JPH06346041A - 親水性粘着剤組成物 - Google Patents

親水性粘着剤組成物

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JPH06346041A
JPH06346041A JP5138690A JP13869093A JPH06346041A JP H06346041 A JPH06346041 A JP H06346041A JP 5138690 A JP5138690 A JP 5138690A JP 13869093 A JP13869093 A JP 13869093A JP H06346041 A JPH06346041 A JP H06346041A
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sensitive adhesive
vinylacetamide
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copolymer
adhesive composition
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JP5138690A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Ishii
徹弥 石井
Keiko Echigo
恵子 愛知後
Tetsuhiko Yamaguchi
哲彦 山口
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩類、アルコール類および水性液体の存在下
でも粘着剤の経時による粘着力、タック、保持力等の物
性の低下がなく、また粘着したものを除去する場合、水
で簡単に剥離でき、粘着剤が被着物に残らず、きれいに
除去できる親水性粘着剤組成物を提供することにある。 【構成】 実質的にN−ビニルアセトアミドの重合体ま
たは共重合体と多価アルコールとを重量比70:30〜
40:60で配合したものを主成分とすることを特徴と
する親水性粘着剤組成物。 【効果】 水溶性、従って浸水剥離性、粘着性がいずれ
も優れており、且つ皮膚に接着させた場合、刺激性がな
く安全性が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な親水性粘着剤組
成物、特に水、塩類、アルコール類の存在下でも、紙、
布、ガラス、金属、木材等の表面に指圧するだけで粘着
性・付着性を示す優れた親水性粘着能を有する重合体ま
たは共重合体を含有するものであって、家庭日用品とし
ての粘着テープ・ラベル、あるいは風呂用、台所用の耐
水性粘着剤の他、関節・筋肉の補強固定のためのスポー
ツテープ、サポーター、脱毛テープ、カツラや生理用ナ
プキン等の両面テープ等の皮膚に貼付するもの、医療用
補助テープとしての救急絆創膏、傷絆創膏、サージカル
テープ、手術用縫合テープ、パッチテスト用テープ等
や、医療用としての口膣粘膜用製剤、経皮吸収用製剤
(テープ剤、成型パップ剤、プラスター剤等)等に用い
られる粘着剤組成物、また水のごとき安価で、入手しや
すく安全な溶剤で簡単に剥離でき、かつ人体の皮膚及び
体内において安全な親水性粘着剤組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、家庭用品、産業用品としての
粘着テープ、ラベル等に用いられている粘着剤は、主と
して天然ゴム系粘着剤と合成ゴム系粘着剤であり、その
いずれのものにも、石油系の樹脂や低分子有機化合物が
含まれており、乳幼児が誤って口にいれた場合にその安
全性に問題があることが指摘されている。
【0003】さらに、これらの疎水性粘着剤は、台所等
の水や湿気のある場所で従来のテープやラベルを貼付す
ると、濡れている面に対し親和性がないため脱着してし
まい、長時間目的部位に保持できないという欠点があっ
た。またかかる粘着剤は残った粘着剤を除去するために
は有機溶剤で何度も洗ったり、ふいたりしなければなら
ないが、この時、有機溶剤により被着物がおかされるこ
