JP2000138399A - 熱電半導体材料、熱電素子、これらの製造方法および熱電半導体材料の製造装置 - Google Patents

熱電半導体材料、熱電素子、これらの製造方法および熱電半導体材料の製造装置

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JP2000138399A
JP2000138399A JP10226533A JP22653398A JP2000138399A JP 2000138399 A JP2000138399 A JP 2000138399A JP 10226533 A JP10226533 A JP 10226533A JP 22653398 A JP22653398 A JP 22653398A JP 2000138399 A JP2000138399 A JP 2000138399A
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JP
Japan
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semiconductor material
thermoelectric semiconductor
thermoelectric
raw material
powder
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Naoyuki Kanetake
直幸 金武
Yasutoku Sato
泰徳 佐藤
Katsushi Fukuda
克史 福田
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】十分な強度と性能を具備し、製造歩留りの高い
熱電半導体材料を提供する。 【解決手段】図3(a)に示すように圧縮力とこの圧縮
方向に対して垂直方向にせん断力が独立に作用すること
により、圧縮方向に対して垂直方向に結晶(六方晶構
造)の基底面であるC面が強く配向するとともに、結晶
粒径が微細に平均化され緻密化する。さらに配向が改善
された結晶粒粉末を加熱することにより焼結される。こ
うして圧縮方向に対して垂直方向に劈開面が揃うように
結晶配向が改善されて、圧縮力を加えた方向に対して垂
直な方向の熱電性能が向上する(図3(b))。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱電半導体材料、
熱電素子、これらの製造方法および熱電半導体材料の製
造装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ペル
チェ効果、あるいはエッチングスハウゼン効果を利用し
た電子冷却素子、あるいはゼ―ベック効果を利用した熱
電発電素子は、構造が簡単で、かつ取扱いが容易で安定
な特性を維持できることから、広範囲にわたる利用が注
目されている。特に電子冷却素子としては、局所冷却お
よび室温付近の精密な温度制御が可能であることから、
オプトエレクトロニクス、半導体レーザなどの温調、小
型冷蔵庫などへの適用に向けて広く研究開発が進められ
ている。
【0003】この電子冷却および熱電発電に用いる熱電
素子(熱電モジュール)は、図19に示すようにP型半
導体50とN型半導体60とを金属電極70を介して接
合してPN素子対を形成し、このPN素子対を複数個直
列に配列し、接合部を流れる電流の方向によって一方の
端部が発熱せしめられると共に他方の端部が冷却せしめ
られるように構成されている。この熱電素子の材料に
は、その利用温度域で、物質固有の定数であるゼーベッ
ク係数αと比抵抗ρと熱伝導率κによって表わされる性
能指数Z(=α2/ρκ)が大きな材料が用いられる。
【0004】熱電半導体材料の多くはその結晶構造に起
因した熱電性能の異方性をもつ。すなわち性能指数Zが
結晶方位により異なる。そのため、単結晶材料では熱電
性能の大きな結晶方位に通電し使用する。一般に異方性
結晶は劈開性をもち材料強度が脆弱であるため、実用材
としては単結晶材料ではなく、ブリッジマン法などで一
方向凝固させ熱電性能の大きな結晶方位に配向させた多
結晶材料が使用される。
【0005】しかしながら、多結晶材料でも単結晶程で
はないが材料強度が脆弱であり、素子加工時に素子の割
れや欠けが生じ易いという問題がある。
【0006】すなわち、電子冷却素子として一般に用い
られる結晶材は、テルル化ビスマス(Bi2Te3)、テル
ル化アンチモン(Sb2Te3)、セレン化ビスマス(Bi2
Se3)の混晶系であるが、これらの結晶は著しい劈開性
を有しており、強度的に脆弱で結晶材から熱電素子を得
るためのカッティング工程等で割れや欠けが発生し歩留
まりが極めて低くなったり、熱電素子(熱電モジュー
ル)としての耐久性がないといった問題がある。
【0007】そこで、凝固材を粉砕し粉末化した材料を
焼結し、材料強度を向上させた素子を得んとしている。
【0008】しかし、焼結材は結晶材料に比べて劈開性
がなく材料強度が飛躍的に向上するが、材料強度を得た
代償として結晶方位の配向がランダムになったり結晶配
向性を持つものの緩やかな分布になることから配向度が
低くなってしまい熱電性能(性能指数Z)が結晶材料に
比べ劣ってしまうという問題があった。
【0009】このように十分な強度と熱電性能を持ち合
わせた熱電半導体材料は従来存在しなかった。そこで本
出願人は熱間すえこみ鍛造工程を経て十分な強度と熱電
性能を併せもたせた熱電半導体材料を生成するという発
明を既に特許出願している(特願平9−250624
号、特願平9−269389号)。
【0010】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、十分な強度と熱電性能を具備し、製造歩留りの高い
熱電半導体材料を、熱間すえこみ鍛造工程とは異なる工
程で生成することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用効果】そこで、
本発明の第1発明の熱電半導体材料の製造方法では、所
望の組成をもつ熱電半導体材料の原料に対して圧縮力と
せん断力を独立して加えることにより、組織を構成する
結晶粒を性能指数に優れた結晶方位に配向させるととも
に、加熱することにより、焼結体を形成する焼結工程を
含むことを特徴とする。
【0012】第2発明の熱電半導体材料の製造方法で
は、所望の組成をもつように熱電半導体材料の原料の粉
末を混合し、加熱溶融させる加熱工程と、前記加熱溶融
された熱電半導体材料を凝固させ、熱電半導体材料の溶
製材を形成する凝固工程と、前記溶製材を粉砕し溶製材
の粉末を形成する粉砕工程と、前記溶製材粉末の粒径を
均一化する整粒工程と、粒径の均一となった溶製材粉末
に対して圧縮力とせん断力を独立して加えることによ
り、組織を構成する結晶粒を性能指数に優れた結晶方位
に配向させるとともに、加熱することにより、焼結体を
形成する焼結工程とを含むことを特徴とする。
【0013】第3発明の熱電素子の製造方法では、所望
の組成をもつ熱電半導体材料の原料に対して圧縮力とせ
