JP3489970B2 - 貼付剤 - Google Patents
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Description
膚への薬物の分配、拡散、血中への移行によって薬物を
体内に吸収させる。従って、基剤中の薬物の存在状態に
よって皮膚移行率が異なることが知られている。特に粘
着基剤中の薬物濃度が高ければ高いほど皮膚への移行率
が上昇し、さらに粘着基剤中の薬物濃度が飽和溶解度よ
り高い状態、即ち過飽和状態において移行率が高くなる
ことが知られている。
求されるとともに、貼付剤を皮膚に貼付する際の取り扱
い易さ、また、貼付中の異物感の軽減、剥離時の剥離し
易さなどの、取り扱い性及び使用感も要求される。
されている。例えば、特開昭60−16916号公報、
特開昭60−185713号公報、特開昭63−355
21号公報、特開昭63−93714号公報には、粘着
基剤中の薬物濃度を高くして薬物結晶を析出させたり、
さらに飽和溶解度をこえた過飽和状態の貼付剤が提案さ
れている。
通中に過飽和状態が低下することにより薬物結晶が析出
するという問題があり、薬物結晶を析出させた貼付剤
は、過飽和状態以上に粘着剤層に薬物を含有させるた
め、多量の薬物が必要となり製造コストが増大する。ま
た、最初に過飽和状態として徐々に析出させる方法で
は、析出までに時間がかかるため製造効率が著しく低下
する。
に分散した経皮吸収製剤の製造方法について前記公報の
他、特開昭62−273913号公報に記載されてい
る。
せる場合には、上記のように製造効率が低下するという
問題があり、流通段階で析出させる場合には使用者の手
に渡った時の結晶状態を管理することが非常に困難であ
る。
は、粘着基剤や粘着基剤溶液の粘度が高い場合には、結
晶を均一に分散させることが困難であり、均一な品質の
製剤を得ることが困難となる。
に痛みが生じるという問題や、貼り直そうとした時に粘
着性がなくなってしまうという問題がある。このような
問題を解決するために、粘着剤の分子量を大きくする
方法、粘着剤を電子線や光によって架橋する方法、
多官能性イソシアネートなどを含有させた粘着剤をシー
ト状にした後、活性水素を含有する剥離剤で処理する方
法(特開昭53−74539号公報)等が知られてい
る。しかしながら、上記のように、分子量を大きくす
ると粘度が上昇するため医療用粘着剤として用いるため
にフィルター等で濾過することが難しくなり製造効率が
低下しコストが増大する。また上記又はのように、
架橋する場合は新たな工程が増え、特殊な設備が必要と
なり製造コストが増大する。さらに、液状成分を添加し
て剥離時の粘着力を低下させる方法も試みられている
が、液状成分の添加により粘着剤の凝集力が低下し、糊
残りが生じるため、新たに凝集力を向上させる添加物を
配合する必要がある。
性(経皮吸収性)や貼付性においては様々な試みがなさ
れているが、満足のいく製剤は得られていなかった。
以下の提案がされている。例えば、支持体の外側に易剥
離に保持材を取り付け、貼付後その保持材を剥すことに
より、取り扱い性及び使用感の改善を図る試みも多く行
われているが、製造面での困難さやコストの面から、更
には、使用後、剥離時の困難さから未だ実現には至って
いない。
性を改善する方法も試みられており、特開平7−257
87号公報には、強度、柔軟性等の点からポリエチレン
テレフタレートフィルムとポリエチレンテレフタレート
不織布の積層体等が好適に使用されるとの記載があり、
実施例にもポリエチレンテレフタレートフィルム/エチ
レン・メチルアクリレート共重合体積層体フィルムとポ
リエチレンテレフタレート不織布との積層体が示されて
いるが、その柔軟性を維持するために厚み45μmとい
う比較的薄い積層体が用いられており、その取り扱い性
の改善は充分でない。
を解決するものであって、その目的は、薬物として硝酸
イソソルビドが高濃度に安定的に含有され、経皮吸収効
果が高く、かつ剥離時の剥離力が低減され、さらに貼付
時の取り扱い易さ、及び貼付中、剥離時の使用感が良好
な貼付剤を提供する点である。
エステルフィルムとスパンレース不織布の積層体からな
る支持体のポリエステルフィルム面にアクリル系粘着剤
からなる粘着剤層が積層された貼付剤であって、上記粘
着剤層に薬物として硝酸イソソルビド、及び薬物過飽和
安定化剤としてオレイン酸アルキルエステルが含有され
ており、かつ上記薬物が上記粘着剤層に飽和溶解度の
1.2〜2倍の過飽和状態で含有されている。
アクリル酸アルキルエステル(共)重合体が好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例
えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)
アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)ア
クリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル等が挙げられ、これらのうちの1種以上が用いられ
る。
に応じて上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共
重合可能な官能性モノマーを用いることができる。上記
官能性モノマーとしては、例えば、ビニルピロリドン、
酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等が挙げら
れ、さらに、カルボキシル基、水酸基、アミド基、エポ
キシ基、アミノ基等を有するモノマーが挙げられる。
ては、例えば、(メタ)アクリル酸などのα−β不飽和
カルボン酸;マレイン酸ブチルなどのマレイン酸モノア
ルキルエステル;(無水)マレイン酸;クロトン酸;イ
タコン酸;フマル酸等が挙げられる。上記水酸基を有す
るモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロ
ピル、マレイン酸モノ(ヒドロキシエチル)、モノ(メ
タ)アクリル酸エチレングリコール、モノ(メタ)アク
リル酸プロピレングリコール等が挙げられる。
例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルア
ミド、ジエチルアクリルアミドなどのアルキル(メタ)
アクリルアミド;ブトキシメチルアクリルアミド、エト
キシメチルアクリルアミドなどのN−アルコキシ(メチ
ル)アクリルアミド;ジアセトンアクリルアミド等が挙
げられる。上記エポキシ基を有するモノマーとしては、
例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられ
る。上記アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)ア
クリル酸t−ブチルアミノエチル等が挙げられる。上記
官能性モノマーは、粘着剤の粘着性、凝集性に影響を及
ぼさない程度に添加され、通常モノマー全体の0.01
〜50重量%である。
基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル25〜50重量%、アルキル基の炭素数が3以下
の(メタ)アクリル酸アルキルエステル20〜70重量
%及びビニルピロリドン2〜40重量%の割合で共重合
されたものからなるのが好ましい。
方法で重合され、例えば、重合開始剤の存在下で、上記
モノマーを配合して、溶液重合を行うことによって調製
される。ただし重合条件は主としてモノマーの種類によ
り、適宜選択される。
管拡張剤である硝酸イソソルビドに限定される。
は、例えば、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オ
レイン酸プロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ラウ
リル、オレイン酸デシル、オレイン酸パルミチル等が挙
げられ、アルキル基の炭素数が1〜16のオレイン酸ア
ルキルエステルが好ましく、特にオレイン酸デシルが好
ましい。
に対する飽和溶解度以上の薬物を粘着剤層に含有させて
過飽和状態としようとすると、製剤化した時に結晶が析
出したり、製剤化の直後は結晶が析出していなくても経
時的あるいは環境状態等によって結晶が析出してしま
う。本発明の貼付剤においては、粘着剤層中にオレイン
酸アルキルエステルを含有させることにより、過飽和状
態が安定的に維持される。従ってオレイン酸アルキルエ
ステルは、薬物が飽和溶解度以上に含有されている場合
の薬物過飽和安定化剤として作用する。この薬物過飽和
安定化剤としての作用は、オレイン酸アルキルエステル
の中でも、オレイン酸デシルが特に優れている。
ルの含有量は、少なくなると過飽和状態を安定的に維持
することができなくなり、多くなると皮膚への粘着力が
低下したり、凝集力の低下によって糊残りが生じたりす
るので、1〜30重量%であり、好ましくは1〜10重
量%である。この場合、上記薬物は、粘着剤層中に飽和
溶解度以上に含有されているが、含有量が少なくなると
薬物の皮膚への移行率が十分でなく、含有量が飽和溶解
度以下の場合より大きな効果が期待できず、多くなると
過飽和状態が安定に維持できないため、飽和溶解度の
