JPH0228978B2 - - Google Patents

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JPH0228978B2
JPH0228978B2 JP59171738A JP17173884A JPH0228978B2 JP H0228978 B2 JPH0228978 B2 JP H0228978B2 JP 59171738 A JP59171738 A JP 59171738A JP 17173884 A JP17173884 A JP 17173884A JP H0228978 B2 JPH0228978 B2 JP H0228978B2
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sheet
tape
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vapor permeability
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Takashi Kishi
Fumio Kamyama
Yasuhiko Uemura
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は水蒸気透過性に優れた医療用粘着テー
プもしくはシートに関する。
(従来技術) 絆創膏や薬剤を粘着剤中に含有した粘着シート
などの医療用テープもしくはシートが数多く製造
されている。これらのテープやシートを皮膚に長
時間(例えば半日以上)貼付すると、蒸れによる
皮膚の軟化、発疹、発赤、かぶれなどが生じる場
合が多い。テープやシートを構成する粘着剤や粘
着剤を支持するフイルムなどの基材が水蒸気透過
性に劣るためである。
このような医療用テープもしくはシートの水蒸
気透過度を高めるために、多孔性テープやシート
が製造されている。布や不織布などの通気性を有
する基材上に粘着剤が部分的に、例えば縞状に設
けられたテープやシートも考案されている。しか
し、このようなテープやシートを用いても皮膚の
局部的な蒸れを避けることが出来ず、したがつて
従来の前記皮膚障害の発生を防止し得ない。特公
昭39−4728号公報には、不織布などの多孔性繊維
基材表面にアクリル酸エステル系の多孔質粘着剤
薄膜の設けられた外科用粘着テープが開示されて
いる。この多孔質粘着剤薄膜の穴径は大きく数μ
m〜数十μmもあるため、水蒸気のみならず水な
どの液体をも透過させうる。そのため、テープを
皮膚に貼付したとき外部からの汚れが浸透し、傷
口が化膿するおそれがある。入浴時に貼付したテ
ープがはがれやすい欠点もある。粘着剤に薬剤が
含有される場合にはその薬剤がテープの背面を通
して外部に漏出する。
一般に、アクリル酸エステル系の粘着剤は凝集
力に乏しいため、皮膚上に貼付したテープやシー
トを剥離すると、いわゆる「糊残り現象」が生じ
る。そのため、上記公報においては、アクリル酸
などの極性モノマーを加えて重合体を形成し粘着
剤の凝集力を高めることが行われている。通常、
調製した粘着剤にさらに架橋剤を加えてアクリル
酸成分の後架橋が行われる。架橋剤としては、ジ
アミン類、ジオール類、ポリアミン類が用いられ
る。この架橋剤が未反応のまま残留すると皮膚刺
激の原因となる。架橋反応が進行すると粘着剤の
水蒸気透過度が低下する。
特公昭55−14108号公報には、アクリレートま
たはポリウレタンなどの水蒸気透過度の高いフイ
ルム基材上に、分子内に親水性基を有するポリビ
ニルエチルエーテルもしくは分子内に親水性基を
有するアクリル酸エステル共重合体を粘着剤層と
して設けた水蒸気透過性貼付剤が開示されてい
る。ポリビニルエチルエーテルなどのポリビニル
アルキルエーテルやアクリル酸エステル重合体
は、元来、凝集力が弱く水蒸気透過性も高くはな
い。ところがこれらの化合物に親水性基が導入さ
れると、凝集力が高まり、しかも水蒸気透過性を
有するようになる。しかし、親水性基が導入され
るため、粘着剤と生体組織との親和性が高まり、
接着力が大きくなりすぎる。そのため、シートや
テープを傷口等から剥離するときに皮膚を損傷す
