JPH01101975A - 口腔粘膜用貼付剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、薄葉体状（皮膜状またはシート状）の口腔粘
膜用貼付剤、特に、粘弾性的な柔軟性を有し、粘着性・
耐水性に優れた口腔粘膜用貼付剤に関する。

（従来の技術） 口腔内粘膜の偏部や疾患（口内炎、口唇炎、舌炎、智歯
周囲炎、歯槽膿漏、歯肉炎など）部分に貼付してその箇
所を保護し治療するための製剤；および口腔内粘膜を通
して薬物を吸収させ全身的治療効果を得るための製剤と
しては、トローチ錠、顆粒剤、散剤、シート状の薄葉体
などがある。

錠剤、トローチ錠、顆粒剤などの製剤には、例えば、ヒ
ドロキシプロピルセルロースおよびポリアクリル酸また
はその塩を含む混合物からなる徐放性貼付剤（特公昭５
８−７６０５号公報に開示）やポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、アル
ギン酸またはその塩、および無水マレイン酸とメチルビ
ニルエーテルとの交互共重合体でなる群から選択される
少なくとも一種のポリマーと、アクリル酸（共）重合体
またはその塩との°混合物からなる口腔粘膜用徐放性貼
付剤（特開昭６０−２１５６２２号公報に開示）がある
。

しかし、錠剤、トローチ錠、顆粒剤などは貼付面積が小
さいため、薬物投与性が低く、しかも粘膜保護が不充分
である。柔軟性に欠けることから、貼付性も低い。

このような欠点を解決するために、口腔粘膜用貼付剤を
薄葉体状とすることが提案されている。しかし、錠剤、
トローチ錠、顆粒剤などに用いられる組成物を薄葉体状
に加工しても、柔軟性・粘着性に欠けるため、口腔粘膜
に適用し得ない。耐水性に乏しく、短時間で溶解・分散
する。しかも、得られた薄葉体にはクラックが生じやす
い。柔軟性・粘着性を与えるべく、上記組成物に軟化剤
を加えても、塑性的な柔らかさは増すものの粘弾性的な
柔軟性（伸縮性のある柔軟性）が得られない。

この′ようなことから、薄葉体状の口腔粘膜用貼付剤を
形成するための粘着剤組成物が提案されている。例えば
、特開昭５９−２３２５５３号公報には、アクリル酸（
共）重合体もしくはその水溶性塩；カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウムおよびヒド
ロキシエチルセルロースのうちの少なくとも一種；そし
てグリセリンおよび／またはプロピレングリコールを主
成分とする粘着剤組成物が開示されている。

また、特開昭５９−１９６８１４号公報には、ゼラチン
または寒天；グルテン；カルボキシビニルポリマー；多
価アルコール；および酢酸ビニル樹脂またはガム類を含
む粘着剤組成物が開示されている。しかし、いずれの組
成物も、粘弾性的な柔軟性・粘着性が充分ではない。耐
水性も不足している。従って、口腔粘膜への適用は好ま
しくない。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は上記従来の問題点を解決するものであり、その
目的とするところは、粘弾性的な柔軟性を有し、粘着性
・耐水性に優れた粘着剤組成物をもつ口腔粘膜用貼付剤
を提供することにある。

本発明の他の目的は、粘弾性的な柔軟性・粘着性・耐水
性を広範囲にわたって調節し得る粘着剤組成物をもった
口腔粘膜用貼付剤を提供することにある。本発明のさら
に他の目的は、乾燥時にて粘着性を有するかまたは水分
の吸収によって粘着性が発現する粘着剤組成物をもった
口腔粘膜用貼付剤を提供することにある。本発明のさら
に他の目的は、口腔内にて最終的に溶解・消失し得る粘
着剤組成物をもった口腔粘膜用貼付剤を提供することに
ある。本発明のさらに他の目的は、人体に毒性や刺激性
を有しない粘着剤組成物をもった口腔粘膜用貼付剤を提
供することある。本発明のさらに他の目的は、安価にし
て得られる粘着剤組成物をもった口腔粘膜用貼付剤を提
供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明の口腔粘膜用貼付剤は、使用される粘着剤層がビ
ニルピロリドンを主成分とするポリマー（Ａ）と保水性
軟化剤（Ｂ）との配合物からなり、該粘着剤層に電子線
が照射されることによりミその目的が達成される。

