JPS6354170A - 口腔内包帯 - Google Patents

口腔内包帯

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JPS6354170A
JPS6354170A JP61198363A JP19836386A JPS6354170A JP S6354170 A JPS6354170 A JP S6354170A JP 61198363 A JP61198363 A JP 61198363A JP 19836386 A JP19836386 A JP 19836386A JP S6354170 A JPS6354170 A JP S6354170A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、口腔内の湿潤粘膜や歯面に貼付され、口腔
内粘膜に投与された薬剤の流出防止や口腔内粘膜の損傷
部の被覆保護等を行う口腔内包帯に関するものである。
〔従来の技術〕
従来より、歯槽膿漏や炎症などの口腔内の疾患に対して
、種々の薬剤が軟膏剤や液剤として投与されている。ま
たこれら局所性の治療薬のみならず、粘膜面が外皮など
に比べて薬剤を比較的よく吸収することに着目して、経
口投与では吸収されにくいホルモン剤などの全身性の薬
剤も口腔内粘膜からの投与が試みられている。このよう
な、口腔内粘膜を通しての薬剤の投与に際して最大の障
害となるのは、唾液の分泌や飲食により、短時間のうち
に薬剤が流去されてしまい充分な薬効の発現が困難なこ
とである。
また、口腔内の損傷部を被覆保護することは有効な口腔
内包帯が存在していないことから殆ど行われていないが
、口腔内には上記のように常時唾液が分泌され、また飲
食物も入るため、その被覆保護の実現には大きな障害が
ある。
最近、これらの障害を克服し口腔内の疾患に対して薬剤
を効果的に投与するか、もしくは口腔内の損傷部を被覆
保護するための口腔内包帯が種々提案されている。例え
ば、特公昭56−27491号公報、特公昭56−25
211号公報、特公昭58−7605号公報、特公昭4
4−16676号公報、特開昭59−186913号公
報Gこは、水溶性高分子を付着性成分として用いる各種
剤型の口腔内粘膜付着製剤が開示されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、これらの口腔内粘膜付着製剤は長時間の
付着持続力を備えていす、薬剤の投与に足るだけの時間
粘膜に付着していないという難点を有しており、充分な
性能を備えていない。また、最近に到り、貼付層に吸水
性高分子を分散させることによって、粘膜に対する付着
性を強化した口腔用バンドが開示されている(実公昭6
0−13462号、実公昭60−13463号)。この
口腔内バンドは、吸水性高分子物質で唾液を吸水するこ
とによって貼付層の溶解分散を防ぎ、長時間に亘る付着
性を奏することを目的とするものであるが、口腔内損傷
部位から出血をしているような場合には損傷部位に対す
る付着力が不足しており、損傷部の被覆保護を充分に行
うことができないという難点を有している。また、唾液
分泌量は個人差があり、唾液分泌量の多い場合にもやは
り充分な付着力が得られず、長時間の付着持続性に問題
がある。
この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、口
腔内の1員傷部位から出血しているような場合であって
も、また、唾液分泌量が多い場合であっても長時間の付
着持続力を発揮しうる口腔内包帯の提供をその目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この発明の口腔内包帯は、
フィルム状付着体単独もしくはフィルム状付着体と柔軟
なフィルム状支持体との一体化物からなる口腔内包帯に
