JP7272475B2 - 静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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磁性粒子と前記磁性粒子を被覆する樹脂層とを有する樹脂被覆磁性粒子と、
一次粒子の平均円形度が0.82以上0.94以下で且つ累積84%となる円形度が0.92超であるチタン酸ストロンチウム粒子と、
を含む静電荷像現像用キャリア。
磁性粒子と前記磁性粒子を被覆する樹脂層とを有する樹脂被覆磁性粒子と、
X線回折法により得られる(110)面のピークの半値幅が0.2°以上2.0°以下であるチタン酸ストロンチウム粒子と、
を含む静電荷像現像用キャリア。
前記チタン酸ストロンチウム粒子が、ドーパントを含有するチタン酸ストロンチウム粒子である、[1]又は[2]に記載の静電荷像現像用キャリア。
前記チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径が10nm以上100nm以下である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリア。
前記チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径が15nm以上60nm以下である、[4]に記載の静電荷像現像用キャリア。
前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記樹脂被覆磁性粒子の質量に対して0.01質量%以上0.5質量%以下である、[1]~[5]のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリア。
前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記樹脂被覆磁性粒子の質量に対して0.02質量%以上0.08質量%以下である、[6]に記載の静電荷像現像用キャリア。
前記樹脂被覆磁性粒子の表面における前記磁性粒子の露出割合が2%以上20%以下である、[1]~[7]のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリア。
前記磁性粒子がフェライト粒子である、[1]~[8]のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリア。
前記フェライト粒子が、カルシウム酸化物及びストロンチウム酸化物から選ばれる少なくとも1種を含み、カルシウム元素及びストロンチウム元素の合計含有量が前記フェライト粒子全体に対して0.1質量%以上2.0質量%以下である、[9]に記載の静電荷像現像用キャリア。
前記フェライト粒子が、カルシウム酸化物を含み、カルシウム元素の含有量が前記フェライト粒子全体に対して0.2質量%以上2.0質量%以下である、[9]に記載の静電荷像現像用キャリア。
前記フェライト粒子が、ストロンチウム酸化物を含み、ストロンチウム元素の含有量が前記フェライト粒子全体に対して0.1質量%以上1.0質量%以下である、[9]に記載の静電荷像現像用キャリア。
静電荷像現像用トナーと、[1]~[12]のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリアと、を含む静電荷像現像剤。
[13]に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
[13]に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
[13]に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
第一の本実施形態に係るキャリアは、磁性粒子及び該磁性粒子を被覆する樹脂層を有する樹脂被覆磁性粒子と、チタン酸ストロンチウム粒子と、を含む。
第一の本実施形態に係るキャリアにおいてチタン酸ストロンチウム粒子は、一次粒子の平均円形度が0.82以上0.94以下で且つ累積84%となる円形度が0.92超である。
第一の本実施形態において、チタン酸ストロンチウム粒子の一次粒子が上記円形度であることは、チタン酸ストロンチウム粒子の形状が丸みを帯びた形状であることを意味する(詳細は後述する。)。
第二の本実施形態に係るキャリアにおいてチタン酸ストロンチウム粒子は、X線回折法により得られる(110)面のピークの半値幅が0.2°以上2.0°以下である。
第二の本実施形態において、チタン酸ストロンチウム粒子の(110)面のピークが上記半値幅であることは、チタン酸ストロンチウム粒子の形状が丸みを帯びた形状であることを意味する(詳細は後述する。)。
これに対して、丸みを帯びた形状のチタン酸ストロンチウム粒子は、樹脂被覆磁性粒子の表面を移動しやすく、均一性高く分散すると推測される。そして、樹脂被覆磁性粒子の表面に均一性高く分散したチタン酸ストロンチウム粒子により、キャリア表面が均一性高く、且つ、チタン酸ストロンチウム粒子の電気特性により比較的高く帯電するものと推測される。このキャリアによれば、現像器内でのトナーの低帯電が抑制され、その結果、かぶりが抑制されるものと推測される。
樹脂被覆磁性粒子は、磁性粒子と、磁性粒子を被覆する樹脂層とを有する。
