JP6376969B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
前記第一混合工程及び前記第二混合工程が、機械的衝撃力を付与する撹拌手段を容器内に具備する混合装置を用いて混合を行う工程であり、
前記第一混合工程における処理温度をT1(℃)と表示し、前記第一混合工程において処理物の単位質量に与えられる混合装置の撹拌動力をW1(W/kg)と表示し、前記第二混合工程における処理温度をT2(℃)と表示し、前記第二混合工程における処理物の単位質量に与えられる混合装置の撹拌動力をW2(W/kg)と表示したときに、下記数式(1)、(2)、(3)及び(4)を満たすことを特徴とするトナーの製造方法。
TgA≦T2<Tp (2)
3≦W2 (3)
W2≦1/2W1 (4)。
本発明の第一混合工程は、無機微粒子の解砕とトナー母粒子への無機微粒子の均一固着を主とする工程である。そのため、第一混合工程では、下記数式(1)及び(4)で表される処理温度T1(℃)と撹拌動力W1(W/kg)条件下にて混合が行なわれる。
W2≦1/2W1 (4)。
第二混合工程では、前記混合物中の結晶性樹脂の結晶化を促進させると同時にトナー母粒子への無機微粒子の固定化が行なわれる。そのため、下記数式(2)、(3)、及び(4)で表される処理温度T2(℃)と撹拌動力W2(W/kg)の条件下にて混合が行なわれる。
3≦W2 (3)
W2≦1/2W1 (4)。
本発明のトナー母粒子の製造方法は、特に限定されるものではないが、低温定着性に優れたトナーとなる点から、粉砕法が好ましい。
W2=(E2−E20)/(Y2×X2) (10)
E1:第一工程の処理物混合時の混合機の消費エネルギー[W・h]
E10:第一工程の空運転時の消費エネルギー[W・h]
X1:第一工程の混合時間[h]
Y1:第一工程の処理物の投入量[kg]
E2:第二工程の処理物混合時の混合機の消費エネルギー[W・h]
E20:第二工程の空運転時の消費エネルギー[W・h]
X2:第二工程の混合時間[h]
Y2:第二工程の処理物の投入量[kg]。
次にトナー母粒子の構成について詳細に述べる。本発明において用いられるトナー母粒子は、結晶性樹脂を含有する。結晶性樹脂を含有させることにより、得られるトナーは優れた低温定着性を示す。結晶性樹脂の融点「Tcm」は、トナーの低温定着性の観点から、120℃以下であることが好ましい。また結晶性樹脂の融点は、トナーの耐熱保存性の観点から、55℃以上であることが好ましい。
結晶性樹脂については、形態は特に限定されないが、低温定着性に優れたトナーとなる観点から結晶性ポリエステルが好ましい。結晶性ポリエステルとしては具体的には以下のものが挙げられる。
δ=ΣΔF/ΣΔv (11)
数式(11)中、ΔFは、各原子団のモル引力定数を表し、Δvは、各原子団のモル容積(1モル当りの容積)を表し、それぞれ具体的な値は下記表Aに示すとおりである。
δmix=φ1δ1+φ2δ2+・・・+φnδn (12)
数式(12)中、φnはn番目の成分のモル分率であり、δnはn番目の成分の溶解性パラメータであり、「φ1+φ2+・・・+φn=1」である。
ヘプタンは、原子団として、−CH3を2個、−CH2−を5個有する。上記表Aに記載された各原子団の値に基づいて、ΣΔF、ΣΔvを計算すると以下のようになる。
ΣΔF=205×2+132×5=1070
ΣΔv=31.8×2+16.5×5=146.1
従って、上記数式(11)よりヘプタンのSP値は、以下のように算出される。
ΣΔF/ΣΔv=1070/146.1=7.32。
非晶性樹脂については、形態は特に限定されないが、低温定着性に優れたトナーとなる観点から非晶性ポリエステルが好ましい。非晶性ポリエステルとしては具体的には以下のものが挙げられる。
本発明で用いられるトナー母粒子は、ワックスを含有する。ワックスを含有させることによって、結晶性樹脂の結晶化速度を高めることができ、また、トナーに良好な離型性を付与することができる。結晶性樹脂の結晶化速度を高めるために、ワックスの種類としては、炭化水素ワックスが好ましく、ワックスの融点としては120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。さらに、ワックスの融点が、結晶性樹脂の融点より高く、かつ、その差が、20℃以下であれば、結晶化をより促進することができる。また、ワックスの融点は、耐熱保存性の観点から、60℃以上であることが好ましい。
本発明において用いられるトナー母粒子に含有される着色剤としては、特に限定されず、公知の着色剤を使用することができる。具体的には以下のものが挙げられる。なお、着色剤は、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
本発明のトナーの製造方法において、上記トナー母粒子に無機微粒子が混合される。無機微粒子は、トナーの流動性を向上させる機能、トナーの帯電を均一化する機能、トナーの転写性を向上させる機能等を有する。無機微粒子の1次粒子の個数平均粒径としては、トナーの流動性向上、転写性向上の観点から10nm以上500nm以下が好ましく、更に好ましくは100nm以上300nm以下である。特に、本発明の方法によれば、トナーの転写性の向上に、より効果のある100nm以上の無機微粒子を、トナー母粒子の表面の凹凸状態に係わらず、トナー母粒子の表面に均一に固定化することが可能である。
