JP3451125B2 - 粘着テープ及びその製造方法 - Google Patents

粘着テープ及びその製造方法

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JP3451125B2
JP3451125B2 JP02414994A JP2414994A JP3451125B2 JP 3451125 B2 JP3451125 B2 JP 3451125B2 JP 02414994 A JP02414994 A JP 02414994A JP 2414994 A JP2414994 A JP 2414994A JP 3451125 B2 JP3451125 B2 JP 3451125B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙や不織布等の多孔性
材料を基材とした粘着テープに関し、詳しくは、皮膚用
等の医療補助用、塗装マスキング用、包装用等、中でも
特に医療補助用に好適に使用される粘着テープ及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多孔性材料を基材とした粘着テー
プ、特にガーゼなどの固定に使用する医療補助用の粘着
テープは、粘着剤塗工時の裏抜け防止のために、ゴム質
ポリマーを含浸させた多孔性基材に粘着剤を直接塗布す
るか、シリコーン系剥離剤を塗布した工程紙に粘着剤を
塗布したものを多孔性基材に転写して製造されていた。
【0003】前者においては多孔性基材がゴム質ポリマ
ーで目止めされているため通気性に欠け、透湿性を必要
とする場合は好ましくなく、特に医療用補助用として用
いる場合、皮膚の発汗が妨げられたり、皮膚と粘着テー
プとの間に貯留された汗で粘着テープの粘着力が低下し
たりして剥がれるという欠点があった。後者においては
工程紙は使用後破棄するものであるため無駄であり、ま
た高価であるため製品コストが高くなるという欠点があ
った。更に粘着剤及び多孔性基材が汗を吸収しにくいの
で粘着力が低下するという欠点も有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透湿
性を必要とする粘着テープ、特に医療補助用として汗の
透過吸収性が優れ、皮膚の発汗や代謝を妨げることがな
く、また皮膚と粘着テープとの間に汗が貯留されること
がないので粘着力が低下することのない粘着テープを低
コストで提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、多孔性基材の
一方の面に粘着剤層を有し、他方の面に剥離剤層を有す
る粘着テープにおいて、多孔性基材が2価以上の金属塩
を含有し、かつカルボキシル基を有するポリマー又はそ
の1価の金属塩を含有する処理剤で処理された基材であ
ることを特徴とする粘着テープであり、また、多孔性基
材の一方の面に粘着剤層を有し、他方の面に剥離剤層を
有する粘着テープにおいて、多孔性基材が2価以上の金
属塩を含有し、かつ粘着剤層がカルボキシル基を有する
ポリマー又はその1価の金属塩を含有することを特徴と
する粘着テープである。また、前記粘着テープは皮膚用
粘着テープとして好適である。
【0006】上記粘着テープは、多孔性基材に2価以上
の金属塩を含浸させ、次いで該基材の一方の面にカルボ
キシル基を有するポリマー又はその1価の金属塩を含有
する処理剤を塗布した後、その上に粘着剤を塗布する
か;あるいは多孔性基材に2価以上の金属塩を含浸さ
せ、該基材の一方の面にカルボキシル基を有するポリマ
ー又はその1価の金属塩を含有する粘着剤を塗布し;該
基材の他方の面に剥離剤を塗布することにより製造する
ことができる。以下に本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明の粘着テープには、透湿性、特に発
汗を妨げないように多孔性基材が用いられる。多孔性基
材としては、例えば不織布、紙、布等が挙げられるが、
不織布又は紙が好ましい。
【0008】多孔性基材には、2価以上の金属塩の水溶
液が含浸され、次いでカルボキシル基を有するポリマー
又はその1価の金属塩を含有する処理剤、あるいはそれ
らを含有する粘着剤が塗布されると、塗布面において、
カルボキシル基を有するポリマーが2価以上の金属塩と
なり、不溶性の被膜が形成され、これによって粘着剤の
裏抜けが防止される。
【0009】多孔性基材に2価以上の金属塩の水溶液を
含浸させた場合は、未乾燥のままでカルボキシル基を有
するポリマー又はその1価の金属塩を塗布してもよい
が、乾燥後に塗布するのが好ましい。2価以上の金属塩
の塗布量は少ない程好ましいが、概略0.01〜10g/
m2である。2価以上の金属塩としては、例えばBe、M
g、Ca、Ba、Cu、Zn、Cd、Hg、Al、S
n、Pb、Cr、Mn、Fe、Ni、Sr等の塩化物、
フッ化物、リン酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、
酒石酸塩、酢酸塩等が挙げられ、好ましくはCa、A
l、Ba、Cu、Fe、Pb、Zn、Ni、Sn、C
d、Mn、Cr及び/又はSrである。
【0010】カルボキシル基を有する合成系ポリマーと
しては、カルボキシル基を有するモノマーとこれと共重
