JP2002100818A - 熱電変換素子の製造方法 - Google Patents

熱電変換素子の製造方法

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JP2002100818A
JP2002100818A JP2000290413A JP2000290413A JP2002100818A JP 2002100818 A JP2002100818 A JP 2002100818A JP 2000290413 A JP2000290413 A JP 2000290413A JP 2000290413 A JP2000290413 A JP 2000290413A JP 2002100818 A JP2002100818 A JP 2002100818A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温電極側から低温電極側に向けて主材料と
副材料との組成比が段階的に異なる傾斜構造を有する熱
電変換素子を製造する方法において、傾斜構造を有する
熱電変換素子を効率よく製造できる熱電変換素子の製造
方法を提供すること。 【解決手段】 主材料1の表面に副材料2を主材料1と
副材料2との構成比を変えて成膜して複数種類の熱電変
換素子材料3を形成する成膜工程と、熱電変換素子材料
3を前記構成比の順に積層固化して熱電変換素子を形成
する積層工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱電変換素子の製
造方法に関し、特に、高温電極側から低温電極側に向け
て主材料と副材料との組成比が段階的に異なる傾斜構造
を有する熱電変換素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、BiTe系又はBiTeSb系な
どの熱電変換素子においては、その熱電材料は均一組成
およびキャリア濃度として、所定の温度に対して高い熱
電変換効率が得られるようになされている。これに対し
て、高温電極側から低温電極側に向けて主材料と副材料
との組成比が段階的に異ならせることによって、各部の
温度においてそれぞれ高い熱電変換効率を有するように
変化させた傾斜構造を有する熱電変換素子が提案されて
いる。
【0003】図5に示すように、特開平10−7498
6号公報に、このような傾斜構造を有する熱電変換素子
の製造方法が提案されている。
【0004】この熱電変換素子の製造方法は、組成が段
階的に異なる熱電素子材料の粉末を段階の数だけ複数種
類形成し、この粉末を組成の順にダイ20に充填し、電
極材料21と粉末熱電素子材料23とを圧接させた状態
で、プラズマ焼結を行っている。組成が段階的に異なる
熱電素子材料の粉末を得るに当たっては、熱電素子材料
の組成原材料の比率を段階の数だけ計量して混合し、こ
の混合した粉末を溶融、攪拌した後、冷却固化して組成
が段階的に異なる熱電素子材料のインゴットを作成し、
各インゴットを粉砕して粉末を作成している。
【0005】このような熱電変換素子の製造方法では、
電極を接合するための蝋材等の使用が回避され、低温、
中温ないし高温を取り扱う熱電変換素子においても、確
実、安定に電極形成が行える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の熱電変換素子の製造方法では、熱電素子材料の組成
原材料の計量工程があるので、インゴットの作成に手間
がかかり熱電変換素子の製造効率が低下するという問題
がある。
【0007】本発明は、上記事由に鑑みてなしたもの
で、その目的とするところは、傾斜構造を有する熱電変
換素子を効率よく製造できる熱電変換素子の製造方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、高温電極側から低温電極
側に向けて主材料と副材料との組成比が段階的に異なる
傾斜構造を有する熱電変換素子を製造する熱電変換素子
の製造方法であって、主材料の表面に副材料を主材料と
副材料との構成比を変えて成膜して複数種類の熱電変換
素子材料を形成する成膜工程と、熱電変換素子材料を前
記構成比の順に積層固化して熱電変換素子を形成する積