ん断力を独立して加えることにより、組織を構成する結
晶粒を性能指数に優れた結晶方位に配向させるととも
に、加熱することにより、焼結体を形成する焼結工程
と、前記焼結工程において圧縮力を加えた方向に対して
垂直な方向に電流が流れる熱電素子を成形する熱電素子
成形工程とを含むことを特徴とする。
【0014】第4発明の熱電素子の製造方法では、所望
の組成をもつように熱電半導体材料の原料の粉末を混合
し、加熱溶融させる加熱工程と、前記加熱溶融された熱
電半導体材料を凝固させ、熱電半導体材料の溶製材を形
成する凝固工程と、前記溶製材を粉砕し溶製材の粉末を
形成する粉砕工程と、前記溶製材粉末の粒径を均一化す
る整粒工程と、粒径の均一となった溶製材粉末に対して
圧縮力とせん断力を独立して加えることにより、組織を
構成する結晶粒を性能指数に優れた結晶方位に配向させ
るとともに、加熱することにより、焼結体を形成する焼
結工程と、前記焼結工程において圧縮力を加えた方向に
対して垂直な方向に電流が流れる熱電素子を成形する熱
電素子成形工程とを含むことを特徴とする。
【0015】第5発明の熱電半導体材料の製造方法で
は、第1発明、第2発明において、前記焼結工程は、前
記熱電半導体材料の原料または原料の粉末を、300°
C以上580°C以下で加熱する工程であることを特徴
とする。
【0016】第6発明の熱電半導体材料の製造方法で
は、第1発明、第2発明において、前記焼結工程は、前
記熱電半導体材料の原料または原料の粉末に対して、5
0Mpa 以上の圧縮力を加える工程であることを特徴
とする。
【0017】第7発明の熱電半導体材料の製造方法で
は、第1発明、第2発明において、前記焼結工程は、前
記熱電半導体材料の原料または原料の粉末に対して圧縮
力を加える圧縮部材を、圧縮方向に対して垂直方向にス
ライドさせることによりせん断力を加える工程であるこ
とを特徴とする。
【0018】第8発明の熱電半導体材料の製造方法で
は、第1発明、第2発明において、前記焼結工程は、前
記熱電半導体材料の原料または原料の粉末に対して圧縮
力を加える圧縮部材を当該圧縮部材の鉛直軸の回りに回
動させることによりせん断力を加える工程であることを
特徴とする。
【0019】第9発明の熱電半導体材料は、所望の組成
をもつ熱電半導体材料の原料に対して圧縮力とせん断力
を独立して加えることにより、組織を構成する結晶粒を
性能指数に優れた結晶方位に配向させるとともに、加熱
することにより、焼結体を形成して成ることを特徴とす
る。
【0020】第10発明の熱電半導体材料は、所望の組
成をもつ熱電半導体材料の原料の粉末に対して圧縮力と
せん断力を独立して加えることにより、組織を構成する
結晶粒を性能指数に優れた結晶方位に配向させるととも
に、加熱することにより、焼結体を形成して成ることを
特徴とする。
【0021】第11発明の熱電素子は、所望の組成をも
つ熱電半導体材料の原料に対して圧縮力とせん断力を独
立して加えることにより、組織を構成する結晶粒を性能
指数に優れた結晶方位に配向させるとともに、加熱する
ことにより、焼結体を形成し、さらに前記圧縮力を加え
た方向に対して垂直な方向に電流が流れるように成形し
て成ることを特徴とする。
【0022】第12発明の熱電素子は、所望の組成をも
つ熱電半導体材料の原料の粉末に対して圧縮力とせん断
力を独立して加えることにより、組織を構成する結晶粒
を性能指数に優れた結晶方位に配向させるとともに、加
熱することにより、焼結体を形成し、さらに前記圧縮力
を加えた方向に対して垂直な方向に電流が流れるように
成形して成ることを特徴とする。
【0023】第13発明の熱電半導体材料の製造方法
は、第1発明、第2発明において、前記所望の組成をも
つ熱電半導体材料の原料または原料の粉末は、ビスマ
ス、アンチモン、テルル、セレンを主成分とするBi2
e3系熱電半導体材料であることを特徴とする。
【0024】第14発明の熱電半導体材料の製造方法
は、第1発明、第2発明において、前記所望の組成をも
つ熱電半導体材料の原料または原料の粉末は、ビスマ
ス、アンチモンを主成分とするBiSb系熱電半導体材料
であることを特徴とする。
【0025】第15発明の熱電半導体材料は、第9発
明、第10発明において、前記所望の組成をもつ熱電半
導体材料の原料または原料の粉末は、ビスマス、アンチ
モン、テルル、セレンを主成分とするBi2Te3系熱電半
導体材料であることを特徴とする。
【0026】第16発明の熱電半導体材料は、第9発
明、第10発明において、前記所望の組成をもつ熱電半
導体材料の原料または原料の粉末は、ビスマス、アンチ
モンを主成分とするBiSb系熱電半導体材料であること
を特徴とする。
【0027】第17発明の熱電半導体材料の製造装置
は、熱電半導体材料に対して圧縮力とせん断力を独立し
て加える各駆動軸と、前記熱電半導体材料を加熱して焼
結体を形成する加熱手段とを具えたことを特徴とする。
【0028】第18発明の熱電半導体材料の製造装置
は、第17発明において、前記せん断力を加える駆動軸
は、前記熱電半導体材料に対して圧縮力を加える圧縮部
材を、圧縮方向に対して垂直方向にスライドさせること
によりせん断力を加える駆動軸であることを特徴とす
る。
【0029】第19発明の熱電半導体材料の製造装置
は、第17発明において、前記せん断力を加える駆動軸
は、前記熱電半導体材料に対して圧縮力を加える圧縮部
材を当該圧縮部材の鉛直軸の回りに回動させることによ
りせん断力を加える駆動軸であることを特徴とする。
【0030】第20発明の熱電半導体材料の製造方法
は、第1発明、第2発明において、前記焼結工程は、圧
縮力とせん断力を同時に熱電半導体材料の原料または原
料の粉末に対して加える工程であることを特徴とする。
【0031】すなわち、本発明では、熱電半導体材料の
結晶材が元来もつ熱電性能の異方性に着目し、熱電半導
体材料の原料または原料の粉末に対して、圧縮力とせん
断力を独立して加えることで、結晶配向を改善させるよ
うにしたものである。すなわち図3(a)に示すように
圧縮力とこの圧縮方向に対して垂直方向にせん断力が独
立に作用することにより、圧縮方向に対して垂直方向に
結晶(六方晶構造)の基底面であるC面が強く配向する
とともに、結晶粒の組織が均一かつ結晶粒径が微細に平
均化され緻密化する。さらに配向が改善された結晶粒粉
末を加熱することにより焼結される。こうして圧縮方向
に対して垂直方向に劈開面が揃うように結晶配向が改善
されて、圧縮力を加えた方向に対して垂直な方向の熱電
性能が向上する(図3(b))。さらに結晶粒径が小さ
く平均化することと相俟って、加熱により焼結されるこ
とで、材料の強度が飛躍的に向上する。また単結晶ある
いは多結晶のインゴットをそのまま用いた場合に比べ、
割れや欠け等による製造歩留まりの低下も大幅に低減さ
れる。
【0032】したがって機械的強度が高くかつ配向性に
優れた熱電材料を用いて、信頼性の高い熱電素子(熱電
モジュール)を得ることが可能となる。この場合、電流
または熱流が、結晶(六方晶構造)の基底面であるC面
が最も配向した方位(熱電性能が最もよい方位)、つま
り圧縮力を加えた方向に対して垂直な方向に電流が流れ
