JP6140002B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電荷像を顕像化するための画像形成方法及びトナージェットに使用されるトナーに関する。
一般的な電子写真法は、像担持体(感光体)上に潜像を形成し、該潜像にトナーを供給して可視像化し、紙などの転写材にトナー画像を転写した後に、熱/圧力により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得る方法が知られている。
電子写真装置の省電力化、ウェイトタイムの短縮化のために、定着装置として、熱容量の小さいセラミックヒーターとフィルムを組み合わせたオンデマンド方式の定着装置が実用化されてきている。
このような定着装置では、長寿命化及び多様なメディア対応の観点から、定着装置の定着ニップ内圧力を低減させる試みがなされている。
また近年のプリントスピード高速化に伴い、トナーと紙などのメディアが定着装置のニップ内を通過する時間は年々短くなってきている。
さらに、近年、デジタルカメラ、携帯端末等によって取り込まれた画像データやポスター等、印字比率の高いグラフィック画像をユーザーがレーザープリンター(LBP)などの画像形成装置を用いて出力する機会が増加している。
このような背景から、印字比率の高い画像を、短時間で、しかもニップ内の定着圧力が低いという、より厳しい定着条件下においても、優れた低温定着性を示すトナーが求められてきている。
このような定着装置で低温定着化を達成するには、従来以上のトナーの低温定着化が必要であり、これに対して、結着樹脂として非晶性樹脂だけでなく、結晶性樹脂を使用するという報告が数多くされている。
結晶性樹脂は、ガラス転移温度付近で急激に溶融し、非晶性樹脂との相溶性を高める事で、低温定着性が改良できることが知られている(特許文献1)。
しかしながら、両者の相溶性が高すぎると、かえってトナーの耐熱保存性や結晶性が低下するという課題が挙げられる。
逆に非晶性樹脂と結晶性樹脂の相溶性を低くすると結晶性樹脂の結晶は形成され易くなる傾向にあるが、融点以上においても両者は相溶し難いため、特に定着時間が短い場合や、ニップ内圧力が低い場合、低温定着性を良化することは困難であった。
一方で、樹脂の低分子量成分の量を少なくすることで定着性とトナーの耐劣化性を向上できることが知られている(特許文献2)。
しかしながら、樹脂にシャープメルト性をもたせるだけでは定着圧力が低い場合は定着性が不十分である。
その課題を解決するために、低分子量成分が少ない非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルとを含有させることで、低温定着性と光沢性を改善できることが知られている(特許文献3)。
しかしながら、非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルだけを含有させるだけだと、定着工程においてトナーを溶融させると、非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルが相溶してしまう。その結果、定着画像のトナーが必要以上に可塑化してしまい、高温高湿といった過酷な環境において定着後のトナー画像がブロッキングしてしまうことがあった。
このように、優れた低温定着性能と定着画像の高温環境での長期保存安定性との両立のための技術的課題は非常に多く、改良の余地を有する。
特開2010−102058号公報 特開2005−84226号公報 特開2007−21595号公報
本発明の目的は上記問題点を解消したトナーを提供することである。
さらに、本発明の目的は、定着ニップ内圧力が低い定着器構成で且つ高速現像するシステムにおいても、良好な厚紙定着性を有し、且つ長期間保存しても安定した画像を有し、かつ定着の光沢ムラが少ない特徴を有するトナーを提供することである。
本発明は、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B、及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該ポリエステル樹脂Aは、結晶構造をとりうる部位を有するポリエステル部と、結晶核剤部とを有し、該ポリエステル部の末端に結晶核剤部が結合しており、
該ポリエステル樹脂Bは、結晶構造をとりうる部位を有さない樹脂であり、
該ポリエステル樹脂Bのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した際に得られるチャートにおいて、分子量1500以下の成分の割合が5.0面積%以上、15.0面積%以下であり、
該ポリエステル樹脂Aにおける該ポリエステル部のSP値Sa((cal/cm1/2)、該ポリエステル樹脂BのSP値をSb((cal/cm1/2)としたとき、該Saと該Sbとが下記式を満たすことを特徴とするトナー。
9.50≦Sa≦11.00
−0.65≦Sb−Sa≦0.70
本発明によれば、トナー中のポリエステル樹脂Aに結晶核剤を結合させ、ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂BのSP値及び結着樹脂Bの低分子量成分を一定の範囲に制御したトナーを使用する。それにより、定着ニップ内圧力が低い定着器構成で且つ高速現像するシステムにおいても、良好な厚紙定着性を有し、且つ長期間保存しても安定した画像を有し、かつ定着の光沢ムラが少ない特徴を有するトナーを提供することにある。
本発明のトナーにおいては、定着時の加熱による温度上昇に伴い、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとの存在状態が急速に変化する。そして、このような急激な存在状態の変化によって、発明の効果が得られるものである。以下詳細を説明する。
ポリエステル樹脂Aは、結晶構造をとりうる部位を有するポリエステル部を有する樹脂であって、結晶構造部の融点以上の温度に加熱されることによって融解し、ポリエステル樹脂Bに対する可塑効果を発揮する。その結果、トナーの低温定着性を向上させる。ポリエステル樹脂Aの融点を超えて加熱された際に、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとが相溶状態となると、トナー全体としてもガラス転移温度(Tg)が大幅に低下し、溶融粘度も低い状態となる。そのため、定着時には両者が完全に相溶できる状態にすることが必要である。
一方、室温において、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとが相溶状態となる場合には、トナー或いは定着後の画像の高温環境下での保存性が低下してしまう。そのため、室温においては、両者は相分離構造をとることが重要となる。
従って、結晶構造をとりうる部位を有するポリエステル樹脂Aと結晶構造をとりうる部位を有さないポリエステル樹脂Bとを含有するトナーには、以下の特性を満たすことが求められる。
i)画像形成に供される前のトナーには、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとが相分離した状態にある。
ii)定着時には、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとが相溶状態になる。
iii)定着後、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとは、速やかに相分離構造へ戻る。
本発明のトナーは、上記の特性を満たすトナーであって、室温での相分離状態と高温での相溶状態とを、可逆的に、速やかに変化することができるトナーである。
そのためには、ポリエステル樹脂Aにおける該ポリエステル部が高い結晶化度を有する結晶性樹脂であること、ポリエステル樹脂Aにおける該ポリエステル部とポリエステル樹脂BとのSP値が一定範囲であることが重要となる。
また、ポリエステル樹脂は分子量に分布をもち、その中でも低分子量成分は熱溶融しやすく、定着時に可塑化効果を発現するが、室温での相分離構造をとりづらい。つまり、可逆的相転移に影響を及ぼしてしまう。従って、ポリエステル樹脂Bの低分子量成分の量を一定範囲にすることも重要である。
