JP6448351B2 - トナー及び二成分系現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電荷像を顕像化するための画像形成方法及びトナージェットに使用されるトナー及び二成分系現像剤に関する。
トナーの耐ホットオフセット性を良化させるため、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いたトナーに、添加剤としてポリオレフィン樹脂とビニル系樹脂のグラフト重合体を添加して、離型剤の分散性を良化させることが提案されている(特許文献1)。この方法により、離型剤の分散性を向上することができ、トナーの耐ホットオフセット性を改善することができる。しかしながら、坪量70g/m未満の薄紙を使用して両面印刷を行うといった厳しい条件下での画像形成については検討がなされておらず、このような条件下でホットオフセットの発生を抑制するためには、更になる改善が必要であった。
またこのようなグラフト重合体は、離型剤の分散性を高められる反面、離型剤との相溶を招きやすい。グラフト重合体と離型剤は、相溶すると、共に可塑化されて柔らかくなってしまうため、高温環境下におけるトナーの耐久性が低下してしまう傾向にある。
一方で、原料モノマーとして炭素数12〜18のアクリル酸エステルを用いて合成したスチレンアクリル樹脂とポリエステル樹脂とが結合したハイブリッド樹脂を、結着樹脂として用いたトナーが提案されている(特許文献2)。該技術によれば、一定の低温定着性の改良効果がみられる。しかしながら、厚紙(坪量100g/m以上)に対するトナーの定着性については改良の余地があった。
また炭素数12〜18のアクリル酸エステルを用いて合成したスチレンアクリル樹脂においては、低Tg成分である該アクリル酸エステル単位が高温環境下において外添剤の埋め込みを誘発するため、トナーの耐久性が不十分となり易かった。
さらに、ポリエステル骨格に対して、スチレン系重合体ブロックと結晶性アクリレート系重合体ブロックを結合させたブロック共重合体を結着樹脂として用いた乳化重合トナーも提案されている(特許文献3)。該ブロック共重合体は、ポリエステル骨格とスチレン系重合体ブロックが結合し、該スチレン系重合体ブロックと結晶性アクリレート系重合体ブロックが結合した3元系のブロック共重合体であり、これによりトナーの定着性や帯電安定性を改良するものである。
しかしながら、該結着樹脂を用いたトナーでは離型剤の分散性が不十分となりやすく、トナーの定着性、耐ホットオフセット性についても改良の余地があった。また、該トナー中のスチレン系重合体ブロックが離型剤と相溶し、それに付随して結晶性アクリレート系重合体ブロックと離型剤との相溶も誘発され易かった。そのため高温環境下で使用する場合において十分な耐久性を有するトナーを得ることが難しかった。
以上のように、薄紙を使用して両面印刷を行う場合においても耐ホットオフセット性を示し、かつ高温環境下における耐久性にも優れるトナーが求められているものの、未だ満足のいくトナーは得られていなかった。
特開2000−75549号公報 特開2008−20848号公報 特開2013−24920号公報
本発明の目的は、定着性が良好であり、薄紙を使用して両面印刷を行う場合においても優れた耐ホットオフセット性を示し、かつ高温環境下における耐久性にも優れるトナーを提供することにある。
本発明者らは、薄紙を使用して両面印刷を行う場合においても優れた耐ホットオフセット性を示し、かつ高温環境下における耐久性にも優れるトナーについて鋭意検討した。
その結果、ポリエステル樹脂を結着樹脂とするトナーにおいて、離型剤の分散性良化と、離型剤と他の成分との相溶による可塑化抑制とを両立させる必要があることが判明した。トナーにこれらの両特性を具備させるために、離型剤との親和性部(離型剤親和部)を有する結着樹脂、あるいは添加剤を含むトナーとすることが考えられるが、離型剤の分散性を高めるほど、可塑化が起こり易く、これらを両立させることは困難であった。そして種々の検討を重ねた結果、結晶性を有する特定の離型剤親和部と、結着樹脂との親和部(樹脂親和部)とが、化学的に結合した添加剤を用いるによって、離型剤の分散性良化と可塑化抑制を両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、トナー粒子を含有するトナーであって、該トナー粒子は、非晶性ポリエステル樹脂A、離型剤B、添加剤C、及び着色剤を含有し、該添加剤Cは、ポリエステル部(C1)と結晶性アクリル部(C2)とが両反応性モノマーにより化学的に結合した樹脂であり、該両反応性モノマーに由来するユニットが該ポリエステル部(C1)の末端に存在し、該両反応性モノマーは、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸及び無水マレイン酸からなる群より選択されるモノマーであり、該結晶性アクリル部(C2)が、下記の化学式(1)で示される部分構造を有することを特徴とするトナーに関する。
Figure 0006448351
式(1)中、Rは、炭素数18〜30の炭化水素基を表し、Xは、水素原子或いはメチル基を表す。
また、本発明は、前記トナー及び磁性キャリアを含む二成分系現像剤である。
本発明によれば、定着性が良好であり、薄紙使用の両面印刷における耐ホットオフセット性に優れ、かつ高温環境下における耐久性にも優れるトナーを提供することができる。
本発明のトナーはトナー粒子を含有し、該トナー粒子は、非晶性ポリエステル樹脂A、離型剤B、添加剤C、及び着色剤を含有している。
尚、本発明のトナー粒子は、トナーとして一般的に用いられる粒径を有するものであればよい。具体的には、重量平均粒径(D4)が4.00〜10.00μm程度の粒径を有する粒子である。
〔添加剤C〕
添加剤Cは、ポリエステル部(C1)と結晶性アクリル部(C2)とが化学的に結合した樹脂である。該ポリエステル部(C1)は前記非晶性ポリエステル樹脂Aと親和性の高い、樹脂親和部であり、該結晶性アクリル部(C2)は前記離型剤Bと親和性の高い、離型剤親和部である。このような2種類の親和部を有する添加剤Cをトナー中に含むことで、トナー中において離型剤Bが均一に微分散した状態となる。その結果、薄紙を使用して両面印刷を行う場合であっても、ホットオフセットの発生を良好に抑制できる。
添加剤Cにおいては、離型剤親和部である結晶性アクリル部(C2)が結晶性を有することが重要であり、この特徴により、添加剤Cと離型剤との相溶を抑制することができ、離型剤の分散性を高めることができる。添加剤Cが離型剤と相溶しないので高温環境下においても添加剤Cと離型剤Bが可塑化されず、優れた耐久性を有するトナーが得られる。
添加剤Cにおける、「化学的な結合」とは、ポリエステル部(C1)と結晶性アクリル部(C2)が、「直接的に結合」していることを意味している。「直接的に結合」しているとは、大きな分子量を有する連結部を介さずに、ポリエステル部(C1)と結晶性アクリル部(C2)とが結合していることを意味する。「直接的に結合」するためには、結晶性アクリル部と結合する前のポリエステルの末端のユニットを、アクリル部と反応可能なユニットとし、該ユニットと、結晶性アクリルを構成するモノマーまたは反応性基を有する結晶性アクリル樹脂とを反応させることによって得ることができる。結晶性アクリル部と結合する前のポリエステルの末端に、アクリル部と反応可能なユニットを導入するためのモノマーとしては、「両反応性モノマー」を用いればよい。両反応性モノマーについては後述する。添加剤Cが上記の構造を有することで、結晶性アクリル部(C2)の結晶性が高まり、離型剤との相溶による可塑化を抑制できる。その結果、高温環境下におけるトナーの耐久性が高まる。結晶性が高まる理由としては、結晶性アクリル部(C2)が、極性の差が大きいポリエステル部(C1)と直接的に結合していることで、結晶性アクリル部(C2)の分子鎖の自己配列が誘発され、結晶化が促進されるためと推定される。
添加剤が、ポリエステル部(C1)と結晶性アクリル部(C2)とが非直接的に結合された樹脂である場合、例えばスチレン系モノマー等に由来するユニットを介して結合された樹脂である場合は、離型剤と添加剤Cとの相溶を抑えにくいため好ましくない。製造工程時に、離型剤がスチレン系モノマー由来のユニットと相溶し、これに伴い結晶性アクリル部(C2)の結晶化が阻害されてしまうためと推測される。この場合は、添加剤と離型剤Bの可塑化によりトナーの高温環境下での耐久性が不十分となると推測される。
なお、添加剤と離型剤Bの可塑化を抑えようとすると、離型剤の分散性を高め難くなり、トナーの耐ホットオフセット性が不十分となるため好ましくない。
またポリエステル部(C1)を有する添加剤と結晶性アクリル部(C2)を有する添加剤とを併用した場合は、離型剤の分散性が低下し、薄紙を使用して両面印刷を行う場合において、耐ホットオフセット性が低下するため好ましくない。
添加剤Cは、ポリエステル部(C1)のブロックと結晶性アクリル部(C2)のブロックを含むブロック共重合体および/またはグラフト共重合体であることが好ましい。
なお添加剤Cは、ポリエステル部(C1)と結合していない結晶性アクリル部(C2)、あるいは結晶性アクリル部(C2)と結合してないポリエステル部(C1)を含んでいても良い。
添加剤Cは、結晶性アクリル部(C2)が、式(1)で示される、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルに由来する部分構造を含有する。
Figure 0006448351
式中、Rは、炭素数18〜30の炭化水素基を表し、Xは、水素原子或いはメチル基を表す。
結晶性アクリル部(C2)が、式(1)で示される部分構造を含有することで、離型剤の分散性向上と、離型剤の可塑化抑制を両立できるため好ましい。前記エステル部分のRの炭素数が18未満である場合、結晶性アクリル部(C2)の結晶性が不十分となる。その結果、添加剤と離型剤が相溶して可塑化され、高温環境下における耐久性に劣るトナーとなるため好ましくない。一方、前記エステル部分のRの炭素数が30を超える場合、結晶性アクリル部の凝集性が高くなりすぎる。その結果、添加剤によって離型剤の分散性を高めることが困難となり、薄紙を使用して両面印刷を行う場合において、トナーの耐ホットオフセット性が低下してしまうため好ましくない。
トナーの耐久性と耐ホットオフセット性のバランスを良好にする観点から、式(1)中におけるRは、炭素数20〜26の炭化水素基であることが好ましく、最も好ましくは、炭素数22の炭化水素基である。
添加剤Cの結晶性が高いほど、離型剤の可塑化を抑制できるため、高温環境下における耐久性に優れたトナーが得られる。そのため結晶性アクリル部(C2)のエステル部分は規則的に配列し易い構造を有することが好ましく、式(1)におけるRは直鎖状のアルキル基であることが好ましい。
また同様に添加剤Cの結晶性を高める観点から、結晶性アクリル部(C2)の構成ユニットの95モル%以上が、一種類のアクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルに由来することが好ましい。この量は、より好ましくは99モル%以上であり、さらに好ましくは100モル%である。
特に制限されるものではないが、結晶性アクリル部(C2)に好ましく用いられる原料モノマーとして、以下のモノマーが例示される。
アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸−n−ステアリル(エステル部の炭素数(以下同様)18)、アクリル酸−n−アラキジル(炭素数20)、アクリル酸−n−ベヘニル(炭素数22)、アクリル酸−n−ヘキサコシル(炭素数26)、アクリル酸−n−トリアコンチル(炭素数30)等が挙げられる。メタクリル酸エステルモノマーとしては、メタクリル酸−n−ステアリル(炭素数18)、メタクリル酸−n−アラキジル(炭素数20)、メタクリル酸−n−ベヘニル(炭素数22)、メタクリル酸−n−ヘキサコシル(炭素数26)、メタクリル酸−n−トリアコンチル(炭素数30)等が挙げられる。
