JP5564825B2 - 着色組成物、カラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタ - Google Patents

着色組成物、カラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタ Download PDF

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Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用される着色組成物、該着色組成物を用いたカラーフィルタの製造方法、および該方法で製造されたカラーフィルタに関する。
液晶ディスプレイ(LCD)を構成するカラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で配置されている。
カラーフィルタを構成するフィルタセグメントまたはブラックマトリックスは、ガラス基板などに感光性材料を塗布し、余剰の溶剤を乾燥除去したあと、フォトリソグラフ法による画素形成の為にこのレジスト膜に対して所望形状のフォトマスクを介して、プロキシミティ露光(近接露光)などで超高圧水銀灯を使用して活性エネルギー線を照射し、硬化(ネガ型)またはアルカリ溶解度を高め(ポジ型)、アルカリ溶液などで溶解する部分を除去することにより現像してポストベークを施すことにより形成されている。これを例えば赤、緑、青の各色について繰り返すことにより、カラーフィルタが作製される。
従来、感光性樹脂を露光する露光装置としては、矩形のガラス基板の表面全体に光を照射可能な照明光学系を有し、ガラス基板との間にマスクパターンが露光される、または露光された領域を遮蔽するマスクを配置して、一括露光するものが知られていた。前記したプロキシミティ露光方式は、一般に、光源として超高圧水銀灯を使用し、フライアイレンズで照度ムラを一様にした照明光を、コリメーターレンズにより平行光に変換する。マスクと基板は、数十μmから数百μmの間隙を持って配置されている。マスクの上から平行光を照射し、マスクのパターンを基板上に転写する。このように、プロキシミティ露光方式では、投影光学系を使用する必要が無く、装置構成としては非常にシンプルであるために、装置価格が安い、また、1ショットでマスクと同じ基板面積が露光できるので、基板の寸法に対応したマスクを用いればタクトが短い利点を有している。
LCDパネルは、生産性を上げる為、1枚のマザーガラスから多面取りするのが一般的であり、近年のLCDパネルの大型化に伴い、カラーフィルタの製造に用いられるマザーガラスも大型化が進んでいる。しかしながら、大型基板を用いた、紫外光源によるプロキシミティ露光法(近接露光法)では、基板サイズに合せた大サイズの高額なフォトマスクが必要であり、製造コストの増大を招く。このことから、マスクの小型化もしくはマスクレスが可能なカラーフィルタ製造法が求められている。
そこで、レーザにより露光を行うパターン露光工程を有する、レーザ露光法の検討がなされている。例えば特許文献1には、光源にレーザを用い、画像データに基づいて光を変調しながら相対走査することで2次元画像の形成を行うマスクレス露光方式が開示されている。また、例えば特許文献2には、青紫色半導体レーザ光による直接描画に用いるに好適な硬化性組成物が提案されている。この方式は、高価なフォトマスクを使用せずに画素を形成できるため、大幅なコストダウンが期待できる。しかし、マスクレス露光方式では、露光に使用される空間変調素子とレーザに適した感光性樹脂組成物の開発が難しく、コストダウン要求の厳しい大型基板のカラーフィルタに適用するには課題が多いのが実情である。
また、レーザ光源は特定の単一波長の光であるため、着色組成物に含まれる開始剤の吸収波長帯にマッチングさせるのが難しく、従来の高圧水銀ランプのような複数の波長を有する紫外光源露光に対応したレジストをレーザ露光法に使用すると、硬化させるために露光時間を長くする必要があるため、生産性が低下するという問題があった。また、感度アップのためモノマーや光重合開始剤を増量した場合、感度は十分であるがマスク回折光によって目的としない箇所が感光されてしまい、直線性の良いパターン形状を得ることが困難であった。
本発明者等は、このマスク回折光による感光を防ぐ目的で、重合禁止剤を用いることが有効であることを見出している。これはレーザ光源に対応した感度が高いレジストにおいて、回折光による重合の進行を阻害するためである。これにより回折光が目的としない箇所に照射された場合、感光されなくなるため直線性の良いパターンが得られる。
しかし、重合禁止剤を用いた場合、重合が阻害されるため塗膜の下底部まで十分に硬化されず、塗膜の下底部が現像されやすくなるため、パターンの断面形状がオーバーハングしやすくなる問題がある。このため逆テーパー形状となり、順テーパーの形状を得ることが困難であった。この順テーパー形状とはフィルタセグメントの断面を見た際の下底幅よりも上底幅が短い台形状の形状を指す。また、フィルタセグメントの下底幅よりも上底幅が長い状態をオーバーハングと呼称し、このときの形状を逆テーパー形状と呼称する。
逆テーパー形状でおこる不具合として、画素上部にITOなどの透明電極を形成する際に、オーバーハングしている箇所にITOが成膜されにくくなるため、その箇所が絶縁してしまい抵抗値が高くなってしまう不具合が起こる。このため、断面形状はオーバーハングが無い順テーパー形状である必要がある。
特開2007−11231号公報 特許第3912405号公報
本発明は上記した状況に鑑みてなされたものであり、特定の波長のレーザ露光方式において、高感度であっても、直線性が良好で断面形状に優れたフィルタセグメントおよびブラックマトリックスを形成可能な着色組成物、その着色組成物を用いたカラーフィルタの製造方法、およびその製造方法により製造されたカラーフィルタを提供することを課題としている。
本発明者らは、重合禁止剤を用いたレーザ露光方式に対応した着色組成物において、良好な直線性を有し、且つ順テーパー形状であるフィルタセグメントを形成するために、着色組成物に用いられる透明樹脂について検討を行い、順テーパー形状を得ることが可能な透明樹脂を見出し、本発明を完成させた。