るように、P型およびN型の熱電半導体材料を一対の電
極を介して接合することで、PN素子対を構成すれば、
熱電素子の熱電性能を高めることができる。すなわち、
最大温度差が大きくとれ、冷却効率もよい熱電モジュー
ルを得ることができる。なお、熱電素子は、熱電素子の
用途に応じて熱電半導体材の焼結体から適切な形状に切
り出すことができる。
【0033】ここで、本発明で圧縮力、せん断力を加え
る対象となる材料は、熱電半導体材料の原料または原料
の粉末であり、「原料」の概念の中には、熱電半導体材
料の原料を混合させただけのもの、混合した原料を加熱
溶融させた後一方向性凝固などにより凝固させた溶製
材、溶製材を粉砕した溶製材の粉末、溶製材を粉砕した
粉末を加圧して固めた圧粉体、溶製材を粉砕した粉末を
ホットプレス装置によりホットプレス(加圧焼結)させ
た焼結体などが含まれる。また、「原料の粉末」の概念
の中には、熱電半導体材料の原料を混合させてできる粉
末、混合した原料を加熱溶融させた後一方向性凝固など
により凝固させ、凝固してできた溶製材を粉砕した溶製
材の粉末などが含まれる。
【0034】また、熱電半導体材料を加熱するには、最
適な温度範囲、具体的には300°C以上580°C以
下で行うことが望ましい。これは再結晶温度よりも高い
温度であると成分の昇華による性能劣化や結晶粒の成長
により配向が失われてしまうからである。また逆に、温
度が低すぎると、焼結が行われず固化できないため加工
に適さないからである。
【0035】また、熱電半導体材料を圧縮する際には5
0Mpa 以上の圧縮力を加えることが望ましい。これ
は荷重を弱めると結晶に働く外力が弱いために配向改善
が望めないばかりでなく、空隙をつぶすことによって密
度を上げ高強度にすることができず抵抗の増加を引き起
こしてしまうからである。
【0036】以下、本発明の熱電半導体材料は、特にB
i2Te3系半導体材料またはBiSb系半導体材料が用いら
れる。ここでBi2Te3系熱電半導体材料とは、Bi2-x
bxTe3-y-zSeyz (0≦x≦2、0≦y+z≦3)
であらわされるものをいい、結晶中に不純物を含むもの
も含まれるものとする。同様に、BiSb系半導体材料と
は、Bi1-xSbx(0<x<1)であらわされるものをい
い、結晶中にドーパントとしての不純物を含むものも含
まれるものとする。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0038】本実施形態では、N型のBi2Te3系半導体
材料を想定して説明する。しかし、本発明としてはBi
Sb系半導体材料であってもよい。またP型の材料であ
ってもよい。
【0039】本実施形態の熱電半導体材料は以下のよう
にして製造される。
【0040】(加熱工程)まず、熱電半導体材料の原料
となるビスマスBi、テルルTe、セレンSeの元素単体
を、化学量論比Bi2Te2.7Se0.30となるように秤量
し、さらにキャリア濃度を調整する化合物を適量に添加
したものを混合させた。
【0041】つぎに、この熱電半導体材料の原料混合物
を加熱して溶融させた。
【0042】(凝固工程)つぎにこの溶融された原料混
合物を一方向性凝固により凝固させ、溶製材料を作成し
た。
【0043】(粉砕工程)つぎにこの溶製材をスタンプ
ミル、ボ―ルミル等で粉砕し溶製材の粉末を形成した。
【0044】(整粒工程)つぎに上記溶製材の粉末を1
50メッシュおよび400メッシュの篩にかけ400メ
ッシュの篩上に残ったものを選び、粒径34〜108μ
m程度の粉末に揃え、粉末の粒径を均一化した。
【0045】(水素還元工程)整粒後、真空排気下で所
定容量のガラスアンプル内に所定容量の粉末を供給し、
水素を注入して0.9気圧に封止したのち、350°C
の加熱炉内で10時間の熱処理を行うことにより、水素
還元を行った。なお、この水素還元工程は省略してもよ
い。
【0046】(焼結工程)つぎに図1(a)に示す圧縮
ねじり装置10を用いて上記粉末化した原料14(以
下、粉末原料14という)に対して、圧縮力とせん断力
を独立して加えるとともに、加熱して、焼結体たる成型
品14´を成形した。
【0047】この圧縮ねじり装置10は、熱電半導体材
料の粉末原料14を円筒形状に形成する上部金型11、
下部金型12、中央金型13と、粉末原料14に対して
圧縮力Fとせん断力Gとを独立して加える圧縮軸20、
ねじり軸21を備えている。圧縮軸20、ねじり軸21
はたとえば油圧アクチュータにより駆動される軸であ
り、下部金型12に対して上向きの圧縮力と下部金型1
2の鉛直中心軸回りのねじり力を作用させる。この圧縮
ねじり装置10は加熱装置を兼用している。
【0048】中央金型13は粉末原料14の周囲を囲繞
する金型であり、金型13の中央には図中J−J断面で
みて円形状となる穴が形成されており、この穴内に、上
記粉末原料14が注入されて、粉末原料14の周囲形状
が形成される。この中央金型13には粉末原料14を所
望の設定温度下で加熱して焼結させるヒータ15が内蔵
されている。中央金型13には粉末原料14の温度を検
出する温度センサ16(たとえば熱電対が使用される)
が配設されている。17は温度センサ16の検出温度を
フィードバック信号としてヒータ15に供給される電力
を制御して粉末原料14の温度を所望の温度に設定する
コントローラである。
【0049】上部金型11は粉末原料14の上面に当接
される金型であり、中央金型13の穴内に上部金型11
の先端の押し棒11aが挿入され押し棒11a先端面が
粉末原料14の上面に当接されることで粉末原料14の
上面形状が形成される。
【0050】下部金型12は粉末原料14の下面に当接
される金型であり、中央金型13の穴内に下部金型12
の先端の押し棒12aが挿入され押し棒12a先端面が
粉末原料14の下面に当接されることで粉末原料14の
下面形状が形成される。
【0051】以下、上記圧縮ねじり装置10が作動され
ることによって粉末原料14から焼結体たる成形品1
4′が製造されるまでの様子について説明する。
【0052】まず中央金型13の穴内に粉末原料14が
注入される。
【0053】そして粉末原料14の上面と下面とが上部
金型11と下部金型12にそれぞれ当接されることで、
図4(a)に示すような円筒形状の成形品14´が成形
される。
【0054】すなわち下部金型12には、圧縮軸20が
駆動されることによって上向きの圧縮力が作用される。
これにより粉末原料14には鉛直方向に圧縮力Fが加え
られる。
【0055】また下部金型12には、ねじり軸21が駆
動されることによって下部金型12の鉛直中心軸(圧縮
軸20)回りにねじり力が作用される。これにより粉末
原料14には圧縮力に対して垂直な水平方向にせん断力
Gが加えられる。
【0056】またコントローラ17によりヒータ15へ
の供給電力が制御され粉末原料14が設定温度下で加熱
され、焼結される。
【0057】図3は上記圧縮ねじり焼結によって成形品
14′の結晶配向が改善されたことを概念的に示す図で
ある。
【0058】すなわち図3(a)に示すように熱電半導
体材料の結晶粒粉末14に対して圧縮力とこの圧縮方向
