JP2012220759A - 感光性着色組成物及びそれを用いたカラーフィルタ、液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも顔料(A)、透明樹脂(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、連鎖移動剤(E)からなる感光性着色組成物であって、光重合性化合物(C)に対する光重合開始剤(D)の重量比率が0.05〜0.20で、且つ、光重合開始剤(D)に対する連鎖移動剤(E)の重量比率が0.9〜1.50であることを特徴とする感光性着色組成物である。
【選択図】 図1
Description
本発明の感光性着色組成物は、少なくとも顔料(A)、透明樹脂(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、連鎖移動剤(E)および溶剤(F)から構成される。
顔料(A)としては、有機又は無機の顔料を、単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。顔料のなかでは、発色性が高く且つ耐熱性の高い顔料、特には耐熱分解性の高い顔料が好ましい。通常は、有機顔料が用いられる。以下に、この感光性着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
この感光性着色組成物に含有される透明樹脂(B)は、400〜700nmの全波長領域に亘って、特には全可視光領域内に亘って、透過率が80%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。透明樹脂(B)には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は感光性樹脂を、単独で又は2種以上混合して用いることができる。
光重合性化合物(C)は、光重合性モノマー又はオリゴマーである。光重合性化合物(C)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート及びウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸;スチレン;酢酸ビニル;ヒドロキシエチルビニルエーテル;エチレングリコールジビニルエーテル;ペンタエリスリトールトリビニルエーテル;(メタ)アクリルアミド;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;N−ビニルホルムアミド;並びにアクリロニトリルが挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
光重合開始剤(D)はオキシムエステル系化合物であることを特徴とし、例えば1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン1−〔9エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)や特開2000−80068号公報、特開2006−36750号公報、特開2010−102346号公報等に記載されている化合物が挙
げられる。なお、光重合開始剤としてはアミノケトン系開始剤が一般に広く使用されているが、発明者等の鋭意研究の結果、後述のチオール系連鎖移動剤の含有量が本発明の範囲内であっても、光昇華物発生量が多く発生することが判明し好ましくない。
連鎖移動剤(E)は、チオール(SH)基を2個以上有する化合物であればよい。連鎖移動剤(E)は、上述の光重合開始剤(D)とともに使用した場合、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受け難いチイルラジカルを発生する。従って、連鎖移動剤(E)を更に含有させると、感光性着色組成物はより高感度となる。特に、SH基がメチレン及びエチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン及び2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。これらの中で、本発明においてはトリメチロールプロパントリスチオプロピオネートを使用する。
溶剤としては、例えば、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエ
チルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル及び二塩基酸エステル等が挙げられる。これらは、単独で又は混合して用いる。
上記の感光性着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために、貯蔵安定剤を更に含有させることができる。また、上記の感光性着色組成物には、透明基板との密着性を高めるために、シランカップリング剤等の密着向上剤を更に含有させることもできる。また、上記の感光性着色組成物には、パターンの形状を制御するために、紫外線吸収剤や重合禁止剤を含有させる事ができる。
感光性着色組成物は、例えば、以下の方法によって製造する。まず、顔料(A)を、透明樹脂(B)及び/又は溶剤(F)中に、各種分散手段を用いて微細に分散させて、顔料分散体を調製する。分散手段としては、例えば、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダ、及びアトライタが挙げられる。次いで、この顔料分散体に、透明樹脂(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、連鎖移動剤(E)、溶剤(F)及び場合によってはその他成分を混合し、この混合物を攪拌する。これにより、感光性着色組成物を得る。なお、2種以上の顔料(A)を含む感光性着色組成物は、例えば、それら顔料(A)を別々に透明樹脂(B)及び/又は溶剤(F)中に微細に分散させてなる複数の着色剤分散体を混合し、この混合物に光重合開始剤(D)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、連鎖移動剤(E)、溶剤(F)及び場合によってはその他成分を混合し、これを攪拌することにより得られる。
