JP2016090612A - カラーフィルタ用感光性着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents

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考俊 久保田
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洋一郎 横田
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Abstract

【課題】本発明は、着色剤を高濃度に含有た場合にも、パターン形状が良好で塗膜耐性を十分に備えた感光性着色組成物、該感光性着色組成物を用いて形成されたカラーフィルタを提供することを目的とする。【解決手段】顔料(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、光重合開始剤(C)、および光重合性化合物(D)を含有するカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、該アルカリ可溶性樹脂(B)が、構成単位(a)〜(d)を有する樹脂(B1)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物により解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルタ用感光性着色組成物に関し、特に液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタにおいて、各色フィルタセグメントの形成に有用な高感度の感光性着色組成物に関する。また、本発明は、該カラーフィルタ用感光性着色組成物を用いて形成されるカラーフィルタに関する。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。
配向膜の形成には、N−メチルピロリドン等の溶解力が高い特定の溶剤が使用される場合が多く、特定の溶剤との接触により、着色塗膜が溶出し、配光不良や色ムラが発生する場合があり、液晶表示装置の表示不良が発生する。そのため、特定溶剤に対する溶剤耐性の向上が求められる。
更に、これらの配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。
このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性、耐溶剤性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
顔料分散法の場合、感光性樹脂溶液中に顔料を分散した感光性着色組成物(顔料レジスト)をガラス等の透明基板に塗布し、乾燥により溶剤を除去した後、一つのフィルタ色のパターン露光を行い、次いで未露光部を現像工程で除去して1色目のパターンを形成、必要に応じて加熱等の処理を加えた後、同様の操作を全フィルタ色について順次繰り返すことによりカラーフィルタを製造することができる。
近年、カラー液晶表示装置は、液晶カラーテレビやカーナビゲーション用およびパソコン用、携帯端末用として大きな市場を形成するに至っている。各色のフィルタセグメントが配置されたカラーフィルタにおいては、高色再現性、高明度といった要求が高まっている。
カラーフィルタの色再現特性向上のためには、感光性着色組成物中の顔料の含有量を多くするか、あるいは、膜厚を厚くする必要がある。顔料の含有量を多くする方法においては、硬化材料である樹脂や光重合性化合物の減少により、パターン形状の悪化や、解像度の低下、前述した配向膜形成時の塗膜耐性悪化等の問題が発生する。また、膜厚を厚くする方法においては、膜底部まで露光光が届かず、パタ−ン形状が不良となる等の問題が発生しやすい。さらに、カラー液晶表示装置の薄膜化への要求は高まっており、膜厚を薄くする傾向にあるため、高濃度に着色剤を含有する感光性着色組成物においては、パターン形成での形状の良化や塗膜耐性の向上が求められている。
塗膜耐性の向上には、一般的には、塗膜硬度を上げる手法が取られ、(1)樹脂への反応性二重結合の付与、(2)光重合性単量体の選択あるいは増量、(3)高感度光重合開始剤の選択あるいは増量等が行われる。
しかしながら、樹脂への二重結合の付与や光重合性単量体を増量するには限界があり、さらにパターン形状の悪化が生じてしまう。一方、光重合開始剤の増量においては、その感度向上効果は大きいが、光重合開始剤の種類によって熱処理工程での着色により明度低下を引き起こすという問題がある。
光透過率やコントラスト比が高い画素を形成できる着色層形成用組成物の例として、特許文献1が挙げられ、耐熱性や塗膜物性に優れた組成物の例として、特許文献2及び3が挙げられる。
しかしながら、高濃度に着色剤を含有する感光性着色組成物において、よりパターン形状が良好で塗膜耐性を十分に備えた組成物の検討が求められている。
特開2009−098594号公報 特開2001−154013号公報 特開平10−300922号公報
そこで本発明では、着色剤を高濃度に含有した場合にも、パターン形状が良好で塗膜耐性を十分に備えた感光性着色組成物、該感光性着色組成物を用いて形成されたカラーフィルタを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の樹脂(B1)を含むカラーフィルタ用感光性着色組成物を用いることにより、着色剤を高濃度に含有した場合にも、パターン形状が良好で塗膜耐性を十分に備えたものとすることが可能であることを見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。
すなわち、本発明は、顔料(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、光重合開始剤(C)、および光重合性化合物(D)を含有するカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、該アルカリ可溶性樹脂(B)が、下記構成単位(a)〜(d)を有する樹脂(B1)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。

