JP2003327527A - 発熱体積層経皮投与製剤 - Google Patents

発熱体積層経皮投与製剤

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JP2003327527A
JP2003327527A JP2002136996A JP2002136996A JP2003327527A JP 2003327527 A JP2003327527 A JP 2003327527A JP 2002136996 A JP2002136996 A JP 2002136996A JP 2002136996 A JP2002136996 A JP 2002136996A JP 2003327527 A JP2003327527 A JP 2003327527A
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JP2002136996A
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English (en)
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Yukio Ogita
幸雄 荻田
Seiichi Fukuzakura
征一 福桜
Katsuyuki Io
勝幸 猪尾
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Teikoku Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Teikoku Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた薬物放出特性、優れた粘着力と高い安
全性を持つ経皮投与製剤の提供。 【解決手段】 発熱体を配した支持体上にポリアクリル
酸、その架橋剤及び少なくとも1種の多価アルコールを
必須成分とする実質的に水を含まない粘着性ゲルに、経
皮吸収性薬物を配合して得られる薬物含有粘着性ゲル基
剤からなる薬物保持層を設けた発熱体積層経皮投与製
剤。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、発熱体が収蔵され
た特定の包体を配した支持体に、経皮吸収性薬物を分散
もしくは溶解して含有する粘着剤を積層させることによ
り、温度上昇による薬物の吸収効率促進に基づいた高い
薬効効果を有する経皮投与製剤に関するものである。更
に詳しくは、上記粘着剤としてポリアクリル酸、その架
橋剤及び多価アルコールを必須成分とする実質的に水を
含まない粘着性ゲルを使用することにより、優れた放出
特性と柔軟性を有し、また優れた粘着力と高い安全性を
併せ持つことを特徴とする経皮投与製剤に関する。 【0002】 【従来の技術】経皮投与製剤を用いて薬物を投与する種
々の試みが古くからなされている。例えば、親水性の経
皮吸収製剤としてはゼラチン、ポリビニルアルコール、
カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル
酸ナトリウム等の水溶性高分子を水に溶解し、架橋剤で
架橋することにより成形される基剤中に経皮吸収性薬物
を配合する、いわゆる経皮吸収型パップ剤が知られてお
り、一部市販もされている。他方、水を含まない親油性
基剤からなる外用貼付剤として、ゴム系、アクリル系、
シリコン系等の粘着剤に経皮吸収性薬物を配合するプラ
スター剤やテープ剤の研究も盛んに行われている。上に
挙げた経皮吸収製剤においては、一般に皮膚(角質層)
が薬物吸収の際に強力なバリヤーとして働くため、薬効
成分の皮膚からの吸収性が低く、それを補うために、エ
タノール、N-dodecylazacycloheptan-2-one(商品名:A
ZONE)等の吸収促進剤が使用されている。これらの吸収
促進剤は、元来生体の防御膜たる皮膚を透過させるため
に、皮膚に対する攻撃性を有している。すなわち、今日
の経皮吸収製剤は、相反する要素である吸収の促進と製
