JPH10147521A - 持続性疼痛緩和用貼付剤 - Google Patents

持続性疼痛緩和用貼付剤

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JPH10147521A
JPH10147521A JP9231864A JP23186497A JPH10147521A JP H10147521 A JPH10147521 A JP H10147521A JP 9231864 A JP9231864 A JP 9231864A JP 23186497 A JP23186497 A JP 23186497A JP H10147521 A JPH10147521 A JP H10147521A
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patch
lidocaine
weight
cataplasm
component
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JP9231864A
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Mayumi Hiraki
真弓 平木
Hiroyuki Fukae
弘之 深江
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Yutoku Pharmaceutical Industries Co Ltd
Original Assignee
Yutoku Pharmaceutical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯状疱疹あるいは帯状疱疹後神経痛などの持
続性疼痛を緩和するのに適する、より薬効、性質の優れ
た貼付剤を開発すること。 【解決手段】 スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体および粘着付与成分を含有する膏体基剤に、
有効成分としてのリドカインと、放出調節剤としての、
流動パラフィン、高級脂肪酸および植物油からなる群よ
り選ばれた油成分を配合し、これを柔軟な支持体上に担
持させたことを特徴とする持続性疼痛緩和用貼付剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、持続性疼痛緩和用
貼付剤に関し、さらに詳しくは薬効成分としてリドカイ
ンと、この吸収を向上させるための油成分を含有し、帯
状疱疹あるいは帯状疱疹後神経痛等の持続性の痛みの軽
減のために利用でき、該薬効成分を安定的にかつ長時間
にわたって経皮吸収させることができる持続性疼痛緩和
用貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】帯状疱疹痛および帯状疱疹後の持続性神
経痛は、老人に比較的多く発症する疾患であるが、この
疾患に対する主な治療法としては、まず神経ブロック療
法がある。これはリドカイン等の局所麻酔剤を用いて、
交感神経節、星状神経節、体性神経節のブロックを行う
ものであるが、1年以上持続した症例ではほとんど効果
がなく、治療回数が多くなるという欠点がある。また硬
膜外ブロックは、局所麻酔剤あるいはそれとステロイド
剤とを併用して硬膜外麻酔を行う療法であるが、患者の
苦痛があるという欠点を有する。さらに、くも膜下ブロ
ック、点滴静注法、局所浸潤注射といった治療法につい
ては、その効果が十分認められていないのが現状であ
る。
【0003】その他、針治療や凍結療法といった療法も
あるが、これらの治療法全般に言えることは、いずれも
特殊な治療手技を要するため、治療時ごとに通院あるい
は入院しなければならないこと、また、治療時において
手間と時間を要するという欠点があることである。
【0004】高齢化社会が取り沙汰されてきている近
年、自宅での治療を可能とすることは患者にとってQO
Lの面からも非常に有用であるが、それを実現する一つ
の方法として、特に患者自身で行うことができない注射
や点滴以外の、経口剤あるいは外用剤といった薬物によ
る有効な治療法の確立が望まれていた。このうち、経口
剤については多く報告されているように、胃腸障害等の