おいて、上記フィルム状付着体が、ポリカルボン酸およ
びポリ無水カルボン酸の少なくとも一方と酢酸ビニル重
合体とが相溶状態になっている柔軟なフィルム状体であ
って吸水性高分子物質が20重四%未満の割合で分散含
有されているものによって構成されているという構成を
とる。
すなわち、本発明者らは、ポリカルボン酸およびポリ無
水カルボン酸の少なくとも一方と酢酸ビニル重合体との
相溶体からなるフィルムで付着体を構成すると、得られ
る口腔内包帯が長時間口腔内粘膜に付着し、患部に対す
る治療効果を持続させうるようになることを見いだしす
でに特許出願をしている(特願昭60−91580号、
特願昭60−91581号)。そして、さらに研究を重
ねた結果、上記付着体を構成するフィルムに吸水性高分
子物質を特定量分散含有させると、さらに口腔内粘膜に
対する付着性が向上し、口腔内損傷部位から出血してい
る場合にも、また唾液分泌量が多い場合にも適用でき良
好な被覆保護効果が得られるようになることを見いだし
この発明に到達した。
これについてより詳しく述べると、ポリカルボン酸およ
びポリ無水カルボン酸のような水溶性高分子物質は、そ
れ自体保形性を有しており、少量の水分を吸収した状態
では強力な付着性を発現するが、すぐ過剰吸水状態とな
り粘度低下、崩壊を起し実質的に水に溶解した状態とな
って付着性を失う。
本発明者らは、ポリカルボン酸、ポリ無水カルボン酸等
の水溶性高分子物質のこのような吸水時における強力な
付着力を生かし、これを口腔内包帯に有効に利用するた
め、その欠陥である過剰吸水時の付着性喪失の改善を目
的として一連の研究を重ねた。その結果、ポリカルボン
酸、ポリ無水カルボン酸と、酢酸ビニル重合体とは相溶
性を有しており、両者を相溶状態にすると、ポリカルボ
ン酸、ポリ無水カルボン酸の実質的な水不溶化が、吸水
時の強力な付着性を損なうことなくむしろ増強した状態
で実現され、両者の相溶物を薄い柔軟なフィルム状に形
成しても湿潤状態で吸水崩壊せず長時間強力な付着力を
発現するようになることを見いだした。これに関しては
先に述べたように、すでに特許出願している。そして、
その後の研究のm続により、ポリカルボン酸類と酢酸ビ
ニル重合体とが相溶状態になっている特殊なフィルムに
、さらに吸水性高分子物質を20重世%未満の割合で分
散含有させると、口腔内粘膜に対する一層の付着力の向
上効果が得られるようになり、それによって口腔内損傷
部位から出血しているような場合であっても、また唾液
の分泌が多い場合であっても強力に付着し、長期間の被
覆保護を実現できるようになることを見いだしこの発明
に到達した。
上記のようなポリカルボン酸およびポリ無水カルボン酸
の少なくとも一方(以下これらを「ポリカルボン酸類」
と総称する)と酢酸ビニル重合体との相?8物からなる
柔軟なフィルムは、乾燥時には付着性を有していないが
、吸水時に強力な付着性を発揮し、その状態は水中漫清
時においても殆ど変化しないという画期的な特性を備え
ている。
この発明は、上記フィルムを口腔内包帯のフィルム状付
着体とする。上記のような画期的な特性はポリカルボン
酸類と酢酸ビニル重合体とが相溶状態になっていて初め
て発現するものであり、相溶状態になっていないときに
は発現しない。
ここで相溶状態とは、ポリカルボン酸類と酢酸ビニル重
合体等とが相分離して独立した小領域を形成することな
く、均一に溶解しあった状態をいう。ポリカルボン酸類
と酢酸ビニル重合体は、相溶した状態になると、相分離
状態での混合物の特性からは予測されない特性を示すよ
うになる。すなわち、ポリカルボン酸類と酢酸ビニル重
合体の混合物においては、相分離状態のフィルムは白濁
し、相溶状態のフィルムは透明度が高いものとなる。し
かし、この発明の口腔内包帯には、場合によっては、ポ
リカルボン酸類を中和するための塩類を含有させる場合
があり、そのような場合には、ポリカルボン酸類と酢酸
