JP2008107679A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】低い定着開始温度、高い光沢性を有し、低温定着性に優れるトナーであって、かつ高温耐オフセット性を両立し、かつ長期間に渡って安定した高画質特性を示し、かつ高画質な画像を得ることのできるトナー提供する。
【解決手段】少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と、該トナー母粒子の表面に形成される表面層を有するカプセル型のトナーであって、該結着樹脂がポリエステル樹脂を主成分とし、該表面層がジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を少なくとも含有し、トナーのフローテスターカーブより算出される1/2溶融温度(Tm1/2)が70℃以上120℃以下であり、トナーのガラス転移温度(Tg)が30℃以上60℃以下であり、トナーの数平均粒子径(Dn1)が3.0μm以上10.0μm以下であり、トナーは実質的に酢酸エチルに不溶であることを特徴とするトナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット方式記録法などを利用した記録方法に用いられるトナーおよびその製造方法に関するものである。詳しくは、本発明は、予め静電潜像担持体上にトナー像を形成後、転写材上に転写させて画像形成し、熱圧力下で定着し画像を得る、複写機、プリンター、ファックスに用いられるトナーに関する。
従来、電子写真法としては多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により像担持体(感光体)上に電気的潜像を形成し、次いで、該潜像を現像し、トナー像として可視化する。必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写した後に、熱/圧力により転写材上にトナー像を定着して複写物を得る方法である。
電気的潜像を可視化する方法としては、磁性トナーとキャリアから成る磁性二成分現像方式、非磁性トナーとキャリアから成る非磁性二成分現像方式、外添粒子を外添した非磁性トナーのみによる非磁性一成分現像方式、磁性トナーによる磁性一成分現像方式が一般的に広く用いられている。
近年、電子写真装置に対する要望は、小型化、高速化、そして、より高解像度・高精細な画像を求めるいわゆる高画質化、更には長期・連続したプリントや用いる環境によっても高画質を損なわない高信頼性等、年々高まる一方である。
ここで、高信頼性を妨げる一つの要因として、トナーが現像スリーブや、キャリア、感光ドラムを汚染してしまう問題が挙げられる。特に最近では、省エネルギーへの対応でトナーをより低温定着化する方向であることや、印字の高速化によって機内の昇温が激しいことから、トナーがスリーブやキャリアなどに融着汚染してしまう傾向が強くなってきている。
これらの問題を解決するために、外添剤に多孔性燐酸カルシウムを用いたりする手法が提案されている(例えば特許文献1)。また、荷電制御剤が発端となるフィルミングを抑制するために、少なくともスルホン酸塩基含有モノマーと、電子吸引基を有する芳香族モノマーと、アクリル酸エステルモノマー及びまたはメタアクリル酸エステルモノマー及びまたは芳香族ビニルモノマーとを構成単位とし、体積抵抗が9.5〜11.5LogΩ・cmとなる荷電制御剤を用いて荷電制御剤の分散性を高めたりする手法も提案されている(例えば特許文献2)。さらに、トナー中の離型剤や着色剤の分散を良くすることでそれらの物質に起因するフィルミングを抑えたり(例えば特許文献3)する手法も提案されている。
しかしながら、近年では電子写真装置に於いても省エネルギー化が大きな技術的課題であり、より低い温度で定着が可能なトナー特性が要求されている。このことから上述したトナーがスリーブやキャリア等に融着汚染する危険性は益々高まっており、前述した外添剤やトナー中の組成物の分散等では対応し切れない状況も出てきているのが現状である。
一方、高画質化の別の観点として、高解像・高精細化の目的から、トナーの小粒径化・粒度分布シャープ化が進められるとともに、転写効率や流動性の向上の目的から球形のトナーが好適に用いられるようになってきている。そして効率的に小粒径で球形なトナーを調製する方法としては、湿式法が好ましく用いられるようになってきている。
従来の湿式法は、懸濁重合法や乳化重合法といったいわゆる重合法によるトナーの調製方法であった。一方従来、より低温での定着を可能とするためには結着樹脂をよりシャープメルトにする手法が効果的な方法の一つとして知られているが、上述した重合法では、トナーの結着樹脂はビニル系樹脂に限られるといった問題があった。
そこで、シャープメルトなポリエステル樹脂を用いることのできる湿式法として、樹脂成分を水と非混和性である有機溶媒に溶解し、この溶液を水相中に分散して油滴を形成することにより、球形トナーを製造するいわゆる「溶解懸濁」法が提案されている(例えば特許文献4)。この手法によれば、低温定着性に優れるポリエステルを結着樹脂とした、小粒径で球形のポリエステルトナーを簡便に得ることができる。
更に、上述したポリエステルを結着樹脂とした溶解懸濁法トナーにおいて、更なる低温定着性を目的として、カプセル型のトナーも提案されている。
例えば、ポリエステル樹脂とイソシアネート基を有する低分子化合物およびその他のトナー組成物を酢酸エチルに溶解・分散して油層を調製し、水中で液滴を調製することにより、液滴界面でイソシアネート基を有する化合物を界面重合させることで、ポリウレタンもしくはポリウレアを最外殻としたカプセルトナーを調製する方法が提案されている(例えば特許文献5)。
また、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂のいずれかまたはそれらを併用した樹脂微粒子の存在下で溶解懸濁トナーを調製し、該微粒子がトナー表面に被覆されたトナーを調製する手法が提案されている(例えば特許文献6および7)。
しかしながら、低温定着性に優れるポリエステルトナーであっても、低温定着性を維持しつつ、長時間や高速度印字等の過酷な環境においてもトナーの融着汚染による画像汚染が発生しないという、両者を満足するトナー、更には小粒径で粒度分布がシャープであり、形状が球形な高画質なトナーは実質的には提案されていなかった。
特開2002−287412号公報 特開2003−057876号公報 特開平05−249737号公報 特開平08−248680号公報 特開平05−297622号公報 特開2004−226572号公報 特許3455523号公報
本発明の目的は、定着開始温度が低く、また高い光沢性を有する低温定着性に優れるトナーであって、かつ高温耐オフセット性を両立し、かつスリーブやキャリア、有機感光体などの部材を汚染することなく、長期間に渡って安定した高画質特性を示し、かつ小粒径で粒度分布がシャープで、形状が球形である高画質な画像を得ることのできるトナー提供することである。また該トナーを簡便な手法によって提供することである。
本発明者らは、上記問題を解決するべく鋭意検討を行った結果、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と、該トナー母粒子の表面に形成される表面層を有するカプセル型のトナーであって、該結着樹脂がポリエステル樹脂を主成分とし、該表面層がジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を少なくとも含有し、トナーのフローテスターカーブより算出される1/2溶融温度(Tm1/2)が70℃以上120℃以下であり、トナーのガラス転移温度(Tg)が30℃以上60℃以下であり、トナーの数平均粒子径(Dn1)が3.0μm以上10.0μm以下であり、トナーは実質的に酢酸エチルに不溶であることを特徴とするトナーによってこの問題が解決されることを発見し、本発明に至った。
本発明によれば、定着開始温度が低く、また高い光沢性を有する低温定着性に優れるト
ナーであって、かつ高温耐オフセット性を有し、かつスリーブやキャリア、有機感光体などの部材を汚染することなく、長期間に渡って安定した高画質特性を示し、かつ小粒径で粒度分布がシャープで、形状が球形である高画質な画像を得ることのできるトナー提供することができる。また、該トナーを簡便な手法によって提供することができる。
本発明は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と、該トナー母粒子の表面に形成される表面層を有するカプセル型のトナーであって、該結着樹脂がポリエステル樹脂を主成分とし、該表面層がジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を少なくとも含有し、かつトナーのフローテスターカーブより算出される1/2溶融温度(Tm1/2)が70℃以上120℃以下であり、かつトナーのガラス転移温度(Tg)が30℃以上60℃以下であり、かつトナーの数平均粒子径(Dn1)が3.0μm以上10.0μm以下であり、かつトナーは実質的に酢酸エチルに不溶であることを特徴とするトナーである。
本発明の第一の特徴は、トナーが実質的に酢酸エチルに不溶であることにある。発明者らは、トナーを酢酸エチルに溶けないような構成とすることで、低温定着性を示すいわば熱的に柔らかいトナーであっても、スリーブやキャリア、更には有機感光体などの部材に対してトナーが融着汚染することを防ぐことができることを発見した。
トナー融着汚染の問題は特に、高速印字や、長期間の印字、高温環境などの過酷な状況下での印字においてより顕著に観察される現象である。本発明のトナーは、上記のような過酷な環境であっても、トナーの融着による部材汚染を防ぎ、長期間の印字に渡って画像の品質を損なうことなく、高安定性を達成することができる。
この理由は定かでないが、発明者らは以下のように考察している。
スリーブやキャリア、有機感光体などの部材は、その製造工程において、有機溶剤を使用している場合が殆どである。発明者らはこれらの部材に僅かに残存した有機溶剤や可塑剤などとトナーとが接触することにより、トナーが可塑化し、トナー融着による部材汚染が誘発される場合があるのではないかと考える。実際に、酢酸エチルに不溶であるような耐溶剤性の高いトナーを使うことで、トナーの前記部材に対する融着汚染を防ぐことができることを発見し本発明に至った。
本発明において、トナーの耐溶剤性の指標である「酢酸エチルに不溶である」ということは以下のように観察結果から判断することができる。
「酢酸エチルに不溶である」ことを定義する観察は以下のように行なう。
トナー0.2gと酢酸エチル5mLをサンプル瓶に投入し軽く振った後、溶液を顕微鏡
で500倍にて観察する。
この時、トナーが酢酸エチルに不溶な場合には、図1(1)に示したようにトナーの形状が明確に観察される。
また図1(2)に示した写真においても、一部トナーの凝集が観察されるものの、トナーの形状を明確に確認することができ、トナー同士の境界線は明確である。
以上述べたように、酢酸エチルによって上記の如く処理した後のトナーの顕微鏡観察において、(1)「トナーの形状が確認される」こと、また、たとえトナー同士が凝集している状態であっても(2)「トナーとトナーの境界線が確認される」というによって、このトナーが酢酸エチルによって溶解されないと判断できる。よって本発明においては(1)及び(2)を顕微鏡で確認することができた場合において、トナーが酢酸エチルに不溶であると判断することと定義する。
一方、トナーが酢酸エチルに可溶な場合には、例えば図2(1)に示したようにトナーが溶解しトナーの形状が消失してしまい大きな凝集隗が観察されたり、トナー形状が完全
に消失し、顔料等の酢酸エチルに不溶な内添物質が微粒子状で観察されるのみとなってしまう。
また本発明においては、図2(2)、図2(3)に示した状態も、トナーが酢酸エチルに溶解していると判断する。すなわち図2(2)においては、トナーの形状らしきものは観察されるものの、その輪郭はあいまいであり、トナーが酢酸エチルに対して膨潤して形状を維持できないほど軟化していると考えられる。また図2(3)においては、一部トナーの形状が観察されるもののその境界線はあいまいであり、また形状が消失したいわば「トナー残査」のような物質が顕微鏡の視野において半数を占めるような状態である。このような状態では実質トナーは酢酸エチルによって侵食され易い性質を示すものであり、本発明におけるような効果の発現は期待できない。
また本発明においては、上記したような酢酸エチルへのトナーの溶解性を確認する手段として、以下のような測定を行なうことが好ましい。
上記の如く調製したトナーの酢酸エチル分散液中のトナーの平均粒子径(Dn2)が2.5μm以上12.0μm以下である場合において、このトナーを酢酸エチルに不溶と判断することができる。本発明のトナーはコールターによる数平均粒子径(Dn1)が3.0
μm以上10.0μm以下であることを特徴としており、これに対して酢酸エチル中での
トナー平均粒子径が上記の範囲であるということは、すなわち、トナーが酢酸エチル中で溶解して形状が消失したり、著しく膨潤して粗大化していないことを示している。
ここで、本発明のトナーの酢酸エチル分散液中のトナーの平均粒子径(Dn2)は、後述する表面層の構成成分、表面層の添加量、および被覆状態を制御することにより調製することができる。
また、本発明においては、上記したトナーの観察において粒子形状が観察された上で、酢酸エチル中でのトナーの平均粒子径(Dn2)のコールターによるトナーの数平均粒子径(Dn1)に対する比、Dn2/Dn1が、0.6以上1.5以下の範囲であることが、
より好ましい耐溶剤性の範囲である。
この場合、Dn2/Dn1が0.6未満ということは酢酸エチル中でトナーが若干溶解
し、トナーの粒子径がコールターによる粒子径より小さくなっていることを示し、またDn2/Dn1が1.5よりも大きいの場合は逆に酢酸エチル中でトナーが膨潤して粒子径
が大きくなっていることを示している。
本発明では、酢酸エチル不溶でありかつ低温定着性を示すためには、トナーのガラス転移温度(Tg)が30℃以上60℃以下であり、かつフローテスターカーブより算出される1/2溶出温度(Tm1/2)が70℃以上120℃以下であることを必須の要件とする。前記1/2溶出温度(Tm1/2)は80℃以上110℃以下であることがより好ましい。
トナーのTgが30℃より低いとトナーの耐熱保存性が悪くなり、60℃より大きいとトナーを定着させるために高い温度が必要となる。
またTm1/2が120℃より高いと本発明の目的とする低温定着性が達成されない。またトナーのTm1/2が70℃より低いと、熱的に非常に不安定な状態となり、いくら酢酸エチルに不溶であってもスリーブやキャリア、有機感光体などの部材への融着汚染を防ぐことができない。
ここで、本発明のカプセル型のトナーのTm1/2は、主に後述する結着樹脂と表面層の構成成分との組合せによって調製することができる。
この時、結着樹脂を主成分とするいわゆるトナー母粒子と、前記表面層部分のそれぞれ
のTgやTm1/2は、トナーのTgおよびTm1/2が上記規定の範囲内であれば、何ら制限されることはない。しかしながら、表面層を熱的に不安定にするとスリーブやキャリア、有機感光体などの部材への融着汚染を防ぎにくくなることから、表面層は比較的熱的に安定であることが好ましい。そして、結着樹脂を主成分とするいわゆるトナー母粒子は比較的熱的に柔らかい構成をとることが本発明においては好ましい。
本発明において酢酸エチルに不溶なトナーを得るには、酢酸エチルに不溶な物質を含む表面層をトナーに存在させることで達成することができる。
しかしながら、酢酸エチルに不溶であることを達成することと、トナーの低温定着性を達成することとはトレードオフの関係であることが多い。なぜならば、酢酸エチルに不溶である耐溶剤性の高い物質は、多くの場合、熱的にも固い性質を示し、定着するのに大きなエネルギーを要する場合が多いからである。
そこで、発明者らは酢酸エチルに不溶な物質を表面層に含有させ、低温定着性に優れる結着樹脂をトナー母粒子部分としたカプセルトナーの構成をとることで、酢酸エチルに不溶な耐溶剤性の高いトナーと低温定着性を示すトナーとが両立されることを見出した
また、トナーを酢酸エチルに不溶となるような構成にすることで、トナーの流動性が向上し、キャリアとの混合性が向上したり、帯電の立ち上がりが向上したりする効果も奏する。さらに、本願発明のトナーの表面は湿度や温度の影響を受けにくいために、長期の保存安定性に優れ、低温低湿、常温常圧、高温高湿といった湿度温度の変化においても帯電性は安定する。
発明者らの鋭意検討の結果、本発明において、表面層と結着樹脂を主成分とするトナー母粒子とを下記のように調製することで、酢酸エチルに対する非溶解性と低温定着とを両立する最も有効な手段が達成できることを発見した。
本発明においては「酢酸エチルに不溶であること」と「低温定着性」とを両立するトナー表面層としては「ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物」を含有することを特徴とする。
以下、本発明における「ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物」について詳細に説明する。
多くの場合、樹脂に酢酸エチルに不溶である性質を付与するには、高度に架橋したり、非常に高い分子量にするなどの工夫が必要である。このため、酢酸エチルに不溶である性質を付与することは低温定着性を阻害してしまう方向にある。しかしながら、ジオール成分とジイソシアネート成分とによって調製された化合物は、そもそも耐溶剤性に優れる特性を示す。よって極度に架橋密度を上げたり、分子量を上げたりといった、低温定着性を阻害する設計をせずとも酢酸エチルに不溶にすることができる。このため、ジオール成分とジイソシアネート成分とによって調製された化合物を用いることで、酢酸エチルに不溶な耐溶剤性の高いトナーと低温定着性を示すトナーとが両立される。
表面層がジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を含有するのは、前述のように酢酸エチルに不溶な耐溶剤性と低温定着性を両立させるためである。また、ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物と、トナー母粒子に含まれる結着樹脂の主成分であるポリエステルとが適度な親和性を示すため、すなわち、カプセルトナー構造が得られやすいためである。
本発明において、用いることのできるイソシネート基を含有する物質(ジイソシアネート成分)としては例えば、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族イソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族イソシアネート、炭素数4〜15の脂環式イソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族イソシアネート及びこれらのイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット
基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)、並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記芳香族イソシアネートの具体例としては、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI、粗製ジアミノフェニルメタン、ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)混合物、その混合物との縮合生成物、ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
また本発明においては、上記したジイソシアネート成分に加えて、3官能以上のイソシアネート化合物を用いることもできる。3官能以上のイソシアネート化合物としては例えば、ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
上記脂肪族イソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族イソシアネート等が挙げられる。
上記脂環式イソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、及び2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
上記芳香脂肪族イソシアネートの具体例としては、m−キシリレンジイソシアネート(XDI)、p−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
又、上記ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等が挙げられる。
具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI等のイソシアネートの変性物及びこれらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族イソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート、及び炭素数4〜15の脂環式イソシアネートであり、特に好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、及びIPDIである。
また本発明に用いることのできるジオール成分としては、例えば、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオールなど)、ポリブタジエンジオールなどが挙げられる。上記したアルキレンエーテルグリコールのアルキル部分は直鎖状であっても、分岐していてもよい。本発明においては分岐構造のアルキレングリコールも好ましく用いることができる。
これらのうち好ましいものは、アルキル構造であり、炭素数2〜12のアルキレングリコールを用いることが好ましい。
また本発明においては上記したジオール成分に加えて、末端が水酸基であるポリエステル(末端ジオールポリエステル)も好適なジオール成分として用いることができる。
前記末端ジオールポリエステルの数平均分子量は3000以下、より好ましくは2000以下であることが好ましい。前記末端ジオールポリエステルの数平均分子量が3000よりも大きくなると、イソシアネート末端の化合物との反応性が悪くなったり、ポリエステルの性質が強くなりすぎて酢酸エチルに可溶となってしまう等の問題が生じる。
また、前記末端ジオールポリエステルはジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を構成するモノマー中において、1モル%以上10モル%以下、より好ましくは3モル%以上6モル%以下程度含有されていることが好ましい。
末端ジオールポリエステルが10モル%より多く含有されている場合、ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物が酢酸エチルに可溶となってしまう場合がある。また末端ジオールポリエステルが1モル%より少ないと、ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物が熱的に固くなりすぎて低温定着性を阻害したり、トナー母粒子に含まれる結着樹脂との親和性が低下して表面層が形成され難い場合がある。
前記ジオール成分として用いられる末端ジオールポリエステルのポリエステル骨格と、後述する結着樹脂として用いられるポリエステルのポリエステル骨格は、同一であることが、表面層のジオール成分とジイソシアネート成分との反応物と、トナー母粒子との親和性を考えると好ましい。
また上述したポリエステルオリゴマー(数平均分子量が3000以下の末端ジオールポリエステル)は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどで変性された、エーテル結合を有していても良い。
また本発明においてはジオール成分とジイソシアネート成分との反応物に加えて、アミノ化合物とイソシアネート化合物の反応物、いわゆるウレア結合を持つ化合物を表面層の構成成分として併用できる。
前記アミノ化合物とイソシアネート化合物の反応物に用いられるアミノ化合物としては例えば、ジアミン(ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノヘキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン[イソホロンジアミン、IPDA]、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン、ヒドラジン水和物)、またはトリアミン(トリエチルアミン、ジ
エチレントリアミンおよび1,8−ジアミノ−4−アミノメチルオクタン)などが挙げられる。
前記アミノ化合物とイソシアネート化合物の反応物に用いられるイソシアネート化合物としては、前記イソシアネート成分と同様の化合物が挙げられる。
本発明において前記アミノ化合物とイソシアネート化合物の反応物のほかに、ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物に加えて、イソシアネート化合物とカルボン酸基、シアノ基、チオール基といった、反応性の高い水素が存在する基を有する化合物との反応物を表面層の構成成分として併用できる。
更に本発明における表面層を、前述したジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を含有する微粒子によって調製する場合には、該ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物の側鎖にカルボン酸及び/又はスルホン酸構造を有することが好ましい形態である。
ここで、微粒子を分散剤として用いるためには、微粒子自体の水系媒体における分散性も、トナーの調製において重要なパラメーターとなる。
発明者らは、このジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を含有する微粒子の分散性について鋭意検討した結果、側鎖にカルボン酸、スルホン酸といった、塩構造をとり得る構造を存在させることで、ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を含有する微粒子の分散性が飛躍的に向上し、トナーの造粒性が向上することを発見した。
また発明者らの検討によれば、前述したカルボン酸やスルホン酸といった構造、特にスルホン酸構造をとることで親水性が高まり、酢酸エチルに不溶である性質がより強固となることもわかった。
この理由は定かではないが、おそらく前述した基の高い極性によって耐溶剤性が向上しているものと思われる。
前記側鎖にカルボン酸構造を有する微粒子は、ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を形成するモノマーの側鎖にカルボン酸構造を持たせることで容易に得られる。前記側鎖にカルボン酸を有するモノマーのうち、汎用性のあるモノマーとして、側鎖にカルボン酸を有するジオール成分を好適に用いることができる。
上述した側鎖にカルボン酸を持つジオール成分としては、例えば、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロールペンタン酸等のジヒドロキシルカルボン酸類及びその金属塩が挙げられる。
上記した側鎖にカルボン酸を有するモノマーと同様に、側鎖にスルホン酸を有するモノマーも上記目的を果たす上で有効である。側鎖にスルホン酸を持つジオール成分としては、例えば、スルホイソフタル酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸及びその金属塩等が挙げられる。
本発明においては、前記側鎖にカルボン酸を有するモノマー(カルボン酸含有ジオール成分)および前記側鎖にスルホン酸を有するモノマー(スルホン酸含有ジオール成分)を併用することがより好ましい。なぜならば、水への分散性と酢酸エチルへの不溶性、更にはトナー母粒子に含まれる結着樹脂の主成分であるポリエステルへの適度な親和性を保つのに有効であるからである。
なおカルボン酸含有ジオール成分とスルホン酸ジオール成分ではカルボン酸含有ジオールモノマーの方が汎用性が高いため、カルボン酸含有ジオールを主に用いることが好ましい。
上記した側鎖にカルボン酸を有するモノマーと側鎖にスルホン酸を有するモノマーの総含有量は、ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を形成するモノマーのうち、
10モル%以上50モル%以下が好ましい。より好ましくは20モル%以上30モル%以下である。
前記側鎖にカルボン酸を有するモノマーと側鎖にスルホン酸を有するモノマーの総含有量が10モル%より少ない場合には微粒子の分散性が悪くなり造粒性が著しく損なわれる場合がある。また50モル%より多い場合には、ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物が水系媒体中に溶解してしまい分散剤として十分な機能を果たせなる場合がある。
またジオール成分とジイソシアネート成分との反応物の側鎖にカルボン酸という極性の基が存在することにより、酢酸エチルへの溶解性を下げる効果がある。従って、カルボン酸を側鎖に含有するモノマーのモル量が10モル%よりも少ない場合には、ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物の分子量や組成によっては酢酸エチルへ溶解してしまう場合がある。
本発明のトナーに於いては、低温で定着可能なトナーを達成するために、トナー母粒子に含まれる結着樹脂としてポリエステル樹脂を主成分とすることを特徴としている。ここで、主成分とは、結着樹脂を100とした場合の50重量%以上を占めることを意味している。
本発明のトナーの結着樹脂として用いられるポリエステル樹脂の構成モノマーとしてはアルコール成分とカルボン酸成分などである。前記ポリエステル樹脂の構成モノマーとして用いることのできる物としては例えば以下のものが挙げられる。
アルコール成分としては、好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数2〜6の脂肪族アルコールが好ましい。
炭素数2〜8の脂肪族アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール等の直鎖系ジオール、また、水素化ビスフェノールA、下記(式1)で表わされるビスフェノール誘導体及び下記(式2)で示されるジオール類が挙げられる。
Figure 2008107679
Figure 2008107679
前述したように、ポリエステルオリゴマー(表面層に含有されるジオール成分とジイソシアネート成分との反応物におけるジオール成分)のポリエステル骨格と、前記結着樹脂
として用いられるポリエステルのポリエステル骨格は、同一であることが、表面層とトナー母粒子の親和性を考えると好ましい。
すなわち、本発明においては表面層のジオール成分とジイソシアネート成分との反応物の酢酸エチルへの不溶性を考えると、芳香族系の骨格より非芳香族系つまりアルキル系の方が好ましい。従って、アルキル系ジオールをアルコール成分として用いたポリエステルを結着樹脂として用いることが好ましい。
更に耐久性の観点から、アルキル系ジオールの含有量はアルコール成分中、30〜100モル%が好ましく、さらに好ましくは50〜100モル%である。
又、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられる。
カルボン酸成分は、帯電性の観点から、芳香族多価カルボン酸化合物が含有されているのが好ましく、芳香族多価カルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、30〜100モル%が好ましく、50〜100モル%がより好ましい。
前記結着樹脂としてのポリエステル樹脂の原料モノマー中には、3価以上の多価アルコール及び/又は3価以上の多価カルボン酸化合物が含有されていてもよい。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、上記ポリエステル樹脂以外に、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステルとスチレンアクリルの混合樹脂、エポキシ樹脂等が含有されていても構わない。
本発明においてトナーの分子量を調節する場合には、2種類以上の分子量を持つ結着樹脂を混合して用いても良い。
本発明においては、定着部材との離型性を上げたり、基材への定着性を上げたりするために離型剤(ワックス)をトナー中に存在させて用いることもできる。
本発明において用いることのできるワックスとしては公知のものが使用出来る。前記ワックスとしては、例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックス等);カルボニル基含有ワックス等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタ
デカンジオール−ビス−ステアレート等);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミド等);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミド等);及びジアルキルケトン(ジステアリルケトン)等が挙げられる。
本発明においてワックスの好ましい融点は40〜160℃であり、より好ましくは50〜120℃が好ましい範囲である。融点が40℃より低いと、トナー表面にワックスが露出し易くなり、耐熱保存性の低下を招く恐れがある。また融点が160℃より高いと、定着時に適切にワックスが溶融せず効果を発現しない場合がある。
本発明において、トナー中に於けるワックスの含有量は、2.0〜20.0質量%、より
好ましくは2.5〜15.0質量%である事が好ましい。
ワックスの含有量が2.0質量%より少ないと、トナーの離型性を保てなくなり、20.0質量%より多い場合は、トナー表面にワックスが露出し易くなり、耐熱保存性の低下を招く恐れがある。
本発明のトナーに於いては、トナー中に、より均一にワックスを分散させる為にトナーワックス分散剤を用いるのも好ましい形態の一つである。ワックス分散剤としては、特に限定されるものではなく、公知の如何なるワックス分散剤を用いることができる。
本発明に於けるカラートナーに用いられる着色剤としては以下のものが用いられる。
イエロー色に好適な着色剤としては、顔料或いは染料を用いる事が出来る。具体的には、顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12、13、14、15、17、23、62、65、73、74、81、83、93、94、95、97、98、109、110、111、117、120、127、128、129、137、138、139、147、151、154、155、167、168、173、174、176、180、181、183、191、C.I.バットイエロー1,3,20等が挙げられる。染料としては、C.I.ソルベントイエロー19、44、77、79、81、82、93、98、103、104、112、162等が挙げられる。これらのものは、単独或いは2以上のものを併用して用いる。
マゼンタ色に好適な着色剤としては、顔料或いは染料を用いる事が出来る。具体的には、顔料として、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,48;2、48;3、48;4、49,50,51,52,53,54,55,57,57;1、58,60,63,64,68,81,81;1、83,87,88,89,90,112,114,122,123,144、146,150,163,166、169、177、184,185,202,206,207,209,220、221、238、254等、C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35等が挙げられる。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,52、58、63、81,82,83,84,100,109,111、121、122等、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27等、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40等、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料等が挙げられる。これらのものは単独或いは2以上のものを併用して用いる。
シアン色に好適な着色剤としては、顔料或いは染料を用いる事が出来る。具体的には、顔料として、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15;1、15;2、15;3、15;4、16、17、60、62、66等、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45等が挙げられる。染料としては、C.I.ソルベントブルー25、36、60、70、93、95等が挙げられる。これらのものは単独或いは2以上のものを併用して用いる。
黒色の顔料として、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが用いられる。又、マグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
本発明に用いられる着色剤においては、極端に水への溶解度の高い染料、顔料を用いることはあまり好ましくない。上記した染料・顔料を用いると製造工程中に水中へ溶解し、造粒が乱れたり、所望の色を得られなく場合がある。
本発明においては、必要に応じて荷電制御剤を用いることもできる。荷電制御剤は本発明のカプセルトナーのトナー母粒子に含まれていても良いし、表面層に含まれていても良い。
添加する帯電制御剤としては、公知のものが使用出来る。帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、含金アゾ錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。
