JP4207289B2 - 熱電半導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電半導体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から電子冷却素子に使用される熱電半導体組成物として、ビスマス−テルル系に代表される熱電半導体材料をブリッジマン法またはゾーンメルト法で一方向凝固した結晶体が公知である。しかし、一方向凝固した熱電半導体の結晶体は、C面のテルル−テルル結合面において劈開性を有するため非常に脆く、電子冷却素子としての信頼性や機械的強度が低下してしまうという問題があった。
【0003】
そこで機械的強度を改良するために、特開昭62−264682号公報に示されるような、熱電半導体の結晶体を粉末化し、この粉末を一方向加圧して焼結化する手段が提案されている。この手段によれば、熱電半導体結晶を一方向加圧するので、加圧方向に対して垂直な方向にC面が揃い、この面に沿って電流を流すことにより結晶体のもつ電気的異方性を生かすことができるとともに、焼結化により機械的強度も向上するというものである。
【0004】
しかし、上記公報に掲載の手段は、ホットプレス等の型で拘束された空間内に熱電半導体結晶粉末を充填し、これを一方向加圧して焼結化する手段であるので、組織(C面)の配向性に限界があり、本来ビスマス−テルル系熱電半導体の持っている性能の異方性(電気的異方性)を十分に引き出すことができないという問題がある。
【0005】
これに対し、特開平10−112558号公報に示されるような、押出し成形による焼結化も提案されている。この手段によれば、熱電半導体結晶を粉末化し、この粉末を押出し成形して焼結化することで、押出し方向に組織(C面)を配向させて電気伝導度を向上するというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に代表される従来の押出し焼結法をもってしても電気伝導度の向上は飛躍的に向上するものでもなく、そのため熱電半導体の熱電気的特性を示す指標である性能指数はせいぜい3.5以下に止まり、十分に満足のいくものではない。
【0007】
故に、本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、機械的強度の向上はもとより、電気伝導度をより向上させて性能指数のより向上した熱電半導体の製造方法を提供することを技術的課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するためになされた請求項1の発明は、
熱電半導体結晶の粉末または熱電半導体結晶粉末の圧粉体を押出し成形によって棒状形材に成形する押出し工程と、前記棒状形材を複数本並列に配列し、配列された前記棒状形材の軸線方向と垂直な方向から加圧するとともに加熱して複数の前記棒状形材を焼結化するとともに一体化する焼結・一体化工程とを含む、熱電半導体の製造方法とすることである。
【0009】
上記発明によれば、熱電半導体結晶の粉末または熱電半導体結晶粉末の圧粉体を押出し成形によって棒状形材に成形する押出し工程において熱電半導体結晶は押出し方向、つまり棒状形材の軸線方向に沿って材料流れが起こり、この方向に組織(C面)が配向する。また、押出し成形によって作製された棒状形材を複数本並列に配列し、配列した棒状形材の軸線方向と垂直な方向から加圧するとともに加熱して複数の棒状形材を一体化するとともに焼結化する焼結・一体化工程において棒状形材はその軸線方向と垂直な方向から加圧力を受け、その結果棒状形材の軸線方向にさらに材料流れが起こり、この流れに沿って組織(C面)がさらに配向する。このため従来の押出し成形法により製造される熱電半導体の焼結体よりも、焼結・一体化工程において生じた組織(C面)の配向の分だけ配向度が大きくなり、この方向での電気伝導度が向上する。従って、性能指数のより向上した熱電半導体を製造することができるものである。
【0010】
この場合好ましくは請求項2の発明のように、
前記焼結・一体化工程によって焼結化及び一体化された焼結体を、該焼結体を構成する前記棒状形材の軸線方向と垂直な方向から加圧して加圧軸に対して垂直な方向に張り出すように変形させる変形工程とを含む、熱電半導体の製造方法とすることである。
【0011】
上記発明によれば、焼結・一体化工程の後に変形工程を設け、この変形工程において焼結体を加圧変形させる。この場合における加圧方向は、焼結・一体化工程によって作製された焼結体を構成する棒状形材の軸線方向と垂直な方向とし、焼結体は該加圧によって加圧軸に対して垂直な方向に張り出すように変形する。このように変形させることで、焼結体の張り出し方向、つまり加圧軸に対して垂直な方向にさらに材料流れが起こり、この方向に沿って組織(C面)がさらに配向する。ここで、変形工程における加圧方向は、焼結体を構成する棒状形材の軸線方向と垂直な方向であるので、組織(C面)の配向方向は棒状形材の軸線方向となり、この方向は焼結・一体化工程において組織(C面)が配向する方向と一致する。従って、組織(C面)の配向性がさらに一層向上し、電気伝導度をより一層大きくすることができ、ひいては性能指数をより一層向上させることができるものである。
【0012】
より好ましくは請求項3の発明のように、
前記変形工程は、前記加圧軸に対して垂直な面における前記焼結体の最大径よりも大きな径をもつキャビティーを有する型内に前記焼結体を入れ、前記加圧軸方向に沿って前記焼結体を前記型内で加圧することにより前記加圧軸に対して垂直な方向に張り出すように変形させるものであることを特徴とする、熱電半導体の製造方法とすることである。
【0013】
上記発明によれば、変形工程において、焼結体の最大径よりも大きな径をもつキャビティーを有する型内に焼結体を入れ、加圧軸方向に沿って焼結体を加圧することにより加圧軸に対して垂直な方向に張り出すように焼結体を変形させる。つまり、型内のキャビティーに焼結体を入れたときに焼結体の周囲に隙間を持たせ、加圧の際この隙間を埋めるように焼結体が張り出すことで変形が行われる。
【0014】
焼結体の変形を行うにあたっては、開放された空間内に焼結体を配置して一軸方向加圧すれば、加圧方向と垂直な方向に焼結体が張り出すが、本発明のように型のキャビティー内(閉空間内)に焼結体を隙間をもって配置し、加圧の際に隙間を埋めるように張り出させるようにすることで、熱電半導体を量産化する際の変形後の形状(変形量)を均一化することができる。このため、製造された熱電半導体のそれぞれにおいて一定の電気的異方性が確保でき、製品性能を安定にすることができるとともに、焼結体の割れ等が防止でき、機械的強度が向上するという効果が期待できる。
【0015】
また、上記技術的課題を解決するためになされた請求項4の発明は、
熱電半導体結晶の粉末または熱電半導体結晶粉末の圧粉体を押出し成形によって棒状形材に成形するとともに焼結化する押出し焼結工程と、前記押出し焼結工程で焼結化した棒状形材を複数本並列に配列し、配列された前記棒状形材の軸線方向と垂直な方向から加圧して変形させるとともに押しつぶして一体化する一体化工程とを含む、熱電半導体の製造方法とすることである。
