JP2004224701A - 外用貼付剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体に膏体層を設けてなる外用貼付剤において、該膏体層中に薬効成分としてツロブテロール、その塩又はそれらの混合物と、基剤成分としてゴム系粘着剤、粘着付与剤及び油成分を含有し、かつ該薬効成分を該膏体層中に溶解状態で含有せしめてなる外用貼付剤。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は薬効成分を含有する外用貼付剤に関する。さらに詳しくは、ゴム系粘着剤、粘着付与剤及び油成分を含む膏体層中に薬効成分であるツロブテロールもしくはその塩又はそれらの混合物(以下、単にツロブテロールと呼ぶことがある)を溶解状態で含有し、結晶析出による粘着力の変化がなく、かつ、低濃度で十分な経皮吸収性を示し、ツロブテロールを長時間に亘って安定的に吸収させることができる外用貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
外用貼付剤は、経口剤を服用した場合に問題となる薬効成分の副作用の発現や生物学的利用率の低下等がなく、かつ薬効成分を持続的に投与できる点で、非常に優れた投与形態の一つである。例えば、種々の消炎鎮痛薬を含有した外用貼付剤が、打撲、捻挫、筋肉疲労から起こる痛み、肩こりに伴う痛み、腰痛及び関節痛などの治療剤として開発され、市販されている。
【0003】
一方、近年ではツロブテロールを持続的に吸収させ、かつ、経口投与における急激な血中濃度の上昇を抑制するための製剤が開発されている。ツロブテロールは交感神経のβ2受容体刺激薬であり、これまで経口剤、吸入剤等が使用されていた。しかしながら、経口剤、吸入剤等では作用の持続性が不十分であり、夜間や明け方に頻発する喘息発作に対して良好な効果を得ることができないものであった。また、β2受容体刺激薬には心悸亢進、顔面紅潮、不整脈等の循環器系の副作用、振戦、頭痛、不眠、めまい等の精神神経系の副作用、悪心・嘔吐、食欲不振、下痢等の消火器系の副作用、その他血清カリウム値の低下などの副作用が知られているため、これら副作用を回避することも重要な課題であった。
【0004】
これまでに検討されている、ツロブテロールを含有する経皮吸収型・気管支拡張剤としては、例えば、特許文献1〜6等に示されるような経皮吸収型製剤が開示されている。
【0005】
特許文献1及び3はポリイソブチレンを主体とする感圧接着剤を有する経皮投与用医薬製剤である。この製剤はツロブテロールの持続放出性及び安定性に優れるが、ツロブテロールを完全に溶解させることは困難であり、ツロブテロールの一部又は全部が固形状態で分散して存在するため、ツロブテロールの経皮吸収性及び持続性や、製剤の粘着力が経時的に変化する問題があった。
【0006】
特許文献2は少なくとも一種のスチレン−1,3−ジエン−スチレンブロックコポリマーを有するマトリックス層からなる経皮投与用医薬製剤及びその製造方法である。この製剤の特徴は溶剤を使用しないホットメルト塗付方法(ホットメルト法)で経皮吸収製剤を製造することにより、溶剤の蒸発及びそれに伴う活性物質の蒸発による環境汚染、健康へのダメージを抑制し、蒸発に伴うロスを抑えてコストを削減できることである。しかしながら、ホットメルト法であってもマトリックス層成分を加熱溶融する際にツロブテロールが揮散し、製剤中のツロブテロール含量が低下する問題があった。
【0007】
特許文献4及び5は粘着剤に対して飽和溶解度以上のツロブテロールを膏体層中に含有し、ツロブテロールの一部が膏体層中に結晶状態で分散して存在する製剤である。この製剤は膏体層中に溶解しているツロブテロールが経皮吸収されて減少すると、結晶状態のツロブテロールが膏体層中に溶解し、経皮吸収により減少した分の溶解状態のツロブテロールを補うため、長時間に亘りツロブテロールの高い経皮吸収性を保持することができる。しかしながら、この製剤は製剤保存中に薬剤の結晶化が徐々に進行し、製剤の粘着力及び薬剤放出性が経時的に低下する問題があった。
【0008】
特許文献6は膏体層中に溶解状態にてツロブテロールを5重量%以上含有することを特徴とする経皮吸収型製剤である。この製剤は、ツロブテロールを高濃度で完全に溶解した状態で膏体層中に保持することにより薬剤放出性や皮膚粘着性の経時変化が少なく、経皮吸収性、特に投与初期における経皮吸収性に優れ、さらに有効血中濃度を長時間維持することによる薬効の持続性にも優れることが特徴である。しかしながら、この製剤は投与初期、特に製剤貼付開始から1〜2時間後頃に高い薬物放出性及び経皮吸収性を示すため、急激な血中濃度上昇を原因とする副作用等の発現が懸念される。一方、製剤貼付開始から2時間後以降では薬物放出性は徐々に低下するため、薬物の経皮吸収性および血中濃度が低下し、明け方に頻発する喘息発作に対して十分な効果が得られない等の問題が懸念される。
【0009】
【特許文献1】
特開平4−99720号公報
【特許文献2】
特開平5−194202号公報
【特許文献3】
特開平5−238953号公報
