JP5459949B2 - 着色組成物、カラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本実施形態に係る着色組成物に含まれる顔料としては、一般に市販されている有機顔料を用いることができ、形成するフィルタセグメントの色相に応じて、染料、天然色素、無機顔料を併用することができる。
本実施形態に係る着色組成物に含まれる透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上のものを用いることができる。透明樹脂には、非感光性透明樹脂および感光性透明樹脂が含まれ、これらを単独で用いることもできるが、2種以上を混合して用いることが好ましい。
本実施形態に係る着色組成物に含まれる4つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマーは、波長308nm(XeCL)のエキシマレーザを照射することにより硬化する成分である。4つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマーとしては、4つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマーとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル等が代表例に挙げられる。
本実施形態に係る着色組成物に含まれる光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等を用いることができる。光重合開始剤は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本実施形態に係る着色組成物に含まれる多官能チオールとしては、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、1,4−-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトール テトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、1,3,5-トリス(3-メルカブトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンなどが挙げられる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。また、多官能チオールは、着色組成物の感度アップの観点から、1分子中にチオール基を3個以上有することが好ましい。
本実施形態に係る着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために、貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
本実施形態に係る着色組成物は、顔料を、必要に応じて上記顔料分散剤と共に透明樹脂および有機溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散し、光重合開始剤を添加して製造することができる。また、2種以上の色素を含む着色組成物は、各色素を別々に、透明樹脂および有機溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
本実施形態に係る着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
着色塗膜形成工程では、スピンコート法やダイコート法によって、着色組成物を塗布し、必要に応じて余分な溶剤を除去することにより、基板上に着色塗膜を形成する。
露光・硬化工程では、着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスとなる部分に、波長308nm(XeCL)のエキシマレーザを照射して硬化させる。具体的には、大サイズの基板上に形成された着色塗膜に、基板と比較して小さいフォトマスクを介してエキシマレーザを照射し、着色塗膜のフィルタセグメントまたはブラックマトリックスとなる部分を硬化させる。
未硬化部分の除去工程では、着色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントまたはブラックマトリックスを形成する。未硬化部分の除去に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、非感光性透明樹脂溶液を得た。
シクロヘキサノン520部を収容する反応容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱し、同温度でメタクリル酸7.0部、メチルメタクリレート7.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート63.0部、グリセロールモノメタクリレート66.0部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下し、重合反応を行った。
下記表1に示す組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、赤色顔料分散体R−1、緑色顔料分散体G−1、青色顔料分散体B−1、および黒色顔料分散体BM−1を調製した。
(チバ・ジャパン社製「イルガフォーレッドB−CF」)
PR177:アントラキノン系顔料(C.I. Pigment Red 177)
(チバ・ジャパン社製「クロモフタールレッドA2B」)
PG36:ハロゲン化銅フタロシアニン系顔料(C.I. Pigment Green 36)
(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)
PB15:6:ε型銅フタロシアニン顔料(C.I. Pigment Blue 15:6)
