JP2000225185A - 救急絆創膏 - Google Patents

救急絆創膏

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JP2000225185A
JP2000225185A JP11030683A JP3068399A JP2000225185A JP 2000225185 A JP2000225185 A JP 2000225185A JP 11030683 A JP11030683 A JP 11030683A JP 3068399 A JP3068399 A JP 3068399A JP 2000225185 A JP2000225185 A JP 2000225185A
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JP
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pressure
skin
adhesive layer
acrylate
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JP11030683A
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English (en)
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Takashi Kinoshita
隆士 木之下
Kyoji Oka
京磁 岡
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Nitto Denko Corp
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Toyo Kagaku Co Ltd
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Toyo Kagaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐水性や屈曲部接着性、糊残り防止性、皮膚
非刺激性に優れると共に貼付時のタック感を向上させ、
剥離時の痛みの少ない救急絆創膏を提供する。 【構成】 支持体の片面にオルガノシロキサン系ポリマ
ー及び(メタ)アクリル酸エステルと官能性モノマーと
の共重合体から形成されたアクリル系ポリマーを、重量
比5:95〜19:81若しくは5:95〜14:86
の比率で含有する粘着剤層を設け、その表面中央域に吸
液性パッドを設ける。当該粘着剤層は、ミクロ層分離構
造を有している。また、支持体としてはポリエステル系
ポリウレタンやポリエーテル系ポリウレタンのフィルム
を用いることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は救急絆創膏に関す
る。具体的には、予め吸液用パッド等が備えられ、傷ぐ
ち等の保護のために皮膚面に貼付されて用いられる救急
絆創膏に関する。
【0002】
【従来の技術】救急絆創膏は、一般には、皮膚貼付用粘
着シートの粘着剤層に、ガーゼなどの吸液用パッド等が
貼着されて構成されている。この救急絆創膏の基材層と
して用いられる皮膚貼付用粘着シートは、通常、プラス
チックフィルムや布帛などの支持体の片面に皮膚貼付用
の粘着剤層が設けられている。この救急絆創膏は粘着剤
層を皮膚面に直接貼付して使用されるので、皮膚面に対
する優れた接着性と共に皮膚面に対する非刺激性なども
要求される。これらの要求特性は長時間にわたって貼付
する場合に極めて重要である。特に、救急絆創膏にあっ
ては指関節や膝関節のような屈曲部に貼付した場合で
も、皮膚接着性の維持や、水仕事したり入浴した場合な
どでも脱落しないような耐水性の付与、剥離時の無痛
性、剥離後に粘着剤が皮膚面に残存しないことなどの特
性が必要となる。
【0003】このような要求特性を満たすものとして、
従来から汎用されているポリ塩化ビニルなどの支持体の
代替材料として、メルトブロー不織布やポリオレフィン
を用いたものが提案されている。これらは使用する支持
体基材の観点から上記問題点の解決にアプローチしたも
のであって、柔軟性やしなやかさを皮膚貼付用粘着シー
トに付与して、皮膚接着性や皮膚追従性、皮膚非刺激性
などを良好に試みたものである。
【0004】しかしながら、このような皮膚貼付用粘着
テープが皮膚面に接触するのは粘着剤であって、このよ
うに支持体の選定だけでは十分な解決までには至ること
ができなかった。そこで、本願発明者らは直接的な解決
を図るべく粘着剤からのアプローチを試み、特開平9−
206369号公報に、オルガノシロキサン系ポリマー
と(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする
アクリル系ポリマーをある比率で含有させた粘着剤を用
いた皮膚貼付用粘着テープ(皮膚貼付材)を提案してい
る。
【0005】当該皮膚貼付用粘着テープによれば、耐水
