていることが好ましいものである。
また、有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤の全重量100重量部に対し、500〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
<着色組成物の製造方法>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、本発明の色素単量体(A1)および特定の有機顔料(B)を含む着色剤を、前記樹脂と、必要に応じて溶剤とからなる着色剤担体中に、好ましくは色素誘導体などの分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明色素単量体(A1)の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、顔料、本発明の色素単量体(A1)、特定の有機顔料(B)、およびその他の着色剤等を別々に着色剤担体に分散したものを混合して製造することもできる。
[分散助剤]
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
本発明において、本発明の色素単量体(A1)は、併用する顔料の分散助剤としての役割を果たすこともできる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、分散性向上の点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは40重量部以下、最も好ましくは35重量部以下である。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、さらに光重合性単量体(D)および/または光重合開始剤(E)を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することが出来る。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する場合は、光重合開始剤等を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調整することができる。光重合開始剤を使用する際の配合量は、着色剤の全量100重量部に対し、5〜200重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜150重量部であることがより好ましい。
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
<多官能チオール>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有することができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(5−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、カラーフィルタ用着色組成物の全固形分の重量を基準(100重量%)として好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜20重量%である。多官能チオールの含有量が0.1重量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30重量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
<アミン系化合物>
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の合計100重量%中、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤の全量100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(5,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(5,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(5,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(5,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤の全量100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<粗大粒子の除去>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備する。
また、カラーフィルタは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、および黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよく、該黄色フィルタセグメントが、本発明の着色組成物から形成されてなるものであってもよい。
好ましくは、少なくとも1つの赤色または青色フィルタセグメントは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成される。
カラーフィルタを構成する透明基板等の基材としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストであり、かつ量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性制御も重要であり、分散剤や体質顔料によってインキ粘度の調整も行うことができる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができるが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。また、「PGMAC」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味する。
(樹脂の重合平均分子量(Mw))
樹脂の重合平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5〜1.0部に、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
