JP2013164471A - 硬化性樹脂組成物、表示素子用硬化膜、表示素子用硬化膜の形成方法及び表示素子 - Google Patents
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Abstract
Description
[A]エポキシ基を有するアルカリ可溶性樹脂(以下、「[A]アルカリ可溶性樹脂」ともいう)、
[B]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(以下、「[B]重合性化合物」ともいう)、及び
[C]下記式(1)で表される化合物(以下、「[C]化合物」ともいう)
を含有する硬化性樹脂組成物である。
、−OCO−又は−COO−である。R8は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。
式(3)中、R9は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基又はシクロへキシル基である。但し、上記R9のアルキル基の有する水素原子の1つが水酸基で置換されていてもよい。R10は、2価の有機基である。R11は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、シアノ基、ベンジル基、フェネチル基、炭素数4〜20の脂環式炭化水素基又はフェニル基である。但し、上記R11のフェニル基が有する水素原子の一部又は全部は、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。)
(a1)カルボキシル基を有する重合性化合物由来の構造単位(以下、「(a1)構造単位」ともいう)、及び
(a2)エポキシ基を有する重合性化合物由来の構造単位(以下、「(a2)構造単位」ともいう)
を含む共重合体であることが好ましい。
(1)本発明の硬化性樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)上記現像された塗膜を200℃以下の温度で加熱する工程
を有する。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、[A]アルカリ可溶性樹脂、[B]重合性化合物、及び[C]化合物を含有する。また、当該硬化性樹脂組成物は、好適成分として[D]ラジカル捕捉剤、[E]着色剤を含有することができる。さらに、当該硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限りその他の任意成分を含有してもよい。以下、各成分を詳述する。
[A]アルカリ可溶性樹脂は、エポキシ基を含むアルカリ可溶性樹脂であり、(a1)構造単位及び(a2)構造単位を含むことが好ましい。また、[A]アルカリ可溶性樹脂としては、(a1)構造単位及び(a3)構造単位を含む樹脂であることも好ましく、(a1)構造単位及び(a4)下記式(2)で表される構造単位を含む樹脂であることも好ましい。なお、[A]アルカリ可溶性樹脂は、本発明の効果を損なわない限り、(a1)構造単位〜(a4)構造単位以外の他の構造単位を含んでいてもよい。
(a1)構造単位は、カルボキシル基を有する重合性化合物由来の構造単位であり、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物に由来する構造単位である。(a1)構造単位を与える化合物としては、例えば不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸の無水物、多価カルボン酸のモノ[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]エステル、両末端にカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する不飽和多環式化合物及びその無水物等が挙げられる。
(a2)構造単位は、エポキシ基を有する重合性化合物に由来する構造単位である。エポキシ基としては、オキシラニル基(1,2−エポキシ構造)、オキセタニル基(1,3−エポキシ構造)が挙げられる。
3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2−ジフルオロオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2,2−ジフルオロオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン等のアクリル酸エステル;
3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2−ジフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−トリフルオロメチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフルオロエチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2−ジフルオロオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフルオロオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフルオロオキセタン等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