剤の皮膚に対する安全性とのバランスの上に成り立つと
言える。しかしながら、塩酸モルヒネ、フェンタニル等
のような高い鎮痛作用を示す薬物、またエストラジオー
ル、ノルエチステロン等のようなホルモン剤において
は、経皮吸収製剤化の高いニーズがあるにも拘わらず、
薬物自身が低い経皮吸収性しか示さないことから、皮膚
刺激性を有する経皮吸収促進剤の添加が必要不可欠とな
っている。従って、上記薬物を含有する経皮吸収製剤と
しては、エタノール等を含有したリザーバー型経皮吸収
製剤が実用化されているが、吸収促進剤を使用すること
による高い皮膚刺激性などの好ましくない点が解決され
ていない。近年、従来の貼付剤に発熱体を組み合わせる
ことで、安全性を維持しながらも血行等の代謝の促進に
よって薬理効果を向上させる試み(特開平5-170644号公
報、特開平8-92075号公報等)、或いは温熱による経皮
吸収性薬物の吸収効率の促進によって薬理効果を向上さ
せる試み(特開昭62-265218号公報、特開平8-127532号
公報等)が為されつつある。 【0003】しかしながら、これらにおいても、従来の
親水性基剤あるいは親油性基剤よりなる貼付剤を用いて
いることから、下記のような問題点が十分に解決されて
いないのが現状である。親水性基剤(パップ剤) 1)皮膚への粘着力が弱いため貼付にはカバーシート、
サポーター等の固定の手段が必要とされる。 2)基剤が水により構成されているため貼付時あるいは
保存時に水分の揮散がおこり物性のコントロールが困難
である。また基剤を薄く塗布(500g/m2以下)した場
合、基剤からの水分揮散の増大を招くので薄く塗布する
ことは困難である。 3)塗布基剤が厚くなるため、発熱体と外皮間の距離が
広がり温熱による吸収促進効果が得にくく、製剤深部の
薬物利用率が低い等の問題がある。 4)架橋が不十分なときは体温により軟化し、皮膚に基
剤が残り、また架橋が進みすぎると固くなりすぎ粘着力
を失う等、架橋のコントロールが難しい。 5)基剤が含水のため、加水分解等安定性に悪影響を受
ける薬物がある。 【0004】親油性基剤(プラスター剤、テープ剤) 1)粘着力が強いため剥離時に痛みを伴い、長時間使用
しているとムレ、カユミ、発赤等を生じる等の問題があ
る。 2)有機溶媒を使用する粘着剤では、その人体や環境へ
及ぼす影響が無視できない。 3)基剤成分が親油性のものに限定されるため、特定の
薬物しか配合できない。特に水溶性の薬物の配合は難し
い。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
温熱による皮膚攻撃性の少ない薬物吸収促進効果、更に
経皮吸収された薬物が温熱による血行促進作用により高
い薬理効果を発揮すると共に、加熱によって変質するこ
となく薬剤を保持し、良好な使用感を与える発熱体積層
貼付剤を得るために、従来の粘着剤基剤が有する上記の
問題点を解決し得る粘着基剤の開発に着手した。貼付剤
の粘着剤は下記に示すような物性を満足することが望ま
れる。 1)基本的な粘着物性(粘着力、タック、凝集力)を備
え、それが長期間の保存或いは貼付している間にも変化
のないもの。 2)塗布重量が50〜500g/m2の範囲でも十分粘着力
を備えている。すなわち適当な粘着力を有し貼付には補
助手段を必要とせず、剥離時に痛みを伴ったりすること
がない。 3)薬物が基剤より持続的かつ定量的に放出され、その
利用率が高い。 4)皮膚への親和性が高く、ムレ、カブレ、発赤等がな
く安全性が高い。 5)製造が容易で特殊な設備を必要としない。 本発明者らは鋭意研究の結果、粘着剤として実質的に水
を含まない親水性のポリアクリル酸ゲルを架橋して得ら
れる粘着性ゲル基剤を用いることにより、支持体上に発
熱体を配しながらも、上記の物性を維持し得ることを見
出し、本発明を完成するに至った。 【0006】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、発熱
体を配した支持体上にポリアクリル酸、その架橋剤及び
少なくとも1種の多価アルコールを必須成分とする実質