続いて、実施例および比較例に用いた色素単量体、その他の顔料、およびバインダー樹脂の製造方法と、樹脂型分散剤溶液の調製方法と、顔料分散体、感光性着色組成物の製造方法とについて説明する。
<バインダー樹脂の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1の調整)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
<色素単量体・前駆体の製造方法>
(色素単量体・前駆体STZ−1の製造方法)
特開平9-255882記載に従って、色素単量体・前駆体STZ−1を作製した。
原料(1)を20g、原料(2)を31g及び塩化亜鉛9gをフラスコ中に順次入れ140℃から160℃で2時間反応させた。反応液を希塩酸100ml中に注ぎ、析出した結晶を濾取した。水洗、乾燥して23gのSTZ−1を得た。NMR、質量分析計から構造を同定した。
(色素単量体・前駆体STZ−2の製造方法)
色素単量体・前駆体STZ−1の原料(2)を原料(3)に変更した他は、STZ−1と同様の方法にて、STZ−2を作成した。
<色素単量体の製造方法>
(色素単量体ST−1の製造方法)
環流管を付けた1Lのステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、C.I.Basic Violet 10(BV10:田岡化学社製:Rodamine B)を5.0部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)1.6部をジクロロメタン40mlに溶解させ、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 2.2部、ジメチルアミノピリジン0.25部を添加して室温で24時間攪拌を行った。得られたジクロロメタン溶液を、水で洗浄し、減圧乾燥させた後、シリカゲルカラムにて精製を行い、色素単量体ST−1を得た。収率は51.6%であった。
(色素単量体ST−2の製造方法)
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)をアクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)に変更した他は、色素単量体ST−1と同様の方法にて、色素単量体ST−2を作成した。収率は48.8%であった。
(色素単量体ST−3の製造方法)
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)をグリセリンモノメタクリレート(GLM)に変更した他は、色素単量体ST−1と同様の方法にて、色素単量体ST−3を作成した。収率は49.1%であった。
(色素単量体ST−4の製造方法)
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)をグリセリンジメタクリレート(GMR)に変更した他は、色素単量体ST−1と同様の方法にて、色素単量体ST−4を作成した。収率は50.6%であった。
(色素単量体ST−5の製造方法)
色素単量体ST−1・1部を水100mlに溶解させ、これに1.4部のテトラフルオロほう酸ナトリウム(NaBF4)を添加して、2時間室温にて攪拌を行った。ろ過後、水洗後、80℃にて乾燥して、色素単量体ST−5を得た。収率は87.8%であった。
(色素単量体ST−6の製造方法)
テトラフルオロほう酸ナトリウム(NaBF4)をNaB(CF3)4へ変更した他は、色素単量体ST−5と同様の方法で、色素単量体ST−6を合成した。収率は89.2%であった。
(色素単量体ST−7の製造方法)
テトラフルオロほう酸ナトリウム(NaBF4)を下記に示す原料(4)へ変更した他は、色素単量体ST−5と同様の方法で、色素単量体ST−7を合成した。収率は83.5%であった。
(色素単量体ST−8の製造方法)
テトラフルオロほう酸ナトリウム(NaBF4)を下記に示す原料(5)(三菱マテリアル電子化成社製:シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドカリウム塩)へ変更した他は、色素単量体ST−5と同様の方法で、色素単量体ST−8を合成した。収率は86.6%であった。
(色素単量体ST−9の製造方法)
色素単量体ST−5の製造方法において、色素単量体ST−1を色素単量体ST−3へ、テトラフルオロほう酸ナトリウム(NaBF4)をNaB(C6F5)4へ変更した他は、色素単量体ST−5と同様の方法で、色素単量体ST−9を合成した。収率は84.1%であった。
(色素単量体ST−10の製造方法)
C.I.Basic Violet 10(田岡化学社製:Rodamine B)を色素単量体・前駆体STZ−1に変更した他は、色素単量体ST−1と同様の方法にて、色素単量体ST−10を作成した。収率は42.8%であった。
(色素単量体ST−11の製造方法)
C.I.Basic Violet 10(田岡化学社製:Rodamine B)を色素単量体・前駆体STZ−2に変更した他は、色素単量体ST−1と同様の方法にて、色素単量体ST−11を作成した。収率は46.8%であった。
(色素単量体ST−12の製造方法)
環流管を付けた1Lのステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、C.I.Solvent RED 172(SR172:Sunbelt社製:Morolas Magenta36)を5.0部、3−アクリロイルオキシプロパン酸1.6部をジクロロメタン40mlに溶解させ、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 2.2部、ジメチルアミノピリジン0.25部を添加して室温で24時間攪拌を行った。得られたジクロロメタン溶液を、水で洗浄し、減圧乾燥させた後、シリカゲルカラムにて精製を行い、色素単量体ST−12を得た。収率は46.8%であった。
(色素単量体ST−13の製造方法)
C.I.Solvent RED 172をC.I.Solvent RED 222(SR222:New Dragonindutrial社製)を変更した以外は、色素単量体ST−12と同様の方法にて、色素単量体ST−13を作成した。収率は47.2%であった。
