JP2014221766A - ネラメキサンのための用量調節パッケージおよび内耳障害の治療でのその使用 - Google Patents

ネラメキサンのための用量調節パッケージおよび内耳障害の治療でのその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】副作用を最小限に抑えながら耳鳴および聴覚損失などの内耳障害の治療のための1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を投与するための用量調節方式の提供。【解決手段】1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体としてネラメキサン(1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン)およびその薬学的に許容される塩(例えばネラメキサンメシラート)の使用であって、上記薬剤が50〜75mg/日の有効量に到達するように、1週間ごとに25mgまたは12.5mgずつ薬用量を増やして上記薬剤を漸増することを含む用量調節方式で投与するための薬剤製造への使用。【選択図】図1

Description

本発明は、副作用を最小限に抑えつつ1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の有効量に迅速かつ安全に到達できるようにする、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を投与するための用量調節方式(titration scheme)に関する。本発明はさらに、体重に合わせた少なくとも2種類の異なる維持量に迅速かつ安全に漸増(uptitration)することができるようにする用量調節方式に関する。本発明はさらに、少なくとも2種類の異なる薬用量で1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩)を提供するための用量調節パッケージに関する。本発明の用量調節方式/用量調節パッケージは、耳鳴を含む様々な内耳障害の治療に役立つと期待される。
内耳障害は現代社会においてますます問題になっている。こうした障害で最も一般的なものである耳鳴は、一般に「耳鳴り」(音響信号の外部発生源がないのに音が知覚されること)と呼ばれる。耳鳴は、「蝸牛内でどんな対応する物理的な振動作用もない状態で、神経系内での作用のみから生じる音の知覚、すなわち、幻聴覚のような耳鳴」と定義されている(非特許文献1)。個々の患者にとって、耳鳴は耐えることができることもあれば、それに苦しむ人にとって睡眠や仕事を妨げる消耗性疾患を意味する場合もある。耳鳴は、音耐性(sound tolerance)の低下(すなわち、聴覚過敏)に関連していることが多い。
自覚的耳鳴の病態生理学は十分には理解されておらず、耳鳴の明確な病因は不明である。環境誘発性および物質誘発性の多数の要因により耳鳴が起こりうる。最もよく引き合いに出される要因の中には、急性音響外傷、職業性騒音、および娯楽音楽がある。一般に耳鳴は、聴覚路内のニューロンの機能障害の結果であると思われる。この機能障害が、高次聴覚中枢によって誤って音として知覚され、聴覚神経系内での機能的変化をもたらしうる。皮質構造内での不適応機能変化により、興奮性神経伝達と抑制性神経伝達との間でのバランスが変化する恐れがあり、より重度の耳鳴に至ることがある。いかなる場合でも、聴覚路および聴覚皮質における潜在的な機能不全が、前頭前野および大脳辺縁系の活動と関連づけられる。
大抵の場合(95%)、知覚された耳鳴は、本質的に全く自覚的なものであり、例えば、音響信号の物理的発生源を特定することができず、それゆえに外部から聞くことはできない。理学的検査を実施して他覚的耳鳴を排除する。例えば、患者による音の知覚は、音波の実際の発生源(例えば、蝸牛に達する血管中の乱流による音)によって引き起こされる。耳鳴は、耳鳴の持続期間および耳鳴の発現の程度(例えば、耳鳴の重症度または苦悩度(annoyance))に応じて分類することができる(非特許文献2および非特許文献3)。耳鳴の影響に関して言えば、耳鳴は患者をひどく悩ませることがあり、社会的および心理学的問題を伴いかねない。
米国特許第6,034,134号明細書 米国特許第6,071,966号明細書 米国特許出願公開第2006/0002999号明細書 米国特許出願公開第2006/0198884号明細書 米国特許出願公開第2007/0141148号明細書 米国特許第5,814,344号明細書 米国特許第5,100,669号明細書 米国特許第4,849,222号明細書 国際公開第95/11010号パンフレット 国際公開第93/07861号パンフレット PCT/US2004/037026号明細書
Jastreboff et al.,J Am Acad Audiol 2000;11(3):162−177 McCombe et al.,Clin Otolaryngol 2001;26(5):388−393 Davis et al.,Epidemiology of Tinnitus.In:Tyler R,editor.Tinnitus Handbook.San Diego:Singular Publishing Group;2000.p.1−23 Dobie,Laryngoscope 1999;109(8):1202−1211 Eggermont et al.,Trends Neurosci 2004;27(11):676−682 Patterson et al.,Int Tinnitus J 2006;12(2):149−159 Plazas,et al.,Eur J Pharmacol.,2007 Jul.2;566(1−3):11−19 "Remington’s Pharmaceutical Sciences"by A.R.Gennaro,20th Edition Newman CW,et al.,Development of the Tinnitus Handicap Inventory.Arch Otolaryngol Head Neck Surg 1996;122(2):143−148 Newman CW,et al., Psychometric adequacy of the Tinnitus Handicap Inventory(THI)for evaluating treatment outcome.J Am Acad Audiol 1998;9(2):153−160 Greimel KV et al.,Tinnitus−Beeintraechtigungs−Fragebogen(TBF−12).Manual.Frankfurt am Main:Swets & Zeitlinger B.V.;2000
プラセボ効果を上回って耳鳴および耳鳴に起因する苦悩の軽減を再現可能な仕方でもたらす、十分に確立された耳鳴の特定の内科療法は現在のところない(非特許文献4;非特許文献5;および非特許文献6)。
ネラメキサン(1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサンとしても知られている)などの1−アミノ−アルキルシクロヘキサンは、様々な病気、特にある特定の神経系疾患(アルツハイマー病および神経因性疼痛を含む)の治療に役立つことが見出された。ネラメキサンなどの1−アミノ−アルキルシクロヘキサンは、例えば、特許文献1および特許文献2に詳細に記載されている。1−アミノアルキルシクロヘキサンの化学的変種に関する限り、これらの特許のそれぞれの内容を本明細書に援用する。1−アミノ−アルキルシクロヘキサン(ネラメキサンなど)の治療作用は、神経細胞のN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体での過剰のグルタメートの作用を抑制することと関係していると考えられている。その理由で、こうした化合物はn NMDA拮抗薬(またはNMDA受容体拮抗薬)にも分類される。ネラメキサンは、α9/α10ニコチン性受容体(非特許文献7)および5−HT受容体において活性を示すことも開示されている。
薬物に関係した有害事象は、好適な漸増期間を用いることによって回避または最小限に抑えることができる。そのため、副作用を最小限に抑えつつ、迅速に有効量に到達できる好適な用量調節方式が必要とされている。さらに、時間の経過に伴って1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の薬用量が変わる投与計画への遵守を可能にする用量調節パッケージも必要とされている。そのような用量調節パッケージは、治療のために示された投与計画を患者が遵守する助けになるので、「服薬遵守パッケージ」としても知られている。
本発明者らは、ネラメキサンが耳鳴の治療に役立ちうることを見出した。本発明者らはまた、副作用を最小限に抑えつつ、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を含む組成物の有効量に迅速に到達できるようにする、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を投与するための用量調節方式を開発した。さらに、本発明者らは、体重に合わせた少なくとも2種類の異なる維持量に、迅速かつ安全に漸増することができるようにする用量調節方式を開発した。さらに、本発明者らは、薬物に関連した有害事象の発生回数が許容範囲内となるような好適な漸増期間にすることのできる、少なくとも2種類の異なる薬用量の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)を含んでいる用量調節パッケージを開発した。そのような用量調節方式/用量調節パッケージは、耳鳴の治療に用いるのに好適でありうる。
本発明は、内耳障害(例えば、耳鳴)を治療するための1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラート(neramexane mesylate)などのその薬学的に許容される塩)であって、前記誘導体が用量調節方式で投与される1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体に関する。前記用量調節方式によって、迅速かつ安全に有効量に到達させる。こうした投与によって、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の投与に起因する副作用は最小限に抑えられる。
本発明の更なる態様は、内耳障害(例えば、耳鳴)を治療するための薬剤の製造への1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)の使用であって、前記薬剤が、迅速かつ安全に有効量に到達させる用量調節方式で投与される、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の使用に関する。こうした投与によって、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の投与に起因する副作用は最小限に抑えられる。本明細書に明記されている薬剤は、本明細書に開示されている用量調節方式に従って投与するためのものである。
1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体ならびに本明細書に明記されている薬剤は、上記の投与方式に従って投与するためのものである。1つの実施態様では、誘導体/薬剤では、特に、用量調節方式に関するそれぞれの情報を患者に提供するようにされている。特定の用量調節方式に関するそれぞれの情報は、例えば、パッケージの中またはその上(剤形および/または添付文書および/または患者情報)のそれぞれの情報によって、提供することができる。特定の投与方式に関するそれぞれの情報は、例えば、パッケージ、および/または添付文書、および/または患者情報にあるそれぞれの情報、ならびに提供される剤形の外見(例えば、錠剤の形または錠剤の色)によって、提供することができる。
本発明の更なる態様は、前記用量調節方式が、有効量に到達するように4〜5週間の期間にわたって1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を漸増することを含む、上に明記した誘導体/使用に関する。
本発明の更なる態様では、用量調節方式は、5〜150mg/日の有効量に到達するように、4〜5週間の期間にわたって1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を漸増することを含む。
本発明の更なる態様では、用量調節方式は、50〜75mg/日の有効量に到達するように、4〜5週間の期間にわたって1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を漸増することを含む。
本発明の更なる態様では、用量調節方式は、1週間ごとに25mgまたは12.5mgずつ薬用量を増やして1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を漸増することを含む。
本発明の更なる態様では、1−アミノ−シクロヘキサンは、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)である。
本発明の更なる態様では、用量調節方式は、副作用を最小限に抑えつつ、50mg/日の有効量に到達するよう4週間の期間にわたって、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を漸増することを含む。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)は、以下のスケジュールに従って投与する:第1週には、1日に1回で用量が12.5mg/日であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgである。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンメシラートをそのようなスケジュールに従って投与する。別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体(conjugate)、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩(neramexane hydrochloride)など)を投与する場合、等モル量の別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)を使用してもよい。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)は、以下のスケジュールに従って投与する:第1週には、1日に1回で用量が12.5mg/日であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgである。ここで、混合用量を投与する週には、濃度が高いほうの用量を一日の2回目の用量として投与する。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンメシラートをそのようなスケジュールに従って投与する。別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)を投与する場合、等モル量の別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)も好適でありうる。
本発明の更なる態様では、用量調節方式は、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)で治療することを含み、その用量調節方式により、副作用を最小限に抑えつつ、75mg/日の有効量に到達するように5週間の期間にわたってネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を漸増することが可能である。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を、以下のスケジュールに従って投与する:第1週には、1日に1回で用量が12.5mg/日であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgであり、第5週には、1日に2回で各用量が37.5mgである。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンメシラートをそのようなスケジュールに従って投与する。別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)を投与する場合、等モル量の別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)を使用してもよい。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)は、以下のスケジュールに従って投与する:第1週には、1日に1回で用量が12.5mg/日であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgであり、第5週には、1日に2回で各用量が37.5mgである。ここで、混合用量を投与する週には、濃度が高いほうの用量を一日の2回目の用量として投与する。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンメシラートをそのようなスケジュールに従って投与する。別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)を投与する場合、等モル量の別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)も好適でありうる。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)は、以下のスケジュールに従って投与する:第1週には、1日に1回で用量が25mg/日であり、第2週には、1日に1回で用量が50mg/日であり、そして、任意選択で、第3週には1日に1回で用量が75mg/日である。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)は、1日1回の放出調節製剤の形態で以下のスケジュールに従って投与する:体重が90kgまでの被験者については、第1週には、12.5mgの用量を1日1回、第2週には、25mgの用量を1日1回、第3週には、37.5mgの用量を1日1回、第4週には、50mgの用量を1日1回であり、さらに上記に加えて、体重が90kgを超える被験者については、75mgの用量を1日1回である。
本発明の更なる態様は、ネラメキサンメシラートをそのようなスケジュールに従って投与する、そのような用量調節方式に関する。別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)を投与する場合、等モル量の別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)も好適でありうる。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を含む組成物は、1日1回の放出調節製剤の形態で以下のスケジュールに従って投与する:体重が90kgまでの被験者については、第1週には、25mgの用量を1日1回、第2週には、50mgの用量を1日1回であり、上記に加えて、体重が90kgを超える被験者については、75mgの用量を1日1回である。
本発明の更なる態様は、ネラメキサンメシラートをそのようなスケジュールに従って投与する、そのような用量調節方式に関する。別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)を投与する場合、等モル量の別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)も好適でありうる。
本発明の更なる態様では、内耳障害は、耳鳴、回転性めまい(良性発作性頭位めまい症(BPPV)など)、聴覚損失、慢性耳痛、外リンパ瘻、二次的内リンパ腫(secondary endolymphatic hydrops)、内耳炎および前庭神経炎、聴神経腫、聴器毒性、自己免疫内耳疾患(AIED)およびメニエル病の中から選択される少なくとも1種である。
本発明はさらに、内耳障害(例えば、耳鳴)を治療するための用量調節方式であって、副作用を最小限に抑えつつ、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどその薬学的に許容される塩)を含む組成物の有効量に迅速に到達するようにする、用量調節方式に関する。
本発明の更なる態様は、副作用を最小限に抑えつつ、有効量に到達するように4〜5週間の期間にわたって、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を含んでいる組成物を漸増することを含む、そのような用量調節方式に関する。
本発明の更なる態様は、副作用を最小限に抑えつつ、5〜150mg/日の有効量に到達するように4〜5週間の期間にわたって、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を含んでいる組成物を漸増することを含む、そのような用量調節方式に関する。
本発明の更なる態様は、副作用を最小限に抑えつつ、50〜75mg/日の有効量に到達するように4〜5週間の期間にわたって、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を含んでいる組成物を漸増することを含む、そのような用量調節方式に関する。
本発明の更なる態様は、そのような用量調節方式であって、その用量調節方式が、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を含んでいる組成物で治療することを含み、さらにその用量調節方式が、副作用を最小限に抑えつつ、50mg/日の有効量に到達するように4週間の期間にわたってネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩を含んでいる組成物を漸増することを含む、用量調節方式に関する。
本発明の更なる態様は、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を含む組成物を以下のスケジュールに従って投与する、そのような用量調節方式に関する:第1週には、1日に1回で用量が12.5mg/日であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgである。
本発明の更なる態様は、混合用量を投与する週には、濃度が高いほうの用量を一日の2回目の用量として投与する、そのような用量調節方式に関する。
本発明の更なる態様は、そのような用量調節方式であって、その用量調節方式が、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を含んでいる組成物で治療することを含み、さらにその用量調節方式が、副作用を最小限に抑えつつ、75mg/日の有効量に到達するように5週間の期間にわたって、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩を含んでいる組成物を漸増することを含む、用量調節方式に関する。
本発明の更なる態様は、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を含む組成物を以下のスケジュールに従って投与する、そのような用量調節方式に関する:第1週には、1日に1回で用量が12.5mg/日であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgであり、第5週には、1日に2回で各用量が37.5mgである。
本発明の更なる態様は、混合用量を投与する週には、濃度が高いほうの用量を一日の2回目の用量として投与する、そのような用量調節方式に関する。
本発明はさらに、副作用を最小限に抑えつつ1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を含む組成物の有効量に迅速に到達させる、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体に応答性である状態を治療するための用量調節方式に関する。
本発明はさらに、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を提供するための用量調節パッケージであって、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体が、例えば、少なくとも2種類の異なる薬用量で存在する、用量調節パッケージに関する。前記用量調節パッケージは、本明細書に開示されている用量調節方式に従って内耳疾患の治療に使用できる。
本発明の更なる態様は、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を少なくとも2種類の異なる薬用量で提供するための用量調節パッケージであって、用量調節パッケージが、同様の薬用量の剤形の少なくとも2セットを含み、各セットが少なくとも3つの個別に場所指定可能な領域を含み、各場所指定可能領域が1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)(錠剤を含む)を含むかまたはそれによって表される、用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる態様は、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を含んでいる医薬組成物を少なくとも2種類の異なる薬用量で提供するための用量調節パッケージであって、用量調節パッケージが同様の薬用量の剤形の少なくとも2セットを含み、各セットが少なくとも3つの個別に場所指定可能な領域を含み、各場所指定可能領域が医薬組成物(錠剤を含む)を含むかまたはそれによって表される、用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる態様は、各セット内の少なくとも3つの個別に場所指定可能な領域が、少なくとも1つの水平ライン(「行」と定義する)に基本的に沿って配列されているか、または少なくとも1つの垂直ライン(「列」と定義する)に基本的に沿って配列されている、そのような用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、同様の薬用量の剤形の少なくとも2つのセットの少なくとも3つの場所指定可能領域が、以下の群またはそれらの任意の組合わせから選択される少なくとも1つの手段によって互いに区別化されている、そのような用量調節パッケージに関する:色および/または濃淡および/または刻印による強調表示、場所指定可能領域の位置へのブリスターパックの設置;へこみ/隆起の設置;異なる材料または材料勾配(gradient in material)の設置、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)用の袋状部(pouch)またはブリスターまたは他の考えられる収納部の設置。