とが多い。
【0004】近年、これらの点を解決する技術として、
特公昭48−33973に親水性粘着組成物としてアク
リル系のポリマーを主成分にするものが開示されてい
る。このようなポリマーにはアクリル酸またはその塩類
を単量体としているものがあるが、これらはイオン性で
あるため過剰の水分の吸収によりポリマーが膨潤崩壊す
ることにより、凝集力が低下して脱落してしまい、長時
間の使用には耐えられない。またポリアクリル酸または
その塩類はアニオン性のポリマーであるため汗などに含
まれる塩類により増粘性が著しく低下し、粘着力が低く
なり、かつ、エタノール、イソプロピルアルコール等の
アルコール類との親和性に乏しく、例えば消毒液等のア
ルコール溶液で濡れている面への付着性は低下する。ま
た、医療用としての口膣粘膜用製剤、経皮吸収用製剤等
においてエタノール、イソプロピルアルコール等のアル
コール類は薬物の溶解性および経皮吸収性を高めること
が知られているが、これらを配合してもその親和性の乏
しさから、吸収性および低毒性に優れた口膣粘膜用製
剤、経皮吸収用製剤等は作製できなかった。
【0005】その後、多数のアクリル系の親水性粘着剤
組成物が開示されたが、これらは依然として残留モノマ
ーの毒性の問題が残されており、とりわけ皮膚に貼付す
る場合、皮膚密着性が良好でも残留モノマーの皮膚刺激
性が生じてくる。(例えば日本接着学会誌、27、52
6(1991))
【0006】これらを解決するものとして、特開平4−
182437に、N−ビニルアセトアミドの共重合体を
含有するテープ剤が示されている。しかしこれらは被着
体として皮膚を対象としておりタック力ではある程度の
ものが得られていたが、皮膚以外を対象とした場合に
は、満足のいく粘着性が得られていない。J.Dow
(Proc.Inst.Rub.Ind.,1,105
(1954)によると、理想的な粘着とは、被着体にし
っかり粘着し、粘着剤を相手に残さず、きれいにはがれ
ることが必要で、そのためには凝集力>粘着力>タック
力の力関係が必要であるとしている。すなわち特開平4
−182437で示されている粘着剤ではポリマー濃度
が低く設定してあるため十分な凝集力が得られておら
ず、粘着性に乏しかったものと考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる実情から、本発
明は、上述の従来技術の課題を解決し、塩類、アルコー
ル類および水性液体の存在下でも粘着剤の経時による粘
着力、タック、保持力等の物性の低下がなく、また粘着
したものを除去する場合、水で簡単に剥離でき、粘着剤
が被着物に残らず、きれいに除去できる親水性粘着剤組
成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この様な実情に鑑み、鋭
意検討を重ねた結果、実質的にN−ビニルアセトアミド
重合体またはその共重合体と多価アルコールを主成分と
することを特徴とする親水性粘着剤組成物が親水性粘着
能を発揮することを見いだした。
【0009】N−ビニルアセトアミドはノニオン性であ
るために、弱酸性を有する紙、皮膚などアニオン性およ
びカチオン性の表面の上に該粘着剤組成物を貼付適用し
た際に、イオン性の粘着剤組成物にくらべ粘着力が高い
と考えられ、かつ、水および塩の存在下でもイオン反発
によりポリマー鎖が伸縮することなく凝集力を維持でき
るので保持力等の低下がなく、粘着剤組成物が膨潤崩壊
し脱落してしまうのを抑えられる。また本粘着剤組成物
を口膣粘膜用製剤、経皮吸収用製剤等に適用する場合、
窒素および酸素原子を有しているので重合体または共重
合体の極性が高まり、薬物の溶解性および皮膚接着性を
向上させることができる。そのうえ重合体または共重合
体が水溶性であるので粘着剤層の親水性が向上し、皮膚
面に分泌される水分を吸収するので、医薬製剤の皮膚密
着性を維持し満足する薬理効果が充分に得られ、また外
界の水蒸気との間に平衡状態が成立し、皮膚のむれ、カ
ブレを防止する。またN−ビニルアセトアミドの皮膚刺
激性等の毒性は低い。
【0010】本発明で用いられる、N−ビニルアセトア