BV10 : C.I.ベーシックバイオレット10
<カラーフィルタ用着色組成物(色素単量体・分散溶液)の製造方法>
(色素単量体・分散溶液S−1の製造方法)
下記に従って、各種材料を混合した後、1時間超音波照射を行うことで、色素単量体・分散溶液S−1を得た。
色素単量体・ST−1 : 4.0部
アクリル樹脂溶液(B1−1) :30.0部
シクロヘキサノン :16.0部
計 :50.0部
(色素単量体・分散溶液S−2〜15の製造方法)
色素単量体・分散溶液(S−1)の製造方法における色素単量体ST−1を表2に記載した材料へ変更した以外は、色素単量体・分散溶液(S―1)の場合と同様の方法で、色素単量体・分散溶液S−2〜15 を得た。
<ジケトピロロピロール顔料(B1)の製造方法>
[式(4)で示されるジケトピロロピロール顔料(b1)]
(ジケトピロロピロール顔料(b1−1))
還流管を付けたステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール200部、およびナトリウム−tert−アミルアルコキシド140部を加え、攪拌しながら100℃に加熱し、アルコラート溶液を調製した。一方で、ガラス製フラスコに、コハク酸ジイソプロピル88部、4−ブロモベンゾニトリル153.6部を加え、攪拌しながら90℃に加熱して溶解させ、これらの混合物の溶液を調製した。この混合物の加熱溶液を、100℃に加熱した上記アルコラート溶液中に、激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくり滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間、加熱攪拌を継続し、ジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩を得た。さらに、ガラス製ジャケット付き反応容器に、メタノール600部、水600部、及び酢酸304部を加え、−10℃に冷却した。この冷却した混合物を、高速攪拌ディスパーサーを用いて、直径8cmのシェアディスクを4000rpmで回転させながら、この中に、75℃まで冷却した先に得られたジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩溶液を、少量ずつ添加した。この際、メタノール、酢酸、および水からなる混合物の温度が常に−5℃以下の温度を保つように、冷却しながら、かつ、75℃のジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩の添加する速度を調整しながら、およそ120分にわたって少量ずつ添加した。アルカリ金属塩添加後、赤色の結晶が析出し、赤色の懸濁液が生成した。 続いて、得られた赤色の懸濁液を5℃にて限外濾過装置で洗浄後、濾別し赤色ペーストを得た。このペーストを0℃に冷却したメタノール 3500部にて再分散し、メタノール濃度約90%の懸濁液とし、5℃にて3時間攪拌し、結晶転移を伴う粒子整粒および洗浄を行った。続いて、限外濾過機で濾別し、得られたジケトピロロピロール系化合物の水ペーストを、80℃にて24時間乾燥させ、粉砕することにより式(4)で示される臭素化ジケトピロロピロール顔料150.8部を得た。
続いて、ソルトミリング処理を行った。式(4)で表わされる臭素化ジケトピロロピロール顔料を100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部のジケトピロロピロール顔料(b1−1)を得た。
[一般式(5)で示されるジケトピロロピロール顔料(b2)]
(ジケトピロロピロール顔料(b2−1))
反応容器1にtert−アミルアルコール220部を入れて水浴冷却させながら、60%NaH32部を加えて、90℃にて加熱攪拌させた。次いで、反応容器2にtert−アミルアルコール100部、Tetrahedron, 58(2002)5547−5565の方法により合成した下記式(9)の化合物85.0部、および4−シアノビフェニル60.9部を加熱溶解させ、これを反応容器1に2時間かけて滴下した。120℃で10時間反応させた後、60℃まで冷却させ、メタノール400部、および酢酸50部を加えてから、濾別およびメタノール洗浄を行い、式(5−1a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料88.1部を得た。
式(9):
続いて、ソルトミリング処理を行った。式(5−1a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部のジケトピロロピロール顔料(b2−1)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(b2−2))
4−シアノビフェニル60.9部を4−tert−ブチルベンゾニトリル54.1部に変更した以外は、式(5−1a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の製造方法と同様にして、式(5−2a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料83.9部を得た。
得られた式(5−2a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料を、ジケトピロロピロール顔料(b2−1)と同様のソルトミリング処理法で、ジケトピロロピロール顔料(b2−2)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(b2−6))
4−シアノビフェニル60.9部をN,N−ジブチル−3−シアノベンズアミド87.8部に変更した以外は、式(5−1a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の製造方法と同様にして、式(5−4b)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料83.8部を得た。
得られた式(5−4b)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料を、ジケトピロロピロール顔料(b2−1)と同様のソルトミリング処理法で、ジケトピロロピロール顔料(b2−6)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(b2−9))