本発明の請求項1に係る発明は、着色塗膜が波長340〜380nmのレーザ光を照射することにより露光描画され、少なくとも顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤および重合禁止剤を含有する着色組成物において、前記透
明樹脂が、共重合される原料化合物の合計質量を100%として5〜35質量%のメチル(メタ)アクリレートを含有してなる共重合体樹脂であり、且つ、その質量平均分子量が8000〜15000の共重合体樹脂であることを特徴とする着色組成物である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記重合禁止剤が1,4−ヒドロキノンおよび/またはアルキルヒドロキノン系化合物であることを特徴とする請求項1に記載する着色組成物である。
次に、本発明の請求項3に係る発明は、基板上に、請求項1または2に記載する着色組成物を用いて着色塗膜を形成する工程と、前記着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスとなる部分に、レーザ光源から波長340〜380nmのレーザ光を照射して露光描画する工程と、前記着色塗膜の未露光部分を除去してフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成する工程と、前記着色塗膜の残存部分を硬膜する工程とを具備することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記レーザ光源が、波長343nmの固体(YAG)レーザ、351nm(XeF)エキシマレーザ、355nmの固体(YAG)レーザ、または375nmの半導体レーザのいずれかであることを特徴とする請求項3に記載するカラーフィルタの製造方法である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、請求項3または4に記載する製造方法により作製され、フィルタセグメントおよび/またはブラックマトリックスを具備することを特徴とするカラーフィルタである。
本発明の着色組成物を用いることで、フォトマスクの小型化もしくはマスクレス化が可能であり、コスト低減が期待できるレーザ露光方式において、高感度であっても、パターンの直線性と断面形状に優れたフィルタセグメントおよびブラックマトリックスを形成することができる。また、本発明のレーザ露光方式によるカラーフィルタの製造方法では、プロキシミティ露光方式で使われているフォトマスクよりも小さなフォトマスク、またはフォトマスク無しでパターン形成が可能であるため低コストで高品質のカラーフィルタを製造することが可能となる。
本発明の着色組成物について以下に詳細に説明する。本発明の着色組成物は、基板上に着色組成物を用いて着色塗膜を形成する工程と、着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスとなる部分に、波長340〜380nmのレーザを照射して露光描画する工程と、着色塗膜の未硬化部分を除去して、断面形状が順テーパー形状のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成する工程と、着色塗膜の残存部分を硬膜する工程とを具備するカラーフィルタの製造方法に用いられる着色組成物であって、少なくとも顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤および重合禁止剤を含有する着色組成物であり、該着色組成物に用いられる透明樹脂が、共重合される原料化合物の合計質量を100%として5〜35質量%のメチル(メタ)クリレートを含有してなる共重合体樹脂であり、且つ、その質量平均分子量が8000〜15000の共重合体樹脂であることを特徴とする。以下、本発明の着色組成物の各成分について説明する。
[顔料]
本発明の着色組成物に含有される顔料としては、一般に市販されている有機顔料を用いることができ、形成するフィルタセグメントの色相に応じて、染料、天然色素、無機顔料を併用することができる。有機顔料としては、発色性が高く、且つ耐熱性、特に耐熱分解性
の高いものが好適に用いられる。有機顔料は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。また、有機顔料は、ソルトミリング、アシッドペースティング等により微細化したものであってもよい。
以下に、本発明の着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス(C.I.)番号で示す。
本発明の着色組成物を用いて赤色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、122、123、146、149、168、177、178、179、184、185、187、192、200、202、208、210、216、220、223、224、226、240、254、255、264、272等の赤色顔料を用いることができる。赤色着色組成物には、黄色顔料、オレンジ色顔料を併用することができる。
本発明の着色組成物を用いて緑色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.Pigment Green 7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができる。緑色着色組成物には黄色顔料を併用することができる。
本発明の着色組成物を用いて青色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、64、80等の青色顔料を用いることができる。青色着色組成物には紫色顔料を併用することができる。
