JP6207386B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法などを利用した記録方法に用いられるトナーの製造方法に関する。
電子写真などに用いるトナーにおいては、トナーの帯電性、流動性を調節して良好な現像性、クリーニング性、転写性を得る目的で、様々な一次粒径の無機微粒子を外添することが一般的に知られている。
耐久試験(繰り返し使用試験)を行うことにより、無機微粒子はトナー粒子の表面に埋没し、狙いの効果が発現しにくくなることが多いため、耐久(繰り返し使用)を通して効果が発現するように添加量の増量などの調整が必要である。一方、無機微粒子の増量に伴い低温定着性を阻害してしまうことが知られている。このため、耐久性及び低温定着性の両立という観点では、トレードオフの関係にある。
このような課題に対し、特許文献1では、図1の如き、回転軸および該回転軸の表面に設けられている複数の撹拌羽根を有する撹拌部材と、該撹拌部材を収容している内周面が円筒状の容器と、該回転軸に回転駆動力を与えて該撹拌部材を該容器内において回転させるための駆動部と、を有し、該複数の撹拌羽根が該容器の内周面との間に間隙を有するように設けられている混合処理装置の該容器内に、トナー粒子と無機微粒子とを含む粒子混合物を投入し、該撹拌部材を回転させて、該粒子混合物の処理を行う外添混合処理装置が記載されている。
この装置を使用することにより、特許文献1では、トナー粒子への無機微粒子の被覆状態について制御することで、耐久性及び低温定着性の両立を達成している。加えて、静電的に凝集しやすい無機微粒子を解砕することが可能になり、無機微粒子を二次粒子としてではなく、一次粒子に近い状態としてトナー粒子に外添することが可能になる。
一方、さらに一次粒径の大きい無機微粒子を同時に用いることにより、その大きい方の無機微粒子のスペーサー効果により、小さい方の無機微粒子のトナー粒子への埋没を抑制出来ることが知られている。
特許文献2では、上述の装置を用いて、100nm以上1μm以下の粒子をトナー粒子の表面に固定できるトナーの製造方法が記載されている。
特許文献3では、上述の装置を用いた時の外添混合する際に消費される単位質量当りの電力量を規定したトナーの製造方法が記載されている。
しかし、上述の装置を用いて粒径の異なる無機微粒子を外添混合した場合、無機微粒子の凝集体が発生してしまうために、改善の余地がある。
特開2013−134433号公報 特開2012−63636号公報 特開2013−29790号公報
回転軸および該回転軸の表面に設けられている複数の撹拌羽根を有する撹拌部材と、該撹拌部材を収容している内周面が円筒状の容器と、該回転軸に回転駆動力を与えて該撹拌部材を該容器内において回転させるための駆動部と、を有し、該複数の撹拌羽根が該容器の内周面との間に隙間を有するように設けられている混合処理装置の該容器内に、トナー粒子と無機微粒子とを含む粒子混合物を投入し、該撹拌部材を回転させて、該粒子混合物の処理を行う外添混合方法において、複数の一次粒径の異なる無機微粒子を外添混合する際に、無機微粒子の凝集体の発生を抑制したトナーの外添混合する製造方法を提供することにある。さらに、耐久を通じて、現像ブレードへの無機微粒子による汚染を抑制できるトナーを提供することにある。さらに、耐久を通じて、低温定着性の変動の少ないトナーを提供することにある。
上述の混合処理装置を用いて外添混合する際に、一次粒子の個数平均粒径(D1)の異なる無機微粒子を用いて複数の事前外添工程(以下、「プレ外添工程」とも記載する)を行うことにより、無機微粒子の凝集体の発生を抑制できることを発見し、本発明に至った。
本発明は以下のとおりである。
トナー粒子、第一の無機微粒子および第二の無機微粒子を含み、
該トナー粒子に対する該第一の無機微粒子の遊離率が2%以上40%以下であり、
該トナー粒子に対する該第二の無機微粒子の遊離率が70%以上95%以下であり、
該第一の無機微粒子の含有量が0.1質量%以上3.0質量%以下であり、
該第二の無機微粒子の含有量が0.1質量%以上2.0質量%以下であり、
該第一の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をL1[nm]とし、該第二の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をL2[nm]としたとき、L1およびL2が2.5≦L1/L2≦50および5≦L2≦50を満たす
粒子混合物
を混合処理装置の容器内に投入し、該粒子混合物の処理を行う外添工程を有するトナーの製造方法であって、
該混合処理装置が、
回転軸および該回転軸の表面に設けられている複数の回転羽根を有する撹拌部材と、
該撹拌部材を収容している内周面が円筒状の容器と、
該回転軸に回転駆動力を与えて該撹拌部材を該容器内において回転させるための駆動部と、を有し、
該複数の撹拌羽根が、それぞれ、該容器の内周面との間に隙間を有するように設けられており、
該複数の撹拌羽根が、
該撹拌部材の回転によって、該容器内に投入された該粒子混合物を、該回転軸の軸方向の一方の向きに送るための第一の撹拌羽根と、
該回転軸の軸方向の他方の向きに送るための第二の撹拌羽根と、
を含む、ことを特徴とするトナーの製造方法。
本発明によれば、複数の一次粒径の異なる無機微粒子を外添混合する際に、無機微粒子の凝集体の発生を抑制したトナーの外添混合する製造方法を提供することが可能である。さらに、耐久を通じて、帯電部材への無機微粒子による汚染を抑制できるトナーを提供することが可能である。さらに、耐久を通じて、低温定着性の変動の少ないトナーを提供することが可能である
無機微粒子の外添混合に用いることができる混合処理装置の一例を示す模式図 混合処理装置に使用される攪拌部材の構成の一例を示す模式図 画像形成装置の一例を示す図
本発明は以下のとおりである。
トナー粒子、第一の無機微粒子および第二の無機微粒子を含み、
該トナー粒子に対する該第一の無機微粒子の遊離率が2%以上40%以下であり、
該トナー粒子に対する該第二の無機微粒子の遊離率が70%以上95%以下であり、
該第一の無機微粒子の含有量が0.1質量%以上3.0質量%以下であり、
該第二の無機微粒子の含有量が0.1質量%以上2.0質量%以下であり、
該第一の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をL1[nm]とし、該第二の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をL2[nm]としたとき、L1およびL2が2.5≦L1/L2≦50および5≦L2≦50を満たす
粒子混合物
を混合処理装置の容器内に投入し、該粒子混合物の処理を行う外添工程を有するトナーの製造方法であって、
該混合処理装置が、
回転軸および該回転軸の表面に設けられている複数の回転羽根を有する撹拌部材と、
該撹拌部材を収容している内周面が円筒状の容器と、
該回転軸に回転駆動力を与えて該撹拌部材を該容器内において回転させるための駆動部と、
を有し、
該複数の撹拌羽根が、それぞれ、該容器の内周面との間に隙間を有するように設けられており、
該複数の撹拌羽根が、
該撹拌部材の回転によって、該容器内に投入された該粒子混合物を、該回転軸の軸方向の一方の向きに送るための第一の撹拌羽根と、
該回転軸の軸方向の他方の向きに送るための第二の撹拌羽根と、
を含む
ことを特徴とするトナーの製造方法。
本発明においては、
該無機微粒子が、一次粒子の個数平均粒径(D1)が異なる第一の無機微粒子と第二の無機微粒子とを含み、
該無機微粒子に含まれる該第二の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をL2[nm]としたとき、該L2[nm]が、5nm以上50nm以下であり、
該第一の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をL1[nm]としたとき、該L1[nm]および該L2[nm]が、2.5≦L1/L2≦50、を満たす。
上述の混合処理装置を用いて外添混合する際、一次粒子の個数平均一次粒径が異なる無機微粒子を使用した場合に、比較的大きい第一の無機微粒子を主体とする「凝集体」が発生してしまう。この課題に対し、本発明者らが鋭意検討を行った結果、各無機微粒子の遊離率をあらかじめ制御した粒子混合物を用いて、上述の混合処理装置で外添混合することにより、凝集体の発生を大幅に抑制できることを見出した。
上述の混合処理装置は、該複数の撹拌羽根と該容器の内周面との間の間隙において、トナー粒子が摺擦を受けた際に、トナー粒子の激しい移動・回転等の摺擦により無機微粒子を解砕する。この解砕とともに、トナー粒子の表面への無機微粒子の埋没が起こり、外添混合が行われる。このような過程において、静電凝集等により二次粒子が発生しやすい無機微粒子を用いても、無機微粒子を解砕するとともにトナー粒子の表面への埋め込みを行うため、一次粒子に近い状態として、トナー粒子へ外添することが可能である。
このとき、一次粒子の個数平均粒径(D1)が異なる無機微粒子が存在する系においては、トナー粒子の無機微粒子を解砕する挙動と、その無機微粒子の中でも、比較的大きい第一の無機微粒子による最も小さい第二の無機微粒子を解砕する挙動が同時に発生する。後者は、無機微粒子が静電的に凝集している外添混合の初期から起こるため、第一の無機微粒子の凝集体に第二の無機微粒子が付着して複合体(凝集体)を形成する。