(a3)構造単位は、上記式(4)で表される構造単位である。[A]アルカリ可溶性樹脂が(a3)構造単位を含むことで、得られる表示素子用硬化膜の硬化性を向上できる。また、[C]化合物との相溶性が向上するため[C]化合物が均一に分散し、表示素子用硬化膜形成時の感度を向上させることができる。
(a4)構造単位は、下記式(5)で表される構造単位である。[A]アルカリ可溶性樹脂が(a4)構造単位を含むことで、得られる表示素子用硬化膜の耐熱性を向上させることができる。また、[C]化合物との相溶性が向上するため、[C]化合物が均一に分散し、表示素子用硬化膜形成時の感度を高めることができる。
[A]アルカリ可溶性樹脂が本発明の効果を損なわない限り含んでいてもよい(a1)構造単位〜(a4)構造単位以外の他の構造単位を与える化合物としては、例えば水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸鎖状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和芳香族化合物、共役ジエン、テトラヒドロフラン骨格等をもつ不飽和化合物が挙げられる。
[A]アルカリ可溶性樹脂は、溶媒中で重合開始剤の存在下、上述した所定の単量体を共重合することによって合成できる。[A]アルカリ可溶性樹脂を合成するための重合反応に用いられる溶媒としては、例えばアルコール、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、ケトン、エステル等が挙げられる。
カラム:GPC−KF−801、GPC−KF−802、GPC−KF−803及びGPC−KF−804を結合
移動相:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
当該硬化性樹脂組成物に含有される[B]重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物であれば特に限定されないが、例えばω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピルメタクリレート、2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート等の他、直鎖アルキレン基及び脂環式構造を有し、かつ2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、分子内に1個以上の水酸基を有し、かつ3個〜5個の(メタ)アクリロイロキシ基を有する化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
アロニックスM−400、同M−402、同M−405、同M−450、同M−1310、同M−1600、同M−1960、同M−7100、同M−8030、同M−8060、同M−8100、同M−8530、同M−8560、同M−9050、アロニックスTO−756、同TO−1450、同TO−1382(以上、東亞合成社);
KAYARAD DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120、同MAX−3510(以上、日本化薬社);
ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400、同802(以上、大阪有機化学工業社);
ウレタンアクリレート系化合物として、ニューフロンティア R−1150(第一工業製薬社);
KAYARAD DPHA−40H、UX−5000(以上、日本化薬社);
UN−9000H(根上工業社);
アロニックスM−5300、同M−5600、同M−5700、M−210、同M−220、同M−240、同M−270、同M−6200、同M−305、同M−309、同M−310、同M−315(以上、東亞合成社);
KAYARAD HDDA、KAYARAD HX−220、同HX−620、同R−526、同R−167、同R−604、同R−684、同R−551、同R−712、UX−2201、UX−2301、UX−3204、UX−3301、UX−4101、UX−6101、UX−7101、UX−8101、UX−0937、MU−2100、MU−4001(以上、日本化薬社);
アートレジンUN−9000PEP、同UN−9200A、同UN−7600、同UN−333、同UN−1003、同UN−1255、同UN−6060PTM、同UN−6060P(以上、根上工業社);
SH−500Bビスコート260、同312、同335HP(以上、大阪有機化学工業社)等が挙げられる。
3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン等のアクリル酸エステル;
3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2−ジフルオロオキセタン等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸鎖状アルキルエステルとして、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸n−ステアリル等が挙げられる。
メタクリル酸環状アルキルエステルとして、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチル、メタクリル酸イソボロニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸n−ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸n−ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチル、アクリル酸イソボロニル等が挙げられる。