本発明の更なる実施態様は、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)が固体である、そのような用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)が、錠剤、タブロイド、丸剤、トローチ、ロゼンジ、カプセル、顆粒、細顆粒、成形体(shaped bodies)、またはペレットから選択される固体剤形である、そのような用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、3種類以上の薬用量が、同様の薬用量の剤形の3種類以上の異なるセット(同様の薬用量の剤形の4種類以上の異なるセットでの4種類以上の異なる薬用量を含む)で提供される、そのような用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、同様の薬用量の剤形の各セットが、少なくとも5つの場所指定可能領域(例えば、7つの場所指定可能領域または14の場所指定可能領域)を含む、そのような用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、2種類以上の異なる用量/薬用量の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を含むそのような用量調節パッケージであって、その少なくとも2種類の異なる薬用量の誘導体の化学的性質は同じであるが、誘導体の量はその2種類の薬用量の間で異なっている、用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、そのような用量調節パッケージであって、その用量調節パッケージにより、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)の薬用量の漸増および/または漸減を行って、ある特定の最終薬用量のレベルに到達するようにすることができる、用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)の同様の薬用量の剤形の少なくとも1つのセットと、プラセボを含んでいる少なくとも1つの第2セットとを含む、用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、上に記載した用量調節パッケージであって、その用量調節パッケージにより、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体に応答性である状態の治療を行えるようされ、また副作用を最小限に抑えつつ、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を含む組成物の有効量に迅速に到達させる、用量調節パッケージに関する。
実施例3に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例3に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例3に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例3に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例4に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例4に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例5に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例6に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例7に記載されている用量調節パッケージを示す。
本明細書で使用される「内耳障害」という用語は、耳鳴、回転性めまい(良性発作性頭位めまい症(BPPV)など)、亜適応症を含む聴覚損失(亜適応症には、音響外傷、騒音性難聴、感音難聴、混合性難聴、不特定聴覚損失(unspecified hearing loss)、耳毒性聴覚損失(聴器毒性)、薬物性聴覚損失、環境化学物質性(environmental chemicals−induced)聴覚損失、癌誘導性聴覚損失、外科誘発性(surgical−induced)聴覚損失、放射線誘発聴覚損失、感染誘発性聴覚損失、突発性(特発性)聴覚損失、聴覚処理障害、および老人性難聴などがある)、外リンパ瘻、二次的内リンパ腫、内耳炎および前庭神経炎、聴神経腫瘍、自己免疫内耳疾患(AIED)、慢性耳痛、およびメニエル病を含むが、これらに限定されない。
騒音性難聴は、急性疾患または慢性疾患によって引き起こされることがある。過剰な騒音へ長時間曝されることは、騒音性難聴のより一般的な原因であるが、そのような聴覚損失は極端に大きな音によっても引き起こされることがある。
感音難聴は、内耳の無感覚または聴覚神経系の機能損傷が原因である。感音難聴は、蝸牛内のコルチ器官の毛細胞の異常によって引き起こされることがある。
聴器毒性聴覚損失は、耳を損傷する薬物によって引き起こされることがある(すなわち、薬物性聴覚損失)。そのような薬物としては、化学療法(すなわち、抗悪性腫瘍または抗癌)薬(シスプラチンなど)、アミノ配糖体(ゲンタマイシンなど)、利尿剤(ブメタニドなど)、サリチレート(アスピリンなど)、キニーネ、NSAIDS、およびマクロライド抗生物質がある。
環境化学物質性聴覚損失は、耳を損傷する試剤(すなわち、環境化学物質)(亜硝酸ブチル、水銀またはトルエンなど)によって引き起こされることがある。
癌誘導性聴覚損失は、中耳の腫瘍ならびに耳および/または脳に関係する他の癌によって引き起こされることがある。
外科誘発性聴覚損失は、耳の手術または耳以外の手術の後に起こることがあるが、そのような聴覚損失に関連したメカニズムは明らかではない。
放射線誘発聴覚損失は、放射線への意図的な暴露(例えば、放射線治療で)または意図的でない暴露によって引き起こされることがある。
感染誘発性聴覚損失は、内耳および聴音神経の関係した感染ならびに中耳の関係した感染によって引き起こされることがある。さらに、聴覚損失に至ることがある多数の他のタイプの感染(例えば、耳下腺炎、ライム病、髄膜炎、ヘルペスウイルス感染、真菌感染、細菌感染、AIDS、および結核)がある。
老人性難聴は、いくぶん騒音暴露に関係していると思われ、これは、鼓膜基底板の硬化ならびに毛細胞、血管条、神経節細胞、および蝸牛神経核の劣化を特徴とする。
本明細書で使用される「耳鳴」とい用語は、自覚的および他覚的な耳鳴の発現すべて、ならびに急性型、亜急性型および慢性型のものを含むが、これらに限定されない。これはまた、蝸牛性耳鳴、ならびに聴覚損失または軽度の聴覚損失に関連した耳鳴も含む。
本明細書で使用される「被験者」という用語は、動物およびヒトを含む哺乳類を包含する。
1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体という用語は、本明細書では、1−アミノ−アルキルシクロヘキサンまたは1−アミノ−アルキルシクロヘキサンから誘導される化合物、例えば、1−アミノ−アルキルシクロヘキサンの薬学的に許容される塩を表すのに用いる。本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体は、「1−アミノシクロヘキサン誘導体」と表すこともできる。
本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体は、一般式(I)で表すことができる:
Figure 2014221766
[式中、
は、−(CH−(CR−NRであり、
n+m=0、1、または2
〜Rは独立に、水素およびC1〜6アルキルよりなる群から選択され、またRおよびRは独立に水素およびC1〜6アルキルよりなる群から選択されるかまたは一緒になって低級アルキレン−(CH−(ここで、xは2〜5(両端値を含む)である)、および光学異性体、鏡像異性体、水和物、および薬学的に許容されるそれらの塩を表す。]
本発明に従って使用される1−アミノ−アルキルシクロヘキサンの非限定例として、以下のものがある:
1−アミノ−1,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1(trans),3(trans),5−トリメチルシクロヘキサン、 1−アミノ−1(cis),3(cis),5−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3,3,5−テトラメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン(ネラメキサン)、
1−アミノ−1,3,5,5−テトラメチル−3−エチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,5,5−トリメチル−3,3−ジエチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,5,5−トリメチル−cis−3−エチルシクロヘキサン、
1−アミノ−(1S,5S)cis−3−エチル−1,5,5−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,5,5−トリメチル−trans−3−エチルシクロヘキサン、
1−アミノ−(1R,5S)trans−3−エチル−1,5,5−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1−エチル−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1−プロピル−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサン、
N−メチル−1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン、
N−エチル−1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチル−シクロヘキサン、
N−(1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキシル)ピロリジン、
3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシルメチルアミン、
1−アミノ−1,3,3,5(trans)−テトラメチルシクロヘキサン(軸性アミノ基(axial amino group))、
3−プロピル−1,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシルアミン半水和物、
1−アミノ−1,3,5,5−テトラメチル−3−エチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3−ジメチル−3−プロピルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3(trans),5(trans)−トリメチル−3(cis)−プロピルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3−ジメチル−3−エチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、
cis−3−エチル−1(trans)−3(trans)−5−トリメチルシクロヘキサミン、
1−アミノ−1,3(trans)−ジメチルシクロヘキサン、
1,3,3−トリメチル−5,5−ジプロピルシクロヘキシルアミン、
1−アミノ−1−メチル−3(trans)−プロピルシクロヘキサン、
1−メチル−3(cis)−プロピルシクロヘキシルアミン、
1−アミノ−1−メチル−3(trans)−エチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3,3−トリメチル−5(cis)−エチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3,3−トリメチル−5(trans)−エチルシクロヘキサン、
cis−3−プロピル−1,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、
trans−3−プロピル−1,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、
N−エチル−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキシルアミン、
N−メチル−1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1−メチルシクロヘキサン、
N,N−ジメチル−1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン、 2−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)エチルアミン、
2−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)プロピル−2−アミン、
2−(1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキシル)−エチルアミン半水和物、 N−(1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキシル)−ピロリジン、
1−アミノ−1,3(trans),5(trans)−トリメチルシクロヘキサン、 1−アミノ−1,3(cis),5(cis)−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−(1R,5S)trans−5−エチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−(1S,5S)cis−5−エチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,5,5−トリメチル−3(cis)−イソプロピル−シクロヘキサン、
1−アミノ−1,5,5−トリメチル−3(trans)−イソプロピル−シクロヘキサン、
1−アミノ−1−メチル−3(cis)−エチル−シクロヘキサン、
1−アミノ−1−メチル−3(cis)−メチル−シクロヘキサン、
1−アミノ−5,5−ジエチル−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、
1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,5,5−トリメチル−3,3−ジエチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1−エチル−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサン、
N−エチル−1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン、
N−(1,3,5−トリメチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−[1,3(trans),5(trans)−トリメチルシクロヘキシル]ピロリジンまたはピペリジン、
N−[1,3(cis),5(cis)−トリメチルシクロヘキシル]ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1,3,3,5−テトラメチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、 N−(1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1,3,5,5−テトラメチル−3−エチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1,5,5−トリメチル−3,3−ジエチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1,3,3−トリメチル−cis−5−エチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−[(1S,5S)cis−5−エチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキシル]ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1,3,3−トリメチル−trans−5−エチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−[(1R,5S)trans−5−エチル,3,3−トリメチルシクロヘキシル]ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1−エチル−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1−プロピル−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキシル)ピロリジン、
および光学異性体、ジアステレオマー、鏡像異性体、水和物、それらの薬学的に許容される塩、およびそれらの混合物。
1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン)は、特許文献1および特許文献2に開示されている。1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)は、本発明によれば、薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、およびプロドラッグのいずれかの形態で使用してよく、本説明において1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)に言及している場合はいずれも、そのような塩、溶媒和物、異性体、結合体、およびプロドラッグも指していると理解すべきである。
薬学的に許容される塩としては、酸付加塩があり、塩酸、メチルスルホン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、炭酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、および2−アセトキシ安息香酸によって作られるものなどがあるが、これらに限定されない。これらの塩(または他の似たような塩)はすべて、従来の手段によって調製できる。塩の性質は、それが無毒性であり、所望の薬理活性を実質的に妨げるものでなければ、決定的に重要なものではない。
「類似体」または「誘導体」という用語は、本明細書では、従来の薬学的意味で使用されていて、基準となる分子(ネラメキサンなど)と構造的に似ている分子であるが、但し、基準となる分子の1つまたは複数の特定の置換基をほかの置換基で置き換え、そのようにして基準となる分子と構造的に似た分子を生成するように、目標を定めた制御された仕方で修飾された分子を指す。特性を改善または片寄らせていることがある(特定の標的受容体タイプでの効力/または選択性の増大、哺乳類の血液脳関門への浸透力の向上、副作用の減少など)わずかに修飾された周知の化合物の変種を同定するための、類似体の合成およびスクリーニング(例えば、構造分析および/または生化学分析を使用)は、製薬化学においてよく知られている薬物設計手法である。
本明細書では、「治療」という用語は、被験者の病気または疾患の少なくとも1種の症状を軽減または緩和することを意味するのに用いられる。本発明の意味においては、「治療」という用語は、発症を抑止し、遅らせること(すなわち、病気の臨床症状に先立つ期間)および/または病気の発現または悪化の危険を減少させることも表す。
用量または量に使用されている「治療的に効果のある」という用語は、化合物または医薬組成物を必要としている哺乳類に投与した時に所望の活性がもたらされる十分な化合物または医薬組成物の量を指す。
「薬学的に許容される」という語句は、本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体に関連して使用される場合、哺乳類(例えば、ヒト)に投与したときに、生理学的に許容できかつ一般に有害反応を生じない、例えば、医薬組成物の分子的実体および他の成分に関係する。典型的には、本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、哺乳類(さらに詳細には、ヒト)に用いるものとして、規制機関によって認可されるか、または一般に認められた薬局方にリストされていることを意味する。
本発明の医薬組成物に使用される「キャリヤー」という用語は、希釈剤、賦形剤、または媒体を指し、これらと一緒に活性化合物(例えば、ネラメキサン)が投与される。そのような薬剤のキャリヤーは、滅菌液であってよく、それには水、食塩水、ブドウ糖水溶液、グリセロール水溶液、および油(油としては、石油起源、動物起源、植物起源または合成起源のもので、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などがある)などがある。そのようなキャリヤーは、固体であってもよく、例えば、以下の[0097]に記載されている賦形剤であってよい。好適な薬剤のキャリヤーは、非特許文献8に記載されている。
「約」または「およそ」という用語は普通、所与の値または範囲の20%以内、あるいは10%以内(5%以内を含む)を意味する。
「用量調節方式」という用語は、本明細書に説明されている治療法であって、ある病気または疾患の患者を治療し、また1種または複数種の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の少なくとも2種類の異なる薬用量(用量)を、例えば、そのような疾患を治療するのに有用な医薬組成物の形態で、段階的に1日1回または1日に複数回投与し、また治療の初期には少ない用量を投与し、続く治療の週の間には多い用量を投与するという、治療法を意味する。任意選択で、異なる薬用量を同じ日に投与するそうした治療の週に、用量調節方式では、朝に少ない薬用量を投与し、晩に多い薬用量を投与するようにすることができ、それによって一日のうちの最も生産的な時間の間、薬物誘発の副作用が最小限に抑えられる。
1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサンメシラートなどのネラメキサン)またはそれを含む医薬組成物は、本発明による用量調節方式に従って内耳障害を治療するために使用できる。1つの実施態様では、誘導体および/または医薬組成物(薬剤)は、本明細書に開示されている特定の投与方式に適合するようにされるか、またはそれに合わせて適切に調製される。この目的のために、パッケージおよび/または添付文書および/または患者情報および/または剤形自体が、対応する情報を含むことができる。
本発明の有効成分(例えば、ネラメキサンメシラートなどのネラメキサン)または組成物は、耳鳴の治療用の薬剤の製造に使用でき、薬剤は、本明細書に開示されている特定の投与に適合するようにされるかまたはそれに合わせて調製されるものである。この目的のために、添付文書および/または患者情報は、対応する情報を含む。
「用量調節パッケージ」という用語は、少なくとも2種類の薬用量(用量)の少なくとも1種の1−アミノ−アルキルシクロヘキサンを提供する任意の基材、容器またはパッケージを意味する。薬用量(用量)は同じであっても異なっていてもよい。例えば、本発明の用量調節方式に従って内耳障害を治療するのに使用する場合、パッケージは1−アミノ−アルキルシクロヘキサンの投与に関する情報を含む。前記情報は、パッケージ内の添付文書/使用情報によって、および/または薬用量自体によって、例えば、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の異なる薬用量に対して異なる形状および/または色などの異なる外観によって、パッケージの中またはその上に示すことができる。
1つの用量調節パッケージ内で、形式的に同じ量の2種類の(化学的に)異なる医薬組成物(特に、その単一有効成分に関して)を提供することも、「2種類の異なる薬用量を提供すること」の範囲に含まれる。
1つの実施態様では、用量調節パッケージは、例えば、パッケージの一部である個別に場所指定可能な領域に、考えられる任意の形で提供される医薬組成物の形態で、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を含み、かつ/または添付することができる任意のパッケージであってよい。「場所指定可能領域」は、パッケージの使用者が識別できるものであるべきである。
本発明との関連において、「セット」とは、平面的または立体的な基材上に配列された任意のタイプの3つ以上の場所指定可能領域の任意の配列を意味する。
本発明との関連において、「場所指定可能領域」は、セットの一部であり、かつ用量調節パッケージの使用者が、何度でも他の任意の場所指定可能領域と見分けることができる平面的または立体的な基材上の任意の領域を意味すると理解される。1つのセット内および/または2つのセット間の2つの隣接した場所指定可能領域は、互いに物理的に分かれていることができる。すなわち、互いに重なり合っておらず、かつ/または互いに接触していない。
本発明によれば、2つの異なる場所指定可能領域を場所指定可能/識別可能にする方法に関して制限はない。場所指定可能領域は、以下の群、またはそれらの任意の組合わせから選択される少なくとも1つの手段によって互いに見分けることができる:色および/または濃淡および/または刻印による強調表示、場所指定可能領域の位置へのブリスターパックの設置(この後、ブリスターパックは場所指定可能領域となる);へこみ/隆起の設置;異なる材料または材料勾配の設置、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン用の袋状部または他の考えられる(副次的)収納部の設置。