【0016】
上記発明によれば、熱電半導体結晶の粉末または熱電半導体結晶粉末の圧粉体を押出し成形によって棒状形材に成形するとともに焼結化する押出し焼結工程において、熱電半導体結晶は押出し方向、つまり棒状形材の軸線方向に沿って材料流れが起こり、この方向に組織(C面)が配向する。また、押出し成形によって作製された棒状形材を複数本並列に配列し、配列した棒状形材の軸線方向と垂直な方向から加圧して変形させるとともに押しつぶして複数の棒状形材を一体化する一体化工程において、棒状形材はその軸線方向と垂直な方向から加圧力を受け、その結果棒状形材の軸線方向にさらに材料流れが起こり、この流れに沿って組織(C面)がさらに配向する。このため従来の方法により製造される熱電半導体の焼結体よりも、一体化工程において生じた組織(C面)の配向の分だけ配向度が大きくなり、この方向での電気伝導度が向上する。従って、性能指数のより向上した熱電半導体を製造することができるものである。
【0017】
この場合好ましくは請求項5の発明のように、
前記一体化工程によって一体化された焼結体を、該焼結体を構成する棒状形材の軸線方向と垂直な方向から加圧して加圧軸に対して垂直に張り出すように変形させる変形工程とを含む、熱電半導体の製造方法とすることである。
【0018】
上記発明によれば、一体化工程の後に変形工程を設け、この変形工程において焼結体を加圧変形させる。この場合における加圧方向は、焼結体を構成する棒状形材の軸線方向と垂直な方向とし、焼結体は該加圧によって加圧軸に対して垂直な方向に張り出すように変形する。このように変形させることで、焼結体の張り出し方向、つまり加圧軸に対して垂直な方向にさらに材料流れが起こり、この方向に沿って組織(C面)がさらに配向する。ここで、変形工程における加圧方向は、一体化工程によって作製された焼結体を構成する棒状形材の軸線方向と垂直な方向であるので、組織(C面)の配向方向は棒状形材の軸線方向となり、この方向は一体化工程において組織(C面)が配向する方向と一致する。従って、組織(C面)の配向性がさらに一層向上し、電気伝導度をより一層大きくすることができ、ひいては性能指数をより一層向上させることができるものである。
【0019】
より好ましくは請求項6の発明のように、
前記変形工程は、前記加圧軸に対して垂直な面における前記焼結体の最大径よりも大きな径をもつキャビティーを有する型内に前記焼結体を入れ、前記加圧軸方向に沿って前記焼結体を前記型内で加圧することにより前記加圧軸に対して垂直な方向に張り出すように変形させることを特徴とする、熱電半導体の製造方法とすることである。
【0020】
上記発明によれば、変形工程において、焼結体の最大径よりも大きな径をもつキャビティーを有する型内に焼結体を入れ、加圧軸方向に沿って焼結体を加圧することにより加圧軸に対して垂直な方向に張り出すように焼結体を変形させる。つまり、型内のキャビティーに焼結体を入れたときに焼結体の周囲に隙間を持たせ、加圧の際この隙間を埋めるように焼結体が張り出すことで変形が行われる。
【0021】
焼結体の変形を行うにあたっては、開放された空間内に焼結体を配置して一軸方向加圧すれば、加圧方向と垂直な方向に焼結体が張り出すが、本発明のように型のキャビティー内(閉空間内)に焼結体を隙間をもって配置し、加圧の際に隙間を埋めるように張り出させるようにすることで、熱電半導体を量産化する際の変形後の形状(変形量)を均一化することができる。このため、製造された熱電半導体のそれぞれにおいて一定の電気的異方性が確保でき、製品性能を安定にすることができるとともに、焼結体の割れ等が防止でき、機械的強度が向上するという効果が期待できる。
【0022】
また、請求項1〜6の発明において好ましくは請求項7の発明のように、
前記熱電半導体結晶は、BixTez、BixSbyTez、BixTezSeα、BixSbyTezSeα(0.2≦x≦2.0、0<y≦1.8、2.5≦z≦3.5、0<α≦0.5)からなる群より選択されることを特徴とする、熱電半導体の製造方法とすることである。
【0023】
上記発明によれば、熱電半導体結晶を上記群より選択することで、より良好な熱電特性を得ることができる。
【0024】
【実施の形態】
以下、本発明を実施の形態により具体的に説明する。
【0025】
(第1実施形態例)
本例における熱電半導体の製造方法では、熱電半導体結晶合金作製工程、粉末化工程、圧粉工程、押出し工程、焼結・一体化工程を主な工程とする。以下、順に各工程を説明する。
【0026】
(1)熱電半導体結晶合金作製工程
まず、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、セレン(Se)の純度3N(99.9%)の各原材料を、Bi1.8Sb0.2Te2.85Se0.15の組成になるように秤量して石英管に投入した。次に、キャリア濃度を調整するために、臭化第2水銀(HgBr2)を0.09wt%添加した。その後真空ポンプにより石英管内を0.1torr以下の真空にし、封管した。
【0027】
次に、封管した石英管を700℃にて1時間加熱しながら揺動させ、管内の原材料混合物を溶融攪拌した。その後、冷却させて再結晶を行い、熱電半導体結晶合金を作製した。
【0028】
(2)粉末化工程
上記のように作製された熱電半導体結晶合金をカッターミルにて粉砕した。その後、分級し、90ミクロン以下の粉末のみを採取した。
【0029】
(3)圧粉工程
次に、粉末化された熱電半導体結晶合金を型内に充填し、圧力500kg/cm2で圧粉化した。これにより、直径20mm、高さ30mmの円筒状の圧粉体を作製した。
【0030】
(4)押出し工程
次に、上記圧粉工程により作製した圧粉体を、図1に示すような第1金型に装填する。ここで、図1に示す第1金型の構成について説明する。
【0031】
図1において、第1金型10は、円筒形状のダイス11とパンチ12を備える。ダイス11は、その裏面(ダイス11の図示上面)11bから表面(ダイス11の図示下面)11aにかけてキャビティーを構成する貫通孔13が形成されている。この貫通孔13は、ダイス11の裏面11b側に開口した円筒形状を呈する円筒状空間部13a、該円筒状空間部13aに連続した円錐台形形状を呈する円錐台形状空間部13b、円錐台形状空間部13bの先端部13cに連続するとともにダイス11の表面11aに開口した円筒形状の通路13dで形成されている。この通路13dのダイス11の表面11aでの開口部が、吐出口11cとなる。
【0032】
尚、本例において、上記貫通孔13の円筒状空間部13aの直径は、約20mmとされている。
【0033】
パンチ12は円筒形状に形成されており、その直径はダイス11に形成された貫通孔13の円筒状空間部13aの直径(約20mm)にほぼ等しくされている。そして、図1に示すようにダイス11の裏面11bから貫通孔13内に摺動可能に挿入されている。
【0034】
ダイス11の周側面11dにはリングヒータ14が巻回されている。このリングヒータ14は図示せぬ電源に電気的に連結されて、この電源から通電されることによりダイス11を所定温度に加熱するものである。
【0035】