結晶性アクリル部(C2)は、本発明の効果を妨げない範囲において、化学式(1)で示される部分構造以外の「他のモノマー」由来の部分構造を含有しても良い。他のモノマーとしては、次のようなスチレン系モノマー及びアクリル酸系モノマー等のビニル系モノマーが挙げられ、一種を単独でまたは複数種を組み合わせて用いることができる。
スチレン系モノマーとしては、例えばスチレン、o−メチルスチレン等が挙げられる。またアクリル酸系モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、あるいはこれらのエステル系誘導体等が挙げられる。
アクリル酸のエステル系誘導体としては、アクリル酸のカルボキシル基の水素を、炭素数1以上50以下のアルキル基、またはアルケニル基等で置換したものを挙げることができる。具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−n−ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−t−ブチル等が挙げられる。また例えばメタクリル酸のエステル系誘導体としては、メタクリル酸のカルボキシル基の水素を、炭素数1以上50以下の直鎖状のアルキル基および/または環状のアルキルまたはアルケニル基等で置換したものを挙げることができる。具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−n−ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−t−ブチル等が挙げられる。
しかし結晶性アクリル部(C2)が、上記のような他のモノマー由来の部分構造を多く含むと、添加剤Cの結晶性を低下させ、離型剤Bと添加剤Cの相溶化を誘発する場合がある。そのため高温環境下におけるトナーの耐久性を高める観点で、結晶性アクリル部(C2)を構成する総原料モノマー中における、他のモノマーの使用量は、5モル%未満であることが好ましく、1モル%未満であることがより好ましい。
結晶性アクリル部(C2)は、重合開始剤を用いて製造されたユニットであっても良い。上記重合開始剤としては、公知の以下の開始剤が用いられ、アゾ系重合開始剤、有機過酸化物系開始剤を用いることができる。アゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
有機過酸化物系重合開始剤としては、前記有機過酸化物は炭素原子を化合物の骨格に有する過酸化物であればよく、具体的には、以下のものが挙げられる。ジ(2−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−アミルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等。これらは、一種を単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの重合開始剤の使用量は、重合効率の観点から結晶性アクリル部(C2)の原料モノマーの総質量(100質量部)に対し0.01質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
添加剤Cは、結晶性アクリル部(C2)に由来する結晶性を有している。結晶性を有することは、後述する添加剤Cを試料とする示差走査熱量測定(DSC)によって得られる温度−吸熱量曲線において融解ピークが観測されることで確認できる。本発明においては、添加剤Cの1g当りの吸熱量が1.00J/g以上の吸熱ピークを「融解ピーク」と定義し、該融解ピークの存在によって添加剤Cが結晶性を有するものと判断される。
さらに添加剤Cは、融解ピークのピーク温度Tmcが50℃以上70℃以下であることが好ましい。ピーク温度Tmcが50℃以上であることで、トナーが高温環境下に晒された場合においても、結晶性アクリル部(C2)の結晶状態が維持され易く、より耐久性に優れたトナーとなるため好ましい。一方、ピーク温度Tmcが70℃以下であることで、より耐ホットオフセット性に優れたトナーとなるため好ましい。これは定着器から受ける熱によってトナー中の結晶性アクリル部(C2)が速やかに融解し、結晶性アクリル部(C2)の近傍に存在した離型剤がトナー表面へ染み出し易くなることによると推定される。
添加剤Cは、示差走査熱量測定(DSC)で観測される融解ピークにおいて、1g当りの融解熱量ΔHcは、2.00J/g以上20.00J/g以下であることが好ましく、5.00J/g以上15.00J/g以下であることがより好ましい。ΔHcは、添加剤C中に存在する結晶の量に対応するものである。ΔHcが2.00J/g以上であると、添加剤Cが多くの結晶を含み、離型剤と相溶せずに結晶構造を保ち易くなることで、さらに高温環境下におけるトナーの耐久性が高まるため好ましい。一方でΔHcが20.00J/g以下であることで、トナーの定着時に結晶性アクリル部(C2)の結晶が速やかに融解し、離型剤のトナー表面への染み出しを促進するため、耐ホットオフセット性がさらに優れたトナーとなり、好ましい。
また添加剤Cは、該融解ピークの半値幅Wcが5.00℃以下であることで、トナーの高温環境下での耐久性がさらに高まるため好ましい。これは該半値幅Wcが狭いほど添加剤Cが乱れの少ない結晶構造を有することを示しており、このような結晶構造を有することで、高温環境下においても添加剤Cと離型剤との相溶による可塑化がさらに抑えられるためと推定される。
添加剤CのTmc、ΔHc、Wcを上記範囲内とするには、結晶性アクリル部(C2)に用いる原料モノマーの組成比、原料モノマーのエステル部の炭素数、添加剤Cにおける結晶性アクリル部(C2)の含有量を、好ましい範囲内に調整することが好ましい。
添加剤Cにおける結晶性アクリル部(C2)の含有量は、添加剤Cの総質量中に、5質量%以上25質量%以下であることが好ましい。結晶性アクリル部(C2)の含有量が5質量%以上であることで、添加剤Cによる離型剤の分散能が高まるとともに、トナー中において添加剤Cの結晶構造も維持され易くなるため、より耐久性と耐ホットオフセット性が優れたトナーとなるため好ましい。一方で結晶性アクリル部(C2)の含有量が25質量%以下であると、定着時において、トナー中の離型剤が、結晶性アクリル部(C2)に会合されてトラップされることなく、効率的に染み出すため、さらにトナーの耐ホットオフセット性、グロスの均一性が良化するため好ましい。
結晶性アクリル部(C2)の重量平均分子量Mwc2は特に制限されるものではないが、トナーの耐久性と耐ホットオフセット性との両立をより良好に達成するという点で、5,000以上34,000以下であることが好ましい。これはMwc2が5,000以上であることで、結晶性アクリル部(C2)の結晶性が高まって離型剤との相溶が抑えられ、耐久性に優れたトナーとなるため好ましい。またMwc2が34,000以下であることで、トナー中で結晶性アクリル部(C2)が微分散して離型剤の分散性を高め易いため、耐ホットオフセット性に優れたトナーとなるため好ましい。Mwc2の算出方法は後述する。
添加剤Cのポリエステル部(C1)はアルコール成分と酸成分を重縮合させたものであれば、特に制限されるものではないが、好ましい態様を以下に説明する。
ポリエステル部(C1)に好ましく用いられる原料モノマーについて以下に説明する。
2価のアルコール成分としては以下のものが挙げられる。2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等を含む下記化学式(2)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物に代表される芳香族アルコール;エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族アルコール。
Figure 0006448351
式中、Rは、炭素数2又は3のアルキレン基を示す。x及びyは、0以上の整数を示し、xとyの和は、1以上16以下、好ましくは2以上5以下である。
また、3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等を用いることができる。これらの2価のアルコール成分及び3価以上の多価アルコール成分は、一種類を単独で又は二種類以上を併せて用いることができる。
また酸成分としての2価のカルボン酸成分としては以下のものが挙げられる。マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、n−ドデセニルコハク酸、及びこれらの酸の無水物、もしくは低級アルキルエステル等。3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
ポリエステル部(C1)の製造方法は、特に限定されることなく、上記の各単量体等を用いて、エステル化反応、又はエステル交換反応によって製造することができる。
原料モノマーを重合させる際には、反応を促進させるため、酸化ジブチル錫等の通常使用されているエステル化触媒等を適宜使用してもよい。
ポリエステル部(C1)の重量平均分子量Mwc1は特に制限されないが、トナーの耐久性と耐ホットオフセット性にバランス良く優れる点で、3,000以上100,000以下であることが好ましい。Mwc1が3,000以上であることで、ポリエステル部(C1)の硬さが向上して耐久性に優れたトナーとなるため好ましい。またMwcが100,000以下であることで、ポリエステル部(C1)と非晶性ポリエステル樹脂Aとの親和性が高まるため、トナー中における離型剤の分散性が良化し、耐ホットオフセット性に優れたトナーとなるため好ましい。
添加剤Cの重量平均分子量Mwcは特に制限されないが、トナーの耐久性と耐ホットオフセット性にバランス良く優れる点で、4,000以上200,000以下であることが好ましい。Mwcが4,000以上であることで、添加剤Cの硬さが向上し耐久性に優れたトナーとなるため好ましい。またMwcが200,000以下であることで、トナー中で添加剤Cが均一に分散し易くなり、離型剤の分散性が高まって耐ホットオフセット性に優れたトナーとなるため好ましい。
上述したように添加剤Cは、ポリエステル部(C1)と結晶性アクリル部(C2)が、ポリエステル部(C1)に含まれる「両反応性モノマー」に由来するユニットを介して、化学的に結合した樹脂である。ここで両反応性モノマーとは、縮重合系モノマーとも、付加重合系モノマーとも、いずれとも反応しうる化合物である。このような両反応性モノマーとしては、フマル酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、シトラコン酸;無水マレイン酸等の無水物;フマル酸ジメチル等のメチル化物が挙げられる。なかでも添加剤Cによる離型剤の分散能をより高められ、トナーの定着時の離型剤の染み出しも促進しやすい点で、両反応性モノマーとしては無水マレイン酸が好ましく用いられる。
両反応性モノマーは、ポリエステル部(C1)の縮重合時において、他の縮重合系モノマーと同時に添加しても、他の縮重合系モノマーを一旦重合してポリエステル中間体を製造した後、後添加して付加させてもよい。ただし添加剤Cの離型剤の分散能がより高められ、トナーの定着時の離型剤の染み出しを促進できる点で、ポリエステル中間体を製造した後、無水マレイン酸を後添加して付加させることが好ましい。
これは恐らく添加剤Cがポリエステル部(C1)の末端で、結晶性アクリル部(C2)と結合した構造を含む樹脂となるため、結晶性アクリル部(C2)に対する立体障害が低減されるためであると考えられる。すなわち立体障害の低下が、結晶性アクリル部(C2)と離型剤との接触確率を高めて離型剤の分散性を良化させ、トナーの定着時には速やかに離型剤が染みだし易くする作用をもたらすと推定される。