に垂直方向にせん断力が独立に作用することにより、圧
縮方向に対して垂直方向に結晶(六方晶構造)の基底面
であるC面が強く配向するとともに、結晶粒の組織が均
一かつ結晶粒径が微細に平均化され緻密化する。さらに
配向が改善された結晶粒粉末を加熱することにより焼結
される。こうして圧縮方向に対して垂直方向に劈開面が
揃うように結晶配向が改善されて、圧縮力を加えた方向
に対して垂直な方向の熱電性能が向上する(図3
(b))。さらに結晶粒径が微細に平均化され緻密化す
ることと相俟って、加熱により焼結されることで、材料
の強度が飛躍的に向上する。以下具体的に数値を挙げて
説明する。
【0059】図6(a)は粉末原料14の温度、下部金
型12に加わる圧縮力、ねじり力が時間tの経過に応じ
て変化する様子を示すタイミングチャートである。
【0060】圧縮ねじり装置10の金型11、12、1
3内に、上記粉砕工程、整粒工程で粉砕分級したN型熱
電半導体材料の粉末14を注入した上で、中央金型13
を加熱し、設定温度500°Cになるように加熱し、こ
の設定温度500°Cに温度を保持した。
【0061】中央金型13に取り付けられた温度センサ
(熱電対)16で検出した温度が500°Cに達した時
刻t1以後、圧縮力を加え始め、150Mpa の圧縮力
に達した時刻t2で圧縮力をこの150Mpa の大きさ
に保持した。150Mpa の圧縮力に達した時刻t2以
後、圧縮軸20回りに±45°の範囲で1/6の周波数
で、下部金型12に対しねじり力を6分間(360秒)
与えた。±45°にねじる動作を1回(往復1回)とし
て、60回往復するねじりを与えた。この往復ねじりの
様子を図2(a)に示す。
【0062】60回往復するねじりの動作が時刻t3で
終了すると、その後10分間圧縮力を150Mpa に保
持した。そして10分経過した時刻t4以後、温度およ
び圧縮力を徐々に低下させていった。なお焼結はアルゴ
ン雰囲気中で行うことが望ましい。
【0063】以上のように本実施形態では、圧縮および
ねじりの負荷は同時にかけるものの、ねじり負荷を除荷
した後は圧縮負荷を10分間保持してから除荷するとい
う成形プロセスとした。
【0064】(切り出し工程)つぎに、こうして圧縮ね
じり装置10により製造された圧縮ねじり焼結体たる成
形品14´(図4)を、図5に示すように直方体形状の
素子30として切り出した。そして、この直方体状素子
30の密度比、異方性比、ゼーベック係数、比抵抗、熱
伝導率、性能指数を測定した。ただし、熱電性能を測る
ために素子30に流す電流は、圧縮方向に対して垂直方
向とした(図3(b)参照)。
【0065】なお、ここで密度比とは、上記圧縮ねじり
成形後の熱電半導体材料の密度(圧粉密度)と、この圧
縮ねじり成形後の熱電半導体材料と同一組成の単結晶の
真密度(理想密度)との比のことである。また異方性比
とあるのは、抵抗の方向性を示す値であり、この値が大
きいほど、結晶の配向の改善効果が顕著であるというこ
とを示す。
【0066】以下、圧縮ねじり焼結品の熱電性能の測定
結果について具体的に説明する。
【0067】下記表1に上述した圧縮ねじり試験の条件
をまとめて示す。N型熱電半導体材料以外にP型熱電半
導体材料についても圧縮ねじり試験を下記表1に示す条
件にて行った。
【0068】 なお粉の粒度は概ね40〜100μmとした。
【0069】また粉末充填量は、ねじり回数を60回と
したときに成形品14′の厚さが8mmとなるような量
として求めた。
【0070】なお、ねじり回数、ねじり周波数、成形時
間の関係は、下記(1)式で表される。
【0071】 ねじり回数(回)=ねじり周波数(Hz)×成形時間(s)…(1) 図4(a)、(b)は圧縮ねじり装置10で得られる成
形品14′の斜視図、横断面図をそれぞれ示している。
円筒形状の成形品14′から直方体形状の熱電素子30
が切り出される。
【0072】切り出しの手順としてはまず、成形品1
4′から2mm厚の円板14′U、14′Lをまず切り
出し(図4(a))、さらにこの2mm厚の円板から4
mm×3mmの寸法の素子30を碁盤目状に切り出すと
いうものである(図4(b))。
【0073】すなわち2mm厚の円板の各列A、B、
C、D、E毎にそれぞれ4個、6個、6個、6個、4個
の素子30を切り出した。たとえばA列で1番目の位置
にある素子30は、「A−1」で特定される(図4
(b)参照)。成形品14′の厚さは、ねじり回数と圧
縮力の条件によって、出るバリの量が異なる。よって成
形条件次第で2mm厚の円板が1枚取れる場合と2枚取
れる場合とがある。円板が2枚取れる場合、図4(a)
に示すように、圧縮軸20の上側の円板を上側円板1
4′U、下側の円板を下側円板14′Lと識別した。下
側円板14′Lは上側円板14′Uに比べてねじりと圧
縮による負荷がより大きくかかっている。
【0074】切り出した素子30の寸法と質量から圧粉
密度が求められ、この圧粉密度と、計算で予め求められ
る理想密度(真密度)との比から密度比が求められる。
理想密度は、P型単結晶で6.749g/cm3 であ
り、N型単結晶で7.854g/cm3 である。
【0075】また、熱電特性(ゼーベック係数、抵抗
値)を測定するために、素子30への通電方向(電流方
向)は、図5に示すように、A、B、C、E列の素子3
0については長手方向(4mm幅方向)とした。この通
電方向は圧縮力が加わる方向に対して垂直な方向であ
り、熱電性能が向上する方向である。
【0076】ただし、抵抗の異方性比を求めるためにD
列の素子30については素子30の2mm厚方向に通電
して、この方向の抵抗値を求めた。この通電方向は圧縮
力が加わる方向に対して平行な方向である。
【0077】B列について求めた抵抗値(圧縮力が加わ
る方向に対して垂直な方向の抵抗値)と、D列について
求めた抵抗値(圧縮力が加わる方向に対して平行な方向
の抵抗値)との比を異方性比とした。
【0078】以下、N型、P型毎に測定結果を示す。
【0079】下記表2は密度比の測定結果を示してい
る。
【0080】 表2では上層円板14′U、下層円板14′L毎の平均
密度比(切り出した各素子の密度比の平均値)を示して
いる。
【0081】一般に、密度比が低いと熱伝導度が低下す
るが、熱電性能は電気抵抗が増大するため低下する。ま
た材料の強度も低下する。結局、熱電性能を向上させ、
材料の強度も損なわないように密度比は高い方がよい。
熱間鍛造品(ホットホージ品)については97%以上の
密度比であれば材料の強度が確保され熱電性能が向上す
るという結果を本出願人らは得ている(特願平9−25
0624号)。表3に示すように圧縮ねじり成形品1
4′の密度比は99.0%(N型)、99.3%(P
型)であり、ホットホージ品の基準(97%)をいずれ
も満たしていることがわかる。
【0082】つぎに成形品14′の熱電特性について図
7〜図15を併せ参照して説明する。 一方、比較のた
めに同様の組成の熱電半導体材料の粉砕分級粉末14を
用い、温度500°C、圧縮力100Mpa でホットプ
レス装置によりホットプレス(加圧焼結)させた焼結品
を作成し、同様にこの焼結品(ホットプレス品)を直方