上記構成の第1金型10において、まず、リングヒータ14に通電してダイス11を120℃となるように加熱する(押出し温度120℃)。次に、上記圧粉工程で作製した圧粉体A1を図に示すようにキャビティーとしての貫通孔13の円筒状空間部13a内に装填する。そして、パンチ12を図示矢印Y方向に前進させる。このときのパンチ12のストローク速度は、吐出口11cから吐出される成形体の吐出速度が40mm/min.となるように制御される(押出し速度40mm/min.)。
【0036】
キャビティーとしての貫通孔13に装填された圧粉体A1は、パンチ12が貫通孔13内を図示矢印Y方向に前進することにより押圧力を受ける。この押圧力と、円錐台形状部13bの壁面から受ける反力とによって圧粉体は変形する。ただし、ダイス温度が120℃であるので焼結化は起こらない。そして、変形した圧粉体は吐出口11cから棒状の成形体(棒状形材)として押出される。この状態を図2に示す。このようにして押出された棒状形材は、押出し成形中に押出し方向に沿って材料流れが起こるので、押出し方向軸L1、つまり棒状形材の円筒軸線方向に沿って結晶格子中のC面が揃うように配向する。
【0037】
尚、本例において、吐出口11cの直径は2mmである。従って、押出し比(円筒状空間部13aの断面積/吐出口11cの断面積)は100である。
【0038】
(4)焼結・一体化工程
図3は本例の焼結・一体化工程で用いる第2金型20の概略斜視図、図4は概略断面図である。図において、第2金型20は、ダイス21及びパンチ22を備える。ダイス21は、上端面21a、下端面21b、及び側面21cを有する略直方体形状を呈しており、その中心部分において、上端面21aから下端面21bにかけて貫通する断面四角形形状の貫通孔211が形成されている。
【0039】
ダイス21の側面21cには角型ヒータ23が取り付けられている(図4参照)。この角型ヒータ23は図示せぬ電源に電気的に連結されて、この電源から通電されることによりダイス21を所定温度に加熱するものである。
【0040】
パンチ22は、上側パンチ221及び下側パンチ222を備えている(尚、図3では上側パンチ221を省略してある。)。両パンチ221及び222はいずれも貫通孔211内を摺動可能となるように断面四角形形状に形成されており、上側パンチ221の先端面221aと下側パンチ222の先端面222aとは対面して配置されている。従って、上側パンチ221の先端面221aと、下側パンチ222の先端面222aと、貫通孔211の内側面211aとで囲まれた空間で、直方体形状を呈するキャビティー24が形成される。このキャビティー24の断面形状は、幅30mm、奥行き30mmの四角形形状とされている。
【0041】
このようにして画成されたキャビティー24内に、上記押出し工程で作製された直径2mmの棒状形材B1を投入する。この場合において、上記押出し工程で作製された棒状形材を予め長さ30mmに切断しておき、切断された複数の棒状形材B1を、各々の向きが平行となるように、つまり図3に示す円筒形状の棒状形材B1の円筒軸L1が各々平行となるようにキャビティー24内に配列する。そして、図4の矢印A、Bで示すように上側パンチ221と下側パンチ222をそれぞれ駆動させて複数の棒状形材B1を加圧する。この場合における加圧方向は、図4に示すようにキャビティー24内に平行に配列された複数の棒状形材の軸線方向(図4において紙面に垂直な方向)L1と垂直な一軸方向L2となる。本例においてこの加圧力は450kg/cm2である。また、ダイス21は角型ヒータ23により予め約400℃に加熱しておく。これらの加圧及び加熱を10分間保持することにより複数の棒状形材B1は焼結化するとともに一体化する。
【0042】
上述のように本例における焼結・一体化工程では、キャビティー24内に平行に配列された複数の棒状形材B1をその円筒軸線L1方向と垂直な方向(L2方向)から加圧している。このため焼結中に加圧方向と垂直な方向、つまり棒状形材の円筒軸線L1方向に材料流れが起こり、この流れに沿って結晶格子中のC面が整列する。
【0043】
上記焼結・一体化工程にて複数の棒状形材B1が一体化して作製された焼結体を、図5に示すように所定の大きさに切断して測定用サンプルを作製した。この測定用サンプルに対し、ゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度を測定し、これらの値から熱電半導体の性能の善し悪しを決める性能指数を計算した。その結果を表1に示す。尚、測定にあたり、上記焼結・一体化工程における加圧方向(L2方向)と垂直な方向(棒状形材B1であったときの軸線L1方向)のゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度を測定した。また性能指数は次式により計算した。
【0044】
性能指数=(ゼーベック係数)2×(電気伝導度)/(熱伝導率)
(第2実施形態例)
次に、第2実施形態例について説明するが、上記第1実施形態例と重複する部分についての説明は省略する。
【0045】
本例における熱電半導体の製造方法では、熱電半導体結晶合金作製工程、粉末化工程、圧粉工程、押出し焼結工程、一体化工程を主な工程とする。以下、順に各工程を説明する。
【0046】
(1)熱電半導体結晶合金作製工程
まず、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)の純度3N(99.9%)の各原材料を、Bi0 . 5Sb1 . 5Te3.15の組成になるように秤量して石英管に投入した。その後真空ポンプにより石英管内を0.1torr以下の真空にし、封管した。
【0047】
次に、封管した石英管を700℃にて1時間加熱しながら揺動させ、管内の原材料混合物を溶融攪拌した。その後、冷却させて再結晶を行い、熱電半導体結晶合金を作製した。
【0048】
(2)粉末化工程
本例の粉末化工程は、上記第1実施形態例と同一であるので、その説明を省略する。
【0049】
(3)圧粉工程
本例の圧粉工程は、上記第1実施形態例と同一であるので、その説明を省略する。
【0050】
(4)押出し焼結工程
次に、上記圧粉工程により作製した直径20mm、高さ30mmの円筒状の圧粉体A2を、図1に示すような第1金型10に装填する。ここで、図1に示す第1金型10の構成については上記第1実施形態例で説明したので省略する。
【0051】
圧粉体A2を第1金型10に装填する際に、まずリングヒータ14に通電してダイス11が400℃となるように加熱する(押出し温度400℃)。次に、上記圧粉工程で作製した圧粉体A2を図に示すようにキャビティーとしての貫通孔13の円筒状空間部13a内に装填する。そして、パンチ12を図示矢印Y方向に前進させる。このときのパンチ12のストローク速度は、吐出口11cから吐出される成形体の吐出速度が100mm/min.となるように制御される(押出し速度100mm/min.)。
【0052】