本発明によれば、場所指定可能領域は、医薬組成物の形態であってよい1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩)によっても明確にすることができる。その医薬組成物は、固体の形態(パッケージまたはその一部に直接または間接的に取り付けられるかまたは付着している、丸剤、カプセル、錠剤、ロゼンジまたはトローチを含む)で存在する。セットの個別の場所指定可能領域が「ブランク」を含む(すなわち、少なくとも1つの場所指定可能領域が医薬組成物を含んでいない)ことができることも、本発明の範囲に含まれる。
本発明によれば、「行」という用語は、基材上の3つ以上(例えば、5以上、7以上、10以上)の場所指定可能領域の任意の配列であって、(その行を平面図で見、標準座標系を当てはめると仮定した場合)その領域が基本的に水平ラインに沿って配列されている、任意の配列を意味すると理解される。行の場所指定可能領域が互いを基準にして、移動するか、互い違いに配置されるか、ずらして配設されるか、または少しだけずらされている場合も、場所指定可能領域の全体的な集まりが基本的にそのような水平パターンに従っている限り、本発明の範囲に含まれる。
本発明によれば、「列」という用語は、基材上の3つ以上(例えば、5以上、7以上、10以上)の場所指定可能領域の任意の配列であって、(その行を平面図で見、標準座標系を当てはめると仮定した場合)その領域が基本的に垂直ラインにそって配列されている、任意の配列を意味すると理解される。列の場所指定可能領域が互いを基準にして、移動するか、互い違いに配置されるか、ずらして配設されるか、または少しだけずらされている場合も、場所指定可能領域の全体的な集まりが基本的にそのような垂直パターンに従っている限り、本発明の範囲に含まれる。
本発明によれば、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩)の剤形は、カプセル、錠剤などを含む固形製剤であってよい(非特許文献8を参照)。
本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体は、半固形製剤または液剤として経口的に投与できる(非特許文献8を参照)。
錠剤またはカプセルの形態の固形剤の場合、本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩)は、無毒性の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることができ、賦形剤には、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、乳糖、スクロース、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトールおよび他の還元糖および非還元糖、微結晶性セルロース、硫酸カルシウム、またはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、またはシリカ、ステアリン酸、ナトリウムステアリルフマレート、グリセリルベヘネート、ステアリン酸カルシウムなど);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはスターチグリコレートナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、着色剤、香味料、ゼラチン、甘味料、天然および合成ガム(アカシア、トラガカントまたはアルギン酸塩など)、緩衝塩、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどがある。
錠剤は、濃縮糖液(これは、例えば、アラビアゴム、ゼラチン、タルク、二酸化チタンなどを含むことができる)で被覆することができる。あるいはまた、錠剤は、容易に揮発する有機溶媒または有機溶媒の混合物中に溶解する、ポリマーで被覆することができる。特定の実施態様では、ネラメキサンは即時放出(IR)または放出調節(MR)錠剤に処方される。即時放出固体剤形により、有効成分の大部分または全部(例えば、90%以上)が短時間(60分以下など)で放出可能であり、また薬物の迅速な吸収が可能になる(ネラメキサンなどの1−アミノ−アルキルシクロヘキサンの即時放出製剤は、特許文献3および特許文献4に開示されており、即時放出製剤に関係しているそれらの内容を本明細書に援用する)。放出調節経口固体剤形により、長期間にわたって有効成分の徐放が可能にされるが、これは治療的に効果のある血漿中濃度を同様の長期間にわたって維持し、かつ/または有効成分の他の薬物速度論的特性を調整しようとする場合のことである(ネラメキサンの放出調節製剤は、特許文献5に開示されており、その内容を本明細書に援用する)。例えば、ネラメキサンメシラートは、ネラメキサンメシラートが50mgの用量となるように放出調節剤形(放出調節錠剤を含む)に処方することができる。
軟質ゼラチンカプセル(soft gelatin capsule)の製剤の場合、本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)は、例えば、植物油またはポリエチレングリコールと混合してよい。硬質ゼラチンカプセルは、錠剤用の上述の賦形剤、例えば、乳糖、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン(例えば、ジャガイモデンプン、コーンスターチまたはアミロペクチン)、セルロース誘導体またはゼラチンを用いた活性物質の顆粒を含むことができる。液体または半固体の薬物を硬質ゼラチンカプセルに充填することもできる。
本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)は、例えば、ポリグリコール酸/乳酸(PGLA)から作られる微小球またはマイクロカプセル中に含めることもできる(例えば、特許文献6;特許文献7;特許文献8;PCT公開の特許文献9および特許文献10を参照)。薬物の制御放出を実現する際に、生体適合性のポリマーを使用してよく、それには、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸とのコポリマー、ポリεカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリヒドロピラン(polyhydropyrans)、ポリシアノアクリレート、および架橋または両親媒性のヒドロゲルのブロックコポリマーがある。
半固体または液体の形態の本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の製剤も使用してよい。1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)は、経口投与に適した製剤では、製剤の0.1から99重量%までの間、さらに具体的には0.2から50重量%までの間となる。
本発明の1つの実施態様では、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)は、放出調節製剤の形で投与する。放出調節剤形は、薬物有害反応の発生率を減少させることにより、患者の服薬遵守を改善するための、また効果的かつ安全な療法となるようにするための手段となる。即時放出剤形と比較して、放出調節剤形は、投与後の薬理作用を長引かせるため、また投与間隔の間ずっと薬物の血漿中濃度の変動性を低減するために用いることができ、それによって鋭いピークを除去または低減される。
放出調節剤形は、薬物で被覆されるかまたは薬物を含んでいる、コアを含むことができる。その場合、存在しているコアは、放出調節ポリマー(この中に薬物が分散される)で被覆される。放出調節ポリマーは徐々に崩壊して、時間が経つにつれ薬物を放出する。従って、組成物が水性の環境(すなわち、胃腸管)にさらされた時に、組成物の最外層はコーティング層全体の薬物の拡散を効果的に緩やかにし、そのようにしてその拡散を調整する。薬物の最終的な拡散速度は、コーティング層またはマトリックスを浸透する胃液の能力および薬物自体の溶解度に主に左右される。
本発明の別の実施態様では、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)は、経口液剤に処方される。経口投与用の液体製剤は、例えば、溶液、シロップ剤、エマルジョンまたは懸濁液の形をとることができるか、または使用前に水または他の好適な媒体で元の状態に戻される乾燥品として提供することができる。経口投与用の製剤は、好適には、活性化合物が制御放出または延期放出(postponed release)されるように処方することができる。1−アミノ−アルキルシクロヘキサン(ネラメキサンなど)の経口液剤は、PCT国際特許出願の特許文献11(その内容を本明細書に援用する)に記載されている。
液体形態での経口投与の場合、本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)は、無毒性の薬学的に許容される不活性キャリヤー(例えば、エタノール、グリセロール、水)、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または水素化食用脂)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア)、非水媒体(例えば、扁桃油、油性エステル、エチルアルコールまたは分別植物油)、防腐剤(例えば、メチルまたはプロピル−p−ヒドロキシ安息香酸またはソルビン酸)などと組み合わせてよい。剤形を安定化させるために、酸化防止剤(BHA、BHT、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸)などの安定剤を加えることもできる。例えば、溶液は、約0.2%〜約20重量%のネラメキサンを含み、残りが糖質ならびにエタノール、水、グリセロールおよびプロピレングリコールの混合物となるようにしてよい。任意選択で、そのような液剤は、着色剤、香味料、サッカリンおよびカルボキシメチルセルロース(増粘剤として)または他の賦形剤を含んでもよい。
別の実施態様では、治療的に有効な量の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)を、防腐剤、甘味料、可溶化剤、および溶媒を含んでいる経口液剤の形で投与する。経口液剤は、1種または複数種の緩衝剤、香味料、または更なる賦形剤を含んでもよい。更なる実施態様では、ペパーミントまたは他の香味料をネラメキサン誘導体の経口液剤に添加する。
本発明はまた、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)および、任意選択で、製剤の成分をさらに含んでいる1つまたは複数の容器を含む、医薬品パックまたはキットも提供する。特定の実施態様では、ネラメキサンは、茶匙2杯の容量の注射器(dosage KORC(登録商標))を用いて投与するための経口液剤(2mg/ml)として提供される。各経口注射器には、計量のための青いハッチマークが付いており、注射器(先端を下向きにして)の右側の線はtsp単位を表し、左側の線はml単位を表す。
最適な治療的に有効な量は、薬物を投与するときの正確な投与方法、投与が行われる適応症、関係する被験者(例えば、体重、健康、年齢、性別など)、および担当する医師または獣医師の好みおよび経験を考慮に入れて、実験的に決定することができる。
本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の毒性および治療効果は、実験動物での標準な医薬品手順(pharmaceutical procedures)によって、例えば、LD50(個体群の50%致死用量)およびED50(個体群の50%に治療的効果のある用量)を求めることによって、判定することができる。治療効果と毒性効果との用量比は治療指数であり、それはLD50/ED50比で表現できる。治療指数が大きい1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体/組成物が好ましい。
ヒトの治療上の処置における本発明の活性化合物の好適な一日量は、経口投与では約0.01〜10mg/kg(体重)であり、非経口投与では0.001〜10mg/kg(体重)である。例えば、成人の場合、ネラメキサンメシラートの好適な一日量として、一日当たり50mgおよび75mgの用量が含まれる。等モル量の別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)も好適である。
本明細書で示す一日量を、例えば、1または2投与単位として、1日に1回、2回または3回、投与することができる。それゆえに1投薬単位当たりの好適な用量は、一日量を1日に投与される投薬単位の数で(例えば、等しく)割ったものであってよく、したがって典型的には、およそ一日量に等しいか、あるいはその2分の1、3分の1、4分の1または6分の1になるであろう。したがって投薬単位当たりの薬用量は、本明細書に示すそれぞれの一日の薬用量から計算できる。例えば、一日量5mgは、選択した投与計画に応じて、例えば、約5mg、2.5mg、1.67mg、1.25mgおよび0.83mgの投薬単位の用量を与えるものと見ることができる。それに対応して、1日当たり150mgの薬用量は、対応する投与計画では、例えば、約150mg、75mg、50mg、37.5mg、および25mgの投与単位(dosing unit)の薬用量に相当する。
治療期間は、短期間、例えば、数週間(例えば、8〜14週間)である場合もあれば、さらに投与する必要はもうないと主治医が見なすまでの長期間である場合もある。
代表的な製剤の実施例
通常用いられる溶媒、助剤およびキャリヤーを用いて有効成分を処理して、溶液、錠剤、被覆錠剤、カプセルなどにすることができる。経口投与に適した錠剤は、従来の錠剤化手法(tabletting techniques)によって調製できる。以下に示す実施例は、単なる例示のためのものであり、限定するものと解釈すべきではない。
製剤の実施例1:ネラメキサンメシラートの即時放出錠剤
表1〜4は、薬用量が12.5、25.0、37.5、および50.0mgであるネラメキサン即時放出錠剤の組成(活性構成成分、コーティング剤、および賦形剤を含む)を示している。
Figure 2014221766
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製剤の実施例2:ネラメキサンメシラートの経口液剤
表5は、濃度が2、5、10、および20mg/mLのネラメキサン経口液剤の組成を示す。
Figure 2014221766
実施例
以下の実施例は本発明を例示するものであり、その範囲を限定しているわけではない。
実施例1:耳鳴の治療に関するネラメキサンの二重盲検のプラセボ対照パイロット試験
このパイロット計画の目的は、臨床治験を実施して、耳鳴の治療薬としてのネラメキサンの有効性を評価することであった。この研究の主な目的は、少なくとも中程度の重症度の自覚的耳鳴のある被験者において、3種類の異なる薬用量(25、50または75mg/日)のネラメキサンメシラートの有効性、耐容性および安全性を、プラセボと比較することであった。
研究デザイン
二重盲検の多施設ランダム化のプラセボ対照の並行群間研究では、少なくとも中程度の重症度の耳鳴に苦しむ被験者におけるネラメキサンの有効性を評価した。特定の試験対象患者基準を満たしかつ特定の試験対象除外基準(exclusion criteria)をどれも満たさなかったおよそ100人の患者を、4つの二重盲検投与群(ネラメキサンメシラートが25、50、75mg/日であるか、またはプラセボ)のそれぞれにランダムに分けた。結果として、合計ではおよそ400人の患者となった。
二重盲検の16週間の治療期間は、4週間の漸増期間と、変更なしの1日2回(b.i.d.)の維持投与の12週間の一定用量治療期間とで構成された。しかし、耐容性が乏しい場合、研究者は、25mg/日だけ(またはプラセボをそれぞれ)用量を低減することを考慮できた。治療段階の後に、積極的治療も、付随する治療制限もない4週間の経過観察期間があった。この研究は、合計7回の研究訪問(スクリーニング、ベースライン、ならびに週4、週8、週12、週16、および週20の終了時)を含んでいた。(参加者は、1日に2回、ネラメキサンメシラート(例えば、50mgを25mgの即時放出錠剤として1日に2回与えられる)またはプラセボのいずれかを16週間受け取った。12週間の一定用量治療期間に先立つ4週間の漸増期間中に、ネラメキサンメシラートを1週間ごとに12.5または25mg漸増した。治療後の4週間を経過観察期間とした。)
各患者の評価のための計画的な訪問は以下のとおりであった。
訪問1(スクリーニング):同意書に署名した後、被験者は理学的検査および臨床検査試験(clinical laboratory testing)を受けた。患者の研究適格性は、試験対象患者基準/試験対象除外基準と照らし合わせることによって評価した。初回の耳鳴問診を実施した。被験者はまた、耳鳴障害質問表(Tinnitus−Beeintraechtigungs−Fragebogen)(TBF−12)(すなわち、25項目の耳鳴障害目録(25−item Tinnitus Handicap Inventory)またはTHI(非特許文献9;非特許文献10)の12項目ドイツ修正有効版(12−item German modified and validated version)(非特許文献11))、病院不安およびうつ尺度−うつ副尺度(Hospital Anxiety and Depression Scale−Depression Subscale)(HADS−D)質問表および聴覚過敏(聴覚過敏質問表(Geraeuschueberempfindlichkeit−Fragenbogen)(GUF))質問表(該当する場合)に記入した。
訪問2(ベースライン):被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その事象/変化が記録に残された。試験対象患者基準/試験対象除外基準の審査に基づいて、研究の適格性があるかどうかについて被験者を評価した。被験者に関して試験手順ならびに許される併用薬物と禁止の併用薬物を再検討した。初回の耳鳴問診を実施した。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入した。被験者はこの研究に登録され、研究薬(プラセボまたはネラメキサン)が下記のように投薬された。
訪問3(週4):この訪問は、一連の4週間の漸増の最後に行われた。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その事象/変化が記録に残された。経過観察耳鳴問診を実施した。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入した。薬物治療の服薬遵守が評価され、次の4週間の薬が下記のように投薬された。
訪問4(週8):この訪問は、最初の一定用量二重盲検治療期間(4週間)の最後に行われた。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その変化が記録に残された。ネラメキサンの投与前の濃度を測定するため、血液サンプルを採取した。経過観察耳鳴問診を実施した。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入した。薬物治療の服薬遵守が評価され、次の4週間の薬が下記のように投薬された。
訪問5(週12):この訪問は、2番目の一定用量二重盲検治療期間(4週間)の最後に行われた。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その変化が記録に残された。経過観察耳鳴問診を実施した。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入した。薬物治療の服薬遵守が評価され、次の4週間の薬が下記のように投薬された。
訪問6(週16、治療の最後)。この訪問は、12週間の一定用量二重盲検治療期間の最後に行われた。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その変化が記録に残された。臨床検査評価(clinical laboratory evaluation)を実施した。経過観察耳鳴問診が実施され、被験者は、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入した。純音聴力検査法(空気伝導)も実施された。
訪問7(週20):この訪問は、最後の研究薬の投与の後、4週間の経過観察期間の最後に行われた。被験者について、最後の訪問以降の有害事象の発生ならびに併用薬物の調査を実施する。経過観察耳鳴問診が実施され、被験者はTBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入した。
ネラメキサンの投与
ネラメキサンメシラートの即時放出錠剤(12.5mgおよび25mg)とそれに対応するプラセボ錠剤を、フィルムコート錠として投与する。
薬はブリスター箱(blister boxes)の形で提供され、それらは訪問2から訪問5にかけて投薬された。各ブリスター箱には、4週間の治療用の4枚のブリスターカードおよび予備として1枚のブリスターカードが入っていた。ブリスターカードは、治療の週で識別されていた。ブリスターカード内の一日の薬は、一日ごとに識別されていた。各研究日の研究薬は、4個の別個の錠剤で構成された。1枚のブリスターカードは、32個の錠剤(7日間分(1日当たり4個の錠剤)と1日分の予備(1日当たり4個の錠剤))で構成されていた。患者一人分の薬の1パッケージは、5箱で構成されていた。箱2は箱1の予備薬として追加され(漸増期間)、それは、箱1の1枚のブリスターカードまたはその箱全体を被験者がなくした場合にのみ配られることになっていた。
研究薬は、訪問2のときに配られた(ベースライン、日0)。各患者は、二重盲検の研究薬の5枚のブリスターカード(1つの予備ブリスターを含む)が入れられている1つのブリスター箱(すなわち、32個の錠剤)を受け取った。被験者は、研究薬が配られた翌日から、被験者が次の研究の訪問(訪問3)のために戻るまでの間、2個の錠剤を1日に2回(4錠剤/日)摂取するよう指示された。有効薬(active medication)を受け取るよう割り当てられた被験者の場合、漸増期間中に盲目が保たれるように、いくらかのプラセボ錠剤が投与計画に組み込まれた。目標の一定維持用量である25、50、または75mg/日を、二重盲検の治療の第5週から投与し、研究の間ずっと継続した。続く訪問(週4、週8および週12の最後に対応する訪問3、4、および5)のそれぞれのときに、患者は、次の研究訪問までのその間の治療期間用の二重盲検の薬が含まれている5枚のブリスターカードが入っている別のブリスター箱を、4週間の間の分として受け取った。投与スケジュールを表6に示す。
二重盲検の治療期間を通じて、患者は、12時間の一定間隔で1日に2×2個の錠剤の薬を摂取し続けることになっていた。患者が、訪問4および6(週8および週16)の日に研究薬の朝の用量をすでに摂取していた場合、予定されていた血液採取は行われなかった。研究者は、十分な量の研究薬を再び配らなければならなかった。患者は、12時間の一定間隔で2×2個の錠剤を摂取し続けるべきであり、投与前のネラメキサン血液採取のために訪問4および6の間隔期間(time window)以内に戻った。
Figure 2014221766
耐容性が乏しい場合、研究者は、朝の大きな錠剤を省くことにより、25mg/日の用量低減を考慮することができたが、これは75mg/日および50mg/日のネラメキサンメシラート群でのみ有効な用量低減となるものであった。朝の用量の大きな錠剤(それぞれ25mgまたはプラセボ)を省いた後、これらの患者は、1つの小さな錠剤を1つだけ朝の用量(それぞれ12.5mgまたはプラセボ)として、また異なる大きさ(それぞれ12.5mg、25mgまたはプラセボ)の2個の錠剤を晩の用量として受け取って、予定どおりに研究過程を続けることができた。用量は、研究の終了時まで変えないようにしなければならなかった。
被験者は、研究薬を、常に、個人の都合のよいときに、但し、可能な場合いつも研究過程全体を通じて一定の時点で、かつ12時間の一定の投与間隔で(例えば、6:00時と18:00時、または8:00時と20:00時)摂取するよう指示を受けた。それぞれの研究訪問時に、研究者は、前日の研究薬の摂取時刻を尋ねた。週4、週8、週12、および週16の最後に(または早期終了時に)、患者は薬物治療の服薬遵守の評価のため5枚のブリスターカードの入っているブリスター箱を携えて、研究の場所に戻った。
有効性
主要評価項目(Primary Outcome)
− ベースライン(訪問2)から終了点の訪問(訪問6、すなわち週16)までのTBF−12の合計スコアの変化は、この研究における主要有効性評価項目(primary efficacy endpoint)であった。
副次評価項目(Secondary Outcomes)
− 終了点の訪問を除くベースライン後のすべての訪問でのTBF−12の合計スコア(ベースラインからの絶対的変化(absolute changes)および値)。
− 週16から週20までのTBF−12の合計スコアの変化(値および絶対的変化)。
− ベースライン後のすべての訪問でのTBF−12の要因スコア(factorial scores)(週16から週20までの変化を含む、ベースラインからの絶対的変化および値)。
− 聴覚過敏質問表GUF(「聴覚過敏質問表(Geraeuschueberempfindlichkeits−Fragebogen)」)、ベースラインからの絶対的変化および値(週16から週20までの変化を含む)、ベースライン後のすべての訪問での合計スコアおよび要因スコア(聴覚過敏があった場合)。
− 変化の臨床全般印象:いくらかの改善(値1、2、3) 対 改善なし(値4、5、6、7)および顕著な改善(値1、2) 対 顕著な改善なし(値3、4、5、6、7)で返答が分かれた後に、経過観察耳鳴問診の項目27を要約した。
− ベースライン後のすべての訪問でのHADS−Dの合計スコアならびにうつおよび不安副尺度スコア(ベースラインからの絶対的変化および値、また週16から週20までの変化)。
− ベースライン後のすべての訪問での耳鳴問診(初回および経過観察)の値;経過観察問診の項目8、9、10、19、20、21、24、25および26に関する、ベースラインからの絶対的変化および週16から週20までの変化。
データ分析