るおそれを生じる。特に、植皮手術部位などへ直
接貼付して患部を保護することには使用できな
い。アクリル酸エステル重合体の皮膚との親和性
が高まれば、未反応のモノマーが微量でも残留し
ていると皮膚への刺激性がより高くなる。
(発明の目的) 本発明の目的は、水蒸気透過性に優れた医療用
粘着テープもしくはシートを提供することにあ
る。本発明の他の目的は、用いられる粘着剤が不
活性であるため皮膚刺激性がなく、粘着剤に薬剤
が含有される場合にもこれを変質させない医療用
粘着テープもしくはシートを提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は、適度な凝集性と
生体組織に対する適度の親和性を有する接着剤層
が設けられ、長時間皮膚に貼付することが可能で
剥離するときにも粘着剤が皮膚上に残留すること
がなく、しかも皮膚を損傷しない医療用粘着テー
プもしくはシートを提供することにある。本発明
のさらに他の目的は、アクリル系アルキルエステ
ル重合体を主体とし、後架橋という手段を用いず
とも適度な凝集性を有する粘着剤を用いた医療用
粘着テープもしくはシートを提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は、所望の厚さの粘
着剤層を有する医療用粘着テープもしくはシート
を提供することにある。
(発明の構成) 本発明は、アクリル酸アルキルエステル重合体
もしくはアクリル酸アルキルエステルとメタクリ
ル酸アルキルエステルとの共重合体においてその
アルキル側鎖の平均炭素数が該(共)重合体の水
蒸気透過性に大きな影響を与えるという発明者ら
の知見に基づいて完成された。それゆえ、本発明
の医療用粘着テープもしくはシートは粘着剤層が
水蒸気透過性基材上に形成され、該粘着剤は平均
炭素数が3.5〜5.5のアルキル基をエステル側鎖と
して含有するアクリル酸アルキルエステル;もし
くは平均炭素数が3.5〜5.5のアルキル基をエステ
ル側鎖として含有するアクリル酸アルキルエステ
ルおよび平均炭素数が3.5〜5.5のアルキル基をエ
ステル側鎖として有するメタクリル酸アルキルエ
ステル、を単量体成分として直鎖部分が形成され
た重合体を主成分とし、かつ該重合体の単量体成
分100モル分子あたり、重合性二重結合を1分子
中に2個以上有する0.001〜0.1モル分子の多官能
性モノマーにより微架橋されており、そのことに
より上記目的が達成される。
側鎖アルキル基の平均炭素数が5.5以下のアク
リル酸アルキルエステル重合体もしくはアクリル
酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエス
テルとの共重合体を粘着剤として用いると充分な
水蒸気透過性が得られる。しかし、側鎖アルキル
基の平均炭素数が3.5を下まわる粘着剤は皮膚に
対する粘着性が劣る。粘着剤の原料として単独で
使用できる(メタ)アクリル酸アルキルエステル
は、ブチル基もしくはペンチル基を有するエステ
ルである。原料コストなどの面からブチル基を有
するエステルが好ましい。使用可能なエステルの
アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、イソオクチル基、デシル基、イソデシル基、
ラウリル基である。これらはその平均炭素数が
3.5〜5.5となるように適宜混合して使用される。
アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸ア
ルキルエステルの共重合体においては、構成成分
としてメタクリル酸アルキルエステルの含有率が
高いほど粘着性が低下する。そのためメタクリル
酸アルキルエステルを用いる場合はアルキル基の
平均炭素数を高くすることが好ましい。メタクリ
ル酸アルキルエステルの構成成分としての含有量
の上限は、アルキル基の平均炭素数を最大の5.5
とした場合、約40%である。
粘着剤を調製するときには、同時に、多官能性
モノマーが加えられる。多官能性モノマーとは1
分子中に末端アクリルエステル基を2個以上有す
る多官能アクリル酸エステルもしくは1分子中に
末端メタクリルエステル基を2個以上有する多官