両反応性モノマーの使用量は、ポリエステル部(C1)の合成に用いる全モノマー中、0.1質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
添加剤Cは、結着樹脂(非晶性ポリエステル樹脂A、添加剤C、結晶性ポリエステル樹脂Dの総量)100.0質量部中において、2.0質量部以上20.0質量部以下の含有量であることが好ましい。この含有量は、より好ましくは、2.0質量部以上18.0質量部以下である。添加剤Cの含有量が上記の範囲内であれば、トナー中における離型剤Bの分散状態の制御をより容易に行うことができるようになる。
〔添加剤Cの製造方法〕
本発明の添加剤Cの製造方法は特に制限されないが、好ましい態様について以下に説明する。
本発明の添加剤Cの製造方法としては、以下の〔1〕〜〔4〕の方法が挙げられるが、ポリエステル部(C1)と結晶性アクリル部(C2)の化学的な結合を安定的に形成し易く、未反応物も低減し易い観点から、〔1〕の製造方法を採用することが好ましい。
〔1〕ポリエステル部(C1)用の両反応性モノマー以外の原料モノマーを重合した後、両反応性モノマーを結合させてポリエステル部(C1)を得た後、結晶性アクリル部(C2)用の原料モノマーを添加し、重合せしめて添加剤Cを製造する方法。
〔2〕結晶性アクリル部(C2)用の原料モノマーを重合した後、両反応性モノマーを添加して結晶性アクリル部(C2)に結合させ、次いでポリエステル部(C1)用の両反応性モノマー以外の原料モノマーを添加し、重合せしめて添加剤Cを製造する方法。
〔3〕結晶性アクリル部(C2)とポリエステル部(C1)を別々に重合した後、後から該結晶性アクリル部(C2)と該ポリエステル部(C1)を両反応性モノマーで結合せしめて添加剤Cを製造する方法。
〔4〕ポリエステル部(C1)用の原料モノマーと両反応性モノマーを重合せしめてポリエステル部(C1)を得た後、結晶性アクリル部(C2)用の原料モノマーを添加し、重合せしめて添加剤Cを製造する方法。
本発明にて好ましい態様である前記〔1〕の製造方法について、より具体的に以下に説明する。
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を有する重合釜内に、ポリエステル部(C1)用の原料モノマーとエステル化触媒を添加して混合する。その後、窒素雰囲気下で、槽内温度を150℃以上300℃以下、好ましくは160℃以上250℃以下に調整し、常圧下で2時間以上30時間以下、好ましくは4時間以上20時間以下、反応せしめる。その後槽内を1時間以上10時間以下、好ましくは2時間以上5時間以下で減圧処理を施して脱水縮合反応を行いポリエステル中間体を得る。
その後槽内の圧力を開放して大気圧に戻した後、槽内温度を130℃以上220℃以下、好ましく140℃以上200℃以下に調整し、溶融状態にあるポリエステル中間体に両反応性モノマーを添加して反応させ、結合させてポリエステル部(C1)を得る。
その後、槽内温度を130℃以上200℃以下に調整し、溶融状態のポリエステル部(C1)に対して、結晶性アクリル(C2)用の原料モノマーを添加して十分混合溶解させた後、重合開始剤を一度に添加あるいは複数回に分けて添加し、1時間以上10時間以下、付加重合を行う。そして槽内温度を保ったまま減圧蒸留処理を1時間以上10時間以下で行い、低分子量の未反応物を除去した後、反応生成物を取り出すことで、添加剤Cを得る。
〔非晶性ポリエステル樹脂A〕
非晶性ポリエステル樹脂Aはアルコール成分と酸成分を重縮合させたものであれば、特に制限されるものではないが、好ましい態様を以下に説明する。
本発明の非晶性ポリエステル樹脂Aに好ましく用いられる原料モノマーについて以下に説明する。
2価のアルコール成分としては、以下のものが挙げられる。2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等を含む前記化学式(2)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物に代表される芳香族アルコール;エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族アルコール。
また、3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等を用いることができる。これらの2価のアルコール成分及び3価以上の多価アルコール成分は、一種類を単独で又は二種類以上を併せて用いることができる。
また酸成分としての2価のカルボン酸成分としては、以下のものが挙げられる。マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、n−ドデセニルコハク酸;これらの酸の無水物;これらの酸の低級アルキルエステル等。3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸;これらの酸の無水物;これらの酸の低級アルキルエステル等が挙げられる。
非晶性ポリエステル樹脂Aの製造方法は、特に限定されることなく、上記の各単量体等を用いて、エステル化反応、又はエステル交換反応によって製造することができる。原料モノマーを重合させる際には、反応を促進させるため、酸化ジブチル錫等の通常使用されているエステル化触媒等を適宜使用してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂Aのガラス転移温度(Tg)は、トナーの耐久性と定着性の観点から45℃以上75℃以下であることが好ましい。非晶性ポリエステル樹脂Aの軟化点は、同様の観点から、80℃以上150℃以下であることが好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量Mwaは、トナーの耐久性と定着性の観点から、8,000以上1,200,000以下であることが好ましく、40,000以上300,000以下であることがより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂Aの酸価は、2mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることが、トナーの耐久性や画像グロスの均一性の観点から好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂Aは、一種類を単独で又は二種類以上を併せて用いることができる。より定着性、耐ホットオフセット性に優れたトナーとするためには、分子量やTgの異なる複数種の非晶性ポリエステル樹脂を併用することが好ましい。
非晶質ポリエステル樹脂Aは、結着樹脂を構成する主成分であることが好ましく、結着樹脂(非晶性ポリエステル樹脂A、添加剤C、結晶性ポリエステル樹脂Dの総量)100.0質量部中において、60.0質量部以上98.0質量部以下の含有量であることが好ましい。この含有量は、より好ましくは、67.0質量部以上93.0質量部以下である。非晶質ポリエステル樹脂Aの含有量が上記の範囲内であれば、添加剤Cや結晶性ポリエステル樹脂Dの分散媒体として適量であり、これらの成分の好適な分散状態を達成することができる。
〔結晶性ポリエステル樹脂D〕
本発明のトナーは、結晶性ポリエステル樹脂Dを含有することが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂Dを含有することで、定着時におけるトナーのシャープメルト性が高まり、厚紙に対する定着性にも優れたトナーとなる。これは結晶性ポリエステル樹脂Dが、トナーの定着時に非晶性ポリエステル樹脂A等の結着樹脂と相溶し、トナーが可塑化されるためである。従来は結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーは、常温でもトナーが可塑化されてしまい、トナーの耐久性が不十分となり易かった。しかし本発明のトナーは、結晶性アクリル部(C2)と離型剤Bの結晶が、トナー中に微分散しているため、これらが結晶核剤として作用して結晶性ポリエステル樹脂Dの結晶性を高め、常温時のトナーの可塑化を抑えることができる。よってトナーの耐久性を維持して厚紙に対する定着性を良化できるため好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂Dは、結晶性を発現させることができるポリエステル分子鎖(D1)を有するものであれば制限されるものではない。
以下にポリエステル分子鎖(D1)の合成に用いることができる原料モノマーについて説明する。
ポリエステル分子鎖(D1)の原料モノマーとして用いることができるアルコール成分としては、結晶性を高める観点から、炭素数4以上18以下の脂肪族ジオールが好ましい。これらの中でも、トナーの定着性、耐久性を高め易い観点から、炭素数6以上12以下の直鎖脂肪族ジオールが好ましい。脂肪族ジオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。上記脂肪族ジオールの含有量は、結晶性ポリエステル樹脂Dの結晶性をより高める観点から、アルコール成分中に80.0モル%以上100.0モル以下含有されることが好ましい。この含有量は、より好ましくは90.0モル%以上100.0モル%以下であり、さらに好ましくは95.0モル%以上100.0モル%以下である。
ポリエステル分子鎖(D1)の原料モノマーに用いられるアルコール成分としては、上記の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分を含有していても良い。例えば以下のものが挙げられる。2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等を含む前記化学式(2)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコール。
ポリエステル分子鎖(D1)の原料モノマーとして用いることができるカルボン酸成分としては、炭素数4以上18以下の脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましい。これらの中でも、トナーの定着性、耐久性を高め易い観点から、炭素数6以上12以下の直鎖脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましい。脂肪族ジカルボン酸化合物としては、1,8−オクタン二酸、1,9−ノナン二酸、1,10−デカン二酸、1,11−ウンデカン二酸、1,12−ドデカン二酸等が挙げられる。
炭素数6以上18以下の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、結晶性ポリエステル樹脂Dの結晶性をより高める観点から、カルボン酸成分中に80.0モル%以上100.0モル%以下含有されることが好ましい。この含有量は、より好ましくは90.0モル%以上100.0モル%以下であり、さらに好ましくは95.0モル%以上100.0モル%以下である。
ポリエステル分子鎖(D1)を得るためのカルボン酸成分としては、上記脂肪族ジカルボン酸化合物以外のカルボン酸成分を含有していても良い。例えば、芳香族ジカルボン酸化合物、3価以上の芳香族多価カルボン酸化合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。芳香族ジカルボン酸化合物には、芳香族ジカルボン酸誘導体も含まれる。芳香族ジカルボン酸化合物の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、これらの酸の無水物、これらの酸のアルキル(炭素数1以上3以下)エステルが好ましく挙げられる。該アルキルエステル中のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、これらの酸の無水物、及びこれらの酸のアルキル(炭素数1以上3以下)エステル等が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂Dのポリエステル分子鎖(D1)は、飽和脂肪族ジオールと、飽和脂肪族ジカルボン酸とを縮重合させて得られたものであることで、より結晶性が高まり、トナーの耐久性を良化できるため好ましい。