接着性や屈曲部接着性、糊残り防止性、皮膚非刺激性な
どに優れた特性を有することが分かっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、肌の弱
いところ、例えば上腕内側などの貼付部位によっては、
剥離時に痛いと感じる場合もあり、また、実際の使用に
おいて使用前の粘着剤表面層のタック感がやや不足して
いると感じられる人もあった。このように、上記皮膚貼
付用粘着テープにあっては、耐水性や貼付性などの物理
的な性質においては優れたものであったが、実際の使用
に際しての使用感としては不十分なものであることが分
かった。
【0007】そこで、上記耐水接着性や屈曲部接着性、
糊残り防止性、皮膚非刺激性をある程度維持しつつ、肌
の弱い部分に貼付した場合であっても十分に使用感の良
好な救急絆創膏を提供することを目的として鋭意検討し
た結果、粘着剤の構成材料であるオルガノシロキサン系
ポリマーと(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成
分とするアクリル系ポリマーとの混合比率をさらに特定
することで、オルガノシロキサン系ポリマーの強接着性
とアクリル系ポリマーのタック感を向上し、剥離時の痛
みを低減できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本願発明に係る
救急絆創膏は、支持体の片面に積層された皮膚貼付用の
粘着剤層表面の中央域に吸液性パッドを設けた救急絆創
膏であって、前記粘着剤層が、オルガノシロキサン系ポ
リマー及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成
分とするアクリル系ポリマーを、重量比5:95〜1
9:81の比率で含有し、ミクロ層分離構造を有してい
ることを特徴としている。
【0009】このとき、前記アクリル系ポリマーを、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと官能性モノマー
との共重合体から形成するのが好ましい。
【0010】若しくは本発明にあっては、前記オルガノ
シロキサン系ポリマーと前記アクリル系ポリマーとを、
重量比5:95〜14:86の比率で含有するのがよ
い。
【0011】さらに本発明にあっては、支持体として、
ポリエステル系ポリウレタンフィルム又はポリエーテル
系ポリウレタンフィルムを用いるのが好都合である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の救急絆創膏には上記した
ように、支持体の片面に皮膚貼付用の粘着剤層を積層し
てなる皮膚貼付用粘着テープが用いられており、当該皮
膚貼付用粘着テープに用いられる支持体は、後述する粘
着剤層を投錨性よく片面に積層保持するものである。こ
の支持体の具体的な材質としては、ポリスチレン系の熱
可塑性エラストマーフィルムやポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/
メタクリル酸メチルなどのポリオレフィン系フィルム、
エーテル系やエステル系などのポリウレタン系フィル
ム、ポリエステル系フィルム、各種プラスチック材料か
らなる織布や不織布、編布、紙、その他これらのフィル
ム同士の積層体、布帛や紙同士の積層体、フィルムと布
帛との積層体などを用いることができる。
【0013】使用する支持体の厚みは材質によって任意
であるが、通常、フィルムを支持体とする場合には15
〜250μm、好ましくは30〜100μm程度とし、
織布や不織布などの布帛や紙などを支持体とする場合に
は50〜500μm、好ましくは100〜300μm程
度とする。なお、後者のように布帛や紙などを支持体材
料に用いると、絶対厚みを測定しにくいので、坪量が8
〜200g/m2程度のものを用いることが好適であ
る。
【0014】これらの支持体のうち、感温性(温度変化
に対して特性変化が少ない)や柔軟性(皮膚追従性)、
適度な透湿性、引張強度などの点からポリウレタン系フ
ィルムが好ましく、特にポリエステル系ポリウレタンフ
ィルムやポリエーテル系ポリウレタンを用いることが好
ましい。
【0015】本発明において上記支持体の片面に積層さ
れ、皮膚面に粘着して接する粘着剤層は、オルガノシロ
キサン系ポリマー及び(メタ)アクリル酸エステルを主
成分とするアクリル系ポリマーの混合物から形成され
る。これらの比率は、重量比で5:95〜19:81若
しくは重量比5:95〜14:86とするのが好まし
い。オルガノシロキサン系ポリマーがこれよりも多くな
ると(アクリル系ポリマーが少なくなりすぎると)、皮
膚面への長時間にわたる接着性の維持や耐水性はよくな
るが、貼付時のタック感が悪く、また剥離時の痛みが強
くなる。
【0016】一方、オルガノシロキサン系ポリマーがこ
れよりも少なくなると(アクリル系ポリマーが多くなり
すぎると)、オルガノシロキサン系ポリマーを添加した
効果が発揮できず、長時間に渡って接着性が維持できな