(メタ)アタクリル酸鎖状アリールエステルとして、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
マレイミド化合物として、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシベンジル)マレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等が挙げられる。
[B1]重合体は、例えばカルボキシル基を有する(a1)構造単位を与える単量体と必要に応じて他の構造単位を与える単量体とを、溶媒中で重合開始剤の存在下、重合させ、カルボキシル基を有する重合体を合成する。上記重合体溶液に、(a2)構造単位を与えるエポキシ基を含む重合性化合物等を投入し、必要に応じて適当な触媒の存在下、好ましくは重合禁止剤を含む溶液中で、加温下で所定時間攪拌する。上記触媒としては、例えば、テトラブチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。上記重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール等が挙げられる。反応温度は、70℃〜100℃が好ましい。反応時間は、8時間〜12時間が好ましい。
[C]化合物は、上記式(1)で表される化合物である。[C]化合物は、熱によって酸を発生する構造及び光によってラジカルを発生する構造を有する化合物であるため、当該硬化性樹脂組成物は、熱によっても光によっても硬化させることが可能である。これにより、当該硬化性樹脂組成物は、露光工程においてラジカル重合させた後、加熱工程により発生した酸が[A]アルカリ可溶性樹脂の硬化促進剤として機能し、さらに硬化を促進させることができる。上記酸を発生させるための加熱工程は、従来の組成物に対する硬化のための露光後加熱工程におけるような230℃以上の高温加熱を必要としない低温加熱工程であるため、省エネルギーの観点からも好ましい。
本発明における[C]化合物は、従来公知の方法に従って合成することができるが、例えば以下のようにして合成することができる。
当該硬化性樹脂組成物は、[C]化合物に加えて、[C’]光重合開始剤を1種又は2種以上含有してもよい。
当該硬化性樹脂組成物において、ラジカル又は過酸化物による化合物の結合の解裂を防止するために、[D]ラジカル捕捉剤を含有する。このような化合物として、ヒンダードフェノール構造を有する化合物及びヒンダードアミン構造を有する化合物等のラジカル捕捉剤、及びアルキルホスファイト構造を有する化合物及びチオエーテル構造を有する化合物等の過酸化物分解剤等が挙げられる。
等が挙げられる。
当該硬化性樹脂組成物は、[E]着色剤をさらに含有することが好ましい。当該硬化性樹脂組成物が、[E]着色剤をさらに含有することで、例えばカラーフィルタ用着色パターン等としての表示素子用硬化膜を形成することができる。
C.I.ピグメントオレンジ5、同13、同14、同24、同34、同36、同38、同40、同43、同46、同49、同61、同64、同68、同70、同71、同72、同73、同74;
C.I.ピグメントレッド1、同2、同5、同17、同31、同32、同41、同122、同123、同144、同149、同166、同168、同170、同171、同175、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同187、同202、同206、同207、同209、同214、同220、同221、同224、同242、同243、同254、同255、同262、同264、同272;
C.I.ピグメントバイオレット1、同19、同23、同29、同32、同36、同38;
C.I.ピグメントブルー15、同15:3、同15:4、同15:6、同60、同80;
C.I.ピグメントグリーン7、同36、同58;
C.I.ピグメントブラウン23、同25;
C.I.ピグメントブラック1、同7等が挙げられる。
C.I.ソルベントレッド45、同49、同125、同130;
C.I.ソルベントオレンジ2、同7、同11、同15、同26、同56;
C.I.ソルベントブルー35、同37、同59、同67;
C.I.アシッドイエロー1、同3、同7、同9、同11、同17、同23、同25、同29、同34、同36、同38、同40、同42、同54、同65、同72、同73、同76;
C.I.アシッドレッド91、同92、同97、同114、同138、同151;
C.I.アシッドオレンジ51、同63;
C.I.アシッドブルー80、同83、同90;
C.I.アシッドグリーン9、同16、同25、同27等が挙げられる。
当該硬化性樹脂組成物は、[A]アルカリ可溶性樹脂、[B]重合性化合物、[C]化合物、[D]ラジカル捕捉剤、[E]着色剤以外に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて接着助剤、界面活性剤、エポキシ化合物、保存安定剤等のその他の任意成分を含有してもよい。これらのその他の任意成分は、単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。以下、各成分を詳述する。
