JPS63112673A - 医療用親水性粘着テープまたはシート - Google Patents

医療用親水性粘着テープまたはシート

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JPS63112673A
JPS63112673A JP61257863A JP25786386A JPS63112673A JP S63112673 A JPS63112673 A JP S63112673A JP 61257863 A JP61257863 A JP 61257863A JP 25786386 A JP25786386 A JP 25786386A JP S63112673 A JPS63112673 A JP S63112673A
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salt
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は1例えば口腔粘膜に用いられる粘着剤。
特に、粘着性と凝集力とのバランスや耐湿性・耐水性と
水溶解性とのバランスの良好な親水性粘着剤組成物に関
する。
(従来の技術) 親水性を有する粘着剤組成物は、粘着テープ。
粘着シートや各種表示用ラベル、ステッカ−など文具用
1表示用、工業用の製品として広く利用されている。こ
れら製品は、湿った表面にも貼付し得るうえに水により
容易に剥離できる。他方1口腔内粘膜の偏部や疾患(口
内炎1ロ唇炎、舌炎。
智歯周囲炎、歯槽膿漏、歯肉炎など)部分に貼付してそ
の箇所を保護し治療するための製剤;および口腔内粘膜
を通して薬物を吸収させ全身的治療効果を得るための製
剤にも親水性粘着剤組成物が用いられる。
親水性粘着剤組成物には1例えば、 (メタ)アクリル
酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体および2−ア
ミノメチルプロパツールからなる組成物(特公昭53−
18061号公報に開示)やアルキルビニルエーテル−
無水マレイン酸共重合体と多価アルコールとを水中で加
熱溶解した組成物(特開昭58−27766号公報に開
示)がある。口腔内粘膜に用いられる親水性粘着剤組成
物として1例えば。
特開昭59−196814号公報には、ニフェジピンを
薬物として含有する粘着剤層が支持体上に形成されたシ
ート状ニフェジピン製剤が開示されている。
この薬剤に用いられる粘着剤は、ゼラチンまたは寒天;
グルテン;カルボキシビニルポリマー;多価アルコール
;および酢酸ビニル樹脂またはガム類を含む。
特開昭58−109059号公報には2口腔内粘膜損傷
部被覆剤が開示されており、この被覆剤は、ヒドロキシ
アルキルセルロースエーテルとアクリル酸(共)重合体
もしくはその塩とからなる。特開昭59−232553
号公報には、ポリエステルなどのプラスチックフィルム
表面に粘着剤層が形成された粘膜用包帯が開示されてい
る。この粘着剤としては。
アクリル酸(共)重合体もしくはその水溶性塩;カルボ
キシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウ
ムおよびヒドロキシエチルセルロースのうちの少な(と
も一種;そしてグリセリンおよび/またはプロピレング
リコールを特徴とする特開昭60−215622号公報
には薬物を含む口腔粘膜用徐放性製剤が開示されている
。その基剤(粘着剤)としてはポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、アル
ギン酸またはその塩、および無水マレイン酸とメチルビ
ニルエーテルとの交互共重合体でなる群から選択される
少なくとも−・種のポリマーと、アクリル酸(共)重合
体またはその塩との混合物が開示されている。
しかし、これらの組成物は、粘着性と凝集力とのバラン
スが悪い。例えば、粘着性に優れた組成物は凝集力に欠
けるため、剥離の際に粘着剤組成物が貼付面に残留しゃ
すい(糊残り現象)。充分な凝集力を有する組成物は粘
着性が低く、貼付し難い。しかも、この組成物は、耐湿
性、耐水性と水溶解性とのバランスも悪い。例えば、特