1.2〜2倍である。上記飽和溶解度は粘着剤及びオレ
イン酸アルキルエステルの種類や組成により変わる。
にオレイン酸アルキルエステルを含有させることによ
り、剥離時の剥離力が低減化され、痛みを防ぐことがで
きる。従ってオレイン酸アルキルエステルは、剥離力低
減化剤としても作用する。粘着剤層中のオレイン酸アル
キルエステルの含有量は、少なくなると剥離力が十分に
低減化されないため剥離時に痛みを生じ、多くなると皮
膚への粘着力が低下したり、凝集力の低下によって糊残
りが生じたりするので、1〜30重量%であり、好まし
くは1〜10重量%である。この場合、上記薬物の含有
量は、少なくなると薬物の皮膚への移行率が十分でな
く、多くなると粘着剤層中に結晶が析出したり、過飽和
状態が安定に維持できないため、飽和溶解度の1.2〜
2倍である。
場合、粘着剤としてアルキル基の炭素数が4〜18の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル25〜50重量
%、アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸
アルキルエステル20〜70重量%及びビニルピロリド
ン2〜40重量%からなる共重合体に、飽和溶解度以上
の硝酸イソソルビド、1〜30重量%のオレイン酸デシ
ルを含有させるのが好ましい。
説明する。本発明で用いられる支持体は、ポリエステル
フィルムとスパンレース不織布の積層体である。本発明
で用いられるスパンレース不織布は、通常スパンレー
ス、ウオーターパンチ、ジェットボンド、ウオータージ
ェット等で表現される、バインダーを使わずに繊維を交
絡させる製造方法により製造される。
は適度な剛性と柔軟でソフトな風合いとクッション性を
有することから、該不織布とポリエステルフィルムの積
層体を貼付剤用の支持体として用いた場合、その適度な
剛性により貼付剤の貼付時の取り扱い性が改善されると
ともに、柔軟でソフトな風合いとそのクッション性によ
り異物感が非常に少なく、使用感に優れている。
特に限定されず、ポリエステル、レーヨン、コットン、
ビニロンなどが用いられるが、薬効成分の吸着等の防止
の点からポリエステル繊維を主体とすることが好まし
い。
貼付剤の取り扱い性の改善が不十分であるばかりでな
く、クッション性に乏しく異物感の改善も十分ではな
く、大きくなるとクッション性は大きくなるものの全体
的に固くなり、異物感が強くなるので、20〜50g/
m2 が好ましい。
が高すぎるとスパンレースの特徴が生かせず、また低い
と交絡が充分でなく、繊維の脱落等が起き易くなること
から、ポリエステルフィルムと積層した積層体の厚み
は、100〜400μmであることが好ましい。
して用いた場合には、不織布中への粘着剤層の沈み込み
による貼付性の低下、薬物の移行などが懸念されること
から、本発明では、スパンレース不織布にポリエステル
フィルムを積層したものを支持体として用いる。不織布
とポリエステルフィルムの積層方法は特に限定されるも
のではなく公知の方法が用いられるが、一般的にはポリ
エステル系接着剤を用いた積層が好適に用いられる。
いては、薄くなると不織布との積層が難しくなり、厚く
なると不織布の柔軟でソフトな風合いを損なうようにな
るので、6〜12μmが最も好ましい。
ムの表面には、粘着剤層の性質により、コロナ放電処
理、アンカーコート塗布等の通常用いられる公知の処理
が行われていても良い。
バランスの点から、粘着剤層と支持体を併せた剛軟度
が、JIS L 1085(不織布しん地試験方法)に
規定される45°カンチレバー法によって、15〜60
mmであることが好ましい。
層を保護するため、通常、その貼付面に剥離紙を有して
いる。上記剥離紙としては、一般にポリエチレンテレフ
タレートフィルム、ポリエチレンコート上質紙、ポリプ
ロピレンフィルムなどにシリコン処理したものが用いら
れる。剥離紙の厚みは、1000μm以下、好ましくは
30〜200μmである。
に従い調製することができ、例えば、溶剤塗工法、ホッ
トメルト塗工法、電子線硬化エマルジョン塗工法などを
用いることができ、なかでも溶剤塗工法が好ましい。溶
剤塗工法により貼付剤を調製するには、例えば、粘着剤
溶液に薬物、オレイン酸アルキルエステル及び必要に応
じて吸収促進剤、可塑剤等の添加物を溶解又は分散さ
せ、得られる溶液又は分散液を支持体のポリエステルフ
ィルム面に塗布・乾燥し、所定の厚みの粘着剤層を形成
する。上記溶液又は分散液を剥離紙上に塗布・乾燥した
後、得られる粘着剤層に支持体のポリエステルフィルム
面を密着させてもよい。粘着剤層の厚みは、使用目的に
より異なるが、小さくなると必要量の薬物を含有するこ
