JP2758014B2 - 口腔内貼付用バンデージ - Google Patents
口腔内貼付用バンデージInfo
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- JP2758014B2 JP2758014B2 JP1059220A JP5922089A JP2758014B2 JP 2758014 B2 JP2758014 B2 JP 2758014B2 JP 1059220 A JP1059220 A JP 1059220A JP 5922089 A JP5922089 A JP 5922089A JP 2758014 B2 JP2758014 B2 JP 2758014B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、口腔内の損傷部や疾患部を保護するため
の、あるいは口腔粘膜を介して薬物を吸収させるための
口腔内貼付用バンデージに関する。
の、あるいは口腔粘膜を介して薬物を吸収させるための
口腔内貼付用バンデージに関する。
(従来の技術) 口腔内の損傷部や疾患部の保護を目的として、あるい
は口腔粘膜を介して所定の薬効成分を体内に吸収させる
ことを目的として、口腔内貼付用製剤(バンデージ)が
調製されている。口腔内貼付用バンデージは、ぬれた口
腔内粘膜に貼付けることが可能で、かつ唾液の分泌や飲
食などにより容易に剥離しないことが必要とされる。
は口腔粘膜を介して所定の薬効成分を体内に吸収させる
ことを目的として、口腔内貼付用製剤(バンデージ)が
調製されている。口腔内貼付用バンデージは、ぬれた口
腔内粘膜に貼付けることが可能で、かつ唾液の分泌や飲
食などにより容易に剥離しないことが必要とされる。
口腔内貼付用バンデージとして、例えば、特公昭58−
7605号公報には、ヒドロキシプロピルセルロースとアク
リル酸(共)重合体またはその塩とを含む組成の口腔内
貼付用バンデージが開示されている。特開昭59−186913
号公報には、ゼラチンまたは寒天、グルテン、カルボキ
シビニルポリマーおよび酢酸ビニルまたはガム類を含む
組成の口腔内貼付用バンデージが開示されている。特開
昭60−215622号公報には、ポリビニルピロニドン、ポリ
ビニルアルコール、ポリエチレングリコール、アルギン
酸またはその塩、無水マレイン酸−メチルビニルエーテ
ル共重合体、およびアクリル酸(共)重合体を含む組成
の口腔内貼付用バンデージが開示されている。特開昭61
−249473号公報には、ポリカルボン酸、ポリ無水カルボ
ン酸および酢酸ビニル共重合体を含む組成の口腔内貼付
用バンデージが開示されている。
7605号公報には、ヒドロキシプロピルセルロースとアク
リル酸(共)重合体またはその塩とを含む組成の口腔内
貼付用バンデージが開示されている。特開昭59−186913
号公報には、ゼラチンまたは寒天、グルテン、カルボキ
シビニルポリマーおよび酢酸ビニルまたはガム類を含む
組成の口腔内貼付用バンデージが開示されている。特開
昭60−215622号公報には、ポリビニルピロニドン、ポリ
ビニルアルコール、ポリエチレングリコール、アルギン
酸またはその塩、無水マレイン酸−メチルビニルエーテ
ル共重合体、およびアクリル酸(共)重合体を含む組成
の口腔内貼付用バンデージが開示されている。特開昭61
−249473号公報には、ポリカルボン酸、ポリ無水カルボ
ン酸および酢酸ビニル共重合体を含む組成の口腔内貼付
用バンデージが開示されている。
上記各公報に開示されているバンデージは、いずれも
親水性高分子を主成分とする基剤を有している。このよ
うな親水性高分子は、口腔内において唾液などの少量の
水分が付与されると粘着性を有するようになり、口腔粘
膜に付着する。しかし、親水性高分子単独では、唾液や
飲食による多量の水分により膨潤し崩壊するという問題
がある。このような耐水性の欠如を補なうため、上記各
公報においては、酢酸ビニルあるいはゴム類等の水不溶
性高分子を親水性高分子に混合して基剤を調製すること
が提案されている。
親水性高分子を主成分とする基剤を有している。このよ
うな親水性高分子は、口腔内において唾液などの少量の
水分が付与されると粘着性を有するようになり、口腔粘
膜に付着する。しかし、親水性高分子単独では、唾液や
飲食による多量の水分により膨潤し崩壊するという問題
がある。このような耐水性の欠如を補なうため、上記各
公報においては、酢酸ビニルあるいはゴム類等の水不溶
性高分子を親水性高分子に混合して基剤を調製すること
が提案されている。
しかしながら、このような水不溶(難溶)性高分子を
添加すると、親水性高分子と水不溶性高分子との親水性
が良好でなく、分子レベルの相溶状態となっていないた
めに、充分な耐水性が得られないという欠点があった。
添加すると、親水性高分子と水不溶性高分子との親水性
が良好でなく、分子レベルの相溶状態となっていないた
めに、充分な耐水性が得られないという欠点があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記従来の欠点を解決するものであり、そ
の目的とするところは、口腔内粘膜に対して充分な付着
性を有し、かつ耐水性に優れた口腔内貼付用バンデージ
を提供することにある。
の目的とするところは、口腔内粘膜に対して充分な付着
性を有し、かつ耐水性に優れた口腔内貼付用バンデージ
を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、ある種の親水性高分子(可塑剤を含む
場合もある)を用いて粘膜貼付性基剤を調製すると、柔
軟性がよく、湿潤した粘膜面に対する貼付性のよい基剤
が得られる知見をこれまでの検討が得てきたが、この場
合耐水性が不足するという問題が生じてきた。この問題
を解決すべく検討した結果、親水性高分子と相溶性があ
り親和性の高い(メタ)アクリル酸エステル(共)重合
体を混合して粘膜貼付性基剤を調製することにより、耐
水性を向上することができることを発見し、本発明に到
達したものである。
場合もある)を用いて粘膜貼付性基剤を調製すると、柔
軟性がよく、湿潤した粘膜面に対する貼付性のよい基剤
が得られる知見をこれまでの検討が得てきたが、この場
合耐水性が不足するという問題が生じてきた。この問題
を解決すべく検討した結果、親水性高分子と相溶性があ
り親和性の高い(メタ)アクリル酸エステル(共)重合
体を混合して粘膜貼付性基剤を調製することにより、耐
水性を向上することができることを発見し、本発明に到
達したものである。
また、上記フィルム状粘膜貼付性基剤の付着性及び耐
水性は、それ単独においても充分に満足のいくものであ
るが、さらに耐水性を付与し、かつ貼付時間を向上する
ために、水不溶性・水難溶性高分子からなる粘膜非貼付
性基剤を積層し、しかもこの粘膜非貼付性基剤に粘膜貼
付性基剤と同じ(メタ)アクリル酸エステル(共)重合
体を(ただし、親水性基として、カルボキシル基を有す
るものも含まれる)含有させることにより、吸水時の貼
付性基剤との親和性を保ち剥離を防ぐことができるとの
知見を得て本発明に到達した。
水性は、それ単独においても充分に満足のいくものであ
るが、さらに耐水性を付与し、かつ貼付時間を向上する
ために、水不溶性・水難溶性高分子からなる粘膜非貼付
性基剤を積層し、しかもこの粘膜非貼付性基剤に粘膜貼
付性基剤と同じ(メタ)アクリル酸エステル(共)重合
体を(ただし、親水性基として、カルボキシル基を有す
るものも含まれる)含有させることにより、吸水時の貼
付性基剤との親和性を保ち剥離を防ぐことができるとの
知見を得て本発明に到達した。
すなわち、本発明の口腔内貼付用バンデージは、フィ
ルム状の粘膜貼付性基剤とフィルム状の粘膜非貼付性基
剤との積層体からなる口腔内貼付用バンデージであっ
て、該粘膜貼付性基剤が、水および水と混合し得る高極
性溶媒に可溶な親水性高分子、および該親水性高分子と
相溶性を有し、かつ分子内に親水性基(カルボキシル基
を除く)を有する水不溶(難溶)性の(メタ)アクリル
酸エステル(共)重合体を含有し、該粘膜非貼付性基剤
が、該親水性高分子と相溶性を有し、かつ分子内に親水
性基を有する水不溶(難溶)性の(メタ)アクリル酸エ
ステル(共)重合体を含有し、そのことにより上記目的
が達成される。
ルム状の粘膜貼付性基剤とフィルム状の粘膜非貼付性基
剤との積層体からなる口腔内貼付用バンデージであっ
て、該粘膜貼付性基剤が、水および水と混合し得る高極
性溶媒に可溶な親水性高分子、および該親水性高分子と
相溶性を有し、かつ分子内に親水性基(カルボキシル基
を除く)を有する水不溶(難溶)性の(メタ)アクリル
酸エステル(共)重合体を含有し、該粘膜非貼付性基剤
が、該親水性高分子と相溶性を有し、かつ分子内に親水
性基を有する水不溶(難溶)性の(メタ)アクリル酸エ
ステル(共)重合体を含有し、そのことにより上記目的
が達成される。
本発明の口腔内貼付用バンデージの粘膜貼付性基剤に
含有される親水性高分子は、水に可溶であり、かつ水と
混合し得る高極性溶媒(例えば、アルコール類、アセト
ン、アセトニトリルなどの高極性溶媒)に可溶である。
このような親水性高分子の例としては、(メタ)アクリ
ル酸共重合体、(メタ)アクリル酸共重合体無水物、ポ
リビニルピロリドン、ハイドロキシプロピルセルロース
などが挙げられる。これらの高分子は少量の水分を吸収
して強力な付着力を有するようになる。
含有される親水性高分子は、水に可溶であり、かつ水と
混合し得る高極性溶媒(例えば、アルコール類、アセト
ン、アセトニトリルなどの高極性溶媒)に可溶である。
このような親水性高分子の例としては、(メタ)アクリ
ル酸共重合体、(メタ)アクリル酸共重合体無水物、ポ
リビニルピロリドン、ハイドロキシプロピルセルロース
などが挙げられる。これらの高分子は少量の水分を吸収
して強力な付着力を有するようになる。
本発明に用いられる(メタ)アクリル酸エステル
(共)重合体は、上記親水性高分子と相溶性があり、分
子内に親水性基(カルボキシル基を除く)を有する水不
溶(難溶)性の(共)重合体である。ここでいう親水性
基とは、水酸基、アミノ基、ケトン基、スルホン基、ア
ンモニウム塩などの水分子と親和性の高い基のことを意
味する。本発明に用いられる(メタ)アクリル酸エステ
ル(共)重合体としては、例えば、以下に示す(共)重
合体があげられる。
(共)重合体は、上記親水性高分子と相溶性があり、分
子内に親水性基(カルボキシル基を除く)を有する水不
溶(難溶)性の(共)重合体である。ここでいう親水性
基とは、水酸基、アミノ基、ケトン基、スルホン基、ア
ンモニウム塩などの水分子と親和性の高い基のことを意
味する。本発明に用いられる(メタ)アクリル酸エステ
ル(共)重合体としては、例えば、以下に示す(共)重
合体があげられる。
(メタ)アクリル酸エステル・(メタ)アクリル酸エ
ステル(共)重合体(エステル部に4級アンモニウム
塩、アミノ基、スルホン基等を含有) 前記親水性高分子と(メタ)アクリル酸エステル
(共)重合体とは、重量比で90/10〜40/60の割合で混合
されるのが好ましい。上記範囲より親水性高分子が過剰
であり(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体が過少
であると、得られるバンデージの耐水性に劣る。逆に親
水性高分子が過少であり(メタ)アクリル酸エステル
(共)重合体が過剰であると口腔粘膜への付着性に劣
る。
ステル(共)重合体(エステル部に4級アンモニウム
塩、アミノ基、スルホン基等を含有) 前記親水性高分子と(メタ)アクリル酸エステル
(共)重合体とは、重量比で90/10〜40/60の割合で混合
されるのが好ましい。上記範囲より親水性高分子が過剰
であり(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体が過少
であると、得られるバンデージの耐水性に劣る。逆に親
水性高分子が過少であり(メタ)アクリル酸エステル
(共)重合体が過剰であると口腔粘膜への付着性に劣
る。
また、粘膜貼付性基剤には、必要に応じ、例えばクエ
ン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、モノラウリ
ン酸ソルビタン、グリセリン、硬化ヒマシ油等の可塑剤
が配合されてもよく、その使用量は樹脂成分100重量部
に対し、200重量部以下とするのが好適である。
ン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、モノラウリ
ン酸ソルビタン、グリセリン、硬化ヒマシ油等の可塑剤
が配合されてもよく、その使用量は樹脂成分100重量部
に対し、200重量部以下とするのが好適である。
さらにまた、粘膜貼付性基剤中には、必要に応じて、
各種薬効成分や各種添加剤が含有され得る。添加剤には
例えば、薬効成分の吸収促進剤、抗菌剤、軟化剤、界面
活性剤、架橋剤、中和・緩衝剤、有機あるいは無機の増
量剤、香料、着色料、着味剤などがある。
各種薬効成分や各種添加剤が含有され得る。添加剤には
例えば、薬効成分の吸収促進剤、抗菌剤、軟化剤、界面
活性剤、架橋剤、中和・緩衝剤、有機あるいは無機の増
量剤、香料、着色料、着味剤などがある。
本発明の口腔内貼付用バンデージに用いられる粘膜非
貼付性基剤は、水不溶性もしくは水難溶性の高分子、例
えば、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレ
フタレート、(メタ)アクリル酸エステル共重合体など
からなるフィルム状のものである。この非貼付性基剤に
は上記粘膜貼付性基剤で使用したのと同種の(メタ)ア
クリル酸エステル(共)重合体を含有するが、(メタ)
アクリル酸エステル(共)重合体が分子内に有する親水
性基としては、カルボキシル基であってもよい。非貼付
性基剤には、さらに必要に応じて可塑剤を含有すること
もでき、この可塑剤としては、水不溶性もしくは水難溶
性のものが好適に用いられる。
貼付性基剤は、水不溶性もしくは水難溶性の高分子、例
えば、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレ
フタレート、(メタ)アクリル酸エステル共重合体など
からなるフィルム状のものである。この非貼付性基剤に
は上記粘膜貼付性基剤で使用したのと同種の(メタ)ア
クリル酸エステル(共)重合体を含有するが、(メタ)
アクリル酸エステル(共)重合体が分子内に有する親水
性基としては、カルボキシル基であってもよい。非貼付
性基剤には、さらに必要に応じて可塑剤を含有すること
もでき、この可塑剤としては、水不溶性もしくは水難溶
性のものが好適に用いられる。
本発明の口腔内貼付用バンデージは、次のようにして
調製される。
調製される。
例えば、上記親水性高分子、(メタ)アクリル酸エス
テル(共)重合体及び必要に応じて可塑剤エタノールな
どの有機溶媒に均一に溶解し、必要に応じて薬効成分等
の添加剤を混合し、この混合物を上記粘膜非貼付性基剤
からなる水不溶性または水難溶性のフィルム上に、流延
し、乾燥することにより得られる。あるいは上記親水性
高分子(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体及び必
要に応じて可塑剤をエタノールなどの有機溶媒に均一に
溶解し、必要に応じて薬効成分等の添加剤を混合し、こ
の混合物を剥離シート上に流延し、乾燥することにより
フィルム化し、この粘膜貼付性基剤フィルムと、上記水
不溶性もしくは水難溶性の粘膜非貼付性基剤フィルムと
を積層圧着することにより得られる。このような二層構
造のバンデージの粘膜非貼付性基剤の厚みは5〜500μ
mが好ましく、より好ましくは10〜100μmであり、粘
膜貼付性基剤の厚みは10〜5,000μmが好ましく、より
好ましくは20〜500μmである。
テル(共)重合体及び必要に応じて可塑剤エタノールな
どの有機溶媒に均一に溶解し、必要に応じて薬効成分等
の添加剤を混合し、この混合物を上記粘膜非貼付性基剤
からなる水不溶性または水難溶性のフィルム上に、流延
し、乾燥することにより得られる。あるいは上記親水性
高分子(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体及び必
要に応じて可塑剤をエタノールなどの有機溶媒に均一に
溶解し、必要に応じて薬効成分等の添加剤を混合し、こ
の混合物を剥離シート上に流延し、乾燥することにより
フィルム化し、この粘膜貼付性基剤フィルムと、上記水
不溶性もしくは水難溶性の粘膜非貼付性基剤フィルムと
を積層圧着することにより得られる。このような二層構
造のバンデージの粘膜非貼付性基剤の厚みは5〜500μ
mが好ましく、より好ましくは10〜100μmであり、粘
膜貼付性基剤の厚みは10〜5,000μmが好ましく、より
好ましくは20〜500μmである。
(作用) 親水性高分子は本来少量の水分を吸水すると、強力な
付着力を有する。本発明においては、親水性高分子と
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体とが分子レベ
ルで相溶していることにより、貼付部位に均一に親水性
高分子が分布することになり、親水性高分子本来の上記
貼付性を維持することが可能となる。従って、フィルム
状の粘膜貼付性基剤及び粘膜非貼付性基剤の積層体から
なる口腔内貼付用バンデージを口腔粘膜に貼付けると、
親水性高分子が口腔内の水分を吸収し粘着性を有するよ
うになり該粘膜表面に付着する。このバンデージを口腔
粘膜に貼付したまま放置すると、口腔内の唾液や飲食に
よる水分により親水性高分子は過剰吸水状態となる。と
ころが、親水性高分子が過剰吸水状態に至る過程におい
て、上記したように親水性高分子と(メタ)アクリル酸
エステル(共)重合体とが低分子レベルで相溶している
ことにより、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体
の水不溶性により親水性高分子の耐水性を向上させるこ
とができる。
付着力を有する。本発明においては、親水性高分子と
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体とが分子レベ
ルで相溶していることにより、貼付部位に均一に親水性
高分子が分布することになり、親水性高分子本来の上記
貼付性を維持することが可能となる。従って、フィルム
状の粘膜貼付性基剤及び粘膜非貼付性基剤の積層体から
なる口腔内貼付用バンデージを口腔粘膜に貼付けると、
親水性高分子が口腔内の水分を吸収し粘着性を有するよ
うになり該粘膜表面に付着する。このバンデージを口腔
粘膜に貼付したまま放置すると、口腔内の唾液や飲食に
よる水分により親水性高分子は過剰吸水状態となる。と
ころが、親水性高分子が過剰吸水状態に至る過程におい
て、上記したように親水性高分子と(メタ)アクリル酸
エステル(共)重合体とが低分子レベルで相溶している
ことにより、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体
の水不溶性により親水性高分子の耐水性を向上させるこ
とができる。
特に、本発明の口腔内貼付用バンデージは、粘膜貼付
性基剤に粘膜非貼付性基剤が積層された2層構造を有し
ているので、該バンデージを貼付した場合に粘膜貼付性
基剤の単位時間あたりの水分の吸収量が減少し、かつ口
腔内の物理的刺激による粘膜貼付性基剤層の崩壊が抑制
されるため、より耐水性・耐久性に優れ、長時間にわた
り口腔粘膜表面に貼付することが可能となる。
性基剤に粘膜非貼付性基剤が積層された2層構造を有し
ているので、該バンデージを貼付した場合に粘膜貼付性
基剤の単位時間あたりの水分の吸収量が減少し、かつ口
腔内の物理的刺激による粘膜貼付性基剤層の崩壊が抑制
されるため、より耐水性・耐久性に優れ、長時間にわた
り口腔粘膜表面に貼付することが可能となる。
(実施例) 以下に本発明を実施例につき説明する。
実施例 (A)口腔内貼付用バンデージの調製 Eudragit RS(Rohm Pharma社製;メタアクリル酸エス
テル系ポリマー)50重量部及びモノラウリン酸ソルビタ
ン(可塑剤)25重量部をエタノールに均一に溶解させ
た。この溶液を表面シリコーン処理したポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム上に流延・乾燥し、厚み6
0μmのフィルム状粘膜非貼付性基剤を得た。
テル系ポリマー)50重量部及びモノラウリン酸ソルビタ
ン(可塑剤)25重量部をエタノールに均一に溶解させ
た。この溶液を表面シリコーン処理したポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム上に流延・乾燥し、厚み6
0μmのフィルム状粘膜非貼付性基剤を得た。
次に、親水性高分子としてポリアクリル酸20重量部及
びポリビニルピロリドン10重量部、Eudragit RS10重量
部およびモノラウリン酸ソルビタン(可塑剤)10重量部
をエタノール70重量部に均一に溶解させた。この溶液を
上記フィルム状粘膜非貼付性基剤上に流延・乾燥し、全
体の厚みが100μmの口腔内貼付用バンデージを得た。
びポリビニルピロリドン10重量部、Eudragit RS10重量
部およびモノラウリン酸ソルビタン(可塑剤)10重量部
をエタノール70重量部に均一に溶解させた。この溶液を
上記フィルム状粘膜非貼付性基剤上に流延・乾燥し、全
体の厚みが100μmの口腔内貼付用バンデージを得た。
(B)バンデージの性能評価 (A)項で得られたバンデージを直径10mmに打ち抜
き、湿潤した再生豚皮に貼付し10分間放置後、その付着
状態を観察した。バンデージは、再生豚皮に十分に付着
しており、剥離するのに抵抗を示し、粘膜貼付性基剤と
非貼付性基剤とが一体となって剥離した。
き、湿潤した再生豚皮に貼付し10分間放置後、その付着
状態を観察した。バンデージは、再生豚皮に十分に付着
しており、剥離するのに抵抗を示し、粘膜貼付性基剤と
非貼付性基剤とが一体となって剥離した。
また、この口腔内貼付用バンデージを直径20mmに打ち
抜いたものを5人のパネルの口腔内粘膜に貼付し剥離時
間を測定した結果、平均剥離時間は8.5時間であった。
抜いたものを5人のパネルの口腔内粘膜に貼付し剥離時
間を測定した結果、平均剥離時間は8.5時間であった。
比較例 (A)口腔内貼付用バンデージの調製 ポリ酢酸ビニル60重量部及びモノラウリン酸ソルビタ
ン30重量部をエタノールに均一に溶解させた。この溶液
を表面シリコーン処理したポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム上に流延・乾燥し、厚み60μmのフィ
ルム状粘膜非貼付性基剤を得た以外は、実施例と同様に
して口腔内貼付用バンデージを得た。
ン30重量部をエタノールに均一に溶解させた。この溶液
を表面シリコーン処理したポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム上に流延・乾燥し、厚み60μmのフィ
ルム状粘膜非貼付性基剤を得た以外は、実施例と同様に
して口腔内貼付用バンデージを得た。
(B)バンデージの性能評価 本比較例(A)項で得られたバンデージを用い、実施
例(B)項と同様に行なった。 バンデージは、再生豚
皮に十分に付着しており、剥離するのに抵抗を示した
が、非貼付性基剤と粘膜貼付性基剤とが別々に剥離し
た。また、この口腔内貼付用バンデージを直径20mmに打
ち抜いたものを5人のパネルの口腔内粘膜に貼付し剥離
時間を測定した結果、平均剥離時間は7.0時間であっ
た。実施例のバンデージは粘膜貼付性基剤と非貼付性基
剤とが一体となって剥離したが、比較例のバンデージで
は粘膜貼付性基剤と非貼付性基剤とが別々に剥離した状
態が生じていた。
例(B)項と同様に行なった。 バンデージは、再生豚
皮に十分に付着しており、剥離するのに抵抗を示した
が、非貼付性基剤と粘膜貼付性基剤とが別々に剥離し
た。また、この口腔内貼付用バンデージを直径20mmに打
ち抜いたものを5人のパネルの口腔内粘膜に貼付し剥離
時間を測定した結果、平均剥離時間は7.0時間であっ
た。実施例のバンデージは粘膜貼付性基剤と非貼付性基
剤とが一体となって剥離したが、比較例のバンデージで
は粘膜貼付性基剤と非貼付性基剤とが別々に剥離した状
態が生じていた。
このように、実施例と比較例とを比べると、両者のバ
ンデージの初期接着力は同等であるが、粘膜貼付性基剤
及び非貼付性基剤共にEudragit RSを含有する実施例の
バンデージは、含有しない比較例のバンデージに比べて
耐久性に優れており、また粘膜貼付性基剤と非貼付性基
剤との親和性に優れていることがわかる。
ンデージの初期接着力は同等であるが、粘膜貼付性基剤
及び非貼付性基剤共にEudragit RSを含有する実施例の
バンデージは、含有しない比較例のバンデージに比べて
耐久性に優れており、また粘膜貼付性基剤と非貼付性基
剤との親和性に優れていることがわかる。
(発明の効果) 本発明によれば、このように、口腔内粘膜に対して優
れた貼付性を示し、かつ耐水性に優れた口腔内貼付用バ
ンデージが提供される。このバンデージは柔軟なシート
状であるため貼付時に異和感を与えることがなく、か
つ、粘膜の貼付部分を充分に保護する効果を有する。こ
のようなバンデージは、長時間にわたり口腔粘膜表面に
貼付することが可能であり、例えば、口腔内の損傷部や
疾患部を充分に保護することができ、また薬効成分を経
皮吸収させ、全身作用・局所作用を発現させるための基
剤として有用である。
れた貼付性を示し、かつ耐水性に優れた口腔内貼付用バ
ンデージが提供される。このバンデージは柔軟なシート
状であるため貼付時に異和感を与えることがなく、か
つ、粘膜の貼付部分を充分に保護する効果を有する。こ
のようなバンデージは、長時間にわたり口腔粘膜表面に
貼付することが可能であり、例えば、口腔内の損傷部や
疾患部を充分に保護することができ、また薬効成分を経
皮吸収させ、全身作用・局所作用を発現させるための基
剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−232552(JP,A) 特開 平2−184622(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 9/70 A61L 15/58
Claims (1)
- 【請求項1】フィルム状の粘膜貼付性基剤とフィルム状
の粘膜非貼付性基剤との積層体からなる口腔内貼付用バ
ンデージであって、該粘膜貼付性基剤が、水および水と
混合し得る高極性溶媒に可溶な親水性高分子、および該
親水性高分子と相溶性を有し、かつ分子内に親水性基
(カルボキシル基を除く)を有する水不溶(難溶)性の
(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体を含有し、該
粘膜貼付性基剤が、該親水性高分子と相溶性を有し、か
つ分子内に親水性基を有する水不溶(難溶)性の(メ
タ)アクリル酸エステル(共)重合体を含有する口腔内
貼付用バンデージ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1059220A JP2758014B2 (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 口腔内貼付用バンデージ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1059220A JP2758014B2 (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 口腔内貼付用バンデージ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02237917A JPH02237917A (ja) | 1990-09-20 |
JP2758014B2 true JP2758014B2 (ja) | 1998-05-25 |
Family
ID=13107077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1059220A Expired - Fee Related JP2758014B2 (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 口腔内貼付用バンデージ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2758014B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3854422A4 (en) * | 2018-09-20 | 2021-11-10 | FUJIFILM Corporation | BIOMATERIAL |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59232552A (ja) * | 1983-06-16 | 1984-12-27 | 日東電工株式会社 | 粘膜包帯 |
JP2801238B2 (ja) * | 1989-01-09 | 1998-09-21 | 帝國製薬株式会社 | 口腔貼付用基材 |
-
1989
- 1989-03-10 JP JP1059220A patent/JP2758014B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02237917A (ja) | 1990-09-20 |
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