的に水を含まない粘着性ゲルに、経皮吸収性薬物を配合
して得られる薬物含有粘着性ゲル基剤からなる薬物保持
層を設けたことを特徴とする経皮投与製剤を提供するも
のである。本発明において使用される発熱体は、特に限
定されるものではないが、外皮に適用することを前提と
する為、皮膚に接触する粘着層の温度が40℃前後に継
続的に制御されるものが好ましい。発熱の方法としては
化学的手段或いは電気的手段が想定される。化学的な発
熱の手段としては、例えば鉄粉、活性炭及び塩類等から
なる発熱体組成物を通気性フィルムで構成されたシート
状袋体に封入したものによる化学的な反応熱の利用(特
開昭54−155984、特開昭56−20450、特開昭64−9280)
が可能である。また一方、電気的な発熱法としては、例
えば、ニクロム線に通電し、ジュール熱による発熱を利
用したニクロム線ヒータ、または該ニクロム線ヒータ等
に遠赤外線放射物質を組み合わせることによる遠赤外線
放射による加熱等が可能である。 【0007】しかしながら、電気的な発熱手段を採用す
る場合には、携帯性と持続性を両立した電力の供給源を
設定する必要があることから、貼付剤に積層する発熱体
としては化学的手段の方がより簡便であり、好ましい。
また、支持体を構成する素材は、貼付時の剥離を防止す
る点からも身体の動きに追従しやすい柔軟性に富む薄い
ものが望ましく、例えば各種の不織布、織布、ネル、ス
パンデックス、或いはこれらの不織布にポリエチレンフ
ィルム、エチレンビニルアセテート、ポリウレタンフィ
ルム等をラミネート加工したものが用いられる。これら
のものに上記の発熱体を積層もしくは収蔵して支持体を
構成すればよい。本発明の粘着性ゲル基剤に用いられる
ポリアクリル酸は、多価アルコールに可溶であり架橋剤
により三次元の網目構造を形成し耐熱性を付与するとと
もに、その網目構造中に安定的に多価アルコールを保持
する役目も果たしている。またポリアクリル酸は粘着付
与剤としても優れ、基剤を薄く塗布した場合にでも粘着
力の優れた貼付剤を提供することが可能である。そのポ
リアクリル酸としては通常の市販のものが用いられる
が、10%水溶液の粘度が5,000〜150,000 (cps/25
oC)、分子量10万〜200万、重合度1500〜30000の範囲の
ものが好ましい。特に分子量50万〜120万がより好まし
い。重合度がこの範囲を下回ると成形性が保てず、多価
アルコールの分離が認められる。また、この範囲を上回
る場合には、ポリアクリル酸−多価アルコール溶液の粘
度が著しく高くなり、調製が困難となる。 【0008】配合量は通常、粘着ゲル基剤中1〜20%
(重量%、以下同じ)、好ましくは3〜15%の範囲で
選定すればよい。1%以下では充分な三次元の網目構造
が形成されずゲルが軟弱なものとなり、また20%をこ
えると粘着性ゲル基剤が固くなりすぎ粘着力の低下ある
いは薬物の皮膚への移行が阻害され好ましくない。架橋
剤は、多価アルコールに溶解したポリアクリル酸を架橋
することにより三次元のネットワークを形成させ、人に
投与したとき或いは高温での保存・使用時に基剤成分が
流れ出さないように耐熱性を付与するものである。本発
明で使用される架橋剤は通常の多価金属塩であり、例え
ば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム
アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、メタケ
イ酸アルミン酸マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウ
ムアミノアセテート等が挙げられ、これらを1種または
2種以上を使用する。配合量は通常、ゲル基剤中7%以
下、好ましくは0.01〜5%の範囲で選定すればよ
い。 【0009】多価アルコールはポリアクリル酸の溶解剤
として機能するが、ある種の薬物の溶解剤としての作用
も期待されるもので、例えばエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール(マクロゴール)、プロピレングリ