磁性粒子は、特に限定されるものではなく、キャリアの芯材として用いられる公知の磁性粒子が適用される。磁性粒子として、具体的には、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属の粒子;フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物の粒子;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸磁性粒子;樹脂中に磁性粉が分散して配合された磁性粉分散樹脂粒子;などが挙げられる。
本実施形態においてフェライト粒子は、カルシウム酸化物及びストロンチウム酸化物から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。カルシウム酸化物及びストロンチウム酸化物はフェライト粒子の表面に含有されやすく、フェライト粒子の表面にカルシウム元素又はストロンチウム元素が存在すると、フェライト粒子から電荷が漏れることを抑制することにより、キャリア表面が比較的高く帯電するものと推測される。このキャリアによれば、現像器内でのトナーの低帯電が抑制され、その結果、かぶりがより抑制され、さらには細線再現性が良化する(例えば、細線の太り、つぶれ又はぼやけが抑制される)。本効果は、高濃度且つ高密度な単色の画像形成をより高速で繰り返した後に同じ色で密度の低い画像を形成した際に顕著である。
上記の観点から、カルシウム元素及びストロンチウム元素の合計含有量は、フェライト粒子全体に対して、0.1質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.2質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上1.2質量%以下が更に好ましい。
上記の観点から、カルシウム元素の含有量は、フェライト粒子全体に対して、0.2質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上1.0質量%以下が更に好ましい。
上記の観点から、ストロンチウム元素の含有量は、フェライト粒子全体に対して、0.1質量%以上1.0質量%以下が好ましく、0.4質量%以上1.0質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上0.8質量%以下が更に好ましい。
蛍光X線解析装置(島津製作所社製、XRF1500)を用いて、X線出力:40V/70mA、測定面積:直径10mm、測定時間:15分の条件で、定性及び定量分析を実施する。分析する元素は、定性分析で検出された元素をもとに選出する。主には、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、酸素(O)、炭素(C)が選ばれる。別途作成した検量線データを参照して、各元素の質量割合(%)を算出する。
磁性粒子の体積電気抵抗(Ω・cm)は以下のように測定する。20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象物を1mm以上3mm以下の厚さになるように平坦に載せ、層を形成する。この上に前記20cm2の電極板を載せて層を挟み込む。測定対象物間の空隙をなくすため、層上に配置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから層の厚み(cm)を測定する。層の上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取る。測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下記式に示す通りである。
R=E×20/(I-I0)/L
上記式中、Rは測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、I0は印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは層の厚み(cm)をそれぞれ表す。係数20は、電極板の面積(cm2)を表す。
樹脂層を構成する樹脂としては、スチレン・アクリル酸共重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等のポリビニル系又はポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性物;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素・ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂;などが挙げられる。
湿式製法において用いられる樹脂層形成用樹脂液は、樹脂及びその他の成分を溶剤に溶解又は分散させて調製する。溶剤としては、樹脂を溶解又は分散するものであれば特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;などが使用される。