本発明で用いられるポリエステル樹脂Aにおける該ポリエステル部は、SP値Sa((cal/cm31/2)が9.50以上11.00以下であり、高い結晶化度を有する樹脂である。Saは、9.50以上10.70以下であることが好ましく、9.80以上10.40以下であることがより好ましい。ポリエステル樹脂Aにおいて、SP値が低いという事は、ポリエステル樹脂Aの共重合成分である脂肪族カルボン酸及び/又は脂肪族アルコールの炭素数が多いことを示す。
高結晶化のためには、炭素数が多い程、つまり、SP値が低い程好ましいが、ポリエステル樹脂Aにおける該ポリエステル部のSP値が低過ぎると、定着温度域でのポリエステル樹脂Bとの相溶性が低下してしまう。よってSaが9.50未満の場合は、定着時においてもポリエステル樹脂Bと相分離し、高速現像システムにおいて、低温定着性(高速定着性)が低下する。一方、Saが11.00よりも大きい場合には、ポリエステル樹脂Bと相溶性が過大となり、高温での定着画像の保存性が低下する。また画像を折り曲げた際の、画像剥がれが発生しやすくなる。
定着画像上トナーが相溶状態で存在すると、画像上トナーのTgが低くなり、高温環境においては、やや画像上トナーの溶融粘度が低下する。その結果、画像を折り曲げた際に、紙及びトナー間の付着力が低下し、剥がれやすくなったためと考えられる。
なお、本件で用いているSP値は一般的に用いられている方法を用い、樹脂を構成するモノマーの種類と比率から算出した。
さらに、ポリエステル樹脂Aにおける該ポリエステル部の結晶化度を高めるためには、ポリエステル部の末端に結晶核剤を結合させて、結晶核剤部位を設けることが必要である。
一般的に結晶は、結晶核ができた後、結晶成長し、結晶部位が完成することが知られている。この結晶核剤をポリエステル分子鎖の末端に結合させることで、ポリエステル樹脂Aの結晶構造をとりうる部位(以下“部位a”と記す)の結晶成長を促すことができ、結晶化の速度を向上させることができる。
結晶核剤が結合していない場合は、部位aの結晶成長の速度が遅く、可逆的相転移構造を取れなくなる。また、結晶核剤が、重合体と結合することなく、重合体中に存在する場合には、結晶核剤が一般的に低分子量であるため、トナー表面に析出しやすく、トナーの耐熱保存性を低下させてしまう。
結晶核剤部を形成する結晶核剤としては、部位aよりも結晶化速度が速い化合物であれば特に制限されるものではない。但し、結晶化速度が速いという観点から、主鎖が炭化水素系部位を含み、ポリエステル樹脂部の末端と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物であることが好ましい。更に、炭化水素系部位が直鎖状であり、ポリエステル樹脂部と反応する官能基数が1つである化合物が好ましい。また結晶核剤とポリエステル樹脂部の末端との反応性が高まる点で、結晶核剤の分子量は100〜10,000であることが好ましく、150〜5,000であることがより好ましい。
結晶核剤としては、ポリエステル樹脂部の末端に結合しうるものであれば、特に制限されないが、炭素数10以上30以下の脂肪族カルボン酸及び/または炭素数10以上30以下の脂肪族アルコールが好ましい。これは一定数以上の炭素数を有する事で、結晶核剤の結晶化度が高くなるため好ましい。また、ポリエステル樹脂Aの部位aよりも分子運動性が高くなり、結晶核としての結晶化速度を上げることができるという観点からも好ましい。
結晶核剤の添加量は、結晶化速度を上げるという観点から、ポリエステル樹脂A中に原料モノマー100mol部に対し、0.1mol部以上、7.0mol部以下、好ましくは0.2mol部以上、5.0mol部以下含有されていることが好ましい。上記の範囲内であれば、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとの相溶性を適度に調整でき、また、定着画像の画像保存性に関しても十分に改善できる。
結晶核剤がポリエステル部と結合しているか否かは、以下の分析によって判別した。
ポリエステル樹脂Aのサンプルを2mg精秤しクロロホルム2mlを加えて溶解させてサンプル溶液を作成した。樹脂サンプルとしてはトナーの原料であるポリエステル樹脂Aを用いるが、ポリエステル樹脂Aが入手困難な場合には、ポリエステル樹脂Aを含有するトナーをサンプルとして代用することも可能である。
次に2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHBA)20mg精秤し、クロロホルム1mlを添加して溶解させてマトリックス溶液を調製した。
そしてトリフルオロ酢酸Na(NaTFA)3mgを精秤した後、アセトンを1ml添加して溶解させてイオン化助剤溶液を調製した。
このようにして調製したサンプル溶液25μl、マトリックス溶液50μl、イオン化助剤溶液5μlを混合してMALDI分析用のサンプルプレートに滴下させ、乾燥させることで測定サンプルとした。
分析機器として、MALDI−TOFMS(Bruker Daltonics製 ReflexIII)を用い、マススペクトルを得た。
得られたマススペクトルにおいて、オリゴマー領域(m/Zが2000以下)の各ピークの帰属を行い、分子末端に結晶核剤が結合した組成に対応するピークが存在するか否かを確認することで、判別した。
さらに、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとが可逆的に相転移できる構造をとるためには、上記結晶核剤に加え、ポリエステル樹脂Aにおける該ポリエステル部とポリエステル樹脂BとのSP値が一定範囲であることが必要である。具体的には、該ポリエステル樹脂Aにおける該ポリエステル部のSP値をSa、該ポリエステル樹脂BのSP値をSbとしたとき、Sa及びSbが下記式を満足することが重要である。
−0.65≦Sb−Sa≦0.70 式1
さらに、該ポリエステル樹脂Aにおける該ポリエステル部のSP値Saと該ポリエステル樹脂BのSP値Sbとが、
−0.55≦Sb−Sa≦0.70
を満足することが好ましく、
−0.50≦Sb−Sa≦0.50
を満足することがより好ましい。
SP値の差(Sb−Sa)は、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとの熱溶融時の相溶しやすさ、及び室温時の相分離しやすさを示した指標である。
結晶核剤がポリエステル樹脂A中、ポリエステル分子鎖の末端に結合していたとしても、この式1の関係を満足しない場合は、可逆的相転移構造をとれない。
SP値(溶解度パラメーター)は、従来より、樹脂間及び樹脂とワックスとの混ざりやすさなどを示す指標として用いられている。本発明のトナーのように可逆的相転移構造をとるには、上記結晶核剤を結合させるのに加え、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂BとのSP値差を特定の値とすることが必要である。
SP値の差が上記の範囲内である場合には、相溶と相分離とのバランスが適正となり、定着時には、低温定着を良好に達成することができ、また、定着画像形成後には、高温環境下に、長期にわたり放置した場合であっても、良好な保存が可能となる。
また、該ポリエステル樹脂Bのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した際に得られるチャートにおいて、分子量1500以下の割合が5.0面積%以上、15.0面積%以下であることが重要である。好ましくは9.0面積%以上、13.0面積%以下である。
この低分子量成分(分子量1500以下の成分)は、ポリエステル樹脂を重合する際に、酸とアルコール成分との反応性が異なる場合に発生し易い成分である。
低分子量成分の量は、モノマー組成や重合条件によって調整することができる。所定の低分子量に調整できれば特に手法の制限はないが、手法としては以下の様なやり方がある。例えば、酸とアルコールモノマーが反応するエステル化反応を促進するために開始時の重合条件を変更することや、重縮合反応を抑制する反応系内の水分をコントロールすることや、モノマー種を変更することである。