くなり、救急絆創膏などに加工した場合には、すぐに脱
落してしまい、耐水性も劣る。
【0017】このように本発明では、特開平9−206
369号公報に開示されたものよりも、オルガノシロキ
サン系ポリマーの比率をより小さくすることによって、
タック感をさらに向上させると共に剥離時の抵抗も減少
し、剥離時の痛みをより一層和らげることを特徴とする
ものである。
【0018】上記粘着剤に用いるオルガノシロキサン系
ポリマーは、その表面張力が他のポリマーに比べて特異
的に低く、接着する皮膚の表面との密着性を良好にする
ものである。本発明におけるオルガノシロキサン系ポリ
マーとは、粘着剤としても用いることができるものであ
って、具体的にはオルガノシロキサン系のゴム成分とシ
リコーン系樹脂を縮合触媒の存在下でシラノール基を脱
水縮合させたポリマーが用いられる。
【0019】オルガノシロキサン系のゴム成分として
は、重量平均分子量が15万〜150万程度、好ましく
は20万〜100万程度のジメチルポリシロキサンを用
いることができ、分子内のメチル基の一部をフェニル基
やビニル基で置換したものを好適に用いることができ
る。代表的にはゼネラルエレクトリック社製のPSA6
574などに代表されるアルキルアリールポリシロキサ
ン生ゴムとオルガノシロキサン樹脂との混合物の相互縮
合物を用いることができる。
【0020】シリコーン樹脂としては、一官能性シロキ
サン単位と四官能性シロキサン単位からなる三次元構造
体のものを用いることができ、粘着感を付与する機能を
有する。通常、重量平均分子量1,000〜30,00
0、好ましくは3,000〜10,000程度のものを
用いることができる。
【0021】上記皮膚貼付用粘着テープの粘着剤層を構
成する成分として上記オルガノシロキサン系ポリマーと
共に含有させるアクリル系ポリマーは、粘着剤層に対す
る十分な初期粘着性(タック感)の付与や、剥離時の糊
残りの防止、架橋したアクリル系ポリマーを含有させる
ことによって充填剤的な機能を発揮させるものであっ
て、粘着物性の調整が比較的容易な(メタ)アクリル酸
アルキルエステルを主成分とするものを用いる。好まし
くは、特にアクリル酸アルキルエステル若しくはメタア
クリル酸アルキルエステル(以下、(メタ)アクリル酸
アルキルエステルという)を主成分モノマーとし、他の
共重合性モノマーと共重合して得られる粘着剤を用いる
ことが好ましい。
【0022】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、具体的にはアルキル基がブチル、ペンチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウン
デシル、ドデシル、トリデシルなどの炭素数4〜13の
直鎖アルキル基や分岐アルキル基などを有する(メタ)
アクリル酸アルキルエステルを用いることができ、これ
らは一種若しくは二種以上を用いることができる。
【0023】なお、上記(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルは上記例示のものに限定されるものではなく、粘
着特性を著しく低下させない範囲であれば、炭素数1〜
3の低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルや炭素数14以上の高級アルキル基を有する
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを併用してもよ
い。
【0024】また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルと共重合することができる共重合性モノマーとし
ては、共重合反応に関与する不飽和二重結合を分子内に
少なくとも一個有すると共に、カルボキシル基(例えば
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸など)やヒドロキシル基(例えば(メタ)アク
リル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピルエステルなど)、スルホキシル基
(例えばスチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、(メ
タ)アクリル酸スルホプロピルエステル、(メタ)アク
リロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミド
メチルプロパンスルホン酸など)、アミノ基(例えば
(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)ア
クリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アク
リル酸tert−ブチルアミノエチルエステルなど)、
アミド基(例えば(メタ)アクリルアミド、ジメチル
(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メ
