JPH062669B2 - 医療用シ−ト状粘着剤 - Google Patents

医療用シ−ト状粘着剤

Info

Publication number
JPH062669B2
JPH062669B2 JP62195624A JP19562487A JPH062669B2 JP H062669 B2 JPH062669 B2 JP H062669B2 JP 62195624 A JP62195624 A JP 62195624A JP 19562487 A JP19562487 A JP 19562487A JP H062669 B2 JPH062669 B2 JP H062669B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component layer
sheet
water
weight
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62195624A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6440421A (en
Inventor
高司 岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP62195624A priority Critical patent/JPH062669B2/ja
Publication of JPS6440421A publication Critical patent/JPS6440421A/ja
Publication of JPH062669B2 publication Critical patent/JPH062669B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、湿潤な口腔粘膜へ適用して好適な、医療用シ
ート状粘着剤に関する。
(従来の技術) 近時、薬物の投与法として、所謂、経粘膜投与法が注目
されている。この経粘膜投与法は、粘膜、特に口腔内の
粘膜を通して、人体へ薬物を吸収させる方法である。こ
の種の経粘膜投与法は、人体への薬物吸収を増加させ、
しかも薬物を長時間持続させる点で、経皮投与法に比べ
優れている。
かかる口腔内の経粘膜投与法にあっては、湿潤状態の粘
膜に、長時間安定した粘着力を発揮し、柔軟で無毒の貼
付剤が要望されている。
従来、口腔粘膜への貼付剤として、特開昭60-215622号
公報には、例えば、ポリビニルピロリドンとポリアクリ
ル酸との混合物に薬物を含有させ、これをプレスして製
造した厚さ1.3mm程度のトラックフィールド型の錠剤が
記載されている。この錠剤は通常は硬く、使用に際して
水や唾液で濡れて膨潤軟化し、粘着性を発現する。そし
て、この状態となった時に、口腔粘膜へ貼付けられる。
ところが、このような錠剤は、水分を含まない状態では
硬く柔軟性や粘着性がなく、また水分を含むと強度を失
って崩壊乃至溶解し易く耐水性が劣る。そのため、柔軟
で弾性のある物性域がなく、口腔へのなじみが悪く異物
感が強い。また、錠剤の表面が水や唾液などの水分で適
度の濡れ方をしないと、良好な粘着状態が得られず、実
際の貼付け操作が面倒である。さらに、耐水性の不足か
ら口腔での耐久時間が種々1時間程度と短く、薬効の持
続性に問題がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、そ
の目的とするところは、水分の吸収なくして粘着性、柔
軟性及び弾力性を有し、適度の水溶解性と優れた耐水性
を併有し、もって口腔粘膜などの局所へのなじみがよ
く、水分の存在下でも急激に溶解することなく、長時間
(例えば2時間以上)の貼付を可能ならしめる、無毒の
医療用シート状粘着剤を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は、水溶性のポリビニルピロリドン系重合体に
保水性軟化剤を配合し、これを溶剤に溶解した溶液を調
整し、また、水溶性のポリアクリル酸系重合体に保水性
軟化剤を配合し、これを溶剤に溶解した溶液を調整し
た。そして、この両方の溶液を2層に塗布して積層シー
ト状にすると、一面が良好な粘着性と親水性お備え、し
かも全体として良好な柔軟性、弾力性及び耐水性を備え
ることを知った。本発明は、かような発明者の知見にも
とずいて完成された。
すなわち、本発明の医療用シート状粘着剤は、保水性軟
化剤を含有するポリビニルピロリドン系重合体の第1成
分と、保水性軟化剤を含有するポリアクリル酸系重合体