この様な低分子量成分は低いガラス転移温度を有する。そのため、定着時にはトナーに対する可塑効果を発現するため、分子量1500以下の割合が15.0面積%を超えると、定着画像の光沢ムラが発生し易くなる。この低分子量成分は熱溶融し易い成分であり、定着時にその成分が偏在し易く、熱量が少ない厚紙で低圧の定着器においては光沢ムラが発生し易いのではないかと考えている。
その一方で、分子量1500以下の割合が5.0面積%未満であると、可塑効果が得られにくいため厚紙での定着性が低下しやすくなる。厚紙では定着時にトナー層を溶融させる熱量が少なくなり、ポリエステル樹脂同士の相溶作用だけでは定着性が厳しくなる。
また発明者らの検討により、低分子量成分が特定の組成であることによって結晶構造をもつ部位との相溶性が高まり、定着性に効果を発揮するため好ましい。具体的には低分子量成分のSP値Scと、結晶性を有するポリエステル樹脂Aにおける該ポリエステル部のSP値Saとの差が下記式を満足することが好ましい。
−0.50≦Sa−Sc≦0.50
ポリエステル樹脂Aは、ポリエステル部の末端に結晶核剤部が結合しており、且つポリエステル部は結晶構造をとりうる部位を有するものであれば、特に限定されるものではない。
なお本件でいう結晶構造をとりうる部位を有する樹脂とは、結晶構造をとったときに、示差走査熱量計(DSC)測定において昇温時に吸熱ピークが見られ、降温時に発熱ピークが見られる樹脂のことである。吸熱ピークの測定は「ASTM D3418−82」測定法に準じて行う。
ポリエスエル樹脂Aの含有するポリエステル部を合成する際に用いることのできるアルコール成分としては、以下の化合物を上げることができる。
原料モノマーであるアルコール成分は、ポリエステル分子鎖の結晶性を高める観点から、炭素数6〜18の脂肪族ジオールを含有する。
炭素数6〜18の脂肪族ジオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。これらの中でも、定着性及び耐熱安定性の観点から、炭素数6〜12の脂肪族ジオールが好ましい。
上記炭素数6〜18の脂肪族ジオールの含有量は、結晶性をより高める観点から、アルコール成分中、80〜100モル%であることが好ましい。
アルコール成分として使用し得る、炭素数6〜18の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等を含む下記構造式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
Figure 0006140002
(式中、Rは、炭素数2又は3のアルキレン基を示す。x及びyは、正の数を示し、xとyの和は、1〜16、好ましくは1.5〜5である。)
ポリエスエル樹脂Aの含有するポリエステル部を合成する際に用いることのできる酸成分としては、以下の化合物を上げることができる。
原料モノマーであるカルボン酸成分としては、ポリエステルの結晶性を高める観点から、炭素数6〜18の脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましい。
炭素数6〜18の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、1,8−オクタン二酸、1,9−ノナン二酸、1,10−デカン二酸、1,11−ウンデカン二酸、1,12−ドデカン二酸等が挙げられる。これらの中でも、トナーの定着性及び耐熱安定性の観点から、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましい。
炭素数6〜18の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、80〜100モル%であることが好ましい。
本発明では、炭素数6〜18の脂肪族ジカルボン酸化合物以外のカルボン酸成分を併用することができる。例えば、芳香族ジカルボン酸化合物、3価以上の芳香族多価カルボン酸化合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
芳香族ジカルボン酸化合物には、縮合反応により芳香族ジカルボン酸由来の構成単位と同じ構成単位となり得る芳香族ジカルボン酸誘導体も含まれる。芳香族ジカルボン酸化合物の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、並びにそれらのアルキル(炭素数1〜3)エステルが好ましく挙げられる。該アルキルエステル中のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体が挙げられる。
縮重合反応の原料モノマーであるアルコール成分とカルボン酸成分とのモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、0.80以上1.20以下が好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂Aは、示差走査熱量計(DSC)測定において昇温時に観測される吸熱ピークの面積から求められる融解熱量(ΔH)が100J/g以上、140J/gであることが好ましい。
さらに、ポリエステル樹脂Aの軟化点をTmA(℃)、該ポリエステル樹脂Bの軟化点をTmB(℃)としたときに、TmAおよびTmBが下記関係を満足することが好ましい。
−10≦TmB−TmA≦40
60≦TmA≦90
さらに好ましいTmAの範囲は70℃以上、85℃以下である。この関係を有することが、低圧での定着ムラや厚紙定着性をさらに向上させる観点から好ましい。
さらに、ポリエステル樹脂Aの酸価は、2mgKOH/g以上、40mgKOH/g以下である事が、トナーの良好な帯電特性の観点から好ましい。
また、ポリエステル樹脂Aの水酸基価は、定着性及び保存安定性の観点から2mgKOH/g以上、40mgKOH/g以下であることが好ましい。
本発明のトナーに使用されるポリエステル樹脂Bは、SP値及び分子量1500以下の割合を所望の値にできるものであれば、通常の製造方法によって得られるポリエステルを使用することができる。
2価のアルコール成分としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等を含む上記式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等を用いることができる。
また、3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等を用いることができる。
本発明に適用されるポリエステルBは、これらの2価のアルコール成分及び3価以上の多価アルコール成分から単独で、又は複数の単量体を用いることができる。
また酸成分としての2価のカルボン酸成分としては、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、n−ドデセニルコハク酸、及びこれらの酸の無水物、もしくは低級アルキルエステル等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
ポリエステルの製造方法は、特に限定されることなく、上記の各単量体等を用いて、エステル化反応、又はエステル交換反応によって製造することができる。原料モノマーを重合させる際には、反応を促進させるため、酸化ジブチル錫等の通常使用されているエステル化触媒等を適宜使用してもよい。
ポリエステル樹脂Bのガラス転移温度(Tg)は、定着性及び保存性の観点から45℃以上、70℃以下である事が好ましい。
また、ポリエステル樹脂Bの軟化点TmBは、トナーの低温定着性の観点から、80℃以上、130℃以下、好ましくは90℃以上、120℃以下である事が好ましい。
さらに、ポリエステル樹脂Bの酸価は、2mgKOH/g以上、40mgKOH/g以下であることが、トナーの良好な帯電特性の観点から好ましい。また水酸基価は、定着性及び、保存安定性の観点から2mgKOH/g以上、70mgKOH/g以下であることが好ましい。