漬等の塗膜形成手段を用いて、基板11上にBM形成用感光性組成物を塗布、予備乾燥して黒色感光層21を形成する(図1(a)参照)。
また、黒色感光層21の形成方法としては、一旦フィルム等の支持体上にBM形成用レジストの塗膜を形成した後、基板上に転写することもできる。
液晶表示装置は、上記の如き構成のカラーフィルタを含む。該カラーフィルタは図示しない透明電極、スペーサーなどの構造物が形成されている。
<赤色顔料分散体の調整>
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して赤色顔料の分散体を調整した。
・赤色顔料:C.I. Pigment Red254 18重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B−CF」)
・赤色顔料:C.I. Pigment Red177 2重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)
・分散剤:(味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821」) 2重量部
・アクリルワニス(固形分20%) 50重量部
・シクロヘキサノン 28重量部
次に、反応容器にシクロヘキサノン370重量部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
・メタクリル酸 32重量部
・メチルメタクリレート 10重量部
・n−ブチルメタクリレート 44重量部
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート 14重量部
・2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 4重量部
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0重量部をシクロヘキサノン50重量部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、非感光性透明樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、非感光性透明樹脂の溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した透明アクリル樹脂の溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加して透明アクリル樹脂溶液を調製した。
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して赤色感光性組成物1を得た。
・上記分散体 54重量部
・上記透明アクリル樹脂溶液 12.4重量部
・光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPHA) 2.1重量部
・光重合開始剤:1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)
−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕 0.25重量部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Irgacure OXE−01)
・他官能チオール:トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート
0.25重量部
・溶剤:シクロヘキサノン 31重量部
<赤色感光性組成物2の調整>
感光性着色組成物の調整に使用する光重合開始剤に、エタノン1−〔9エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Irgacure OXE−02)を用いた以外は、実施例1同様の手法で赤色感光性組成物2を得た。
<緑色顔料分散体の調整>
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して緑色顔料の分散体を作製した。
・緑色顔料:C.I. Pigment Green36 7重量部
(東洋インキ製造(株)製「リオノールグリーン 6YK」)
・黄色顔料:C.I. Pigment Yellow150 5重量部
(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y−5688」)
・分散剤(ビックケミー社製「Disperbyk−163」) 2重量部
・アクリルワニス(固形分20%) 48重量部
・シクロヘキサノン 38重量部
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して緑色感光性組成物1を得た。
・上記分散体 56重量部
・実施例1記載の透明アクリル樹脂溶液 11重量部
・光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPHA) 2.5重量部
・光重合開始剤:1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)
−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Irgacure OXE−01)
0.25重量部
・他官能チオール:トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート
0.25重量部
・溶剤:シクロヘキサノン 30重量部
<緑色感光性組成物2の調整>
感光性着色組成物の調整に使用する光重合開始剤に、エタノン1−〔9エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Irgacure OXE−02)を用いた以外は、実施例3同様の手法で緑色感光性組成物2を得た。
<緑色感光性組成物3の調整>