キャビティーとしての貫通孔13に装填された圧粉体A2には、パンチ12が貫通孔13内を図示矢印Y方向に前進することにより押圧力を受ける。この押圧力と、円錐台形状部13bの壁面から受ける反力とによって圧粉体A2は変形する。また、押出し温度が400℃であるのでこれらの加熱・加圧により圧粉体A2は焼結化する。そして、変形及び焼結化した圧粉体は吐出口11cから棒状の成形体(棒状形材)として押出される。この状態を図2に示す。このようにして押出された棒状形材は、押出し成形中に押出し方向に沿って材料流れが起こるので、押出し方向軸L1、つまり棒状形材の円筒軸線方向に沿って結晶格子中のC面が揃うように配向する。
【0053】
尚、本例において、吐出口11cの直径は2mmである。従って、押出し比(円筒状空間部13aの断面積/吐出口11cの断面積)は100である。
【0054】
(4)一体化工程
上記押出し焼結工程において作製された棒状形材を予め30mmの長さに切断しておく。そして、切断された複数の棒状形材B2を図3及び図4に示す第2金型20に装填する。この第2金型20の構造は、上記第1実施形態例で説明したので省略する。
【0055】
図3及び図4に示すような第2金型20のキャビティー24内に棒状形材B2を投入する際に、複数の棒状形材B2のそれぞれを、各々の向きが平行となるように、つまり図3に示す円筒形状の棒状形材B2の円筒軸L1が各々平行となるようにキャビティー24内に配設する。そして、図4の矢印A、Bで示すように上側パンチ221と下側パンチ222をそれぞれ駆動させて複数の棒状形材を加圧する。この場合における加圧方向は、図4に示すようにキャビティー内に平行に配設された複数の棒状形材B2の軸線方向L1(図4において紙面に垂直な方向)と垂直な一軸方向L2となる。本例においてこの加圧力は400kg/cm2である。また、ダイス21はリングヒータ23により予め約300℃に加熱されている。従って、これらの加圧・加熱によって複数の棒状形材は熱変形するとともに押しつぶされて一体化する。
【0056】
本例における一体化工程では、複数の棒状形材B2を、これらの軸線L1方向と垂直なL2方向から加圧している。このため一体化工程中に加圧方向と垂直な方向、つまり棒状形材の円筒軸線L1方向に材料流れが起こる。このためこの流れに沿って結晶格子中のC面が整列する。
【0057】
上記一体化工程にて複数の棒状形材B2が一体化して作製された焼結体を、図5に示すように所定の大きさに切断して測定用サンプルを作製した。この測定用サンプルに対し、ゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度を測定し、これらの値から熱電半導体の性能の善し悪しを決める性能指数を上記第1実施形態例と同様な計算により算出した。その結果を表1に示す。尚、測定するにあたり、一体化工程における加圧方向(L2方向)と垂直な方向(棒状形材であったときの円筒軸線L1方向)のゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度を測定した。
【0058】
(第3実施形態例)
次に、第3実施形態例について説明する。本例における熱電半導体の製造方法では、熱電半導体結晶合金作製工程、粉末化工程、圧粉工程、押出し工程、焼結・一体化工程、変形工程を主な工程とする。以下、順に各工程を説明する。
【0059】
(1)熱電半導体結晶合金作製工程
まず、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、セレン(Se)の純度3N(99.9%)の各原材料を、Bi0.5Sb1.5Te3.1Se0.05の組成になるように秤量して石英管に投入した。次に、キャリア濃度を調整するために、臭化第2水銀(HgBr2)を0.09wt%添加した。その後真空ポンプにより石英管内を0.1torr以下の真空にし、封管した。
【0060】
次に、封管した石英管を700℃にて1時間加熱しながら揺動させ、管内の原材料混合物を溶融攪拌した。その後、冷却させて再結晶を行い、熱電半導体結晶合金を作製した。
【0061】
(2)粉末化工程
上記のように作製された熱電半導体結晶合金をカッターミルにて粉砕した。その後、分級し、90ミクロン以下の粉末のみを採取した。
【0062】
(3)圧粉工程
次に、粉末化された熱電半導体結晶合金を型内に充填し、圧力500kg/cm2で圧粉化した。これにより、直径20mm、高さ30mmの円筒状の圧粉体を作製した。
【0063】
(4)押出し工程
次に、上記圧粉工程により作製した圧粉体を、図6に示すような第3金型に装填する。ここで、図5に示す第3金型の構成について説明する。
【0064】
図6において、第3金型30は、円筒形状のダイス31とパンチ32を備える。ダイス31は、その裏面(ダイス31の図示上面)31bから表面(ダイス31の図示下面)31aにかけてキャビティーを構成する貫通孔33が形成されている。この貫通孔33は、ダイス31の裏面31b側に開口した円筒形状を呈する円筒状空間部33a、該円筒状空間部33aに連続した円錐台形形状を呈する円錐台形状空間部33b、円錐台形状空間部33bの先端部33cに連続するとともにダイス31の表面31aに開口した円筒形状の通路33dで形成されている。この通路33dのダイス31の表面31aでの開口部が、吐出口31cとなる。
【0065】
尚、本例において、上記貫通孔33の円筒状空間部33aの直径は、約20mmとされている。
【0066】
パンチ32は円筒形状に形成されており、その直径はダイス31に形成された貫通孔33の円筒状空間部33aの直径(約20mm)にほぼ等しくされている。そして、図6に示すようにダイス31の裏面31bから貫通孔33内に摺動可能に挿入されている。
【0067】
ダイス31の周側面31dにはリングヒータ34が巻回されている。このリングヒータ34は図示せぬ電源に電気的に連結されて、この電源から通電されることによりダイス31を所定温度に加熱するものである。
【0068】
上記構成の第3金型30において、まず、リングヒータ34に通電してダイス31を100℃となるように加熱する(押出し温度100℃)。次に、上記圧粉工程で作製した圧粉体A3を図に示すようにキャビティーとしての貫通孔33の円筒状空間部33a内に装填する。そして、パンチ32を図示矢印Y方向に前進させる。このときのパンチ32のストローク速度は、吐出口11cから吐出される成形体の吐出速度が50mm/min.となるように制御される(押出し速度50mm/min.)。
【0069】
キャビティーとしての貫通孔33に装填された圧粉体A3は、パンチ32が貫通孔33内を図示矢印Y方向に前進することにより押圧力が付与される。この押圧力と、円錐台形状部33bの壁面から受ける反力とによって圧粉体A3は変形する。ただし、ダイス温度が100℃であるので焼結化は起こらない。そして、変形した圧粉体は吐出口31cから棒状の成形体(棒状形材)として押出される。この状態を図7に示す。このようにして押出された棒状形材は、押出し成形中に押出し方向に沿って材料流れが起こるので、押出し方向軸L3、つまり棒状形材の軸線L3方向に沿って結晶格子中のC面が揃うように配向する。
【0070】
尚、本例において、吐出口31cの直径は3mmである。従って、押出し比(円筒状空間部33aの断面積/吐出口31cの断面積)は44である。