【特許文献4】
特開平7−285854号公報
【特許文献5】
WO97/14411号公報
【特許文献6】
特開平11−228395号公報
【0010】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、製剤の安定性、粘着力、経皮吸収性、効果の持続性に優れた外用貼付剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の組成からなる膏体層中にツロブテロールを低濃度で含有することにより、製造時のツロブテロールの含量低下を抑制し、かつ、優れた粘着力、経皮吸収性及び効果の持続性を有する外用貼付剤が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち本発明は、支持体に膏体層を設けてなる外用貼付剤において、該膏体層中に薬効成分としてツロブテロールと、基剤成分としてゴム系粘着剤、粘着付与剤及び油成分を含有し、かつ該薬効成分が該膏体層中に溶解状態で含有してなることを特徴とする外用貼付剤を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の外用貼付剤において使用される薬効成分はツロブテロールである。なお、該ツロブテロールとしてはツロブテロール、その薬学的に許容される塩又はそれらの混合物を使用することができる。
【0014】
本発明の外用貼付剤において使用される粘着剤成分としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられるが、本発明においてはツロブテロールの溶解性や安定性、さらに製造時のコスト、品質設計の容易さや、再現性などを考慮して、ゴム系粘着剤を使用することが好ましい。
【0015】
上記ゴム系粘着剤のゴム成分としては、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエンゴムから選ばれた1種を単独で、あるいは2種以上を併用することが好ましい。
【0016】
本発明の外用貼付剤において使用される粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂あるいはその水添樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂から選ばれた1種を単独で、あるいは2種以上を併用することが好ましい。
【0017】
本発明の外用貼付剤において使用される油成分としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル、ポリブテン、液状ゴムから選ばれた1種を単独で、あるいは2種以上を併用することが好ましい。
【0018】
本発明の外用貼付剤は、上記ゴム系粘着剤、粘着付与剤及び油成分と、薬効成分であるツロブテロールを組み合わせて膏体層中に配合することにより、ツロブテロールを完全に溶解した状態で保持することが可能となり、結晶析出による粘着力の変化がなく、かつ、治療上十分な量のツロブテロールの経皮吸収性を有し、さらに急激な薬物血中濃度上昇がなく、有効血中濃度を長時間維持することによる効力の持続性を有する外用貼付剤を得ることが可能となった。
【0019】
本発明の外用貼付剤におけるツロブテロールは、膏体層中に溶解状態にて含有されていることが必要である。膏体層中にツロブテロールが過飽和状態で存在すると、経時的にツロブテロールの結晶が析出するようになり、製剤の粘着力、経皮吸収性及び薬剤放出性が変化するため、好ましくない。
【0020】
本発明の外用貼付剤は、ツロブテロールの放出速度をコントロールするために、膏体層中に吸収促進剤を配合することができる。該吸収促進剤としては、例えば、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オレイルアルコール等の(多価)アルコール類、ジメチルアセトアミド等のアミド類、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸類、メントール、リモネン等のテルペン類、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸プロピル等の高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル等の界面活性剤、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類などを挙げることができ、これらは必要に応じて1種を単独で、あるいは2種以上を併用して使用することができる。
【0021】
本発明の外用貼付剤の膏体層中には、上記各成分に加え、公知の任意成分を加えることができる。この任意成分としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、例えばひまし油、ラノリン等の軟化剤などを挙げることができ、これらは必要に応じて適宜配合される。
【0022】
