JP6800737B2 - 画像形成方法、画像形成装置及びトナーキット - Google Patents
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Description
しかしながら、これら透明トナーを用いた画像形成方法は、転写材上にカラートナー像と透明トナー像を順次形成し、定着しなければならないため、一度に定着しなければならないトナー量が増えてしまう。そのため、定着装置としては多くの加熱温度、加圧圧力を必要とされ、それに伴い、オフセット現象や、定着後の定着部材と転写材との分離において不具合が発生し易かった。
これに対し、転写材上にまずカラートナー像だけを形成して定着してから、その上に透明トナー像を形成して定着し、透明トナーのみに必要な、定着温度、加圧に調整することにより耐オフセット性、分離性を改良する提案もされている。
しかしながら、どちらの方法においても、透明トナーの画像部と白地部とで転写材状へのトナー乗り量が変化することにより、トナーの受ける熱量が変化し定着後トナー表層状態に影響を及ぼす。それにより画像の光沢一様性を保つことが難しく、特に、トナーの乗り量が少なくなる白地部においては、透明トナーが転写材に過度に浸透し、転写材の地合いが透け出す「鬆」現象が発生し、光沢度の低下が著しかった。
また透明トナーを用いた画像形成方法として、透明トナーを用いて、シートに、グロスマーク、ウォーターマーク、セキュリィティマークなどのマークを形成する方法がある。具体的には、シートの白地部に、上記のロゴなどのマークを画像形成して、透かしのように用いる方法がある。或いは、シートの画像部のうち、カラートナーで画像形成した上に、上記のロゴなどのマークを画像形成して、光沢差によって前記マークを目立たせる方法がある。
このようなマークの形成に用いられる透明トナーは、上記した光沢付与に用いられる透明トナーとは異なり、カラートナーとの光沢度に差があることが好ましい。
例えば、特許文献1及び2においては、カラートナーと透明トナーの貯蔵弾性率を調整することにより光沢性の確保、トナーブリスター現象の抑制の提案がされている。しかしながら、白地部と画像部での光沢一様性の面で不十分であり、また一方で「透かし」マーク等の画像形成においては、カラー画像と透明画像の光沢差が不十分であり改良の余地があった。
さらに、「透かし」マーク等の画像出力の際も十分な認識性能を満足する画像形成方法、画像形成装置及びトナーキットを提供することである。
すなわち、本発明は、静電潜像担持体を帯電手段により帯電する帯電工程、
帯電された前記静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程、
現像装置を用いて、トナーと磁性キャリアを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程、
中間転写体を介して又は介さずに前記トナー像を転写材に転写する転写工程、及び
転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程
を有する画像形成方法において、
前記画像形成方法は、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーからなる群から選択される1種以上の有色トナーと透明トナーとを組み合わせてカラートナー画像を形成し、前記転写材上の最上層に透明トナー像を形成する画像形成方法であり、
前記有色トナー及び透明トナーは、結着樹脂、及び離型剤を含むトナーであり、
前記有色トナーの90℃における貯蔵弾性率G’Cl(90)と、前記透明トナーの90℃における貯蔵弾性率G’Tr(90)が、以下の式(1)〜(3)を満足する
ことを特徴とする画像形成方法に関する。
3.0×105 (Pa)≦G’Tr(90)≦1.0×107 (Pa) (1)
5.0×104 (Pa)≦G’Cl(90)≦1.0×106 (Pa) (2)
7.0≦G’Tr(90)/G’Cl(90)≦100.0 (3)
また、本発明は、静電潜像担持体を帯電するための帯電手段、
帯電された前記静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成するための露光手段、
トナーと磁性キャリアを含む現像剤を有し、前記現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成するための現像手段、
中間転写体を介して又は介さずに前記トナー像を転写材に転写するための転写手段、及び
転写されたトナー像を前記転写材に定着するための定着手段
を有する画像形成装置おいて、
前記画像形成装置は、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーからなる群から選択される1種以上の有色トナーと透明トナーとを組み合わせてカラートナー画像を形成し、前記転写材上の最上層に透明トナー像を形成する画像形成装置であり、
前記有色トナー及び透明トナーは、結着樹脂、及び離型剤を含むトナーであって、
前記有色トナーの90℃における貯蔵弾性率をG’Cl(90)と、前記透明トナーの90℃における貯蔵弾性率G’Tr(90)が、以下の式(1)〜(3)を満足する
ことを特徴とする画像形成装置に関する。
3.0×105 (Pa)≦G’Tr(90)≦1.0×107 (Pa) (1)
5.0×104 (Pa)≦G’Cl(90)≦1.0×106 (Pa) (2)
7.0≦G’Tr(90)/G’Cl(90)≦100.0 (3)
さらに、本発明は、静電潜像担持体を帯電手段により帯電する帯電工程、
帯電された前記静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程、
現像装置を用いて、トナーと磁性キャリアを含む現像剤により前記静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像工程、
中間転写体を介して又は介さずに前記トナー像を転写材に転写する転写工程、及び