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して緑色感光性組成物3を得た。
・実施例3記載の緑色顔料分散体 56重量部
・実施例1記載の透明アクリル樹脂溶液 11.9重量部
・光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPHA) 1.6重量部
・光重合開始剤:エタノン1−〔9エチル−6−(2−メチルベンゾイル)
−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Irgacure OXE−02)
0.21重量部
・他官能チオール:トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート
0.29重量部
・溶剤:シクロヘキサノン 30重量部
<緑色感光性組成物4の調整>
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して緑色感光性組成物4を得た。
・実施例3記載の緑色顔料分散体 56重量部
・実施例1記載の透明アクリル樹脂溶液 10.7重量部
・光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPHA) 2.8重量部
・光重合開始剤: エタノン1−〔9エチル−6−(2−メチルベンゾイル)
−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Irgacure OXE−02)
0.26重量部
・他官能チオール:トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート
0.24重量部
・溶剤:シクロヘキサノン 30重量部
<青色顔料分散体の調整>
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して青色顔料の分散体を作製した。
・青色顔料:C.I. Pigment Blue15:6 4重量部
(東洋インキ製造社製「リオノールブルーES」)
・分散剤(ゼネカ社製「ソルスバーズ20000」) 1重量部
・アクリルワニス(固形分20%) 45重量部
・シクロヘキサノン 50重量部
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して青色感光性組成物1を得た。
・上記青色顔料分散体 42重量部
・実施例1記載の透明アクリル樹脂溶液 9.1重量部
・光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPHA) 2.5重量部
・光重合開始剤:1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)
−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Irgacure OXE−01)
0.36重量部
・他官能チオール:トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート
0.34重量部
・溶剤:シクロヘキサノン 46重量部
<青色感光性組成物2の調整>
感光性着色組成物の調整に使用する光重合開始剤に、エタノン1−〔9エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Irgacure OXE−02)を用いた以外は、実施例7同様の手法で青色感光性組成物2を得た。
<緑色感光性組成物5の調整>
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して緑
色感光性組成物5を得た。
・実施例3記載の緑色顔料分散体 56重量部
・実施例1記載の透明アクリル樹脂溶液 10.9重量部
・光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPHA) 1.9重量部
・光重合開始剤: エタノン1−〔9エチル−6−(2−メチルベンゾイル)
−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Irgacure OXE−02)
0.46重量部
・他官能チオール:トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート
0.74重量部
・溶剤:シクロヘキサノン 30重量部
<緑色感光性組成物6の調整>
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して緑色感光性組成物6を得た。
・実施例3記載の緑色顔料分散体 56重量部
・実施例1記載の透明アクリル樹脂溶液 10.9重量部
・光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPHA) 2.9重量部
・光重合開始剤:エタノン1−〔9エチル−6−(2−メチルベンゾイル)
−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Irgacure OXE−02)
0.12重量部
・他官能チオール:トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート
0.08重量部
・溶剤:シクロヘキサノン 30重量部
<緑色感光性組成物7の調整>
感光性着色組成物の調整に使用する光重合開始剤に、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Irgacure907)を用いた以外は、実施例3同様の手法で緑色感光性組成物7を得た。
実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた感光性着色組成物について、下記の方法で経時安定性(粘度の経時変化率)、露光感度(飽和露光量)、パターニング性、光昇華物(光昇華物発生量)の各評価を行った。結果を下記の表1に示す。
