JP7215049B2 - 熱電変換モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、熱電変換材料を用いて熱電変換を行なう技術に関する。
近年、エネルギ問題に対する関心が高まる中、ゼーベック効果を使った熱電変換システムが注目されている。ゼーベック効果を使った熱電変換システムは小型化が可能であり、幅広い温度の熱回収に適している。
熱電変換システムは、自動車などの限定された狭空間の熱源を使った発電用途への適用が可能である一方、環境熱を電源利用するエナジーハーベスティングにも適応可能な技術である。
前者に対しては、2017年に開始された欧州CO排出量規制(Euro6-7)への対応で、燃費改善を目的とした車載向けの熱電変換システムの開発が、自動車メーカで急速に進展している。また後者のエナジーハーベスティングについては、近年、IoT向けのセンサ電源としての開発が進展している。
ゼーベック効果を使った熱電変換システムに用いる熱電変換材料として、Fe基フルホイスラ合金が知られている。Fe基フルホイスラ合金はFe、V、Al、Si、Tiなどの安価、無毒な元素を主成分とした熱電変換材料である。特にこの構成元素の中で、Vの比率を著しく低減させたFeTiSi系フルホイスラ合金が、近年開発されている(例えば特許文献1)。
国際公開第2016/185852号公報
熱電変換システムの実用化には、電力変換効率の向上と低コスト化が重要な課題となっている。電力変換効率を向上するには、熱電変換システムの出力電力を決める構成要素であり、システムの最も重要な構成要素である、熱電変換材料の材料性能指数ZTの増大が重要である。例えば、自動車適用の場合では、熱電変換システムはエンジン排熱を熱源として利用するため、300℃~600℃の中高温でZTが大きくかつ安価な熱電変換材料が要求される。
また近年、エンジンの高効率化に伴い排熱温度が低下していることに加え、ハイブリッド型電気自動車や電気自動車などエンジンの役割の変化/廃止に伴い、自動車の駆動部の温度は低下している。このため、自動車分野では、150℃~300℃の中温域で熱電変換特性が高い熱電変換材料が要求される。
また、エナジーハーベスティングにおいては、室温から100℃程度の温度範囲の熱から電気を得るアプリケーションが主流と言われている。
以上をまとめると、室温から300℃程度の低中温域で、高出力の熱電変換モジュールが求められていると言える。
図1に熱電変換モジュールの模式図を示す。熱電変換モジュール101は、p型の熱電変換材料102とn型の熱電変換材料103が電極104によって電気的に直列に接続し、熱流に並列に配置された構造をもつ。図の矢印105の方向に熱流が流入すると、その熱流量を電力に変換して引き出し電極間(図1における矢印106で示された部位)に電圧が発生する。熱電変換モジュールの電力変換効率と出力密度(単位面積あたりの発電量で、単位はW/m)は、熱電変換材料の材料性能指数であるZTと熱電変換モジュールに印加する温度差で決まる。具体的には、電力変換効率ηと出力密度Pは、数式1および数式2で表される。
Figure 0007215049000001
Figure 0007215049000002
ここで、Qは熱流量、ZT=αT/κと定義され、αは出力因子(S/ρ)、Sはゼーベック係数、ρは電気抵抗率である。また、κ=κph+κelであり、κphとκelは、それぞれ格子熱伝導率と電子熱伝導率である。Tは絶対温度とし、高温側の温度をT、低温側の温度をT、温度差をΔT=T-T、平均温度をTave=(T+T)/2とした。ここで、平均温度Taveは熱電変換材料の動作温度と同義である。
このように、数式(1)から適切に温度差ΔTが担保されているのであれば、電力変換効率ηは熱電変換材料の性能指数ZTの増大によって向上することが分かる。また、式(2)から出力密度Pは、性能指数ZTと出力因子α(=S/ρ)双方が増加することで、向上すると分かる。
図2には、出力因子αと出力Pとの間の関係を表すグラフを示す。図2に示す模式図の様に、動作温度に対する出力因子αとモジュールの出力Pには強い相関があることが分かる。具体的には、図2中の関係式に示すように、出力密度Pは出力因子αに比例し、また、温度差ΔTの二乗に比例する。ここで、動作温度はTaveであり、温度差ΔTは一定として考えている。
特に出力因子αが温度に応じて極小値を持つのであれば、モジュールの出力Pも同様に極小値をもつと言える。また、たとえZTが高くても出力因子αの小さい物質を採用しているのであれば、熱電変換モジュールの発電量は小さくなると言える。