ミドと共重合されている一般式(1)で表わされる単量
体としては、例えば(メタ)アクリル酸及び/またはア
ルカリ金属塩等のカルボキシル基を含むエチレン性不飽
和単量体が挙げられる。これらはポリマーの増粘性を上
げ、粘着性を向上させる目的で添加される。なお、一般
式(1)で表わされる単量体としては、具体的にはアク
リル酸、メタクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリ
ル酸カリウム、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸
カリウム等があげられるが、これらの1種または2種以
上を用いることが出来る。
【0011】
【化2】 (式中R1 はH、またはメチル基、MはHまたはアルカ
リ金属を表す。)
【0012】本発明の親水性粘着剤組成物としての性能
を損なわない範囲で、N−ビニルアセトアミドおよび分
子内に一般式(1)で表わされるエチレン性不飽和単量
体以外の他の単量体を単量体全量の0〜50重量%用い
ることができる。なお共重合される単量体としては、イ
タコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、
メチルアクリレート、メチルビニルエーテル、メチルメ
タクリレート、メトキシエチルアクリレート、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、アクリロニ
トリルの如き官能性単量体や酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニルの如きビニル系単量体等があげられるがこの限り
ではない。
【0013】また、同様に他の重合体を添加することが
でき、これらは該共重合体と充分に相溶しうるか、或は
白濁しうる程度に相溶しうるものが好ましい。例えば、
これら重合体としてはシリコーンゴム、ポリイソブレン
ゴン、スチレン−ブロック共重合体ゴム、アクリルゴ
ム、天然ゴムのごときゴム系粘着性物質、ポリビニルア
ルキルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ルの如きビニル系粘着性物質、カルボキシメチルセルロ
ースの如きセルロース系粘着性物質、(メタ)アクリル
酸アルキルエステルを主成分とした(メタ)アクリレー
ト系の各粘着性物質等があげられるが、これらに限った
物ではない。
【0014】本発明では単量体成分を重合後、架橋剤を
加えて高分子架橋体を得ることも可能である。架橋剤と
しては、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、マ
ンガン、亜鉛等の無機酸塩、有機酸塩、塩化物、水酸化
物、酸化物等の多価金属化合物、ホルムアルデヒド等の
アルデヒド類、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグ
リシジルエーテル等の水溶性エポキシ化合物等を挙げる
ことができ、これらの架橋性単量体を1種または2種以
上用いることができる。本発明重合体中、N−ビニルア
セトアミドおよび分子内に一般式(1)で表わされるエ
チレン性不飽和単量体の合計が単量体全量の50〜10
0重量%であり、この範囲を越えると親水性粘着力およ
び親アルコール性は著しく低下する。またその重量比は
100:0〜60:40の範囲であることが好ましく、
この範囲を越えると多価アルコールとの溶解性、親アル
コール性、耐塩性および凝集力が著しく低下する。
【0015】該重合体または共重合体を製造するために
は、各種の単量体を開始剤を用いて公知の技術で重合ま
たは共重合させることが出来る。例えば、水溶液重合、
沈澱析出重合、逆層懸濁重合等によって実施される。重
合が終了すると、粘性液体、寒天状または粉末の生成物
が得られる。さらには粘性液体、寒天状物は脱水乾燥す
ることにより粉末化することが可能である。
【0016】ここで得られた重合体または共重合体は水
およびアルコール類に対し、溶解性がきわめて良好であ