副作用の発現や、標的部位に到達する前に肝臓を経由す
るためそこで一部分解を受ける(初回通過効果)といっ
た問題があり、さらには投与後の薬物の除去ができない
などの欠点があることが知られている。
【0005】このようなことから、患者自身で投与する
ことができ、しかも安全性の高い投与形態として、経皮
投与が注目されつつある。 例えば特開平2−3001
38号公報には、ヘルペス後神経痛の処理に対し、ゲル
ビヒクルによるリドカイン組成物の局部的適用について
開示されている。 しかし、この公報での開示は、ゲル
包帯療法および硬膏による経皮適用であるが、いずれも
粘着性に欠けるため、包帯等で支持する必要があり、実
用性で劣るという欠点がある。
【0006】一方、特開平4−305523号公報に
は、帯状疱疹神経痛及び帯状疱疹後神経痛治療用の外用
貼付剤が開示されている。この外用貼付剤は、水溶性高
分子物質、水及び保水剤を必須成分とする、いわゆる水
系のパップ基剤にリドカインまたはその塩を含有させた
製剤である。 この公報中においては、水分が薬物の透
過性を向上させる作用を持つとしているが、実際にはリ
ドカインは水に余り溶解せず、リドカインを大量に添加
すると水溶性基剤中で結晶が析出することがあるため、
その薬理効果には疑問があるものである。 また、リド
カインに代えてその塩を利用することも考えられるが、
リドカイン塩自体は水に溶けやすいものの、皮膚からは
吸収され難い物質であり、即効性があるとは言い難いも
のである。従って、この公報に開示の製剤は、実際の薬
剤の吸収に関して満足できるとは言い難いものと評価さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、現在帯状
疱疹あるいは帯状疱疹後神経痛などの持続性疼痛を緩和
するのに適した実用性のある貼付剤が提供されていると
は言い難く、より薬効、安全性および貼付特性の優れた
貼付剤の開発が求められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
持続性疼痛を軽減することができる、リドカインを有効
成分とする外用貼付剤の研究を行った。ところで、貼付
剤は水系基剤のパップ剤と油系(非水系)基剤のプラス
ター剤の2つのタイプにほぼ大別される。 本発明者ら
の予備検討の結果、パップ剤は粘着力が比較的低いこと
および水を含むため、リドカインの放出性・経皮吸収性
あるいは薬物安定性に劣る等の面があることを知った。
また、適用後の水分の揮散による性状の変化(薬物放
出性や粘着力にも影響する)が起こる等といった点で、
油系の基剤に比べて多くの問題を含んでいることも知っ
た。 よって、水分を含まない油系の製剤が好ましいと
判断された。しかしながら、単に油系基剤のプラスター
剤にリドカインを配合するだけでは、持続的な経皮吸収
性や十分な粘着性が得られず、持続性疼痛に対する実用
的なリドカイン含有貼付剤を得るためには、更に工夫が
必要であった。
【0009】そこで本発明者は、油系のリドカイン含有
貼付剤において、リドカインの持続的な経皮吸収性と粘
着性を共に具備する製剤を得べく鋭意検討を重ねた結
果、粘着成分としてスチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体を選択し、これに放出調節剤として作用
する特定の油成分を加えた基剤にリドカインまたはその
塩を溶解させることにより、その目的が達成されること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体および粘着付与成分を含
有した膏体基剤に、有効成分としてのリドカインと、放
出調節剤として流動パラフィン、高級脂肪酸および植物
油からなる群より選ばれた油成分を配合し、これを柔軟
な支持体上に担持させたことを特徴とする持続性疼痛緩
和用貼付剤を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の持続性疼痛緩和用貼付剤
(以下、「貼付剤」という)は、粘着主成分であるスチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下、
「SIS」ということがある)と粘着付与成分を含む膏