さらに具体的には、ニグロシン系染料のボントロンN−03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、スルホン酸基、カルボキシル基及び四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明のトナーの流動性や現像性、帯電性を補助する為に、本発明においては、外添剤を用いても良い。前記外添剤としては、無機微粒子が好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子径は、5〜2000nmである事が好ましく、特に5〜500nmである事が好ましい。又、BET法による前記比表面積は、20〜500m/gである事が好ましい。
前記無機微粒子の含有量は、トナー粒子に対して、0.01〜5.0質量%である事が好ましく、特に0.01〜2.0質量%である事が好ましい。
前記無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げられる。
また、前記無機微粒子の具体例として、さらに、高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
前記無機微粒子は単独、若しくは複数種を併用して用いても何ら構わない。
この様な外添剤(流動化剤)は表面処理を行って、疎水性を上げることで、高湿度下に於いても流動特性や帯電特性の悪化を防止する事が出来る。
前記表面処理に用いられる表面処理剤としては、例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去する為のクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合等によって製造された、ポリマー微粒子等を挙げられる。
前記ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100質量部に対してトナー1〜10質量部が好ましい。
磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリア等、従来から公知のものが使用出来る。
本発明のトナーの製造方法は、少なくともポリエステルを結着樹脂として含有したトナー母粒子の調製工程と表面層の形成工程とに大別される。
該表面層の形成工程は、前記トナー母粒子の調製工程と同時であっても良いし、前記トナー母粒子の調製工程後に付け加えて行っても良い。より簡便に本発明のトナーを製造する手法としては、トナー母粒子の調製工程と該表面層の形成工程を同時に行うことが好ましい。
ポリエステルを結着樹脂とするトナー母粒子の調製方法は何ら制限を受けるものではない。例えば、結着樹脂、着色剤、その他必要に応じて用いるトナー組成物を溶融混練後、粉砕、必要に応じて球形化、分級工程を加えたいわゆる粉砕法や、水性媒体中で目的とするトナー粒径より小さなポリエステル微粒子を水溶性塩やpH、温度、攪拌速度などのコントロールにより所望の粒径に凝集させ、その後融着・熟成することによるいわゆる乳化凝集法や、結着樹脂、着色剤、その他必要に応じて用いるトナー組成物を有機溶媒中に溶解・分散した組成物を水性媒体中にて懸濁させ、その後有機溶媒を除去することによって得られる溶解懸濁法などが挙げられる。
また、本発明の表面層の形成方法も、何ら制限を受けるものではない。例えば、トナー母粒子を調製した後に該表面層を形成する場合には、水系媒体中に、トナー母粒子および表面層を形成する物質を微粒子状に分散させ、その後前記トナー母粒子の表面に表面層を形成する微粒子を凝集、吸着させるいわゆる湿式外添や、トナー母粒子と表面層を形成する物質の紛体状のものを乾式で攪拌することにより、トナー母粒子の表面に機械的に表面層が固着するいわゆる乾式外添などが挙げられる。
しかしながら、湿式外添や乾式外添で表面層を形成する手法においては、トナーを酢酸エチルに不溶とさせるような、強固で隠蔽性の高い表面層を形成することは、詳細な条件合わせが必要となる場合がある。
また、トナー母粒子の表面に表面層を形成させる別の手法として、トナー母粒子の内部と水系媒体中にそれぞれ反応性のモノマーを混入し、トナー母粒子と水系媒体の界面で反応を起こすことでトナー母粒子の表面に表面層を形成するいわゆる界面重合という方法も可能ではある。しかしながら、この界面重合法は、反応を伴うために時間を要したり、所望の性質をしめす表面層を調製する場合に反応条件などを詳細に検討する必要がある場合がある。
そこで、本発明のカプセルトナーを一段階で調製することのできる簡便な手法であって、かつ高画質の観点から球形で小粒径かつ粒度分布シャープであるトナーを簡便に得る手
法として、以下の方法が好ましく用いられる。
トナーの母粒子を「溶解懸濁法」によって調製し、かつ該溶解懸濁法における分散剤として、ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を含有する微粒子を分散剤として用いることにより表面層を形成する手法が好ましく用いられる。
すなわち、前記トナーを簡便に調製する方法は、酢酸エチルに不溶な微粒子、すなわちジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を含有する微粒子を分散させた水系媒体中に、少なくとも結着樹脂及び着色剤を有機媒体中で溶解又は分散させて得られた溶解物又は分散物を分散させ、得られた分散液から溶媒を除去し乾燥する事によってトナーを得る方法である。
前記調製方法における系においては、前記酢酸エチルに不溶な微粒子がトナー組成物の液状物を懸濁させる際の分散剤としても機能する系であることをねらいとしている。このような前記酢酸エチルに不溶な微粒子を分散剤としても機能させる系でトナーを調製することにより、トナー表面への微粒子の凝集工程などを必要とせず、より簡便な手法で本発明のカプセルトナーを調製することができる。
前記調製方法で表面層を形成する上で、トナー母粒子と表面層を形成する微粒子にトナー母粒子との適度な親和性があることで表面層を形成することができる。すなわち、トナー母粒子と表面層の親和性が弱すぎるとトナー母粒子表面に表面層を形成する微粒子が吸着しにくくなるし、また逆に親和性が強くなりすぎるとトナー母粒子に微粒子が埋没してしまい表面層を形成しにくくなると考えられる。
以上より、本発明においてはポリエステル樹脂を結着樹脂とするトナー母粒子に、ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を含有した微粒子を用いて表面層を形成することが非常に好ましい。
本発明のトナーの表面層に用いられる微粒子の調製は特に限定されるものではない。前記微粒子の調製法は、乳化重合法及び樹脂を溶媒に溶解したり、溶融させたりして液状化し、これを水系媒体中で懸濁させて造粒する調製法が挙げられる。
この時、公知の界面活性剤や分散剤等を用いることもできるし、微粒子を構成する樹脂に自己乳化性を持たせることもできる。
樹脂を溶媒に溶解させて微粒子を調製する場合に用いることのできる溶媒としては特に制限をうけない。前記微粒子の調製に用いられる溶媒としては、例えば、酢酸エチル、キシレン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶剤;ジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒が挙げられる。
また本発明において、ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を含有する微粒子を分散剤として用いることが好ましい形態の一つであるが、このような分散剤として用いることができる微粒子を調製する方法において、以下のような調製方法が好ましく用いられる。イソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、このプレポリマーを水に急速に分散させ、引き続きイソシアネート基と反応可能なアミノ基を有する化合物を添加することにより、鎖を延長させるかまたは架橋させる調製方法である。
すなわち、本発明においては、所望の物性を持ったジオール成分とジイソシアネート成
分との反応物を含有する微粒子を調製する方法として、以下の方法が好適に用いられる。前記イソシアネート基を有するプレポリマーと必要に応じてその他に必要な成分を、上記の溶媒のうちアセトンやアルコールといった水への溶解度が高い溶媒中に溶解又は分散し、この溶解物又は分散物を水に投入することにより、該イソシアネート基を有するプレポリマー系を急速に分散させ、引き続きアミノ基含有化合物を投入する方法である。
本発明のトナーの製造に用いられる、結着樹脂等を溶解させる有機媒体として使用出来る溶剤としては、例えば、酢酸エチル、キシレン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶剤;ジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン等のケトン系溶剤が挙げられる。前記有機媒体を用いて結着樹脂などを溶解させて、油層を形成する。
本発明に用いられる水系媒体は、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用する事も出来る。前記水と混和可能な溶剤としては、アルコール類(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)等が挙げられる。
トナー組成物100質量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000質量部、好ましくは100〜1000質量部である。50部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナーが得られない。2000質量部を超えると経済的でない。
本発明において、本発明に用いられる水系媒体中に、前記油層に用いられる有機溶剤を適量混ぜておくことが好ましい。これは造粒中の液滴安定性を高め、また水系と油層とをより懸濁さえやすくする効果があると思われる。
又、本発明において、分散剤としては、公知の界面活性剤、水溶性ポリマー等を用いる事も出来る。
主な界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等が挙げられる。前記界面活性剤はトナー粒子形成の際の極性に併せて、任意に選択可能なものである。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
また分散剤として、高分子分散剤を用いてもよい。前記高分子分散剤として、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類;アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタ
クリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体;ビニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等のビニルアルコールとのエ一テル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド或いはこれらのメチロール化合物;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子、又はその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類等が挙げられる。
分散剤を使用した場合には、前記分散剤をトナー粒子表面に残存したままでもよいが、溶解洗浄することで前記分散剤を除去する方がトナーの帯電面から好ましい。
また本発明においては、上記した界面活性剤の他に、結着樹脂であるポリエステルのカルボン酸残基を解離させて、結着樹脂による界面活性効果を発現させることも好ましい。具体的には、アミン類を前記した油層または水相に存在させることでポリエステルのカルボン酸を解離させることができる。
この時用いることのできるアミン類としては、アンモニア水、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの比較的低分子のアミン類が好ましい。
又、より好ましい分散状態を維持する上で固体の分散安定剤を使用しても構わない。
本発明に於いて、分散安定剤を使用するのは次の理由による。トナーの主成分である結着樹脂が溶解した有機媒体は高粘度のものであり、高剪断力で有機媒体を微細に分散して形成された油滴の周囲を分散安定剤が囲み、油滴同士が再凝集するのを防ぎ、安定化させる為である。
前記分散安定剤としては、無機分散安定剤、及び有機分散安定剤が使用できる。無機分散安定剤の場合は、分散後に無機分散安定剤が粒子表面上に付着した状態でトナー造粒されるので、溶媒と親和性がなく、塩酸等の酸類によって除去が出来るものが好ましい。前記無機分散安定剤として、例えば、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、炭化水素ナトリウム、炭化水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ヒドロキシアパタイト、三リン酸カルシウム等が使用出来る。
本発明のトナーの製造において、分散方法は特に制約されず、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波等の汎用装置が使用可能であるが、分散粒径を2〜20μm程度にする為には高速せん断式が好ましい。
高速せん断式汎用装置としては、攪拌装置が挙げられる。回転羽根を有する攪拌装置としては、特に制約はなく、乳化機、分散機として汎用のものであれば使用可能である。
前記攪拌装置としては、例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業(株)製)、エバラマイルダー(荏原製作所(株)製)、TKホモミックラインフロー(特殊機化工業(株)製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機(株)製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機
工(株)製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製)、フィルミックス(特殊機化工業(株)製)等のバッチ式、若しくは連続両用乳化機等が挙げられる。
高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定されないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは3000〜20000rpmである。
分散時間としてはバッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常10〜150℃(加圧下)、好ましくは10〜100℃である。
この様にして得られた分散体から有機溶媒を除去する為には、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用する事が出来る。
或いは、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧し、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去する事も可能である。
この場合、乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体が用いられ、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。
前記乾燥雰囲気は、スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどにより達成され、これらの短時間の処理で目的とする品質が得られる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整える事が出来る。
用いた分散剤は得られた分散液から出来るだけ取り除く事が好ましいが、より好ましくは分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御剤微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子等の異種粒子と共に混合する場合、得られる混合粉体に機械的衝撃力を与える事によって、それら異種粒子がトナー表面に固着化、融合化される。したがって、機械的衝撃力を与えることによって、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止する事が出来る。
該製造方法に於いては有機溶媒を除去した後、更に加熱工程を設けることも可能である。加熱工程を設けることで、トナー表面が平滑化されたり、球形化度を調節することができる。
本発明において溶解懸濁法を用いる場合におけるワックスの導入方法は、例えば、以下のような方法が挙げられる。有機溶剤中でワックスを溶融、溶解した後にワックスを溶剤中に析出させ、必要に応じて機械的分散をすることで予めワックスの有機溶媒中での分散液を調製する方法、少なくとも有機溶剤と結着樹脂と着色剤とを含む油層中でワックスを溶融・溶解させて造粒し、その後冷却することでトナー中に導入する方法、更にはワックス紛体を機械的に粉砕して用いる方法が挙げられる。
本発明のトナーの製造方法において、分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、所望の粒径より小さい粒子部分を取り除く事が出来る。勿論乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行う事が効率の面で好ましい。
得られた不要の粒子、又は粗粒子は再び溶解工程に戻して粒子の形成に用いる事が出きる。その際不要の粒子、又は粗粒子はウェットの状態でも構わない。
表面層に含まれる微粒子は、体積平均粒径(D50)が10〜120nmを示すものを用いる事が好ましい。より好ましい体積平均粒径(D50)は20〜100nmであり、このような体積平均粒径を有することは、本発明のトナーの特徴であるカプセルトナー構造を形成する上で好ましい。
体積平均粒径(D50)が10nmより小さい場合は、微粒子の被覆量が少ない場合と
同様に、本発明のトナーを水系にて調製しようとすると、造粒安定性等が低下し、カプセルトナー構造を形成し難くなり、かつ、耐熱保存性が悪化する傾向にある。
一方、体積平均粒径(D50)が150nmよりも大きい場合は、微粒子の被覆量が多い場合と同様に、本発明のトナーを水系にて調製しようとすると、水系に於ける分散性が低下し、粒子同士の合一が生じたり、異形状の粒子が生ずる事となる。
前記表面層に存在する酢酸エチルに不溶な物質は、フローテスターカーブによる1/2溶融温度(Tm1/2)が85℃以上150℃以下である事が好ましい。
Tm1/2が85℃よりも低い場合は、特に高速で長時間印字した場合などにおいて、部材への汚染が顕著になる場合がある。一方Tm1/2が150℃よりも高い温度であると、低温オフセットを生じ易くなるばかりでなく、光沢性も著しく低下し画像品質を低下させる要因となる。
また、本発明のカプセルトナーにおいては、トナー母粒子は表面層によって完全に覆われていることがよりこのましい形態である。
発明者らはトナー母粒子を表面層で完全に覆うためには以下のようなことが重要であると考えている。
本発明において、表面層の形成に微粒子を用いた場合には、該微粒子がトナー中に1.
