JP7151314B2 - 静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
従来、電子写真法においては、感光体や静電記録体上に種々の手段を用いて静電潜像を形成し、トナーと呼ばれる検電性粒子を含む静電荷像現像剤により、この静電潜像に前記トナーを付着させて静電潜像(トナー像)を現像し、被転写体表面に転写し、加熱等により定着する、という複数の工程を経て、可視化する方法が一般的に使用されている。
式:0.005≦(平均円形度B-平均円形度A)≦0.020
TgA≦T1<Tp (1)
TgA≦T2<Tp (2)
3≦W2 (3)
W2≦1/2W1 (4)
[式中、Tp(℃)は、前記トナー母粒子を測定試料とする示差走査熱量(DSC)測定において、20℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温した際に測定される結晶性樹脂由来の最大吸熱ピークのオンセット温度を示す。
TgA(℃)は、前記トナー母粒子を測定試料とするDSC測定において、20℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温した後、20℃まで降温速度50℃/分で冷却し、その後直ちに、20℃から180℃まで昇温速度10℃/分で昇温した際に測定される2回目昇温時のガラス転移温度を示す。]。
<1> 芯材上に、下層としてシリコーン樹脂を含む層、及び、上層としてアクリル樹脂を含む層を有するキャリア、又は、シリコーン樹脂を含む芯材上に、アクリル樹脂を含む層を有するキャリアと、平均一次粒径が20nm以上100nm以下であるチタン酸ストロンチウム粒子と、トナーとを含み、前記キャリア表面における前記シリコーン樹脂の露出率が、0.5面積%以上20面積%以下である静電荷像現像剤。
<2> 前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記トナーの被覆率換算で、10面積%以上40面積%以下である<1>に記載の静電荷像現像剤。
<3> 前記トナーの被覆率換算における前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量(C(t)(面積%))と、前記キャリア表面における前記シリコーン樹脂の露出率(C(c)(面積%))との比(C(t)/C(c))の値が、0.5を超え45以下である<2>に記載の静電荷像現像剤。
<4> 遊離している前記チタン酸ストロンチウム粒子、及び、前記トナーに固着している前記チタン酸ストロンチウム粒子を除いた前記チタン酸ストロンチウム粒子の量が、前記チタン酸ストロンチウム粒子の全質量に対し、10質量%以上70質量%以下である<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
<5> 前記キャリアの表面粗さRa(μm)と前記チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径Da(nm)との比(Da/Ra)の値が、3以上45以下である<1>乃至<4>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
<6> 前記キャリアの表面粗さRaが、0.3μm以上0.9μm以下である<1>乃至<5>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
<7> 前記チタン酸ストロンチウム粒子の一次粒子の平均円形度が、0.82以上0.94以下である<1>乃至<6>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
<8> 前記チタン酸ストロンチウム粒子の一次粒子の累積84%となる円形度が、0.92を超える<1>乃至<7>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
<9> 前記チタン酸ストロンチウム粒子のX線回折法により得られる(110)面のピーク半値幅が、0.2°以上2.0°以下である<1>乃至<8>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
<10> 前記チタン酸ストロンチウム粒子が、ドーパントとしてLa又はSiを含む<1>乃至<9>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
<11> 前記チタン酸ストロンチウム粒子が、ドーパントとしてLaを含む<10>に記載の静電荷像現像剤。
<12> 前記チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径が、30nm以上80nm以下である<1>乃至<11>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
<13> 前記チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径が、30nm以上60nm以下である<12>に記載の静電荷像現像剤。
<14> 前記キャリアが、シリコーン樹脂を含む芯材上に、アクリル樹脂を含む層を有するキャリアである<1>乃至<13>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤。
<15> <1>乃至<14>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
<16> 像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、<1>乃至<14>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える画像形成装置。
<17> 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、<1>乃至<14>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法。
前記<2>に係る発明によれば、前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記トナーの被覆率換算で、10面積%未満であるか、又は、40面積%を超える場合に比べ、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラの発生がより抑制される静電荷像現像剤が提供される。
前記<3>に係る発明によれば、前記C(t)/C(c)の値が、0.5以下であるか、又は、45を超える場合に比べ、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラの発生がより抑制される静電荷像現像剤が提供される。
前記<4>に係る発明によれば、遊離している前記チタン酸ストロンチウム粒子、及び、前記トナーに固着している前記チタン酸ストロンチウム粒子を除いた前記チタン酸ストロンチウム粒子の量が、前記チタン酸ストロンチウム粒子の全質量に対し、10質量%未満であるか、又は、70質量%を超える場合に比べ、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラの発生がより抑制される静電荷像現像剤が提供される。
前記<5>に係る発明によれば、前記Da/Raの値が、3未満であるか、又は、45を超える場合に比べ、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラの発生がより抑制される静電荷像現像剤が提供される。
前記<6>に係る発明によれば、前記キャリアの表面粗さRaが、0.3μm未満であるか、又は、0.9μmを超える場合に比べ、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラの発生がより抑制される静電荷像現像剤が提供される。
前記<7>に係る発明によれば、前記チタン酸ストロンチウム粒子の一次粒子の平均円形度が、0.82未満であるか、又は、0.94を超える場合に比べ、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラの発生がより抑制される静電荷像現像剤が提供される。
前記<8>に係る発明によれば、前記チタン酸ストロンチウム粒子の一次粒子の累積84%となる円形度が、0.92以下である場合に比べ、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラの発生がより抑制される静電荷像現像剤が提供される。
制される静電荷像現像剤が提供される。
前記<9>に係る発明によれば、前記チタン酸ストロンチウム粒子のX線回折法により得られる(110)面のピーク半値幅が、0.2°未満であるか、又は、2.0°を超える場合に比べ、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラの発生がより抑制される静電荷像現像剤が提供される。
前記<10>又は<11>に係る発明によれば、前記チタン酸ストロンチウム粒子が、ドーパントされていない粒子である場合に比べ、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラの発生がより抑制される静電荷像現像剤が提供される。