合性のコモノマーとの共重合体が挙げられる。カルボキ
シル基を有するモノマーとしては(メタ)アクリル酸、
無水マレイン酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン
酸、無水イタコン酸、グルタコン酸、フマール酸、シト
ラコン酸、ケイヒ酸、ω−カルボキシポリカプロラクト
ンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルア
クリレート、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒド
ロフタル酸、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジ
エンサクシネート、コハク酸モノヒドロキシエチルアク
リレート、カルボキシエチルアクリレート等が例示され
る。
【0011】カルボキシ基を有するモノマーと共重合性
のあるコモノマーとしては、例えば炭素数1〜14のア
ルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジ
ン、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。また水溶性にするための官能基を有
する共重合性のコモノマーの例としてはヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
【0012】これらのカルボキシル基を含有するポリマ
ーは1価の金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩、酢酸塩、
ギ酸塩、金属メトキシド、金属エトキシド等により中和
され水溶性塩として使用される。また、あらかじめカル
ボキシル基を有するモノマーを中和して共重合させるこ
ともできる。共重合体中の酸成分としては3重量%以上
あればよいが、水に溶解しにくい場合はホモポリマーが
水溶性であるモノマーを共重合させる。ホモポリマーが
水溶性のモノマーを共重合させると被膜形成時に膜強度
が向上するので好ましい。またホモポリマーのガラス転
移温度が0℃以下のモノマーを共重合させると被膜に柔
軟性が付与され、更に好ましい態様となる。ガラス転移
温度が0℃以下のホモポリマーを形成するモノマーとし
ては炭素数2〜14のアルキル基を有する(メタ)アク
リル酸エステルが例示される。
【0013】カルボキシル基を有する天然系ポリマーと
しては、例えばアルギン酸、カルボキシメチルセルロー
ス、ペクチン、カラギーナン等が挙げられ、1価の金属
塩としてはNa塩、K塩等が例示される。これらは単独
又は2種以上が混合して用いられる。以上の合成系及び
天然系のポリマー又はその1価の金属塩は水溶性であ
り、2価以上の金属で置換されて水不溶性になっても吸
湿性が優れているため、皮膚の発汗等を吸収しやすく、
更に多孔性の基材を使用しているため吸収された汗等は
蒸発しやすく、汗が皮膚と粘着テープの間に貯留するこ
とが少ない。それによって貼付期間中のテープの粘着力
の低下を防ぐことができる。
【0014】カルボキシル基を有するポリマー又はその
1価の金属塩を含有する処理剤によって形成された不溶
性の被膜は、粘着剤を直接塗工できる程度に薄いほうが
好ましく、該処理剤の処理量は概略0.01〜10g/m2
である。得られた被膜が硬く基材の柔軟性が得られない
場合、あるいはカルボキシル基を有するポリマー又はそ
の1価の金属塩を含有する粘着剤の塗布によって得られ
た粘着テープのタック性が低い場合は、常温で液状の多
価アルコール及び/又はポリオールを配合し柔軟性又は
タック性を改善することができる。多価アルコールとし
ては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、テト
ラエチレングリコール等が挙げられ、ポリオールとして
は、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等が挙げられる。
【0015】カルボキシル基を有するポリマー又はその
1価の金属塩を含有する処理剤の塗布により被膜が形成
された多孔性基材は、被膜形成面又はその反対側の面に
粘着剤が直接塗布・乾燥されて粘着剤層が形成され、粘
着剤層と反対側の面には剥離剤が塗布されて剥離剤層が
形成されてロール状に巻き取られる。
【0016】粘着剤としては、例えばゴム系、アクリル
系、シリコーン系、ビニルエーテル系等の粘着剤が挙げ
られ、これらは単独又は2種以上が混合して用いられ
る。
【0017】ゴム系粘着剤は、天然ゴム、合成イソプレ
ンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレ
ン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン
−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマ
ー、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチル
ゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム等から選ばれる1種以上のエラストマー成分に、