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
PY150:ニッケルアゾ錯体系顔料(C.I. Pigment Yellow 150)
(ランクセス社製「E4GN」)
CB :カーボンブラック(C.I. Pigment Black 7)
(三菱化学社製「MA11」)
顔料分散剤:日本ルーブリゾール社製「ソルスパース20000」)
非感光性透明樹脂溶液:先に調製した非感光性透明樹脂溶液
溶剤:シクロヘキサノン
[実施例1〜16、比較例1〜8]
先に調製した顔料分散体R−1、G−1、B−1、BM−1を含む、下記表2及び表3に示す処方の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、各色着色組成物を得た。
非感光性透明樹脂溶液:先に調製した非感光性透明樹脂溶液
感光性透明樹脂溶液:先に調製した感光性透明樹脂溶液
光重合開始剤:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
(チバ・ジャパン社製「イルガキュア379」)
多官能モノマー:下記表4に示す多官能モノマー
多官能チオール:下記表4に示す多官能チオール
有機溶剤:シクロヘキサノン
得られた各色着色組成物を10cm×10cmのガラス基板上にスピンコータで約2μmの厚さに塗工し、70℃のオーブン内に15分間静置し、余剰の溶剤を除去乾燥させた。次いで、着色組成物塗膜から150μmの間隔に配置された、フィルタセグメントの場合は幅100μmのストライプ状のフォトマスクを、ブラックマトリックスの場合は幅20μmのストライプ状のフォトマスクを通して、波長308nm(XeCL)のエキシマレーザを、着色組成物塗膜に照射した。尚、エキシマレーザ装置は、コヒレント社製の「LAMBADA SX200C」を使用し、露光量はコヒレント社製の「3シグマ(本体)J25LP-MUV(センサヘッド)」を用いて測定した。
表5に示す実施例1〜16及び比較例1〜8に係る着色組成物用いて形成されたフィルタセグメントあるいはブラックマトリックスのパタ−ンが、フォトマスクの画像寸法通りに仕上がる照射露光量をもってレジストの感度とした。評価のランクは下記通りである。その結果を下記表5及び表6に示す。
○:30mJ/cm2以上60mJ/cm2未満
△:60mJ/cm2以上100mJ/cm2未満
×:100mJ/cm2以上
[パターン形状評価]
表5に示す実施例1〜16及び比較例1〜8に係る着色組成物用いて形成されたフィルタセグメントあるいはブラックマトリックスについて、フォトマスクの画素寸法とおりに仕上がる照射露光量で形成されたフィルタセグメントあるいはブラックマトリックスの(1)直線性については光学顕微鏡を用いて、(2)断面形状については走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、パターン形状を4段階で評価した。評価基準は、下記の通りである。その結果を下記表5及び表6に示す。
○:直線性良好
△:部分的に直線性不良
×:直線性不良
××:画素がほとんど形成されない
(2)断面形状
○:順テーパー形状(断面が台形で、露光した面が小さい)
△:逆テーパー形状(断面が台形で、露光した面が大きい)
×:画素は出来ているが形状を判定するのは困難
××:画素がほとんど形成されない
Claims (7)
- 基板上に着色組成物を塗布して着色塗膜を形成する工程と、前記着色塗膜のフィルタセグメントの形成予定領域に、波長308nm(XeCL)のエキシマレーザを照射して硬化させる工程と、前記着色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する工程とを具備するカラーフィルタの製造方法に用いられる、フィルタセグメント用の着色組成物であって、
顔料、透明樹脂、4つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する多官能モノマー、光重合開始剤および多官能チオールを含有し、波長308nm(XeCL)のエキシマレーザによる100mJ/cm 2 未満の照射露光量により硬化可能であることを特徴とする着色組成物。 - 前記多官能チオールの含有量が着色組成物の全固形分量を基準として0.7重量%以上10.0重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の着色組成物。
- 前記透明樹脂の重量(P)に対する前記多官能モノマーの重量(M)の比(M/P)が、0.60以上2.00以下の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の着色組成物。
- 前記多官能モノマーの重量(M)に対する光重合開始剤の重量(I)の比(I/M)が、0.05以上0.50以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の着色組成物。
- 前記透明樹脂が非感光性樹脂と感光性樹脂との2種を併用したものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の着色組成物。
- 基板上に、請求項1〜5のいずれかに記載の着色組成物を塗布した着色塗膜に所定のパターンを露光して硬化し、未硬化部分を除去することにより形成されたフィルタセグメントを備えることを特徴とするカラーフィルタ。
- 基板上に請求項1〜5のいずれかに記載の着色組成物を塗布して着色塗膜を形成する工程と、
前記着色塗膜のフィルタセグメントとなる部分に、波長308nm(XeCL)のエキシマレーザを照射して硬化させる工程と、
前記着色塗膜の未硬化部分を除去してフィルタセグメントを形成する工程と
を具備することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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