(a)カルボキシル基を有する構成単位
(b)エポキシ基を有する構成単位
(c)下記一般式(1)または一般式(2)に示す芳香族環基を有する構成単位
(d)N置換マレイミド基を有する構成単位
Figure 2016090612
Figure 2016090612
[一般式(1)及び(2)中、X1は、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である。]
また、本発明は、樹脂(B1)における全構成単位100重量%中、(b)エポキシ基を有する構成単位が1〜9重量%であり、(d)N置換マレイミド基を有する構成単位が10〜40重量%であることを特徴とする前記カラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また、本発明は、樹脂(B1)の重量平均分子量が、4,000〜20,000であることを特徴とする前記カラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また、本発明は、顔料(A)の含有量が、カラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分100重量%中、30重量%以上であることを特徴とする前記カラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また、本発明は、樹脂(B1)の含有量が、顔料(A)100重量部に対して、15〜100重量部であることを特徴とする前記カラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また、本発明は、光重合開始剤(C)が、オキシムエステル系化合物(C1)を含むことを特徴とする前記カラーフィルタ用感光性着色組成物に関する。
また、本発明は、基材上に、前記カラーフィルタ用感光性着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明によれば、着色剤を高濃度に含有しながらも、パターン形状が良好で塗膜耐性を十分に備えた感光性着色組成物、該感光性着色組成物を用いて形成されたカラーフィルタとすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイルオキシ」、及び「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、「アクリロイルオキシ及び/又はメタクリロイルオキシ」、及び「アクリルアミド及び/またはメタクリルアミド」を表すものとする。
<着色剤>
《顔料(A)》
本発明の感光性着色組成物に使用できる顔料(A)としては、インク等に使用される種々のものが挙げられる。有機顔料としては、例えば、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ハロゲン化フタロシアニン顔料、アゾメチン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、ジアンスラキノニル顔料、アンスラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ピランスロン顔料、ジケトピロロピロール顔料等が挙げられる。
本発明で使用することができる赤色顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、221、224、226、242、246、254、255、264、269、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、または特表2011−523433号公報に記載のジケトピロロピロール顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。また、キサンテン系、アゾ系、ジスアゾ系、アントラキノン系などの赤色染料も使用できる。
具体的には、C.I.アシッドレッド52、87、92、289、338などのキサンテン系酸性染料の造塩化合物等が挙げられる。
本発明で使用することができる橙色顔料は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ38、43、71、または73等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
本発明で使用することができる黄色顔料は、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
本発明で使用することができる緑色顔料は、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、58、特開2008−19383号公報、特開2007−320986号公報、特開2004−70342号公報等に記載の亜鉛フタロシアニン顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
本発明で使用することができる青色顔料は、例えば、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、特開2004−333817号公報、特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
本発明で使用することができる紫色顔料は、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、27、29、30、31、32、37、39、40、42、44、47、49、50等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
又、本発明の感光性着色組成物には、二酸化チタン、酸化鉄、五酸化アンチモン、酸化亜鉛、シリカなどの金属酸化物、硫化カドミウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料も使用することができる。
本発明の感光性着色組成物には、着色力と明度の観点から、赤色顔料は、C.I.ピグメントレッド177、または254、黄色顔料は、C.I.ピグメントイエロー138、または150、緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン58、青色顔料は、C.I.ピグメントブルー15:6、紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット23が好ましい。
顔料(A)の含有量は、本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分100重量%中、顔料(A)の濃度は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%、とくに好ましくは35重量%以上であれば、充分な色再現性が得られ、膜厚を薄くすることも可能である。また、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下、とくに好ましくは45重量%以下であれば、硬化材料である樹脂や光重合性化合物の含有量が適正になり、十分な硬化塗膜を得る事ができる。
本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物は、樹脂(B)として、特定の構造を有する樹脂(B1)を含有するために、顔料(A)の含有量が、カラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分100重量%中、30重量%以上といった高顔料分濃度を有する場合にも、パターン形状が良好で塗膜耐性を十分に備えることができるものである。
[顔料の微細化]
本発明の感光性着色組成物は、前記例示した顔料に限らず、微粉末状のものであればどのようなものを使用しても構わないが、特に本発明の感光性着色組成物をカラーフィルタ用途に展開する場合は、ソルトミリング処理を行い、微細化した物を使用することが好ましい。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕され、それにより活性面が生じて、結晶成長がおこると考えられている。従って、混練時は顔料の破砕と結晶成長が同時に起こり、混練条件により得られる顔料の一次粒子径が異なる。
加熱により結晶成長を促進するには、加熱温度が40〜150℃であることが好ましい。加熱温度が40℃未満の場合は、結晶成長が十分に起こらず、顔料粒子の形状が無定形に近くなるため好ましくない。一方、加熱温度が150℃を越える場合は、結晶成長が進みすぎ、顔料の一次粒子径が大きくなるため、カラーフィルタ用着色組成物の着色料としては好ましくない。又、ソルトミリング処理の混練時間は、ソルトミリング処理顔料の一次粒子の粒度分布とソルトミリング処理に要する費用のバランスの点から2〜24時間であることが好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、1次粒子径が非常に微細であり、又分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ、顔料を得ることができる。
本発明の感光性着色組成物に使用する顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる一次平均粒子径は2〜100nmの範囲であることが好ましい。2nmよりも小さいと分散が困難になる場合があり、又100nmよりも大きいとコントラスト比が低下する場合がある。特に好ましい範囲は5〜20nmの範囲である。
又、ソルトミリング処理に用いる水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、及び硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料の全量を基準として、50〜2000重量%用いることが好ましく、300〜1000重量%用いることが最も好ましい。
又、水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が、蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及び液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対して、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
ソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、上記有機溶剤に一部可溶であることが更に好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対して5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
《染料》
本発明の感光性着色組成物には、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
染料としては、アゾ系染料、アゾ金属錯体系染料、アントラキノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、フタロシアニン系染料、メチン系染料、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、カチオン系染料、シアニン系染料、ニトロ系染料、キノリン系染料、ナフトキノン系染料、オキサジン系染料、ペリレン系染料、ジケトピロロピロール系染料、キナクリドン系染料、アンサンスロン系染料、イソインドリノン系染料、イソインドリン系染料、インダンスロン系染料、クマリン系染料、キナクリドン系染料、ピランスロン系染料、フラバンスロン系染料、ペリノン系染料等が挙げられるがこれらに限定されない。
<樹脂(B)>
樹脂(B)は、顔料や染料などの着色剤、特に本発明の色素単量体(A)を分散するもの、もしくは本発明の色素単量体(A)を染色、浸透させるものであって、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
本発明の樹脂(B)は、少なくとも構成単位(a)〜(d)を有する樹脂(B1)を含むことにより、顔料濃度が高い場合にも、パターン形状が良好で塗膜耐性を十分に備えることができるものとすることが出来る。
樹脂(B1)は、その他の樹脂と併用して用いてもよいが、好ましくは樹脂(B)の全量を基準(100重量%)として、20〜100重量%であることが好ましく、より好ましくは、40〜100重量%である。感光性樹脂組成物中、樹脂(B1)をこの範囲で含むことにより、良好なパターン形状と、十分な塗膜耐性を得る事ができる。
併用する樹脂としては、現像工程での現像耐性や塗膜耐性の観点より感光性樹脂の使用が好ましい。
《樹脂(B1)》
樹脂(B1)は、少なくとも下記構成単位(a)〜(d)を有する共重合体である。
(a)カルボキシル基を有する構成単位
(b)エポキシ基を有する構成単位
(c)下記一般式(1)または一般式(2)に示す芳香族環基を有する構成単位
(d)N置換マレイミド基を有する構成単位
Figure 2016090612
Figure 2016090612
[一般式(1)及び(2)中、X1は、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である。]
これら構成単位の含有割合は、樹脂(B1)における全構成単位100重量%中、
(a)カルボキシル基を有する構成単位;5〜50重量%
(b)エポキシ基を有する構成単位;1〜15重量%
(c)下記一般式(1)または一般式(2)に示す芳香族環基を有する構成単位;5〜70重量%
(d)N置換マレイミド基を有する構成単位;10〜40重量%
であることが好ましい。
より好ましくは、パターン形状、NMP耐性等の点から
(b)エポキシ基を有する構成単位が1〜9重量%であり、(d)N置換マレイミド基を有する構成単位が10〜40重量%である。
以下に、構成単位(a)〜(d)、およびその他の構成単位について、順に説明する。
本明細書においては、各構成単位の含有重量%は樹脂(B1)にもたらす前駆体の重量%である。
[(a)カルボキシル基を有する構成単位]
構成単位(a)は、カルボキシル基を有し、現像時、アルカリ可溶性部位として機能する。樹脂(B1)の全構成単位の重量を基準として、構成単位(a)は、現像性の観点から、5〜50重量%であることが好ましい。5重量%未満では、アルカリ性現像液による未露光部分の除去性が不十分となったり、50重量%を越えると、アルカリ現像液への溶解速度が速くなり、露光部分まで溶解してしまう場合がある。