るり、多価アルコールを配合することにより、きわめて
優れた水溶性粘着組成物が得られる。
【0017】また本発明により得られる粘着剤組成物
は、重合体または共重合物と多価アルコールのみの単純
な組成で、高い粘着力を有し、きわめて安価に調製で
き、接着後は浸水せしめることにより迅速完全に除去す
ることが出来るので、例えば紙つなぎテープ、仮止めテ
ープなどに使用できる。また親水性であるので、濡れた
面に対し付着し、例えば冷凍箱より取り出された冷凍食
品や冷凍容器は温かい室温に置かれると凝縮水でその表
面がおおわれるが、この様な表面上に、また他にも野
菜、魚、果物等の表面にも粘着性を有する。そのうえ親
水性であるので、耐油性を有し、また電気抵抗の小さい
ことを利用して、静電気の発生の問題になる所や心電計
への電極保持用テープ等にも適している。
【0018】本発明に使用する多価アルコールとして
は、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレン
グリコール(2価アルコール)、グリセリン、トリオキ
シイソブタン(3価アルコール)、エリトリット、ペン
タエリトリット(4価アルコール)、キシリット、アド
ニット(5価アルコール)、アロズルシット、ソルビッ
ト(6価アルコール)等ががあげられるがこの限りでは
ない。また重合体または共重合体と多価アルコールとの
配合比は70:30〜40:60であることが望まし
く、特開平4−182437に示されているように、粘
着剤中に重合体または共重合体が少なく設定されると、
粘着剤の凝集力が低下し、また紙などの多孔質基材に塗
工された場合、経時により浸透が起こってしまう。一方
重合体または共重合体が多いと重合体または共重合体の
溶解性が低下し、粘性が増加するため、初期接着性に乏
しくなるうえに、製造時、特に塗工が困難になってく
る。
【0019】多価アルコール類は薬効成分の皮膚への溶
解性や皮膚への保湿性を高めることにより、薬効成分の
経皮吸収性を高めることが知られている。(例えば、
J.Pharm.Sci.,78、402(198
9),Pharm Tech Japan,12,13
0(1988)等)そのうえプロピレングリコールは防
腐作用を有し、グリセリン、1,3−ブチレングリコー
ルはエタノールの皮膚刺激を緩和する作用がある。(例
えば、今日の皮膚外用剤,47(1981)等)このこ
とにより、製剤の組成を単純せしめることが可能である
といえる。
【0020】また本親水性粘着組成物は親アルコール性
でもあるのでエタノール、イソプロピルアルコール等の
アルコール類も配合可能である。エタノール、イソプロ
ピルアルコールは皮膚表面の殺菌、消毒作用があり、こ
れらを粘着剤中に配合できれば、細菌増殖による皮膚刺
激の防止ならびに、傷口の殺菌、消毒に効果が期待され
る。さらに親アルコール性、ノニオン性であるので、消
毒液等のアルコール溶液、塩を含む汗や体液等をも吸収
し、粘着剤の粘性が低下する事なく、粘着性が維持され
る。
【0021】本発明の粘着剤組成物を形成するには、重
合体、共重合物またはそれらの水溶液もしくは溶剤溶液
と、水溶性多価アルコールとを水および/または溶剤の
存在下または不存在下で混合し、必要があれば加温して
水および溶剤に溶解させる。
【0022】上記で使用する溶剤としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン類、セロソルブ、ジオキサン、ジメチルホルムア
ミド、N−メチルピロリドンのごとき 水と混和しうる
有機溶剤のはかにトルエン、酢酸エチル、トリクロルエ
チレン 等の水と混和しない有機溶剤等もあげられる。
【0023】本発明の親水性粘着剤組成物を構成する共
重合体には、その特性をより多く発現させるため、ある
いは加工・成形性及び品質の向上の目的で、さらに経皮
吸収用・経粘膜吸収用薬剤として用いる場合には、薬剤
の分散性と安定性の向上などの目的で、薬剤的に許容さ
れる添加物の中から目的に応じて選択した物をさらに任
意に配合することが出来る。当該添加剤には、医薬、充
填剤、香料、着色料、防腐剤、保存剤、可塑剤、老化防