開昭58−109059号公報に開示の組成物や特開昭
60−215622号公報に開示の組成物は、いずれも
水に溶解しやすいか水により崩壊しやすいため1口腔内
に長時間(例えば1時間以上)保持することが困難であ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の問題点を解決するものであり、その
目的とするところは、粘着性と凝集力とのバランスが良
好な親水性粘着剤組成物を提供することにある。本発明
の他の目的は、耐湿性・耐水性と水溶解性とのバランス
が良好な親水性粘着剤組成物を提供することにある。本
発明のさらに他の目的は、水により溶解もしくは流動し
にくい親水性粘着剤組成物を提供することにある。本発
明のさらに他の目的は、調製が容易でありかつ組成の誤
差によっても特性が著しく低下することのない親水性粘
着剤組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は2人体に毒性や刺激性を有し
ない親水性粘着剤組成物を提供することにある。本発明
のさらに他の目的は、安価にして得られる親水性粘着剤
組成物を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、カルボキシメチル化デン粉および/またはカ
ルボキシメチル化デン粉の塩に保水性軟化剤を配合する
ことにより、一定の粘着性を有する粘着剤組成物が得ら
れる。この組成物に、さらにアクリル系重合体を加える
と、粘着性と凝集力および耐湿性・耐水性と水溶解性の
バランスに優れた親水性粘着剤組成物が調製されうる。
との発明者の知見にもとづいて完成された。
本発明の親水性粘着剤組成物は、カルボキシメチル化デ
ン粉および/またはカルボキシメチル化デン粉の塩;ポ
リアクリル酸単独重合体、該単独重合体の塩、アクリル
酸を主体とする共重合体および該共重合体の塩のうちの
少なくとも一種のアクリル系重合体;および保水性軟化
剤を含有し。
そのことにより上記目的が達成される。
上記カルボキシメチル化デン粉および/またはカルボキ
シメチル化デン粉の塩と上記アクリル系重合体との重量
比は、90:10から40 : 60の範囲とされ、か
つ1両者の合計量を100重量部としたときに、上記保
水性軟化剤は30〜600重量部の割合で含有される。
軟化剤の種類がグリセリンまたはグリセリン誘導体であ
るときには、上記軟化剤の使用量は30〜300重量部
であり、ソルビトールまたはソルビトール誘導体の場合
は80〜400重量部。
そして、マルチトールの場合は200〜600重量部が
適当である。これらの混合物の場合には、その混合割合
によって適宜配合量が決められる。
上記カルボキシメチル化デン粉および/またはカルボキ
シメチル化デン粉の塩の量が上記範囲よりも過大である
と、得られた親水性粘着剤組成物の耐湿性・耐水性が低
下する。それゆえ、吸湿(水)により容易に軟化し流動
性を有するようになる。粘着性と凝集力とのバランスも
悪く、粘着性を高くすれば凝集力が低下して、貼付の際
に凝集破壊(糊残り)現象が生じる。逆にアクリル系重
合体が過剰でありカルボキシメチル化デン粉および/ま
たはカルボキシメチル化デン粉の塩が過少であると、粘
着性が低く使用に供し得ない。
保水性軟化剤の量は、これらカルボキシメチル化デン粉
および/またはカルボキシメチル化デン粉の塩とアクリ
ル系重合体との合計量を基準として決定される。この軟
化剤の量が過少であると。
上述のように粘着性そのものが発現されず、過剰である
と、粘着性は向上するが過度に軟化し流動性を有するよ
うになる。軟化剤量が下限値に近い場合には、初期粘着
性がやや低いため、使用時に少量の水を付与することが
推奨される。
本発明の親水性粘着剤組成物に用いられるカルボキシメ
チル化デン粉は、デン粉の酸エーテル誘導体である。こ
のカルボキシメチル化デン粉の塩の市販品には1例えば
、キプロガムF−500(カルボキシメチル化デン粉の
ナトリウム塩1日澱化学社製)、ブリモジュル(カルボ
キシメチル化デン粉のナトリウム塩、アベベ社製)があ
る。
アクリル系重合体の重合度は約1000以上、好ましく
は5000以上に設定される。重合度が1000を下ま