また、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとの質量比は、低温定着性及び画像の高温環境での長期保存安定性の観点から、5:95〜40:60であることが好ましい。より好ましくは10:90〜30:70である。
また、該ポリエステル樹脂Bのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における重量平均分子量Mwbが3000以上100,000以下であることが好ましい。
上記、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bから構成される本発明のトナーは、室温状態では相分離構造を有している。従って、トナーから得られる諸物性は、相分離構造をとる場合のトナー物性と、見掛け上、同じ様な数値となることが好ましい。
トナーの軟化点(Tm)は、トナーの低温定着性の観点から、80℃以上、120℃以下であることが好ましい。より好ましくは90℃以上、100℃以下である。
本発明においては、ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bが結着樹脂となるが、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その他のトナー用結着樹脂として公知の樹脂を加えても良い。
本発明においては、トナーに離型性を与えるために必要に応じてワックスを用いることができる。
該ワックスとしては、トナー中での分散のしやすさ、離型性の高さから、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き炭化水素系ワックスが好ましい。必要に応じて一種または二種以上のワックスを、少量併用してもかまわない。
具体的には、例えば、以下のものが挙げられる。ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業社)、ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社)、サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社)、木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODAにて入手可能)。
該ワックスを添加するタイミングは、トナー製造中の溶融混練時において添加しても良いがポリエステル樹脂Bの製造時であっても良く、既存の方法から適宜選ばれる。又、これらのワックスは単独で使用しても併用しても良い。
該ワックスは結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上、20質量部以下添加することが好ましい。
本発明のトナーは磁性トナーであっても非磁性トナーであっても良い。磁性トナーとして用いる場合は、磁性酸化鉄を用いることが好ましい。磁性酸化鉄としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄が用いられる。また、磁性酸化鉄はトナー粒子中への微分散性を向上させる目的で、製造時のスラリーにせん断をかけ、磁性酸化鉄を一旦ほぐす処理を施すことが好ましい。
本発明においてトナーに含有させる磁性酸化鉄の量は、トナー中に25質量%以上、45質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上、45質量%以下が良い。
非磁性トナーとして用いる場合には、着色剤としてカーボンブラックやその他、従来より知られているあらゆる顔料や染料の一種又は二種以上を用いることができる。
着色剤は樹脂成分100.0質量部に対して、0.1質量部以上、60.0質量部以下が好ましく、より好ましくは0.5質量部以上、50.0質量部以下である。
また本発明のトナーにおいては、無機微粉末としてトナー粒子表面への流動性付与能が高い、流動性向上剤を使用することができる。該流動性向上剤としては、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものならば使用可能である。例えば、以下のものが挙げられる。フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、それらシリカをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、又はシリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ。好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸素、水素中における熱分解酸化反応を利用するもので、反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
また、この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって得られたシリカと他の金属酸化物の複合微粉体でも良い。
さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体を用いることが好ましい。該処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって滴定された疎水化度が30以上、98以下の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。
疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。そのような有機ケイ素化合物としては、以下のものが挙げられる。ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフエニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1−ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
該シリカ微粉体は、シリコーンオイル処理されても良く、また、上記疎水化処理と併せて処理されても良い。
好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が30mm2/s以上、1000mm2/s以下のものが用いられる。例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが特に好ましい。
シリコーンオイル処理の方法としては、以下の方法が挙げられる。シランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法。ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法。シリコーンオイル処理シリカは、シリコーンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で温度200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコートを安定化させることがより好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。
本発明においては、シリカをあらかじめ、カップリング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方法、または、シリカをカップリング剤とシリコーンオイルで同時に処理する方法によって処理されたものが好ましい。
無機微粉末は、トナー粒子100.00質量部に対して0.01質量部以上、8.00質量部以下、好ましくは0.10質量部以上、4.00質量部以下使用するのが良い。
本発明のトナーには、必要に応じて他の外部添加剤を添加しても良い。例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラー定着時の離型剤、滑剤、研磨剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。
滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられる。中でもポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられる。これらの外添剤はヘンシェルミキサー等の混合機を用いて十分混合し本発明のトナーを得ることができる。
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることも可能である。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉若しくは未酸化の鉄粉;鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、希土類の如き金属粒子、並びにそれらの合金粒子及び酸化物粒子;フェライト;等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、磁性キャリアの混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上、15質量%以下とすることが好ましい。
本発明のトナーの製造方法は、特に限定されるものではないが、より低温定着性に優れたトナーとなる点で、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bを溶融混練して冷却固化される製造工程を含む粉砕法を用いた製造方法であることが好ましい。
溶融混練時のせん断を加えて混合することでポリエステル樹脂Aの分子鎖がポリエステル樹脂Bへ入り込み易くなるため溶融時に均一に相溶化させることができ、低温定着性を良化できるため好ましい。
従来は、粉砕法を用いた場合、ポリエステル樹脂Aの結晶性やポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bの相溶性の制御が不十分であったために、一端相溶化させるとトナー中に結晶部を形成することは難しかった。
しかし本発明のトナーはポリエステル樹脂Aの分子末端に結合させた結晶核剤や、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂BのSP値の差、及びポリエステル樹脂Bの分子量の制御により、可逆的相転移を起こさせ、所望のトナーを得ることができる。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B、着色剤、その他の添加剤等を、所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、ポリエステル樹脂中に着色剤等を分散させる。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面処理を行うこともできる。
更に必要に応じて所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により十分混合し、本発明のトナーを得ることが出来る。
本発明の樹脂及びトナーに係る物性の測定方法は以下に示す通りである。後述の実施例もこの方法に基づいている。
<GPCによる分子量の測定>
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。又、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSK guard columnの組み合せを挙げることができる。
また、試料は以下のようにして作製する。
試料をTHF中に入れ、25℃で数時間放置した後、十分振とうし、THFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時THF中への放置時間が24時間となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2μm以上0.5μm以下、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とする。又、試料濃度は、樹脂成分が0.5mg/ml以上5.0mg/ml以下となるように調整する。
上記方法で重量平均分子量、数平均分子量や分子量1500以下の分子量の割合を測定した。
尚、分子量1500以下の成分の割合は、横軸が分子量、縦軸がRI検出器からの信号強度(mV)とし、横軸を対数表示として作成したグラフにおける分子量1500以下の領域の面積割合である。
<樹脂中に含まれる低分子量成分の分析>
樹脂サンプル100mgをクロロホルム3mlに溶解する。サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2μm以上0.5μm以下、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)を取り付けたシリンジで吸引ろ過することで不溶分を除去する。分取HPLC(装置:日本分析工業製 LC−9130 NEXT 分取カラム 排除限界:20000、70000 2本連結)に可溶分を導入し流量3.5mlでクロロホルム溶離液を送液する。得られるクロマトグラフの表示でピークが確認できたら、単分散ポリスチレン標準試料で分子量1500となるリテンションタイム以降の部分を分取した。
分取した溶液を減圧蒸留し、溶媒を除去したものを8時間真空乾燥させたものをサンプルとした。得られたサンプルに重クロロホルムを加え、それをNMR用サンプルチューブに移しNMR測定サンプルとする。NMR(装置としては Bruker AVANCEIII 500MHz)を使用し、プロトンのスペクトルを測定。モノマー由来のピークを帰属し、それぞれのモノマー由来のピークの積分値から分子量1500以下に含まれる樹脂中の成分モル比を算出した。
<ポリエステル樹脂及びワックスの融点及び融解熱量の測定>
ポリエステル樹脂及びワックスの融点は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TAInstruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定したDSC曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度を融点とし、ピークの面積から求められる熱量を融解熱量とする。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピーク温度を、融点、ピークの面積から求められる熱量を融解熱量とする。
<ポリエステル樹脂のTgの測定>
ポリエステル樹脂及びトナーのTgは、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度40℃〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、ポリエステル樹脂、或いはトナーのガラス転移温度Tgとする。
<ポリエステル樹脂及びトナーの軟化点の測定>
ポリエステル樹脂及びトナーの軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの試料を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
昇温速度:4℃/min
開始温度:50℃
到達温度:200℃
<ポリエステル樹脂の酸価の測定>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。ポリエステル樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕したポリエステル樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
<ポリエステル樹脂の水酸基価の測定>
水酸基価とは,試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。ポリエステル樹脂の水酸基価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
