JP2014026273A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】両面印字機構を有する高速定着プロセスでも良好な定着性を有し、定着後の搬送工程を経ても安定したトナー画像を維持し、薄紙でも定着ローラーへの巻き付きが発生しないトナーの提供。
【解決手段】ポリエステル樹脂A及びB、着色剤、及び樹脂組成物Cを有するトナー粒子を有するトナーにおいて、該樹脂Aは、ポリエステル分子鎖の末端に結晶核剤が結合し、ポリエステル分子鎖は、結晶構造をとりうる部位を有し、該樹脂Bは結晶構造をとりうる部位を有さない樹脂であり、該組成物Cはビニル系樹脂成分とポリオレフィン樹脂成分とが共重合した樹脂組成物であり、該樹脂AのSP値Saが9.0以上12.5以下であり、該結晶核剤のSP値Scと該ポリオレフィン樹脂成分のSP値Sd、該Sdと該ビニル系樹脂成分のSP値Se、該Saと該樹脂BのSP値Sbが各々特定な関係式(1)(2)(3)を満たすことを特徴とするトナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電荷像を顕像化するための画像形成方法及びトナージェットに使用されるトナーに関する。
一般的な電子写真法は、像担持体(感光体)上に潜像を形成し、該潜像にトナーを供給して可視像化し、紙などの転写材にトナー画像を転写した後に、熱/圧力により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得る方法が知られている。
電子写真装置の省電力化、ウェイトタイムの短縮化のために、定着装置として、熱容量の小さいセラミックヒーターとフィルムを組み合わせたオンデマンド方式の定着装置が実用化されてきている。
このような定着装置では、長寿命化及び多様なメディア対応の観点から、定着装置の定着ニップ内圧力を低減させる試みがなされている。
また近年のプリントスピード高速化に伴い、トナーと紙などのメディアが定着装置のニップ内を通過する時間は年々短くなってきている。
また、ユーザーの省エネルギー意識の高まりにより、薄紙への両面印刷による出力が増加している状況がある。
さらに、近年、デジタルカメラ、携帯端末等によって取り込まれた画像データやポスター等、印字比率の高いグラフィック画像をユーザーがレーザープリンター(LBP)などの画像形成装置を用いて出力する機会が増加している。
このような背景から、薄紙を用いた両面画像形成において、早い画像形成速度で、しかも定着ニップにおける圧力を低くしても、対応できるトナーが求められている。
このような要求に対応するには、従来以上のトナーの低温定着化が必要である。低温定着性の改善を狙う技術として、結着樹脂として、非晶性樹脂だけでなく、結晶性樹脂を使用するという提案が数多くされている。
結晶性樹脂は、ガラス転移温度付近で急激に溶融し、非晶性樹脂との相溶性を高める事で、低温定着性が改良できることが知られている(例えば特許文献1)。
また、結晶性樹脂を使用し低温定着性を狙い且つ、離型剤の分散効果を狙い、ポリオレフィン樹脂とビニル共重合体のグラフト共重合体を含有させたトナー(例えば特許文献2)が提案されている。
しかしながら、結晶性樹脂と非晶性樹脂の相溶性が高すぎると、かえってトナーの耐熱保存性や結晶性が低下するという課題が挙げられる。
逆に非晶性樹脂と結晶性樹脂の相溶性を低くすると結晶性樹脂の結晶は形成され易くなる傾向にあるが、融点以上においても両者は相溶し難いため、特に定着時間が短い場合や、ニップ内圧力が低い場合、低温定着性を改善することは困難であった。
この課題に対し、トナーの製造工程に、特定の温度で加熱処理する工程を付加し、結晶性樹脂の再結晶化を促進させる技術が開示されている(特許文献3)。
確かにこれにより、高い結晶化度を有する結晶性樹脂を含有するトナーが得られ、耐熱保存性に優れたトナーを得ることができる。
しかしながら、定着工程においてトナーを一旦溶融させると、結晶性樹脂と非晶性樹脂とが相溶してしまい、冷却されても結晶性樹脂と非晶性樹脂とに相分離された状態には戻らない。そのため、高温高湿環境下に、定着後のトナー画像が形成された転写紙を、重ねた状態や他の部材と接触させた状態で放置した際に、トナー画像が接触する転写紙や部材に貼りついてしまうことがあった。
それに対して、トナー中に結晶核剤を添加することによって、結晶性樹脂の結晶化を促進する手法が提案されている。
このような結晶核剤としては、シリカなどの微粒子の無機系結晶核剤(例えば特許文献4)と、安息香酸金属塩や脂肪酸アミドなどの有機系結晶核剤(例えば特許文献5)が提案されている。
しかし、シリカなどの無機系結晶核剤は、その処方量が多いとフィラー効果を発現し、トナーの溶融粘度を高めるため、低温定着性を阻害する事がある。また、無機系結晶核剤は帯電特性に影響する場合が多く、帯電性の制御が困難となる場合が多い。
一方、有機系核剤は、安息香酸金属塩や脂肪酸金属塩など低分子化合物である事が多い。こういった結晶核剤は、トナー表面へ偏析してしまいやすく、結晶核剤としての効果が不十分となり、トナーの保存性が低下したり、トナー画像の保存安定性が低下してしまうことがあった。また、定着後、一部結晶が再結晶化したとしても不完全な結晶状態となっているため、長期放置すると、結晶部分と相溶部分が相分離し、結晶部分の体積収縮によって、定着画像のカールが発生する場合があった。
このように、低温定着性能と定着画像の長期保存安定性の両立のための技術的課題は非常に多く、未だ改良の余地があった。
特開2010−102058号公報 特開2011−138120号公報 特開2010−152102号公報 特開2007−033773号公報 特開2006−113473号公報
本発明の目的は上記問題点を解消したトナーを提供することである。
具体的には、本発明の目的は、低温定着性能と定着画像の長期保存安定性とが両立したトナーを提供することに有る。
また、本発明の目的は、定着ニップ内圧力が低く、両面印字機構を有する高速定着プロセスにより画像形成した場合においても、保存性に優れた定着トナー画像を得ることができるトナーを提供することに有る。
本発明は、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B、着色剤、及び樹脂組成物Cを含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、
(1)該ポリエステル樹脂Aは、結晶構造をとりうる部位を有するポリエステル部と、結晶核剤部とを有し、該ポリエステル部の末端に結晶核剤部が結合しており、
(2)該ポリエステル樹脂Bは、結晶構造をとりうる部位を有さない樹脂であり、
(3)該樹脂組成物Cは、ビニル系樹脂成分とポリオレフィン樹脂成分とが結合した樹脂組成物であり、
該ポリエステル樹脂Aにおける該ポリエステル部のSP値をSa((cal/cm1/2)、該ポリエステル樹脂BのSP値をSb((cal/cm1/2)、該ポリエステル樹脂Aにおける結晶核剤部のSP値をSc((cal/cm1/2)、該ポリオレフィン樹脂成分のSP値をSd((cal/cm1/2)、該ビニル系樹脂成分のSP値をSe((cal/cm1/2)としたとき、該Sa、該Sb、該Sc、該Sd及び該Seが、以下の関係を満たすことを特徴とする。
9.0≦Sa≦12.5
0≦|Sc−Sd|≦1.8
2.6≦Se−Sd≦4.6
−2.0≦Sb−Sa≦0.8
本発明によると、低温定着性能と定着画像の長期保存安定性とが両立したトナーを提供することができる。
また、本発明よると、定着ニップ内圧力が低く、両面印字機構を有する高速定着プロセスにより画像形成した場合においても、保存性に優れた定着トナー画像を得ることができるトナーを提供することができる。
搬送ローラーの一例を示す模式図である。 本発明のポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B、および樹脂組成物CのSP値に関する模式図である。 本発明のポリエステル樹脂Aおよび樹脂組成物Cの相溶状態を示す図である。 本発明における光沢度均一性評価を説明する図である。
グラフィック画像のようにトナー載り量の多い画像を薄紙に両面印刷で高速且つ、低圧で定着するためには、画像上層のトナーと下層のトナーとが瞬時に溶融し、定着する必要がある。そのため、トナーとしてはシャープメルト性が要求される。
一般的にシャープメルト性を向上させるためには、結晶性の高い材料が使用されるが、その中でも、近年結晶性ポリエステルが盛んに使用されるようになってきた。
しかしながら、結晶性を維持するために、様々な手段が提案されているが、上述したような所望の定着性と長期保存安定性を達成するためには、未だ改良が必要な状況にある。そこで、本発明者らは、結晶構造をとりうる部位を有するポリエステル樹脂と、結晶構造をとりうる部位を有さない樹脂と、ビニル系樹脂成分とポリオレフィン樹脂成分とが結合した樹脂組成物の3者を含み、それら成分のSP値が制御されたトナーとすることで、低温定着性と高速両面印刷を行った際の画像保存性の改善を可能とした。
以下に詳細を説明する。
ポリエステル樹脂Aは、融点以上の温度に加熱されることによって、ポリエステル樹脂Bと相溶し、可塑化効果を発揮する。この場合、トナーのガラス転移温度(Tg)は大幅に低下し、低温定着性が改善される。つまり、定着時には、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとが、相溶することが重要である。