体基剤中に、リドカインと流動パラフィン、高級脂肪酸
および植物油からなる群より選ばれた油成分を配合して
膏体を調製し、これを常法により柔軟な支持体上に担持
させることにより製造される。
【0012】本発明の有効成分であるリドカインの配合
量は、貼付剤の膏体中、1〜30重量%(以下、単に
「%」という)が好ましく、特に5〜20%が好まし
い。
【0013】基剤成分であるSISは、貼付剤として必
要な粘着性を発揮させるために欠くことのできない成分
である。粘着主成分として、他の物質を用いても膏体は
得られるが、貼付剤の物性等を考慮すると、SISが最
も好ましい。
【0014】このSIS基剤の配合量は、膏体の重量の
5〜50%が好ましく、10〜40%がより好ましい。
5%より少ないと凝集力が低下し、貼付時に糊残りする
等の問題が生ずることがあり、50%を超えると硬くな
り過ぎて接着不良を生ずることがある。
【0015】流動パラフィン、高級脂肪酸および植物油
から選ばれる油成分は、リドカインの膏体からの放出を
調節すると共に、膏体の粘着剤を軟化させるもので、こ
れを配合することにより、長時間にわたるリドカインの
放出と、貼付剤の柔軟な物性を与えるものである。 従
って、この油成分抜きでは、帯状疱疹や、帯状疱疹後神
経痛などの疾患に対して有効な、長時間安定に粘着し、
その間リドカインを放出するという弾性ある柔軟な貼付
剤を得ることはできない。この油成分としては、流動パ
ラフィンが特に好ましい。
【0016】油成分の配合量は、膏体の重量の5〜60
%が好ましく、10〜40%がより好ましい。5%より
少ないと、リドカインの長時間にわたる放出能力と皮膚
への追従性が低下し、60%を超えると柔らかくなりす
ぎ、凝集力がなくなり、貼付時に糊残りが生じることが
ある。
【0017】粘着付与成分は、粘着剤と組み合わせるこ
とによりはじめて粘着性を生み出す樹脂である。この粘
着付与成分が含まれないと、粘着力が発生せず貼付剤と
しての機能を果たし得ない。粘着付与成分としては、例
えばロジン、ポリテルペン樹脂、脂環族飽和炭化水素樹
脂、エステルガム等が好ましい。これらの中でも特に脂
環族飽和炭化水素樹脂が好ましい。
【0018】この粘着付与成分の配合量は、1〜60%
が好ましく、特に20〜50%が好ましい。粘着付与成
分の量が、1%より少ないと接着力がなくなり剥がれ易
くなり、60%を超えると接着力が強すぎて剥離時に痛
みが生じ、角質層の剥離が起こり皮膚刺激の原因となる
ことがある。
【0019】なお、本発明の外用貼付剤には、上記必須
成分の他に、必要に応じ一般の貼付剤に使用される酸化
チタン等の充填剤、ジブチルヒドロキシトルエン等の抗
酸化剤、ハッカ油等の香料、ポリブテン、ポリイソブチ
レン等の軟化剤を添加することができる。
【0020】本発明の貼付剤は、前記のように、上記必
須成分を混合溶解して膏体とし、これを柔軟な支持体上
に担持せしめることにより調製される。その一例を示せ
ば、まず、SIS基剤、油成分、粘着付与成分および任
意成分を加熱下に溶融混合し、そこにリドカインを加え
て混合し、十分溶解させる。次いで、この膏体を柔軟な
支持体に展延し、放冷した後、必要に応じて剥離材を貼
り合わせ、適当な面積に裁断することにより調製でき
る。
【0021】ここで用いられる支持体は、貼付剤を可動
部位へ貼付した時の皮膚の動きに対する追従性を付与す
るため、柔軟なフィルム状またはシート状の素材を用い
ることが好ましい。 好適な素材としては、例えば、不
織布、塩化ビニルフィルム、ニット、織布、ポリウレタ
ンフィルム等を例示でき、この中でも特に不織布、ニッ
トが好ましい。支持体上に形成される膏体の厚みは、5
0〜500μm、特に100〜300μm程度が好まし
い。
【0022】斯くして得られる本発明の貼付剤の好まし
い態様として、例えばリドカインの含量が5〜20%、
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の含
量が20〜40%、流動パラフィン(油成分)の含量が
10〜30%および脂環族飽和炭化水素樹脂(粘着付与
成分)の含量が20〜45%である膏体を、不織布(支
持体)に200〜300μmの厚さで形成したものが挙
げられる。
