JP2005250067A - 感放射線ネガ型レジスト組成物およびパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レジスト組成物の熱安定性・保存安定性が良好であり、しかも、使用できる放射光の種類に選択幅が大きく簡便かつ生産性の高い方法で、パターン精度が高く厚膜かつアスペクト比の高いレジストパターンが得られる感放射線ネガ型レジスト組成物およびそれを使用したパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 エポキシ樹脂と感放射線性カチオン重合開始剤と前記エポキシ樹脂を溶解させる溶媒とを含む感放射線ネガ型レジスト組成物において、前記エポキシ樹脂が下記式(1)で表わされる繰り返し単位を含みかつカルボキシル基またはフェノール性水酸基を含む他の繰り返し単位を実質的に含まないエポキシ樹脂であり、当該ネガ型レジスト組成物を乾燥後に得られるレジスト膜の軟化点が30〜120℃の範囲である。
【化1】
Figure 2005250067

(Rは水素原子あるいはメチル基を表わし、Wはエステル結合あるいはエーテル結合を0〜10個含む炭素数1〜20のアルキレン基、または単結合を表わす。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、高アスペクトパターン(アスペクト比の高いパターン)を精度良く形成する場合に使用するに適した感放射線ネガ型レジスト組成物およびそれを使用したパターン形成方法に関する。
電子部品、光学部品、バイオチップのような精密部品のパターン形成方法として、切削等の機械加工が使用されている。しかし、近年、微細化が進み、機械加工の加工精度では限界に近づいており、機械加工に代わる微細加工技術が求められている。一方、精度の良い加工方法として、半導体微細加工分野でフォトレジストによる微細加工が使用されており、近年ではサブミクロンという非常に精密な加工が実用化されている。また、フォトレジストを使用した高アスペクトパターンを形成する方法としてはPMMA(ポリメタクリル酸メチル)のX線による加工例が報告されている。
しかしながら、半導体微細加工で使用されているフォトレジスト組成物は、薄膜パターン形成には向いているものの精密部品製作に必要な50μm、さらには100μm以上の厚膜パターン形成には不向きである。また、そのレジスト組成物は熱安定性・保存安定性が良好でなく、得られるレジストパターンは機械的強度が良好でないため永久パターンとして使用するには不向きである。レジストパターンを永久パターンとして使用できれば、レジストパターンそのものが精密部品として使用でき、工程数が大幅に削減可能となり産業上の使用が期待できる。
一方、エポキシ樹脂は機械的強度、基板密着性、耐候性に優れ、コーティング材、部品材料として使用されており、永久パターンに適している。このエポキシ樹脂の加工例として、光3次元造形法が提案され、それに使用する材料も提案されている(特許文献1〜3参照)。
しかしながら、光3次元造形法は、液状の光硬化性樹脂組成物にレーザー等で選択的に光照射して硬化性樹脂層を形成する工程を繰り返して3次元構造体を形成する方法であり、直接描画法であるため、大量生産には不向きである。
また、エポキシ樹脂の他の加工例が、印刷回路板の製作時に使用されている(特許文献4)。ここで使用されているフォトレジスト組成物は「SU−8」(商品名:化薬マイクロケム(株)製)として市販されており、この「SU−8」は、他の公知のフォトレジスト組成物よりも厚い膜厚でもパターン形成できるという特徴を有している。
しかし、「SU−8」は、ノボラック型エポキシ樹脂と感放射線性カチオン重合開始剤とを主剤として使用しているが、使用されているノボラック型エポキシ樹脂は、その製造上エポキシ樹脂中にClやNa塩が混入するため、電気特性が悪く電子部品の永久パターンとしては不向きであるという問題がある。また、樹脂骨格に芳香環を含むため、特に波長300nm以下のDeep UV領域に強い吸収を持ち、また波長300nm以上の紫外光域や可視光域の透明性にも問題があり、光学部品、バイオチップへの使用も難しいばかりではなく、使用できる露光光源の種類にも制限を受けるという問題もある。
近年の半導体微細加工から、UV領域におけるパターン精度の向上には露光波長の短波長化が有効であることが実証されているため、Deep UV領域が使用できないことは不都合である。さらに、樹脂の吸収(透明性)にマッチングするカチオン開始剤を選択する必要があるが、上市されているカチオン開始剤の多くはノボラック型エポキシ樹脂の吸収域と一致するため、マッチングする開始剤は少なく選択の幅が狭い。
また、高アスペクトパターンの形成が可能であるX線によるPMMAの加工は、特殊な放射線であるX線を用いなければならないことと、さらにPMMAがフォトレジストとしての感度が低いため、加工時間が非常に長いという問題を抱えている。
特開昭60−247515号公報 特開平5−24119号公報 特開2000−239309号公報 特公平7−78628号公報
本発明はこのような事情に鑑み、レジスト組成物の熱安定性・保存安定性が良好であり、しかも、使用できる放射光の種類に選択幅が大きく簡便かつ生産性の高い方法で、パターン精度が高く厚膜かつアスペクト比の高いレジストパターンが得られる感放射線ネガ型レジスト組成物およびそれを用いたパターン形成方法を提供することを課題とする。