8質量%以上15.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以上12.0質量%以下含
まれることが好ましい。
トナーにおける微粒子の量が1.8質量%より少ない場合には、微粒子の粒子径とトナ
ーの粒子径にもよるが、表面層の被覆が完全でなく酢酸エチルに可溶となってしまう場合がある。
また微粒子の量が15.0質量%より多い場合には、定着性を損なう場合がある。
本発明に於いては、トナーの数平均粒子径(Dn1)が3.0μm以上10.0μm以下である事が必要である。
トナーの数平均粒子径(Dn1)が3.0μmより小さいと、特に長時間の使用後などにおいてトナーがチャージアップし、画像濃度が低下するなどの問題を生じる。また、トナーの数平均粒径(Dn1)が10.0μmよりも大きい場合には、ライン画像等を出力する場合に於いて飛び散りやボタ落ちを招き易くなり、細線再現性に劣る。
本発明に於いてはトナーの球形化度SF−1が100〜140、より好ましくは100〜130の範囲であることが好ましい。
SF−1値が140よりも大きくなると、転写特性が低下する傾向し、画像の悪化を起こす場合がある。SF−1値が100であれば真球に近い形状を示す。すなわち、本発明におけるトナー形状は、SF−1値がより100に近い、真球に近い形状が好ましい。
本発明のトナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるピーク分子量が8000以下、好ましくは5500未満であることがより好ましい形態の一つである。更に、分子量10万以上の成分が、5.0面積%以下、より好ましくは1.0面積%以下であることも好ましい形態の一つ
である。
ピーク分子量が8000より大きかったり、分子量10万以上の成分が5.0面積%より多かったりすると、表面層の樹脂の種類や量によっては定着性が著しく損なわれる場合がある。
また本発明においては、トナーの分子量が1000以下の成分が、10.0面積%以下、より好ましくは7.0面積%未満であることが好ましい。
分子量が1000以下の割合が10.0%より多い場合には、比較的熱的に不安定である低分子量成分が部材を汚染してしまう場合がある。
本発明においては、特に上記した分子量が1000以下の割合を10.0%以下にする
ために、以下のような調製方法を好適に用いることができる。
本発明者らは、分子量1000以下の割合を少なくするためには、結着樹脂を溶媒に溶解させその溶液を水と接触させて放置することによって、分子量1000以下の割合を効果的に減少させることができることを発見した。すなわちこのような操作により、水中に上記した分子量1000以下の低分子量成分が溶出し、効果的に結着樹脂溶液から除去することができると考えている。
上記のことから、本発明においては、トナーの製造方法として前述した溶解懸濁法を用い、結着樹脂と着色剤とワックスとを溶解又は分散した溶液を、水系媒体中で懸濁させる前に、水系媒体と接触させたまま放置する方法を用いることで効率的に低分子量成分を除去することができる。
また本発明においては、結着樹脂を溶融混練したり、溶液中で過度なストレスを与えたりすることは、分子鎖が切れて低分子量成分が増大してしまう可能性がある。その球、上記したような工程を設けることはあまり好ましいことではない。
以下、本発明に係る測定手段を記載する。
(トナーの酢酸エチル中での平均粒子径(Dn2)の測定方法)
トナー0.2gと酢酸エチル5mLをサンプル瓶に投入し、軽く振とうした後、この溶
液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて1000倍で観察し、一つ一つが離れている状態で観察されるトナー計50個のトナーの粒子径を測定し、その平均値を酢酸エチル中でのトナー平均粒子径(Dn2)とした。
(トナーの軟化点、流出開始温度、1/2法溶融温度の測定方法)
定荷重押出し式細管式レオメーター、所謂フローテスターにより測定されるものを指す。
フローテスターとして、島津製作所製の高架式フローテスターCFT500C型を用いる。このフローテスターからのデータに基づくフローテスターカーブは図3(a)および(b)に示される様な状態になり、そこから各々の温度を読み取る事が出来る。
図中、Tsは軟化温度、Tfbは流出開始温度であり、1/2法に於ける溶融温度とあるのが1/2溶融温度の事である。
<測定条件>
荷重:10kgf/cm(9.807×105 Pa)
昇温速度:4.0℃/min
ダイ口径:1.0mm
ダイ長さ:1.0mm
(ガラス転移温度(Tg)の測定方法)
本発明に於けるTgの測定方法は、DSC Q1000(TA Instrument
s社製)を用いて以下の条件にて測定を行った。
<測定条件>
モジュレーションモード
昇温速度:0.1℃/min
モジュレーション温度振幅:±1.0℃/min
測定開始温度:25℃
測定終了温度:130℃
昇温は1度のみ行い、「Reversing Heat Frow 」を縦軸にとるこ
とでDSCカーブを得、図4に示すオンセット値を本発明のTgとした。
(分子量の測定方法)
本発明に於いて、トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のTHFを溶媒としたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるクロマトグラムの分子量分布は次の条件で測定される。
測定試料は以下の様にして作成する。
試料(トナー)とTHFとを約0.5〜5mg/ml(例えば約5mg/ml)の濃度で混合し、室温にて数時間(例えば5〜6時間)放置した後、充分に振とうし、THFと試料を良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に室温にて12時間以上(例えば24時間)静置する。この時、試料とTHFの混合開始時点から、静置終了の時点までの時間が24時間以上となる様にする。
その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンスジャパン社製等が好ましく利用出来る)を通過させたものをGPCの試料とする。
試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなる様に調製する。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度に於けるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばPressure Chemical Co.製或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10,2.1×10,4×10,1.75×10,5.1×10,1.1×10,3.9×10,8.6×10,2×10,4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。又、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
尚、カラムとしては、10〜2×10の分子量領域を適確に測定する為に、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組合せるのが良く、本発明に於いては、次の条件で測定される。
<GPC測定条件>
装置:LC−GPC 150C(ウォーターズ社製)
カラム:KF801,802,803,804,805,806,807(ショウデックス社製)の7連
カラム温度:40℃
solv.:THF(テトラヒドロフラン)
一般に、GPCクロマトグラムの測定では、高分子量側はベースラインからクロマトグラムが立上り開始点から測定を始め、低分子量側は分子量約400まで測定する。
(トナーの数平均粒子径(Dn1)及び体積平均粒子径Dvの測定方法)
トナー粒径は精密粒度分布測定装置を用い、コールター原理を用い粒子の正確な体積から粒径と濃度を測定することにより求める。測定装置としては、コールターカウンターのマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用出来る。
測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、粒径2.
00〜40.30μmのトナーの体積及び個数各チャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と数分布から、それぞれ体積平均粒子径Dvおよび数平均粒子径Dn1を算出する
。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
(微粒子の体積平均粒径(D50)の測定方法)
マイクロトラッbク粒度分布測定装置HRA(X−100)(日機装社製)を用いて、0
.001μm〜10μmのレンジ設定で測定を行い、体積平均粒子径(mn)を本発明の微粒子の体積平均粒径(D50)とした。
(トナーの球形化度SF−1の測定方法)
本発明において、形状係数を示すSF−1は日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い、1000倍に拡大した2μm以上のトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して、ニコレ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入し解析を行い、下式より算出することで得られる。
Figure 2008107679
以下、実施例を持って本発明を更に詳細に説明するが、本発明は何らこれに制約されるものではない。
<実施例1>
[微粒子分散液1の調製]
・プロピレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオールの50:40:10モル混合物とテレフタル酸、イソフタル酸の等モル混合物から得られた、数平均分子量約2000のポリエステルジオール 100質量部(0.05モル)
・プロピレングリコール 17質量部(0.25モル)
・ジメチロールプロパン酸 94質量部(0.7モル)
・N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム
8質量部(0.03モル)
・トリレンジイソシアネート 30質量部(0.2モル)
上記原材料をアセトン60質量部中に溶解し、67℃1時間反応させた。
ついで、イソホロンジイソシアネート271質量部(1.2モル)を添加し、更に67℃で30分反応させ冷却し、反応物を得た。
上記反応物に更に100質量部のアセトンを追加した後、トリエチルアミン80質量部(0.8モル)を投入し攪拌し、アセトン溶液を得た。
上記アセトン溶液をイオン交換水1500質量部に500rpmで攪拌しながら滴下し、微粒子分散液を調製した。
ついで10%アンモニア水100質量部にヘキサメチレンジアミン50質量部を溶解させた水溶液を投入し、50℃8時間反応させることで伸長反応を行い、微粒子分散液1を得た。
この微粒子分散液の固形分を、ケット科学研究所社製の水分量計FD240にて、120℃に温度設定し、重量変化が1分間観察されなくなるまで水分を蒸発させることで測定したところ、23.1%であった。この値は仕込みの固形分約24%に対して十分に収率の高いものであった。
得られた微粒子分散液1中の微粒子の粒径を測定したところ、30nmであった。
同様にして得られた微粒子の乾燥固化した粉末のフローテスターより求めた1/2溶融温度(Tm1/2)は137.1℃であった。
[トナー1の調製]
<液状トナー組成物1の調製>
・プロピレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオールおよびテレフタル酸、イソフタル酸をモノマーとするポリエステル樹脂(Mw6800、Mn2700、Mp5200、Tg=50℃) 5質量部

・銅フタロシアニン顔料 C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部
・顔料分散剤(味の素社製;アジスパーPB−822) 0.5質量部
エステルワックス 10質量部
(ステアリン酸ステアリル、融点67℃)
・ワックス分散剤(東洋ペトロライト社製、セラマー1608) 5質量部
・酢酸エチル 50質量部
上記を、耐熱性の保存ビンに投入し、ついで1mm直径のガラスビーズを20質量部投入し、ペイントシェーカー(東洋精機社製)にて10時間分散を行った。分散直後に系内の温度を測定したところ70℃であった。分散液を顕微鏡で確認したところ、顔料およびワックスの分散性は良好であった。
上記油層に更に酢酸エチル50質量部、前記したプロピレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオールおよびテレフタル酸、イソフタル酸をモノマーとするポリエステル樹脂(Mw6800、Mn2700、Mp5200、Tg=50℃)を95質量部、及びトリエチルアミン2質量部を添加、十分溶解・分散した後、液状トナー組成物1を調製した。
<乳化及び脱溶剤工程>
容器に下記を投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)にて5000rpmで1分攪拌し、水相を調製した。
・イオン交換水 900質量部
・微粒子分散液1 25質量部
(トナー100質量部に対して、微粒子5.8質量部仕込み)
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの0.1%水溶液 20質量部
・酢酸エチル 40質量部
ついで、TKホモミキサーの回転を止め、前記液状トナー組成物1を投入し30分間静置することで、水相中に結着樹脂の低分子量成分を溶出させた。
ついで、TKホモミキサーの回転数を8000rpmまで上げて、3分間攪拌を続け、液状トナー組成物1を懸濁させた。
ついで、容器に攪拌羽をセットし、200rpmで攪拌しながら系内を50℃に昇温し、かつ500mmHgに減圧した状態で5時間かけて脱溶剤を行い、トナーの水分散液を得た。
<洗浄〜乾燥工程>
ついで、上記のトナー水分散液をろ過し、イオン交換水500質量部にリスラリーした後、系内を攪拌して塩酸を系内がpH4になるまで加えて、5分間攪拌した。
再度上記のスラリーをろ過し、またイオン交換水200質量部を添化し5分間攪拌する操作を3回繰り返すことで、系内に残存したトリエチルアミンを除去し、トナーのろ過ケーキを得た。
ついで上記ろ過ケーキを温風乾燥機にて45℃で3日間乾燥し、目開き75μmメッシュでふるい、トナー粒子1を得た。表1にトナー粒子1の処方を示す。
次に、上記トナー粒子1の100質量部に対し、平均径20nmの疏水性シリカ1.0質量部と、平均径120nmの単分散シリカ1.5質量部をヘンシェルミキサー(FM−10B三井鉱山(株)製)にて混合し、トナー1を得た。
[トナーの初期性能評価]
粒子径、酢酸エチル中での溶解性、Tm1/2、Tg、分子量、耐熱保存性について評価を行なった。
酢酸エチル中での溶解性における目視評価、及び耐熱保存性は以下のように評価する。それ以外は、前述した測定方法に基づく。
<トナーの酢酸エチルへの溶解性における目視評価>
トナー0.2gと酢酸エチル5mLをサンプル瓶に投入し、軽く振とうした後、液をキ
ーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて500倍で観察し、以下のように判断した。評価基準は下記に順ずる。Bは使用上問題とならないレベルである。
(評価基準)
A:酢酸エチルに不溶
トナーの形状が観察され、かつトナー一つ一つが酢酸エチル中で流動する様子が観察される。
B:酢酸エチルにほぼ不溶
トナーの形状が観察されるが、一部の粒子は酢酸エチル中で流動しない。
C:酢酸エチルに可溶
トナー同士が融着し、凝集隗になっている。または、トナー粒径そのものが観察されない。または、トナー形状らしきものは観察されるが境界線が極めてあいまい。または、一部トナー形状の残存が見られるが、凝集隗も多く観察される
<耐熱保存性>
約10gのトナーを100mlのポリカップに入れ、50℃で3日放置した後、目視で評価した。評価基準は下記に順ずる。Bは使用上問題とならないレベルである。
(評価基準)
A:凝集物は見られない。
B:凝集物は見られるが容易に崩れる。
C:凝集物をつかむことができ容易に崩れない。
以下にトナー1の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー1の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.3μm、数平均粒子径が4.9μm、従ってDv/Dn=1.1であり、粒度分布シャープなトナーが得られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
上記の観察に引き続き、倍率を1000倍に上げ、トナー50個の粒径を測定し平均値Dn2を算出したところ、5.0μmであった。よって、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.0であり、このトナーは酢酸エチル中でも殆ど粒径が
変化せず、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ100.7℃であ
り、十分溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、53℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5200、分子量10万以上の割合は0.0%、分子量1000以下の割合は6.5%であり、非常に分子量の小さいトナーであった。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
トナー1の初期性能評価結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
トナー1を8質量部とシリコーン被覆された平均粒径35μmのフェライトキャリア92質量部からなる現像剤を調製した。
該現像剤を電子写真プロセス条件を変更可能な改造を施したCLC5000(キヤノン製)を用い、以下の画像評価を行った。