本発明の着色組成物を用いて黄色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214等の黄色顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物を用いて紫色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物を用いてマゼンタ色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.Pigment Red 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、146、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272等の顔料を用いることができる。マゼンタ色着色組成物には黄色顔料を併用することができる。
本発明の着色組成物を用いてシアン色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.Pigment Blue 15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、80等の顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物を用いてオレンジ色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I.Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73等の顔料を用いることができる。
本発明の着色組成物を用いてブラックマトリックスを形成する場合には、カーボンブラック、アニリンブラック、アントラキノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、具体的にはC.I.ピグメントブラック1、6、7、12、20、31等を用いることができる。黒色着色組成物には、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料の混合物を用いることもできる。黒色顔料としては、価格、遮光性の大きさからカーボンブラックが好ましく、カーボンブラックは、樹脂などで表面処理されていてもよい。また、色調を調整するため、黒色着色組成物には、青色顔料や紫色顔料を併用することができる。
本発明の着色組成物では、その全不揮発成分中における顔料成分の濃度は、充分な色再現性を得る観点から、好ましくは10〜90質量%であり、より好ましくは15〜85質量%であり、最も好ましくは20〜80質量%である。顔料成分の濃度が10質量%未満になると、充分な色再現性が得にくくなり、90質量%を超えると顔料担体(透明樹脂およびモノマー)の濃度が低くなり、着色組成物の安定性が悪化する傾向となる。
着色組成物には、彩度と明度のバランスをとりつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、無機顔料を含有させることができる。無機顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等が挙げられる。無機顔料は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。無機顔料は、顔料100質量部に対して、0.1〜10質量部の量で用いることができる。また、本発明の着色組成物には、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。染料は、顔料100質量部に対して、0.1〜10質量部の量で用いることができる。
[透明樹脂]
本発明の着色組成物に用いられる透明樹脂として、質量平均分子量が8000〜15000であり、メチル(メタ)アクリレートを含んだ共重合体樹脂であることを特徴とする。このとき、共重合体樹脂の質量平均分子量が8000以下の場合は、ガラスとの密着性が悪くなり、15000を超えると塗膜の柔軟性が失われ、パターンの断面形状がオーバーハングしてしまう。
また、本発明の着色組成物に用いられる透明樹脂は、共重合される原料化合物の合計質量を100質量%として、5〜35質量%のメチル(メタ)アクリレートを含有してなる共重合体樹脂であることを特徴とする。このとき、メチル(メタ)アクリレートの割合が5質量%未満では、塗膜の柔軟性が十分に付与されず、溶剤への耐クラック性が低下し、35%を超えると、塗膜の柔軟性が過度となり、溶剤に顔料が溶出し、色差が大きく変化する傾向となる
このとき、顔料に対する分散性および耐薬品性を付与するために、メチル(メタ)アクリレートに対して以下のモノマーを用いて共重合体樹脂を合成することが可能である。
ベンジル(メタ)アクリレ−トとしてフェノ−ルのエチレンオキサイド(EO)変性(メタ)アクリレ−ト、パラクミルフェノ−ルのEOまたはプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレ−ト、ノニルフェノ−ルのEO変性(メタ)アクリレ−ト、ノニルフェノ−ルのPO変性(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステルを用いることができる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、グリシジル(メタ)アクリレ−ト、イソボニル(メタ)アクリレ−ト、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレ−ト、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレ−ト、アシッドホスホオキシポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。これらのモノマーは、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
以上説明した共重合体樹脂は、殆ど全ての顔料に優れた分散効果および耐薬品性を発揮するため、この樹脂中に顔料を分散してなる本発明の一実施形態に係る感光性着色組成物を用いたカラーフィルタには、顔料凝集物が少なく、膜厚均一性および耐薬品性に優れている。このような共重合体樹脂は、着色材100質量部に対して、30〜800質量部の割合で用いることができる。