【0023】以上説明した本発明の外用貼付剤は、帯状
疱疹あるいは帯状疱疹後神経痛といった疾患のみなら
ず、レーザー治療の際の痛みやシミ、ホヤケの治療時・
バイオプシーの際の痛み、熱傷の植皮時や水いぼの治療
時の痛み等の持続性疼痛に対しても優れた効果を有する
ものである。
【0024】
【作用】局所麻酔剤リドカインの経皮的な使用には、静
脈穿刺時などの疼痛の緩和を目的とする場合と、帯状疱
疹や帯状疱疹後神経痛の痛みなどの緩和を目的とする場
合がある。しかし、両者の疼痛緩和のコンセプトには大
きな相違がある。即ち、前者の場合、製剤にはまず即効
性が求められ、静脈穿刺などの処置の時にのみ疼痛緩和
の効果が発揮出来ればよい。一方、後者の場合では、即
効性よりむしろ如何に長時間痛みを抑えることができる
かという、効果の持続性が求められる。そのためには、
効果だけでなく粘着力についても、前者はせいぜい1時
間程度で良いが、後者の場合、長時間(12〜24時
間)の持続性が求められ、患部へ長時間固着し続けなけ
ればならない。本発明の貼付剤は、疼痛緩和効果の持続
性に優れているだけでなく、適用部位への粘着性、追従
性にも優れるという特性を持つため、帯状疱疹あるいは
帯状疱疹後神経痛の疼痛緩和の目的には極めてふさわし
い製剤と言えるものである。
【0025】
【実施例】以下、実施例、比較例および試験例を挙げ
て、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。なお、実施例又は比較例中
「部」は特に断らない限り「重量部」を意味する。
【0026】実施例 1 リドカイン 10部 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体1) 22部 脂環族飽和炭化水素樹脂2) 38部 流動パラフィン 30部 抗酸化剤 0.1部 1)クレイトン D−1107(シェルジャパン社製) 2)アルコン P−100(荒川化学社製)
【0027】スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体以下の各成分を加熱下において溶融し、リドカ
インを加え混合した。次いで、この混合物を不織布上に
展延し、放冷した。これにポリエチレンテレフタレート
フィルムを貼り合わせ適当な大きさに裁断してリドカイ
ンを2.14mg/cm2 含有する貼付剤を得た。
【0028】実施例 2 リドカイン 10部 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体1) 25部 脂環族飽和炭化水素樹脂2) 50部 流動パラフィン 15部 抗酸化剤 0.1部 1)クレイトン D−1112(シェルジャパン社製) 2)アルコン P−90(荒川化学社製)
【0029】実施例1と同様にしてリドカインを2.1
4mg/cm2 含有する貼付剤を得た。
【0030】実施例 3 リドカイン 5部 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体1) 31部 脂環族飽和炭化水素樹脂2) 40部 流動パラフィン 14部 ミリスチン酸イソプロピル 10部 抗酸化剤 0.1部 1)クインタック 3450(日本ゼオン社製) 2)アルコン P−90(荒川化学社製)
【0031】実施例1と同様にしてリドカインを1.0
7mg/cm2 含有する貼付剤を得た。
【0032】実施例 4 リドカイン 10部 スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体1) 25部 脂環族飽和炭化水素樹脂2) 40部 ポリイソブチレン 10部 流動パラフィン 15部 抗酸化剤 0.1部 1)クレイトン D−1117(シェルジャパン社製) 2)アルコン P−90(荒川化学社製)
【0033】実施例1と同様にしてリドカインを2.1
4mg/cm2 含有する貼付剤を得た。
【0034】比較例 1 油成分(流動パラフィン)を配合しない以外は、実施例
1と同様にして、リドカインを2.14mg/cm2
有する貼付剤を得た。
【0035】比較例 2 粘着付与成分(脂環族飽和炭化水素樹脂)を配合しない
以外は、実施例1と同様にして、リドカインを2.14
mg/cm2 含有する貼付剤を得た。