(1)細線再現性
(2)光沢性(グロス)
(3)定着開始温度
(4)高温オフセット性
(5)高速・長期印字後の現像剤担持体、現像剤層厚規制ブレードおよびキャリアへの融着及び固着度合い
以下にそれぞれの評価方法を示す。
(1)細線再現性の測定
前記改造機にてキヤノンオリジナル画像を出力し、プリントアウト画像の細線の再現性を評価した。評価基準は下記に順ずる。Bは使用上問題とならないレベルである。
(評価基準)
A:良好な細線の再現性を示す。
B:軽微な細線の幅の変動が見られる。
C:細線の細りや飛び散りが目立つ。
D:所々で細線の断裂が見られ、再現性に劣る。
(2)光沢性(グロス)
CLC5000(キヤノン社製)の定着器の改造機を用い、定着ユニットは手動で定着温度が設定できるように改造した状態で定着試験を行った。
画像は第5図に示すCLC5000(キヤノン社製)で単色モードで常温常湿度環境下(23℃/60%)において、紙上のトナー載り量を0.6mg/cmになる様、現像コントラストを調整し、未定着画像を作成した。
A4(CLC推奨紙であるTKCLA4)上に画像面積比率25%で画像を形成する。常温常湿度環境下(23℃/60%)に於いて120℃から順に10℃ずつ上げ、オフセットや巻きつきが生じない温度領域まで定着試験を行ない、以下の手段で光沢性を測定した。
上記定着画像のベタ画像部5点について、画像の光沢度をグロスメーターPG−3G(日本電色工業社製)を用い測定した。入射角は75度とした。
上記5点の測定値における平均値を算出し、定着温度領域中に於ける最大の光沢度について以下の様に評価した。評価基準は下記に順ずる。Bは使用上問題とならないレベルである。
(評価基準)
A:光沢度:40以上
B:光沢度:30以上40未満
C:光沢度:20以上30未満
D:光沢度:15以上20未満
(3)定着開始温度(低温定着性)
「(2)光沢性」における定着試験と同様の定着試験に於いて、用紙としては、厚紙A4用紙(「プローバーボンド紙」:105g/m、フォックスリバー社製)を用いて、紙上のトナー載り量を1.2mg/cmになるよう現像コントラストを調整し、先端余白5mm、幅100mm、長さ280mmのべたの未定着画像を作成する。定着画像の後端から5cmの部分について、4.9KPaの荷重をかけつつ柔和な薄紙(例えば、商品名「ダスパー」、小津産業社製)により5往復摺擦し、摺擦前と摺擦後の画像濃度をそれぞれ測定して、下記(8)式により画像濃度の低下率ΔD(%)を算出した。尚、画像濃度はX−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)で測定した。
ΔD(%)=(摺擦前の画像濃度−摺擦後の画像濃度)×100/摺擦前の画像濃度・・(8)
このΔD(%)が1%未満のときの温度を定着開始温度とした。
(4)高温オフセット性の評価
「(3)低温定着性」の定着性評価に順じ、常温常湿度環境下(23℃/60%)に於いて120℃から順に10℃ずつ上げ、オフセット(剥がれ)や巻きつきを生じた温度を高温オフセット発生温度とした。
(5)高速・長期印字後の現像剤担持体、現像剤層厚規制ブレードおよびキャリアへの融着及び固着度合い
前出の評価機CLC5000(キヤノン製)の印字スピードを250mm/秒に改造し
、10万枚の印字テストを行った後、現像剤坦持体、現像剤層規制ブレードおよびキャリアへのトナーの融着、固着度合いを以下の評価基準で行った。Bは使用上問題とならないレベルである。
(評価基準)
A:融着、固着は発生せず画像も問題なかった。
B:融着、固着が数点発生し、画像上にスジが現われた。
C:融着、固着がひどく画像が乱れた。
トナー1の画像評価結果を表3に示す。
上記トナー1の画像評価の結果、トナー1は光沢が高く良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示した。
また酢酸エチルに溶けないという耐溶剤性を示すことから、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着は全く示さず、良好な画質を保持していた。
<比較例1>
[比較トナー1の調製]
実施例1のトナー粒子の調製において、水相に分散剤として微粒子分散液1を25質量部用いていたのを、炭酸カルシウム10質量部に変更して混合分散する以外は同様にして<乳化および脱溶剤工程>を行った。
次いで系内を30℃以下になるまで冷却した後、10%塩酸を系内がpH2となるまで加え、引き続き系内を200rpmで攪拌して炭酸カルシウムを完全に溶解除去した。
次いで、この系をろ過・イオン交換水による洗浄を3回繰り返し、実施例1と同様の乾燥工程を経て比較トナー粒子1を得た。表1に比較トナー粒子1の処方を示す。
次に、上記比較トナー粒子1に対して実施例1と同様の外添処理を行い、比較トナー1
を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下に比較トナー1の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記比較トナー1の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.5μm、数平均粒子径が4.5μm、従ってDv/Dn=1.2であり、比較的粒度分布シャープなトナーが得られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、トナー形状は認められず、顔料と思われる微細な粒子が凝集している様子が確認され、トナーが酢酸エチルに溶解してしまっている様子が目視で確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
以上のことから、このトナーの酢酸エチル中での粒子径を測定することはできなかった。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比を
算出することはできなかった。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ85.8℃であり
、非常に溶融温度の低いトナーであることがわかった。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、50℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5200、分子量10万以上の割合は0.0%、分子量1000以下の割合は6.5%であり、非常に分子量の小さいトナーであった。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、多くの凝集物が見られ、またその凝集物は手でほぐしても容易に崩れるものではなかった。
比較トナー1の初期性能評価結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該比較トナー1を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
比較トナー1の画像評価の結果、比較トナー1は光沢が高く良好な低温定着性を示していた。また耐オフセット性は、実施例1に比べて若干劣っているものの実用上問題のないレベルであった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示した。
また、このトナーは高速、長時間印字後において、顕著な各部材への融着汚染が顕著に見られた。これは、このトナーが酢酸エチルに可溶である、すわなち耐溶剤性が低いため、部材中の残存有機溶媒、可塑剤が影響して融着を引き起こしたためと思われる。
<比較例2>
[比較トナー2の調製]
実施例1で調製した微粒子分散液1を乾燥固化しポリウレタン樹脂粉末を得た。
ついで、下記材料をヘンシェルミキサー(FM−10B型三井鉱山(株)製)により混合し、ベント口を吸引ポンプに接続し吸引しつつ、二軸押し出し機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて溶融混練を行った。この溶融混練物をスピードミル(岡田精工(株))にて粗砕して、1mmのメッシュパスの粗砕物を得た。さらにジェットミル(IDS、日本ニューマチック)にて微粉砕を行った後、多分割分級機(エルボウジェット マツボー)による分級操作を2度繰り返し、比較トナー粒子2を得た。表1に比較トナー粒子2の処方を示す。
・上記ポリウレタン粉末 100質量部
・銅フタロシアニン顔料 C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部
・エステルワックス 5質量部
(ステアリン酸ステアリル融点67℃)
次に、上記比較トナー粒子2に対して実施例1と同様の外添処理を行い、比較トナー2を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下に比較トナー2の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記比較トナー2の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.8μm、数平均粒子径が4.8μm、従ってDv/Dn=1.2であり、比較的粒度分布シャープなトナーが得られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナーの酢酸エチルへの溶解性を実施例1と同様の方法で行ったところ、酢酸エチル中で超音波洗浄器による溶解処理を施した後の酢酸エチル分散液を光学顕微鏡観察において、約6μm程度の不定形の粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であるこ
とが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径Dn2を実施例1と同様の方法で測定したところ、4.7μmであり、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.0であり、このトナーは酢酸エチル中でも殆ど粒径が
変化せず、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ133.2℃であ
り、非常に溶融温度の高い固いトナーであることがわかった。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところTgは観察されず、熱可塑性を示していないことがわかった。
<分子量>
本発明のトナーの分子量を前述の方法にて測定しようと試みたが、テトラヒドロフランに溶解性を示さず測定不能であった。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
比較トナー2の初期性能評価結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該比較トナー2を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記比較トナー2の画像評価の結果、比較トナー2は光沢が著しく低く、定着開始温度も高く、低温定着性は劣っていた。
トナーが不定形であるために若干転写性が悪く、細線再現性は実施例1よりは劣っていた。しかしながらその程度は実用上は問題ない程度であった。
また酢酸エチルに溶けないという耐溶剤性を示すことから、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着は全く示さず、長時間印字後も初期の画質を保持していた。
<比較例3>
[比較トナー3の調製]
実施例1の結着樹脂を下記のものに変え、液状トナー組成物と水相とを接触させて放置する工程を除いた以外は同様にして比較トナー粒子3を調製した。表1に比較トナー粒子3の処方を示す。
プロピレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオールおよびテレフタル酸、イソフタル酸をモノマーとするポリエステル樹脂(Mw2万、Mn1000、Mp3000、Tg=25℃)
次に、上記比較トナー粒子3に対して実施例1と同様の外添処理を行い、比較トナー3を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下に比較トナー3の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記比較トナー3の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.4μm、数平均粒子径が4.9μm、従ってDv/Dn=1.1であり、粒度分布シャープなトナーが得られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径Dn2を実施例1と同様の方法で測定したところ、5.0μmであり、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.0であり、このトナーは酢酸エチル中でも殆ど粒径が
変化せず、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ69.2℃であり
、非常に溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、30℃であり、非常にTgの低いトナーであることがわかった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=3000、分子量10万以上の割合は0.0%、分子量1000以下の割合は15.0%であり、非常に分子量の小さいトナーであり、かつ分子量1000以下の割合の多いトナーであった。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーは一体化しペレット状となってしまい耐熱保存性の悪いトナーであった。
比較トナー3の初期性能評価を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該比較トナー3を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記比較トナー3の画像評価の結果、比較トナー3は光沢が高く良好な低温定着性を示していた。しかしながら高温オフセット性は劣っており、定着ラチチュードが著しく狭かった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示した。しかしながら、このトナーは酢酸エチルに不溶である性質であるにも関わらず、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着が若干みられ、その程度は実施例1に比べて劣っていた。
<比較例4>
[比較トナー4の調製]
実施例1の結着樹脂を下記のものに変えた以外は同様にして比較トナー粒子4を調製した。比較トナー粒子4の処方を表1に示す。
プロピレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオールおよびテレフタル酸、イソフタル酸をモノマーとするポリエステル樹脂(Mw6300、Mn2400、Mp5000、Tg=59℃)
次に、上記比較トナー粒子4に対して実施例1と同様の外添処理を行い、比較トナー4を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下に比較トナー4の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記比較トナー4の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.5μm、数平均粒子径が5.0μm、従ってDv/Dn=1.1であり、粒度分布シャープなトナーが得られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中でのトナー粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ、5.1μmでありこのトナーが酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.0であり、このトナーは酢酸エチル中でも殆ど粒径が
変化せず、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ110.1℃であ
り、十分溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、61℃であり、Tgが実施例1に比べて高いトナーであった。
<トナーの分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5000、分子量10万以上の割合は0.0%、分子量1000以下の割合は5.8%であり、非常に分子量の小さいトナーであった。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
トナー初期性能評価の結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該比較トナー4を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記比較トナー4の画像評価の結果、比較トナー3は光沢が実施例1に比べて低く、また定着開始温度が著しく高い結果となった。これはトナーのTgが61℃と高い値を示したためと思われる。また高温オフセット性は実施例1と同様良好であった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示し、
かつ酢酸エチルに溶けないという耐溶剤性を示すことから、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着は全く示さず、良好な画質を保持していた。
<比較例5>
[微粒子分散液2の作製]
ビーカーに下記を投入し、水相を調製した。
・イオン交換水 100質量部
・1%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10質量部