特級無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜてアセチル化試薬を得る。得られたアセチル化試薬は、湿気、炭酸ガス等に触れないように、褐色びんにて保存する。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム35gを20mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.5モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.5モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕したポリエステル樹脂の試料1.0gを200ml丸底フラスコに精秤し、これに前記のアセチル化試薬5.0mlをホールピペットを用いて正確に加える。この際、試料がアセチル化試薬に溶解しにくいときは、特級トルエンを少量加えて溶解する。
フラスコの口に小さな漏斗をのせ、約97℃のグリセリン浴中にフラスコ底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首の温度が浴の熱を受けて上昇するのを防ぐため、丸い穴をあけた厚紙をフラスコの首の付根にかぶせることが好ましい。
1時間後、グリセリン浴からフラスコを取り出して放冷する。放冷後、漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を加水分解する。さらに完全に加水分解するため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱する。放冷後、エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗う。
指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
ポリエステル樹脂の試料を用いない以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、水酸基価を算出する。
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D
式中、
A:水酸基価(mgKOH/g)
B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)
C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)
f:水酸化カリウム溶液のファクター
S:試料(g)
D:ポリエステル樹脂の酸価(mgKOH/g)
である。
<重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以上本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下実施例にもとづいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明の実施の態様がなんら限定されるものではない。実施例中の部数は質量部である。
<ポリエステル樹脂Aの製造>
<樹脂A1−1の製造例>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、アルコールモノマーとして1,10−デカンジオールを、酸モノマーとして1,10−デカン二酸を表1に示す配合量で投入した。
そして触媒としてジオクチル酸錫をモノマー総量100質量部に対して1質量部添加し、窒素雰囲気下で140℃に加熱して常圧下で水を留去しながら6時間反応させた。
次いで200℃まで10℃/時間で昇温しつつ反応させ、200℃に到達してから2時間反応させた後、反応槽内を5kPa以下に減圧して200℃で3.5時間反応させた。その後、反応槽内の圧力を序々に開放して常圧へ戻した後、表1に示した結晶核剤(n−オクタデカン酸)を記載の配合量加え、常圧下にて210℃で2時間反応させた。その後、再び反応槽内を5kPa以下へ減圧して190℃で3時間反応させることにより樹脂A1−1を得た。得られた樹脂A1−1のMALDI−TOFMSのマススペクトルには、樹脂A−1の分子末端にn−オクタデカン酸が結合した組成のピークが確認されたことから、樹脂A−1の分子末端と結晶核剤とが結合していることが確認された。
得られた樹脂A1−1の諸物性を表2に示す。
<ポリエステル樹脂A1−2乃至A12の製造例>
表1に記載のモノマー種及び配合量、結晶核剤とした以外は、ポリエステル樹脂A1−1と同様にポリエステル樹脂A1−2、A1−3、ポリエステル樹脂A2乃至A12を得た。また得られた樹脂A1−2、A1−3、ポリエステルA2乃至A9、A11、12に関しては、MALDI−TOFMSのマススペクトルを測定したところ、ポリエステル樹脂部の末端に結晶核剤が結合した組成のピークが確認され、分子末端と結晶核剤とが結合していることが確認された。
得られた樹脂A1−2、A1−3、ポリエステル樹脂A2乃至A12の諸物性を表2に示す。
Figure 0006140002
Figure 0006140002
<ポリエステル樹脂B1の製造>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、表3に示す配合量で、モノマーを入れた後、触媒としてジブチル錫をモノマー総量100質量部に対して1.5質量部添加した。
次いで窒素雰囲気下にて常圧で260℃の条件でエステル化反応を行い、水が留出しなくなった時点で終了させた。その後220℃に温度を保ち、槽内を0.2kPaになるように減圧し樹脂が所望の軟化点になるまで縮合反応を行った。所望の軟化点になった時点で反応槽内を常圧に戻し、加熱を停止した。反応物を窒素により加圧し約2時間をかけて取出し樹脂B1を得た。
得られた樹脂B1の諸物性を表4に示す。
また樹脂の低分子量成分のモノマー比を分析した所、TPA63.6mol部、TMA3.4mol部、BPA−PO付加物82.6mol部、BPA-EO付加物24.9mol部、EG0.4mol部を含有していた。この組成比から算出した低分子量成分のSP値は9.87(cal/cm1/2であった。
<ポリエステル樹脂B2の製造例>
表3に記載のモノマー種及び配合量とした以外は、ポリエステル樹脂B1と同様にポリエステル樹脂B2を得た。得られた樹脂B2の諸物性を表4に示す。また樹脂の低分子量成分のモノマー比を分析した所、TPA63.6mol部、TMA2.2mol部、FA1.1mol部、BPA−PO付加物53.3mol部、BPA−EO付加物24.9mol部、EG2.3mol部を含有していた。この組成比から算出した低分子量成分のSP値は10.01(cal/cm1/2であった。
<ポリエステル樹脂B3の製造例>
表3に記載のモノマー種及び配合量とした以外は、ポリエステル樹脂B1と同様にポリエステル樹脂B3を得た。得られた樹脂B3の諸物性を表4に示す。また樹脂の低分子量成分のモノマー比を分析した所、TPA63.6mol部、BPA−PO付加物12.7mol部、BPA−EO付加物7.1mol部、EG2.2mol部、PG4.2mol部、NPG4.6mol部を含有していた。この組成比から算出した低分子量成分のSP値は10.24(cal/cm1/2であった。
<ポリエステル樹脂B4の製造例>
表3に記載のモノマー種及び配合量とした以外は、ポリエステル樹脂B1と同様にポリエステル樹脂B4を得た。得られた樹脂B4の諸物性を表4に示す。また樹脂の低分子量成分のモノマー比を分析した所、TPA58.3mol部、TMA3.4mol部、BPA−PO付加物76.2mol部、BPA−EO付加物28.4mol部、EG0.7mol部を含有していた。この組成比から算出した低分子量成分のSP値は9.87(cal/cm1/2であった。
<ポリエステル樹脂B5の製造例>