一方、室温でポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとが相溶状態となると、トナーの耐熱保存性が低下してしまう。そのため、室温においては、両者は相分離構造をとっており、結晶性の成分が高い結晶化度を有していることが重要となる。結晶性の成分が高い結晶化度を有していることが重要なのは、画像形成に供される前の保存時だけでなく、画像形成後のトナー画像として保存される時も同様である。
従って、本発明のトナーは、画像形成に供される前には、トナーはポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとが相分離構造を有するが、定着温度においては、両者は相溶状態となり、また、定着後は速やかに相分離構造へ戻る可逆的相転移構造をとることが特徴である。
つまり本発明のトナーは、高温での相溶状態と室温での相分離状態との間の状態変化が、極めて速やかにおこることを特徴とする。
そのためには、トナーが、
i)結晶構造をとりうる部位を有するポリエステル部と、結晶核剤部とを有し、該ポリエステル部の末端に結晶核剤部が結合したポリエステル樹脂Aを含有すること、
ii)結晶構造をとりうる部位を有さないポリエステル樹脂Bを含有すること、
iii)ビニル系樹脂成分とポリオレフィン樹脂成分とが結合した樹脂組成物を含有すること、
iv)それら成分のSP値を制御すること、が重要となる。
ポリエステル樹脂Aが高い結晶化度を有するためには、ポリエステル樹脂Aにおけるポリエステル部のSP値Sa((cal/cm1/2)が9.0以上12.5以下であることが必要である。好ましくは9.7以上10.7以下である。該Saが低いということは、ポリエステル部を構成する脂肪族カルボン酸及び/又は脂肪族アルコールの炭素数が多いことを示す。
高い結晶化度を得るためには、炭素数が多い程、つまり、SP値が低い程好ましいが、SP値が低過ぎると、定着温度域でのポリエステル樹脂Bとの相溶性が低下する傾向があるため、Saとして9.0以上であることが求められる。
一方、12.5よりも大きい場合には、ポリエステル樹脂Bとの相溶が過度となり、定着トナー画像の保存性が低下する。また薄紙を用いて、両面印刷した場合、加熱された定着後のトナーが部材に付着したり、巻き付くなどの機内弊害を発生しやすくなる。
定着画像上のトナーが相溶状態で存在すると、画像上のトナーのTgが低くなり、高温環境においては、やや画像上のトナーの溶融粘度が低下する。その結果、上記のような弊害が発生しやすくなると考えられる。
なお、本件で用いているSP値は一般的に用いられているFedorsの方法[Poly.Eng.Sci.,14(2)147 (1974)]を用い、樹脂を構成するモノマーの種類と比率から算出した。
次に、本発明のトナーを用いて形成されたトナー像が優れた保存安定性を有することについて説明する。
定着工程において、定着ニップを通過したトナーは、急速に温度が下がる。
結晶性を有するポリエステル樹脂Aと、ポリエステル樹脂Bを含有するだけでは、急速に温度が低下したトナー中に相溶部分が残存するようになり、トナー表面に柔らかい部分が存在することとなる。そのため、保存時に、トナー像表面に接触する転写材にトナー像が貼り付いたり、搬送ローラー100(図1)と言ったトナー像と当接する部材へのトナー付着が発生したりする。
本発明では、ポリエステル樹脂Aは、ポリエステル部の末端に、高結晶性を促す結晶核剤部を有する。この結晶核剤部が、トナー中に存在する樹脂組成物C中のポリオレフィン樹脂成分と相互作用することで、急速に温度が下がる時には、結晶核剤部の結晶化(冷結晶化)が進む。これに伴い、ポリエステル樹脂Aが有するポリステル部再結晶も起こる。これにより、保存安定性が高まり、トナー像表面に接触する転写材や周辺部材へのトナー付着の発生が抑制される。
一般的に結晶部位は、結晶核ができた後、結晶が成長することでできる。結晶核剤をポリエステル分子鎖の末端に結合させることで、直接、結晶構造をとりうる部位(即ち、ポリエステル樹脂Aにおけるポリエステル部である。以下、“部位a”とも記す)の結晶成長を促すことができ、結晶化速度をこれまで以上に高めることができる。
ポリエステル部に結晶核剤が結合していない場合には、直接、部位aの結晶化を促すことができないため、結晶成長の速度が遅く、トナーが可逆的に相転移することができなくなる。また、結晶核剤は一般的に低分子体であるため、トナー表面に析出しやすく、トナーの耐熱保存性を低下する可能性がある。
結晶核剤部を形成する結晶核剤としては、部位aよりも結晶化速度が速い化合物であれば特に制限されるものではない。但し、結晶化速度が速いという観点で、主鎖が炭化水素系部位を含んでなり、ポリエステル部の末端と反応しうる1価以上の官能基を有する化合物であることが好ましい。
より結晶化速度を高め易い点で、結晶核剤は、炭化水素系部位が直鎖状であり、官能基が1価の化合物が好ましい。また結晶核剤と樹脂Aの樹脂末端の反応性が高まる点で、結晶核剤の分子量は100〜10,000であることが好ましく、150〜5,000であることがより好ましい。
結晶核剤としては、特に制限されないが、炭素数10以上30以下の脂肪族カルボン酸及び/または炭素数10以上30以下の脂肪族アルコールに由来する部位であることが好ましい。これは一定数以上の炭素数を有する事で、結晶核剤の結晶化度が高くなるため好ましい。また、ポリエステル樹脂Aの部位aよりも分子運動性が高いため、結晶核としての結晶化速度を上げる観点でも好ましい形態である。
結晶核剤の添加量は結晶化速度を上げるという観点から、ポリエステル樹脂A中のポリエステル部を構成する原料モノマー100mol部に対し、0.1mol部以上、7.0mol部以下含有することが好ましい。より好ましくは、0.2mol部以上、5.0mol部以下である。
結晶核剤がポリエステル部と結合しているか否かは、以下の分析によって判別した。
樹脂サンプルを2mg精秤しクロロホルム2mlを加えて溶解させてサンプル溶液を作成した。樹脂サンプルとしてはトナーの原料であるポリエステル樹脂Aを用いるが、ポリエステル樹脂Aが入手困難な場合には、ポリエステル樹脂Aを含有するトナーを代用することも可能である。
次に2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHBA)20mg精秤し、クロロホルム1mlを添加して溶解させてマトリックス溶液を調製した。
そしてトリフルオロ酢酸Na(NaTFA)3mgを精秤した後、アセトンを1ml添加して溶解させてイオン化助剤溶液を調製した。
このようにして調製したサンプル溶液25μl、マトリックス溶液50μl、イオン化助剤溶液5μlを混合してMALDI分析用のサンプルプレートに滴下させ、乾燥させることで測定サンプルとした。
分析機器として、MALDI−TOFMS(Bruker Daltonics製 ReflexIII)を用い、マススペクトルを得た。
得られたマススペクトルにおいて、オリゴマー領域(m/Zが2000以下)の各ピークの帰属を行い、分子末端に結晶核剤が結合した組成に対応するピークが存在するか否かを確認することで、ポリエステル部の分子末端と結晶核剤が結合しているかどうか判別した。
この、ポリエステル樹脂Aの結晶化度を高めるためには、上記結晶核剤に加え、他の成分、及び、各成分におけるSP値の制御が必要である。それを詳細に説明する。
図2に、ポリエステル樹脂A1、ポリエステル樹脂B2、および樹脂組成物C3のSP値に関する模式図を示す。また、各樹脂成分のSP値は、以下の関係を満たす。
0≦|Sc−Sd|≦1.8
2.6≦Se−Sd≦4.6
−2.0≦Sb−Sa≦0.8
上記式における、各SP値は、以下の成分のSP値を意味する。
Sa:ポリエステル樹脂Aにおけるポリエステル部のSP値((cal/cm1/2
Sb:ポリエステル樹脂BのSP値((cal/cm1/2
Sc:ポリエステル樹脂Aにおける結晶核剤部のSP値((cal/cm1/2
Sd:樹脂組成物C中のポリオレフィン樹脂成分のSP値((cal/cm1/2
Se:樹脂組成物C中のビニル系樹脂成分のSP値((cal/cm1/2
以下に、式(1)から式(3)について、詳細に述べる。
ポリエステル樹脂A1を再結晶急速完結させるには、ポリエステル部(符号1)の末端にある結晶核剤部(符号4)と樹脂組成物C中のポリオレフィン樹脂成分(符号5)のSP値が近いことが最も重要である。SP値が近い、二つの物質は、加熱され、相溶状態にあるときに、近くに集まり、ポリオレフィン樹脂成分の周りに、結晶核剤部が配向し、それに伴い結晶核剤部と結合するポリエステル部も配向すると考えられる(図3参照)。
加えて、急速に冷やされた時には、ポリエステル樹脂Aの末端にあるポリエステル部は、結晶核剤部の結晶化促進作用を強く受けるため、ポリエステル樹脂Aの再結晶が促進される。これを達成するには、結晶核剤部のSP値Scとポリオレフィン樹脂成分のSP値Sdには以下の関係を満たすことが求められる。
0≦ | Sc−Sd| ≦1.8
更には、
0≦ | Sc−Sd| ≦1.6
を満たすことが好ましい。
1.8よりも大きい場合、溶融状態にあるとき、該結晶核剤部とポリオレフィン樹脂部との間に、ポリエステル樹脂Bが入り込み、図3の様な集合体が形成できず、結晶核剤部が、ポリエステル樹脂の再結晶を十分に促すことが出来なくなる場合がある。