とができなくなり、大きくなると支持体付近の薬物が粘
着剤層中に十分に拡散せず薬物放出率が低下するので、
通常10〜200μmである。
常は硝酸イソソルビドを経皮的又は経粘膜的に、体内循
環器系に投与する目的で、皮膚又は粘膜の表面に直接貼
付される。
しく説明する。
40重量%(200g)、アクリル酸エチル50重量%
(250g)、及びビニルピロリドン10重量%(50
g)をセパラブルフラスコに仕込み、重合初期モノマー
濃度が50重量%となるように酢酸エチル500gを加
えた。この溶液を窒素雰囲気下で温度80℃に加熱し、
重合開始剤である過酸化ラウロイルの酢酸エチル溶液を
少量ずつ逐次添加し、32時間にわたり重合を行い、ア
クリル系粘着剤溶液を得た。
〜3に示す組成で、粘着剤溶液、薬物(硝酸イソソルビ
ド)、オレイン酸アルキルエステル(オレイン酸デシ
ル)、及び他の添加物を加え、さらに最終固形分が20
重量%となるように酢酸エチルを添加し、全体が均一と
なるようにボールミルを用いて一晩攪拌し、塗液を得
た。(表中の数値は固形分としての重量%を示す)
テレフタレートフィルム(藤森工業社製)のシリコン処
理面上(剥離紙)に、乾燥後の厚みが40μmとなるよ
うにナイフコーターを用いて塗工し、60℃で30分間
ギアオーブン中で乾燥させ、粘着剤層を形成した。これ
を、以下に示す支持体に、支持体のポリエチレンテレフ
タレートフィルム面が上記粘着剤層に接するようにして
ローラーを用いて貼り合わせ、貼付剤を得た。
レンテレフタレートフィルムと目付け40g/m2 のス
パンレース法によるポリエステル不織布の積層体(東洋
紡社製)。 実施例4〜7及び比較例4〜11:厚み7μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルムと目付け20g/m2 の
スパンレース法によるポリエステル不織布の積層体(東
洋紡社製)。 実施例8:厚み7μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムと目付け70g/m2 のスパンレース法によるポ
リエステル不織布の積層体(東洋紡社製)。 比較例12:厚み6μmのポリエチレンテレフタレート
フィルムと厚み25μmエチレン/酢酸ビニル共重合体
フィルムとの積層体。 比較例13:厚み6μmのポリエチレンテレフタレート
フィルムと目付け8g/m2 のスパンボンド法によるポ
リエステル不織布を、ポリエステル系接着剤を用いて積
層したもの。
を行った。 〔試験例1〕実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた
貼付剤を37cm2 に打ち抜き、1℃に設定された恒温
槽に保存し、36日後に結晶析出の有無を観察した。結
果を表1に示す。 〔試験例2〕上記実施例4〜7及び比較例4〜11で得
られた貼付剤を4cm×4cmに打ち抜き、その粘着面を指
で軽く触って離す操作(指タック試験)を行い、剥離力
と凝集力を官能的に評価した。添加剤を含有しない比較
例4をコントロールとし、比較例4の貼付剤を基準とし
て剥離力又は凝集力の変化を評価した。結果を表2に示
す。
12、13で得られた貼付剤について、幅20mmの試
料を作製し、剥離紙を剥した後、45°カンチレバー法
を用いて剛軟度を測定し、縦・横両方向の平均値を剛軟
度とした。結果を表3に示した。
12、13で得られた貼付剤について、60mm×70
mmに切り抜いた試料を用いて、以下の評価基準にて取
扱性及び使用感を評価し、結果を表3に示した。 取扱性 ◎:非常に貼り易い ○:貼り易い △:貼りにくい ×:非常に貼りにくい 使用感 ◎:非常に良い ○:良い △:悪い ×:非常に悪い
添加しなかった場合、また添加剤としてミリスチン酸イ
ソプロピルを添加した場合は、飽和溶解度の約1.2倍
量の薬物を配合させたもので結晶が析出したが、オレイ
ン酸デシルを添加した場合、飽和溶解度の約1.5倍量
の薬物を配合しているにもかかわらず、結晶の析出は認
められなかった。このことより、オレイン酸デシルを配
合した貼付剤は過飽和状態を安定に維持できることが明
らかである。
用いた実施例は、比較例に対して粘着力が低下してお
り、かつ凝集力が低下していない。すなわち、オレイン
酸デシルを添加することにより、凝集力を低下させずに
剥離力を低減化させることができる。
合した貼付剤は、剥離力を軽減することが可能となり、
さらに中でもオレイン酸デシルは、粘着剤層中に過飽和
状態で存在する薬物の結晶化を抑え、過飽和安定化剤と
して有効であることが分かった。
エステルフィルムとスパンレース不織布の積層体を用い
ることにより、使用時の取り扱い性が良好で貼付時の違