ビニル重合体とが相溶状態になっていても、塩類が粗い
混合状態にあるならば、フィルムは白濁する。したがっ
て、目視あるいは光学顕微鏡による観察によっては、必
ずしもポリカルボン酸類と酢酸ビニル重合体との混合状
態を判別することができない場合がある。
しかしながら、ポリカルボン酸類と酢酸ビニル重合体と
が相溶状態にある時には、水溶性であるはずのポリカル
ボン酸類の水溶性が著しく制限され、たとえ水中にかな
り長時間に亘って浸漬しても均質に膨潤し、崩壊を起こ
さない。この性質は中和作用を有する塩の有無にかかわ
らず観察される。この性質を利用して、ポリカルボン酸
類と酢酸ビニル重合体との相溶状態を調べることができ
る。すなわち、この発明では、ポリカルボン酸類と酢酸
ビニル重合体の相溶状態をポリカルボン酸類の溶出量か
ら調べるものであり、この発明における相溶状態とは、
具体的には、下記の溶出率測定法によって求められた溶
出率が50重四%(以下「%」と略す)以下である混合
状態のことをいう。
く溶出率測定法〉 ポリカルボン酸類と酢酸ビニル重合体と中和作用を有す
る塩類とからなるフィルム(フィルム状付着体)を0℃
以下にて粉砕し、秤量する。これをメツシュの袋に入れ
、該付着体の重量の300倍以上の20℃の精製水内に
静置状態で1時間浸漬したのち、袋ごと付着体を取り出
す。この操作により精製水中に溶出したポリカルボン酸
類の量を、浸漬による付着体の重量減少などより求める
。これをフィルム中のポリカルボン酸類の配合量で除算
して溶出率を算出する。
上記ポリカルボン酸類と酢酸ビニル重合体とが相溶状態
になっている柔軟なフィルムからなるフィルム状付着体
に分散含有される吸水性高分子物質としては、澱粉アク
リル酸塩グラフト重合体(澱粉系)、カルボキシメチル
セルロース架橋体(セルロース系)およびビニルアルコ
ールアクリル酸塩共重合体、ポリアクリロニトリル加水
分解物。
架橋ポリアクリル酸塩、変性ポリビニルアルコールのよ
うな合成ポリマー系のもの等があげられる。これらは単
独で用いてもよいし、2種以上を併用しても問題はない
。このような吸水性高分子物質は、上記柔軟なフィルム
中に均一に分散させることが好適であり、そのフィルム
中に20%未満になるように分散含有させる必要がある
。特に、好ましいのは5〜20%の範囲内であり、この
範囲内において、付着時間の延長と止血効果が良好に発
揮されるようになる。さらに、好適なのは5〜15%で
ある。この範囲内では貼付後5時間でも剥離せず、良好
な止血効果が認められる。しかしながら、吸水性高分子
物質の分散含有量が20%以上になると、吸水性高分子
物質を分散混合しない場合よりも、付着時間および止血
効果とも劣るようになる。したがって、吸水性高分子物
質の分散含有量は20%未満になるように設定する必要
がある。
この発明の口腔内包帯は、上記のような、乾燥時には付
着性を示さず吸水時にのみ付着力を発現する柔軟なフィ
ルムをフィルム状付着体とするものであり、フィルム状
付着体が乾燥している状態では付着性を有しないため特
別な保管態様をとることなくそのまま保管でき、使用に
際しては口腔内粘膜に押し付けるだけで粘膜上の唾液や
粘膜の水分を吸収して速やかに付着性を発現し粘膜に強
力に付着する。したがって投与薬物や出血等により付着
しにくくなっている口腔内疾患部位や損傷部位の上に強
力に付着して薬剤の流出や傷の被覆保護作用を発現する
のである。そして、この付着状態は著しく長時間持続す
るのであり、これがこの発明の大きな特徴である。この
場合、口腔内包帯を粘膜に貼付した初期段階で、ポリカ
ルボン酸類が損傷部等を刺激するということが考えられ
る。このような場合には、先に述べたように、上記柔軟
なフィルムから構成されるフィルム状付着体に、ポリカ
ルボン酸類に対する中和作用を有する塩類を含有させる
ことが好ましい。このようにすることにより、ポリカル