前記<12>に係る発明によれば、前記チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径が、30nm未満であるか、又は、80nmを超える場合に比べ、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラの発生がより抑制される静電荷像現像剤が提供される。
制される静電荷像現像剤が提供される。
前記<13>に係る発明によれば、前記チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径が、30nm未満であるか、又は、60nmを超える場合に比べ、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラの発生がより抑制される静電荷像現像剤が提供される。
前記<14>に係る発明によれば、前記キャリアが、芯材上に、下層としてシリコーン樹脂を含む層、及び、上層としてアクリル樹脂を含む層を有するキャリアである場合に比べ、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラの発生がより抑制される静電荷像現像剤が提供される。
前記<15>乃至<17>に係る発明によれば、芯材上に、下層としてシリコーン樹脂を含む層、及び、上層としてアクリル樹脂を含む層を有するキャリア、又は、シリコーン樹脂を含む芯材上に、アクリル樹脂を含む層を有するキャリアを含む静電荷像現像剤において、チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径が20nm未満若しくは100nm超であるか、又は、前記キャリア表面における前記シリコーン樹脂の露出率が、0.5面積%未満若しくは20面積%超である静電荷像現像用トナーを適用した場合に比べ、高温高湿環境下(28℃90%RH)放置後の印刷初期における濃度ムラの発生が抑制されるプロセスカートリッジ、画像形成装置又は画像形成方法が提供される。
本明細書において、「静電荷像現像用トナー」を単に「トナー」ともいい、「静電荷像現像剤」を単に「現像剤」ともいう。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、芯材上に、下層としてシリコーン樹脂を含む層、及び、上層としてアクリル樹脂を含む層を有するキャリア、又は、シリコーン樹脂を含む芯材上に、アクリル樹脂を含む層を有するキャリアと、平均一次粒径が20nm以上100nm以下であるチタン酸ストロンチウム粒子と、トナーとを含み、前記キャリア表面における前記シリコーン樹脂の露出率が、0.5面積%以上20面積%以下である。
芯材上に、下層としてシリコーン樹脂を含む層、及び、上層としてアクリル樹脂を含む層を有するキャリア、又は、シリコーン樹脂を含む芯材上に、アクリル樹脂を含む層を有するキャリアは、キャリア表面に下層のシリコーン樹脂が露出する。シリコーン樹脂はその低表面エネルギーから摩擦帯電が阻害され帯電不良が発生しやすく、特に高温高湿環境下で放置し低帯電となった状態からの帯電立ち上がりで帯電量が不均一となり濃度ムラが起こりやすい。
シリコーン樹脂露出部分はSi-O結合を有する構造であり、アクリル樹脂部分のC-C結合及びC-O結合を有する構造よりも電子移動距離が広く、適度な分極をもつチタン酸ストロンチウム粒子が集まりやすくなっていると推定される。
分極の大きいチタン酸ストロンチウム粒子は、電子移動しやすく帯電速度が速いため、連続印刷時における機械的負荷によって、キャリアにおける被覆層の剥がれが進行した後のシリコーン樹脂露出部分にチタン酸ストロンチウム粒子が付着又は存在することによって、高温高湿環境下で放置した後でも帯電量が適度であり、印刷初期における濃度ムラが抑制できると推定している。
本実施形態の静電荷像現像剤に用いられるキャリアは、芯材上に、下層としてシリコーン樹脂を含む層、及び、上層としてアクリル樹脂を含む層を有するキャリア、又は、シリコーン樹脂を含む芯材上に、アクリル樹脂を含む層を有するキャリアであり、かつ前記キャリア表面における前記シリコーン樹脂の露出率が、0.5面積%以上20面積%以下であるものである。
また、前記キャリアとしては、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラ抑制の観点から、シリコーン樹脂を含む芯材上に、アクリル樹脂を含む層を有するキャリアであることが好ましい。
本実施形態に用いられるキャリアは、キャリア表面における前記シリコーン樹脂の露出率が、0.5面積%以上20面積%以下であり、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラ抑制の観点から、0.6面積%以上10面積%以下であることが好ましく、0.7面積%以上5面積%以下であることがより好ましく、0.8面積%以上2面積%以下であることが特に好ましい。
本実施形態におけるキャリア表面におけるシリコーン樹脂の露出率の測定方法は、X線光電子分光装置(XPS)を用い、キャリア表面のC、O、Fe、Mn、Mg及びSi元素の割合を検出し、Si元素に由来するピークの比率を測定することにより、Si元素の面積割合を算出し、シリコーン樹脂の露出量とするものとする。
X線光電子分光装置としては、例えば、JPS-9000MX(日本電子(株)製)を使用することが可能である。
本実施形態におけるキャリアの表面粗さRaは、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラ抑制の観点から、0.2μm以1.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以上0.9μm以下であることがより好ましく、0.4μm以上0.8μm以下であることが特に好ましい。
本実施形態において、キャリアの表面粗さRaの測定は、以下の方法で行うものとする。
キャリア表面のRa(算術平均粗さ)の測定方法は、キャリアを2,000個、超深度カラー3D形状測定顕微鏡(VK9700、(株)キーエンス製)を用い、倍率1,000倍で表面を換算して求める方法であり、JIS B0601(1994年度版)に準じて行う。具体的には、キャリア表面のRaは、前記顕微鏡にて観察したキャリア表面の3次元形状から粗さ曲線を求め、該粗さ曲線の測定値と平均値までの偏差の絶対値を合計し、平均することにより求められる。キャリア表面のRaを求める際の基準長さは10μmであり、カットオフ値は0.08mmである。
芯材を構成する磁性材料としては、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属;これらの磁性金属とマンガン、クロム、希土類等との合金;フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物;等が挙げられる。
また、前記シリコーン樹脂を含む芯材としては、マトリックス樹脂として、後述するシリコーン樹脂中に前記磁性材料を分散して配合された磁性粒子分散型の芯材、又は、多孔質の磁性材料にシリコーン樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリアが好適に挙げられる。前記シリコーン樹脂を含む芯材は、マトリックス樹脂として、シリコーン樹脂以外の樹脂を含んでいてもよいが、前記芯材におけるマトリックス樹脂の全質量に対し、シリコーン樹脂の含有量が、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上100質量%以下であることが特に好ましい。
芯材は、磁性造粒、焼結により得られるが、その前処理として、磁性材料を粉砕してもよい。粉砕方法は特に問わず、公知の粉砕方法が挙げられ、具体的には例えば、乳鉢、ボールミル、ジェットミル等が挙げられる。
芯材の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により測定される。
前記キャリアは、芯材上の下層に、又は、磁性粒子分散型若しくは樹脂含浸型の芯材に含まれる樹脂として、シリコーン樹脂を含む。
シリコーン樹脂としては、公知のシリコーン樹脂が使用可能であり、Si-O-Si結合を主鎖に有し、メチル基、フェニル基等の有機基を側鎖に有するシロキサンポリマーであれば特に制限されないが、主鎖が-Si(R1R2)-O-からなり(R1、R2はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、メチル基又はフェニル基が好ましい。)、分岐鎖を有していないストレートシリコーン樹脂、及び、上記ストレートシリコーン樹脂をアルキド、アクリル、エポキシ、ウレタン等により変性した変性シリコーン樹脂が好ましく挙げられる。
ストレートシリコーン樹脂としては、ジメチルポリシロキサン又はメチルフェニルポリシロキサンが好ましい。
変性シリコーン樹脂としては、アルキド変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂が好ましく、アクリル変性シリコーン樹脂がより好ましい。