対象となる樹脂被覆磁性粒子と、対象となる樹脂被覆磁性粒子から樹脂層を除いた磁性粒子を用意する。樹脂被覆磁性粒子から樹脂層を除く方法としては、例えば、有機溶剤で樹脂成分を溶解させて樹脂層を除去する方法、800℃程度の加熱により樹脂成分を消失させて樹脂層を除去する方法などが挙げられる。樹脂被覆磁性粒子と、樹脂層を除いた磁性粒子とをそれぞれ測定試料にして、XPSでFe(atomic%)を定量し、(樹脂被覆磁性粒子のFe)÷(磁性粒子のFe)×100を算出し、磁性粒子の露出割合(%)とする。
キャリアの体積平均粒径は、15μm以上510μm以下が好ましく、20μm以上180μm以下がより好ましく、25μm以上60μm以下が更に好ましい。
本実施形態においてチタン酸ストロンチウム粒子は、平均一次粒径が10nm以上100nm以下であることが好ましい。チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径が10nm以上であると、樹脂被覆磁性粒子の樹脂層への埋没が抑制され、樹脂被覆磁性粒子表面において均一性高く分散しやすい。チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径が100nm以下であると、樹脂被覆磁性粒子からの遊離が抑制され、チタン酸ストロンチウム粒子の電気特性によりキャリア表面を比較的高く帯電させる。
本実施形態においてチタン酸ストロンチウム粒子の一次粒子の円形度とは、4π×(一次粒子像の面積)÷(一次粒子像の周囲長)2であり、一次粒子の平均円形度とは、円形度の分布において小さい側から累積50%となる円形度であり、一次粒子の累積84%となる円形度とは、円形度の分布において小さい側から累積84%となる円形度である。チタン酸ストロンチウム粒子の円形度は、チタン酸ストロンチウム粒子を少なくとも300個画像解析して求める。
(a)SW-360の主たる粒子形状が立方体であること、
(b)立方体の投影像には円に近い順に、正六角形(円形度約0.907)、扁平な六角形、正方形(円形度約0.785)、長方形があること、
(c)立方体のチタン酸ストロンチウム粒子は樹脂粒子に角を立てて付着しており投影像は主として六角形になること、
の反映と考えられる。
SW-360の実際の円形度分布が前述のとおりであること及び立体の投影像の理論的な円形度からして、立方体又は直方体のチタン酸ストロンチウム粒子は、一次粒子の累積84%円形度が0.92を下回るものと推定できる。
一方、図1Bは、別のチタン酸ストロンチウム粒子を外添した樹脂粒子のSEM画像と、該SEM画像を解析して求めたチタン酸ストロンチウム粒子の円形度分布のグラフである。SEM画像が示すとおり、本例のチタン酸ストロンチウム粒子は、丸みを帯びた形状であった。本例のチタン酸ストロンチウム粒子は、平均円形度が0.883、累積84%円形度が0.935であった。
以上のことから、チタン酸ストロンチウム粒子について、一次粒子の累積84%円形度は、丸みを帯びた形状の指標の一つとなり、0.92超であると丸みを帯びた形状であると言える。
立方体又は直方体のチタン酸ストロンチウム粒子は、その形状に由来して、円形度の分布が狭くなる傾向にある。したがって、一次粒子の円形度の標準偏差が上記範囲であることは、立方体又は直方体を多く含むチタン酸ストロンチウム粒子ではないことを示す指標となる。
チタン酸ストロンチウム粒子のX線回折法により得られる(110)面のピークは、回折角度2θ=32°付近に現れるピークである。このピークは、ペロブスカイト結晶の(110)面のピークに相当する。
粒子形状が立方体又は直方体であるチタン酸ストロンチウム粒子は、ペロブスカイト結晶の結晶性が高く、(110)面のピークの半値幅は通常0.2°未満である。例えば、チタン工業社製のSW-350(主たる粒子形状が立方体であるチタン酸ストロンチウム粒子)を解析したところ、(110)面のピークの半値幅は0.15°であった。
一方、丸みを帯びた形状のチタン酸ストロンチウム粒子は、ペロブスカイト結晶の結晶性が相対的に低く、(110)面のピークの半値幅が拡がる。
本実施形態においてチタン酸ストロンチウム粒子は丸みを帯びた形状であることが好ましく、丸みを帯びた形状の指標の一つとして、(110)面のピークの半値幅は、0.2°以上2.0°以下が好ましく、0.2°以上1.0°以下がより好ましく、0.2°以上0.5°以下が更に好ましい。
つまり、ケイ素含有有機化合物による疎水化処理量は、チタン酸ストロンチウム粒子の質量に対して、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましく、5質量%以上30質量%以下が更に好ましく、10質量%以上25質量%以下が更に好ましい。
疎水化処理量が上記範囲であると、かぶりの発生を抑制しやすい。疎水化処理量が30質量%以下であると、疎水化処理された表面に起因する凝集体の発生が抑制される。
蛍光X線解析装置(島津製作所社製、XRF1500)を用いて、X線出力:40V/70mA、測定面積:直径10mm、測定時間:15分の条件で、定性及び定量分析を実施する。分析する元素は、酸素(O)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、ストロンチウム(Sr)、その他金属元素(Me)とし、別途作成した検量線データを参照して、各元素の質量割合(%)を算出する。この測定にて得られたケイ素(Si)の質量割合(%)とストロンチウム(Sr)の質量割合(%)から質量比Si/Srを算出する。