上記ポリマー（Ａ）が１００重量部に対して、上記保水
性軟化剤（Ｂ）が２０〜３００重量部、望ましくは５０
〜１５０重量部の範囲で配合される。

上記配合において、保水性軟化剤（Ｂ）の量が過小にな
ると、粘着剤の柔軟性が不足し、粘着性の発現が難かし
くなる。

逆に、過剰になると、粘着剤層が過度に軟化し、流動し
易くなり、粘着性が低下する。

本発明でいうポリマー（Ａ）とは、ポリビニルピロリド
ンならびにビニルピロリドンを主成分とする共重合体で
ある。

ビニルピロリドンを主成分とする共重合体は、共重合成
分となる他の七ツマ−の含量が４０重量％以下であって
、該モノマーとしては例えば、酢酸ビニル、（メタ）ア
クリル酸アルキルエステル類、アルコキシアルキル（メ
タ）アクリレ−ト類、Ｎ−アルキルアミノアルキル（メ
タ）アクリレート類、ジメチルアクリルアミド、Ｎ−ア
ルコキシアルキル（メタ）アクリルアミド類、ジアセト
ンアクリルアミド、無水マレイン酸、スチレン等の１種
又は２種以上を含有する混合物の重合体があげられる。

又、本発明でいう保水性軟化剤（Ｂ）とは、例えば、グ
リセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセ
リン、ソルビトール、マルチトール、液状のポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシ
エチレン・ポリオキシプロピレングリコール、アセチル
エタノールアミン、塩化マグネシウム等である。

本発明において、上記ポリマー（Ａ）と上記保水性軟化
剤ＣＢ）からなる粘着剤組成物へ、ビニルピロリドン（
共）重合体以外の親水性ポリマーが４０重量％以下の割
合で配合されてもよい。

又、必要に応じて、薬効成分、薬効成分の移行又は吸収
促進剤、増量剤、臭気成分吸収剤、抗菌剤、抗黴剤、香
料、着色剤、着味料等が配合されてもよい。

本発明において、ポリマー（Ａ）と保水性軟化剤（Ｂ）
からなる粘着剤層では、耐水性が欠如するため、水分に
よって溶解、崩壊し、長時間の貼付が困難となる。

従って、この欠点を改善するために耐水性の向上を目的
として、粘着剤層へ電子線の照射処理が施される。

電子線照射によって、ポリビニルピロリドン（共）重合
体の分子鎖が所々で架橋し、耐水性の向上が計られる。

照射線量が多くなれば分子中の架橋構造が密になるので
、照射線量は要求される耐水性の程度、被照射物の厚さ
によって決定されるが、例えば厚さが５００μｍの場合
は、０．２〜２０メガラド（Ｍｒａｄ）の範囲が適当で
あり、更に望ましい範囲は１〜４Ｍｒａｄである。

照射線量が０．２　Ｍｒａｄより少ない場合は、効果が
なく、又２０Ｍｒａｄを超える場合は、架橋反応が過度
に進行して、柔軟性と粘着性が失われる。又、電子線は
柔軟な状態の粘着剤単独層へ照射されるが、粘着剤層に
柔軟性がない場合は水分をある程度吸収させた状態で照
射される。

又、粘着剤中に含有される保水性軟化剤及び水分量が多
くなれば、照射線量は増加する。

本発明の口腔粘膜用貼付剤は、通常、粘着剤層の片面も
しくは両面に剥離可能な剥離層が積層された積層体構造
となる。

この場合は、粘着剤層が取扱いに耐えうる程度の腰の強
さを有することが必要であり例えばグリセリン、液状ポ
リエチレングリコール等の液状保水性軟化剤が使用され
る場合は、その配合量はポリマー（Ａ）が１００重量部
に対して２０〜６０重量部に制限される。

ここで使用される剥離層は、３０〜１００μｍ厚のポリ
エチレンテレフタレートフィルム又は表面がシリコーン
樹脂で処理されたクラフト紙（坪量５０〜１００　ｇ　
／ｎ＋”）が好適である。

又、その片面に゛ポリエチレンフィルムが積層され、該
ポリエチレンフィルムがシリコーン樹脂で処理されたク
ラフト紙も好適である。

又、本発明の口腔粘膜用貼付剤は、粘着剤層の片面に非
粘着又は低粘着性の表皮層が、他面に上記剥離層が積層
された構造であってもよい。

該表皮層は、口腔粘膜へ貼付されない粘着剤面から水分
が侵入するのを防止して、口腔粘膜用貼付剤の寿命を延
長するのみならず、粘着剤層から薬物の流失を防止し、
粘着剤層へ強度を付与するために例えば塗装によって積
層され、その厚さは２０μｍ以下である。