体に切り出し、異方性比、ゼーベック係数、比抵抗、熱
伝導率、性能指数を測定した。これを以下に示す図表で
は「ホットプレス」として示す。また比較のために同様
の組成の熱電半導体材料の粉砕分級粉末14を上述のご
とくホットプレスした後、温度500°C、圧縮力10
0Mpa でホットホージ(熱間すえこみ鍛造)させた鍛
造品(ホットホージ品)を作成し、同様にこの鍛造品を
直方体に切り出し、異方性比、ゼーベック係数、比抵
抗、熱伝導率、性能指数を測定した。これを以下の図表
では「ホットホージ」として示す。
【0083】これらホットプレス成形品、ホットホージ
成形品についても熱電性能を測るために素子に流す電流
は圧縮方向に対して垂直方向とした。
【0084】(1)比抵抗ρ(μΩ/cm)の異方性比 図9、図10はN型、P型の各成形品14′の比抵抗の
異方性比を示すグラフである。図9はN型熱電半導体材
料を示し、図10はP型熱電半導体材料を示している。
図9、図10の横軸は素子30の各位置1〜6(図4
(b)参照)を示している。N型のホットプレス品の異
方性比は1.78であり、P型のホットプレス品の異方
性比は1.27であるので、図9、図10から明らかな
ようにN型、P型ともに異方性比はホットプレス品の異
方性比よりも大きいことがわかる。
【0085】またP型の圧縮ねじり成形品14′の異方
性比はP型のホットホージ品の異方性比である1.54
よりも一部の例外を除いて大きくなっているのがわか
る。
【0086】N型の圧縮ねじり成形品14′の異方性比
はN型のホットホージ品の異方性比である2.5よりも
概ね大きい。
【0087】図7はP型の成形品14′、N型の成形品
14′の比抵抗ρの異方性比の平均値、最大値を、ホッ
トプレス品、ホットホージ品の異方性比を比較対象とし
て示す。同図7に示すようにN型、P型のいずれについ
ても、また平均値、最大値のいずれについても、圧縮ね
じり成形品14′の異方性比はホットプレス品、ホット
ホージ品の異方性比を上回っていることがわかる。
【0088】(2)熱伝導率κ(mW/Kcm) つぎに図8に熱伝導率κをN型、P型毎に商品名TF1
01のκ測定器にて測定した結果を示す。図8にホット
プレス品、ホットホージ品の熱伝導率κを、N型、P型
ともに比較のために掲げた。
【0089】熱伝導率を測定した素子30は、P型につ
いては、B−1、C−1の素子であり、N型について
は、B−1、C−1の素子である。これらの素子を選定
した理由はゼーベック係数、比抵抗により求めたパワー
ファクタが比較的高く、成形品内においてパワーファク
タのばらつきが小さいと考えられたからである。なお、
パワーファクタとは、ゼーベック係数を2乗したものを
比抵抗で割った値であり、この値が大きいほど熱電性能
はよいといえる。また1番の位置(図4(b)参照)の
素子30を選定した理由は、成形品14′の端部に位置
してねじり軸21によるねじりの効果がよく効いている
と考えられたからである。
【0090】これらの素子のうちP型のC−1の素子の
測定結果とN型のC−1の素子の測定結果を図8に示し
ている。これら2つの素子を選択したのは、性能指数Z
値が上記8つの素子の中で最大の値を示したからであ
る。
【0091】同図8に示すようにN型、P型ともに圧縮
ねじり成形品14′の熱伝導率κはホットプレス品の熱
伝導率κを上回っているが、ホットホージ品よりも低く
なっていることがわかる。
【0092】(3)性能指数Z(×10-3 /K) 図11は、図8で選択したP型のC−1の素子とN型の
C−1の素子についての性能指数Zを商品名TF101
の測定器により測定した結果を示す。性能指数Zは27
゜Cで測定した。図11には同様にしてホットプレス
品、ホットホージ品の性能指数ZをN型、P型毎に比較
のために掲げている。
【0093】同図11に示すようにP型の圧縮ねじり成
形品14′の性能指数Zは、ホットプレス品、ホットホ
ージ品の性能指数Zに比べて低い値を示すが、N型の圧
縮ねじり成形品14′の性能指数Zは、ホットプレス品
の性能指数Zよりも大きい値を示し、ホットホージ品よ
りも僅かに低い値にとどまっている。これは圧縮ねじり
成形品14´は圧縮方向に対して垂直方向にせん断力が
作用することにより、圧縮方向に垂直な方向に結晶(六
方晶構造)の基底面であるC面が、ホットプレス品より
も強く配向するためであると考えられる。
【0094】つぎに図12、13に、温度の変化に応じ
て変化する性能指数Zを示す。同様に比較のためにホッ
トホージ品の性能指数Zを掲げてある。図12はP型の
熱電半導体材料を示しており、図13はN型の熱電半導
体材料を示している。
【0095】これら図11、図12、図13をみる限り
条件付きではあるが、今回の成形条件に関しては、圧縮
ねじり成形はP型よりもN型の方により効果的であった
ことがわかる。
【0096】(4)比抵抗ρ(μΩ/cm) 圧縮ねじり成形品14′は比抵抗ρの異方性比が高く、
熱伝導率κもホットホージ品(熱間鍛造品)よりも低い
値を示すのに、性能指数Zはホットホージ品よりも良い
値を示さない。これは性能指数Zを求める式(Z=α2/
ρκ)から考えて、比抵抗ρが大きいのではないかと予
測される。そこで、図11で選択したP型のC−1の素
子とN型のC−1の素子についての比抵抗ρを、ホット
プレス品、ホットホージ品を比較対象として図14に示
す。同図14に示すようにN型、P型のいずれについて
も圧縮ねじり成形品14′の比抵抗ρは、ホットホージ
品の比抵抗ρよりも高くなっているのが確認された。
【0097】(5)ゼーベック係数α(μV/K) 性能指数Zに影響を与えるパラメータとして、ゼーベッ
ク係数αも重要である。 そこで、図11で選択したP
型のC−1の素子とN型のC−1の素子についてのゼー
ベック係数αを、ホットプレス品、ホットホージ品を比
較対象として図15に示す。
【0098】同図15に示すようにN型、P型のいずれ
についても圧縮ねじり成形品14′のゼーベック係数α
は、ホットホージ品のゼーベック係数αと比較して、特
に低いデータではないことが確認された。
【0099】圧縮ねじり成形品14′の性能指数Zが、
ホットホージ品と比較して伸びないのはゼーベック係数
αの影響ではないことがわかる。
【0100】以上のP型のC−1の素子とN型のC−1
の素子について測定した熱伝導率κ、比抵抗ρの異方性
比、比抵抗ρ、ゼーベック係数α、性能指数Zを、ホッ
トプレス品、ホットホージ品を比較対象として下記表3
にまとめて示す。
【0101】 図16は圧縮ねじり成形品14′(P型)の組織を偏光
顕微鏡で観察した写真を示している。比較のために図1
7にホットプレス品(P型)の組織を偏光顕微鏡で観察
した写真(倍率約400倍)を掲げるとともに、図18
にホットホージ品(P型)の組織を偏光顕微鏡で観察し
た写真(倍率約400倍)を掲げる。
【0102】これらの写真を比較すると、圧縮ねじり焼
結によって成形品14′の組織は、ホットプレス品、ホ
ットホージ品の組織に比べて結晶粒径が非常に小さく、
2〜3μm程度となっており、非常に緻密化しているの
がわかる。これは圧縮とせん断という力によって粉末が
より微細化されながら焼結されたためであると考えられ