ロジン系樹脂、石油系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン
フェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン系
樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等から選ばれる
1種以上の粘着付与樹脂を配合し、必要に応じ可塑剤、
充填剤、老化防止剤等を配合して得られる。
【0018】通常、エラストマー成分100重量部に対
して30〜200重量部の粘着付与樹脂が配合され、必
要に応じ可塑剤、充填剤、老化防止剤等を配合してトル
エン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタ
ン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メタノール等か
ら選ばれる1種以上の有機溶剤に溶解して粘着液とする
ことができる。
【0019】アクリル系粘着剤は、炭素数1〜18のア
ルキル基のアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸
エステルを主成分とし、これに官能基を有するモノマー
を共重合させて得ることができる。炭素数1〜18のア
ルキル基を有するモノマーとしては、例えばメチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−
オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)
アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリ
レート、トリデシル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0020】官能基を有するモノマーの例としては、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブト
キシメチル(メタ)アクリルアミド、無水マレイン酸、
マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸等が挙げられ
る。
【0021】その他改質モノマーとして添加することの
できるモノマーの例としては、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、N−ビニルピ
ロリドン、ビニルピリジン等が挙げられる。
【0022】これらのモノマーは求められる特性に応じ
て適宜配合され、溶液重合、乳化重合等の従来公知の方
法により重合され、塗工に適した濃度に調整され、必要
に応じて架橋剤が添加され、粘着液とすることができ
る。
【0023】溶液重合に用いられる溶剤としては、酢酸
エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、
トルエン、ヘキサン、メタノール、t−ブチルアルコー
ル、エタノール等が挙げられ、これらは希釈溶剤として
も用いられる。また使用される重合開始剤の例としては
2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、4,4´−ア
ゾビス−4−シアノバレリックアシド、2,2´−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開
始剤;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、ジクミルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオ
キシド等の過酸化物が挙げられる。
【0024】乳化重合に用いられる界面活性剤として
は、通常ノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤
が併用される。ノニオン性界面活性剤としては、脂肪酸
モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸部分エステル、シュ
ガー脂肪酸部分エステル、ポリグリセリン脂肪酸部分エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチ
レンソルビトール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレ
ン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミン、ポ
リオキシエチレンひまし油、ポリエチレングリコール脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピ
レンブロックポリマー等が挙げられる。
【0025】アニオン性界面活性剤の例としては、合成
脂肪酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、アシルコハ
ク酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテルリン酸塩、脂肪酸モノグリセリド
硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスル
ホン酸塩等が挙げられる。
【0026】乳化重合における反応開始剤としては、過
硫酸カリ、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、サクシニ
ックパーオキシド、2,2´−アゾビス(2−メチルプ
ロピオンアミジンヒドロクロリド)等の水溶性の開始剤
が用いられる。
【0027】得られた粘着剤は必要により増粘剤、架橋
剤等が配合されて粘着液となる。
【0028】本発明で使用する粘着剤には、これにカル
ボキシル基を有するポリマー又はその1価の金属塩を配
合することが好ましい。カルボキシル基を有するポリマ
ー又はその1価の金属塩はイオン交換水及び/又は蒸留
水に溶解して添加するのが好ましい。カルボキシル基を
有するポリマー又はその1価の金属塩をメタノール、エ
タノール、プロパノール、アセトン、メチルエチルケト
ン等の水溶性有機溶剤に分散後、イオン交換水及び/又
は蒸留水を添加すると溶解しやすく好ましい。配合量と
しては粘着剤100重量部に対してカルボキシル基を有
するポリマー又はその1価の金属塩が0.01〜20重
量部、好ましくは0.1〜10重量部である。0.01
未満では被膜形成による目止めの効果が少なく、20重
量部を超えると溶液粘度が高くなり、かつ粘着力が低下
する。また界面活性剤を用いてもよく、この場合界面活
性剤としては通常ノニオン性界面活性剤、アニオン性界
面活性剤が併用される。
【0029】ノニオン性界面活性剤の例としては脂肪酸
モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸部分エステル、シ
ュガー脂肪酸部分エステル、ポリグリセリン脂肪酸部分
エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエ
チレンソルビトール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエ
チレングリセリン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチ
レン脂肪アミド、ポリオキシエチレン脂肪アミン、ポリ
オキシエチレンひまし油、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレ
ンブロックポリマー等が挙げられる。
【0030】アニオン性界面活性剤の例としては合成脂
肪酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、アシルコハク
酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリキシエ
チレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテルリン酸塩、脂肪酸モノグリセライド硫
酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン
酸塩等が挙げられる。
【0031】粘着剤の塗布量は、基材の厚さ、柔軟性、
いずれの面に塗布するかにより異なるが、概略10〜1
50g/m2である。10g/m2未満では粘着力が十分に発現
できず、150g/m2を超えると乾燥が不十分となり、ま
た塗布量を増加しても粘着力は高くならないため不経済
である。
【0032】粘着剤が塗布された反対側の面は、巻き戻
しをスムーズにするために剥離性処理が行われる。剥離
剤としては、非シリコーン系剥離剤が好ましく、例えば
ポリビニルアルコールとオクタデシルイソシアネートと
の反応物、ポリエチレンイミンとオクタデシルイソシア
ネートとの反応物、ステアリルアクリレートを含む共重
合体、官能基を有するモノマーとオクタデシルイソシア
ネートとの反応物を含む共重合体等が用いられる。剥離
剤の塗布量は、概略0.1〜10g/m2である。
【0033】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例の
みに限定されるものではない。
【0034】実施例1 セルロース繊維が主体のバインダー加工不織布(坪量:
30g/m2、厚さ:100μm )に、塩化カルシウム水溶
液を塗布乾燥した(塗布量:2.5g/m2)。更に同一面
にアルギン酸ナトリウム水溶液を塗布乾燥(塗布量:1
g/m2)し、アルギン酸ナトリウムがアルギン酸カルシウ
ムに置換されて水不溶性の被膜が形成された不織布基材
を得た。
【0035】該基材の被膜形成面の反対側の面に、2−
エチルヘキシルアクリレートとメタクリル酸(重量比9
7:3)との共重合体の酢酸エチル−トルエン混合溶液
(38重量%共重合体溶液)をガラス板上で塗布(塗布
量:35g/m2)、直後に粘着剤に適度な通気性付与のた
めに水を霧吹きで散布、加熱乾燥し、粘着剤を塗布した
反対側の面にポリビニルアルコールとオクタデシルイソ
シアネートとの反応物のトルエン溶液を塗布(剥離性処
理、塗布量:0.8g/m2)して皮膚用粘着テープを得
た。ガラス板上での粘着剤の塗布は裏抜けすることなく
良好に塗工できた。
【0036】実施例2 セルロース繊維が主体のバインダー加工不織布に、塩化