コール、1,3−ブチレングリコール、3−メチル−1,
3−ブタンジオール、グリセリン等が挙げられ、これら
を1種または2種以上使用する。配合量は通常粘着ゲル
基剤中50〜95%、好ましくは55〜90%の範囲で
選定すればよい。50%未満では多価アルコールがポリ
アクリル酸の溶解剤としての役目を果たさず、ゲル基剤
中の粘度が上昇し作業性が低下する。また95%を越す
と他成分の配合が困難となり、粘着性、保形性、耐熱性
等の基本的な貼付剤の特性が維持できなくなる。粘着性
ゲル基剤に溶解或いは分散して配合される経皮吸収性薬
物は、特に限定されるものではないが、例えばサリチル
酸メチル、l−メントール、カンフル、アセトアミノフ
ェン、ジクロフェナク、アスピリン、フェルビナク、ケ
トプロフェン、インドメタシン、ベンタゾシン、ピロキ
シカム、塩酸ブプレノルフィン等の鎮痒・収斂及び解熱
・鎮痛・消炎剤、アミノ安息香酸エチル、塩酸テトラカ
イン、塩酸プロカイン、塩酸ジブカイン、塩酸リドカイ
ン等の局所麻酔剤、塩酸ジフェンヒドラミン、メキタジ
ン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸ケト
チフェン、オキサトミド等の抗ヒスタミン剤、マレイン
酸チモロール、塩酸クロニジン、塩酸ブニトロロール、
塩酸ブラゾシン、塩酸プロプラノロール、酢酸グアナベ
ンズ、ピンドロール等の血圧降下剤、硝酸イソソルビ
ド、ニコランジル、ニトログリセリン、ニフェジピン、
塩酸ジルチアゼム等の冠血管拡張剤、臭化水素酸デキス
トロメトルファン、燐酸ジメモルファン、塩酸ブロムヘ
キシン、塩酸エフェドリン、硫酸テルブタリン、硫酸サ
ルブタモール、塩酸トリメトキノール、塩酸クロルプレ
ナリン、フマル酸フォルモテロール、硫酸マブテロール
等の鎮咳去痰剤、その他の抗悪性腫瘍剤、抗生物質、漢
方製剤等が挙げられ、これらを1種または必要に応じ2
種以上配合される。 【0010】更に、従来の技術では十分な安全性と共に
吸収効率を得ることができなかったヒドロコルチゾン、
酢酸ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン、デキサメタ
ゾン、酢酸デキサメタゾン、ブレドニゾロン、酢酸ブレ
ドニゾロン等の副腎ホルモン剤、エストロゲン、エスト
ラジオール等の卵胞ホルモン、ノルエチステロン、エチ
ニルノルエチステロン、ゲストデン等の黄体ホルモン剤
の薬剤も配合し得る。このように粘着性ゲル基剤はポリ
アクリル酸、その架橋剤、及び少なくとも1種の多価ア
ルコールを必須成分とするが、必要に応じて通常の高分
子物質を配合してもよい。例えばカルボキシメチルセル
ロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン
オキサイド、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デキス
トリン等が挙げられる。配合量は通常、粘着性ゲル基剤
中7%以下、好ましくは0.1〜5%の範囲で用いるこ
とができる。本発明の経皮投与製剤を調製するには、ま
ずポリアクリル酸を多価アルコールに加えて加熱溶解さ
せ、溶解後、これに経皮吸収性薬物を混合させ、ついで
架橋剤を加えて粘着性ゲル基剤を調製する。この粘着性
ゲル基剤を発熱体を配した支持体上に塗布して薬物保持
層を設ける。塗布量は、通常、50〜700g/m2であ
る。このようにして調整された薬物保持層を有する支持
体を所望の大きさに裁断することにより外用剤貼付剤と
して用い得る経皮投与製剤が得られる。 【0011】 【実施例】 【0012】以下実施例及び比較例並びに試験例を挙げ
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。なお、実施例中「部」は特に
ことわらない限り「重量部」である。 上記グリセリンにポリアクリル酸(ジュリマー AC-10SH
P:分子量80万)を加え約100℃で加熱溶解し、冷却後、
これにインドメタシン、マクロゴール 400混合液を混合