さらに本特許の着色組成物には上記共重合体樹脂以外の透明樹脂を、透明樹脂全体の50質量%未満含有することができ、この樹脂の特徴として、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。この透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および感光性樹脂が含まれ、これらを単独または2種以上混合して用いることもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有する樹脂であり、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基、カルボキシル基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等のエチレン性不飽和二重結合を有する官能基を前記高分子に導入した樹脂が挙げられる。具体的には、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体および他のエチレン性不飽和単量体を共重合した共重合体に、水酸基と反応可能な官能基及びエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を反応させることにより得られるものがある。水酸基と反応可能な官能基としては、イソシアネート基、カルボキシル基等が挙げられるが、特に反応性の点でイソシアネート基が好ましく、イソシアネート基及びエチレン性不飽和二重結合を有する化合物として具体的には、2−アクリロイルエチルイソシアネート、2−メタクリロイルエチルイソシアネート等が挙げられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合体やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
[エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー]
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。モノマーは、着色組成物の感度アップの観点から、エチレン性不飽和二重結合を4〜12個有することが好ましく、6〜12個がより好ましい。エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの含有量は、顔料100質量部に対して、10〜300質量部が好ましい。10質量部より少ないと、波長340〜380nmのレーザを用いた場合でさえも感度が十分でなく、それを補うために露光エネルギー(強さや時間)を上げる必要があり画素荒れの原因となる場合がある。一方、300質量部より多いと、波長340〜380nmのレーザに対する感度が強すぎ、フィルタセグメントやブラックマトリックス(以下、まとめて画素という。)の直線性が悪化したり、画素の断面形状が悪化したりする場合がある。より好ましくは10〜200質量部である。
また、前記透明樹脂の質量(P)に対するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの質量(M)の比(M/P)は、0.10〜3.00が好ましい。M/Pが0.10より小さいと、波長340〜380nmのレーザを用いた場合でさえも感度が十分でなく、画素の剥れが生じる可能性が高く、それを補うために露光エネルギー(強さや時間)を上げる必要があり画素荒れの原因となる場合がある。より好ましくは0.20以上であり、0.30以上が特に好ましい。一方、M/Pが3.00より大きいと、波長340〜380nmのレーザに対する感度が強すぎ、画素形状が悪化する場合がある。より好ましくは2.50以下である。また、顔料、樹脂、およびエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの組み合わせによっては、M/Pが大きいと現像性の低下を引き起こす場合がある。このような場合、M/Pは1.40以下が好ましく、1.20以下が特に好ましい。
[光重合開始剤]
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンなどのアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジンなどのトリアジン系光重合開始剤、1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−アセテート、1−〔4−(2−メチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−アセテート、1−〔4−(2,4,6−トリメチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−アセテート、1−〔4−(2−エチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−アセテート、1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔4−(2−メチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔4−(2,4,6−トリメチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔4−(2−エチルフェニルチオ)フェニル〕−オクタン−1−オン−2−オンオキシム−O−ベンゾエート、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル−、2−(O−ベンゾイルオキシム)]、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−エチル−6−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)などのオキシムエステル系光重合開始剤、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィン系光重合開始剤、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノンなどのキノン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤などが用いられる。これらの光重合開始剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
