JPH058020B2 - - Google Patents

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JPH058020B2
JPH058020B2 JP60251734A JP25173485A JPH058020B2 JP H058020 B2 JPH058020 B2 JP H058020B2 JP 60251734 A JP60251734 A JP 60251734A JP 25173485 A JP25173485 A JP 25173485A JP H058020 B2 JPH058020 B2 JP H058020B2
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water
adhesive
vinyl acetate
adhesion
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Tetsuo Horiuchi
Juichi Inoe
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 この発明は、外皮に投与された軟膏、クリー
ム、液剤、粉剤等の脱落防止や、皮膚の損傷面の
保護等に用いられる外用貼付剤に関するものであ
る。 〔従来の技術〕 従来より、外用貼付剤としては、救急絆創膏等
の各種の絆創膏類、パツプ剤、硬膏剤や、経皮投
与薬剤含有粘着テープ類等が用いられている。ま
た、外傷を治療する場合、損傷面に必要に応じて
薬物を塗布してからガーゼや脱脂綿をあてて粘着
テープで固定する場合がある。さらに、高分子物
質を溶解した液をスプレーや刷毛で患部等に塗布
し、溶媒を揮散させて患部上に保護膜を設ける液
体絆創膏類も用いられている。 しかしながら、ガーゼや脱脂綿を用いる方法
は、傷口の回復に伴つてガーゼや脱脂綿が傷口に
癒着し、除去時に回復状態に有る傷口も再損傷さ
せるという問題があり、液体絆創膏類は保護膜形
成用高分子物質の溶解に有機溶剤を使用するた
め、損傷面に塗布した時激痛が生じる場合が多
く、しかも有機溶剤の傷口からの体内侵入があ
り、安全性の面においても問題がある。パツプ剤
は水溶性高分子と水を主成分とする膏体と不織布
またはネル等で構成されるため、皮膚刺激が比較
的少ない反面、接着性が劣り、貼付時の違和感が
大である。硬膏剤および薬入り粘着テープは、天
然ゴム、合成ゴムを主成分とするゴム系粘着剤ま
たはアクリ系粘着剤に経皮投与薬剤を含有させて
なる貼付剤であつて近年その種類が増大してきて
いるが、いずれも過度の蒸れやかぶれによる皮膚
刺激を有する場合が多く、その強力な接着性の点
からも、損傷皮膚への直接貼付には問題がある。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このように、従来の外用貼付剤は、損傷面への
刺激性等の問題から、損傷皮膚上に直接貼付する
ことができず、しかも、粘着テープ等は、従来か
ら乾燥した外皮への接着を前提としているため、
薬液、軟膏等を塗布した湿潤面への接着は困難で
あつた。 したがつて、損傷面に直接、あるいは薬液等を
介して良好な状態で接着することのできる外用貼
付剤は、その要望があるにもかかわらず、実現さ
れていなかつた。 この発明は、このような事情に鑑みなされたも
ので、湿潤面にも強力に接着し、損傷面に直接貼
付しても刺激が殆どなく、接着性に富み、柔軟で
違和感の少ない外用貼付剤を提供することを目的
とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的を達成するため、この発明の外用貼付
剤は、フイルム状付着体単独もしくはフイルム状
付着体と柔軟なフイルム状支持体との一体化物か
らなる外用貼付剤であつて、上記フイルム状付着
体が、ポリカルボン酸および無水カルボン酸の少
なくとも一方と酢酸ビニル重合体によつて形成す
るという構成をとる。 ポリカルボン酸およびポリ無水カルボン酸のよ
うな水溶性高分子物質は、それ自体保形性を有し
ており、少量の水分を吸収した状態では強力な付
着性を発現するが、過剰吸水状態となると粘度低
