JP2015122476A - 熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換モジュール - Google Patents

熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】Teよりも毒性が低い元素で構成される材料であって、且つBiTeに匹敵するゼーベック係数を有する熱電変換材料を提供する。
【解決手段】フルホイスラー合金であって、組成式Fe2+σTi1+ySi1+zで表わされ、Fe−Ti−Siの三元合金状態図において、at%で、(Fe,Ti,Si)=(50,37,13)、(50,14,36)、(45,30,25)、(39.5,25,35.5)、(54,21,25)、(55.5,25,19.5)で囲まれた領域内となるようなσ、y、zを有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換モジュールに関する。
近年、地球温暖化現象の原因物質だと考えられているCO削減に関する国際的関心が高まっており、COを大量に排出する資源エネルギーから、自然エネルギーや熱エネルギーの再利用などの次世代エネルギーへ移行するための技術革新が進んでいる。次世代エネルギー技術の候補としては、太陽光、風力などの自然エネルギーを利用した技術、資源エネルギーの利用によって排出される熱や振動等の一次エネルギーの損失分を再利用する技術が考えられている。
従来の資源エネルギーは大規模な発電施設を主体とした集中型エネルギーであったのに対し、次世代エネルギーの特徴は、自然エネルギー、再利用エネルギー双方とも偏在した形態をとっていることである。現代のエネルギー利用において、利用されずに排出されるエネルギーは一次エネルギーの約60%にも上り、その形態は主に排熱である。したがって、一次エネルギーにおける次世代型エネルギーの割合を増加させると同時に、エネルギーの再利用技術、特に排熱エネルギーを電力に変換する技術の向上が求められている。
排熱のエネルギー利用を考えた時、排熱はさまざまな場面で生じるため、設置形態に関する汎用性の高い発電システムが必要となる。その有力な候補技術として熱電変換技術が上げられる。
熱電変換技術の基幹部は、熱電変換モジュールである。熱電変換モジュールは、熱源に近接して配置され、モジュール内に温度差が生じることにより発電する。熱電変換モジュールは、温度勾配に対し高温側から低温側に向かって起電力を発生させるn型熱電変換材料と、起電力の向きがn型とは逆のp型熱電変換材料とが交互に並んだ構造をとる。
熱電変換モジュールの最大出力Pは、モジュールに流入する熱流量Qと熱電変換材料の変換効率ηの積で決定される。熱流量Qは、熱電変換材料に適したモジュール構造に依存する。また、変換効率ηは材料のゼーベック係数S、電気抵抗率ρ、熱伝導率κで決定される無次元の変数ZTに依存する。したがって、変換効率を向上させるためには、熱電変換材料の物性値を向上させることが必要となる。
上記課題に対してこれまで多くの熱電変換材料の研究が成されてきた。実用化されている熱電変換材料として、BiTe合金がある。この材料は変換効率が高いが、BiおよびTeはともに高価であり、Teは極めて毒性が強いため、大量生産、低コスト化、環境負荷低減が困難である。したがって、BiTe合金に代わる高効率な熱電変換材料が求められている。下記特許文献1、2には、ホイスラー合金型の結晶構造を有する材料を採用した熱電変換材料について記載されている。
国際公開第WO2003/019681号 国際公開第WO2013/093967号
従来のホイスラー合金はTeよりも毒性は低いものの、必ずしもBiTeに匹敵する特性が得られるものではなかった。
本発明は、Teよりも毒性が低い元素で構成される材料であって、且つBiTeに匹敵するゼーベック係数を有する熱電変換材料、及びそれを用いることによりBiTeを用いた場合に匹敵する熱電変換効率を有する熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
上記本発明の目的を達成するための一実施形態として、フルホイスラー合金であって、組成式Fe2+σTi1+ySi1+zで表わされ、Fe−Ti−Siの三元合金状態図において、at%で、(Fe,Ti,Si)=(50,37,13)、(50,14,36)、(45,30,25)、(39.5,25,35.5)、(54,21,25)、(55.5,25,20.5)で囲まれた領域内{除く、(50,25,25)}となるようなσ、y、zを有することを特徴とする熱電変換材料とする。
また、フルホイスラー合金であって、組成式Fe2+σTi1+ySn1+zで表わされ、Fe−Ti−Snの三元合金状態図において、at%で、(Fe,Ti,Sn)=(50,37,13)、(50,14,36)、(45,30,25)、(39.5,25,35.5)、(54,21,25)、(55.5,25,20.5)で囲まれた領域内{除く、(50,25,25)}となるようなσ、y、zを有することを特徴とする熱電変換材料とする。
また、p型熱電変換部とn型熱電変換部を備え、
前記p型熱電変換部と前記n型熱電変換部はともにフルホイスラー合金であって、組成式Fe2+σTi1+ySi1+zで表わされ、Fe−Ti−Siの三元合金状態図において、at%で、(Fe,Ti,Si)=(50,37,13)、(50,14,36)、(45,30,25)、(39.5,25,35.5)、(54,21,25)、(55.5,25,20.5)で囲まれた領域内{除く、(50,25,25)}となるようなσ、y、zを有することを特徴とする熱電変換モジュールとする。
本発明によれば、Teよりも毒性が低い元素で構成される材料であって、且つBiTeに匹敵するゼーベック係数を有する熱電変換材料、及びそれを用いることによりBiTeを用いた場合に匹敵する熱電変換効率を有する熱電変換モジュールを提供することができる。
上記した以外の課題、構成、および効果は、以下の実施形態の説明により明らかになるであろう。
実施形態1に係る熱電変換モジュールの模式図であり、(a)は上部基板を取り付ける前の状態、(b)は上部基板を取り付けた後の状態を示す。 フルホイスラー合金の電子状態を第一原理計算によって求めた結果を示す図であり、(a)はFeVAl合金の場合、(b)FeTiSi合金あるいはFeTiSn合金の場合である。 Fe16TiSi合金のバンド構造から予想されるゼーベック係数のVEC依存性(計算値)を示す。 Fe16TiSi合金のバンド構造から予想されるゼーベック係数のVEC依存性(計算値)を示す。 Fe16TiSi合金のバンド構造から予想されるゼーベック係数のVEC依存性(計算値)を示す。 Fe15TiSi合金のバンド構造から予想されるゼーベック係数のVEC依存性(計算値)を示す。 Fe15TiSi合金のバンド構造から予想されるゼーベック係数のVEC依存性(計算値)を示す。 Fe17TiSi合金のバンド構造から予想されるゼーベック係数のVEC依存性(計算値)を示す。 Fe17TiSi合金のバンド構造から予想されるゼーベック係数のVEC依存性(計算値)を示す。 化学量論組成からの組成の変調量(Si増、Fe減の置換)に対するゼーベック係数の変化量を示す。 化学量論組成からの組成の変調量(Ti増、Fe減の置換)に対するゼーベック係数の変化量を示す。 