能メタクリル酸エステルをいう。このような多官
能性モノマーは(メタ)アクリル酸エステル100
モル分子あたり0.001〜0.1モル分子の割合で添加
される。多官能性モノマーを加えることにより、
形成される重合体が部分的に架橋された状態とな
る。本発明ではこれを「微架橋」と呼ぶ。微架橋
はポリマーの単量体成分100モル分子あたり0.001
〜0.1モル分子の割合で生じているものと考えら
れる。本発明では、従来のようなアクリル系粘着
剤に架橋剤を加えて後架橋を行うという工程をと
らずに、反応の初期から多官能性モノマー(つま
り、微架橋剤)を加えて重合反応と同時に架橋を
達成することができる。微架橋剤の量も後架橋の
場合に比べてはるかに少量であるので、架橋によ
り粘着剤の水蒸気透過性が損なわれるということ
がない。従来のように架橋剤が残留して皮膚刺
激、薬剤変質の原因となることもない。
微架橋により粘着剤に適当な凝集性が付与され
るため、テープやシートの皮膚表面への接着性は
良好となる。さらに、テープやシートを剥離する
ときにも皮膚表面に粘着剤の一部が残留したりベ
タつく現象(いわゆる「糊残り現象」や「糸引き
現象」)が生じない。微架橋されることにより得
られる粘着剤溶液の安定性も高くなる。そのため
粘着剤溶液を基材上に容易に塗布することが可能
となる。
微架橋に用いられる多官能性モノマーには、ポ
リメチレングリコール(例えば、ヘキサメチレン
グリコール)などの両末端(メタ)アクリル酸エ
ステル、ポリエチレングリコールの両末端(メ
タ)アクリル酸エステル、ポリプロピレングリコ
ールの両末端(メタ)アクリル酸エステル、グリ
セリン−ジ−(メタ)アクリル酸エステル、グリ
セリン−トリ−(メタ)アクリル酸エステル、ペ
ンタエリスリトール−ジ−(メタ)アクリル酸エ
ステル、ペンタエリスリトール−トリ−(メタ)
アクリル酸エステル、トリメチロールプロパン−
トリ−(メタ)アクリル酸エステルなどがある。
微架橋剤の添加量が上記の範囲を下まわると粘
着剤の充分な凝集性が得られない。添加量が多す
ぎると、反応時の重合度の調整が困難になり反応
液がゲル化しやすくなる。ゲル化することなく粘
着剤溶液を調製し得てもこれを長時間にわたつて
溶液状態で安定に保つことは難しい。
粘着剤の調製時に上記以外の他の単量体を加え
て、共重合体とすることも可能である。他の単量
体には、例えば、酢酸ビニル、ビニルピロリド
ン、ジアセトンアクリルアミド、アクリロニトリ
ル、ジメチルアクリルアミド、エチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリル酸エステル、スチレンが
ある。これら他の単量体は粘着剤の水蒸気透過性
や凝集性に悪影響をおよぼさない程度に添加され
うる。これら他の単量体の添加量の最大限は、通
常、単量体全体の10モル%である。
単量体の重合は、通常、有機溶媒中でアゾビス
系、過酸化物系などのラジカル重合触媒を用いて
高濃度溶液重合法により行われる。
このようにして得られる粘着剤は不活性であ
る。言いかえれば反応性を有する基、例えばカル
ボキシル基、アミノ基、グリシジル基、水酸基な
ど、を含有しない。そのため、皮膚を刺激したり
含有される薬剤を変質させることがない。溶剤に
対する溶解性も良好であるため、溶剤に溶解した
状態で容易に基材上に塗工されうる。
重合により得られた粘着剤溶液には、必要に応
じて、適当な薬剤を混合し、薬剤入り粘着テープ
もしくはシートに調製される。薬剤は経皮吸収さ
れる性質をもち、粘着剤と相溶性を有することが
必要である。その添加量は粘着剤と相溶する範囲
に限定される。一般に軟膏またはクリーム形状で
使用され、もしくは使用され得る薬剤が用いられ
得る。それには、例えば、抗炎症剤、消炎鎮痛
剤、冠血管拡張剤、抗アレルギー剤、精神安定
剤、降血圧剤などがある。
粘着剤もしくは薬剤を含有する粘着剤の水蒸気
透過度は、その膜厚が20μmのとき、40℃でかつ
相対湿度差80%の雰囲気下において、24時間あた
り1500g/m2(1500g/m2/24Hr/40℃/80%
RH)以上である。
本発明の水蒸気透過性基材としては、例えば、
プラスチツクフイルムもしくは繊維質シートが用