本発明で製造されるトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることも可能である。磁性キャリアとしては、フェライトキャリアや、結着樹脂中に磁性体を分散させた磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、公知のものを使用できる。トナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、現像剤中のトナー濃度が2質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
以下に、本発明で規定する各物性値の測定方法を記載する。
サンプルを2mg精秤し、クロロホルム2mLを加えて溶解させてサンプル溶液を作製する。樹脂サンプルとしては結晶性ポリエステルを用いるが、結晶性ポリエステルを含有するトナーをサンプルとして代用することも可能である。次に、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHBA)20mgを精秤し、クロロホルム1mLを添加して溶解させてマトリックス溶液を調製する。また、トリフルオロ酢酸Na(NaTFA)3mgを精秤した後、アセトンを1mL添加して溶解させてイオン化助剤溶液を調製する。
非晶性樹脂のガラス転移温度Tgは、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定したDSC曲線から算出する。
Tg1stは、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定したDSC曲線から算出する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲20〜180℃の間で、昇温速度10℃/分で昇温測定を行う。
TgAは、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定したDSC曲線から算出する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲20〜180℃の間で、昇温速度10℃/分で1回目の昇温測定を行う。次いで、1回目の昇温後、20℃まで降温速度50℃/分で冷却する。冷却後、直ちに、20℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、2回目の昇温測定を行う。
TgBは、DSC測定の際の1回目の昇温後と2回目の昇温開始前の間の冷却操作が、TgAの測定方法の場合の冷却操作と異なる点を除き、TgAと同様にして測定される。即ち、1回目の昇温後、50℃まで降温速度50℃/分で冷却して50℃で20分間保持し、その後、20℃まで降温速度50℃/分で冷却し、20℃で10分間保持し、次いで2回目の昇温を開始する。
結晶性樹脂及びワックスの融点は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定したDSC曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度を融点とし、ピークの面積から求められる熱量を融解熱量とする。
トナー母粒子中の結晶性樹脂由来のオンセット温度Tpは、示差走査熱量測定装置DSC Q2000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mLの流量で流し、THF試料溶液を約100μL注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。又、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば以下の組み合わせが挙げられる。昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合せ。
非晶性樹脂及びトナーの軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダ内に充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
試験モード:昇温法
昇温速度:4℃/min
開始温度:50℃
到達温度:200℃
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm。
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
1.Multisizer 3専用のガラス製の250mLの丸底ビーカー内に前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去する。
2.ガラス製の100mLの平底ビーカー内に前記電解水溶液約30mLを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を脱イオン水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
3.発振周波数50kHzの発振器2個の位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量の脱イオン水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
4.前記2.のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
5.前記4.のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液中に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