層工程とを有することを特徴として構成している。
【0009】このような熱電変換素子の製造方法では、
成膜工程において、主材料の表面に副材料を主材料と副
材料との構成比を変えて成膜して複数種類の熱電変換素
子材料を形成し、積層工程において熱電変換素子材料を
前記構成比の順に積層固化して熱電変換素子を形成して
いるので、高温電極側から低温電極側に向けて主材料と
副材料との組成比が段階的に異なる傾斜構造を有する熱
電変換素子を製造できる。また、熱電変換素子を構成す
るすべての原材料をそれぞれ計量するのではなく、主材
料および副材料を計量して主材料の表面に副材料を成膜
しているため、この計量が簡単なものとなり、熱電変換
素子の製造効率が向上している。
【0010】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載の発明において、主材料が粉末状であることを特徴
として構成している。
【0011】このような熱電変換素子の製造方法では、
主材料が粉末状であるため、塊状の主材料を粉砕する等
の簡単な方法で粉末状の主材料を形成できる。
【0012】また、請求項3記載の発明では、請求項2
記載の発明において、溶湯状態の主材料を液体急冷法に
より箔片化させて粉末状の主材料が形成されていること
を特徴として構成している。
【0013】このような熱電変換素子の製造方法では、
溶湯状態の主材料を液体急冷法により箔片化させて粉末
状の主材料が形成されているため、箔片化された粉末状
の主材料を簡単に形成できる。
【0014】また、請求項4記載の発明では、請求項1
記載の発明において、主材料が板状であることをことを
特徴として構成している。
【0015】このような熱電変換素子の製造方法では、
主材料が板状であるため、積層工程において、簡単に構
成比の異なる熱電変換素子材料を積層できる。
【0016】また、請求項5記載の発明では、請求項1
乃至4のいずれかに記載の発明において、主材料が熱電
変換素子を構成する原材料の合金で形成されていること
を特徴として構成している。
【0017】このような熱電変換素子の製造方法では、
主材料が熱電変換素子を構成する原材料の合金で形成さ
れているため、主材料は1種類で済み、主材料の形成が
簡単になっている。
【0018】また、請求項6記載の発明では、請求項1
乃至4のいずれかに記載の発明において、主材料が、熱
電変換素子材料を構成する各原材料であるとともに、成
膜工程後に熱電変換素子材料を合金化する合金化工程を
有することを特徴として構成している。
【0019】このような熱電変換素子の製造方法では、
成膜工程後に熱電変換素子材料を合金化しているため、
熱電変換素子の組成がより均一になっている。
【0020】また、請求項7記載の発明では、請求項1
乃至6のいずれかに記載の発明において、熱電変換素子
材料を構成する主材料の大きさと副材料の膜厚とのうち
どちらか一方を変化させて主材料と副材料との構成比を
変えることをことを特徴として構成している。
【0021】このような熱電変換素子の製造方法では、
熱電変換素子材料を構成する主材料の大きさと副材料の
膜厚とのうちどちらか一方を変化させることにより、主
材料と副材料との構成比を変えることが実現できる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の熱電変換素子
の製造方法を図1乃至図4に基づいて以下に説明する。
【0023】図1は、本発明の実施形態の熱電変換素子
の製造方法を示す説明図であり、(a)〜(f)各工程
を示す。
【0024】図1に示すように、この熱電変換素子の製
造方法は、高温電極側から低温電極側に向けて主材料1
と副材料2との組成比が段階的に異なる傾斜構造を有す
る熱電変換素子の製造する方法であり、主材料1の表面
に副材料2を主材料1と副材料2との構成比を変えて成
膜して複数種類の熱電変換素子材料3を形成する成膜工
程と、熱電変換素子材料3を前記構成比の順に積層固化
して熱電変換素子を形成する積層工程とを有している。
また、主材料1が粉末状である。また、主材料1が熱電
変換素子を構成する原材料4の合金で形成されている。
また、熱電変換素子材料3を構成する副材料2の膜厚を