上記の外用貼付剤における支持体は、好ましくはツロブテロールの放出性に影響しないものであり、伸縮性及び非伸縮性のいずれのものも用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン等の合成樹脂フィルム又はシートあるいはこれらの積層体、多孔質体、発泡体、紙、及び不織布等より選択され、使用される。
【0023】
また、外用貼付剤における、膏体層を被覆するための剥離フィルムないし剥離紙は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の高分子材料で作られたフィルムや、紙の上にシリコーンオイル等を塗付したものより選択され、使用される。
【0024】
本発明の外用貼付剤の製造方法は公知の製造方法、例えば、ツロブテロール及びその他の膏体層成分を酢酸エチル、ヘキサン、トルエン等の有機溶媒に完全に溶解させ、この溶解物を剥離シートもしくは剥離紙又は支持体上に展延し、該溶解物中の溶媒を蒸発させ膏体層を形成した後、支持体又は剥離シートもしくは剥離紙を貼り合わせることによって外用貼付剤を得る方法(以下、溶剤法とする)や、ツロブテロール及びその他の膏体層成分を加熱溶融させ、この溶融物を剥離シートもしくは剥離紙又は支持体上に展延し、膏体層を形成した後、支持体又は剥離シートもしくは剥離紙を貼り合わせることによって外用貼付剤を得る方法(以下、ホットメルト法とする)などが挙げられるが、溶剤法により製造する方法が好ましい。ホットメルト法ではツロブテロール及び膏体層成分を加熱溶融する際にツロブテロールが揮散し、製剤中のツロブテロール含量が低下する問題があるため、好ましくない。
【0025】
本発明の外用貼付剤における膏体層中のツロブテロールの含有量は好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜4質量%である。ツロブテロールの含有量が0.1質量%未満では十分なツロブテロールの経皮吸収性が得られない。また、5質量%を超える含有量では、投与初期に急激な薬物放出性及び血中濃度の上昇による副作用の発現等の問題、製剤保存中においてツロブテロールの結晶が析出することにより製剤の粘着力やツロブテロールの経皮吸収性が経時的に変化する等の問題があり、好ましくない。
【0026】
かくして得られた本発明の外用貼付剤はツロブテロールを完全に溶解した状態で膏体中に保持することができ、経時的な結晶析出に伴う粘着力やツロブテロール経皮吸収性の低下がなく、かつ、治療上十分な量のツロブテロールの経皮吸収性を有し、さらに有効血中濃度を長時間維持することによる効力の持続性を有する。さらに、製造時のツロブテロールの揮散による含量低下等がなく、比較的低濃度で従来品と同等以上の経皮吸収性や持続性を期待できるものである。
【0027】
【実施例】
以下、実施例及び試験例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等になんら制約されるものではない。
【0028】
実 施 例 1
以下の処方及び製法を用いて、外用貼付剤(本発明品1)を得た。
【0029】
( 処 方 )
【0030】
( 製 法 )
天然ゴム、脂環族飽和炭化水素樹脂、流動パラフィン、ジブチルヒドロキシトルエンをトルエン中で混合撹拌した後、ツロブテロールを加えさらに混合撹拌し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて剥離フィルム(ポリエステル製)に塗工後、熱風乾燥し、塗工面に支持体(ポリエステル製)を貼り合わせて外用貼付剤を得た。
【0031】
実 施 例 2
以下の処方及び製法を用いて、外用貼付剤(本発明品2)を得た。
【0032】
( 処 方 )
【0033】
( 製 法 )
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、脂環族飽和炭化水素樹脂、ポリブテン、流動パラフィン、ジブチルヒドロキシトルエンをトルエン中で混合撹拌した後、ツロブテロール、ミリスチン酸イソプロピルを加えさらに混合撹拌し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて剥離フィルム(ポリエステル製)に塗工後、熱風乾燥し、塗工面に支持体(ポリエステル製)を貼り合わせて外用貼付剤を得た。
【0034】
実 施 例 3
以下の処方及び製法を用いて、外用貼付剤(本発明品3)を得た。
【0035】
( 処 方 )
【0036】
( 製 法 )
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、脂環族飽和炭化水素樹脂、流動パラフィン、ジブチルヒドロキシトルエンをトルエン中で混合撹拌した後、ツロブテロール、ミリスチン酸イソプロピルを加えさらに混合撹拌し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて剥離フィルム(ポリエステル製)に塗工後、熱風乾燥し、塗工面に支持体(ポリエステル製)を貼り合わせて外用貼付剤を得た。
【0037】
実 施 例 4