そして、この複合体は流動性が高くなっているために、トナー粒子の摺擦により解砕されにくく、外添混合を終了した時にも残存してしまう。複合体(凝集体)が発生してしまう無機微粒子の個数平均粒径(D1)の範囲は、L1[nm]および該L2[nm]が、2.5≦L1/L2≦50、を満たす場合である。
このような現象に対し、
該粒子混合物における該トナー粒子に対する該第一の無機微粒子の遊離率が、2%以上40%以下であり、
該粒子混合物における該トナー粒子に対する該第二の無機微粒子の遊離率が、70%以上95%以下である、
ように制御した該粒子混合物を用いて、上述の混合処理装置を用いて外添混合を行うことで複合体(凝集体)の発生を抑制することが可能である。
一方、第一の無機微粒子の遊離率をあらかじめ制御しない場合、及び、第一の無機微粒子の遊離率を40%より高く制御した粒子混合物を使用して上述の混合処理装置を用いて外添処理を行った場合、無機微粒子の凝集体が多く発生してしまう。
同様に、第二の無機微粒子の遊離率を95%より高く制御した粒子混合物を使用した場合、第二の無機微粒子が第一の無機微粒子の表面に静電的に付着し、トナー粒子の表面に埋没しつつある第一の無機微粒子を遊離させて、最終的には、複合体を形成してしまう。
第一の無機微粒子及び第二の無機微粒子の遊離率は、外添剤がトナー粒子にどの程度埋め込まれているかを判断する指標である。遊離率が低いほど、外添剤が埋没している状態を示す。遊離率の測定方法は、後述する。
本発明において、無機微粒子の凝集体を示す指標として、凝集体値を採用している。凝集体値が高いほど、無機微粒子の凝集体が多いことを示す。凝集体値の算出方法については、後述する。
本発明を用いて製造されるトナーは、耐久を通じて、現像ブレードへの無機微粒子による汚染を抑制できるトナーを提供することにある。さらに、耐久を通じて、低温定着性の変動の少ないトナーを提供することにある。
本発明を用いて製造されるトナーは無機微粒子の凝集体の発生を抑制することが可能である。無機微粒子の凝集体は、トナー粒子の表面にほとんど固定されていないため、トナー粒子の表面から脱離し、耐久試験を通じて、現像ブレードへ付着し続けて、汚染してしまう。本発明を用いて製造されるトナーは、無機微粒子の凝集体の発生を抑制することが可能であるため、耐久を通じて、帯電部材への無機微粒子による汚染を抑制することができる。
本発明を用いて製造されるトナーは、耐久を通じて、低温定着性の変動の少ないトナーを提供することにある。本発明に用いる混合処理装置を用いて外添混合を行った場合、一次粒子の平均個数粒径が5nm以上50nm以下の第二の無機微粒子であっても、静電凝集による二次粒子を解砕し、一次粒子に近い状態としてトナー粒子の表面へ外添することが可能である。
逆に、二次粒子として存在する第二の無機微粒子が多い場合、耐久を通じて、トナー担持体と帯電ブレード間の摺擦により、トナー粒子の表面の第二の無機微粒子が解砕されてしまい、一次粒子になる。そして、第二の無機微粒子のトナー粒子の表面を被覆する面積が増加する。その結果、耐久前の第二の無機微粒子の被覆する面積に対し、耐久後半の被覆する面積が増加し、トナーの低温定着性が悪化してしまう。
一方、本発明を用いて製造されるトナーは、第二の無機微粒子を一次粒子に近い状態として外添することが可能であるため、耐久を通じて、第二の無機微粒子の被覆する面積の変動が少なく、低温定着性の変動が少ないトナーを提供することができる。
本発明における外添混合工程は、上述の混合処理装置を用いて行う本外添工程の前に、粒子混合物中の第一又は第二の無機微粒子の遊離率を制御するために、複数のプレ外添工程を行い、粒子混合物を得る。好ましいプレ外添工程の順序は、第一の無機微粒子を外添混合処理する第一の事前外添工程に次いで、第二の無機微粒子を外添混合処理する第二の事前外添工程を行う。
プレ外添工程に用いることが可能な装置としては、上述の混合処理装置の他に、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサーがあり、それぞれ好ましく用いられる。
また、各無機微粒子の遊離率を所望の範囲に制御するために、プレ外添混合工程を複数回に分けても良い。
図1は、本発明における本外添工程の際に用いる混合処理装置を示す模式図である。
当該混合処理装置は、トナー粒子と第一および第二の無機微粒子に対して、狭いクリアランス部において、シェアがかかる構成になっているために、第二の無機微粒子を二次粒子から一次粒子へとほぐしながら、トナー粒子の表面に付着させることができる。
さらに、後述するように、回転体の軸方向において、トナー粒子、第一および第二の無機微粒子が循環しやすく、固着が進む前に十分に均一混合されやすい点で、トナー粒子毎の第一又は第二の無機微粒子の付着量のムラを抑制することができる。
一方、図2は、上記混合処理装置に使用される攪拌部材の構成の一例を示す模式図である。以下、本発明に用いる混合処理装置について図1及び図2を用いて説明する。
第一又は第二の無機微粒子を外添混合する混合処理装置は、少なくとも複数の攪拌部材3が表面に設置された回転体2と、回転体を回転駆動する駆動部8と、攪拌部材3と間隙を有して設けられた本体ケーシング1とを有する。
本体ケーシング1の内周部と、撹拌部材3との間隙(クリアランス)は、トナー粒子に均一にシェアを与え、第二の無機微粒子を二次粒子から一次粒子へとほぐしながら、トナー粒子の表面に付着しやすくするために、一定かつ微小に保つことが好ましい。
また本装置は、本体ケーシング1の内周部(内周面)の径が、回転体2の外周部の径の2倍以下である。図1において、本体ケーシング1の内周部の径が、回転体2の外周部の径(回転体2から撹拌部材3を除いた胴体部の径)の1.7倍である例を示す。本体ケーシング1の内周部の径が、回転体2の外周部の径の2倍以下であると、トナー粒子に力が作用する処理空間が適度に限定されるため、二次粒子となっている第二の無機微粒子に十分に衝撃力が加わるようになる。
また、上記クリアランスは、本体ケーシングの大きさに応じて、調整することが好ましい。本体ケーシング1の内周部の径の、1%以上5%以下程度とすることで、無機微粒子に十分なシェアをかけることができる。具体的には、本体ケーシング1の内周部の径が300mm程度の場合は、クリアランス(隙間)を3mm以上15mm以下程度とすれば良い。
混合処理装置を用い、駆動部8によって回転体2を回転させ、混合処理装置中に投入されたトナー粒子と無機微粒子とを含む粒子混合物を攪拌、混合することで、トナー粒子の表面に無機微粒子を外添混合処理する。
図2に示すように、複数の撹拌部材3の少なくとも一部が、回転体2の回転に伴って、トナー粒子及び第一又は第二の無機微粒子を回転体の軸方向の一方向に送る送り用撹拌部材3aとして形成される。また、複数の撹拌部材3の少なくとも一部が、トナー粒子及び第一及び第二の無機微粒子を、回転体2の回転に伴って、回転体の軸方向の他方向に戻す戻し用撹拌部材3bとして形成されている。
ここで、図1のように、原料投入口5と製品排出口6が本体ケーシング1の両端部に設けられている場合には、原料投入口5から製品排出口6へ向かう方向(図1で右方向)を「送り方向」という。
すなわち、図2に示すように、送り用撹拌部材3aの板面は送り方向13にトナー粒子を送るように傾斜している。一方、撹拌部材3bの板面は戻り方向12にトナー粒子、第一第及び二の無機微粒子を送るように傾斜している。
これにより、送り方向13への送りと、戻り方向12への送りとを繰り返し行いながら、トナー粒子の表面に第一及び第二の無機微粒子の外添混合処理を行う。
また、撹拌部材3aと3bは、回転体2の円周方向に間隔を置いて配置した複数枚の部材が一組となっている。図1に示す例では、撹拌部材3a、3bが回転体2に互いに180度の間隔で2枚の部材が一組をなしているが、120度の間隔で3枚、あるいは90度の間隔で4枚、というように多数の部材を一組としてもよい。
図2に示す例では、撹拌部材3aと3bは等間隔で、計12枚形成されている。
さらに、図2において、Dは撹拌部材の幅、dは撹拌部材の重なり部分を示す間隔を示す。トナー粒子及び無機微粒子を、送り方向と戻り方向に効率よく送る観点から、図2における回転体2の長さに対して、Dは20%以上、30%以下程度の幅であることが好ましい。図2においては、23%である例を示す。さらに撹拌部材3aと3bは撹拌部材3aの端部位置から垂直方向に延長線を引いた場合、撹拌部材3bと撹拌部材の重なり部分dをある程度有することが好ましい。
これにより、二次粒子となっている第二の無機微粒子に効率的にシェアをかけることが可能である。Dに対するdは、10%以上、30%以下であることがシェアをかける点で好ましい。
なお、羽根の形状に関しては、図2に示すような形状以外にも、送り方向及び戻り方向にトナー粒子を送ることができ、クリアランスを維持することができれば、曲面を有する形状や先端羽根部分が棒状アームで回転体2に結合されたパドル構造であってもよい。
以下、図1及び図2に示す装置の模式図に従って、本発明をさらに詳細に説明する。
図1に示す装置は、少なくとも複数の攪拌部材3が表面に設置された回転体2と、回転体2を回転駆動する駆動部8と、攪拌部材3と間隙を有して設けられた本体ケーシング1を有する。さらに、本体ケーシング1の内側及び回転体端部側面10にあって、冷熱媒体を流すことのできるジャケット4を有している。