の第2成分層との合計2層又はそれ以上が交互に積層一
体化され、その最外層の少なくとも一方の層が上記第1
成分層からなることを特徴とし、それにより本発明の目
的が達成される。
しかして、本発明でいうポリビニルピロリドン系重合体
とは、水溶性のビニルピロリドンの単独重合体及び共重
合体を意味する。共重合体において、ビニルピロリドン
に共重合体させる成分モノマーとしては、酢酸ビニル、
(メタ)アクリル酸ブチル、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ジアセトン、アクリルアミド、
ジメチルアクリルアミド、N−ブトキシエチルアクリル
アミド、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、スチレンなどがある。かかるポリビニルピロリドン
系重合体は、一般に数平均分子量が3万〜200万程度
のものが使用される。
また、本発明でいうポリアクリル酸系重合体とは、水溶
性或いは水を吸収して膨潤し崩壊する性質を有するアク
リル酸の単独重合体及び共重合体と、これ等の塩を意味
し、ポリアクリル酸、熱架橋型ポリアクリル酸、ポリア
クリル酸ナトリウム、熱架橋型ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリアクリル酸アンモニウム、熱架橋型ポリアクリ
ル酸アンモニウム、アクリル酸−メタアクリル酸共重合
体、アクリル酸−スチレン共重合体、アクリル酸−アル
キルビニリエーテル共重合体などがある。かかるポリア
クリル酸系重合体は、一般に数平均分子量が50万〜5
00万の程度のものが使用される。
特に、熱架橋型のポリアクリル酸系重合体は、本発明シ
ート状粘着剤の製造過程で加熱されると、加熱温度な応
じた架橋が生じる。その結果、水を吸収して膨潤し崩壊
する性質を呈するに至り、耐水性が架橋前より向上する
ので好適である。
また、本発明で用いる保水性軟化剤としては、ウリセリ
ン、トリグリセリン、ポリグリセリン、マルチトール、
ソルビトール、液状ポリエチレングリコール、液状ポリ
プロピレングリコール、液状ポリエチレン・プロピレン
グリコールなどがある。
上記の保水性軟化剤は水溶性であって、ポリビニルピロ
リドン系重合体に含有されて水分により溶解する第1成
分層を形成する。そして、この第1成分層に粘着性、柔
軟性及び弾力性を付与する。また、上記の保水性軟化剤
は、ポリアクリル酸系重合体に含有されて最終的には水
分により溶解又は膨潤して崩壊するが、耐水性の高い第
2成分層を形成する。そして、この第2成分層に少なく
とも柔軟性を付与する。
保水性軟化剤の含有量が少なすぎると柔軟性が不足し、
逆に含有量が多すぎると流動し易くなり、粘着性が低下
する。第1成分層については、ポリビニルピロリドン系
重合体100重量部に対し、保水性軟化剤が20〜200重量部
含有されるのが好ましい。また、第2成分層について
は、ポリアクリル酸系重合体100重量部に対し、保水性
軟化剤が20〜300重量部含有されるのが好ましい。
しかして、保水性軟化剤として、グリセリン、ジグリセ
リン、低重合度のポリエチレングリコールなどのように
比較的低粘着度のものを含有させる場合は、上記の範囲
のうち中程以下の部数で含有させるのが好ましい。ま
た、マルチトール、ポリグリセリン、高重合度ポリエチ
レングリコールなどのように比較的高粘度のものを含有
させる場合は、上記範囲のうち中程以上の部数で含有さ
せるのが好ましい。
なお、保水性軟化剤の含有量は、一般に、シート状粘着
剤の製造の際に、第1成分層と第2成分層の両方に初め
から所定量含有するようになされる。しかし、シート状
粘着剤の製造の際に、初めには第1成分層又は第2成分
層のいずれか一方のみに保水性軟化剤を含有させてお
き、その後の熟成工程や保存中に、含有させなかった層
への保水性軟化剤の層間拡散現象によって、最終的に第
1成分層と第2成分層の両方に前記含有量の範囲に分配
されるようにすることも可能である。
また、第1成分層又は第2成分層、或いは第1成分層と
第2成分層の両方に、必要に応じて薬物をはじめ、薬物
の吸収促進剤、刺激防止剤、中和剤、緩衝剤、殺菌剤、
防黴剤、脱臭剤、香料、着味料、着色剤、界面活性剤、
充填剤などの添加剤を配合することができる。
本発明の医療用シートを、口腔粘膜や所定の皮膚に貼付
け、全体薬効或いは局所薬効の目的に使用する場合は、
当然、第1成分層又は第2成分層、或いは第1成分層と
第2成分層の両方に、目的に適合した薬物を配合せねば
ならない。この際、出来れば、第1成分層に薬物を配合