さらに、ポリエステル樹脂Aの急速な再結晶化を発現させるのに必要な要件について説明する。
樹脂組成物Cは、ビニル系樹脂成分(符号6)とポリオレフィン樹脂成分(符号5)とが結合した樹脂組成物であり(図3参照)、ビニル系樹脂成分とポリオレフィン樹脂成分とのSP値の関係は下記の通りである。
2.6≦Se−Sd≦4.6
より好ましくは、3.0≦Se−Sd≦4.3である。
これは、樹脂組成物C中のポリオレフィン樹脂部とビニル系樹脂成分のSP値の差が大きい事を示している。つまり、ビニル系樹脂成分のSP値Seが、Sdよりも大きいことで、熱溶融時にビニル系樹脂成分付近には、ポリエステル樹脂Bが近くに集まりやすくなると考えられる。
これにより、熱溶融時に、樹脂組成物C中のポリオレフィン樹脂部と、ポリエステル樹脂Aの末端にある結晶核剤部とは向き合いやすくなる。
SP値の差が2.6より小さい場合は、高速プロセスで、薄紙両面印刷した場合、加熱された定着後のトナーが搬送部材に付着し、画像弊害を発生しやすくなり、好ましくない。
これは、定着画像上のトナーが、十分に再結晶化しない状態で冷却されたため、部分的に残った、相溶部が搬送部材に付着し、画像弊害を発生するものと思われる。
SP値の差が4.6より大きい場合も、高速プロセスで、薄紙両面印刷した場合、加熱された定着後のトナーが搬送部材に付着し、画像弊害を発生しやすくなり、好ましくない。これは、ポリエステル樹脂Bとの差が大きくなり過ぎてしまい、熱溶融時に樹脂組成物Cが、他の樹脂成分(ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B)と分離してしまい、ポリエステル樹脂Aと樹脂組成物C中のポリオレフィン樹脂部との相互作用がなくなるためと思われる。
また、樹脂組成物Cは、該トナー中にトナーの質量基準として0.5質量%以上15質量%以下含有されていることが好ましい。
以下に、樹脂組成物Cの詳細な説明を行う。
樹脂組成物Cは、ポリオレフィン樹脂(X)とビニル系樹脂(Y)とが結合したものである。
ポリオレフィン樹脂(X)の軟化点は、通常80〜170℃であり、好ましくは90〜160℃であり、さらに好ましくは100〜155℃である。軟化点が80℃を超えるとトナーの流動性が良好となり、170℃未満で充分な離型効果を発揮する。
ポリオレフィン樹脂(X)の溶融粘度は、160℃において通常2〜10000mPa・sであり、好ましくは3〜7000mPa・s、さらに好ましくは5〜4500mPa・sである。
定着部材などへの付着を回避する観点から、ポリオレフィン樹脂(X)は、数平均分子量500〜20000、重量平均分子量800〜100000であることが好ましく、数平均分子量1000〜15000、重量平均分子量1500〜60000がより好ましく、さらに好ましくは、数平均分子量1500〜10000、重量平均分子量2000〜30000である。
ビニル系樹脂(Y)のSP値としては通常10.6〜12.6(cal/cm1/2、好ましくは10.6〜12.0(cal/cm1/2である。ビニル系樹脂としては、(a)単独重合体のSP値が10.6〜12.6(cal/cm1/2であるビニル系モノマー(A)の単独重合体でもよいが、(b)単独重合体のSP値が11.0〜18.0であるビニル系モノマー(A)と単独重合体のSP値が8.0〜11.0(cal/cm1/2であるモノマー(B)との共重合体であることがより好ましい。
ビニル系モノマー(A)としては、不飽和ニトリル系モノマー(A1)、α,β−不飽和カルボン酸類(A2)が挙げられる。
不飽和ニトリル系モノマー(A1)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアノスチレンなどが挙げられる。これらのうち好ましいのはアクリロニトリル、メタクリロニトリルである。α,β−不飽和カルボン酸類(A2)としては、不飽和カルボン酸類およびその無水物[アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびその無水物など]、不飽和ジカルボン酸モノエステル類[マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、イタコン酸モノメチルなど]などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、アクリル酸、メタクリル酸、不飽和ジカルボン酸モノエステル類であり、特に好ましいのはアクリル酸、メタクリル酸およびマレイン酸モノエステル[マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル]である。
モノマー(B)としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、フェニルスチレン、ベンジルスチレンなどのスチレン系モノマー];メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル;酢酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;、ビニルメチルエーテルの如きビニルエーテル系モノマー;塩化ビニルの如きハロゲン元素含有ビニル系モノマー;ブタジエン、イソブチレン等のジエン系モノマーおよびこれらの併用が挙げられる。これのうち好ましいものはスチレン系モノマー、不飽和カルボン酸アルキルエステルおよびその併用であり、特に好ましいのは、スチレンおよびスチレンとアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルの併用である。
ビニル系樹脂の分子量は、数平均分子量1500〜100000、重量平均分子量5000〜200000であることが好ましく、より好ましくは数平均分子量2500〜50000、重量平均分子量6000〜100000であり、特に好ましくは数平均分子量2800〜20000、重量平均分子量7000〜50000である。
ビニル系樹脂のTg(ガラス転移点)は、40〜90℃であることが好ましく、より好ましいのは45〜80℃、特に好ましいのは50〜70℃である。Tgが40℃以上で保存性が良好となり、90℃以下の場合低温定着性が良好になる。
樹脂組成物Cの質量を基準として、ポリオレフィン樹脂(X)が1〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜80質量%である。
本発明の樹脂組成物Cにおけるポリオレフィン樹脂(X)、ビニル系樹脂(Y)の具体的な組み合わせを以下に例示する。
(1) (X):酸化型ポリプロピレン
(Y):スチレン/アクリロニトリル共重合体
(2) (X):ポリエチレン/ポリプロピレン混合物
(Y):スチレン/アクリロニトリル共重合体
(3) (X):エチレン/プロピレン共重合体
(Y):スチレン/アクリル酸/アクリル酸ブチル共重合体
(4) (X):ポリプロピレン
(Y):スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸ブチル/マレイン酸モノブチル共重合体
(5) (X):マレイン酸変性ポリプロピレン
(Y):スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸/アクリル酸ブチル共重合体
(6) (X):マレイン酸変性ポリプロピレン
(Y):スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸/アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体
(7) (X):ポリエチレン/マレイン酸変性ポリプロピレン混合物
(Y):アクリロニトリル/アクリル酸ブチル/スチレン/マレイン酸モノブチル共重合体
樹脂組成物Cの製法を例示すると、例えば、ポリオレフィン樹脂(X)をトルエン、キシレン等の溶剤に溶解または分散させ、100℃〜200℃に加熱した後、ビニル系モノマー(A)またはビニル系モノマー(A)とモノマー(B)の混合物をパーオキサイド系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、ターシャリブチルパーオキシドベンゾエート等)とともに滴下重合後、溶剤を留去することにより本発明の樹脂組成物が得られる。
上記重合体混合物の溶液を合成するために用いるパーオキサイド系開始剤の量は生成した重合体混合物の質量に基づいて通常0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%である。
さらに、ポリエステル樹脂Aの急速な再結晶化を発現させるのに必要な要件について説明する。
ポリエステル樹脂Aにおけるポリエステル部のSP値Saとポリエステル樹脂BのSP値Sbが下記の関係を満たすことが必要である。
−2.0≦Sb−Sa≦0.8
尚、好ましくは、
−1.8≦Sb−Sa≦0.7
を満たすことである。
これは、ポリエステル樹脂Aのポリエステル部とポリエステル樹脂Bとの熱溶融時の相溶しやすさ、及び室温時の相分離しやすさを示した指標である。
結晶核剤がポリエステル樹脂Aを構成するポリエステル部の末端に結合していたとしても、この式(3)の関係を満足しない場合は、可逆的相転移構造をとれない。