わると、得られた親水性粘着剤組成物の粘着性。
耐水性が低下する。アクリル系重合体として1重合体の
塩を用いる場合9例えば、ナトリウム塩が挙げられる。
アクリル系重合体のナトリウム塩は。
粘着剤組成物を皮膚用絆創膏や口腔粘膜粘着剤として用
いる際、アクリル系重合体の酸性を中和した構造である
ため、皮膚刺激性が低減される。これらのアクリル系重
合体は、加熱により架橋反応し得るように2重合体の主
鎖や側鎖に官能基が組み込まれることができる。重合体
に官能基を導入するには、 (メタ)アクリル酸グリシ
ジルのような官能基(グリシジル基など)を有するアク
リル系モノマーやアリルショ糖のような多価アルコール
のアルケニルエーテル類が共重合成分として重合に供さ
れる。また、粘着剤組成物を調製する際に、多価金属な
どのアクリル系重合体用の架橋剤を添加してもよい。こ
のようなアクリル系重合体は、得られた粘着剤組成物の
耐水性を向上させる。
特に、加熱によりアクリル系重合体を架橋させれば、耐
水性がさらに高くなる。アクリル系重合体の市販品とし
ては、アクリル酸単独重合体では。
ジュリマーAC−108(20%水溶液1日本純薬社製
)。
ジュリマーAC−10SH(10%水溶液7日本純薬社
製)。
アロンA−10K  (粉体、東亜合成化学社製);ポ
リアクリル酸ナトリウムでは、アロンビスM(’151
体。
日本純薬社製)、アロンビスGL(粉体3日本純薬社製
)、アロンA−7100(粉体、東亜合成化学社製)ニ
アクリル酸とアリルショ糖(5重1%以下)との共重合
体では、カーボボール934(粉体、 BFグツドリッ
チケミカル社製)、カーボポール940(tf1体、 
BFグツドリッチケミカル社製)、カーボボール941
(粉体、 BFグツドリッチケミカル社vA) +  
シュンロンPW−111(粉体9日本純薬社製)、シュ
ンロンPW−110(粉体2日本純薬社!り、シュンロ
ンPW−150(粉体1日本純薬社製);アクリル酸ナ
トリウムとアリルショ糖との共重合体では、レオシック
252L (粉体1日本純薬社製)、レオジック250
11 (粉体1日本補薬社製)、レオシック83511
 (。
粉体3日本補薬社製);アクリル酸アンモニウムとアリ
ルシ!?糖との共重合体では、レオジンク306L(粉
体2日本補薬社製)、レオシック305+1 (粉体2
日本補薬社製)がある。
保水性軟化剤には1例えば、グリセリン、ジグリセリン
、トリグリセリン、ソルビトール、マルチトール(還元
麦芽vM)がある。他のグリセリン誘導体、ソルビトー
ル誘導体も使用可能である。
この保水性軟化剤は、得られた粘着剤組成物に柔軟性、
粘着性を付与するとともに、水溶解性の調整に用いられ
る。この粘着性付与効果は、液体である軟化剤が直接与
える効果と、空気中から該軟化剤に吸収される水による
効果とであると考えられる。この保水性軟化剤とともに
、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール
、ポリ (エチレン・プロピレン)グリコールおよびそ
れらを主成分とする界面活性剤が用いられてもよい。
本発明の粘着剤組成物には、上記カルボキシメチル化デ
ン粉および/またはカルボキシメチル化デン粉の塩、ア
クリル系重合体および保水性軟化剤のほかに、必要に応
じて添加剤が加えられる。
添加剤には1例えば、架橋剤、充填剤9着色剤。
香料、防カビ剤、湿潤剤(転写塗工時における剥離性面
の濡れ性を向上させる)がある。これら添加剤は、得ら
れる粘着剤組成物の特性に影響を与えない範囲内で加え
られる。
本発明の親水性粘着剤組成物は、上記カルボキシメチル
化デン粉および/またはカルボキシメチル化デン粉の塩
、アクリル系重合体および保水性軟化剤を含む水溶液系
で調製される。この場合。
この水溶液を塗工したときの乾燥時間を短縮するために
、少量のアルコールが加えられてもよい。
アルコール濃度は20%までが適当である。調製方法は
特に限定されないものの、カルボキシメチル化デン粉お
よび/またはカルボキシメチル化デン粉の塩の水溶液と
アクリル系重合体水溶液とをそれぞれ調製し9両水溶液
と保水性軟化剤(および必要に応じて添加剤)とを、適