感光性着色組成物を配合した翌日の初期粘度と40℃で1週間、経時促進させた経時粘度をE型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、回転数20rpmという条件で測定した。この初期粘度から経時粘度への変化率を算出した(下記式1)。粘土の経時変化率は、10%未満のものを良好と判断した。
経時変化率=([初期粘度]−[経時粘度])/[初期粘度]×100 (式1)
感光性着色組成物を100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピン
コータを用いて塗布し、厚さ3.0μmの塗膜を形成した。次に、70℃で20分間のプリベイクを行った後、50μmの細線パターンを露光するようなマスクを介して紫外線露光を行った。10mJ/cm2〜100mJ/cm2間の10水準の露光量で露光を行った。露光後、アルカリ現像液にて90秒間現像して、ストライプ形状のフィルタセグメントを形成した。なお、アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム1.5重量%炭酸水素ナトリウム0.5重量%陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)8.0重量%および水90重量%からなるものを用いた。得られたフィルタセグメントの膜厚を未露光・未現像部分を100とした時の各露光量水準での露光・現像後の残膜率を算出した。露光量を横軸、残膜率を縦軸とした残膜率曲線から、残膜率が90%以上でそれ以上露光しても残膜率変化が−1.0%〜+1.0%の範囲となる露光量を飽和感度と定めた。高感度用途での使用を目的としているため、飽和感度が50mJ/cm2以下のものが良好である。
紫外線の露光量を飽和露光量、アルカリ現像液での現像時間をそれぞれの感光性着色組成物膜の未露光部を洗い流すのに適正な時間とした以外は、上記同様の方法で基板を作成後、230℃で60分間加熱処理をした。パターニング性は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面形状の評価を行った。判定基準は、順テーパー形状を○、垂直形状を△、逆テーパー形状やパターン欠けがあるものを×とした。
感光性着色組成物を100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上にスピンコータを用いて塗布し、厚さ3.0μmの塗膜を形成し、70℃で20分間のプリベイクを行った基板を100枚作製した。基板四隅に直径10mm、100μm厚のスペーサを設置した。その上に100mm×100mm、1.5mm厚の石英ガラスを設置し、飽和感度にてマスクを介さず露光することで発生した光昇華物を石英ガラスに捕集した。石英ガラスはすべて同一の物を使用することで、100枚の100mm×100mm厚さ3.0μmの感光性着色組成物塗膜から発生した光昇華物を1枚の石英基板に捕集した。
光昇華物発生量は、キャピラリーカラム(GLサイエンス社製 TC−1)を具備した発生ガス濃縮導入装置(GLサイエンス社製 MSTD−258B)、ガスクロマトグラフィ質量検出器(アジレントテクノロジー社製 四重極型検出器 5973N)にて評価した。評価条件を以下に示す。石英ガラスを発生ガス濃縮導入装置のチャンバー内に入れ、室温から190℃まで30minで昇温し、石英ガラスに捕集した光昇華物を脱離させた後、キャピラリーカラムへ送り吸着させる。このキャピラリーカラムを10℃/minにて昇温、270℃にて15min保持し、キャピラリーカラムから脱離させた光昇華物をガスクロマトグラフィ質量検出器へ送ることでヘキサデカン換算の質量を測定、基板面積である100cm2を除して単位面積当たりの光昇華物発生量を算出した。光昇華物発生量が3.5ng/cm2より多いとパターン露光時にマスク開口部を覆ってしまうことで、目的のパターン形状を作製できなくなる場合がある。
表1に示すように、光重合開始剤としてオキシムエステル系化合物を使用し、光重合性化合物に対する光重合開始剤の重量比率が0.05〜0.20の範囲であり、且つ、光重合開始剤に対する連鎖移動剤(多官能チオール)の重量比率が0.90〜1.50の範囲である実施例1〜8の本発明品は、いずれも光昇華物発生量が3.5ng/cm2未満であり、カラーフィルタ製造の露光工程におけるマスク汚れを抑えることが可能である良好
な結果が得られた。一方、光重合性化合物に対する光重合開始剤の重量比率が0.20より大きく、また、光重合開始剤に対する連鎖移動剤の重量比率が1.50よりも大きい比較例1や、光重合性化合物としてアミノアルキルフェノン系化合物を使用している比較例3の比較例品は、いずれも光昇華物発生量が3.5ng/cm2より多い結果を示した。また、光重合性化合物に対する光重合開始剤の重量比率が0.05よりも小さく、光重合開始剤に対する連鎖移動剤の重量比率が0.9よりも小さい比較例2は、飽和感度(飽和露光量)が低くパターンが形成できない結果であった。
21……黒色感光層
21b……BM
30……着色層
31R……赤色層
32G……緑色層
33B……青色層
100……液晶表示装置用カラーフィルタ
Claims (5)
- 少なくとも顔料(A)、透明樹脂(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、連鎖移動剤(E)からなる感光性着色組成物であって、光重合性化合物(C)に対する光重合開始剤(D)の重量比率が0.05〜0.20で、且つ、光重合開始剤(D)に対する連鎖移動剤(E)の重量比率が0.9〜1.50であることを特徴とする感光性着色組成物。
- 前記光重合開始剤(D)がオキシムエステル系化合物であることを特徴とする請求項1記載の感光性着色組成物。
- 前記連鎖移動剤(E)が多官能チオールであることを特徴とする請求項1記載の感光性着色組成物。
- 請求項1〜3いずれかに記載の感光性着色組成物からなることを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項4記載のカラーフィルタを具備してなることを特徴とする液晶表示装置。
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