有効性分析はすべて、最終観測値による補完(last−observation−carried−forward)(LOCF)法を用いてITT個体群に対して実施した。鋭敏度に関する目的のため、治験実施計画書に適合した対象集団の分析および観察事例(observed cases)の分析を付加的に実施した。主要有効性の試験(確証試験)および副次有効性基準の試験(探索的)に用いるすべての統計検定、および探索的解析(exploratory analyses)に用いる他のすべての統計的検定は、5%の有意水準で行われる両側仮説検定であった。すべての変数について標準記述統計値(standard descriptive statistics)を計算した。
ベースライン(訪問2)から週16までのTBF−12の合計スコアの変化は、投与群および研究センターを要因とし、ベースラインのTBF−12合計スコアを共変量(covariate)とする、二元分散分析モデル(two−way ANCOVA model)を用いて分析した。
副次有効性パラメーター(secondary efficacy parameters)については、投与群および研究センターを要因とし、有効性パラメーターの対応ベースライン値を共変量とする二元分散分析を用いて、適切な場合、訪問によりネラメキサンとプラセボの間の比較を行った。
考察
この臨床研究では、有効性および安全性の面で有望な結果が示された。さらに、この研究では、表6に示した投与スケジュールの場合、75mg/日の用量であってさえ、有害事象(AE)に関係した脱落者の割合は許容できるものになることも例証された。これらの結果を表7に示す。
Figure 2014221766
こうした発見は、表6に示した投与スケジュールまたは以下の表8に示した提案投与スケジュールにおける投与スケジュールにより、体重が90kgまでの場合の50mg/日、または体重が≧90kgである患者の場合の75mg/日という体重に合わせた目標用量に、個別の用量調節を行うことができることを例証している。
Figure 2014221766
4週間の漸増パッケージを摂取した後、患者は、一日当たり50または75mgのネラメキサンメシラートの維持量を継続することができる。例えば、ネラメキサンによる治療を開始した患者は、4週間のスターターキット(starter kit)(すなわち、用量調節パッケージ)から始め、50または75mgの1日の維持量に到達するよう、体重に応じて25または37.5mgの錠剤を1日2回(b.i.d.)施すように切り替える。したがって、表8に示す提案投与スケジュールでは、週5に、2種類の異なる(例えば、体重に合わせた)維持量が可能である。
実施例2:耳鳴の治療に関するネラメキサンの二重盲検のプラセボ対照試験
この計画の目的は、臨床治験を実施して、耳鳴の治療薬としてのネラメキサンの有効性をさらに評価することである。この研究の主な目的は、初回発症、持続性、片側性または両側性の自覚的耳鳴の被験者において、ネラメキサンメシラートの有効性、耐容性および安全性を、プラセボと比較することである。
研究デザイン
二重盲検の多施設ランダム化のプラセボ対照の並行群間研究では、耳鳴に苦しむ被験者におけるネラメキサンの有効性を評価する。特定の試験対象患者基準を満たしかつ特定の試験対象除外基準をどれも満たさなかった患者を、二重盲検の投与群にランダムに分けた。
二重盲検の16週間の治療期間は、4週間の漸増期間と、変更なしの維持投与での12週間の一定用量治療期間とからなっている。しかし、耐容性が乏しい場合、研究者は、25mg/日だけ用量の低減を考慮できる。治療段階の後、積極的治療も、付随する治療制限もない4週間の経過観察期間がある。この研究は、合計7回の研究訪問(スクリーニング、ベースライン、ならびに週4、週8、週12、週16、および週20の終了時)を含んでいる。
各患者の評価のための計画的な訪問は以下のとおりである。
訪問1(スクリーニング):同意書に署名した後、被験者は理学的検査および臨床検査試験を受ける。患者の研究適格性は、試験対象患者基準/試験対象除外基準と照らし合わせることによって評価する。初回の耳鳴問診を実施する。被験者はまた、耳鳴障害質問表(Tinnitus−Beeintraechtigungs−Fragebogen)(TBF−12)(すなわち、25項目の耳鳴障害目録(25−item Tinnitus Handicap Inventory)またはTHI(非特許文献9;非特許文献10)の12項目ドイツ修正有効版(12−item German modified and validated version)(非特許文献11))、病院不安およびうつ尺度−うつ副尺度(Hospital Anxiety and Depression Scale−Depression Subscale)(HADS−D)質問表および聴覚過敏(聴覚過敏質問表(Geraeuschueberempfindlichkeit−Fragenbogen)(GUF))質問表(該当する場合)に記入する。
訪問2(ベースライン):被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その事象/変化が記録に残される。試験対象患者基準/試験対象除外基準の審査に基づいて、研究の適格性があるかどうかについて被験者を評価する。被験者に関して試験手順ならびに許される併用薬物と禁止の併用薬物を再検討する。初回の耳鳴問診を実施する。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入する。被験者はこの研究に登録され、研究薬(プラセボまたはネラメキサン)が下記のように投薬される。
訪問3(週4):この訪問は、一連の4週間の漸増の最後に行う。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その事象/変化が記録に残される。経過観察耳鳴問診を実施する。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入する。薬物治療の服薬遵守が評価され、次の4週間の薬が下記のように投薬される。
訪問4(週8):この訪問は、最初の一定用量二重盲検治療期間(4週間)の最後に行う。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その変化が記録に残される。ネラメキサンの投与前の濃度を測定するため、血液サンプルを採取する。経過観察耳鳴問診を実施する。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入する。薬物治療の服薬遵守が評価された。また、次の4週間の薬が下記のように投薬される。
訪問5(週12):この訪問は、2番目の一定用量二重盲検治療期間(4週間)の最後に行われる。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その変化が記録に残される。経過観察耳鳴問診を実施する。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入する。薬物治療の服薬遵守が評価され、次の4週間の薬が下記のように投薬される。
訪問6(週16、治療の最後)。この訪問は、12週間の一定用量二重盲検治療期間の最後に行われる。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その変化が記録に残される。臨床検査評価を実施する。経過観察耳鳴問診を実施する。また被験者はTBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入した。純音聴力検査法(空気伝導)も実施する。
訪問7(週20):この訪問は、最後の研究薬の投与の後、4週間の経過観察期間の最後に行われる。被験者について、最後の訪問以降の有害事象の発生ならびに併用薬物の調査を実施する。経過観察耳鳴問診を実施し、被験者はTBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入する。
ネラメキサンの投与
ネラメキサンメシラートの放出調節錠剤(12.5mg、25mg、37.5mg、50mg、および75mg)およびそれに対応するプラセボ錠剤を、1日1回投与で投与する。
薬はブリスター箱で提供され、それらは訪問2から訪問5にかけて投薬される。各ブリスター箱には、4週間の治療用の4枚のブリスターカードおよび予備として1枚のブリスターカードが入っている。ブリスターカードは、治療の週で識別されている。ブリスターカード内の一日の薬は、一日ごとに識別されている。
研究薬は、訪問2のときに配られる(ベースライン、日0)。各患者は、二重盲検の研究薬の5枚のブリスターカード(1つの予備ブリスターを含む)が入れられている1つのブリスター箱を受け取る。投与計画を表9に示す。
Figure 2014221766
有効性
主要評価項目
− ベースライン(訪問2)から終了点の訪問(訪問6、すなわち週16)までのTBF−12の合計スコアの変化は、この研究における主要有効性評価項目である。
副次評価項目
− 終了点の訪問を除くベースライン後のすべての訪問でのTBF−12の合計スコア(ベースラインからの絶対的変化および値)。
− 週16から週20までのTBF−12の合計スコアの変化(値および絶対的変化)。
− ベースライン後のすべての訪問でのTBF−12の要因スコア(週16から週20までの変化を含む、ベースラインからの絶対的変化および値)。
− 聴覚過敏質問表GUF(「聴覚過敏質問表(Geraeuschueberempfindlichkeits−Fragebogen)」)、ベースラインからの絶対的変化および値(週16から週20の変化を含む)、ベースライン後のすべての訪問での合計スコアおよび要因スコア(聴覚過敏がある場合)。
− 変化の臨床全般印象:いくらかの改善(値1、2、3) 対 改善なし(値4、5、6、7)および顕著な改善(値1、2) 対 顕著な改善なし(値3、4、5、6、7)で返答が分かれた後に、経過観察耳鳴問診の項目27を要約する。
− ベースライン後のすべての訪問でのHADS−Dの合計スコアならびにうつおよび不安副尺度スコア(ベースラインからの絶対的変化および値、また週16から週20までの変化)。
− ベースライン後のすべての訪問での耳鳴問診(初回および経過観察)の値;経過観察問診の項目8、9、10、19、20、21、24、25および26に関する、ベースラインからの絶対的変化および週16から週20までの変化。
データ分析
有効性分析はすべて、最終観測値による補完(LOCF)法を用いてITT個体群に対して実施する。鋭敏度に関する目的のため、治験実施計画書に適合した対象集団の分析および観察事例の分析を付加的に実施する。主要有効性の試験(確証試験)および副次有効性基準の試験(探索的)に用いるすべての統計検定、および探索的解析に用いる他のすべての統計的検定は、5%の有意水準で行われる両側仮説検定である。すべての変数について標準記述統計値を計算する。
ベースライン(訪問2)から週15までのTBF−12の合計スコアの変化は、投与群および研究センターを要因とし、ベースラインのTBF−12の合計スコアを共変量とする二元分散分析モデルを用いて分析する。
副次有効性パラメーターについては、投与群および研究センターを要因とし、有効性パラメーターの対応ベースライン値を共変量とする二元分散分析を用いて、適切な場合、訪問によりネラメキサンとプラセボの間の比較を行う。
この臨床研究は、有効性および安全性の面での有望な結果をはっきり示している。
実施例3 聴覚損失の治療に関するネラメキサンの二重盲検のプラセボ対照パイロット試験
このパイロット計画の目的は、臨床治験を実施して、聴覚損失の治療薬としてのネラメキサンの有効性を評価することである。ネラメキサンによる治療を受ける様々な度合いの聴覚損失に苦しんでいる患者は、プラセボで治療される患者と比較して、主要項目(例えば、聴力しきい値のベースラインに対する変化)および副次項目(例えば、純音聴力図での種々の周波数でのベースラインに対する変化)の改善を示すことが期待されるであろう。聴力しきい値は、0.25、0.5、1、2および4kHzの試験周波数における純音聴力しきい値の平均と定義することができる。
研究デザイン
この研究の主な目的は、聴覚損失の治療における、75mgまでの一日量のネラメキサンメシラートの安全性および有効性を、プラセボと比較して調査することである。
ネラメキサンの投与
ネラメキサンメシラートが25mgである放出調節錠剤とそれに対応するプラセボ錠剤を、フィルムコート錠として投与する。
ネラメキサンメシラート(またはプラセボ)を漸増して最大一日量の75mgにするが、これは、最初の1週間は一日量を25mgとし、1週間ごとに25mgずつ薬用量を増やしていくようにして行う。
研究日1の晩に治療を開始する。一日の開始用量は、7日間にわたって就寝時に服用する用量当たり25mgのネラメキサンメシラートである。日8からは、さらに7日間にわたって一日のネラメキサンメシラート用量を50mgに増やす(1週間の間、晩に2錠)。日15から、患者に対してネラメキサンメシラートを75mgに漸増する。患者は、13週間にわたってネラメキサンを継続的に服用する(13週間、1日1回晩に3錠)。75mg/日に対して忍容性のない患者は、予定した治療期間全体の残りでは、ネラメキサンメシラートの用量を25mg〜50mgだけ減らすことができる。例えば、75mgの用量に対して忍容性のない患者は、50mgの用量に戻ることが可能である。その場合に患者は、予定された治療期間全体の残りの7週間は、50mgの用量にとどめるよう求められる。この投与計画を表10に示す。
Figure 2014221766
有効性
主要評価項目
− 0.25、0.5、1、2および4kHzでの純音聴力レベルのしきい値の平均として計算された左/右の耳の聴力レベルのベースラインからの変化(dB)。
副次評価項目
− 4、6、8、および10kHzでの純音聴力しきい値の平均として計算された左/右の耳の高周波聴力しきい値(high frequency hearing threshold)のベースラインからの変化(dB)。
− 純音聴力図(空気伝導)での個別の周波数(聴力しきい値)のベースラインからの変化。
− 応答者の数
− 11ポイント方式リカート尺度(11−point Likert−Scale)での患者による結果報告(0=聴力は問題なし、10=最高度に聴力の問題あり)
− 聴力しきい値に基づく聴覚障害の変化:
− 周波数聴覚損失(frequency hearing loss)なし <20dB
− 軽度の聴覚損失 20〜40dB
− 中程度の聴覚損失 >40〜70dB
− 重度の聴覚損失 >70〜95dB
− 深刻な聴覚損失 >95dB
データ分析
有効性分析はすべて、最終観測値による補完(LOCF)法を用いてITT個体群に対して実施する。鋭敏度に関する目的のため、治験実施計画書に適合した対象集団の分析および観察事例の分析を付加的に実施する。主要有効性の試験(確証試験)および副次有効性基準の試験(探索的)に用いるすべての統計検定、および探索的解析に用いられる他のすべての統計的検定は、5%の有意水準で行われる両側仮説検定である。すべての変数について標準記述統計値を計算する。
0.25、0.5、1、2および4kHzでの純音聴力レベルのしきい値の平均として計算される左/右の耳の聴力しきい値のベースライン(訪問2)から週16までの変化(dB)は、投与群および研究センターを要因とし、ベースライン聴力しきい値を共変量とした二元分散分析モデルを用いて分析する。
副次有効性パラメーターについては、投与群および研究センターを要因とし、有効性パラメーターの対応ベースライン値を共変量とする二元分散分析を用いて、適切な場合、訪問によりネラメキサンとプラセボの間の比較を行う。
ネラメキサン治療群は、プラセボ群と比べて、主要評価項目ならびに副次評価項目での改善をはっきり示している。
本発明の範囲に含まれる用量調節パッケージは、以下の実施例と併せるならよりよく理解できるであろう。以下の実施例は、例示を意図しているものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例4
図1〜4に示す用量調節パッケージは、2つの物理的に分かれた実体(以下、「カバー」および「インサート」と呼ぶ)を含む。カバーは図では示していない。外側カバーは、インサート(1)の上をスライドし、基本的にそれに適合する(すなわち、折りたたんだ状態のインサートの外のり寸法がカバーの内のり寸法と基本的に同じである)スリーブであってよい。インサート(1)は、カバーなしで提供することもできる。
カバーを使用する場合、インサートが完全に折りたたまれていて、用量調節パッケージが正しく閉じられているとき(図3を参照)には、インサート(1)は(完全に)カバーの内部に入る。
閉じられた状態では、パッケージおよび剤形(用量が異なっている)を含んでいるキットは、別個のリーフレット上の指示をさらに含むことができ、リーフレットはカバーとインサートとの間の空間にすべり込ませる。リーフレットは、インサート(1)またはカバーのどちらかに(部分的に)付着していてもよい。
図1に示すように、インサート(1)は、形状が「正方形」である平らな中心域(2)で構成されている。4つの長方形域(以下、「フラップ」と呼ぶ)(3)および(4)は、前記平らな中心域の4つの外側端部に結合している。正方形は、軟質の厚紙材料で作られていてよい。正方形自体は、更なる部分(特にブリスター穴)を含まない。製品情報をこの領域に刻印することができる。
図1および2に示されているインサート(1)を完全に広げた状態では、4つのフラップ(3)および(4)は正方形(2)に結合しており、正方形の4つの外側部(端部)のそれぞれの長さに沿って延びている。フラップは、正方形と同じ材料の2重層で作られていてよい。フラップは、以下にさらに詳細に説明されている、剤形を保持するためのブリスター穴を含む。
フラップ(3)、(4)はすべて、事前に折られた第1端部(上述した正方形の外側端部)に沿って折りたたむことができる。2つの向かい合ったフラップ(4)は、フラップ域の内側に第2端部(これも事前に折られている)を含む。2つのセットの向かい合ったフラップの端部間の距離がこのようにずれているので、フラップを折りたたむことができ、典型的には厚さが数mmであるブリスターが収納される(図2を参照)。図2に示すように、フラップ(3)を先に動かして(5)折りたたむとともに、フラップ(4)を動かして(6)フラップ(3)の上に折りたたむ。いったん折りたたまれると、フラップは互いに対して直角になり、一方のセットの2つ(4)が他方のセットの2つ(3)の上にきて、こうしてそれが突出することなく中心の正方形(2)を覆う(図3および4を参照)。
1つのフラップが3個以上(例えば、7個)のブリスター穴の1「行」または1「列」を、また残りのフラップが2「行」または2「列」をそれぞれ含む(ブリスターのどのラインが「行」と見られ、どれが「列」と見られるかは、インサートがどのように配向されているかによって異なる)(図1を参照)。
インサートが広げられた状態(図1および2)では、「行」および「列」は互いに接触しておらず、互いに明確に分けられている。
インサートには以下のようにラベルを付けることができる: 7つのブリスターからなる1つの行/列を含んでいるフラップは、週の番号示す(すなわち、「週1」)各フラップに印刷された1つのラベルを含み、7つのブリスターからなる2つの行/列を含んでいる残りのフラップはおのおの、週の番号を示す(すなわち、「週2」〜「週4」)各フラップに印刷された1つのラベルを含む。
連続した週を隣接したフラップに配列することができる(すなわち、「週1」のフラップを「週2」および「週4」のフラップのすぐ横に隣接させ、「週3」は正方形の向かい合わせの他方の辺に配置する)。
あるいはまた、連続した週は互いに向かい合ったペアとなるように配列される(すなわち、「週1」のフラップをそれぞれ「週3」および「週4」のフラップのすぐ横に隣接させ、「週2」を正方形の他方の辺に向かい合わせて配置させる)。
ブリスターの各行(1週)は、色を付けた背景バーに配置することができ、着色は用量が多くなるほど灰色/青色を濃くすることができる(すなわち、週1は灰色で、週4は濃青色)。各フラップは、各ブリスターの隣に、4週間の連続した日を示す日「1」〜「28」の範囲の、7つのしるしのセットを1つ含むこともできる。特に、1つのフラップは、「日1、2、3、4、5、6、7」のラベルが付いたブリスターを有し、次のフラップは、「日8、9、10、11、12、13、14」のラベルの付いたブリスターを有することができる。以下同様である(図1を参照)。前述のラベルは、フラップの内側および外側にあってもよい(図1および4を参照)。
各フラップの外側には、各フラップの外側の左下隅に、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン(例えば、ネラメキサンメシラート)のそれぞれの用量を表す値のラベルを付けることもできる。
実施例5
図5および6に示されている用量調節パッケージは、基本的に、2つ以上(例えば、4つ)の折り畳み可能区画(11)〜(14)(すなわち、この場合、1箱当たり7個または14個のブリスター穴を含んでいる長方形の箱)の「行列」からなるインサート(10)を含んでいる。区画は、例えば、柔軟な紙のような材料で作られたヒンジ型の接合材(joints)(15)で連結されている。
行列の区画/箱(11)〜(14)は、前の実施例で説明したフラップ(3)および(4)と似たような大きさである。
4つの区画(箱)が、区画の「行列」を形成している。すなわち、第1区画は、第2区画に折り畳み可能に接続されており、第2区画は第3区画に折り畳み可能に接続されており、第3区画は第4区画に折り畳み可能に接続されている(図5および6を参照)。
完全に広げた状態(図5)では、4つの区画は互いに同一平面にある。
完全に折りたたんだ状態では、4つの箱/区画は一方が他方の上にきて、個々の区画と同じ長さおよび幅の長方形の箱を形成する。
中間状態では、2つの隣接した区画の間の接続(「ヒンジ」)が柔軟であるため、4つの箱/区画は、収縮または伸張の度合いが様々な「M」の形を形成する(図6を参照)。任意選択で、結合リーフレット(15)に関連情報を記載してもよい。
各区画には、ラベルを付けて週(「週1」〜「週4」の範囲)、用量、および曜日を示すことができる。
さらに、セット間での薬用量の増加は、7個のブリスターを際立たせる背景着色バーによって示すことができ、その色の濃さは、最も左側の(「週1」)区画から最も右側の区画(「週4」)に向かって濃くなる。
実施例6
図7に示す用量調節パッケージは、4つのセクションに分割されている長方形バッキングを含む。各セクションは、7個のブリスター穴(1行)または14個のブリスター穴(7つからなる行が2つ)から構成される。
各セクションには、ラベルを付けて週(「週1」〜「週4」の範囲)、用量、および曜日を示すことができる。
実施例7
図8に示す用量調節パッケージは、4つのセクションに分割されている円形バッキングを含む。各セクションは、7個のブリスター穴(1行)または14個のブリスター穴(7つからなる行が2つ)から構成される。
各セクションには、ラベルを付けて週(「週1」〜「週4」の範囲)、用量、および曜日を示すことができる。
実施例8
図9に示す用量調節パッケージは、例えば、柔軟な紙のような材料で作られている折り畳み可能なバッキングを含み、このバッキングは4つの区画に分割されている。第1区画は第2区画に折り畳み可能に接続されており、第2区画は第3区画に折り畳み可能に接続されており、第3区画は第4区画に折り畳み可能に接続されている。
各区画は、7個のブリスター穴(1行)または14個のブリスター穴(7つからなる行が2つ)から構成される。
各区画には、ラベルを付けて週(「週1」〜「週4」の範囲)、用量、および曜日を示すことができる。
本発明は、本明細書に記載の特定の実施態様によって範囲が限定されるものではない。実際、本明細書に記載のものに加えて本発明の様々な変更態様が、前述の記載から当業者にとって明らかであろう。そのような変更態様は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
本明細書に引用されている特許、出願、刊行物、試験法、文献、および他の資料はすべて、本明細書に援用する。
尚、さらに本発明は下記の実施態様も含みます:

(1)ネラメキサンおよびその薬学的に許容される塩から選ばれる1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を含む内耳障害の治療用医薬組成物であって、上記組成物が、50〜75mg/日の有効量に到達するように4〜5週間の期間にわたって、1週間ごとに25mgまたは12.5mgずつ薬用量を増やして1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を漸増することを含む用量調節方式で、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の投与のために適切にパッケージ化されている、上記医薬組成物。

(2)前記用量調節方式が、50mg/日の有効量に到達するように4週間の期間にわたってネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩を漸増することを含む、前記(1)記載の医薬組成物。

(3)ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩を、第1週には、1日に1回で12.5mg/日の用量であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgであるというスケジュールに従って投与するために、前記組成物が適切にパッケージ化されている、前記(1)又は(2)記載の医薬組成物。

(4)前記用量調節方式が、75mg/日の有効量に到達するように5週間の期間にわたってネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩を漸増することを含む、前記(1)記載の医薬組成物。

(5)ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩を、第1週には、1日に1回で用量が12.5mg/日であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgであり、第5週には、1日に2回で各用量が37.5mgであるというスケジュールに従って投与するために、前記組成物が適切にパッケージ化されている、前記(1)または(4)記載の医薬組成物。

(6)混合用量を投与する週に、濃度が高い方の用量を一日の2回目の用量として投与する、前記(1)または(3)記載の医薬組成物。

(7)ネラメキサンの前記薬学的に許容される塩がネラメキサンメシラートである、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の医薬組成物。

(8)前記内耳障害が、耳鳴、回転性めまい、聴覚損失、慢性耳痛、外リンパ瘻、二次的内リンパ腫、内耳炎および前庭神経炎、聴神経腫、聴器毒性、自己免疫内耳疾患(AIED)およびメニエル病から選択される、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の医薬組成物。