当な粘度となるように混合して行われる。
このようにして得られる粘着剤組成物は9例えば、それ
自身で単層の粘着シートや粘着性成形体に;もしくは、
支持体上に粘着剤層が形成された複層の粘着シートやテ
ープに調製される。例えば。
単層の粘着シートは、剥離紙上に上記粘着剤組成物の溶
液を塗布・乾燥して得られる。複層の粘着シートは、上
記形成された剥離紙上の単層粘着シートの粘着剤層上に
支持体となるべきプラスチック(例えばポリエステル)
フィルムを圧着する方法;プラスチックシートなどの支
持体上に粘着剤組成物の溶液を塗布・乾燥させる方法な
ど通常の粘着シートの製造方法により調製されうる。塗
工方法には1例えば、転写塗工法がある。支持体は。
人体に無害な材料が用いられる。アクリル系重合体とし
て架橋性の反応基を導入した重合体を用いる場合やアク
リル系重合体に架橋剤を添加する場合には1乾燥時に架
橋反応を起こすべく加熱が施される。
(作用) 本発明によれば、このように、耐湿性・耐水性と水溶解
性とのバランス、および粘着性と凝集力とのバランスの
良好な親水性粘着剤組成物が得られる。この粘着剤組成
物は、カルボキシメチル化デン粉および/またはカルボ
キシメチル化デン粉の塩および保水性軟化剤により粘着
性・水溶解性に優れた粘着剤組成物とされ、これにさら
にアクリル系重合体を加えることにより、粘着性と凝集
力、および水溶解性と耐湿性・耐水性とが調節される。
カルボキシメチル化デン粉および/またはカルボキシメ
チル化デン粉の塩と保水性軟化剤だけでは、所望の粘着
性は得られるものの、粘着性を高くすれば凝集力が著し
く低下して、貼付の際に凝集破壊(糊残り)現象が生じ
る。また、水溶解性は得られるが、耐湿性・耐水性に欠
けるため、吸湿(水)によって容易に軟化し流動性を有
するようになる。凝集破壊現象を起こさない凝集力に調
整すれば、粘着性に乏しくなる。アクリル系重合体と保
水性軟化剤だけでは、所望の粘着性は得られない。カル
ボキシメチル化デン粉および/またはカルボキシメチル
化デン粉の塩とアクリル系重合体だけでは粘着性を有し
ない。
カルボキシメチル化デン粉および/またはカルボキシメ
チル化デン粉の塩、アクリル系重合体および保水性軟化
剤を適当な割合で配合することにより、3成分の相乗効
果により、粘着性と凝集力。
耐湿性・耐水性と水溶解性のバランスが保たれる。
この機構の詳細は不明であるが、おそらくカルボキシメ
チル化デン粉および/またはカルボキシメチル化デン粉
の塩と保水性軟化剤とにより得られた優れた粘着性・水
溶解性を阻害することなく。
アクリル系重合体の添加により凝集力と耐湿性・耐水性
を改善し得るためと考えられる。3成分の配合割合は、
用途に応じて変えられる。粘着性を要する粘着ラベル、
粘着シート、ステンカーなどの用途には保水性軟化剤が
多く加えられる。アクリル系重合体を多く添加すれば、
耐湿性・耐水性およびWi集力が高くなる。さらに加熱
架橋反応性のアクリル系重合体を用いれば、耐水性が著
しく向上する。
(実施例) 以下に本発明の実施例について述べる。
J1延上 カルボキシメチル化デン粉ナトリウム(キブロガムF−
500.日澱化学社製)の12%水溶液、およびポリア
クリル酸(アロンIOH,東亜合成化学社m)の10%
水溶液を調製した。これらとグリセリンとを下記の割合
で混合し、親水性粘着剤組成物の約22%水溶液を得た
カルボキシメチル化デン粉ナトリウム 60重量部 ポリアクリル酸          40重量部グリセ
リン           1201i量部この粘着剤
組成物は、粘着テープ、粘着シートや表示用ラベル、接
合用水崩壊性両面テープなどに用いられる。
(2)粘着シートの作製 基材として9表面がサイジングされた坪m60g/ r
r?の上質紙を用いた。(11で得られた粘着剤組成物
溶液の溶質100重量部に対し、乳酸カルシウム(多価
金属塩架橋剤)0.2重量部を加えた。この溶液を、転
写塗工法により、乾燥後の厚さが40μmとなるように
剥離性台紙上に塗工した後、これを基材のサイジングさ
れていない面に転写した。剥離性台紙は剥離せず、保護
紙としてそのままシートに付着させた。得られた粘着シ
ートを切断し2幅30cmの粘着シート原反を得た。