軟化点を高めにするために縮合時間を長くすること以外は、ポリエステル樹脂B2と同様にポリエステル樹脂B5を得た。得られた樹脂B5の諸物性を表4に示す。また樹脂の低分子量成分のモノマー比を分析した所、TPA63.6mol部、TMA4.5mol部、FA1.7mol部、BPA-PO付加物55.9mol部、BPA−EO付加物25.6mol部、EG2.5mol部を含有していた。この組成比から算出した低分子量成分のSP値は10.03(cal/cm1/2であった。
<ポリエステル樹脂B6の製造例>
軟化点を低めにするために縮合時間を短くすること以外は、ポリエステル樹脂B1と同様にポリエステル樹脂B6を得た。得られた樹脂B6の諸物性を表4に示す。また樹脂の低分子量成分のモノマー比を分析した所、TPA63.6mol部、TMA3.4mol部、BPA−PO付加物88.9mol部、BPA-EO付加物21.3mol部、EG0.6mol部を含有していた。この組成比から算出した低分子量成分のSP値は9.86(cal/cm1/2であった。
<ポリエステル樹脂B7の製造例>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、表3に示す配合量の各モノマーを入れた後、触媒としてジブチル錫をモノマー総量100質量部に対して1.5質量部添加した。
次いで窒素雰囲気下にて常圧で10℃/時間で昇温していき、220℃まで昇温してエステル化反応を行い、水が留出しなくなった時点で終了させた。その後220℃に温度を保ち、槽内を0.2kPaになるように減圧し樹脂が所望の軟化点になるまで縮合反応を行った。所望の軟化点になった時点で反応槽内を常圧に戻し、加熱を停止した。反応物を窒素により加圧し約2時間をかけて取出し樹脂B7を得た。
得られた樹脂B7の諸物性を表4に示す。
本製造例では使用したモノマーの種類を大幅に変更したことにより1500以下の分子量の面積%が低い樹脂B7が得られた。
また樹脂の低分子量成分のモノマー比を分析した所、TPA48.0mol部、EG3.3mol部、PG4.2mol部、NPG5.3mol部を含有していた。この組成比から算出した低分子量成分のSP値は10.49(cal/cm1/2であった。
<ポリエステル樹脂B8の製造>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、表3に示す配合量の各モノマーを入れた後、触媒としてジブチル錫をモノマー総量100質量部に対して1.5質量部添加した。
次いで窒素雰囲気下にて常圧で180℃まで素早く昇温した後、180℃から200℃まで10℃/時間の速度で加熱しながら水を留去して重縮合を行った。
200℃に到達してから反応槽内を10kPa以下まで減圧し、200℃、10kPa以下の条件下にて重縮合を行い、樹脂B8を得た。
このとき得られる樹脂B8の軟化点が表4の値となるように重合時間を調整した。得られた樹脂B8の諸物性を表4に示す。
また樹脂の低分子量成分のモノマー比を分析した所、TPA49.5mol部、TMA3.4mol部、BPA−PO付加物94.3mol部、BPA−EO付加物29.1mol部、EG0.6mol部を含有していた。この組成比から算出した低分子量成分のSP値は9.81(cal/cm1/2であった。
Figure 0006140002
Figure 0006140002
<実施例1>
・ポリエステル樹脂A1 20.0質量部
・ポリエステル樹脂B1 80.0質量部
・カーボンブラック 5.0質量部
・フィッシャートロプシュワックス(DSCピーク温度105℃) 5.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、二軸混練機(池貝鉄工(株)製PCM−30型))にて回転数3.3s-1、混練樹脂温度110℃の条件で混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T−250)にて微粉砕した。さらに、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径7.0μmの負摩擦帯電性のトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、イソブチルトリメトキシシラン15質量%で表面処理した一次粒子の平均径50nmの酸化チタン微粒子1.0質量部、及びヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理した一次粒子の平均径16nmの疎水性シリカ微粒子0.8質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製FM−75型)で混合して、トナー1を得た。
得られたトナー1の軟化点を表5に示す。
本実施例において、得られたトナー1の定着性及び長期間保存安定性の評価に用いるマシンは、市販のカラーレーザープリンタColor Laser Jet CP4525(HP社製)を用いた。この評価機において、トナーを本実施例で製造したトナー1に変更し、以下の評価を実施した。
(1)高速定着性
市販のカラーレーザープリンタColor Laser Jet CP4525(HP社製)の定着器を取り出し、定着装置の定着温度、定着ニップ圧及びプロセススピードを任意に設定できるようにした外部定着器を用いた。
温度23℃、相対湿度50%環境下で、カラーレーザーコピア用紙(キヤノン製、80g/m)を使用し、評価に用いるカートリッジはブラックカートリッジを用いた。すなわち、市販のブラックカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明のトナー1を150g充填して評価を行った。なお、マゼンタ、イエロー、シアンの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびシアンカートリッジを挿入して評価を行った。その後、トナー載り量0.6mg/cmとなるようにベタ黒の未定着画像を出力した。
定着器の定着温度を150℃とし、プロセススピードを300mm/secから500mm/secまでの範囲で20mm/secごとに上げていき、上記ベタ黒未定着画像の定着を行った。得られたベタ黒画像を約100gの荷重をかけたシルボン紙で5往復摺擦し、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率が10%以下になる点を定着するプロセススピードとした。この速度が速い程、低温定着性(高速定着性)に優れたトナーである。
評価結果を表6に示す。
A:定着速度が400mm/sec以上である。
B:定着速度が350mm/sec以上、400mm/sec未満である。
C:定着速度が300mm/sec以上、350mm/sec未満である。
D:定着速度が300mm/sec未満である。
(2)低圧定着性
上記定着試験において、定着器の定着温度を150℃とし、定着ニップ面圧を0.08MPaから0.24MPaまでの範囲で0.02MPaごとに上げていき、上記ベタ黒未定着画像の定着を行った。得られたベタ黒画像を約100gの荷重をかけたシルボン紙で5往復摺擦し、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率が10%以下になる点を定着する定着ニップ面圧とした。この定着ニップ面圧が低い程、低温定着性(低圧定着性)に優れたトナーである。
評価結果を表6に示す。
A:定着ニップ圧が 0.10MPa未満である。
B:定着ニップ圧が 0.10MPa以上、0.14MPa未満である。
C:定着ニップ圧が 0.14MPa以上、0.20MPa未満である。
D:定着ニップ圧が 0.20MPa以上である。
(3)高温環境での長期保存安定性(カール性評価)
上記定着試験において、定着温度150℃、定着ニップ圧を0.25MPa、プロセススピードを200mm/secとし、上記ベタ黒未定着画像の定着を行った。得られたベタ黒画像を温度40℃及び相対湿度50%の環境試験室に30日間放置する。放置後の画像を平面の台の上に置き、長手の片側をテープで固定する。その際に、もう片側の紙がカールすることによって生じる角度でカール性の評価を行った。角度の算出方法は、カールした紙の先端と台に接した部分を結んだ直線と平面の台との角度により算出した。
この角度が小さい程、高温環境での長期保存性が良好と言える。
評価結果を表6に示す。A:10°未満である。