ボン酸類が中和されるため、上記損傷部位に対して刺激
が加えられず、長時間の付着によっても何ら支障が生じ
な(なる。
このような口腔内包帯の長時間の付着持続性は、先に述
べたようにフィルム状付着体においてポリカルボン酸類
と酢酸ビニル重合体とが相溶状態になっており、さらに
そこに吸水性高分子′JfyJffが所定量分散含存さ
れていることにより初めて実現するものである。
この付着持続力の発生機構は明らかではないが、相溶状
態下においては、ポリカルボン酸類が湿潤粘膜に対する
付着性を、酢酸ビニル重合体が耐水性を付与し、かつ吸
水性高分子物質がポリカルボン酸類に対する適正水分供
給作用を発揮し、これらがうまく調和して長時間の付着
持続力が発現するものと考えられる。なお、ポリカルボ
ン酸類に対して中和作用を有する塩類はその混合状態が
付着性に影響を与えることはないが、その特性が上記付
着性等に対して微妙に影響する。例えば、酸化亜鉛や酸
化カルシウムのような多価の金属塩は、付着性を滅じ耐
水性を富める働きをするが、酢酸ナトリウム等の一価の
金属塩や、水酸化ナトリウムやトリエタノールアミン等
の一価の塩基は付着性を高め耐水性を減じる作用をする
このように、この発明の口腔内包帯は、口腔内粘膜に対
する強力な付着力を有しているため、口腔内疾患部位に
対する投与薬剤の流失を長時間防止し、その吸収率を著
しく高めて治癒を早め、また口腔内損傷部位、特に出血
しているような口腔内損傷部位に対しても充分な被覆保
護を行うことができ、その回復を早めうる。さらに、こ
の発明の口腔内包帯におけるフィルム状付着体は、ポリ
カルボン酸類と酢酸ビニル重合体とが相溶状態になって
いる実質的に水不溶性の柔軟なフィルムからなり、単に
水溶性高分子物質をそのまま用いたものではないため非
常に薄い状態で長時間に亘る付着持続力を発現する。す
なわち、水溶性高分子物質をそのまま用いる場合には、
それをあまり薄くすると唾液によって短時間の間に急速
に溶解して付着性が急速に失われるようになるから薄く
できないのであり、かなりの厚みをもたせることとなる
。しかし、このようにすると、今度は使用時の異物感が
大きくなると同時に口腔内包帯の柔軟性が損なわれるよ
うになる。この発明の口腔内包帯のフィルム状付着体は
、非常に薄い状態で長時間に亘り強力な付着力を発現す
るため、厚みを厚くする必要がなく、厚みの過大による
異物感等を惑しさせないのである。この発明の口腔内包
帯は、このようにフィルム状付着体を薄い柔軟なフィル
ムによって構成しているため、全体が柔軟であり、かつ
薄い。したがって使用時に軽(押し付けるだけで口腔内
粘膜に沿って円滑に変形し簡単に付着するものであり、
また貼付によって異物感を与えないという利点を有して
いる。
この発明の口腔内包帯は、例えば、ポリカルボン酸類と
酢酸ビニル重合体とを、両者に共通の溶媒に溶解し、さ
らにこれに吸水性高分子物質を所定量配合し、場合によ
っては、さらに上記ポリカルボン酸類に対して中和作用
を有する塩tr4を配合し、これを迅速に流延し乾燥し
てフィルム状付着体化することにより製造することがで
きる。上記塩類の配合は、上記溶液に塩類を溶解させる
ことによって行ってもよいし、また粉末状のものを分散
させることによって行ってもよい。この製造法によれば
非常に薄いフィルム状体を容易に形成しろるという利点
がある。
上記ポリカルボン酸類の代表的なものを例示すると、ア
クリル酸重合体、メタクリル酸重合体。
無水マレイン酸重合体があげられ、単独でもしくは併せ
て使用することができる。上記アクリル酸重合体の具体
例として、アクリル酸単独重合体の他に、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸
エステル類や、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エ