さらに、図1に示す装置は、本体ケーシング1上部に形成された原料投入口5、および本体ケーシング1下部に形成された製品排出口6を有している。原料投入口5は、粒子混合物又はトナー粒子及び第一及び第二の無機微粒子等を導入するために使用され、製品排出口6は、外添混合処理されたトナーを本体ケーシング1から外に排出するために使用される。
さらに、図1に示す装置は、原料投入口5内に、原料投入口用インナーピース16が挿入されており、製品排出口6内に、製品排出口用インナーピース17が挿入されている。
本発明においては、まず、原料投入口5から原料投入口用インナーピース16を取り出し、粒子混合物を原料投入口5より処理空間9に投入し、原料投入口用インナーピース16を挿入する。次に、駆動部8により回転体2を回転させ(11は回転方向を示す)、上記で投入した粒子混合物を、回転体2表面に複数設けられた撹拌部材3により撹拌、混合しながら外添混合処理する。
プレ外添工程において、当該混合処理装置を用いる場合、上述の粒子混合物の代わりに、トナー粒子を原材料投入口5より処理空間9に投入し、次いで、第一及び/又は第二の無機微粒子を原材料投入口5より処理空間9に投入すればよい。
本外添工程の混合処理条件として、撹拌部材3の周速Vが6.0m/秒以上17.0m/秒以下に制御されることが無機微粒子のトナーの表面上への拡散性の観点で好ましい。また、撹拌部材3の周速Vは7.0m/秒以上14.0m/秒以下であることがより好ましく、8.0m/秒以上11.0m/秒以下であることがさらに好ましい。
処理時間としては、特に限定されないが、好ましくは、3分以上10分以下である。処理時間が3分以上長くする場合、無機微粒子の二次粒子を解砕しやすくなり、10分以下にすることで、装置の昇温を抑制しやすくなる。
さらに、本発明において本外添工程の前に、上述の混合処理装置を用い、本外添工程よりも遅い周速でプレ本外添を行うことが好ましい。上述の外添工程を行うことにより、第一又は第二の無機微粒子がトナー粒子の表面上でより均一分散される。
上述の外添工程条件として、撹拌部材3の周速Vが0.5m/秒以上4.0m/秒以下とし、処理時間を0.5分以上、1.5分以下とすることが好ましい。上述の外添工程条件として、0.5m/秒より低い周速、或いは処理時間が0.5分より短い場合には、十分な均一混合がなされにくい。一方、4.0m/秒より周速が速い場合、第一又は第二の無機微粒子が凝集したまま、トナー粒子の表面にそれらの無機微粒子が埋め込まれてしまい、本発明による効果を得られない。
一例として挙げる本外添工程の順序としては、事前外添工程を経た粒子混合物を、上述の混合処理装置を用いて、プレ本外添工程を行い、次いで、本外添工程を行う。
なお、均一分散を目的として行うプレ本外添工程と、第二の無機微粒子の遊離率を制御する目的として行う第二の事前外添工程と同一としてもよい。その際、均一分散の目的を達成できる上述の混合処理装置を用いて第二の事前外添工程を行う必要がある。
本発明において、混合処理装置の容器に投入する粒子混合物の体積は、前記容器の処理空間の内容積100%に対して、5%以上95%以下であることが好ましい。投入する粒子混合物の体積が5%未満であると、処理空間に占める粒子混合物の量が少なすぎて、撹拌部材に当たった粉体が逃げやすくなり、粒子混合物に強い力が作用しない。また、投入する粒子混合物の体積が95%を超えると、処理空間に占める粒子混合物の量が大きくなりすぎて、粒子混合物内に存在するトナー粒子と無機微粒子の移動が抑制され、不均一な混合になりやすい。
外添混合処理終了後、製品排出口6内の、製品排出口用インナーピース17を取り出し、駆動部8により回転体2を回転させ、製品排出口6からトナーを排出する。得られたトナーを、必要に応じて円形振動篩機等の篩機で粗粒等を分離し、トナーを得る。
該無機微粒子に含まれる該第二の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をL2[nm]としたとき、該L2[nm]が、5nm以上50nm以下であり、
該第一の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をL1[nm]としたとき、該L1[nm]および該L2[nm]が、2.5≦L1/L2≦50、を満たす。
該L2[nm]が5nm以上50nm以下にすることで、十分な流動性及び帯電性をトナーに付与することができる。該L1[nm]が、2.5≦L1/L2≦50を満たすことで、耐久を通じて該第二の無機微粒子のトナー粒子の表面への埋没を抑制することができる。
無機微粒子を3種類以上を用いる場合、該L2[nm]が5nm以上50nm以下である第二の無機微粒子に対し、該L1[nm]および該L2[nm]が、2.5≦L1/L2≦50、を満たす複数の第一の無機微粒子および第二の無機微粒子の遊離率を、本発明の範囲に制御する必要がある。一方、該L2[nm]に対する一次粒子の個数平均粒径(D1)が2.5未満である無機微粒子は、凝集体を形成しないため、この無機微粒子の遊離率の制御をする必要はない。
本発明に用いることが出来る第一又は第二の無機微粒子としてはシリカ微粒子、チタニア微粒子、アルミナ微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子等が挙げられ、それら微粒子の表面に疎水化処理を施したものも好適に用いる事が出来る。
本発明に用いる第一又は第二の無機微粒子は、疎水化処理を施したものであることが好ましい。
上記疎水化処理の方法としては、有機ケイ素化合物、シリコーンオイル、長鎖脂肪酸等で処理する方法が挙げられる。
第二の無機微粒子としては、シリカ微粒子であることが好ましい。その理由としては、帯電性付与及び流動性付与の点でシリカが最も優れており、これによりトナーの帯電の立ち上がりが素早くなるためである。
第一の無機微粒子としては、チタン酸ストロンチム微粒子であることが好ましい。その理由としては、帯電性付与、流動性付与、スペーサー効果付与という点でのバランスの調整が容易であるためである。
本発明に用いる第二の無機微粒子としてシリカ微粒子使用した場合、そのシリカ微粒子の見掛け密度が15g/L以上45g/L以下であることが好ましい。より好ましくは、15g/L以上40g/L以下である。見掛け密度は、シリカ微粒子の二次粒子の量に影響する。具体的には、見掛け密度が45g/L以下であるということは、シリカ微粒子の二次粒子の量が少ないことを示す。このため、本発明を用いて得られるトナーにおいて、トナー粒子の表面に外添されているシリカ微粒子の二次粒子が非常に少なくなり、耐久を通じて、低温定着性の変動が少なくなる。
シリカ微粒子の見掛け密度を45g/L以下に制御する手段としては、シリカ微粒子を製造する工程において、解砕処理を行うことで、シリカ微粒子に含有される比較的大きな凝集体を解砕することができ、見掛け密度を低下させることが可能である。
該粒子混合物は、該第一の無機微粒子の含有量を、0.1質量%以上3.0質量%以下含有し、
該粒子混合物は、該第二の無機微粒子の含有量を、0.1質量%以上2.0質量%以下含有する。
第一又は第二の無機微粒子の含有量を上記範囲に制御することで、良好な流動性、帯電性をトナーに付与することができ、さらには、耐久を通じて、良好な現像性を得ることが可能である。
第一の無機微粒子の含有量の好ましい範囲は、0.2質量%以上1.4質量%以下であり、該第二の無機微粒子の含有量の好ましい範囲は、0.2質量%以上2.0質量%以下である。
該粒子混合物における該トナー粒子に対する該第一の無機微粒子の遊離率が、2%以上40%以下であり、
該粒子混合物における該トナー粒子に対する該第二の無機微粒子の遊離率が、70%以上95%以下である。
第一又は第二の無機微粒子の遊離率を上記の範囲にそれぞれ制御することにより、無機微粒子の複合体(凝集体)の発生を抑制したトナーを得ることが可能になる。
第一の無機微粒子の遊離率の好ましい範囲は、5%以上30%以下である。第二の無機微粒子の好ましい範囲は、70%以上90%以下である。
本発明に係るトナー粒子は、現像性や定着性のバランスの観点から、重量平均粒径(D4)が、5.0μm以上、10.0μm以下であることが好ましく、より好ましく5.5μm以上、9.5μm以下である。
本発明において係るトナー粒子は結着樹脂を含有する。結着樹脂としては、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。特に限定されずこれら従来公知の樹脂を用いることができる。なかでも帯電性と定着性の両立の観点から、ポリエステル樹脂もしくはビニル系樹脂を含有することが好ましい。
また、結着樹脂にはビニル系樹脂を含有させてもよい。
ビニル系樹脂を生成する為の重合性単量体(ビニル系モノマー)としては、次の様なものが挙げられる。
スチレン及びその誘導体、スチレン不飽和モノオレフィン類、不飽和ポリエン類、ハロゲン化ビニル類、ビニルエステル類、α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、アクリル酸エステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、N−ビニル化合物、アクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