本発明は、副作用を最小限に抑えつつ1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の有効量に迅速かつ安全に到達できるようにする、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を投与するための用量調節方式(titration scheme)に関する。本発明はさらに、体重に合わせた少なくとも2種類の異なる維持量に迅速かつ安全に漸増(uptitration)することができるようにする用量調節方式に関する。本発明はさらに、少なくとも2種類の異なる薬用量で1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩)を提供するための用量調節パッケージに関する。本発明の用量調節方式/用量調節パッケージは、耳鳴を含む様々な内耳障害の治療に役立つと期待される。
内耳障害は現代社会においてますます問題になっている。こうした障害で最も一般的なものである耳鳴は、一般に「耳鳴り」(音響信号の外部発生源がないのに音が知覚されること)と呼ばれる。耳鳴は、「蝸牛内でどんな対応する物理的な振動作用もない状態で、神経系内での作用のみから生じる音の知覚、すなわち、幻聴覚のような耳鳴」と定義されている(非特許文献1)。個々の患者にとって、耳鳴は耐えることができることもあれば、それに苦しむ人にとって睡眠や仕事を妨げる消耗性疾患を意味する場合もある。耳鳴は、音耐性(sound tolerance)の低下(すなわち、聴覚過敏)に関連していることが多い。
自覚的耳鳴の病態生理学は十分には理解されておらず、耳鳴の明確な病因は不明である。環境誘発性および物質誘発性の多数の要因により耳鳴が起こりうる。最もよく引き合いに出される要因の中には、急性音響外傷、職業性騒音、および娯楽音楽がある。一般に耳鳴は、聴覚路内のニューロンの機能障害の結果であると思われる。この機能障害が、高次聴覚中枢によって誤って音として知覚され、聴覚神経系内での機能的変化をもたらしうる。皮質構造内での不適応機能変化により、興奮性神経伝達と抑制性神経伝達との間でのバランスが変化する恐れがあり、より重度の耳鳴に至ることがある。いかなる場合でも、聴覚路および聴覚皮質における潜在的な機能不全が、前頭前野および大脳辺縁系の活動と関連づけられる。
大抵の場合(95%)、知覚された耳鳴は、本質的に全く自覚的なものであり、例えば、音響信号の物理的発生源を特定することができず、それゆえに外部から聞くことはできない。理学的検査を実施して他覚的耳鳴を排除する。例えば、患者による音の知覚は、音波の実際の発生源(例えば、蝸牛に達する血管中の乱流による音)によって引き起こされる。耳鳴は、耳鳴の持続期間および耳鳴の発現の程度(例えば、耳鳴の重症度または苦悩度(annoyance))に応じて分類することができる(非特許文献2および非特許文献3)。耳鳴の影響に関して言えば、耳鳴は患者をひどく悩ませることがあり、社会的および心理学的問題を伴いかねない。
米国特許第6,034,134号明細書 米国特許第6,071,966号明細書 米国特許出願公開第2006/0002999号明細書 米国特許出願公開第2006/0198884号明細書 米国特許出願公開第2007/0141148号明細書 米国特許第5,814,344号明細書 米国特許第5,100,669号明細書 米国特許第4,849,222号明細書 国際公開第95/11010号パンフレット 国際公開第93/07861号パンフレット PCT/US2004/037026号明細書
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プラセボ効果を上回って耳鳴および耳鳴に起因する苦悩の軽減を再現可能な仕方でもたらす、十分に確立された耳鳴の特定の内科療法は現在のところない(非特許文献4;非特許文献5;および非特許文献6)。
ネラメキサン(1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサンとしても知られている)などの1−アミノ−アルキルシクロヘキサンは、様々な病気、特にある特定の神経系疾患(アルツハイマー病および神経因性疼痛を含む)の治療に役立つことが見出された。ネラメキサンなどの1−アミノ−アルキルシクロヘキサンは、例えば、特許文献1および特許文献2に詳細に記載されている。1−アミノアルキルシクロヘキサンの化学的変種に関する限り、これらの特許のそれぞれの内容を本明細書に援用する。1−アミノ−アルキルシクロヘキサン(ネラメキサンなど)の治療作用は、神経細胞のN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体での過剰のグルタメートの作用を抑制することと関係していると考えられている。その理由で、こうした化合物はn NMDA拮抗薬(またはNMDA受容体拮抗薬)にも分類される。ネラメキサンは、α9/α10ニコチン性受容体(非特許文献7)および5−HT受容体において活性を示すことも開示されている。
薬物に関係した有害事象は、好適な漸増期間を用いることによって回避または最小限に抑えることができる。そのため、副作用を最小限に抑えつつ、迅速に有効量に到達できる好適な用量調節方式が必要とされている。さらに、時間の経過に伴って1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の薬用量が変わる投与計画への遵守を可能にする用量調節パッケージも必要とされている。そのような用量調節パッケージは、治療のために示された投与計画を患者が遵守する助けになるので、「服薬遵守パッケージ」としても知られている。
本発明者らは、ネラメキサンが耳鳴の治療に役立ちうることを見出した。本発明者らはまた、副作用を最小限に抑えつつ、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を含む組成物の有効量に迅速に到達できるようにする、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を投与するための用量調節方式を開発した。さらに、本発明者らは、体重に合わせた少なくとも2種類の異なる維持量に、迅速かつ安全に漸増することができるようにする用量調節方式を開発した。さらに、本発明者らは、薬物に関連した有害事象の発生回数が許容範囲内となるような好適な漸増期間にすることのできる、少なくとも2種類の異なる薬用量の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)を含んでいる用量調節パッケージを開発した。そのような用量調節方式/用量調節パッケージは、耳鳴の治療に用いるのに好適でありうる。
本発明は、内耳障害(例えば、耳鳴)を治療するための1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラート(neramexane mesylate)などのその薬学的に許容される塩)であって、前記誘導体が用量調節方式で投与される1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体に関する。前記用量調節方式によって、迅速かつ安全に有効量に到達させる。こうした投与によって、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の投与に起因する副作用は最小限に抑えられる。
本発明の更なる態様は、内耳障害(例えば、耳鳴)を治療するための薬剤の製造への1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)の使用であって、前記薬剤が、迅速かつ安全に有効量に到達させる用量調節方式で投与される、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の使用に関する。こうした投与によって、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の投与に起因する副作用は最小限に抑えられる。本明細書に明記されている薬剤は、本明細書に開示されている用量調節方式に従って投与するためのものである。
1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体ならびに本明細書に明記されている薬剤は、上記の投与方式に従って投与するためのものである。1つの実施態様では、誘導体/薬剤では、特に、用量調節方式に関するそれぞれの情報を患者に提供するようにされている。特定の用量調節方式に関するそれぞれの情報は、例えば、パッケージの中またはその上(剤形および/または添付文書および/または患者情報)のそれぞれの情報によって、提供することができる。特定の投与方式に関するそれぞれの情報は、例えば、パッケージ、および/または添付文書、および/または患者情報にあるそれぞれの情報、ならびに提供される剤形の外見(例えば、錠剤の形または錠剤の色)によって、提供することができる。
本発明の更なる態様は、前記用量調節方式が、有効量に到達するように4〜5週間の期間にわたって1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を漸増することを含む、上に明記した誘導体/使用に関する。
本発明の更なる態様では、用量調節方式は、5〜150mg/日の有効量に到達するように、4〜5週間の期間にわたって1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を漸増することを含む。
本発明の更なる態様では、用量調節方式は、50〜75mg/日の有効量に到達するように、4〜5週間の期間にわたって1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を漸増することを含む。
本発明の更なる態様では、用量調節方式は、1週間ごとに25mgまたは12.5mgずつ薬用量を増やして1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を漸増することを含む。
本発明の更なる態様では、1−アミノ−シクロヘキサンは、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)である。
本発明の更なる態様では、用量調節方式は、副作用を最小限に抑えつつ、50mg/日の有効量に到達するよう4週間の期間にわたって、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を漸増することを含む。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)は、以下のスケジュールに従って投与する:第1週には、1日に1回で用量が12.5mg/日であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgである。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンメシラートをそのようなスケジュールに従って投与する。別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体(conjugate)、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩(neramexane hydrochloride)など)を投与する場合、等モル量の別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)を使用してもよい。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)は、以下のスケジュールに従って投与する:第1週には、1日に1回で用量が12.5mg/日であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgである。ここで、混合用量を投与する週には、濃度が高いほうの用量を一日の2回目の用量として投与する。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンメシラートをそのようなスケジュールに従って投与する。別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)を投与する場合、等モル量の別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)も好適でありうる。
本発明の更なる態様では、用量調節方式は、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)で治療することを含み、その用量調節方式により、副作用を最小限に抑えつつ、75mg/日の有効量に到達するように5週間の期間にわたってネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を漸増することが可能である。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を、以下のスケジュールに従って投与する:第1週には、1日に1回で用量が12.5mg/日であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgであり、第5週には、1日に2回で各用量が37.5mgである。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンメシラートをそのようなスケジュールに従って投与する。別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)を投与する場合、等モル量の別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)を使用してもよい。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)は、以下のスケジュールに従って投与する:第1週には、1日に1回で用量が12.5mg/日であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgであり、第5週には、1日に2回で各用量が37.5mgである。ここで、混合用量を投与する週には、濃度が高いほうの用量を一日の2回目の用量として投与する。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンメシラートをそのようなスケジュールに従って投与する。別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)を投与する場合、等モル量の別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)も好適でありうる。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)は、以下のスケジュールに従って投与する:第1週には、1日に1回で用量が25mg/日であり、第2週には、1日に1回で用量が50mg/日であり、そして、任意選択で、第3週には1日に1回で用量が75mg/日である。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)は、1日1回の放出調節製剤の形態で以下のスケジュールに従って投与する:体重が90kgまでの被験者については、第1週には、12.5mgの用量を1日1回、第2週には、25mgの用量を1日1回、第3週には、37.5mgの用量を1日1回、第4週には、50mgの用量を1日1回であり、さらに上記に加えて、体重が90kgを超える被験者については、75mgの用量を1日1回である。
本発明の更なる態様は、ネラメキサンメシラートをそのようなスケジュールに従って投与する、そのような用量調節方式に関する。別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)を投与する場合、等モル量の別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)も好適でありうる。
本発明の更なる態様では、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を含む組成物は、1日1回の放出調節製剤の形態で以下のスケジュールに従って投与する:体重が90kgまでの被験者については、第1週には、25mgの用量を1日1回、第2週には、50mgの用量を1日1回であり、上記に加えて、体重が90kgを超える被験者については、75mgの用量を1日1回である。
本発明の更なる態様は、ネラメキサンメシラートをそのようなスケジュールに従って投与する、そのような用量調節方式に関する。別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)を投与する場合、等モル量の別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)も好適でありうる。
本発明の更なる態様では、内耳障害は、耳鳴、回転性めまい(良性発作性頭位めまい症(BPPV)など)、聴覚損失、慢性耳痛、外リンパ瘻、二次的内リンパ腫(secondary endolymphatic hydrops)、内耳炎および前庭神経炎、聴神経腫、聴器毒性、自己免疫内耳疾患(AIED)およびメニエル病の中から選択される少なくとも1種である。
本発明はさらに、内耳障害(例えば、耳鳴)を治療するための用量調節方式であって、副作用を最小限に抑えつつ、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどその薬学的に許容される塩)を含む組成物の有効量に迅速に到達するようにする、用量調節方式に関する。
本発明の更なる態様は、副作用を最小限に抑えつつ、有効量に到達するように4〜5週間の期間にわたって、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を含んでいる組成物を漸増することを含む、そのような用量調節方式に関する。
本発明の更なる態様は、副作用を最小限に抑えつつ、5〜150mg/日の有効量に到達するように4〜5週間の期間にわたって、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を含んでいる組成物を漸増することを含む、そのような用量調節方式に関する。
本発明の更なる態様は、副作用を最小限に抑えつつ、50〜75mg/日の有効量に到達するように4〜5週間の期間にわたって、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を含んでいる組成物を漸増することを含む、そのような用量調節方式に関する。
本発明の更なる態様は、そのような用量調節方式であって、その用量調節方式が、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を含んでいる組成物で治療することを含み、さらにその用量調節方式が、副作用を最小限に抑えつつ、50mg/日の有効量に到達するように4週間の期間にわたってネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩を含んでいる組成物を漸増することを含む、用量調節方式に関する。
本発明の更なる態様は、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を含む組成物を以下のスケジュールに従って投与する、そのような用量調節方式に関する:第1週には、1日に1回で用量が12.5mg/日であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgである。
本発明の更なる態様は、混合用量を投与する週には、濃度が高いほうの用量を一日の2回目の用量として投与する、そのような用量調節方式に関する。
本発明の更なる態様は、そのような用量調節方式であって、その用量調節方式が、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を含んでいる組成物で治療することを含み、さらにその用量調節方式が、副作用を最小限に抑えつつ、75mg/日の有効量に到達するように5週間の期間にわたって、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩を含んでいる組成物を漸増することを含む、用量調節方式に関する。
本発明の更なる態様は、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ネラメキサンメシラート)を含む組成物を以下のスケジュールに従って投与する、そのような用量調節方式に関する:第1週には、1日に1回で用量が12.5mg/日であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgであり、第5週には、1日に2回で各用量が37.5mgである。
本発明の更なる態様は、混合用量を投与する週には、濃度が高いほうの用量を一日の2回目の用量として投与する、そのような用量調節方式に関する。
本発明はさらに、副作用を最小限に抑えつつ1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を含む組成物の有効量に迅速に到達させる、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体に応答性である状態を治療するための用量調節方式に関する。
本発明はさらに、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を提供するための用量調節パッケージであって、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体が、例えば、少なくとも2種類の異なる薬用量で存在する、用量調節パッケージに関する。前記用量調節パッケージは、本明細書に開示されている用量調節方式に従って内耳疾患の治療に使用できる。
本発明の更なる態様は、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を少なくとも2種類の異なる薬用量で提供するための用量調節パッケージであって、用量調節パッケージが、同様の薬用量の剤形の少なくとも2セットを含み、各セットが少なくとも3つの個別に場所指定可能な領域を含み、各場所指定可能領域が1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)(錠剤を含む)を含むかまたはそれによって表される、用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる態様は、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を含んでいる医薬組成物を少なくとも2種類の異なる薬用量で提供するための用量調節パッケージであって、用量調節パッケージが同様の薬用量の剤形の少なくとも2セットを含み、各セットが少なくとも3つの個別に場所指定可能な領域を含み、各場所指定可能領域が医薬組成物(錠剤を含む)を含むかまたはそれによって表される、用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる態様は、各セット内の少なくとも3つの個別に場所指定可能な領域が、少なくとも1つの水平ライン(「行」と定義する)に基本的に沿って配列されているか、または少なくとも1つの垂直ライン(「列」と定義する)に基本的に沿って配列されている、そのような用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、同様の薬用量の剤形の少なくとも2つのセットの少なくとも3つの場所指定可能領域が、以下の群またはそれらの任意の組合わせから選択される少なくとも1つの手段によって互いに区別化されている、そのような用量調節パッケージに関する:色および/または濃淡および/または刻印による強調表示、場所指定可能領域の位置へのブリスターパックの設置;へこみ/隆起の設置;異なる材料または材料勾配(gradient in material)の設置、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)用の袋状部(pouch)またはブリスターまたは他の考えられる収納部の設置。
本発明の更なる実施態様は、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)が固体である、そのような用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)が、錠剤、タブロイド、丸剤、トローチ、ロゼンジ、カプセル、顆粒、細顆粒、成形体(shaped bodies)、またはペレットから選択される固体剤形である、そのような用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、3種類以上の薬用量が、同様の薬用量の剤形の3種類以上の異なるセット(同様の薬用量の剤形の4種類以上の異なるセットでの4種類以上の異なる薬用量を含む)で提供される、そのような用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、同様の薬用量の剤形の各セットが、少なくとも5つの場所指定可能領域(例えば、7つの場所指定可能領域または14の場所指定可能領域)を含む、そのような用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、2種類以上の異なる用量/薬用量の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を含むそのような用量調節パッケージであって、その少なくとも2種類の異なる薬用量の誘導体の化学的性質は同じであるが、誘導体の量はその2種類の薬用量の間で異なっている、用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、そのような用量調節パッケージであって、その用量調節パッケージにより、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)の薬用量の漸増および/または漸減を行って、ある特定の最終薬用量のレベルに到達するようにすることができる、用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)の同様の薬用量の剤形の少なくとも1つのセットと、プラセボを含んでいる少なくとも1つの第2セットとを含む、用量調節パッケージに関する。