次いで下記モノマーを混合、溶解しモノマー液を調製した。
・スチレン 70質量部
・メタクリル酸 50質量部
・ブチルアクリレート 10質量部
上記水相を密閉容器に移し、攪拌羽で500rpmで攪拌しているところに、上記モノマー液を1時間かけて滴下し、滴下終了後10時間室温で攪拌を続け、モノマーが水相に分散した荷電制御剤含有プレミクス溶液を調製した。
次いで、反応容器にイオン交換水1000質量部および2%過硫酸カリウム水溶液100gを投入し容器内を90℃に昇温し30分保温した。次いで、2%過硫酸カリウム水溶液540g、および上記のプレミクス溶液をそれぞれ、上記反応容器に接続した滴下装置内に充填し、前記反応容器内を攪拌羽で200rpmに攪拌しているところへ、2%過硫酸カリウム水溶液を5時間、プレミクス溶液を4時間かけてそれぞれ滴下し乳化重合を行った。滴下終了後更に30分攪拌を続けた後、室温まで冷却し、微粒子分散液2を得た。
この微粒子分散液2の固形分を微粒子分散液1の場合と同様に測定したところ7.1%であった。この値は仕込みの固形分約7.3%に対して十分高い値であった。
得られた微粒子分散液2中の微粒子の粒径を測定したところ、150nmであった。
同様にして得られた微粒子の乾燥固化した粉末のフローテスターより求めた1/2溶融温度は84.8℃であり、やや1/2溶融温度の低い微粒子であった。
[比較トナー5の調製]
実施例1の<乳化および脱溶剤工程>において水相を調製する際に、イオン交換水900質量部、微粒子分散液1を25質量部用いていたのを、イオン交換水844質量部、微粒子分散液2を81質量部(トナー100質量部に対して微粒子5.8質量部仕込み)に
変えた以外は同様にして、比較トナー粒子5を得た。比較トナー粒子5の処方を表1に示す。
次に、上記比較トナー粒子5に対して実施例1と同様の外添処理を行い、比較トナ−5を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下に比較トナー5の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記比較トナー5の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.5μm、数平均粒子径が5.1μm、従ってDv/Dn=1.1であり、粒度分布シャープなトナーが得られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、トナー形状は認められず、顔料と思われる微細な粒子が凝集している様子が確認され、トナーが酢酸エチルに溶解してしまっている様子が目視で確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
上記したことから、このトナーの酢酸エチル中でのトナー粒子径を測定することはできなかった。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比を
算出することはできなかった。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ98.6℃であり
、十分溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、55℃であった。
<分子量>
ピーク分子量Mp=5000、分子量10万以上の割合は0.0%、分子量1000以下の割合は6.8%であり、非常に分子量の小さいトナーであった。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
トナーの初期性能評価を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該比較トナー5を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記比較トナー5の画像評価の結果、比較トナー5は光沢が高く良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
しかしながら、トナーが不定形であるために若干転写性が悪く、細線再現性は実施例1よりは劣っていた。しかしながらその程度は実用上は問題ない程度であった。
またこのトナーは高速、長時間印字後において、顕著な各部材への融着汚染が顕著に見られた。これは、このトナーが酢酸エチルに可溶である、すわなち耐溶剤性が低いため、部材中の残存有機溶媒、可塑剤が影響して融着を引き起こしたためと思われる。
<比較例6>
[比較トナー6の調製]
下記材料をヘンシェルミキサー(FM−10B型 三井鉱山(株)製)により混合し、ベント口を吸引ポンプに接続し吸引しつつ、二軸押し出し機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて溶融混練を行った。この溶融混練物をスピードミル(岡田精工(株))にて粗砕して、1mmのメッシュパスの粗砕物を得た。さらにジェットミル(IDS、日本ニューマチック)にて微粉砕を行った後、多分割分級機(エルボウジェット マツボー)による分級操作を2度繰り返し、比較トナー粒子6を得た。比較トナー粒子6の処方を表1に示す。
・プロピレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオールおよびテレフタル酸、イ
ソフタル酸をモノマーとするポリエステル樹脂(Mw6800、Mn2700、Mp5200、Tg=50℃) 100質量部
・銅フタロシアニン顔料 C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部
・エステルワックス 5質量部
(ステアリン酸ステアリル融点67℃)
次に、上記比較トナー粒子6に対して実施例1と同様の外添処理を行い、比較トナー6を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下に比較トナー6の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記比較トナー6の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが6.2μm、数平均粒子径が4.7μm、従ってDv/Dn=1.3であり、比較的粒度分布シャープなトナーが得られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、トナー形状は認められず、顔料と思われる微細な粒子が凝集している様子が確認され、トナーが酢酸エチルに溶解してしまっている様子が目視で確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
上記したことから、このトナーの酢酸エチル中での粒子径を測定することはできなかった。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比を
算出することはできなかった。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ100.2℃であり、十分溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、51℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5300、分子量10万以上の割合は3.0%、分子量1000以下の割合は18.0%であり、実施例1に比べて10万以上の割合及び分子量1000以下の割合が若干高いものの、非常に分子量の小さいトナーであった。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、多くの凝集物が見られ、またその凝集物は手でほぐしても容易に崩れるものではなかった。
[トナーの画像評価]
該比較トナー6を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記比較トナー6の画像評価の結果、比較トナー6は光沢が高く良好な低温定着性を示
し、高温オフセット性も良好であった。
また、トナーが不定形であるために若干転写性が悪く、細線再現性は実施例1よりは劣っていた。しかしながらその程度は実用上は問題ない程度であった。
また、このトナーは高速、長時間印字後において、顕著な各部材への融着汚染が顕著に見られた。これは、このトナーが酢酸エチルに可溶である、すわなち耐溶剤性が低いため、部材中の残存有機溶媒、可塑剤が影響して融着を引き起こしたためと思われる。
<比較例7>
[比較トナー7の調製]
イオン交換水700gに0.1M−NaPO水溶液500gを投入し60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて12,000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl水溶液75gを徐々に添加し、Ca(POを含む水系媒体を得た。
・スチレン 75質量部
・n−ブチルアクリレート 15質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3(着色剤) 5質量部
・ジアルキルサリチル酸亜鉛化合物(荷電制御剤)
(E−84:オリエント化学社製) 5質量部
・飽和ポリエステル
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA;
酸価8、ピーク分子量7000) 10質量部
・エステルワックス
(ステアリン酸ステアリル融点67℃) 10質量部
上記処方を70℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて10,000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8gを溶解し、重合性単量体系を調製した。
前記、水系媒体中に上記重合性単量体系を投入し、70℃、N雰囲気下において、TKホモミキサーにて15,000rpmで15分間撹拌し、重合性単量体系を造粒した。
その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、90℃で3時間反応させた後、液温を60℃とし、6時間反応させた。
その後、冷却し塩酸を加え、Ca(POを溶解させ、濾過、水洗、乾燥をして比較トナー粒子7を得た。比較トナー粒子7の処方を表1に示す。
次に、上記比較トナー粒子7に対して実施例1と同様の外添処理を行い、比較トナー7を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下に比較トナー7の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記比較トナー7の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.3μm、数平均粒子径が4.1μm、従ってDv/Dn=1.3であり、比較的粒度分布シャープなトナーが得られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後超音波洗浄器にて
5分間超音波を照射した。この酢酸エチル分散液を光学顕微鏡500倍にて観察したところ、トナー形状は認められず、顔料と思われる微細な粒子が凝集している様子が確認され、トナーが酢酸エチルに溶解してしまっている様子が目視で確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
上記したことから、このトナーの酢酸エチル中での粒子径を測定することはできなかった。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比を
算出することはできなかった。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ99.2℃であり、十分溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、55℃であった。
<トナーの分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=12000、分子量10万以上の割合は10.8%、分子量1000以下の割合は3.0%であり、非常に分子量の小さいトナーであった。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
比較トナー粒子7の初期性能評価結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該比較トナー7を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記比較トナー7の画像評価の結果、比較トナー7は光沢が高く良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また、良好な粒度分布による良好な細線再現性を示した。
しかしながら、このトナーは高速、長時間印字後において、顕著な各部材への融着汚染が顕著に見られた。これは、このトナーが酢酸エチルに可溶である、すわなち耐溶剤性が低いため、部材中の残存有機溶媒、可塑剤が影響して融着を引き起こしたためと思われる。
<実施例2>
[微粒子分散液3の調製]
比較例5に記載の[微粒子分散液2の調整]において、モノマー液の調製に下記を用いた以外は同様にして微粒子分散液3を得た(固形分7.3%)。
・スチレン 70質量部
・メタクリル酸 50質量部
・ブチルアクリレート 10質量部
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(架橋剤) 5質量部
得られた微粒子分散液3中の微粒子の粒径を測定したところ、200nmであった。
この微粒子分散剤の固形分を実施例1と同様の方法で測定したところ、7.4%であった。この値は仕込み量7.6%に対して十分高い値であった。
同様にして得られた微粒子の乾燥固化した粉末のフローテスターより求めた1/2溶融温度は150.3℃であり、実施例1に比べて若干高いものであった。
[トナー粒子2の調製]
実施例1の<乳化及び脱溶剤工程>において水相を調製する際に、イオン交換水900質量部、微粒子分散液1を25質量部用いていたのを、イオン交換水847質量部、微粒子分散液3を78質量部に変えた以外は同様にして、トナー粒子2を得た。トナー粒子2の処方を表1に示す。
次に、上記トナー粒子2に対して実施例1と同様の外添処理を行い、トナ−2を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下にトナー2の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー2の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.0μm、数平均粒子径が4.8μm、従ってDv/Dn=1.0であり、粒度分布シャープなトナーが得られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ、4.
9μmでありこのトナーが酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.0であり、このトナーは酢酸エチル中でも殆ど粒径が
変化せず、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ119.4℃であ
り、実施例1に比べて溶融温度が高いことが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、52℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5300、分子量10万以上の割合は0.4%、分子量1000以下の割合は6.1%であり、非常に分子量の小さ
いトナーであった
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
トナー2の初期性能評価結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該トナー2を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記トナー2の画像評価の結果、トナー2は定着開始温度が実施例1に比べてやや高く、光沢がやや低いものの、良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示し、かつ酢酸エチルに溶けないという耐溶剤性を示すことから、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着は全く示さず、良好な画質を保持していた
<実施例3>
[トナー3の調製]
比較例6と同様の方法にて、粉砕法によりトナー粒子を調製した。次いで、比較例2と同様の方法にて、粉末状の微粒子1を得た。トナー母体94.2質量部に対して上記微粒子5.8質量部の割合で秤量し、奈良機械製作所社製ハイブリダイゼーションシステム(NHS−1型)に導入し、以下の条件でトナー表面に微粒子を固着させると共にトナーの球形化を行うことでトナー粒子3を得た。トナー粒子3の処方を表1に示す。
回転数:7200rpm
処理時間:3min
処理温度:45℃
処理回数:3回
次に、上記トナー粒子3に対して実施例1と同様の外添処理を行い、トナ−3を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下にトナー3の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー2の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが6.0μm、数平均粒子径が4.9μm、従ってDv/Dn=1.2であり、粒度分布シャープなトナーが得られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であるが、実施例1よりはやや膨潤状態であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ、8.