するのが好ましい。また、本発明の医療用粘着シートを
口腔粘膜や所定の皮膚に生じた損傷部に貼付け、外部刺
激から保護し、自然治癒の目的に使用する場合は、薬物
を配合する必要はない。
本発明においては、第1成分層と第2成分層との合計2
層又はそれ以上が交互に積層一体化される。この際、第
1成分層の面を局所に粘着させて使用するので、最外層
の少なくとも一方の層が、第1成分層から構成されるよ
うに積層一体化することが必要である。第1成分層と第
2成分層との厚さの比は、一般に3:7〜7:3となさ
れる。また、全体の厚さは、一般に40〜1000μmとなさ
れる。
本発明の医療用シート状粘着剤は、剥離紙などの剥離シ
ート上に形成され、使用に際しては、上記剥離シートか
ら剥離して局所へ粘着させることができる。また、合成
樹脂シート、布、紙などの裏打ち支持体上に形成され、
使用に際しては、裏打ち支持体と一体化した状態で局所
へ粘着させることができる。
本発明の医療用シート状粘着剤は、例えば、次のように
して製造される。
まず、ポリビニルピロリドン系重合体とポリアクリル酸
系重合体とを格別に用意する。そして、これに適量の保
水性軟化剤をそれぞれ配合し、さらに必要ならば適量の
薬物その他の添加剤をそれぞれ配合する。そして、これ
を水、アルコール或いはこれらの混合液などの溶剤にそ
れぞれ溶解し、第1成分層の溶液及び第2成分層の溶液
を調整する。
つぎに、剥離紙などの剥離シートを用意し、この剥離シ
ートの上に上記第1成分層の溶液を流延した後、溶剤を
蒸発乾燥させ、第1成分層を形成する。さらに、この第
1成分層の上に上記第2成分層の溶液を流延した後、溶
剤を蒸発乾燥させ、第2成分層を形成させる。なお、必
要に応じて、上記の第1成分層の形成工程と第2成分層
の形成工程とを繰り返す。かくして、剥離シート上に本
発明のシート状粘着剤が形成される。
また、剥離紙などの剥離シート上に別々に各成分層を形
成しておき、この両方を圧着することにより本発明のシ
ート状粘着剤を製造することもできる。
また、本発明のシート状粘着剤を合成樹脂シート、布、
紙などの裏打ち支持体上に形成させる場合は、剥離シー
トの代りに裏打ち支持体を使用し、前記と同様な工程で
行なうことができる。ただし、この場合は、第1成分層
の形成工程を最終工程とし、最外層を第1成分層で構成
する。
(作用) 本発明の医療用シート状粘着剤は、使用に際して、最外
層を構成する第1成分層を口腔粘膜などの局所に向けて
押圧する。すると、この第1成分層は高い粘着力を有す
るので、シート状粘着剤は、口腔粘膜などの局所に容易
に粘着し剥がれることはない。
そして、上記の第1成分層が時間の経過とともに唾液な
どの水分で溶解していくと、この第1成分層はその上に
積層されている第2成分層へ次第に吸収混和される。こ
の第2成分層は最終的には水分により溶解又は膨潤して
崩壊するが、高い耐水性を有するので、シート状粘着剤
は、唾液などの水分の存在下でも急激に溶解することが
ない。
しかして、上記第2成分層が口腔粘膜などの局所の粘着
面に多く接触することになっても、この第2成分層の内
側及び外側の両方から唾液などの水分を吸収し、膨潤
し、徐々に溶解乃至崩壊する過程で、上下の第1成分層
と次第に混和されて粘着性が発現する。そのため、最初
の押圧により良好な粘着状態が生じた後は、粘着面で第
1成分層が第2成分層へ吸収混和されて第2成分層が多
くなっても、その粘着状態は破壊されず、剥がれること
がない。
(実施例) 以下、本発明の実施例及び比較例を示す。
実施例1 (1)層成分溶液の調整 ポリビニルピロリドン(Kollidon K-90、 Badishe Anil
in Soda Fabrik社)100重量部とマルチトール150重量部
とを、水:エチルアルコール比が重量で90:10の溶剤に
溶解し、濃度35重量%の第1成分層の溶液を調整した。
熱架橋型ポリアクリル酸(ジュンロンPW−150、日本
純薬社)100重量部とマルチトール100重量部とを水:エ
チルアルコール比が90:10の溶剤に溶解し、濃度5重量
%の第2成分層の溶液を調整した。
(2)医療用シート状粘着剤の製造 シリコン剥離剤で処理した延伸ポリプロピレンシートか
らなる流延用の剥離シートの上に、前記第1成分層の溶
液を流延した後、水と溶剤を蒸発乾燥させ、厚さ140μ
mの第1成分層を形成した。さらに、この第1成分層の
上に前記第2成分層の溶液を流延した後、水と溶剤を蒸
発乾燥させ、厚さ60μmの第2成分層を形成した。この
第2成分層の上に保護用の剥離紙を添着した。
かくして、第1成分層と第2成分層とが積層一体化され