高感度化の観点からは、上記のなかでも1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)などのオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤の含有量は、顔料100質量部に対して、0.3〜200質量部が好ましい。0.3質量部より少ないと、波長340〜380nmのレーザを用いた場合でさえも感度が充分でなく、それを補うために露光エネルギー(強さや時間)を上げる必要があり画素荒れの原因となる場合がある。より好ましくは1質量部以上であり、5質量部以上が特に好ましい。一方、200質量部より多いと、波長340〜380nmのレーザに対する感度が強すぎ、画素の直線性が悪化したり、画素の断面形状が悪化したりする場合がある。より好ましくは150質量部以下である。
また、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの質量(M)に対する光重合開始剤の質量(I)の比(I/M)は、0.005〜1.50が好ましい。I/Mが0.005より小さいと、波長340〜380nmのレーザを用いた場合でさえも感度が充分でなく、画素の剥れが生じる可能性が高く、それを補うために露光エネルギー(強さや時間)を上げる必要があり画素荒れの原因となる場合がある。より好ましくは0.010以上であり、0.020以上が特に好ましい。一方、I/Mが1.50より大きいと、波長340〜380nmのレーザに対する感度が強すぎ、画素形状が悪化する場合がある。より好ましくは1.20以下であり、1.00以下が特に好ましい。
上記光重合開始剤には増感剤を併用することが可能であり、増感剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミン系化合物が挙げられる。これらの増感剤は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。増感剤の含有量は、光重合開始剤100質量部に対して0.1〜60質量部が好ましい。
[重合禁止剤]
重合禁止剤は、組成物のゲル化防止など、安定化剤として一般的に用いられるが、本発明の着色組成物においては、露光時にマスクの回折光による感光を防ぐ目的で使用される。重合禁止剤としては、カテコール、レゾルシノール、1,4−ヒドロキノン、2−メチルカテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−エチルカテコール、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−プロピルカテコール、3−プロピルカテコール、4−プロピルカテコール、2−n−ブチルカテコール、3−n−ブチルカテコール、4−n−ブチルカテコール、2−tert−ブチルカテコール、3−tert−ブチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、3,5−ジ−tert−ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、2−プロピルレゾルシノール、4−プロピルレゾルシノール、2−n−ブチルレゾルシノール、4−n−ブチルレゾルシノール、2−tert−ブチルレゾルシノール、4−tert−ブチルレゾルシノール等のアルキルレゾルシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィンなどのホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどのホスファイト化合物、ピロガロール、フロログルシンなどが挙げられる。
上記重合禁止剤の中では、カテコール、レゾルシノール、1,4−ヒドロキノンとアルキルカテコール系化合物、アルキルレゾルシノール系化合物、アルキルヒドロキノン系化合物が好適に用いられる。特に好ましいものは、1,4−ヒドロキノンとアルキルヒドロキノン系化合物である。上記重合禁止剤は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
重合禁止剤の含有量は、着色組成物の溶剤を除いた質量100質量部に対して、0.01〜0.4質量部が好ましい。0.01質量部より少ないと、波長340〜380nmのレーザを用いた場合、回折光による感光を防止する効果が得られない場合がある。より好ましくは0.05質量部以上である。一方、0.4質量部より多いと、波長340〜380nmのレーザに対する着色組成物の感度が低下する場合がある。より好ましくは0.3質量部以下である。
重合禁止剤は、一般に市販の透明樹脂やエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー中に微量に含まれているが、本発明においては、市販の透明樹脂やエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー中に含まれる重合禁止剤とは別に重合禁止剤を含ませるものである。
したがって、ここでいう前記重合禁止剤の含有量とは、市販の前記透明樹脂やエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー中に含まれる化合物を除いた質量である。
[任意成分]
本発明の着色組成物には、多官能チオールを含有させてもよい。多官能チオールは、チオール(SH)基を2個以上有する化合物であればよい。多官能チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、顔料100質量部に対して0.05〜100質量部が好ましく、より好ましくは1.0〜50.0質量部である。0.05質量部未満では、波長340〜380nmのレーザを用いた場合でさえも、連鎖移動剤の効果が小さく、100質量部より多くても、重合開始機能は向上しないうえ、現像性、密着性等が不十分になる。