従来、熱電変換モジュールに搭載する材料はZTの高い熱電変換材料が採用されていた。高ZT材料の多くはゼーベック係数Sが高く、熱伝導率が低くなるように最適化されたものであり、電気抵抗率ρが比較的高い材料が多い。その結果、出力因子α(=S/ρ)が必ずしも大きい組成となっていないことが多い。
また、室温から中高温(おおよそ300℃~600℃)までの幅広い温度域で発電を考えた場合、複数の異種材料を採用するため製造ラインが多数になることや、検討する接合材料の種類がふえることからコストが高くなる傾向にある。また、そもそも異種材料を多数採用したモジュールの場合、各部材での応力差のバランスをとろうとすると、最適値の幅が小さく信頼性の担保が難しい。
総じて言えば、宇宙、軍事などのハイエンドの適応例を除いた民生品において、実用化に向けた課題が多い。例えば、室温近傍から500℃の排熱を回収できるモジュールであれば、室温近傍向けのBiTe、300℃向けのPbTe合金、500℃向けのスクッテルダイト合金を組み合わせて配置することで適応温度域の拡張を図った事例がある。
この様な構成を採用した場合、低熱伝導率を主として材料設計が成されているために発電量も小さく、前述のように多品種にすることによるコストと信頼性が課題となって、特に車載やIoT向けモジュールとして普及しているとは言いがたい。また、この事例の場合、Teの末端価格が金と同等であることに加え、毒性を有することも障害となっている。
冒頭で述べた様に、IoTなど民生用途で室温から300℃程度の幅広い温度域の熱を排熱回収する場合、設置場所の制限を無くし、設置コストが低いことが肝要であるため、熱電変換モジュールには無毒かつ低コストであることが求められる。
無毒で安価な熱電変換モジュールを提供するための要件として、原材料が無毒安価であること、搭載する熱電変換材料の品種を少なくする、望ましくは単一品種とする、ことが挙げられる。
熱電変換材料の中で無毒安価な原材料を用いた材料として、Fe基フルホイスラ合金が知られている。Fe基フルホイスラ合金はFe、V、Al、Si、Tiなどの安価、無毒な元素を主成分とした熱電変換材料である。特にこの構成元素の中でVの比率を著しく低減させたFeTiSi系フルホイスラ合金が近年、開発されている(特許文献1参照)。
ここでフルホイスラ合金について補足する。フルホイスラ合金はホイスラ合金に属しているが、ホイスラ合金はフルホイスラ合金とハーフホイスラ合金の2分類がある。これらは組成式と結晶構造によって分類される。構成元素をX,Y,Zとした場合、フルホイスラ合金の組成式はXYZでありその結晶構造はL2構造である。一方、ハーフホイスラ合金の場合、組成式はXYZでありその結晶構造はC1構造である。すなわち、仮に構成元素X,Y,Zや添加元素が同一であった場合も、フルホイスラ合金と明記してある場合、ハーフホイスラ合金とは科学的には明確に区別される。
このFe基フルホイスラ合金は元来、室温近傍で高出力因子を有する材料であると知られているが、なんらかの方法で適応温度域を広げることができれば、単一品種を用いた無毒安価な熱電変換モジュールが提供できることになる。
本発明の課題は、室温以上の幅広い温度域に適応でき、多数品種を用いることを避けつつ、無毒安価な熱電変換モジュールを提供することである。
本願発明の一側面は、フルホイスラ合金を含む第1の熱電変換材料で構成される第1の部材と、フルホイスラ合金を含む第2の熱電変換材料で構成される第2の部材と、を備える熱電変換モジュールである。ここで、第1の熱電変換材料のキャリア濃度は、第2の熱電変換材料のキャリア濃度よりも高く、第1の部材は、第2の部材よりも熱流に対して上流側に配置されている。
本発明によれば、室温以上の幅広い温度域に適応でき、多数品種を用いることを避けつつ、無毒安価な熱電変換モジュールを提供することができる。
熱電変換モジュールの斜視模式図。 出力因子αと出力Pとの間の関係を表すグラフ図。 比較例の熱電変換素子の動作温度と出力因子αの関係を示す模式図。 実施例の熱電変換素子の動作温度と出力因子αの関係を示す模式図。 基本的な素子の構成を示す斜視図。 自動車のマフラーに熱電変換モジュールを配置した構成を示す斜視図。 自動車のマフラーに熱電変換モジュールを配置した構成を示す断面図。 自動車のマフラーに熱電変換モジュールを配置した他の構成を示す断面図。 FeTiSi系フルホイスラ合金の出力因子の動作温度依存性を示すグラフ図。 モジュール内の温度差と得られた出力密度の関係を示すグラフ図。 多対素子と1対素子を回路的に比較する説明図。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことはいうまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