該表皮層としては、共重合体１００重量部に対して可塑
剤を３０〜８０重量部配合した組成物が使用でき、該共
重合体として、例えばポリ酢酸ビニル、エチルセルロー
ス、酢酸セルロース、メタクリル酸−メタクリル酸メチ
ル共重合体、ポリメタクリル酸ブチル等が好適である。

一方、可塑剤として、例えばクエン酸トリエチル、グリ
セリンアセテート、ブチルフタリルブチルグリコレート
、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ポリオキ
シエチレン・ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポ
リオキシプロピレンブチルエーテル等が好適である。

更に、該表皮層として、厚さ２０μｍ以上のプラスチッ
クフィルム、例えば軟質ポリ塩化ビニル、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリエチレン等のフ
ィルムもしくはシートが積層されても同様の効果が得ら
れる。

尚、粘着剤層の片面に表皮層を有する場合は、その他面
に上記剥離層が積層される。

使用時には、粘着剤層に積層された剥離層を剥がして、
該粘着剤層を口腔内粘膜へ、数十秒間押し当てて、貼付
する。

又、本発明の口腔粘膜用貼付剤の形状は、用途に応じて
、円形、正方形、長方形、台形等、任意に選択できる。

本発明の口腔粘膜用貼付剤の製造方法は、先づポリマー
（Ａ）と保水性軟化剤（Ｂ）とが配合された粘着剤組成
物の水溶液又はアルコール溶液を剥離層の上に流延、乾
燥して粘着剤層を形成し、粘着剤層の片面に剥離層が積
層された積層体が形成される。

次いで、粘着剤層に所定量の電子線を照射し、乾燥した
後、必要に応じて粘着剤層の他面へ剥離層を積層し、所
定の形状に切断される。

又、共重合体と可塑剤からなる組成物を表皮層とする口
腔粘膜用貼付剤を製造する場合は、剥離層の上に表皮層
組成物をロールコータ−等で塗布、乾燥して、表皮層を
形成した後、該表皮層の上に粘着剤組成物の水溶液又は
アルコール溶液を流延、乾燥して、粘着剤層を形成する
。

次いで、該粘着剤層に所定量の電子線を照射、乾燥した
後、表皮層とは反対の粘着剤面に、剥離層を積層して所
定の形状に切断される。

更に、プラスチックフィルムを表皮層とする口腔粘膜用
貼付剤を製造する場合は、該プラスチックフィルム上に
、粘着剤組成物をロールコータ−等で塗布し、乾燥した
後、上述の共重合体と可塑剤からなる表皮層を有する口
腔粘膜用貼付剤と同様の方法が採用される。

（作用） 本発明によれば、粘着性、親水性、水溶解性の各特性を
有するポリマー（Ａ）に、適量の保水性軟化剤（Ｂ）が
配合されたので、柔軟性が付与されると共に親水性が助
長され、湿潤面への接着性を向上させる。

又、粘着剤層に電子線が照射されることによって、ポリ
マー（Ａ）の分子鎖間に架橋反応が進み、ポリマー（Ａ
）の耐水性、水溶解性が改善される。

（実施例） 以下に本発明の実施例について述べる。

実施例−１ （１）粘着剤組成物の調製 ポリビニルピロリドン１００重量部に対し、グリセリン
４０重量部を配合した粘着剤組成物をエチルアルコール
に溶解して３３％溶液とした。

（２）粘着剤層の作成 上記溶液を、クラフト紙の片面がシリコーン処理された
剥離層上に流延、乾燥して厚さ約４００μｍの粘着剤層
を形成する。

次いで、該粘着剤層に約２０％の水分を含有せしめ、２
Ｍｒａｄの電子線を照射、再度乾燥して、粘着剤層のシ
ート状物を作成した。

（３）口腔内貼付試験 （２）で作成した粘着剤層のシート状物を６×１２鴫に
切断し、試験片とする。

本試験片を上顎歯肉の前方中央部に手で押し当てて、貼
付したが、約３０秒で湿潤粘膜に固定することができ、
吸水軟化して崩壊、消失するまでに約４時間を要した。

実施例−２ （１）粘着剤組成物の調製 ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体（酢酸ビニ
ル含量４０重量％）１００重量部に対し、マルチトール
１５０重量部を配合した粘着剤組成物を水に溶解して５
５％水溶液とした。

（２）表皮層組成物の調製 エチルセルロース１００重量部に対し、クエン酸トリエ
チルが７０重量部からなる組成物を、エチルアルコール
に溶解して１６％溶液とした。

（３）表皮層を有する粘着剤層の作成 りラフト紙の片面にシリコーン処理がなされた剥離層上
に、（２）で調製したエチルアルコール溶液を塗布、乾
燥して、厚さ約１０μｍの表皮層を作成した。次いで、
該表皮層上に（１）で調製した水溶液を流延、乾燥し、
粘着剤層を作成した。

然る後、粘着剤層が完全に乾燥しない段階で、粘着剤層
に３Ｍｒａｄの電子線を照射後、再度乾燥し、厚さ約４
００μｍの粘着剤層を作成することにより、片面に表皮
層を有する粘着剤層のシート状物を作成した。

（４）口腔内貼付試験 （３）で作成した表皮層を有する粘着剤層のシート状物
を６Ｘ１２ｍｍに切断し、試験片とする。

本試験片の粘着剤層を、実施例−１と同様の方法で、上
顎歯肉の前方中央部に手で押し当てて貼付したが、約１
０秒で湿潤粘膜に固定することができ、吸水軟化して崩
壊、消失するまでに約６時間を要した。

実施例−３ （１）粘着剤組成物の調製 ビニルピロリドン６０重量部、アクリル酸ブチル３０重
量部、及び２−ヒドロキシプロピルアクリレート１０重
量部をエチルアルコール中、アゾビスイソブチロニトリ
ル触媒存在下で重合させ、ビニルピロリドン共重合体の
３４％エチルアルコール溶液を調製した。

次いで、該ビニルピロリドン共重合体の３４％エチルア
ルコール溶液２９４重量部とポリエチレングリコール（
分子量４００）　９０重量部を配合した粘着剤溶液を調
製した。

（２）表皮層を有する粘着剤層の作成 厚さ９０μｍの無可塑軟質ポリ塩化ビニルフィルム（エ
チレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体）表皮層上に
（１）で調製した粘着剤溶液を流延、乾燥し、厚さ約４
００μｍの粘着剤層を作成した。

次いで、該粘着剤層に２．５　Ｍｒａｄの電子線を照射
し、片面に表皮層を有する粘着剤層のシート状物を作成
した。

（３）口腔内貼付試験 （２）で作成した表皮層を有する粘着剤層のシート状物
を６Ｘ１２ｍｍに切断し、試験片とする。

本試験片について、実施例−２と同様の方法で、口腔内
粘膜へ貼付したが、約１０秒間で固定することができ、
吸水軟化して崩壊、消失するまでに約７時間を要した。

以上の実施例の測定結果を下表にまとめて示す。

（発明の効果） 本発明の口腔粘膜用貼付剤は、叙上の通りの構成とされ
ているので、柔軟性、粘着性、耐水性、水溶解性のバラ
ンスにすぐれ、湿潤な口腔内粘膜への接着に好適で、口
腔内の水分に濡れても粘着性を失なって剥離することが
なく、４時間以上の長時間にわたって貼付が可能である
。

しかも、人体に毒性や刺激性を与えず、剥離時に痛みを
伴なったり、該口腔内粘膜用貼付剤が貼付部に残存する
ことがない。

電子線照射の多寡に応じて、容易に耐水性の程度を変え
ることができ、製造方法が簡単なので安価な口腔粘膜用
貼付剤を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の口腔粘膜用貼付剤の一例を示す断面
図である。第２図は本発明の口腔粘膜用貼付剤の他の一
例を示す断面図である。 又、第３図は本発明の口腔粘膜用貼付剤の更に他の一例
を示す断面図である。 １−粘着剤層、２−剥離層、３−共重合体と可塑剤から
なる表皮層、４・−プラスチックフィルムの表皮層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、ビニルピロリドンを主成分とするポリマー（Ａ）と
   、保水性軟化剤（Ｂ）とからなる粘着剤層を主体とする
   口腔粘膜用貼付剤において、該粘着剤層に電子線が照射
   されてなることを特徴とする口腔粘膜用貼付剤。 ２、ポリマー（Ａ）が１００重量部に対して、保水性軟
   化剤（Ｂ）が２０〜３００重量部配合された粘着剤層を
   有する特許請求の範囲第１項記載の口腔粘膜用貼付剤。 ３、粘着剤層の少なくとも片面が、剥離可能な剥離紙で
   保護された特許請求の範囲第１項記載の口腔粘膜用貼付
   剤。 ４、粘着剤層の片面に、耐水性の表皮層が積層されるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の口腔粘膜用
   貼付剤。