本発明の更なる実施態様は、上に記載した用量調節パッケージであって、その用量調節パッケージにより、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体に応答性である状態の治療を行えるようされ、また副作用を最小限に抑えつつ、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、またはネラメキサンメシラートなどのその薬学的に許容される塩)を含む組成物の有効量に迅速に到達させる、用量調節パッケージに関する。
実施例3に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例3に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例3に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例3に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例4に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例4に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例5に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例6に記載されている用量調節パッケージを示す。 実施例7に記載されている用量調節パッケージを示す。
本明細書で使用される「内耳障害」という用語は、耳鳴、回転性めまい(良性発作性頭位めまい症(BPPV)など)、亜適応症を含む聴覚損失(亜適応症には、音響外傷、騒音性難聴、感音難聴、混合性難聴、不特定聴覚損失(unspecified hearing loss)、耳毒性聴覚損失(聴器毒性)、薬物性聴覚損失、環境化学物質性(environmental chemicals−induced)聴覚損失、癌誘導性聴覚損失、外科誘発性(surgical−induced)聴覚損失、放射線誘発聴覚損失、感染誘発性聴覚損失、突発性(特発性)聴覚損失、聴覚処理障害、および老人性難聴などがある)、外リンパ瘻、二次的内リンパ腫、内耳炎および前庭神経炎、聴神経腫瘍、自己免疫内耳疾患(AIED)、慢性耳痛、およびメニエル病を含むが、これらに限定されない。
騒音性難聴は、急性疾患または慢性疾患によって引き起こされることがある。過剰な騒音へ長時間曝されることは、騒音性難聴のより一般的な原因であるが、そのような聴覚損失は極端に大きな音によっても引き起こされることがある。
感音難聴は、内耳の無感覚または聴覚神経系の機能損傷が原因である。感音難聴は、蝸牛内のコルチ器官の毛細胞の異常によって引き起こされることがある。
聴器毒性聴覚損失は、耳を損傷する薬物によって引き起こされることがある(すなわち、薬物性聴覚損失)。そのような薬物としては、化学療法(すなわち、抗悪性腫瘍または抗癌)薬(シスプラチンなど)、アミノ配糖体(ゲンタマイシンなど)、利尿剤(ブメタニドなど)、サリチレート(アスピリンなど)、キニーネ、NSAIDS、およびマクロライド抗生物質がある。
環境化学物質性聴覚損失は、耳を損傷する試剤(すなわち、環境化学物質)(亜硝酸ブチル、水銀またはトルエンなど)によって引き起こされることがある。
癌誘導性聴覚損失は、中耳の腫瘍ならびに耳および/または脳に関係する他の癌によって引き起こされることがある。
外科誘発性聴覚損失は、耳の手術または耳以外の手術の後に起こることがあるが、そのような聴覚損失に関連したメカニズムは明らかではない。
放射線誘発聴覚損失は、放射線への意図的な暴露(例えば、放射線治療で)または意図的でない暴露によって引き起こされることがある。
感染誘発性聴覚損失は、内耳および聴音神経の関係した感染ならびに中耳の関係した感染によって引き起こされることがある。さらに、聴覚損失に至ることがある多数の他のタイプの感染(例えば、耳下腺炎、ライム病、髄膜炎、ヘルペスウイルス感染、真菌感染、細菌感染、AIDS、および結核)がある。
老人性難聴は、いくぶん騒音暴露に関係していると思われ、これは、鼓膜基底板の硬化ならびに毛細胞、血管条、神経節細胞、および蝸牛神経核の劣化を特徴とする。
本明細書で使用される「耳鳴」とい用語は、自覚的および他覚的な耳鳴の発現すべて、ならびに急性型、亜急性型および慢性型のものを含むが、これらに限定されない。これはまた、蝸牛性耳鳴、ならびに聴覚損失または軽度の聴覚損失に関連した耳鳴も含む。
本明細書で使用される「被験者」という用語は、動物およびヒトを含む哺乳類を包含する。
1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体という用語は、本明細書では、1−アミノ−アルキルシクロヘキサンまたは1−アミノ−アルキルシクロヘキサンから誘導される化合物、例えば、1−アミノ−アルキルシクロヘキサンの薬学的に許容される塩を表すのに用いる。本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体は、「1−アミノシクロヘキサン誘導体」と表すこともできる。
本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体は、一般式(I)で表すことができる:
Figure 2014221766
[式中、
は、−(CH−(CR−NRであり、
n+m=0、1、または2
〜Rは独立に、水素およびC1〜6アルキルよりなる群から選択され、またRおよびRは独立に水素およびC1〜6アルキルよりなる群から選択されるかまたは一緒になって低級アルキレン−(CH−(ここで、xは2〜5(両端値を含む)である)、および光学異性体、鏡像異性体、水和物、および薬学的に許容されるそれらの塩を表す。]
本発明に従って使用される1−アミノ−アルキルシクロヘキサンの非限定例として、以下のものがある:
1−アミノ−1,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1(trans),3(trans),5−トリメチルシクロヘキサン、 1−アミノ−1(cis),3(cis),5−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3,3,5−テトラメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン(ネラメキサン)、
1−アミノ−1,3,5,5−テトラメチル−3−エチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,5,5−トリメチル−3,3−ジエチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,5,5−トリメチル−cis−3−エチルシクロヘキサン、
1−アミノ−(1S,5S)cis−3−エチル−1,5,5−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,5,5−トリメチル−trans−3−エチルシクロヘキサン、
1−アミノ−(1R,5S)trans−3−エチル−1,5,5−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1−エチル−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1−プロピル−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサン、
N−メチル−1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン、
N−エチル−1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチル−シクロヘキサン、
N−(1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキシル)ピロリジン、
3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシルメチルアミン、
1−アミノ−1,3,3,5(trans)−テトラメチルシクロヘキサン(軸性アミノ基(axial amino group))、
3−プロピル−1,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシルアミン半水和物、
1−アミノ−1,3,5,5−テトラメチル−3−エチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3−ジメチル−3−プロピルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3(trans),5(trans)−トリメチル−3(cis)−プロピルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3−ジメチル−3−エチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、
cis−3−エチル−1(trans)−3(trans)−5−トリメチルシクロヘキサミン、
1−アミノ−1,3(trans)−ジメチルシクロヘキサン、
1,3,3−トリメチル−5,5−ジプロピルシクロヘキシルアミン、
1−アミノ−1−メチル−3(trans)−プロピルシクロヘキサン、
1−メチル−3(cis)−プロピルシクロヘキシルアミン、
1−アミノ−1−メチル−3(trans)−エチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3,3−トリメチル−5(cis)−エチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,3,3−トリメチル−5(trans)−エチルシクロヘキサン、
cis−3−プロピル−1,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、
trans−3−プロピル−1,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、
N−エチル−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキシルアミン、
N−メチル−1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1−メチルシクロヘキサン、
N,N−ジメチル−1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン、 2−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)エチルアミン、
2−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)プロピル−2−アミン、
2−(1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキシル)−エチルアミン半水和物、 N−(1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキシル)−ピロリジン、
1−アミノ−1,3(trans),5(trans)−トリメチルシクロヘキサン、 1−アミノ−1,3(cis),5(cis)−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−(1R,5S)trans−5−エチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−(1S,5S)cis−5−エチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,5,5−トリメチル−3(cis)−イソプロピル−シクロヘキサン、
1−アミノ−1,5,5−トリメチル−3(trans)−イソプロピル−シクロヘキサン、
1−アミノ−1−メチル−3(cis)−エチル−シクロヘキサン、
1−アミノ−1−メチル−3(cis)−メチル−シクロヘキサン、
1−アミノ−5,5−ジエチル−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン、
1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1,5,5−トリメチル−3,3−ジエチルシクロヘキサン、
1−アミノ−1−エチル−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサン、
N−エチル−1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン、
N−(1,3,5−トリメチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−[1,3(trans),5(trans)−トリメチルシクロヘキシル]ピロリジンまたはピペリジン、
N−[1,3(cis),5(cis)−トリメチルシクロヘキシル]ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1,3,3,5−テトラメチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、 N−(1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1,3,5,5−テトラメチル−3−エチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1,5,5−トリメチル−3,3−ジエチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1,3,3−トリメチル−cis−5−エチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−[(1S,5S)cis−5−エチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキシル]ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1,3,3−トリメチル−trans−5−エチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−[(1R,5S)trans−5−エチル,3,3−トリメチルシクロヘキシル]ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1−エチル−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1−プロピル−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)ピロリジンまたはピペリジン、
N−(1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキシル)ピロリジン、
および光学異性体、ジアステレオマー、鏡像異性体、水和物、それらの薬学的に許容される塩、およびそれらの混合物。
1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン、1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサン)は、特許文献1および特許文献2に開示されている。1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)は、本発明によれば、薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、およびプロドラッグのいずれかの形態で使用してよく、本説明において1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)に言及している場合はいずれも、そのような塩、溶媒和物、異性体、結合体、およびプロドラッグも指していると理解すべきである。
薬学的に許容される塩としては、酸付加塩があり、塩酸、メチルスルホン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、炭酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、および2−アセトキシ安息香酸によって作られるものなどがあるが、これらに限定されない。これらの塩(または他の似たような塩)はすべて、従来の手段によって調製できる。塩の性質は、それが無毒性であり、所望の薬理活性を実質的に妨げるものでなければ、決定的に重要なものではない。
「類似体」または「誘導体」という用語は、本明細書では、従来の薬学的意味で使用されていて、基準となる分子(ネラメキサンなど)と構造的に似ている分子であるが、但し、基準となる分子の1つまたは複数の特定の置換基をほかの置換基で置き換え、そのようにして基準となる分子と構造的に似た分子を生成するように、目標を定めた制御された仕方で修飾された分子を指す。特性を改善または片寄らせていることがある(特定の標的受容体タイプでの効力/または選択性の増大、哺乳類の血液脳関門への浸透力の向上、副作用の減少など)わずかに修飾された周知の化合物の変種を同定するための、類似体の合成およびスクリーニング(例えば、構造分析および/または生化学分析を使用)は、製薬化学においてよく知られている薬物設計手法である。
本明細書では、「治療」という用語は、被験者の病気または疾患の少なくとも1種の症状を軽減または緩和することを意味するのに用いられる。本発明の意味においては、「治療」という用語は、発症を抑止し、遅らせること(すなわち、病気の臨床症状に先立つ期間)および/または病気の発現または悪化の危険を減少させることも表す。
用量または量に使用されている「治療的に効果のある」という用語は、化合物または医薬組成物を必要としている哺乳類に投与した時に所望の活性がもたらされる十分な化合物または医薬組成物の量を指す。
「薬学的に許容される」という語句は、本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体に関連して使用される場合、哺乳類(例えば、ヒト)に投与したときに、生理学的に許容できかつ一般に有害反応を生じない、例えば、医薬組成物の分子的実体および他の成分に関係する。典型的には、本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、哺乳類(さらに詳細には、ヒト)に用いるものとして、規制機関によって認可されるか、または一般に認められた薬局方にリストされていることを意味する。
本発明の医薬組成物に使用される「キャリヤー」という用語は、希釈剤、賦形剤、または媒体を指し、これらと一緒に活性化合物(例えば、ネラメキサン)が投与される。そのような薬剤のキャリヤーは、滅菌液であってよく、それには水、食塩水、ブドウ糖水溶液、グリセロール水溶液、および油(油としては、石油起源、動物起源、植物起源または合成起源のもので、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などがある)などがある。そのようなキャリヤーは、固体であってもよく、例えば、以下の[0097]に記載されている賦形剤であってよい。好適な薬剤のキャリヤーは、非特許文献8に記載されている。
「約」または「およそ」という用語は普通、所与の値または範囲の20%以内、あるいは10%以内(5%以内を含む)を意味する。
「用量調節方式」という用語は、本明細書に説明されている治療法であって、ある病気または疾患の患者を治療し、また1種または複数種の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の少なくとも2種類の異なる薬用量(用量)を、例えば、そのような疾患を治療するのに有用な医薬組成物の形態で、段階的に1日1回または1日に複数回投与し、また治療の初期には少ない用量を投与し、続く治療の週の間には多い用量を投与するという、治療法を意味する。任意選択で、異なる薬用量を同じ日に投与するそうした治療の週に、用量調節方式では、朝に少ない薬用量を投与し、晩に多い薬用量を投与するようにすることができ、それによって一日のうちの最も生産的な時間の間、薬物誘発の副作用が最小限に抑えられる。
1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサンメシラートなどのネラメキサン)またはそれを含む医薬組成物は、本発明による用量調節方式に従って内耳障害を治療するために使用できる。1つの実施態様では、誘導体および/または医薬組成物(薬剤)は、本明細書に開示されている特定の投与方式に適合するようにされるか、またはそれに合わせて適切に調製される。この目的のために、パッケージおよび/または添付文書および/または患者情報および/または剤形自体が、対応する情報を含むことができる。
本発明の有効成分(例えば、ネラメキサンメシラートなどのネラメキサン)または組成物は、耳鳴の治療用の薬剤の製造に使用でき、薬剤は、本明細書に開示されている特定の投与に適合するようにされるかまたはそれに合わせて調製されるものである。この目的のために、添付文書および/または患者情報は、対応する情報を含む。
「用量調節パッケージ」という用語は、少なくとも2種類の薬用量(用量)の少なくとも1種の1−アミノ−アルキルシクロヘキサンを提供する任意の基材、容器またはパッケージを意味する。薬用量(用量)は同じであっても異なっていてもよい。例えば、本発明の用量調節方式に従って内耳障害を治療するのに使用する場合、パッケージは1−アミノ−アルキルシクロヘキサンの投与に関する情報を含む。前記情報は、パッケージ内の添付文書/使用情報によって、および/または薬用量自体によって、例えば、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の異なる薬用量に対して異なる形状および/または色などの異なる外観によって、パッケージの中またはその上に示すことができる。
1つの用量調節パッケージ内で、形式的に同じ量の2種類の(化学的に)異なる医薬組成物(特に、その単一有効成分に関して)を提供することも、「2種類の異なる薬用量を提供すること」の範囲に含まれる。
1つの実施態様では、用量調節パッケージは、例えば、パッケージの一部である個別に場所指定可能な領域に、考えられる任意の形で提供される医薬組成物の形態で、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を含み、かつ/または添付することができる任意のパッケージであってよい。「場所指定可能領域」は、パッケージの使用者が識別できるものであるべきである。
本発明との関連において、「セット」とは、平面的または立体的な基材上に配列された任意のタイプの3つ以上の場所指定可能領域の任意の配列を意味する。
本発明との関連において、「場所指定可能領域」は、セットの一部であり、かつ用量調節パッケージの使用者が、何度でも他の任意の場所指定可能領域と見分けることができる平面的または立体的な基材上の任意の領域を意味すると理解される。1つのセット内および/または2つのセット間の2つの隣接した場所指定可能領域は、互いに物理的に分かれていることができる。すなわち、互いに重なり合っておらず、かつ/または互いに接触していない。
本発明によれば、2つの異なる場所指定可能領域を場所指定可能/識別可能にする方法に関して制限はない。場所指定可能領域は、以下の群、またはそれらの任意の組合わせから選択される少なくとも1つの手段によって互いに見分けることができる:色および/または濃淡および/または刻印による強調表示、場所指定可能領域の位置へのブリスターパックの設置(この後、ブリスターパックは場所指定可能領域となる);へこみ/隆起の設置;異なる材料または材料勾配の設置、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン用の袋状部または他の考えられる(副次的)収納部の設置。
本発明によれば、場所指定可能領域は、医薬組成物の形態であってよい1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩)によっても明確にすることができる。その医薬組成物は、固体の形態(パッケージまたはその一部に直接または間接的に取り付けられるかまたは付着している、丸剤、カプセル、錠剤、ロゼンジまたはトローチを含む)で存在する。セットの個別の場所指定可能領域が「ブランク」を含む(すなわち、少なくとも1つの場所指定可能領域が医薬組成物を含んでいない)ことができることも、本発明の範囲に含まれる。
本発明によれば、「行」という用語は、基材上の3つ以上(例えば、5以上、7以上、10以上)の場所指定可能領域の任意の配列であって、(その行を平面図で見、標準座標系を当てはめると仮定した場合)その領域が基本的に水平ラインに沿って配列されている、任意の配列を意味すると理解される。行の場所指定可能領域が互いを基準にして、移動するか、互い違いに配置されるか、ずらして配設されるか、または少しだけずらされている場合も、場所指定可能領域の全体的な集まりが基本的にそのような水平パターンに従っている限り、本発明の範囲に含まれる。
本発明によれば、「列」という用語は、基材上の3つ以上(例えば、5以上、7以上、10以上)の場所指定可能領域の任意の配列であって、(その行を平面図で見、標準座標系を当てはめると仮定した場合)その領域が基本的に垂直ラインにそって配列されている、任意の配列を意味すると理解される。列の場所指定可能領域が互いを基準にして、移動するか、互い違いに配置されるか、ずらして配設されるか、または少しだけずらされている場合も、場所指定可能領域の全体的な集まりが基本的にそのような垂直パターンに従っている限り、本発明の範囲に含まれる。
本発明によれば、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩)の剤形は、カプセル、錠剤などを含む固形製剤であってよい(非特許文献8を参照)。
本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体は、半固形製剤または液剤として経口的に投与できる(非特許文献8を参照)。