ステル類ならびに酢酸ビニルなどのビニルモノマーとの
共重合体や、カルボキシビニルポリマーのような共重合
体があげられる。また、メタクリル酸重合体の具体例と
しては、メタクリル酸単独重合体の他に、アクリル酸重
合体の場合と同様な共重合体があげられ、無水マレイン
酸重合体の具体例としては、メチルビニルエーテルな等
の共重合体があげられる。なお、上記各具体例に例示し
た化合物は単独使用だけでなく混合使用できることはい
うまでもない。これらのポリカルボン酸類において、ポ
リカルボン酸中には、−COOH基が20%以上、ポリ
無水カルボン酸中には、−co−o−co−基が16%
以上含まれていることが効果の上で好ましい。
上記酢酸ビニル重合体の代表的なものを例示すると、酢
酸ビニル単独重合体があげられ、それ以外にアクリル酸
エステル等のビニルモノマーと酢酸ビニルとの共重合体
および酢酸ビニル単独重合体を部分ケン化した部分ケン
化物もあげられる。
これらは単独でもしくは併せて使用することができる。
また、これらは平均分子量(粘度平均分子量)が600
00以上であることが好ましい。平均分子量が6000
0未満のものを用いると、上記フィルム状付着体の耐水
性が低下し所期の効果が得られに(くなる。
ポリカルボン酸類に対して中和作用を有する塩類とは、
塩のみではなく、塩基も含むものであり、その代表例と
して、金属と弱酸との塩、金属の酸化物、金属の水酸化
物、アミン等およびそれらの混合物があげられる。金属
と弱酸との塩の具体例として、ナトリウム、カリウム、
カルシウム。
マグネシウム等と酢酸、乳酸、クエン酸等のカルボン酸
との塩があげられ、金属の酸化物の具体例としては、酸
化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウムがあげられ
る。また、金属の水酸化物の具体例としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウム等があげられ、アミンの具体例としては、
トリエタノールアミン、ジイソプロパツールアミン等が
あげられる。上記に具体的に例示した化合物は単独でも
しくは併用しうるちのである。このような塩類の好まし
い配合量は、塩または塩基の種類によって大幅に異なる
。多価の金属塩を使用する場合には、フィルム状付着体
中のポリカルボン酸類に対して、0.2〜0.8当量配
合することが好ましく、その量が0.2当量を下回ると
、損傷部位(損傷粘膜)に対する刺激性低減効果が不充
分となり、0.8当量を上回ると、充分な付着持続性が
得られにくくなる。また、1価の金属塩あるいは1価の
塩基を使用する場合には、フィルム状付着体中のポリカ
ルボン酸類に対して、0.03〜0.2当量配合するこ
とが好ましく、その量が0.03当坩を下回ると損傷部
位に対する刺激性低減効果が不充分となり、0.2当量
を上回るとフィルム状付着体の耐水性が低下して充分な
付着力が得られに(くなるからである。
上記ポリカルボン酸類と酢酸ビニル重合体の共通溶媒と
しては、■メタノール、エタノール等の低級アルコール
、および■これと可溶なアセトン、酢酸エチル等の有機
溶媒との混合物であって低級アルコールを主成分とする
もの、ならびに■上記混合物または低級アルコールにさ
らに水を添加混合したものがあげられる。上記■の溶媒
に関しては、アセトン、酢酸エチル等の有機溶媒の含有
量を30%以下に制限することが好ましい。30%を超
えるとポリカルボン酸類の溶解が困難になるからである
。上記■の溶媒に関しては、水の含有量を30%以下に
制限することが好ましい。水の含有量が30%を超える
と酢酸ビニル重合体の溶解が困難になる傾向がみられる
からである。
前記のようにして口腔内包帯を製造する場合において、
ポリカルボン酸類と酢酸ビニル重合体との混合比率は、
下記の式で求められるA値が15〜55の範囲内になる