さらに、不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸無水物、不飽和二塩基酸のハーフエステル、不飽和二塩基酸エステル、α,β−不飽和酸、α,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルなどのカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
さらに、アクリル酸またはメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンなどのヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明において係るトナー粒子は、結着樹脂のビニル系樹脂は、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有してもよい。
本発明に係る結着樹脂は、低温定着性と保存性の両立がしやすいという観点から、ガラス転移温度(Tg)が、通常45℃以上、70℃以下、好ましくは50℃以上、70℃以下である。
Tgが45℃未満の場合には、保存性が悪化しやすい傾向にある。また、Tgが70℃より高い場合には、低温定着性が悪化しやすい傾向にある。
本発明において係るトナー粒子は、着色剤を含有する。
本発明に好ましく使用される着色剤として、以下のものが挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。
縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、
塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、上記イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤、及びシアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
着色剤を用いる場合、好ましくは重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し1質量部以上、20質量部以下添加して用いられる。
本発明において係るトナー粒子は、磁性体を含有させることも可能である。本発明において、磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。
本発明に用いられる磁性体は、四三酸化鉄やγ−酸化鉄などを主成分とするものであり、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウムなどの元素を含んでもよい。磁性体の形状としては、多面体、8面体、6面体、球形、針状、燐片状などがあるが、多面体、8面体、6面体、球形等の異方性の少ないものが、画像濃度を高める上で好ましい。本発明における磁性体の含有量は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対して、50質量部以上、150質量部以下であることが好ましい。
本発明において係るトナー粒子は、ワックスを含有することが好ましい。該ワックスとして、炭化水素系ワックスを含むことが好ましい。その他のワックスとして、以下のものが挙げられる。アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、ケトンワックス、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物などの誘導体。必要に応じて2種以上のワックスを併用しても良い。
その中でも、フィッシャートロプシュ法による炭化水素系ワックスを使用した場合、現像性を長期にわたり良好に維持した上で、耐高温オフセット性を良好に保ち得る。なお、これらの炭化水素系ワックスには、トナーの帯電性に影響を与えない範囲で酸化防止剤が添加されていてもよい。
ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、4.0質量部以上、30.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは4.0質量部以上、28.0質量部以下である。
本発明において係るトナー粒子は、必要に応じて荷電制御剤をトナー粒子に含有させることも可能である。荷電制御剤を配合することにより、荷電特性を安定化し、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールが可能となる。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
本発明において係るトナー粒子は、荷電制御剤を単独で或いは2種類以上組み合わせて含有することができる。
荷電制御剤の配合量は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対して、0.3質量部以上、10.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上、8.0質量部以下である。
本発明において係るトナー粒子の平均円形度は、0.960以上であることが好ましく、0.970以上であることがより好ましい。トナー粒子の平均円形度が0.970以上の場合、トナーの形状が球形又はこれに近い形となり、無機微粒子の複合体(凝集体)の発生を抑制しやすくなる。さらに、本発明を用いて製造したトナーとしても、流動性に優れ均一な摩擦帯電性を得られやすくなるため、好ましい。
後述する水系媒体中でのトナー粒子の製造により、平均円形度を上記範囲に制御することが容易になる。粉砕法によるトナー粒子の製造の場合は、熱球形化処理や、表面改質及び微粉除去を行うことで、上記範囲に制御することが容易になる。
<トナー粒子の製造方法>
以下に、本発明に用いるトナー粒子の製造方法について例示するが、これに限定されるわけではない。
トナー粒子の製造方法は、特に限定されず、公知の方法によって製造することができる。
トナー粒子を粉砕法により製造する場合は、例えば、結着樹脂及び着色剤、並びに、必要に応じてワックス等のその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー又はボールミル等の混合機により十分混合する。その後、加熱ロール、ニーダー、及びエクストルーダーなどの熱混練機を用いて溶融混練してトナー材料を分散又は溶解し、冷却固化、粉砕後、分級、必要に応じて表面処理を行ってトナー粒子を得る。分級及び表面処理の順序はどちらが先でもよい。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
上記粉砕には、機械衝撃式、ジェット式等の公知の粉砕装置を用いた方法により行うことができる。また、本発明の好ましい平均円形度を有するトナー粒子を得るためには、さらに熱をかけて粉砕したり、補助的に機械的衝撃力を加える処理を行ったりすることが好ましい。また、微粉砕(必要に応じて分級)されたトナー粒子を熱水中に分散させる湯浴法、熱気流中を通過させる方法などを用いても良い。
機械的衝撃力を加える手段としては、例えば川崎重工(株)製のクリプトロンシステムやターボ工業社製のターボミル等の機械衝撃式粉砕機を用いる方法が挙げられる。また、ホソカワミクロン(株)製のメカノフージョンシステムや奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステム等の装置のように、圧縮力、摩擦力等の力によりトナー粒子に機械的衝撃力を加える方法が挙げられる。
本発明に用いられるトナー粒子は、分散重合法、会合凝集法、溶解懸濁法、及び懸濁重合法などの水系媒体中で製造されたものであることが好ましく、懸濁重合法で製造されたものであることが、より好ましい。水系媒体中での製造の場合、例えば、重合性単量体、着色剤を含有する重合性単量体組成物を、水系媒体中に分散して造粒し、造粒された粒子中に含有される重合性単量体を重合して、トナー粒子を得ることができる。
懸濁重合法においては、まず、重合性単量体及び着色剤、並びに、必要に応じて重合開始剤、架橋剤及び荷電制御剤などのその他の添加剤を、均一に溶解又は分散させて重合性単量体組成物を得る。その後、この重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に適当な撹拌器を用いて分散後、重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合し、所望の粒径を有するトナー粒子を得るものである。
この懸濁重合法で得られるトナー粒子は、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っているため、所定の平均円形度を満たしやすい。また、トナー粒子の帯電量の分布も比較的均一となるために好ましい。
重合性単量体組成物を構成する重合性単量体としては、上記ビニル系モノマーとして例示した物の他、公知のものが使用できる。その中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独で、或いは他の重合性単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