同一あるいは同様な機能を有する要素が複数あり、なお要素間の差異を強調する場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、複数の要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数、順序、もしくはその内容を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は文脈毎に用いられ、一つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
また、以下の実施の形態において、A~Bとして範囲を示す場合には、特に明示した場合を除き、A以上B以下を示すものとする。
以下で説明される実施例では、Fe基フルホイスラ合金のキャリア濃度を適当な元素置換を行うことで変調して出力因子が最大値となる温度を室温から300℃付近の間で制御する。さらにモジュールにおいて、Fe基フルホイスラ合金におけるキャリア濃度と出力因子最大の温度の関係から決定されるFe基フルホイスラ合金あるいはそれを搭載したモジュールと熱流の最適な配置を開示することで前述の課題を解決する。
周知のようにキャリア濃度(密度)とは、伝導体の電子密度、あるいは荷電子帯の正孔密度をいい、状態密度とフェルミ・ディラック分布関数の積により定まる。通常はフェルミ・ディラック分布関数を、ボルツマン分布関数に近似して計算を行なう。キャリア濃度は、半導体に添加する不純物量でコントロールすることができる。なお、キャリア濃度は厳密には温度依存性がある。本明細書等では、キャリア濃度は常温(25℃)で規定するものとする。
詳細に説明する実施例では特に、FeTiSi系のフルホイスラ合金に着目し、n型材料についてはTiに対してVを置換し、p型材料についてはSiに対してAlを置換することでキャリア濃度を制御する。このV、Alの最適な置換量を開示するものである。さらにその置換量と適応温度域の関係を決定する。その結果、熱流の方向と各々に置換量を調整したFeTiSi系のフルホイスラ合金の相対的な位置関係が決定されるため、その最適な寸法と配置を開示する。なお、本明細書等で熱流の方向とは、ΔTの高温側の温度Tの勾配をいうものとする。
<1.熱電変換材料の構成>
発明者等は、本実施の形態の熱電変換材料として、FeTiSi系フルホイスラ合金を採用した。このFeTiSi系フルホイスラ合金の定義をさらに詳細に述べる。組成式FeTiSiで表されるフルホイスラ合金であり、鉄(Fe)、チタン(Ti)およびシリコン(Si)を主成分として含有するフルホイスラ合金からなる。ここで、フルホイスラ合金が、鉄、チタンおよびシリコンを主成分として含有する、とは、(FeX)(TiY)(SiZ)というようにFeサイト、Tiサイト、Siサイトへ置換元素X,Y,Zを考えた場合に、鉄の含有量が25at%(原子%)を超え、チタンの含有量が12.5at%(原子%)を超え、シリコンの含有量が12.5at%(原子%)を超えることを、本明細書では意味するものとする。
すなわち、ABCで表されるL2型結晶構造を有するフルホイスラ合金において、全てのAサイトのうち50%を超えるAサイトが鉄原子により占有されていることを、意味する。また、全てのBサイトのうち50%を超えるBサイトがチタン原子により占有され、全てのCサイトのうち50%を超えるCサイトがシリコン原子により占有されていることを、意味する。ここでL2型結晶構造とは元素Aからなる立方格子の体心位置にB原子とC原子が交互に配置される構造を意味する。
また、FeTiSi系フルホイスラ合金はABCで表されるような化学量論組成の合金に限るわけではなく、フルホイスラ合金の結晶構造であるL2型結晶構造が崩壊する、あるいは著しく異相が発生するような組成範囲ではないかぎり、非化学量論組成の構成も含む。具体的には、Fe2.04Ti0.96SiやFe1.98Ti0.95Si1.07など多少のFeサイト、Tiサイト、Siサイト間で元素の入れ替えがあったとしても、総体として元素Aからなる立方格子の体心位置にB原子とC原子が交互に配置される構造を維持していれば、フルホイスラ合金の範囲内とみなす。