撹拌し、最後にメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを加
え粘着基剤を得る。次にレーヨン製不織布にエチレンビ
ニルアセテートをラミネートした支持体上に、該粘着性
ゲルを300 g/m2 の量で塗布し、その上にライナーを貼
り合わせ、これを所望の大きさに裁断して貼付剤を得
る。最後に、この貼付剤に発熱板(40℃恒温)を支持層
側に貼り合わせて発熱体積層経皮投与製剤を得る。 【0013】 上記グリセリン、プロピレングリコール混合液にポリア
クリル酸(ジュリマーAC-10SHP:分子量80万)を加え約
100℃で加熱溶解し、冷却後、これにエストラジオー
ル、クロタミトン混合液を混合撹拌し、最後にメタケイ
酸アルミン酸マグネシウムを加え粘着基剤を得る。次に
レーヨン製不織布にエチレンビニルアセテートをラミネ
ートした支持体上に、該粘着性ゲルを300g/m2 の量で塗
布し、その上にライナーを貼り合わせ、これを所望の大
きさに裁断して貼付剤を得る。最後に、この貼付剤に発
熱板(40℃恒温)を支持層側に貼り合わせて発熱体積層
経皮投与製剤を得る。 【0014】比較例1 実施例1の製剤において発熱板を貼り合わせていない貼
付剤。 【0015】比較例2 実施例2の製剤において発熱板を貼り合わせていない貼
付剤。 【0016】 上記ゼラチン、ポリビニルアルコールを溶解した精製水
にカオリンを加え混合撹拌し、これにインドメタシン/
マクロゴール 400 溶液及びエタノールを加え、最後に
グリセリンに分散したポリアクリル酸ナトリウム、硫酸
アルミニウムアンモニウム、Tween-80を加え粘着性基剤
を得る。次にこの粘着性基剤をレーヨン製不織布上に1,
000g/m2 の量に塗布し、その上にライナーを貼り合わ
せ、貼付剤を得る。 【0017】 上記ゼラチン、ポリビニルアルコールを溶解した精製水
にカオリンを加え混合撹拌し、これにインドメタシン/
マクロゴール 400溶液を加え、最後にグリセリンに分散
したポリアクリル酸ナトリウム、硫酸アルミニウムアン
モニウム、Tween-80を加え粘着性基剤を得る。次にこの
粘着性基剤をレーヨン製不織布上に1,000g/m2 の量に塗
布し、その上にライナーを貼り合わせ貼付剤を得る。最
後に、この貼付剤に発熱板(40℃恒温)を支持層側に貼
り合わせて発熱体積層経皮投与製剤を得る。 【0018】比較例5 比較例4の製剤において発熱板を貼り合わせていない貼
付剤。 【0019】 上記スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体、ポリブテン、流動パラフィン、ジブチルヒドロキシ
トルエンを窒素気流下にて110〜200℃、60分間加熱撹拌
し溶解する。次に、これにエストラジオール、クロタミ
トン、AZONE混合液を混合撹拌して粘着基剤を得る。次
にこの粘着性基剤をレーヨン製不織布上に100g/m2 の量
に塗布し、その上にライナーを貼り合わせ貼付剤を得
る。 【0020】上記スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体、ポリブテン、流動パラフィン、ジブチルヒドロキシ
トルエンを窒素気流下にて110〜200℃、60分間加熱撹拌
し溶解する。次に、これにエストラジオール、クロタミ
トン混合液を混合撹拌して粘着基剤を得る。次にこの粘
着性基剤をレーヨン製不織布上に100g/m2の量に塗布
し、その上にライナーを貼り合わせ貼付剤を得る。最後
に、この貼付剤に発熱板(40℃恒温)を支持層側に貼り
合わせて発熱体積層経皮投与製剤を得る。 【0021】比較例8 比較例7の製剤において発熱板を貼り合わせていない貼
付剤。 【0022】 上記グリセリンにポリアクリル酸(ジュリマー AC-10L
P:分子量2万)を加え約100℃で加熱溶解し、冷却後、
これにインドメタシン、マクロゴール 400混合液を混合
撹拌し、最後にメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを加
え粘着基剤を得る。次にレーヨン製不織布にエチレンビ