タ)アクリルアミドなど)、アルコキシル基(例えば
(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)
アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル
酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アク
リル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メ
タ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステルなど)
などの官能基を側鎖に有するモノマーを用いることがで
きる。これら以外に共重合できるモノマーとしては、例
えば(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニ
ルピロリドン、ビニルピロリドン、ビニルピペリドン、
ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジ
ン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプ
ロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリンな
どを用いることができる。
【0025】これらの共重合性モノマー(官能性モノマ
ー)は一種若しくは二種以上共重合することができる
が、粘着特性としての接着性や凝集性、また、必要に応
じて行なう粘着剤層の架橋処理する際の反応性などの点
から、カルボキシル基含有モノマーやヒドロキシル基含
有モノマーの少なくとも一種を必須成分とし、必要に応
じて上記例示の他のモノマーを共重合することが特に好
ましいものである。上記共重合性モノマーの共重合量は
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む全モノ
マー中、50重量%以下、好ましくは2〜40重量%の
範囲となるように任意に設定することができる。
【0026】本発明に用いる粘着剤層は、上記2種類の
粘着性ポリマーを混合したものであるが、混合比率によ
っては粘着剤層の凝集性に劣り、皮膚面からの剥離時に
凝集破壊をする恐れがある。従って、粘着剤層の機械的
強度を向上させるために、必要に応じて粘着剤層に架橋
処理を施すことが好ましい。
【0027】架橋方法としては紫外線照射や電子線照射
などの放射線照射による物理的架橋や、イソシアネート
系化合物や有機過酸化物、有機金属塩、金属アルコラー
ト、金属キレート化合物、多官能性化合物(多官能性外
部架橋剤やジアクリレートやジメタクリレートなどの多
官能性内部架橋用モノマー)などの架橋剤を用いた化学
的架橋処理などが挙げられる。これらの架橋処理のう
ち、架橋反応性や架橋度合の調整のし易さ、取扱い性の
点から、三官能性イソシアネートなどのイソシアネート
系化合物を用いた外部架橋剤処理を行なうことが好まし
い。これらの架橋剤の配合量は粘着剤層の固形分100
重量部に対して0.01〜1.0重量部程度である。
【0028】本発明の救急絆創膏に用いられる皮膚貼付
用粘着シートにおける粘着剤層は、上記構成からなるも
のであり、極めて疎水性が高く表面張力が小さいオルガ
ノシロキサン系ポリマーと、適度な疎水性と親水性を兼
備したアクリル系ポリマーが混合されている。従って、
完全にこれらのポリマー同士は相溶しておらず、粘着剤
層はミクロ層分離構造を有するようになる。
【0029】このミクロ層分離構造の状態は用いるオル
ガノシロキサン系ポリマーやアクリル系ポリマーの種類
によって異なるものであるが、オルガノシロキサン系ポ
リマー/アクリル系ポリマーの比率が1/2未満である
ので、本発明の粘着剤層にあっては明確な層分離構造が
得られる。この場合には、アクリル系ポリマーが連続相
のマトリックス(海)となり、オルガノシロキサン系ポ
リマーがマトリックス中に分散しているドメイン(島)
となるミクロドメイン構造(海島構造)を有するように
なる。この場合、アクリル系ポリマーの特性が強く発揮
され、オルガノシロキサン系ポリマーの特性が補強的に
付加されるようになり、初期粘着性や剥離時の糊残りの
防止性に優れたものとなる。また、本発明にあっては、
オルガノシロキサン系ポリマー/アクリル系ポリマーの
比率がより小さくなる結果、アクリル系ポリマーからく
るタック感がより一層向上され、剥離時の痛みもより一
層和らげられるものと考えられる。
【0030】本発明においては、上記のように支持体の
片面に特定の組成及びミクロ構造を有する粘着剤層を積
層してなるものであるが、支持体の露出表面の全部若し
くは一部に印刷処理を施すことができる。印刷処理によ
って形成される印刷層は支持体表面の耐摩耗性を向上さ
せると共に、滑り性を向上させることができる。つま
り、滑り性が悪いと皮膚面への貼付使用中に衣服などと
の擦れによってシート端部の捲れ(剥がれ)現象が生じ