変化させて主材料1と副材料2との構成比を変えてい
る。また、この熱電変換素子の製造方法は、成膜工程の
前に、熱電変換素子を構成する原材料4の合金である主
材料1を作成する主材料作成工程を有している。
【0025】以下に、ここで作成される熱電変換素子と
してBiTeSb系を例に、この熱電変換素子の製造方
法の各工程を順に説明する。
【0026】まず、主材料作成工程について説明する。
まず、(a)に示すように、熱電変換素子の原材料4で
ある粒径1〜5mm程度の粉状のBi(4a)、Te
(4b)、Sb(4c)を主材料1の所定の構成比とな
るように計量し、各粉末をジルコニア製のボール5とと
もに、ジルコニア製のポット6に充填する。次に、
(b)に示すように、このポット6内に充填された各粉
末4a、4b、4cからボールミル、遊星ボールミルま
たは振動ミル等のメカニカル・アロイング法によって、
(c)に示すように、原材料4の所定の構成比を有する
主材料1であるBiTeSbの合金の粉末を得る。主材
料1の粉末の平均粒径として10μm〜30μm程度に
なるようにする。
【0027】次に、成膜工程について説明する。まず、
(d)に示すように、副材料2としてTeを選択し、主
材料1の粉末の表面にスパッタ等により副材料2を成膜
する。このとき、例えば主材料1の粉末の粒径が20μ
mであるときに、スパッタ条件を変えて副材料2の膜厚
を例えば0.32μm、0.34μm、0.36μm、
0.38μmの4種類2a、2b、2c、2d作成し、
主材料1と副材料2との構成比が異なる熱電変換素子材
料3を4種類3a、3b、3c、3d作成する。
【0028】次に、積層工程について説明する。まず、
(e)に示すように、これら4種類の熱電変換素子材料
3a、3b、3c、3dを副材料2の膜厚の順にダイ7
の中にそれぞれほぼ同量充填する。次に、(f)に示す
ように、Arガス雰囲気中にて、ダイ7中の熱電変換素
子材料3に対して加圧力20〜40MPa、焼結温度4
00〜600℃、焼結時間1〜3時間程度の焼結条件で
ホットプレスを行う。これにより、熱電変換素子材料3
の混合粉末が焼結され、傾斜構造を有する熱電変換素子
が製造できる。
【0029】このような熱電変換素子の製造方法では、
成膜工程において、主材料1の表面に副材料2を主材料
1と副材料2との構成比を変えて成膜して複数種類の熱
電変換素子材料3を形成し、積層工程において熱電変換
素子材料3を前記構成比の順に積層固化して熱電変換素
子を形成しているので、高温電極側から低温電極側に向
けて主材料1と副材料2との組成比が段階的に異なる傾
斜構造を有する熱電変換素子を製造できる。また、熱電
変換素子を構成するすべての原材料4をそれぞれ計量す
るのではなく、主材料1および副材料2を計量して主材
料1の表面に副材料2を成膜しているため、この計量が
簡単なものとなり、熱電変換素子の製造効率が向上して
いる。
【0030】また、主材料1が粉末状であるため、メカ
ニカル・アロイング法などの塊状の主材料1を粉砕する
等の簡単な方法で粉末状の主材料1を形成できる。ま
た、主材料1が熱電変換素子を構成する原材料4の合金
で形成されているため、主材料1は1種類で済み、主材
料1の形成が簡単になっている。また、副材料2の膜厚
を変化させることにより、同程度の大きさの主材料1を
用いても、主材料1と副材料2との構成比を変えること
が実現でき、主材料1の大きさを選別するなどの作業を
行うことなく、製造効率が向上している。また、熱電変
換素子材料3を構成する副材料2の膜厚を変化させて主
材料1と副材料2との構成比を変えているため、主材料
1の大きさを変える必要がない。したがって、主材料1
の作成条件の調整や大きさの仕分けを行うことなく、主
材料1の作成が容易になっている。
【0031】なお、上記の熱電変換素子の製造方法で
は、熱電変換素子材料3を構成する副材料2の膜厚を変
化させて主材料1と副材料2との構成比を変えている
が、主材料1の大きさを変化させて主材料1と副材料2
との構成比を変えることもできる。主材料1の大きさを
変化させる方法として、例えば、まずメカニカル・アロ
イング法などにより平均粒径45μm、ばらつき幅10
μm程度の粉末状の主材料1を形成し、各粉末に同膜厚