化学量論組成からの組成の変調量(Si増、Ti減の置換)に対するゼーベック係数の変化量を示す。 化学量論組成からの組成の変調量(Ti増、Si減の置換)に対するゼーベック係数の変化量を示す。 化学量論組成からの組成の変調量(Fe増、Si減の置換)に対するゼーベック係数の変化量を示す。 化学量論組成からの組成の変調量(Fe増、Ti減の置換)に対するゼーベック係数の変化量を示す。 Fe−Ti−Si系フルホイスラー合金の三元合金状態図であり、数値計算でゼーベック係数に対する改善効果が高いと予想される範囲を示す。 実施の形態1に係るFe−Ti−Si系フルホイスラー合金の組成範囲を示す三元合金状態図である。 実施の形態1に係るFe−Ti−Si系フルホイスラー合金におけるゼーベック係数とVECの関係を示すグラフである。 熱電変換モジュールの上面図であり、(a)は全体概略図、(b)はp型熱電変換部、(c)はn型熱電変換部である。 p型熱電変換部の断面積とn型熱電変換部の断面積と和(総断面積)に対するp型熱電材料の面積の比を、Lをパラメータとして様々に変化させた場合における出力の変化を計算した結果を示すグラフである。 Lの値を、総断面積に対するp型熱電材料の面積の比をパラメータとして様々に変化させた場合における出力の変化を計算した結果を示すグラフである。 Lとn型熱電変換部の断面積の平方根の比を、総断面積に対するp型熱電材料の面積の比をパラメータとして様々に変化させた場合における出力の変化を計算した結果を示すグラフである。 Lとn型熱電変換部の断面積の平方根の比を、Lをパラメータとして様々に変化させた場合における出力の変化を計算した結果を示すグラフである。 Fe2+σ(Ti1−x1+y(Si1−w1+zの(σ,y,z)=(0,0,0)についてのバンド構造(上段)、及びゼーベック係数のΔVEC依存性と規格化出力因子のΔVEC依存性(下段)を示す図であり、(a)(d)はx=0.5、(b)(e)はx=0.25、(c)(f)はx=0.125の場合である。 実施の形態3に係る熱電変換材料のゼーベック係数とΔVECの関係を示す図である。
(実施の形態1)
<モジュール構成>
図1(a)(b)は、本発明の実施形態1に係る熱電変換モジュール10の模式図であり、図1(a)は上部基板14が取り付けられる前の状態を、図1(b)は上部基板14が取り付けられた後の状態を示す。熱電変換モジュール10は、p型熱電変換材料を用いて形成したp型熱電変換部11、n型熱電変換材料を用いて形成したn型熱電変換部12、電極13、上部基板14および下部基板15を備え、これらの部品が組み合わさって構成されている。図示しないが、組み上げられた部品を覆う様に躯体が設けられ、各熱電変換部から電気を取り出すために電極13の一部が躯体の外へ引き出されている。
p型熱電変換部11とn型熱電変換部12は、交互にかつ電気的に直列接続となるように、電極13を用いて接合し、配列する。p型熱電変換部11とn型熱電変換部12が直列接続された組をpn素子と呼ぶ。pn素子を上部基板14と下部基板15によって上下から挟みこむようにして、基板間にpn素子を設置する。熱は上部基板14と下部基板15を介して各熱電変換部へ伝わる構造になっている。このように各熱電変換部は、電気的には直列に配列され、熱的には並列に配列される。
<変換性能を向上させる原理>
次に、熱電変換材料の変換性能を向上させる原理について説明する。これまでBiTe合金に代わる材料候補は数多くが研究されてきたが、その中で低温領域において候補材料として挙げられるのが、一部のフルホイスラー合金である。FeVAl(Fe:鉄、V:バナジウム、Al:アルミニウム)に代表される熱電変換性能を有するフルホイスラー合金は、いわゆる擬ギャップと呼ばれる電子状態をもつ。この擬ギャップが熱電変換性能とどう関係するかを説明するため、一般に熱電変換性能と電子状態の関係を説明する。
熱電変換材料の性能指標は、ZTという無次元数を指標とし、下記式1で与えられる。
Figure 2015122476
ゼーベック係数Sが大きいほど、また電気抵抗率ρと熱伝導率κは小さいほど性能指標は大きくなる。ゼーベック係数S、電気抵抗率ρは物質の電子状態によって決定される物理量である。ゼーベック係数Sは、下記式2に表されるような関係をもつ。
Figure 2015122476
式2によれば、ゼーベック係数Sはフェルミ(Fermi)準位における状態密度(Densityof states)Nの絶対値に反比例し、そのエネルギー勾配に比例する。したがってFermi準位の状態密度が小さく、状態密度の立ち上がりが急激に変化する物質が、高いゼーベック係数Sを持つことが分かる。
一方、電気抵抗率ρは、下記式3に表されるような関係をもつ。
Figure 2015122476
式3によれば、電気抵抗率ρは状態密度Nに反比例するため、状態密度Nの絶対値が大きいエネルギー位置にFermi準位があるときに電気抵抗率ρは小さくなる。
ここで擬ギャップ電子状態について話を戻す。擬ギャップのバンド構造は、Fermi準位近傍の状態密度が極端に落ち込んでいる電子状態である。また、FeVAl系合金のバンド構造の特徴として、化合物の組成比を変化させたときに、バンド構造を大きく変化せずに、Fermi準位のエネルギー位置だけ変化するという固定バンドモデル(rigid band model)的な振る舞いをすると言われている。したがってFeVAl系合金は、化合物の組成比を変化させるか化合物の組成を変化させて電子ドープあるいはホールドープすることにより、状態密度が急峻に変化しかつ状態密度の絶対値が最適化するようなエネルギー位置にFermi準位を制御することができる。これにより、ゼーベック係数と比抵抗の関係を最適化することができる。電子ドープあるいはホールドープの制御は化合物の組成比から計算されるVEC(valence electron concentration :原子一個当たりの価電子数)を軸に制御出来る。VECの定義は化合物の総価電子数Zをユニットセル内の原子数aで割った値である。例えば、FeVAlの場合、各元素の価電子数はFe:8、V:5、Al:3であり、各元素のユニットセル内の原子数はFe:2個、V:1個、Al:1個であるため、Z=8×2+5×1+3×1=24と計算される。さらにa=2+1+1と計算されるため、VEC=6となる。化合物の組成比を変化させた時、VECの値は増減する。VECの増減は前述の固定バンドモデル(rigid band model)における電子ドープとホールドープと近似的には同等であることが知られており、VECの制御によりゼーベック係数の値や極性を変化させる事が出来る。具体的にはVECが6未満の時ホールドープとみなす事が出来る為、p型の熱電変換材料となる。一方でVECを6以上にするとn型の熱電変換材料となる。さらにVECを6付近で連続的に変化させた先行例から、VEC付近にp型、n型それぞれでゼーベック係数の極大値を取ることが分かっている。以上によりFeVAl系合金は、p型とn型双方を実現できる物質系である。そしてFeVAlが熱電変換性能を発揮せしめる急峻な状態密度の変化を引き起こすエネルギー準位を構成組成の変調と添加元素によるVEC制御によって積極的に用いることにより、さらなる性能の向上を見込むことができる。
