JP2013082727A - 中和されたアクリル性粘着パッチを備えた経皮治療システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも1種の塩基性または中性として作用する薬学的作用物質と、アクリル酸またはメタクリル酸単位をポリマー鎖の一部として有するコンタクト接着性ポリマーとを含有し、カルボキシル基の含有量が上記ポリマー材料の0.5〜10.0%(w/w)であり、さらに上記カルボキシル基が、アルカリ塩またはアルカリ土類塩の形態で、5〜100%、好ましくは10〜50%の化学量論で存在することを特徴とする。感湿性を低減するため、水結合性添加剤を含有させることも可能である。
【選択図】なし
Description
ボーンビルダー(backbone builders))であり、多くの場合、その主成分であるばかり
か、これらのポリマー自体が感圧接着性を有しているからである。このため、これらポリマーは、例えば、天然または合成ゴム(バックボーンビルダー)と天然または合成樹脂(いわゆる粘着性付与剤)との混合物とは根本的に異なっている。ポリアクリレートベースの感圧接着剤に関しては、感圧接着特性を付与するために低分子成分を添加する必要はない。
低分子成分は、大部分がゴムに対する粘着性付与剤として添加を要する樹脂であるが、これらは皮膚を経由して吸収される際に、炎症や、アレルギー反応さえも引き起こすことがある。このような危険は、ポリアクリレート類にはほとんど皆無である。このため、ポリアクリレート類は、医薬品として使用される際に「低アレルギー性(hypoallergenic)」と表現されることがある。
られる。
とができる。通常、このような反応は、対応するポリマー溶液を最終製品へと加工する過程において、上記溶液を加熱、乾燥する際に起こる。また、適切な架橋試薬を添加した上で、例えば、UV照射のような高エネルギー量の光照射を行うことによって架橋を引き起こすことも可能である。架橋により、ポリマー塊の流動性は阻害されるが、その変形性(deformability)は保たれるので、実質的に弾性のみが残る。
flow)が起こる。感圧接着剤を皮膚に適用した場合、コールドフローにより、上記感圧
接着剤が皮膚の細孔から必要以上に深く皮膚に浸透し、上記接着剤の除去が困難になり、よって痛みを伴うおそれがある。この点に関しても、架橋形成能力(capacity for crosslinking)により、対応する利点が得られる。
ー((メタ)アクリレート系でないモノマー)の取り込みが、極めて単純な方法で可能となる。上記異種モノマーとしては、例えば、エチレン、酢酸ビニル、またはビニルアルコールのその他のエステル、および特に各種ビニルピロリドン、ならびにスチレン、クロタミトンが挙げられる。
上記ポリマーは、室温で感圧接着特性を有する。
平均ポリマー質量の50%(w/w)以上が、アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらのエステル誘導体であるモノマーである。
平均ポリマー質量の0.5%(w/w)、最大で10%(w/w)が、非飽和アクリル酸または非飽和メタクリル酸である。
て高い結合能(binding capacity)を有する。特に、対イオンのナトリウムおよびカリウムは、この要領で多量の水に結合できる。
用するカルボキシル基(acidically reacting carboxyl groups)を、塩基と反応させて
塩に変換することを意味する。中和とは、全ての酸性基が、この要領で完全に変換されることを意味する。パーセンテージで表される中和度は、理論上可能な完全な変換に対し、実際に起こった変換の比率を示すものである。
を構成し得るからである。しかしながら、上記製剤中に、例えば、低分子カルボン酸、スルホン酸、または脂肪酸といった他の酸性成分が含まれている場合には、100%を上回る中和度は有用である。これらの物質は、可塑剤、粘着性付与剤、または増強剤に含まれている。
ノラート(potassium ethanolate)といったアルカリアルコラート(alkali alcoholates)を使用することも可能である。これらのアルカリ性試薬によれば、中和反応における水の使用を完全に不要になり、さらに生成物として水が形成されることもない。
ができる。
が存在する。
有量を規定している。
いずれも酸ポリアクリレート感圧接着剤を中和したことによる効果であることがわかっている。
記ポリマーへの可逆結合(reversible bond)が酸と塩基との反応によって形成されるこ
とにより妨げられることは概ね予想される。上記ポリマーの中和により、この結合が解かれることは予想可能であるが、この効果の程度、ならびに観察された事実上直線性である可制御性(practically linear controllability)は、当業者に予測可能な範囲をはるかに超えるものである。
は、三次元的ポリマー構造の変化と、そこに組み込まれた低分子作用物質の溶解度の変化とに関連していると考えられる。
グアニジン構造を有していてもよい。これらの例として、ニコチン、ツロブテロール、またはリバスチグミンが挙げられる。
スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーおよびスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーである。
ス(クロスカルメロース(croscarmellose))のナトリウム塩またはカルシウム塩、架橋ポリアクリル酸または架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン(crospovidone))のナトリウム塩またはカルシウム塩が挙げられる。
ビニルエーテルとマレイン酸無水物とからなる混合ポリマー、グアルゴム(guar gum)、ヒドロキシプロピルグアルゴムまたはグアル粉(guarflour)、アラビアゴム、デキスト
リンおよびデキストラン、多糖B1459または高水溶性ケルトロールといった微生物学的に生成された多糖ゴム(polysaccharide gum)、フィコール製品のような合成多糖類、メチルグルコース誘導体、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ペクチンまたはアミド化製品であるペクチンアミド(pectinamide)のようなポリガラクツロン酸誘導体が挙げ
られる。