(3)粘着シートの評価 (2)で得られた粘着シートの物性を次のように評価し
た。これらの結果を下表に示す。
(al引き剥がし法帖着力試験 粘着シート原反を15鶴幅に切断し、テープ状の試料と
した。このテープ状の試料をサンドペーハー (#28
0)で研摩したステンレス鋼板(厚さ約0.2cm)面
に約7 cmの長さにわたり貼付し、2kgのゴム張り
ローラーを用い。
1往復して圧着した。圧着後、21°Cで30分以上放
置した後、その一端を180°折り返して3001j/
分の定速強制剥離を行い、このときの粘着力を測定した
(JIS−Z−1522)。その結果。
粘着力は590g/15m (20℃)であった。
(blボールタック試験 粘着シート原反を25鶴幅に切断し、テープ状の試料と
した。室温でこのテープ状試料の粘着面を外側にして3
0゛の傾斜面に固定した。
粘着面の斜面上部から下方に向かってほぼ中程の部分を
、厚さ約20μmの非粘着性フィルムで覆った。その境
界線から斜面上へ1001の箇所から、清浄に拭かれた
ポールベアリング球を自然転走させた。粘着面と非粘着
面の境界線から100鶴以内で自然停止する球のうちの
最大法の直径(1/32インチ単位とし、その分子の数
をもって示す;例えば17/32インチであれば17)
をボールタック値とした(JIS−Z−0237)。そ
の結果、ボールタンク値は26(20°)であった。
(C)耐湿性 粘着シート原反を15N幅に切断し、テープ状の試料と
した。このテープ状の試料の一方の末端から2511長
さの部分をベークライト板(試験板)に貼付した。試料
が下方にくるように試験板を垂直にし、30℃、80%
R,H,の条件下で試料の自由末端に100gの荷重を
かけた。荷重をかけた時点から、試料が吸湿軟化によっ
て試験板から落下するまでの時間を測定した。その結果
、落下時間は560分であった。
(dl水溶解性 粘着シート原反から、 25mmX25mmの角状試料
片を切断した。この試料片を500ccまたはそれ以上
のビーカーの内壁面に貼付した。このビーカーに、試料
片が完全に水中に隠れる量の水を入れた。中央部にスク
リュー式回転攪拌棒を配置し、ゆるやかな攪拌(水が乱
流とならない程度)を行なった。試料片の粘着剤が水に
溶解して、基材が剥離するまでの時間を、水溶解性の評
価とした。その結果、剥離時間は20分であった。
尖旅M) カルボキシメチル化デン粉ナトリウム(キプロガムF−
500.日澱化学社製)の12%水溶液、加熱架橋反応
型ポリアクリル酸くシュンロンr’W−110,日本補
薬社製)の8%水溶液、およびソルビトールの80%水
溶液を調製した。これらを下記の割合で混合し、親水性
粘着剤組成物の約24%水溶液を得た。
カルボキシメチル化デン粉ナトリウム 80重量部 加熱架橋反応型ポリアクリル酸   20重量部ソルビ
トール           160重量部この粘着剤
組成物は、医療用の粘着ドレープ(基材として柔軟なポ
リウレタンフィルム、和紙。
不織布などを用いる)、絆創膏などに用いられる。
(2)粘着シートの作製 基材として、厚さ40μm°のポリエーテル系ポリウレ
タンフィルムを用いた。このフィルムには。
キャスティング製膜時に使用された工程紙(70g/ 
mクラフト紙と20g/ tri OPPとの積層体)
が−面に付着していた。この基材に、ブチルゴム−酢酸
ビニル−無水マレイン酸グラフト共重合体からなる下塗
り剤により、アンカー処理を施した。下塗り剤は、ブチ
ルゴム90重量部を含む溶液中にて、酢酸ビニル5重量
部と無水マレイン酸5重量部とをグラフト共重合させて
得られた。アンカー処理は。
この共重合体の溶液を基材上に5g/イ(乾燥後の塗工
量)の量でグラビア塗工して行なった。
(1)で得られた粘着剤組成物溶液を、転写塗工法によ
り、乾燥後の厚さが25μmとなるように剥離性台紙上
に塗工した後、これを基材のアンカー処理面に転写した
。剥離性台紙は剥離せず、保護紙としてそのままシート
に付着させた。得られた粘着シートを切断し1幅30c
mの粘着シート原反を得た。
(3)粘着シートの評価 (2)で得られた粘着シートを4cmX7cmに切断し
6人のパネラ−の上腕内側面皮窟に、後述の比較例3.
4の粘着シートとともに、左右各1枚ずつ貼付した。同
種の粘着シートはパネラ−を異にして、各粘着シートを
4枚ずつ貼付した。貼付は。
粘着シートの剥i紙を剥がして所定部位に仮貼付した後
、工程紙を除いて手で押圧することにより行なった。夏
季にて昼間8時間にわたって貼付し。
最初の貼付性、貼付中の剥がれ、粘着剤の浸出。
剥離性、剥離後の皮膚刺激性を評価した。
(a)最初の貼付性 粘着シートは、軽い接触、押圧だけで皮膚に貼付された
(b)貼付中の剥がれ 貼付後8時間において、全体はもちろん部分的な剥がれ
は全く認められなかった。
(C)粘着剤の浸出 貼付後8時間後に、粘着シートの周辺に約2 am幅の
粘着剤の浸出が観察された。
(dl剥離性 皮膚から滑らかに剥がれ、苦痛を伴わなかった。剥離後
の皮膚面には糊残りは認められなかった。
(e)皮膚刺激性 剥離後の皮膚面は微かに赤味を呈していたものの、 3
0分以内に赤味は消失した。
次i(1支 カルボキシメチル化デン粉ナトリウム(プリモジュル、
アベベ社製)の14%水溶液、加熱架橋反応型ポリアク
リル酸ナトリウム(レオシック835+1゜日本補薬社
製)の4%水溶液、マルチトールの75%水溶液を調製
した。これらとグリセリンを下記の割合で混合し、親水
性粘着剤組成物の約23%水溶液を得た。
カルボキシメチル化デン粉ナトリウム 50重量部 加熱架橋反応型ポリアクリル酸ナトリウム50重量部 グリセリン            50重量部マルチ
トール           300重量部この粘着剤
組成物は、耐水性に優れるため9口腔内粘膜用絆創膏や
口腔内に適応する経粘膜製剤などに用いられる。
(2)口腔内粘膜用の絆創膏原反の作製エチルセルロー
ス(エトセルSTD、粘度50. 日新化成社製)を、
キャスティング法により厚さ30μmのフィルムに作製
した。このフィルム(キャスティング用台紙が付着して
いる)に、(1)で得られた粘着剤組成物溶液を1通常
塗工法により、乾燥後の厚さが200μmとなるように
塗工した。次いで。
粘着面上に別のシリコーン剥離紙を設けて、絆創膏原反
を作製した。
(3)絆創膏原反の評価 (2)で得られた原反を100 X Lowに切断し、
外層のシリコーン剥離紙を剥がして、5人のパネラ−の
上顎内面の粘膜に約1分間押圧して貼付した。
貼付後、剥脱までの時間を測定し、そして工11脱時の
状況を観察した。その結果、剥脱までの時間は。
60〜120分が4例、120〜240分が5例、そし
て240〜300分が1例であった。剥脱時には、粘着
剤層の貼付面側が軟化し流動して剥がれた。
正数皿上 ポリアクリル酸を用いず9カルボキシメチル化デン粉ナ
トリウムとグリセリンとを下記の割合で混合したこと以
外は、実施例1と同様にして親水性粘着剤組成物を得た
カルボキシメチル化デン粉ナトリウム 100重量部 グリセリン           100重量部得られ
た粘着剤組成物を用いて、実施例1と同様の方法により
、粘着シートを作製した。
この粘着シートの物性を、実施例1と同様の方法により
評価したところ、粘着力は400g/15m (20℃
)、ボールタック値は24 (20℃)、耐湿性(落下
時間)は100分、そして水溶解性(剥離時間)は6分
であった。水溶解性では溶解時間が短すぎると考えられ
る。これらの結果を下表に示す。
ル較■叉 カルボキシメチル化デン粉を用いず、ポリアクリル酸と
グリセリンとを下記の割合で混合したこと以外は、実施
例1と同様にして親水性粘着剤組成物を得た。
ポリアクリル酸          100重量部グリ
セリン           200重量部得られた粘
着剤組成物を用いて、実施例1と同様の方法により、粘
着シートを作製した。
この粘着シートの物性を、実施例1と同様の方法により
評価したところ、粘着力は170g/15m (20℃
)、ポールタック値は4以下(20”C)、耐湿性(落
下時間)は2040分、そして水溶解性(剥離時間)は
98分であった。水溶解性では溶解時間が長すぎると考
えられる。
北較貫主 加熱架橋反応型ポリアクリル酸を用いず、カルボキシメ
チル化デン粉ナトリウムとソルビトールとを下記の割合
で混合したこと以外は、実施例2と同様にして親水性粘
着剤組成物を得た。
カルボキシメチル化デン粉ナトリウム 100重量部 ソルビトール           140重量部得ら
れた粘着剤組成物を用いて、実施例2と同様の方法によ
り、粘着シートを作製した。
この粘着シートを、実施例2と同様の方法により評価し
た。
(a)最初の貼付性 粘着シートは、軽い接触、押圧だけで皮膚に貼付された
(b)貼付中の剥がれ 全体の剥がれはなかったものの、4例とも端部および角
部には、173〜174程度に浮き上がりが生じていた
(C)粘着剤の浸出 貼付後8時間後に、粘着シートの周辺に約311幅の粘
着剤の浸出が観察された。
(d)@離性 皮膚から剥がず際に糸引きしながら剥がれ。
凝集破壊が生じたため、痛みを伴った。剥離後の皮膚面
には粘着剤が層状に残留(糊割れ)していた。
(e)皮膚刺激性 剥離後の皮膚面には実施例2より強度の発赤が認められ
たものの、30分〜2時間の間に消失した。
几較班互 カルボキシメチル化デン粉を用いず、加熱架橋反応型ポ
リアクリル酸とソルビトールとを下記の割合で混合した
こと以外は、実施例2と同様にして親水性粘着剤組成物
を得た。
加熱架橋反応型ポリアクリル酸  100重量部ソルビ
トール          250重量部得られた粘着
剤組成物を用いて、実施例2と同様の方法により、粘着
シートを作製した。
この粘着シートを、実施例2と同様の方法により評価し
た。
(al最初の貼付性 貼付性が悪く2手で数回強く押圧してはじめて、初期粘
着が達成された。
(b)貼付中の剥がれ 4例中2例は全体が剥がれた。1例は全面積の1/2以
上、そして他の1例は全面積の約1/3に浮き上がりや
剥がれが認められた。
(C)粘着剤の浸出 貼付後8時間後に、粘着シートの周辺には粘着剤の浸出
は全く観察されなかった。
(dl剥離性 貼付されていた部分は、非常に軽く剥離できた。
(el皮膚刺激性 剥離後の皮膚面には発赤などは認められなかった。
此124辻i 加熱架橋反応型ポリアクリル酸ナトリウムを用いず、カ
ルボキシメチル化デン粉ナトリウム、グリセリンおよび
マルチトールを下記の割合で混合したこと以外は、実施
例3と同様にして親水性粘着剤組成物を得た。
カルボキシメチル化デン粉ナトリウム 100重量部 グリセリン            40重量部マルチ
トール          240重量部得られた粘着
剤組成物を用いて、実施例3と同様の方法により、絆創
膏原反を作製した。
この絆創膏原反を実施例3と同様の方法により評価した
ところ、剥脱までの時間は、 60分以下が7例、60
〜120分が2例、120〜240分が1例であった。
剥脱時には、粘着剤層の全体が軟化・流動し、溶解し去
っていた。
正数±エ カルボキシメチル化デン粉ナトリウムを用いず。
加熱架橋反応型ポリアクリル酸ナトリウム、グリセリン
およびマルチトールを下記の割合で混合したこと以外は
、実施例3と同様にして親水性粘着剤組成物を得た。
加熱架橋反応型ポリアクリル酸ナトリウム100重量部 グリセリン            60重量部マルチ
トール          350重量部得られた粘着