熱伝導率κは、格子振動を通じて熱を伝える格子熱伝導率κpと、電子が媒体となって熱が伝わる電子熱伝導率κeの和とみなす事ができる。κeに関しては、ヴィーデマン・フランツ則により電気抵抗率が低いほど大きくなり、擬ギャップ電子状態に依存する。電子熱伝導率κeの低減はキャリア密度の制御により成すことができ、一般的にキャリア密度が1020/cmより小さい時にκeが最小になり、κpが支配的になる。しかし、キャリア密度の低減は同時に電気抵抗率を増大させるため、ZTの定義から電気抵抗率を増大と熱伝導率低減の釣り合いによりキャリア密度に応じたZTは極大値を持つ事が予想される。一方でκpは格子の大きさに依存することが、下記式4から分かっている。以上を総合すると、熱伝度率κは、以下のように表現できる。
Figure 2015122476
Figure 2015122476
式4、式5に示すように、試料の粒径が小さくなるほど熱伝導率κが小さくなることが分かる。この様にフルホイスラー合金は、合金の電子状態を制御し、試料粒径を小さくすることにより、飛躍的に熱電変換性能を向上させることができる。
以上に鑑みて、発明者等は熱電変換材料としてフルホイスラー合金を採用した。p型熱電変換部11の材料、n型熱電変換部12の材料それぞれにFeTiSi合金あるいはFeTiSn合金を用いることとした。FeTiSi合金あるいはFeTiSn合金は適正な組成と添加元素量を与えることでp型、n型双方について高いゼーベック係数を有している。
フルホイスラー合金の熱電変換特性を決定する擬ギャップ構造には、フラットバンドという特徴的なバンド構造が存在する。そのフラットバンドが主に熱電変換材料を決定していると考えられる。従って、フラットバンドを適切な状態に制御することにより、熱電変換特性が向上した新規の熱電変換材料を提案する事が出来る。
図2(a)(b)は、フルホイスラー合金の電子状態を第一原理計算によって求めた結果を示す図である。図2(a)はFeVAlの電子状態を示し、図2(b)は本発明の実施の形態に係るフルホイスラー合金であるFeTiSi合金あるいはFeTiSn合金の電子状態を示す。
図2(a)(b)に示すように、FeVAlからFeTiSi合金あるいはFeTiSn合金へ合金組成を変更する事でフラットバンドをフェルミ準位近傍に近づけることができる。その結果、フェルミ準位近傍の状態密度を急峻に変化させることができる。これにより、熱電変換特性、特にゼーベック係数が向上する。さらに擬ギャップのギャップ値を小さく制御出来るため、電気抵抗率が増大しないという利点がある。
これらバンド構造から予想されるゼーベック係数の計算値を図3A〜図3Gに示す。図3A〜図3Gは全て、第一原理計算を用いて計算したゼーベック係数のVEC依存性である。図3AはFe−Ti−Siフルホイスラー合金の化学量論組成(FeTiSi)について計算した結果を示している。これはすなわち図2(b)で示されたバンド構造から計算されたゼーベック係数である。この計算結果からFeVAlの事例と同様に適当なVEC値を取ることでゼーベック係数の極大値をとり、p型、n型になることが分かる。計算されたゼーベック係数Sの値はp型がS=+400uV/K、n型がS=−600uV/Kと従来のFeVAl系フルホイスラー合金と比較して3倍以上性能が向上していることがわかる。このゼーベック係数の増大はZTでは9倍の向上に相当する。さらに実用的なZTとなるゼーベック係数|S|=100uV/Kを越える範囲はVEC中心値に対してVEC=−0.02〜0.25である事が分かった。次に図3B〜図3Gに化学量論組成からFe、Ti、Siの組成比を適当にずらした非化学量論組成の電子状態計算結果を示す(なお、Siに代えてSnを用いても同様である。また、Siに代えてSiSnとしても同様である。)。具体的には32原子系を仮定し化学量論組成Fe16TiSiから原子1個ずつ入れ替えた組成を計算している。図3B〜図3Gは以下の組成、図3B:Fe16TiSi、図3C:Fe16TiSi、図3D:Fe15TiSi、図3E:Fe15TiSi、図3F:Fe17TiSi、図3G:Fe17TiSiで電子状態計算をした。非化学量論組成をとった場合でもそのゼーベック係数は高く、従来のFeVAl系フルホイスラー合金と比較して2.5〜3倍程度の水準を保っている。従って上記に示す非化学量論組成の変調量程度に化学量論組成から組成を変調しても適当な組成比を選べば性能が落ちないことが分かった。
さらに、Fe−Ti−Siホイスラー合金の化学量論組成から非化学量論組成へ変調方法によってはゼーベック係数の極大値が増大する事が発明者等の検討によって判明している為、それを説明する。また、Fe−Ti−Siホイスラー合金の化学量論組成から非化学量論組成へ変調によっては実用上十分な性能を有する事が発明者等の検討によって明らかになっている為、それについても併せて説明する。Fe−Ti−Siホイスラー合金の化学量論組成から非化学量論組成へ変調量に対するゼーベック係数の変化量のプロットを図4A〜図4Fに示す。なお、図4A〜図4Fの縦軸において、左側がp型の場合のゼーベック係数、右側がn型の場合のゼーベック係数を示す。この計算結果は32原子系の計算結果と同様に4、8、16、64、128原子系について元素一個置換した系の電子状態を求め、そのゼーベック係数を求めた結果である。全原子数に応じて原子1個分のatm比が変化する為、置換量をat%で記述出来る。4、8原子系の場合、原子1個の置換は結晶系の対称性大きく変えてしまう。例えば4原子系の場合FeTiSiにおいてFe⇔Tiの置換を行うとFeSiやFeTiSiとなってしまいもはや別の結晶系となってしまう。それは図2(b)に示す電子状態から大きく逸脱する事を意味する為、そのゼーベック係数の絶対値は著しく落ちる事が分かった。8原子系についても同様に、結晶構造の対称性の著しい変化によってユニットセル内に金属的な電子状態を作りやすい原子配置を持ってしまい、そのゼーベック係数の絶対値は小さくなる事が分かった。以上、図4A〜図4Fから実用水準であるZT=1を越えるゼーベック係数を持つ許容置換量はそれぞれの置換方法についてTi:化学量論組成、Si増、Fe減の場合:10.8at%(図4A)、Si:化学量論組成、Ti増、Fe減の場合:4.9at%(図4B)、Fe:化学量論組成、Ti減、Si増の場合:11at%(図4C)、Fe:化学量論組成、Ti増、Si減の場合:12.0at%(図4D)、Ti:化学量論組成、Fe増、Si減の場合:5.9at%(図4E)、Si:化学量論組成、Fe増、Ti減の場合:4.0at%(図4F)である。これらの置換量から分かる適正組成範囲を三元合金状態図上に示した結果が図5である。Fe:化学量論組成、Ti増、Si減の場合:12.0at%、Fe:化学量論組成、Ti減、Si増の場合:11at%、Si:化学量論組成、Ti増、Fe減の場合:4.9at%、Ti:化学量論組成、Si増、Fe減の場合:10.8at%、Si:化学量論組成、Fe増、Ti減の場合:4.0at%、Ti:化学量論組成、Fe増、Si減の場合:5.9at%を三元合金状態図上に示した点に囲まれた領域が適正範囲と言える。これをatm%表示した場合、(Fe,Ti,Si)=(50,37,13)、(50,14,36)、(45,30,25)、(39.5,25,35.5)、(54,21,25)、(55.5,25,19.5)となる。