本発明において、上記懸濁重合法に使用される重合開始剤としては、重合反応時における半減期が0.5時間以上、30.0時間以下であるものが好ましい。また、重合開始剤の添加量は重合性単量体100質量部に対して0.5質量部以上、20.0質量部以下であることが好ましい。
具体的な重合開始剤例としては、上記のものや、アゾ系又はジアゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤等が好ましい。
上記懸濁重合法において、重合反応時に上記架橋剤を添加しても良く、好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.1質量部以上、10.0質量部以下である。
ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が好ましい。例えば、前述のように、芳香族ジビニル化合物、二重結合を2個有するカルボン酸エステル、ジビニル化合物、及び3個以上のビニル基を有する化合物が好ましい。これらを単独で、又は2種以上の混合物として用いることができる。
以下、具体的に懸濁重合法によるトナー粒子の製造を説明するが、これに限定されるわけではない。まず、上述の重合性単量体及び着色剤等を適宜加えて、ホモジナイザー、ボールミル、超音波分散機等の分散機に依って均一に溶解又は分散させた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁して造粒する。このとき、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得られるトナー粒子の粒径がシャープになる。
重合開始剤添加の時期としては、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時に同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体又は溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持されかつ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行なえば良い。
上記分散安定剤として公知の界面活性剤、有機分散剤又は無機分散剤が使用できる。中でも無機分散剤は、有害な超微粉を生じにくく、その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を変化させても安定性が崩れにくく、洗浄も容易でトナー粒子に悪影響を与えにくいため、好ましく使用できる。
こうした無機分散剤の例としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、ヒドロキシアパタイト等のリン酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物が挙げられる。
これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.20質量部以上、20.00質量部以下の量を用いる事が好ましい。また、上記分散安定剤は単独で用いても良いし、複数種を併用してもよい。さらに、重合性単量体100質量部に対して、0.0001質量部以上、0.1000質量部以下の界面活性剤を併用しても良い。
上記重合性単量体の重合反応における、重合温度は40℃以上、一般には50℃以上、90℃以下の温度に設定される。
上記重合性単量体の重合終了後、得られた重合体粒子を公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥することによりトナー粒子が得られる。このトナー粒子に、無機微粒子を外添混合してトナー粒子の表面に付着させることで、本発明のトナーを得る。
また、製造工程(無機微粒子の混合前)に分級工程を入れ、トナー粒子中に含まれる粗粉や微粉を除去することも可能である。
次に、本発明のトナーを好適に用いることのできる画像形成装置の一例を図3に沿って具体的に説明する。図3において、100は静電潜像担持体(以下、感光体とも呼ぶ)であり、その周囲にローラー形状の帯電部材(帯電ローラー)117、トナー担持体102を有する現像器140、ローラー形状の転写部材(転写ローラー)114、クリーナー容器116、定着器126、ピックアップローラー124等が設けられている。
静電潜像担持体100は帯電ローラー117によって帯電される。そして、レーザー発生装置121によりレーザー光123を静電潜像担持体100に照射することによって露光が行われ、目的の画像に対応した静電潜像が形成される。静電潜像担持体100上の静電潜像は現像器140によって一成分トナーで現像されてトナー画像を得、トナー画像は転写材を介して静電潜像担持体に当接された転写ローラー114により転写材上へ転写される。
トナー画像を載せた転写材は定着器126へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部静電潜像担持体上に残されたトナーはクリーニングブレードによりかき落とされ、クリーナー容器116に収納される。
次に、本発明に係る各物性の測定方法に関して記載する。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する(トナー粒子の場合も同様に算出する)。測定装置としては、100μmのアパーチャチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャのフラッシュ」機能により、アパーチャチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上、40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<第一又は第二の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)の測定方法>
第一又は第二の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影され、算出される。S−4800の画像撮影条件は以下のとおりである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上に第一又は第二の無機微粒子を吹きつける。さらにエアブローして、余分な第一又は第二の無機微粒子を試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(2)S−4800観察条件設定
第一又は第二の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)の算出は、S−4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は二次電子像と比べてのチャージアップが少ないため、粒径を精度良く測定することが出来る。
S−4800の筺体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PCSTEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。
フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20〜40μAであることを確認する。試料ホルダをS−4800筺体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[0.8kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]および[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。
同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)第一又は第二の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)の算出
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を100000(100k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。
次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作をさらに2度繰り返し、ピントを合わせる。
その後、300個の第一又は第二の無機微粒子について粒径を測定して、個数平均粒径(D1)を求める。ここで、第一又は第二の無機微粒子は凝集塊として存在するものもあるため、一次粒子と確認できるものの最大径を求め、得られた最大径を算術平均することによって、第一又は第二の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)を得る。
<第一又は第二の無機微粒子の遊離率の測定方法>
本発明における粒子混合物中の第一又は第二の無機微粒子の遊離率は、KM Shaker(いわき産業(株)製)と、蛍光X線分析装置 Axios(PANalytical製)及び測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いて蛍光X線の強度差により第一又は第二の無機微粒子の遊離率を求める。