いられる。プラスチツクフイルムの素材には、例
えば、ポリウレタン、ポリアミノ酸、ウレタン・
アミノ酸共重合体、部分アセタール化ポリビニル
アルコール、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、エチレングリコールまたはプロピレングリコ
ールのモノ(メタ)アクリレートを30%以上含有
する(メタ)アクリレート共重合体がある。この
ような素材のプラスチツクフイルムのほか、水蒸
気透過性に乏しいプラスチツク素材のフイルムに
穴あけ加工を施し、上記水蒸気透過性基材に貼り
合わせて使用しても水蒸気透過性が得られる。水
蒸気透過性に乏しいフイルムのプラスチツク素材
としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロ
ースがある。繊維質シートとしては紙、織布、不
織布などが挙げられる。さらに、繊維質シートと
前記水蒸気透過性のプラスチツクフイルムを貼り
あわせて使用してもよい。上記水蒸気透過性基材
の水蒸気透過度は、1500g/m2/24Hr/40℃/
80%RH以上である。
上記基材上に粘着剤層が設けられて本発明の医
療用テープもしくはシートが得られる。粘着剤層
を形成するには、粘着剤溶液を基材上に塗布し乾
燥する。このほか、シリコーンなどの剥離紙上に
粘着剤溶液を塗布・乾燥後、これを基材と貼り合
わせる転写方式によりテープやシートを調製して
もよい。剥離紙をはがすと粘着剤が剥離紙から基
材上に転写される。粘着剤層は使用直前まで剥離
紙で覆われていることが好ましい。それゆえ、転
写方式による調製法が好ましい。
このようにして得られたテープもしくはシート
は水蒸気透過度の高い粘着剤と基材とを用いてい
るため、全体として良好な水蒸気透過性が得られ
る。その水蒸気透過度は700g/m2/24Hr/40
℃/80%RH以上である。
例えば、ポリウレタンフイルムのように非常に
しなやかで伸長しやすくあるいは表面硬度の低い
基材を使用する場合には、加工工程での張力によ
る伸長・変形を防止したり他の物体との摩擦によ
る擦過傷の生じるのを防ぎ、表面を清浄に保つた
めにも、基材表面に何らかの適当な保護がなされ
ていることが好ましい。ポリウレタンフイルム
は、通常、工程紙と呼ばれる一種の剥離性台紙紙
上にキヤステイング塗工され、ゲル化、乾燥され
工程紙上に接着した状態で製造される。したがつ
て、ポリウレタンフイルムを基材として使用する
場合には、工程紙に接着された状態のままでこれ
を加工し、テープもしくはシートを製造すること
が好ましい。ポリウレタンフイルムは工程紙によ
り補強されるため加工工程で不必要に伸長してし
まうことがない。フイルム表面が保護されるため
傷が発生することもない。この工程紙を使用時に
剥離するようにすれば、使用時までにテープやシ
ートが伸長・変形することがない。ポリウレタン
フイルムに限らず伸長しやすい、あるいは表面硬
度の低いプラスチツクフイルムの場合についても
同様である。
(実施例) 以下に本発明を実施例について説明する。
実施例 1 (A) 粘着剤の調製:アクリル酸ブチル128.0g
(1.0モル)および1・6−ヘキサンジオール−
ジ−アクリル酸エステル0.0181g(0.00008モ
ル)を酢酸エチル30gに加え、窒素気流下、60
℃で撹拌を行つた。別に、アゾビスイソブチロ
ニトリル0.41gを酢酸エチル100gに溶解させ
触媒溶液を調製した。この触媒溶液の1/4量を
上記の酢酸エチル溶液に15時間をかけて滴下し
た。この反応液の温度を70℃に上げ、さらに15
時間を要して触媒溶液の残量を滴下した。さら
に70℃にて8時間保ちながら撹拌を続けて重合
を終了した。なお、反応時に反応液の粘度が上
昇したときには、酢酸エチルを適宜加えた。こ
うすることにより、反応液を常に撹拌可能な粘
度に維持することができた。
得られた溶液の粘着剤成分の濃度は24.7%
で、粘度は36000cps(B8M型粘度計で測定;ロ
ーターNo.3;1.5rpm;21℃)であつた。
(B) 粘着シートの調製:基材として厚さ25μmの
ポリエーテル系ポリウレタンフイルムを使用し
た。このフイルムはキヤステイングにより製膜