B:10°以上、20°未満である。
C:20°以上、30°未満である。
D:30°以上、40°未満である。
E:40°以上である。
(4)厚紙での定着性試験
市販のカラーレーザープリンタColor Laser Jet CP4525(HP社製)の定着器を取り出し、定着装置の定着温度、定着ニップ圧及びプロセススピードを任意に設定できるようにした外部定着器を用いた。
温度23℃、相対湿度50%環境下で、厚紙のGF−C104用紙(キヤノン製、104g/m)を使用し、評価に用いるカートリッジはブラックカートリッジを用いた。すなわち、市販のブラックカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明のトナー1を150g充填して評価を行った。なお、マゼンタ、イエロー、シアンの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびシアンカートリッジを挿入して評価を行った。
その後、トナー載り量0.6mg/cmとなるようにベタ黒の未定着画像を出力した。
プロセススピードを200mm/sec、定着ニップ圧を0.25MPa、定着器の定着温度を100℃から200℃まで10℃刻みで振って未定着画像の定着を行った。
得られたベタ黒画像を約100gの荷重をかけたシルボン紙で5往復摺擦し、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率が10%以下となる温度を定着温度とした。定着性の評価基準は 下記の様に行った。評価結果を表6に示す。
A:定着温度が120℃未満である。
B:定着温度が120℃以上130℃未満である。
C:定着温度が130℃以上140℃未満である。
D:定着温度が140℃以上150℃未満である。
E:定着温度が150℃以上である。
(5)厚紙での定着画像の光沢ムラ試験
上記定着試験において、厚紙のGF−C104用紙(キヤノン製、104g/m)を使用し、定着温度150℃、定着ニップ圧を0.25MPa、プロセススピードを200mm/secとした時の画像の光沢度(%)を測定した。
光沢度(グロス)の測定は、ハンディ型グロスメーターPG−1(日本電色工業株式会社製)を用いて測定した。測定としては、投光角度、受光角度をそれぞれ75°に合わせた。画像光沢度は、出力した画像上10点の光沢度(グロス)を測定し、その内の最高と最低グロスとの差で光沢ムラの評価を行った。評価基準は下記の様に行った。評価結果を表6に示す。
A:グロス差が2%未満である。
B:グロス差が2%以上5%未満である。
C:グロス差が5%以上7%未満である。
D:グロス差が7%以上10%未満である。
E:グロス差が10%以上である。
以上、実施例1に関しては、何れの評価も良好な結果が得られた。
<実施例2乃至15>
表5に記載の処方とした以外は、実施例1と同様にして、トナー2乃至15を得た。トナー2乃至15の軟化点を表5に示す。また、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表6に示す。
<比較例1乃至5>
表5に記載の処方とした以外は、実施例1と同様にして、トナー16乃至20を得た。得られたトナー16乃至20の軟化点を表5に示す。また、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表6に示す。
Figure 0006140002
Figure 0006140002
この出願は2012年6月22日に出願された日本国特許出願番号2012−141033からの優先権を主張するものであり、その内容を引用してこの出願の一部とするものである。

Claims (13)

  1. ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B、及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該ポリエステル樹脂Aは、結晶構造をとりうる部位を有するポリエステル部と、結晶核剤部とを有し、該ポリエステル部の末端に結晶核剤部が結合しており、
    該ポリエステル樹脂Bは、結晶構造をとりうる部位を有さない樹脂であり、
    該ポリエステル樹脂Bのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した際に得られるチャートにおいて、分子量1500以下の成分の割合が5.0面積%以上、15.0面積%以下であり、
    該ポリエステル樹脂Aにおける該ポリエステル部のSP値をSa((cal/cm1/2)、該ポリエステル樹脂BのSP値をSb((cal/cm1/2)としたとき、該Saと該Sbとが下記式を満たすことを特徴とするトナー。
    9.50≦Sa≦11.00
    −0.65≦Sb−Sa≦0.70
  2. 該トナー粒子における前記ポリエステル樹脂Aと前記ポリエステル樹脂Bとの質量基準での含有量比が、5:95〜40:60であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該結晶核剤部は、主鎖が炭化水素系部位を含み、ポリエステル樹脂部の末端と反応しうる官能基を1つ以上有する化合物である請求項1または2に記載のトナー。
  4. 該結晶核剤部は、炭素数10以上30以下である脂肪族カルボン酸及び炭素数10以上30以下である脂肪族アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物に由来する部位であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 該ポリエステル樹脂Aの軟化点をTmA(℃)、該ポリエステル樹脂Bの軟化点をTmB(℃)としたとき、TmAとTmBとが下記式を満足することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
    −10≦TmB−TmA≦40
    60≦TmA≦90
  6. 該Saが、9.50以上10.70以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
  7. 該Saと該Sbとが下記式を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
    −0.55≦Sb−Sa≦0.70
  8. 該ポリエステル樹脂Bは、テトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した際に得られるチャートにおいて、分子量1500以下の成分の割合を9.0面積%以上、13.0面積%以下含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
  9. 該ポリエステル樹脂Bに含有される分子量1500以下の成分のSP値をScとしたとき、該Saと該Scとが下記式を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
    −0.50≦Sa−Sc≦0.50
  10. 該ポリエステル樹脂Aは、示差走査熱量計(DSC)測定において昇温時に観測される吸熱ピークの面積から求められる融解熱量(ΔH)が100J/g以上、140J/gであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
  11. 該ポリエステル樹脂Aの軟化点をTmA(℃)、該ポリエステル樹脂Bの軟化点をTmB(℃)としたとき、TmAおよびTmBが下記関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のトナー。
    −10≦TmB−TmA≦40
  12. 該ポリエステル樹脂Aの軟化点TmA(℃)が、70℃以上、85℃以下であることを特徴とする請求項11に記載のトナー。
  13. 該ポリエステル樹脂Bの軟化点TmBが、80℃以上、130℃以下であることを特徴とする請求項11また12に記載のトナー。
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