重量平均分子量の上限は特に限定されないが、300,000以下であればよく、200,000以下であることが好ましい。
変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業(株)製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ ダウコーニング シリコーン(株)製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
芯材上の下層にシリコーン樹脂を含む場合、下層におけるシリコーン樹脂の含有量は、下層の全質量に対し、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上100質量%以下であることが特に好ましい。
各層の平均厚さは、キャリアを、キャリアの中央部(好ましくは重心)を含む面により切断し、その断面観察を行い、10個以上のキャリアにおいて測定した層の厚さの平均値をとることにより求めるものとする。
前記キャリアは、芯材上に、アクリル樹脂を含む層を有する。前記アクリル樹脂を含む層は、前記キャリアの最外層であることが好ましい。
また、前記アクリル樹脂を含む層は、前記キャリアを完全に覆う層ではなく、前記アクリル樹脂を含む層のない部分が一部あり、前記キャリアは、シリコーン樹脂が表面の一部に露出している箇所を有する。
アクリル樹脂としては、特に限定されないが、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、プロピルメタクリレート、プロピルアクリレート、ラウリルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの(メタ)アクリル化合物の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
中でも、アクリル樹脂としては、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラ抑制、及び、低吸湿性である等の観点から、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル(メタ)アクリレート化合物の単独重合体又は共重合体が好ましく、シクロヘキシル(メタ)アクリレートの単独重合体又は共重合体が特に好ましい。
また、本実施形態におけるアクリル樹脂は、(メタ)アクリル化合物由来の構成単位を50質量%以上有するものであればよく、80質量%以上有するものであることが好ましく、90質量%以上有するものであることがより好ましい。
本実施形態におけるアクリル樹脂は、(メタ)アクリル化合物以外のモノマー由来の構成単位を有していてもよい。
また、アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に制限はないが、50℃~150℃であることが好ましく、70℃~120℃であることがより好ましく、80℃~120℃であることが更に好ましい。
なお、樹脂のガラス転移温度は、DSC(示差走査型熱量計)測定法により決定し、ASTM D3418-8に準拠して測定された主体極大ピークより求めることができる。主体極大ピークの測定には、パーキンエルマー社製のDSC-7を用いる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行う。
また、芯材上に、下層としてシリコーン樹脂を含む層、及び、上層としてアクリル樹脂を含む層を有するキャリアにおいて、下層の平均厚さは、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラ抑制の観点から、上層の平均厚さよりも厚いことが好ましい。
前記添加剤としては、公知の添加剤が用いられ、例えば、架橋剤、導電粉等が挙げられる。
架橋剤は、架橋反応する成分であり、熱により架橋反応する成分であることが好ましい。
架橋剤としては、公知の架橋剤が用いられ、例えば、シランカップリング剤が挙げられる。
架橋剤の含有量は、含有させる層の全質量に対し、0.1質量%~10質量%であることが好ましく、0.2質量%~8質量%であることがより好ましく、0.5質量%~5質量%であることが更に好ましい。
導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の数平均粒径としては、1μm以下が好ましい。数平均粒径が1μm以上であれば、電気抵抗の制御が容易となる。
導電粉の含有量は、含有させる層の全質量に対し、0.1質量%~10質量%であることが好ましく、0.2質量%~8質量%であることがより好ましく、0.5質量%~5質量%であることが更に好ましい。
キャリアの体積平均粒径は、10μm以上500μm以下であることが好ましく、20μm以上100μm以下であることがより好ましく、20μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
キャリアの体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により測定される。
キャリアの体積電気抵抗(25℃)としては、1×107Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下であることが好ましく、1×108Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下であることがより好ましく、1×108Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であることが特に好ましい。
本実施形態に用いられるキャリアは、例えば、シリコーン樹脂等を有機溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、塗布溶液を芯材粒子の表面に公知の塗布方法により塗布し、乾燥した後、焼付を行い、また、アクリル樹脂等を有機溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、塗布溶液をシリコーン樹脂を含む下層又はシリコーン樹脂を含む芯材の表面に公知の塗布方法により塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成される。塗布方法としては、特に限定されず、公知の塗布方法が用いられるが、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法などが挙げられる。
有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテートなどが挙げられる。
樹脂層の焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法などが挙げられる。
各層の量としては、キャリアの全質量に対し、0.01質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、平均一次粒径が20nm以上100nm以下であるチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)粒子を含む。
前記チタン酸ストロンチウム粒子は、トナーの外添剤であっても、なくともよいが、少なくとも一部の前記チタン酸ストロンチウム粒子が、トナーの外添剤として存在していることが好ましい。
前記チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径は、20nm以上100nm以下であり、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラ抑制の観点から、30nm以上80nm以下が好ましく、30nm以上60nm以下がより好ましい。
前記チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径は、チタン酸ストロンチウム粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を撮影し、SEM画像におけるチタン酸ストロンチウム粒子を少なくとも300個画像解析して求める。
また、外添剤として用いるチタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径は、例えば、チタン酸ストロンチウム粒子を湿式製法により製造する際の各種条件によって制御しうる。
前記チタン酸ストロンチウム粒子は、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラ抑制の観点から、一次粒子の平均円形度が0.82以上0.94以下であることが好ましく、また、一次粒子の累積84%となる円形度が0.92を超えることが好ましい。
以下、チタン酸ストロンチウム粒子に関する、一次粒子の平均円形度を「平均円形度」と、一次粒子の累積84%となる円形度を「累積84%円形度」ということがある。
前記チタン酸ストロンチウム粒子の円形度は、チタン酸ストロンチウム粒子のSEM画像を撮影し、SEM画像におけるチタン酸ストロンチウム粒子を少なくとも300個画像解析して求める。