カルボキシル基を有する構成単位(a)の前駆体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、若しくはα−クロルアクリル酸等の不飽和モノカルボン酸、またはマレイン酸、若しくはフマル酸等の不飽和ジカルボン酸等のカルボキシル基を含有しかつエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。また、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸の無水物をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも使用できる。この中でも、重合性(分子量等のコントロールしやすさ)の観点から、(メタ)アクリル酸がより好ましく、特にメタクリル酸が最も好ましい。これらは、単独でも、2種類以上の併用でも使用できる。
[(b)エポキシ基を有する構成単位]
構成単位(b)は、エポキシ基を有し、焼成による画素形成時、着色組成物中のカルボキシル基、水酸基、アミン基等と反応し、塗膜の耐性付与や塗膜硬度の向上に寄与する。更に、現像工程後の焼成工程による熱架橋反応であるため、現像時に発生するパターン端のガタツキ形状やパターン下部が現像により大きく削られている状態(所謂、オーバーハング形状)であっても、熱反応により、ある程度良好なパターン形状へフローする事が形状良化に寄与していると考えられる。
樹脂(B1)の全構成単位の重量を基準として、構成単位(b)は、1〜15重量%が好ましく、1〜9重量%がより好ましく、3〜9重量%がとくに好ましい。1重量%以上であれば、耐性付与とパターン形状良化への効果が十分となる。とくに9重量%以下の場合、樹脂(B1)中のカルボキシル基と架橋反応が起こることもなく、樹脂(B1)の保存安定性がより良好である。さらに現像工程での耐性が良化し、パターンの直線性も優れたものとなるために好ましい。
また、樹脂(B1)のエポキシ基にさらに不飽和化合物を付加させて変性させた場合は、熱反応によるパターン形状への効果が発現しないため、本願の構成単位(b)には該当しない。
構成単位(b)の前駆体としては、例えばグリシジル(メタ)クリレート、α−エチルグリシジルメタクリレート、α−n−プロピルグリシジルメタクリレート、α−n−ブチルグリシジルメタクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)クリレート、4,5−エポキシペンチル(メタ)クリレート、6,7−エポキシヘプチル(メタ)クリレート、α−エチル−6,7−エポキシヘプチル(メタ)クリレート等を挙げることができる。これらの中で、特にグリシジル(メタ)クリレートが好ましい。これらのモノマーは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
[(c)一般式(1)または一般式(2)に示す芳香族環基を有する構成単位]
構成単位(c)は、一般式(1)または一般式(2)に示す芳香族環基による環状構造を有し、顔料または樹脂型分散剤に対する親和性部位として機能し、疎水性となるため、N−メチルピロリドン等の特定溶剤に対する溶剤耐性が向上する。
樹脂(B1)の全構成単位の重量を基準として、構成単位(c)は、分散安定性と耐性および現像性の観点から、5〜70重量%が好ましい。5重量%以上であれば、分散安定性および耐性が良化し、より高品質なカラーフィルタが得られる。また、70重量%以下であれば、アルカリ現像液への溶解速度が速くなり、現像時間が短く生産性が良化する。
構成単位(c)の前駆体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、または一般式(3)に示すエチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
Figure 2016090612
[一般式(3)中、X6は、水素原子、またはメチル基であり、X7は、炭素数2若しくは3のアルキレン基であり、X8は、ベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、nは、1〜15の整数である。]
一般式(3)に示されるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、
第一工業製薬社製ニューフロンティア CEA〔EO変性クレゾールアクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:メチル基、n=1または2、〕、NP−2〔n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、R8:n−ノニル基、n=2〕、N−177E〔n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:n−ノニル基、n=16〜17〕、若しくはPHE〔フェノキシエチルアクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:水素原子、n=1〕、
ダイセル社製、IRR169〔エトキシ化フェニルアクリレート(EO 1mol)、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:水素原子、n=1〕、またはEbecryl110〔エトキシ化フェニルアクリレート(EO 2mol)、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:水素原子、n=2〕、
東亞合成社製アロニックス M−101A〔フェノールEO変性(n≒2)アクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:水素原子、n≒2〕、M−102〔フェノールEO変性(n≒4)アクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:水素原子、n≒4〕、M−110〔パラクミルフェノールEO変性(n≒1)アクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:パラクミル、n≒1〕、M−111〔n−ノニルフェノールEO変性(n≒1)アクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:n−ノニル基、n≒1〕、M−113〔n−ノニルフェノールEO変性(n≒4)アクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:n−ノニル基、n≒4〕、若しくはM−117〔n−ノニルフェノールPO変性(n≒2.5)アクリレート、X6:水素原子、X7:プロピレン基、X8:n−ノニル基、n≒2.5〕、
共栄社製ライトアクリレート PO−A〔フェノキシエチルアクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:水素原子、n=1〕、P−200A〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:水素原子、n≒2〕、NP−4EA〔ノニルフェノールEO付加物アクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:n−ノニル基、n≒4〕、若しくはNP−8EA〔〔ノニルフェノールEO付加物アクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:n−ノニル基、n≒8〕、またはライトエステル PO〔フェノキシエチルメタクリレート、X6:メチル基、X7:プロピレン基、X8:水素原子、n=1〕、
日油社製ブレンマー ANE−300〔ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:−ノニル基、n≒5〕、ANP−300〔ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、X6:水素原子、X7:プロピレン基、X8:n−ノニル基、n≒5〕、43ANEP−500〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基及びプロピレン基、X8:−ノニル基、n≒5+5〕、70ANEP−550〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基及びプロピレン基、X8:n−ノニル基、n≒9+3〕、75ANEP−600〔ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−アクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基及びプロピレン基、R8:n−ノニル基、n≒5+2〕、AAE−50〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:水素原子、n=1〕、AAE−300〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:水素原子、n≒5.5〕、PAE−50〔フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、X6:メチル基、X7:エチレン基、X8:水素原子、n=1〕、PAE−100〔フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、X6:メチル基、X7:エチレン基、X8:水素原子、n=2〕、若しくは43PAPE−600B〔フェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−メタクリレート、X6:メチル基、X7:エチレン基及びプロピレン基、X8:水素原子、n≒6+6〕、
新中村化学社製NK ESTER AMP−10G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO1mol)、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:水素原子、n=1〕、AMP−20G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO2mol)、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:水素原子、n≒2〕、AMP−60G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO6mol)、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:水素原子、n≒6〕、PHE−1G〔フェノキシエチレングリコールメタクリレート(EO1mol)、X6:メチル基、X7:エチレン基、X8:水素原子、n=1〕、
大阪有機化学社製ビスコート #192〔フェノキシエチルアクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:水素原子、n=1〕、あるいは、
日本化薬製SR−339A〔2−フェノキシエチレングリコールアクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:水素原子、n=1〕,若しくはSR−504(エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、X6:水素原子、X7:エチレン基、X8:n−ノニル基〕等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
一般式(3)で示されるエチレン性不飽和単量体において、X8のアルキル基の炭素数は1〜20であるが、より好ましくは1〜10である。アルキル基は、直鎖状アルキル基だけでなく、分岐状アルキル基及び置換基としてベンゼン環を有するアルキル基も含まれる。X8のアルキル基の炭素数が1〜10のときはアルキル基が障害となりITOエッチング液、モリブデンエッチング液などの浸透を抑制し耐酸が高まるが、炭素数が10を超えると、アルキル基の立体障害効果が高くなり、基材との密着をも妨げる傾向を示す。この傾向は、X8のアルキル基の炭素鎖長が長くなるに従い顕著となり、炭素数が20を超えると、基材との密着が極端に低下する。X8で表されるベンゼン環を有するアルキル基としては、ベンジル基、2−フェニル(イソ)プロピル基等を挙げることができる。側鎖ベンゼン環が一つ増えることによって、耐酸がより改善され、現像性も向上する。
一般式(3)で示されるエチレン性不飽和単量体において、nは、1〜15の整数が好ましい。nが15を越えると、親水性が増して溶媒和の効果が小さくなると共に、樹脂(B1)の粘度が高くなり、これを用いた感光性組成物の粘度も高くなり、流動性に影響を与える場合がある。溶媒和の観点から、nは、1〜4が特に好ましい。
構成単位(c)の前駆体としては、他の前駆体との共重合性の観点、及び顔料分散性の観点から、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、または一般式(3)で示されるエチレン性不飽和単量体が好ましい。樹脂(B1)の側鎖にベンゼン環を導入することよって、側鎖ベンゼン環が、顔料に配向するため、顔料への樹脂吸着を促し、更に顔料の凝集を抑える働きもする。更に、ベンジルアクリレート及び/またはベンジルメタクリレートは、現像性と分散安定性の観点から、最も好ましい。
[(d)N置換マレイミド基を有する構成単位]
構成単位(d)は、N置換マレイミド基を有し、塗膜硬度や耐熱性を付与する。塗膜硬度の上昇により、N−メチルピロリドン等の特定溶剤との接触での、塗膜変化を抑制し、塗膜の膨潤を低減する効果を付与する。
樹脂(B1)の全構成単位の重量を基準(100重量%)として、構成単位(d)は、好ましくは10〜40重量%であり、より好ましくは15〜35重量%ある。10重量%以上であれば、塗膜硬度や耐熱性付与の効果が良好となり、40重量%以下であると、アルカリ現像液への溶解速度が速すぎず、塗膜の成膜性も低下することがないために良好な解像性が得られる。
構成単位(d)の前駆体としては、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミドを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
[その他の構成単位]
その他の構成単位は、構成単位(a)〜(d)以外の構成単位であり、とくに制限されない。
その他の構成単位の前駆体としては、例えば、