【0071】
(4)焼結・一体化工程
上記押出し工程において作製された棒状形材を30mmの長さに切断する(図9参照)。そして、切断された直径3mm、長さ30mmの複数の棒状形材B3を図8に示すように第2金型20に装填する。尚、図8に示す第2金型20は図4に示す第2金型20と同一のものであるが、本例において内部に装填する棒状形材の径は、図4で示してある棒状形材(第1及び第2実施形態例で作製された棒状形材B1、B2)の径と異なっているので、説明の便宜のために図8として新たに表した。従って、第2金型20の構成については上記第1実施形態例で説明したので省略する。
【0072】
図8に示すように複数の棒状形材B3を第2金型20のキャビティー24に装填する際には、それぞれの棒状形材B3は互いに向きが平行となるように、つまり円筒形状の棒状形材B3の円筒軸L3(図9参照)が各々平行となるようにキャビティー24内に配列する。そして、図8の矢印A、Bで示すように上側パンチ221と下側パンチ222をそれぞれ駆動させて複数の棒状形材B3を加圧する。この場合における加圧方向は、図8に示すようにキャビティー内に平行に配列された複数の棒状形材B3の軸線方向L3(図8において紙面に垂直な方向)と垂直な一軸方向L2となる。本例においてこの加圧力は500kg/cm2である。また、ダイス21は角型ヒータ23により約350℃に加熱しておく。これらの加圧及び加熱を20分間保持することにより複数の棒状形材B3は焼結化するとともに一体化する。
【0073】
上述のように本例における焼結・一体化工程では、キャビティー24内に平行に配列された複数の棒状形材B3をその軸線方向(L3方向)と垂直な方向(L2)方向から加圧している。このため焼結中に加圧方向と垂直な方向、つまり棒状形材の円筒軸線L3方向に材料流れが起こる。このためこの流れに沿って結晶格子中のC面が整列する。
【0074】
(変形工程)
上記焼結工程にて複数の棒状形材が一体化及び焼結化して作製された焼結体を、図10に示す第4金型に装填する。次に第4金型の構成について説明する。
【0075】
図10において、第4金型40は、ダイス41及びパンチ42を備える。ダイス41は、上端面41a、下端面41b、及び側面41cを有する略直方体形状を呈しており、その中心部分において、上端面41aから下端面41bにかけて貫通する断面四角形形状の貫通孔411が形成されている。
【0076】
ダイス41の側面41cには角型ヒータ43が取り付けられている。この角型ヒータ43に通電してダイス41は約380℃に加熱されている。
【0077】
パンチ42は、上側パンチ421及び下側パンチ422を備えている。両パンチ421及び422はいずれも貫通孔411内を摺動可能となるように断面四角形形状に形成されており、上側パンチ421の先端面421aと下側パンチ422の先端面422aとは対面して配置されている。従って、上側パンチ421の先端面421aと、下側パンチ422の先端面422aと、貫通孔411の内側面411aとで囲まれた空間で、直方体形状を呈するキャビティー44が形成される。このキャビティー44の断面形状は、幅40mm、奥行き40mmとされている。
【0078】
このようにして画成されたキャビティー44内に、上記焼結・一体化工程で作製された焼結体C3を投入する。この場合において、焼結体C3は、この焼結体C3を構成する棒状形材B3(焼結体C3の前駆体である棒状形材B3)の軸線方向であるL3方向と今回加圧されるべき方向(後述のL4軸方向)とが垂直となるような向きにセットする。そして、図10の矢印A、Bで示すように上側パンチ421と下側パンチ422をそれぞれ駆動させて焼結体C3をL4軸に沿った方向に加圧する。本例においてこの加圧力は420kg/cm2である。また、ダイス41は角型ヒータ43により約380℃に加熱されている。これらの加圧及び加熱を40分間保持することにより焼結体は熱変形を起こす。この場合において、キャビティー44の断面形状は40mm×40mmの四角形形状、焼結体C3の断面形状は30mm×30mmの四角形形状であり、加圧軸(L4軸)に対して垂直な面における焼結体の最大径(30mm×30mm)よりも大きな径(40mm×40mm)をもつキャビティー44内に焼結体C3を入れている。従って、焼結体C3とキャビティー44の壁面(貫通孔411の内周面411a)との間には約5mmの隙間Sが形成され、圧縮力を受けた焼結体C3はこの隙間Sを埋めるべく、加圧軸であるL4軸線に対して垂直な方向に張り出す。この張り出し時に材料流動がL4軸に対して垂直な方向に沿って起こり、この流れに従って材料が配向する。この変形が完了したのときの状態を図11に示す。
【0079】
ここで、焼結・一体化工程における加圧軸であるL2軸、焼結体C3の前駆体である棒状形材B3の軸線方向であるL3軸、変形工程における加圧軸であるL4軸の関係について図12を用いて説明する。
【0080】
図12は、焼結体C3を基準としたL2、L3、L4軸の関係を示す図である。図において、焼結・一体化工程における加圧軸方向であるL2軸方向は、焼結体C3の前駆体である棒状形材B3の軸線方向であるL3軸方向と垂直な方向となっている。また、変形工程における加圧軸方向であるL4軸方向は、やはり棒状形材B3の軸線方向であるL3軸方向と垂直な方向となっている。そして、1つのL2軸と1つのL4軸とは、図に示すようにL3軸方向と垂直な1つの平面P内において面一となる関係にある。つまり、1つのL2軸と1つのL4軸とで1つの平面Pを定義した場合、この平面PがL3軸方向と垂直となるようにL4軸方向を設定するわけである。この場合、図に示すようにL2軸とL4軸が垂直であってもよいし(つまり、L2、L3、L4が全て垂直な関係)、またL2軸とL4軸とが平行であってもよい。このようにL4軸を設定することで、変形工程においてL4軸と垂直な方向、つまりL3軸方向にも焼結体C3が張り出し、この張り出し時に材料流動がL3軸方向に沿って起こり、この流れに従って材料が配向する。つまり棒状形材の軸線方向に沿って結晶格子中のC面が揃うように配向する。
【0081】
上記変形工程にて熱変形された焼結体を、図5に示すように所定の大きさに切断して測定用サンプルを作製した。この測定用サンプルに対し、ゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度を測定し、これらの値から熱電半導体の性能の善し悪しを決める性能指数を計算した。その結果を表1に示す。尚、測定するにあたり、焼結・一体化工程及び変形工程における加圧方向(L2軸方向及びL4軸方向)と垂直な方向(L3軸方向)のゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度を測定した。
【0082】
(第4実施形態例)
次に、第4実施形態例について説明するが、上記第3実施形態例と重複する部分についての説明は省略する。
【0083】
本例における熱電半導体の製造方法では、熱電半導体結晶合金作製工程、粉末化工程、圧粉工程、押出し焼結工程、一体化工程、変形工程を主な工程とする。以下、順に各工程を説明する。
【0084】
(1)熱電半導体結晶合金作製工程