本発明者は前記課題を解決するために種々検討を重ねた結果、下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を含みかつカルボキシル基またはフェノール性水酸基を含む他の繰り返し単位を含まない特定のエポキシ樹脂を含む特定のレジスト組成物をパターン形成に使用すると、種々の光源を用いて簡便かつ生産性の高い方法で、電子部品、光学部品、バイオチップ等にも使用できる、パターン精度が高く厚膜かつアスペクト比の高いレジストパターンを得るのに好適であることを知見し、本発明を完成させた。
かかる本発明の第1の態様は、エポキシ樹脂と感放射線性カチオン重合開始剤と前記エポキシ樹脂を溶解させる溶媒とを含む感放射線ネガ型レジスト組成物において、前記エポキシ樹脂が下記式(1)で表わされる繰り返し単位を含みかつカルボキシル基またはフェノール性水酸基を含む他の繰り返し単位を実質的に含まないエポキシ樹脂であり、当該ネガ型レジスト組成物を乾燥後に得られるレジスト膜の軟化点が30〜120℃の範囲であることを特徴とする感放射線ネガ型レジスト組成物にある。
Figure 2005250067
(Rは水素原子あるいはメチル基を表わし、Wは、エステル結合あるいはエーテル結合を0〜10個含む炭素数1〜20のアルキレン基、または単結合を表わす。)
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記感放射線性カチオン重合開始剤がオニウム塩であり、該オニウム塩が1種類または2種類以上のスルホニウム塩であることを特徴とする感放射線ネガ型レジスト組成物にある。
本発明の第3の態様は、第1または2の態様において、前記感放射線性カチオン重合開始剤がオニウム塩であり、該オニウム塩の陰イオンの少なくとも1種類がSbF であることを特徴とする感放射線ネガ型レジスト組成物にある。
本発明の第4の態様は、第1〜3のいずれかの態様において、前記感放射線性カチオン重合開始剤がオニウム塩であり、該オニウム塩の陰イオンの少なくとも1種類が下記式(2)で表わされるボレート類であることを特徴とする感放射線ネガ型レジスト組成物にある。
Figure 2005250067
(式中x〜xは0〜5の整数を表わし、x+x+x+xの合計が1以上である。)
本発明の第5の態様は、第1〜4のいずれかの態様の感放射線ネガ型レジスト組成物を基材に塗布する第1の工程と、この感放射線ネガ型レジスト組成物を塗布した基材を乾燥することによりレジスト膜を得る第2の工程と、得られたレジスト膜を放射線により所望のパターンに合わせて選択的に露光する第3の工程と、露光後のレジスト膜を熱処理することによりコントラストを向上させる第4の工程と、熱処理後のレジスト膜を現像して未露光域のレジスト材料を溶解除去してパターン層を得る第5の工程とを有することを特徴とするパターン形成方法にある。
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記レジスト膜の膜厚が50μm以上であることを特徴とするパターン形成方法にある。
本発明の第7の態様は、第5または6の態様において、前記第5の工程の後、さらに、前記パターン層の少なくとも凹部に他の材料を設けて第2のパターン層とする第6の工程を有することを特徴とするパターン形成方法にある。
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記第2のパターン層を金属のメッキにより形成することを特徴とするパターン形成方法にある。
本発明の第9の態様は、第7の態様において、前記第6の工程では、光または熱硬化性樹脂を設け、その後光または熱により樹脂を硬化することにより前記第2のパターン層を形成することを特徴とするパターン形成方法にある。
かかる本発明は、一般式(1)で表わされる繰り返し単位を含みかつカルボキシル基またはフェノール性水酸基を含む他の繰り返し単位を含まないエポキシ樹脂を選択し、かつ乾燥後に得られるレジスト膜の軟化点が30〜120℃の範囲である組成物とすることにより、厚膜かつアスペクト比の高いレジストパターンを、高い生産性で簡便に種々の放射線を用いて形成することができる。
本発明によると、スピンコート法等の簡便かつ膜厚精度および膜厚制御性の高い方法でレジストが塗布可能で、所望のパターン精度によって露光光源を選択でき、フォトマスク等を用いて一括露光が可能で、露光時間が短く高生産性な、パターン精度が高く厚膜かつアスペクト比の高いレジストパターンが得られる感放射線ネガ型レジスト組成物、およびそれを用いたパターン形成方法を提供することができる。また、本発明の感放射線ネガ型レジスト組成物は熱安定性・保存安定性がよく、これを用いてパターンを形成すると露光部と未露光部の高いコントラスト(現像液への溶解速度の差)が得られる。
本発明の感放射線ネガ型レジスト組成物は、エポキシ樹脂と、感放射線性カチオン重合開始剤と、前記エポキシ樹脂を溶解させる溶媒とを含む。当該エポキシ樹脂は、一般式(1)で表わされる繰り返し単位を含みかつカルボキシル基またはフェノール性水酸基を含む他の繰り返し単位を含まないエポキシ樹脂である。なお、一般式(1)中Wとしては、メチレン基、2価のエチレンオキサイド誘導体、2価のカプロラクトン誘導体等を例示できる。このような感放射線ネガ型レジスト組成物は、スピンコート等の簡便かつ膜厚精度および膜厚制御性の高い方法で塗布することができる。また、本発明の感放射線ネガ型レジスト組成物は熱安定性・保存安定性がよく、これを使用してパターン形成すると露光部と未露光部の高いコントラストが得られる。