メチル(メタ)メタアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチルアクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、t−ペンチル(メタ)アクリレート、1−メチルブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプタ(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、またはオレイル(メタ)アクリレート等のアルキルまたはアルケニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル、ジメチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2′−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等のモノマー・オリゴマーが挙げられるが、目的に応じて、これらに限定することなく他のエチレン性不飽和単量体を選ぶこともでき、2種類以上併用することもできる。上記のように、現像性の観点から、メチル(メタ)アクリルメタクリレート、またはエチル(メタ)アクリレートが好んで用いられる。
その他のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、または3−メチルオキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環式置換基を有する(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、またはエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;あるいは、
(メタ)アクリルアミド(なお、「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、アクリルアミド及び/またはメタクリルアミドを示すものとする。以下同じ。)、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、またはアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
また、前記アクリル単量体以外の単量体としては、例えば、
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、またはイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;あるいは、
酢酸ビニル、またはプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。アクリル単量体以外の前記単量体を、前記アクリル単量体と併用することもできる。
樹脂(B1)の重量平均分子量(Mw)は4,000〜20,000の範囲が好ましく、より好ましくは、5,000〜13,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は2,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
樹脂(B1)の重量平均分子量(Mw)が20,000を越えると樹脂間の相互作用が強くなり、熱反応による樹脂のフロー性が低下し、パターン形状良化の効果が低下する。また、感光性着色組成物の粘度が高くなるため、取り扱いが困難となりやすい。
また、重量平均分子量(Mw)が4,000以上であれば、現像工程での耐性が良化し、パターンの直線性に優れたものとなる。
樹脂(B1)の酸価は、現像性、及び耐性の観点から、酸価20〜300KOH−mg/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20KOH−mg/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターンを形成するのが困難である。300KOH−mg/gを超えると、微細パターンが残らなくなることがある。
樹脂(B1)は、顔料(A)100重量部に対して、15〜100重量部、より好ましくは30重量部〜120重量部で用いることが好ましい。樹脂(B1)が15重量部以上であれば、充分な塗膜耐性とガラスへの密着性が得られ、良好な解像性が得られる。100重量部以下であれば、光硬化成分の含有量が確保され、光硬化によるパターンを形成が良好となり、良好な解像性が得られる。
《その他の樹脂》
本発明の感光性着色組成物は、さらに樹脂(B1)以外のその他の樹脂を含んでも良い。その他の樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂が好ましい。その他の樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
<光重合開始剤(C)>
本発明の着色組成物は、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤(C)を含む。
光重合開始剤(C)としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合開始剤としては、少ない露光量で活性の高いラジカルを生成する点でオキシムエステル系化合物(C1)が好ましい。特に、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタン−1−オン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)、又は、後述の一般式(4)で表されるオキシムエステル系化合物(C1a)が好ましい。
オキシムエステル系光重合開始剤(C1)は、紫外線を吸収することによってオキシムのN−O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。
Figure 2016090612
[一般式(4)中、R1は、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、置換もしくは未置換のアルキルスルフィニル基、置換もしくは未置換のアリールスルフィニル基、置換もしくは未置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは未置換のアリールスルホニル基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、置換もしくは未置換のアミノ基、置換もしくは未置換のホスフィノイル基、置換もしくは未置換のカルバモイル基、または置換もしくは未置換のスルファモイル基を表す。
2は、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、置換もしくは未置換のアルキルスルフィニル基、置換もしくは未置換のアリールスルフィニル基、置換もしくは未置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは未置換のアリールスルホニル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
3〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、置換もしくは未置換のアシル基、または置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
6〜R9は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ハロアルキル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、置換もしくは未置換のアルキルスルフィニル基、置換もしくは未置換のアリールスルフィニル基、置換もしくは未置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは未置換のアリールスルホニル基、置換もしくは未置換のアミノ基、または下記一般式(5)である置換基を表す。
10〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ハロアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルスルフィニル基、置換もしくは未置換のアリールスルフィニル基、置換もしくは未置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは未置換のアリールスルホニル基、または置換もしくは未置換のアシル基を表し、R10〜R14の少なくとも一つは、ニトロ基、または下記一般式(6)である置換基を表す。]
Figure 2016090612
[一般式(5)中、R1’およびR2’は、R1およびR2と同義である。]
Figure 2016090612
[一般式(6)中、R15〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ハロアルキル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、置換もしくは未置換のアシル基、または置換もしくは未置換のアミノ基を表す。]
一般式(4)で表される化合物は、従来の開始剤よりも感度が良好である。
従来の開始剤よりも高感度に機能しうる理由としては、一般式(4)で表される構造が良好な紫外線吸収性能を有することにより、与えられたエネルギー線によるエネルギーを極めて良好に吸収することができることである。さらに、得られたエネルギーがオキシムエステル部位の分解に効率的に使用されることにより、エネルギー線照射による分解が速く、瞬時に多量のラジカルを生成することが可能になっていることが考えられる。
また、紫外線を吸収して発生したイミニルラジカルから活性種のラジカルへの分解が、一般式(4)で表される構造に由来して、非常に速いことが考えられる。生成するイミニルラジカルが準安定であれば分解は遅くなり、活性なラジカルの生成量は少なくなるが、これは紫外線吸収部分の化学構造により大きく影響を受ける。一般式(4)に示す構造をとることにより、光照射による分解により生じたイミニルラジカルの分解が非常に速く、多量のラジカルを生成する結果をもたらしていると考えられる。また、良好な紫外線吸収性能として機能しうる電子吸引性置換基が置換したカルバゾールの効果と、ケト型オキシムエステルの効果との相乗効果が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、着色剤100重量部に対し、2〜200重量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から3〜100重量部であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明の着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜100重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
<光重合性化合物(D)>
本発明の光重合性化合物(D)には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル、イソシアヌレート化合物等が挙げられる。
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性化合物(D)の含有量は、顔料(A)100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、顔料(A)を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させることができる。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
有機溶剤の含有量は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、顔料(A)100重量部に対して、500〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
有機溶剤としては、例えば、乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
中でも、顔料の分散性、浸透性、および着色組成物の塗布性が良好なことから、乳酸エチル等のアルキルラクテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
<多官能チオール>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有することができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、
2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、感光性着色組成物の全固形分の重量を基準(100重量%)として好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜20重量%である。多官能チオールの含有量が0.1重量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30重量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
<酸化防止剤>
本発明の感光性着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、感光性着色組成物の固形分重量を基準(100重量%)として、0.5〜5.0重量%の場合、明度、感度が良好であるためより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。
レベリング剤の含有量は、通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤の含有量は、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明の着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
貯蔵安定剤は、顔料(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。
密着向上剤の含有量は、着色組成物中の顔料(A)100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
<着色組成物の製造方法>