1μmであり、このトナーは酢酸エチルに対して膨潤性を示すものの、粒子形状は崩れることなく、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.7であり、このトナーは酢酸エチル中で形状は保ち、
不溶では膨潤性を示し粒径が大きくなっていることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ100.24℃であり、十分溶融温度が低いことが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、51℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5300、分子量10万以上の割合は3.0%、分子量1000以下の割合は17.8%であり、非常に分子量の小さいトナーであった。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、若干の粒子の凝集がみられたが、手でほぐすと直ぐに崩壊し問題のない程度であった。
トナー3の初期性能評価結果を表2示す。
[トナーの画像評価]
該トナー3を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記トナー3の画像評価の結果、トナー3は光沢が高く良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示した。しかしながらそのレベルは実施例1よりは劣っていた。
また、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着が若干観察されたが、画像に乱れは生じない程の僅かな程度であった。これはこのトナーが若干酢酸エチルに膨潤するためと思われた。
<実施例4>
[液状トナー組成物2の調製]
実施例1の液状トナー組成物1を調製する際に溶媒として酢酸エチルを用いていたのを、アセトンに変えた以外は同様にして液状トナー組成物2を調製した。
[トナー4の調製]
次いで、イオン交換水900質量部に対し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.1g溶解させて水相を調製、系内を500rpmで攪拌しながら、上記液状トナー組成物2を投入し微粒子を調製した。
次いで系内を200rpmで攪拌させながら、系内がpH3.4になるまで塩酸を加え、微粒子を凝集させた。
次いで、系内を50℃まで昇温し、10分間攪拌を続けることで上記凝集した微粒子を軽く融着させて、ついでpH8.1になるまで水酸化アンモニア水を加えた。
ここに微粒子分散液1を25質量部(トナー100質量部に対して、微粒子5.8質量部仕込み)加え、続けてまた塩酸をpH3.8となるまで加えることで、ポリエステルで調製したトナー粒子の表面に微粒子1を吸着させた。
次いで、系内を100rpmで緩やかに攪拌しながら、50℃まで昇温し30分間保温することで、粒子同士を完全に融着させた。
次いで、実施例1における<洗浄〜乾燥工程>と同様の操作を行うことで、トナー粒子4を得た。トナー粒子4の処方を表1に示す。
次に、上記トナー粒子4に対して実施例1と同様の外添処理を行い、トナ−4を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下にトナー4の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー4の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.5μm、数平均粒子径が4.9μm、従ってDv/Dn=1.1であり、粒度分布シャープなトナーが得られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径を測定したところ、5.1μmでありこのトナー
が酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.0であり、このトナーは酢酸エチル中でも殆ど粒径が
変化せず、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ101.0℃であり、十分溶融温度が低いことが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、52℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5200、分子量10万以上の割合は0.0%、分子量1000以下の割合は6.5%であり、非常に分子量の小さ
いトナーであった
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
トナー4の初期性能評価結果を表2示す。
[トナーの画像評価]
該トナー4を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記トナー4の画像評価の結果、トナー4は光沢が高く良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示した。
また、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着が若干観察されたが、画像に乱れは生じない程の僅かな程度であった。このトナーは酢酸エチルに不溶であるにも関わらず若干の融着が観察された理由は定かでないが、表面層を形成する際に、トナーのコアとなる部分が固体であるために、表面層の固着が不十分であり、長時間の使用中に剥れてしまったためと思われる。
<実施例5>
[トナー5の調製]
<末端イソシアネート化合物の調製>
実施例1の[微粒子1の調製]で記載した下記の物質を、以下の工程に従い反応させ末端イソシアネート化合物を調製した。
・プロピレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオールの50:40:10モル混合物とテレフタル酸、イソフタル酸の等モル混合物から得られた、数平均分子量約2000のポリエステルジオール 100質量部(0.05モル)
・プロピレングリコール 17質量部(0.25モル)
・ジメチロールプロパン酸 94質量部(0.7モル)
・N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム
8質量部(0.03モル)
・トリレンジイソシアネート 30質量部(0.2モル)
上記モノマーを酢酸エチル60部中に溶解し、67℃1時間反応させた。
ついで、イソホロンジイソシアネート 271質量部(1.2モル)を添加し、更に67℃で30分反応させ冷却し、末端がイソシアネートの化合物の酢酸エチル溶液1を得た。
<液状トナー組成物3の調製>
・上記末端がイソシアネートの化合物の酢酸エチル溶液1(固形分80%)
4質量部
・プロピレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオールおよびテレフタル酸、イソフタル酸をモノマーとするポリエステル樹脂(Mw6800、Mn2700、Mp5200、Tg=50℃) 100質量部
・銅フタロシアニン顔料 C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部
・顔料分散剤(味の素社製;アジスパーPB−822) 0.5質量部
・エステルワックス(日本精鑞社製、カルナバ1号、融点81℃) 10質量部
・ワックス分散剤(東洋ペトロライト社製、セラマー1608) 5質量部
・酢酸エチル 50質量部
上記を、耐熱性の保存ビンに投入し、ついで1mm直径のガラスビーズを20質量部投入し、ペイントシェーカーにて10時間分散を行った。分散直後に系内の温度を測定したところ70℃であった。分散液を顕微鏡で確認したところ、顔料およびワックスの分散性は良好であった。
上記油層に更に酢酸エチル50質量部を追加した後、トリエチルアミン2質量部を添加し液状トナー組成物3を調製した。
<乳化、トナー界面反応及び脱溶剤工程>
容器に下記を投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)にて5000rpmで1分攪拌し、水相を調製した。
・イオン交換水 900質量部
・微粒子分散液1 18質量部
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの0.1%水溶液 20質量部
・酢酸エチル 40質量部
・10%アンモニア水 150質量部
・ヘキサメチレンジアミン 80質量部
ついで、TKホモミキサーの回転数を8000rpmまで上げて、前記液状トナー組成物3を投入し3分間攪拌を続け、液状トナー組成物を懸濁させた
次いで攪拌装置を兼ね備えた容器に上述の懸濁液を移し、系内を50℃に上昇させたまま8時間反応させることでトナー界面にイソシアネートとアミンの反応によるシェル層を形成させた。
ついで、200rpmで攪拌しながら系内を50℃に保ったまま、500mmHgに減圧した状態で5時間かけて脱溶剤を行い、トナー粒子の水分散液を得た。
<洗浄〜乾燥工程>
ついで、上記のトナー粒子の水分散液をろ過し、イオン交換水500質量部にリスラリーした後、系内を攪拌して塩酸を系内がpH4になるまで加えて、5分間攪拌した。
再度上記のスラリーをろ過し、またイオン交換水200質量部添化し5分間攪拌する操作を3回繰り返すことで、トナー中および水中に残存しアンモニアおよびヘキサメチレンジ
アミンを除去し、トナーのろ過ケーキを得た。
ついで上記ろ過ケーキを温風乾燥機にて45℃で3日間乾燥し、目開き75μmメッシュでふるい、トナー粒子5を得た。トナー粒子5の処方を表1に示す。
次に、上記トナー粒子5に対して実施例1と同様の外添処理を行い、トナ−5を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下にトナー5の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー5の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが7.5μm、数平均粒子径が6.0μm、従ってDv/Dn=1.3であり、実施例1に比べてややブロードでなトナーが得られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であるが、実施例1よりはやや膨潤状態であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ、3.
0μmであり、若干粒子径の減少が見られるものの、粒子同士が凝集することはなく酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ0.5であり、このトナーは酢酸エチル中で若干溶解し粒
径が小さくなっていることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ102.4℃であ
り、十分溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、53℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5200、分子量10万以上の割合は0.0%、分子量1000以下の割合は6.5%であり、非常に分子量の小さいトナーであった
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
トナー5の初期性能評価結果を表2示す。
[トナーの画像評価]
該トナー5を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記トナー5の画像評価の結果、トナー5は光沢が高く良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また、やや粒度分布がブロードであるために、細線再現性は実施例1よりは劣っていたが、その程度は実用上は問題ない程度であった。
酢酸エチルに溶けないという耐溶剤性を示すことから、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着が若干みられたがその程度は問題ない程度であった。
<実施例6>
[微粒子分散液4の調製]
実施例1の微粒子分散液1の調製方法において用いたモノマーのうち、ジメチロールプロパン酸およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸ナト
リウムを除いた以外は同様にして、側鎖にカルボン酸、スルホン酸を持たない微粒子を調製し、微粒子分散液4を得た。
得られた微粒子分散液4中の微粒子の粒径を測定したところ、120nmであり、微粒子1よりは大きめの粒径となった。これは微粒子を構成するモノマーにカルボン酸、スルホン酸を側鎖に有するものを用いなかったために、微粒子自体の分散安定性がやや劣るためと思われる。
この微粒子分散剤の実施例1と同様の条件で測定したところ、20.2%であった。こ
れは仕込み量の20.96%に比べて十分な濃度であった。
同様にして得られた微粒子の乾燥固化した粉末のフローテスターより求めた1/2溶融温度は134.6℃であった。
[トナー6の調製]
実施例1の<乳化および脱溶剤工程>において水相を調製する際に、イオン交換水900質量部、微粒子分散液1を25質量部用いていたのを、イオン交換水896質量部、微粒子分散液4を29質量部(トナー100質量部に対して微粒子5.8質量部の仕込み量)に変えた以外は同様にして、トナー粒子6を得た。
次に、上記トナー粒子6に対して実施例1と同様の外添処理を行い、トナ−6を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下にトナー6の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー6の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが6.7μm、数平均粒
子径が4.8μm、従ってDv/Dn=1.4であり、実施例1に比べてややブロードではあるが、粒度分布シャープなトナーが得られた。このトナーの粒度分布が実施例1よりやや劣る物であったのは、用いた微粒子にカルボン酸、スルホン酸基が含有されておらず分散安定性に若干劣るためと思われた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、粒子はやや膨潤しているものの約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ、5.
3μmでありやや膨潤しているものの粒子形状は崩れることなく、酢酸エチルに不溶であることが確認された。このトナーが若干酢酸エチルに膨潤気味であるのは、用いた微粒子にカルボン酸やスルホン酸が含まれていないために、トナー表面の極性基が少ないために耐溶剤性が若干劣ったものと考えられた。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.1であり、このトナーは酢酸エチル中で若干膨潤して
いることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ98.7℃であり、十分溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、53℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5200、分子量10万以上の割合は0.0%、分子量1000以下の割合は6.5%であり、非常に分子量の小さいトナーであった
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
トナー6の初期性能評価結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該トナー6を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記トナー6の画像評価の結果、トナー6は光沢が高く良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また、やや粒度分布がブロードであるために、細線再現性は実施例1よりは劣っていたが、その程度は実用上は問題ない程度であった。
また、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着が若干観察されたが、画像に乱れは生じない程の僅かな程度であった。これはこのトナーが若干酢酸エチルに膨潤するためと思われた。
<実施例7>
[微粒子分散液5の調製]
実施例1の微粒子分散液1の調製方法において用いたモノマーのうち、ジメチロールプロパン酸を94部、およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスル
ホン酸ナトリウムを8部を用いたのに対し、ジメチロールプロパン酸は用いず、N,N−ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸ナトリウムのみを102部用いた以外は同様にして、側鎖にカルボン酸を持たない微粒子を調製し、微粒子分散液5を得た。
得られた微粒子分散液5中の微粒子の粒径を測定したところ、20nmであった。
この微粒子分散剤の固形分を実施例1と同様の方法にて測定したところ、15.0%で
あり、微粒子1に加えて固液比は若干低かった。この理由は定かでないが、スルホン酸基を側鎖に有するモノマーを多めに用いたことで、生成されるジオール成分とジイソシアネート成分との反応物の水溶性が上がり、その一部が水に溶解してしまったためと思われた。
同様にして得られた微粒子の乾燥固化した粉末のフローテスターより求めた1/2溶融温度は137.4℃であった。
[トナー7の調製]
実施例1の<乳化および脱溶剤工程>において水相を調製する際に、イオン交換水900質量部、微粒子分散液1を25質量部用いていたのを、イオン交換水887質量部、微粒子分散液5を39質量部(トナー100質量部に対して微粒子5.8質量部の仕込み量)に変えた以外は同様にして、トナー粒子7を得た。トナー粒子7の処方を表1に示す。
次に、上記トナー粒子7に対して実施例1と同様の外添処理を行い、トナ−7を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下にトナー7の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー4の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.4μm、数平均粒子径が4.5μm、従ってDv/Dn=1.2であり、実施例1に比べて若干劣っていた。この理由は定かでないが、微粒子中のスルホン酸基が多いために親水性が高いため、逆に微粒子の安定性が悪くなったためと考えられる。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、粒子は約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径を測定したところ、4.6μmであり、このトナ
ーが酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.0であり、このトナーは酢酸エチル中でも殆ど粒径が
変化せず、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ99.9℃であり、十分溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、51℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5200、分子量10万以上の割合は0.0%、分子量1000以下の割合は6.5%であり、非常に分子量の小さいトナーであった
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
トナー7の初期性能評価結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該トナー7を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記トナー7の画像評価の結果、トナー7は光沢が高く良好な低温定着性を示し、高温
オフセット性も良好であった。
しかしながら、やや粒度分布がブロードであるために、細線再現性は実施例1よりは劣っていたが、その程度は実用上は問題ない程度であった。
また、酢酸エチルに溶けないという耐溶剤性を示すことから、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着は全く示さず、良好な画質を保持していた。
<実施例8>
[微粒子分散液6の調製]
実施例1の微粒子分散液1の調製方法において用いたモノマーのうち、ジメチロールプロパン酸を94部、およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスル
ホン酸ナトリウムを8部用いたのに対し、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ア
ミノエタンスルホン酸ナトリウムは用いず、ジメチロールプロパン酸のみを102部用いた以外は同様にして、側鎖にスルホン酸を持たない微粒子を調製し、微粒子分散液6を得た。
得られた微粒子分散液6中の微粒子の粒径を測定したところ、70nmであった。
この微粒子分散剤の固形分を実施例1と同様の方法で測定したところ、21.0%であ
った。
同様にして得られた微粒子の乾燥固化した粉末のフローテスターより求めた1/2溶融温度は140.1℃であった。
[トナー8の調製]
実施例1の<乳化および脱溶剤工程>において水相を調製する際に、微粒子分散液1を25質量部用いていたのを、微粒子分散液6を25質量部(トナー100質量部に対して微粒子5.8質量部の仕込み量)に変えた以外は同様にして、トナー粒子8を得た。トナー粒子8の処方を表1に示す。
次に、上記トナー粒子8に対して実施例1と同様の外添処理を行い、トナ−8を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下にトナー8の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー8の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.0μm、数平均粒子径が4.7μm、従ってDv/Dn=1.1であり、粒度分布シャープなトナーが得られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、粒子はやや膨潤しているものの約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ、5.
1μmであり、やや膨潤は見られるもののトナーの粒子形状は明確に確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが確認された。このトナーが酢酸エチルに若干膨潤する理由は定かでないが、強い極性を示すスルホン酸基が微粒子中に含まれないために、若干酢酸エチルへの不溶性が弱まったためと考えられた。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.1であり、このトナーは酢酸エチル中で若干膨潤して
いる様子が確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ103.2℃であり、十分溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、52℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5200、分子量10万以上の割合は0.0%、分子量1000以下の割合は6.5%であり、非常に分子量の小さいトナーであった
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
トナー8の初期性能評価結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該トナー8を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記トナー8の画像評価の結果、トナー8は光沢が高く良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示した。
また、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着が若干観察されたが、画像に乱れは生じない程の僅かな程度であった。これはこのトナーが若干酢酸エチルに膨潤するためと思われた。
<実施例9>
[トナー9の調製]
実施例1のトナーの調製方法における、水相の調製において、イオン交換水を900質量部、微粒子分散液1を25質量部用いていたのを、イオン交換水914質量部、微粒子分散液1を7質量部(トナー100質量部に対して微粒子1.6質量部の仕込み量)用いたことに変えた以外は同様にして、トナー粒子を調製しトナー粒子9を得た。トナー粒子9の処方を表1に示す。
次に、上記トナー粒子9に対して実施例1と同様の外添処理を行い、トナ−9を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下にトナー9の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー9の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.5μm、数平均粒子径が4.9μm、従ってDv/Dn=1.1であり、粒度分布シャープなトナーが得られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後超音波洗浄器にて
5分間超音波を照射した。この酢酸エチル分散液を光学顕微鏡500倍にて観察したところ、粒子はやや形状が崩れてはいるものの約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナ
ーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ、4.