錠剤またはカプセルの形態の固形剤の場合、本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩)は、無毒性の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることができ、賦形剤には、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、乳糖、スクロース、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトールおよび他の還元糖および非還元糖、微結晶性セルロース、硫酸カルシウム、またはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、またはシリカ、ステアリン酸、ナトリウムステアリルフマレート、グリセリルベヘネート、ステアリン酸カルシウムなど);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはスターチグリコレートナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、着色剤、香味料、ゼラチン、甘味料、天然および合成ガム(アカシア、トラガカントまたはアルギン酸塩など)、緩衝塩、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどがある。
錠剤は、濃縮糖液(これは、例えば、アラビアゴム、ゼラチン、タルク、二酸化チタンなどを含むことができる)で被覆することができる。あるいはまた、錠剤は、容易に揮発する有機溶媒または有機溶媒の混合物中に溶解する、ポリマーで被覆することができる。特定の実施態様では、ネラメキサンは即時放出(IR)または放出調節(MR)錠剤に処方される。即時放出固体剤形により、有効成分の大部分または全部(例えば、90%以上)が短時間(60分以下など)で放出可能であり、また薬物の迅速な吸収が可能になる(ネラメキサンなどの1−アミノ−アルキルシクロヘキサンの即時放出製剤は、特許文献3および特許文献4に開示されており、即時放出製剤に関係しているそれらの内容を本明細書に援用する)。放出調節経口固体剤形により、長期間にわたって有効成分の徐放が可能にされるが、これは治療的に効果のある血漿中濃度を同様の長期間にわたって維持し、かつ/または有効成分の他の薬物速度論的特性を調整しようとする場合のことである(ネラメキサンの放出調節製剤は、特許文献5に開示されており、その内容を本明細書に援用する)。例えば、ネラメキサンメシラートは、ネラメキサンメシラートが50mgの用量となるように放出調節剤形(放出調節錠剤を含む)に処方することができる。
軟質ゼラチンカプセル(soft gelatin capsule)の製剤の場合、本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)は、例えば、植物油またはポリエチレングリコールと混合してよい。硬質ゼラチンカプセルは、錠剤用の上述の賦形剤、例えば、乳糖、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン(例えば、ジャガイモデンプン、コーンスターチまたはアミロペクチン)、セルロース誘導体またはゼラチンを用いた活性物質の顆粒を含むことができる。液体または半固体の薬物を硬質ゼラチンカプセルに充填することもできる。
本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)は、例えば、ポリグリコール酸/乳酸(PGLA)から作られる微小球またはマイクロカプセル中に含めることもできる(例えば、特許文献6;特許文献7;特許文献8;PCT公開の特許文献9および特許文献10を参照)。薬物の制御放出を実現する際に、生体適合性のポリマーを使用してよく、それには、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸とのコポリマー、ポリεカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリヒドロピラン(polyhydropyrans)、ポリシアノアクリレート、および架橋または両親媒性のヒドロゲルのブロックコポリマーがある。
半固体または液体の形態の本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の製剤も使用してよい。1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)は、経口投与に適した製剤では、製剤の0.1から99重量%までの間、さらに具体的には0.2から50重量%までの間となる。
本発明の1つの実施態様では、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)は、放出調節製剤の形で投与する。放出調節剤形は、薬物有害反応の発生率を減少させることにより、患者の服薬遵守を改善するための、また効果的かつ安全な療法となるようにするための手段となる。即時放出剤形と比較して、放出調節剤形は、投与後の薬理作用を長引かせるため、また投与間隔の間ずっと薬物の血漿中濃度の変動性を低減するために用いることができ、それによって鋭いピークを除去または低減される。
放出調節剤形は、薬物で被覆されるかまたは薬物を含んでいる、コアを含むことができる。その場合、存在しているコアは、放出調節ポリマー(この中に薬物が分散される)で被覆される。放出調節ポリマーは徐々に崩壊して、時間が経つにつれ薬物を放出する。従って、組成物が水性の環境(すなわち、胃腸管)にさらされた時に、組成物の最外層はコーティング層全体の薬物の拡散を効果的に緩やかにし、そのようにしてその拡散を調整する。薬物の最終的な拡散速度は、コーティング層またはマトリックスを浸透する胃液の能力および薬物自体の溶解度に主に左右される。
本発明の別の実施態様では、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)は、経口液剤に処方される。経口投与用の液体製剤は、例えば、溶液、シロップ剤、エマルジョンまたは懸濁液の形をとることができるか、または使用前に水または他の好適な媒体で元の状態に戻される乾燥品として提供することができる。経口投与用の製剤は、好適には、活性化合物が制御放出または延期放出(postponed release)されるように処方することができる。1−アミノ−アルキルシクロヘキサン(ネラメキサンなど)の経口液剤は、PCT国際特許出願の特許文献11(その内容を本明細書に援用する)に記載されている。
液体形態での経口投与の場合、本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)は、無毒性の薬学的に許容される不活性キャリヤー(例えば、エタノール、グリセロール、水)、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または水素化食用脂)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア)、非水媒体(例えば、扁桃油、油性エステル、エチルアルコールまたは分別植物油)、防腐剤(例えば、メチルまたはプロピル−p−ヒドロキシ安息香酸またはソルビン酸)などと組み合わせてよい。剤形を安定化させるために、酸化防止剤(BHA、BHT、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸)などの安定剤を加えることもできる。例えば、溶液は、約0.2%〜約20重量%のネラメキサンを含み、残りが糖質ならびにエタノール、水、グリセロールおよびプロピレングリコールの混合物となるようにしてよい。任意選択で、そのような液剤は、着色剤、香味料、サッカリンおよびカルボキシメチルセルロース(増粘剤として)または他の賦形剤を含んでもよい。
別の実施態様では、治療的に有効な量の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)を、防腐剤、甘味料、可溶化剤、および溶媒を含んでいる経口液剤の形で投与する。経口液剤は、1種または複数種の緩衝剤、香味料、または更なる賦形剤を含んでもよい。更なる実施態様では、ペパーミントまたは他の香味料をネラメキサン誘導体の経口液剤に添加する。
本発明はまた、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(例えば、ネラメキサン)および、任意選択で、製剤の成分をさらに含んでいる1つまたは複数の容器を含む、医薬品パックまたはキットも提供する。特定の実施態様では、ネラメキサンは、茶匙2杯の容量の注射器(dosage KORC(登録商標))を用いて投与するための経口液剤(2mg/ml)として提供される。各経口注射器には、計量のための青いハッチマークが付いており、注射器(先端を下向きにして)の右側の線はtsp単位を表し、左側の線はml単位を表す。
最適な治療的に有効な量は、薬物を投与するときの正確な投与方法、投与が行われる適応症、関係する被験者(例えば、体重、健康、年齢、性別など)、および担当する医師または獣医師の好みおよび経験を考慮に入れて、実験的に決定することができる。
本発明の1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の毒性および治療効果は、実験動物での標準な医薬品手順(pharmaceutical procedures)によって、例えば、LD50(個体群の50%致死用量)およびED50(個体群の50%に治療的効果のある用量)を求めることによって、判定することができる。治療効果と毒性効果との用量比は治療指数であり、それはLD50/ED50比で表現できる。治療指数が大きい1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体/組成物が好ましい。
ヒトの治療上の処置における本発明の活性化合物の好適な一日量は、経口投与では約0.01〜10mg/kg(体重)であり、非経口投与では0.001〜10mg/kg(体重)である。例えば、成人の場合、ネラメキサンメシラートの好適な一日量として、一日当たり50mgおよび75mgの用量が含まれる。等モル量の別の薬学的に許容される塩、溶媒和物、異性体、結合体、プロドラッグまたはそれらの誘導体(ネラメキサン塩酸塩など)も好適である。
本明細書で示す一日量を、例えば、1または2投与単位として、1日に1回、2回または3回、投与することができる。それゆえに1投薬単位当たりの好適な用量は、一日量を1日に投与される投薬単位の数で(例えば、等しく)割ったものであってよく、したがって典型的には、およそ一日量に等しいか、あるいはその2分の1、3分の1、4分の1または6分の1になるであろう。したがって投薬単位当たりの薬用量は、本明細書に示すそれぞれの一日の薬用量から計算できる。例えば、一日量5mgは、選択した投与計画に応じて、例えば、約5mg、2.5mg、1.67mg、1.25mgおよび0.83mgの投薬単位の用量を与えるものと見ることができる。それに対応して、1日当たり150mgの薬用量は、対応する投与計画では、例えば、約150mg、75mg、50mg、37.5mg、および25mgの投与単位(dosing unit)の薬用量に相当する。
治療期間は、短期間、例えば、数週間(例えば、8〜14週間)である場合もあれば、さらに投与する必要はもうないと主治医が見なすまでの長期間である場合もある。
代表的な製剤の実施例
通常用いられる溶媒、助剤およびキャリヤーを用いて有効成分を処理して、溶液、錠剤、被覆錠剤、カプセルなどにすることができる。経口投与に適した錠剤は、従来の錠剤化手法(tabletting techniques)によって調製できる。以下に示す実施例は、単なる例示のためのものであり、限定するものと解釈すべきではない。
製剤の実施例1:ネラメキサンメシラートの即時放出錠剤
表1〜4は、薬用量が12.5、25.0、37.5、および50.0mgであるネラメキサン即時放出錠剤の組成(活性構成成分、コーティング剤、および賦形剤を含む)を示している。
Figure 2014221766
Figure 2014221766
Figure 2014221766
Figure 2014221766
製剤の実施例2:ネラメキサンメシラートの経口液剤
表5は、濃度が2、5、10、および20mg/mLのネラメキサン経口液剤の組成を示す。
Figure 2014221766
実施例
以下の実施例は本発明を例示するものであり、その範囲を限定しているわけではない。
実施例1:耳鳴の治療に関するネラメキサンの二重盲検のプラセボ対照パイロット試験
このパイロット計画の目的は、臨床治験を実施して、耳鳴の治療薬としてのネラメキサンの有効性を評価することであった。この研究の主な目的は、少なくとも中程度の重症度の自覚的耳鳴のある被験者において、3種類の異なる薬用量(25、50または75mg/日)のネラメキサンメシラートの有効性、耐容性および安全性を、プラセボと比較することであった。
研究デザイン
二重盲検の多施設ランダム化のプラセボ対照の並行群間研究では、少なくとも中程度の重症度の耳鳴に苦しむ被験者におけるネラメキサンの有効性を評価した。特定の試験対象患者基準を満たしかつ特定の試験対象除外基準(exclusion criteria)をどれも満たさなかったおよそ100人の患者を、4つの二重盲検投与群(ネラメキサンメシラートが25、50、75mg/日であるか、またはプラセボ)のそれぞれにランダムに分けた。結果として、合計ではおよそ400人の患者となった。
二重盲検の16週間の治療期間は、4週間の漸増期間と、変更なしの1日2回(b.i.d.)の維持投与の12週間の一定用量治療期間とで構成された。しかし、耐容性が乏しい場合、研究者は、25mg/日だけ(またはプラセボをそれぞれ)用量を低減することを考慮できた。治療段階の後に、積極的治療も、付随する治療制限もない4週間の経過観察期間があった。この研究は、合計7回の研究訪問(スクリーニング、ベースライン、ならびに週4、週8、週12、週16、および週20の終了時)を含んでいた。(参加者は、1日に2回、ネラメキサンメシラート(例えば、50mgを25mgの即時放出錠剤として1日に2回与えられる)またはプラセボのいずれかを16週間受け取った。12週間の一定用量治療期間に先立つ4週間の漸増期間中に、ネラメキサンメシラートを1週間ごとに12.5または25mg漸増した。治療後の4週間を経過観察期間とした。)
各患者の評価のための計画的な訪問は以下のとおりであった。
訪問1(スクリーニング):同意書に署名した後、被験者は理学的検査および臨床検査試験(clinical laboratory testing)を受けた。患者の研究適格性は、試験対象患者基準/試験対象除外基準と照らし合わせることによって評価した。初回の耳鳴問診を実施した。被験者はまた、耳鳴障害質問表(Tinnitus−Beeintraechtigungs−Fragebogen)(TBF−12)(すなわち、25項目の耳鳴障害目録(25−item Tinnitus Handicap Inventory)またはTHI(非特許文献9;非特許文献10)の12項目ドイツ修正有効版(12−item German modified and validated version)(非特許文献11))、病院不安およびうつ尺度−うつ副尺度(Hospital Anxiety and Depression Scale−Depression Subscale)(HADS−D)質問表および聴覚過敏(聴覚過敏質問表(Geraeuschueberempfindlichkeit−Fragenbogen)(GUF))質問表(該当する場合)に記入した。
訪問2(ベースライン):被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その事象/変化が記録に残された。試験対象患者基準/試験対象除外基準の審査に基づいて、研究の適格性があるかどうかについて被験者を評価した。被験者に関して試験手順ならびに許される併用薬物と禁止の併用薬物を再検討した。初回の耳鳴問診を実施した。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入した。被験者はこの研究に登録され、研究薬(プラセボまたはネラメキサン)が下記のように投薬された。
訪問3(週4):この訪問は、一連の4週間の漸増の最後に行われた。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その事象/変化が記録に残された。経過観察耳鳴問診を実施した。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入した。薬物治療の服薬遵守が評価され、次の4週間の薬が下記のように投薬された。
訪問4(週8):この訪問は、最初の一定用量二重盲検治療期間(4週間)の最後に行われた。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その変化が記録に残された。ネラメキサンの投与前の濃度を測定するため、血液サンプルを採取した。経過観察耳鳴問診を実施した。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入した。薬物治療の服薬遵守が評価され、次の4週間の薬が下記のように投薬された。
訪問5(週12):この訪問は、2番目の一定用量二重盲検治療期間(4週間)の最後に行われた。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その変化が記録に残された。経過観察耳鳴問診を実施した。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入した。薬物治療の服薬遵守が評価され、次の4週間の薬が下記のように投薬された。
訪問6(週16、治療の最後)。この訪問は、12週間の一定用量二重盲検治療期間の最後に行われた。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その変化が記録に残された。臨床検査評価(clinical laboratory evaluation)を実施した。経過観察耳鳴問診が実施され、被験者は、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入した。純音聴力検査法(空気伝導)も実施された。
訪問7(週20):この訪問は、最後の研究薬の投与の後、4週間の経過観察期間の最後に行われた。被験者について、最後の訪問以降の有害事象の発生ならびに併用薬物の調査を実施する。経過観察耳鳴問診が実施され、被験者はTBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入した。
ネラメキサンの投与
ネラメキサンメシラートの即時放出錠剤(12.5mgおよび25mg)とそれに対応するプラセボ錠剤を、フィルムコート錠として投与する。
薬はブリスター箱(blister boxes)の形で提供され、それらは訪問2から訪問5にかけて投薬された。各ブリスター箱には、4週間の治療用の4枚のブリスターカードおよび予備として1枚のブリスターカードが入っていた。ブリスターカードは、治療の週で識別されていた。ブリスターカード内の一日の薬は、一日ごとに識別されていた。各研究日の研究薬は、4個の別個の錠剤で構成された。1枚のブリスターカードは、32個の錠剤(7日間分(1日当たり4個の錠剤)と1日分の予備(1日当たり4個の錠剤))で構成されていた。患者一人分の薬の1パッケージは、5箱で構成されていた。箱2は箱1の予備薬として追加され(漸増期間)、それは、箱1の1枚のブリスターカードまたはその箱全体を被験者がなくした場合にのみ配られることになっていた。
研究薬は、訪問2のときに配られた(ベースライン、日0)。各患者は、二重盲検の研究薬の5枚のブリスターカード(1つの予備ブリスターを含む)が入れられている1つのブリスター箱(すなわち、32個の錠剤)を受け取った。被験者は、研究薬が配られた翌日から、被験者が次の研究の訪問(訪問3)のために戻るまでの間、2個の錠剤を1日に2回(4錠剤/日)摂取するよう指示された。有効薬(active medication)を受け取るよう割り当てられた被験者の場合、漸増期間中に盲目が保たれるように、いくらかのプラセボ錠剤が投与計画に組み込まれた。目標の一定維持用量である25、50、または75mg/日を、二重盲検の治療の第5週から投与し、研究の間ずっと継続した。続く訪問(週4、週8および週12の最後に対応する訪問3、4、および5)のそれぞれのときに、患者は、次の研究訪問までのその間の治療期間用の二重盲検の薬が含まれている5枚のブリスターカードが入っている別のブリスター箱を、4週間の間の分として受け取った。投与スケジュールを表6に示す。
二重盲検の治療期間を通じて、患者は、12時間の一定間隔で1日に2×2個の錠剤の薬を摂取し続けることになっていた。患者が、訪問4および6(週8および週16)の日に研究薬の朝の用量をすでに摂取していた場合、予定されていた血液採取は行われなかった。研究者は、十分な量の研究薬を再び配らなければならなかった。患者は、12時間の一定間隔で2×2個の錠剤を摂取し続けるべきであり、投与前のネラメキサン血液採取のために訪問4および6の間隔期間(time window)以内に戻った。
Figure 2014221766
耐容性が乏しい場合、研究者は、朝の大きな錠剤を省くことにより、25mg/日の用量低減を考慮することができたが、これは75mg/日および50mg/日のネラメキサンメシラート群でのみ有効な用量低減となるものであった。朝の用量の大きな錠剤(それぞれ25mgまたはプラセボ)を省いた後、これらの患者は、1つの小さな錠剤を1つだけ朝の用量(それぞれ12.5mgまたはプラセボ)として、また異なる大きさ(それぞれ12.5mg、25mgまたはプラセボ)の2個の錠剤を晩の用量として受け取って、予定どおりに研究過程を続けることができた。用量は、研究の終了時まで変えないようにしなければならなかった。
被験者は、研究薬を、常に、個人の都合のよいときに、但し、可能な場合いつも研究過程全体を通じて一定の時点で、かつ12時間の一定の投与間隔で(例えば、6:00時と18:00時、または8:00時と20:00時)摂取するよう指示を受けた。それぞれの研究訪問時に、研究者は、前日の研究薬の摂取時刻を尋ねた。週4、週8、週12、および週16の最後に(または早期終了時に)、患者は薬物治療の服薬遵守の評価のため5枚のブリスターカードの入っているブリスター箱を携えて、研究の場所に戻った。
有効性
主要評価項目(Primary Outcome)
− ベースライン(訪問2)から終了点の訪問(訪問6、すなわち週16)までのTBF−12の合計スコアの変化は、この研究における主要有効性評価項目(primary efficacy endpoint)であった。
副次評価項目(Secondary Outcomes)
− 終了点の訪問を除くベースライン後のすべての訪問でのTBF−12の合計スコア(ベースラインからの絶対的変化(absolute changes)および値)。
− 週16から週20までのTBF−12の合計スコアの変化(値および絶対的変化)。
− ベースライン後のすべての訪問でのTBF−12の要因スコア(factorial scores)(週16から週20までの変化を含む、ベースラインからの絶対的変化および値)。
− 聴覚過敏質問表GUF(「聴覚過敏質問表(Geraeuschueberempfindlichkeits−Fragebogen)」)、ベースラインからの絶対的変化および値(週16から週20までの変化を含む)、ベースライン後のすべての訪問での合計スコアおよび要因スコア(聴覚過敏があった場合)。
− 変化の臨床全般印象:いくらかの改善(値1、2、3) 対 改善なし(値4、5、6、7)および顕著な改善(値1、2) 対 顕著な改善なし(値3、4、5、6、7)で返答が分かれた後に、経過観察耳鳴問診の項目27を要約した。
− ベースライン後のすべての訪問でのHADS−Dの合計スコアならびにうつおよび不安副尺度スコア(ベースラインからの絶対的変化および値、また週16から週20までの変化)。
− ベースライン後のすべての訪問での耳鳴問診(初回および経過観察)の値;経過観察問診の項目8、9、10、19、20、21、24、25および26に関する、ベースラインからの絶対的変化および週16から週20までの変化。
データ分析
有効性分析はすべて、最終観測値による補完(last−observation−carried−forward)(LOCF)法を用いてITT個体群に対して実施した。鋭敏度に関する目的のため、治験実施計画書に適合した対象集団の分析および観察事例(observed cases)の分析を付加的に実施した。主要有効性の試験(確証試験)および副次有効性基準の試験(探索的)に用いるすべての統計検定、および探索的解析(exploratory analyses)に用いる他のすべての統計的検定は、5%の有意水準で行われる両側仮説検定であった。すべての変数について標準記述統計値(standard descriptive statistics)を計算した。
ベースライン(訪問2)から週16までのTBF−12の合計スコアの変化は、投与群および研究センターを要因とし、ベースラインのTBF−12合計スコアを共変量(covariate)とする、二元分散分析モデル(two−way ANCOVA model)を用いて分析した。
副次有効性パラメーター(secondary efficacy parameters)については、投与群および研究センターを要因とし、有効性パラメーターの対応ベースライン値を共変量とする二元分散分析を用いて、適切な場合、訪問によりネラメキサンとプラセボの間の比較を行った。
考察
この臨床研究では、有効性および安全性の面で有望な結果が示された。さらに、この研究では、表6に示した投与スケジュールの場合、75mg/日の用量であってさえ、有害事象(AE)に関係した脱落者の割合は許容できるものになることも例証された。これらの結果を表7に示す。
Figure 2014221766
こうした発見は、表6に示した投与スケジュールまたは以下の表8に示した提案投与スケジュールにおける投与スケジュールにより、体重が90kgまでの場合の50mg/日、または体重が≧90kgである患者の場合の75mg/日という体重に合わせた目標用量に、個別の用量調節を行うことができることを例証している。
Figure 2014221766
4週間の漸増パッケージを摂取した後、患者は、一日当たり50または75mgのネラメキサンメシラートの維持量を継続することができる。例えば、ネラメキサンによる治療を開始した患者は、4週間のスターターキット(starter kit)(すなわち、用量調節パッケージ)から始め、50または75mgの1日の維持量に到達するよう、体重に応じて25または37.5mgの錠剤を1日2回(b.i.d.)施すように切り替える。したがって、表8に示す提案投与スケジュールでは、週5に、2種類の異なる(例えば、体重に合わせた)維持量が可能である。
実施例2:耳鳴の治療に関するネラメキサンの二重盲検のプラセボ対照試験
この計画の目的は、臨床治験を実施して、耳鳴の治療薬としてのネラメキサンの有効性をさらに評価することである。この研究の主な目的は、初回発症、持続性、片側性または両側性の自覚的耳鳴の被験者において、ネラメキサンメシラートの有効性、耐容性および安全性を、プラセボと比較することである。