止剤、軟化剤、界面活性剤、劣化防止剤等がある。これ
ら添加剤は、得られる粘着剤組成物の特性に影響を与え
ない範囲で任意に加えられる。
【0024】さらに望むならば、粘着賦与剤として、ロ
ジン系、テルペン系、合成石油樹脂系、フェノール樹脂
系、キシレン樹脂系のものの他ニカワ、デキストリン、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミド、メチルセルロース等を少量添加すること
も可能である。
【0025】本発明において、前記水溶性粘着組成物を
用いて粘着シートを得るには、紙、木材、金属、ガラス
繊維、布(ネル、織布、不織布等)、合成樹脂(ポリウ
レタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ
エステル等)、またはセルロース誘導体およびこれらと
プラスチックフィルムとの積層フィルムなどの成形品、
シート(箔)、またはテープのごとき支持体の1面ある
いは両面に水溶性粘着剤組成物を適量塗布し、乾燥すれ
ばよい。得られた粘着シートの保存を容易にするには、
粘着剤を塗布した面に、シリコンまたはその他の適当な
方法で処理した剥離シートを貼着しておくか、あるいは
粘着剤を塗布していない面をシリコンまたはその他の適
当な方法で処理して剥離面とし、粘着剤を塗布した面と
重なるように巻くか重ねておくことが望ましい。なお剥
離シートとしてはポリエチレンフィルム、ポリプロピレ
ンフィルム、剥離紙、セロハン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エステル等が用いられる。さらには、粘着剤組成物の乾
燥品を直接、適当な打錠機等を用いて錠剤に調製しても
よい。
【0026】薬物の投与用媒介体として本発明による製
剤を用いるためには、薬剤を溶液段階(またはゲル懸濁
段階)あるいは乾燥製剤段階で内含させることができ
る。選ぶべき方法は、その薬剤は物性並びに投与部位及
び放出速度に対する初期の目的により左右される。
【0027】このような方法で投与することの出来る薬
剤は多数あり、例えば、消炎鎮痛剤、抗生物質、睡眠
薬、抗うつ薬、鎮静剤、循環器系治療薬、脳代謝賦活
薬、ホルモン剤、及び抗凝固薬等を挙げることが出来る
が、これらに限定されることではなく、これらの薬物は
必要に応じて2種類以上併用することができる。また、
これら薬剤の吸収を促進する補助剤を添加することが出
来、吸収促進剤としては、例えばエチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、ブタノール、プロパノール、サ
リチル酸、尿素、アラントイン、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジ
イソプロピルアジペート、ジエチルセバケート、エチル
ラウレート、ラノリンのごとき物質があり、必要に応じ
て1種類以上添加することができる。添加量は皮膚接着
力および凝集力とのバランスを考慮して添加される。
【0028】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明の有用性を説明す
るが、本発明がこれによって限定される物ではない。な
お、部は重量部を示す。
【0029】合成例 1リットルの3つ口セパラブルフラスコに温度計および
窒素導入管を装着し、これにN−ビニルアセトアミド2
25g、アクリル酸ナトリウム25gを740gの脱イ
オン水に溶解した水溶液を仕込んだ。窒素ガスを導入し
て溶存酸素を追い出したのち30℃に液温を調整し、重
合開始剤として2,2’−アゾビス−2−アミジノプロ
パン二塩酸塩の1%水溶液を10g添加し、断熱状態で
7時間重合させた。得られた重合体を細断したものを、
アセトン溶液にあけ脱水したのち真空乾燥を行い乾燥ポ
リマーを得た。
【0030】実施例1 (処方) N−ビニルアセトアミドホモポリマー 70部 プロピレングリコール 30部 上記の組成において、重合体をプロピレングリコールに
加温溶解し、次いでエタノールを適量加え均一に混合し
たのちに支持体(軟質PVC)に塗布し、40゜で乾燥