やすい。従って、印刷層を熱融着や塗工処理によって支
持体の露出表面に形成することによってこれらの欠点が
解消されるのである。
【0031】印刷層はアクリル系樹脂やブチラール樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重
合樹脂、エチルセルロース、ポリウレタンなどを主成分
とするものを用いることができるが、防水性などを向上
させるためには印刷層を形成したのち、その上にシリコ
ーン系やフッ素系の撥水処理剤などを塗布することが好
ましい。
【0032】また、本発明における支持体として、透湿
性がない材質のフィルムを用いた場合には、皮膚面に長
時間貼付すると貼付部位にムレを生じて、その結果、皮
膚かぶれなどを起こすことがある。従って、このような
支持体を用いる場合や透湿性を有する支持体を用いる場
合であっても、さらに透湿性を付与したい場合には、支
持体及び粘着剤層に穿孔処理を施すことが好ましい。穿
孔処理を施すには穿孔ロールによる方法や、パンチン
グ、レーザ照射などの方法を用いることができ、穴径は
0.2〜2mm程度とする。
【0033】本発明の救急絆創膏は、このようにして得
られた皮膚貼付用粘着シートの粘着剤層表面のほぼ中央
域に、吸液性パッドが設けられてなるものである。吸液
性パッドとしては、従来から使用されている公知のもの
が用いられる。当該吸液性パッドとしては、例えばガー
ゼや織布、不織布、脱脂綿と不織布との複合品、脱脂綿
と編ネットとの複合品などを用いることができる。
【0034】また、その大きさは基材層となる皮膚貼付
用粘着シートの大きさによっても異なるが、吸液性パッ
ドの周囲に皮膚貼付用粘着シートの粘着剤層が少なくと
も2〜3mm程度露出されるような大きさに調整するの
が好ましい。
【0035】上記本発明の救急絆創膏では、粘着剤層の
表面の汚染を防ぐために、使用するまで粘着剤層表面を
セパレータにて被覆しておくことが好ましい。この場
合、使用するセパレータはオルガノシロキサン系ポリマ
ーを含有する粘着剤層との離型性を良好とするためにシ
リコーン系の離型剤を用いたものを用いることが好適で
ある。
【0036】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的
に説明する。以下、文中における「部」とは「重量部」
を意味し、「%」とは「重量%」を意味する。
【0037】(実施例1)アクリル酸2−エチルヘキシ
ルエステル60部とアクリル酸イソオクチルエステル3
6部とアクリル酸4部を、重合溶媒として酢酸エチルと
共に反応容器内に仕込み、重合開始剤として過酸化ベン
ゾイル0.3部の存在下、常法によって重合反応を行
い、アクリル系ポリマーを得た。得られたアクリル系ポ
リマーの固形分濃度は35重量%であった。
【0038】一方、オルガノシロキサン系ポリマーに
は、ゼネラルエレクトリック社製の商品名、PSA65
74を用いた。
【0039】次に上記オルガノシロキサン系ポリマーと
アクリル系ポリマーを、固形分比率で15:85の比率
で混合し、トルエンにて固形分濃度が30%の粘着剤溶
液に調整した。
【0040】このようにして得た粘着剤溶液を、片面を
シリコーン系離型剤にて処理したセパレータの離型処理
面に、乾燥後の厚みが30μmとなるように塗布、乾燥
して粘着剤層を形成した。次いで、上記にて得た粘着剤
層の上面にポリエーテル系ポリウレタンフィルムを貼り
合わせて、皮膚貼付用粘着シートを得た。
【0041】この皮膚貼付用粘着シートを19mm×7
2mmの大きさに裁断し、粘着剤層表面の中央域に15
mm×20mmの大きさのガーゼパッドを設けて実施例
1の救急絆創膏を得た。
【0042】(実施例2)実施例1にて配合したオルガ
ノシロキサン系ポリマーとアクリル系ポリマーの比率
を、固形分比率で5:95とした以外は、実施例1と同
様にして実施例2の救急絆創膏を得た。
【0043】(比較例1)実施例1において粘着剤層を
アクリル系ポリマーのみで形成した以外は、実施例1と
同様にして比較例1の救急絆創膏を得た。
【0044】(比較例2)実施例1においてオルガノシ
ロキサン系ポリマーとアクリル系ポリマーの比率を、固
形分比率で70:30とした以外は、実施例1と同様に
して比較例2の救急絆創膏を得た。
【0045】(実施例3)アクリル酸イソノニルエステ
ル90部とアクリル酸ブチルエステル5部とアクリル酸
5部を、重合溶媒として酢酸エチルと共に反応容器内に
仕込み、重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.3部の
存在下、常法によって重合反応を行い、アクリル系ポリ
マーを得た。得られたアクリル系ポリマーの固形分濃度
は35重量%であった。
【0046】一方、オルガノシロキサン系ポリマーに
は、ゼネラルエレクトリック社製の商品名、PSA65
74を用いた。
【0047】次に上記オルガノシロキサン系ポリマーと
アクリル系ポリマーを、固形分比率で19:81の比率
で混合し、トルエンにて固形分濃度が30%の粘着剤溶
液に調整した。