具体的な測定法としては、以下のとおりである。
(1)粒子混合物をリング径22mm×16mm×5mmの塩ビリングに約1g載せ、プレス機にて100kgfで圧縮しサンプルを作製する。得られたサンプルを蛍光X線分析装置(Axios)で測定し、粒子混合物が含有する第一又は第二の無機微粒子の金属元素由来のネット強度を得る。
(2)トナー粒子に関しても(1)と同様に蛍光X線分析装置(Axios)で測定しておき、第一又は第二の無機微粒子に含まれる金属元素について、トナー粒子のみに由来するネット強度を得ておく。
(3)イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブに上記ショ糖濃厚液を20mLと、コンタミノンN(和光純薬工業(株)製)を4g入れ分散液を作製する。この分散液に粒子混合物1.0gを添加する。
遠心分離用チューブを下記条件で振盪する。振盪後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて3500rpm, 30分の条件で分離する。粒子混合物と水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナーをスパチュラ等で採取する。採取した粒子混合物水溶液を減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で12時間以上乾燥する。
乾燥して得られた試料を(1)と同様の塩ビリングに約1g載せ、プレス機にて100kgfで圧縮しサンプルを作製する。得られたサンプルを蛍光X線分析装置(Axios)で測定し、分散液で振盪した後の試料に含有される第一又は第二の無機微粒子のネット強度を得る。
なお、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は10mm、測定時間300秒とする。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。
第一又は第二の無機微粒子の遊離率は、分散液による振盪前後の第一又は第二の無機微粒子の金属元素のKα線ネット強度(KCPS)を測定して、下記式より求める。
第一又は第二の無機微粒子の遊離率(%)={(B−T)−(A−T)}/(B−T)×100
A:分散液による振盪後のトナーにおける第一又は第二の無機微粒子の金属元素のネット強度
B:分散液による振盪前のトナーにおける第一又は第二の無機微粒子の金属元素のネット強度
T:粒子混合物のネット強度
なお、第一又は第二の無機微粒子に含有される元素が同一の場合、粒子混合物中のそれぞれの遊離率の算出が上述の手法では困難である。この場合、いずれかの無機微粒子のみを使用して粒子混合物を製造することにより、複数の無機微粒子を使用して得た粒子混合物中の遊離率を算出することが可能である。
[振盪装置/条件]
装置:KM Shaker(いわき産業(株)製)
model:V.SX
振盪条件:speedを50に設定し、2分間振盪
<第一の無機微粒子の凝集体値の算出>
本発明における第一の無機微粒子の凝集体値の算出は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナーの表面画像を、目視により解析して算出する。S−4800の画像撮影条件は以下のとおりである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台φ15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(2)S−4800観察条件設定
凝集体値の算出は、S−4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は二次電子像と比べて無機微粒子のチャージアップが少ないため、凝集体値を精度良く測定することが出来る。
S−4800の鏡体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PC−SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。
フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20〜40Aであることを確認する。試料ホルダをS−4800鏡体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[0.8kV]、エミッション電流を[20A]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]および[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。
同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)第一の無機微粒子の凝集体数の計測
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を10k倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。
次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作をさらに2度繰り返し、ピントを合わせる。
その後、トナー100個について第一の無機微粒子の凝集体数の計測を行った。第一の無機微粒子の中で、4個以上の粒子が凝集している凝集体数を計測した。そして、トナー1個当りの凝集体数を、凝集体値とした。
<トナー粒子の平均円形度の測定方法>
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下のとおりである。まず、ガラス製の容器中にあらかじめ不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。さらに測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。
その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」((株)ヴェルヴォクリーア製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、対物レンズとして「UPlanApro」(倍率10倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス(株)製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本発明においては、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像測定装置を使用する。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行う。
フロー式粒子像測定装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。
フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512画素の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度は、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200〜1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
<無機微粒子の見掛け密度の測定方法>
無機微粒子の見掛け密度の測定は、100mLのメスシリンダーに、紙の上にのせた測定試料をゆっくり加えて100mLになるようにし、試料を加える前と後のメスシリンダーの質量差を求め次式によって算出する。なお、試料をメスシリンダーに加える場合、紙を叩いたりしないよう注意する。
見掛け密度(g/L)=(100mL投入した時点の質量(g))/0.1
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は何らこれに制約されるものではない。なお、実施例及び比較例の部数及び%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<磁性体1の製造例>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.00から1.10当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対しリン元素換算で0.12質量%となる量のP、鉄元素に対してケイ素元素換算で0.60質量%となる量のSiOを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを8.0とし、空気を吹き込みながら温度85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.90から1.20当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH7.6に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。濾過、洗浄した後、この含水スラリー液を一旦取り出した。このとき、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。