ポリエステル分子鎖(D1)の原料モノマーであるアルコール成分とカルボン酸成分とのモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、0.70以上1.30以下であることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂Dは、より定着性と耐久性の良好なトナーを得る観点で、ポリエステル分子鎖(D1)の末端に、炭素数12以上30以下の脂肪族モノアルコールに由来するアルキル部、または、炭素数13以上31以下の脂肪族モノカルボン酸に由来するアルキル部を有することが好ましい。該アルキル部(D2)は主鎖が直鎖の炭化水素系部位を含んでなり、ポリエステル分子鎖(D1)の末端と反応しうる1価以上の官能基を有する化合物に由来する部位であることが、より好ましい。
該アルキル部(D2)を有することで、トナーの定着時において、該ポリエステル分子鎖(D1)が、非晶性ポリエステル樹脂A及び添加剤Cのポリエステル部(C1)を可塑化すると同時に、該アルキル部(D2)が添加剤Cの結晶性アクリル部(C2)を可塑化する。これらが相乗的に作用し、トナーのシャープメルト性がより高まり、トナーの定着性がより高まるものと考えられる。
トナーの耐久性を良化できるのは以下の理由による。該アルキル部(D2)は、結晶性ポリエステル樹脂Dの結晶核剤として作用して結晶性ポリエステル樹脂Dの結晶性を高めるだけでなく、添加剤Cの結晶性アクリル部(C2)の結晶核剤としても作用し、結晶性アクリル部(C2)の結晶性を高める。このようにしてトナー中の各材料の結晶性が相乗的に高まることで、高温環境下においてもトナーの可塑化が抑えられ、耐久性に優れたトナーとなるものと考えられる。
結晶性ポリエステル樹脂D中における該アルキル部(D2)の含有量は、トナーの定着性と耐久性の観点から、0.10モル%以上4.00モル%以下が好ましく、0.50モル%以上7.00モル%以下がより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂D中において、ポリエステル分子鎖(D1)とアルキル部(D2)とが結合しているか否かは、以下の分析によって判別することができる。
結晶性ポリエステル樹脂Dを2mg精秤し、クロロホルム2mLを加えて溶解させてサンプル溶液を作製する。次に、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHBA)20mgを精秤し、クロロホルム1mLを添加して溶解させてマトリックス溶液を調製する。また、トリフルオロ酢酸Na(NaTFA)3mgを精秤した後、アセトンを1mL添加して溶解させてイオン化助剤溶液を調製する。
このようにして調製したサンプル溶液25μL、マトリックス溶液50μL、イオン化助剤溶液5μLを混合してMALDI分析用のサンプルプレート上に滴下させ、乾燥させることで測定サンプルとする。分析機器として、MALDI−TOFMS(BrukerDaltonics製 Reflex III)を用い、マススペクトルを得る。得られたマススペクトルにおいて、オリゴマー領域(m/Zが2000以下)の各ピークの帰属を行い、ポリエステル分子鎖(D1)の末端にアルキル部(D2)が結合した構造に対応するピークが存在するか否かを確認する。
結晶性ポリエステル樹脂Dの重量平均分子量Mwdは、トナーの定着性と耐久性の観点から、8000以上、100,000以下であることが好ましく、12,000以上、45,000以下であることがより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂Dの酸価は、1mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが、トナーの耐久性や画像グロスの均一性の観点から好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂Dは、結晶性を有しており、示差走査熱量計(DSC)測定において昇温時に少なくとも1.00J/g以上の吸熱ピークを示すものである。
特に制限されるものではないが、トナーの定着性と耐久性の観点から、吸熱ピークの面積から求められる融解熱量(ΔH)が80J/g以上160J/g以下であることが好ましい。同様の観点から、結晶性ポリエステル樹脂Dの融点は、60℃以上120℃以下であることが好ましく、70℃以上90℃以下であることがさらに好ましい。
また、本発明のトナーにおける結晶性ポリエステルDの含有量は、結着樹脂(非晶性ポリエステル樹脂A、添加剤C、結晶性ポリエステル樹脂Dの総量)100.0質量部中において、3.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、5質量部以上15.0質量部以下であることがより好ましい。結晶性ポリエステル樹脂Dの含有量が3質量部以上であることで、トナーの定着時において結着樹脂を均一に可塑化し易くなり、より厚紙を使用しても優れた定着性が発現する。一方で結晶性ポリエステル樹脂Dが20質量部以下であることで、高温環境下でもトナーの可塑化が抑制され、より耐久性に優れたトナーとなる。
またトナーの軟化点は、トナーの定着性の観点から、80℃以上130℃以下であることが好ましい。トナーの重量平均分子量Mwは、定着性と、ホットオフセット防止の観点から、3,000以上、120,000以下である事が好ましい。
〔離型剤B〕
離型剤Bとしては、トナー中での分散のしやすさ、離型性の高さから、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き炭化水素系ワックスが好ましい。必要に応じて、更に一種または二種以上のワックスを、少量併用してもかまわない。
ワックスとしては、具体的には、例えば、以下のものが挙げられる。ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業社);ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社);サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社);HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社);ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋アドレ株式会社);木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODAにて入手可能)、エステルワックス(ベヘン酸ベヘニル等)。
該離型剤Bを添加するタイミングは、トナー製造中の溶融混練時であっても非晶性ポリエステル樹脂Aの製造時であっても良く、既存の方法から適宜選ばれる。又、これらの離型剤は単独で使用しても良い。
該離型剤Bは結着樹脂(非晶性ポリエステル樹脂A、添加剤C、結晶性ポリエステル樹脂Dの総量)100.0質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下添加することが好ましい。
該離型剤Bの示差走査熱量測定(DSC)で観測される融解ピーク温度Tmbは、トナーの耐ホットオフセット性、耐久性、画像グロスの均一性の観点から、50℃以上100℃以下であることが好ましく、60℃以上80℃以下であることがより好ましい。
〔Tmb−Tmc〕
本発明のトナーは、示差走査熱量測定(DSC)で観測される、離型剤Bの融解ピーク温度Tmbと、添加剤Cの融解ピーク温度Tmcが、下記の数式(1)を満たすことで、さらに画像グロスの均一性が高まるため好ましい。
3≦Tmb−Tmc≦23 ・・・(1)。
特に両面印刷時においては、表面と裏面のトナーが受ける熱量差に起因して、トナーから染み出す離型剤の量に差が生じて、画像グロスの差が生じ易い。これに対して本発明のトナーが、数式(1)をも満たすことで、両面印刷におけるトナーの離型剤の染み出しを制御でき、表面と裏面の画像グロスを均一化できるため好ましい。この理由については以下のように考えている。
数式(1)は、離型剤Bと添加剤Cの両者の融解ピークの温度差が比較的小さく、かつ離型剤Bの融解ピークよりも、添加剤Cの融解ピーク温度の方が低いことを意味している。このような関係にあることで、定着ニップ内で先に添加剤Cの結晶性アクリル部(C2)の結晶が融解し、すぐ後に離型剤Bが融解することとなる。このとき結晶性アクリル部(C2)の結晶融解に伴う急激な分子運動の増加によって、離型剤Bの融解が助長され、離型剤のトナー表面への染み出しが加速されるものと考えられる。結果として定着ニップ内でトナーが受ける熱量に依らずに離型剤Bが安定的に染み出し、画像表面に均一な離型層を形成できるようになるため、両面印刷においても画像グロスの均一性が優れるものと推定している。
「Tmb−Tmc」の値が3℃以上であることで、結晶性アクリル部(C2)の結晶融解に助長されて離型剤Bの融解が加速され易いため好ましい。「Tmb−Tmc」の値が23℃以下であることで、離型剤Bの融解遅れがないために、上述の染み出し促進効果が発現し易く好ましい。「Tmb−Tmc」の値は5℃以上、17℃以下であることがより好ましい。
本発明のトナーは磁性トナーであっても非磁性トナーであっても良い。磁性トナーとして用いる場合は、磁性酸化鉄を用いることが好ましい。磁性酸化鉄としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄が用いられる。また、磁性酸化鉄はトナー粒子中への微分散性を向上させる目的で、製造時のスラリーにせん断をかけ、磁性酸化鉄を一旦ほぐす処理を施すことが好ましい。
本発明のトナーが磁性トナーである場合、含有する磁性酸化鉄の量は、トナー質量を基準として、25質量%以上45質量%以下であることが好ましく、30質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。
非磁性トナーとして用いる場合には、着色剤としてカーボンブラックやその他、従来から知られている顔料や染料の一種又は二種以上を用いることができる。着色剤は結着樹脂(非晶性ポリエステル樹脂A、添加剤C、結晶性ポリエステル樹脂Dの総量)100.0質量部に対して、0.1質量部以上60.0質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上50.0質量部以下であることがより好ましい。
<流動性向上剤>
また本発明のトナーにおいては、トナー粒子の表面への流動性付与を目的として、無機微粉末等の流動性向上剤を使用することができる。流動性向上剤としては、トナー粒子に外添することにより、流動性が増加し得るものならば使用可能である。例えば、以下のものが挙げられる。フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ;これらのシリカをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、又はシリコーンオイル等により表面処理した処理シリカ。好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成された微粉体であり、乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸素、水素中における熱分解酸化反応を利用するもので、反応式は次の様なものである。