接着助剤は、得られる硬化膜と基板との接着性を向上させるために使用できる。接着助剤としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、オキシラニル基等の反応性官能基を有する官能性シランカップリング剤が好ましく、例えばトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
界面活性剤は、当該硬化性樹脂組成物の塗膜形成性をより向上させるために使用できる。界面活性剤としては、例えばフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
保存安定剤としては、例えば硫黄、キノン類、ヒドロキノン類、ポリオキシ化合物、アミン、ニトロニトロソ化合物等が挙げられ、より具体的には、4−メトキシフェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム等が挙げられる。
当該硬化性樹脂組成物は、[A]アルカリ可溶性樹脂、[B]重合性化合物及び[C]化合物の必須成分、[D]ラジカル捕捉剤、[E]着色剤等の好適成分に加え、必要に応じてその他の任意成分を所定の割合で混合することにより調製される。当該効果性樹脂組成物は、好ましくは適当な溶媒に溶解されて溶液状態で用いられる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、酢酸エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸3−メチル−3−メトキシブチル等の酢酸(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−オン)、4−ヒドロキシ−4−メチルヘキサン−2−オン等のケトン類;
プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のジアセテート類;
乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピオン酸n−ブチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ヒドロキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、2−オキソ酪酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。
当該硬化性樹脂組成物は、表示素子用硬化膜の形成用として好ましい。また、本発明には当該光か性樹脂組成物から形成される表示素子用硬化膜が好適に含まれる。
(1)当該硬化性樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)上記現像された塗膜を180℃以下の温度で加熱する工程
を有する。
本工程では、透明基板の片面に透明導電膜を形成し、この透明導電膜の上に当該硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する。透明基板としては、例えばソーダライムガラス、無アルカリガラス等のガラス基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックからなる樹脂基板等が挙げられる。
本工程では、形成された塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する。このとき、塗膜の一部にのみ照射する際には、例えば所定のパターンを有するフォトマスクを介して照射する方法によることができる。
本工程では、放射線照射後の塗膜を現像することにより、不要な部分を除去して、所定のパターンを形成する。現像に使用される現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等のアルカリ性化合物の水溶液が挙げられる。上記アルカリ性化合物の水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒及び/又は界面活性剤を適当量添加してもよい。
本工程では、得られたパターン状塗膜をホットプレート、オーブン等の適当な加熱装置により加熱することにより表示素子用硬化膜を得る。加熱温度としては、通常250℃以下であり、200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましく、150℃以下がさらに好ましい。当該形成方法によると、このような低温加熱工程を用いた場合でも、[C]化合物から発生する酸の作用により十分な硬化が起こるため、耐熱性、耐溶媒性等に優れた表示素子用硬化膜を形成することができる。加熱時間としては、例えばホットプレート上では5分〜30分間、オーブンでは30分〜180分間程度である。
本発明には、当該表示素子用硬化膜を備える表示素子も好適に含まれる。表示素子の製造方法としては、まず片面に透明導電膜(電極)を有する透明基板を一対(2枚)準備し、そのうちの一枚の基板の透明導電膜上に、当該感放射線性樹脂組成物を用いて、上記した方法に従ってスペーサー若しくは保護膜又はその双方を形成する。続いて、これらの基板の透明導電膜及びスペーサー又は保護膜上に液晶配向能を有する配向膜を形成する。これら基板を、その配向膜が形成された側の面を内側にして、それぞれの配向膜の液晶配向方向が直交又は逆平行となるように一定の間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、基板の表面(配向膜)及びスペーサーにより区画されたセルギャップ内に液晶を充填し、充填孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの両外表面に、偏光板を、その偏光方向が当該基板の一面に形成された配向膜の液晶配向方向と一致又は直交するように貼り合わせることにより、本発明の表示素子が得られる。