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.1〜10質量部の量で用いることができる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。シランカップリング剤は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部の量で用いることができる。
本発明の着色組成物には、顔料を充分に組成物中に分散させ、ガラス基板等の基板上に
乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成することを容易にするために、溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えば1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
透明樹脂に顔料を分散する際には、適宜、界面活性剤、樹脂型顔料分散剤、色素誘導体等の分散剤が使用できる。分散剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散剤を用いて顔料を透明樹脂および有機溶剤中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。顔料分散剤は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.1〜40質量部、好ましくは0.1〜30質量部の量で用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫
酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、透明樹脂と相溶性のある部位とを有する樹脂であり、顔料に吸着して顔料の透明樹脂への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
市販の樹脂型顔料分散剤としては、ビックケミー社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13240、13650、13940、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32600、34750、36600、38500、41000、41090、53095等、エフカケミカルズ社製のEFKA−46、47、48、452、LP4008、4009、LP4010、LP4050、LP4055、400、401、402、403、450、451、453、4540、4550、LP4560、120、150、1501、1502、1503等が挙げられる。
色素誘導体は、有機色素に置換基を導入した化合物である。このような有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
[着色組成物の作製]
本発明の着色組成物は、顔料を、必要に応じて上記顔料分散剤と共に透明樹脂および溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分
散手段を用いて微細に分散し、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、重合禁止剤、および光重合開始剤を添加して製造することができる。また、2種以上の色素を含む着色組成物は、各色素を別々に、透明樹脂および溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
次いで、前記着色組成物を用いた、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に、前記着色組成物を用いて着色塗膜を形成する工程と、前記着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスとなる部分に、レーザ光源から波長340〜380nmのレーザ光を照射して露光描画する工程と、前記着色塗膜の未露光部分を除去してフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成する工程と、前記着色塗膜の残存部分を硬膜する工程とを有するものである。
また、本発明の方法で製造されるカラーフィルタは、基板上に、本発明の着色組成物から形成されるフィルタセグメントおよび/またはブラックマトリックスを備えるものである。フィルタセグメントの色は、赤色、緑色、青色、黄色、紫色、マゼンタ色、シアン色、オレンジ色などから2〜6色程度選択される。同色系の色で、濃度の違うフィルタセグメントが形成されていてもよい。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法の各工程について説明する。
[着色塗膜形成工程]
着色塗膜形成工程では、基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の公知の塗布方法により、本発明の着色組成物を均一に塗布する。その後、溶剤成分を除去するため必要に応じて、減圧乾燥処理やプリベーク処理を施し基板上に着色塗膜を形成する。
カラーフィルタの基板としては、可視光に対して透過率の高いソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
[露光・描画工程]
露光・硬化工程では、前記着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスとなる部分に波長340〜380nmのレーザを照射して露光描画する。具体的には、大サイズの基板上に形成された着色塗膜に、この膜と接触あるいは非接触状態で、所定のパターンを有する基板と比較して小さいフォトマスクを介して分割露光で波長340〜380nmのレーザ光を照射し前記着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスとなる部分を硬化させる。