SiCl+2H+O→SiO+4HCl。
また、この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって得られたシリカと他の金属酸化物の複合微粉体でも良い。
さらには、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体を疎水化処理した処理シリカ微粉体を用いることが好ましい。該処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって滴定された疎水化度が30以上98以下の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。
疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応する有機ケイ素化合物あるいはシリカ微粉体を物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理する方法が挙げられる。好ましい方法は、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する方法である。そのような有機ケイ素化合物としては、以下のものが挙げられる。ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフエニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1−ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン。これらは1種単独であるいは2種以上の混合物で用いられる。
該シリカ微粉体は、シリコーンオイル処理されても良く、また、上記疎水化処理と併せて処理されても良い。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が30mm/s以上1000mm/s以下のものが用いられる。例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが特に好ましい。
シリコーンオイル処理の方法としては、以下の方法が挙げられる。シランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法;ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法;適当な溶剤中にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法。シリコーンオイル処理シリカは、シリコーンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で温度200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコートを安定化させることがより好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。本発明においては、シリカをあらかじめ、カップリング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方法、または、シリカをカップリング剤とシリコーンオイルで同時に処理する方法によって処理されたものが好ましい。
無機微粉末は、トナー粒子100.00質量部に対して0.01質量部以上8.00質量部以下使用することが好ましく、より好ましくは0.10質量部以上4.00質量部以下である。
〔その他の外部添加剤〕
本発明のトナーは、必要に応じて他の添加剤を含有しても良い。例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラー定着時の離型剤、滑剤、研磨剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられる。中でもポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられる。これらの外添剤はヘンシェルミキサー等の混合機を用いて十分混合し本発明のトナーを得ることができる。
〔二成分系現像剤〕
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることも可能である。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉若しくは未酸化の鉄粉;鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、希土類の如き金属粒子、並びにそれらの合金粒子及び酸化物粒子;フェライト;等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、磁性キャリアの混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下とすることが好ましい。
〔トナーの製造方法〕
本発明のトナーは、添加剤Cによる離型剤の分散能を最大限に発揮させることができ、耐ホットオフセット性に優れたトナーを得易い点で、溶融混練工程を経て得られたトナー粒子からなることが好ましい。
本発明のトナー粒子の製造方法は特に制限されるものではないが、好ましい態様を以下に説明する。
本発明のトナーは、非晶性ポリエステル樹脂A、離型剤B、添加剤C、着色剤、必要に応じて結晶性ポリエステルDを溶融混練して冷却固化される製造工程を含む粉砕法を用いた製造方法であることが好ましい。
溶融混練時にせん断力を加えて混合することで、添加剤Cのポリエステル部(C1)と非晶性ポリエステル樹脂Aを親和させ、結晶性アクリル部(C2)と離型剤Bとを親和させ易くなり、トナー中の離型剤の分散性が高まるため好ましい。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、非晶性ポリエステル樹脂A、離型剤B、添加剤C、着色剤、必要に応じて結晶性ポリエステルD、その他の添加剤等を、所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練してせん断力を加えることで、上述したようにトナー粒子中に離型剤を微分散化させると同時に、着色剤等を分散させる。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が好ましい。KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工社製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却されることが好ましい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(フロイントターボ社製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面処理を行うこともできる。更に必要に応じて所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により十分混合し、本発明のトナーを得ることができる。
なお、特に制限されるものではないが、本発明のトナーは製造時のいずれかの工程で、トナーの結晶性をさらに高めることを目的として、アニーリング処理を行ってもよい。本発明のトナーは、添加剤Cを含有していることで、アニーリング処理を施しても、離型剤Bや結晶性ポリエステル樹脂Dの分散性を維持し易い。より微分散状態を維持してアニーリング処理を施すためには、処理温度は45℃以上65℃以下が好ましく、処理時間は1分間以上240時間以下の範囲で選択することが好ましい。
〔評価方法〕
本発明の非晶性ポリエステル樹脂A、離型剤B、添加剤C、結晶性ポリエステルD、及びトナーに係る物性の測定方法は以下に示す通りである。後述の実施例等においてもこれらの方法に基づいて物性値を測定している。
<1.GPCによる重量平均分子量の測定>
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mLの流量で流し、THF試料溶液を約100μL注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が10以上10以下程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。又、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば以下の組み合わせが挙げられる。昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSK guard columnの組み合せ。
また、試料は以下のようにして作製する。
試料50.0mgをTHF10mL中に入れ、40℃で3時間放置した後、十分振とうし、THFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、40℃に維持して12時間静置する。尚、THF中における放置時間の合計が24時間となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2μm以上0.5μm以下、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とする。又、試料濃度は、樹脂成分が0.5mg/mL以上5.0mg/mL以下となるように調整する。
<2.結晶性アクリル部(C2)の分子量Mwc2の測定>
まず前記GPCによる重量平均分子量の測定により、添加剤Cの重量平均分子量Mwc、ポリエステル部(C1)の重量平均分子量Mwc1を求める。そして、添加剤C中におけるポリエステル部(C1)の含有量をVc1(質量%)、結晶性アクリル部(C2)の含有量Vc2(質量%)とすると、「Vc1=100−Vc2」であるので、下記数式が成立する。そこで、下記数式に基づき結晶性アクリル部(C2)の分子量Mwc2を算出する。
尚、下記の式は、添加剤Cの重量平均分子量から、ポリエステル部(C1)の含有量を考慮して重量平均分子量を引いた後、結晶性アクリル部(C2)の含有量を考慮して、結晶性アクリル部(C2)の重量平均分子量へ換算したものである。
Mwc2={Mwc−Mwc1×(1−Vc2/100)}×100/Vc2 。
<3.離型剤B、添加剤C、結晶性ポリエステル樹脂Dの融解ピーク温度、及び融解熱量の測定>
離型剤B、添加剤C、結晶性ポリエステル樹脂Dの融解ピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定したDSC曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度を融解ピーク温度とし、ピークの面積から求められる熱量を融解熱量とする。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲−10〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一旦200℃まで昇温させて1分間保持後、続いて−10℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度−10〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピーク温度を「融解ピーク温度」とし、ピークの面積から求められる熱量を「融解熱量」とする。
<4.ガラス転移温度Tgの測定>