また、外添剤として用いるチタン酸ストロンチウム粒子の平均円形度及び累積84%円形度は、例えば、チタン酸ストロンチウム粒子を湿式製法により製造する際の各種条件、チタン及びストロンチウム以外の金属元素のドープ金属元素及びそのドープ量等によって制御しうる。
本実施形態に用いられるチタン酸ストロンチウム粒子は、一次粒子の円形度の標準偏差が、画像形成装置の立ち上げ直後の画像におけるカブリ抑制の観点から、0.04以上2.0以下であることが好ましく、0.04以上1.0以下であることがより好ましく、0.04以上0.50以下であることが更に好ましい。
立方体又は直方体のチタン酸ストロンチウム粒子は、その形状に由来して、円形度の分布が狭くなる傾向にある。そのため、一次粒子の円形度の標準偏差が上記の範囲であるチタン酸ストロンチウム粒子は、立方体又は直方体を多く含むチタン酸ストロンチウム粒子ではないことを示す指標となる。
そのため、一次粒子の円形度の標準偏差が上記の範囲であるチタン酸ストロンチウム粒子は、トナー粒子の表面に角部が少ない状態で存在しており、チタン酸ストロンチウム粒子の角部に電荷が集中してしまうことにより生じる、画像形成装置の立ち上げ直後の画像にカブリが抑制され易く、また、高印刷初期における濃度ムラが抑制され易い。
一次粒子の円形度の標準偏差の測定は、前述の平均円形度及び累積84%円形度の測定と同時に行うことができる。
なお、円形度の標準偏差を算出する際には、一次粒子が20nm以下のチタン酸ストロンチウム粒子は除去して解析する。
本実施形態に係る静電荷像現像剤における前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量は、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラ抑制の観点から、静電荷像現像剤に含まれるトナーの含有量100質量部に対し、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上3.5質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以上2質量部以下であることが特に好ましい。
また、前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量は、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラ抑制の観点から、前記トナーの被覆率換算で、10面積%以上40面積%以下であることが好ましく、15面積%以上25面積%以下であることがより好ましい。
本実施形態において、トナーの被覆率換算のチタン酸ストロンチウム粒子の含有量は、チタン酸ストロンチウム粒子の含有量と、トナーの体積平均粒径及び平均円形度とより換算するものとする。
前記トナーの被覆率換算における前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量(C(t)(面積%))と、前記キャリア表面における前記シリコーン樹脂の露出率(C(c)(面積%))との比(C(t)/C(c))の値は、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラ抑制の観点から、0.5を超え45以下であることが好ましく、1以上40以下であることがより好ましく、5以上30以下であることが特に好ましい。
遊離している前記チタン酸ストロンチウム粒子、及び、前記トナーに固着している前記チタン酸ストロンチウム粒子を除いた前記チタン酸ストロンチウム粒子の量が、前記チタン酸ストロンチウム粒子の全質量に対し、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラ抑制の観点から、10質量%以上70質量%以下であることが好ましく、20質量%以上65質量%以下であることがより好ましく、25質量%以上60質量%以下であることが特に好ましい。
同様の操作を実施し1時間静置したサンプルを、超音波ホモジナイザー((株)日本精機製作所製、US-300AT)を用いて超音波を印加する。超音波印加は、印加時間:300秒間連続、出力:75W、振幅:180μm、超音波振動子と容器底面との距離:10mmとする。次いで、分散液を、小型高速冷却遠心機((株)佐久間製作所製、M201-IVD)を用いて冷却温度0℃にて3,000rpmで2分間遠心し、上澄み液を除去し、残りのスラリーを濾紙(アドバンテック東洋(株)製、定性濾紙No.5C、110nm)で濾過する。濾紙上の残留物をイオン交換水で2回洗浄し、乾燥させ、測定試料を得る。得られたトナーと未処理のトナーの蛍光X線の元素強度から差分から遊離分+弱~中付着分を算出する。
先の遊離分と遊離分+弱~中付着分から弱~中付着分(遊離粒子及び固着粒子を除いたチタン酸ストロンチウム粒子の量)を算出する。
前記キャリアの表面粗さRa(μm)と前記チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径Da(nm)との比(Da/Ra)の値は、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラ抑制の観点から、2以上200以下であることが好ましく、2以上100以下であることがより好ましく、3以上45以下であることが特に好ましい。
前記チタン酸ストロンチウム粒子のX線回折法により得られる(110)面のピークの半値幅は、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラ抑制の観点から、0.2°以上2.0°以下であることが好ましく、0.2°以上1.0°以下であることがより好ましく、0.25°以上0.80°以下であることが更に好ましく、0.25°以上0.50°以下であることが特に好ましい。
チタン酸ストロンチウム粒子のX線回折法により得られる(110)面のピークは、回折角度2θ=32°付近に現れるピークである。このピークは、ペロブスカイト結晶の(110)面のピークに相当する。
粒子形状が立方体又は直方体であるチタン酸ストロンチウム粒子は、ペロブスカイト結晶の結晶性が高く、(110)面のピークの半値幅は通常0.2°未満である。例えば、チタン工業社製のSW-350(主たる粒子形状が立方体であるチタン酸ストロンチウム粒子)を解析したところ、(110)面のピークの半値幅は0.15°であった。
一方、丸みを帯びた形状のチタン酸ストロンチウム粒子は、ペロブスカイト結晶の結晶性が相対的に低く、(110)面のピークの半値幅が拡がる。
前記チタン酸ストロンチウム粒子は、チタン及びストロンチウム以外の金属元素(以下、ドーパントともいう。)がドープされていることが好ましい。チタン酸ストロンチウム粒子は、ドーパントを含むことにより、ペロブスカイト構造の結晶性が下がり丸みを帯びた形状となる。
電気陰性度が2.0以下の金属元素として好適なものを電気陰性度と共に以下に示す。 電気陰性度が2.0以下の金属元素としては、ランタン(1.08)、マグネシウム(1.23)、アルミニウム(1.47)、シリカ(1.74)、カルシウム(1.04)、バナジウム(1.45)、クロム(1.56)、マンガン(1.60)、鉄(1.64)、コバルト(1.70)、ニッケル(1.75)、銅(1.75)、亜鉛(1.66)、ガリウム(1.82)、イットリウム(1.11)、ジルコニウム(1.22)、ニオブ(1.23)、銀(1.42)、インジウム(1.49)、錫(1.72)、バリウム(0.97)、タンタル(1.33)、レニウム(1.46)、セリウム(1.06)等が挙げられる。
これらの中でも、高温高湿環境下放置後の印刷初期における濃度ムラ抑制の観点から、ドーパントとしては、ランタン(La)又はケイ素(Si)を含むことが好ましく、ランタンを含むことがより好ましい。
前記チタン酸ストロンチウム粒子は、含水率が1.5質量%以上10質量%以下であることが好ましい。含水率が1.5質量%以上10質量%以下(より好ましくは2質量%以上5質量%以下)であると、チタン酸ストロンチウム粒子の抵抗が適度な範囲となり、カブリの発生をより抑制する。
チタン酸ストロンチウム粒子の含水率は、チタン酸ストロンチウム粒子を湿式製法により製造し、乾燥処理の条件(温度及び時間)を調整することにより上記範囲が実現される。
また、チタン酸ストロンチウム粒子の表面を疎水化処理する場合には、その疎水化処理後の乾燥処理の条件を調整することにより上記範囲を実現してもよい。
測定試料20mgを温度22℃/相対湿度55%のチャンバーにて17時間静置し調湿した後、温度22℃/相対湿度55%の室内にて、熱天秤(島津製作所製TGA-50型)によりチッ素ガス雰囲気中にて30℃/分の温度上昇速度にて30℃から250℃まで加熱し、加熱減量(加熱によって失われた質量)を測定する。
そして、測定した加熱減量を元に以下の式にて含水率を算出する。
含水率(質量%)=(30℃から250℃における加熱減量)÷(調湿後加熱前の質量)×100
前記チタン酸ストロンチウム粒子は、チタン酸ストロンチウム粒子の作用を良化する観点から、疎水化処理された表面を有するチタン酸ストロンチウム粒子であることが好ましく、ケイ素含有有機化合物により疎水化処理された表面を有するチタン酸ストロンチウム粒子であることがより好ましい。