る。また微細組織であるためホットプレス品、ホットホ
ージ品に比べて機械的強度が高い。
【0103】なお、以上説明した実施形態は一例であ
り、以下のような種々の変形例も可能である。
【0104】上記表1に示す加熱温度は、500゜Cあ
るいは520゜Cとしているが、この範囲外の温度で熱
電半導体材料を加熱してもよい。ただし、熱電半導体材
料を加熱するには、最適な温度範囲、具体的には300
°C以上580°C以下で行うことが望ましい。これは
再結晶温度よりも高い温度であると成分の昇華による性
能劣化や結晶粒の成長により配向が失われてしまうから
である。また逆に、温度が低すぎると、焼結が行われず
固化できないため加工に適さないからである。
【0105】また、表1に示す圧縮力は、150Mpa
としているが、この範囲外の圧縮力で熱電半導体材料
を圧縮してもよい。ただし、熱電半導体材料を圧縮する
際には50Mpa 以上の圧縮力を加えることが望まし
い。これは荷重を弱めると結晶に働く外力が弱いために
配向改善が望めないばかりでなく、空隙をつぶすことに
よって密度を上げ高強度にすることができず抵抗の増加
を引き起こしてしまうからである。
【0106】また、本実施形態では、Bi2Te3系半導体
材料としてBi2Te2.7Se0.30を想定して説明した
が、要は、Bi2-xSbxTe3-y-zSeyz (0≦x≦
2、0≦y+z≦3)であらわされるものであれば任意
のものについて適用可能である。結晶中に不純物を含む
ものも含まれるものとする。
【0107】同様に、BiSb系半導体材料についても適
用可能であり、Bi1-xSbx(0<x<1)であらわされ
るものであれば任意のものについて適用可能である。結
晶中にドーパントとしての不純物を含むものも含まれる
ものとする。
【0108】さらに、等方性の熱電材料(例えば、Pb
Te系、Si−Ge系、CoSb3 系の熱電材料)を対象と
した場合でも、本実施形態の圧縮ねじり焼結加工を施す
ことにより、結晶粒径が小さく均一化され緻密化され、
強度的に向上するという効果が得られる。
【0109】また、本実施形態では、加熱工程、凝固工
程、粉砕工程、整粒工程、水素還元工程を経てから、焼
結工程に移行するようにしているが、これら加熱工程、
凝固工程、粉砕工程、整粒工程、水素還元工程を適宜省
略する実施も可能である。
【0110】すなわち、本実施形態では、焼結工程で圧
縮力、せん断力を加える対象となるものは、熱電半導体
材料の原料を混合させ、この混合した原料を加熱溶融さ
せた後一方向性凝固などにより凝固させた溶製材を生成
し、この溶製材を粉砕した溶製材の粉末14としている
が、熱電半導体材料の原料を混合させただけのものでも
よい。また混合した原料を加熱溶融させた後一方向性凝
固などにより凝固させた溶製材に対して圧縮力、せん断
力を加えてもよい。また溶製材を粉砕した粉末14を加
圧して固めた圧粉体に対して圧縮力、せん断力を加えて
もよい。また溶製材を粉砕した粉末をホットプレス装置
によりホットプレス(加圧焼結)させた焼結体に対して
圧縮力、せん断力を加えてもよい。
【0111】要は、本発明で圧縮力、せん断力を加える
対象となる材料は、熱電半導体材料の原料ないしは原料
の粉末であればよく、焼結工程の前工程の内容は問わな
い。
【0112】また本実施形態の圧縮ねじり装置10では
中央金型13内にヒータ15を内蔵して、粉末原料14
を周囲から加熱しているが、上部金型11または下部金
型12内にヒータを内蔵させて、粉末原料14の上面ま
たは下面を加熱してもよい。
【0113】また本実施形態の圧縮ねじり装置10では
下部金型12を駆動することにより粉末原料14に圧縮
力とせん断力を加えるようにしているが、上部金型11
を駆動することにより、あるいは上部金型11と下部金
型12の両方を駆動することにより粉末原料14に圧縮
力とせん断力を加えるようにしてもよい。
【0114】また、本実施形態の圧縮ねじり装置10で
は熱電半導体材料の粉末原料14に対して圧縮力を加え
る圧縮部材たる下部金型12を、圧縮軸20回りに回動
させる(ねじる)ことにより、粉末原料14にせん断力
を加えるようにしているが、図1(b)に示すように、
熱電半導体材料の粉末原料14に対して圧縮力を加える
圧縮部材たる下部金型12′を、圧縮方向Fに対して垂
直な方向H(図中、水平方向)にスライドさせることに
より、粉末原料14にせん断力を加えるようにしてもよ
い。この場合粉末原料14はスライドによって形状が崩
れないように容器22内に収容される。
【0115】また装置の金型部分を図20(a)、
(b)に示すように構成して、パンチ25に押し下げ力
を作用させるだけで、粉末原料14に圧縮力とせん断力
を与えるようにしてもよい。
【0116】図20(a)は装置の金型部分の正面図を
示し、図20(b)は図20(a)を矢視Aからみた上
面図を示す。
【0117】同図20(a)、(b)に示すように、こ
の装置の金型部分は、粉末原料14の上面が水平面に対
して45゜傾斜して形成されるように粉末原料14の上
面に当接される傾斜ブロック23と、粉末原料14の下
面が水平に対して同じく45゜傾斜して形成されるよう
に粉末原料14の下面に当接される傾斜ブロック24
と、上側の傾斜ブロック23に対して押し下げ力Kを作
用させるピストン25と、下側の傾斜ブロック24を支
持する基台26と、粉末原料14の周囲を囲繞するとと
もに、上側の傾斜ブロック23、パンチ25を上下方向
に摺動自在に支持するダイ27とから構成されている。
パンチ25、傾斜ブロック23、24は上面からみて長
方形状であり、粉末原料14を成形した結果、略直方体
形状の成形品14′が成形される。なお図面では実際の
寸法をmm単位で示している。
【0118】そこで、いま図20(c)に示すように、
初期状態で粉末原料14の厚さがdであったとして、こ
れを半分のd/2の厚さまで圧縮することを想定する。
【0119】ピストン25が押し下げられることによ
り、粉末原料14には押し下げ力Kが作用するが、この
押し下げ力Kの分力として粉末原料14の厚さ方向に圧
縮力Lが作用するとともに厚さ方向に垂直な方向にせん
断力Mが作用する。つまり下側の傾斜ブロック24に対
して上側の傾斜ブロック23が相対的に矢印M方向にス
ライドすることによって、粉末原料14にせん断力を与
える。そして下側の傾斜ブロック24に対して上側の傾
斜ブロック23が相対的に矢印L方向にスライドするこ
とによって、粉末原料14に圧縮力を与える。
【0120】こうして図21に示すように、ピストン2
5が初期状態から1/√(2)dのストロークだけ押し
下げられると、粉末原料14が初期状態の厚さdから半
分の厚さd/2まで圧縮されて略直方体形状の成形品1
4′が成形される。
【0121】また本実施形態では図2(a)に示すよう
に下部金型12を圧縮軸20回りに±45°の範囲で往
復させてねじるようにしているが、ねじる態様としては
図2(b)、(c)、(d)のような態様であってもよ
い。
【0122】すなわち、図2(b)は、下部金型12を
圧縮軸20回りに1回転させる動作を繰り返すことによ