ように規制することが好ましい。
A値が大きくなる程、フィルム状付着体の、粘膜に対す
る付着力は大きくなるが、付着持続性は低下する傾向を
示し、逆にA値が小さくなる程付着力は小さくなるが、
付着持続性は増加する傾向を示す、そして、上記A値が
15を下回ると、充分な付着力が得られにく(なり、ま
た、55を上回ると、充分な付着持続性が得られにくく
なる。
したがって、A値が15〜55の範囲内になるようポリ
カルボン酸類と酢酸ビニル重合体の混合比率を規制する
ことが好ましい。ポリカルボン酸類としてポリアクリル
酸を使用した場合を例にとって説明すると、フィルム状
付着体中に占めるポリアクリル酸の割合が24〜88%
の範囲にあれば、A値が上記範囲内に入るのであり、好
ましい結果が得られるようになる。
また、上記ポリカルボン酸類と酢酸ビニル重合体とを共
通溶媒に溶解する際、両者が充分溶解するように配慮す
ることが必要である。この場合、ポリカルボン酸類、酢
酸ビニル重合体等の高分子物質の濃度は特に制限を受け
るものではないが、高分子物質の濃度が高くなりすぎる
と、溶液粘度が大きくなり、これを流延フィルム状化す
る際、困難になる傾向がみられるため高分子物質の濃度
が40%を超えないように配慮することが好ましい。
ポリカルボン酸類と酢酸ビニル重合体を溶解しこれに吸
水性高分子物質を前記のように配合し、さらに必要に応
じて中和用の塩類を配合した溶液の流延乾燥フィルム状
付着体化は、剥離処理を行つたポリエチレンラミネート
紙などの適当なフィルム上に上記溶液を流延したのち、
乾燥器あるいは乾燥塔などの高温空気浴を使用すること
によって迅速に乾燥しフィルム状化することにより行う
ことができる。適正な乾燥時間あるいは乾燥温度は、共
通溶媒の組成、溶液中の固形分濃度、流延厚さ等によっ
て異なるが、−1’lQに60℃から120℃の温度で
、1分から20分程度乾燥することが好ましい。
このようにして非常に薄いフィルム状付着体が得られる
。このフィルム状付着体は、そのままこの発明の口腔内
包帯となりうるちのである。この場合、上記フィルム状
付着体の厚みは流延量等の制御により調整しうるちので
あり、10〜100μmの範囲内に規制することが好ま
しい。厚みが10μm未満になると充分な付着特性の発
現が困難となり、100μmを超えると使用に際して口
中異物感を与え、またフィルム状付着体の柔軟性が損な
われる傾向がみられるからである。
上記のように、この発明の口腔内包帯は、フイルム状付
着体だけでも構成されうるちのであるが、これと柔軟な
フィルム状支持体とを組み合わせても構成することがで
きる。
この組合せ物の製造法について説明すると、この組合せ
物は、前記のようにしてフィルム状付着体を製造し、こ
れを、熱圧着、接着剤使用等の通常の方法で、柔軟なフ
ィルム状支持体に貼り合わせることにより製造でき、ま
たフィルム状付着体の製造に使用する配合物を柔軟なフ
ィルム状支持体の上に流延し、フィルム状付着体の製造
と柔軟なフィルム状支持体との貼り合わせを同時に行う
ことによっても製造することができる。後者のようにす
るときには熱圧着、接着作業が不要になり製造の簡易化
を実現しろるという利点がある。
上記柔軟なフィルム状支持体としては、水不透過性のも
のを用いることが好ましい。その代表的なものを例示す
ると、ポリエチレン、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどの
プラスチックフィルム、アルミ箔、すず箔などの金属箔
、布や祇とプラスチックフィルムとのラミネートフィル
ムなどがあげられる。なかでも、安全性、使用感の点で
、ポリエチレン、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体などのプラスチックフィルムを用いることが