6.サンプルスタンド内に設置した前記1.の丸底ビーカー内に、ピペットを用いてトナーを分散した前記5.の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
7.測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、トナーの重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定する。
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、アルコールモノマーとして1,10−デカンジオール、及びカルボン酸モノマーとして1,10デカン二酸を表1に示す量で投入した。そして、触媒としてジオクチル酸錫をモノマー総量100質量部に対して1質量部添加し、窒素雰囲気下で140℃に加熱して常圧下で水を留去しながら6時間反応させた。次いで、200℃まで10℃/時間で昇温しつつ反応させ、200℃に到達してから2時間反応させた後、反応槽内を5kPa以下に減圧して200℃で3時間反応させて樹脂を得た。この樹脂は、結晶核剤部位が導入される前の結晶性ポリエステルである。
モノマー、結晶核剤及び使用量を表1に記載の様に変更し、それ以外は、製造例1と同様にして結晶性ポリエステル樹脂2乃至4を得た。また得られた結晶性ポリエステル樹脂2のMALDI−TOFMSのマススペクトルにおいて、分子末端に結晶核剤が結合した構造のピークが確認され、分子末端と結晶核剤とが結合していることが確認された。これらの樹脂の物性を表2に示す。
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、表3に示す使用量のモノマーを入れた後、触媒としてジブチル錫をモノマー総量100質量部に対して1.5質量部添加した。次いで、窒素雰囲気下にて常圧で180℃まで素早く昇温した後、180℃から210℃まで10℃/時間の速度で加熱しながら水を留去して重縮合を行った。210℃に到達してから反応槽内を5kPa以下まで減圧し、210℃、5kPa以下の条件下にて重縮合を行い、非晶性ポリエステル樹脂11を得た。その際、得られる樹脂の軟化点が表4の値となるように重合時間を調整した。非晶性ポリエステル樹脂11の物性を表4に示す。
モノマー及び使用量を表3に記載の様に変更し、それ以外は、製造例11と同様にして非晶性ポリエステル樹脂12を得た。この樹脂の物性を表4に示す。
下記表5に示す種類及び量の材料をヘンシェルミキサー(「FM−75型」、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度160℃に設定した二軸混練機(「PCM−30型」、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。
製造例21において、使用する材料を表5に示す構成に変更したこと以外は、製造例21と同様にして、トナー母粒子2乃至6を得た。
製造例21において、使用する材料を表6示す構成に変更したこと以外は、製造例21と同様にして、トナー母粒子7を得た。
[1.第一混合工程]
下記表7に示す材料をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製FM−75型)に投入した。処理温度T1が50℃になるようにジャケットに流れる水の設定温度を調整し、撹拌動力W1が140W/kgとなるように回転数を調整して、5分間混合した。
第一混合工程終了後、処理温度T2が60℃になるようにジャケットに流れる水の設定温度を調整し、撹拌動力W2が10W/kgとなるように回転数を調整して、15分間混合した。第二混合工程後、目開き75μmの金網で篩って「トナー1」を得た。トナー1の材料構成と製造条件を表10に示す。またトナー1の物性を表11に示す。
下記表8に示す種類及び量の材料を容器内に入れ、溶液減圧ニーダーで撹拌混合しながら75℃、5時間減圧乾燥を行い、溶剤を除去した。その後、135℃で2時間焼き付け処理して、篩振とう機(300MM−2型、筒井理化学機械:75μm開口)で篩い、D50が40μmの「磁性キャリア1」を得た。
トナー1を用いて、下記の評価1〜評価5を行った。いずれの評価についても良好な結果が得られた。評価結果を表12に示す。
第二混合工程後のトナーをポリカップにサンプリングして目視で評価した。評価結果を以下の基準でA〜Dにランク付けした。
A:まったく凝集物は確認されず、問題無い状態である。
B:若干凝集気味であるが、ポリカップを軽く5回振る程度で崩れる状態である。
C:凝集気味であるが、指でほぐすと簡単にほぐれる状態である。
D:凝集が激しい。
容量50mLのポリカップにトナーを5g秤量し、55℃の恒温槽内に3日間放置した。その後、恒温槽からトナーを取り出し、トナーの状態を観察し、評価結果を以下の基準でA〜Eにランク付けした。
A:まったく凝集物は確認されず、初期とほぼ同様の状態である。
B:若干凝集気味であるが、ポリカップを軽く5回振る程度で凝集物が崩れる状態である。
C:凝集気味であるが、指でほぐすと簡単にほぐれる状態である。
D:凝集が激しい。
E:トナーが固形化している。
評価機として市販のカラーレーザープリンタColor Laser Jet CP4525(HP社製)を用いた。この評価機から定着器を取り外し、その代わりに、定着装置の定着温度、定着ニップ圧及びプロセススピードを任意に設定できるように改造した外部定着器を取り付けた。記録媒体としては、カラーレーザーコピア用紙(キヤノン製、80g/m2)を使用した。そして、市販のシアンカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、トナー1を150g充填した。なお、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各ステーションには、それぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびブラックカートリッジを挿入した。
A(非常に良い):Vmaxが500mm/secである。
B(良い):Vmaxが400mm/sec以上、500mm/sec未満である。
C(普通):Vmaxが300mm/sec以上、400mm/sec未満である。
D(悪い):Vmaxが300mm/sec未満である。
トナー1と前記磁性キャリア1を用いて二成分系現像剤を作製した。二成分系現像剤は、磁性キャリア100.0質量部に対して、トナー8.0質量部の配合割合とし、V型混合機で5分間混合した。
A:濃度差が0.05未満である。
B:濃度差が0.05以上0.10未満である。
C:濃度差が0.10以上0.20未満である。
D:濃度差が0.20以上0.30未満である。
E:濃度差が0.30以上である。
この評価は、帯電ローラが汚染されると電気抵抗値が高くなり帯電電流が低下する現象を利用する評価である。
ΔA(電流の低下量)=A0(初期の電流値)−A1(耐久性試験後の電流値)。
A:電流の低下量が0.10mA未満である。
B:電流の低下量が0.10mA以上0.20mA未満である。
C:電流の低下量が0.20mA以上0.30mA未満である。
D:電流の低下量が0.30mA以上0.40mA未満である。
E:電流の低下量が0.40mA以上である。
トナー母粒子及びシリカ微粒子の種類及び使用量、第一混合工程の条件、第二混合工程の条件を表10に示すように変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、トナー2〜31を得た。各トナーの物性を表11に示す。
実施例2と同様の材料を用い、混合は、第一混合工程のみの一段混合として、混合条件を表10に示すように変更し、トナーC1及びC2を得た。これらのトナー物性を表11に示す。
トナー母粒子及びシリカ微粒子の種類及び使用量、第一混合工程の条件、第二混合工程の条件を表10に示すように変更した。それ以外は、実施例1と同様にして、トナーC3〜C9を得た。これらのトナー物性を表11に示す。
Claims (6)
- 着色剤、結晶性樹脂、非晶性樹脂及びワックスを含有するトナー母粒子と無機微粒子とを混合して混合物を得る第一混合工程、及び
前記混合物を更に混合する第二混合工程、
を有するトナーの製造方法であって、
前記第一混合工程及び前記第二混合工程が、機械的衝撃力を付与する撹拌手段を容器内に具備する混合装置を用いて混合を行う工程であり、
前記第一混合工程における処理温度をT1(℃)と表示し、前記第一混合工程において処理物の単位質量に与えられる混合装置の撹拌動力をW1(W/kg)と表示し、前記第二混合工程における処理温度をT2(℃)と表示し、前記第二混合工程における処理物の単位質量に与えられる混合装置の撹拌動力をW2(W/kg)と表示したときに、下記数式(1)、(2)、(3)及び(4)を満たすことを特徴とするトナーの製造方法:
TgA≦T1<Tp (1)
TgA≦T2<Tp (2)
3≦W2 (3)
W2≦1/2W1 (4)
[式中、Tp(℃)は、前記トナー母粒子を測定試料とする示差走査熱量(DSC)測定において、20℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温した際に測定される結晶性樹脂由来の最大吸熱ピークのオンセット温度を示す。
TgA(℃)は、前記トナー母粒子を測定試料とするDSC測定において、20℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温した後、20℃まで降温速度50℃/分で冷却し、その後直ちに、20℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温した際に測定される2回目昇温時のガラス転移温度を示す。]。 - 前記T1(℃)およびT2(℃)が下記数式(5)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
T1+5<T2 (5) - 前記W1(W/kg)が下記数式(6)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
30≦W1 (6) - 前記トナーが下記数式(7)を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナーの製造方法:
TgB−TgA≧5 (7)
[式中、TgB(℃)は、前記トナー母粒子を測定試料とするDSC測定において、20℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温した後、50℃まで降温速度50℃/分で冷却し、50℃で20分間保持し、その後、20℃まで降温速度50℃/分で冷却し、20℃で10分間保持し、その後、20℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温した際に測定される2回目昇温時のガラス転移温度を示す。]。 - 前記結晶性樹脂が結晶核剤部位を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- 前記結晶性樹脂が結晶性ポリエステルであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
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