まず、ビスマス(Bi)、テルル(Te)、セレン(Se)の純度3N(99.9%)の各原材料を、Bi2Te2.7Se0.3の組成になるように秤量して石英管に投入した。次に、キャリア濃度を調整するため臭化第2水銀(HgBr2)を0.09wt%添加した。その後真空ポンプにより石英管内を0.1torr以下の真空にし、封管した。
【0085】
次に、封管した石英管を700℃にて1時間加熱しながら揺動させ、管内の原材料混合物を溶融攪拌した。その後、冷却させて再結晶を行い、熱電半導体結晶合金を作製した。
【0086】
(2)粉末化工程
本例の粉末化工程は、上記第3実施形態例と同一であるので、その説明を省略する。
【0087】
(3)圧粉工程
本例の圧粉工程は、上記第3実施形態例と同一であるので、その説明を省略する。
【0088】
(4)押出し焼結工程
次に、上記圧粉工程により作製した圧粉体A4を、図6に示すような第3金型に装填する。ここで、図6に示す第3金型30の構成については上記第3実施形態例で説明したので省略する。
【0089】
圧粉体A4を第3金型30に装填する際に、まずリングヒータ34に通電してダイス31を450℃となるように加熱する(押出し温度450℃)。次に、上記圧粉工程で作製した圧粉体A4を図に示すようにキャビティーとしての貫通孔33の円筒状空間部33a内に装填する。そして、パンチ32を図示矢印Y方向に前進させる。このときのパンチ32のストローク速度は、1吐出口31cから吐出される成形体の吐出速度が50mm/min.となるように制御される(押出し速度150mm/min.)。
【0090】
キャビティーとしての貫通孔33に装填された圧粉体A4は、パンチ32が貫通孔33内を図示矢印Y方向に前進することにより押圧力が付与される。この押圧力と、円錐台形状部33bの壁面から受ける反力とによって圧粉体A4は変形する。また、ダイス温度が450℃であるのでこれらの加熱・加圧により圧粉体A4は焼結化する。そして、変形及び焼結化した圧粉体は吐出口31cから棒状の成形体(棒状形材)として押出される。この状態を図7に示す。このようにして押出された棒状形材は、押出し成形中に押出し方向に沿って材料流れが起こるので、押出し方向軸L3、つまり棒状形材の軸線方向に沿って結晶格子中のC面が揃うように配向する。
【0091】
尚、本例において、吐出口31cの直径は3mmである。従って、押出し比(円筒状空間部33aの断面積/吐出口31cの断面積)は44である。
【0092】
(4)一体化工程
上記押出し焼結工程において作製された棒状形材を30mmの長さに切断する(図9参照)。そして、切断された直径3mm、長さ30mmの複数の棒状形材B4を図8に示すように第2金型に装填する。第2金型の構成については上記第1実施形態例で説明したので省略する。
【0093】
図8に示すように複数の棒状形材B4を第2金型20のキャビティー24に装填する際には、それぞれの棒状形材B4は互いに向きが平行となるように、つまり円筒形状の棒状形材B4の円筒軸L3(図9参照)が各々平行となるようにキャビティー24内に配列する。そして、図8の矢印A、Bで示すように上側パンチ221と下側パンチ222をそれぞれ駆動させて複数の棒状形材B3を加圧する。この場合における加圧方向は、図8に示すようにキャビティー内に平行に配列された複数の棒状形材B4の軸線方向L3(図8において紙面に垂直な方向)と垂直な一軸方向L2となる。本例においてこの加圧力は700kg/cm2である。また、ダイス21はリングヒータ23により約420℃に加熱しておく。従って、これらの加圧・加熱によって複数の棒状形材B4は熱変形するとともに押しつぶされて一体化する。
【0094】
上述のように本例における一体化工程では、キャビティー24内に平行に配列された複数の棒状形材B4をその軸線方向(L3方向)と垂直な方向(L2)方向から加圧している。このため一体化工程中に加圧方向と垂直な方向、つまり棒状形材の円筒軸線L3方向に材料流れが起こる。このためこの流れに沿って結晶格子中のC面が整列する。
【0095】
(変形工程)
上記一体化工程にて複数の棒状形材が一体化して作製された焼結体C4を、図10に示す第4金型に装填する。第4金型の構成については上記第3実施形態例で説明したので省略する。
【0096】
第4金型40内に焼結体C4を投入する際に、この焼結体C4を構成する棒状形材B4(焼結体C4の前駆体である棒状形材B4)の軸線方向であるL3方向と今回加圧されるべき方向(後述のL4軸方向)とが垂直となるような向きにセットする。そして、図10の矢印A、Bで示すように上側パンチ421と下側パンチ422をそれぞれ駆動させて焼結体C4をL4軸に沿った方向に加圧する。本例においてこの加圧力は600kg/cm2である。また、ダイス41は角型ヒータ43により約440℃に加熱されている。これらの加圧及び加熱を30分間保持することにより焼結体は熱変形を起こす。この場合において、キャビティー44の断面形状は40mm×40mmの四角形形状、焼結体C3の断面形状は30mm×30mmの四角形形状であり、加圧軸(L4軸)に対して垂直な面における焼結体の最大径(30mm×30mm)よりも大きな径(40mm×40mm)をもつキャビティー44内に焼結体C3を入れている。従って、焼結体C4とキャビティー44の壁面(貫通孔411の内側面411a)との間には約5mmの隙間Sが形成されているので、圧縮力を受けた焼結体C4はこの隙間Sを埋めるべく、加圧軸であるL4軸線に対して垂直な方向に張り出す。この張り出し時に材料流動がL4軸に対して垂直な方向に沿って起こり、この流れに従って材料が配向する。この変形が完了したのときの状態を図11に示す。
【0097】
ここで、焼結・一体化工程における加圧軸であるL2軸、焼結体C3の前駆体である棒状形材B3の軸線方向であるL3軸、変形工程における加圧軸であるL4軸の関係については第3実施形態例と同様に図12に示す関係にある。これらの軸の具体的関係については上記第3実施形態例で説明したので省略する。
【0098】
上記変形工程にて熱変形された焼結体を、図5に示すように所定の大きさに切断して測定用サンプルを作製した。この測定用サンプルに対し、ゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度を測定し、これらの値から熱電半導体の性能の善し悪しを決める性能指数を計算した。その結果を表1に示す。尚、測定するにあたり、焼結・一体化工程及び変形工程における加圧方向(L2軸方向及びL4軸方向)と垂直な方向(L3軸方向)のゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度を測定した。
【0099】
(比較例1)
第1実施形態例と同様の組成及び方法によって合金化、粉末化、圧粉化して直径20mm、高さ30mmの円筒状の圧粉体を作製し、この圧粉体を押出し成形して押出すと同時に焼結化を行った。尚、本比較例1における押出し温度は400℃、押出し速度は100mm/min.、押出し比は25である。
【0100】