反応容器1にtert−アミルアルコール220部を入れて水浴冷却させながら、60%NaH32部を加えて、90℃にて加熱攪拌させた。次いで、反応容器2にtert−アミルアルコール100部、Tetrahedron, 58(2002)5547−5565の方法により合成した下記式(10)の化合物99.2部、および4−シアノビフェニル60.9部を加熱溶解させ、これを反応容器1に2時間かけて滴下した。120℃で10時間反応させた後、60℃まで冷却させ、メタノール400部、および酢酸50部を加えてから、濾別およびメタノール洗浄を行い、式(5−19)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料87.8部を得た。
式(10):
得られた式(5−19)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料を、ジケトピロロピロール顔料(b2−1)と同様のソルトミリング処理法で、ジケトピロロピロール顔料(b2−9)を得た。
[その他のジケトピロロピロール顔料]
(ジケトピロロピロール顔料(PR254−1))
ジケトピロロピロール顔料C.I.ピグメントレッド 254(BASF社製「B−CF」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の微細化ジケトピロロピロール顔料(PR254−1)を得た。
<アゾ系顔料の製造方法>
(アゾ系赤色顔料(PR166−1))
ジスアゾ系赤色顔料C.I.ピグメントレッド 166(BASF社製「イルガフォアレッド スカーレットRN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥しジスアゾ系の微細化赤色顔料(PR166−1)を得た。
(アゾ系赤色顔料(PR221−1))
ジスアゾ系赤色顔料C.I.ピグメントレッド 221(BASF社製「クロモフタールレッド2B」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥しジスアゾ系の微細化赤色顔料(PR221−1)を得た。
(アゾ系赤色顔料(PR242−1))
ジスアゾ系赤色顔料C.I.ピグメントレッド 242(Clariant 社製の「SandorinScarlet4RF」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥しジスアゾ系の微細化赤色顔料(PR242−1)を得た。
(アゾ系橙色顔料(PO38−1))
ナフトールAS系橙色顔料C.I.ピグメントオレンジ 38(Clariant社製「NOVOPERM RED HFG」)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化橙色顔料(PO38−1)を得た。
<その他の微細化顔料の製造方法>
(微細化PR177顔料(PR177−1)の製造)
アントラキノン系赤色顔料C.I.ピグメントレッド 177(BASF社製「クロモフタルレッド A2B」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、アントラキノン系の微細化赤色顔料(PR177−1)を得た。
(微細化黄色顔料(PY139−1))
アゾ系黄色顔料C.I. ピグメントイエロー 139(BASF社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)500部、塩化ナトリウム500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、アゾ系の微細化黄色顔料(PY139−1)を得た。
(微細化黄色顔料(PY150−1))
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、ニッケル錯体系の微細化黄色顔料(PY150−1)を得た。
(微細化黄色顔料(PY185−1))
イソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー 185(BASF社製「パリオトールイエローD1155」)500部、塩化ナトリウム2500部、及びジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、100℃で6時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、イソインドリン系の微細化黄色顔料(PY185−1)を得た。
(微細化緑色顔料(PG58−1))
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメントグリーン 58(DIC株式会社製「FASTOGEN GREEN A110」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、フタロシアニン系の微細化緑色顔料(PG58−1)を得た。
(微細化青色顔料(PB15:6−1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメントブルー 15:6(トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE ES」、比表面積60m2/g)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、フタロシアニン系の微細化青色顔料(PB15:6−1)を得た。
(微細化紫色顔料(PV23−1))
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメントバイオレット 23(トーヨーカラー株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、ジオキサジン系の紫色微細化紫色顔料(PV23−1)を得た。
<樹脂型分散剤溶液の調製>
市販の樹脂型分散剤である、BASF社製EFKA4300と、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて不揮発分40重量%溶液に調製し、樹脂型分散剤溶液1として使用した。
<顔料分散体の製造方法>
(顔料分散体(P−1)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20重量%の顔料分散体(P−1)を作製した。