り、圧縮軸20回りにねじり力を作用させ、これにより
粉末原料14にせん断力を加えるものである。この場合
同じ方向に回転させる動作を連続して繰り返してもよ
く、また一方の方向に1回転させた後、ねじり負荷を一
旦除荷し、その後逆方向に1回転させる動作を繰り返し
てもよい。
【0123】また図2(c)は、下部金型12を圧縮軸
20回りに所定角度だけ回転させた後、ねじり負荷を一
旦除荷し、その後同じ方向に所定角度だけ回転させる動
作を繰り返すことにより、圧縮軸20回りにねじり力を
作用させ、これにより粉末原料14にせん断力を加える
ものである。
【0124】また図2(d)は、下部金型12を圧縮軸
20回りに所定角度だけ回転させた後、ねじり負荷を一
旦除荷し、その後逆方向に所定角度だけ回転させる動作
を繰り返すことにより、圧縮軸20回りにねじり力を作
用させ、これにより粉末原料14にせん断力を加えるも
のである。
【0125】また本実施形態では図6(a)に示すよう
に、焼結工程において、粉末原料14に対して熱と圧縮
力とせん断力(ねじり力)を同時に加えるようにしてい
るが(時刻t2〜t3)、これら熱と圧縮力とせん断力
(ねじり力)は必ずしも同時に加える必要はない。
【0126】たとえば、圧縮力とせん断力(ねじり力)
を同時に加えてから加熱してもよい。
【0127】また図6(b)に示すように圧縮力を加え
てからせん断力(ねじり力)を加え、その後加熱しても
よい。
【0128】また図6(c)に示すように圧縮力を加え
てからせん断力(ねじり力)を加える間中加熱しておい
てもよい。
【0129】また図6(d)に示すようにせん断力(ね
じり力)を加えてから圧縮力を加え、その後加熱しても
よい。
【0130】また一旦加熱した後、熱と圧縮力とせん断
力を同時に加える実施も可能である。
【0131】要は、所望の組成をもつ熱電半導体材料の
原料または粉末原料に対して圧縮力とせん断力を独立し
て加えることにより、組織を構成する結晶粒を性能指数
に優れた結晶方位に配向させ、加熱することにより、焼
結体を形成することができればよい。
【0132】また、本実施形態では、図5に示すよう
に、熱電半導体材料の圧縮ねじり成形品14′から直方
体状の素子30を切り出しているが、本発明としては任
意の所望形状に切り出し可能である。つまり、熱電モジ
ュールを構成する素子が要求するいかなる形状にも柔軟
に対応させることができる。たとえば素子の形状がドー
ナツ状であればこの形状となるよう成形加工することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は実施形態の圧縮ねじり装置を示す
図であり、図1(b)は圧縮ねじり装置の変形例を示す
図である。
【図2】図2(a)〜(d)はねじり力が作用する様子
を説明するために用いた図である。
【図3】図3(a)、(b)は熱と圧縮力とせん断力が
加えられることによって結晶配向が改善される様子を説
明するために用いた図である。
【図4】図4(a)は圧縮ねじり焼結によって成形され
る圧縮ねじり成形品の外観を示す斜視図であり、図4
(b)は圧縮ねじり成形品の横断面を示す図である。
【図5】図5は圧縮ねじり成形品から切り出された直方
体形状の素子の外観を示す斜視図である。
【図6】図6(a)、(b)、(c)、(d)は熱電半
導体材料の粉末原料の温度、金型に加えられる圧縮力、
ねじり力の時間変化の各パターンをそれぞれ示す図であ
る。
【図7】図7は実施形態の熱電半導体材料の比抵抗の異
方性比をホットプレス品、ホットホージ品と比較して示
すグラフである。
【図8】図8は実施形態の熱電半導体材料の熱伝導率を
ホットプレス品、ホットホージ品と比較して示すグラフ
である。
【図9】図9はN型の熱電半導体材料の比抵抗の異方性
比を示す図である。
【図10】図10はP型の熱電半導体材料の比抵抗の異
方性比を示す図である。
【図11】図11は熱電半導体材料の性能指数をホット
プレス品、ホットホージ品と比較して示すグラフであ
る。
【図12】図12はP型の熱電半導体材料の性能指数が
温度に応じて変化する様子をホットホージ品と比較して
示すグラフである。
【図13】図13はN型の熱電半導体材料の性能指数が
温度に応じて変化する様子をホットホージ品と比較して
示すグラフである。
【図14】図14は熱電半導体材料の比抵抗をホットプ
レス品、ホットホージ品と比較して示すグラフである。
【図15】図15は熱電半導体材料のゼーベック係数を
ホットプレス品、ホットホージ品と比較して示すグラフ
である。
【図16】図16は熱電半導体材料の圧縮ねじり成形品
を倍率約400倍で撮影した顕微鏡写真である。
【図17】図17のホットプレス品の組織を倍率約40
0倍で撮影した顕微鏡写真である。
【図18】図18のホットホージ品の組織を倍率約40
0倍で撮影した顕微鏡写真である。
【図19】図19は熱電素子(熱電モジュール)の外観
を示す斜視図である。
【図20】図20(a)、(b)は実施形態の装置の金
型部分の構成例を示す図であり、図20(c)はこの金
型によって粉末原料に作用する力を説明する図である。
【図21】図21(a)、(b)は図20(a)、
(b)に対応する図であり、ピストン押し下げ後の状態
を示す図である。
【符号の説明】
10 圧縮ねじり装置 11 上部金型 12 下部金型 13 中央金型 14 粉末原料 14′圧縮ねじり成形品 15 ヒータ 30 熱電素子 50 P型素子 60 N型素子 70 接合電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 克史 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 Fターム(参考) 4K018 AD20 BA20 BC08 CA01 EA60 KA32

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の組成をもつ熱電半導体材料の
    原料に対して圧縮力とせん断力を独立して加えることに
    より、組織を構成する結晶粒を性能指数に優れた結晶方
    位に配向させるとともに、加熱することにより、焼結体
    を形成する焼結工程を含むことを特徴とする熱電半導体
    材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 所望の組成をもつように熱電半導体
    材料の原料の粉末を混合し、加熱溶融させる加熱工程
    と、 前記加熱溶融された熱電半導体材料を凝固させ、熱電半
    導体材料の溶製材を形成する凝固工程と、 前記溶製材を粉砕し溶製材の粉末を形成する粉砕工程
    と、 前記溶製材粉末の粒径を均一化する整粒工程と、 粒径の均一となった溶製材粉末に対して圧縮力とせん断
    力を独立して加えることにより、組織を構成する結晶粒
    を性能指数に優れた結晶方位に配向させるとともに、加
    熱することにより、焼結体を形成する焼結工程とを含む
    ことを特徴とする熱電半導体材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 所望の組成をもつ熱電半導体材料の