特に、図4Aに記載のSi増加量とゼーベック係数の関係を見ると、Feを意図的に減少(Siを意図的に増加)した方が化学量論組成でのゼーベック係数よりも向上するという従来にない知見が得られた。具体的には、化学量論組成よりもFeが1〜9at%減少(Siが1〜9at%増加)した組成、つまりは組成式Fe2+σTi1+ySi1+zに換算し、σ=y=z=0の化学量論組成よりも、y=0,σ=−zであり、σが−0.36≦σ≦−0.04の関係にある組成にすることで、ゼーベック係数が向上した熱電変換材料にできることを知見した。σは、−0.32≦σ≦−0.08の範囲にあることがさらに好ましい。
また図4Dに記載のTi増加量とゼーベック係数の関係を見ると、Tiを意図的に増加した方が化学量論組成でのゼーベック係数よりも向上するという従来にない知見が得られた。具体的には、化学量論組成よりもTiが1〜8at%増加した組成、つまりは組成式Fe2+σTi1+ySi1+zに換算し、σ=y=z=0の化学量論組成よりも、σ=0,y=−zであり、yが0.04≦y≦0.32の関係にある組成にすることで、ゼーベック係数が向上した熱電変換材料にできることを知見した。yは、0.08≦y≦0.28の範囲にあることがさらに好ましい。
さらにatm%表示で3元合金状態図上の6点(Fe,Ti,Si)=(39.5,25,35.5)、(47.5,27.5,25)、(50,17,33)、(50,35,15)、(52.8,25,22.2)、(52.2,22.8,25)を結ぶ直線に囲まれた領域が特に特性が良い。さらに化学量論組成より特性の良い領域が以下の6点(Fe,Ti,Si)=(41,25,34)、(49.2,25.8,25)、(50,23,27)、(50,32.6,17.4)、(51,25,24)、(51,24,25)を結ぶ直線に囲まれた領域である。図5に示す範囲で合金を合成した新規材料であるFe−Ti−Si系合金は従来材料より遥かに優れた性能を有する事が分かった。これは同様の電子状態計算によりFe−Ti−SnあるいはFe−Nb−Alあるいはそれらの中間材料でも同様の事が言える。さらにこれら非化学量論組成のFe−Ti−Siホイスラー合金にVEC調整の為に特定の元素を置換あるいは添加をする事で高い性能が得られる。
VEC制御における適切なVEC変化量をもたらす置換元素の置換量を定義するために、VECの定義式をFe−Ti−Siホイスラー合金の組成式から導く。まず、Fe−Ti−Siホイスラー合金の組成式はFe2+σ(Ti1−x1+y(Si1−w1+zとする。
VEC=[8(2+σ)+{4(1−x)+(Mの価電子数)x}(1+y)+{4(1−w)+(Nの価電子)w}(1+z)]/4であり、
σ={(図6の領域内のFeのat%)−50}/25
y={(図6の領域内のTiのat%)−25}/25
z={(図6の領域内のSiのat%)−25}/25
でありVECの変化量をΔVECとすると
ΔVEC=VEC−(各母合金組成のVEC中心値)
と表せる。
上記|ΔVEC|が0.001≦|ΔVEC|≦0.09の範囲にあることが好ましく、ゼーベック係数が大きな熱電変換材料を得ることができる。
このΔVECが高々±0.2以下(−0.2≦ΔVEC≦0.2)になる様にM、NとしてNb、V、Al、Ta、Cr、Mo、W、Hf、Ge、Ga、In、P、B、BiおよびZrのうち少なくともいずれか1つを添加すれば、p型、n型ともに極大値になる。ここで各母合金組成のVEC中心値とはx、wがそれぞれ0.0の時のVEC値をさす。図3A〜図3Gに指し示すゼーベック係数のVEC依存性から高々|ΔVEC|≦0.2とすればVECは最適値となる。VECを最適化する為にNb、V、Al、Ta、Cr、Mo、W、Hf、Ge、Ga、In、P、B、BiおよびZrのうち少なくともいずれか1つを添加し|ΔVEC|≦0.2となる様に合金組成x,wと置換材料M,Nの組み合わせを選べばよい。ゼーベック係数を向上させるためには、x、wが、0.05≦x≦0.5の範囲か、0.05≦w≦0.5の範囲の少なくともどちらかにあることが好ましい。とくにV(バナジウム)置換に効果が認められ、その置換量xは|x|≦0.25が最適値である。
なお、電子の総量を調整するための添加材料として、Nb、V、Ta、Cr、Mo、W、Hf、Ge、Ga、In、P、B、BiおよびZrのうち少なくともいずれか1つを添加した場合においても、図2(b)と同様の特性が得られる。またSiとSnは、周期表上の同族に属する元素であるため、これら元素の組成比を変化させても図2(b)と同様の特性が得られる。
本実施の形態では、図3A〜図3Gに示す第一原理計算によって示唆された合金組成範囲のうち、実際に作製でき、かつ高性能な熱電変換特性を有する合金組成を選定し、いくつか合成する事で合成可能範囲と適正組成範囲を確認した。特にFeTiSi系合金は、図2(b)のバンド図に示すようにフラットバンドがフェルミ準位近傍にあるため、熱電変換効率が非常に高い。そこで本実施の形態においては、n型熱電変換材料としてFe2+σ(Ti1−x1+y(Si1−w1+zを採用し、変換効率の高い熱電変換モジュールを提供することを図る。
<熱電変換モジュール10の構成例>
以下では、上記原理にしたがって作成した熱電変換モジュール10の構成例について説明する。ここでは、p型熱電変換部11、n型熱電変換部12の材料としてはFeTiSiSn系合金を用いることとした。電極13の材料はTa、上部基板14と下部基板15の材料はAlNとした。躯体の材質は、導熱性が高く強度の高い材質であればよい。ここでは鋼を用いた。
図8は、熱電変換モジュール10の上面図である。図8(a)は、各熱電変換部が設置される基板を法線方向に上から見た図である。図8(b)(c)は各熱電変換部の寸法定義を示す。p型熱電変換部11の断面サイズを縦横ともWp、n型熱電変換部12の断面サイズを縦横ともWnとする。n型熱電変換部の長さ(基板の法線方向における長さ)をLとする。これらサイズの1例として、例えばL=6mm、Wp=10mm、Wn=3mmとすることができる。
各熱電変換部は、ホットプレスによる焼結法を用いて作成することができる。合金の元素組成比が設計通りとなるように、材料となる元素粉末の重量を調整した上でカーボンダイに仕込み、焼結する。
例えばFeTiVSi系合金を作製する場合、元素Fe、Ti、V、Siの粉末を、元素組成比が上記組成式となるように秤量してカーボンダイに仕込む。例えばFe2+σ(Ti1−x1+y(Si1−w1+zとして、Fe:Ti:V:Si=1.98:0.855:0.095:1.07(σ=−0.02、x=0.1、y=−0.05、z=0.07、w=0)となる様にすることができる。その後、例えば800℃、5000秒にて反応焼結させる。さらに反応焼結によって出来上がった焼結体の結晶構造の規則度を向上させるため、例えば2日間600℃にて加熱処理を施すこともできる。本組成では添加材料としてVを混入することにより、熱電変換材料の性能向上と結晶構造の安定が図られている。こうして作製されたペレットを上記寸法に加工し、熱電変換モジュール10に搭載する。
上記構成例では、p型熱電変換部11の材料をFe2+σ(Ti1−x1+y(Si1−w1+zとしたが、これに限られるものではなく、例えばFeNbAl、FeSなどを用いることもできる。上部基板14と下部基板15の材料はGaNでもよい。電極13の材料はCuまたはAuでもよい。