SP値(溶解度パラメーター)は従来から、樹脂間及び樹脂とワックスとの混ざりやすさなどを示す指標として用いられている。
SP値の差が−2.0未満の場合は、薄紙で、両面印刷した場合、加熱された定着後のトナーが部材に付着したり、巻き付くなどの機内弊害を発生することがあり好ましくない。これは、温度が低下する際に、定着画像上のトナーが十分に再結晶化しないためと思われる。
SP値の差が0.8よりも大きい場合には、ポリエステル樹脂Aにおけるポリエステル部とポリエステル樹脂Bとが定着時に相分離を生じる傾向になることを示す。その結果、低温定着性が低下し、例えば、低い定着圧力で定着するような構成では、良好な定着が困難となる。一般的に定着性は、熱と圧力に大きな影響を受けるとされている。
さらに、ポリエステル樹脂Aの急速な再結晶化を発現させるのに必要な要件について説明する。
本発明のトナーにおいては、以下の関係を満たすことが好ましい。
|Sd−Sc|<|Sd−Sa|
これは、先述した、図3の状態をつくる上で、必要となる条件である。ポリエステル樹脂Aと樹脂組成物C中のポリオレフィン樹脂成分のSP値の差よりも、結晶核剤と樹脂組成物C中のポリオレフィン樹脂成分のSP値の差の方が小さいため、結晶核剤が、該ポリオレフィン樹脂部に集まり安くなると考えられる。
上記の関係が逆になった場合、樹脂組成物Cのポリオレフィン樹脂部に、ポリエステル樹脂Aが集まりやすくなり、結晶核剤の存在密度が疎になるため、再結晶速度が遅くなり、画像弊害を発生する場合があると考えられる。
また、ポリエステル樹脂BのSP値Sb((cal/cm1/2)が、10.0以上12.5以下であることが好ましい。
さらに、ポリエステル樹脂Aの急速な再結晶化が発現できている現象は融解熱量を観察することで確認した。本発明における融解熱量ΔH(J/g)は昇温速度100℃/分にて180℃まで一旦昇温して(1周目)トナーを溶融させた後、降温速度100℃/分にて−10℃まで冷却して固化させ、再び昇温速度100℃/分にて180℃まで昇温した(2周目)際に観測される融解熱量である。
それぞれについて、より詳細な測定方法は後述する。
2周目の測定開始時点で、冷結晶化が完結していない部分が存在していると、示差走査熱量計(DSC)測定の温度上昇時に再結晶化が起こり、それを示す発熱ピークが観察される。本発明では、冷結晶化がほとんど完結しているため、上記発熱ピークはほとんど観測されない。
2周目のDSC測定時の再結晶化を示す融解熱量は、6.0J/g以下であり、より好ましくは、3.0J/g以下である。
上記、2周目の発熱ピークは、結晶化されたポリエステル樹脂の吸熱ピークよりも低温側で観察される。例えば、結晶化されたポリエステル樹脂の吸熱ピーク温度が、76℃付近の場合、発熱ピークは、60℃付近に発生し、容易に確認することができる。
また、DSC測定時において、1周目と2周目の結晶性部位による吸熱ピークの温度差が小さい事も本発明の特徴的な現象である。ピーク温度差が、7.0℃以下が好ましく、より好ましくは4.0℃以下である。ピーク温度差が小さいということは、DSCの測定条件の中で、何度も加熱、冷却を繰り返しても、結晶性樹脂と非晶性樹脂が、同じように、相溶状態、分離状態を繰り返し再現していることを示していると考えられる。
即ち、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとが可逆的相転移構造をとることができるため、低温定着性(低圧定着性)が良好で、薄紙で、両面印刷しても、良好な画像が得られると考えられる。
ポリエステル樹脂Aはポリエステル分子鎖の末端に結晶核剤が結合し、且つポリエステル分子鎖は結晶構造をとりうる部位を有するものであれば、特に限定されるものではない。
なお本件でいう結晶構造をとりうる部位を有するとは、示差走査熱量計(DSC)測定において昇温時に吸熱ピークがあり、降温時に発熱ピークを有することを指し、その測定は「ASTM D3418−82」測定法に準じて行う。
ポリエステル樹脂Aを合成する際に用いられる原料モノマーであるアルコール成分は、ポリエステル分子鎖の結晶性を高める観点から、炭素数6〜18の脂肪族ジオールを含有することが好ましい。
炭素数6〜18の脂肪族ジオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。これらの中でも、定着性及び耐熱安定性の観点から、炭素数6〜12の脂肪族ジオールが好ましい。
上記炭素数6〜18の脂肪族ジオールの含有量は、結晶性をより高める観点から、アルコール成分中、80〜100モル%である事が好ましい。
アルコール成分として使用し得る、炭素数6〜18の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等を含む下記構造式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
Figure 2014026273
(式中、Rは、炭素数2又は3のアルキレン基を示す。x及びyは、正の数を示し、xとyの和は、1〜16、好ましくは1.5〜5である。)
また、ポリエステル樹脂Aを合成する際に用いられる原料モノマーであるカルボン酸成分としては、ポリエステルの結晶性を高める観点から、炭素数6〜18の脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましい。
炭素数6〜18の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、1,8−オクタン二酸、1,9−ノナン二酸、1,10−デカン二酸、1,11−ウンデカン二酸、1,12−ドデカン二酸等が挙げられる。これらの中でも、トナーの定着性及び耐熱安定性の観点から、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましい。
炭素数6〜18の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、80〜100モル%であることが好ましい。
本発明では、炭素数6〜18の脂肪族ジカルボン酸化合物以外のカルボン酸成分を併用することができる。例えば、芳香族ジカルボン酸化合物、3価以上の芳香族多価カルボン酸化合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
芳香族ジカルボン酸化合物には、縮合反応により芳香族ジカルボン酸由来の構成単位と同じ構成単位となり得る芳香族ジカルボン酸誘導体も含まれる。芳香族ジカルボン酸化合物の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、並びにそれらのアルキル(炭素数1〜3)エステルが好ましく挙げられる。該アルキルエステル中のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体が挙げられる。
縮重合反応の原料モノマーであるアルコール成分とカルボン酸成分とのモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、0.80以上1.20以下が好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量Mwaは、定着性と耐熱保存性の観点から、8,000以上、100,000以下であることが好ましい。また、ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量Mwbとの関係が、下記の関係を満たすことが、可逆的相転移構造をとり、低温定着性及び画像の長期保存安定性をさらに向上させる観点から好ましい。
Mwb<Mwa
また、本発明のポリエステル樹脂Aは高い結晶化度を有することが好ましいため、示差走査熱量計(DSC)測定において昇温時に観測される吸熱ピークの面積から求められる融解熱量(ΔH)は100J/g以上、140J/gであることが好ましい。
また、ポリエステル樹脂Aの融点は、トナーの低温定着性の観点から、60℃以上、120℃以下、好ましくは、70℃以上、90℃以下であることが好ましい。
さらに、ポリエステル樹脂Aの酸価は、2mgKOH/g以上、40mgKOH/g以下であることがトナーの良好な帯電特性の観点から好ましい。
また、ポリエステル樹脂Aの水酸基価は、定着性及び、保存安定性の観点から2mgKOH/g以上、40mgKOH/g以下であることが好ましい。
本発明のトナーに使用されるポリエステル樹脂Bは、SP値及び重量平均分子量Mwbを所望の値にできるものであれば、通常の製造方法によって得られるポリエステルを使用することができる。
2価のアルコール成分としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等を含む上記式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等を用いることができる。
また、3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等を用いることができる。
本発明に適用されるポリエステル樹脂Bは、これらの2価のアルコール成分及び3価以上の多価アルコール成分から単独で、又は複数の単量体を用いることができる。