カルシウム水溶液を塗布乾燥した後、2−エチルヘキシ
ルアクリレートとメタクリル酸(97:3)の共重合体
の酢酸エチル−トルエン混合溶液(38%溶液)100
重量部にアルギン酸ナトリウムのイオン交換水−メタノ
ール(5:1)2%溶液60重量部を添加し粘着剤とし
た。これを上記塩化カルシウム処理基材にガラス板上で
塗布(塗布量:35g/m2)した以外、実施例1と同様に
実施して皮膚用粘着テープを得た。ガラス板上での粘着
剤の塗布は裏抜けすることなく良好に塗布することがで
きた。
【0037】比較例1 実施例1及び2において、それぞれ塩化カルシウム水溶
液とアルギン酸ナトリウム水溶液との処理を行わずに、
粘着液をガラス板状で塗布したが、いずれの場合も粘着
剤が裏抜けしてガラス板がひどく汚れた。
【0038】比較例2 実施例1と同じ粘着剤をシリコーン剥離紙に塗布、直後
に水を霧吹きで散布し、次いでこれを加熱乾燥し、未処
理の不織布に転写して適度に通気性を有する粘着剤層か
らなる粘着シートを得た。更に実施例1と同様に剥離性
処理を行った。該シートと実施例1で得られたシートの
透湿度をJIS Z 0208に規定する防湿包装材料
の透湿度試験方法(カップ法)に準拠して測定した。ま
た両者を左手前腕部に貼付し、24時間後の剥がれ具合
を観察した。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかなように、実施例1で得ら
れた皮膚用粘着シートは、被膜形成処理を施していない
比較例2の不織布に比べ、透湿度が高く、粘着力の低下
が小さい。
【0041】比較例3 実施例2の粘着剤をアルギン酸ナトリウム未添加でシリ
コーン剥離紙に塗布、次いでこれを加熱乾燥し、実施例
2の処理をした不織布に転写して粘着シートを得た。更
に実施例2と同様に剥離性処理を行った。該シートと実
施例2で得られたシートの透湿度をJIS Z 020
8に規定する防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ
法)に準拠して測定した。また両者を左手前腕部に貼付
し、24時間後の剥がれ具合を観察した。結果を表2に
示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2から明らかなように、実施例2で得ら
れた皮膚用粘着シートは、被膜形成処理を施していない
比較例3の不織布に比べ透湿度が高く、粘着力の低下が
小さい。
【0044】実施例3 実施例1において、アルギン酸ナトリウム100重量部
に対してポリエチレングリコール(平均分子量:40
0)を30重量部添加して塗布量を5g/m2にした以外
は、同様にして皮膚用粘着シートを作成した。支障なく
塗工が可能であった。また柔軟性も良好であり、透湿度
が9630g/m2・日になり向上した。
【0045】実施例4 実施例1において、アルギン酸ナトリウムの代りに、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウムを使用した以外
は、同様にして皮膚用粘着テープを作成した。支障なく
塗工が可能であった。また柔軟性も良好であり透湿度は
9350g/m2・日であった。
【0046】実施例5 実施例2において、アルギン酸ナトリウムの配合量を粘
着剤固形分100重量部に対して9.5重量部とした以
外は、実施例2と同様に皮膚用粘着シートを作成した。
粘着剤溶液は濃度が低くなったが支障なく塗工が可能で
あった。透湿度は9540g/m2・日になり向上した。
【0047】実施例6 実施例5において、アルギン酸ナトリウムに対して20
重量%のグリセリンを添加して同様に皮膚用粘着シート
を作成した。実施例5に比べ指触タック感が高く透湿度
は9570g/cm2 ・日であった。
【0048】実施例7 実施例2において、アルギン酸ナトリウムに代えてカル
ボキシメチルセルロースナトリウムを使用した以外は、
実施例2と同様に皮膚用粘着シートを作成した。支障な
く塗工が可能であり、透湿度は9250g/cm2 ・日であ
った。
【0049】実施例8 実施例1及び2において、粘着剤を下記組成物に変え、
また粘着剤塗布面を被膜形成面にして塗布量を25g/m2
にした以外は、同様にして皮膚用粘着テープを作成し
た。両者とも支障なく塗工が可能であり、また柔軟性も
良好で、透湿度はともに9390g/m2・日であった。 天然ゴム 100重量部 石油樹脂 80重量部 軟化剤 40重量部 老化防止剤 2重量部 シクロヘキサン 300重量部 ヘキサン 1000重量部
【0050】実施例9 実施例1及び2において、不織布としてクラフトパル
プ、マニラ麻、ビニロンよりなる和紙に変更した以外
は、同様にして皮膚用粘着シートを得た。両者とも支障
なく塗工が可能であり、また柔軟性も良好で、透湿度は
それぞれ9390及び9460g/m2・日であった。
【0051】実施例10 実施例2において2−エチルヘキシルアクリレートとメ
タクリル酸(97:3)の共重合体の酢酸エチル−トル
エン混合溶液(38%溶液)100重量部に代えて2−
エチルヘキシルアクリレートとメタクリル酸(97:
3)のモノマー組成比を同一にしてモノマー100重量
部、界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1