本発明の着色組成物は、顔料(A)を、バインダー樹脂(B)などの着色剤担体および/または溶剤中に、好ましくは分散助剤と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用い、微細に分散して着色剤分散体とし、該着色剤分散体に必要に応じて、バインダー樹脂(B)、光重合開始剤(C)、増感剤、光重合性単量体(D)、多官能チオール、紫外線吸収剤、重合禁止剤、貯蔵安定剤、溶剤、その他成分を混合攪拌して製造することができる。また、2種以上の着色剤を含む感光性着色組成物は、各着色剤分散体を同時に着色剤担体に分散しても良いし、別々に着色剤担体に分散したものを混合しても良い。また、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際に、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を含有してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物は、明度および粘度安定性が良好になる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報、特開2001−335717号公報、特開2003−128669号公報、特開2004−091497号公報、特開2007−156395号公報、特開2008−094873号公報、特開2008−094986号公報、特開2008−095007号公報、特開2008−195916号公報、特許第4585781号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。色素誘導体を使用する場合、明度の観点から、キノフタロン骨格、アゾ骨格を有するものが好ましい。
色素誘導体の含有量は、分散性向上の観点から、着色剤(A)100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは35重量部以下である。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2009、2010、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、56000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、顔料(A)100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の含有量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、含有量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、基材上に、本発明の感光性着色組成物から形成されるフィルタセグメントおよび/またはブラックマトリックスを備えるものであり、一般的なカラーフィルタは、例えば、ブラックマトリックスと、赤色、緑色、青色のフィルタセグメントとを備えることができる。前記フィルタセグメントは、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、および黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよい。
カラーフィルタの基材としては、可視光に対して透過率の高いソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラス等のガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板といった透明基板又は反射基板が挙げられる。これらの基板には、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。又、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫等からなる透明電極が形成されていてもよい。
これらの透明基板又は反射基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめBMを形成しておくと、液晶表示パネルのコントラストを一層高めることができる。BMとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウム等の無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。又、前記の透明基板又は反射基板上にTFTをあらかじめ形成し、液晶表示装置の駆動用基板にしておき、その上に画素を形成することもできる。薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の駆動用基板上にフィルタセグメントを形成したカラーフィルタとすることで、開口率が大幅に増大できカラー液晶表示装置の高画質、低消費電力を達成することができる。
フィルタセグメントおよびブラックマトリックスの乾燥膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜5μmである。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。
フォトリソグラフィー法による各色フィルタセグメントおよびブラックマトリックスの形成は、下記の方法で行う。すなわち、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色カラーフィルタ用着色組成物として調製したカラーフィルタ用着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。
その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成してフィルタセグメントおよびブラックマトリックスを形成することができる。さらに、現像により形成されたフィルタセグメントおよびブラックマトリックスの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、印刷法より精度の高いフィルタセグメントおよびブラックマトリックスが形成できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記カラーフィルタ用着色組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
カラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜等が形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。
また、樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法は以下の通りである。
(樹脂の重量平均分子量(Mw))
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
続いて、実施例および比較例で用いた樹脂溶液、光重合開始剤、および顔料分散体の製造方法について説明する。
<樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液(B1−1))
撹拌装置、還流冷却管、窒素吹き込み管、温度計を備えた反応容器に、メタクリル酸20.3部、グリシジルメタクリレート5.0部、スチレン35.0部、フェニルマレイミド15.8部、メチルメタクリレート23.9部、プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート185部を仕込み、窒素を吹込みながら溶解させた。80℃まで加熱した後、アゾビスジメチルバレロニトリル(ADVN)10部を加えて80℃に保ち、10時間重合させた。得られたメタクリル酸共重合体はゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにて測定したところ、重量平均分子量が6000であった。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液(B1−1)を調製した。
(アクリル樹脂溶液(B1−2〜B1−13))の製造)
表1、2に記載した組成、および配合量(重量%)となるように変更した以外は、アクリル樹脂溶液(B1−1)と同様にして合成を行い、アクリル樹脂溶液(B1−2)〜(B1−13)を得た。それぞれの、重量平均分子量は表1、2に記載の通りであった。
Figure 2016090612
Figure 2016090612
表1、2の略語を下記に示す。
MAA:メタクリル酸
GMA:グリシジルメタクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート
St:スチレン
PhMI:N−フェニルマレイミド
MMA:メチルメタクリレート
(アクリル樹脂溶液(B−1〜B−3))の製造)
表3に記載した組成、および配合量(重量部)に変更した以外は、アクリル樹脂溶液(B1−1)と同様にして合成を行い、アクリル樹脂溶液(B−1)〜(B−3)を得た。それぞれの、重量平均分子量は表3に記載の通りであった。
Figure 2016090612
表3の略語を下記に示す。
MAA:メタクリル酸
GMA:グリシジルメタクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート
St:スチレン
PhMI:N−フェニルマレイミド
MMA:メチルメタクリレート
(アクリル樹脂溶液(B−4)の調整)
反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸12.3部、ベンジルメタクリレート49.2部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM−110」)24.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート14.3部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、更に80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50部に溶解させたものを添加し、更に80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂の溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約30000であった。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂(B−4)溶液を調製した。
<光重合開始剤(C1a)の製造方法>
光重合開始剤(C1a)の合成では、まず中間体化合物を合成し、次にこの中間体化合物から前駆体化合物を合成し、この前駆体化合物から当該光重合開始剤を合成した。得られた化合物について、元素分析(C,H,N)(パーキンエルマー社製2400・CHN)およびEI−MS(Thermo社製 PolarisQ)による質量分析を行い、それぞれの構造を確認した。
(光重合開始剤(C1a−1)の合成)
N−ベンゾフェノイルカルバゾール100.0部をクロロホルム1000mlに溶解し、さらに塩化アルミニウム85.0部を添加して0℃にて攪拌下、プロピオニルクロリド 32.0部をクロロホルム500mlに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、25℃で4時間攪拌した。反応液を氷水2000部にあけ、クロロホルム2000mLにて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、乾燥剤をろ別した後、残留物をクロロホルム/メタノールで再結晶を行うことにより、中間体化合物(a1)を113.0部得た。次に、化合物(a1)100.0部と、テトラヒドロフラン1000mlと濃塩酸500mlの混合溶液に溶解したところに、室温で攪拌下、亜硝酸tert−ブチル38.4部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、室温で5時間攪拌した。反応液を氷水1600mlに注ぎ入れ、クロロホルム1600mlで抽出した。有機層を水洗(500ml×3回)し、硫酸マグネシウムにて乾燥し、乾燥剤をろ過して溶媒を溜去し、残留物をn−ヘキサンで洗浄することにより、前駆体化合物(b1)99.8部を得た。次に、化合物(b1)30.0部を酢酸エチル300ml中で攪拌したところに、無水酢酸6.3部、酢酸ナトリウム10.6部を加えて、3時間加熱還流した。その後、反応液を氷水500ml中に注ぎ、組成生物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗(300ml×3回)し、硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ過して溶媒を溜去し、残留物を酢酸エチル−ヘキサンで再結晶して、光重合開始剤(C1a−1)31.4部を得た。
Figure 2016090612
(光重合開始剤(C1a−2)の合成)
N−ベンゾフェノイルカルバゾール100.0部をクロロホルム1000mlに溶解し、さらに塩化アルミニウム84.0部を添加して0℃にて攪拌下、ブタノイルクロリド 36.8部をクロロホルム500mlに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、25℃で4時間攪拌した。反応液を氷水2000部にあけ、クロロホルム2000mLにて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、乾燥剤をろ別した後、残留物をクロロホルム/メタノールで再結晶を行うことにより、中間体化合物(a2)を109.3部得た。次に、化合物(a2)100.0部と、テトラヒドロフラン1000mlと濃塩酸500mlの混合溶液に溶解したところに、室温で攪拌下、亜硝酸tert−ブチル43.1部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、室温で5時間攪拌した。反応液を氷水1600mlに注ぎ入れ、クロロホルム1600mlで抽出した。有機層を水洗(500ml×3回)し、硫酸マグネシウムにて乾燥し、乾燥剤をろ過して溶媒を溜去し、残留物をn−ヘキサンで洗浄することにより、前駆体化合物(b2)89.3部を得た。次に、化合物(b2)30.0部を酢酸エチル300ml中で攪拌したところに、無水酢酸6.1部、酢酸ナトリウム10.3部を加えて、3時間加熱還流した。その後、反応液を氷水500ml中に注ぎ、組成生物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗(300ml×3回)し、硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ過して溶媒を溜去し、残留物を酢酸エチル−ヘキサンで再結晶して、光重合開始剤(C1a−2)30.0部を得た。
Figure 2016090612
<顔料分散体の調製>
[赤色顔料分散体(RP−1)]
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し赤色顔料分散体(RP−1)を作製した。