〜50μmの範囲である必要があり、5〜25μmであることが好ましい。これらの条件下では、このような物質を含有する接着剤の溶液によるコーティングが、少なくとも100〜1000μmの薄い膜厚でスムーズに(without problems)行える。
は、上記TTS中においてこの水結合剤が占める体積により、一般に、作用物質の含有可能量が低下するからである。上述の目的のためには、このような水結合性添加剤が、0.1〜5重量%(作用物質を含有する感圧接着性ポリマーフィルムの総重量を基準にする)存在すれば十分である。
学的調査]
3種類の薬学的作用物質の、上記接着剤の中和ならびに中和のために使用した試薬に依存した、酸ポリアクリレート感圧接着性フィルムからの放出挙動を調べた。
発の分野では一般的に知られているフランツ(Franz)の改良型透過セル(modified permeation cell)を使用した。
性マトリックスに含まれる作用物質の熱力学的活性のみを観察することができる。
感圧接着層で構成されていた。作用物質の含有量は、作用物質がツロブテロール(tulobuterol)、リバスチグミン、キサノメリンの場合は5%(w/w)、テストステロンの場
合は2.5%(w/w)であった。
登録商標)387−2051(ナショナルスターチ社(National Starch)製)を、可能
であれば、上記ポリアクリレートの中和度が100%となる量の水酸化アルカリの10%(w/w)メタノール性溶液(methanolic solution)と混合した。この作業を行った後
、得られた塊に上述の作用物質を添加して溶解した。
本実施例は、塩基性作用物質であるニコチンを含有する二層式マトリックスのTTSを示している。中和されたアクリレートコポリマーの感圧接着層は、水結合性添加剤(いわゆる吸水剤(hydroabsorbent)、本実施例ではクロスカルメロースナトリウム(croscarmellose sodium)、すなわち架橋カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩)を含有す
る。完成したTTSは、24時間の装着の間、完璧に皮膚に付着しており、皮膚から剥がれることは全く無かった。
塗布した。この直後に、コーティングされたこの製品を、テーブル3に記載の組成をする膜厚144g/m2の感圧接着層に積層した。
性(linear dependence)が存在していることがわかった。この従属性を、線形回帰(linear regressions)により破線で示している。
Claims (28)
- マトリックスシステムまたは貯蔵体システム(reservoir system)として体現される経皮治療システムであって、
少なくとも1種の塩基性または中性として作用する薬学的作用剤(basic- or neutral-reacting pharmaceutical active agent)と、
アクリル酸またはメタクリル酸単位をそのポリマー鎖に備えた感圧接着性ポリマーとを含有し、
カルボキシル基の含有量が、平均ポリマー質量(mean polymer mass)の0.5〜10
.0%(w/w)であり、前記カルボキシル基が、アルカリ塩またはアルカリ土類塩の形態で、化学量論的に5〜100%、好ましくは10〜50%の割合で存在していることを特徴とする経皮治療システム。 - 非接着性の裏当て層(backing layer)と、1〜3層、好ましくは1または2層の感圧接
着層と、剥離可能に形成された取外し可能な保護層(a removable protective layer rendered dehesive)とで構成されたマトリックスシステムであることを特徴とする請求項1に記載の経皮治療システム。 - 前記アルカリ塩が、ナトリウム塩またはカリウム塩であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 前記アルカリ土類金属がマグネシウム塩またはカルシウム塩であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 前記薬学的作用物質が、20℃の温度条件下においては液体で存在することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 前記薬学的作用物質が、前記作用物質含有マトリックスの2〜50%(m/m)、好ましくは5〜25%(m/m)の割合で存在することを特徴とする請求項5に記載の経皮治療システム。
- 塩基性の薬学的作用物質を、薬学的に許容可能な塩の形態で、好ましくは、アセテート、クエン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メシラート、硫酸塩、または酒石酸塩の形態で含有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 前記カルボキシル基含有ポリマーが、アルミニウムイオンに架橋した状態で存在し、アルミニウム量として算出したその濃度が、前記ポリマー質量の0.005〜0.5%(m/m)、好ましくは0.01〜0.1%(m/m)であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 使用される(utilised)架橋試薬がアルミニウムアセチルアセトネート(aluminium acetyl acetonate)であることを特徴とする請求項8に記載の経皮治療システム。
- 前記作用物質含有マトリックスが、一般式CXHYCH2OH(X=9〜17、Y=19〜
33)によって表される直鎖状または枝分れ鎖状の脂肪アルコールである少なくとも1種の増強剤(enhancer)、好ましくは、デカノール、ドデカノール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルデカノール、またはオレイルアルコールを含有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の経皮治療システム。 - 前記作用物質含有マトリックスが、一般式CXHYCOOH(X=9〜17、Y=19〜33)によって表される飽和または非飽和脂肪酸である少なくとも1種の増強剤、好ましくは、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸またはオレイン酸を含有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 前記作用物質含有マトリックスが、ソルビタン脂肪酸エステルまたはエトキシ化によって得られるその誘導体である少なくとも1種の増強剤、好ましくは、ソルビタンモノラウレートおよびソルビタンモノオリエートを含有し、前記ソルビタンモノラウレートおよびソルビタンモノオリエートは、ソルビタンエステル分子がそれぞれ5〜20個の酸化エチレンの分子によってエーテル化された状態で存在してもよいことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 前記作用物質含有マトリックスが、脂肪アルコールエトキシレートである少なくとも1種の増強剤、好ましくは、ドデカノールまたはオレイルアルコールと1〜5単位の酸化エチレンとによって得られる反応生成物を含有することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 前記作用物質含有マトリックスが、脂肪酸とメタノール、エタノール、またはイソプロパノールとのエステルである少なくとも1種の増強剤、好ましくは、ラウリン酸メチル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、またはパルミチン酸イソプロピルを含有することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 前記作用物質含有マトリックスが、脂肪アルコールと酢酸または乳酸とのエステルである少なくとも1種の増強剤、好ましくは、乳酸ラウリルまたは酢酸オレイルを含有することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 前記作用物質含有マトリックスが、多価脂肪族アルコールまたはポリエチレングリコール(polyethylene glykols)である少なくとも1種の水混和性増強剤(water-miscible enhancer)、好ましくは、1,2−プロピレングリコール(1,2-propylene glykol)、グリ
セリン、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール(dipropylene glykol)、または平均分子量が200〜600Daであるポリエチレングリコール(polyethylene glykols)を含有することを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の経皮治療システム。 - 前記のいわゆる増強剤が、部分的または完全に分散された状態で前記マトリックス中に存在し、エマルジョンの場合には、前記増強剤が好ましくはグリセリンであることを特徴とする請求項16に記載の経皮治療システム。
- 前記作用物質含有マトリックスが、クエン酸エステルまたは飽和トリグリセリドである少なくとも1種の可塑剤、好ましくは、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、トリアセチン、またはその脂肪酸鎖の長さが炭素原子数8〜12の範囲である中鎖トリグリセライドを含有することを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 前記増強剤、または前記増強剤2種以上の混合物、または前記増強剤と前記以外の増強剤との混合物が、前記作用物質含有マトリックスの10〜80%、好ましくは10〜50%(m/m)を占めることを特徴とする請求項10から18の1項以上に記載の経皮治療システム。
- 水吸着性または水吸収性の固形剤、好ましくは、カルボキシメチルセルロースのナトリウ
ム塩またはカリウム塩、架橋ポリビニルピロリドン、架橋ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸のナトリウム塩またはカリウム塩、またはカルボキシメチルデンプンのナトリウム塩またはカリウム塩が、乾燥状態で前記システムに分散されていることを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の経皮治療システム。 - 皮膚に対向する側が感圧接着性で、かつカルボキシル基を含有する感圧性アクリレート接着剤で構成された別個の層をさらに備え、前記カルボキシル基は塩形態では存在せず、好ましくはアルミニウムイオンによって架橋されていることを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 皮膚に対向する側が感圧接着性で、かつカルボキシル基を含有せずヒドロキシル基を含有する感圧性アクリレート接着剤で構成された別個の層をさらに備え、前記感圧性アクリレート接着剤がアルミニウムイオンまたはチタンイオンによって架橋されていることを特徴とする請求項1から21のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 皮膚に対向する側が感圧接着性であり、シリコーンベースの感圧接着剤で構成された別個の層を備えることを特徴とする請求項1から22のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 皮膚に対向する側が感圧接着性であり、2以上の異なる中間分子量を有するポリイソブチレンの混合物をベースにした感圧接着剤で構成された別個の層が設けられていることを特徴とする請求項1から23のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 皮膚に対向する側が感圧接着性である上記層の単位面積当たりの重量が、10〜100g/m2、好ましくは20〜50g/m2であることを特徴とする請求項21から24のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 前記作用物質が、ニコチン、キサノメリン(xanomeline)、またはリバスチグミン(rivastigmin)であることを特徴とする請求項1から25のいずれか1項に記載の経皮治療シ
ステム。 - 前記作用物質が、ステロイドホルモンであり、好ましくは、エストラジオール、レボノルゲストレル、酢酸ノルエチステロン、ゲストデン、またはテストステロンであることを特徴とする請求項1から26のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
- 前記作用物質が、硝酸の有機エステルであり、好ましくは、ニトログリセリン、イソソルビドモノニトラート、またはイソソルビドジニトラートあることを特徴とする請求項1から27のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
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