レーザの波長は、340〜380nmである。340〜380nmの波長を有するレーザ光源としては、半導体レーザ、YAG(固体)レーザ、気体レーザ(アルゴンレーザ、ヘリウムネオンレーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ)などの公知のレーザを用いることができる。本発明の着色組成物に対しては、固体(YAG)レーザでは343nm、355nmが用いられ、エキシマレーザでは351nm(XeF)が用いられ、さらに半導体レーザでは375nmが用いられる。この中でも安定性、コスト等の点からレーザの
波長は355nmがより好ましい。
レーザは1回あるいは複数回に分けて、着色塗膜に照射することができる。着色塗膜は、膜を分解しない程度のエネルギーを与えて硬化させることが必須である。本発明の着色組成物に対して用いられるレーザの1パルス当たりのエネルギー密度は0.1mJ/cm以上1000mJ/cm以下であることが好ましい。塗膜を十分に硬化させるには、0.3mJ/cm以上がより好ましい。さらに、アブレーション現象により着色塗膜を分解させないようにするには、積算露光量は150mJ/cm以下が好ましい。
また、パルス幅は0.1nsec以上3000nsec以下であることが好ましい。アブレーション現象により着色塗膜を分解させないようにするには、0.5nsec以上がより好ましく、1nsec以上が最も好ましい。スキャン露光の際に、合わせ精度を向上させるには、1000nsec以下がより好ましく、50nsec以下が最も好ましい。さらに、レーザの周波数は1Hz以上5000Hz以下であることが好ましく、露光処理時間を短くするには、10Hz以上がより好ましい。スキャン露光の際に、合わせ精度を向上させるには、1000Hz以下がより好ましい。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、レーザを複数回に分けて、着色組成物に照射することができる。アブレーション現象を抑制するためには、レーザのパルスエネルギーを低く抑え、複数回繰り返すことが有効な手段であり、積算露光量は1〜150mJ/cmであることが好ましく、1〜50mJ/cmであることが最も好ましい。積算露光量が150mJ/cmを超えると、アブレーション現象により着色塗膜の分解が進行し、最終的に十分な膜厚のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスが得られない。一方、着色組成物とのマッチングが良ければ、最低積算露光量が1mJ/cmまでは膜が形成される。
[未硬化部分の除去工程]
その後、従来公知の現像方法により青色感光性樹脂組成物の未露光部分を除去し、硬膜処理を施すことによりフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成する。未露光部分の除去に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像後、加熱処理を施して硬膜させる工程を設ける。加熱方法としてはコンベクションオーブン、ホットプレート、ハロゲンヒータ、IRオーブンによる加熱等が利用でき、特に限定されるものではない。ここで、硬膜処理を施す条件は、200〜250℃で10分〜60分間加熱することが好ましい。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。なお、実施例および比較例中、「部」および「%」とは「質量部」および「質量%」をそれぞれ意味する。
まず、実施例および比較例で用いたアクリル樹脂溶液および顔料分散体の調製について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の質量平均分子量である。
[アクリル樹脂の合成]
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2,2
'−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、反応温度と反応時間を変化させ、質量平均分子量が40000のメチルメタクリレートを10質量%含んだアクリル樹脂溶液であるアクリル樹脂A、質量平均分子量が9300のメチルメタクリレートを10質量%含んだアクリル樹脂溶液であるアクリル樹脂B、質量平均分子量が19000のメチルメタクリレートを10質量%含んだアクリル樹脂溶液であるアクリル樹脂Cを得た。
[顔料分散体の調製]
表1に示す組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、赤色顔料分散体R−1、緑色顔料分散体G−1、青色顔料分散体B−1、および黒色顔料分散体BM−1を調製した。
Figure 0005564825
表1において、以下の通りである。
・PR254: ジケトピロロピロール系顔料
(C.I.Pigment Red 254)
(チバ・ジャパン社製「イルガフォーレッドB−CF」)
・PR177: アントラキノン系顔料
(C.I.Pigment Red 177)
(チバ・ジャパン社製「クロモフタールレッドA2B」)
・PG36 : ハロゲン化銅フタロシアニン系顔料
(C.I.Pigment Green 36)
(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)
・PB15:6: ε型銅フタロシアニン顔料
(C.I.Pigment Blue 15:6)
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
・PY150: ニッケルアゾ錯体系顔料
(C.I.Pigment Yellow 150)
(ランクセス社製「E4GN」)
・CB : カーボンブラック
(C.I.Pigment Black 7)
(三菱化学社製「MA11」)
・顔料分散剤: 日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」)
・アクリル樹脂A:質量平均分子量が40000のアクリル樹脂溶液
・有機溶剤 : シクロヘキサノン
<実施例1〜4、比較例1〜4>