されており、工程紙が付着したままの状態で用
いられた。(A)項で得られた粘着剤溶液を表面が
シリコン処理された剥離紙上にその乾燥後の厚
さが20μmとなるように塗布し、乾燥した。得
られた粘着剤表面に上記の基材をフイルム面が
粘着剤に接触するように重ね合わせてローラー
により圧着した。圧着することにより基材上に
粘着剤層が確実に転写される。得られた工程紙
と剥離紙とを有するシートは所望の大きさに切
断され、工程紙と剥離紙とが除去され、使用に
供された。
(C) 水蒸気透過度の測定:開口部の直径が48mmの
200mlのガラス広口瓶を準備し、これに蒸留水
30mlを入れた。(B)項で得られた粘着シートを上
記広口瓶の開口部よりも充分に広い面積で切取
り、この粘着シートの粘着面を内側にして広口
瓶の開口部を覆つた。粘着シートが開口部より
はみ出た部分は広口瓶外壁面に密着させ、密着
させた上からさらにビニールテープを数周にわ
たつて巻きつけた。この広口瓶の総重量を精密
に測定した後、40℃、20%RHのギアーオーブ
ンに入れて24時間放置した。24時間後の広口瓶
の総重量を測定し減少した蒸留水の量を求め、
粘着シート1m2あたりの水蒸気透過量を算出し
た。水蒸気透過度は1480g/m2/24Hr/40
℃/80%(以下、1480g/m2と表示する)であ
つた。なお、基材のみの水蒸気透過度は2100
g/m2であつた。
比較例 1 (A) 粘着シートの調製:天然ゴム系粘着剤とし
て、天然ゴム100重量部、ポリテルペン90重量
部およびエステルガム20重量部からなる粘着剤
を用いた。この粘着剤を用いて実施例1と同様
の基材上に厚さ20μmとなるように粘着剤層を
形成し、粘着シートを得た。
(B) 水蒸気透過度の測定:実施例1(C)項の方法に
準じて行つた。水蒸気透過度は150g/m2であ
つた。
実施例 2 (A) 粘着剤の調製:メタクリル酸ブチル56.8g
(0.4モル)、アクリル酸ブチル76.8g(0.6モル)
およびポリエチレングリコール−ジメタクリル
酸エステル0.0168g(0.00005モル)を酢酸エ
チル28gに加え、窒素気流下、60℃で撹拌を行
つた。別に、過酸化ラウロイル0.797gを酢酸
エチル50mlとn−ヘキサン50mlとの混合溶液に
溶解し触媒溶液をを調製した。以下、実施例1
(A)項と同様に操作を行い粘着剤溶液を得た。得
られた溶液の粘着剤成分の濃度は25.5%で、粘
度は4700cpsであつた。粘度の測定条件は実施
例1(A)項と同様である。
(B) 粘着シートの調製:本実施例(A)項で得られた
粘着剤を用い、実施例1(B)項の方法に準じて粘
着シートの調製を行つた。
(C) 水蒸気透過度の測定:本実施例(B)項で得られ
た粘着シートを用い、実施例1(C)項の方法に準
じて測定を行つた。水蒸気透過度は1590g/m2
であつた。
(D) 薬剤入り粘着シートの調製:本実施例(A)項で
得られた粘着剤溶液にサロコール15g、サリチ
ル酸メチル3g、l−メントール3g、dl−カ
ンフアー2gおよび塩酸ジフエンヒドラミン
0.5gからなる消炎鎮痛剤を加えて溶解させた。
基材としてはγ−アルキル−L−グルタメート
が20%共重合されたエーテル系ポリウレタン樹
脂をキヤステイングにより40μmの厚さに製膜
したフイルムを用いた。なお、基材は工程紙を
外した状態で使用に供した。上記薬剤を含有す
る粘着剤溶液を表面がシリコン処理された剥離
上にその乾燥後の厚さが60μmとなるように塗
布し、乾燥させた。得られた粘着剤表面に上記
の基材を重ね合わせてローラーにより圧着した
た。得られた剥離紙を有するシートは所望の大
きさに切断される。使用時に剥離紙が除去さ
れ、人体の背、腰部などに貼付されると消炎鎮
痛効果が得られる。
(E) 薬剤入り粘着シートの水蒸気透過度の測定:
本実施例(D)項で得られた粘着シートを用い、実
施例1(C)項の方法に準じて測定を行つた。水蒸
気透過度は820g/m2であつた。なお、基材の
みの水蒸気透過度は1930g/m2であつた。
比較例 2 (A) 粘着シートの調製:天然ゴム系粘着剤とし
て、天然ゴム100重量部、ポリテルペン90重量
部およびエステルガム20重量部からなる粘着剤