量(例えば0.8μm)の副材料2を成膜して熱電変換
素子材料3の粉末を作成する。そして、この粉末を分級
して平均粒径が50μm、47μm、43μm、40μ
m程度の各大きさの粉末をそれぞれ多数仕分けする。こ
の後、積層工程を行って、熱電変換素子を作成する。な
お、この場合、分級により主材料1の粉末の大きさを変
化させているが、メカニカル・アロイング法で主材料1
の粉末を作成する時に、粉砕時間やポット6の回転速度
などの粉砕条件を段階的に変えて主材料1の粉末の大き
さを変化させることもできる。
【0032】このような熱電変換素子の製造方法では、
各粉末の副材料2の成膜厚みが同じであるため、副材料
2の成膜条件を調整することなく副材料2を成膜でき、
成膜工程が簡単なものとなっている。
【0033】また、図2は、同上の熱電変換素子の製造
方法と異なる熱電変換素子の製造方法を示す製造工程の
説明図であり、(a)〜(f)各工程を示す。
【0034】図2に示すように、この熱電変換素子の製
造方法は、同上の熱電変換素子の製造方法と同様に、高
温電極側から低温電極側に向けて主材料1と副材料2と
の組成比が段階的に異なる傾斜構造を有する熱電変換素
子の製造方法であり、主材料1の表面に副材料2を主材
料1と副材料2との構成比を変えて成膜して複数種類の
熱電変換素子材料3を形成する成膜工程と、熱電変換素
子材料3を前記構成比の順に積層固化して熱電変換素子
を形成する積層工程とを有している。異なる点は、主材
料1が、熱電変換素子材料3を構成する各原材料4であ
るとともに、成膜工程後に熱電変換素子材料3を合金化
する合金化工程を有することである。
【0035】例えば、熱電変換素子としてBiTeSb
系である場合、まず、(a)に示すように、熱電変換素
子材料3を構成する各原材料4、すなわちBi(4
a)、Te(4b)、Sb(4c)の平均粒径1〜5m
m程度の大きさの各粉末を作成する。次に(b)に示す
ように、各原材料4の粉末を主材料1とし、この各主材
料1の表面に副材料2、すなわちTeをスパッタにより
成膜する。副材料2の厚みは、例えば主材料1の粉末粒
径が2mmであるときに、スパッタ条件を変えて32μ
m、34μm、36μm、38μmの4種類8a、8
b、8c、8dとする。Bi、Te、Sbの主材料1で
同じ膜厚の副材料2を有する熱電変換素子材料粉末8
a、9a、10aを1組とし、熱電変換素子材料粉末を
4組に仕分けする。次に(c)に示すように、この各組
の熱電変換素子材料粉末をそれぞれジルコニア製のボー
ル5とともに、ジルコニア製のポット6に充填し、ボー
ルミル、遊星ボールミルまたは振動ミル等のメカニカル
・アロイング法によって、(d)に示すように、副材料
2すなわちTeの含有量が異なることによってBiTe
Sbの構成比の異なる4種類の合金の粉末11a、11
b、11c、11dを得る。そして、(e)に示すよう
に、各種類の合金を構成比の順にダイ7に充填し、
(f)に示すようなホットプレス処理を行う積層工程を
経て傾斜構造を有する熱電変換素子が製造する。
【0036】このような熱電変換素子の製造方法では、
主材料1が、熱電変換素子材料3を構成する各原材料4
であるとともに、成膜工程後に熱電変換素子材料3を合
金化する合金化工程を有しているため、積層工程の前段
階で合金化でき、積層工程後に作成された熱電変換素子
の組成がより均一になっている。
【0037】また、図3は、同上の熱電変換素子の製造
方法と異なる熱電変換素子の製造方法を示す製造工程の
説明図であり、(a)〜(f)各工程を示す。
【0038】図3に示すように、この熱電変換素子の製
造方法は、同上の熱電変換素子の製造方法と同様に、高
温電極側から低温電極側に向けて主材料1と副材料2と
の組成比が段階的に異なる傾斜構造を有する熱電変換素
子の製造方法であり、主材料1の表面に副材料2を主材
料1と副材料2との構成比を変えて成膜して複数種類の
熱電変換素子材料3を形成する成膜工程と、熱電変換素
子材料3を前記構成比の順に積層固化して熱電変換素子
を形成する積層工程とを有している。異なる点は、溶湯
状態の主材料1を液体急冷法により箔片化させて粉末状
の主材料1が形成されていることである。
【0039】主材料1として例えばBi0.5Sb1.