先に調製した顔料分散体R−1、G−1、B−1、BM−1を含む、表2に示す処方の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、各色着色組成物を得た。
Figure 0005564825
表2において、以下の通りである。
・顔料分散体:先に調製した顔料分散体
・アクリル樹脂B:質量平均分子量が9300のアクリル樹脂溶液
・アクリル樹脂C:質量平均分子量が19000のアクリル樹脂溶液
・光重合開始剤1:エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)
(チバ・ジャパン社製「イルガキュアOXE02」)
・光重合開始剤2:2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モ
ルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン
(チバ・ジャパン社製「イルガキュア379EG」)
・モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(東亞合成社製「アロニックスM−402」)
・重合禁止剤1%溶液:メチルヒドロキノン
(精工化学社製「MH」)の1%シクロヘキサノン溶液
・有機溶剤:シクロヘキサノン
[フィルタセグメントおよびブラックマトリックスの形成]
得られた各色着色組成物を10cm×10cmのガラス基板上にスピンコータで約2.5μmの厚さに塗布し、70℃のオーブン内に15分間静置し、余剰の溶剤を除去乾燥させた。次いで、着色組成物塗膜から150μmの間隔を介して、フィルタセグメントの場合は100μmのストライプ状のフォトマスクを、ブラックマトリックスの場合は20μmのストライプ状のフォトマスクをセットし、波長355nmのYAGレーザを照射した。このとき露光量を10mJ/cmから100mJ/cmまで10mJ/cmきざみで変化させた。尚、レーザ装置は、株式会社ブイテクノロジー社製の「RIGEL」を使用し、1パルス当たりのエネルギー密度1mJ/cm2、パルス幅7nsec、周波数50Hz、露光量30mJ/cm2で照射した。露光量は、OPHIR社製の「PE10B-V2」を用いて測定した。さらに、0.2%の炭酸ナトリウム水溶液からなる現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、各色フィルタセグメントおよびブラックマトリックスを形成した。
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた着色組成物について、下記の方法で、感度、断面形状を評価した。結果を表3に示す。
Figure 0005564825
[感度:必要最低露光量]
上記実施例および比較例で得られたフィルタセグメントあるいはブラックマトリックスの現像後の膜厚が、塗工後の膜厚の90%以上となる最小の照射露光量を必要最低露光量として、感度を評価した。
[断面形状]
上記実施例、比較例にて必要最低露光量で形成されたフィルタセグメントあるいはブラックマトリックスを230℃で30分加熱し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、その断面形状を観察し、以下の基準で評価した。
○:順テーパー形状で基板とフィルタセグメントあるいはブラックマトリックスの成す角が30゜以上80゜未満である。
×:順テーパー形状で基板とフィルタセグメントあるいはブラックマトリックスの成す角が80゜以上か、逆テーパー形状である。
<比較結果>
表3に示すように、実施例1〜4および比較例1〜4の着色組成物は、全て必要最低露光量が50mJ/cm以下と高感度であった。このとき、断面形状については、実施例1〜4の着色組成物では、実用上問題のない順テーパー形状のフィルタセグメントおよびブラックマトリックスが形成できた。一方、比較例1〜4の着色組成物では、フィルタセグメントあるいはブラックマトリックスの成す角が80゜以上、または逆テーパー形状という不良であった。

Claims (5)

  1. 着色塗膜が波長340〜380nmのレーザ光を照射することにより露光描画され、少なくとも着色材、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤および重合禁止剤を含有する着色組成物において、
    前記透明樹脂が、共重合される原料化合物の合計質量を100%として5〜35質量%のメチル(メタ)アクリレートを含有してなる共重合体樹脂であり、且つ、その質量平均分子量が8000〜15000の共重合体樹脂であることを特徴とする着色組成物。
  2. 前記重合禁止剤が1,4−ヒドロキノンおよび/またはアルキルヒドロキノン系化合物であることを特徴とする請求項1に記載する着色組成物。
  3. 基板上に、請求項1または2に記載する着色組成物を用いて着色塗膜を形成する工程と、前記着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスとなる部分に、レーザ光源から波長340〜380nmのレーザ光を照射して露光描画する工程と、前記着色塗膜の未露光部分を除去して、断面形状が順テーパー形状のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成する工程と、前記着色塗膜の残存部分を硬膜する工程とを具備することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記レーザ光源が、波長343nmの固体(YAG)レーザ、351nm(XeF)エキシマレーザ、355nmの固体(YAG)レーザ、または375nmの半導体レーザのいずれかであることを特徴とする請求項3に記載するカラーフィルタの製造方法。
  5. 請求項3または4に記載する製造方法により作製され、フィルタセグメントおよび/またはブラックマトリックスを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
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