エレクトロメーター(KEYTHLEY社製、KEITHLEY610C)と高圧電源(FLUKE社製、FLUKE415B)とに接続された一対の20cm2の円形極板(鋼製)である測定治具の下部極板上に、チタン酸ストロンチウム粒子を、厚さ1mm以上2mm以下の範囲の平坦な層を形成するように入れる。次いで、温度22℃/相対湿度55%の環境下で24時間調湿する。次いで、温度22℃/相対湿度55%の環境下で、チタン酸ストロンチウム粒子層上に上部極板を配置し、チタン酸ストロンチウム粒子層内の空隙を除くために上部極板上に4kgの重しを乗せ、その状態でチタン酸ストロンチウム粒子層の厚さを測定する。次いで、両極板に1000Vの電圧を印加して電流値を測定し、下記式(1)から体積固有抵抗率Rを算出する。
式(1):体積固有抵抗率R(Ω・cm)=V×S÷(A1-A0)÷d
式(1)中、Vは印加電圧1000(V)、Sは極板面積20(cm2)、A1は測定電流値(A)、A0は印加電圧0Vのときの初期電流値(A)、dはチタン酸ストロンチウム粒子層の厚さ(cm)である。
測定試料20mgを温度22℃/相対湿度55%のチャンバーにて17時間静置し調湿した後、温度22℃/相対湿度55%の室内にて、熱天秤(島津製作所製TGA-50型)によりチッ素ガス雰囲気中にて30℃/分の温度上昇速度にて30℃から250℃まで加熱し、加熱減量(加熱によって失われた質量)を測定する。測定した加熱減量を元に以下の式にて含水率を算出する。
含水率(質量%)=(30℃から250℃における加熱減量)÷(調湿後加熱前の質量)×100
チタン酸ストロンチウム粒子は、チタン酸ストロンチウム粒子そのものであってもよく、チタン酸ストロンチウム粒子(母粒子ということがある。)の表面を疎水化処理した粒子でもよい。チタン酸ストロンチウム粒子(母粒子)の製造方法は、特に制限されないが、粒径及び形状を制御する観点から、湿式製法であることが好ましい。
本実施形態に係る現像剤は、トナーと、本実施形態に係るキャリアとを含む。
トナーとしては、特に制限はなく、公知のトナーが用いられる。例えば、結着樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子を含む着色トナーが挙げられ、着色剤の代わりに赤外線吸収剤を用いた赤外線吸収トナーも挙げられる。トナーは、離型剤や各種の内添剤、外添剤等を含んでいてもよい。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系等の染料;が挙げられる。
着色剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の公知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON-II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5質量%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。サンプリングする粒子数は50000個である。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量は、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部である。
トナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。これらの製法に特に制限はなく、公知の製法が採用される。これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置が中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段の一例)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーの供給がなされる。
一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。各ユニットの一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスの値を変える。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3からレーザ光線3Yを照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として現像され可視化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエローのトナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図3に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
図3中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
[樹脂粒子分散液(1)の調製]
・エチレングリコール(和光純薬工業) 37部
・ネオペンチルグリコール(和光純薬工業) 65部
・1,9-ノナンジオール(和光純薬工業) 32部