上記構成例では、n型熱電変換部12の材料組成はFe1.98Ti0.8550.095Si1.07としたが、これに限られるものではなく、n型特性を発現するフルホイスラー合金として図2(b)に示すような特性を有する合金組成であればよい。例えばFeNbAl、FeTiAlを母材としVEC調整の為にNb、V、Al、Ta、Cr、Mo、W、Hf、Ge、Ga、In、P、B、BiおよびZrのうち少なくともいずれか1つを添加した合金でもよい。
適正組成範囲の全容を知るために図3A〜図3Gに基づいていくつかの組成で合成した。その実施組成範囲を三元合金状態図として図6に示し、とゼーベック係数とVECの関係を図7と表1にまとめる。
Figure 2015122476
図6、7、表1の結果から、図3A〜図3G、図4A〜図4Fから導出された組成範囲では十分に性能が高い事が確認された。また図7に示すゼーベック係数とVECとの関係から各合金組成における添加材の適正添加量が分かる。ゼーベック係数の極性が反転するVEC値(非化学量論組成の場合は必ずしもVEC=6ではない。)から少しVEC値が増減するところにゼーベック係数の極値を持つため、そう言ったVECになる様な組成、あるいは添加元素量の時に特にゼーベック係数が高い。実際の実験値ではVECの中心値からのVEC=±0.2程度までのVEC値では高い熱電変換特性が得られる。つまりこの実施例から高々|ΔVEC|≦0.2とすればVECは最適値となる。VECを最適化する為にNb、V、Al、Ta、Cr、Mo、W、Hf、Ge、Ga、In、P、B、BiおよびZrのうち少なくともいずれか1つをN,Mの置換元素として選定し、|ΔVEC|≦0.2となる様に合金組成x,wと置換材料M,Nの組み合わせを選べばよい。とくにV置換に効果が認められ、その置換量xは|x|≦0.25が最適値である。
また、添加材料としてNb、V、Ta、Cr、Mo、W、Hf、Ge、Ga、In、P、B、BiおよびZrのうち少なくともいずれか1つを添加する場合、これら添加材料の組成比の合計は、Tiの組成比よりも小さくなるように構成することが望ましい。これら添加材料の組成比の方が大きくなると、もはや図2(b)で説明したFeTiSiSn系合金としての範囲を逸脱してしまうからである。さらに、添加元素のみでVECコントロールを行う場合は、VEC値の増減が±0.2となるように添加元素によるVECの寄与の合計を計算し、Nb、V、Ta、Cr、Mo、W、Hf、Ge、Ga、In、P、B、BiおよびZrのうち少なくともいずれか1つを添加する事が望ましい事が分かった。本実施例で紹介している熱電変換材料は本実施例での作成手法に限らず、例えばアーク溶解の様な鋳造手法を用いても適宜成しうるものである。また、アーク溶解で合金化し、その後粉砕して、ホットプレスやスパークプラズマ焼結の様な焼結体を得る手法で作製しても適宜成しうる物である。あるいは、合金作製の際に、メカニカルアロイングを用いて合金粉末を作製し、ホットプレスやスパークプラズマ焼結の様な焼結体を得る手法で作製しても適宜成しうる物である。またさらに溶解した後材料を超急冷して得た薄片でも目的の合金は成しうる。さらに溶解した後材料を超急冷して得た薄片を粉末にして、ホットプレスやスパークプラズマ焼結の様な焼結体を得る手法で作製しても適宜成しうる物である。あるいは、所定の組成に調整した原材料粉末を熱プラズマで加熱した後に急冷して粉末を作る手法でも適宜成しうる。そして熱プラズマで得た粉末をホットプレスやスパークプラズマ焼結の様な焼結体を得る手法で作製しても適宜成しうる物である。
以上のように、本実施形態1に係る熱電変換モジュール10は、p型熱電変換部11とn型熱電変換部12ともにフルホイスラー合金を材料として形成され、n型熱電変換部12の材料は、FeTiSi系、FeTiSn系、或いはFeTiSiSn系のフルホイスラー合金である。これにより、熱電変換効率が高く毒性が低い熱電変換モジュールを提供することができる。
(実施の形態2)
熱電変換モジュールの熱電変換性能は、熱電変換材料の変換効率ηの他、モジュールに流入する熱流量Qにも左右される。熱流量Qは、熱電変換モジュールの構造(特に各部のサイズ)に影響される変数であるため、選定した熱電変換材料の特性に応じて最適なモジュール構造を設計することが重要である。そこで本発明の実施形態2では、実施形態1で説明した熱電変換材料を採用する前提の下、熱電変換モジュール10の各部サイズを最適化することについて検討する。熱電変換モジュール10のその他構成は実施形態1と同様である。
図9は、p型熱電変換部11の断面積とn型熱電変換部12の断面積の比を、n型熱電変換部の長さLをパラメータとして様々に変化させた場合における出力の変化を計算した結果を示すグラフである。各熱電変換部の材料は実施形態1の構成例で説明したものを採用し、その材料の熱電変換効率ηを用いた。以上の前提の下、高温熱源を90℃、低温熱源を20℃としたときにできる熱電変換モジュール10内部の温度差とその温度差によって生じる出力を計算した。高温熱源90℃は、工場、発電所等の排熱が水を使って送り出したときに実現される温度を想定したものである。上記パラメータは以下の図面においても同様である。
図9の横軸は、p型熱電変換部11の断面積Apとn型熱電変換部12の断面積Anの和(Ap+An)に対するApの比である。図9の縦軸は、pn素子1個の電力出力である。pn素子の出力特性はLの値によっても変わるので、複数のLの値を用いて同様の計算を実施した。同じLについての算出結果は、そのLを採用した場合における最大出力を100%としてそれぞれ正規化している。なお、各熱電変換部の形状は必ずしも正方形でなくともよく、長方形や楕円などであっても図9と同様の特性が得られることを付言しておく。
図9に示すように、pn素子の出力は、Ap/(Ap+An)に対して極大値を有していることが分かる。Lの値がいずれであっても、0.42≦Ap/(Ap+AN)≦0.6の範囲であれば概ね極大値に近い出力が得られることが分かった。
図10は、Lの値を様々に変化させた場合における出力の変化を計算した結果を示すグラフである。図10の横軸はLである。図10の縦軸は、pn素子1個の最大出力が得られたときの出力値を100%として正規化した、pn素子1個の電力出力である。pn素子の出力特性は、図9に示すようにAp/(Ap+An)の値によっても変わるので、複数の同値を用いて同様の計算を実施した。同じAp/(Ap+An)についての算出結果は、そのAp/(Ap+An)を採用した場合における最大出力を100%としてそれぞれ正規化している。
図10に示すように、必ずしもLが小さい、すなわち上基板14と下基板15の間の距離が小さいほど出力が大きいというものではなく、ApとAnの比に対して最適なLの値が存在することが分かる。但し、いずれの計算結果においても、Lがある程度以上大きくなると、Lが大きくなるほどpn素子の出力は低下する傾向がある。これはLが大きくなると熱量がpn素子に集中せず他の部位を介して放出されてしまうからであると考えられる。図10に示す計算結果によれば、Ap/(Ap+An)の値がいずれであっても、6mm≦L≦14.5mmの範囲であれば、概ね極大値に近い出力が得られることが分かった。