上記押出し焼結工程にて作製された焼結体に対し、ゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度を測定し、これらの値から熱電半導体の性能の善し悪しを決める性能指数を計算した。その結果を表2に示す。尚、測定するにあたり、押出し焼結工程における押出し方向と垂直な方向のゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度を測定したに沿って測定した。
【0101】
(比較例2)
第2実施形態例と同様の組成及び方法によって合金化、粉末化、圧粉化して直径20mm、高さ30mmの円筒状の圧粉体を作製し、この圧粉体を押出し成形して押出すと同時に焼結化を行った。尚、本比較例2における押出し温度は400℃、押出し速度は100mm/min.、押出し比は25である。
【0102】
上記押出し焼結工程にて作製された焼結体に対し、上記比較例1と同様な方法によってゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度を測定し、これらの値から熱電半導体の性能の善し悪しを決める性能指数を計算した。その結果を表2に示す。
【0103】
(比較例3)
第3実施形態例と同様の組成及び方法によって合金化、粉末化、圧粉化して直径20mm、高さ30mmの円筒状の圧粉体を作製し、この圧粉体を押出し成形して押出すと同時に焼結化を行った。尚、本比較例3における押出し温度は400℃、押出し速度は100mm/min.、押出し比は25である。
【0104】
上記押出し焼結工程にて作製された焼結体に対し、上記比較例1と同様な方法によってゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度を測定し、これらの値から熱電半導体の性能の善し悪しを決める性能指数を計算した。その結果を表2に示す。
【0105】
(比較例4)
第4実施形態例と同様の組成及び方法によって合金化、粉末化、圧粉化して直径20mm、高さ30mmの円筒状の圧粉体を作製し、この圧粉体を押出し成形して押出すと同時に焼結化を行った。尚、本比較例4における押出し温度は400℃、押出し速度は100mm/min.、押出し比は25である。
【0106】
上記押出し焼結工程にて作製された焼結体に対し、上記比較例1と同様な方法によってゼーベック係数、電気伝導度、熱伝導度を測定し、これらの値から熱電半導体の性能の善し悪しを決める性能指数を計算した。その結果を表2に示す。
【0107】
(表1)
【0108】
(表2)
【0109】
上記表より明らかなように、第1実施形態例、第2実施形態例、第3実施形態例、第4実施形態例で作製した熱電半導体焼結体の性能指数はいずれも3.5以上であり、比較例で作製した熱電半導体焼結体の性能指数(いずれも3.5以下)よりも電気的性能が向上していることがわかる。これは、ゼーベック係数及び熱伝導率に関して本実施形態例と比較例とでは大差ないのに対し、電気伝導度に関して本実施形態例のほうが比較例よりも大きくなっているため、その結果として性能指数に差が見られるものと考えられる。
【0110】
また、第1実施形態例及び第2実施形態例で作製した熱電半導体焼結体の性能指数(3.73、3.74)よりも、第3実施形態例及び第4実施形態例で作製した熱電半導体焼結体の性能指数(3.88、4.07)の方が大きいことがわかる。これは、第3実施形態例では焼結・一体化工程の後に、第4実施形態例では一体化工程の後に、それぞれ変形工程を設けてあり、この変形工程でさらに結晶格子中のC面が配向するために電気伝導度が第1及び第2実施形態例よりも大きくなり、その結果として性能指数に差が見られるものと考えられる。
【0111】
尚、上記第1〜第4実施形態例においては、熱電半導体結晶合金作製工程の後に圧粉工程を設けてあるが、この圧粉工程を省略し、粉末のまま押出し工程を行っても差し支えない。ただ、圧粉工程を行った方が、押出し時の気体の巻き込みが少なく、性能が安定するという効果がある。
【0112】
以上のように、上記第1実施形態例によれば、熱電半導体結晶粉末の圧粉体A1を押出し成形によって棒状形材B1に成形する押出し工程と、棒状形材B1を複数本並列に配列し、配列された棒状形材B1の軸線方向(L1方向)と垂直な方向(L2方向)から加圧するとともに加熱して複数の棒状形材B1を焼結化するとともに一体化する焼結・一体化工程とを含む熱電半導体の製造方法としたので、焼結・一体化工程において押出し工程で作製された棒状形材B1はその軸線方向(L1方向)と垂直な方向(L2方向)から加圧力を受け、その結果棒状形材の軸線方向(L1方向)にさらに材料流れが起こり、この流れに沿って組織(C面)がさらに配向する。このため従来の押出し成形法により製造される熱電半導体の焼結体よりも、焼結・一体化工程において生じた組織(C面)の配向の分だけ配向度が大きくなり、この方向での電気伝導度が向上する。従って、性能指数のより向上した熱電半導体を製造することができる。
【0113】
また、上記第2実施形態例によれば、熱電半導体結晶粉末の圧粉体A2を押出し成形によって棒状形材B2に成形するとともに焼結化する押出し焼結工程と、押出し焼結工程で焼結化した棒状形材B2を複数本並列に配列し、配列された棒状形材B2の軸線方向(L1方向)と垂直な方向(L2方向)から加圧して変形させるとともに押しつぶして一体化する一体化工程とを含む熱電半導体の製造方法としたので、一体化工程において焼結工程で作製された棒状形材B2はその軸線方向(L1方向)と垂直な方向(L2方向)から加圧力を受け、その結果棒状形材B2の軸線方向(L1方向)にさらに材料流れが起こり、この流れに沿って組織(C面)がさらに配向する。このため従来の押出し成形法により製造される熱電半導体の焼結体よりも、一体化工程において生じた組織(C面)の配向の分だけ配向度が大きくなり、この方向での電気伝導度が向上する。従って、性能指数のより向上した熱電半導体を製造することができるものである。
【0114】
また、上記第3実施形態例によれば、第1実施形態例で示したような焼結・一体化工程を経て作製された焼結体C3を、さらに該焼結体C3を構成する棒状形材B3の軸線方向(L3方向)と垂直な方向(L4方向)から加圧して加圧軸(L4軸)に対して垂直な方向に張り出すように変形させる変形工程を行っているので、この変形工程において焼結体C3の張り出し方向、つまり加圧軸(L4軸)に対して垂直な方向にさらに材料流れが起こり、この方向に沿って組織(C面)がさらに配向する。ここで、変形工程における加圧方向(L4方向)は、焼結体C3を構成する棒状形材B3の軸線方向(L3方向)と垂直な方向であるので、組織(C面)の配向方向は棒状形材の軸線方向(L3方向)となり、この方向は焼結・一体化工程において組織(C面)が配向する方向と一致する。従って、組織(C面)の配向性がさらに一層向上し、電気伝導度をより一層大きくすることができ、ひいては性能指数をより一層向上させることができるものである。
【0115】