・テレフタル酸(和光純薬工業) 96部
上記の材料をフラスコに仕込み、1時間かけて温度200℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。生成する水を留去しながら6時間かけて240℃まで温度を上げ、240℃で4時間攪拌を継続し、ポリエステル樹脂(酸価9.4mgKOH/g、重量平均分子量13,000、ガラス転移温度62℃)を得た。このポリエステル樹脂を溶融状態のまま、乳化分散機(キャビトロンCD1010、ユーロテック社)に毎分100gの速度で移送した。別途、試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37%濃度の希アンモニア水をタンクに入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度でポリエステル樹脂と同時に乳化分散機に移送した。乳化分散機を回転子の回転速度60Hz、圧力5kg/cm2の条件で運転し、体積平均粒径160nm、固形分30%の樹脂粒子分散液(1)を得た。
・デカン二酸(東京化成工業) 81部
・ヘキサンジオール(和光純薬工業) 47部
上記の材料をフラスコに仕込み、1時間かけて温度160℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを0.03部投入した。生成する水を留去しながら6時間かけて200℃まで温度を上げ、200℃で4時間攪拌を継続した。次いで、反応液を冷却し、固液分離を行い、固形物を温度40℃/減圧下で乾燥し、ポリエステル樹脂(C1)(融点64℃、重量平均分子量15,000)を得た。
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬) 2部
・イオン交換水 200部
上記の材料を120℃に加熱して、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理した。体積平均粒径が180nmになったところで回収し、固形分20%の樹脂粒子分散液(2)を得た。
・シアン顔料(PigmentBlue15:3、大日精化工業) 10部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬) 2部
・イオン交換水 80部
上記の材料を混合し、高圧衝撃式分散機(アルティマイザーHJP30006、スギノマシン社)により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20%の着色剤粒子分散液(1)を得た。
・パラフィンワックス(HNP-9、日本精蝋) 50部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬) 2部
・イオン交換水 200部
上記の材料を120℃に加熱して、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理した。体積平均粒径が200nmになったところで回収し、固形分20%の離型剤粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(1) 150部
・樹脂粒子分散液(2) 50部
・着色剤粒子分散液(1) 25部
・離型剤粒子分散液(1) 35部
・ポリ塩化アルミニウム 0.4部
・イオン交換水 100部
上記の材料を丸型ステンレス製フラスコに投入し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社)を用いて十分に混合分散した後、フラスコ内を攪拌しながら加熱用オイルバスで48℃まで加熱した。反応系内を48℃で60分間保持した後、樹脂粒子分散液(1)を緩やかに70部追加した。次いで、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを8.0に調整し、フラスコを密閉し攪拌軸のシールを磁力シールし、攪拌を継続しながら90℃まで加熱して30分間保持した。次いで、降温速度5℃/分で冷却し、固液分離し、イオン交換水で十分に洗浄した。次いで、固液分離し、30℃のイオン交換水に再分散し、回転速度300rpmで15分間攪拌し洗浄した。この洗浄操作をさらに6回繰り返し、濾液のpHが7.54、電気伝導度が6.5μS/cmとなったところで固液分離し、真空乾燥を24時間継続して、体積平均粒径5.7μmのトナー粒子を得た。
[フェライト粒子(1)]
Fe2O3を1597部、Mn(OH)2を712部、Mg(OH)2を116部、SrCO3を20部、及びCaCO3を30部混合し、分散剤、水及び直径1mmのジルコニアビーズを加え、サンドミルを用いて解砕混合した。ジルコニアビーズを濾別し、濾液を乾燥後、ロータリーキルンを用いて回転速度20rpm/温度970℃/2時間の条件で仮焼成を行った。得られた仮焼成物に分散剤及び水を加え、さらにポリビニルアルコールを8部加え、湿式ボールミルを用いて5時間粉砕混合を行った。得られた粉砕物の体積平均粒径は1.2μmであった。次いで、スプレードライヤーを用いて、粒径が40μmになるように造粒した。得られた造粒物を、電気炉を用いて酸素濃度1体積%の酸素窒素混合雰囲気下で温度1400℃/4時間の条件で本焼成した。得られた焼成物を解砕及び分級してフェライト粒子(1)を得た。フェライト粒子(1)の体積平均粒径は35μmであった。