図11は、Lとn型熱電変換部12の断面積の比を様々に変化させた場合における出力の変化を計算した結果を示すグラフである。図10に示したように、pn素子の出力はLによって左右されるが、Lが同じであってもpn素子の断面積が変われば出力も変化すると考えられる。そこで、LとAnの比を様々に変化させてPN素子の出力特性を計算することとした。
図11の横軸はLに対するn型熱電変換部12の断面積の平方根An1/2の比である。図11の縦軸は、pn素子1個の最大出力が得られたときの出力値を100%として正規化した、pn素子1個の電力出力である。pn素子の出力特性は、図9に示すようにAp/(Ap+An)の値によっても変わるので、複数の同値を用いて同様の計算を実施した。同じAp/(Ap+An)についての算出結果は、そのAp/(Ap+An)を採用した場合における最大出力を100%としてそれぞれ正規化している。
図11に示すように、ApとAnの比に対して最適なL/An1/2の値が存在することが分かる。いずれの計算結果においても、An1/2に対するLの値がある程度以上大きくなると、PN素子の出力は次第に低下する傾向があるが、この理由は図10で説明したものと同様であると考えられる。図11に示す計算結果によれば、Ap/(Ap+An)の値がいずれであっても、0.6≦L/An1/2≦1.8の範囲であれば、概ね極大値に近い出力が得られることが分かった。
また図11は、AP/(Ap+An)を一定としてL/An1/2を変化させた場合、すなわち(パターンa):ApとAnを一定としてLを増減させた場合、あるいは(パターンb):Lを一定としてApとAnを一体的に増減させた場合の出力変化をグラフ化したものと見ることができる。
(パターンa)については、Lの値に応じて極大出力が得られていると解釈することができるので、図10と概ね同様の結果が得られていることが分かる。
(パターンb)については、Lの値が同じであれば、L/An1/2の値が小さいほうから大きいほうに向かって変化すると、すなわちApとAnがともに大きいほうから小さいほうに向かって変化すると、pn素子の出力が上昇して極大値に達し、その後はL/An1/2の値が大きくなるほど、すなわちApとAnがともに小さくなるほど、pn素子の出力は減少していると解釈することができる。
図12は、Lとn型熱電変換部12の断面積の比を様々に変化させた場合における出力の変化を計算した結果を示すグラフである。図12の横軸はLに対するn型熱電変換部12の断面積の平方根An1/2の比である。図12の縦軸は、pn素子1個の最大出力が得られたときの出力値を100%として正規化した、pn素子1個の電力出力である。pn素子の出力特性は、図10に示すようにLの値によっても変わるので、複数の同値を用いて同様の計算を実施した。同じLについての算出結果は、そのLを採用した場合における最大出力を100%としてそれぞれ正規化している。
図12に示すように、Lの値が同じであれば、L/An1/2の値が小さいほうから大きいほうに向かって変化すると、すなわちAn1/2の値が大きいほうから小さいほうに向かって変化すると、pn素子の出力が上昇して極大値に達する。その後はL/An1/2の値が大きくなるほど、すなわちAn1/2の値が小さくなるほど、pn素子の出力は減少する。これは図11で説明した(パターンb)の傾向と合致する。ただし図12においては、AP/(Ap+An)を一定にするという前提は設けていないことに留意されたい。
Lの値がいずれであっても上記傾向は同様であるが、L/An1/2の最適値はLの値に応じてばらつきがあり、いずれのLの値においても極大値に近い出力が得られるL/An1/2の値は見出せなかった。
また図12に示す結果によれば、Lの値が小さいときは、大出力を得ることができるL/An1/2の範囲が狭く、かつそのときのL/An1/2の値が小さい、すなわちAnが大きいことが分かる。換言すると、Lの値が小さいときは、大出力を得るためにはAnをLに比して大きくすべきであるといえる。これに対しLの値が大きいときは、大出力を得ることができるL/An1/2の範囲が広く、かつそのときのL/An1/2の値が大きい、すなわちAnが小さいことが分かる。換言すると、Lの値がある程度大きいときは、Anの設計余裕が大きいといえる。
図11と図12を併せて考えると、L/An1/2の値は、Ap/(Ap+An)の値を一定に保つことを前提として、0.6≦L/An1/2≦1.8の範囲とすればよいことが分かる。また、ApおよびAnの設計余裕の観点からは、Lの値が大きいほど望ましいことが分かる。
以上、本実施形態2では、実施形態1で説明した熱電変換材料を採用する前提の下、熱電変換モジュール10の最適な寸法について、種々の計算結果に基づき検討した。これにより、各部サイズについて最適な値を見出すことができた。実施形態1で説明した熱電変換材料と、本実施形態2で説明したモジュール構造とを併せて採用することにより、熱電変換モジュール10の効率を最適化することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る熱電変換材料ついて、図13及び図14を用いて説明する。なお、実施形態1、2に記載され本実施形態に未記載の事項は特段の事情が無い限り本実施形態にも適用できる。
上述した通り、ホイスラー合金系の熱電変換材料の場合、VEC(単位格子当たりの総価電子数)を調整する様に組成を変調すると、熱電変換材料のキャリア濃度が変調されるため熱電変換特性を制御できる。しかし、VEC調整によってバンド構造を変えずにキャリア濃度のみ変調出来るのはVEC調整量の小さい範囲のみに限定される。よってVEC調整量が大きい範囲で熱電変換特性の最適値を得る為にはバンド構造を考慮した組成設計が必要となる。ホイスラー合金Fe2+σ(Ti1−x1+y(Si1−w1+zにおいて、特にM=V,N=Alの場合にバンド構造の変化を考慮した組成設計を、第一原理計算を用いて行い、その組成範囲の最適値を得た。M原子置換によってバンド構造は大きく変化するが、N原子置換によってバンド構造は少々しか変化しないことが予想される為、M置換のみ数値計算を行った。バンド構造がM原子置換によって変化する理由は、本合金のバンド構造を決定する主たる要因がFe原子とTi原子の結合であると予想出来るからである。
図13(a)〜(c)は第一原理計算によって求めた、Fe2+σ(Ti1−x1+y(Si1−w1+zの(σ,y,z)=(0,0,0)について各x(x=0.125,0.25,0.5)のバンド構造を示している。また、図13(d)〜(f)は各xにおけるゼーベック係数のΔVEC依存性と規格化出力因子のΔVEC依存性を示している。規格化出力因子は既存FeTiSiを1として規格化している。図13(a)〜(c)からxの増加に伴いバンドギャップが低エネルギー側にシフトしていることがわかる。このように、xの増加に伴いバンド構造は著しく変化しているため、適正なΔVECは各xによって異なる。この適正ΔVECについて図13(d)〜(f)を用いて決定する。
図13(d)〜(f)からΔVECが負の時、ゼーベック係数が正すなわちp型熱電変換材料となり、ΔVECが正の時、ゼーベック係数が負すなわちn型熱電変換材料となることがわかる。したがって、図13の様に規格化出力因子はΔVECの正負それぞれの範囲で極大値を持つ。その規格化出力因子の極大値およびその周辺が高熱電変換特性領域といえる。ΔVECを|ΔVEC|≦0.2となるように設定することで規格化出力因子の極大値が含まれる熱電変換材料とすることができる。特に既存のFeTiSiより十分大きい規格化出力因子が1.5以上となる範囲が好ましく、その様なΔVECは0.001≦|ΔVEC|≦0.09である。