部、ポリオキシエチレン・ノニルフェニルエーテル5
部)6重量部、イオン交換水120重量部、開始剤(過
硫酸ナトリウム)0.3重量部にて得られた乳化重合系
粘着剤とした以外は同様にして皮膚用粘着シートを得
た。支障なく塗工が可能であり、透湿度は9530g/m2
・日であった。
【0052】実施例11 実施例10で使用したものと同じモノマー100重量
部、界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1
部、ポリオキシエチレン・ノニルフェニルエーテル5
部)6重量部、イオン交換水120重量部、開始剤(過
硫酸ナトリウム)0.3重量部の配合系にアルギン酸ナ
トリウムの2%水溶液60重量部を添加して重合を行
い、得られた乳化重合系粘着剤にて皮膚用粘着シートを
得た。支障なく塗工が可能であり、透湿度は9500g/
m2・日であった。
【0053】実施例12 実施例2において、アルギン酸ナトリウムに代えて2−
エチルヘキシルアクリレート:2−ヒドロキシエチルア
クリレート:アクリル酸(55:30:15)よりなる
共重合体の2/3の酸成分重水酸化ナトリウム中和物に
変え、更に界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ1部、ポリオキシエチレン・ノニルフェニルエーテ
ル5部、対モノマー100重量部)を添加して粘着剤と
し、皮膚用粘着剤シートを得た。支障なく塗工が可能で
あり、透湿度は9390g/m2・日であった。
【0054】
【発明の効果】本発明の粘着テープは、多孔性基材の表
面に強度のある不溶性被膜が形成されるので、高価なシ
リコーン剥離紙を用いないで直接粘着剤の塗工が可能で
あり、そのためコストが安く製造できる。またこの被膜
は水分吸収性が良好であり、かつ透湿性で、特に皮膚の
発汗や代謝を妨げることがなく、皮膚と粘着テープとの
間に汗が貯留することがないので、貼付期間中に粘着力
が低下することがない。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−99180(JP,A) 特開 昭59−124976(JP,A) 特開 平5−177778(JP,A) 特開 平3−161436(JP,A) 特開 昭61−264031(JP,A) 特開 昭60−122569(JP,A) 特表 平6−501038(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 4/00 - 201/10 A61K 9/70

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性基材の一方の面に粘着剤層を有
    し、他方の面に剥離剤層を有する粘着テープにおいて、
    多孔性基材が2価以上の金属塩を含有し、かつカルボキ
    シル基を有するポリマー又はその1価の金属塩の水溶液
    を含有する処理剤を塗布し乾燥させた基材であることを
    特徴とする粘着テープ。
  2. 【請求項2】 多孔性基材の一方の面に粘着剤層を有
    し、他方の面に剥離剤層を有する粘着テープにおいて、
    多孔性基材が2価以上の金属塩を含有し、かつ粘着剤層
    がカルボキシル基を有するポリマー又はその1価の金属
    塩の水溶液を含有する粘着剤を塗布し乾燥させた層であ
    ることを特徴とする粘着テープ。
  3. 【請求項3】 2価以上の金属塩が、Ca、Al、B
    a、Cu、Fe、Pb、Zn、Ni、Sn、Cd、M
    n、Cr及びSrより選ばれる1種以上である請求項1
    又は請求項2の粘着テープ。
  4. 【請求項4】 カルボキシル基を有するポリマーが、ア
    ルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル
    酸、カラギーナン及びペクチンより選ばれる1種以上で
    ある請求項1又は請求項2の粘着テープ。
  5. 【請求項5】 処理剤又は粘着剤が、さらに常温で液状
    の多価アルコール及びポリオールより選ばれる少なくと
    も1種を含む請求項1又は請求項2の粘着テープ。
  6. 【請求項6】 粘着テープが皮膚用粘着テープである請
    求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  7. 【請求項7】 多孔性基材に2価以上の金属塩を含浸さ
    せ、次いで該基材の一方の面にカルボキシル基を有する
    ポリマー又はその1価の金属塩の水溶液を含有する処理
    剤を塗布し乾燥させる工程を含むことを特徴とする、多
    孔性基材の一方の面に粘着剤層を有し、他方の面に剥離
    剤層を有する粘着テープの製造方法。
  8. 【請求項8】 多孔性基材に2価以上の金属塩を含浸さ
    せ、次いで該基材の一方の面にカルボキシル基を有する
    ポリマー又はその1価の金属塩の水溶液を含有する粘着
    剤を塗布し乾燥させる工程を含むことを特徴とする、多
    孔性基材の一方の面に粘着剤層を有し、他方の面に剥離
    剤層を有する粘着テープの製造方法。
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