転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程
を有する画像形成方法に用いられるトナーキットおいて、
前記画像形成方法は、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーからなる群から選択される1種以上の有色トナーと透明トナーとを組み合わせてカラートナー画像を形成し、前記転写材上の最上層に透明トナー像を形成する画像形成方法であり、
前記有色トナー及び透明トナーは、結着樹脂、離型剤を含むトナーであって、
前記有色トナーの90℃における貯蔵弾性率をG’Cl(90)と、前記透明トナーの90℃における貯蔵弾性率G’Tr(90)が以下の式(1)〜(3)を満足することを特徴とする画像形成方法に用いられるトナーキットに関する。
3.0×105 (Pa)≦G’Tr(90)≦1.0×107 (Pa) (1)
5.0×104 (Pa)≦G’Cl(90)≦1.0×106 (Pa) (2)
7.0≦G’Tr(90)/G’Cl(90)≦100.0 (3)
3.0×105≦G’Tr(90)≦1.0×107 (1)
5.0×104≦G’Cl(90)≦1.0×106 (2)
7.0≦G’Tr(90)/G’Cl(90)≦100.0 (3)
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、特に限定されず、下記の重合体又は樹脂を用いることが可能である。
本発明のトナーに用いられる離型剤としてのワックスとしては、特に限定されないが、以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
本発明の有色トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
本発明では、必要に応じて流動性向上や摩擦帯電量調整のために、更に外添剤が添加されていてもよい。
本発明のトナーは、長期にわたり安定した画像が得られるという点で、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることが好ましい。
本発明のトナーの製造方法は、乳化凝集法、溶融混練法、溶解懸濁法など従来公知のトナー製造方法であれば特に限定されないが、原材料の分散性の観点から溶融混練法が好ましい。
測定装置としては、回転平板型レオメーター「ARES」(TA INSTRUMENTS社製)を用いる。測定試料としては、25℃の環境下で、錠剤成型器を用いて、トナーを直径7.9mm、厚さ2.0±0.3mmの円板状に加圧成型した試料を用いる。該試料をパラレルプレートに装着し、室温(25℃)から100℃に15分間で昇温して、試料の形を整えた後、粘弾性の測定開始温度まで冷却し、測定を開始する。この際、初期のノーマルフォースが0になるようにサンプルをセットすることが、重要である。また、以下に述べるように、その後の測定においては、自動テンション調整(Auto Tension Adjustment ON)にすることで、ノーマルフォースの影響をキャンセルできる。
(1)直径7.9mmのパラレルプレートを用いる。
(2)周波数(Frequency)は6.28rad/sec(1.0Hz)とする。
(3)印加歪初期値(Strain)を0.1%に設定する。
(4)30乃至200℃の間を、昇温速度(Ramp Rate)2.0℃/minで測定を行う。尚、測定においては、以下の自動調整モードの設定条件で行う。自動歪み調整モード(Auto Strain)で測定を行う。
(5)最大歪(Max Applied Strain)を20.0%に設定する。
(6)最大トルク(Max Allowed Torque)200.0g・cmとし、最低トルク(Min Allowed Torque)0.2g・cmと設定する。
(7)歪み調整(Strain Adjustment)を「20.0% of Current Strain」と設定する。測定においては、自動テンション調整モード(Auto Tension)を採用する。
(8)自動テンションディレクション(Auto Tension Direction)をコンプレッション(Compression)と設定する。
(9)初期スタティックフォース(Initial Static Force)を10.0g、自動テンションセンシティビティ(Auto Tension Sensitivity)を40.0gと設定する。
(10)自動テンション(Auto Tension)の作動条件は、サンプルモデュラス(Sample Modulus)が1.0×103Pa以上である。
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
ワックスの融点は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定したDSC曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度を融点とする。
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出する。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムを脱イオン水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mlの丸底ビーカー内に前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去する。
(2)ガラス製の100mlの平底ビーカー内に前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を脱イオン水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量の脱イオン水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液中に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカー内に、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