さらに具体的には、ΔVECは、−0.09≦ΔVEC(σ,w,x,y,z)≦−0.01、0.001≦ΔVEC(σ,w,x,y,z)≦0.09である。ここでx,wが0.5を超える範囲はFeTiSiを大きく逸脱する組成となるため除外する。
以上の議論から、熱電変換材料:Fe2+σ(Ti1−x1+y(Si1−w1+zにおいて,
VEC=[8(2+σ)+{4(1−x)+(Mの価電子数)x}(1+y)+{4(1−w)+(Nの価電子)w}(1+z)]/4であり、
σ={(前記領域内のFeのat%)−50}/25
y={(前記領域内のTiのat%)−25}/25
z={(前記領域内のSiのat%)−25}/25
であり、VECの変化量をΔVECとすると
ΔVEC=VEC−(各母合金組成のVEC中心値)
であり、
|ΔVEC|≦0.2となるようなx、wを有するものとすることが好ましい。
上記|ΔVEC|が0.001≦|ΔVEC|≦0.09の範囲にあることが好ましい。
元素M及び元素Nは、Nb、V、Al、Ta、Cr、Mo、W、Hf、Ge、Ga、In、P、B、BiおよびZrのうち少なくともいずれか1つとすることができ、さらにこの場合、
VEC(σ,w,x,y,z)とΔVECを、
価電子濃度:VEC(σ,w,x,y,z)={8*(2+σ)+(4*(1−x)+Z(M)*x)*(1+y)+(4*(1−w)+Z(N)*w)*(1+z)}/4
(Z(M),Z(N)=元素M,Nの最外殻の原子の価電子数)、
(VEC中心値)=VEC(σ,0,0,y,z)={8*(2+σ)+4*(1+y)+4*(1+z)}/4、
ΔVEC(σ,w,x,y,z)=VEC(σ,w,x,y,z)−(VEC中心値)と定義すると、
前述元素M、NをそれぞれV,Alであり、
ΔVEC(σ,w,x,y,z)={x*(1+y)−w*(1+z)}/4
−0.09≦ΔVEC(σ,w,x,y,z)≦−0.01、0.001≦ΔVEC(σ,w,x,y,z)≦0.09かつ0≦x<0.5,0≦w<0.5かつσ+x+w=0(但し、x=w=0を除く)とすることが好ましい。
ΔVECのさらに適正な範囲は、−0.09≦ΔVEC(σ,w,x,y,z)≦−0.01、0.001≦ΔVEC(σ,w,x,y,z)≦0.09、
となる。
なお、本明細書では乗算を「無印」、「×」、「*」等で表記しているが同じものである。
上記、設計指針に従って、ホットプレスによる焼結法を用いて作成することができる。合金の元素組成比が設計通りとなるように、材料となる元素粉末の重量を調整した上でカーボンダイに仕込み、焼結する。
例えばFeTiVSi系合金を作成する場合、元素Fe、Ti、V、Siの粉末を、元素組成比が上記組成式となるように秤量してカーボンダイに仕込む。例えばFe2+σ(Ti1−x1+y(Si1−w1+zとして、Fe1.98(Ti1−x0.95(Si1−yAl1.07(x=1.5,0≦y≦0.23となる様にすることができる。その後、例えば800℃、5000秒にて反応焼結させる。さらに反応焼結によって出来上がった焼結体の結晶構造の規則度を向上させるため、例えば2日間600℃にて加熱処理を施すこともできる。本組成では添加材料としてVを混入することにより、熱電変換材料の性能向上と結晶構造の安定が図られている。こうして作製されたペレットを上記寸法に加工し、熱電変換材料を得る。
適正組成範囲の全容を知るために上記設計指針に基づいていくつかの組成で合成した。それらの合金のゼーベック係数とΔVECの関係を図14に示す。図14に示す様に性能が高いことが確認された。ゼーベック係数の極性が反転するVEC値(非化学量論組成の場合は必ずしもVEC=6ではない。)から少しVEC値が増減するところにゼーベック係数の極値を持つため、そう言ったVECになる様な組成、あるいは添加元素量の時に特にゼーベック係数が高い。実際の実験値ではVECの中心値から(1)−0.09≦ΔVEC(σ,w,x,y,z)≦−0.01、0.001≦ΔVEC(σ,w,x,y,z)≦0.09の範囲で組成を設計しておけば、高い熱電変換特性が得られる。
本願発明に係る熱電変換材料は本実施例での作成手法に限らず、例えばアーク溶解の様な鋳造手法を用いても適宜成しうるものである。また、アーク溶解で合金化し、その後粉砕して、ホットプレスやスパークプラズマ焼結の様な焼結体を得る手法で作製しても適宜成しうる物である。あるいは、合金作製の際に、メカニカルアロイングを用いて合金粉末を作製し、ホットプレスやスパークプラズマ焼結の様な焼結体を得る手法で作製しても適宜成しうる物である。またさらに溶解した後材料を超急冷して得た薄片でも目的の合金は成しうる。さらに溶解した後材料を超急冷して得た薄片を粉末にして、ホットプレスやスパークプラズマ焼結の様な焼結体を得る手法で作製しても適宜成しうる物である。あるいは、所定の組成に調整した原材料粉末を熱プラズマで加熱した後に急冷して粉末を作る手法でも適宜成しうる。そして熱プラズマで得た粉末をホットプレスやスパークプラズマ焼結の様な焼結体を得る手法で作製しても適宜成しうる物である。
本実施形態3で説明した熱電変換材料を実施形態1に係る熱電変換モジュールに適用したところ、熱電変換効率が高く毒性が低い熱電変換モジュールを提供することができた。また、本実施形態3で説明した熱電変換材料を実施形態2で説明したモジュール構造に適用したところ、熱電変換モジュールの効率を最適化することができた。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10:熱電変換モジュール、11:p型熱電変換部、12:n型熱電変換部、13:電極、14:上部基板、15:下部基板。

Claims (22)

  1. フルホイスラー合金であって、組成式Fe2+σTi1+ySi1+zで表わされ、Fe−Ti−Siの三元合金状態図において、at%で、(Fe,Ti,Si)=(50,37,13)、(50,14,36)、(45,30,25)、(39.5,25,35.5)、(54,21,25)、(55.5,25,19.5)で囲まれた領域内{除く、(50,25,25)}となるようなσ、y、zを有することを特徴とする熱電変換材料。
  2. 請求項1記載の熱電変換材料において、
    前記組成式Fe2+σTi1+ySi1+zで表わされるフルホイスラー合金は、Fe−Ti−Siの三元合金状態図において、at%で、(Fe,Ti,Si)=(39.5,25,35.5)、(47.5,27.5,25)、(50,17,33)、(50,35,15)、(52.8,25,22.2)、(52.2,22.8,25)で囲まれた領域内{除く、(50,25,25)}となるようなσ、y、zを有することを特徴とする熱電変換材料。
  3. 請求項2記載の熱電変換材料において、
    前記組成式Fe2+σTi1+ySi1+zで表わされるフルホイスラー合金は、Fe−Ti−Siの三元合金状態図において、at%で、(Fe,Ti,Si)=(41,25,34)、(49.2,25.8,25)、(50,23,27)、(50,32.6,17.4)、(51,25,24)、(51,24,25)で囲まれた領域内{除く、(50,25,25)}となるようなσ、y、zを有することを特徴とする熱電変換材料。