ガラス転移温度Tgは、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正、試料の使用量、及び、昇温条件は前記の「融解ピーク温度及び融解熱量の測定」の場合と同じである。2度目の昇温過程での温度30℃〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、ガラス転移温度Tgとする。
<5.軟化点の測定>
軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行なう。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダ内に充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2の値Xを求める(X=(Smax−Smin)/2)。そして、前記流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料としては、約1.00gの試料を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10.0MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8.0mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
昇温速度:4.0℃/min
開始温度:40.0℃
到達温度:200.0℃
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.00mm
ダイの長さ:1.00mm 。
<6.樹脂の酸価の測定>
ポリエステル樹脂の酸価は以下の方法により測定する。酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従う。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mLに溶かし、脱イオン水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。特級水酸化カリウム7gを5mLの脱イオン水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕したポリエステル樹脂の試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記数式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
<7.トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムを脱イオン水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の(1)〜(7)の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去する。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を脱イオン水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量の脱イオン水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカー内に、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以下に実施例にもとづいて本発明についてより具体的に説明するが、これら実施例によって本発明の実施態様は限定されるものではない。なお、実施例31は参考例であり、実施例中の部数は質量部を表している。実施例に先立って、非晶性ポリエステル樹脂Aの製造例、添加剤Cの製造例、結晶性ポリエステル樹脂Dの製造例を説明する。
<製造例A−1>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、表1に示す配合量(モル比)の原料モノマーを入れた後、原料モノマー総量100質量部に対して触媒としてジブチル錫を1.5質量部添加した。そして、槽内を撹拌しながら窒素雰囲気下にて槽内温度を160℃に昇温した。
その後、槽内を撹拌しながら160℃から200℃まで10℃/時間の昇温速度で加熱しながら槽内の水を留去して重縮合を行った。槽内温度が200℃に到達してから反応槽内を5kPa以下まで減圧し、200℃、5kPa以下の条件下にて重縮合を行い、反応槽から樹脂を取り出し、冷却し、粉砕して非晶性ポリエステル樹脂A−1を製造した。得られた非晶性ポリエステル樹脂A−1の諸物性を表1に示す。
なお、所望の軟化点を有する樹脂を得るための重縮合時間を決定するために、予備検討として、減圧開始後からの重縮合時間を複数点変更して反応槽から樹脂を取り出し、冷却、粉砕した後に軟化点を測定した。この予備検討で得られた重縮合時間と樹脂の軟化点との対応関係に基づいて、表1に記載の軟化点を有する樹脂が得られるように重縮合時間を決定した。
<製造例A−2>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、表1に示す配合量(モル比)の原料モノマーを入れた後、原料モノマー総量100質量部に対して触媒としてジブチル錫を1.5質量部添加した。そして槽内を撹拌しながら窒素雰囲気下にて槽内温度を180℃に昇温した。次いで窒素雰囲気下において常圧で、槽内を撹拌しながら槽内温度を180℃から230℃まで10℃/時間の昇温速度で加熱しながら槽内の水を留去して重縮合を行った。
槽内温度が230℃に到達してから反応槽内を5kPa以下まで減圧し、230℃、5kPa以下の条件下にて重縮合を行い、反応槽から樹脂を取り出し、冷却し、粉砕して非晶性ポリエステル樹脂A−2を得た。得られたポリエステル樹脂の諸物性を表1に示す。
尚、製造例A−1と同様に重合の予備検討を行い、得られた重縮合時間と樹脂の軟化点との対応関係に基づいて、表1に記載の軟化点を有する樹脂が得られるように重縮合時間を決定した。
Figure 0006448351
<製造例C−1>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、ポリエステル部(C1)を構成する原料モノマーとして表2に示す種類と量(モル%)のアルコ−ルモノマー及び酸モノマーを入れた後、原料モノマーの総量(両反応性モノマーを含む)100質量部に対して触媒としてジブチル錫を1.5質量部添加した。そして窒素雰囲気下にて槽内を撹拌しながら槽内温度を170℃に昇温した。
次いで窒素雰囲気下において常圧で、槽内を撹拌しながら槽内温度を170℃から210℃まで10℃/時間の昇温速度で加熱しながら、槽内の水を留去して重縮合を行った。槽内温度が210℃に到達してから反応槽内を5kPa以下まで減圧し、210℃、5kPa以下の条件下にて3時間重縮合を行い、ポリエステル部の中間体を得た。
その後、反応槽内を窒素雰囲気下にて常圧に戻し、槽内温度を170℃まで下げた後、反応槽中に、表2に記載の両反応性モノマー(無水マレイン酸)を添加した後、撹拌しながら170℃で3時間付加反応させた後、反応槽から樹脂を取り出し、冷却し、粉砕してポリエステル部(C1−1)を得た。得られたポリエステル部(C1−1)の諸物性を表2に示す。
次いで、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、該ポリエステル部(C1−1)を90質量部投入し、窒素雰囲気下にて槽内温度を170℃に昇温して溶融させた。その後、槽内温度を170℃に保ったまま、結晶性アクリル部用の原料モノマー(アクリル酸ベヘニル)を10質量部、反応槽内に投入し、170℃で2時間撹拌することでポリエステル部(C1−1)と十分に混合した。
その後、反応槽内の温度を170℃に保ったまま、重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド)1.00質量部を添加し、3時間攪拌した。さらに、反応槽内の温度を170℃に保ったまま、還流冷却器を減圧装置に変更して、減圧蒸留処理を2時間行って低分子量化合物を除去し、添加剤C−1を得た。表2に添加剤C−1の諸物性を示した。
<製造例C−2〜C−5>
製造例C−1において、原料モノマーおよびポリエステル部と結晶性アクリル部の質量比を、表2に記載したように変更した以外は、製造例C−1と同様の方法により、添加剤C−2乃至C−5を得た。表2にこれらの添加剤の諸物性を示した。
<製造例C−6〜C−9>
製造例C−4において、結晶性アクリル部を重合する際の槽内温度と、重合開始剤の添加量を以下のように変更した以外は、製造例C−4と同様にして、添加剤C−6乃至C−9を得た。表2にこれらの添加剤の諸物性を示した。
[製造例C−6] 槽内温度:190℃、重合開始剤:1.00質量部
[製造例C−7] 槽内温度:150℃、重合開始剤:1.00質量部
[製造例C−8] 槽内温度:190℃、重合開始剤:2.00質量部
[製造例C−9] 槽内温度:150℃、重合開始剤:0.30質量部。
<製造例C−10〜C−20>
製造例C−1において、原料モノマーおよびポリエステル部と結晶性アクリル部の質量比を、表3に記載したように変更した以外は、製造例C−1と同様の方法により、添加剤C−10乃至C−20を得た。表3にこれらの添加剤の諸物性を示した。
<製造例C−21>
製造例C−1において、原料モノマーおよびポリエステル部と結晶性アクリル部の質量比を、表4に記載したように変更し、ポリエステル部を構成する原料モノマー添加時に、両反応性モノマー(フマル酸)も同時に添加してポリエステル部(C1−4)を製造した以外は、製造例C−1と同様の方法により、添加剤C−21を得た。表4にこの添加剤の諸物性を示した。
<製造例C−22>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、窒素雰囲気下にて槽内温度を170℃に昇温させ、表4に示す結晶性アクリル部の原料モノマーを投入して溶融させた。その後、槽内温度を170℃に保ったまま、原料モノマー100質量部に対して、重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド)1質量部を添加し、3時間攪拌した。さらに、槽内温度を170℃に保ったまま、還流冷却器を減圧装置に変更して、減圧蒸留処理を2時間行って低分子量化合物の除去し、結晶性アクリル部(ポリベヘニルアクリレート)のみからなり、ポリエステル部との結合を有さない添加剤C−22を得た。表4に添加剤C−22の諸物性を示した。
<製造例C−23>
1.ポリエステル部(C1−5)の合成
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、表4に示すポリエステル部を構成する原料モノマーと両反応性モノマー(フマル酸)を入れた後、原料モノマー総量100質量部に対して触媒としてジブチル錫を1.0質量部添加した。そして窒素雰囲気下にて槽内温度を170℃に撹拌しながら昇温した。次いで窒素雰囲気下において常圧で、撹拌しながら170℃から210℃まで10℃/時間の昇温速度で加熱しながら水を留去して重縮合を行った。
210℃に到達してから反応槽内を5kPa以下まで減圧し、210℃、5kPa以下の条件下にて重縮合を行い、ポリエステル部(C1−5)を得た。このとき減圧後の重合時間は、得られるポリエステル部(C1−5)の重量平均分子量が表4の値となるように調整した。
2.結晶性アクリル部(C2−1)の合成