た本発明のシート状粘着剤を得た。
このシート状粘着剤は厚さ200μmであり、剥離シート
と剥離紙とでサンドイッチ状に保護されている。使用に
際して、剥離シートと剥離紙とを剥がし、シート状粘着
剤の第1成分層の面を局部に粘着させる。
(3)医療用シート状粘着剤の性能評価 (a)官能試験 上記のシート状粘着剤を標準状態(温度20℃、相対湿度
60%)の条件下で、指先にて角度180゜折り畳んだ。そ
の結果、ひび割れは全く発生せず、良好な柔軟性と弾力
性を示した。また、上記条件で第1成分層の面は良好な
指圧粘着性を示し、第2成分層の面は極めて小なる指圧
粘着性を示した。
(b)プローブタック粘着力試験 上記のシート状粘着剤を、10mm×10mmに切り取り、標準
状態(温度20℃、相対湿度60%)で24時間以上保持し、
試験片とする。
この試験片を、ASTM D 2979の方法に準じ、プロー
ブ直径8mm、プローブ移動速度(上下方向とも)10mm/
秒、プローブ接触時間1秒、プローブ接触荷重50gの条
件で測定した。その結果、プローブタック粘着力は180
gで良好であった。
(c)口腔粘膜貼付試験 上記のシート状粘着剤を、6mm×12mmに切り取り、第1
成分層の面を上前歯茎の粘膜に向けて押圧した。押圧後
約10秒で粘着状態に達し良好であった。また、貼付け中
は、柔軟性と弾力性のため上前歯茎の粘膜へのなじみが
よく、違和感を感じなかった。
さらに、上前歯茎の粘膜に粘着させた後、シート状粘着
剤が溶解又は崩壊により消失するか、或いは剥がれるま
での時間を測定し、これを貼付時間とした。その結果、
貼付時間は、260〜280分(消失)と比較的長く良好であ
った。
比較例1 剥離紙の上に、実施例1で調整した第1成分層の溶液を
流延した後、水と溶剤を蒸発乾燥させ、厚さ200μmの
第1成分層のみからなる貼付用シートを得た。
この貼付用シートについて、実施例1と同様な性能評価
を行った。この貼付用シートは、上前歯茎への押圧後約
10秒で粘着状態に達し良好であった。また、貼付け中
は、柔軟性と弾力性のため上前歯茎の粘膜へのなじみが
よく、違和感を感じなかった。しかし、貼付時間は、40
〜60分(消失)と比較的短く不良であった。
比較例2 剥離紙の上に、実施例1で調整した第2成分層を流延伸
した後、水と溶剤を蒸発乾燥させ、厚さ200μmの第2
成分層のみからなる貼付用シートを得た。
この貼付用シートについて、実施例1と同様な性能評価
を行った。この貼付用シートは、上前歯茎へ約1分間押
圧すると粘着状態に達し比較的長い時間を要した。ま
た、貼付け中は、柔軟性が不足のため上前歯茎の粘膜へ
のなじみが充分でなく、違和感があった。貼付時間は、
20分(剥がれ)と短く不良であった。
比較例3 ヒドロキシエチルセルロース(2%水溶液の20℃で粘度
が5000±50cps)85重量部とポリアクリル酸(0.2%水溶
液の20℃でな粘度が15000±1000cps)15重量部とを、水
に溶解し、濃度12重量%の溶液を調整した。
この溶液を剥離紙の上に流延した後、水を蒸発乾燥さ
せ、厚さ200μmの貼付用シートを得た。
この貼付用シートについて、実施例1と同様な性能評価
を行った。プローブタック粘着力は5g以下で不良であ
った。また、貼付用シートは、水で適度に湿して上前歯
茎へ押圧せねばならず、操作が面倒であり、しかも上前
歯茎へ押圧後約1分で粘着状態に達し比較的長い時間を
要した。また、貼付け中は、硬くて上前歯茎の粘膜への
なじみが悪く、違和感があった。貼付時間は、80〜100
分(消失)と比較的短く不充分であった。
実施例2 (1)層成分溶液の調整 ポリビニルピロリドン(Kollidon K-90)100重量部とジ
グリセリン120重量部とを、エチルアルコールに溶解
し、濃度38重量%の第1成分層の溶液を調整した。
熱架橋型ポリアクリル酸(カーボポール#940、B.F.Good
rich chemical 社)100重量部とジグリセリン70重量部
とを、エチルアルコールに溶解し、濃度5重量%の第2
成分層の溶液を調整した。
(2)医療用シート状粘着剤の製品 シリコン剥離紙の上に前記第1成分層の溶液を流延した
後、溶剤を蒸発乾燥させ、厚さ80μm及び30μmの第1
成分層を別々に形成した。また、シリコン剥離紙の上に
前記第2成分層の溶液を流延した後、溶剤を蒸発乾燥さ
せ、厚さ40μm及び50μmの第2成分層を別々に形成し
た。
つぎに、上記80μmの第1成分層と40μmの第2成分層
とを圧着し、この第2成分層の剥離紙を除去した後、こ
れに上記30μmの第1成分層を圧着し、この第1成分層