  4. 請求項1記載の熱電変換材料において、
    前記組成式Fe2+σTi1+ySi1+zで表わされるフルホイスラー合金は、前記Ti及び前記Siが元素M及び元素Nによりそれぞれ化学量論組成から組成変調されて、組成式Fe2+σ(Ti1−x1+y(Si1−w1+zで表わされ、
    VEC=[8(2+σ)+{4(1−x)+(Mの価電子数)x}(1+y)+{4(1−w)+(Nの価電子)w}(1+z)]/4
    であり、
    σ={(前記領域内のFeのat%)−50}/25
    y={(前記領域内のTiのat%)−25}/25
    z={(前記領域内のSiのat%)−25}/25
    であり、VECの変化量をΔVECとすると
    ΔVEC=VEC−(各母合金組成のVEC中心値)
    であり、
    |ΔVEC|≦0.2となるようなx、wを有することを特徴とする熱電変換材料。
  5. 請求項4記載の熱電変換材料において、
    前記元素M及び元素Nは、Nb、V、Al、Ta、Cr、Mo、W、Hf、Ge、Ga、In、P、B、BiおよびZrのうち少なくともいずれか1つであることを特徴とする熱電変換材料。
  6. 請求項5記載の熱電変換材料において、
    前記元素MはVであり、|x|≦0.25であることを特徴とする熱電変換材料。
  7. フルホイスラー合金であって、組成式Fe2+σTi1+ySn1+zで表わされ、Fe−Ti−Snの三元合金状態図において、at%で、(Fe,Ti,Sn)=(50,37,13)、(50,14,36)、(45,30,25)、(39.5,25,35.5)、(54,21,25)、(55.5,25,19.5)で囲まれた領域内{除く、(50,25,25)}となるようなσ、y、zを有することを特徴とする熱電変換材料。
  8. 請求項7記載の熱電変換材料において、
    前記Snに代えて、SiSnを用いることを特徴とする熱電変換材料。
  9. 請求項7記載の熱電変換材料を含むp型熱電変換部及びn型熱電変換部と、
    前記p型熱電変換部とn型熱電変換部とを直列接続する電極と、
    直列接続された前記p型熱電変換部と前記n型熱電変換部とを挟んで設けられた上部基板と下部基板とを備えたことを特徴とする熱電変換モジュール。
  10. p型熱電変換部とn型熱電変換部を備え、
    前記p型熱電変換部と前記n型熱電変換部はともにフルホイスラー合金であって、組成式Fe2+σTi1+ySi1+zで表わされ、Fe−Ti−Siの三元合金状態図において、at%で、(Fe,Ti,Si)=(50,37,13)、(50,14,36)、(45,30,25)、(39.5,25,35.5)、(54,21,25)、(55.5,25,19.5)で囲まれた領域内{除く、(50,25,25)}となるようなσ、y、zを有することを特徴とする熱電変換モジュール。
  11. 請求項10記載の熱電変換モジュールにおいて、
    前記組成式Fe2+σTi1+ySi1+zで表わされるフルホイスラー合金は、前記Ti及び前記Siが元素M及び元素Nによりそれぞれ化学量論組成から組成変調されて、組成式Fe2+σ(Ti1−x1+y(Si1−w1+zで表わされ、
    VEC=[8(2+σ)+{4(1−x)+(Mの価電子数)x}(1+y)+{4(1−w)+(Nの価電子)w}(1+z)]/4
    であり、
    σ={(前記領域内のFeのat%)−50}/25
    y={(前記領域内のTiのat%)−25}/25
    z={(前記領域内のSiのat%)−25}/25
    であり、VECの変化量をΔVECとすると
    ΔVEC=VEC−(各母合金組成のVEC中心値)
    であり、
    |ΔVEC|≦0.2となるようなx、wを有することを特徴とする熱電変換モジュール。
  12. 前記p型熱電変換部と前記n型熱電変換部を設置する基板を備え、
    前記基板の法線に直交する平面上における前記p型熱電変換部の断面積と前記n型熱電変換部の前記平面上における断面積の合計に対する、前記p型熱電変換部の前記断面積の比が、0.42から0.6の範囲となるように構成されていることを特徴とする請求項10記載の熱電変換モジュール。
  13. 前記p型熱電変換部と前記n型熱電変換部を設置する基板を備え、
    前記基板の法線方向における前記p型熱電変換部の長さおよび前記法線方向における前記n型熱電変換部の長さは、6mmから14.5mmの範囲となるように構成されていることを特徴とする請求項10記載の熱電変換モジュール。
  14. 前記p型熱電変換部と前記n型熱電変換部を設置する基板を備え、
    前記基板の法線に直交する平面上における前記n型熱電変換部の断面積の平方根に対する、前記法線方向における前記p型熱電変換部の長さの比または前記法線方向における前記n型熱電変換部の長さの比は、0.6から1.8の範囲となるように構成されていることを特徴とする請求項10記載の熱電変換モジュール。
  15. 前記P型熱電変換部と前記N型熱電変換部は、電気的に直列になる様に電極を介して接続されており、
    前記電極は、Cu、Au、またはTaを材料として形成されていることを特徴とする請求項10記載の熱電変換モジュール。
  16. 価電子濃度:VEC(σ,w,x,y,z)={8*(2+σ)+(4*(1−x)+Z(M)*x)*(1+y)+(4*(1−w)+Z(N)*w)*(1+z)}/4
    (Z(M),Z(N)=元素M,Nの最外殻の原子の価電子数)、
    (VEC中心値)=VEC(σ,0,0,y,z)={8*(2+σ)+4*(1+y)+4*(1+z)}/4、
    ΔVEC(σ,w,x,y,z)=VEC(σ,w,x,y,z)−(VEC中心値)と定義すると、
    前述元素M、Nは、それぞれV,Alであり、
    ΔVEC(σ,w,x,y,z)={x*(1+y)−w*(1+z)}/4
    −0.09≦ΔVEC(σ,w,x,y,z)≦−0.01、0.001≦ΔVEC(σ,w,x,y,z)≦0.09 かつ 0≦x<0.5,0≦w<0.5 かつ σ+x+w=0(但し、x=w=0を除く)であることを特徴とする請求項5記載の熱電変換材料。
  17. 前記熱電変換材料はp型であることを特徴とする請求項16記載の熱電変換材料。
    熱電変換材料。
  18. 前記熱電変換材料はn型であることを特徴とする請求項16記載の熱電変換材料。
  19. 上記組成式において、y=0,σ=−zであり、σが−0.36≦σ≦−0.04の関係にあることを特徴とする請求項1記載の熱電変換材料。
  20. 上記組成式において、σ=0,y=−zであり、yが0.04≦y≦0.32の関係にあることを特徴とする請求項1記載の熱電変換材料。
  21. 熱電変換材料において、
    上記|ΔVEC|が0.001≦|ΔVEC|≦0.09の範囲にある事を特徴とする請求項4記載の熱電変換材料。
  22. 熱電変換材料において、
    上記|ΔVEC|が0.001≦|ΔVEC|≦0.09の範囲にある事を特徴とする請求項11記載の熱電変換モジュール。
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