(低分子量ポリエステル樹脂Lの製造例1)
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:72.0質量部
・テレフタル酸:28.0質量部
・2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させた。ASTM D36−86に従って測定した軟化点が94℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、低分子量ポリエステル樹脂L−1を得た。得られた低分子量ポリエステル樹脂L−1の軟化点(Tm)は96℃、ガラス転移温度(Tg)は57℃であった。
低分子量ポリエステル樹脂Lの製造例1において、反応条件を調整しながら、表1に示す分子量、ガラス転移点、軟化点になるように反応条件を調整しながら、低分子量ポリエステル樹脂L−2乃至L−8を製造した。得られた低分子量ポリエステル樹脂Lの物性を表1に示す。
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:72.3質量部
・テレフタル酸:18.3質量部
・フマル酸:2.9質量部
・2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させた。ASTM D36−86に従って測定した軟化点が132℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、高分子量ポリエステル樹脂A(H)−1を得た。得られた高分子量ポリエステル樹脂A(H)−1の軟化点(Tm)は132℃、ガラス転移温度(Tg)は61℃であった。
高分子量ポリエステル樹脂Hの製造例1において、反応条件を調整しながら、表2に示す分子量、ガラス転移点、軟化点になるように反応条件を調整しながら、、高分子量ポリエステル樹脂H−2乃至H−7を製造した。得られた高分子量ポリエステル樹脂Hの物性を表2に示す。
(ハイブリット樹脂Mの製造例1)
・スチレン10質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート5質量部
・フマル酸2質量部
・α−メチルスチレンの2量体5質量部
にジクミルパーオキサイドを滴下ロートに入れた。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン25質量部、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン15質量部、テレフタル酸9質量部
無水トリメリット酸5質量部
フマル酸24質量部と、更に、
・2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒):0.5質量部
をガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を四つ口フラスコに取りつけ、この四つ口フラスコをマントルヒーター内に設置した。次に四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、130℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートより、ビニル系共重合体の単量体及び重合開始剤を約4時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、約4時間反応させてハイブリッド樹脂を得た。
ハイブリット樹脂Mの製造例1において、反応条件を調整しながら、表3に示す分子量、ガラス転移点、軟化点になるように反応条件を調整しながら、ハイブリット樹脂M−2乃至M−16を製造した。得られたハイブリット樹脂Mの物性を表3に示す。
・低分子量ポリエステル樹脂L−1 75.00質量部
・高分子量ポリエステル樹脂H−1 25.00質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃)5.00質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.00質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.50質量部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度125℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s-1で分級を行った。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が6.8μmであった。
低分子量ポリエステル樹脂L−1及び高分子量ポリエステル樹脂H−1をそれぞれ表4に示す樹脂に変更する以外はカラートナーの製造例1と同様にして、カラートナー2乃至18を得た。得られたカラートナーの物性を表4に示す。
・ハイブリット樹脂M−1 100.00質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度75℃)5.00質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.50質量部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度125℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s-1で分級を行った。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.8μmであった。