5Te3、副材料2としてTeを用いる場合について説
明する。まず、主材料1を構成する各原材料4の所定の
比率になるよう計量した後、るつぼに充填し、Arガス
などの不活性ガス雰囲気中で溶融させ、この溶融液を攪
拌し、冷却固化することにより、合金化されたインゴッ
ト状の主材料1を形成する。次に、(a)に示すよう
に、このインゴット状の主材料1を粉砕して粗粉末状の
主材料1を形成する。次に粗粉末状の主材料1を溶湯状
態にした後、液体急冷法により箔片化させる。この場
合、液体急冷法は、溶湯状態の主材料1を回転ロール1
2の回転面上に滴下し、回転面に接触して急冷された主
材料1が箔片状に固化するものであり、液体急冷装置を
用いて行われる。液体急冷装置は、例えば、溶湯状態の
主材料1を収納するとともに、下端開口の滴下口13a
から所定量、所定時間ごとに滴下させるノズル13とノ
ズル13下方に配置され上下方向に回転する回転面を有
する回転ロール12とを少なくとも有している。
【0040】そして、(b)に示すように、粗粉末状又
は塊状の主材料1をノズル13に充填し熱溶融させ、溶
湯状態の主材料1をノズル13の滴下口13aから回転
ロール12の回転面上に滴下させる。このとき、(c)
に示すように、回転面に接触して急冷された主材料1が
箔片状に固化されて回転面の回転方向に飛散する。この
とき、熱電素子材料3の結晶軸は、金属ロール面から厚
み方向への温度勾配によって結晶成長が促され、成長し
やすい結晶軸が揃うため、箔片状の主材料1の厚み方向
に揃ったものが出来上がり、さらに、この箔片状の主材
料1を積層すると自然に箔片の広い面どうしが接触する
ため、例えば、ノズル13の滴下口13aの開口径50
0μm、回転面の回転速度10m/sとすると、厚み1
5μm程度の箔片状の主材料1が形成できる。この後、
(d)に示すような成膜工程、(e)、(f)に示すよ
うに、積層工程を経て傾斜構造を有する熱電変換素子が
製造できる。
【0041】このような熱電変換素子の製造方法では、
溶湯状態の主材料1を液体急冷法により箔片化させて粉
末状の主材料1が形成されているため、箔片化された粉
末状の主材料1を簡単に形成できる。また、金属ロール
面から厚み方向への温度勾配によって結晶成長が促さ
れ、成長しやすい結晶軸が揃うため、箔片状の主材料1
の厚み方向に揃ったものが出来上がり、さらに、この箔
片状の主材料1を積層すると自然に箔片の広い面どうし
が接触するため、熱電変換素子の結晶方向を揃えること
ができ、熱電変換素子の性能が向上している。
【0042】なお、熱電変換素子材料3の主材料1と副
材料2との構成比を変える方法として、主材料1の大き
さを変化させる場合では、液体急冷装置の回転面の回転
速度を段階的に変化させる方法があり、副材料2の膜厚
を変化させる場では、液体急冷装置の回転面の回転速度
を同じにして同粒径の主材料1を形成した後、成膜条件
を段階的に変えて主材料1に副材料2を成膜する方法が
ある。
【0043】また、図4は、同上の熱電変換素子の製造
方法と異なる熱電変換素子の製造方法を示す製造工程の
説明図であり、(a)〜(e)各工程を示す。
【0044】図4に示すように、この熱電変換素子の製
造方法は、同上の熱電変換素子の製造方法と同様に、高
温電極側から低温電極側に向けて主材料1と副材料2と
の組成比が段階的に異なる傾斜構造を有する熱電変換素
子の製造方法であり、主材料1の表面に副材料2を主材
料1と副材料2との構成比を変えて成膜して複数種類の
熱電変換素子材料3を形成する成膜工程と、熱電変換素
子材料3を前記構成比の順に積層固化して熱電変換素子
を形成する積層工程とを有している。異なる点は、主材
料1が板状であることである。
【0045】板状の主材料1を形成するに当たっては、
いくつかの方法がある。例えば、主材料1として例えば
Bi0.5Sb1.5Te3、副材料2としてTeを用
いる場合について説明する。まず、(a)に示すよう
に、主材料1を構成する各原材料4の所定の比率になる
よう計量した後、るつぼに充填し、Arガスなどの不活
性ガス雰囲気中で溶融させ、この溶融液を攪拌し、冷却
固化することにより、合金化された主材料のインゴット
15を形成する。次に、(b)に示すように、主材料の
インゴット15を例えばダイヤモンドカッタなどの切断
工具を用いて厚み500μm程度の薄板状に切断する。
次に(c)に示すように、この主材料の薄板16の表面
に厚みがそれぞれ12μm、12.8μm、13.7μ
m、14.5μmの副材料2a、2b、2c、2dをス
パッタにより成膜する。この後、(d)、(e)に示す
ように、この板状の熱電変換素子材料3a、2b、2
c、2dを1枚ずつ副材料2の厚み順に積層固化して熱
電変換素子を形成する。
【0046】この他、一旦粉状に形成した主材料1を積
層固化して板状に形成する方法もある。この場合は、こ
の後、板状の主材料1の表面に構成比を変えて副材料2
を成膜した後、積層工程を行う。また、主材料1に構成
比を変えて副材料2を成膜した粉状の熱電素子材料3を
構成比ごとに積層固化して板状に形成する方法もある。
この場合は、この後に積層工程を行う。
【0047】このような熱電変換素子の製造方法では、
主材料1が板状であるため、積層工程において、簡単に