このように表されるFeTiSi系フルホイスラ合金のFeサイト、Tiサイト、Siサイトへ適当な量の元素置換を行うことでキャリア濃度のコントロールが可能となる。
図3に、比較例として、キャリア濃度1020/cmのFeTiSi系フルホイスラ合金で構成した熱電変換素子の、動作温度Taveに対する出力因子αの関係を示す模式図を示す。FeTiSi系フルホイスラ合金のキャリア濃度の一例であるが、たとえば8.5×1020/cm などがある。動作温度範囲が、例えば室温から300℃まで想定される対象においては、温度勾配に沿って配置された同一材料の熱電変換素子は、動作温度によって出力が異なることになる。
図3では、高温側に配置された熱電変換素子の特性を301で、中温域に配置された熱電変換素子の特性を302で、低温域に配置された熱電変換素子の特性を303で示した。この例では、熱電変換素子の材料のキャリア濃度は同じとしている。このため、総合的な特性304を見ると、矢印305の動作温度が低出力領域となる。このため、熱電変換モジュール全体としては、効率的な熱電変換ができない。
図4に、キャリア濃度の異なるFeTiSi系フルホイスラ合金で構成した熱電変換素子の、動作温度Taveに対する出力因子αの模式図を示す。この例では、高温側に配置された高キャリア濃度熱電変換素子の特性を401で、中温域に配置された中キャリア濃度の熱電変換素子の特性を402で、低温域に配置された低キャリア濃度の熱電変換素子の特性を403で示した。
この例では、熱電変換素子の材料のキャリア濃度を動作温度に応じて調節することにより、総合的な特性404を見ると、室温から300℃まで均一な出力を得られる。このため、熱電変換モジュール全体としては、効率的な熱電変換ができる。なお、図3及び図4で、温度差ΔTは一定として考えている。
このように、低キャリア濃度(例えば1020/cm)の熱電変換材料と、高キャリア濃度(例えば1022/cm)の熱電変換材料を動作温度に応じて配置すると、動作温度に対してより均一な出力因子の特性が得られると考えられる。これからわかるように、常温から中高温のように広い温度範囲で熱電変換効率を高めようとした場合に、動作温度に応じて熱電変換素子の材料のキャリア濃度を調節する手法が有効である。
一般には、熱電変換材料において高キャリア濃度とすると、電子熱伝導率κelが上がるため、上に述べたZTの定義によれば、ZTは下がる方向になる。よって熱電変換材料において意図的に高キャリア濃度とする設計手法は、ZTの向上を重視するポリシーからは導き出せない。
<2.熱電変換材料の製法>
これまで述べた熱電変換材料の構成について、それを得る望ましい手法について述べる。例えば、アモルファス化されたFeTiSi系フルホイスラ合金の原料粉末を熱処理することにより、L2型結晶構造を有するFeTiSi系フルホイスラ合金が得られる。また本手法を取った場合、副次的な効果として結晶粒の平均粒径が1μm未満の微細な結晶粒からなる熱電変換材料を製造することができる。結晶粒の微細化により、熱伝導率を低下させることができる。
また、アモルファス化されたFeTiSi系フルホイスラ合金の原料粉末を製造する方法として、メカニカルアロイングや、原料を溶解した後に超急冷する方法等を用いることができる。
アモルファス化されたFeTiSi系フルホイスラ合金の原料粉末を熱処理する工程において、熱処理する温度が高いほど、また、熱処理する時間が長いほど、製造される熱電変換材料の結晶粒の平均粒径は、大きくなる。熱処理する温度と時間とを適宜設定することにより、結晶粒の平均粒径を制御することができる。例えば、熱処理する温度は、550~700℃であることが好ましく、熱処理する時間は、3分以上10時間以下とすることが好ましい。
ここで結晶粒の平均粒径が100nm程度の微細な結晶を得るためには、アモルファス化されたFeTiSi系フルホイスラ合金の原料粉末を、カーボンからなるダイス、または、タングステンカーバイドからなるダイスに入れ、不活性ガス雰囲気中において、40MPa~5GPaの圧力下でパルス電流をかけながら焼結する方法が望ましい。この焼結の際、550~700℃の範囲の目標温度まで昇温した後、その目標温度で3~180分間保持し、その後、室温まで冷却することが好ましい。
なお、FeTiSi系フルホイスラ合金の原料をアモルファス化する方法として、ロール急冷またはアトマイズ等の方法を用いることができる。アモルファス化したものが粉末で得られていない場合は、水素脆化し酸化が防止されるような環境下で粉砕する方法を用いてもよい。