下、崩壊を起し実質的に水に溶解した状態となつ
て付着性を失う。 本発明者らは、ポリカルボン酸、ポリ無水カル
ボン酸等の水溶性高分子物質のこのような吸水時
における強力な付着力を生かし、これを湿潤面へ
の接着に有効に利用するため、その欠陥である過
剰吸水時の付着性喪失の改善を目的として水溶性
高分子物質を水不溶性化すべく一連の研究を重ね
た。その結果、ポリカルボン酸、ポリ無水カルボ
ン酸と、酢酸ビニル重合体とは適度な相溶性を有
しており、両者を相溶状態またはそれに近い状態
にすると、ポリカルボン酸、ポリ無水カルボン酸
の実質的な水不溶化が、吸水時の強力な付着性を
損なうことなくむしろ増強した状態で実現され、
両者の相溶物を薄い柔軟なフイルム状に形成して
も湿潤状態で吸水崩壊せず長時間強力な付着力を
発現するようになることを見いだしこの発明に到
達した。 この発明の外用貼付剤は、例えば、ポリカルボ
ン酸およびポリ無水カルボン酸の少なくとも一方
と酢酸ビニル重合体とを、両者に共通の溶媒に溶
解し、これを迅速に流延し乾燥してフイルム状付
着体化することにより製造することができる。こ
の製法によれば非常に薄いフイルム状体を容易に
得ることができるのである。 上記ポリカルボン酸としては、例えばアクリル
酸重合体、メタクリル酸重合体があげられ、単独
でもしくは併せて使用することができる。上記ア
クリル酸重合体の具体例として、アクリル酸単独
重合体の他に、アクリル酸ブチル、アクリル酸2
−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類や、
メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル類
ならびに酢酸ビニルなどのビニルモノマーとの共
重合体や、カルボキシビニルポリマーのような共
重合体があげられる。また、メタクリル酸重合体
の具体例としては、メタクリル酸単独重合体の他
に、アクリル酸重合体の場合と同様な共重合体が
あげられる。 なお、上記各具体例に例示した化合物は単独使
用だけでなく混合使用できることはいうまでもな
い。 上記ポリ無水カルボン酸としては、例えば無水
マレイン酸単独重合体や、無水マレイン酸とメチ
ルビニルエーテル等との共重合体があげられる。 なお、上記ポリカルボン酸中には、−COOH基
が20%以上、ポリ無水カルボン酸中には、−CO−
O−CO−基が16%以上含まれていることが効果
の上で好ましい。 上記酢酸ビニル重合体としては、例えば酢酸ビ
ニル単独重合体があげられ、それ以外にアクリル
酸エステル等のビニルモノマーと酢酸ビニルとの
共重合体および酢酸ビニル単独重合体を部分ケン
化した部分ケン化物もあげられる。これらは単独
でもしくは併せて使用することができる。これら
は平均分子量(粘度平均分子量)が60000以上で
あることが好ましい。平均分子量が60000未満の
ものを用いると、上記フイルム状付着体の耐水性
が低下し所期の効果が得られにくくなる。 上記ポリカルボン酸およびポリ無水カルボン酸
の少なくとも一方(以下これらを「ポリカルボン
酸類」という)と酢酸ビニル重合体との共通溶媒
としては、メタノール、エタノール等の低級ア
ルコール、およびこれと可溶なアセトン、酢酸
エチル等の有機溶媒との混合物であつて低級アル
コールを主成分とするもの、ならびに上記混合
物または低級アルコールにさらに水を添加混合し
たものがあげられる。上記の溶媒に関しては、
アセトン、酢酸エチル等の有機溶媒の含有量を30
%以下に制限することが好ましい。30%超えると
ポリカルボン酸類の溶解が困難になるからであ
る。上記の溶媒に関しては、水の含有量を30%
以下に制限することが好ましい。水の含有量が30
%を超えると酢酸ビニル重合体の溶解が困難にな
る傾向がみられるからである。 前記のようにして、この発明の外用貼付剤を製
造する場合において、ポリカルボン酸類と酢酸ビ
ニル重合体との混合比率は、下記の式で求められ
るA値が15〜55の範囲内になるように規制するこ
とが好ましい。 A= フイルム状付着体中の−COOH基の重量+4/5フイル
ム状付着体中の−CO−O−CO−基の重量/フイルム状付
着体中の(ポリカルボン酸重量+酢酸ビニル重合体重量