微細化有機顔料PR254−1 :11.0部
アクリル樹脂溶液1 :35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :49.0部
樹脂型分散剤溶液1 : 5.0部
(顔料分散体(P−2〜17))
顔料の種類を表3記載のように変更した以外は、顔料分散体(P−1)と同様の方法で顔料分散体(P−2〜17)を作製した。
<カラーフィルタ用着色組成物(感光性着色組成物)の製造>
[実施例1]
(赤色感光性着色組成物(R−1))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、赤色感光性着色組成物(R−1)を得た。
(色素分散体) (計50部)
色素単量体分散溶液(S−1) :13.5部
顔料分散体(P−1) :36.5部
アクリル樹脂溶液1 :15.0部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(E1−3)(BASF社製「OXE−02」) : 1.0部
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−
カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
メトキシプロピルアセテート :32.0部
[実施例2〜45、比較例1〜3]
(赤色感光性着色組成物(R−2〜48)
顔料分散体を表4に示す顔料分散体の種類および配合量に変えた以外は赤色感光性着色組成物(R−1)と同様にして赤色感光性着色組成物(R−2〜48)を得た。各感光性着色組成物調整においては、顔料分散体の合計が50部となるように添加し、赤色感光性着色組成物100部を調製した。
表4の略語について下記に記す。
《光重合開始剤》
光重合開始剤(E1−1):化学式(7−1)、非カルバゾール型オキシムエステル開始剤
(BASF社製「IRGACURE OXE−01」:1,2−オクタンジオン,1
−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])
光重合開始剤(E1−2):化学式(7−2)、非カルバゾール型オキシムエステル開始剤
化学式(7−2):
オキシムエステル系光重合開始剤(E1−3):化学式(8a−1)、カルバゾール基含有オキシムエステル開始剤
(BASF社製「IRGACURE OXE 02」:エタノン,1−[9−エチル
−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−
アセチルオキシム))
光重合開始剤(E1−4):化学式(8a−2)、カルバゾール基含有オキシムエステル開始剤
化学式(8a−2):
光重合開始剤(E1−5):化学式(8b−1)、ケト型カルバゾール基含有オキシムエステル開始剤
化学式(8b−1):
光重合開始剤(E1−6):化学式(8b−2)、ケト型カルバゾール基含有オキシムエステル開始剤
化学式(8b−2):
光重合開始剤(E1−7):化学式(8b−3)、ケト型カルバゾール基含有オキシムエステル開始剤
化学式(8b−3):
光重合開始剤(E1−8):化学式(8b−4)、ケト型カルバゾール基含有オキシムエステル開始剤
化学式(8b−4):
光重合開始剤(E2−1):非オキシムエステル開始剤
(BASF社製「IRGACURE 379」:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−
メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)
光重合開始剤(E2−2):非オキシムエステル開始剤
(BASF社製「IRGACURE 907」:2−メチル−1−(4−メチル
チオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)
酸化防止剤A:ヒンダートフェノール系酸化防止剤
(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
酸化防止剤B:イオウ系酸化防止剤
3,3'−チオジプロパン酸ジオクタデシル
酸化防止剤C:リン系酸化防止剤
トリス[2,4−ジ−(tert)−ブチルフェニル]ホスフィン
酸化防止剤D:ヒンダートアミン系酸化防止剤
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
酸化防止剤E:サルチル酸エステル系酸化防止剤
サリチル酸p−オクチルフェニル
PGMAC:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<カラーフィルタ用着色組成物(感光性着色組成物)の評価>
得られたカラーフィルタ用着色組成物(R1〜48)を用いて、色特性(明度)の評価と、その塗膜のコントラスト比(CR)、および耐熱性の評価を下記方法で行った。表5に評価結果を示す。
(色特性(明度)評価)
ガラス基板上に、得られた赤色感光性着色組成物を塗布し、70℃で20分乾燥後、さらに230℃で60分加熱して得られた基板の色度が、C光源においてx=0.658、y=0.325になるような塗布基板を得た。得られた基板の明度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)で測定した。評価基準は下記のとおりである。
◎ ・・・ 19.3以上
○ ・・・ 19.1以上19.3未満
△ ・・・ 18.9以上19.1未満
× ・・・ 18.9未満
(塗膜のコントラスト比(CR)評価)
液晶ディスプレー用バックライトユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組
成物の塗膜を通過し、もう一方の偏光板に到達する。この際、偏光板と偏光板の偏光面が並行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直交している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の塗膜を通過する際に、着色剤粒子によって散乱等が起こり、偏光面の一部にずれが生じると、偏光板が並行のときは透過する光量が減り、偏光板が直交のときは一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が並行の際の輝度と、直交の際の輝度との比を、コントラスト比として算出した。