原料の成型の方法として、加圧成型等の各種の方法を用いることができる。焼結を磁場中で行い、磁場配向させた焼結体を得ることもできる。また、加圧成型と焼結を同時に行うことができる放電プラズマ焼結を用いることもできる。
<3.熱電変換モジュールの構成>
前述の項目1,2の構成と方法で得たFeTiSi系フルホイスラ合金を搭載したモジュールの構成について説明する。
まず用語を整理すると、FeTiSi系フルホイスラ合金のキャリア極性をp型、n型に調整したものを1組用意し、電極に接着させた構成を素子と呼ぶ。
図5は基本的な素子の構成を示す斜視図である。電極104を用いて、p型FeTiSi系フルホイスラ合金102とn型FeTiSi系フルホイスラ合金103とを電気的に直列に接続し、π型の構造にしたものである。pとnが一対であれば一対素子、8対であれば8対素子と呼ぶ。
素子の対数が多数の場合、直列で接続するための電極の取り回し方は無数に考えられるが、ここでは区別しない。なぜなら、直列回路であるため等価回路を考えた時に一対素子に変換し議論が可能であるためである。前述の多対素子を何らかの方法で集積した装置をモジュールと呼称する。冒頭で示した図1は、熱電変換モジュール101の構成の基本的な例を示している。本実施例においても、外形的なモジュール構成は図1と同様でよい。なお、図5では、電極104-1と電極104-2、104-3の間の温度差がΔTとなる。
前述の例えば図1に示す多対素子あるいは図5に示す1対素子において、高キャリア濃度のFeTiSi系フルホイスラ合金を搭載したものを高キャリア濃度品と呼称し、低キャリア濃度のFeTiSi系フルホイスラ合金を搭載したものを低キャリア濃度品と呼称する。前述の高キャリア濃度品、低キャリア濃度品を複数種採用することで、全体の出力因子の温度依存性を測定したときに極端に低い極小値を持たないように個数と数を調整する。
キャリア濃度の調整の手法の具体例としては、n型のFe(TiV)SiではVの量を調整することでキャリア濃度の調整が可能である。また、p型のFeTi(SiAl)ではAlの量を調整することでキャリア濃度の調整が可能である。
図6で、これらキャリア濃度を調整した多対素子の熱電変換モジュール101を実装する、配置の例を説明する。図6は、自動車のマフラー600に、高キャリア濃度品の熱電変換モジュール101Hと、低キャリア濃度品の熱電変換モジュール101Lを配置した構成を示す模式的な斜視図である。マフラー600には、矢印のHからLの方向に排気ガスが流れる。すなわちH側が高温であり、L側が低温である。図6に示すように、マフラーの高温側に高キャリア濃度品の熱電変換モジュール101Hが配置され、低温側に低キャリア濃度品の熱電変換モジュール101Lが配置される。キャリア濃度は2種類だけでなく、3種類以上の熱電変換モジュールを段階的に変化させても良い。
図7は、マフラー600にキャリア濃度を調整した熱電変換モジュール101を実装する、配置の例を模式的に示した断面図である。ここでは、高キャリア濃度品の熱電変換モジュール101H、低キャリア濃度品の熱電変換モジュール101L、それらの中間の濃度の中キャリア濃度品の熱電変換モジュール101Mを配置した例を示している。なお、熱電変換モジュール101がp型とn型の材料からなる一対素子を含む場合、p型およびn型の一方、あるいは両方がキャリア濃度の調整対象となる。
図7の例では、マフラー600には、熱流の第1の媒体である排気ガスGが矢印601方向に流れ、熱流の第2の媒体である冷媒Cが矢印602方向に流れている。排気ガス側の温度がTに相当し、冷媒側の温度がTに相当し、それらの差がΔTとなる。熱流の方向(ΔTの高温側の温度Tの勾配)は排気ガスGの流れる方向(矢印601)になる。
図7には、上記のように配置された各熱電変換モジュール101H,101M,101Lが発電する発電量を、出力密度Pとして縦軸に示した。横軸は動作温度Tave=(T+T)/2である。
図7のように高キャリア濃度品を動作温度(Tave)が高いところに配置し、低キャリア濃度品を動作温度の低いところに配置することで、搭載した熱電変換材料の出力因子は動作温度に応じた値となるため、各多対素子の発電量は特性901のようにほぼ一定となり、単一のキャリア濃度を用いた特性902に比べ、モジュール全体の発電量を高く維持できる。図7のように、排気ガスGと冷媒Cの流れが逆方向に規定されている場合には、動作温度の勾配は熱流の方向と一致するため、高キャリア濃度品をTが高いところに配置し、低キャリア濃度品をTの低いところに配置して、同様の作用効果が得られる。