) ×100 A値が大きくなる程、フイルム状付着体の、粘
膜に対する付着力は大きくなるが、付着持続性は
低下する傾向を示し、逆にA値が小さくなる程付
着力は小さくなるが、付着持続性は増加する傾向
を示す。そして、上記A値が15を下回ると、充分
な付着力が得られにくくなり、また、45を上回る
と、充分な付着持続性が得られにくくなる。した
がつて、A値が15〜45の範囲内になるようポリカ
ルボン酸類と酢酸ビニル重合体の混合比率を規制
することが好ましいのである。ポリカルボン酸類
としてポリアクリル酸を使用した場合を例にとつ
て説明すると、フイルム状付着体中に占めるポリ
アクリル酸の割合が24〜72%の範囲にあれば、A
値が上記範囲内に入るのであり、好ましい結果が
得られるようになる。 また、上記ポリカルボン酸類と酢酸ビニル重合
体とを共通溶媒に溶解する際、両者が充分溶解す
るように配慮することが必要である。この場合、
ポリカルボン酸類、酢酸ビニル重合体等の高分子
物質の濃度は特に制限を受けるものではないが、
高分子物質の濃度が高くなりすぎると、溶液粘度
が大きくなり、これを流延フイルム状化する際、
困難になる傾向がみられるため高分子物質の濃度
が40%を超えないように配慮することが好ましい
のである。 ポリカルボン酸類と酢酸ビニル重合体を溶解し
た溶液の流延乾燥フイルム状付着体化は、剥離処
理を行つたポリエチレンラミネート紙などの適当
なフイルム上に上記溶液を流延したのち、乾燥器
あるいは乾燥塔などの高温空気浴を使用すること
によつて迅速に乾燥しフイルム状化することによ
り行うことができる。適正な乾燥時間あるいは乾
燥温度は、共通溶媒の組成、溶液中の固形分濃
度、流延厚さ等によつて異なるが、一般に60℃か
ら120℃の温度で、1分から20分程度乾燥するこ
とが好ましい。 このようにして非常に薄いフイルム状付着体が
得られる。このフイルム状付着体は、そのままこ
の発明の外用貼付剤となりうるものである。この
場合、上記フイルム状付着体の厚みは流延量等の
制御により調整しうるものであり、5〜200μm
の範囲内に規制することが好ましい。厚みが5μ
m未満になると充分な付着特性の発現が困難とな
り、200μmを超えると使用に際して皮膚に違和
感を与え、またフイルム状付着体の柔軟性が損な
われる傾向がみられるからである。 このようにして得られる柔軟なフイルム状付着
体は、乾燥時には付着性を有していないが、吸水
時に強力な付着性を発揮し、その状態と水中浸漬
時においても殆ど変化しないという画期的な特性
を備えている。そして、ポリエチレングリコール
等の可塑剤を適量添加すると、吸水していない乾
燥状態においても、付着性を発揮するようにな
り、良好な皮膚接着性を発現するようになる。 このような特性はポリカルボン酸類と酢酸ビニ
ル重合体との混合によつて初めて発現するもので
あり、これらのうち一方が含まれないときには発
現しない。 この状態で上記混合体を水中に浸漬してもフイ
ルムはほぼ均質に膨潤するのみであつてポリカル
ボン酸類の溶出は極めて少なく、ポリカルボン酸
類は実質的に不溶化されている。 この発明の外用貼付剤は、上記フイルム状付着
体だけでも構成されうるものであるが、これと柔
軟なフイルム状支持体とを組み合わせても構成す
ることができる。 この組合わせ物の製法について説明すると、こ
の組合わせ物は、前記のようにしてフイルム状付
着体を製造し、これを、熱圧着、接着剤使用等の
通常の方法で、柔軟なフイルム状支持体に貼り合
わせることにより製造でき、またシート状付着体
の製造に使用する配合物を柔軟なフイルム状支持
体の上に流延し、フイルム状付着体の製造と柔軟
なフイルム状支持体との貼り合わせを同時に行う
ことによつても製造することができる。後者のよ
うにするときは熱圧着、接着作業が不要になり製
造の簡易化を実現しうるという利点がある。 上記柔軟なフイルム状支持体としては、例えば
ポリエチレン、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン
等のプラスチツクフイルム、アルミ箔、すず箔等
の金属箔、不織布、布、布や紙とプラスチツクフ
イルムとのラミネートフイルムなどがあげられ