また酸成分としての2価のカルボン酸成分としては、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、n−ドデセニルコハク酸、及びこれらの酸の無水物、もしくは低級アルキルエステル等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
ポリエステルBの製造方法は、特に限定されることなく、上記の各単量体等を用いて、エステル化反応、又はエステル交換反応によって製造することができる。原料モノマーを重合させる際には、反応を促進させるため、酸化ジブチル錫等の通常使用されているエステル化触媒等を適宜使用してもよい。
ポリエステル樹脂Bのガラス転移温度(Tg)は、定着性及び保存性の観点から45℃以上、70℃以下である事が好ましい。
また、ポリエステル樹脂Bの軟化点は、トナーの低温定着性の観点から、80℃以上、130℃以下、好ましくは90℃以上、120℃以下である事が好ましい。
さらに、ポリエステル樹脂Bの酸価は、2mgKOH/g以上、40mgKOH/g以下である事が、トナーの良好な帯電特性の観点から好ましく、水酸基価は、定着性及び、保存安定性の観点から2mgKOH/g以上、40mgKOH/g以下である事が好ましい。
また、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとの質量比は、低温定着性及び画像の長期保存安定性の観点から、5:95〜40:60であることが好ましい。
上記、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂B、及び樹脂組成物Cから構成される本発明のトナーは、室温状態では相分離構造を有している。従って、トナーから得られる諸物性は、相分離構造をとる場合のトナー物性と、見掛け上、同じ様な数値となることが好ましい。
トナーの軟化点は、トナーの低温定着性の観点から、80℃以上、120℃以下であることが好ましい。
さらに、トナーの重量平均分子量は、定着性と、高温オフセット防止の観点から、3,000以上、100,000以下であることが好ましい。
本発明においては、トナーに離型性を与えるために必要に応じてワックスを用いることができる。
該ワックスとしては、トナー中での分散のしやすさ、離型性の高さから、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き炭化水素系ワックスが好ましい。必要に応じて一種または二種以上のワックスを、少量併用してもかまわない。また、樹脂組成物Cをあらかじめ、ワックスと混練し、粉砕したものを使用してもよい。
具体的には、例えば、以下のものが挙げられる。ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業社)、ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社)、サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社)、木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODAにて入手可能)。
該ワックスを添加するタイミングは、トナー製造中の溶融混練時において添加しても良いがポリエステル樹脂Bの製造時であっても良く、既存の方法から適宜選ばれる。又、これらのワックスは単独で使用しても併用しても良い。
該ワックスは結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上、20質量部以下添加することが好ましい。
本発明のトナーは磁性トナーであっても非磁性トナーであっても良い。磁性トナーとして用いる場合は、磁性酸化鉄を用いることが好ましい。磁性酸化鉄としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄が用いられる。また、磁性酸化鉄はトナー粒子中への微分散性を向上させる目的で、製造時のスラリーにせん断をかけ、磁性酸化鉄を一旦ほぐす処理を施すことが好ましい。
本発明においてトナーに含有させる磁性酸化鉄の量は、トナー中に25質量%以上、45質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上、45質量%以下が良い。
非磁性トナーとして用いる場合には、着色剤としてカーボンブラックやその他、従来から知られているあらゆる顔料や染料の一種又は二種以上を用いることができる。
着色剤は結着樹脂100.0質量部に対して、0.1質量部以上、60.0質量部以下が好ましく、より好ましくは0.5質量部以上、50.0質量部以下である。
また本発明のトナーにおいては、無機微粉末としてトナー粒子表面への流動性付与能が高い、流動性向上剤を使用することができる。該流動性向上剤としては、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものならば使用可能である。例えば、以下のものが挙げられる。フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、それらシリカをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、又はシリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ。好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸素、水素中における熱分解酸化反応を利用するもので、反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
また、この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって得られたシリカと他の金属酸化物の複合微粉体でも良い。
さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体を用いることが好ましい。該処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって滴定された疎水化度が30以上、98以下の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。
疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。そのような有機ケイ素化合物としては、以下のものが挙げられる。ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフエニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1−ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個当りのSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
該シリカ微粉体は、シリコーンオイル処理されても良く、また、上記疎水化処理と併せて処理されても良い。
好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が30mm2/s以上、1000mm2/s以下のものが用いられる。例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが特に好ましい。
シリコーンオイル処理の方法としては、以下の方法が挙げられる。シランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法。ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法。シリコーンオイル処理シリカは、シリコーンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で温度200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコートを安定化させることがより好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。
本発明においては、シリカをあらかじめ、カップリング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方法、または、シリカをカップリング剤とシリコーンオイルで同時に処理する方法によって処理されたものが好ましい。
無機微粉末は、トナー粒子100.00質量部に対して0.01質量部以上、8.00質量部以下、好ましくは0.10質量部以上、4.00質量部以下使用するのが良い。
本発明のトナーには、必要に応じて他の外部添加剤を添加しても良い。例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラー定着時の離型剤、滑剤、研磨剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。
滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられる。中でもポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられる。これらの外添剤はヘンシェルミキサー等の混合機を用いて十分混合し本発明のトナーを得ることができる。
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることも可能である。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉若しくは未酸化の鉄粉;鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、希土類の如き金属粒子、並びにそれらの合金粒子及び酸化物粒子;フェライト;等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、磁性キャリアの混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上、15質量%以下とすることが好ましい。
本発明のトナーの製造方法は、特に限定されるものではないが、より低温定着性に優れたトナーとなる点で、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂B、そして、樹脂組成物Cを溶融混練して冷却固化される製造工程を含む粉砕法であることが好ましい。
溶融混練時のせん断を加えて混合することでポリエステル樹脂Aの分子鎖がポリエステル樹脂B、樹脂組成物Cへ入り込み易くなるため溶融時に均一に相溶化させることができ、低温定着性を良化できるため好ましい。
従来は、粉砕法を用いた場合、ポリエステル樹脂Aの結晶性やポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bの相溶性の制御が不十分であったために、一旦相溶化させるとトナー中に結晶部を形成することは難しかった。
しかし本発明のトナーはポリエステル樹脂Aの分子末端に結合させた結晶核剤や、樹脂組成物C、ポリエステル樹脂Bの各成分のSP値の制御を行うことで、可逆的相転移を起こさせ、所望のトナーを得ることができる。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B、樹脂組成物C、着色剤、その他の添加剤等を、所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、ポリエステル樹脂中に着色剤等を分散させる。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面処理を行うこともできる。
更に必要に応じて所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により十分混合し、本発明のトナーを得ることが出来る。
本発明の樹脂及びトナーに係る物性の測定方法は以下に示す通りである。後述の実施例もこの方法に基づいている。
<GPCによる重量平均分子量の測定>
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。又、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合せを挙げることができる。
また、試料は以下のようにして作製する。
試料をTHF中に入れ、25℃で数時間放置した後、十分振とうし、THFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時THF中への放置時間が24時間となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2μm以上0.5μm以下、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とする。又、試料濃度は、樹脂成分が0.5mg/ml以上5.0mg/ml以下となるように調製する。
<ポリエステル樹脂及びワックスの融点及び融解熱量の測定>
ポリエステル樹脂及びワックスの融点は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TAInstruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定したDSC曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度を融点とし、ピークの面積から求められる熱量を融解熱量とする。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピーク温度を、融点、ピークの面積から求められる熱量を融解熱量とする。
<ポリエステル樹脂及びトナーのTgの測定>
ポリエステル樹脂及びトナーのTgは、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度40℃〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、ポリエステル樹脂及びトナーのガラス転移温度Tgとする。
<ポリエステル樹脂及びトナーの軟化点の測定>
ポリエステル樹脂及びトナーの軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行なう。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの試料を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
昇温速度:4℃/min
開始温度:50℃
到達温度:200℃
<ポリエステル樹脂の酸価の測定>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。ポリエステル樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕したポリエステル樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
<ポリエステル樹脂の水酸基価の測定>
水酸基価とは、試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。ポリエステル樹脂の水酸基価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
特級無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜてアセチル化試薬を得る。得られたアセチル化試薬は、湿気、炭酸ガス等に触れないように、褐色びんにて保存する。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム35gを20mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.5モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.5モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕したポリエステル樹脂の試料1.0gを200ml丸底フラスコに精秤し、これに前記のアセチル化試薬5.0mlをホールピペットを用いて正確に加える。この際、試料がアセチル化試薬に溶解しにくいときは、特級トルエンを少量加えて溶解する。
フラスコの口に小さな漏斗をのせ、約97℃のグリセリン浴中にフラスコ底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首の温度が浴の熱を受けて上昇するのを防ぐため、丸い穴をあけた厚紙をフラスコの首の付根にかぶせることが好ましい。
1時間後、グリセリン浴からフラスコを取り出して放冷する。放冷後、漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を加水分解する。さらに完全に加水分解するため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱する。放冷後、エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗う。
指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
ポリエステル樹脂の試料を用いない以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、水酸基価を算出する。
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D
ここで、A:水酸基価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)、D:ポリエステル樹脂の酸価(mgKOH/g)である。
<重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<融解熱量ΔHの測定>
トナーのΔHは、入力補償型示差走査熱量計「DSC8500」(パーキンエルマージャパン社製)を用い、下記の条件で測定した。
まず昇温速度100℃/分、昇温速度10℃/分それぞれの条件における校正ファイルを下記の手順で作成した。