図8は、マフラー600にキャリア濃度を調整した熱電変換モジュール101を実装する、他の配置の例を模式的に示した断面図である。図7と比較すると、冷媒Cの流れる向きが同じとなっている。この場合、動作温度(Tave)の勾配は図7に比べて変化するが、排気ガスGの上流での動作温度が高くなれば、搭載した熱電変換材料の出力因子は動作温度に応じた値となるため、各多対素子の発電量は特性1001のようにほぼ一定となる。このため、単一のキャリア濃度を用いた特性1002に比べ、モジュール全体の発電量を高く維持できる。なお、排気ガスGの高温側の温度Tが熱電変換効率に支配的であれば、高キャリア濃度品をTが高いところに配置し、低キャリア濃度品をTの低いところに配置しても、同様の作用効果が得られる。このように、前述の熱流に関しては高温媒体と低温媒体の熱流の向きが順方向、逆方向であっても同様の効果が得られるため、配管の自由度を担保できる。一般には、300℃程度までの温度範囲であれば、ΔTの高温側の温度Tが熱電変換材料の特性に与える影響が大きいため、温度Tの勾配に沿って熱電変換材料キャリア濃度を変化させていけばよい。
なお、既述のようにキャリア濃度には温度依存性があり、厳密には同じデバイスでも配置箇所の温度でキャリア濃度が変化する。本明細書では常温でキャリア濃度を規定しているが、低キャリア濃度と高キャリア濃度の差が十分大きければ、配置箇所の温度の影響を無視して上記の構成をとることができる。
<4.熱電変換モジュールの製法>
多対素子とそれらを搭載したモジュールの製法について説明する。300℃程度までの温度範囲であれば一般的な接合方法での製造が可能である。そのうちの一例として実施例に記載の方法を説明したが、その技術に限らず300℃までの耐熱温度を有する接合方法であればいかなる方法でも構わないと考えらえる。
本実施例による熱電変換材料は以下で説明する組成で表される、FeTiSi系フルホイスラ合金を構成要素とする。さらに、この熱電変換材料を用いて熱電変換モジュールを構成する場合には、熱電変換材料を固定する接合材や基板、電気を取り出す電極、あるいは熱交換器などの付属物を含んでよい。
前述のFeTiSi系フルホイスラ合金とは、FeとTiとSiを主成分とし、原子量比がFe:Ti:Si=50(at%):25(at%):25(at%)近傍で組成調整され、フルホイスラ合金の結晶構造を有する合金のことを言う。例えばFe、Ti、Siの比率が非化学量論比となっているFe:Ti:Si=48(at%):25(at%):27(at%)の合金などもその範疇に入れて定義する。
また、ゼーベック係数の絶対値を最大化せしめるために元素置換した合金についても同様にFeTiSi系フルホイスラ合金と表記する。たとえばn型のFeTiSi系フルホイスラ合金では、特許文献1で示唆されているように、ゼーベック係数の絶対値を最大化せしめるためVなどをTiに対し適量置換することがあるが、その場合もFeTiSi系フルホイスラ合金と表記する。
以下の方法により、本実施例の熱電変換材料であるFeTiSi系フルホイスラ合金を作製した。まず、FeTiSi系フルホイスラ合金については、n型材料としてTiを一部Vで置換したFeTiVSiと、p型材料としてSiを一部Alで置換したFeTiSiAlを採用した。具体的にはXYZで表されるL2型結晶構造を有するフルホイスラ合金からなる熱電変換材料において、Xサイト、YサイトおよびZサイトの各サイトの主成分となる原料として、鉄(Fe)、チタン(Ti)およびシリコン(Si)を用いた。また、Yサイトの主成分を置換する原料としてバナジウム(V)を用いた。さらにZサイトの主成分を置換する原料としてアルミニウム(Al)を用いた。そして、作製される熱電変換材料が所望の組成となるように、各原料を秤量した。
次に、この原料を、不活性ガス雰囲気中において、ステンレス鋼からなる容器の中に入れ、10mmの直径を有するステンレス鋼からなるボールと混合した。次に、遊星ボールミル装置を用いたメカニカルアロイングを行い、200~500rpmの公転回転速度で20時間以上実施し、アモルファス化した合金粉末を得た。このアモルファス化した合金粉末を、カーボンからなるダイス、または、タングステンカーバイドからなるダイスに入れ、不活性ガス雰囲気中において、40MPa~5GPaの圧力下でパルス電流をかけながら焼結した。この焼結の際、550~700℃の範囲の目標温度まで昇温した後、その目標温度で3~180分間保持し、その後、室温まで冷却することにより、熱電変換材料を得た。