の剥離紙を除去した後、これに上記50μmの第2成分層
を圧着した。
かくして、第1成分層と第2成分層とが交互に4層積層
一体化された本発明のシート状粘着剤を得た。このシー
ト状粘着剤は厚さ200μmであり、剥離紙でサンドイッ
チ状に保護されている。使用に際して、剥離シートを剥
がし、シート状粘着剤の第1成分層の面を局部に粘着さ
せる。
(3)医療用シート状粘着剤の性能評価 上記のシート状粘着剤を使用し、実施例1と同様にして
性能評価を行った。その結果、官能試験は、実施例1と
同様で良好であった。また、プローブタック粘着力は21
0gで良好であった。
さらに、このシート状粘着剤を第1成分層の面を上前歯
茎の粘膜に向けて押圧した。押圧後約10秒で粘着状態に
達し良好であった。また、貼付け中は、柔軟性と弾力性
のため上前歯茎の粘膜へのなじみがよく、違和感を感じ
なかった。貼付時間は、280〜320(消失)と比較的長く
良好であった。
比較例4 シリコン剥離紙の上に、実施例2で調整した第1成分層
の溶液を流延した後、溶剤を蒸発乾燥させ、厚さ200μ
mの第1成分層のみからなる貼付用シート状を得た。
この貼付用シートについて、実施例1と同様な性能評価
を行った。この貼付用シートは、上前歯茎への押圧後約
10秒で粘着状態に達し良好であった。また、貼付け中
は、柔軟性と弾力性のため上前歯茎の粘膜へのなじみが
よく、違和感を感じなかった。しかし、貼付時間は、30
〜40分(消失)と比較的短く不良であった。
比較例5 シリコン剥離紙の上に、実施例2で調整した第2成分層
の溶液を流延した後、溶剤を蒸発乾燥させ、厚さ200μ
mの第2成分層のみからなる貼付用シートを得た。
この貼付用シートについて、実施例1と同様な性能評価
を行った。この貼付用シートは、上歯茎へ約1分間押圧
すると粘着状態に達し比較的長い時間を要した。また、
貼付け中は、柔軟性が不足のため上前歯茎の粘膜へのな
じみが充分でなく、違和感があった。貼付時間は、25分
(剥れ)と短く不良であった。
実施例3 (1)層成分溶液の調整 ポリビニルピロリドン(Kollidon K-90)100重量部とポ
リエチレングリコール(平均分子量400)140重量部と
を、エチルアルコールに溶解し、濃度40重量%の第1成
分層(A)の溶液を調整した。
ビニルピロリドン成分が60重量%のビニルピロリドン−
酢酸ビニル共重合体(Kollidon VA-64)100重量部とグ
リセリン80重量部とを、エチルアルコールに溶解し、濃
度35重量%の第1成分層(B)の溶液を調整した。
ビニルピロリドン成分が60重量%のビニルピロリドン−
アクリル酸ブチル共重合体100重量部とポリプロピレン
グリコール(平均分子量1500〜2000)60重量部とを、エ
チルアルコールに溶解し、濃度30重量%の第1成分層
(C)の溶液を調整した。
ポリアクリル酸(平均分子量80〜100万)100重量部とマ
ルチトール100重量部とを、水に溶解し、濃度5重量%
の第2成分層(D)の溶液を調整した。
熱架橋型ポリアクリル酸(シュンロンPW-110)100重量
部とジグリセリン60重量部とソルビトール40重量部と
を、水に溶解し、濃度6重量%の第2成分層(E)の溶液
を調整した。
熱架橋型ポリアクリル酸ナトリウム(レオジック250
H、日本純薬社)100重量部をポリアクリル酸(アロン
A-10H、東亜合成社)30重量部とグリセリン20重量部
とマルチトール50重量部とを、水に溶解し、濃度7重量
%の第2成分層(F)の溶液を調整した。
(2)医療用シート状粘着剤の製造 シリコン剥離紙の上に前記第1成分層(A)の溶液を流延
した後、溶剤を蒸発乾燥させ、厚さ40μmの第1成分層
(A)を形成した。この上に同様にして厚さ30μmの第2
成分層(D)、厚さ30μmの第1成分層(B)、厚さ30μmの
第2成分層(E)、厚さ30μmの第1成分層(C)、厚さ40μ
mの第2成分層(F)をこの順に形成した。
かくして、第1成分層と第2成分層とが交互に6層積層
一体化された本発明のシート状粘着剤を得た。このシー
ト状粘着剤は厚さ200μmであり、剥離紙上に形成され
ている。使用に際して、剥離シートから剥がし、シート
状粘着剤の第1成分層(A)の面を局部に粘着させる。
(3)医療用シート状粘着剤の性能評価 上記のシート状粘着剤を使用し、、実施例1と同様にし
て性能評価を行った。その結果、官能試験は、実施例1
と同様で良好であった。また、プローブタック粘着力は
230gで良好であった。
さらに、このシート状粘着剤を上前歯茎の粘膜に押圧し