ハイブリット樹脂M−1を、ハイブリット樹脂M−2乃至16に変更する以外は、透明トナーの製造例1と同様にして、透明トナー2乃至16を得た。得られた透明トナーの物性を表5に示す。
・工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 62.0質量部
MnCO3 30.0質量部
Mg(OH)2 7.0質量部
SrCO3 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
・工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.5質量%
メチルメタクリレートモノマー 0.5質量%
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.0質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 30.0質量%
メチルエチルケトン 30.0質量%
アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに入れ、窒素ガスを導入して窒素ガスで系内を置換した。その後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30質量部、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.5質量%
トルエン 66.0質量%
カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) 0.5質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m2/g、DBP吸油量75ml/100g)
を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで2時間分散をおこなった。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過をおこない、被覆樹脂溶液1を得た。
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1を、充填コア粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
カラートナー1と磁性キャリア1とで、トナー濃度が9質量%になるようにV型混合機(V−10型:株式会社徳寿製作所)で0.5s-1、回転時間5minで混合し、カラートナー用二成分系現像剤1を得た。
カラートナー1を、カラートナー2乃至18に変更する以外は、カラートナー用二成分現像剤1の製造例と同様にして、カラートナー用二成分現像剤2乃至18を得た。
透明トナー1と磁性キャリア1とで、トナー濃度が9質量%になるようにV型混合機(V−10型:株式会社徳寿製作所)で0.5s-1、回転時間5minで混合し、透明トナー用二成分系現像剤1を得た。
透明トナー1を、透明トナー2乃至16に変更する以外は、透明トナー用二成分現像剤1の製造例と同様にして、透明トナー用二成分現像剤2乃至16を得た。
以下の方法(1)〜(4)に従って、トナーの性能評価を行った。
上記画像サンプルにおいて、シアントナーと透明トナーで形成した画像部2及び透明トナーで形成した白地部のそれぞれの画像上10点の光沢度(グロス)を測定し、その平均値を画像部及び白地部の光沢度(%)とし、その差分Δ(画像部光沢度(%)―白地部光沢度(%))により光沢一様性を評価した。評価結果を表7に示す。
A:1.0%未満 (非常に優れている)
B:1.0%以上3.0%未満 (優れている)
C:3.0%以上5.0%未満 (やや優れている)
D:5.0%以上7.0%未満 (従来技術レベル;本発明において許容レベル)
E:7.0%以上 (従来より劣る;本発明において実用不可レベル)
上記評価サンプルにおいて、シアントナーのみで形成した画像部1と、シアントナーと透明トナーで形成した画像部2のそれぞれの画像上10点の光沢度(グロス)を測定し、その平均値を画像部1及び画像部2の光沢度(%)とし、その差分Δ(画像部1の光沢度(%)―画像部2の光沢度(%))により「透かし」画像に認知性を評価した。評価結果を表7に示す。
A:8.0%以上 (非常に優れている)
B:6.0%以上8.0%未満 (優れている)
C:4.0%以上6.0%未満 (やや優れている)
D:2.0%以上4.0%未満 (従来技術レベル;本発明において許容レベル)
E:2.0%未満 (従来より劣る;本発明において実用不可レベル)
キヤノン製フルカラー複写機imagePRESS C800のシアンステーションにカラートナー用二成分系現像剤1を入れた現像器を搭載し、ブラックステーションに透明トナー用二成分系現像剤1を入れた現像器を搭載し、定着温度を取り外した状態で画像形成できるように改造し、未定着画像を形成した。評価には、普通紙:OSE TOP COLOR PAPER(A4 100.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
A:110℃未満 (非常に優れている)
B:110℃以上140℃未満 (優れている)
C:140℃以上155℃未満 (やや優れている)
D:155℃以上180℃未満 (従来技術レベル;本発明において許容レベル)
E:180℃以上 (従来より劣る;本発明において実用不可レベル)
評価には、普通紙:CS−680(A4;68.0g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
A:220℃以上 (非常に優れている)
B:205℃以上220℃未満 (優れている)
C:190℃以上205℃未満 (やや優れている)
D:175℃以上190℃未満 (従来技術レベル;本発明において許容レベル)
E:175℃未満 (従来より劣る;本発明において実用不可レベル)
実施例1において、光沢一様性、「透かし」画像認知性の評価用サンプル作製するための、キヤノン製フルカラー複写機imagePRESS C800の定着スピードを、350mm/sec、キヤノン製フルカラー複写機imagePRESS C1+のの定着スピードを175mm/secに変更する以外は同様にして評価を行った。評価結果を表7に示す。
キヤノン製フルカラー複写機imagePRESS C800のシアンステーションに上記カラートナー用二成分系現像剤1を入れ、ブラックステーションに透明トナー用二成分現像剤1を入れ、透明トナーを用い、FFH画像(以下、ベタ部)のトナーの紙上への載り量が0.45mg/cm2となるように現像条件を適宜調整して、A4評価紙先端から5cm、評価紙中心の位置に4cm×15cmの透明トナーのベタ画像ができるように画像形成し、一次転写体に転写した。
実施例3において、表6に示すように、カラートナー用二成分現像剤2乃至18、透明トナー用二成分現像剤2乃至16に変更する以外は同様にして評価した。評価結果を表7に示す。
Claims (4)
- 静電潜像担持体を帯電手段により帯電する帯電工程、
帯電された前記静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程、
現像装置を用いて、トナーと磁性キャリアを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程、
中間転写体を介して又は介さずに前記トナー像を転写材に転写する転写工程、及び
転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程
を有する画像形成方法において、
前記画像形成方法は、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーからなる群から選択される1種以上の有色トナーと透明トナーとを組み合わせてカラートナー画像を形成し、前記転写材上の最上層に透明トナー像を形成する画像形成方法であり、
前記有色トナー及び透明トナーは、結着樹脂、及び離型剤を含むトナーであり、
前記有色トナーの90℃における貯蔵弾性率G’Cl(90)と、前記透明トナーの90℃における貯蔵弾性率G’Tr(90)が、以下の式(1)〜(3)を満足する
ことを特徴とする画像形成方法。
3.0×105 (Pa)≦G’Tr(90)≦1.0×107 (Pa) (1)
5.0×104 (Pa)≦G’Cl(90)≦1.0×106 (Pa) (2)
7.0≦G’Tr(90)/G’Cl(90)≦100.0 (3) - 前記有色トナーの130℃における貯蔵弾性率G’Cl(130)と、前記透明トナーの130℃における貯蔵弾性率G’Tr(130)が、以下の式(4)及び(5)を満足することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
1.0×103 (Pa)≦G’Cl(130)≦1.0×105 (Pa) (4)
0.5≦G’Tr(130)/G’Cl(130)≦5.0 (5) - 静電潜像担持体を帯電するための帯電手段、
帯電された前記静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成するための露光手段、
トナーと磁性キャリアを含む現像剤を有し、前記現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成するための現像手段、
中間転写体を介して又は介さずに前記トナー像を転写材に転写するための転写手段、及び
転写されたトナー像を前記転写材に定着するための定着手段
を有する画像形成装置おいて、
前記画像形成装置は、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーからなる群から選択される1種以上の有色トナーと透明トナーとを組み合わせてカラートナー画像を形成し、前記転写材上の最上層に透明トナー像を形成する画像形成装置であり、
前記有色トナー及び透明トナーは、結着樹脂、及び離型剤を含むトナーであって、
前記有色トナーの90℃における貯蔵弾性率をG’Cl(90)と、前記透明トナーの90℃における貯蔵弾性率G’Tr(90)が、以下の式(1)〜(3)を満足する
ことを特徴とする画像形成装置。
3.0×105 (Pa)≦G’Tr(90)≦1.0×107 (Pa) (1)
5.0×104 (Pa)≦G’Cl(90)≦1.0×106 (Pa) (2)
7.0≦G’Tr(90)/G’Cl(90)≦100.0 (3) - 静電潜像担持体を帯電手段により帯電する帯電工程、
帯電された前記静電潜像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程、
現像装置を用いて、トナーと磁性キャリアを含む現像剤により前記静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像工程、
中間転写体を介して又は介さずに前記トナー像を転写材に転写する転写工程、及び
転写されたトナー像を転写材に定着する定着工程
を有する画像形成方法に用いられるトナーキットおいて、
前記画像形成方法は、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーからなる群から選択される1種以上の有色トナーと透明トナーとを組み合わせてカラートナー画像を形成し、前記転写材上の最上層に透明トナー像を形成する画像形成方法であり、
前記有色トナー及び透明トナーは、結着樹脂、離型剤を含むトナーであって、
前記有色トナーの90℃における貯蔵弾性率をG’Cl(90)と、前記透明トナーの90℃における貯蔵弾性率G’Tr(90)が以下の式(1)〜(3)を満足することを特徴とする画像形成方法に用いられるトナーキット。
3.0×105 (Pa)≦G’Tr(90)≦1.0×107 (Pa) (1)
5.0×104 (Pa)≦G’Cl(90)≦1.0×106 (Pa) (2)
7.0≦G’Tr(90)/G’Cl(90)≦100.0 (3)
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