得られたFeTiSi系フルホイスラ合金の結晶構造をX線回折(X‐ray diffraction:XRD)法で評価した。また得られた熱電変換材料の熱電変換特性として電気抵抗率ρおよびゼーベック係数Sを、熱電特性評価装置ZEM(アルバック理工社製)を用いて測定した。その結果、所望の結晶構造であるL2型結晶構造と高い出力因子を確認した。
ここで高キャリア濃度品あるいは低キャリア濃度品はそれぞれ、V量とAl量を調整することで得られる。たとえばn型材料を高キャリア濃度にするためにはTiに対してVを25at%程度置換すればいい。p型材料においてはAlをSiに対して25at%程度置換したものを採用している。一方、低キャリア濃度はn型、p型ともにV,AlをそれぞれTi,Siに対して12at%程度置換することで得られる。両者の中間のキャリア濃度に調整したい場合は置換量を12~25at%の間で調整すれば良い。
前述のようにキャリア濃度を調整したFeTiSi系フルホイスラ合金と無酸素同電極とを、Ai-Niあるいは酸化銅ペーストを用い、3%以上の水素雰囲気下で還元しながら熱処理することで接合した。この接合方法を用いることで多対素子を作製した。同様に任意の熱交換器に対して、同様の接合方法を用いて多対素子を接着させることでモジュールを作製した。
このように作製したモジュールのうち、高キャリア濃度品と低キャリア濃度品の2種を搭載した事例についてその測定結果を示す。
図9は、高キャリア濃度品と低キャリア濃度品に搭載されたFeTiSi系フルホイスラ合金の、出力因子αの動作温度Tave依存性を示す。高キャリア濃度品は22at%程度元素置換したn型またはp型材料用い、低キャリア濃度品は12at%程度元素置換したn型またはp型材料を用いている。ここで中抜きのデータ(例:○)は内挿点であり、複合型の点を計算する上で用いたデータ点になる。低キャリア濃度のFeTiSi系フルホイスラ合金の出力因子は、常温から200℃にかけて温度の上昇に伴い減少する一方、高キャリア濃度のFeTiSi系フルホイスラ合金の出力因子は温度の上昇に伴い増加する。これによりトータルでは出力因子は殆ど温度に依存しないとわかる。
低キャリア濃度の熱電変換材料と、高キャリア濃度の熱電変換材料を動作温度に応じて配置すると、動作温度に対してより均一な出力因子の特性が得られる。これからわかるように、常温から中高温のように広い温度範囲で熱電変換効率を高めようとした場合に、動作温度に応じて熱電変換素子の材料のキャリア濃度を調節する手法が有効である。
図10で、このような高キャリア濃度品と低キャリア濃度品を搭載したモジュールについて、モジュール内の温度差ΔTと得られた出力密度Pの関係を示す。図10から温度差ΔTの2乗に比例して出力密度Pが増加することが確認された。これは数式(2)から、出力密度Pは、ΔTに比べて材料の出力因子αに殆ど依存しないためと解釈できる。
このように適切にキャリア濃度を調整したことで動作温度に依存せず、温度差にのみ依存するモジュールを得ることができた。これにより、幅広い温度域に対応したモジュールを提供できることが示された。
補足として、本実施例の場合、キャリア濃度はファンデルポー法によるホール測定によって得られたホール抵抗を用いて、(キャリア濃度)= 1/(ホール抵抗×電荷)の関係から算出した。なお、測定方法は限定されるものではなく、キャリア濃度の大小を決定づけられる手法であれば、本手法に限らず同等の結果が得られるといえる。
実施例1では、図1に示したモジュール101単位で高キャリア濃度と低キャリア濃度のものを作成し、動作温度に応じて配置した。実施例2では、実施例1に記載の高キャリア濃度と低キャリア濃度のFeTiSi系フルホイスラ合金のうち、n型を低キャリア濃度としp型を高キャリア濃度として、1対素子を試作した。
その出力因子αと出力密度Pの動作温度依存性は実施例1と同様に、出力因子αは温度域に依存せず、出力密度Pは温度差の二乗に比例する事がわかっている。この結果、単一物質の中で高キャリア濃度品と低キャリア濃度品を多数用意せずとも、キャリア濃度差の大きいn、p一種類ずつ用意することで、適応温度を室温から300℃程度まで広げたモジュールを提供する事ができると言える。
図11は多対素子と1対素子を回路的に比較する説明図である。図11の概念図および等価回路図に示すとおり、多数の1対素子からなる多対素子は1つの1対素子に合成可能である。よって、多数素子の各素子に高キャリア濃度品と低キャリア濃度品を適用する代わりに、1対素子のp型熱電変換材料とn型熱電変換材料に適用することで、同様の効果を得ることができる。
例えば、n型の材料に低キャリア濃度のFeTiSi系フルホイスラ合金を用い、p型の材料に高キャリア濃度のFeTiSi系フルホイスラ合金を用い、1対素子として形成した単純な構造でも同等の結果が得られる。
以上説明した実施例によれば、室温から300℃付近の幅広い温度域に適応できる、単一品種を用いた無毒安価な熱電変換モジュールが提供できる。単一品種としては、FeTiSi系フルホイスラ合金のような材料で、キャリア濃度を調整するだけでよい。さらに具体化すれば、前に説明したとおり出力因子の温度変化がモジュールの出力を決定するため、図3のような出力因子が低下する温度域を無くし、出力因子の温度変化が室温から300℃の間で小さい、熱電変換材料および熱電変換モジュールの構成を提供することができる。

Claims (10)

  1. 第1の媒体の移動によって生じる熱流に沿って配置され、
    フルホイスラ合金を含む第1の熱電変換材料で構成される第1の部材と、
    フルホイスラ合金を含む第2の熱電変換材料で構成される第2の部材と、
    を備える熱電変換モジュールであって、
    前記第1の熱電変換材料のキャリア濃度は、前記第2の熱電変換材料のキャリア濃度よりも高く、
    前記第1の部材は、前記第2の部材よりも前記熱流に対して上流側に配置されていることを特徴とする熱電変換モジュール。
  2. 前記フルホイスラ合金は、FeTiSi系フルホイスラ合金である、
    請求項1記載の熱電変換モジュール。
  3. 前記第1の熱電変換材料および前記第2の熱電変換材料は、n型材料としてTiを一部Vで置換したFeTiVSiであり、
    前記第1の熱電変換材料のVによる置換量が、前記第2の熱電変換材料のVによる置換量より大きい、
    請求項2記載の熱電変換モジュール。
  4. 前記第1の熱電変換材料のVによる置換量と、前記第2の熱電変換材料のVによる置換量を、置換量12~25at%の間とする、
    請求項3記載の熱電変換モジュール。
  5. 前記第1の熱電変換材料および前記第2の熱電変換材料は、p型材料としてSiを一部Alで置換したFeTiSiAlであり、
    前記第1の熱電変換材料のAlによる置換量が、前記第2の熱電変換材料のAlによる置換量より大きい、
    請求項2記載の熱電変換モジュール。
  6. 前記第1の熱電変換材料のAlによる置換量と、前記第2の熱電変換材料のAlによる置換量を、置換量12~25at%の間とする、
    請求項5記載の熱電変換モジュール。
  7. 前記第1の熱電変換材料のキャリア濃度と、前記第2の熱電変換材料のキャリア濃度は、出力因子が最大値となる温度がそれぞれ異なるように調整されている、
    請求項1記載の熱電変換モジュール。
  8. 前記第1の媒体と、該第1の媒体の冷媒として作用する第2の媒体を用いる熱交換システムに配置され、
    前記第1の媒体と、前記第2の媒体は移動方向が逆であり、
    前記第1の部材および前記第2の部材は、前記第1の媒体と前記第2の媒体の間に配置されて、前記第1の媒体側を高温側、前記第2の媒体側を低温側として熱電変換を行い、
    前記第1の部材は、前記第2の部材よりも、前記第1の媒体の移動方向の上流側に配置される、
    請求項1記載の熱電変換モジュール。
  9. 前記第1の媒体と、該第1の媒体の冷媒として作用する第2の媒体を用いる熱交換システムに配置され、
    前記第1の媒体と、前記第2の媒体は移動方向が同じであり、
    前記第1の部材および前記第2の部材は、前記第1の媒体と前記第2の媒体の間に配置されて、前記第1の媒体側を高温側、前記第2の媒体側を低温側として熱電変換を行い、
    前記第1の部材は、前記第2の部材よりも、前記第1の媒体の移動方向の上流側に配置される、
    請求項1記載の熱電変換モジュール。
  10. p型FeTiSi系フルホイスラ合金とn型FeTiSi系フルホイスラ合金とを電気的に直列に接続し、π型の構造にした一対素子を複数含み、
    前記第1の熱電変換材料または前記第2の熱電変換材料の一方が、第1の一対素子の前記p型FeTiSi系フルホイスラ合金およびn型FeTiSi系フルホイスラ合金であり、
    前記第1の熱電変換材料または前記第2の熱電変換材料の他方が、第2の一対素子の前記p型FeTiSi系フルホイスラ合金およびn型FeTiSi系フルホイスラ合金である、
    請求項1記載の熱電変換モジュール。
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