[合成例1]
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル220質量部を仕込み、引き続き(a1)構造単位を与えるメタクリル酸12質量部、(a2)構造単位を与えるメタクリル酸グリシジル40質量部、他の構造単位を与えるスチレン20質量部及びメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル28質量部を仕込み窒素置換し、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇し、この温度を5時間保持して重合することにより、共重合体(A−1)を含有する溶液を得た(固形分濃度=31.3%)。共重合体(A−1)は、Mw=12,000であった。
[合成例2]
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4質量部及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル300質量部を仕込み、引き続き(a1)構造単位を与えるメタクリル酸23質量部、他の構造単位を与えるスチレン10質量部、メタクリル酸ベンジル32質量部及びメタクリル酸メチル35質量部、並びに分子量調節剤としてのα−メチルスチレンダイマー2.7質量部を仕込み、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を80℃に上昇し、この温度を4時間保持した後、100℃に上昇させ、この温度を1時間保持して重合することにより共重合体を含有する溶液を得た(固形分濃度=24.9%)。得られた共重合体のMwは、12,500であった。次いで、共重合体を含む溶液に、テトラブチルアンモニウムブロミド1.1質量部、重合禁止剤としての4−メトキシフェノール0.05質量部を加え、空気雰囲気下90℃で30分間攪拌後、メタクリル酸グリシジル16質量部を入れて90℃のまま10時間反応させることにより、共重合体(B−1)を得た(固形分濃度=29.0%)。共重合体(B−1)のMwは、14,200であった。共重合体(B−1)をヘキサンに滴下することで再沈殿精製を行い、再沈殿した樹脂固形分について、1H−NMR分析によりメタクリル酸グリシジルの反応率((a3)構造単位の生成率)を算出した。6.1ppm付近及び5.6ppm付近にメタクリル酸グリシジルのメタクリル基に由来するピークと共重合体のメタクリル酸ベンジルの構造単位に由来する6.8ppm〜7.4ppm付近の芳香環のプロトンとの積分比の比較から、メタクリル酸グリシジルと共重合体中のカルボキシル基との反応率を算出した。結果、反応させたメタクリル酸グリシジルの96モル%が共重合体中のカルボキシル基と反応した。
[合成例3]
(ステップ(1))
200mL三口フラスコに4−メルカプトフェノールを5.0g(39.6mmol)を量り取り、N,N−ジメチルホルムアミド30mLに溶解させた。ここに炭酸カリウム8.3g(60mmol)を加え攪拌した。次いで、4−エタノイルフルオロベンゼンを4.0g(26.2mmol)を加え、窒素雰囲気下60℃で4時間加熱攪拌した。反応液温度が室温になるまで冷却し、ここに蒸留水を加え、生成した塩を溶解させた後、反応液を分液ロートに移し、トルエン100mLで3回抽出し、この抽出液を分液ロートに集め、蒸留水100gで1回洗浄した後、有機溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。この粗生成物をn−ヘキサンで再結晶精製し、前駆体化合物(1)を6.4g(収率70%)得た。
200mL三口フラスコにステップ(1)で得られた前駆化合物(1)を4.5g(17.4mmol)量り取り、N,N−ジメチルホルムアミド30mLに溶解させた。ここに炭酸カリウム5.5g(40mmol)を加え攪拌した。次いで、2−ブロロエタール 2.49g(20mmol)を加え、窒素雰囲気下60℃で4時間加熱攪拌した。反応液温度が室温になるまで冷却し、ここに蒸留水を加え、生成した塩を溶解させた後、反応液を分液ロートに移し、トルエン100mLで3回抽出し、この抽出液を分液ロートに集め、蒸留水100gで1回洗浄した後、有機溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。この粗生成物をn−ヘキサンで再結晶精製を行い、前駆体化合物(2)を3.8g(収率83%)得た。
200mL三口フラスコにステップ(2)で得られた前駆化合物(2)を3.8g(12.6mmol)と1.3g(12.6mmol)の濃塩酸をN,N−ジメチルホルムアミド30mLに溶解させた。亜硝酸イソブチル1.93g(18.7mmol)を加え、室温で3.5時間攪拌した。攪拌後、反応液に、酢酸エチルと水を加え油水分離し、有機層を水で洗浄した。固体の析出した有機層にヘキサンを加え、ろ過した。得られた固体を減圧乾燥し、前駆体化合物(3)を3.5g(収率92%)得た。
温度計と滴下ロートを備えた200mL三口フラスコにステップ(3)で得られた前駆化合物(3)3.5g(10.6mmol)を量り取り、トルエン100mLを加え溶解させた。次いで、この反応液にトリエチルアミン4.0g(40mmol)を加え攪拌し、液温0℃にした。窒素雰囲気下、滴下ロートを通じて、塩化アセチル2.34(30mmol)を10分間かけ滴下した。滴下終了後、22℃で3時間攪拌した。反応液に蒸留水を加え、トルエン100mLで3回抽出し、この抽出液を分液ロートに集め、蒸留水100gで1回洗浄した後、有機溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。この粗生成物をメタノールで再結晶精製を行い、上記式(C−1)で表される最終生成物(C−1)を12.8g(収率96%)得た。
最終生成物(C−1)の1H−NMR測定(ブルカー製、AVANCE500型)を行い、目的の化合物が得られていることを確認した。分析結果は以下の通りであった。
1H−NMR(溶媒:CDCl3)
化学シフトσ:
7.64ppm(ベンゼン環上水素、2H)、
7.32ppm(ベンゼン環上水素、2H)、
7.05ppm(ベンゼン環上水素、2H)、
6.50ppm(ベンゼン環上水素、2H)、
4.53ppm(−CH 2 ―CH2−O―、2H)、
4.25ppm(−CH2―CH 2 −O―、2H)、
2.10ppm(−O−C(=O)―CH 3 、3H)
2.04ppm(−O−C(=O)―CH 3 、3H)
1.88ppm(−C(=N)―CH 3 、3H)
ステップ(4)において塩化アセチルの代わりに塩化ベンゾイルを用いた以外は合成例3と同様に操作して、上記式(C−2)で表される化合物(C−2)を得た。
ステップ(5)において塩化アセチルの代わりに無水トリフルオロ酢酸を用いた以外は合成例3と同様に操作して、上記式(C−3)で表される化合物(C−3)を得た。
実施例及び比較例で用いた各成分の詳細を以下に示す。
(B−1):合成例2で合成した化合物(上記式(4)で表される構造単位を含む共重合体)
(B−2):ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(KAYARAD DPHA、日本化薬社)
(B−3):コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート(アロニックスTO−756、東亞合成社)
(B−4):トリメチロールプロパントリアクリレート
(B−5):ビスコート802(トリペンタエリスリトールオクタアクリレートとトリペンタエリスリトールヘプタアクリレートとの混合物、大阪有機化学工業社)
上記式(C−1)〜(C−3)で表される化合物
(C’−1):2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)
(C’−2):エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(イルガキュアOXE02、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)
(C’−3):1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](イルガキュアOXE01、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)
(C’−4):2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン
(D−1):2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、
(D−2):1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(アデカ社製「アデカスタブAO−330」)
(D−3):2,2´−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチル−1−フェニルオキシ)(2−エチルヘキシルオキシ)ホスホラス(アデカ社製の「アデカスタブHP−10」)
(D−4):ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(アデカ社製の「アデカスタブPEP−8」)
(D−5):ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(アデカ社製の「アデカスタブAO−412S」)
(E−1):C.I.ソルベントレッド45
(E−2):C.I.ソルベントイエロー82
(F−1):γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(G−1):シリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社、SH 8400 FLUID)
(G−2):フッ素系界面活性剤(ネオス社製の「フタージェントFTX−218」)
[A]アルカリ可溶性樹脂としての共重合体(A−1)を固形分換算で100質量部、[B]重合性化合物としての(B−2)100質量部、[C]化合物としての(C−1)5質量部、[F]接着助剤としての(F−1)5質量部、並びに[G]界面活性剤としての(G−1)0.5質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過することにより、硬化性樹脂組成物を調製した。
表1に示す種類、含有量の各成分を混合したこと以外は実施例1と同様に操作して各硬化性樹脂組成物を調製した。なお、表1中の「−」は該当する成分を使用しなかったことを表す。
[A]アルカリ可溶性樹脂としての共重合体(A−1)を固形分換算で50質量部、[B]重合性化合物としての(B−4)55質量部、[C]化合物としての(C−1)5質量部、(C’−4)20質量部及び(C’−5)5質量部、[E]着色剤としての(E−1)27質量部及び(E−2)8質量部、[F]接着助剤としての(F−1)5質量部、[G]界面活性剤としての(G−2)0.5質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、硬化性樹脂組成物を調製した。
表1に示す種類、含有量の各成分を混合したこと以外は実施例9と同様に操作して各硬化性樹脂組成物を調製した。なお、表1中の「−」は該当する成分を使用しなかったことを表す。
各硬化性樹脂組成物を用いて以下の評価を実施した。詳細には、実施例1〜4及び比較例1については、各硬化性樹脂組成物を用いて、表1に記載のポストベーク条件にて表示素子用硬化膜を形成し、スペーサーとしての解像度、感度及び圧縮性能を評価した。実施例5〜8及び比較例2については、各硬化性樹脂組成物を用いて表示素子用硬化膜を形成し、絶縁膜としての透過率、耐光性及び電圧保持率を評価した。実施例9〜11及び比較例3については、各硬化性樹脂組成物を用いて表示素子用硬化膜を形成し、着色パターンとしての現像耐性、耐熱性及び耐溶媒性を評価した。また、実施例12及び比較例4として、それぞれ実施例1及び比較例1で調製した硬化性樹脂組成物を用い、表1に記載の180℃、30分間の低温ポストベーク条件にて表示素子用硬化膜を形成し、スペーサーとしての解像度、感度及び圧縮性能を評価した。これらの結果を表2に示す。
無アルカリガラス基板上に、各硬化性樹脂組成物溶液をスピンナーにより塗布した後、100℃のホットプレート上で2分間プレベークすることにより膜厚4.0μmの塗膜を形成した。次いで、得られた塗膜に直径8μm〜20μmの範囲の異なる大きさの複数の丸状残しパターンを有するフォトマスクを介し、高圧水銀ランプを用いて露光量を200J/m2〜1,000J/m2の範囲で変量して放射線照射を行った。その後、23℃の0.40質量%水酸化カリウム水溶液を現像液として、現像圧1kgf/cm2、ノズル径1mmで吐出することによりシャワー現像を行い、純水洗浄を1分間行った。さらにオーブン中230℃にて30分間ポストベークすることにより、スペーサーパターンを形成した。この時、12μm以下のフォトマスクにおいて、パターンが形成されていれば、解像度が良好と判断した。なお、実施例12及び比較例4においては、180℃にて30分間のポストベークを行った以外は、上記と同様の条件で、パターンを形成した。
直径15μmの丸状残しパターンを複数有するフォトマスクを使用したこと以外は、上記解像度の評価と同様に操作して、基板上に丸状残しパターンを形成した。丸状残しパターンの現像前と現像後の高さを、レーザー顕微鏡(VK−8500、キーエンス社)を用いて測定した。この値と下記式から残膜率(%)を求めた。
残膜率(%)=(現像後高さ/現像前高さ)×100
この残膜率が90%以上になる最小の露光量を感度(J/m2)とした。露光量が700J/m2以下の場合、感度が良好と判断した。
上記感度の評価と同様に操作して、残膜率が90%以上になる露光量で基板上に丸状残しパターンを形成した。このパターンを微小圧縮試験機(フィッシャースコープH100C、フィッシャーインストルメンツ社)で50μm角状の平面圧子を用い、40mNの荷重により圧縮試験を行い、荷重に対する圧縮変位量(μm)の変化を測定した。また、40mNの荷重時の変位量と40mNの荷重を取り除いた時の変位量から回復率(%)を算出した。回復率が90%以上であり、かつ40mNの荷重時の変位量が0.15μm以下の場合、圧縮性能が良好と判断した。
フォトマスクを介さず800J/m2の露光量で露光したこと以外は、上記解像度の評価と同様に操作して得られた表示素子用硬化膜について、波長400nmにおける透過率を、分光光度計(150−20型ダブルビーム、日立製作所社)を用いて透過率(%)を測定した。透過率が90%以上の場合、透明性が良好と判断した。
上記透過率の評価と同様に操作して表示素子用硬化膜を形成した。得られた表示素子用硬化膜について、UV照射装置(UVX−02516S1JS01、USHIO社、ランプ;UVL−4001M3−N1)にて、500kJ/m2のUV光を照射し、照射前後の残膜率を求めることにより評価した。残膜率が95%以上の場合、耐光性(%)が良好と判断した。
表面にナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が形成され、さらにITO(インジウム−酸化錫合金)電極を所定形状に蒸着したソーダガラス基板上に、各硬化性樹脂組成物を、スピンコートした後、90℃のクリーンオーブン内で10分間プレベークを行って、膜厚2.0μmの塗膜を形成した。次いで、フォトマスクを介さずに、塗膜に500J/m2の露光量で露光した。その後、この基板を23℃の0.04質量%の水酸化カリウム水溶液からなる現像液に1分間浸漬して、現像した後、超純水で洗浄して風乾し、さらに230℃で30分間ポストベークを行い、塗膜を硬化させて、永久硬化膜を形成した。次いで、この画素を形成した基板とITO電極を所定形状に蒸着しただけの基板とを、0.8mmのガラスビーズを混合したシール剤で貼り合わせた後、メルク製液晶(MLC6608)を注入して、液晶セルを作製した。次いで、液晶セルを60℃の恒温層に入れて、液晶セルの電圧保持率を液晶電圧保持率測定システム(VHR−1A型、東陽テクニカ社)により測定した。このときの印加電圧は5.5Vの方形波、測定周波数は60Hzである。ここで電圧保持率とは、(16.7ミリ秒後の液晶セル電位差/0ミリ秒で印加した電圧)の値である。液晶セルの電圧保持率が90%以下であると、液晶セルは16.7ミリ秒の時間、印加電圧を所定レベルに保持できず、十分に液晶を配向させることができないことを意味し、残像等の「焼き付き」を起こすおそれが高い。
表面にナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が形成されたソーダガラス基板上に、各硬化性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて塗布した。次いで90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、プレベーク後の膜厚が2.5μmの塗膜を形成した。これらの基板を室温に冷却した後、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を100J/m2、300J/m2、500J/m2、700J/m2及び1,000J/m2の露光量で露光した。その後、これらの基板に対して現像液(23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液)を現像圧1kgf/cm2、ノズル径1mmで吐出することにより、シャワー現像を行い基板上に200×200μmの着色パターンを形成した。さらに、230℃で30分間ポストベークを行って着色パターンを形成した。
上記着色パターンの形成における現像前後の膜厚比を下記式から算出した。
現像前後の膜厚比=(現像後の膜厚/現像前の膜厚)×100
この値を現像耐性とし、95%以上である場合を「A」(良好と判断)、95%未満である場合又は着色パターンの一部に欠けが認められる場合を「B」(やや不良と判断)、パターンが全て基板から剥がれる場合を「C」(不良と判断)とした。
1,000J/m2の露光量で露光した以外は上記着色パターンの形成と同様に操作して、着色パターンを形成した。さらに180℃で30分間追加加熱した。追加加熱前後の色変化ΔEab*を求めた。この値を耐値性とし、ΔEab*が3未満である場合を「A」(良好と判断)、3以上5未満である場合を「B」(やや良好と判断)、5以上である場合を「C」(不良と判断)とした。
上記耐熱性の評価と同様に操作して着色パターンを形成した。この基板を60℃のN−メチルピロリドンに30分間浸漬した。浸漬後に着色パターンが保持されており、かつ浸漬後のN−メチルピロリドンが全く着色しなかった場合を「A」(良好と判断)、浸漬後に着色パターンが保持されているものの浸漬後のN−メチルピロリドンが若干着色した場合を「B」(やや良好と判断)、浸漬後に基板から剥離する着色パターンが観察されると共に浸漬後のN−メチルピロリドンが着色した場合を「C」(不良と判断)とした。
Claims (12)
- 上記式(1)におけるR1が下記式(2)で表される基を含み、かつ、R2が下記式(3)で表される基を含む請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
、−OCO−又は−COO−である。R8は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。
式(3)中、R9は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基又はシクロへキシル基である。但し、上記R9のアルキル基の有する水素原子の1つが水酸基で置換されていてもよい。R10は、2価の有機基である。R11は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、シアノ基、ベンジル基、フェネチル基、炭素数4〜20の脂環式炭化水素基又はフェニル基である。但し、上記R11のフェニル基が有する水素原子の一部又は全部は、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。) - 上記式(2)におけるR5と式(3)におけるR9とが同一の基である請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 上記式(1)におけるa及びbが1、c及びdが0、式(2)におけるR5がメチル基、R6がエチレン基、R7が−O−、式(3)におけるR9及びR11がメチル基、R10がカルボニル基である請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
- [A]エポキシ基を有するアルカリ可溶性樹脂が、
(a1)カルボキシル基を有する重合性化合物由来の構造単位、及び
(a2)エポキシ基を有する重合性化合物由来の構造単位
を含む共重合体である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。 - [D]ラジカル捕捉剤をさらに含有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- [E]着色剤をさらに含有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 表示素子用硬化膜の形成に用いられる請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- (1)請求項9に記載の硬化性樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)上記現像された塗膜を200℃以下の温度で加熱する工程
を有する表示素子用硬化膜の形成方法。 - 請求項9に記載の硬化性樹脂組成物から形成される表示素子用硬化膜。
- 請求項11に記載の表示素子用硬化膜を備える表示素子。
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