本発明の感放射線ネガ型レジスト組成物におけるエポキシ樹脂は、発明による効果を損なわない限り、一般式(1)で表わされる繰り返し単位以外に他の繰り返し単位を含んでいてもよく、例えば、下記式(3)で表されるような(メタ)アクリレート類や、スチレン類を代表とするビニル基を有する繰り返し単位や、シクロオレフィン骨格を有する繰り返し単位を含んでいてもよい。また、エポキシ樹脂中の上記一般式(1)で表わされる繰り返し単位の含有割合は、15〜100重量%であることが好ましく、25〜70重量%であることが特に好ましい。ただし、カルボキシル基またはフェノール性水酸基を含む他の繰り返し単位を実質的に含まない。「実質的に含まない」には、製法上不可避に生成してしまう不純物としてカルボキシル基またはフェノール性水酸基を含む場合も、範囲に含まれる。また、作用効果を考慮すれば5重量%以下程度、好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下程度であれば、カルボキシル基またはフェノール性水酸基が存在していても問題なく、「実質的に含まない」に包含されるものとする。エポキシ樹脂中におけるカルボキシル基またはフェノール性水酸基の量が増えると、レジスト組成物の熱安定性・保存安定性が悪くなり、これを使用してパターン形成すると露光部と未露光部のコントラストが悪くなる。また、アルコール性水酸基の含有量も少ないことが好ましい。さらに、レジスト組成物とした際の厚膜の塗布性やパターニング特性が良くなるように、エポキシ樹脂の分子量は1000〜200000であることが好ましく、3000〜50000であることがさらに好ましい。
Figure 2005250067
(式中のRは水素原子またはメチル基を表わし、Rは炭素数1〜12の炭化水素基を表わす。)
本発明の感放射線ネガ型レジスト組成物は、乾燥後に得られるレジスト膜の軟化点が30〜120℃の範囲であり、好ましくは35〜100℃、より好ましくは40〜80℃の範囲である。上記温度範囲に軟化点を有するので、後述するが厚膜形成に好適に使用することができるレジスト組成物である。ここでいう軟化点は、所定の乾燥後に得られるレジスト膜について規定しており、所定の乾燥後に得られるレジスト膜とは、感放射線ネガ型レジスト組成物を基材に塗布して乾燥し、レジスト塗膜に残存する溶媒量が10重量%以下となるようにして得られたレジスト膜を指す。この乾燥後に得られるレジスト膜の軟化点とは、JIS K 7234の方法を使用して得られた軟化点を指す。
このように測定される感放射線ネガ型レジスト組成物の乾燥後に得られるレジスト膜の軟化点は、主としてエポキシ樹脂および感放射線性カチオン重合開始剤の種類および含有量、さらには乾燥時に残存する溶媒やその他添加剤の種類および添加量等に依存するものであり、逆にこれらを変更することにより軟化点を調整することができる。なお、本発明では、レジスト塗膜に残存する溶媒量が10重量%以下となるように乾燥した後に得られるレジスト膜の軟化点が30〜120℃の範囲と規定したが、本発明の感放射線ネガ型レジスト組成物の使用状態を規定するものではない。従って、上述した範囲の軟化点を有する組成物であればよく、例えばパターンを形成する工程において、乾燥工程後に残存する溶媒量が10重量%を超えるようにして使用してもよい。
本発明の感放射線ネガ型レジスト組成物は50μmを超えるような厚膜パターン形成に使用することができるが、このような厚膜パターン形成において、公知の薄膜パターン形成に使用するレジスト組成物との差異として、乾燥工程による揮発分の留去にともなう体積減少が引き起こす応力の除去が必要となる点が挙げられる。厚膜形成した場合、応力の影響は特に顕著となり、レジスト膜のしわ、ひび、泡の発生等の不具合が生じ易くなるためである。レジスト組成物の乾燥後に得られるレジスト膜の軟化点が上記発明で特定した温度範囲の下限より低いと、乾燥後に得られるレジスト膜にタックが生じて実用に耐えなくなり、上限よりも高いと、乾燥後に得られるレジスト膜にしわ、ひび、泡の発生が発生して良好な膜形成ができなくなる。
一般式(1)で表わされる繰り返し単位を含みかつカルボキシル基またはフェノール性水酸基を含む他の繰り返し単位を含まないエポキシ樹脂は、例えば、一般式(1)で表わされる単量体の市販品である「CYCLOMER A200」、「CYCLOMER M100」(商品名:ダイセル化学工業(株)製)等を公知の方法で重合することにより得られる。なお、必要に応じて他の単量体と共重合することもできる。
一般式(1)で表わされる繰り返し単位のエポキシ樹脂は、主骨格に芳香環を含まないので波長200nm以上の紫外光、可視光域の吸収はほとんどなく透明性が高いため、本発明の感放射線ネガ型レジスト組成物を用いて形成されたパターンを光学部品やバイオチップ等とすることもできる。また、過酢酸等を使用した酸化によりエポキシ化を行うことができるので特許文献4に記載のエピクロロヒドリン型エポキシ樹脂と比較してClやNa塩の混入が少ないため、本発明の感放射線ネガ型レジスト組成物を使用して形成されたパターンを電子部品等とすることもできる。
なお、本発明の感放射線ネガ型レジスト組成物におけるエポキシ樹脂の軟化点が低すぎるとレジスト組成物の乾燥後に得られるレジスト膜にタックが生じ易くなるため、エポキシ樹脂は軟化点が30℃以上であるものが好ましく、40〜140℃であるものが特に好ましい。
また、本発明の感放射線ネガ型レジスト組成物における感放射線性カチオン重合開始剤は、放射線を照射して酸を発生するものであれば特に制限がなく、イオン性のものでも非イオン性のものでもよい。例えば、イオン性のものとしてスルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。
スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル)スルフィド−ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル)スルフィド−ビス(ヘキサフルオロアンチモネート)、4−ジ(p−トルイル)スルホニオ−4′−tert−ブチルフェニルカルボニル−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロアンチモネート、7−ジ(p−トルイル)スルホニオ−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロホスフェート、7−ジ(p−トルイル)スルホニオ−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロアンチモネート等や、特開平6−184170号公報、特開平7−61964号公報、特開平8−165290号公報、米国特許第4231951号、米国特許第4256828号等に記載の芳香族スルホニウム塩等を挙げることができる。
ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等や、特開平6−184170号公報、米国特許第4256828号等に記載の芳香族ヨードニウム塩等を挙げることができる。
また、ホスホニウム塩としては、例えば、テトラフルオロホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート等や、特開平6−157624号公報等に記載の芳香族ホスホニウム塩等を挙げることができる。
ピリジニウム塩としては、例えば、特許第2519480号公報、特開平5−222112号公報等に記載のピリジニウム塩等を挙げることができる。
なお、本発明の感放射線ネガ型レジスト組成物は50μmを超えるような厚膜パターン形成に使用することができ、このような厚膜パターン形成の際には、薄膜パターン形成の際に比べて、通常、レジスト組成物塗布後の乾燥工程における乾燥時間や現像工程の現像時間を長くする。それ故、厚膜パターン形成に使用するに好適なレジスト組成物には、長時間乾燥に耐える高い熱安定性と長時間現像に耐えるレジストパターンを形成する際の露光部と未露光部の高いコントラストが要求される。
上述した感放射線性カチオン重合開始剤の中でも、スルホニウム塩類が好ましい。スルホニウム塩を使用した場合は、熱安定性の良好なネガ型レジスト組成物が得られる。なお、1種または2種以上のスルホニウム塩を使用することができる。
また、感放射線性カチオン重合開始剤がオニウム塩であり、該オニウム塩の陰イオンの少なくとも1種類が、SbF 、または下記式(2)で表されるボレート類である場合は、ネガ型レジスト組成物を使用してパターン形成した際の露光部と未露光部の高いコントラストが得られ好ましい。前記ボレート類のより好ましい例としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
Figure 2005250067
(式中x〜xは0〜5の整数を表わし、x+x+x+xの合計が1以上である。)
スルホニウム塩およびヨードニウム塩は、市場から容易に入手することもできる。市場から容易に入手することができる感放射線性カチオン重合開始剤としては、例えば、ユニオンカーバイド(株)製の商品「UVI−6990」および「UVI−6974」、旭電化工業(株)製の商品「アデカオプトマーSP−170」および「アデカオプトマーSP−172」等のスルホニウム塩や、ローディア(株)製の商品「PI 2074」等のヨードニウム塩を挙げることができる。
これら感放射線性カチオン重合開始剤の添加量は、特に制限されないが、前記エポキシ樹脂100重量部に対し0.1〜15重量部が好ましく、より好ましくは1〜12重量部である。
本発明の感放射線ネガ型レジスト組成物において、エポキシ樹脂を溶解させる溶媒は、エポキシ樹脂を溶解する溶媒であれば特に制限がないが、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のアルコキシプロピオン酸アルキル類、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等のピルビン酸アルキルエステル類、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、プロピレンカーボナート、ダイアセトンアルコール等を挙げることができる。これらの溶剤は単独あるいは混合して使用することができる。上記溶媒の中では、γ−ブチロラクトンが特に好ましい。
上記各成分を含む感放射線ネガ型レジスト組成物は、固形分を固形分濃度として10〜90重量%含むことが好ましく、より好ましくは40〜85重量%であり、さらに好ましくは50〜80重量%である。固形分濃度が低すぎると充分な膜厚で塗布することが困難となり、また、固形分濃度が高すぎると粘度が高くなり、塗布が困難になるためである。
なお、上記感放射線ネガ型レジスト組成物には、必要に応じて界面活性剤、酸拡散抑制剤、顔料、染料、増感剤、可塑剤、シランカップリング剤等の各種添加剤や他の樹脂を加えることができる。