次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に投入し、撹拌すると共にスラリーを循環させながらピンミルにて再分散させ、再分散液のpHを約4.8に調整した。そして、撹拌しながらn−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤を磁性酸化鉄100質量部に対し1.7質量部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、加水分解を行った。
その後、撹拌を十分行い、分散液のpHを8.6にして表面処理を行った。生成した疎水性磁性体をフィルタープレスにて濾過し、多量の水で洗浄した後に温度100℃で15分、90℃で30分乾燥し、得られた粒子を解砕処理して体積平均粒径が0.23μmの磁性体1を得た。
<ポリエステル樹脂1の製造例>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、下記成分を入れ、温度230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド2モル付加物 75質量部
・ビスフェノールA プロピレンオキサイド3モル付加物 25質量部
・テレフタル酸 110質量部
・チタン系触媒 0.25質量部
(チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート))
次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2mgKOH/g以下になった時点で温度180℃に冷却し、無水トリメリット酸8質量部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕してポリエステル樹脂1を得た。得られたポリエステル樹脂1は、ゲルパーミェーションクロマトグラフィ(GPC)で測定されたメインピーク分子量(Mp)が9500であった。
<トナー粒子1の製造例>
イオン交換水720質量部に0.1M−NaPO水溶液450質量部を投入して温度60℃に加温した後、1.0M−CaCl水溶液67.7質量部を添加して、分散安定剤を含む水系媒体を得た。
・スチレン 78.0質量部
・n−ブチルアクリレート 22.0質量部
・ジビニルベンゼン 0.6質量部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77:保土谷化学工業(株)) 2.0質量部
・磁性体1 90.0質量部
・ポリエステル樹脂1 3.0質量部
上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合して重合性単量体組成物を得た。得られた重合性単量体組成物を温度60℃に加温し、フィッシャートロプシュワックス(融点:74℃、数平均分子量Mn:500)15.0質量部を添加混合し、溶解した後に重合開始剤としてジラウロイルパーオキサイド7.0質量部を溶解し、トナー組成物を得た。
上記水系媒体中に上記トナー組成物を投入し、温度60℃、N雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて12500rpmで12分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度74℃で6時間反応させた。
反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えて洗浄した後に濾過・乾燥してトナー粒子1を得た。トナー粒子1の重量平均粒径(D4)は8.0μm、平均円形度は0.972であった。
<トナー粒子2の製造例>
・スチレンアクリル共重合体 100質量部
(スチレンとn−ブチルアクリレートの質量比が78.0:22.0、メインピーク分子量Mpが10000)
・磁性体1 90質量部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77:保土谷化学工業(株)) 2.0質量部
・フィッシャートロプシュワックス 4質量部
(融点:74℃、数平均分子量Mn:500)
上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、温度110℃に加熱された2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業社製;回転子および固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティング(めっき厚150μm、表面硬さHV1050))を用いて機械式粉砕(微粉砕)した。
得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業(株)製エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉を同時に分級除去して、トナー粒子2を得た。トナー粒子2の重量平均粒径(D4)は8.2μm、平均円形度は0.951であった。
<トナー1の製造例>
<プレ外添工程1>
ヘンシェルミキサー75型(三井三池化工機(株))を用いて、トナー粒子1を9.8kg、第一の無機微粒子として表1に記載の無機微粒子7 100gを用いて、プレ外添工程1を行った。
その時のヘンシェルミキサーFM75型の周速と運転時間は、それぞれ42.0m/秒、4分であった。
次に、装置より抜き取った全量、及び、第二の無機微粒子として表1に記載の無機微粒子1 100gを図1に示す装置に投入した。
<プレ外添工程2>
その後、プレ外添工程2を行い、粒子混合物(トナー粒子及び無機微粒子)を得た。その際の周速と運転時間は、それぞれ2.0m/秒、1分であった。
個数平均粒径(D1)が大きい無機微粒子を、第一の無機微粒子とした。
個数平均粒径(D1)が小さい無機微粒子を、第二の無機微粒子とした。
粒子混合物の総量は10kgであった。粒子混合物中の、第一の無機微粒子の含有量は1.0質量%であり、第二の無機微粒子の含有量も1.0質量%であった。
図1に示す装置内の粒子混合物を一部採取し、第一の無機微粒子及び第二の無機微粒子の遊離率を測定したところ、それぞれ20%、80%であった。
<本外添工程>
次に、図1に示す装置で、本外添工程を行った。その際の周速と運転時間は、それぞれ10.0m/秒、5分であった。
なお、図1に示す装置の構成としては、本体ケーシング1の内周部(内周面)の径が300mmであり、処理空間9の容積が3.3×10−2の装置を用い、駆動部8の定格動力を30kWとし、攪拌部材3の形状を図1のものとした。そして、図1における攪拌部材3aと攪拌部材3bの重なり幅dを攪拌部材3の最大幅Dに対して0.25Dとし、攪拌部材3と本体ケーシング1内周とのクリアランス(隙間)を6mmとした。すなわち、クリアランス(隙間)は容器の内周面の直径の2%とした。
<トナー2、4〜23の製造例>
トナー1の製造例において、トナー粒子、表1に記載の無機微粒子及びその部数、プレ外添工程1、プレ外添工程2、本外添工程の装置及び運転条件を表2に記載の内容に変更した以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー2、4〜23を製造した。
トナー1の製造例と同様に、粒子混合物(トナー粒子及び無機微粒子)の総量が10kgとなるようにトナー粒子の量を調整した。
このとき、個数平均粒径(D1)が小さい無機微粒子を第二の無機微粒子とし、大きい無機微粒子を第一の無機微粒子とした。その際の粒子混合物における第一の無機微粒子及び第二の無機微粒子の遊離率を表2に記載した。
<トナー3の製造例1>
ヘンシェルミキサー75型(三井三池化工機(株))を用いて、トナー粒子1を9.8kg、第一の無機微粒子の一つとして表1に記載の無機微粒子7 50gを用いて、プレ外添工程1−1を行った。その時のヘンシェルミキサーFM75型の周速と運転時間は、それぞれ42.0m/秒、2分であった。次いで、表1に記載の無機微粒子6 50gを用いて、プレ外添工程1−2を行った。その時のヘンシェルミキサーFM75型の周速と運転時間は、それぞれ42.0m/秒、1分であった。
次に、装置より抜き取った全量、及び、第二の無機微粒子として表1に記載の無機微粒子11 100gを図1に示す装置に投入した。その後、プレ外添工程2を行い、粒子混合物を得た。その際の周速と運転時間は、それぞれ2.0m/秒、1分であった。粒子混合物を一部採取し、第一の無機微粒子として用いた無機微粒子7の遊離率を測定したところ、20%であった。ここで、無機微粒子7に対しては、L1/L2が6であった。
<トナー3の製造例2>
第二の無機微粒子を投入しないこと以外はトナー3の製造例1と同様にして行った。無機微粒子6の遊離率を測定したところ、50%であった。
<トナー3の製造例3>
無機微粒子6を投入しないこと以外はトナー3の製造例1と同様にして行った。第二の無機微粒子である無機微粒子11の遊離率を測定したところ、80%であった。
<トナー3の製造例4>
トナー3の製造例1に続いて、図1に示す装置で、粒子混合物の本外添工程を行った。その際の周速と運転時間は、それぞれ10.0m/秒、5分であった。