る。なかでも、安全性、使用感の点で、ポリエチ
レン、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合体等のプラスチツクフイルムを用いることが
好ましい。このようなフイルム状支持体は、厚み
が5〜100μmのものを用いることが、取扱い性
や使用時に違和感を与えないという点で好まし
く、上記柔軟なフイルム状支持体とフイルム状付
着体との一体化物は、厚みを30〜300μmの範囲
内に規制することが好ましいのである。すなわ
ち、厚みが30μm未満では取扱い性や操作性が悪
くなり、300μmを超えると使用時に違和感を与
える傾向がみられるからである。 このようにして得られるこ発明の外用貼付剤
は、可塑剤を配合しない場合、乾燥時に付着性を
示さず吸水時にのみ付着性を発現する柔軟なフイ
ルム状付着体となるものであり、そのまま(非含
水タイプとして)市場に供することもできるし、
非湿潤部位に貼付する際は、予め貼付部位または
外用貼付剤にスプレー法等で水や消毒用アルコー
ル等の水分を付与したり、水分が残存するような
条件で製造したりして(含水タイプとして)市場
に供することもできる。また、含水タイプのもの
は、そのまま貼付部位に押し付けるだけで強力に
付着する。この場合、その含水量を調節すること
により付着力を調節することができる。この調節
は、前記の乾燥条件を適当に選択して水分を残し
たり、非含水タイプのものに水をスプレー、デツ
ピングで付与する際その付与量を調節することに
より行うことができる。また、非含水タイプは、
先に述べたようにポリエチレングリコール等の可
塑剤を適宜配合することにより、非含水状態でも
貼付部位に付着する。特に、上記のように可塑剤
を配合しなくても、皮膚表面の汗、水分等や、投
与薬剤、出血等によつて付着しにくくなつている
湿潤部位や、損傷皮膚面上にも速やかに付着性を
発現し、薬剤の流出等による損失の防止作用や傷
の被覆保護作用を発現して投与薬剤の収収や損傷
皮膚面の治癒を早めるものである。そして、この
付着状態は著しく長時間持続するのであり、これ
がこの発明の大きな特徴である。 なお、この発明においては、上記フイルム状付
着体の保湿性や接着力を調整するために多価アル
コールを添加することもできる。多価アルコール
としては、グリセリン、ソルビトール、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、マ
ルチトール、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレングリコール等があげられる。 この発明の外用貼付剤は、先に述べたように、
含水タイプ、非含水タイプの2種類の態様をとる
ことができ、その含水量や上記多価アルコールの
配合量により接着性等の特性が影響を受ける。こ
の観点から、上記水や多価アルコールの合計含有
量は、ポリカルボン酸類と酢酸ビニルの合計に対
し0〜200重量%の割合で含有されることが好ま
しく、このうち、水の量は、全組成中の0〜50重
量%とすることが好ましい。上記の範囲外では、
フイルム状付着体の接着性、凝集力、フイルム強
度等のいずれかが不充分となる恐れがあるからで
ある。 なお、上記凝集力の調整は放射線照射によつて
行うことができる。 さらに、上記フイルム状付着体には、損傷皮膚
面への刺激を与えないように、あるいは薬剤塗布
面への貼着の際、薬剤との化学反応や薬剤の分解
等への影響を減ずるために、ポリカルボン酸類に
対して中和作用を有する塩または塩基類を含有さ
せることができる。塩または塩基類としては、金
属と弱酸の塩、金属の酸化物、金属の水酸化物、
アミン等があげられる。 上記中和剤の含有量は、その種類によつて大幅
に異なるが、ポリカルボン酸に対して0.2〜1.3当
量となるようにすることが好ましい。中和度が低
すぎると損傷皮膚に対する刺激が緩和されず、中
和度が高すぎると耐水性、耐汗性に劣る場合があ
る。 また、この発明の外用貼付剤のフイルム状付着
体またはフイルム状支持体に、その付着性を妨げ
ない範囲で着色料、香味料、軟化剤などを配合す
ることは自由である。例えば、上記付着体、支持
体ともに無色である場合には、その一方に着色料