(コントラスト比)=(並行のときの輝度)/(直交のときの輝度)
従って、塗膜中の着色剤により散乱が起こると、並行のときの輝度が低下し、かつ直交のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。測定に際しては、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色マスクを介して測定した。
得られた赤色感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。得られた塗布基板のコントラスト比(CR)を測定した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、C光源でx=0.620の色度に合うようにした。コントラスト比は、下記基準に従って判定した。
◎:7000以上
○:6000以上〜7000未満
△:5000以上〜6000未満
×:5000未満
(塗膜の耐熱性評価)
得られた赤色感光性着色組成物を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで220℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、220℃での熱処理後で、塗膜膜厚が1.5μmに合うようにした。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として230℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記の3段階で評価した。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
◎:ΔEab*が3.0未満
○:ΔEab*が5.0未満
△:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
×:ΔEab*が10.0以上
(感度評価)
得られた赤色感光性着色組成物をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中70℃で15分間加温して溶剤を除去し、約2μmの塗膜を得た。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、100μm幅(ピッチ200μm)および25μm幅(ピッチ50μm)ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱した。上記方法で形成されたフィルタセグメントの100μmフォトマスク部分でのパタ−ン膜厚を測定し、塗工後膜厚に対して90%以上となる最小露光量を評価した。最小露光量が小さい程、高感度で良好な感光性着色組成物となる。
評価のランクは次の通りである。
○:50mJ/cm2未満
△:50mJ/cm2以上100mJ/cm2未満
×:100mJ/cm2以上
表5より、一般式(1)で示される色素単量体(A1)と特定の顔料(B)を用いた着色組成物は、比較例の着色組成物よりも、明度、耐熱性の一方、もしくはその両方が高い結果であった。
<カラーフィルタの製造>
(緑色感光性着色組成物(G−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、緑色感光性着色組成物(G−1)を作製した。
顔料分散体(P−15) :32.0部
顔料分散体(P−13) :18.0部
アクリル樹脂溶液1 : 7.5部
光重合性単量体 (東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.5部
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−
カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
シクロヘキサノン :39.0部
(青色感光性着色組成物(B−1))
下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、青色感光性着色組成物(B−1)を作製した。
顔料分散体(P−16) :45.0部
顔料分散体(P−14) : 5.0部
アクリル樹脂溶液1 : 7.5部
光重合性単量体 (東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASF社製「OXE−02」) : 1.5部
シクロヘキサノン :39.0部
[実施例46]
本発明の赤色感光性着色組成物(R−1)をスピンコート法により、予めブラックマトリックスが形成されているガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中で、70℃で20分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却した後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。
その後、この基板を23℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて30 秒間スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄し、風乾した。さらに、クリーンオーブン中で、230℃で30分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状の着色画素層を形成した。
次に、緑色感光性着色組成物(G−1)を使用し、赤色着色画素層と同様にして緑色着色画素層を形成し、さらに、青色感光性着色組成物(B−1)を使用して青色着色画素層を形成し、カラーフィルタ(CF−1)を得た。各着色画素層の形成膜厚はいずれも2.0μmであった。
[実施例46〜49、比較例4]
表6に示す赤色感光性着色組成物に変更した以外は、カラーフィルタ(CF−1)と同様にしてカラーフィルタ(CF−2〜5)を得た。
<カラーフィルタの評価>
(明度(分光透過率))
作製したカラーフィルタの明度測定を行った。XYZ表色系色度図における明度(分光透過率)の測定は、分光光度計(OTSUKA LCF―1100M)を用いて行った。結果は表6に示す。
本発明の赤色着色組成物を使用したカラーフィルタは明度が高い結果であり、本発明の効果が立証された。