ニルアセテートをラミネートした支持体上に、該粘着性
ゲルを300g/m2 の量で塗布し、その上にライナーを貼り
合わせ、これを所望の大きさに裁断して貼付剤を得る。 【0023】 上記グリセリン、プロピレングリコール混合液にポリア
クリル酸(ジュリマーAC-10LP:分子量2万)を加え約10
0℃で加熱溶解し、冷却後、これにエストラジオール、
クロタミトン混合液を混合撹拌し、最後にメタケイ酸ア
ルミン酸マグネシウムを加え粘着基剤を得る。次にレー
ヨン製不織布にエチレンビニルアセテートをラミネート
した支持体上に、該粘着性ゲルを300g/m2 の量で塗布
し、その上にライナーを貼り合わせ、これを所望の大き
さに裁断して貼付剤を得る。 【0024】試験例1(ヒト皮膚刺激性試験) 健常成人男子5名の下腕内側に直径20mm の実施例1、実
施例2、比較例3〜8の製剤を8時間貼付した。貼付後8時
間目に各貼付剤を取り除き、その後、1時間後の皮膚反
応を観察した。皮膚刺激性は表1に示す判定基準に基づ
いて判定し、刺激指数を算出した。その結果を表2に示
した。 【0025】 【表1】[2] 刺激指数の算出方法 刺激指数 = 100 × スコアの合計 / 試験者数 【0026】 【表2】 表2の結果から明らかなように、吸収促進剤を含有する
貼付剤(比較例3、6)では強い皮膚刺激が生じるのに対
し、本発明に係る貼付剤は問題となるような皮膚刺激性
は認められなかった。 【0027】試験例2(ヒト皮膚における製剤製剤官能
試験) 試験例1実施後における試験製剤剥離後の貼付部位の状
態や製剤の剥離感を、各試験者の官能試験により製剤物
性を判定した。表3に官能試験の判定基準を、表4及び表
5に判定結果を示す。 【0028】 【表3】表3 試験製剤剥離時における膏体残りと剥
離力の判定基準 【0029】 【表4】【0030】 【表5】 表4の結果から明らかなように、パップ剤(比較例3、
4、5)では膏体残りが生じ、それは特に熱を加えた場合
(比較例4)で顕著であった。また、表5の結果、プラス
ター剤(比較例6、7、8)の剥離力が強く、剥離時に痛
みを感じることがあった。パップ剤の剥離力は概して弱
く、剥がれやすかった。更に低分子量のポリアクリル酸
を用いた製剤(比較例9、10)では、熱を加えていない
にも拘わらず、著しい膏体残りが認められ実用性に乏し
いものであった。それらに対して、本発明に係る貼付剤
は貼付部位での膏体残りもなく、適度な剥離力をもち良
好な粘着性を示した。 【0031】試験例3(ラット血中濃度測定試験) 5〜6週令ウイスター系雄性ラットの背部を除毛後、皮膚
に異常のない5匹のラットを一群として試験に用いた。
除毛した皮膚に、2×3cm2に切断した実施例1〜2及び比
較例1〜8の貼付剤を投与し、0、4、8、12時間目に0.5 m
Lずつ採血し、高速液体クロマトグラフィーで血中の有
効成分量を測定した。結果を図1及び図2に示した。図1
及び図2から明らかなように、本発明に係る貼付剤は発
熱体を積層することにより、発熱体を積層しない貼付剤
に比べ高い薬物吸収性を示していた。また吸収促進剤を
加えた貼付剤(比較例3と6)と同等の薬物吸収性を示し
た。 【0032】以上の試験1〜3を実施した結果を以下の表
6及び表7に総括した。 【表6】以上に示したとおり、本発明において用いられた粘着性
ゲル基剤は従来のパップ剤に比べて、優れた製剤物性を
有していることが明らかとなった。更に、発熱体の積層
により、優れた吸収特性を有しながらも高い安全性を維
持している。 【0033】 【表7】 以上に示したとおり、本発明において用いられた粘着性
ゲル基剤は従来のパップ剤に比べて、安全性を犠牲にす
ることなく、十分な製剤物性を有する。更に発熱体を積
層することによって、吸収促進剤に頼ることなく優れた
吸収特性を示す。以上の結果から、本発明に係る発熱体
積層経皮投与製剤は従来の技術に比べて、優れた製剤特
性及び吸収特性を有し、かつ皮膚刺激性も低く安全性が
高い優れた貼付剤であると言える。 【0034】 【製剤例】本発明に係る発熱体積層経皮投与製剤の具体