を配合すると、貼付剤の表裏が明確になり使いや
すいという利点が得られるようになる。 〔発明の効果〕 以上のように、この発明の外用貼付剤は、ポリ
カルボン酸類と酢酸ビニル重合体との混合物を柔
軟な薄いフイルム状に形成し、これをフイルム状
付着体として用いているため、フイルム状付着体
だけからなるもの、およびこれと柔軟なフイルム
状支持体とを一体化したものの双方とも、柔軟性
に富んでおり、体のどの部分に対しても容易にフ
イツトし、強力な付着力と長時間の付着持続力を
発現する。この付着力は、水で膨潤させた架橋コ
ラーゲンフイルムを被着体にして測定(180°剥離
力)した結果、おおむね25〜200g/2.5cm幅の値
を示す。その結果、皮膚の損傷部位に対する投与
薬剤の流失防止や損傷部位の被覆保護に顕著な効
果が得られるようになる。 特に、この発明の外用貼付剤は、フイルム状付
着体を構成するポリカルボン酸類が実質的に不溶
化されており、たとえ水中に浸漬しても膨潤する
のみで吸水崩壊するようなことは全くなく、高度
な耐水性を有している。したがつて、貼付したま
ま入浴したり、水泳しても剥がれることはまれで
あり、貼付時の発汗に対しても充分な耐水性を有
するのである。 つぎに、実施例について比較例と併せて説明す
る。 実施例 1 ポリカルボン酸類としてカルボキシビニルポリ
マーを用い、これの5重量部(以下「部」と略
す)と酢酸ビニル樹脂(1500)5部とを両者
の共通溶媒であるメタノール90部に投入混合し溶
解し均一な溶液をつくつた。つぎに、この溶液を
紙セパレーター上に流延乾燥し剥離して厚み30μ
mのフイルム状付着体をつくつた。このフイルム
状付着体のA値は31.3である。ついで、上記フイ
ルム状付着体を厚み40μmのアルミニウム蒸着ポ
リエチレンフイルムに熱圧着して外用貼付剤を得
た。 上記実施例品について、付着性試験と180℃剥
離力を測定した。その結果は第1表のとおりであ
つた。
【表】
【表】 実施例 2〜6 カルボキシビニルポリマー(CVP)の10%メ
タノール溶液と酢酸ビニル樹脂(PVAc
2500)の10%メタノール溶液とを下記の第3表の
割合に混合し、これを紙セパレーター上に流延乾
燥し剥離して厚み20μmのフイルム状付着体をつ
くつた。つぎに、これを酢酸ビニル樹脂(
2500)の50μm厚のフイルムと熱圧着して外用貼
付剤を得た。 これらの実施例品について、実施例1と同様に
して付着性試験(水中浸漬時間10分)を行つて付
着性を測定し、また実施例1と同様にして180°剥
離力を測定した。その結果は第2表のとおりであ
つた。
【表】 この系においては、CVP:PVAc=3:7〜
7:3の配合比率ではA値が15〜45の範囲内に入
つており、付着力、付着時間の双方が良好であ
り、2:8のものはA値が15を下回るため、付着
力が弱く、逆に8:2のものはA値が45を上回る
ため付着時間が短く、これらのものは特別な用途
を除いては使用しにくいといえる。 実施例 7〜10 フイルム状付着体の厚みが下記の第3表に示す
値となるようにフイルム状付着体をつくつた。そ
れ以外は実施例1と同様にして外用貼付剤を得
た。 これらの実施例品について、実施例1と同様に
して付着性試験(水中浸漬時間10分)を行つて付
着性と180℃剥離力を測定した。さらに、サンプ
ル(5×5cm)をパネラー10名の上腕に貼付し
て、剥離する時間と違和感の有無を評価した。こ
の結果を第3表に併せて示す。
【表】
【表】 △…やや違和感あり
×…違和感を感じる
実施例 11 カルボキシビニルポリマー 3.4部 酢酸ビニル樹脂(1000) 8.4〃 クエン酸3Na 0.2〃 メタノール 71.0〃 精製水 17.0〃 各原料を上記のように配合し、これを混合して
均一な溶液を得た。この溶液をポリエチレンテレ
フタノールフイルムの上に流延し、80℃の乾燥器
中で15分間乾燥して、厚み80μmのフイルム状付
着体を得た。このもののA値は18であつた。つぎ
に、これを、30μm厚の、ポリエチレンフイルム
に100℃で熱圧着し外用貼付剤を得た。 実施例 12 メチルビニルエーテル無水マレイン酸交互共重合
体 4.0部 酢酸ビニル樹脂(1500) 6.0〃 水酸化ナトリウム 0.5〃 メタノール 67.5〃 酢酸エチル 22.0〃 各原料を上記のようにして配合し、これを混合