ケイ素含有有機化合物としては、アルコキシシラン化合物、シラザン化合物、シリコーンオイル等が挙げられ、中でも、アルコキシシラン化合物及びシリコーンオイルよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ケイ素含有有機化合物については、チタン酸ストロンチウム粒子の製造方法の欄にて詳細に説明する。
つまり、ケイ素含有有機化合物による疎水化処理量は、チタン酸ストロンチウム粒子の質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましく、5質量%以上30質量%以下が更に好ましく、10質量%以上25質量%以下が特に好ましい。
疎水化処理量が1質量%以上であると、高温高湿下においてもトナーの帯電量が確保でき、カブリの発生を抑制し易い。また、疎水化処理量が50質量%以下であると、低温低湿下においてもトナーの飽和帯電量が大きくなり過ぎず、カブリの発生を抑制し易い。また、疎水化処理量が30質量%以下であると、この疎水化処理された表面に起因する凝集体の発生を抑制し易い。
即ち、蛍光X線解析装置(島津製作所社製、XRF1500)を用いて、X線出力40V、70mA、測定面積10mmφ、測定時間15分の条件で、定性及び定量分析測定を実施する。ここで、分析する元素は、酸素(O)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、ストロンチウム(Sr)、並びに、チタン及びストロンチウム以外の金属元素(Me)とし、測定された各元素の総計から、別途に作成した各元素を定量可能な検量線データ等を参照して、各々の各元素の質量比(%)を算出する。
この測定にて得られたケイ素(Si)質量比の値とストロンチウム(Sr)の質量比の値を元に、質量比(Si/Sr)を算出する。
前記チタン酸ストロンチウム粒子は、トナーの帯電性を良化しカブリの発生をより抑制する観点から、体積固有抵抗率R1(Ω・cm)が、常用対数値logR1にて、11以上14以下であることが好ましく、11以上13以下がより好ましく、12以上13以下が更に好ましい。
エレクトロメーター(KEYTHLEY社製、KEITHLEY610C)と高圧電源(FLUKE社製、FLUKE415B)とに接続された一対の20cm2の円形極板(鋼製)である測定治具の下部極板上に、チタン酸ストロンチウム粒子を、厚さ1mm以上2mm以下の範囲の平坦な層を形成するように入れる。
その後、形成されたチタン酸ストロンチウム粒子層を、22℃、55%RHにて24時間調湿する。
次に、22℃、55%RHの環境下で、調湿したチタン酸ストロンチウム粒子層上に上部極板を配置し、チタン酸ストロンチウム粒子層内の空隙を除くために上部極板上に4kgの重しを乗せ、その状態でチタン酸ストロンチウム粒子層の厚さを測定する。次いで、両極板に1000Vの電圧を印加して電流値を測定し、下記式(1)から体積固有抵抗率R1を算出する。
式(1):体積固有抵抗率R1(Ω・cm)=V×S÷(A1-A0)÷d
式(1)中、Vは印加電圧1000(V)、Sは極板面積20(cm2)、A1は測定電流値(A)、A0は印加電圧0Vのときの初期電流値(A)、dはチタン酸ストロンチウム粒子層の厚さ(cm)である。
疎水化処理される前のチタン酸ストロンチウム粒子の体積固有抵抗率R2は、体積固有抵抗率R1と同様の方法にて測定される。
外添剤として用いるチタン酸ストロンチウム粒子は、チタン酸ストロンチウム粒子を製造した後、必要に応じて、表面を疎水化処理することで製造される。
チタン酸ストロンチウム粒子の製造方法は、特に制限されないが、粒径及び形状を制御する観点から、湿式製法であることが好ましい。
チタン酸ストロンチウム粒子の湿式製法は、例えば、酸化チタン源とストロンチウム源との混合液にアルカリ水溶液を添加しながら反応させ、次いで酸処理を行う製造方法である。本製造方法においては、酸化チタン源とストロンチウム源の混合割合、反応初期の酸化チタン源濃度、アルカリ水溶液を添加するときの温度及び添加速度などによって、チタン酸ストロンチウム粒子の粒径が制御される。
アルカリ水溶液の添加速度は、添加速度が遅いほど大きな粒子径のチタン酸ストロンチウム粒子が得られ、添加速度が速いほど小さな粒子径のチタン酸ストロンチウム粒子が得られる。アルカリ水溶液の添加速度は、仕込み原料に対し、例えば、0.001当量/h以上1.2当量/h以下であり、0.002当量/h以上1.1当量/h以下が適切である。
酸処理後、反応液を固液分離し、固形分を乾燥処理して、チタン酸ストロンチウム粒子が得られる。
固形分の乾燥処理の条件を調整することで、チタン酸ストロンチウム粒子の含水率が制御される。
また、チタン酸ストロンチウム粒子の表面を疎水化処理する場合には、その疎水化処理後の乾燥処理の条件を調整することにより含水率の制御を行ってもよい。
ここで、含水率の制御する際の乾燥条件として好ましくは、例えば、乾燥温度が90℃以上300℃以下(好ましくは100℃以上150℃以下)、乾燥時間が1時間以上15時間以下(好ましくは5時間以上10時間以下)である。
チタン酸ストロンチウム粒子の表面に対する疎水化処理は、例えば、疎水化処理剤であるケイ素含有有機化合物と溶媒とを混合してなる処理液を調製し、撹拌下、チタン酸ストロンチウム粒子と処理液とを混合し、更に撹拌を続けることで行われる。
表面処理後は、処理液の溶媒を除去する目的で乾燥処理を行う。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、トナーを含む。
本実施形態に用いられるトナーは、トナー粒子(「トナー母粒子」ともいう。)と、必要に応じて、外添剤と、を含んで構成される。
前記チタン酸ストロンチウム粒子の一部は、トナーの外添剤としても機能している。
本実施形態において、トナー粒子としては、例えば、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等のトナー粒子の他、白色トナー粒子、透明トナー粒子、光輝性トナー粒子等であってもよく、特に制限はない。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価カルボン酸としては、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と重縮合させるとよい。
また、トナー粒子を白色トナー粒子とする場合の結着樹脂の含有量は、白色トナー粒子全体に対して、30質量%以上85質量%以下が好ましく、40質量%以上60質量%以下がより好ましい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、塩基性炭酸鉛、硫化亜鉛-硫酸バリウム混合物、硫化亜鉛、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系等の染料;が挙げられる。
白色顔料としては、酸化チタン又は酸化亜鉛が好ましく、酸化チタンがより好ましい。
また、トナー粒子を白色トナー粒子とする場合の白色顔料の含有量は、白色トナー粒子全体に対して、15質量%以上70質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の公知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等を含む芯部と、結着樹脂を含む被覆層と、で構成されている。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5質量%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子について、各々の粒径を測定する。サンプリングする粒子数は50000個である。
測定された粒径について、小径側から体積基準の累積分布を描いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vと定義する。
前述した、小径で丸みを帯びた形状のチタン酸ストロンチウム粒子は、トナー粒子の表面においてチタン酸ストロンチウム粒子が偏在することなく分散できる。これは、上記のような異形状のトナー粒子を用いた場合であっても同様であり、微細な凹部への偏在が起こらず、トナー粒子の表面においてチタン酸ストロンチウム粒子が均一に近い状態で分散できる。
本実施形態に用いられるトナーは、外添剤として、前述したチタン酸ストロンチウム以外の粒子を含んでいてもよい。
他の粒子としては、チタン酸ストロンチウム粒子以外の無機粒子が挙げられる。
無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量は、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
次に、トナーの製造方法について説明する。
本実施形態に用いられるトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、チタン酸ストロンチウム粒子を含む外添剤を外添することで得ることが好ましい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA-700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで撹拌下、室温(例えば25℃)で凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、加熱を行ってもよい。