なお、図1に示す装置の構成としては、本体ケーシング1の内周部の径が300mmであり、処理空間9の容積が3.3×10−2の装置を用い、駆動部8の定格動力を30kWとし、攪拌部材3の形状を図1のものとした。そして、図1における攪拌部材3aと攪拌部材3bの重なり幅dを攪拌部材3の最大幅Dに対して0.25Dとし、攪拌部材3と本体ケーシング1内周とのクリアランスを6mmとした。
<比較トナー1〜9の製造例>
トナー1の製造例において、トナー粒子、表1に記載の無機微粒子及びその部数、プレ外添工程1、プレ外添工程2、本外添工程の装置及び運転条件を表2に記載の内容に変更した以外は、トナー1の製造例と同様にして、比較トナー1〜9を製造した。
トナー1の製造例と同様に、粒子混合物(トナー粒子及び無機微粒子)の総量が10kgとなるようにトナー粒子の量を調整した。
その際の粒子混合物における第一の無機微粒子及び第二の無機微粒子の遊離率を表2に記載した。
なお、比較トナー1の製造においては、プレ外添工程1及びプレ外添工程2を行わなかった。比較トナー2、6〜9の製造においては、プレ外添工程2を行わなかった。比較トナー3の製造においては、プレ外添工程1を行わなかった。
Figure 0006207386
Figure 0006207386
HM:ヘンシェルミキサー、 図1:図1の装置。
<実施例1>
(第一の無機微粒子の凝集体数の計測)
トナー1のSEM観察を行い、凝集体値を計測した。その結果、凝集体の発生は0.1個/トナー1粒子であった。
(耐久評価)
画像形成装置として、LBP−6300(キヤノン(株)製)を用い、プロセススピードを約1.5倍の300mm/秒に改造した。 カートリッジには、現像スリーブとして、直径14mm径から直径10mm径スリーブを、また帯電ローラーとして、直径12mm径から直径8mm径の帯電ローラーをそれぞれ搭載させ、トナー充填部の容積を1.5倍に変更した改造カートリッジを用いた。
小径の現像スリーブを搭載した画像形成装置において、プロセススピードを上げることによって、トナー劣化による画像濃度、定着性の変動を厳しく評価できる。
この改造機を用いて、トナー1を使用し、高温高湿環境下(温度32.5℃/相対湿度80%RH)にて、初期のトナーのベタ濃度評価及び定着性評価を行った。その後、印字率が0.5%の横線を2枚間欠モードで15000枚画出し試験を行った。画出し試験中に、3000枚毎に現像ブレード融着の評価を行った。そして、15000枚画出しを終えた後、再びベタ濃度評価及び定着性評価を行った。評価結果を表3に示す。
本発明の実施例及び比較例で行った各評価の評価方法とその判断基準について以下に述べる。
<画像濃度>
画像濃度はベタ黒画像部を形成し、このベタ黒画像の濃度をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定した。
耐久使用初期のベタ黒画像の反射濃度と、15000枚耐久使用後のベタ黒画像の反射濃度が総合的に高いこと、及び、それらの差が小さいほど良好とした。
<現像ブレード融着の評価>
現像ブレード融着は、15000枚の耐久使用試験中、3000枚毎に現像ブレード及びハーフトーン画像を目視で観察し、下記評価基準に基づいて評価した。
A:現像ブレード、画像ともに欠陥は全く認められない。
B:12000枚目以降、現像ブレードに汚れが若干認められるが、画像には現れない。
C:9000枚目以降、現像ブレードに汚れが若干認められ、12000枚目以降には画像にも若干のスジが生じている。
D:9000枚目以降、現像ブレードに汚れが認められ、画像スジも目立ち始めている
E:6000枚目以降、現像ブレードの汚れが認められ、画像スジがはっきり生じているのが確認できる。
<定着性評価>
定着試験を以下の条件で行った。
メディアとしてはExtra80g紙を用い、ハーフトーン画像の画像濃度が0.6〜0.65となるように現像バイアスを設定した。次いで、定着器を室温まで冷却し、定着器のヒーター温度を設定し(以後、定着温度と呼ぶ)、通電したのち8秒後に画像を通紙し、定着させた。その後、50g/cmの加重をかけたシルボン紙で定着画像を10回摺擦し、摺擦後の定着画像の濃度低下率が10%となる温度を初期定着性悪化温度とした。
また、初期に対する、耐久試験後(15000枚時)の定着性悪化温度が小さいほど良好とした。
<実施例2〜23、比較例1〜9>
実施例2、4〜23として、トナー1の代わりにトナー2、4〜23を用いて、実施例1と同様に評価を行った。
実施例3として、トナー1の代わりにトナー3の製造例4を用いて、実施例1と同様に評価を行った。
比較例1〜9として、トナー1の代わりに比較トナー1〜9を用いて、実施例1と同様に評価を行った。
Figure 0006207386
Figure 0006207386
1:本体ケーシング、2:回転体、3、3a、3b:撹拌部材、4:ジャケット、5:原料投入口、6:製品排出口、7:中心軸、8:駆動部、9:処理空間、10:回転体端部側面、11:回転方向、12:戻り方向、13:送り方向、16:原料投入口用インナーピース、17:製品排出口用インナーピース、d:撹拌部材の重なり部分を示す間隔、D:撹拌部材の幅、100:静電潜像担持体(感光体)、102:トナー担持体、103:現像ブレード、114:転写部材(転写ローラー)、116:クリーナー容器、117:帯電部材(帯電ローラー)、121:レーザー発生装置(潜像形成手段、露光装置)、123:レーザー、124:ピックアップローラー、125:搬送ベルト、126:定着器、140:現像器、141:攪拌部材

Claims (9)

  1. トナー粒子、第一の無機微粒子および第二の無機微粒子を含み、
    該トナー粒子に対する該第一の無機微粒子の遊離率が2%以上40%以下であり、
    該トナー粒子に対する該第二の無機微粒子の遊離率が70%以上95%以下であり、
    該第一の無機微粒子の含有量が0.1質量%以上3.0質量%以下であり、
    該第二の無機微粒子の含有量が0.1質量%以上2.0質量%以下であり、
    該第一の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をL1[nm]とし、該第二の無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)をL2[nm]としたとき、L1およびL2が2.5≦L1/L2≦50および5≦L2≦50を満たす
    粒子混合物
    を混合処理装置の容器内に投入し、該粒子混合物の処理を行う外添工程を有するトナーの製造方法であって、
    該混合処理装置が、
    回転軸および該回転軸の表面に設けられている複数の回転羽根を有する撹拌部材と、
    該撹拌部材を収容している内周面が円筒状の容器と、
    該回転軸に回転駆動力を与えて該撹拌部材を該容器内において回転させるための駆動部と、
    を有し、
    該複数の撹拌羽根が、それぞれ、該容器の内周面との間に隙間を有するように設けられており、
    該複数の撹拌羽根が、
    該撹拌部材の回転によって、該容器内に投入された該粒子混合物を、該回転軸の軸方向の一方の向きに送るための第一の撹拌羽根と、
    該回転軸の軸方向の他方の向きに送るための第二の撹拌羽根と、
    を含む
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記隙間が、それぞれ、前記容器の内周面の直径の1%以上5%以下である請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記複数の撹拌羽根の周速Vが6.0m/秒以上17.0m/秒以下になるように前記撹拌部材を回転させて前記外添工程を行う請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記第二の無機微粒子の見掛け密度が、15g/L以上45g/L以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  5. 前記トナー粒子の平均円形度が、0.960以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  6. 前記トナー粒子が、水系媒体中で製造されたものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  7. 前記トナー粒子が、懸濁重合法で製造されたものである請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  8. 前記製造方法が、前記外添工程の前に、前記粒子混合物を調製する事前外添工程をさらに有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  9. 前記事前外添工程が、
    前記トナー粒子および前記第一の無機微粒子を含む第一の事前粒子混合物の処理を行う第一の事前外添工程と、
    前記第一の事前外添工程を経た前記第一の事前粒子混合物に前記第二の無機微粒子を加えて第二の事前粒子混合物を得て、該第二の事前粒子混合物の処理を行い、前記粒子混合物を得る第二の事前外添工程と、
    を含む請求項8に記載のトナーの製造方法。
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