また、上記第4実施形態例によれば、第2実施形態例で示したような一体化工程を経て作製された焼結体C4を、さらに該焼結体C4を構成する棒状形材B4の軸線方向(L3方向)と垂直な方向(L4方向)から加圧して加圧軸(L4軸)に対して垂直に張り出すように変形させる変形工程を行っているので、この変形工程において焼結体C4の張り出し方向、つまり加圧軸(L4軸)に対して垂直な方向にさらに材料流れが起こり、この方向に沿って組織(C面)がさらに配向する。ここで、変形工程における加圧方向(L4方向)は、焼結体C4を構成する棒状形材B4の軸線方向(L3方向)と垂直な方向であるので、組織(C面)の配向方向は棒状形材の軸線方向(L3方向)となり、この方向は一体化工程において組織(C面)が配向する方向と一致する。従って、組織(C面)の配向性がさらに一層向上し、電気伝導度をより一層大きくすることができ、ひいては性能指数をより一層向上させることができるものである。
【0116】
また、上記第3及び第4実施形態例における、変形工程は、加圧軸(L4軸)に対して垂直な面における前記焼結体の最大径よりも大きな径をもつキャビティー44を有する第4金型40内に焼結体(C3、C4)を入れ、加圧軸方向(L4方向)に沿って焼結体(C3、C4)を第4金型40内で加圧することにより加圧軸(L4軸)に対して垂直な方向に張り出すように変形させるようにしたので、熱電半導体を量産化する際の変形後の形状(変形量)を均一化することができる。このため、製造された熱電半導体のそれぞれにおいて一定の電気的異方性が確保でき、製品性能を安定にすることができるとともに、焼結体の割れ等が防止でき、機械的強度が向上するという効果が期待できる。
【0117】
また、上記第1〜第4実施形態例によれば、熱電半導体結晶として、BixTez、BixSbyTez、BixTezSeα、BixSbyTezSeα(0.2≦x≦2.0、0<y≦1.8、2.5≦z≦3.5、0<α≦0.5)からなる群より選択してあるので、より良好な熱電特性を得ることができる。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、熱電半導体のもっている性能の異方性を十分に引き出すことができ、ひいては性能指数の向上した熱電半導体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例及び第2実施形態例で使用する第1金型の概略断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態例及び第2実施形態例で使用する第1金型において押出し成形を行い、棒状形材が吐出口から押出されている状態を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態例、第2実施形態例、第3実施形態例、第4実施形態例で使用する第2金型の概略斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態例、第2実施形態例で使用する第2金型の概略断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態例、第2実施形態例、第3実施形態例、第4実施形態例において、焼結体から測定サンプルを切り出す態様を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態例及び第4実施形態例で使用する第3金型の概略断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態例及び第4実施形態例で使用する第3金型において押出し成形を行い、棒状形材が吐出口から押出されている状態を示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態例、第4実施形態例で使用する第2金型の概略断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態例、第4実施形態例で作製された棒状形材の概略斜視図である。
【図10】本発明の第3実施形態例、第4実施形態例で使用する第4金型の概略斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態例、第4実施形態例で使用する第4金型において、変形工程で焼結体が変形を完了した状態を示す概略断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態例、第4実施形態例において、焼結体を基準とした軸線L2、L3、l4の関係を示す図である。
【符号の説明】
10・・・第1金型
20・・・第2金型
30・・・第3金型
40・・・第4金型
44・・・キャビティー
A1、A2、A3、A4・・・圧粉体
B1、B2、B3、B4・・・棒状形材
C3、C4・・・焼結体
Claims (7)
- 熱電半導体結晶の粉末または熱電半導体結晶粉末の圧粉体を押出し成形によって棒状形材に成形する押出し工程と、前記棒状形材を複数本並列に配列し、配列された前記棒状形材の軸線方向と垂直な方向から加圧するとともに加熱して複数の前記棒状形材を焼結化するとともに一体化する焼結・一体化工程とを含む、熱電半導体の製造方法。
- 請求項1において、前記焼結・一体化工程によって焼結化及び一体化された焼結体を、該焼結体を構成する前記棒状形材の軸線方向と垂直な方向から加圧して加圧軸に対して垂直な方向に張り出すように変形させる変形工程とを含む、熱電半導体の製造方法。
- 請求項2において、前記変形工程は、前記加圧軸に対して垂直な面における前記焼結体の最大径よりも大きな径をもつキャビティーを有する型内に前記焼結体を入れ、前記加圧軸方向に沿って前記焼結体を前記型内で加圧することにより前記加圧軸に対して垂直な方向に張り出すように変形させるものであることを特徴とする、熱電半導体の製造方法。
- 熱電半導体結晶の粉末または熱電半導体結晶粉末の圧粉体を押出し成形によって棒状形材に成形するとともに焼結化する押出し焼結工程と、前記押出し焼結工程で焼結化した棒状形材を複数本並列に配列し、配列された前記棒状形材の軸線方向と垂直な方向から加圧して変形させるとともに押しつぶして一体化する一体化工程とを含む、熱電半導体の製造方法。
- 請求項4において、前記一体化工程によって一体化された焼結体を、該焼結体を構成する棒状形材の軸線方向と垂直な方向から加圧して加圧軸に対して垂直に張り出すように変形させる変形工程とを含む、熱電半導体の製造方法。
- 請求項5において、前記変形工程は、前記加圧軸に対して垂直な面における前記焼結体の最大径よりも大きな径をもつキャビティーを有する型内に前記焼結体を入れ、前記加圧軸方向に沿って前記焼結体を前記型内で加圧することにより前記加圧軸に対して垂直な方向に張り出すように変形させることを特徴とする、熱電半導体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項において、
前記熱電半導体結晶は、BixTez、BixSbyTez、BixTezSeα、BixSbyTezSeα(0.2≦x≦2.0、0<y≦1.8、2.5≦z≦3.5、0<α≦0.5)からなる群より選択されることを特徴とする、熱電半導体の製造方法。
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