研究デザイン
二重盲検の多施設ランダム化のプラセボ対照の並行群間研究では、耳鳴に苦しむ被験者におけるネラメキサンの有効性を評価する。特定の試験対象患者基準を満たしかつ特定の試験対象除外基準をどれも満たさなかった患者を、二重盲検の投与群にランダムに分けた。
二重盲検の16週間の治療期間は、4週間の漸増期間と、変更なしの維持投与での12週間の一定用量治療期間とからなっている。しかし、耐容性が乏しい場合、研究者は、25mg/日だけ用量の低減を考慮できる。治療段階の後、積極的治療も、付随する治療制限もない4週間の経過観察期間がある。この研究は、合計7回の研究訪問(スクリーニング、ベースライン、ならびに週4、週8、週12、週16、および週20の終了時)を含んでいる。
各患者の評価のための計画的な訪問は以下のとおりである。
訪問1(スクリーニング):同意書に署名した後、被験者は理学的検査および臨床検査試験を受ける。患者の研究適格性は、試験対象患者基準/試験対象除外基準と照らし合わせることによって評価する。初回の耳鳴問診を実施する。被験者はまた、耳鳴障害質問表(Tinnitus−Beeintraechtigungs−Fragebogen)(TBF−12)(すなわち、25項目の耳鳴障害目録(25−item Tinnitus Handicap Inventory)またはTHI(非特許文献9;非特許文献10)の12項目ドイツ修正有効版(12−item German modified and validated version)(非特許文献11))、病院不安およびうつ尺度−うつ副尺度(Hospital Anxiety and Depression Scale−Depression Subscale)(HADS−D)質問表および聴覚過敏(聴覚過敏質問表(Geraeuschueberempfindlichkeit−Fragenbogen)(GUF))質問表(該当する場合)に記入する。
訪問2(ベースライン):被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その事象/変化が記録に残される。試験対象患者基準/試験対象除外基準の審査に基づいて、研究の適格性があるかどうかについて被験者を評価する。被験者に関して試験手順ならびに許される併用薬物と禁止の併用薬物を再検討する。初回の耳鳴問診を実施する。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入する。被験者はこの研究に登録され、研究薬(プラセボまたはネラメキサン)が下記のように投薬される。
訪問3(週4):この訪問は、一連の4週間の漸増の最後に行う。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その事象/変化が記録に残される。経過観察耳鳴問診を実施する。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入する。薬物治療の服薬遵守が評価され、次の4週間の薬が下記のように投薬される。
訪問4(週8):この訪問は、最初の一定用量二重盲検治療期間(4週間)の最後に行う。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その変化が記録に残される。ネラメキサンの投与前の濃度を測定するため、血液サンプルを採取する。経過観察耳鳴問診を実施する。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入する。薬物治療の服薬遵守が評価された。また、次の4週間の薬が下記のように投薬される。
訪問5(週12):この訪問は、2番目の一定用量二重盲検治療期間(4週間)の最後に行われる。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その変化が記録に残される。経過観察耳鳴問診を実施する。被験者はまた、TBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入する。薬物治療の服薬遵守が評価され、次の4週間の薬が下記のように投薬される。
訪問6(週16、治療の最後)。この訪問は、12週間の一定用量二重盲検治療期間の最後に行われる。被験者は、併用薬/病気の有害事象および変化について質問され、その変化が記録に残される。臨床検査評価を実施する。経過観察耳鳴問診を実施する。また被験者はTBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入した。純音聴力検査法(空気伝導)も実施する。
訪問7(週20):この訪問は、最後の研究薬の投与の後、4週間の経過観察期間の最後に行われる。被験者について、最後の訪問以降の有害事象の発生ならびに併用薬物の調査を実施する。経過観察耳鳴問診を実施し、被験者はTBF−12、HADS−D質問表およびGUF質問表(該当する場合)に記入する。
ネラメキサンの投与
ネラメキサンメシラートの放出調節錠剤(12.5mg、25mg、37.5mg、50mg、および75mg)およびそれに対応するプラセボ錠剤を、1日1回投与で投与する。
薬はブリスター箱で提供され、それらは訪問2から訪問5にかけて投薬される。各ブリスター箱には、4週間の治療用の4枚のブリスターカードおよび予備として1枚のブリスターカードが入っている。ブリスターカードは、治療の週で識別されている。ブリスターカード内の一日の薬は、一日ごとに識別されている。
研究薬は、訪問2のときに配られる(ベースライン、日0)。各患者は、二重盲検の研究薬の5枚のブリスターカード(1つの予備ブリスターを含む)が入れられている1つのブリスター箱を受け取る。投与計画を表9に示す。
Figure 2014221766
有効性
主要評価項目
− ベースライン(訪問2)から終了点の訪問(訪問6、すなわち週16)までのTBF−12の合計スコアの変化は、この研究における主要有効性評価項目である。
副次評価項目
− 終了点の訪問を除くベースライン後のすべての訪問でのTBF−12の合計スコア(ベースラインからの絶対的変化および値)。
− 週16から週20までのTBF−12の合計スコアの変化(値および絶対的変化)。
− ベースライン後のすべての訪問でのTBF−12の要因スコア(週16から週20までの変化を含む、ベースラインからの絶対的変化および値)。
− 聴覚過敏質問表GUF(「聴覚過敏質問表(Geraeuschueberempfindlichkeits−Fragebogen)」)、ベースラインからの絶対的変化および値(週16から週20の変化を含む)、ベースライン後のすべての訪問での合計スコアおよび要因スコア(聴覚過敏がある場合)。
− 変化の臨床全般印象:いくらかの改善(値1、2、3) 対 改善なし(値4、5、6、7)および顕著な改善(値1、2) 対 顕著な改善なし(値3、4、5、6、7)で返答が分かれた後に、経過観察耳鳴問診の項目27を要約する。
− ベースライン後のすべての訪問でのHADS−Dの合計スコアならびにうつおよび不安副尺度スコア(ベースラインからの絶対的変化および値、また週16から週20までの変化)。
− ベースライン後のすべての訪問での耳鳴問診(初回および経過観察)の値;経過観察問診の項目8、9、10、19、20、21、24、25および26に関する、ベースラインからの絶対的変化および週16から週20までの変化。
データ分析
有効性分析はすべて、最終観測値による補完(LOCF)法を用いてITT個体群に対して実施する。鋭敏度に関する目的のため、治験実施計画書に適合した対象集団の分析および観察事例の分析を付加的に実施する。主要有効性の試験(確証試験)および副次有効性基準の試験(探索的)に用いるすべての統計検定、および探索的解析に用いる他のすべての統計的検定は、5%の有意水準で行われる両側仮説検定である。すべての変数について標準記述統計値を計算する。
ベースライン(訪問2)から週15までのTBF−12の合計スコアの変化は、投与群および研究センターを要因とし、ベースラインのTBF−12の合計スコアを共変量とする二元分散分析モデルを用いて分析する。
副次有効性パラメーターについては、投与群および研究センターを要因とし、有効性パラメーターの対応ベースライン値を共変量とする二元分散分析を用いて、適切な場合、訪問によりネラメキサンとプラセボの間の比較を行う。
この臨床研究は、有効性および安全性の面での有望な結果をはっきり示している。
実施例3 聴覚損失の治療に関するネラメキサンの二重盲検のプラセボ対照パイロット試験
このパイロット計画の目的は、臨床治験を実施して、聴覚損失の治療薬としてのネラメキサンの有効性を評価することである。ネラメキサンによる治療を受ける様々な度合いの聴覚損失に苦しんでいる患者は、プラセボで治療される患者と比較して、主要項目(例えば、聴力しきい値のベースラインに対する変化)および副次項目(例えば、純音聴力図での種々の周波数でのベースラインに対する変化)の改善を示すことが期待されるであろう。聴力しきい値は、0.25、0.5、1、2および4kHzの試験周波数における純音聴力しきい値の平均と定義することができる。
研究デザイン
この研究の主な目的は、聴覚損失の治療における、75mgまでの一日量のネラメキサンメシラートの安全性および有効性を、プラセボと比較して調査することである。
ネラメキサンの投与
ネラメキサンメシラートが25mgである放出調節錠剤とそれに対応するプラセボ錠剤を、フィルムコート錠として投与する。
ネラメキサンメシラート(またはプラセボ)を漸増して最大一日量の75mgにするが、これは、最初の1週間は一日量を25mgとし、1週間ごとに25mgずつ薬用量を増やしていくようにして行う。
研究日1の晩に治療を開始する。一日の開始用量は、7日間にわたって就寝時に服用する用量当たり25mgのネラメキサンメシラートである。日8からは、さらに7日間にわたって一日のネラメキサンメシラート用量を50mgに増やす(1週間の間、晩に2錠)。日15から、患者に対してネラメキサンメシラートを75mgに漸増する。患者は、13週間にわたってネラメキサンを継続的に服用する(13週間、1日1回晩に3錠)。75mg/日に対して忍容性のない患者は、予定した治療期間全体の残りでは、ネラメキサンメシラートの用量を25mg〜50mgだけ減らすことができる。例えば、75mgの用量に対して忍容性のない患者は、50mgの用量に戻ることが可能である。その場合に患者は、予定された治療期間全体の残りの7週間は、50mgの用量にとどめるよう求められる。この投与計画を表10に示す。
Figure 2014221766
有効性
主要評価項目
− 0.25、0.5、1、2および4kHzでの純音聴力レベルのしきい値の平均として計算された左/右の耳の聴力レベルのベースラインからの変化(dB)。
副次評価項目
− 4、6、8、および10kHzでの純音聴力しきい値の平均として計算された左/右の耳の高周波聴力しきい値(high frequency hearing threshold)のベースラインからの変化(dB)。
− 純音聴力図(空気伝導)での個別の周波数(聴力しきい値)のベースラインからの変化。
− 応答者の数
− 11ポイント方式リカート尺度(11−point Likert−Scale)での患者による結果報告(0=聴力は問題なし、10=最高度に聴力の問題あり)
− 聴力しきい値に基づく聴覚障害の変化:
− 周波数聴覚損失(frequency hearing loss)なし <20dB
− 軽度の聴覚損失 20〜40dB
− 中程度の聴覚損失 >40〜70dB
− 重度の聴覚損失 >70〜95dB
− 深刻な聴覚損失 >95dB
データ分析
有効性分析はすべて、最終観測値による補完(LOCF)法を用いてITT個体群に対して実施する。鋭敏度に関する目的のため、治験実施計画書に適合した対象集団の分析および観察事例の分析を付加的に実施する。主要有効性の試験(確証試験)および副次有効性基準の試験(探索的)に用いるすべての統計検定、および探索的解析に用いられる他のすべての統計的検定は、5%の有意水準で行われる両側仮説検定である。すべての変数について標準記述統計値を計算する。
0.25、0.5、1、2および4kHzでの純音聴力レベルのしきい値の平均として計算される左/右の耳の聴力しきい値のベースライン(訪問2)から週16までの変化(dB)は、投与群および研究センターを要因とし、ベースライン聴力しきい値を共変量とした二元分散分析モデルを用いて分析する。
副次有効性パラメーターについては、投与群および研究センターを要因とし、有効性パラメーターの対応ベースライン値を共変量とする二元分散分析を用いて、適切な場合、訪問によりネラメキサンとプラセボの間の比較を行う。
ネラメキサン治療群は、プラセボ群と比べて、主要評価項目ならびに副次評価項目での改善をはっきり示している。
本発明の範囲に含まれる用量調節パッケージは、以下の実施例と併せるならよりよく理解できるであろう。以下の実施例は、例示を意図しているものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例4
図1〜4に示す用量調節パッケージは、2つの物理的に分かれた実体(以下、「カバー」および「インサート」と呼ぶ)を含む。カバーは図では示していない。外側カバーは、インサート(1)の上をスライドし、基本的にそれに適合する(すなわち、折りたたんだ状態のインサートの外のり寸法がカバーの内のり寸法と基本的に同じである)スリーブであってよい。インサート(1)は、カバーなしで提供することもできる。
カバーを使用する場合、インサートが完全に折りたたまれていて、用量調節パッケージが正しく閉じられているとき(図3を参照)には、インサート(1)は(完全に)カバーの内部に入る。
閉じられた状態では、パッケージおよび剤形(用量が異なっている)を含んでいるキットは、別個のリーフレット上の指示をさらに含むことができ、リーフレットはカバーとインサートとの間の空間にすべり込ませる。リーフレットは、インサート(1)またはカバーのどちらかに(部分的に)付着していてもよい。
図1に示すように、インサート(1)は、形状が「正方形」である平らな中心域(2)で構成されている。4つの長方形域(以下、「フラップ」と呼ぶ)(3)および(4)は、前記平らな中心域の4つの外側端部に結合している。正方形は、軟質の厚紙材料で作られていてよい。正方形自体は、更なる部分(特にブリスター穴)を含まない。製品情報をこの領域に刻印することができる。
図1および2に示されているインサート(1)を完全に広げた状態では、4つのフラップ(3)および(4)は正方形(2)に結合しており、正方形の4つの外側部(端部)のそれぞれの長さに沿って延びている。フラップは、正方形と同じ材料の2重層で作られていてよい。フラップは、以下にさらに詳細に説明されている、剤形を保持するためのブリスター穴を含む。
フラップ(3)、(4)はすべて、事前に折られた第1端部(上述した正方形の外側端部)に沿って折りたたむことができる。2つの向かい合ったフラップ(4)は、フラップ域の内側に第2端部(これも事前に折られている)を含む。2つのセットの向かい合ったフラップの端部間の距離がこのようにずれているので、フラップを折りたたむことができ、典型的には厚さが数mmであるブリスターが収納される(図2を参照)。図2に示すように、フラップ(3)を先に動かして(5)折りたたむとともに、フラップ(4)を動かして(6)フラップ(3)の上に折りたたむ。いったん折りたたまれると、フラップは互いに対して直角になり、一方のセットの2つ(4)が他方のセットの2つ(3)の上にきて、こうしてそれが突出することなく中心の正方形(2)を覆う(図3および4を参照)。
1つのフラップが3個以上(例えば、7個)のブリスター穴の1「行」または1「列」を、また残りのフラップが2「行」または2「列」をそれぞれ含む(ブリスターのどのラインが「行」と見られ、どれが「列」と見られるかは、インサートがどのように配向されているかによって異なる)(図1を参照)。
インサートが広げられた状態(図1および2)では、「行」および「列」は互いに接触しておらず、互いに明確に分けられている。
インサートには以下のようにラベルを付けることができる: 7つのブリスターからなる1つの行/列を含んでいるフラップは、週の番号示す(すなわち、「週1」)各フラップに印刷された1つのラベルを含み、7つのブリスターからなる2つの行/列を含んでいる残りのフラップはおのおの、週の番号を示す(すなわち、「週2」〜「週4」)各フラップに印刷された1つのラベルを含む。
連続した週を隣接したフラップに配列することができる(すなわち、「週1」のフラップを「週2」および「週4」のフラップのすぐ横に隣接させ、「週3」は正方形の向かい合わせの他方の辺に配置する)。
あるいはまた、連続した週は互いに向かい合ったペアとなるように配列される(すなわち、「週1」のフラップをそれぞれ「週3」および「週4」のフラップのすぐ横に隣接させ、「週2」を正方形の他方の辺に向かい合わせて配置させる)。
ブリスターの各行(1週)は、色を付けた背景バーに配置することができ、着色は用量が多くなるほど灰色/青色を濃くすることができる(すなわち、週1は灰色で、週4は濃青色)。各フラップは、各ブリスターの隣に、4週間の連続した日を示す日「1」〜「28」の範囲の、7つのしるしのセットを1つ含むこともできる。特に、1つのフラップは、「日1、2、3、4、5、6、7」のラベルが付いたブリスターを有し、次のフラップは、「日8、9、10、11、12、13、14」のラベルの付いたブリスターを有することができる。以下同様である(図1を参照)。前述のラベルは、フラップの内側および外側にあってもよい(図1および4を参照)。
各フラップの外側には、各フラップの外側の左下隅に、1−アミノ−アルキルシクロヘキサン(例えば、ネラメキサンメシラート)のそれぞれの用量を表す値のラベルを付けることもできる。
実施例5
図5および6に示されている用量調節パッケージは、基本的に、2つ以上(例えば、4つ)の折り畳み可能区画(11)〜(14)(すなわち、この場合、1箱当たり7個または14個のブリスター穴を含んでいる長方形の箱)の「行列」からなるインサート(10)を含んでいる。区画は、例えば、柔軟な紙のような材料で作られたヒンジ型の接合材(joints)(15)で連結されている。
行列の区画/箱(11)〜(14)は、前の実施例で説明したフラップ(3)および(4)と似たような大きさである。
4つの区画(箱)が、区画の「行列」を形成している。すなわち、第1区画は、第2区画に折り畳み可能に接続されており、第2区画は第3区画に折り畳み可能に接続されており、第3区画は第4区画に折り畳み可能に接続されている(図5および6を参照)。
完全に広げた状態(図5)では、4つの区画は互いに同一平面にある。
完全に折りたたんだ状態では、4つの箱/区画は一方が他方の上にきて、個々の区画と同じ長さおよび幅の長方形の箱を形成する。
中間状態では、2つの隣接した区画の間の接続(「ヒンジ」)が柔軟であるため、4つの箱/区画は、収縮または伸張の度合いが様々な「M」の形を形成する(図6を参照)。任意選択で、結合リーフレット(15)に関連情報を記載してもよい。
各区画には、ラベルを付けて週(「週1」〜「週4」の範囲)、用量、および曜日を示すことができる。
さらに、セット間での薬用量の増加は、7個のブリスターを際立たせる背景着色バーによって示すことができ、その色の濃さは、最も左側の(「週1」)区画から最も右側の区画(「週4」)に向かって濃くなる。
実施例6
図7に示す用量調節パッケージは、4つのセクションに分割されている長方形バッキングを含む。各セクションは、7個のブリスター穴(1行)または14個のブリスター穴(7つからなる行が2つ)から構成される。
各セクションには、ラベルを付けて週(「週1」〜「週4」の範囲)、用量、および曜日を示すことができる。
実施例7
図8に示す用量調節パッケージは、4つのセクションに分割されている円形バッキングを含む。各セクションは、7個のブリスター穴(1行)または14個のブリスター穴(7つからなる行が2つ)から構成される。
各セクションには、ラベルを付けて週(「週1」〜「週4」の範囲)、用量、および曜日を示すことができる。
実施例8
図9に示す用量調節パッケージは、例えば、柔軟な紙のような材料で作られている折り畳み可能なバッキングを含み、このバッキングは4つの区画に分割されている。第1区画は第2区画に折り畳み可能に接続されており、第2区画は第3区画に折り畳み可能に接続されており、第3区画は第4区画に折り畳み可能に接続されている。
各区画は、7個のブリスター穴(1行)または14個のブリスター穴(7つからなる行が2つ)から構成される。
各区画には、ラベルを付けて週(「週1」〜「週4」の範囲)、用量、および曜日を示すことができる。
本発明は、本明細書に記載の特定の実施態様によって範囲が限定されるものではない。実際、本明細書に記載のものに加えて本発明の様々な変更態様が、前述の記載から当業者にとって明らかであろう。そのような変更態様は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
本明細書に引用されている特許、出願、刊行物、試験法、文献、および他の資料はすべて、本明細書に援用する。

Claims (18)

  1. 迅速かつ安全に有効量に到達させる用量調節方式で投与される、内耳障害を治療するための1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体。
  2. 内耳障害の治療のための薬剤の製造への1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体の使用であって、迅速かつ安全に有効量に到達させる用量調節方式で前記薬剤が投与される、誘導体の使用。
  3. 前記用量調節方式が4〜5週間の期間にわたって1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を漸増することを含む、請求項1または2に記載の誘導体/使用。
  4. 前記用量調節方式が、5〜150mg/日の有効量に到達するように4〜5週間の期間にわたって、または50〜75mg/日の有効量に到達するように4〜5週間の期間にわたって1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を漸増することを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘導体/使用。
  5. 前記用量調節方式が、1週間ごとに25mgまたは12.5mgずつ薬用量を増やして1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を漸増することを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の誘導体/使用。
  6. 前記1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体がネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の誘導体/使用。
  7. 前記用量調節方式が、50mg/日の有効量に到達するように4週間の期間にわたってネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩を漸増することを含む、請求項6に記載の誘導体/使用。
  8. ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩を、第1週には、1日に1回で12.5mg/日の用量であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgであるというスケジュールに従って投与する、請求項6または7に記載の誘導体/使用。
  9. ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩を、第1週には、1日に1回で用量が25mg/日であり、第2週には、1日に1回で用量が50mg/日であり、そして、任意選択で、第3週には、1日に1回で用量が75mg/日であるというスケジュールに従って投与する、請求項6に記載の誘導体/使用。
  10. 前記用量調節方式が、75mg/日の有効量に到達するように5週間の期間にわたってネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩を漸増することを含む、請求項6に記載の誘導体/使用。
  11. ネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩を、第1週には、1日に1回で用量が12.5mg/日であり、第2週には、1日に2回で各用量が12.5mgであり、第3週には、1日に2回で一方の用量が12.5mg、他方の用量が25mgであり、第4週には、1日に2回で各用量が25mgであり、第5週には、1日に2回で各用量が37.5mgであるというスケジュールに従って投与する、請求項6または10に記載の誘導体/使用。
  12. 混合用量を投与する週に、濃度が高いほうの用量を一日の2回目の用量として投与する、請求項8または11に記載の誘導体/使用。
  13. ネラメキサンの前記薬学的に許容される塩がネラメキサンメシラートである、請求項6〜12のいずれか一項に記載の誘導体/使用。
  14. 前記内耳障害が、耳鳴、回転性めまい、聴覚損失、慢性耳痛、外リンパ瘻、二次的内リンパ腫、内耳炎および前庭神経炎、聴神経腫、聴器毒性、自己免疫内耳疾患(AIED)およびメニエル病の中から選択される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の誘導体/使用。
  15. 少なくとも2種類の異なる薬用量で1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を提供するための用量調節パッケージ。
  16. 1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体を少なくとも2種類の異なる薬用量で含む用量調節パッケージであって、前記用量調節パッケージが少なくとも2セットの同様の薬用量の剤形を含み、各セットが少なくとも3つの個別に場所指定可能な領域を含み、各場所指定可能領域が前記1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体(錠剤の形態を含む)を含むかまたはそれによって表される、請求項15に記載の用量調節パッケージ。
  17. 前記1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体がネラメキサンまたはその薬学的に許容される塩から選択される、請求項15または16に記載の用量調節パッケージ。
  18. 前記1−アミノ−アルキルシクロヘキサン誘導体がネラメキサンメシラートである、請求項17に記載の用量調節パッケージ。
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