し、エタノールを完全に除去した。
【0031】実施例2 (処方) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム=6/4(wt比) 50部 プロピレングリコール 50部 水 20部 テープ剤の作製は実施例1と同様の方法で行った。
【0032】実施例3 (処方) N−ビニルアセトアミドホモポリマー 40部 グリセリン 60部 酸化亜鉛 0.1部 イソプロピルアルコール 10部 テープ剤の作製は実施例1と同様の方法で行った。
【0033】実施例4 (処方) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム/ n−プロピルビニルエーテル=4/1/5(wt比) 60部 プロピレングリコール 40部 N−メチル−2−ピロリドン 5部 テープ剤の作製は実施例1と同様の方法で行った。
【0034】実施例5 (処方) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム/ ジアリルジメチルアンモニウムクロライド=7/1/2(wt比) 40部 ジエチレングリコール 55部 ソルビトール 5部 テープ剤の作製は実施例1と同様の方法で行った。
【0035】実施例6 (処方) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸カリウム=9/1(wt比) 50部 エチレングリコール 50部 ビニルピロリドン/酢酸ビニル=6/4(wt比) 20部 テープ剤の作製は実施例1と同様の方法で行った。
【0036】比較例1 (処方) ポリアクリル酸 70部 プロピレングリコール 30部 上記の組成において、重合体をプロピレングリコールに
加温溶解し、次いでエタノールを適量加え均一に混合し
たのちに支持体に塗布し、40゜で乾燥し、エタノール
を完全に除去した。
【0037】比較例2 (処方) ポリアクリル酸ナトリウム/ポリアクリル酸=5/5(wt比) 50部 プロピレングリコール 50部 水 20部 テープ剤の作製は比較例1と同様の方法で行った。
【0038】比較例3 (処方) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム=9/1(wt比) 5部 グリセリン 30部 乾燥水酸化アルミニウムゲル 0.4部 酒石酸 0.4部 水 60部 上記の組成において酒石酸水溶液に、ポリマーおよび乾
燥水酸化アルミニウムゲルのグリセリン分散液を徐々に
加えながら練合し、得られたゲルを支持体に塗布し、4
0℃で乾燥した。
【0039】比較例4 (処方) 天然ゴム 100部 ラノリン 10部 ポリイソブチレン 20部 ポリブテン 20部 水添ロジン 100部 上記の組成において、重合体をn−ヘキサンに分散し、
均一に混合したのちに支持体に塗布し、80゜で乾燥
し、n−ヘキサンを完全に除去した。
【0040】比較例5 (処方) 天然ゴム 100部 ロジン 120部 亜鉛華 50部 酸化チタン 40部 テープ剤の作製は比較例4と同様の方法で行った。
【0041】比較例6 (処方) 天然ゴム 50部 スチレン−ブタジエン共重合体 50部 C5 系石油樹脂 80部 プロセスオイル 20部 テープ剤の作製は比較例4と同様の方法で行った。
【0042】評価 下記の評価テストを行った。結果は表1〜3に示す。
【0043】(タック力) プローブタック法 タック力は理学工業社製のタックテスターを用い測定し
た。試験片は貼付剤を革細工用の穴あけパンチでくりぬ
き直径15mmの円板とした。測定条件は接触時間5sec
、プローブ移動速度5mm/sec とし、プローブは直径
10mmのベークライトを使用し180gの荷重をかけ
た。(n=5)なおベークライトは測定前にメタノール
でよく拭いておいた。
【0044】玉ころがし法 テープを30°の角度、助走路10cm、低部10cmの傾
斜台に粘着面を上にしておく。助走路10cmから直径1
/32〜1インチまでの32種類のベアリング球を転が
し、粘着面上で止まったボールの最大球のボールNo.