【0036】比較例 3 パップ剤: リドカイン 10部 D−ソルビトール 10部 グリセリン 20部 プロピレングリコール 10部 ポリアクリル酸ナトリウム 4部 カルボキシメチルセルロースナトリウム 5部 ポリアクリル酸 3部 パラオキシ安息香酸メチル 0.1部 パラオキシ安息香酸プロピル 0.05部 水酸化アルミニウム 0.3部 精製水 残量 全 量 100部
【0037】精製水にD−ソルビトールおよびポリアク
リル酸を加え混合した。そこに、プロピレングリコール
およびリドカインを混合溶解した液を更に加えて混合し
た。この混合物に、グリセリンにポリアクリル酸ナトリ
ウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、水酸化
アルミニウム、パラオキシ安息香酸メチルおよびパラオ
キシ安息香酸プロピルを分散させた液を加え、均一にな
るまで十分に混合した。得られた膏体を不織布上に展延
し、ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わ
せ、適当な大きさに裁断して、リドカインを10mg/
cm2 含有する貼付剤を得た。
【0038】比較例 4 実施例1で得た膏体を、不織布に代えてポリエチレンフ
ィルムに展延する以外は実施例1と同様にして貼付剤を
得た。
【0039】比較例 5 不活性ガス雰囲気下でフラスコ内にアクリル酸−2−エ
チルヘキシル95部と、アクリル酸5部を仕込み、重合
開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.3部を添
加し、酢酸エチル中で温度60℃に維持しつつ重合して
アクリル系感圧性接着剤溶液A(固形分41.2%)を
得た。この溶液の固形分90部に対して、リドカイン1
0部を加え、酢酸エチルを加えて全固形分35%の溶液
を得た。得られた溶液をポリエステル製剥離紙に塗布
し、これを温度100℃で5分間乾燥させ、リドカイン
10%含有感圧接着剤層を得た。得られたリドカイン含
有感圧接着剤層をポリエステル製支持体に貼り合わせ、
リドカインを2.14mg/cm2含有する貼付剤を得
た。
【0040】試験例 1 貼付試験:健康な皮膚の成人の、皮膚の動きの比較的大
きい部分である側胸部(帯状疱疹の好発部位)に、実施
例1〜3、比較例1〜4で得られた貼付剤(10cm×
7cmの大きさに裁断したもの)を貼付した。貼付後2
時間および6時間後の貼付状態を調べた。
【0041】(結果)結果を表1に示す(n=20)。
表1から明らかなように、実施例1〜3の貼付剤は、6
時間後までよく皮膚に粘着していた。しかし、比較例1
の貼付剤は、膏体の柔軟性がないため、固着性が弱かっ
た。比較例2の貼付剤は全く粘着性がなかった。比較例
3の貼付剤は、実施例のものに比べ粘着力が弱かった。
比較例4の貼付剤は、支持体の伸縮性がなく、皮膚の動
きに追従しないため、めくれ、脱落が発生した。
【0042】
【表1】
【0043】試験例 2 薬物透過性試験:フランツ型拡散セルを用いて、ヘアレ
スマウスの腹部摘出皮膚を透過するリドカインの量をH
PLCにより定量した。実施例1、2および比較例3、
5で得られた貼付剤をそれぞれ直径1.7cmの円形に
打ち抜き、拡散セルの皮膚上に貼付した。レセプター側
にはpH6.8リン酸緩衝液を用い、経時的にレセプタ
ー液を採取して薬物透過量を測定した。
【0044】(結果)結果を図1に示す(n=3)。図
から明らかなように、実施例1、2の貼付剤では薬物が
経時的にヘアレスマウスの皮膚を透過し、その透過性は
比較例に比べ優れていた。比較例3の貼付剤は 全体的
に透過性が低かった。また、比較例5の貼付剤は、試験
開始から6時間後までは実施例と差がなかったが、それ
以降透過量は増加しなかった。
【0045】試験例 3 薬理試験:健康な皮膚の成人の前腕部内側に対して、製
剤貼付予定領域をマンドリン線で刺激して痛みを感じる
点をあらかじめ6点選択し、印を付けた。次にその領域
に実施例1、2および比較例3、5で得た貼付剤を貼付
した。貼付後経時的に印を付けた部分をマンドリン線で
刺激し、6点のうち痛みを感じた点の数を痛みのスコア
とした。
【0046】(結果)結果を図2に示す(n=3)。図