して均一な溶液を得た。この溶液を厚み30μmの
ポリエチレンフイルムの上に流延し、60℃の乾燥
器中で15分間乾燥しポリエチレンフイルムと一体
化して、20μm厚のフイルム状付着体を備えた外
用貼付剤を得た。 実施例 13 カルボキシビニルポリマー 3部 メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体
2〃 ポリ酢酸ビニル重合体(2000) 5〃 ポリエチレングリコール(400) 10〃 メタノール 90〃 各原料を上記のように配合し、これを混合して
均一な溶液を得た。これを紙セパレーター上に流
延し、60℃の乾燥し剥離して、厚み15μmのフイ
ルム状付着体を得た。 つきに、上記フイルム状付着体を、フイルム状
支持体である厚み30μmのポリ酢酸ビニル(
1500)フイルムに100℃で熱圧着し外用貼付剤を
得た。 実施例 14 カルボキシビニルポリマー 4.7部 酢酸ビニル樹脂(1000) 4.7〃 メタノール 900〃 ジイソプロパノールアミン 0.6〃 各原料を上記のように配合し、これを混合して
均一な溶液を得た。この溶液を剥離処理したポリ
エチレンラミネート紙の上に流延し、100℃の乾
燥器中で8分間乾燥して、厚み40μmのフイルム
状付着体をつくつた。ついで、上記フイルム状付
着体を厚み40μmの酢酸ビニル樹脂(2000)
のフイルムと100℃で熱圧着してのち、フイルム
状付着体面に、吸水後の含有量が20%となるよう
に30℃の温水を噴霧して外用貼付剤を得た。 以上の実施例品(11〜14)について、実施例7
〜10と同様にして、付着性試験等を行つた。この
結果を第4表に示す。 また、各実施例品のフイルム状付着体のAにつ
いても併せて示した。
【表】 以上のように、実施例品はいずれも吸水によつ
て強力な付着力を発現しており、しかも付着持続
力の長いものであることがわかる。 また、実施例品は、実際に人体上腕に貼付した
場合、違和感が殆どなく、極めて使い心地のよい
ものであることがわかる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 フイルム状付着体単独もしくはフイルム状付
    着体と柔軟なフイルム状支持体との一体化物から
    なる外用貼付剤であつて、上記フイルム状付着体
    が、ポリカルボン酸およびポリ無水カルボン酸の
    少なくとも一方と酢酸ビニル重合体によつて構成
    されていることを特徴とする外用貼付剤。 2 柔軟なフイルム状支持体が、プラスチツクフ
    イルムである特許請求の範囲第1項記載の外用貼
    付剤。 3 ポリカルボン酸およびポリ無水カルボン酸の
    少なくとも一方の含有量がフイルム状付着体に対
    して20〜75重量%に設定されている特許請求の範
    囲第1項または第2項記載の外用貼付剤。
JP60251734A 1985-11-08 1985-11-08 外用貼付剤 Granted JPS62112557A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60251734A JPS62112557A (ja) 1985-11-08 1985-11-08 外用貼付剤
DE8686308699T DE3682165D1 (de) 1985-11-08 1986-11-07 Verwendung von heftpflastern fuer die haut und perkutanen praeparaten.
EP86308699A EP0223524B1 (en) 1985-11-08 1986-11-07 Use of adhesive dermal bandages and dermal percutaneous preparations
US07/266,318 US4880416A (en) 1985-11-08 1988-10-31 Dermal bandage and dermal preparation

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