A.校正ファイルの作成
(1)ベースライン測定
リファレンス部、測定部ともに空の状態でPtカバーをとりつけて、窒素流量30ml/分の条件にて下記のプログラムでベースライン測定を行った。この時、校正ファイルは購入時にメーカーより入手した昇温速度10℃/分の校正ファイルを用いた。
ステップ1 −70℃で5分等温
ステップ2 所望の昇温速度(100℃/分または10℃/分)で−70℃から500℃まで昇温
(2)インジウムの融解開始温度、融解熱量の測定
リファレンスパンをリファレンス部に挿入し、インジウムパンを測定部に挿入した後、それぞれにPtカバーをとりつけ、窒素流量30ml/分にて、下記のプログラムで測定を行った。
ステップ1 30℃で2分等温
ステップ2 所望の昇温速度(100℃/分または10℃/分)で30℃から500℃まで昇温
得られたインジウムの測定結果の解析により、各昇温速度におけるインジウムの融解開始温度と融解熱量を求めた。このとき校正ファイルとしては購入時にメーカーより入手した昇温速度10℃/分の校正ファイルを用いた。
(3)各昇温速度における校正ファイルの作成
各昇温速度における校正ファイルは以下の手順でベースライン校正、サンプル温度校正、ファーネス校正、熱流校正を行って作成した。
ベースライン校正については、(1)項で得られたベースラインの曲線を参考に、ベースライン校正値(スロープ、バランス粗調整、バランス微調整)を増減させ、フラットなベースラインが得られるように調整した。
サンプル温度校正については、(2)項で得られたインジウムの融解開始温度の測定値と、理論温度(156.6℃)を用い、測定値が理論温度となるように手動で校正を行った。
ファーネス校正については、測定温度範囲50〜350℃にてオートランを行って校正した。
熱流校正については、(2)項で得られたインジウムの融解熱量の測定値と、融解熱理論値(28.45J/g)を用い、測定値が融解熱理論値となるように手動校正を行った。
B.ΔHの測定(昇温速度100℃/分)
サンプルを約5mg精秤してアルミニウム製のパンの中に入れたサンプルパンを測定部に挿入し、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンをリファレンス部に挿入し、それぞれにPtカバーをとりつけた。
そして昇温速度100℃/分で作成した校正ファイルを用い、窒素流量30ml/分の条件にて下記の温度プログラムでトナーの吸熱量測定を行った。
ステップ1 −10℃で5分等温
ステップ2 昇温速度100℃/分で−10℃から180℃まで昇温
ステップ3 180℃で10分等温
ステップ4 降温速度100℃/分で180℃から−10℃まで降温
ステップ5 −10℃で10分等温
ステップ6 昇温速度100℃/分で−10℃から180℃まで昇温
このようなプログラムで吸熱量測定を行い、ステップ6(2周目の昇温過程)で得られた吸熱量曲線について融解熱量の解析を行った。具体的にはベースラインに対して吸熱サイドに現れた吸熱ピークの中で、樹脂Aに由来するピークの面積からΔHを求めた。
またトナーが樹脂Aに加えてワックスを含有する場合、樹脂Aとワックスの融解ピーク温度が近いために、両者の融解ピークが重なってしまってピーク分離が難しいことがある。
このような場合、まず該トナーのステップ6で得られた吸熱量曲線について樹脂Aとワックスの重なった融解ピークの総面積から樹脂Aとワックスの融解熱量の和であるΔH1を求める。そして該トナーとワックスの含有量(質量%)が同じで結着樹脂として樹脂Aを含まない比較用トナーを作成し、上記の温度プログラムで吸熱量測定を行い、トナー中におけるワックスのみの融解熱量であるΔH2を求めた。
そしてΔH1とΔH2との差を求め、トナー中における樹脂Aに由来する融解熱量ΔHを求めた。
以上本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下実施例にもとづいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明の実施の態様がなんら限定されるものではない。実施例中の部数は質量部である。
<ポリエステル樹脂Aの製造>
<ポリエステル樹脂A1の製造例>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、アルコールモノマーとして1,10−デカンジオールを、酸モノマーとして1,10−デカン二酸を表1に示す配合量で投入した。
そして触媒としてジオクチル酸錫をモノマー総量100質量部に対して1質量部添加し、窒素雰囲気下で140℃に加熱して常圧下で水を留去しながら7時間反応させた。
次いで200℃まで10℃/時間で昇温しつつ反応させ、190℃に到達してから2時間反応させた後、反応槽内を5kPa以下に減圧して190℃で3時間反応させた。
その後、反応槽内の圧力を序々に開放して常圧へ戻した後、表1に示した結晶核剤(オクタデカン酸)を加え、常圧下にて200℃で2時間反応させた。その後、再び反応槽内を5kPa以下へ減圧して190℃で3時間反応させることによりポリエステル樹脂A1を得た。
得られたポリエステル樹脂A1の諸物性を表2に示す。
<ポリエステル樹脂A2乃至A14の製造例>
表1に記載のモノマー種及び配合量、結晶核剤とした以外は、ポリエステル樹脂A1の製造例と同様にポリエステル樹脂A2乃至ポリエステル樹脂A14を得た。これらの諸物性を表2に示す。
Figure 2014026273
Figure 2014026273
<ポリエステル樹脂Bの製造>
<ポリエステル樹脂B1の製造例>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、表3に示す配合量のモノマーを入れた後、触媒としてジブチル錫をモノマー総量100質量部に対して1.6質量部添加した。
次いで窒素雰囲気下にて常圧で180℃まで素早く昇温した後、180℃から220℃まで10℃/時間の昇温速度で加熱しながら水を留去して重縮合を行った。
220℃に到達してから反応槽内を5kPa以下まで減圧し、220℃、5kPa以下の条件下にて重縮合を行い、ポリエステル樹脂B1を得た。
このとき得られるポリエステル樹脂B1の軟化点が表4の値となるように重合時間を調整した。得られたポリエステル樹脂B1の諸物性を表4に示す。
<ポリエステル樹脂B2乃至B5の製造例>
表3に記載のモノマー種及び配合量とした以外は、ポリエステル樹脂B1の製造例と同様にポリエステル樹脂B2乃至ポリエステル樹脂B5を得た。これらの諸物性を表4に示す。
Figure 2014026273
Figure 2014026273
<樹脂組成物Cの製造>
<樹脂組成物C1の製造例>
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン600部、低分子量ポリプロピレン1(軟化点156℃、160℃時の粘度1900mPa・s、数平均分子量9200)500部、低分子量ポリエチレン(軟化点128℃、140℃時の粘度600mPa・s、数平均分子量3800)120部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン1900部、アクリロニトリル170部、マレイン酸モノブチル240部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート78部およびキシレン455部の混合溶液を180℃で3時間で滴下し重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、樹脂組成物C1を得た。
得られた樹脂組成物C1の諸物性を表6に示す。
<樹脂組成物C2乃至C5の製造例>
表5に記載のモノマー種及び配合量とした以外は、樹脂組成物C1の製造例と同様に樹脂組成物C2乃至樹脂組成物C5を得た。これらの諸物性を表6に示す。尚、低分子量ポリプロピレン2は、軟化点144℃、160℃時の粘度150mPa・s、数平均分子量3300である。
Figure 2014026273
Figure 2014026273
<実施例1>
・ポリエステル樹脂A1 20.0質量部
・ポリエステル樹脂B1 80.0質量部
・樹脂組成物C1 3.5質量部
・カーボンブラック 5.0質量部
・フィッシャートロプシュワックス(DSCピーク温度105℃) 5.5質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.4質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、二軸混練機(池貝鉄工(株)製PCM−30型))にて回転数3.3s-1、混練樹脂温度140℃の条件で混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T−250)にて微粉砕した。さらに、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径6.8μmの負摩擦帯電性のトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、イソブチルトリメトキシシラン15質量%で表面処理した一次平均粒子径50nmの酸化チタン微粒子1.0質量部、及びヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理した一次平均粒子径16nmの疎水性シリカ微粒子0.8質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製FM−75型)で混合して、トナー1を得た。