を用いた。この粘着剤を用い、実施例2(D)項に
準じて薬剤を配合し、粘着シートを調製した。
(B) 水蒸気透過度の測定:本比較例(A)項で得られ
た粘着シートを用い、実施例1(C)項の方法に準
じて測定を行つた。水蒸気透過度は60g/m2
あつた。
実施例 3 (A) 粘着剤の調製:アクリル酸ブチル108.8g
(0.85モル)、アクリル酸エチル15.0g(0.15モ
ル)およびトリメチロールプロパン−トリ−ア
クリル酸エステル0.0118g(0.00004モル)を
酢酸エチル40gに加え、窒素気流下60℃で撹拌
を行つた。別に、過酸化ベンゾイル0.484gを
酢酸エチル100mlに溶解し触媒溶液を調製した。
以下、実施例1(A)項と同様に操作を行い粘着剤
溶液を得た。得られた溶液の粘着剤成分の濃度
は24.9%で、粘度は31000cpsであつた。粘度の
測定条件は実施例1(A)項と同様である。
(B) 粘着シートの調製:本実施例(A)項で得られた
粘着剤を用い、実施例1(B)項の方法に準じて粘
着シートの調製を行つた。
(C) 水蒸気透過度の測定:本実施例(B)項で得られ
た粘着シートを用い、実施例1(C)項の方法に準
じて測定を行つた。水蒸気透過度は1620g/m2
であつた。
(D) 薬剤入り粘着シートの調製:基材として厚さ
25μmのポリエーテル系ポリウレタンフイルム
を使用した。このフイルムはキヤステイングに
より製膜されており、工程紙が付着したままの
状態で用いられた。本実施例(A)項で得られた粘
着剤溶液にポリマー成分100gあたり抗炎症剤
であるプレドニゾロンを0.2gの割合で加えた。
得られた薬剤を含有する粘着剤溶液と基材とを
用いて実施例1(B)項の方法に準じて転写方式に
より工程紙と剥離紙とを有するシートを調製し
た。粘着剤層の厚さは40μmとなるようにし
た。
(E) 薬剤入り粘着シートの水蒸気透過度の測定:
本実施例(D)項で得られた粘着シートを用い、実
施例1(C)項の方法に準じて測定を行つた。水蒸
気透過度は900g/m2であつた。この値は一般
に市場に出ている同種製品の水蒸気透過度に比
べると高い値であり、皮膚に蒸れやかぶれをも
たらす度合が少ないことを示す。
実施例 4 (A) 粘着剤の調製:実施例1(A)項と同様である。
(B) 粘着シートの調製:本実施例(A)項で得られた
粘着剤溶液をシリコーン剥離上にその乾燥後の
厚さが40μmとなるように塗布し、乾燥した。
粘着剤層の上に基材として厚さ130μmのレー
ヨン繊維不織布を重ねロールを通して圧搾し、
不織布が粘着剤層の一部に食い込むような状態
とした。ポリエチレンイミンとオクタデシルイ
ソシアネートととの等モル付加反応生成物をト
ルエンに溶解し、これを剥離処理剤として固形
分量で1m2あたり0.5gとなるように上記不織
布上に塗布し、乾燥させた。得られた剥離紙を
有する粘着シートの剥離紙をはがしながら粘着
シートを紙芯上に巻き取つた。これを適当な幅
に切断し、ロール状の粘着テープを得た。
(C) 水蒸気透過度の測定:本実施例(B)項で得られ
た粘着シートを用い、実施例1(C)項の方法に準
じて測定を行つた。水蒸気透過度は1840g/m2
であつた。本実施例においては基材が多孔質の
不織布であるので、基材の水蒸気透過度は無限
大と見なし得る。したがつて、上記の値は粘着
剤層の水蒸気透過度と考えられる。
比較例 3 一般に用いられているアクリル系粘着剤を使用
して本発明の実施例と比較した。
(A) 粘着剤の調製:アクリル酸−2−エチルヘキ
シル174.8g(0.95モル)およびアクリル酸3.6
g(0.05モル)を酢酸エチル50.0gに加え、窒
素気流下、60℃で撹拌を行つた。以下、実施例
1(A)項と同様に触媒を用いて反応を行い、粘着
剤溶液を得た。得られた溶液の粘着剤成分の濃
度は27.8%で、粘度は19000cpsであつた。
(B) 粘着シートの調製:本実施例(A)項で得られた
粘着剤を用い、実施例1(B)項の方法に準じて粘
着シートの調製を行つた。得られた粘着シート
を皮膚に貼付後、これをはがすと粘着剤が皮膚
上に残留した。これは粘着剤の内部凝集力が不
足するためである。
(C) 水蒸気透過度の測定:本実施例(B)項で得られ