SrCO3量及びCaCO3量を表1に記載のとおりに変更した以外はフェライト粒子(1)の作製と同様にしてフェライト粒子(2)~(17)を作製した。
・シクロヘキシルアクリレート樹脂(重量平均分子量5万) 30部
・ポリイソシアネート(コロネートL、東ソー) 6部
・カーボンブラック(VXC72、キャボット) 4部
・トルエン 250部
・メタノール 50部
上記の材料とガラスビーズ(直径1mm、トルエンと同量)とをサンドミル(関西ペイント社)に投入し、回転速度1200rpmで30分間攪拌し、固形分11%のコート液(1)を調製した。
[チタン酸ストロンチウム粒子(1)]
脱硫及び解膠したチタン源であるメタチタン酸をTiO2として0.7モル採取し、反応容器に入れた。次いで、反応容器に、塩化ストロンチウム水溶液を、SrO/TiO2モル比が1.1になるように0.77モル添加した。次いで、反応容器に、酸化ランタンを硝酸に溶解した溶液を、ストロンチウム100モルに対してランタンが2.5モルになる量添加した。3つの材料の混合液における初期TiO2濃度が0.75モル/Lになるようにした。次いで、混合液を攪拌し、混合液を90℃に加温し、液温を90℃に維持し攪拌しながら、10N水酸化ナトリウム水溶液153mLを4時間かけて添加し、さらに、液温を90℃に維持しながら1時間攪拌を続けた。次いで、反応液を40℃まで冷却し、pH5.5になるまで塩酸を添加し1時間攪拌を行った。次いで、デカンテーションと水への再分散とを繰り返すことによって沈殿物を洗浄した。洗浄した沈殿物を含むスラリーに塩酸を加えpH6.5に調整し、固形分を濾別し乾燥させた。乾燥した固形分にi-ブチルトリメトキシシラン(i-BTMS)のエタノール溶液を、固形分100部に対してi-BTMSが20部になる量添加して1時間攪拌を行った。固形分を濾別し、固形分を130℃の大気中で7時間乾燥し、チタン酸ストロンチウム粒子(1)を得た。
10N水酸化ナトリウム水溶液の滴下にかける時間を、1時間に変更した以外は、チタン酸ストロンチウム粒子(1)の作製と同様にして、チタン酸ストロンチウム粒子(2)を作製した。
10N水酸化ナトリウム水溶液の滴下にかける時間を、2.8時間に変更した以外は、チタン酸ストロンチウム粒子(1)の作製と同様にして、チタン酸ストロンチウム粒子(3)を作製した。
10N水酸化ナトリウム水溶液の滴下にかける時間を、11時間に変更した以外は、チタン酸ストロンチウム粒子(1)の作製と同様にして、チタン酸ストロンチウム粒子(4)を作製した。
10N水酸化ナトリウム水溶液の滴下にかける時間を、14.5時間に変更した以外は、チタン酸ストロンチウム粒子(1)の作製と同様にして、チタン酸ストロンチウム粒子(5)を作製した。
10N水酸化ナトリウム水溶液の滴下にかける時間を、17時間に変更した以外は、チタン酸ストロンチウム粒子(1)の作製と同様にして、チタン酸ストロンチウム粒子(6)を作製した。
市販のチタン酸ストロンチウム粒子(チタン工業社製SW-360)を用意し、これに、チタン酸ストロンチウム粒子(1)の作製におけるi-BTMS処理と同様の表面処理を施し、チタン酸ストロンチウム粒子(7)を作製した。チタン工業社製SW-360は、金属元素がドープされておらず、表面が未処理のチタン酸ストロンチウム粒子である。
別途用意した樹脂粒子とチタン酸ストロンチウム粒子(1)~(7)のいずれかとを、ヘンシェルミキサーを用いて攪拌周速30m/秒で15分間混合した。次いで、目開き45μmの振動篩いを用いて篩分し、チタン酸ストロンチウム粒子を樹脂粒子に付着させた。
チタン酸ストロンチウム粒子を付着させた樹脂粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM)(日立ハイテクノロジーズ製、S-4700)を用いて、倍率4万倍で画像を撮影した。無作為に選んだ300個のチタン酸ストロンチウム粒子の画像情報をインターフェイスを介して、画像処理解析ソフトWinRoof(三谷商事株式会社)で解析し、一次粒子像それぞれの円相当径と面積と周囲長とを求め、さらに、円形度=4π×(面積)÷(周囲長)2を求めた。そして、円相当径の分布において小径側から累積50%となる円相当径を平均一次粒径とし、円形度の分布において小さい側から累積50%となる円形度を平均円形度とし、円形度の分布において小さい側から累積84%となる円形度を累積84%円形度とした。
チタン酸ストロンチウム粒子(1)~(7)それぞれを試料として、X線回折装置(リガク社製、商品名RINT Ultima-III)を用いて、前述の条件設定にて、結晶構造解析を行った。チタン酸ストロンチウム粒子(1)~(7)は、回折角度2θ=32°付近に、ペロブスカイト結晶の(110)面のピークに相当するピークを有していた。
チタン酸ストロンチウム粒子(1)~(7)それぞれを試料として、既述の測定方法で体積固有抵抗率Rを測定した。
チタン酸ストロンチウム粒子(1)~(7)それぞれを試料として、既述の測定方法で含水率を測定した。
[実施例1]
樹脂被覆フェライト粒子(1)を100部と、チタン酸ストロンチウム(1)を0.05部とをVブレンダーに仕込み、20分間の攪拌混合を行ってキャリア(1)を得た。