7μmであり、若干粒子径の減少が見られるもののこのトナーが酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.0であり、このトナーは酢酸エチル中でも殆ど粒径が
変化せず、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ97.5℃であり、十分溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、50℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5200、分子量10万以上の割合は0.0%、分子量1000以下の割合は6.5%であり、非常に分子量の小さいトナーであった。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であるが実施例1よりはやや劣っていた。
トナーの初期性能評価結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
トナー9を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記トナー9の画像評価の結果、トナー9は光沢が高く良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示したが、実施例1よりはやや劣っていた。
また、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着が若干観察されたが、画像に乱れは生じない程の僅かな程度であった。これはこのトナーが若干酢酸エチルに溶解するためと思われた。
<実施例10>
[トナー10の調製]
実施例1のトナーの調製方法における、水相の調製において、イオン交換水を900質量部、微粒子分散液1を25質量部用いていたのを、イオン交換水862質量部、微粒子分散液1を75質量部(トナー100質量部に対し、微粒子17.3質量部の仕込み量)用いたことに変えた以外は同様にして、トナー粒子を調製しトナー粒子10を得た。トナー粒子10の処方を表1に示す。
次に、上記トナー粒子10に対して実施例1と同様の外添処理を行い、トナ−10を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下にトナー10の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー10の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.7μm、数平均
粒子径が5.3μm、従ってDv/Dn=1.1であり、粒度分布シャープなトナーが得
られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ、5.
3μmであり、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.0であり、このトナーは酢酸エチル中でも殆ど粒径が
変化せず、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ110.4℃であり、実施例1よりはやや高いものの十分溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、50℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5200、分子量10万以上の割合は0.0%、分子量1000以下の割合は6.5%であり、非常に分子量の小さいトナーであった。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
トナー10の初期性能評価結果を表2示す。
[トナーの画像評価]
該トナー10を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
トナー10の画像評価の結果、トナー10は定着開始温度が実施例1に比べてやや高く、光沢がやや低いものの、良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示した。
また、酢酸エチルに溶けないという耐溶剤性を示すことから、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着は全く示さず、良好な画質を保持していた。
<実施例11>
[トナー11の調製]
実施例1のトナーの調製方法における、水相の調製において、イオン交換水を900質
量部、微粒子分散液1を25質量部用いていたのを、イオン交換水888質量部、微粒子分散液1を40質量部(トナー100質量部に対して微粒子9.2質量部の仕込み量)に変えた以外は同様にして、トナー粒子を調製しトナー粒子11を得た。トナー粒子の処方を表1に示す。
次に、上記トナー粒子11に対して実施例1と同様の外添処理を行い、トナ−11を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下にトナー11の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー11の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.5μm、数平均
粒子径が5.3μm、従ってDv/Dn=1.0であり、粒度分布シャープなトナーが得
られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ、5.
1μmであり、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.0であり、このトナーは酢酸エチル中でも殆ど粒径が
変化せず、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ105.5℃であり、十分溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、51℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5200、分子量10万以上の割合は0.0%、分子量1000以下の割合は6.5%であり、非常に分子量の小さいトナーであった。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
トナー11の初期性能評価結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該トナー11を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
評価の結果、トナー11は定着開始温度が実施例1に比べてやや高く、光沢がやや低い
ものの、実施例10よりはそれぞれ低く、良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示した。
また、酢酸エチルに溶けないという耐溶剤性を示すことから、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着は全く示さず、良好な画質を保持していた。
<実施例12>
[トナー12の調製]
実施例1のトナー1の調製方法において、結着樹脂として、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオールおよびテレフタル酸、イソフタル酸をモノマーとするポリエステル樹脂(Mw6800、Mn2700、Mp5200、Tg=50℃)を用いていたのを、上記モノマーを構成モノマーとするポリエステル樹脂(Mw8000、Mn4500、Mp8100、Tg=50℃)とした以外は同様にして、トナー粒子12を得た。トナー粒子12の処方を表1に示す。
次に、上記トナー粒子12に対して実施例1と同様の外添処理を行い、トナ−12を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下にトナー12の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー12の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.1μm、数平均
粒子径が4.9μm、従ってDv/Dn=1.0であり、粒度分布シャープなトナーが得
られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ、5.
1μmであり、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.0であり、このトナーは酢酸エチル中でも殆ど粒径が
変化せず、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ115.4℃であり、実施例1よりは若干溶融温度は高いものの、溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、51℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=8100、分子量10万以
上の割合は2.0%、分子量1000以下の割合は5.1%であり、実施例1よりは若干大きいものの、分子量の小さいトナーであった。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
トナー12の初期性能評価結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該トナー12を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記トナー12の画像評価の結果、トナー12は定着開始温度が実施例1に比べてやや高く、光沢がやや低いものの、良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示した。
また、酢酸エチルに溶けないという耐溶剤性を示すことから、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着は全く示さず、良好な画質を保持していた。
<実施例13>
[トナー13の調製]
実施例1のトナー1の調製方法において、結着樹脂として、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオールおよびテレフタル酸、イソフタル酸をモノマーとするポリエステル樹脂(Mw6800、Mn2700、Mp5200、Tg=50℃)を用いていたのを、上記モノマーを構成モノマーとするポリエステル樹脂(Mw7500、Mn3100、Mp6400、Tg=50℃)とした以外は同様にして、トナー粒子13を得た。トナー粒子13の処方を表1に示す。
次に、上記トナー粒子13に対して実施例1と同様の外添処理を行い、トナ−13を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下にトナー13の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー13の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.3μm、数平均
粒子径が4.8μm、従ってDv/Dn=1.1であり、粒度分布シャープなトナーが得
られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ、5.
0μmであり、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.0であり、このトナーは酢酸エチル中でも殆ど粒径が
変化せず、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ111.4℃であり、実施例1よりは若干溶融温度は高いものの、溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、51℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=6400、分子量10万以上の割合は1.0%、分子量1000以下の割合は6.0%であり、実施例1よりは若干
大きいものの、分子量の小さいトナーであった。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
トナーの初期性能評価結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該トナー13を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
上記トナー13の画像評価の結果、トナー13は実施例1に比べて光沢値がやや低いものの、良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示した。
また、酢酸エチルに溶けないという耐溶剤性を示すことから、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着は全く示さず、良好な画質を保持していた。
<実施例14>
[トナー14の調製]
実施例1のトナー1の調製方法において、結着樹脂として、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオールおよびテレフタル酸、イソフタル酸をモノマーとするポリエステル樹脂(Mw6800、Mn2700、Mp5200、Tg=50℃)100部を用いたのを、上記樹脂70質量部、および上記モノマーを構成成分とするポリエステル樹脂であって、Mw=26万、Mn=8000、Mp=18000、Tg=65℃であるポリエステル樹脂30質量部に変えた以外は同様にして、トナー粒子14を得た。トナー粒子14の処方を表1に示す。
次に、上記トナー粒子14に対して実施例1と同様の外添処理を行い、トナ−14を得た。
[トナーの初期性能評価]
以下にトナー14の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー14の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.5μm、数平均
粒子径が5.3μm、従ってDv/Dn=1.0であり、粒度分布シャープなトナーが得
られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察し
たところ、約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ、5.
4μmであり、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.0であり、このトナーは酢酸エチル中でも殆ど粒径が
変化せず、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ118.7℃であり、実施例1よりは若干溶融温度は高いものの、溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、55℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5200、分子量10万以上の割合は7.4%、分子量1000以下の割合は6.3%であり、実施例1よりは分子量10万以上の割合の高いトナーが得られた。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後もトナーの流動性は良好であり耐熱保存性は良好であった。
トナーの初期性能評価結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該トナー14を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
評価の結果、トナー14は実施例1に比べて若干光沢値が低く、また定着開始温度がやや高いものの、良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示した。
また、酢酸エチルに溶けないという耐溶剤性を示すことから、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着は全く示さず、良好な画質を保持していた。
<実施例15>
[トナー15の調製]
実施例1のトナー1の調製方法において、結着樹脂として、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブタンジオールおよびテレフタル酸、イソフタル酸をモノマーとするポリエステル樹脂(Mw6800、Mn2700、Mp5200、Tg=50℃)100部を用いたのを、上記樹脂70質量部とおよび上記モノマーを構成成分とするポリエステル樹脂であって、Mw=5000、Mn=700、Mp=1500、Tg=30℃であるポリエステル樹脂30質量部に変え、液状トナー組成物と水相とを接触させて放置する工程を除いた以外は同様にして、トナー粒子15を得た。トナー粒子15の処方を表1に示す。
次に、上記トナー粒子15に対して実施例1と同様の外添処理を行い、トナ−15を得
た。
[トナーの初期性能評価]
以下にトナー15の初期性能評価結果を示す。
<粒子径>
上記トナー15の粒子径を測定したところ、体積平均粒子径Dvが5.3μm、数平均
粒子径が5.0μm、従ってDv/Dn=1.1であり、粒度分布シャープなトナーが得
られた。
<酢酸エチル溶解性>
このトナー0.2gと酢酸エチル5mLを混合し、軽く振とうした後、この酢酸エチル
分散液をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX500にて、500倍で観察したところ、約5μm程度の球形粒子が確認され、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが目視にて確認された。
<酢酸エチル中のトナー粒径>
このトナーの酢酸エチル中での粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ、5.
2μmであり、このトナーが酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<酢酸エチル中のトナー平均粒子径/初期数平均粒子径>
上記の結果から酢酸エチル中の平均粒子径Dn2とトナーの数平均粒子径Dn1の比、
Dn2/Dn1を算出したところ1.0であり、このトナーは酢酸エチル中でも殆ど粒径が
変化せず、酢酸エチルに不溶であることが確認された。
<Tm1/2>
このトナーのフローテスターによる1/2溶融温度を測定したところ100.1℃であり、十分溶融温度の低いトナーであることが確認された。
<Tg>
このトナーのTgを測定したところ、48℃であった。
<分子量>
このトナーの分子量を測定したところ、ピーク分子量Mp=5000、分子量10万以上の割合は0.0%、分子量1000以下の割合は12.0%であり、実施例1よりは分子量1000以下の割合の高いトナーが得られた。
<耐熱保存性>
このトナーの50℃3日間の耐熱保存試験を行ったところ、放置後は凝集物が若干見られるものの、触れると容易に崩れ、耐熱保存性は問題のない程度であった。トナーの初期性能評価結果を表2に示す。
[トナーの画像評価]
該トナー15を実施例1と同様の方法で画像評価を行った。結果を表3に示す。
トナー15は、光沢が高く良好な低温定着性を示し、高温オフセット性も良好であった。
また良好な粒度分布による良好な細線再現性を示した。
また、高速、長時間印字後も現像剤坦持体等への融着が若干観察されたが、画像に乱れは生じない程の僅かな程度であった。これはこのトナーは酢酸エチルには不溶ではあるが、分子量1000以下と言う非常に柔らかい成分をやや多めに含んでいるためと思われた。
Figure 2008107679
Figure 2008107679
Figure 2008107679
酢酸エチルに不溶なトナーの酢酸エチル中での顕微鏡写真像である(写真)。 酢酸エチルに可溶なトナーの酢酸エチル中での顕微鏡写真像である(写真)。 フローテスターからのデータに基づくフローカーブ図である。 (Ts:軟化温度、Tfb:流出開始温度、T1/2:1/2法における溶融温度) DSCカーブによるTgの算出方法の図である。 定着試験用画像出力、及び耐久試験用出力装置の模式図である。

Claims (10)

  1. 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と、該トナー母粒子の表面に形成される表面層を有するカプセル型のトナーであって、
    該結着樹脂がポリエステル樹脂を主成分とし、
    該表面層がジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を少なくとも含有し、
    トナーのフローテスターカーブより算出される1/2溶融温度(Tm1/2)が70℃以上120℃以下であり、
    トナーのガラス転移温度(Tg)が30℃以上60℃以下であり、
    トナーの数平均粒子径(Dn1)が3.0μm以上10.0μm以下であり、
    トナーは実質的に酢酸エチルに不溶であることを特徴とするトナー。
  2. 酢酸エチル中でのトナーの平均粒子径(Dn2)が2.5μm以上12.0μm以下であり、かつ酢酸エチル中でのトナーの平均粒子径(Dn2)のトナーの数平均粒子径(Dn1)に対する比、Dn2/Dn1が、0.6以上1.5以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該表面層が、ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を含有する微粒子によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を含有する微粒子を分散させた水系媒体中に、少なくとも結着樹脂と着色剤とを有機媒体中で溶解又は分散させて得られた溶解物又は分散物を分散させ、得られた分散液から溶媒を除去し乾燥する事によって得られることを特徴する請求項3に記載のトナー。
  5. 該ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物がウレタン変性ポリエステルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 該微粒子が、トナー中に1.8質量%以上15質量%以下含まれることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 該微粒子の構成成分に、少なくとも側鎖にカルボン酸又はその塩構造をもつ化合物が含有されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 該微粒子の構成成分に、少なくとも側鎖にスルホン酸又はその塩構造をもつ化合物が含有されていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載のトナー。
  9. トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるピーク分子量が8000以下、かつ分子量10万以上の成分が5.0面積%以下、かつ分子量1000以下の成分が10.0面積%以下であることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載のトナー。
  10. ジオール成分とジイソシアネート成分との反応物を含有する微粒子を分散させた水系媒体中に、少なくとも結着樹脂と着色剤とを有機媒体中で溶解又は分散させて得られた溶解物又は分散物を分散させて分散液を得るステップ、および得られた分散液から溶媒を除去し乾燥するステップを含むトナーの製造方法。
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