ジケトピロロピロール系顔料(C.I.Pigment Red 254) 6.82部
(BASF社製「イルガフォーレッドB−CF」)
アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Red 177) 2.25部
(BASF「社製「クロモフタールレッドA2B」)
ニッケルアゾ錯体系顔料(C.I. Pigment Yellow 150) 0.88部
(ランクセス社製「E4GN」)
樹脂型顔料分散剤
(日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」) 1.74部
ジケトピロロピロール系顔料誘導体 2.05部
Figure 2016090612
アクリル樹脂溶液(B−4) 31.30部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 54.96部
[緑色顔料分散体(GP−1)]
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し緑色顔料分散体(GP−1)を作製した。

緑色顔料:C.I.Pigment Green 58
(DIC社製「FASTOGEN GREEN A110」) 9.25部
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 150
(ランクセス社製「E4GN」) 2.75部
樹脂型分散剤
(BASF社製「EFKA4300」) 4.90部
アクリル樹脂溶液(B−4) 15.50部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 67.60部
[青色顔料分散体(BP−1)]
下記の組成の混合物を使用し、緑色顔料分散体(GP−1)と同様にして青色顔料分散体(BP−1)を作製した。

青色顔料:C.I.Pigment Blue15:6
(BASF社製「ヘリオゲンブルーL−6700F」) 12.00部
樹脂型分散剤
(BASF社製「EFKA4300」) 7.40部
アクリル樹脂溶液(B−4) 3.00部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 77.60部
[実施例1]
(感光性着色組成物(R−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過、混合し感光性着色組成物(R−1)を作製した。