和感がなく、使用感が良好な貼付剤が得られ、本発明の
有用性が明らかとなった。
り、薬物過飽和安定化剤としてオレイン酸アルキルエス
テルが含有されているため、薬物としての硝酸イソソル
ビドを飽和溶解度以上に含有でき、しかも安定的に飽和
溶解度の1.2〜2倍の過飽和状態を維持でき、経皮吸
収効果が高く、かつ剥離時の剥離力が低減され、さらに
支持体にポリエステルフィルムとスパンレース不織布の
積層体が用いられているので、貼付時の取り扱い易さ、
及び貼付中、剥離時の使用感が良好な貼付剤が得られ
る。従って、本発明の貼付剤は血管拡張作用を奏する経
皮吸収貼付剤として有用である。
であり、該貼付剤は、ポリエステルフィルムの厚みが6
〜12μm、スパンレース不織布がポリエステル繊維を
主体としてなり、不織布の目付けが20〜50g/
m2 、かつ支持体の厚みが100〜400μmである請
求項1記載の貼付剤であるので、上記請求項1記載の貼
付剤の効果の全てを奏するとともに、貼付剤の取り扱い
性に特に優れ、また使用感に特に優れる貼付剤である。
であり、該貼付剤は粘着剤層と支持体を併せた剛軟度
が、JIS L 1085に規定される45゜カンチレ
バー法によって、15〜60mmである請求項1又は2
記載の貼付剤であるので、上記請求項1又は2記載の貼
付剤の効果の全てを奏するとともに、取り扱い性と使用
感のバランスに特に優れた貼付剤である。
りであり、オレイン酸アルキルエステルがオレイン酸デ
シルである請求項1〜3のいずれかに記載の貼付剤であ
るので、上記請求項1〜3記載の貼付剤の効果の全てを
奏するとともに、薬物を飽和溶解度より特に高く含有で
き、しかも特に安定的に飽和溶解度の1.2〜2倍の過
飽和状態を維持でき、経皮吸収効果が特に高い。
りであり、アクリル系粘着剤が、アルキル基の炭素数が
4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル25〜
50重量%、アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル20〜70重量%及びビニル
ピロリドン2〜40重量%の割合で共重合されたものか
らなる請求項1〜4のいずれかに記載の貼付剤であるの
で、上記請求項1〜4記載の貼付剤の効果の全てを奏す
るとともに、上記薬物としての硝酸イソソルビドに特に
有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリエステルフィルムとスパンレース不
織布の積層体からなる支持体のポリエステルフィルム面
にアクリル系粘着剤からなる粘着剤層が積層された貼付
剤であって、上記粘着剤層に薬物として硝酸イソソルビ
ド、及び薬物過飽和安定化剤としてオレイン酸アルキル
エステル1〜30重量%が含有されており、かつ上記薬
物が上記粘着剤層に飽和溶解度の1.2〜2倍の過飽和
状態で含有されていることを特徴とする貼付剤。 - 【請求項2】 ポリエステルフィルムの厚みが6〜12
μm、スパンレース不織布がポリエステル繊維を主体と
してなり、不織布の目付けが20〜50g/m2、かつ
支持体の厚みが100〜400μmであることを特徴と
する請求項1記載の貼付剤。 - 【請求項3】 粘着剤層と支持体を併せた剛軟度が、J
IS L 1085に規定される45゜カンチレバー法
によって、15〜60mmであることを特徴とする請求
項1又は2記載の貼付剤。 - 【請求項4】 オレイン酸アルキルエステルがオレイン
酸デシルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載の貼付剤。 - 【請求項5】 アクリル系粘着剤が、アルキル基の炭素
数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル2
5〜50重量%、アルキル基の炭素数が3以下の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル20〜70重量%及び
ビニルピロリドン2〜40重量%の割合で共重合された
ものからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
に記載の貼付剤。
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- 1997-07-23 JP JP19687197A patent/JP3489970B2/ja not_active Expired - Lifetime
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