た粘着シートを用い、実施例1(C)項の方法に準
じて測定を行つた。水蒸気透過度は780g/m2
であつた。
(D) 粘着剤の架橋処理:本比較例で得られた粘着
剤の凝集力の不足を解消するためにさらに架橋
処理を行つた。本比較例(A)項で得られた粘着剤
溶液に1・4−ジオキシテトラメチレンジヘキ
サメチレン−ジイソシアネートを架橋剤として
加えてアクリル酸部分の架橋反応を行つた。架
橋剤は単量体成分1モルあたり0.2モルの割合
で添加した。
(E) 架橋処理粘着剤を用いたシートの調製:本比
較例(D)項で得られた架橋処理粘着剤溶液を用い
実施例1(B)項の方法に準じて粘着シートの調製
を行つた。なお、粘着剤を塗布・乾燥した後、
90℃で30分間キユアー処理を行つた。
(F) 架橋処理粘着剤を用いたシートの水蒸気透過
度の測定:本比較例(E)項で得られた粘着シート
を用い、実施例1(C)項の方法に準じて測定を行
つた。水蒸気透過度は650g/m2であつた。
(発明の効果) 本発明の医療用テープもしくはシートは、この
ように、特定の炭素数のアルキル側鎖を有する
(メタ)アクリル酸(共)重合体を主成分とする
水蒸気透過度の高い粘着剤と水蒸気透過度の高い
基材とが組みあわされているため、極めて水蒸気
透過性に優れる。粘着剤自体が不活性であり反応
性の基をもたないため、異臭がしたりテープやシ
ートを貼付したときに皮膚を刺激することがな
い。粘着剤に含まれる薬剤を変質させることもな
い。粘着剤は微架橋がなされているため、適度な
凝集性と生体組織に対する親和性を示す。そのた
め、テープやシートを皮膚から剥離するときに粘
着剤が皮膚上に残留したり、皮膚の傷口等を損傷
することがない。粘着剤は、さらに、有機溶剤の
溶液として長時間安定であるため、粘着剤層を形
成するのが容易であり、所望の厚さの粘着剤層を
有する医療用テープもしくはシートを提供しう
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 粘着剤層が水蒸気透過性基材上に形成された
    医療用粘着テープもしくはシートであつて、 該粘着剤は平均炭素数が3.5〜5.5のアルキル基
    をエステル側鎖として含有するアクリル酸アルキ
    ルエステル;もしくは平均炭素数が3.5〜5.5のア
    ルキル基をエステル側鎖として含有するアクリル
    酸アルキルエステルおよび平均炭素数が3.5〜5.5
    のアルキル基をエステル側鎖として有するメタク
    リル酸アルキルエステル、を単量体成分として直
    鎖部分が形成された重合体を主成分とし、 該重合体はその単量体成分100モル分子あたり、
    重合性二重結合を1分子中に2個以上有する
    0.001〜0.1モル分子の多官能性モノマーにより微
    架橋されている水蒸気透過性医療用テープもしく
    はシート。 2 前記粘着剤の膜厚が20μmであるとき、該粘
    着剤の水蒸気透過度は、相対湿度差が80%の40℃
    の雰囲気下において、24時間あたり1500g/m2
    上である特許請求の範囲第1項に記載のテープも
    しくはシート。 3 前記基材の水蒸気透過度は、相対湿度差が80
    %の40℃の雰囲気下において、24時間あたり1500
    g/m2以上である特許請求の範囲第1項に記載の
    テープもしくはシート。 4 前記テープもしくはシートの水蒸気透過度
    は、相対湿度差が80%の40℃の雰囲気下におい
    て、24時間あたり700g/m2以上である特許請求
    の範囲第1項、第2項または第3項に記載のテー
    プもしくはシート。 5 前記基材がプラスチツクフイルムもしくは繊
    維質シートである特許請求の範囲第1項に記載の
    テープもしくはシート。 6 前記粘着剤が薬剤を含有する特許請求の範囲
    第1項に記載のテープもしくはシート。 7 前記粘着剤が不活性でかつ生体組織に対し適
    度の親和性を有する特許請求の範囲第1項に記載
    のテープもしくはシート。
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