顔料分散体(GP−1) :49.0部
アクリル樹脂溶液(B1−1) :10.0部
光重合開始剤K1 : 0.2部
エタン−1−オン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)
(BASF社製「イルガキュアOXE02」)
光重合性化合物(D1) : 3.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(東亞合成社製「アロニックス M−402」))
有機溶剤 :37.8部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
[実施例2〜28、比較例1〜3]
表4〜7に示す組成、および配合量(重量部)の混合物を均一に攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過し、実施例1の感光性着色組成物(R−1)と同様にして、実施例2〜28の感光性着色組成物(R−2〜28)および比較例1〜3の感光性着色組成物(R−29〜31)を作製した。
Figure 2016090612
Figure 2016090612
Figure 2016090612
Figure 2016090612
*1:顔料(A)含有量(重量%)
感光性着色組成物の固形分100重量%中の顔料(A)の含有量である。
*2:樹脂(B1)含有量(重量部)
顔料100重量部に対する樹脂(B1)の含有量である。
表4〜7の略語を下記に示す。
<光重合開始剤>
光重合開始剤K1:エタン−1−オン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)
(BASF社製「イルガキュアOXE02」)
光重合開始剤K2:光重合開始剤(C1a−1)
光重合開始剤K3:光重合開始剤(C1a−2)
光重合開始剤K4:オキシムエステル型カルバゾール系開始剤
(ADEKA社製「アデカオプトマーN−1919」
光重合開始剤K5:1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]
(BASF社製「イルガキュアOXE−01」)
光重合開始剤K6:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
(BASF社製「イルガキュア379」)
光重合開始剤K7:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド
(BASF社製「ルシリンTPO」)
光重合開始剤K8:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン
(BASF社製「イルガキュア907」)
<増感剤>
増感剤J1:2,4−ジエチルチオキサントン
(日本化薬社製「カヤキュアDETX−S」)
増感剤J2: 4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(保土谷化学工業社製「EAB−F」)
<光重合性化合物>
光重合性化合物D1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(東亞合成社製「アロニックス M−402」)
光重合性化合物D2:カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製「KAYARAD DPCA−30」)
<有機溶剤>
PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
<感光性着色組成物の評価>
得られた感光性着色組成物について下記の方法で評価した。結果を表8〜11に示す。
[フィルタセグメント形成]
得られた感光性着色組成物をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中70℃で15分間加温して溶剤を除去し、約2μmの塗膜を得た。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、100μm幅(ピッチ200μm)および25μm幅(ピッチ50μm)ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱した。スプレー現像は、それぞれの感光性着色組成物での塗膜について、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行い、これを適正現像時間とした。
塗膜の膜厚は、Dektak 3030(日本真空技術社製)を用いて行った。
[感度評価]
上記方法で形成されたフィルタセグメントの100μmフォトマスク部分でのパタ−ン膜厚を測定し、塗工後膜厚に対して90%以上となる最小露光量を評価した。最小露光量が小さい程、高感度で良好な感光性着色組成物といえる。
評価のランクは次の通りである。