実施例1と同様にして、但し、表3~表4に記載のとおりに樹脂被覆フェライト粒子の種類とチタン酸ストロンチウム粒子の種類又は外添量(樹脂被覆フェライト粒子の質量に対する質量%)とを変更して、各キャリア及び現像剤を作製した。
画像形成装置(DocuCentre Color 400の改造機)に現像剤を仕込み、温度30℃/相対湿度88%の環境下で12時間放置した。放置後、A4サイズの紙1000枚に連続で画像形成を行った。画像は、紙の縦方向の上部に20cm×25cmの濃度100%画像を形成し、その下部にAからZまでのローマ字をMSゴシック/14ポイント/半角にて形成した。1000枚目の文字の状態を目視で確認し、下記のとおり分類した。
A(◎):文字の周りにトナーかぶりが認められない。
B(○):文字の周りにトナーかぶりが僅かに認められるが(拡大鏡5倍で確認できる程度)、問題にならない程度である。
C(△):文字の周りにトナーかぶりが目視で僅かに認められるが軽微であり、実用に差支えない。
D(△-):文字の周りにトナーかぶりが目視で認められるが軽微であり、実用に差支えない。
E(×):文字の周りにトナーかぶりが認められ、実用に不適である。
A(◎):線の太り、つぶれ及びぼやけが認められない。
B(○):線の太り、つぶれ又はぼやけが僅かに認められるが、問題にならない程度である。
C(△):線の太り、つぶれ又はぼやけが認められるが軽微であり、実用に差支えない。D(×):線の太り、つぶれ又はぼやけが認められ、実用に不適である。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
P 記録紙(記録媒体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (15)
- 磁性粒子と前記磁性粒子を被覆する樹脂層とを有する樹脂被覆磁性粒子と、
前記樹脂被覆磁性粒子に外添された、ドーパントを含有しX線回折法により得られる(110)面のピークの半値幅が0.2°以上2.0°以下であるチタン酸ストロンチウム粒子と、
を含む静電荷像現像用キャリア。 - 前記ドーパントがランタンを含む、請求項1に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 前記チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径が10nm以上100nm以下である、請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 前記チタン酸ストロンチウム粒子の平均一次粒径が15nm以上60nm以下である、請求項3に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記樹脂被覆磁性粒子の質量に対して0.01質量%以上0.5質量%以下である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記樹脂被覆磁性粒子の質量に対して0.02質量%以上0.08質量%以下である、請求項5に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 前記樹脂被覆磁性粒子の表面における前記磁性粒子の露出割合が2%以上20%以下である、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 前記磁性粒子がフェライト粒子である、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 前記フェライト粒子が、カルシウム酸化物及びストロンチウム酸化物から選ばれる少なくとも1種を含み、カルシウム元素及びストロンチウム元素の合計含有量が前記フェライト粒子全体に対して0.1質量%以上2.0質量%以下である、請求項8に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 前記フェライト粒子が、カルシウム酸化物を含み、カルシウム元素の含有量が前記フェライト粒子全体に対して0.2質量%以上2.0質量%以下である、請求項8に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 前記フェライト粒子が、ストロンチウム酸化物を含み、ストロンチウム元素の含有量が前記フェライト粒子全体に対して0.1質量%以上1.0質量%以下である、請求項8に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 静電荷像現像用トナーと、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の静電荷像現像用キャリアと、を含む静電荷像現像剤。
- 請求項12に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項12に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項12に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
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