【0048】このようにして得た粘着剤溶液を、片面を
シリコーン系離型剤にて処理したセパレータの離型処理
面に、乾燥後の厚みが30μmとなるように塗布、乾燥
して粘着剤層を形成した。次いで、当該粘着剤層の上面
にポリエチレン系ポリオレフィンフィルムを貼り合わせ
て、皮膚貼付用粘着シートを得た。
【0049】この皮膚貼付用粘着シートを19mm×7
2mmの大きさに裁断し、粘着剤層表面の中央域に15
mm×20mmの大きさのガーゼパッドを設けて実施例
3の救急絆創膏を得た。
【0050】(比較例3)天然ゴム50部、テルペン樹
脂100部、ポリブテン35部を主成分とするゴム系粘
着剤を作成して、トルエンにて固形分濃度を30重量%
に調整した。
【0051】このようにして得られた粘着剤溶液を、8
0μm厚の軟質塩化ビニルフィルムの片面に、乾燥後の
厚みが35μmとなるように塗布、乾燥して皮膚貼付用
粘着シートを得た。
【0052】この皮膚貼付用粘着シートを19mm×7
2mmの大きさに裁断し、粘着剤層表面の中央域に15
mm×20mmの大きさのガーゼパッドを設けて比較例
3の救急絆創膏を得た。
【0053】〔比較試験〕上記各実施例及び比較例で得
た救急絆創膏を、健常人15名の人差し指の第2関節に
ラップ巻き及び上腕内側(かぶれやすい部位)に平貼り
して、皮膚接着性、耐水性、剥がす際の痛み、糊残り、
むれ、皮膚刺激について表1に示す基準に従って評価
し、その結果を表1に示した。なお、貼付時間は8時間
とし、日常の水仕事を行なってもらい評価した。
【0054】
【表1】
【0055】表1からも分かるように、本発明の救急絆
創膏にあっては、各比較例と比べて同等若しくはそれ以
上の皮膚接着性でありながら、痛みや皮膚刺激が少なく
なった。特にオルガノシロキサン系ポリマーとアクリル
系ポリマーとからなる粘着剤層を使用した場合でも、オ
ルガノシロキサン系ポリマーを多く配合した場合(比較
例2)に比べると、痛みが著しく軽減されることが確認
できた。また、剥離時の糊残りも少なく、良好な耐水性
を得ることも確認できた。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明の救急絆創膏にあ
っては、オルガノシロキサン系ポリマーとアクリル系ポ
リマーとを、前者の割合が相対的に低くなるように特定
の比率にて混合した粘着剤層を用い、その混合状態がミ
クロ層分離構造となるようにしているので、皮膚面に対
する初期接着性や長期間接着性(密着性)に優れると共
に、耐水性や屈曲部への接着性、糊残りの防止性、皮膚
非刺激性などに優れるものである。特に、オルガノシロ
キサン系ポリマーを相対的に低くなるようにしているの
で、貼付時におけるタック感がより一層向上し、剥離時
の痛みを軽減することができる。特に、内腕などの肌の
弱い部分にでも、剥離時の傷みを気にならずに使用する
ことができ、粘着剤層の特性を最大限に発揮できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木之下 隆士 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 岡 京磁 滋賀県蒲生郡日野町寺尻1008番地 東洋化 学株式会社内 Fターム(参考) 4C081 AA03 AA12 BA17 BB01 BB04 BB09 CA021 CA031 CA081 CA082 CA161 CA211 CA221 CA272 CB042 CB051 CC01 DA02 DC02 DC04 DC05 DC06 DC12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に積層された皮膚貼付用の
    粘着剤層表面の中央域に吸液性パッドを設けた救急絆創
    膏であって、 前記粘着剤層が、オルガノシロキサン系ポリマー及び
    (メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするア
    クリル系ポリマーを、重量比5:95〜19:81の比
    率で含有し、ミクロ層分離構造を有していることを特徴
    とする救急絆創膏。
  2. 【請求項2】 前記アクリル系ポリマーは、(メタ)ア
    クリル酸アルキルエステルと官能性モノマーとの共重合
    体から形成されたことを特徴とする請求項1記載の救急
    絆創膏。
  3. 【請求項3】 前記粘着剤層が、オルガノシロキサン系
    ポリマー及び前記アクリル系ポリマーを、重量比5:9
    5〜14:86の比率で含有したことを特徴とする請求
    項1又は2記載の救急絆創膏。
  4. 【請求項4】 前記支持体は、ポリエステル系ポリウレ
    タンフィルム又はポリエーテル系ポリウレタンフィルム
    であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の救急
    絆創膏。
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