から明らかなように、実施例1、2の貼付剤について
は、貼付後速やかに効果が発現し、長時間持続した。比
較例3の貼付剤は、効果が弱かった。また、比較例5の
貼付剤は、貼付直後は実施例と同様に速やかに効果を発
揮したが、効果の持続性は十分でなかった。
【0047】試験例 4 臨床試験:帯状疱疹患者および帯状疱疹後神経痛患者各
3名につき、実施例1、比較例3および5で得た貼付剤
を、起床時および入浴後(又は就寝前)の1日2回適用
し、その痛みの軽減効果を調べた。痛みは、視覚的アナ
ログ目盛法(VAS;Visual Analogue
Scale Method)によりその程度を測定し
た。
【0048】(結果)結果を図3に示す。図から明らか
なように、実施例1の貼付剤は、これらの疾患に伴う痛
みの軽減に有効であり、比較例のものよりも効果が優れ
ることが確認された。比較例3の貼付剤は、薬物の吸収
性が不十分であることと、粘着性に劣るため密着性が完
全でないことから、結果的に効果が弱かったものと考え
られた。また、比較例5の貼付剤は、持続性に劣るとい
った特性から、効果が弱かったものと考えられた。
【0049】
【発明の効果】本発明の貼付剤は、薬物を定量的に効
率よく放出させることができ、使用方法が簡便である
とともに、長時間にわたる貼付が可能であり患者のコ
ンプライアンスの改善につながる等の優れた特性を有す
る。しかも、疼痛緩和効果の持続性に優れ、かつ適用部
位への粘着性、追従性に優れるため、帯状疱疹あるいは
帯状疱疹後神経痛等の疼痛緩和の目的には極めてふさわ
しい製剤である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2及び比較例3、5の貼付剤の試験
結果を示すもので、貼付時間とそれに対する薬物透過量
の推移を示す図面である。
【図2】実施例1、2及び比較例3、5の貼付剤の試験
結果を示すもので、貼付時間および除去後時間に対する
痛みを感じた点の数(スコア)の変化を示す図面であ
る。
【図3】実施例1及び比較例3、5の貼付剤の試験結果
を示すもので、貼付時間に対する痛みのVASの変化を
示す図面である。 以 上

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
    ク共重合体および粘着付与成分を含有する膏体基剤に、
    有効成分としてのリドカインと、放出調節剤としての、
    流動パラフィン、高級脂肪酸および植物油からなる群よ
    り選ばれた油成分を配合し、これを柔軟な支持体上に担
    持させたことを特徴とする持続性疼痛緩和用貼付剤。
  2. 【請求項2】 リドカインの含量が1〜30重量%、ス
    チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の含量
    が5〜50重量%、油成分の含量が5〜60重量%およ
    び粘着付与成分の含量が1〜60重量%である請求項第
    1項記載の持続性疼痛緩和用貼付剤。
  3. 【請求項3】 粘着付与成分が、ロジン、ポリテルペン
    樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂およびエステルガムから
    なる群より選ばれたものである請求項第1項または第2
    項記載の持続性疼痛緩和用貼付剤。
  4. 【請求項4】 帯状疱疹あるいは帯状疱疹後神経痛の痛
    みを軽減するための、効果の持続性に優れ、かつ、除去
    後には速やかに薬効が消失することで安全性に優れるも
    のである請求項第1項ないし第3項のいずれかの項記載
    の持続性疼痛緩和用貼付剤。
  5. 【請求項5】 膏体が、リドカイン1〜30重量%、ス
    チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体5〜5
    0重量%、流動パラフィン5〜60重量%および脂環族
    飽和炭化水素樹脂1〜60重量%を含み、帯状疱疹ある
    いは帯状疱疹後神経痛の痛みの軽減に用いられるもので
    ある持続性疼痛緩和用貼付剤。
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