凝集剤と共に、該凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸;イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のアミノカルボン酸;などが挙げられる。
キレート剤の添加量は、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10℃から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、を更に混合し、凝集粒子の表面に更に樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア・シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置が中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」ともいう)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して着脱するプロセスカートリッジであってもよい。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3からレーザ光線3Yを照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として現像され可視化される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエローのトナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係る現像剤カートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を少なくとも収容している現像剤カートリッジである。
本実施形態に係る現像剤カートリッジは、例えば、現像手段を備えた画像形成装置に着脱され、この現像手段に供給されるための現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が収納されているものである。
Fe2O3を74部、Mg(OH)2を4部、MnO2を21部混合し、ロータリーキルンを用いて温度950℃/5時間の条件で仮焼成した(1回目)。得られた仮焼成物を、湿式ボールミルを用いて7時間粉砕し、平均粒径を3.0μmとした得られた造粒物を、ロータリーキルンを用いて温度950℃/6時間の条件で仮焼成した(2回目)。得られた仮焼成物を、湿式ボールミルを用いて湿式ボールミルを用いて3時間粉砕し、平均粒径を2.0μmとした後、仮焼フェライト100質量部に対して、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤーを用いて造粒した。その後、ロータリー式電気炉で大気下に750℃まで2時間加熱し、バインダー樹脂や添加剤など有機化合物を除去した。得られた造粒物を、電気炉を用いて温度1,050℃/5時間の条件で本焼成した。得られた焼成物を解砕及び分級して、体積平均粒径32μmの磁性粒子粒子(1)を得た。
充填用樹脂としてシリコーン樹脂(SR-2411、東レ・ウコーニング(株)製、樹脂固形分20質量%)と、シリコーン樹脂固形分100質量部に対して5質量部のγ-アミノプロピルトリエトキシシランとを混合した充填樹脂1(溶液)を調製した。磁性粒子1の100質量部を混合撹拌機に入れ、減圧下、温度50℃に加熱した。磁性粒子1の100質量部に対して、充填樹脂成分として7.0質量部に相当する充填樹脂1溶液を2時間かけて滴下し、更に温度50℃で1時間撹拌を行った。その後、温度80℃まで昇温して溶剤成分を完全に除去した。得られた試料を回転可能な混合容器内にスパイラル羽根を有する混合機(杉山重工(株)製のドラムミキサーUD-AT型)に移し、窒素雰囲気下に温度200℃で2時間熱処理して、目開き70μmのメッシュで分級して樹脂充填コア粒子(1)を得た。
Fe2O3を74部、Mg(OH)2を4部、MnO2を21部混合し、ロータリーキルンを用いて温度950℃/7時間の条件で仮焼成した(1回目)。得られた仮焼成物を、湿式ボールミルを用いて7時間粉砕し、平均粒径を2.0μmとした後、スプレードライヤーを用いて造粒した。得られた造粒物を、ロータリーキルンを用いて温度950℃/6時間の条件で仮焼成した(2回目)。得られた仮焼成物を、湿式ボールミルを用いて湿式ボールミルを用いて3時間粉砕し、平均粒径を5.6μmとした後、スプレードライヤーを用いて造粒した。得られた造粒物を、電気炉を用いて温度1,300℃/5時間の条件で本焼成した。得られた焼成物を解砕及び分級して、体積平均粒径32μmのフェライトコア粒子(2)を得た。
・シクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体(CHMA、共重合比95モル:5モル):3部
・トルエン:14部
上記の材料とガラスビーズ(直径1mm、トルエンと同量)とをサンドミル(関西ペイント社)に投入し、回転速度1,200rpm(revolutions per minute)で30分間撹拌し、樹脂層形成用溶液(1)を調整した。
・樹脂充填コア粒子(1):100部
・樹脂層形成用溶液(1):3部(固形分換算)
真空脱気型ニーダーに樹脂充填コア粒子1を入れ、更に樹脂層形成用溶液(1)を入れ、撹拌しながら昇温及び減圧してトルエンを留去させ、樹脂充填コア粒子(1)を樹脂で被覆した。次いで、エルボジェットにて微粉及び粗粉を取り除き、充填コアキャリア(4)を得た。
・シリコーン樹脂(SR-2411、東レ・ウコーニング(株)製:樹脂固形分20質量%):固形分として3重量部
・γ-アミノプロピルトリエトキシシラン:0.15質量部
・トルエン100質量部
上記の材料とガラスビーズ(直径1mm、トルエンと同量)とをサンドミル(関西ペイント社)に投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌し、樹脂層形成溶液(2)を調製した。
フェライトコア粒子(2)100質量部をナウタミキサに投入し、更に、前記樹脂層形成溶液(2)を樹脂成分として1.0質量部になるようにナウタミキサに投入した。減圧下で温度70℃に加熱し、100rpmで混合し、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料を電気炉中にて200℃で1時間放置して焼成した。得られた試料を、再度ナウタミキサに投入し、更に、前記樹脂相形成溶液(1)を1.0質量部入れて減圧下で温度70℃に加熱し、100rpmで混合し、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料をジュリアミキサーに移し、窒素雰囲気下、温度100℃で2時間熱処理した後、目開き70μmの篩で分級してキャリア(1)を得た。
樹脂層形成溶液(2)2.0質量部になるように塗布操作を行い、電気炉で焼成して得られた試料を、再度ナウタミキサに投入し、更に、前記樹脂相形成溶液(1)を2.0質量部入れて塗布操作を行った以外は、キャリア(1)と同様の操作を行った。目開き70μmの篩で分級してキャリア2を得た。
樹脂層形成溶液(2)0.75質量部になるように塗布操作を行い、電気炉で焼成して得られた試料を、再度ナウタミキサに投入し、更に、前記樹脂相形成溶液(1)を0.75質量部入れて塗布操作を行った以外は、キャリア(1)と同様の操作を行った。目開き70μmの篩で分級してキャリア3を得た。
表1に記載のC(c)の値となるように樹脂層形成溶液(2)を使用して塗布操作を行い、電気炉で焼成して得られた試料を、再度ナウタミキサに投入し、更に、前記樹脂相形成溶液(1)を1.0質量部入れて塗布操作を行った以外は、キャリア(1)と同様の操作を行った。目開き70μmの篩で分級してキャリア5を得た。
樹脂層形成溶液(2)0.75質量部になるように塗布操作を行い、電気炉で焼成して得られた試料を、再度ナウタミキサに投入し、更に、前記樹脂相形成溶液(1)を0.75質量部入れて150rpmで混合し、4時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った以外は、キャリア(1)と同様の操作を行った。目開き70μmの篩で分級してキャリア6を得た。
フェライトコア粒子(2)100質量部をナウタミキサに投入し、更に、前記樹脂相形成溶液(1)を2.0質量部入れて減圧下で温度70℃に加熱し、100rpmで混合し、2時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。得られた試料をジュリアミキサーに移し、窒素雰囲気下、温度100℃で2時間熱処理した後、目開き70μmの篩で分級してキャリア(7)を得た。
X線光電子分光装置(XPS、JPS-9000MX、日本電子(株)製)を用い、キャリア表面のC、O、Fe、Mn、Mg及びSi元素の割合を検出し、Si元素に由来するピークの比率を測定することにより、Si元素の面積割合を算出し、シリコーン樹脂の露出量とした。
脱硫及び解膠したチタン源であるメタチタン酸をTiO2として0.7モル採取し、反応容器に入れた。次いで、反応容器に、塩化ストロンチウム水溶液を、SrO/TiO2モル比が1.1になるように0.77モル添加した。次いで、反応容器に、酸化ランタンを硝酸に溶解した溶液を、ストロンチウム100モルに対してランタンが2.5モルになる量添加した。3つの材料の混合液における初期TiO2濃度が0.75モル/Lになるようにした。次いで、混合液を撹拌し、混合液を90℃に加温し、液温を90℃に維持し攪拌しながら、10N(mol/L)水酸化ナトリウム水溶液153mLを4時間かけて添加し、更に、液温を90℃に維持しながら1時間撹拌を続けた。次いで、反応液を40℃まで冷却し、pH5.5になるまで塩酸を添加し1時間撹拌を行った。次いで、デカンテーションと水への再分散とを繰り返すことによって沈殿物を洗浄した。洗浄した沈殿物を含むスラリーに塩酸を加えpH6.5に調整し、固形分を濾別し乾燥させた。乾燥した固形分にi-ブチルトリメトキシシラン(i-BTMS)のエタノール溶液を、固形分100部に対してi-BTMSが20部になる量添加して1時間撹拌を行った。固形分を濾別し、固形分を130℃の大気中で7時間乾燥し、チタン酸ストロンチウム粒子(1)を得た。
10N水酸化ナトリウム水溶液の滴下にかける時間を、1時間に変更し、撹拌時間を45分に変更した以外は、チタン酸ストロンチウム粒子(1)の作製と同様にして、チタン酸ストロンチウム粒子(2)を作製した。
10N水酸化ナトリウム水溶液の滴下にかける時間を、14.5時間に変更し、撹拌時間を2時間に変更した以外は、チタン酸ストロンチウム粒子(1)の作製と同様にして、チタン酸ストロンチウム粒子(3)を作製した。
10N水酸化ナトリウム水溶液の滴下にかける時間を、0.5時間に変更し、撹拌時間を40分に変更した以外は、チタン酸ストロンチウム粒子(1)の作製と同様にして、チタン酸ストロンチウム粒子(4)を作製した。
10N水酸化ナトリウム水溶液の滴下にかける時間を、20.0時間に変更し、撹拌時間を2時間に変更した以外は、チタン酸ストロンチウム粒子(1)の作製と同様にして、チタン酸ストロンチウム粒子(5)を作製した。
・エチレングリコール(和光純薬工業(株)製):37部
・ネオペンチルグリコール(和光純薬工業(株)製):65部
・1,9-ノナンジオール(和光純薬工業(株)製):32部
・テレフタル酸(和光純薬工業(株)製):96部
上記の材料をフラスコに仕込み、1時間かけて温度200℃まで上げ、反応系内が均一に撹拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。生成する水を留去しながら6時間かけて240℃まで温度を上げ、240℃で4時間撹拌を継続し、ポリエステル樹脂(酸価9.4mgKOH/g、重量平均分子量13,000、ガラス転移温度62℃)を得た。このポリエステル樹脂を溶融状態のまま、乳化分散機(キャビトロンCD1010、ユーロテック社)に毎分100gの速度で移送した。別途、試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37%濃度の希アンモニア水をタンクに入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度でポリエステル樹脂と同時に乳化分散機に移送した。乳化分散機を回転子の回転速度60Hz、圧力5kg/cm2の条件で運転し、体積平均粒径160nm、固形分30%の樹脂粒子分散液(1)を得た。
・デカン二酸(東京化成工業(株)製):81部
・ヘキサンジオール(和光純薬工業(株)製):47部
上記の材料をフラスコに仕込み、1時間かけて温度160℃まで上げ、反応系内が均一に撹拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを0.03部投入した。生成する水を留去しながら6時間かけて200℃まで温度を上げ、200℃で4時間撹拌を継続した。次いで、反応液を冷却し、固液分離を行い、固形物を温度40℃/減圧下で乾燥し、ポリエステル樹脂(C1)(融点64℃、重量平均分子量15,000)を得た。
・ポリエステル樹脂(C1):50部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製):2部
・イオン交換水:200部
上記の材料を120℃に加熱して、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理した。体積平均粒径が180nmになったところで回収し、固形分20%の樹脂粒子分散液(2)を得た。
・シアン顔料(PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製):10部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製):2部
・イオン交換水:80部
上記の材料を混合し、高圧衝撃式分散機(アルティマイザーHJP30006、(株)スギノマシン製)により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20%の着色剤粒子分散液(1)を得た。
・パラフィンワックス(HNP-9、日本精蝋(株)製):50部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製):2部
・イオン交換水:200部
上記の材料を120℃に加熱して、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理した。体積平均粒径が200nmになったところで回収し、固形分20%の離型剤粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(1):150部
・樹脂粒子分散液(2):50部
・着色剤粒子分散液(1):25部
・離型剤粒子分散液(1):35部
・ポリ塩化アルミニウム:0.4部
・イオン交換水:100部
上記の材料を丸型ステンレス製フラスコに投入し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて十分に混合分散した後、フラスコ内を撹拌しながら加熱用オイルバスで48℃まで加熱した。反応系内を48℃で60分間保持した後、樹脂粒子分散液(1)を緩やかに70部追加した。次いで、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを8.0に調整し、フラスコを密閉し撹拌軸のシールを磁力シールし、撹拌を継続しながら90℃まで加熱して30分間保持した。次いで、降温速度5℃/分で冷却し、固液分離し、イオン交換水で十分に洗浄した。次いで、固液分離し、30℃のイオン交換水に再分散し、回転速度300rpmで15分間撹拌し洗浄した。この洗浄操作を更に6回繰り返し、濾液のpHが7.54、電気伝導度が6.5μS/cmとなったところで固液分離し、真空乾燥を24時間継続して、体積平均粒径5.7μmのトナー粒子(1)を得た。
チタン酸ストロンチウム粒子(1)を0.5質量部添加した以外は、トナー(1)と同様の方法で作製して、トナー(2)を得た。
チタン酸ストロンチウム粒子(1)を2.0質量部添加した以外は、トナー(1)と同様の方法で作製して、トナー(3)を得た。
チタン酸ストロンチウム粒子(1)を0.25質量部添加した以外は、トナー(1)と同様の方法で作製して、トナー(4)を得た。
チタン酸ストロンチウム粒子(1)を2.5質量部添加した以外は、トナー(1)と同様の方法で作製して、トナー(5)を得た。
チタン酸ストロンチウム粒子(4)を1.0質量部添加した以外は、トナー(1)と同様の方法で作製して、トナー(7)を得た。
チタン酸ストロンチウム粒子(5)を1.0質量部添加した以外は、トナー(1)と同様の方法で作製して、トナー(8)を得た。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン80質量部、テレフタル酸25質量部、及びチタンテトラブトキシド0.5質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。その後、無水トリメリット酸2.0質量部を添加し、180℃で2時間反応させ、結着樹脂1を得た。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン70質量部、テレフタル酸25質量部、及びチタンテトラブトキシド0.6質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。その後、無水トリメリット酸7質量部を添加し、180℃で8時間反応させ、結着樹脂2を得た。
・結着樹脂1:60.0質量部
・結着樹脂2:60.0質量部
・フィッシャートロプシュワックス(示差走査熱量測定(DSC)最大吸熱ピーク76℃):7.0質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3:4.5質量部
・3,5-ジ-t-ブチルサリチル酸アルミニウム化合物:0.5質量部