をもってタック値とした。なおボールは測定前にメタノ
ールでよく拭いておいた。
【0045】(粘着力:180°剥離力)粘着シート
(3cm×7cm)を2kgの圧着ローラーを移動速度2mm
/secで一往復させ、37℃の恒温器中にて30分間保温
したベークライト板(厚さ1mm)上に、圧着する。37
℃の恒温器中にて20分間放置する。ベークライトか
ら、30cm/minで180°剥離した時の応力をデジタル
フォースゲージで測定する(n=3)。なおベークライ
トは、粘着シート圧着前に、エタノールでよく拭いてお
く。
【0046】(保持力)各試料(1cm幅で5cmの長さ)
をベークライト板に張り付け長さ2cmで貼付け、剪断方
向に200gの荷重をかけ、1時間にずれる距離を測定
した。
【0047】(発汗時の接着性)各試料片(4cm×4cm
角)を上腕部内側に貼付し、20分経過後、サウナに入
室し、10分後の密着状態を目視にて判別した。 ○:端末ハガレがなく、体毛をほとんど引き抜かない程
度の接着 △:端末ハガレが生じたり、試料が浮いてくるもの。
【0048】(濡れた面への付着性) 電気泳動用のSDSポリアクリルアミドゲル(第一化学
薬品)上に、各試料片(1cm×3cm角)を貼付し、10
分経過後、引きはがし、付着性を下記判断基準にて識別
した。 ◎:完全に付着しているもの ○:付着がやや不完全であるものの、比較的しっかりと
付着しているもの △:付着がわずかしか認められないもの ×:付着が全く認められないもの
【0049】(濡れた面へのタック力)タック力はプロ
ープタック法を用い、測定直前に被着体であるベークラ
イトを、水溶液(5μl)で濡らした。水溶液として
は、水道水、人工海水(ジャマリンS:ジャマリンラボ
ラトリー(株))、人工汗(JIS 0848 A
法)、局方エタノール消毒液(70%エタノール)およ
び生理食塩水を使用した。
【0050】(重合体および共重合体のアルコール類溶
解性)重合体または共重合体0.5gを10%となるよ
うに各種溶媒に加え、スパチュラで撹はんし、40℃で
72時間加温した後の外観を観察した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】
1)水溶性(従って浸水剥離性)、粘着性がいずれも優
れており、しかも極めて安価に調製できる。 2)親水性並びに疎水性対象面のいずれに対しても粘着
性を有する。 3)特に皮膚に接着させた場合、刺激性がなく安全性が
高い。 4)塩類、アルコール類を含んだ水溶液および水で濡れ
た面への粘着性がある。 5)親水性および親アルコール性の粘着剤組成物である
ため、特に医療用として口膣粘膜用製剤、経皮吸収用製
剤等を作成するとき、薬物、吸収促進剤ともに親和性が
高く、またふやけやカブレのない優れた経皮吸収製剤が
作製可能である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にN−ビニルアセトアミドの重合
    体または共重合体と多価アルコールとを重量比70:3
    0〜40:60で配合したものを主成分とすることを特
    徴とする親水性粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 N−ビニルアセトアミドの共重合体が実
    質的に、N−ビニルアセトアミドおよび一般式(1)で
    表わされるエチレン性不飽和単量体の合計が全量の50
    〜 100重量%である請求項1記載の親水性粘着剤組
    成物。 【化1】 (式中R1 はH、またはメチル基、MはHまたはアルカ
    リ金属を表す。)
  3. 【請求項3】 N−ビニルアセトアミド共重合体中、N
    −ビニルアセトアミドおよび一般式(1)で表わされる
    エチレン性不飽和単量体との重量比が99.9:0.1
    〜60:40である請求項1記載の親水性粘着剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の親水性粘着剤組成物を
    含有することを特徴とする、経皮吸収用または経粘膜吸
    収用いずれかの製剤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002317164A (ja) * 2001-04-18 2002-10-31 Nippon Fuirin Kk 水性粘着剤
JP2002542277A (ja) * 1999-04-22 2002-12-10 エルティエス ローマン テラピー−ズュステーメ アーゲー 中和されたアクリル性粘着パッチを備えた経皮治療システム
JP2003239129A (ja) * 2002-02-08 2003-08-27 Kanebo Ltd カツラ用固定剤
JP2005089640A (ja) * 2003-09-18 2005-04-07 Unon Giken:Kk 再剥離性粘着シート及び粘着シートの剥離方法
JP2018173549A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 リンテック株式会社 粘着性組成物、粘着剤、粘着シートおよび表示体

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