○:50mJ/cm2未満
△:50mJ/cm2以上100mJ/cm2未満
×:100mJ/cm2以上
[直線性評価]
上記方法で形成されたフィルタセグメントの100μmフォトマスク部分でのパタ−ンについて、光学顕微鏡を用いて観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。

○:直線性良好
△:部分的に直線性不良
×:直線性不良
[パターン形状評価]
上記方法で形成されたフィルタセグメントの100μmフォトマスク部分でのパタ−ンの断面について、電子顕微鏡を用いて観察して評価を行った。パターン断面は順テーパーが良好である。評価のランクは次の通りである。

◎:断面がなだらかな順テーパー形状
○:断面が順テーパー形状
×:断面が逆テーパー形状
[解像性評価]
上記方法で形成されたフィルタセグメントの25μmフォトマスク部分でのパターンについて、光学顕微鏡を用いて観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。解像性不良とは、隣接するストライプパターンが繋がったり、欠けが発生したりすることである。評価のランクは次の通りである。

◎:解像性および直線性良好
〇:直線性の点でやや劣るが解像性良好
△:直線性が劣り、部分的に欠けが発生する
×:解像性不良
[溶剤耐性評価]
上記方法で形成されたフィルタセグメントをN−メチルピロリドン溶液に30分浸漬後、イオン交換水で洗浄、風乾し、100μmフォトマスク部分でのパターンについて光学顕微鏡を用いて観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。

◎:外観、色に変化なく良好
○:一部にシワ等が発生するが、色には変化なく良好
△:若干の色落ちが発生
×:ハガレや色落ちが発生
Figure 2016090612
Figure 2016090612
Figure 2016090612
Figure 2016090612
表8〜11に示すように、樹脂(B1)を含む感光性着色組成物(実施例1〜28)は、感度、直線性、パターン形状、解像性、溶剤耐性を全て満たしていた。
特に樹脂(B1)の含有量が、顔料(A)100重量部に対して、15重量部以上である場合、及び樹脂(B1)中のエポキシ基を有する構成単位が5重量%以上の樹脂を用いた感光性着色組成物は、溶剤耐性が優れていた。
また、光重合開始剤がオキシムエステル系化合物(C1)を用いた感光性着色組成物は、感度が優れており、特に一般式(4)で表される、光重合開始剤(C1a)を用いた着色組成物は、感度、パターン形状の点で優れていた。
以上の結果より、本発明の感光性着色組成物により、感度に優れ、パターン形状等が良好であり、溶剤耐性が良好な着色膜を得ることが出来る事が確認できた。
すなわち、本発明の感光性着色組成物は、カラー液晶表示装置だけでなく、カラー撮像素子、および有機EL表示装置といった、薄膜や広い色再現域が要求される場合にも、好ましく用いることができるものである。

Claims (7)

  1. 顔料(A)、樹脂(B)、光重合開始剤(C)、および光重合性化合物(D)を含有するカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、該樹脂(B)が、下記構成単位(a)〜(d)を有する樹脂(B1)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用感光性着色組成物。

    (a)カルボキシル基を有する構成単位
    (b)エポキシ基を有する構成単位
    (c)下記一般式(1)または一般式(2)に示す芳香族環基を有する構成単位
    (d)N置換マレイミド基を有する構成単位
    Figure 2016090612
    Figure 2016090612
    [一般式(1)及び(2)中、X1は、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である。]
  2. 樹脂(B1)における全構成単位100重量%中、(b)エポキシ基を有する構成単位が1〜9重量%であり、(d)N置換マレイミド基を有する構成単位が10〜40重量%であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  3. 樹脂(B1)の重量平均分子量が、4,000〜20,000であることを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  4. 顔料(A)の含有量が、カラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分100重量%中、30重量%以上であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  5. 樹脂(B1)の含有量が、顔料(A)100重量部に対して、15〜100重量部であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  6. 光重合開始剤(C)が、オキシムエステル系化合物(C1)を含むことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  7. 基材上に、請求項1〜6いずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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