以下の処方及び製法を用いて、外用貼付剤(本発明品4)を得た。
【0038】
( 処 方 )
【0039】
( 製 法 )
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、ロジン系樹脂、流動パラフィン、ジブチルヒドロキシトルエンをトルエン中で混合撹拌した後、ツロブテロールを加えさらに混合撹拌し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて剥離フィルム(ポリエステル製)に塗工後、熱風乾燥し、塗工面に支持体(ポリエステル製)を貼り合わせて外用貼付剤を得た。
【0040】
実 施 例 5
以下の処方及び製法を用いて、外用貼付剤(本発明品5)を得た。
【0041】
( 処 方 )
【0042】
( 製 法 )
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、ロジン系樹脂、流動パラフィン、ジブチルヒドロキシトルエンをトルエン中で混合撹拌した後、ツロブテロールを加えさらに混合撹拌し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて剥離フィルム(ポリエステル製)に塗工後、熱風乾燥し、塗工面に支持体(ポリエステル製)を貼り合わせて外用貼付剤を得た。
【0043】
実 施 例 6
以下の処方及び製法を用いて、外用貼付剤(本発明品6)を得た。
【0044】
( 処 方 )
【0045】
( 製 法 )
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、ロジン系樹脂、流動パラフィン、ジブチルヒドロキシトルエンをトルエン中で混合撹拌した後、ツロブテロールを加えさらに混合撹拌し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて剥離フィルム(ポリエステル製)に塗工後、熱風乾燥し、塗工面に支持体(ポリエステル製)を貼り合わせて外用貼付剤を得た。
【0046】
実 施 例 7
以下の処方及び製法を用いて、外用貼付剤(本発明品7)を得た。
【0047】
( 処 方 )
【0048】
( 製 法 )
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、ロジン系樹脂、流動パラフィン、ジブチルヒドロキシトルエンをトルエン中で混合撹拌した後、ツロブテロールを加えさらに混合撹拌し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて剥離フィルム(ポリエステル製)に塗工後、熱風乾燥し、塗工面に支持体(ポリエステル製)を貼り合わせて外用貼付剤を得た。
【0049】
比 較 例 1
以下の処方及び製法を用いて、外用貼付剤(比較品1)を得た。
【0050】
( 処 方 )
【0051】
( 製 法 )
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、脂環族飽和炭化水素樹脂、ポリブテン、流動パラフィン、ジブチルヒドロキシトルエン、ツロブテロールを加熱混合し、均一な融解物を得た。次にこの融解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて剥離フィルム(ポリエステル製)に塗工後、塗工面に支持体(ポリエステル製)を貼り合わせて外用貼付剤を得た。
【0052】
比 較 例 2
以下の処方及び製法を用いて、外用貼付剤(比較品2)を得た。
【0053】
( 処 方 )
【0054】
( 製 法 )
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、ロジン系樹脂、流動パラフィン、ジブチルヒドロキシトルエンをトルエン中で混合撹拌した後、ツロブテロールを加えさらに混合撹拌し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて剥離フィルム(ポリエステル製)に塗工後、熱風乾燥し、塗工面に支持体(ポリエステル製)を貼り合わせて外用貼付剤を得た。
【0055】
比 較 例 3
以下の処方及び製法を用いて、外用貼付剤(比較品3)を得た。
【0056】
( 処 方 )
【0057】
( 製 法 )
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、ロジン系樹脂、流動パラフィン、ジブチルヒドロキシトルエンをトルエン中で混合撹拌した後、ツロブテロールを加えさらに混合撹拌し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて剥離フィルム(ポリエステル製)に塗工後、熱風乾燥し、塗工面に支持体(ポリエステル製)を貼り合わせて外用貼付剤を得た。
【0058】
試 験 例 1
放出試験:
膜透過セルを用い、上記処方及び製法で得られた本発明品4、5及び比較品1の外用貼付剤からのツロブテロール放出性を検討した。膜透過セルに貼付剤を貼付した後、これをインビトロ膜透過試験器に装着し、レセプター液にpH7.4リン酸塩緩衝液を使用し、レセプター液中へ移行したツロブテロールの量を測定し、放出率を算出した。なお、ツロブテロールの定量はHPLC法により行った。結果を図1に示す。
【0059】
図1から明らかなように、本発明品4及び5は試験開始時より徐々に薬物が放出されて経時的に放出率が増大したのに対し、比較品1は試験開始30分後に高い薬物放出率を示したものの、1時間後以降の薬物放出率はほとんど増加せず、ツロブテロール放出の持続性は認められなかった。
【0060】
試 験 例 2
粘着力試験:
上記処方及び製法で得られた本発明品5及び比較品3の外用貼付剤を室温で6ヶ月保存したときのプローブタック値を測定し、試験開始時のプローブタック値と比較することにより粘着力の経時変化を検討した。プローブタック値は、プローブタック試験機を用いて、直径5mmのステンレス製鏡面のプローブを、荷重100gf、接触時間1秒、プローブの引き剥がし速度600mm/minの条件の下で測定した。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
表1から明らかなように、本発明品5の試験開始時と保存6ヶ月後のプローブタック値は同程度であり、製剤保存中の粘着力の変化は認められなかったのに対し、比較品3の保存6ヶ月後のプローブタック値は試験開始時のほぼ半分の値であり、製剤保存中に粘着力が経時的に低下していることが確認された。
【0063】
試 験 例 3
貼付剤中ツロブテロール含有量測定:
上記処方及び製法で得られた本発明品2及び比較品1の外用貼付剤の膏体層中のツロブテロール含有量をHPLC法により測定し、添加量に対する貼付剤中ツロブテロール含有量を算出した。結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
表2から明らかなように、溶剤法で調製した本発明品2の膏体層中のツロブテロール含有量は添加量に対して100%であり、ツロブテロール含有量の低下は認められなかったのに対して、ホットメルト法で調製した比較品1のツロブテロール含有量は添加量に対して89%であり、貼付剤製造においてツロブテロール含有量が11%低下したことが確認された。
【0066】
【発明の効果】
本発明の外用貼付剤は、ゴム系粘着剤、粘着付与剤及び油成分と、薬効成分であるツロブテロールを組み合わせて膏体層中に配合することにより、ツロブテロールを完全に溶解した状態で保持することが可能となり、結晶析出による粘着力の変化がなく、かつ、治療上十分な量のツロブテロールの経皮吸収性を有し、さらに急激な薬物血中濃度上昇がなく、有効血中濃度を長時間維持することによる効力の持続性を得ることができるものである。
【0067】
また、本発明の外用貼付剤は、溶剤法により製造することにより、製造時及び/又は製剤保存時のツロブテロール含量の低下を抑制することができ、優れた安定性、薬理効果の持続性を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1の放出試験における、本発明品4、5及び比較品1の外用貼付剤のツロブテロール放出率を示したグラフである。
Claims (7)
- 支持体に膏体層を設けてなる外用貼付剤において、該膏体層中に薬効成分としてツロブテロールもしくはその塩又はそれらの混合物と、基剤成分としてゴム系粘着剤、粘着付与剤及び油成分を含有し、かつ該薬効成分が該膏体層中に溶解状態で含有してなることを特徴とする外用貼付剤。
- ゴム系粘着剤が天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエンゴムからなる群から選ばれた1種又は2種以上である請求項第1項記載の外用貼付剤。
- 粘着付与剤がロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂あるいはその水添樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂からなる群から選ばれた1種又は2種以上である請求項第1項又は第2項記載の外用貼付剤。
- 油成分がパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル、ポリブテン、液状ゴムからなる群から選ばれた1種又は2種以上である請求項第1項ないし第3項のいずれかの項記載の外用貼付剤。
- 膏体層中の薬効成分含有量が0.1〜5質量%である請求項第1項ないし第4項のいずれかの項記載の外用貼付剤。
- 膏体層中の薬効成分含有量が0.5〜4質量%である請求項第1項ないし第5項のいずれかの項記載の外用貼付剤。
- 溶媒に溶解された膏体層成分を含有する溶解物を剥離フィルムもしくは剥離紙又は支持体上に展延し、該溶解物中の溶媒を蒸発させ膏体層を形成した後、支持体又は剥離フィルムもしくは剥離紙を貼りあわせることを特徴とする請求項第1項ないし第6項のいずれかの項記載の外用貼付剤の製造方法。
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