好ましい。このような柔軟なフィルム状支持体は、厚み
が10〜100μmのものを用いることが、取扱い性や
使用時に異物感を与えないという点で好ましく、上記柔
軟なフィルム状支持体とフィルム状付着体との一体化物
は、厚みを30−150μmの範囲内に規制することが
好ましい。すなわち、厚みが30μm未満では取扱い性
や操作性が悪くなり、150μmを超えると使用時に異
物感を与える傾向がみられるからである。
上記のようにフィルム状付着体と柔軟なフィルム状支持
体とを一体化して得られる口腔内包帯は、フィルム状付
着体の作用により、口腔内粘膜に対して強力に付着し、
長時間の付着持続力を発現するのであるが、上記柔軟な
フィルム状支持体を一体化していることにより、口腔内
包帯の強度が増し使用しやすくなると同時に、フィルム
状支持体の作用により背面に食物等の異物が付着するこ
とが防止される等の効果がさらに得られる。そして、柔
軟なフィルム状体として水不透過性のものを用いること
により、背面からの水分の侵入を防ぎ付着持続時間の延
長を実現できる等の効果がさらに得られるようになるの
である。
なお、この発明の口腔内包帯の、フィルム状付着体また
はフィルム状支持体に、その付着性を妨げない範囲で着
色料、香味料、軟化剤などを配合することは自由である
。例えば、上記付着体、支持体ともに無色である場合に
は、その一方に着色料を配合すると、包帯の表裏が明確
になり使いやすいという利点が得られるようになる。
以上のように、この発明の口腔内包帯は、ポリカルボン
酸類と酢酸ビニル重合体との相溶物であって吸水性高分
子物質が20%未満の割合で分散含有されているものを
柔軟な薄いフィルム状に形成し、これをフィルム状付着
体として用いているため、フィルム状付着体だけからな
るもの、およびこれと柔軟なフィルム状支持体とを一体
化したものの双方とも、柔軟性に富んでいるのであり、
口腔内に貼付すると、口腔内の水分を吸収してさらに軟
化する。したがって口腔内のどの部分に対しても容易に
フィツトし、強力な付着力と長時間の付着持続力を発現
する。特にこの発明の口腔内包帯は、吸水性高分子物質
が上記相溶物に分散含有されているため、口腔内粘膜に
対する付着力が著しく向上しており、口腔内損傷部位で
あって出血をしているような部位に対しても良好に付着
し、長時間の被覆保護を実現しうる。また、唾液分泌量
の多い場合であっても貼付可能であり、長時間の被覆保
護を実現しうるのである。
〔発明の効果〕
この発明の口腔内包帯は、以上のように構成されている
ため、口腔内粘膜に対する付着力が著しく向上しており
、出血状態の損傷部位に対しても良好に付着し、長時間
の被覆保護を実現しうるのであり、また唾液分泌量の多
い場合にも付着可能であって長時間の被覆保護を実現し
うる。その結果、損傷部位に対して刺激が与えられない
ようにして、損傷部位の早期の回復を達成しうると同時
に、口腔内疾患部位に対する投与薬剤の顕著な流失防止
効果が得られるようになる。しかも、上記口腔内包帯は
柔軟であって使用に際して軽(押し付けるだけで口腔内
粘膜の膜面に沿って変形し付着するものであり、口腔内
粘膜のあらゆる個所に貼付可能であって極めて実用的で
ある。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。7 〔実施例1〕 ポリカルボン酸類としてカルボキシビニルポリマーを用
い、これの4.7重量部(以下「部」と略す)と酢酸ビ
ニル樹脂(戸=1500)4.7部とを両者の共通溶媒
であるメタノール90部に投入し、さらにジイソプロパ
ツールアミン0.6部を投入し混合溶解して均一な溶液
をつくった。つぎに、この溶液にビニルアルコールアク
リル酸塩共重合体系の吸水性高分子0.53部を加え、
できるだけ均一に分散させた。ついで、この溶液を、剥
離処理したポリエチレンラミネート紙の上に流延し、8