的な製剤例を示す。 【0035】 【0036】通気性の多孔質フィルムよりなる扁平状袋
中に上記発熱剤を均等に封入し、レーヨン製不織布にエ
チレンビニルアセテートをラミネートしたフィルム上に
配し、レーヨン製不織布を更に張り合わせて、支持体を
得る。グリセリンにポリアクリル酸(ジュリマー AC-10
HP:分子量80万)を加え約100℃で加熱溶解し、冷却
後、これにインドメタシン、マクロゴール 400、1,3−
ブチレングリコール混合液を混合撹拌し、最後にメタケ
イ酸アルミン酸マグネシウムを加え粘着基剤を得る。次
に上記の支持体上に、該粘着性ゲルを300 g/m2 の量で
塗布し、その上にライナーを貼り合わせ、これを130mm
×95mmの大きさに裁断して発熱体積層経皮投与製剤を得
る。 【0037】 上記の処方に基づき、製剤例1の製法に準じて発熱体積
層経皮投与製剤を得る。 【0038】 上記の処方に基づき、製剤例1の製法に準じて発熱体積
層経皮投与製剤を得る。 【発明の効果】本発明の発熱体積層経皮投与製剤は、発
熱体を積層した支持体に、ポリアクリル酸、その架橋剤
及び多価アルコールを必須成分とする実質的に水を含ま
ない粘着性ゲル基剤に経皮吸収性薬物を分散または溶解
させた薬物保持層を設けるという構造を有する結果、そ
の貼付箇所を加温することにより皮膚表面の透過性を上
げることによって、皮膚攻撃性の少ない吸収促進効果を
有し、また、従来の技術では十分な安全性と共に吸収効
率を得ることができなかった薬剤も経皮吸収薬剤として
製剤化を可能とする。更に温熱による血行促進作用によ
り高い薬理効果を発揮せしめることができる。加えて、
粘着剤として実質的に水を含まない親水性のポリアクリ
ル酸ゲルを架橋して得られる粘着性ゲル基剤を用いるこ
とによって、基剤が加熱により変質することなく薬剤を
保持し、良好な使用感を与える。
【図面の簡単な説明】 【図1】インドメタシン含有経皮投与製剤のラット血中
濃度推移である。―□―:実施例1、―○―:比較例
1、―■―:比較例3、―●―:比較例4、―▲―:比
較例5を示す。 【図2】エストラジオール含有経皮投与製剤のラット血
中濃度推移である。―□―:実施例2、―○―:比較例
2、―■―:比較例6、―●―:比較例7、―▲―:比
較例8を示す。 【図3】本発明に係る発熱体積層経皮投与製剤の切断面
図である。 【図4】本発明に係る発熱体積層経皮投与製剤の展開部
分破砕斜視図である。 【符号の説明】 1.:発熱剤、2.:多孔質フィルム製の扁平状袋、
3.:レーヨン製不織布(エチレンビニルアセテートラ
ミネート)、4.:レーヨン製不織布、5.:粘着性ゲ
ル基剤(薬剤を含有)、6.:剥離紙を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/32 A61M 37/00 A61M 37/00 A61P 17/00 A61P 17/00 29/00 29/00 A61K 31/405 // A61K 31/405 A61J 1/00 370C Fターム(参考) 4C076 AA74 BB31 CC05 DD29 DD38A EE09A FF02 FF34 4C086 AA01 BC15 MA03 MA05 MA32 MA63 NA11 ZB11 4C099 AA01 CA19 GA02 HA05 JA01 JA04 LA05 LA08 LA14 LA16 TA04 4C167 AA72 BB13 BB41 BB42 CC01 GG02 GG14 GG16 GG41 HH30

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 発熱体を配した支持体に、経皮吸収性薬
    物を分散もしくは溶解して含有する粘着剤を積層してな
    る経皮投与製剤において、粘着剤としてポリアクリル
    酸、その架橋剤及び多価アルコールを必須成分とする実
    質的に水を含まない粘着性ゲルを用いることを特徴とす
    る経皮投与製剤。
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