上記の材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、日本コークス工業(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間15minで混合しトナー組成物を得た。次に、温度140℃に設定した二軸混練機(PCM-30型、(株)池貝製)にて混練し溶融混練物を得た。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、次に、機械式粉砕機(T-250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕し粉砕物を得た。
<静電荷像現像剤の作製>
キャリア(1)を100部と、トナー(1)を7部とをVブレンダーに仕込み、20分間撹拌した。その後、目開き212μmの篩で篩分して、現像剤を得た。
<静電荷像現像剤の作製>
実施例1と同様にして、表に記載のとおりに各現像剤を作製した。
-チタン酸ストロンチウム粒子の形状特性-
トナーについて、エネルギー分散型X線分析(EDX)装置((株)堀場製作所製、EMAX Evolution X-Max80mm2)を取り付けた走査型電子顕微鏡(SEM、(株)日立ハイテクノロジーズ製、S-4800)を用いて、倍率4万倍で画像を撮影した。EDX分析によって、Ti及びSrの存在に基づき一視野内からチタン酸ストロンチウムの一次粒子を300個以上特定した。SEMは、加速電圧15kV、エミッション電流20μA、WD15mmで観察し、EDX分析は、同条件で検出時間60分間とした。
特定したチタン酸ストロンチウム粒子を画像処理解析ソフトWinRoof(三谷商事(株)製)で解析し、一次粒子像それぞれの円相当径と面積と周囲長とを求め、更に、円形度=4π×(面積)÷(周囲長)2を求めた。そして、円相当径の分布において小径側から累積50%となる円相当径を平均一次粒径とし、円形度の分布において小さい側から累積50%となる円形度を平均円形度とし、円形度の分布において小さい側から累積84%となる円形度を累積84%円形度とした。また、円形度の分布から標準偏差も求めた。
求められた値を表1にまとめて示す。
トナー粒子に外添する前のチタン酸ストロンチウム粒子それぞれを試料として、既述の測定条件でX線回折法により結晶構造解析を行った。
いずれのチタン酸ストロンチウム粒子も、回折角度2θ=32°付近に、ペロブスカイト結晶の(110)面のピークに相当するピークを有しており、それぞれのピークの半値幅は0.2°以上0.5°以下の範囲であった。
外添剤を外添する前のトナー粒子を、フロー式粒子像解析装置(シスメックス(株)製、FPIA-3000)で解析し、円形度=(粒子投影像と同じ面積をもつ円の周囲長)÷(粒子投影像の周囲長)を求め、トナー粒子3,000個の円形度分布において小さい側から累積50%となる円形度を、トナー粒子の平均円形度とした。
200mLのガラス瓶に、0.2質量%トリトンX-100水溶液(Acros Organics社製)40mLと、トナー2gとを入れ、500回撹拌して分散させる。次いで、分散液の液温を20℃±0.5℃に保ちながら、超音波ホモジナイザー((株)日本精機製作所製、US-300AT)を用いて超音波を印加する。超音波印加は、印加時間:300秒間連続、出力:75W、振幅:180μm、超音波振動子と容器底面との距離:10mmとする。次いで、分散液を、小型高速冷却遠心機((株)佐久間製作所製、M201-IVD)を用いて冷却温度0℃にて3,000rpmで2分間遠心し、上澄み液を除去し、残りのスラリーを濾紙(アドバンテック東洋(株)製、定性濾紙No.5C、110nm)で濾過する。濾紙上の残留物をイオン交換水で2回洗浄し、乾燥させ、測定試料を得る。
<<初期濃度ムラ及びかぶり評価>>
22.5℃50%RHの環境下でDocuCentreColor400(富士ゼロックス(株)製)の改造機を用いて、A4サイズの普通紙(富士ゼロックス(株)製、C2紙)を使用し、画像濃度1%となるように長方形パッチを書いた画像サンプルを用いて500枚の画像を連続出力する試験を行った後に28℃90%RHの環境に変更した後に、翌日の朝一運転で日本画像学会テストチャート番号5-1を出力し画質を評価した。
連続印刷後、28℃90%RHの環境に変更した後の翌日の朝一に日本画像学会テストチャート番号5-1を5枚出力した際の非画像部、印刷後の機内汚染を目視官能評価した
A:画像上には非画像部の汚染は観察されず、画質に問題はない。
B:機内にトナー飛散が発生しているが、画質には問題ない。
C:画像上にわずかな非画像部の汚染が観察される。
D:画像上にはっきりとした非画像部の汚染が観察される。
日本画像学会テストチャート番号5-1を5枚出力し、ベタ画像のパッチ部の濃度を測定した。ΔEは以下のように算出した。
ΔE=(5枚中最大画像濃度)-(5枚中最小画像濃度)
なお、画像濃度(=(L*2+a*2+b*2)0.5)は、画像濃度計X-RITE938(X-RITE社製)にて測定した。
A:画像上の濃度ばらつきΔEは0.3未満で、目視では判断できず、画質に問題はない。
B:画像上の濃度ばらつきΔEは0.3以上0.5以下で、わずかなムラがあるが、画質に問題はないレベルであった。
C:画像上の濃度ばらつきΔEは0.5以上1.0以下で、わずかなムラが観察される。
D:画像上の濃度ばらつきΔEは1.0を超える値で、画像上にはっきりとした濃度ムラが観察される。
22.5℃50%RHの環境下でDocuCentreColor400(富士ゼロックス(株)製)の改造機を用いて、A4サイズの普通紙(富士ゼロックス(株)製、C2紙)を使用し、画像濃度1%となるように長方形パッチを書いた画像サンプルを用いて100,000枚の画像を10日間かけて出力する試験を行った。計100,000枚出力した後に28℃90%RHの環境に変更した後に、翌日の朝一運転で日本画像学会テストチャート番号5を出力し画質を評価した。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(像保持体クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
30 中間転写ベルトクリーニング装置(中間転写体クリーニング手段の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(像保持体クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (12)
- 芯材上に、下層としてシリコーン樹脂を含む層、及び、上層としてアクリル樹脂を含む層を有するキャリア、又は、シリコーン樹脂を含む芯材上に、アクリル樹脂を含む層を有するキャリアと、
平均一次粒径が20nm以上100nm以下であるチタン酸ストロンチウム粒子と、
トナーとを含み、
前記キャリア表面における前記シリコーン樹脂の露出率が、0.5面積%以上20面積%以下であり、
前記チタン酸ストロンチウム粒子の一次粒子の平均円形度が、0.82以上0.94以下である
静電荷像現像剤。 - 前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記トナーの被覆率換算で、10面積%以上40面積%以下である請求項1に記載の静電荷像現像剤。
- 前記トナーの被覆率換算における前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量(C(t)(面積%))と、前記キャリア表面における前記シリコーン樹脂の露出率(C(c)(面積%))との比(C(t)/C(c))の値が、0.5を超え45以下である請求項2に記載の静電荷像現像剤。
- 前記チタン酸ストロンチウム粒子の一次粒子の累積84%となる円形度が、0.92を超える請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤。
- 前記チタン酸ストロンチウム粒子のX線回折法により得られる(110)面のピーク半値幅が、0.2°以上2.0°以下である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤。
- 前記チタン酸ストロンチウム粒子が、ドーパントとしてLaを含む請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤。
- 前記チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径が、30nm以上80nm以下である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤。
- 前記チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径が、30nm以上60nm以下である請求項7に記載の静電荷像現像剤。
- 前記キャリアが、シリコーン樹脂を含む芯材上に、アクリル樹脂を含む層を有するキャリアである請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤。
- 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
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