構成比の異なる熱電変換素子材料3を積層できる。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、成膜工程にお
いて、主材料の表面に副材料を主材料と副材料との構成
比を変えて成膜して複数種類の熱電変換素子材料を形成
し、積層工程において熱電変換素子材料を前記構成比の
順に積層固化して熱電変換素子を形成しているので、高
温電極側から低温電極側に向けて主材料と副材料との組
成比が段階的に異なる傾斜構造を有する熱電変換素子を
製造できる。また、熱電変換素子を構成するすべての原
材料をそれぞれ計量するのではなく、主材料および副材
料を計量して主材料の表面に副材料を成膜しているた
め、この計量が簡単なものとなり、熱電変換素子の製造
効率が向上している。
【0049】また、請求項2記載の発明では、主材料が
粉末状であるため、塊状の主材料を粉砕する等の簡単な
方法で粉末状の主材料を形成できる。
【0050】また、請求項3記載の発明では、溶湯状態
の主材料を液体急冷法により箔片化させて粉末状の主材
料が形成されているため、箔片化された粉末状の主材料
を簡単に形成できる。
【0051】また、請求項4記載の発明では、主材料が
板状であるため、積層工程において、簡単に構成比の異
なる熱電変換素子材料を積層できる。
【0052】また、請求項5記載の発明では、主材料が
熱電変換素子を構成する原材料の合金で形成されている
ため、主材料は1種類で済み、主材料の形成が簡単にな
っている。
【0053】また、請求項6記載の発明では、成膜工程
後に熱電変換素子材料を合金化しているため、熱電変換
素子の組成がより均一になっている。
【0054】また、請求項7記載の発明では、熱電変換
素子材料を構成する主材料の大きさと副材料の膜厚との
うちどちらか一方を変化させることにより、主材料と副
材料との構成比を変えることが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の熱電変換素子の製造方法を
示す説明図であり、(a)〜(f)各工程を示す。
【図2】同上の熱電変換素子の製造方法と異なる熱電変
換素子の製造方法を示す製造工程の説明図であり、
(a)〜(f)各工程を示す。
【図3】同上の熱電変換素子の製造方法と異なる熱電変
換素子の製造方法を示す製造工程の説明図であり、
(a)〜(f)各工程を示す。
【図4】同上の熱電変換素子の製造方法と異なる熱電変
換素子の製造方法を示す製造工程の説明図であり、
(a)〜(e)各工程を示す。
【図5】従来の熱電変換素子の製造方法を示す要部の断
面図である。
【符号の説明】
1 主材料 2 副材料 3 熱電変換素子材料 4 原材料 5 ボール 6 ポット 7 ダイ 12 回転ロール 13 ノズル 20 ダイ 21 電極材料 22 粉末熱電素子材料

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温電極側から低温電極側に向けて主材
    料と副材料との組成比が段階的に異なる傾斜構造を有す
    る熱電変換素子を製造する熱電変換素子の製造方法であ
    って、主材料の表面に副材料を主材料と副材料との構成
    比を変えて成膜して複数種類の熱電変換素子材料を形成
    する成膜工程と、熱電変換素子材料を前記構成比の順に
    積層固化して熱電変換素子を形成する積層工程とを有す
    ることを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 主材料が粉末状であることを特徴とする
    請求項1記載の熱電変換素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶湯状態の主材料を液体急冷法により箔
    片化させて粉末状の主材料が形成されていることを特徴
    とする請求項2記載の熱電変換素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 主材料が板状であることを特徴とする請
    求項1記載の熱電変換素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 主材料が熱電変換素子を構成する原材料
    の合金で形成されていることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載の熱電変換素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 主材料が、熱電変換素子材料を構成する
    各原材料であるとともに、成膜工程後に熱電変換素子材
    料を合金化する合金化工程を有することを特徴とする請
    求項1乃至4のいずれかに記載の熱電変換素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 熱電変換素子材料を構成する主材料の大
    きさと副材料の膜厚とのうちどちらか一方を変化させて
    主材料と副材料との構成比を変えることを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれかに記載の熱電変換素子の製造方
    法。
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