た。押圧後約10秒で粘着状態に達し良好であつた。ま
た、貼付け中は、柔軟性と弾力性のため上前歯茎の粘膜
へのなじみがよく、違和感を感じなかった。貼付時間
は、300〜330分(消失)と比較的長く良好であった。
(発明の効果) 本発明の医療用シート状粘着剤は、保水性軟化剤を含有
するポリビニルピロリドン系重合体の第1成分層と、保
水性軟化剤を含有するポリアクリル酸系重合体の第2成
分層との合計2層又はそれ以上が交互に積層一体化され
ている。
それゆえ、第1成分層と第2成分層との組成、厚さ、層
数を種々変更することにより、全体として所望の性能を
有するシート状粘着剤を容易に得ることができる。
そして、本発明の医療用シート状粘着剤は、上記の通り
構成されているので、水分の吸収がなくても粘着性、柔
軟性、弾力性を有している。したがって、皮膚や粘膜な
どの局所へそのまま粘着させることができ、貼付け操作
が簡単で、しかも局所へのなじみがよく、違和感が改善
される。
また、本発明の医療用シート状粘着剤は、適度の水溶解
性と優れた耐水性を併有している。それゆえ、分泌液や
唾液などの水分に濡れても粘着性を失って剥離したり、
急激に溶解することがない。
したがって、水分の存在下で長時間(例えば2時間以
上)にわたって貼付けが可能となり、特に、口腔粘膜へ
貼付け薬物を徐々に放出させ体内へ吸収させ薬物を長く
持続させる、経粘膜投与法に好適に使用される。
なお、本発明の医療用シート状粘着剤は、経粘着投与法
のほか経皮投与法にも使用される。また、人工肛門用、
絆創膏用、床ずれ防止用、医用機具又はその端子の人体
への取付け用等にも使用され得る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】保水性軟化剤を含有するポリビニルピロリ
    ドン系重合体の第1成分層と、保水性軟化剤を含有する
    ポリアクリル酸系重合体の第2成分層との合計2層又は
    それ以上が交互に積層一体化され、その最外層の少なく
    とも一方の層が上記第1成分層からなることを特徴とす
    る医療用シート状粘着剤。
JP62195624A 1987-08-05 1987-08-05 医療用シ−ト状粘着剤 Expired - Fee Related JPH062669B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62195624A JPH062669B2 (ja) 1987-08-05 1987-08-05 医療用シ−ト状粘着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62195624A JPH062669B2 (ja) 1987-08-05 1987-08-05 医療用シ−ト状粘着剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6440421A JPS6440421A (en) 1989-02-10
JPH062669B2 true JPH062669B2 (ja) 1994-01-12

Family

ID=16344264

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62195624A Expired - Fee Related JPH062669B2 (ja) 1987-08-05 1987-08-05 医療用シ−ト状粘着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH062669B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0781546A1 (en) 1995-12-26 1997-07-02 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co., Ltd. A multi-layered film preparation

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2758013B2 (ja) * 1989-03-10 1998-05-25 積水化学工業株式会社 口腔内貼付用バンデージ
JP2005289867A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Lintec Corp 経口投与剤