得られたトナー1の諸物性を表8に示す。
本実施例において、得られたトナー1の評価に用いるマシンは、市販のカラーレーザープリンタHP Color Laser Jet CP6015dn(HP社製)を用いた。この評価機において、トナーを本実施例で製造したトナー1に変更し、以下の評価を実施した。
(1)高速両面定着性
市販のカラーレーザープリンタHP Color Laser Jet CP6015dn(HP社製)を改造し、定着装置の定着温度、定着ニップ圧及びプロセススピードを任意に設定できるようにした。
温度23℃、相対湿度50%環境下で、コピー用(日本製紙(株)、104.7g/m)を使用し、評価に用いるカートリッジはブラックカートリッジを用いた。すなわち、市販のブラックカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明のトナー1を150g充填して評価を行った。なお、マゼンタ、イエロー、シアンの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびシアンカートリッジを挿入して評価を行った。
その後、トナー載り量0.6mg/cmとなるようにベタ黒の未定着画像を出力した。定着器の定着温度を150℃とし、プロセススピードを300mm/secから500mm/secまでの範囲で20mm/secごとに上げていき、上記ベタ黒未定着画像の定着を行った。この際、両面印字モードを使用した。また、定着ニップ面圧を0.08MPaとした。得られたベタ黒画像の表面を約100gの荷重をかけたシルボン紙で5往復摺擦し、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率が10%以下となる条件を、定着可能なプロセススピードとした。そして濃度低下率10%以下を満足する最も高いプロセススピードを定着速度とし、この速度が速い程、低温定着性(高速定着性)に優れたトナーである。 評価結果を表8に示す。
A:定着速度が400mm/sec以上である。
B:定着速度が350mm/sec以上、400mm/sec未満である。
C:定着速度が300mm/sec以上、350mm/sec未満である。
D:定着速度が300mm/sec未満である。
(2)搬送工程後の画像評価(光沢度(グロス)均一性)
上記定着試験において、定着器の定着温度を150℃とし、定着ニップ面圧を0.08MPaとして、画像出力を行った。紙(符号7)は、コピー用:厚紙(日本製紙(株)、52.3g/m)を用いた。
得られたベタ黒画像中の搬送ローラー当接部分(符号8)と当接部以外(搬送ローラー非当接部分、符号9)の場所のグロス差を測定した(図4参照)。グロスの測定は、ハンディ型グロスメーターPG−1(日本電色工業株式会社製)を用いて測定した。測定としては、投光角度、受光角度をそれぞれ75°に合わせた。グロス均一性評価は、出力した画像上10点のグロスを測定し、その最大値と最小値の差を以下の基準で判断した。このグロス差が小さい程、トナーの存在状態を急速に変化させる事ができる優れたトナーである。
評価結果を表8に示す。
A:グロス差が1.0未満である。
B:グロス差が1.0以上2.0未満である。(良い)
C:グロス差が2.0以上3.0未満である。(本発明において許容レベル)
D:グロス差が3.0以上である。(本発明において許容できないレベル)
(3)薄紙対応画像評価
市販のカラーレーザープリンタHP Color Laser Jet CP6015dn(HP社製)を改造し、定着装置の定着温度、定着ニップ圧及びプロセススピードを任意に設定できるようにした。
温度23℃、相対湿度50%環境下で、コピー用:薄紙(日本製紙(株)、52.3g/m)を使用し、評価に用いるカートリッジはブラックカートリッジを用いた。すなわち、市販のブラックカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明のトナー1を150g充填して評価を行った。なお、マゼンタ、イエロー、シアンの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびシアンカートリッジを挿入して評価を行った。
その後、トナー載り量0.6mg/cmとなるようにベタ黒の未定着画像を出力した。
定着器の定着温度を150℃とし、プロセススピードを300mm/secから500mm/secまでの範囲で20mm/secごとに上げていき、上記ベタ黒未定着画像の定着を行った。この際、両面印字モードを使用した。また、定着ニップ面圧を0.08MPaとした。プロセススピードを徐々に上げて行き、連続50枚、紙詰まりすることなく定着できるプロセススピードを定着速度とした。この速度が速い程、低温定着性(高速定着性)と、トナーの存在状態を急速に変化させる事を両立できる優れたトナーである。
評価結果を表8に示す。
A:定着速度が400mm/sec以上である。
B:定着速度が350mm/sec以上、400mm/sec未満である。
C:定着速度が300mm/sec以上、350mm/sec未満である。
D:定着速度が250mm/sec以上、300mm/sec未満である。
E:定着速度が250mm/sec未満である。
(4)長期過酷保管画像評価(カール性評価)
上記定着試験において、定着温度150℃、定着ニップ圧を0.25MPa、プロセススピードを200mm/secとし、上記ベタ黒未定着画像の定着を行った。得られたベタ黒画像を温度40℃、相対湿度50%の環境試験室に30日間放置する。放置後の画像を平面の台の上に置き、紙の長手の片側をテープで固定する。その際に、もう片側の紙がカールすることによって、平面の台と紙とで生じる角度を測定することによってカール性の評価を行った。この角度が小さい程、長期保存性が良好と言える。評価結果を表8に示す。
A:10°未満である。
B:10°以上、20°未満である。
C:20°以上、30°未満である。
D:30°以上、40°未満である。
E:40°以上である。
以上、実施例1に関しては、何れの評価も良好な結果が得られた。
<実施例2乃至20>
表7記載の処方とした以外は、実施例1と同様にして、トナー2乃至20を得た。また、実施例1と同様な評価を行った。得られた結果を表8に示す。
<比較例1乃至6>
表7記載の処方とした以外は、実施例1と同様にして、トナー21乃至26を得た。また、実施例1と同様な評価を行った。得られた結果を表8に示す。
Figure 2014026273
Figure 2014026273

Claims (5)

  1. ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B、着色剤、及び樹脂組成物Cを含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、
    (1)該ポリエステル樹脂Aは、結晶構造をとりうる部位を有するポリエステル部と、結晶核剤部とを有し、該ポリエステル部の末端に結晶核剤部が結合しており、
    (2)該ポリエステル樹脂Bは、結晶構造をとりうる部位を有さない樹脂であり、
    (3)該樹脂組成物Cは、ビニル系樹脂成分とポリオレフィン樹脂成分とが結合した樹脂組成物であり、
    該ポリエステル樹脂Aにおける該ポリエステル部のSP値をSa((cal/cm1/2)、
    該ポリエステル樹脂BのSP値をSb((cal/cm1/2)、
    該ポリエステル樹脂Aにおける結晶核剤部のSP値をSc((cal/cm1/2)、
    該ポリオレフィン樹脂成分のSP値をSd((cal/cm1/2)、
    該ビニル系樹脂成分のSP値をSe((cal/cm1/2)としたとき、
    該Sa、該Sb、該Sc、該Sd及び該Seが、以下の関係を満たすことを特徴とするトナー。
    9.0≦Sa≦12.5
    0≦|Sc−Sd|≦1.8
    2.6≦Se−Sd≦4.6
    −2.0≦Sb−Sa≦0.8
  2. 前記Sa、前記Sc及び前記Sdが、以下の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のトナー。
    |Sd−Sc|<|Sd−Sa|
  3. 前記ポリエステル樹脂Aと前記ポリエステル樹脂Bの質量比が、5:95〜40:60であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記結晶核剤部は、炭素数10以上30以下である脂肪族カルボン酸及び炭素数10以上30以下である脂肪族アルコールにからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物に由来する部位を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 前記Sbが、10.0以上12.5以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー。
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