    原料に対して圧縮力とせん断力を独立して加えることに
    より、組織を構成する結晶粒を性能指数に優れた結晶方
    位に配向させるとともに、加熱することにより、焼結体
    を形成する焼結工程と、 前記焼結工程において圧縮力を加えた方向に対して垂直
    な方向に電流が流れる熱電素子を成形する熱電素子成形
    工程とを含むことを特徴とする熱電素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 所望の組成をもつように熱電半導体
    材料の原料の粉末を混合し、加熱溶融させる加熱工程
    と、 前記加熱溶融された熱電半導体材料を凝固させ、熱電半
    導体材料の溶製材を形成する凝固工程と、 前記溶製材を粉砕し溶製材の粉末を形成する粉砕工程
    と、 前記溶製材粉末の粒径を均一化する整粒工程と、 粒径の均一となった溶製材粉末に対して圧縮力とせん断
    力を独立して加えることにより、組織を構成する結晶粒
    を性能指数に優れた結晶方位に配向させるとともに、加
    熱することにより、焼結体を形成する焼結工程と、 前記焼結工程において圧縮力を加えた方向に対して垂直
    な方向に電流が流れる熱電素子を成形する熱電素子成形
    工程とを含むことを特徴とする熱電素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記焼結工程は、前記熱電半導体材
    料の原料または原料の粉末を、300°C以上580°
    C以下で加熱する工程である請求項1または2記載の熱
    電半導体材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記焼結工程は、前記熱電半導体材
    料の原料または原料の粉末に対して、50Mpa 以上
    の圧縮力を加える工程である請求項1または2記載の熱
    電半導体材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記焼結工程は、前記熱電半導体材
    料の原料または原料の粉末に対して圧縮力を加える圧縮
    部材を、圧縮方向に対して垂直方向にスライドさせるこ
    とによりせん断力を加える工程である請求項1または2
    記載の熱電半導体材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記焼結工程は、前記熱電半導体材
    料の原料または原料の粉末に対して圧縮力を加える圧縮
    部材を当該圧縮部材の鉛直軸の回りに回動させることに
    よりせん断力を加える工程である請求項1または2記載
    の熱電半導体材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 所望の組成をもつ熱電半導体材料の
    原料に対して圧縮力とせん断力を独立して加えることに
    より、組織を構成する結晶粒を性能指数に優れた結晶方
    位に配向させるとともに、加熱することにより、焼結体
    を形成して成る熱電半導体材料。
  10. 【請求項10】 所望の組成をもつ熱電半導体材料
    の原料の粉末に対して圧縮力とせん断力を独立して加え
    ることにより、組織を構成する結晶粒を性能指数に優れ
    た結晶方位に配向させるとともに、加熱することによ
    り、焼結体を形成して成る熱電半導体材料。
  11. 【請求項11】 所望の組成をもつ熱電半導体材料
    の原料に対して圧縮力とせん断力を独立して加えること
    により、組織を構成する結晶粒を性能指数に優れた結晶
    方位に配向させるとともに、加熱することにより、焼結
    体を形成し、さらに前記圧縮力を加えた方向に対して垂
    直な方向に電流が流れるように成形して成る熱電素子。
  12. 【請求項12】 所望の組成をもつ熱電半導体材料
    の原料の粉末に対して圧縮力とせん断力を独立して加え
    ることにより、組織を構成する結晶粒を性能指数に優れ
    た結晶方位に配向させるとともに、加熱することによ
    り、焼結体を形成し、さらに前記圧縮力を加えた方向に
    対して垂直な方向に電流が流れるように成形して成る熱
    電素子。
  13. 【請求項13】 前記所望の組成をもつ熱電半導体
    材料の原料または原料の粉末は、ビスマス、アンチモ
    ン、テルル、セレンを主成分とするBi2Te3系熱電半導
    体材料であることを特徴とする請求項1または2記載の
    熱電半導体材料の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記所望の組成をもつ熱電半導体
    材料の原料または原料の粉末は、ビスマス、アンチモン
    を主成分とするBiSb系熱電半導体材料であることを特
    徴とする請求項1または2記載の熱電半導体材料の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 前記所望の組成をもつ熱電半導体
    材料の原料または原料の粉末は、ビスマス、アンチモ
    ン、テルル、セレンを主成分とするBi2Te3系熱電半導
    体材料であることを特徴とする請求項9または10記載
    の熱電半導体材料。
  16. 【請求項16】 前記所望の組成をもつ熱電半導体
    材料の原料または原料の粉末は、ビスマス、アンチモン
    を主成分とするBiSb系熱電半導体材料であることを特
    徴とする請求項9または10記載の熱電半導体材料。
  17. 【請求項17】 熱電半導体材料に対して圧縮力と
    せん断力を独立して加える各駆動軸と、 前記熱電半導体材料を加熱して焼結体を形成する加熱手
    段とを具えた熱電半導体材料の製造装置。
  18. 【請求項18】 前記せん断力を加える駆動軸は、
    前記熱電半導体材料に対して圧縮力を加える圧縮部材
    を、圧縮方向に対して垂直方向にスライドさせることに
    よりせん断力を加える駆動軸である請求項17記載の熱
    電半導体材料の製造装置。
  19. 【請求項19】 前記せん断力を加える駆動軸は、
    前記熱電半導体材料に対して圧縮力を加える圧縮部材を
    当該圧縮部材の鉛直軸の回りに回動させることによりせ
    ん断力を加える駆動軸である請求項17記載の熱電半導
    体材料の製造装置。
  20. 【請求項20】 前記焼結工程は、圧縮力とせん断
    力を同時に熱電半導体材料の原料または原料の粉末に対
    して加える工程である請求項1または2記載の熱電半導
    体材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN113001049A (zh) * 2021-02-09 2021-06-22 南方科技大学 一种电辅助增材制造装置及方法

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