CA2578927C (en) 2007-02-19 2011-09-27 Ray Arbesman Precut adhesive body support articles and support system
EP4276161A3 (en) * 2013-01-04 2024-01-17 SurModics, Inc. Low particulate lubricious coating with vinyl pyrrolidone and acidic polymer-containing layers
CA151358S (en) 2013-05-29 2014-02-20 Ray Arbesman Kinesiology tape strip with release liner grid lines
TWD179958S (zh) 2015-04-20 2016-12-01 思拜德泰克有限公司 縫合帶之離型紙
CN117396238A (zh) * 2021-06-29 2024-01-12 东亚合成株式会社 医疗用处置材料及其制造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0781546A1 (en) 1995-12-26 1997-07-02 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co., Ltd. A multi-layered film preparation

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6440421A (en) 1989-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4619894B2 (ja) 粘膜表面への、薬剤化合物の送達に適する薬剤キャリアデバイス
EP0223524B1 (en) Use of adhesive dermal bandages and dermal percutaneous preparations
JP3964465B2 (ja) 粘膜表面への、薬学的化合物の送達に適する薬学的キャリアデバイス
US4904247A (en) Pressure-sensitive hydrophilic laminate structures for use in wound dressing, transdermal and topical drug delivery
Patel et al. Mucoadhesive bilayer tablets of propranolol hydrochloride
WO2003026654A1 (fr) Preparation pour film contenant de la nicotine
IL303255A (en) Systems and methods for long-term percutaneous administration
JP2003507417A (ja) 少なくとも二つのポリマー含有層を含む、皮膚に塗布するための活性物質含有治療システム
JPH062669B2 (ja) 医療用シ−ト状粘着剤
NO177663B (no) Fremgangsmåte til fremstilling av farmasöytisk preparat med nitroglyserin til perkutan administrering
JP3132837B2 (ja) 医療用粘着剤
JPH08319213A (ja) 美容及び医療用の粘着性パックシート
WO1996025910A1 (en) Water-soluble pressure-sensitive mucoadhesive
JPH09176049A (ja) ゲル製剤組成物及びゲル製剤
JP2688062B2 (ja) 医療用貼付部材
JP2549637B2 (ja) 医療用親水性粘着テープまたはシート
JPS6393717A (ja) 口腔粘膜用粘着剤もしくは接着剤
JPH0429927A (ja) 貼付剤
JPS63171565A (ja) 口腔粘膜貼付用構成体およびその製造方法
JP4782438B2 (ja) 貼付製剤
JPS63150363A (ja) 親水性粘着剤組成物
JP2552659B2 (ja) 医療用親水性粘着テープまたはシート
JPS63112672A (ja) 水溶性粘着剤組成物
JP2614610B2 (ja) 親水性粘着剤組成物
JPH02250826A (ja) 口腔内貼付用バンデージ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees