JP2005089438A - 皮膚用粘着剤組成物及び皮膚用粘着テープまたはシート - Google Patents

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Abstract

【課題】人皮膚に対して良好な粘着性および再剥離性を有し、剥離時に被着体表面を破損することがなく再貼付可能となり、通気性の良好なことから、ドレッシング用途;化粧品原料、薬物等を用いる医用用途などに好適に使用することのできる皮膚用粘着剤組成物及び、それを用いた皮膚用粘着テープまたはシートを提供する。
【解決手段】アクリル系共重合体に分子量800以上であり、疎水性パラメーターが−20以上45以下である室温で液状もしくはペースト状の可塑剤を添加し共重合体を架橋させた粘着剤組成物よりなる粘着層をポリウレタン支持体上に塗布する。

Description

本発明は、皮膚用粘着剤組成物及び、それを用いた皮膚用粘着テープまたはシートに関する。特に、人皮膚に対して良好な粘着性および再剥離性を有し、剥離時に被着体表面を破損することがなく再貼付可能となり、通気性の良好なことから、化粧品原料、薬物などを用いる医用用途に好適に使用することのできる皮膚用粘着剤組成物及び、それを用いた皮膚用粘着テープまたはシートに関する。
アクリル系粘着剤の種々の用途の中で、医用用途、例えば、救急絆創膏、ドレッシングテープ、薬物含浸テープ、等の分野では、被着体へ何度も付着と剥離を繰り返えして使用でき、かつ被着体を破損、汚染しないことが求められ、また皮膚刺激が小さくかつ通気性に優れた皮膚にやさしい皮膚貼付剤に対するニーズが増えている。
皮膚面に貼付して使用する皮膚貼付剤は、通常、プラスチックフィルム、織布、不織布などの支持体の片面に皮膚貼着用の粘着剤層が設けられている。これらはいずれも粘着剤層を皮膚面に直接貼付して使用するので、皮膚面に対する優れた接着性と共に皮膚面に対する非刺激性なども要求される。これらの要求特性は長時間にわたって貼付する場合に極めて重要である。特に、救急絆創膏のような皮膚貼付剤では指関節や膝関節のような屈曲部に貼着した場合でも、皮膚接着性の維持や、水仕事したり入浴した場合などでも脱落しないような耐水性の付与、剥離時の無痛性、剥離後に粘着剤が皮膚面に残存しないことなどの特性が必要となる。
このような要求特性を満たすためには、支持体の改変と粘着剤の改変の両面からのアプローチが必須である。支持体に関しては、従来から汎用されているポリ塩化ビニルなどの支持体の代替材料として、不織布やポリオレフィンを用いたものが提案されている。特開2002−331024号公報には2層のそれぞれ応力緩和性が異なるプラスチックフィルムを積層することを特徴とする支持体の提案がある。しかしながら現状では、皮膚の屈曲部への追随性、耐水性、等に関して優れたポリウレタンが多用されており、発明者も現状入手可能な素材中ではポリウレタンが最適と考えている。
一方、皮膚貼付剤が皮膚面に接触するのは粘着剤であるので、支持体の選定だけでは充分な解決までには至ることができず、粘着剤の改変に関する提案も幾つか報告されている。
近年、皮膚に優しい皮膚用粘着剤組成物としてアクリルアルキルエステル系高分子粘着剤に多量の可塑化成分を混合し、架橋剤により高分子を架橋させた組成物が開発されドレッシング、絆創膏用途に供されるようになった。
例えば、特開平3−220120号公報、特開平6−23029号公報等にはアルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と該重合体と相溶する液状成分とを含む架橋された粘着剤が提案されている。
また、特開平5−65460号公報にはアクリル酸エステル系共重合体と該重合体と相溶する液状成分とを含む架橋された粘着剤であって、せん断応力を加えた際のずれ変形移動距離が粘着層の厚みの0.5〜6倍であることを特徴とするアクリル粘着シートが提案されている。
さらに、特開平6−319793号公報には、アクリル系重合体に、炭素数8〜18の一塩基酸ないしは多塩基酸と炭素数が14〜18の分岐アルコールのエステル及び/又は炭素数が14〜18の不飽和脂肪酸ないしは分岐酸と4価以下のアルコールのエステルであって室温で液状ないしペースト状の成分を加えて架橋された重合体が提案されている。
これらの特許において提案されている粘着剤組成物における共重合体はいずれもアルキル基の炭素数4以上であるアルコールと(メタ)アクリル酸とからなるエステルを主モノマーとするアクリル系共重合体である。これらアクリル系共重合体と相溶する液状成分としては、グリコール類、油脂類、有機溶媒、液状の界面活性剤、可塑剤、炭化水素類、その他を1種以上を配合する。上記3特許の実施例においては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、等が多用されている。しかしながらこれらの液状成分は支持体としてポリウレタンを用いた場合、容易にポリウレタン中に拡散し支持体を膨潤させる。それゆえ、上記組成物を用いてポリウレタンを支持体とするドレッシング、絆創膏は実施不可能である。
特開2002−331024号公報
特開平3−220120号公報
特開平6−23029号公報
特開平5−65460号公報
特開平6−319793号公報
本発明の目的は、上記従来の問題点に鑑み、人皮膚に対して良好な粘着性および再剥離性を有し、剥離時に被着体表面を破損することがなく再貼付可能となり、通気性の良好なことから、ドレッシング用途;化粧品原料、薬物等を用いる医用用途などに好適に使用することのできる皮膚用粘着剤組成物及び、それを用いた皮膚用粘着テープまたはシートを提供することにある。
請求項1記載の皮膚用粘着剤組成物は、(1)架橋可能なアクリル系共重合体100重量部、(2)前記アクリル系共重合体(1)と相溶する、分子量800以上であり疎水性パラメーターが−20以上45以下である室温で液状もしくはペースト状の可塑剤20〜200重量部、及び(3)架橋剤0.1〜2.0重量部とからなることを特徴とする。
請求項2記載の皮膚用粘着剤組成物は、前記アクリル系共重合体が、架橋性基を有しないアクリル系モノマー30〜99重量%、架橋性基含有ビニルモノマー1〜40重量%及び、必要に応じて、前記アクリル系モノマーならびに架橋性基含有ビニルモノマー以外のビニルモノマー及び/又はマクロモノマー45重量%以下よりなることを特徴とする。
請求項3記載の皮膚用粘着剤組成物は、前記アクリル系モノマーが、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/又は(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルであることを特徴とする。
請求項4記載の皮膚用粘着剤組成物は、前記アクリル系共重合体が、アクリル酸2−エチルヘキシル60〜99重量%及びアクリル酸1〜40重量%よりなることを特徴とする。
請求項5記載の皮膚用粘着剤組成物は、前記アクリル系共重合体が、アクリル酸2−エチルヘキシル35〜45重量%、アクリル酸メトキシエチル45重量%超55重量%以下、アクリル酸2〜20重量%及びN−ビニル−2−ピロリドン1〜15重量%よりなることを特徴とする。
請求項6記載の皮膚用粘着剤組成物は、前記アクリル系共重合体が、アクリル酸2−エチルヘキシル30〜40重量%、ポリオレフィンマクロモノマー35重量%〜45重量%(但し、アクリル酸2−エチルヘキシルを超える量)、アクリル酸2〜20重量%及びN−ビニル−2−ピロリドン10〜30重量%よりなることを特徴とする。
請求項7記載の皮膚用粘着剤組成物は、前記可塑剤が、トリエチルヘキサン酸ジ−トリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレンジグリセリンエーテル及びトリイソステアリン酸ポリグリセリルからなる群より選択される少なくとも一種以上であることを特徴とする。
請求項8記載の皮膚用粘着テープまたはシートは、請求項1〜7のいずれかに記載の皮膚用粘着剤組成物よりなる粘着剤層が、ポリウレタンよりなる支持体の少なくとも片面に設けられてなることを特徴とする。
請求項9記載の皮膚用粘着テープまたはシートは、前記粘着剤層に、化粧品原料又は薬物が含有されてなることを特徴とする。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の皮膚用粘着剤組成物は、(1)架橋可能なアクリル系共重合体100重量部、(2)前記アクリル系共重合体(1)と相溶する、分子量800以上であり疎水性パラメーターが−20以上45以下である室温で液状もしくはペースト状の可塑剤20〜200重量部、及び(3)架橋剤0.1〜2.0重量部とからなる。
上記アクリル系共重合体は、架橋性基を有しないアクリル系モノマー30〜99重量%(第1成分)、架橋性基含有ビニルモノマー1〜40重量%(第2成分)及び、必要に応じて、前記アクリル系モノマーならびに架橋性基含有ビニルモノマー以外のビニルモノマー及び/又はマクロモノマー45重量%以下(第3成分)から構成されることが好ましい。
上記第1成分であるアクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等の炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーが挙げられる。また、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマーが挙げられる。
上記アクリル系モノマーの上記アクリル系共重合体中の割合は、30〜99重量%以下である。アクリル系モノマーが30重量%以下になると、粘着剤の基本物性である粘着性に問題が生じる。99重量%以上では架橋性に劣り、凝集力に問題が生じる。
上記第2成分である架橋性基含有ビニルモノマーとしては、例えば、カルボシキル基含有モノマー(例えば、アクリル酸、メタアクリル酸等)、水酸基を含有するビニルモノマー(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等)、ケトン基含有モノマー(例えば、ジアセトンアクリルアミド)、エポキシ基含有モノマー(例えば、グリシジルメタクリレート)などが挙げられる。
上記架橋性基含有ビニルモノマーの上記アクリル系共重合体中の割合は、1〜40重量%が好ましく、より好ましくは2〜20重量%である。架橋性基を含有するビニルモノマーの割合が40重量%以上となると共重合体が硬くなり粘着剤として不適になる。また1重量%以下では架橋が十分に行かない。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系(市販品としては、例えば、日本ポリウレタン社製、商品名コロネートHLが挙げられる)、金属キレート系等が好適に用いられる。
上記第3成分である、上記アクリル系モノマーならびに架橋性基含有ビニルモノマー以外のビニルモノマー及び/又はマクロモノマーとしては、例えば、ビニルピロリドン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、スチレン等の反応性の低いビニルモノマー;ポリオレフィンマクロモノマー、ポリメタクリル酸マクロモノマー等のマクロモノマーなどが挙げられる。
上記架橋性基含有ビニルモノマー以外のビニルモノマー及び/又はマクロモノマーの上記アクリル系共重合体中の割合は、45重量%以下であり、これらを適宜使用することで、粘着物性、薬物含浸量等を改良することが可能となる。
本発明に使用されるアクリル系共重合体の好ましい態様としては以下の2態様が挙げられ、その構成にすることにより本発明の目的が達成される。
(第1態様)
アクリル酸2−エチルヘキシル35〜45重量%、アクリル酸メトキシエチル45重量%超55重量%以下、アクリル酸2〜20重量%及びN−ビニル−2−ピロリドン1〜15重量%よりなる。
(第2態様)
アクリル酸2−エチルヘキシル30〜40重量%、ポリオレフィンマクロモノマー35重量%〜45重量%(但し、アクリル酸2−エチルヘキシルを超える量)、アクリル酸2〜20重量%及びN−ビニルー2−ピロリドン10〜30重量%よりなる。
本発明におけるアクリル系共重合体の製造方法については、例えば、モノマーの混合物をトルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等の溶剤に重合開始剤と共に溶解し、窒素雰囲気下で加熱して重合することにより、達成される。重合開始剤としては、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイルの如き過酸化物など公知のものを例示できる。また、本アクリル共重合体の重量平均分子量としては、200,000〜800,000程度が適当であるが、これに限定されるものではない。
本発明の最も重要な技術要素は上記アクリル系共重合体に混合する可塑剤である.前記アクリル系共重合体を、人皮膚などの被着体に対して良好な粘着性および再剥離性を有し、剥離時に皮膚角質毟りのない粘着剤組成物とするには、前記アクリル系共重合体に可塑剤を多量に混合し、アクリル共重合体に適合した架橋剤で架橋させることが必要である。
上記アクリル系共重合体に混和して軟化させ得る可塑剤は多く存在し、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、オレイン酸メチル、アジピン酸イソプロピル、等があげられる。しかしながら、これらの低分子可塑剤を上記アクリル共重合体に混和して架橋し、本発明に使用されるポリウレタンよりなる支持体にコーティングすると、低分子可塑剤がポリウレタン中に移行し、前記支持体を膨潤させて製品化が不可能となる。
また、ポリウレタンに多用される保護フィルムとしてポリエチレンを使用する場合には可塑剤はポリウレタンを膨潤させるのみでなくポリエチレンにも浸透.膨潤させる.
本発明者等は、かかる状況の中でポリウレタン、ポリエチレンに対する膨潤がなく、上記アクリル系共重合体によく混和し、再剥離可能な肌に優しい粘着剤組成物となる可塑剤を鋭意探求し、以下に詳述する可塑剤が本目的に最適であることを見出した。
本発明において使用される可塑剤は、室温で液体またはペースト状であって(分子量は1,000以上のものが好ましい)であり、かつ疎水性パラメーターが−20以上45以下の性質を有するものである。
上記疎水性パラメーターとは、ある化合物のオチルアルコールー水系への溶解度比の対数であり、その化合物特有の値であるが、本発明においては以下の計算法による計算値を用いる。疎水性パラメーターは実験によって決定する以外に、分子中の各フラグメントの寄与(疎水性フラグメント定数、f値)を計算し、これらの総和としてその化合物の疎水性パラメーター値が算出できる。疎水性パラメーター値の計算法についてはR.F.Rekker著「The Hydrophobic Fragmental Constant」(EIsevier Scientific Publishing Co.1977年発行)の節3章に述べられており、本発明におけるパラメーター値はこの計算法に基づいている。すなわち、この計算法では、化合物を構成する各フラグメントの例えばメチル基、カルボキシル基などの疎水性フラグメント定数(f値)を定めておき、特定の化合物については、その化合物の各フラグメントの上記定数を合計することにより、該化合物の疎水性パラメーターが求められる。前著書第3章、第48ページのテーブルIII、2によれば各フラグメントのf値は次表の通りである。
Figure 2005089438
そして、例えば酢酸エチル(CHCOOCHCH)の疎水性パラメーターについては、酢酸エチル中のフラグメントとしてCHが2個、CHが1個、COOが1個存在するので、第1表の定数を用いて、
酢酸の疎水性パラメーター = 0.695x2+0.528x1+(−1.261)x1=0.657
と、計算で求められる。
本発明において使用される可塑剤は、その疎水性パラメーターが−20〜45の範囲内であることが必要であり、さらに−15〜40の範囲内にあることが好ましい。可塑剤の疎水性パラメーター値が−20未満あるいは45を超える場合、上記アクリル系共重合体との相溶性が悪く可塑剤を混合する時十分に粘着剤と均一化せず表面にブリードしがちとなる。また上記可塑剤はその分子量が800以上であることが必要である。可塑剤の分子量が800未満の場合、よしんばその疎水性パラメーターが−20〜45の範囲内であってもアクリル系共重合体と混合してウレタンフィルムに塗布する時、支持体であるポリウレタン及び/又はポリウレタンの保護フィルムであるポリエチレン中に溶解しこれらを膨潤させる。
上記可塑剤の添加量は上記アクリル共重合体100重量部に対して20〜200重量部であり、好ましくは40〜150重量部の範囲である。添加量が20重量部未満になると粘着力が強くなりすぎ本発明の主旨である被着体を傷つけない再剥離が困難となり、また200重量部を超えると上記アクリル共重合体を架橋させても凝集力と粘着力のバランスがくずれ易く粘着剤組成物としての実用に供しえなくなる。
上記可塑剤としては上記に述べた分子量と疎水性パラメーターを有し室温で液体もしくはペースト状の物質が本発明の目的を達するのであるが、なかでも化粧品原料の油剤中の以下にリストするオイルが好適に使用しうる。以下においてMwは分子量を、Fは計算による求めた疎水性パラメーターである。本発明の可塑剤の具体例は、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン(日清オイリオ(株)製サラコスDT−318S、Mwは約1,700、Fは36)、ポリオキシプロピレンジグリセリンエーテル(阪本薬品工業(株)製SY−DP14、Mwは約2,500、Fは−12)、トリイソステアリン酸ポリグリセリル(日清オイリオ(株)製コスモール43、Mwは約930、Fは21)、などがある。
本発明の皮膚用粘着剤組成物は、ポリウレタンよりなる支持体上に塗布してドレッシングテープ、傷バンソウコウ、等に用い得る。また薬物、化粧品原料等を前記皮膚用粘着剤組成物に溶解、もしくは混合して皮膚用粘着テープまたはシート(薬物含浸テープ、化粧品テープ等)を作成することが出来る。薬物、化粧品原料の種類は特に大きな制約は無い。含有させる薬物化粧品原料はその目的に応じて任意に選択することができるが、例えばコルチコステロイド類、鎮痛消炎剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、麻酔剤、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、性ホルモン、脳循環改善剤、制吐剤、抗しわ剤、美白剤、保湿剤、等であって、経皮吸収可能な薬物が使用できる。
本発明に使用される支持体は、ポリウレタンフィルムを用いる。ポリウレタンには多くの種類があるが、本発明には特に限定することなく、エーテル系ポリウレタン、エステル系ポリウレタン等が好適である。ポリウレタンフィルムの厚さは20〜50μmが好ましい。ポリウレタンの厚さが40μm以下の場合、製品化作業の便宜上保護フィルムをラミネートして供されることが多い。保護フィルムとしてはポリエチレンが最も汎用されており、それゆえ、ポリウレタンに粘着剤を塗布してドレッシングテープ、傷バンソウコウ、等を製造するに当たっては可塑剤がポリウレタンを通過してポリエチレン保護フィルムを膨潤させることがあってはならない。本発明の可塑剤はウレタンフィルムのみならず、ポリエチレンフィルムにも浸透することが無い。
本発明の皮膚用粘着剤組成物をテープまたはシートへの加工法としては特に大きな制約は無い。本粘着剤溶液に前記可塑剤、前記架橋剤、また必要に応じて薬剤、化粧品原料等を混入してよく撹拌溶解させる。必要に応じて、例えば、酢酸エチル、トルエン、等を加えて粘度調整を行って塗工液を調製する。このように調製した粘着剤塗工液を、剥離シート上に乾燥厚:0.01〜0.2mmに塗布し、加熱乾燥後、これを支持体であるポリウレタンフィルムと貼合せ巻取ることにより製造する。ポリウレタンフィルムにはポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートからなる保護フィルムがあってもよい。剥離シートとしては、ベースにプラスチックフィル厶として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンを使用したもの、あるいは、パルプを主体とする、上質紙、グラシン紙などを使用したものが例示できる。
発明の効果
本発明の皮膚用粘着剤組成物は、(1)架橋可能なアクリル系共重合体100重量部、(2)前記アクリル系共重合体(1)と相溶する、分子量800以上であり疎水性パラメーターが−20以上45以下である室温で液状もしくはペースト状の可塑剤20〜200重量部、及び(3)架橋剤0.1〜2.0重量部とからなることを特徴とするので、人皮膚に対して良好な粘着性および再剥離性を有し、剥離時に被着体表面を破損することがなく再貼付可能となり、通気性の良好なことから、ドレッシング用途;化粧品原料、薬物等を用いる医用用途などに好適に使用することができる。
以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明する。なお、以下において、部および%は重量部および重量%を意味する。
作成例 1.(アクリル系重合体1の作成)
2−エチルヘキシルアクリレート95部、アクリル酸5部、溶媒として酢酸エチル200部、および開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を反応容器に入れ、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、撹拌下に窒素雰囲気中で、この反応容器を70℃に昇温し、12時間反応させた。
作成例 2.(アクリル系重合体2の作成)
作成例1における、2−エチルヘキシルアクリレート95部、アクリル酸5部の代わりにメトキシエチルアクリレート50部、2−エチルヘキシルアクリレート40部、ビニルピロリドン7部、アクリル酸3部をモノマーとして使用した以外は作成例1と同様にして重合体を得た。
作成例 3.(アクリル系重合体3の作成)
作成例1における、2−エチルヘキシルアクリレート95部、アクリル酸5部の代わりに2−エチルヘキシルアクリレート35部、オレフィンマクロモノマー(Shell Chemical Company社製、商品名;KRATON LIQUID Polymer HPVM−1253)40部、N−ビニル−2−ピロリドン20部及びアクリル酸5部をモノマーとして使用した以外は作成例1と同様にして重合体を得た。
以下に実施例および比較例を示すことにより、本発明を具体的に説明する。
尚、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
作成例1により製造されたアクリル粘着剤溶液の固形分100部相当量を秤取し、可塑剤としてトリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパンを50部加えた。さらに架橋剤としてコロネートHL(日本ポリウレタン製)を0.2部添加し、酢酸エチルをさらに加えて粘度調整を行なって粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液を75μm厚のポリエチレンテレフタレート製剥離シート上に乾燥後の厚みが80μmとなるように塗布し、80℃で20分間乾燥して粘着剤層を形成した。この粘着剤層面に、支持体として厚さ30μmのポリエステル系ポリウレタンシート(積水フィルム製、厚さ80μmのポリエチレン保護フィルム付)を貼り合わせて粘着性シートを作製した。
(実施例2〜6、比較例1〜6)
作成例1〜3の粘着剤を用い、種々の可塑剤、有価物を添加してコロネートHLによって架橋させて粘着シートを作成した。それらの組成を表1に示す。
Figure 2005089438
Figure 2005089438
配合量の単位は粘着剤固形分量100に対する配合部数
実施例1〜6及び比較例1〜6の粘着シートを5cm×5cm(25cm)の大きさに裁断し、これを試験サンプルとし以下の物性を測定した。それらの結果を上記表2に示す。
(保存安定性試験)
試験サンプルを60℃で1ヶ月保存した。1ヶ月後に取り出し形状を観察し、以下の評価項目のどれに該当するかを判定した。
A: まったく変化なし
B: ポリウレタンフィルムに皺がよる。
C: ポリエチレン保護フィルムに皺がよる。
D: ポリウレタンフィルム、ポリエチレン保護フィルム両者に皺がよる
E: 可塑剤がブリードしている
(ヒト貼付試験)
上記保存安定性試験で良好な結果を得た実施例1〜6及び比較例4、5の試料を、健常人10名の下腕内側A(カブレやすい部位)に24時間貼付して、皮膚接着性、糊残り、剥がす時の痛み、カブレについて評価し、その結果を表3に示した。評価基準は下記のような5段階評価によった。
Figure 2005089438
Figure 2005089438

Claims (9)

  1. (1)架橋可能なアクリル系共重合体100重量部、(2)前記アクリル系共重合体(1)と相溶する、分子量800以上であり疎水性パラメーターが−20以上45以下である室温で液状もしくはペースト状の可塑剤20〜200重量部、及び(3)架橋剤0.1〜2.0重量部とからなる皮膚用粘着剤組成物。
  2. 前記アクリル系共重合体が、架橋性基を有しないアクリル系モノマー30〜99重量%、架橋性基含有ビニルモノマー1〜40重量%及び、必要に応じて、前記アクリル系モノマーならびに架橋性基含有ビニルモノマー以外のビニルモノマー及び/又はマクロモノマー45重量%以下よりなることを特徴とする請求項1記載の皮膚用粘着剤組成物。
  3. 前記アクリル系モノマーが、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/又は(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルであることを特徴とする請求項1又は2記載の皮膚用粘着剤組成物。
  4. 前記アクリル系共重合体が、アクリル酸2−エチルヘキシル60〜99重量%及びアクリル酸1〜40重量%よりなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚用粘着剤組成物。
  5. 前記アクリル系共重合体が、アクリル酸2−エチルヘキシル35〜45重量%、アクリル酸メトキシエチル45重量%超55重量%以下、アクリル酸2〜20重量%及びN−ビニル−2−ピロリドン1〜15重量%よりなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚用粘着剤組成物。
  6. 前記アクリル系共重合体が、アクリル酸2−エチルヘキシル30〜40重量%、ポリオレフィンマクロモノマー35重量%〜45重量%(但し、アクリル酸2−エチルヘキシルを超える量)、アクリル酸2〜20重量%及びN−ビニル−2−ピロリドン10〜30重量%よりなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の皮膚用粘着剤組成物。
  7. 前記可塑剤が、トリエチルヘキサン酸ジ−トリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレンジグリセリンエーテル及びトリイソステアリン酸ポリグリセリルからなる群より選択される少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の皮膚用粘着剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の皮膚用粘着剤組成物よりなる粘着剤層が、ポリウレタンよりなる支持体の少なくとも片面に設けられてなることを特徴とする皮膚用粘着テープまたはシート
  9. 前記粘着剤層に、化粧品原料又は薬物が含有されてなる請求項8記載の皮膚用粘着テープまたはシート。
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