本発明の上記感放射線ネガ型レジスト組成物を基材に塗布する第1の工程と、この感放射線ネガ型レジスト組成物を塗布した基材を乾燥することによりレジスト膜を得る第2の工程と、得られたレジスト膜を放射線により所望のパターンに合わせて選択的に露光する第3の工程と、露光後のレジスト膜を熱処理することによりコントラストを向上させる第4の工程と、熱処理後のレジスト膜を現像して未露光域のレジスト材料を溶解除去してパターン層を得る第5の工程とを有するパターン形成方法によると、特に厚膜かつアスペクト比の高いパターンを得ることができる。
第1の工程では、本発明の上記感放射線ネガ型レジスト組成物を基材に塗布するが、塗布法に特に制限はなく、スクリーン印刷、カーテンコート、ブレードコート、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、スリットコート等の塗布方法を適用することができる。なお、本発明の感放射線ネガ型レジスト組成物は、高濃度のレジスト液とすることができるのでスピンコート等の簡便な方法により厚膜塗布が可能である。
また、感放射線ネガ型レジスト組成物を塗布する支持基材とその表面は特に制限されない。支持基材としては、例えば、シリコン、ガラス、金属、セラミック、有機高分子等を挙げることができる。これら支持基材は、接着性向上等を目的として基材の前処理を行うこともでき、例えば、シラン処理を行うことで接着性向上が期待できる。
第1の工程で感放射線ネガ型レジスト組成物を塗布した基材を、第2の工程により乾燥しレジスト膜を得る。この乾燥方法に特に制限はないが、感放射線ネガ型レジスト組成物に含まれる溶剤が揮発し、かつタックの無いレジスト膜を形成できる温度および時間で乾燥を行うことが好ましい。また、エポキシ樹脂、感放射線性カチオン重合開始剤およびその他必要に応じて添加した添加剤が、熱反応を起こしてパターン形成に不具合を与えることのない温度および時間にするのが好ましい。それ故、乾燥の条件は、例えば、40〜120℃、0.5分〜5時間であることが好ましい。なお、レジスト膜の膜厚は特に制限がなく、例えば、50μm以上の厚膜としても以降の工程で精度良く加工することができるが、50μm〜2mmとすることが特に好ましい。
前記第2の工程で得られたレジスト膜を、第3の工程で放射線により所望のパターンに合わせて選択的に露光する。露光に使用される放射線は特に限定されない。この放射線としては、例えば、紫外線、電子線、X線を挙げることができるが、波長0.1〜5nmのX線または紫外線であることが好ましい。本発明においては、上記のような感放射線ネガ型レジスト組成物を使用しているため、例えば、レジスト膜を50μm以上の厚膜としてもこの露光工程における露光時間は短く、また、使用できる放射線の種類に選択幅が大きい。
第3の工程で露光したレジスト膜を、第4の工程で熱によりコントラストを向上させる。この工程を省くとエポキシ樹脂の硬化反応が充分でなく、コントラストの良いパターンは得られない。第4の工程の熱処理は、未露光部のレジストが熱反応を起こして現像液に不溶化しない範囲の温度および時間で行う必要がある。好ましい温度は、70〜140℃、より好ましくは80〜110℃であり、また、好ましい時間は、0.5分〜5時間である。温度が低すぎるまたは時間が短すぎるとコントラストが不充分となり、また、温度が高すぎるまたは時間が長すぎると未露光部が現像液に不溶化する等の不具合が生じるためである。
第4の工程で熱処理したレジスト膜を、第5の工程により現像して未露光域のレジスト材料を溶解除去してパターン層を得る。なお本発明のパターン形成方法によれば、レジスト膜が厚膜かつ高強度で、解像度も優れているため、高アスペクトパターンを形成することができ、例えば、アスペクト比が10以上のパターンとすることもできる。
現像液は、未露光部のネガ型レジストを溶解除去する溶媒であれば特に制限はないが、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のアルコキシプロピオン酸アルキル類、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等のピルビン酸アルキルエステル類、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、プロピレンカーボナート、ダイアセトンアルコールが挙げられるが、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が特に好ましい。
現像の方式は、スプレー式、パドル式、浸漬式等いずれを使用してもよいが、浸漬式がパターンの剥がれ等のパターン破壊が少なく好ましい。また、必要に応じて、超音波等を照射することもできる。
なお、第5の工程において現像後に必要に応じてリンス工程を行うことが好ましいが、このリンス工程、リンス液およびリンス方法に特に制限はなく、公知の液および方法で行うことができる。
さらに現像またはリンス工程後に、レジストパターンを公知の条件で加熱することにより硬化をさらに進行させてパターンを安定化させることもできる。
上記本発明のパターン形成方法でパターンを形成すると、スピンコート等の簡便かつ膜厚精度および膜厚制御性の高い方法でレジスト組成物の塗布が可能で、所望のパターン精度によって露光光源を選択でき、フォトマスク等を用いて一括露光が可能で、露光時間が短く高生産性な、パターン精度が高く厚膜かつアスペクト比の高いレジストパターンを得ることができる。
このレジストパターンは、厚膜の永久パターンとすることができるため電子部品、光学部品、バイオチップ等部品としても使用できる。勿論、厚膜ではないパターンとすることもできるため様々な用途がある。
すなわち、本発明のパターン形成方法により得られたレジストパターンは部品として使用することができるが、レジストパターンを介して他のパターンを形成するレジスト本来的な用途にも使用できる。例えば、感放射線ネガ型レジスト組成物の塗布をプリント配線基板用の銅張り積層板に適用すると、配線パターンを形成することができる。この場合には、基板上にレジストパターン形成後、酸等の薬液に接触させて銅箔をエッチングするが、本発明により形成したレジストパターンは薬液に対し非常に安定であるためエッチングマスクとして良好な耐性を示すので、配線パターンが形成できる。
さらに、ソルダーマスクとしても使用できる。この場合には、銅張り積層板の銅箔をエッチングして形成した回路のパターンを有するプリント配線板に感放射線ネガ型レジスト組成物の塗布を適用し、レジストパターン形成後、得られた配線板に電子部品が噴流はんだ付け方法や、リフローはんだ付け方法によりはんだ付けされることにより接続、固定されて搭載され、一つの電子回路ユニットが形成される。本発明により形成したレジストパターンは熱的に安定であるためソルダーマスクとして良好な耐性を示すので、電子回路ユニットが形成できる。
また、第5の工程の後、さらに、前記パターン層の少なくとも凹部に他の材料を設けて第2のパターン層とする第6の工程を有することができる。すなわち、例えば図1、図2に示すように、基板1の上に形成されたパターン層2(図1(a)、図2(a))の少なくとも凹部に、他の材料で第2のパターン層3を設けることにより、パターン層2と第2のパターン層3との複合構造4を得ることができる(図1(b)、図2(b))。なお、第2のパターン層3は、パターン層2の凹部のみに設けてもよいし、パターン層2を覆うように表面全体に設けてもよい。このパターン層2と第2のパターン層3との複合構造4はこのまま部品として使用することができるが、基板1から分離して使用してもよく(図1(c)、図2(c))、また、パターン層2のみを除去して使用してもよい(図1(d)、図2(d))。パターン層2のみを除去する方法は、特に限定されないが、公知のウェット法やドライ法を使用することができる。例えば、ウェット法では、N−メチルピロリドン等の有機溶剤、エタノールアミン等の有機アルカリ溶液等の薬剤に浸漬する等の方法、ドライ法では、反応性イオンエッチング等のドライエッチング法やアッシング処理が挙げられる。
第2のパターン層3を形成する材料は特に制限されないが、材料を金属とする場合は、例えばメッキ工程により設けると、レジストパターン層と金属パターン層との複合構造を得ることができる。
メッキ工程の方法は特に限定されないが、電解メッキ法が好ましい。銅、ニッケル、銀、金、半田、銅/ニッケルの多層、あるいはこれらの複合系などの金属メッキを行う方法としては、従来からの公知の方法を使用でき、例えば、「表面処理技術総覧」((株)技術資料センター、1987/12/21初版、P.281〜422)に記載されている。なお、電解メッキ法を用いる場合は、感放射線ネガ型レジスト組成物を塗布する支持基材表面を導電性とすると電解メッキ工程を容易に行うことができるので好ましい。
また、第2のパターン層3を形成する材料は樹脂とすることもでき、この場合は例えば、光または熱硬化性樹脂をキャスト法や塗布法等で設け、その後光または熱により樹脂を硬化することにより第2のパターン層3を形成すると、レジストパターン層と樹脂パターン層との複合構造を得ることができる。なお、光または熱硬化性樹脂は特に限定されないが、例えば光または熱硬化性PDMS(ポリジメチルシロキサン)を使用すると、光または熱により容易に硬化するので特に好ましい。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
1.感放射線ネガ型レジスト組成物の調製
(合成例) Resin−1の合成
Figure 2005250067
200mlフラスコに還流管を取り付け、γ−ブチロラクトン55gに溶解させた3,4−エポキシ−1−シクロヘキシルアクリレート(ダイセル化学工業(株)製:商品名「CYCLOMER A200」)12gとメチルメタクリレート28gを仕込み、そこへγ−ブチロラクトン5gに溶解させた2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5gを窒素雰囲気下85℃にて30分かけて滴下した。3時間後室温まで冷却した後、メタノール水溶液を用いて再沈処理し、乾燥することにより目的物Resin−1を35g得た。
(比較合成例) Resin−2の合成
Figure 2005250067
200mlフラスコに還流管を取り付け、γ−ブチロラクトン55gに溶解させた3,4−エポキシ−1−シクロヘキシルアクリレート(ダイセル化学工業(株)製CYCLOMER A200)12gとメタクリル酸28gを仕込み、そこへγ−ブチロラクトン5gに溶解させたAIBN0.5gを窒素雰囲気下85℃にて30分かけて滴下した。3時間後室温まで冷却した後、メタノール水溶液を用いて再沈処理し、乾燥することにより目的物Resin−2を36g得た。
(実施例1〜4、比較例1および3)
表1に示す割合でレジスト材料を混合して3本ロールミルにて均一組成物とし、感放射線ネガ型レジスト組成物を調製した。なお、Resin−3およびカチオン重合開始剤(PI-1〜PI-4)の構造式および商品名を、下記に示す。
Figure 2005250067
Figure 2005250067
Resin-3:EPON SU−8(商品名:シェルケミカル(株)製、エポキシ樹脂)
Figure 2005250067
PI-1:UVI−6974(商品名:ユニオンカーバイト(株)製、カチオン重合開始剤 有効成分50wt% 上記化合物を主成分とした混合物)
PI-2:UVI−6990(商品名:ユニオンカーバイト(株)製、カチオン重合開始剤 有効成分50wt% 上記化合物を主成分とした混合物)
PI-3:SarCat CD−1012(商品名:サートマー(株)製、カチオン重合開始剤)
PI-4:上記化合物を主成分とした混合物
2.パターニング評価
(1)レジスト膜の作成
(実施例1a〜4a)
スパッタ法により銅で被覆したシリコン基板上にスピンコーターにより、実施例1〜4の感放射線ネガ型レジスト組成物を塗布した後、90℃のホットプレート上で30分間乾燥させ、100μm厚のレジスト膜を得た。
(比較例1a)
実施例1〜4の感放射線ネガ型レジスト組成物の代わりに比較例1の感放射線ネガ型レジスト組成物を使用して、実施例1a〜4aと同様にして、100μmのレジスト膜を得た。
(比較例2a)
PMMAシロップ(ローム・アンド・ハース(株)製PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、熱重合開始剤、架橋剤のMMA(メタクリル酸メチル)溶液)をシリコン基板上にキャスティングした。その際、スライドガラスをギャップとし、ガラス板で押さえ、110℃で1時間重合硬化させた。その後、15℃/時間の速度で冷却し、100μmのPMMAレジスト膜を得た。
(試験例1)
実施例1a〜4a,比較例1aおよび2aで得られたレジスト膜の均一性(塗布性)を評価するために、基板上の任意の3点の膜厚を測定した。測定値の最大値と最小値の差が5μm未満の場合を「◎」、5〜10μmの場合を「○」、10μmを超える場合を「×」として、塗布性を評価した。結果を表2に示す。
(2)レジストパターンの形成
(実施例1b〜4b)
光源に高圧水銀灯を使用した場合とKrFエキシマレーザーを使用した場合は、石英のUVマスクをマスクとして、シンクロトロン光によるX線(波長:0.2〜1nm)を使用した場合は、ダイヤモンドメンブレン上に金の吸収体パターンが形成されたものをX線マスクとして実施例1a〜4aのレジスト膜を照射し、その後90℃のホットプレート上で10分間熱処理を行った後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に30分間浸漬させ現像を行い、レジストパターンを得た。なお、露光量は表2に示す。
(比較例1b)
実施例1a〜4aのレジスト膜の代わりに比較例1aのレジスト膜を使用して、実施例1b〜4bと同様にして、レジストパターンを得た。
(比較例2b)
実施例1b〜4bと同様にマスクを用いて比較例2aのPMMAレジスト膜を照射した後、エタノール、オキサジン、アミノエタノール、水の混合物中に12時間超音波をかけた状態で浸漬させ現像を行い、レジストパターンを得た。
(試験例2)
実施例1b〜4b,比較例1bおよび2bで得られたレジストパターンを光学顕微鏡にて観察し、膨潤によるパターン蛇行等がない場合を「◎」、膨潤によりパターン頂上部にしわが見られるがパターン蛇行は見られない場合を「○」、パターン蛇行が有る場合を「×」として感度を評価した。
また、前記レジストパターンがマスク線幅10μmのパターンを解像した場合(アスペクト比10)を「◎」、マスク線幅20μmのパターンを解像した場合(アスペクト比5)を「○」、解像しない場合を「×」として解像度を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2005250067
実施例1aおよび4aは塗布性が良好であり、実施例1bおよび4bは高圧水銀灯、KrFエキシマレーザー、シンクロトロン光によるX線のすべての露光条件で良好な結果を示した。実施例2aは塗布性が良好であり、実施例2bは実施例1bに比べやや硬化感度が劣るものの概ね良好な結果を示した。実施例3aは塗布性が良好であり、実施例3bは未露光部の現像速度が遅くなっておりパターン性等にも多少の悪影響が見られたが概ね良好な結果を示した。比較例1aは塗布性が良好であり、比較例1bは高圧水銀灯、シンクロトロン光によるX線による露光では良好な結果を示したが、KrFエキシマレーザーで露光した場合はパターン形成ができなかった。比較例2aでは均一の膜厚のレジスト膜が得られず、また、比較例2bでは露光条件もシンクロトロン光で10000J/cmと実用上困難な露光量まで大きくしないとパターンが形成できないことが確認された。
3.乾燥後に得られたレジスト膜の軟化点測定と外観試験
(試験例3)
実施例1a〜4aのレジスト膜について、JIS K 7234の方法にしたがった軟化点測定と目視による膜の状態の観察を行なった。その結果、いずれのレジスト膜も軟化点は40〜80℃の範囲にあり、タック、しわのない良好なレジスト膜であった。
4.樹脂中の含有Cl測定
(試験例4)
Resin−1およびResin−3をジオキサンに溶解させ、水酸化カリウム水溶液を加えた。その後、30分間還流後、硝酸銀滴定により加水分解性Cl濃度を求めた。結果を表3に示す。
Figure 2005250067
実施例1〜4で用いた樹脂Resin−1中には、ほとんどClの混入は認められないが、比較例1で用いた樹脂Resin−3中にはClが非常に高い濃度で混入していることが確認された。
5.保存安定性試験
(試験例5)
実施例1〜4と比較例3の感放射線ネガ型レジスト組成物をガラス瓶に密閉し、40℃のインキュベーター内に1週間放置した後に外観観察および粘度測定を行なった。粘度測定では、粘度の変化が5%以内の場合を「◎」、50%以内の場合を「○」、それ以上の場合を「×」として保存安定性を評価した。結果を表4に示す。表4に示すように、比較例3のレジスト組成物は保存安定性が悪かった。
Figure 2005250067
6.レジストパターン層と金属パターン層との複合構造の形成
(実施例1c〜4c)
実施例1b〜4bのレジストパターンを形成した基板をミクロファブAu100(商品名:田中貴金属製メッキ液)に浸し、室温下で電流値1〜10A/100cmで通電してAuメッキ層を形成し、レジストパターン層と金属パターン層との複合構造を得た。
(試験例6)
実施例1c〜4cで得られたレジストパターン層と金属パターン層との複合構造を顕微鏡にて観察し、均一にメッキが行われ、かつメッキ処理前のレジストパターンが転写された逆のパターン形状が精度よく形成されている場合を「○」、均一にメッキが行われないおよび/またはレジストパターンが転写された逆のパターン形状が得られていない個所がある場合を「×」として評価した。結果を表5に示す。
7.レジストパターン層と樹脂パターン層との複合構造の形成
(実施例1d〜4d)
実施例1b〜4bのレジストパターンを形成した基板上に、主剤:重合剤=10:1の割合で混合した未重合のPDMS(ダウ・コーニング(株)製:商品名「Sylgard 184」)を流し込み、100℃で2時間加熱重合させた。基板を室温下まで冷却して、レジストパターン層と樹脂パターン層との複合構造を得た。
(試験例7)
実施例1d〜4dで得られたレジストパターン層と樹脂パターン層との複合構造を顕微鏡にて観察し、レジストパターンの破損物が無く、かつレジストパターンが転写された逆のパターン形状が精度よく形成されている場合を「○」、破損物が有る場合および/またはレジストパターンが転写された逆のパターン形状が得られていない個所がある場合を「×」として評価した。結果を表5に示す。
Figure 2005250067
表5に示すように、実施例1c〜4cおよび1d〜4dでは良好に、レジストパターン層と金属または樹脂パターン層との複合構造を形成することができた。
本発明の一実施形態にかかるパターン形成方法を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる他のパターン形成方法を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 パターン層
3 第2のパターン層
4 複合構造

Claims (9)

  1. エポキシ樹脂と感放射線性カチオン重合開始剤と前記エポキシ樹脂を溶解させる溶媒とを含む感放射線ネガ型レジスト組成物において、前記エポキシ樹脂が下記式(1)で表わされる繰り返し単位を含みかつカルボキシル基またはフェノール性水酸基を含む他の繰り返し単位を実質的に含まないエポキシ樹脂であり、当該ネガ型レジスト組成物を乾燥後に得られるレジスト膜の軟化点が30〜120℃の範囲であることを特徴とする感放射線ネガ型レジスト組成物。
    Figure 2005250067
    (Rは水素原子あるいはメチル基を表わし、Wはエステル結合あるいはエーテル結合を0〜10個含む炭素数1〜20のアルキレン基、または単結合を表わす。)
  2. 請求項1において、前記感放射線性カチオン重合開始剤がオニウム塩であり、該オニウム塩が1種類または2種類以上のスルホニウム塩であることを特徴とする感放射線ネガ型レジスト組成物。
  3. 請求項1または2において、前記感放射線性カチオン重合開始剤がオニウム塩であり、該オニウム塩の陰イオンの少なくとも1種類がSbF であることを特徴とする感放射線ネガ型レジスト組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記感放射線性カチオン重合開始剤がオニウム塩であり、該オニウム塩の陰イオンの少なくとも1種類が下記式(2)で表わされるボレート類であることを特徴とする感放射線ネガ型レジスト組成物。
    Figure 2005250067
    (式中x〜xは0〜5の整数を表わし、x+x+x+xの合計が1以上である。)
  5. 請求項1〜4のいずれかの感放射線ネガ型レジスト組成物を基材に塗布する第1の工程と、この感放射線ネガ型レジスト組成物を塗布した基材を乾燥することによりレジスト膜を得る第2の工程と、得られたレジスト膜を放射線により所望のパターンに合わせて選択的に露光する第3の工程と、露光後のレジスト膜を熱処理することによりコントラストを向上させる第4の工程と、熱処理後のレジスト膜を現像して未露光域のレジスト材料を溶解除去してパターン層を得る第5の工程とを有することを特徴とするパターン形成方法。
  6. 請求項5において、前記レジスト膜の膜厚が50μm以上であることを特徴とするパターン形成方法。
  7. 請求項5または6において、前記第5の工程の後、さらに、前記パターン層の少なくとも凹部に他の材料を設けて第2のパターン層とする第6の工程を有することを特徴とするパターン形成方法。
  8. 請求項7において、前記第2のパターン層を金属のメッキにより形成することを特徴とするパターン形成方法。
  9. 請求項7において、前記第6の工程では、光または熱硬化性樹脂を設け、その後光または熱により樹脂を硬化することにより前記第2のパターン層を形成することを特徴とするパターン形成方法。

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