剤組成物を用いて、実施例3と同様の方法により、絆創
膏原反を作製した。
この絆創膏原反を実施例3と同様の方法により評価した
ところ、剥脱までの時間は、60分以下が2例、60〜
120分が6例、そして120〜240分が2例であっ
た。剥脱時には著しい軟化、流動状態とはならず、粘着
力不足によって剥脱した。
実施例および比較例から明らかなように1本発明の親水
性粘着剤組成物は、粘着性と凝集力とのバランス、およ
び耐湿性・耐水性と水溶解性とのバランスが良好である
。この粘着剤組成物を用いて作製した粘着テープは、引
き剥がし法帖着力やボールタック値が高く、粘着性に優
れている。耐湿性、水溶解性の試験でも、バランスのと
れた良好な値を示す。この粘着テープは、剥離後の貼付
面に糊残りが起こらず、皮膚刺激性も有しない。
加熱架橋反応型のアクリル系重合体を含有する本発明の
粘着剤組成物は、さらに耐水性に優れており2口腔粘膜
の貼付に適している。アクリル系重合体を含有しない粘
着剤組成物は、耐湿性に欠ける。剥離後に凝集破壊現象
が起こり、糊残りが生じる。カルボキシメチル化デン粉
ナトリウムを含有しない粘着剤組成物は、耐湿性は得ら
れるものの、水溶解性が低い。粘着性に欠けており、貼
付が困難である。
(以下余白) (発明の効果) 本発明の親水性粘着剤組成物は、このように。
粘着性と凝集力とのバランスや耐湿性・耐水性と水溶解
性とのバランスが良好である。水によっても溶解もしく
は流動しにくい。それゆえ、この組成物を用いて、粘着
テープや粘着シート、医療用絆創膏を作製し、これを皮
膚に貼付しても、粘着性に優れるため、貼付後長期間に
わたり剥脱しない。貼付面に発赤が生じるなどの皮膚刺
激性も有しない。一定の凝集力を有するため、剥離の際
に。
粘着剤組成物が貼付面に残留する(糊残り現象)ことも
ない。濡れた表面や高湿度の環境下でも容易に粘着する
。しかも、必要に応じて、水に接触させて剥離させるこ
とができる。組成物の調製は容易であり9組成の誤差に
よっても特性が著しく低下することはない。人体に毒性
や刺激性を有しないうえに、安価にて得られる。
このようなことから1本発明の親水性粘着剤組成物は、
粘着テープ、粘着シートや各種表示用ラベル、ステッカ
−など文具用1表示用、工業用の製品3口腔内粘膜用の
粘着製剤や絆創膏などに好適の用いられる。
以上

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、カルボキシメチル化デン粉および/またはカルボキ
    シメチル化デン粉の塩;ポリアクリル酸単独重合体、該
    単独重合体の塩、アクリル酸を主体とする共重合体およ
    び該共重合体の塩のうちの少なくとも一種のアクリル系
    重合体;および保水性軟化剤を含有する親水性粘着剤組
    成物。 2、前記アクリル系重合体が、加熱により架橋反応し得
    る特許請求の範囲第1項に記載の親水性粘着剤組成物。 3、前記カルボキシメチル化デン粉および/またはカル
    ボキシメチル化デン粉の塩と前記アクリル系重合体との
    重量比が90:10から40:60の範囲であり、かつ
    、両者の合計量を100重量部としたときに、前記保水
    性軟化剤が30〜600重量部の割合で含有される特許
    請求の範囲第1項に記載の親水性粘着剤組成物。 4、前記保水性軟化剤が、グリセリン、ジグリセリン、
    トリグリセリン、ソルビトールおよびマルチトールのう
    ちの少なくとも一種である特許請求の範囲第1項に記載
    の親水性粘着剤組成物。
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