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、表4に示す結晶性アクリル部を構成する原料モノマーのうち、ベヘニルアクリレート80質量部(52.3モル部)を添加した。2−メチル−2−[N−(tert−ブチル)−N−(1−ジエトキシホスホリル−2,2−ジメチルプロピル)−アミノキシ]−プロピオン酸(MBPAP)1.27質量部を溶解したトルエン溶液を100質量部添加し、窒素気流下、槽内温度80℃にてよく混合し、槽内温度を110℃に昇温させて8時間ベヘニルアクリレートを重合してポリベヘニルアクリレートブロックを得た。ポリベヘニルアクリレートブロックの分子量をGPCにて測定したところ、数平均分子量が20,000であった。
槽内温度を80℃に変更した後、スチレン20質量部(47.7モル部)を滴下し、再び槽内温度を110℃に昇温し、重合を更に8時間継続して鎖延長を行い、ポリスチレン−ポリベヘニルアクリレート−ポリスチレンブロック共重合体である結晶性アクリル部(C2−1)を得た。該結晶性アクリル部(C2−1)の分子量を測定したところ数平均分子量は25,000であった。
そして、該結晶性アクリル部(C2−1)をTHF100質量部に溶解して取り出し、メタノールに滴下して結晶性アクリル部(C2−1)を再沈殿させた後、沈殿物をろ過し、さらにメタノールで洗浄を繰り返した後、40℃にて真空乾燥を行い、結晶性アクリル部(C2−1)を得た。
3.ポリエステル部と結晶性アクリル部のグラフト化
上記、ポリエステル部(C1−5)77質量部と、結晶性アクリル部(C2−1)23質量部を、トルエン100部に溶解した後、冷却管つきフラスコ内に仕込んだ後、窒素気流下120℃、5時間加熱混合を行った。
次に、重合物をTHF100質量部に溶解して取り出し、メタノール中に滴下して再沈殿させた後、沈殿物をろ過し、さらにメタノールで洗浄を繰り返した後、40℃にて真空乾燥を行って添加剤C−23を得た。得られた添加剤C−23の物性を表4に示す。
<製造例C−24>
製造例C−23のポリエステル部と結晶性アクリル部のグラフト化において、両者の使用量をポリエステル部(C1−5)90質量部と、結晶性アクリル部(C2−1)10質量部に変更した以外は、製造例C−23と同様にして、添加剤C−24を得た。得られた添加剤C−24の物性を表4に示す。
<製造例C−25、C−26>
製造例C−1において、原料モノマーを表4に記載したように変更し、両反応性モノマーを原料モノマーと同時に添加した以外は、製造例C−21と同様の方法により、添加剤C−25及びC−26を得た。表4にこれらの添加剤の諸物性を示す。
<製造例C−27、C−28>
製造例C−1において、原料モノマーを表4に記載したように変更した以外は、製造例C−1と同様の方法により、添加剤C−27及びC−28を得た。表4にこれらの添加剤の諸物性を示す。
<製造例C−29>
温度計および攪拌機の付いた反応槽中に、キシレン1020質量部、低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール660P:軟化点145℃)750質量部を入れて充分溶解し、槽内の雰囲気を窒素置換後、スチレン2385質量部、アクリロニトリル264質量部、アクリル酸ブチル330質量部、アクリル酸21質量部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート32.5質量部およびキシレン570質量部の混合溶液を、槽内温度175℃の反応槽内に3時間かけて滴下し、さらに槽内温度をこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、ポリプロピレンとビニル系重合体のグラフト重合体からなる添加剤C−29を得た。添加剤C−29の重量平均分子量は8200であった。またDSC測定を行ったが、結晶性を表す融解ピークは観測されなかった。またガラス転移温度は57.5℃、また酸価は5.0mgKOH/gであった。
Figure 0006448351
Figure 0006448351
Figure 0006448351
<製造例D−1>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、ポリエスエル分子鎖(D1)用のアルコールモノマーとして1,10−デカンジオールを、酸モノマーとして1,10−デカン二酸を表5に示す配合量で投入した。次いでモノマー総量100質量部に対して、触媒としてジオクチル酸錫を0.8質量部添加し、窒素雰囲気下で槽内温度を140℃に加熱して常圧下で水を留去しながら7時間反応させた。次いで槽内温度を200℃まで10℃/時間で昇温しつつ反応させ、200℃に到達してから2時間反応させた後、200℃にて反応槽内を5kPa以下に減圧して2時間反応させた。
その後、反応槽内の圧力を序々に開放して常圧へ戻して、表5に示したアルキル部(D2)を構成するモノマー(n−オクタデカン酸)を加え、常圧下にて200℃で1.5時間反応させた。その後、200℃にて再び反応槽内を5kPa以下へ減圧し、200℃で2.5時間反応させることにより結晶性ポリエステル樹脂D−1を得た。
樹脂D−1の諸物性を表5に示す。この樹脂のMALDI−TOFMSのマススペクトルには、ポリエスエル分子鎖(D1)の末端にn−オクタデカン酸が結合した構造のピークが確認された。このことから、樹脂D−1は、ポリエスエル分子鎖(D1)の末端にアルキル部(D2)が結合した樹脂であることが確認された。
Figure 0006448351
<製造例D−2乃至D−6>
製造例D−1において、ポリエステル分子鎖(D1)のモノマー種、アルキル部(D2)のモノマー種、およびこれらの配合量を、表5に記載のように変更した以外は製造例D−1と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂D−2乃至D−6を得た。これらの樹脂の諸物性を表5に示す。
また樹脂D−2乃至D−4のMALDI−TOFMSのマススペクトルにおいて、ポリエステル分子鎖(D1)の分子末端にアルキル部(D2)モノマーが結合した構造のピークが確認された。そのため、樹脂D−2乃至D−4は、ポリエステル分子鎖(D1)の分子末端にアルキル部(D2)が結合している樹脂であることが確認された。
<実施例1>
下記表6に示す種類及び使用量の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)内で混合した後、二軸混練機(池貝鉄工(株)製PCM−30型))にて回転数3.3/秒、混練樹脂温度が「非晶性ポリエステル樹脂A−2の軟化点+20℃」となるように混練機バレルの温度を調整して混練した。
Figure 0006448351
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T−250)にて微粉砕した。さらに、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)が7.1μmの負摩擦帯電性のトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、イソブチルトリメトキシシラン15質量%で表面処理した一次平均粒子径50nmの酸化チタン微粒子1.0質量部、及びヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理した一次平均粒子径16nmの疎水性シリカ微粒子0.8質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製FM−75型)内で混合して、「トナー1」を得た。トナー1の処方を表7に示す。
<実施例2乃至31及び比較例1乃至11>
実施例1において、表7に示すようにトナー処方を変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー2乃至31(実施例2乃至31)及びトナー32乃至42(比較例1乃至11)を製造した。
Figure 0006448351
<実施例101>
1.磁性キャリアコアの作製
個数平均粒径0.30μmのマグネタイト微粒子[10000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ75Am/kg、比抵抗5×10(Ω・cm)]と、個数平均粒径0.30μmのヘマタイト微粒子[比抵抗3×10(Ω・cm)]に対して、それぞれ3.5質量%、2.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内で、120℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を親油化処理した。
Figure 0006448351
次いで、上記表8に示す材料をフラスコ内に入れ、攪拌、混合しながら60分かけて85℃まで昇温・保持し、85℃で3時間重合反応させて、生成したフェノール樹脂を硬化させた。その後、硬化したフェノール樹脂を30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5hPa以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性微粒子が分散された状態の磁性微粒子分散型樹脂コアM−1を得た。得られた磁性微粒子分散型樹脂コアM−1は、個数平均粒子径が34μm、BET比表面積が0.07m/gであった。
2.磁性キャリアの作製
次に、下記に示す材料を用いて、以下の手順で、磁性キャリアを作製した。
微粒子分散型樹脂コアM−1:100質量部
アクリル樹脂:1.0質量部 。
先ず、アクリル樹脂をトルエンに固形分10質量%となるように溶解してコーティング液を得た。続いて、コーティング装置(ナウターミキサーNX−10:ホソカワミクロン社製)を用いて、このコーティング液を樹脂コアM−1の表面にコートし、真空乾燥機にて温度100℃、4時間加熱乾燥させた後、♯200のメッシュを用いて篩いを行い、「磁性キャリア1」を得た。
アクリル樹脂としては以下のものを用いた。メタクリル酸メチルモノマー50質量部、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー50質量部を、還流冷却器、温度計、窒素吸い込み管、及びすり合わせ方式撹拌装置を有する四つ口フラスコ内に加えた。さらにトルエン90質量部、メチルエチルケトン110質量部、及びアゾビスイソバレロニトリル2.0質量部を加えた。得られた混合物を、窒素気流下70℃で10時間保持し、重合反応終了後、洗浄を繰り返し、アクリル樹脂を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は50,000であり、またTgは90℃であった。
3.二成分系現像剤の製造
トナー1と磁性キャリア1を用いて、トナー濃度が10質量%となるよう、V型ミキサーを用いて混合して、二成分系現像剤1を作製した。
4.二成分系現像剤の評価
このようにして得られた二成分系現像剤を以下の評価(1)〜(4)に供した。いずれの評価においても、「評価機」としては、市販のimageRUNNER ADVANCE(iR−ADV C5250、キャノン(株)製)を改造した、「改造機」を用いた。評価(1)〜(3)においては、前記「評価機」の定着器のスリーブの表面温度を160℃とし、プロセススピードを384mm/secになるように改造した、「改造機」を用いた。また、評価(2)の空回転評価においては、回転数を任意に設定できるように改造した「外部空回転機」を用いた。評価(4)においては、前記「評価機」から定着器を取り外し、定着器として、別途作成した「外部定着器」を用いた。
(1)高温耐久性(空回転前後の濃度維持率)
前記改造機からブラックステーションの現像器を取り出して現像剤を抜き取って清掃したのち、該現像器に前記二成分系現像剤1を250g投入し、該現像器を改造機に挿入してイニシャライズを行った。マゼンタ、イエロー、及びシアンの各ステーションについては、それぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびシアンの現像器を、改造機に挿入した。
温度32.5℃、相対湿度95%環境下で、レーザーコピア用紙(キヤノン(株)製GF−C081、A4紙、坪量81.4g/m)を使用し、初期画出しを行った。このとき画像は先端余白10mm、50mm×50mmベタ画像を出力し、「初期画像の濃度」が1.50となるように電位設定を調整した。画像濃度の測定はエックスライト(エックスライト社製、500シリーズ、濃度測定モード)を使用した。
その後、改造機から現像器を抜き取り、該現像器を外部空回転機にセットし、温度42℃、相対湿度41%の恒温槽内に投入して、3時間空回転を行った。その際、外部空回転機の回転数は、プロセススピード384mm/secとなるよう設定した。
3時間空回転後の現像器を、外部空回転機から取り外した。次いで、この現像器を改造機に挿入し、温度32.5℃、相対湿度95%の環境下で、初期と同じ電位設定にて画出しを行い、「空回転後の画像濃度」を測定した。
そして、空回転後の画像濃度を初期の画像濃度で除して、100倍することで、空回転前後の濃度維持率を算出し、以下の基準で高温耐久性をA〜Dにランク付けした。
本発明においては、ランクCまでが許容できるレベルである。
A:空回転後の濃度維持率が10%未満である。(優れる)
B:空回転後の濃度維持率が10%以上、20%未満である。(良好)
C:空回転後の濃度維持率が20%以上、30%未満である。(やや良好)
D:空回転後の濃度維持率が30%未満である。(従来製品レベル)。
(2)両面印刷時の耐ホットオフセット性(紙種の違いによるカブリ率)
前記改造機を用い、温度23℃、相対湿度50%環境下で、下記の評価紙(坪量の異なる3種)を用いて、両面印刷時の耐ホットオフセット性の評価を行った
・キヤノン製CS520:A4紙、坪量52g/m
・キヤノン製GF600:A4紙、坪量60g/m
・キヤノン製GF680:A4紙、坪量68g/m
ブラックステーションの現像器を取り出して現像剤を抜き取って清掃したのち、該現像器に前記二成分系現像剤1を250g投入し、該現像器を改造機に挿入してイニシャライズを行った。その後、上記の評価紙それぞれについて、両面印刷モードにて、裏面に先端余白10mm、20mm×20mmのハーフトーン画像部(ドット比率23%、トナー載り量0.10mg/cm)有する評価画像を出力し、次いで同条件で白紙を出力した。
そして評価画像のハーフトーン画像部の白地部への「カブリ率」を測定することにより、両面印刷時の耐ホットオフセット性を評価した。
カブリ率の測定は以下のようにして行った。
評価画像の定着器2周目に対応する白地部と、同条件で出力した白紙について、デジタル白色光度計(TC−6D型、有限会社東京電色製、グリーンフィルター使用)を用い、反射率(%)を5点測定し、それぞれの平均反射率(%)を求めた。そして白紙の平均反射率(%)と評価画像の平均反射率(%)の差をカブリ率(%)とした。
そして、各評価紙におけるカブリ率から、より薄紙使用でもカブリ率の低いトナーを、両面印刷時の耐ホットオフセット性に優れたトナーであると判断した。結果は以下の基準でA〜Dにランク付けした。本発明ではランクCまでが許容できるレベルである。
A:坪量52g/m紙でのカブリ率が1.0%未満である。(優れる)
B:坪量52g/m紙でのカブリ率が1.0%以上であり、かつ、坪量60g/m紙でのカブリ率が1.0%未満である。(良好)
C:坪量60g/m紙でのカブリ率が1.0%以上であり、かつ、坪量68g/m紙でのカブリ率が1.0%未満である。(やや良好)
D:坪量68g/m紙でのカブリ率が1.0%以上である。(従来製品レベル)。
(3)両面印刷時のグロスの均一性(表面と裏面のグロス変化率)
前記改造機を用い、温度23℃、相対湿度50%環境下で、下記の評価紙を用いて、両面印刷時のグロスの均一性を評価した。
まずブラックステーションの現像器を取り出して現像剤を抜き取って清掃したのち、該現像器に前記二成分系現像剤1を250g投入し、該現像器を改造機に挿入してイニシャライズを行った。マゼンタ、イエロー、及びシアンの各ステーションについては、それぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびシアンの現像器を改造機に挿入した。
評価紙としては、レーザーコピア用紙(キヤノン製GF−C081:A4紙、坪量81.4g/m)を使用した。画像は先端余白10mm、50mm×50mmのベタ画像を、表面と裏面に出力し、表面の画像濃度が1.50となるように電位設定を調整した。
ハンディグロスメーター(PG−1M型、有限会社東京電色製)を用いて、表面と裏面のベタ画像の60°グロス値をそれぞれ5点測定して平均値を求めた。そして両者のグロス値(平均値)の差を、裏面のグロス値(平均値)で除して、100倍することにより、表面と裏面のグロス変化率(%)を求めた。
この画像グロスの変化率(%)が低いほど、両面印刷時のグロスの均一性に優れたトナーであると判断した。結果は以下の基準でA〜Dにランク付けした。本発明ではランクCまでが許容できるレベルである。
A:表面と裏面のグロス変化率(%)が10%未満である。(優れる)
B:表面と裏面のグロス変化率(%)が10%以上、20%未満である。(良好)
C:表面と裏面のグロス変化率(%)が20%以上、30%未満である。(やや良好)
D:表面と裏面のグロス変化率(%)が30%以上である。(従来製品レベル)。
(4)定着性(紙種の違いによるテープ剥離後の濃度低下率)
前記評価機から定着器を取り外し、定着装置の定着温度、定着ニップ面圧及びプロセススピードを任意に設定できるようにした「外部定着器」を、該評価機に取り付けた。
温度23℃、相対湿度50%環境下で、該外部定着器のスリーブ表面温度を160℃とし、定着ニップ面圧を0.13MPaとし、プロセススピードを384mm/secとして、下記の評価紙(坪量の異なる3種)を用いて、定着性の評価を行った。
・GF−C157 :A4紙、坪量157g/m
・カラーレーザNPI上質厚紙:A4紙、坪量128g/m
・GF−C104 :A4紙、坪量104g/m
未定着画像の画出しは以下のようにして行った。
評価機のシアンステーション、及びブラックステーションの現像器から製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃し、各現像器にそれぞれ、前記二成分系現像剤1を250g充填し、これらの現像器を評価機に挿入した。イエロー、及びマゼンタの各ステーションについては、それぞれ製品現像剤を抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたイエロー、およびマゼンタの現像器を評価機に挿入した。
その後、前記のそれぞれの評価紙に対して、先端余白10mm、50mm×50mmのベタ画像を出力し、トナー載り量が0.90mg/cmとなるようにベタ黒の未定着画像を出力した。
該未定着画像を、前記外部定着器に通紙することで定着画像を得た。
得られた定着画像のベタ黒画像部の画像濃度を5点測定して平均し、「初期濃度」とした。
その後、該ベタ黒画像部にポリエステルテープ(No.5515 ニチバン社製)を張り付け、該ポリエステルテープ上において、100gの荷重を3往復して、該ポリエステルテープを画像に密着させた。その後、該ポリエステルテープをはがした後、該定着画像の画像濃度を5点測定して平均し、「テープ剥離後濃度」とした。なお画像濃度の測定はエックスライト(エックスライト社製、500シリーズ、濃度測定モード)を使用した。
そして、初期濃度とテープ剥離後濃度との差を初期濃度で除して100倍することにより、テープ剥離後濃度維持率(%)を求めた。
各評価紙におけるテープ剥離後濃度維持率(%)から、より厚紙使用でもテープ剥離後濃度維持率(%)の低いトナーを、定着性に優れたトナーであると判断した。結果は以下の基準でA〜Dにランク付けした。本発明ではランクCまでが許容できるレベルである。
A:坪量157g/m紙でのテープ剥離後濃度維持率(%)が10.0%未満である(優れる)。
B:坪量157g/m紙でのテープ剥離後濃度維持率(%)が10.0%以上であり、かつ、坪量128g/m紙でのテープ剥離後濃度維持率(%)が10.0%未満である(良好)。
C:坪量128g/m紙でのテープ剥離後濃度維持率(%)が10.0%以上であり、かつ、坪量104g/m紙でのテープ剥離後濃度維持率(%)が10.0%未満である(やや良好)。
D:坪量104g/m紙でのテープ剥離後濃度維持率(%)が10.0%以上である(従来製品レベル)。
以上の評価(1)〜(4)において、良好な結果が得られた。評価結果を表9に示す。
<実施例102乃至131、比較例101乃至111>
実施例101において、トナーを表9に示すように変更した以外は、実施例101と同様にして二成分系現像剤102乃至131(実施例102乃至131)及び二成分系現像剤132乃至142(比較例101乃至111)を作製し、評価した。評価結果を表9に示す。
Figure 0006448351

Claims (8)

  1. トナー粒子を含有するトナーであって、
    該トナー粒子は、非晶性ポリエステル樹脂A、離型剤B、添加剤C、及び着色剤を含有し、
    該添加剤Cは、ポリエステル部(C1)と結晶性アクリル部(C2)とが両反応性モノマーにより化学的に結合した樹脂であり、
    該両反応性モノマーに由来するユニットが該ポリエステル部(C1)の末端に存在し、
    該両反応性モノマーは、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸及び無水マレイン酸からなる群より選択されるモノマーであり、
    該結晶性アクリル部(C2)が、下記の化学式(1)で示される部分構造を有することを特徴とするトナー:
    Figure 0006448351
    [式中、Rは、炭素数18〜30の炭化水素基を表し、Xは、水素原子或いはメチル基を表す。]。
  2. 前記トナー粒子が粉砕トナー粒子である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記添加剤Cを試料とする示差走査熱量測定(DSC)によって得られる温度−吸熱量曲線において、融解ピークが存在し、
    前記融解ピークは、
    i)ピーク温度Tmcが50℃以上70℃以下であり、
    ii)前記添加剤Cの1g当りの融解熱量ΔHcが2.00J/g以上20.00J/g以下であり、
    iii)半値幅Wcが5.00℃以下である、
    請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記離型剤Bを試料とする示差走査熱量測定(DSC)により得られる温度−吸熱量曲線において、融解ピークが存在し、前記融解ピークのピーク温度をTmb(℃)としたとき、前記離型剤Bの融解ピーク温度Tmbと前記添加剤Cの融解ピーク温度Tmcとが、下記式(1)を満たす請求項3に記載のトナー。
    3≦Tmb−Tmc≦23 ・・・(1)
  5. 前記トナー粒子が結晶性ポリエステル樹脂Dを含有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記結晶性アクリル部(C2)の構成ユニットの95モル%以上が、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルに由来する構造である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 前記両反応性モノマーが無水マレイン酸である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のトナー、及び磁性キャリアを含む二成分系現像剤。
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