0℃の乾燥層中で8分間乾燥して厚み40μmのフィル
ム状付着体をつくった。ついで、上記フィルム状付着体
を、厚み40μmの酢酸ビニル樹脂(戸=2000)の
フィルムと100℃で熱圧着して口腔内包帯を得た。
〔実施例2〕 ビニルアルコールアクリル酸塩共重合体系の吸水性高分
子の使用量を1.76部に代えた。それ以外は実施例1
と同様にして口腔内包帯を得た。
〔実施例3〕 ビニルアルコールアクリル酸塩共重合体系の吸水性高分
子の使用量を2.5部に代えた。それ以外は実施例1と
同様にして口腔内包帯を得た。
〔比較例1〕 ビニルアルコールアクリル酸塩共重合体系の吸水性高分
子の使用量を3.3部に代えた。それ以外は実施例1と
同様にして口腔内包帯を得た。
〔比較例2〕 ビニルアルコールアクリル酸塩共重合体系の吸水性高分
子の使用量を5部に代えた。それ以外は実施例1と同様
にして口腔内包帯を得た。
〔比較例3〕 ビニルアルコールアクリル酸塩共重合体系の吸水性高分
子の使用量を10部に代えた。それ以外は実施例1と同
様にして口腔内包帯を得た。
〔比較例4〕 吸水性高分子の使用をとりやめた。それ以外は実施例1
と同様にして口腔内包帯を得た。
〔比較例5〕 下記の原料を下記に示すような割合で準備した。
カルボキシメチルセルロース  :5%ヒドロキシプロ
ピルセルロース :85%ポリビニルアルコール   
  ;5%ビニルアルコールアクリル酸塩 共重合体系吸水性高分子   :5% 合   計                : 10
0%上記上記源料を混合し、その10部を清製氷90部
に加えて均一に混合し、さらに空気を吹き込んで泡状と
したものを速やかに平滑な水平面に1模状に展伸し、こ
れを凍結乾燥して厚み約0.7 tmのスポンジ状の付
着体を形成し、この付着体を口腔内包帯とした。
〔比較例6〕 下記の原料を下記の割合で配合した。
カルボキシメチルセルロース  =5%ヒドロキシプロ
ピルセルロース :50%ポリビニルアルコール   
  :5%ビニルアルコールアクリル酸塩 共重合体系吸水性高分子   =40%合   計  
             : 100%上記成分原料
を混合し、比較例5と同様にしてスポンジ状の付着体か
らなる口腔内包帯を得た。
つぎに、上記実施例および比較例で得られた口腔内包帯
について、性能試験を行った。その結果を下記の表に示
す。
(以下余白) 上記の表から明らかなように、実施別品はいずれも水中
浸漬試験、実用試験の成績が比較別品よりも優れており
、しかも止血効果が著しく優れていることがわかる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)フィルム状付着体単独もしくはフィルム状付着体
    と柔軟なフィルム状支持体との一体化物からなる口腔内
    包帯において、上記フィルム状付着体が、ポリカルボン
    酸およびポリ無水カルボン酸の少なくとも一方と酢酸ビ
    ニル重合体とが相溶状態になつている柔軟なフィルム状
    体であつて吸水性高分子物質が20重量%未満の割合で
    分散含有されているものによつて構成されていることを
    特徴とする口腔内包帯。
  2. (2)フィルム状付着体に、ポリカルボン酸またはポリ
    無水カルボン酸に対して中和作用を有する塩類が含有さ
    れている特許請求の範囲第1項記載の口腔内包帯。
  3. (3)塩類が、塩および塩基の少なくとも一方である特
    許請求の範囲第2項記載の口腔内包帯。
  4. (4)柔軟なフィルム支持体が、プラスチックフィルム
    である特許請求の範囲第1項または第2項記載の口腔内
    包帯。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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